JPH10310814A - 冷鉄源の溶解方法および溶解設備 - Google Patents
冷鉄源の溶解方法および溶解設備Info
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- JPH10310814A JPH10310814A JP7861998A JP7861998A JPH10310814A JP H10310814 A JPH10310814 A JP H10310814A JP 7861998 A JP7861998 A JP 7861998A JP 7861998 A JP7861998 A JP 7861998A JP H10310814 A JPH10310814 A JP H10310814A
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
- Furnace Details (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
- Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】溶解室への冷鉄源の搬送供給のための装置を特
に必要とせず、また、次チャージの冷鉄源の予熱も可能
であり、従来の溶解設備では達成できない極めて高効率
の冷鉄源の溶解方法および溶解設備を提供すること。 【解決手段】溶解炉1と、その上方に直結する予熱シャ
フト2とを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解
するにあたり、冷鉄源3が溶解炉1と予熱シャフト2に連
続して存在する状態を保つように予熱シャフト2へ冷鉄
源3を連続的または断続的に供給しながら溶解炉2内の冷
鉄源3をアーク7により溶解し、その際に溶解炉1室内の
湯面位置から予熱シャフト2上部の冷鉄源の上端位置ま
での範囲において複数段に形成されたガス導入口16か
ら、冷鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給して溶解炉1
から発生する未燃焼ガスを燃焼させ、溶解炉1に所定量
の溶鋼が溜まった時点で溶解炉1および予熱シャフト2に
冷鉄源3が存在する状態で溶鋼を出鋼する。
に必要とせず、また、次チャージの冷鉄源の予熱も可能
であり、従来の溶解設備では達成できない極めて高効率
の冷鉄源の溶解方法および溶解設備を提供すること。 【解決手段】溶解炉1と、その上方に直結する予熱シャ
フト2とを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解
するにあたり、冷鉄源3が溶解炉1と予熱シャフト2に連
続して存在する状態を保つように予熱シャフト2へ冷鉄
源3を連続的または断続的に供給しながら溶解炉2内の冷
鉄源3をアーク7により溶解し、その際に溶解炉1室内の
湯面位置から予熱シャフト2上部の冷鉄源の上端位置ま
での範囲において複数段に形成されたガス導入口16か
ら、冷鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給して溶解炉1
から発生する未燃焼ガスを燃焼させ、溶解炉1に所定量
の溶鋼が溜まった時点で溶解炉1および予熱シャフト2に
冷鉄源3が存在する状態で溶鋼を出鋼する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップ、直
接還元鉄等の冷鉄源をアークにより溶解する冷鉄源の溶
解方法および溶解設備に関する。
接還元鉄等の冷鉄源をアークにより溶解する冷鉄源の溶
解方法および溶解設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、資源および環境問題から、発生量
の多い鉄鋼スクラップをアーク炉を用いて溶解するプロ
セスが増加している。このようなアーク炉では、スクラ
ップ溶解に多くの電力を消費するため、溶解中に炉から
発生する排ガスでスクラップを予熱しながら溶解し、必
要とする電力を極力少なくする方法が提案されている。
の多い鉄鋼スクラップをアーク炉を用いて溶解するプロ
セスが増加している。このようなアーク炉では、スクラ
ップ溶解に多くの電力を消費するため、溶解中に炉から
発生する排ガスでスクラップを予熱しながら溶解し、必
要とする電力を極力少なくする方法が提案されている。
【0003】例えば、(1)アーク炉に水平予熱体を連
結し、アーク炉からの排ガスを予熱体に導入してスクラ
ップを予熱し、この予熱されたスクラップを連続的にア
ーク炉に供給するもの、および、(2)アーク炉からの
排ガスによってシャフト予熱帯で予熱されたスクラップ
を、2段に設けたプッシャーによりアーク炉に連続的に
供給するものがある(普通鋼電気炉業のストラテジー、
P77およびP80;日本鉄鋼協会、平成6年11月1
4日発行)。
結し、アーク炉からの排ガスを予熱体に導入してスクラ
ップを予熱し、この予熱されたスクラップを連続的にア
