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JPH10316414A - エアロゲルの製造方法 - Google Patents

エアロゲルの製造方法

Info

Publication number
JPH10316414A
JPH10316414A JP10039092A JP3909298A JPH10316414A JP H10316414 A JPH10316414 A JP H10316414A JP 10039092 A JP10039092 A JP 10039092A JP 3909298 A JP3909298 A JP 3909298A JP H10316414 A JPH10316414 A JP H10316414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrosol
ion exchange
airgel
hydrogel
water glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10039092A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Sonoda
健二 園田
Masaru Yokoyama
勝 横山
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Kenji Tsubaki
健治 椿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP10039092A priority Critical patent/JPH10316414A/ja
Publication of JPH10316414A publication Critical patent/JPH10316414A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Thermal Insulation (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性や断熱性に優れ、しかも水や湿気など
による経時劣化のないエアロゲルの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 水ガラス溶液を、水ガラス溶液中のアル
カリ金属のモル数に対してイオン交換可能なモル数の比
が1以上のイオン交換樹脂を用いて、イオン交換してヒ
ドロゾルを得る。このヒドロゾルを懸濁重合してヒドロ
ゲルを調製する。次いでこのヒドロゲルを疎水化処理す
ると共に超臨界乾燥する。イオン交換樹脂によるイオン
交換で水ガラス溶液中のアルカリ金属原子を除去するこ
とができ、、また超臨界乾燥によってヒドロゲルの構造
体が破壊・凝集することなく乾燥を行なうことができ
る。しかも疎水化処理によって水分がエアロゲルに吸着
されることを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水ガラスを原料と
するエアロゲルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水ガラスを原料として製造されるエアロ
ゲルは、断熱材等として使用されている。そしてこの水
ガラスを原料としてエアロゲルを製造する方法として、
従来から特開昭47−15398号公報、特開平2−3
04299号公報、米国特許第5137927号公報等
で提供されているものがある。
【0003】これらの方法は、水ガラス溶液に硫酸等の
ゲル化剤を混合し、ゲル化寸前のゾルを作製した後に、
このゲル化寸前のゾルをノズルから噴出させ、噴出直後
にこのゾルをゲル化させることによって、粒状のゲル状
化合物を調製し、これを乾燥することによってエアロゲ
ルを製造するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の方法で
は、水ガラス溶液が短時間でゲル化するpHになるよう
にゲル化剤を混合し、そしてこれをノズルから噴出させ
る際に瞬時にゲル化させるようにしているため、ゲル状
化合物内のシリカ粒子の粒径や結合構造が不均一にな
り、最終的に得られるエアロゲルは透光性が乏しいもの
であった。また水ガラス溶液中に含まれるナトリウム等
のアルカリ金属原子がゲル化の際にシリカ骨格中に取り
込まれたり、アルカリ金属原子の存在によって均一なシ
リカ骨格の形成が妨げられたりすることによっても、エ
アロゲルの透光性が低下するものであった。しかも、エ
アロゲルは吸水したり吸湿したりすると、寸法収縮等が
発生して断熱性や透光性が経時的に劣化するという問題
もあった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、透光性や断熱性に優れ、しかも水や湿気などによ
る経時劣化のないエアロゲルの製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエアロゲル
の製造方法は、水ガラス溶液を、水ガラス溶液中のアル
カリ金属のモル数に対してイオン交換可能なモル数の比
が1以上のイオン交換樹脂を用いて、イオン交換してヒ
ドロゾルを得た後、このヒドロゾルを懸濁重合してヒド
ロゲルを調製し、次いでこのヒドロゲルを疎水化処理す
ると共に超臨界乾燥することを特徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、上記の懸濁重合
を、ヒドロゾルを溶解しない貧溶媒中に、貧溶媒を攪拌
しながら上記のイオン交換したヒドロゾルを滴下して行
なうことを特徴とするものである。また請求項3の発明
は、上記の貧溶媒として、シリコーンオイル、キシレ
ン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ひまし油か
ら選ばれるものを用いることを特徴とするものである。
【0008】また請求項4の発明は、イオン交換した後
のヒドロゾル中に塩基性物質を添加してヒドロゾルを中
和することを特徴とするものである。また請求項5の発
明は、貧溶媒中に塩基性物質を添加することを特徴とす
るものである。また請求項6の発明は、上記の塩基性物
質として、アンモニア、ピリジン、ヒドラジン、ピペリ
ジンから選ばれるものを用いることを特徴とするもので
ある。
【0009】また請求項7の発明は、ヒドロゲルの疎水
化処理を、超臨界状態で行なうことを特徴とするもので
ある。また請求項8の発明は、貧溶媒中に分散剤を添加
することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。水ガラスは、分子式がm(M2 O)・n(SiO
2 )〔m,nは正の整数、Mはアルカリ金属原子)で表
されるものであり、JIS K 1408に規格されて
いる。本発明ではこの中でも、水ガラスとしてケイ酸ナ
トリウムやケイ酸カリウムの水溶液を用いるのが好まし
く、シリカゾルのコロイド溶液を水ガラスとして用いる
こともできる。水ガラス溶液のシリカ濃度は、嵩密度、
屈折率、断熱性、透光性等のヒドロゲルに要求される物
性に応じて適宜、調整されるものである。
【0011】また本発明においてイオン交換樹脂として
は、スチレン系、アクリル系、メタクリル系等の陽イオ
ン交換樹脂を用いることができる。このようなイオン交
換樹脂を用いてイオン交換することにより、水ガラス溶
液中のナトリウム原子などアルカリ金属原子を除去する
ものである。ここで、イオン交換樹脂の量は、イオン交
換しようとする水ガラス溶液中に含まれるアルカリ金属
原子を全て水素と交換することが可能な量に設定する必
要がある。すなわち、イオン交換しようとする水ガラス
溶液中のアルカリ金属原子のモル数に対して、イオン交
換樹脂が水素イオンの交換可能なモル数(総交換容量)
の比が1以上になるように、イオン交換樹脂の量を設定
する必要がある。ここで、水ガラス溶液中のアルカリ金
属原子のモル数に対するイオン交換樹脂のイオン交換可
能なモル数の比の上限は特に設定されないが、イオン交
換樹脂の使用量が多くなるにつれて経済的に不利になる
ので、このモル数の比の上限は3である。このモル数の
比の好ましい範囲は1〜2である。
【0012】水ガラス溶液をイオン交換樹脂でイオン交
換する方法としては、イオン交換樹脂を充填した充填層
に水ガラス溶液を通過させてアルカリ金属イオンを水素
イオンに置換する方法、あるいは、イオン交換樹脂を水
ガラス溶液と混合し、攪拌してアルカリ金属イオンを水
素イオンに置換した後にイオン交換樹脂を濾過するなど
して分離する方法が挙げられる。このようにしてイオン
交換された水ガラス溶液は、溶液中のアルカリ金属原子
が水素原子に置換され、酸性溶液となったヒドロゾルと
なる。
【0013】上記のようにイオン交換した後のヒドロゲ
ルのpHは2〜4程度にまで下がるので、ヒドロゾルを
ゲル化させ易くするために塩基性物質をヒドロゲルに添
加する。この塩基性物質としては、アンモニア、ピリジ
ン、ヒドラジン、ピペリジン等を挙げることができ、こ
れらのうち一種単独をあるいは複数種を併用して用いる
ことができる。これらの塩基性物質を添加することによ
ってヒドロゾルのpH値を中性付近にし、ヒドロゾルが
所定の時間が経過した時点でゲル化するようにするもの
であり、ヒドロゾルのpHが5〜7の範囲になるように
塩基性物質の添加量を調整するのが好ましい。
【0014】次に、このヒドロゾルを懸濁重合させる。
懸濁重合は、上記のイオン交換した後のヒドロゾルを溶
解しない貧溶媒を用い、この貧溶媒を攪拌しながら、貧
溶媒中にイオン交換した後のヒドロゾルを滴下し、ヒド
ロゾルがゲル化するために必要な所定時間が経過するま
で攪拌することによって行なうことができるものであ
る。このような貧溶媒としては、シリコーンオイル、キ
シレン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ひまし
油等を挙げることができ、これらのうち一種単独をある