ーク炉に供給するもの、および、(2)アーク炉からの
排ガスによってシャフト予熱帯で予熱されたスクラップ
を、2段に設けたプッシャーによりアーク炉に連続的に
供給するものがある(普通鋼電気炉業のストラテジー、
P77およびP80;日本鉄鋼協会、平成6年11月1
4日発行)。
【0004】また、(3)アーク炉の直上にスクラップ
予熱チャンバーを2室設け、アーク炉から発生する排ガ
スでチャンバー内のスクラップを予熱し、フィンガーと
呼ばれるストッパーを開放することによりスクラップを
アーク炉に供給するタイプのものも知られている(エレ
クトロヒート、No.82,1995,P56)。
予熱チャンバーを2室設け、アーク炉から発生する排ガ
スでチャンバー内のスクラップを予熱し、フィンガーと
呼ばれるストッパーを開放することによりスクラップを
アーク炉に供給するタイプのものも知られている(エレ
クトロヒート、No.82,1995,P56)。
【0005】さらに、(4)アーク炉に回転キルンとシ
ャフトタイプの予熱帯を連結し、スクラップをプッシャ
ーによりシャフトからキルンに供給し、さらにキルンに
よりアーク炉に連続的に供給するものもある(特開平6
−122234号公報)。
ャフトタイプの予熱帯を連結し、スクラップをプッシャ
ーによりシャフトからキルンに供給し、さらにキルンに
よりアーク炉に連続的に供給するものもある(特開平6
−122234号公報)。
【0006】さらにまた、(5)アーク炉の炉蓋の一部
にシャフト状の予熱帯を直結し、1チャージ分のスクラ
ップをアーク炉内およびシャフト内に供給しておいて、
スクラップを溶解するもの(特公平6−46145号公
報)、および、(6)シャフト状のアーク炉で、シャフ
ト内の1チャージ分のスクラップが排ガスにより予熱さ
れながら、炉の側壁から挿入された電極により溶解され
るものが知られている。
にシャフト状の予熱帯を直結し、1チャージ分のスクラ
ップをアーク炉内およびシャフト内に供給しておいて、
スクラップを溶解するもの(特公平6−46145号公
報)、および、(6)シャフト状のアーク炉で、シャフ
ト内の1チャージ分のスクラップが排ガスにより予熱さ
れながら、炉の側壁から挿入された電極により溶解され
るものが知られている。
【0007】以上のような排ガスによりスクラップを予
熱するタイプのアーク炉において、低いものでは、およ
そ250〜270kWh/tの電力原単位が目標とされ
ている。
熱するタイプのアーク炉において、低いものでは、およ
そ250〜270kWh/tの電力原単位が目標とされ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アーク
炉から発生する排ガスによりスクラップを予熱する上記
(1)〜(6)の設備は、以下に示すような欠点があ
る。
炉から発生する排ガスによりスクラップを予熱する上記
(1)〜(6)の設備は、以下に示すような欠点があ
る。
【0009】(1)〜(4)の設備では、スクラップを
アーク炉内に供給するために、振動コンベア、プッシャ
ー、キルンまたはフィンガーというスクラップ搬送供給
のための装置が必要であり、このため、アーク炉からの
排ガスでスクラップを予熱する際の予熱温度に限界があ
る。すなわち、高温に予熱しようとして炉内に添加する
酸素量を増加させ、排ガスの熱量を増やす時に、上記装
置の熱変形等によるハード上のトラブルが避けられな
い。また、高温に予熱しようとする時に、局部的に融着
するようになってスクラップを搬送供給できなくなる問
題があり、予熱温度に限界がある。
アーク炉内に供給するために、振動コンベア、プッシャ
ー、キルンまたはフィンガーというスクラップ搬送供給
のための装置が必要であり、このため、アーク炉からの
排ガスでスクラップを予熱する際の予熱温度に限界があ
る。すなわち、高温に予熱しようとして炉内に添加する
酸素量を増加させ、排ガスの熱量を増やす時に、上記装
置の熱変形等によるハード上のトラブルが避けられな
い。また、高温に予熱しようとする時に、局部的に融着
するようになってスクラップを搬送供給できなくなる問
題があり、予熱温度に限界がある。
【0010】これに対して、(5)および(6)の設備
では、スクラップがアーク炉内、または、アーク炉およ
びアーク炉に直結したシャフト内に予め装入するため、
上述したスクラップ搬送供給のための装置を必要とせ
ず、したがって上述のような問題も生じない。しかしな
がら、これらの設備では、1チャージ毎にアーク炉内お
よびシャフト内のスクラップをすべて溶解し、炉内およ
びシャフト内にスクラップが残らない状態で炉内溶鋼を
出鋼するため、次チャージのスクラップの予熱ができな
いことにより排ガスの有効利用という点では十分とはい
えない。
では、スクラップがアーク炉内、または、アーク炉およ
びアーク炉に直結したシャフト内に予め装入するため、
上述したスクラップ搬送供給のための装置を必要とせ
ず、したがって上述のような問題も生じない。しかしな