いは複数種を併用して用いることができる。このように
貧溶媒を攪拌しながらヒドロゾルを滴下してゲル化させ
ることによって、ヒドロゾルは貧溶媒中に分散されなが
らゲル化し、ほぼ球状のビーズ状になったヒドロゲルを
得ることができるものである。尚、ゲル化するまでに長
時間を要する場合においても、このような手法を適用す
ることが可能であり、例えば、低密度のゲルを作製する
場合等に有用である。
【0015】ここで、この懸濁重合の際の攪拌条件、す
なわち容器の形状や寸法、攪拌器の形状や寸法、攪拌速
度、ヒドロゾルと貧溶媒との混合割合等によって、ヒド
ロゲルのビーズ径が変化する。従って攪拌条件を変える
ことによって、任意のビーズ径のヒドロゲルを得ること
ができるものである。また、上記のように懸濁重合を行
なうにあたって、貧溶媒中に予め分散剤を添加しておく
ことによって、貧溶媒にヒドロゾルを効率良く分散させ
ることができる。分散剤としては、重金属セッケン、ラ
ノリン、ロジン、コレステリン、レシチン、ソルビタン
モノオレイン酸エステル等の非イオン界面活性剤の中の
多価アルコールの脂肪酸エステル等を用いることができ
るものであり、貧溶媒に対して1〜20重量%の範囲で
添加するのが好ましく、より好ましくは5〜10重量%
である。
【0016】尚、上記では、懸濁重合の工程の前の段階
で、イオン交換したヒドロゲルに塩基性物質を添加する
ようにしたが、塩基性物質は貧溶媒に添加するようにし
てもよい。貧溶媒への塩基性物質の添加は、貧溶媒にヒ
ドロゾルを滴下した後に攪拌しながらこの懸濁液に塩基
性物質を添加するようにしてもよく、また貧溶媒に予め
塩基性物質を添加しておいてこれに攪拌しながらヒドロ
ゾルを滴下するようにしてもいずれでもよい。
【0017】次に、このようにして得られたゲルを水あ
るいは酸性水で洗浄した後、ゲルに疎水化処理剤を反応
させて疎水化処理を施す。ゲルは、疎水化処理を効率よ
く行なうために予め水分を除去しておくのが好ましい。
ゲルの水分を除去する方法としては、特に限定されるも
のでないが、後述の疎水化処理剤を溶解させるための溶
媒を用いてゲルを洗浄する方法が好ましい。
【0018】疎水化処理剤は、ゲルのケイ素原子に結合
するOH基(シラノール基)に対して反応する官能基と
疎水基を有するものであり、シラノール基に対して反応
する官能基としては、例えば、ハロゲン、アミノ基、イ
ミノ基、カルボキシル基、及びアルコキシル基が挙げら
れる。疎水基としては、例えばアルキル基、フェニル
基、及びそれらのフッ化物等が挙げられる。疎水化処理
剤は、上記官能基及び疎水基をそれぞれ1種のみ有して
もよいし、2種以上を有してもよい。疎水化処理剤の具
体例を挙げると、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチ
ルジシロキサン、トリメチルクロロシラン、トリメチル
メトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチ
ルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ジメチ
ルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチル
トリクロロシラン等の有機シラン化合物であり、これら
以外にも、酢酸、ギ酸、コハク酸等のカルボン酸や、メ
チルクロリド等のハロゲン化アルキルなどの有機化合物
を挙げることができる。疎水化処理剤は1種のみを用い
てもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0019】疎水化処理を行う手法としては、特に限定
されないが、例えば、疎水化処理剤を溶媒に溶解させた
溶液中にゲルを浸漬し、混合するなどしてゲル内に疎水
化処理剤を浸透させた後、必要に応じて加熱することに
よって疎水化処理反応を行なわせる方法等が挙げられ
る。疎水化処理時に用いる溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、ベ
ンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ
る。疎水化処理剤が容易に溶解し、かつ、ゲルの含有す
る溶媒(前述の貧溶媒)と置換可能なものであれば、上
記に限定されるものではないが、ゲルは後で超臨界乾燥
を行うため、超臨界乾燥の容易な媒体、例えば、メタノ
ール、エタノール、液体二酸化炭素等と同一種類もしく
はそれとの置換が容易なものが好ましい。
【0020】疎水化処理は、ゲルの有するシラノール基
の水酸基を疎水化処理剤の官能基と反応させることによ
って疎水化処理剤の疎水基をゲルに導入し、ゲルを疎水
化するために行うものである。従って、疎水化処理剤の
使用量は、ゲルの粒子表面のシラノール基数に対して充
分になるように設定するのが好ましい。例えば、重量比
で(ゲル)/(疎水化処理剤)=0.5〜10程度の範
囲が好ましいが、これは、疎水化処理反応を行うときの