がら、これらの設備では、1チャージ毎にアーク炉内お
よびシャフト内のスクラップをすべて溶解し、炉内およ
びシャフト内にスクラップが残らない状態で炉内溶鋼を
出鋼するため、次チャージのスクラップの予熱ができな
いことにより排ガスの有効利用という点では十分とはい
えない。
【0011】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであって、溶解室への冷鉄源の搬送供給のための装置
を特に必要とせず、また、次チャージの冷鉄源の予熱も
可能であり、従来の排ガスを利用してスクラップを予熱
する溶解設備では達成できない極めて高効率の冷鉄源の
溶解方法および溶解設備を提供すること、具体的には、
電力原単位が250kWh/t未満の冷鉄源の溶解方法
および溶解設備を提供することを目的とする。
のであって、溶解室への冷鉄源の搬送供給のための装置
を特に必要とせず、また、次チャージの冷鉄源の予熱も
可能であり、従来の排ガスを利用してスクラップを予熱
する溶解設備では達成できない極めて高効率の冷鉄源の
溶解方法および溶解設備を提供すること、具体的には、
電力原単位が250kWh/t未満の冷鉄源の溶解方法
および溶解設備を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する技術として、先に、溶解室と、その上方に直
結する予熱シャフトとを有するアーク溶解設備を用いて
冷鉄源を溶解する方法であって、冷鉄源が溶解室と予熱
シャフトに連続して存在する状態を保つように予熱シャ
フトへ冷鉄源を連続的または断続的に供給しながら溶解
室内の冷鉄源をアーク加熱により溶解し、溶解室に所定
量の溶鋼が溜まった時点で溶解室および予熱シャフトに
冷鉄源が存在する状態で溶鋼を出鋼することを特徴とす
る冷鉄源の溶解方法を提案した。この方法によれば、予
熱シャフトから溶解室への冷鉄源の搬送供給のための設
備を特に必要とせず、また、次チャージの冷鉄源の予熱
も可能であり、従来の排ガスを利用するスクラップ予熱
溶解炉および溶解方法では達成できなかった高効率の冷
鉄源の溶解を達成することができる。
を解決する技術として、先に、溶解室と、その上方に直
結する予熱シャフトとを有するアーク溶解設備を用いて
冷鉄源を溶解する方法であって、冷鉄源が溶解室と予熱
シャフトに連続して存在する状態を保つように予熱シャ
フトへ冷鉄源を連続的または断続的に供給しながら溶解
室内の冷鉄源をアーク加熱により溶解し、溶解室に所定
量の溶鋼が溜まった時点で溶解室および予熱シャフトに
冷鉄源が存在する状態で溶鋼を出鋼することを特徴とす
る冷鉄源の溶解方法を提案した。この方法によれば、予
熱シャフトから溶解室への冷鉄源の搬送供給のための設
備を特に必要とせず、また、次チャージの冷鉄源の予熱
も可能であり、従来の排ガスを利用するスクラップ予熱
溶解炉および溶解方法では達成できなかった高効率の冷
鉄源の溶解を達成することができる。
【0013】この方法では、さらに溶解室にコークスな
どの補助熱源を添加し、所定量以上の酸素を吹き込むこ
とにより発生するCOガス排ガスによって予熱すること
により一層効率良く溶解室内および予熱シャフト内の冷
鉄源を予熱することができる。この場合に、溶解室で酸
素およびコークス等の補助熱源の供給によって発生した
COガスを溶解室内および予熱シャフト内で効率良く燃
焼させる必要がある。例えば、溶解室内で発生するCO
ガスは、酸素がなければ未燃焼のまま予熱シャフト外へ
放出される。しかしながら、このような状態は排ガスの
有効利用という点では十分とはいえない。そのため、溶
解室の炉蓋の部分、電極孔、ランス孔、スラグの排出口
等に隙間を形成し、そこから導入される空気などで上述
のような未燃焼ガスを燃焼させるようにすることも考え
られる。しかし、この場合には、条件によっては必ずし
も効率良く未燃焼ガスを燃焼させることができない。す
なわち、コントロール性が悪い。
どの補助熱源を添加し、所定量以上の酸素を吹き込むこ
とにより発生するCOガス排ガスによって予熱すること
により一層効率良く溶解室内および予熱シャフト内の冷
鉄源を予熱することができる。この場合に、溶解室で酸
素およびコークス等の補助熱源の供給によって発生した
COガスを溶解室内および予熱シャフト内で効率良く燃
焼させる必要がある。例えば、溶解室内で発生するCO
ガスは、酸素がなければ未燃焼のまま予熱シャフト外へ
放出される。しかしながら、このような状態は排ガスの
有効利用という点では十分とはいえない。そのため、溶
解室の炉蓋の部分、電極孔、ランス孔、スラグの排出口
等に隙間を形成し、そこから導入される空気などで上述
のような未燃焼ガスを燃焼させるようにすることも考え
られる。しかし、この場合には、条件によっては必ずし
も効率良く未燃焼ガスを燃焼させることができない。す
なわち、コントロール性が悪い。
【0014】これに対し、確実に排ガス中の未燃焼分を
燃焼させ、効率良く冷鉄源に排ガスの熱を着熱させるに