溶媒量、温度、時間など、また、コストと性能の兼ね合
い等から適宜選択されるものであり、この範囲に限定さ
れるものではない。また、溶媒の使用量も特に限定され
るものではない。上記のように疎水化処理したゲルは、
ゲルの有するシラノール基の水酸基が疎水基で置換され
て疎水化したものであり、ゲルの固形分と懸濁重合や疎
水化処理時に用いた溶媒との2相からなるものである。
【0021】次に、上記のように疎水化処理したゲルを
超臨界乾燥する。ここで、超臨界乾燥とは、ゲルに含ま
れている溶媒の臨界点または臨界点よりも高温・高圧の
雰囲気中で溶媒を徐々に除去する乾燥法である。超臨界
乾燥を行う際には、必要に応じてゲル中の溶媒を、超臨
界乾燥の媒体として用いる溶媒に予め置換しておく。そ
の際、超臨界乾燥の媒体として用いる溶媒は、ゲル中の
溶媒よりも臨界点の低い化合物からなるものを用いるこ
とが好ましい。例えば、疎水化処理時の溶媒を超臨界乾
燥の媒体としてそのまま用いてもよく、この場合は溶媒
の置換操作を行う必要はない。また超臨界乾燥の媒体と
して用いられる溶媒は、臨界点以上の温度・圧力の設定
が容易なものが好ましい。具体的には、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール等のアルコールや、ジクロロジフルオロメタ
ン、液化二酸化炭素、水等の単独系または2種以上の混
合系を挙げることができる。超臨界乾燥の媒体として用
いられる溶媒は、前述した疎水化処理時に用いられる溶
媒と同一種類のものを用いてもよいし、それらと異なる
種類のものを用いてもよい。
【0022】そして疎水化処理したゲルを超臨界乾燥さ
せる方法としては、例えば超臨界乾燥の媒体として液化
二酸化炭素を用いる場合、ゲルを液化二酸化炭素(50
〜60気圧程度)中に浸潰して、ゲルに含まれる溶媒の
全部または一部を、この溶媒よりも臨界点が低い液化二
酸化炭素に置換した後、二酸化炭素の単独系、または二
酸化炭素とゲルに含まれる溶媒との混合系の超臨界条件
下で、乾燥を行なう方法が挙げられる。またこのような
液化二酸化炭素との置換を行わず、ゲルに含まれる溶媒
の超臨界条件下で乾燥する方法も可能である。
【0023】尚、ゲルの疎水化処理に用いる溶媒と、超
臨界乾燥に用いる溶媒を同一種類のものにする場合、疎
水化処理を超臨界状態で行なうようにすれば、疎水化処
理と超臨界乾燥とを、一連の連続した工程で行なうこと
が可能になるものである。このように超臨界乾燥を行な
ってゲルに含有される溶媒を除去することによって、エ
アロゲルを得ることができるものであり、このような超
臨界乾燥では溶媒の相転移、すなわち気化、凝縮が起こ
らないために、溶媒を除去する際にゲルの構造体が破壊
・凝集することを抑制することができ、得られたエアロ
ゲルは多孔質なものとなり、高い断熱性能を有するもの
である。またイオン交換樹脂によるイオン交換によって
アルカリ金属原子を除去しているために、非常に微細な
シリカ粒子からなる構造体のエアロゲルを得ることがで
きるものであり、このシリカ粒子の径は光の波長よりも
はるかに小さく、しかもシリカ粒子の粒子空間は空気の
平均自由行程よりも小さく均一であって、多孔質である
にもかかわらず高い透光性を有するものである。さら
に、エアロゲルは表面のシラノール基の水酸基が疎水化
処理剤の疎水基に置換されて疎水化されているので、雰
囲気中の水分がエアロゲルに吸着されるようなことがな
くなり、吸水や吸湿による寸法収縮等によってエアロゲ
ルの断熱性や透光性などの特性が経時的に変化すること
を防ぐことができるものである。
【0024】上記のようにして製造されるエアロゲル
は、例えば開口部での断熱材、音響材料、チェレンコフ
素子、触媒担持体等の用途に使用することができるもの
である。ここで、エアロゲルはビーズ状に得られるもの
であり、エアロゲルを断熱材として使用する場合、ビー
ズ径は使用する断熱材の厚みや必要性能によって適宜選
択することができるが、より高い断熱性能が要求される
場合には、ビーズ径の異なる複数種のエアロゲルを混合
して、充填密度を高くすることが好ましい。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例1)ケイ酸ナトリウム水溶液(日本化学工業株
式会社製「Jケイ酸ソーダ3号」:二酸化ケイ素29重
量%、酸化ナトリウム9.5重量%、pH11)を10
重量部、イオン交換水32重量部を配合した水ガラス溶
液を、スチレン系イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製
「アンバーライトIR−120B」)が充填されたカラ
ム内を通過させることによってイオン交換させた。この
とき、水ガラス溶液中のナトリウム原子のモル数とイオ
ン交換樹脂の交換可能なモル数の比は1:2であった。
そしてイオン交換樹脂を通過させることによって得られ
たヒドロゾル溶液のpHは3であった。
【0026】次に、このヒドロゾル溶液200重量部