は、例えば、溶解室内へ酸素とコークス等を供給するこ
とによる脱炭によって生成したCOガスが溶解室内の冷
鉄源層内に入る位置で、またはシャフトの入り口の冷鉄
源層内において、すなわちなるべく溶解室に近い位置
で、一度に、酸素または空気を導入して、排ガス中の未
燃分を燃焼させる方法が考えられる。
燃焼させ、効率良く冷鉄源に排ガスの熱を着熱させるに
は、例えば、溶解室内へ酸素とコークス等を供給するこ
とによる脱炭によって生成したCOガスが溶解室内の冷
鉄源層内に入る位置で、またはシャフトの入り口の冷鉄
源層内において、すなわちなるべく溶解室に近い位置
で、一度に、酸素または空気を導入して、排ガス中の未
燃分を燃焼させる方法が考えられる。
【0015】しかしながら、この方法では、燃焼によっ
て、酸素または空気を導入した部分が局所的に高温にな
り、設備の破損を招くだけでなく、高温となることによ
り一旦燃焼して生成したCO2ガスの解離によりO2ガス
が存在するようになり、それにより冷鉄源の酸化が生
じ、その結果歩留まりの低下につながる。または、酸化
により生成したFeOをコークス等で還元することが必
要になる。
て、酸素または空気を導入した部分が局所的に高温にな
り、設備の破損を招くだけでなく、高温となることによ
り一旦燃焼して生成したCO2ガスの解離によりO2ガス
が存在するようになり、それにより冷鉄源の酸化が生
じ、その結果歩留まりの低下につながる。または、酸化
により生成したFeOをコークス等で還元することが必
要になる。
【0016】一方、予熱シャフトの上部の方でCOガス
の温度が十分低下したところで空気等により未燃COを
燃焼させて冷鉄源を加熱する方法が考えられるが、この
方法では燃焼した高温ガスと冷鉄源との接触時間を十分
に確保することができず、有効に排ガスの熱を冷鉄源に
着熱させることができない。すなわち、着熱効率が悪
い。
の温度が十分低下したところで空気等により未燃COを
燃焼させて冷鉄源を加熱する方法が考えられるが、この
方法では燃焼した高温ガスと冷鉄源との接触時間を十分
に確保することができず、有効に排ガスの熱を冷鉄源に
着熱させることができない。すなわち、着熱効率が悪
い。
【0017】本発明は、上記本発明者らが提案した冷鉄
源の溶解方法において、炉内で発生する未燃焼ガスを、
溶解室内および予熱シャフト内の冷鉄源層内での設備破
損や、冷鉄源の酸化がない条件で、コントロール性良く
確実に効率良く燃焼させ、冷鉄源の予熱効率を高め、よ
り一層低電力原単位で冷鉄源を溶解すべく完成されたも
のである。
源の溶解方法において、炉内で発生する未燃焼ガスを、
溶解室内および予熱シャフト内の冷鉄源層内での設備破
損や、冷鉄源の酸化がない条件で、コントロール性良く
確実に効率良く燃焼させ、冷鉄源の予熱効率を高め、よ
り一層低電力原単位で冷鉄源を溶解すべく完成されたも
のである。
【0018】すなわち、本発明は、以下の(1)〜(1
8)を提供するものである。 (1) 溶解室と、その上方に直結する予熱シャフトと
を有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解する方法
であって、冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続して存
在する状態を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的
または断続的に供給しながら溶解室内の冷鉄源をアーク
加熱および補助熱源を酸素ガスにより燃焼させることに
よって溶解し、その際に溶解室内の湯面から予熱シャフ
ト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲において複数段に
形成されたガス導入口から、冷鉄源装入部分に酸素含有
ガスを供給して溶解室から発生する未燃焼ガスを燃焼さ
せ、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点で溶解室およ
び予熱シャフトに冷鉄源が存在する状態で溶鋼を出鋼す
ることを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
8)を提供するものである。 (1) 溶解室と、その上方に直結する予熱シャフトと
を有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解する方法
であって、冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続して存
在する状態を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的
または断続的に供給しながら溶解室内の冷鉄源をアーク
加熱および補助熱源を酸素ガスにより燃焼させることに
よって溶解し、その際に溶解室内の湯面から予熱シャフ
ト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲において複数段に
形成されたガス導入口から、冷鉄源装入部分に酸素含有
ガスを供給して溶解室から発生する未燃焼ガスを燃焼さ
せ、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点で溶解室およ
び予熱シャフトに冷鉄源が存在する状態で溶鋼を出鋼す
ることを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
【0019】(2) (1)の発明において、前記溶解
室湯面からシャフト上部の冷鉄源上端位置までの長さを
Lとした場合に、0.5Lの位置より下方に2段以上の
ガス導入口を形成し、前記酸素含有ガスはこれらのガス
導入口から導入されることを特徴とする冷鉄源の溶解方
法。
室湯面からシャフト上部の冷鉄源上端位置までの長さを
Lとした場合に、0.5Lの位置より下方に2段以上の
ガス導入口を形成し、前記酸素含有ガスはこれらのガス
導入口から導入されることを特徴とする冷鉄源の溶解方
法。
【0020】(3) (2)の発明において、前記溶解
室湯面からシャフト上部の冷鉄源上端位置までの長さを
Lとした場合に、0.5Lの位置より下方に2段以上5
段以下のガス導入口を形成し、前記酸素含有ガスはこれ
らのガス導入口から導入されることを特徴とする冷鉄源
の溶解方法。
室湯面からシャフト上部の冷鉄源上端位置までの長さを
Lとした場合に、0.5Lの位置より下方に2段以上5
段以下のガス導入口を形成し、前記酸素含有ガスはこれ
らのガス導入口から導入されることを特徴とする冷鉄源
の溶解方法。
【0021】(4) (1)〜(3)の発明において、
前記酸素含有ガスの全吹き込み量は、その中の酸素濃度
と流量から計算される酸素量Qinが、溶解室内に吹き込
む酸素量Q(Nm3/min)に対し、以下の(A)式
に示す関係になるようにすることを特徴とする冷鉄源の
溶解方法。 0.55Q≦Qin≦0.9Q ……(A)
前記酸素含有ガスの全吹き込み量は、その中の酸素濃度
と流量から計算される酸素量Qinが、溶解室内に吹き込
む酸素量Q(Nm3/min)に対し、以下の(A)式
に示す関係になるようにすることを特徴とする冷鉄源の
溶解方法。 0.55Q≦Qin≦0.9Q ……(A)
【0022】(5) (1)〜(4)の発明において、
溶解室内に吹き込む酸素量が25Nm3/t以上である
ことを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
溶解室内に吹き込む酸素量が25Nm3/t以上である
ことを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
【0023】(6) (1)〜(5)の発明において、
溶解中および出鋼時に、溶解室および予熱シャフトに1
チャージ分の50%以上の冷鉄源が残存していることを
特徴とする冷鉄源の溶解方法。
溶解中および出鋼時に、溶解室および予熱シャフトに1
チャージ分の50%以上の冷鉄源が残存していることを
特徴とする冷鉄源の溶解方法。
【0024】(7) (1)〜(6)の発明において、
溶鋼の出鋼時に溶鋼をバーナーで加熱することを特徴と
する冷鉄源の溶解方法。
溶鋼の出鋼時に溶鋼をバーナーで加熱することを特徴と
する冷鉄源の溶解方法。
【0025】(8) 溶解室と、冷鉄源を予熱する予熱
シャフトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶
解する方法であって、冷鉄源を予熱シャフトから供給し
ながら溶解室内の冷鉄源をアーク加熱および補助熱源を
酸素ガスにより燃焼させることにより溶解し、その際に
溶解室内の湯面から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位
置までの範囲において複数段に形成されたガス導入口か
ら、冷鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給して溶解室か
ら発生する未燃焼ガスを燃焼させることを特徴とする冷
鉄源の溶解方法。
シャフトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶
解する方法であって、冷鉄源を予熱シャフトから供給し
ながら溶解室内の冷鉄源をアーク加熱および補助熱源を
酸素ガスにより燃焼させることにより溶解し、その際に
溶解室内の湯面から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位
置までの範囲において複数段に形成されたガス導入口か
ら、冷鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給して溶解室か
ら発生する未燃焼ガスを燃焼させることを特徴とする冷
鉄源の溶解方法。
【0026】(9) 溶解室と、その上方に直結する予
熱シャフトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を