に、2.8重量%濃度のアンモニア水を1重量部添加
し、素早く攪拌した。このようにアンモニア水を添加す
ることによって、ヒドロゾル溶液のpH値は6になっ
た。次に、このヒドロゾル溶液500gをシリコーンオ
イル(東レダウコーニングシリコーン株式会社製「SH
200オイル」:粘度20CS(at25℃))150
0g中に滴下し、5分間攪拌を継続して懸濁重合を行な
わせ、ヒドロゲルを得た。ここで使用した容器は2リッ
トルのトールビーカー、攪拌羽根の形状は直径50mm
のマリンタイプ、回転数は1050rpmであった。得
られたヒドロゲルを水で洗浄し、続いてイソプロパノー
ルでヒドロゲルを洗浄してヒドロゲル中の水をイソプロ
パノールで置換した。
【0027】次に1.2モル/リットルの濃度でヘキサ
メチルジシラザン(東レダウコーニングシリコーン株式
会社製試薬)をイソプロパノール溶液中に溶解した疎水
化処理剤溶液に上記のゲルを浸漬し、78℃で攪拌しな
がら24時間反応させ、ゲルを疎水化処埋した。この
後、疎水化処理したゲルをイソプロパノール中に移し、
攪拌しながら、イソプロパノールを繰り返し交換し、2
4時間溶媒置換を行った。次に、このゲルを18℃、5
5気圧の液化二酸化炭素中に入れ、ゲル内のイソプロパ
ノールを液化二酸化炭素に置換する操作を3時間行っ
た。次いで、系内を二酸化炭素の超臨界条件である、4
0℃、80気圧にし、超臨界二酸化炭素を流通させた
後、大気圧に減圧することによって、ビーズ状の疎水性
エアロゲルを得た。尚、超臨界乾燥工程に要した時間は
10時間であった。
【0028】このようにして得られたビーズ状エアロゲ
ルについて、平均粒径を測定した。また、厚み1mmの
2枚の透明アクリル板を12mmの間隔を介して平行に
配置して中空パネルを作製し、この中空パネル内に上記
のようにして得られたビーズ状エアロゲルを充填した。
充填率は70%であった。そしてこのエアロゲルを充填
したパネルの光透過率と熱伝導率を測定した。光透過率
は、照度計(横河インスツルメンツ株式会社製照度計
「型番510ー02」)を用い、アクリルボックス中で
蛍光灯を光源としてエアロゲルを充填したパネルの設置
前後の照度を測定することにより求めた。また熱伝導率
は、英弘精機株式会社製の熱伝導率測定装置を用い、A
STM−C518に基づいて、20℃〜40℃の熱伝導
率を測定することによって求めた。
【0029】(実施例2)水ガラス溶液をイオン交換す
るにあたって、水ガラス溶液中のナトリウム原子のモル
数とイオン交換樹脂の交換可能なモル数の比が1:1と
なるように、イオン交換樹脂の量を設定するようにした
他は、実施例1と同様にして、ビーズ状の疎水性エアロ
ゲルを得た。そしてこのビーズ状エアロゲルについて、
実施例1と同様に、平均粒径を測定し、また光透過率と
熱伝導率を測定した。
【0030】(実施例3)懸濁重合を行なうにあたっ
て、貧溶媒として粘度が10CSのシリコーンオイルを
用いるようにした他は、実施例1と同様にして、ビーズ
状の疎水性エアロゲルを得た。そしてこのビーズ状エア
ロゲルについて、実施例1と同様に、平均粒径を測定
し、また光透過率と熱伝導率を測定した。
【0031】(実施例4)懸濁重合を行なうにあたっ
て、貧溶媒としてシリコーンオイルの代わりにひまし油
を用いるようにした他は、実施例1と同様にして、ビー
ズ状の疎水性エアロゲルを得た。そしてこのビーズ状エ
アロゲルについて、実施例1と同様に、平均粒径を測定
し、また光透過率と熱伝導率を測定した。
【0032】(実施例5)実施例1と同様にしてケイ酸
ナトリウム水溶液をイオン交換樹脂を通過させて得られ
たヒドロゾル溶液を、実施例1と同様にしてシリコーン
オイルに滴下した後、攪拌を5分間継続しながら、この
シリコーンオイルとヒドロゾル溶液の懸濁液中に、2.
8重量%濃度のアンモニア水を、ヒドロゾル溶液200
重量部に対して1重量部の割合で添加して、懸濁重合を
行なわせた。他は、実施例1と同様にして、ビーズ状の
疎水性エアロゲルを得た。そしてこのビーズ状エアロゲ
ルについて、実施例1と同様に、平均粒径を測定し、ま
た光透過率と熱伝導率を測定した。
【0033】(実施例6)シリコーンオイル中に予め分
散剤としてソルビタンモノオレイン酸エステルを、シリ
コーンオイルに対して10重量%の割合で添加しておく
ようにした他は、実施例1と同様にして、ビーズ状の疎
水性エアロゲルを得た。そしてこのビーズ状エアロゲル
について、実施例1と同様に、平均粒径を測定し、また
光透過率と熱伝導率を測定した。
【0034】(実施例7)実施例1において得た、疎水
化処理する前のゲルを用い、このゲルを18℃、55気
圧の液化二酸化炭素中に入れ、ゲル内のイソプロパノー
ルを二酸化炭素に置換する操作を3時間行なった。次
に、系内を二酸化炭素の超臨界条件である、80℃、1
60気圧にした。この超臨界状態の雰囲気に、疎水化処
理剤としてへキサメチルジシラザンを0.25モル/リ
ットルの割合で添加し、2時間かけて疎水化処理剤を超
臨界流体中に拡散させ、さらに2時間放置することで疎