溶解する方法であって、冷鉄源が溶解室と予熱シャフト
に連続して存在する状態を保つように予熱シャフトへ冷
鉄源を連続的または断続的に供給しながら溶解室内の冷
鉄源をアーク加熱およびコークス等の補助熱源と酸素を
溶解室内に供給することによって溶解し、その際に、溶
解室内に空気を侵入させ、CO2/CO2+COをODと
した場合にOD<0.7となるように溶解室内で未燃焼
ガスを燃焼させ、かつ溶解室内の湯面位置から予熱シャ
フト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲において一段ま
たは複数段に形成されたガス導入口から、冷鉄源装入部
分に酸素含有ガスを供給して溶解室から発生する未燃焼
ガスを燃焼させ、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点
で溶解室および予熱シャフトに冷鉄源が存在する状態で
溶鋼を出鋼することを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
熱シャフトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を
溶解する方法であって、冷鉄源が溶解室と予熱シャフト
に連続して存在する状態を保つように予熱シャフトへ冷
鉄源を連続的または断続的に供給しながら溶解室内の冷
鉄源をアーク加熱およびコークス等の補助熱源と酸素を
溶解室内に供給することによって溶解し、その際に、溶
解室内に空気を侵入させ、CO2/CO2+COをODと
した場合にOD<0.7となるように溶解室内で未燃焼
ガスを燃焼させ、かつ溶解室内の湯面位置から予熱シャ
フト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲において一段ま
たは複数段に形成されたガス導入口から、冷鉄源装入部
分に酸素含有ガスを供給して溶解室から発生する未燃焼
ガスを燃焼させ、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点
で溶解室および予熱シャフトに冷鉄源が存在する状態で
溶鋼を出鋼することを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
【0027】(10) 溶解室と、冷鉄源を予熱する予
熱シャフトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を
溶解する方法であって、冷鉄源を予熱シャフトから供給
しながら溶解室内の冷鉄源をアーク加熱およびコークス
等の補助熱源と酸素とを溶解室内に供給することにより
溶解し、その際に、溶解室内に空気を侵入させ、CO2
/CO2+COをODとした場合にOD<0.7となる
ように溶解室内で未燃焼ガスを燃焼させ、かつ溶解室内
の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置ま
での範囲において一段または複数段に形成されたガス導
入口から、冷鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給して溶
解室から発生する未燃焼ガスを燃焼させることを特徴と
する冷鉄源の溶解方法。
熱シャフトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を
溶解する方法であって、冷鉄源を予熱シャフトから供給
しながら溶解室内の冷鉄源をアーク加熱およびコークス
等の補助熱源と酸素とを溶解室内に供給することにより
溶解し、その際に、溶解室内に空気を侵入させ、CO2
/CO2+COをODとした場合にOD<0.7となる
ように溶解室内で未燃焼ガスを燃焼させ、かつ溶解室内
の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置ま
での範囲において一段または複数段に形成されたガス導
入口から、冷鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給して溶
解室から発生する未燃焼ガスを燃焼させることを特徴と
する冷鉄源の溶解方法。
【0028】(11) (9)または(10)におい
て、0.3<ODとなるように溶解室内で未燃焼ガスを
燃焼させることを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
て、0.3<ODとなるように溶解室内で未燃焼ガスを
燃焼させることを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
【0029】(12) 冷鉄源を溶解するための溶解室
と、その上方に直結し、冷鉄源を予熱する予熱シャフト
と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク電極と、
冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態
を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的または断続
的に供給する冷鉄源供給手段と、前記溶解室に補助熱源
を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解室に酸素を供
給して補助熱源を燃焼させる酸素供給手段と、溶解室内
の湯面から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置までの
範囲において、冷鉄源装入部分に溶解室から発生する未
燃焼ガスを燃焼させるための酸素含有ガスを導入する複
数段のガス導入口とを有し、溶解室内の冷鉄源をアーク
および補助熱源の燃焼により溶解することを特徴とする
冷鉄源の溶解設備。
と、その上方に直結し、冷鉄源を予熱する予熱シャフト
と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク電極と、
冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態
を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的または断続
的に供給する冷鉄源供給手段と、前記溶解室に補助熱源
を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解室に酸素を供
給して補助熱源を燃焼させる酸素供給手段と、溶解室内
の湯面から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置までの
範囲において、冷鉄源装入部分に溶解室から発生する未
燃焼ガスを燃焼させるための酸素含有ガスを導入する複
数段のガス導入口とを有し、溶解室内の冷鉄源をアーク
および補助熱源の燃焼により溶解することを特徴とする
冷鉄源の溶解設備。
【0030】(13) (12)において、前記溶解室
湯面からシャフト上部の冷鉄源上端位置までの長さをL
とした場合に、前記ガス導入口は、0.5Lの位置より
下方に2段以上形成されていることを特徴とする冷鉄源
の溶解設備。
湯面からシャフト上部の冷鉄源上端位置までの長さをL
とした場合に、前記ガス導入口は、0.5Lの位置より
下方に2段以上形成されていることを特徴とする冷鉄源
の溶解設備。
【0031】(14) (13)において、前記ガス導
入口は、0.5Lの位置より下方に2段以上5段以下形
成されていることを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
入口は、0.5Lの位置より下方に2段以上5段以下形
成されていることを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
【0032】(15) (12)〜(14)において、
前記出鋼口近傍に設けられた溶鋼を加熱するためのバー
ナーをさらに有することを特徴とする冷鉄源の溶解設
備。
前記出鋼口近傍に設けられた溶鋼を加熱するためのバー
ナーをさらに有することを特徴とする冷鉄源の溶解設
備。
【0033】(16) 冷鉄源を溶解するための溶解室
と、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶解室内で冷鉄
源を溶解するためのアーク電極と、前記溶解室に補助熱
源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解室に酸素を
供給して補助熱源を燃焼させる酸素供給手段と、溶解室
内の湯面から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置まで
の範囲において、冷鉄源装入部分に溶解室から発生する
未燃焼ガスを燃焼させるための酸素含有ガスを導入する
複数段のガス導入口とを有し、溶解室内の冷鉄源をアー
クおよび補助熱源の燃焼により溶解することを特徴とす
る冷鉄源の溶解設備。
と、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶解室内で冷鉄
源を溶解するためのアーク電極と、前記溶解室に補助熱
源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解室に酸素を
供給して補助熱源を燃焼させる酸素供給手段と、溶解室
内の湯面から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置まで
の範囲において、冷鉄源装入部分に溶解室から発生する
未燃焼ガスを燃焼させるための酸素含有ガスを導入する
複数段のガス導入口とを有し、溶解室内の冷鉄源をアー
クおよび補助熱源の燃焼により溶解することを特徴とす
る冷鉄源の溶解設備。
【0034】(17) 冷鉄源を溶解するための溶解室