水化処埋を施した。この後、系内を二酸化炭素の超臨界
条件である、40℃、80気圧にし、超臨界状態の二酸
化炭素を流通した後に大気圧に減圧して超臨界乾燥を行
なった。ここで、疎水化処理剤の超臨界流体への拡散、
放置による反応、その後の二酸化炭素流通による超臨界
乾燥に要した時間は延べ6時間であった。このようにし
て得られた疎水性のビーズ状エアロゲルについて、実施
例1と同様に、平均粒径を測定し、また光透過率と熱伝
導率を測定した。
【0035】(実施例8)懸濁重合の際の攪拌羽根の回
転数を1200rpmに変更する他は、実施例1と同様
にして、ビーズ状の疎水性エアロゲルを得た。そしてこ
のビーズ状エアロゲルについて、実施例1と同様に平均
粒径を測定した。またこのビーズ状エアロゲルと実施例
1で得たビーズ状エアロゲルとを等重量ずつ混合し、こ
れを実施例1と同様にして中空パネルに充填した。この
ときの充填率は75%であった。そしてこのエアロゲル
を充填したパネルの光透過率と熱伝導率を測定した。
【0036】(実施例9)超臨界乾燥を行なうにあたっ
て、超臨界乾燥の条件を80℃、160気圧にするよう
にした他は、実施例1と同様にして、ビーズ状の疎水性
エアロゲルを得た。そしてこのビーズ状エアロゲルにつ
いて、実施例1と同様に平均粒径を測定した。またこの
ビーズ状エアロゲルと実施例1で得たビーズ状エアロゲ
ルとを等重量ずつ混合し、これを実施例1と同様にして
中空パネルに充填した。このときの充填率は65%であ
った。そしてこのエアロゲルを充填したパネルの光透過
率と熱伝導率を測定した。そしてこのビーズ状エアロゲ
ルについて、実施例1と同様に、平均粒径を測定し、ま
た光透過率と熱伝導率を測定した。
【0037】(実施例10)実施例9において得た、疎
水化処理する前のゲルを用い、このゲルを80℃、16
0気圧においてゲル内のイソプロパノールを二酸化炭素
に置換する操作を3時間行なった。この超臨界状態の雰
囲気に、疎水化処理剤としてへキサメチルジシラザンを
0.25モル/リットルの割合で添加し、2時間かけて
疎水化処理剤を超臨界流体中に拡散させ、さらに2時間
放置することで疎水化処埋を施した。次に、超臨界状態
の二酸化炭素を流通した後に大気圧に減圧して超臨界乾
燥を行なった。ここで、疎水化処理剤の超臨界流体への
拡散、放置による反応、その後の二酸化炭素流通による
超臨界乾燥に要した時間は延べ6時間であった。このよ
うにして得られた疎水性のビーズ状エアロゲルについ
て、実施例9と同様に、平均粒径を測定し、また光透過
率と熱伝導率を測定した。
【0038】(実施例11)水ガラス溶液をイオン交換
するにあたって、水ガラス溶液中のナトリウム原子のモ
ル数とイオン交換樹脂の交換可能なモル数の比が1:4
となるように、イオン交換樹脂の量を設定するようにし
た他は、実施例9と同様にして、ビーズ状の疎水性エア
ロゲルを得た。そしてこのビーズ状エアロゲルについ
て、実施例9と同様に、平均粒径を測定し、また光透過
率と熱伝導率を測定した。
【0039】(実施例12)疎水化処理剤としてヘキサ
メチルジシラザンの代わりに、ジメチルジメトキシシラ
ンを用いるようにした他は、実施例9と同様にして、ビ
ーズ状の疎水性エアロゲルを得た。そしてこのビーズ状
エアロゲルについて、実施例9と同様に、平均粒径を測
定し、また光透過率と熱伝導率を測定した。
【0040】(実施例13)実施例9において、超臨界
乾燥時の分散媒として二酸化炭素の代わりに、エタノー
ルを用いるようにした。すなわち、実施例9において得
た疎水化処理後のゲルをエタノール中に入れ、250
℃、80気圧の雰囲気とした後に、大気圧に減圧するこ
とによって、ビーズ状の疎水性エアロゲルを得た。尚、
超臨界乾燥工程に要した時間は6時間であった。そして
このビーズ状エアロゲルについて、実施例9と同様に、
平均粒径を測定し、また光透過率と熱伝導率を測定し
た。
【0041】(実施例14)有機溶媒としてイソプロパ
ノールの代わりに、エタノールを用いるようにした他
は、実施例9と同様にして、ビーズ状の疎水性エアロゲ
ルを得た。そしてこのビーズ状エアロゲルについて、実
施例9と同様に、平均粒径を測定し、また光透過率と熱
伝導率を測定した。
【0042】(比較例1)実施例1において、エアロゲ
ルを疎水化処理した後、ヒドロゲルを超臨界乾燥せず
に、25℃、大気圧下で48時間かけて徐々に乾燥させ
ることによって、ビーズ状の疎水性エアロゲルを得た。
そしてこのビーズ状エアロゲルについて、実施例1と同
様に、平均粒径を測定し、また光透過率と熱伝導率を測
定した。
【0043】(比較例2)実施例1において、懸濁重合
してヒドロゲルを得た後、疎水化処理することなく、超
臨界乾燥してビーズ状のエアロゲルを得た。そしてこの
ビーズ状エアロゲルについて、実施例1と同様に、平均
粒径を測定し、また光透過率と熱伝導率を測定した。
【0044】(比較例3)水ガラス溶液をイオン交換す
るにあたって、水ガラス溶液中のナトリウム原子のモル
数とイオン交換樹脂の交換可能なモル数の比が1:0.
5となるように、イオン交換樹脂の量を設定するように
した他は、実施例9と同様にして、ビーズ状の疎水性エ
アロゲルを得た。そしてこのビーズ状エアロゲルについ
て、実施例9と同様に、平均粒径を測定し、また光透過
率と熱伝導率を測定した。
【0045】(比較例4)実施例1と同じケイ酸ナトリ
ウム水溶液を10重量部、水を16重量部の割合で混合
した水ガラス溶液と、0.95モル/リットル濃度の硫
酸水溶液をそれぞれ調製し、硫酸水溶液に水ガラス溶液
を攪拌しながら滴下して、硫酸水溶液16重量部に対し
て水ガラス溶液の滴下量が26重量部になった時点で攪
拌を止め、ヒドロゾルを得た。このヒドロゾルをシリコ
ーンオイル中に滴下するようにし、以後は実施例9と同
様に懸濁重合、疎水化処理、超臨界乾燥を行なうことに
よって、粒状の疎水性エアロゲルを得た。そしてこのエ
アロゲルについて、実施例9と同様に、平均粒径を測定
し、また光透過率と熱伝導率を測定した。
【0046】(比較例5)比較例4において得た、疎水
化処理する前のゲルを用い、このゲルを80℃、160
気圧においてゲル内のイソプロパノールを二酸化炭素に
置換する操作を3時間行なった。この超臨界状態の雰囲
気に、疎水化処理剤としてへキサメチルジシラザンを
0.25モル/リットルの割合で添加し、2時間かけて
疎水化処理剤を超臨界流体中に拡散させ、さらに2時間
放置することで疎水化処埋を施した。次に、超臨界状態
の二酸化炭素を流通した後に大気圧に減圧して超臨界乾
燥を行なった。ここで、疎水化処理剤の超臨界流体への
拡散、放置による反応、その後の二酸化炭素流通による
超臨界乾燥に要した時間は延べ6時間であった。このよ
うにして得られた疎水性のビーズ状エアロゲルについ
て、実施例9と同様に、平均粒径を測定し、また光透過
率と熱伝導率を測定した。
【0047】(比較例6)実施例9において、懸濁重合
してヒドロゲルを得た後、疎水化処理することなく、超
臨界乾燥してビーズ状のエアロゲルを得た。そしてこの
ビーズ状エアロゲルについて、実施例9と同様に、平均
粒径を測定し、また光透過率と熱伝導率を測定した。
【0048】(比較例7)比較例4において、懸濁重合
してヒドロゲルを得た後、疎水化処理することなく、超
臨界乾燥してビーズ状のエアロゲルを得た。そしてこの
ビーズ状エアロゲルについて、実施例9と同様に、平均
粒径を測定し、また光透過率と熱伝導率を測定した。
【0049】実施例1〜14及び比較例1〜7のエアロ
ゲルの平均粒径、光透過率、熱伝導率の測定結果を表1
に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1にみられるように、超臨界乾燥しない
比較例1のものでは光透過率と熱伝導率のいずれもが劣
り、イオン交換樹脂の使用量が少ない比較例3のもので
はナトリウム金属原子の除去が不十分であって光透過率
が低く、硫酸をゲル化剤として用いてヒドロゾルをゲル
化させる比較例4,5のものでは光透過率が低いのに対
して、各実施例のものは、光透過率と熱伝導率のいずれ
もが優れていることが確認される。また実施例3や実施
例8にみられるように、懸濁重合の攪拌条件を変えるこ
とによって、ビーズ径を調整できることが確認される。
【0052】次に、実施例1,9〜14及び比較例2〜
7で得たビーズ状エアロゲルを、60℃、90%RHの
高湿雰囲気に48時間曝露し、吸湿試験を行なった。そ
してこの吸湿試験を行なったエアロゲルについて、実施
例1と同様に、平均粒径を測定し、また光透過率と熱伝
導率を測定した。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2のように、疎水化処理を行なっていな
い比較例2,6,7のものでは、吸湿によって平均粒径
が小さくなり、そして光透過性や熱伝導率が悪くなる
が、疎水化処理を行なった実施例1,9〜14のもので
は、このような経時変化はみられなかった。
【0055】
【発明の効果】上記のように本発明は、水ガラス溶液
を、水ガラス溶液中のアルカリ金属のモル数に対してイ
オン交換可能なモル数の比が1以上のイオン交換樹脂を
用いて、イオン交換してヒドロゾルを得た後、このヒド
ロゾルを懸濁重合してヒドロゲルを調製し、次いでこの
ヒドロゲルを疎水化処理すると共に超臨界乾燥するよう
にしたので、イオン交換樹脂によるイオン交換でアルカ
リ金属原子を除去することができ、高い透光性を有する
エアロゲルを得ることができるものであり、また超臨界
乾燥によってヒドロゲルの構造体が破壊・凝集すること
なく乾燥をおこなうことができ、多孔質で高い断熱性能
を有するエアロゲルを得ることができるものである。し
かも疎水化処理によって水分がエアロゲルに吸着される
ことを低減することができ、吸水や吸湿による寸法収縮
等によってエアロゲルの断熱性や透光性などの特性が経
時的に変化することを防ぐことができるものである。
【0056】また請求項2の発明は、上記の懸濁重合
を、ヒドロゾルを溶解しない貧溶媒中に、貧溶媒を攪拌
しながら上記のイオン交換したヒドロゾルを滴下して行
なうようにしたので、ヒドロゾルは貧溶媒中に分散され
ながらゲル化してほぼ球状のヒドロゲルになるものであ
り、球状の粒の揃ったエアロゲルを得ることができるも
のである。
【0057】また請求項3の発明は、上記の貧溶媒とし
て、シリコーンオイル、キシレン、ベンゼン、トルエ
ン、シクロヘキサン、ひまし油から選ばれるものを用い
るようにしたものであり、球状のヒドロゲルを容易に得
ることができるものである。また請求項4の発明は、イ
オン交換した後のヒドロゾル中に塩基性物質を添加して
ヒドロゾルを中和するようにしたものであり、イオン交
換してpHが酸性になったヒドロゾルを中和して、ゲル
化し易い状態にすることができ、懸濁重合が容易になる
ものである。
【0058】また請求項5の発明は、貧溶媒中に塩基性
物質を添加するようにしたので、ヒドロゾルを貧溶媒中
で十分に分散させた状態でゲル化させることができ、球
状の粒の揃ったエアロゲルを得ることが容易になるもの
である。また請求項6の発明は、上記の塩基性物質とし
て、アンモニア、ピリジン、ヒドラジン、ピペリジンか
ら選ばれるものを用いるようにしたものであり、ヒドロ
ゾルの中和が容易になるものである。
【0059】また請求項7の発明は、ヒドロゲルの疎水
化処理を、超臨界状態で行なうようにしたので、疎水化
処理と超臨界乾燥を連続した工程で行なうことが可能に
なるものである。また請求項8の発明は、貧溶媒中に分
散剤を添加するようにしたので、効率良くヒドロゾルを
貧溶媒に分散させて懸濁重合を行なうことができ、粒の
揃った球状のエアロゲルを得ることが容易になるもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椿 健治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水ガラス溶液を、水ガラス溶液中のアル
    カリ金属のモル数に対してイオン交換可能なモル数の比
    が1以上のイオン交換樹脂を用いて、イオン交換してヒ
    ドロゾルを得た後、このヒドロゾルを懸濁重合してヒド
    ロゲルを調製し、次いでこのヒドロゲルを疎水化処理す
    ると共に超臨界乾燥することを特徴とするエアロゲルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記の懸濁重合を、ヒドロゾルを溶解し
    ない貧溶媒中に、貧溶媒を攪拌しながら上記のイオン交
    換したヒドロゾルを滴下して行なうことを特徴とする請
    求項1に記載のエアロゲルの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記の貧溶媒が、シリコーンオイル、キ
    シレン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ひまし
    油から選ばれるものであることを特徴とする請求項2に
    記載のエアロゲルの製造方法。
  4. 【請求項4】 イオン交換した後のヒドロゾル中に塩基
    性物質を添加してヒドロゾルを中和することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載のエアロゲルの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 貧溶媒中に塩基性物質を添加することを
    特徴とする請求項2又は3に記載のエアロゲルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記の塩基性物質が、アンモニア、ピリ
    ジン、ヒドラジン、ピペリジンから選ばれるものである
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のエアロゲルの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 ヒドロゲルの疎水化処理を、超臨界状態
    で行なうことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載のエアロゲルの製造方法。
  8. 【請求項8】 貧溶媒中に分散剤を添加することを特徴
    とする請求項2乃至7のいずれかに記載のエアロゲルの
    製造方法。
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