と、その上方に直結し、冷鉄源を予熱する予熱シャフト
と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク電極と、
冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態
を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的または断続
的に供給する冷鉄源供給手段と、前記溶解室にコークス
等の補助熱源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解
室に酸素を供給する酸素供給手段と、前記溶解室内に未
燃焼ガスを燃焼させるための空気を導入する空気導入部
と、溶解室内の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄源
の上端位置までの範囲において、冷鉄源装入部分に溶解
室から発生する未燃焼ガスを燃焼させるための酸素含有
ガスを導入する一段または複数段のガス導入口とを有
し、溶解室内の冷鉄源をアークおよび補助熱源と酸素に
より溶解することを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
と、その上方に直結し、冷鉄源を予熱する予熱シャフト
と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク電極と、
冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態
を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的または断続
的に供給する冷鉄源供給手段と、前記溶解室にコークス
等の補助熱源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解
室に酸素を供給する酸素供給手段と、前記溶解室内に未
燃焼ガスを燃焼させるための空気を導入する空気導入部
と、溶解室内の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄源
の上端位置までの範囲において、冷鉄源装入部分に溶解
室から発生する未燃焼ガスを燃焼させるための酸素含有
ガスを導入する一段または複数段のガス導入口とを有
し、溶解室内の冷鉄源をアークおよび補助熱源と酸素に
より溶解することを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
【0035】(18) 冷鉄源を溶解するための溶解室
と、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶解室内で冷鉄
源を溶解するためのアーク電極と、前記溶解室にコーク
ス等の補助熱源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶
解室に酸素を供給する酸素供給手段と、前記溶解室内に
未燃焼ガスを燃焼させるための空気を導入する空気導入
部と、溶解室内の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄
源の上端位置までの範囲において、冷鉄源装入部分に溶
解室から発生する未燃焼ガスを燃焼させるための酸素含
有ガスを導入する一段または複数段のガス導入口とを有
し、溶解室内の冷鉄源をアークおよび補助熱源と酸素に
より溶解することを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
と、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶解室内で冷鉄
源を溶解するためのアーク電極と、前記溶解室にコーク
ス等の補助熱源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶
解室に酸素を供給する酸素供給手段と、前記溶解室内に
未燃焼ガスを燃焼させるための空気を導入する空気導入
部と、溶解室内の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄
源の上端位置までの範囲において、冷鉄源装入部分に溶
解室から発生する未燃焼ガスを燃焼させるための酸素含
有ガスを導入する一段または複数段のガス導入口とを有
し、溶解室内の冷鉄源をアークおよび補助熱源と酸素に
より溶解することを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実
施形態に係るアーク溶解設備を示す断面図である。この
アーク溶解設備は、冷鉄源をアーク溶解するための溶解
炉1と、その上方に直結する予熱シャフト2とを備えて
いる。予熱シャフト2の上端には、排ガス吸引系に連結
する排気部2aが設けられている。この溶解炉1および
予熱シャフト2には冷鉄源としての鉄スクラップ3が装
入される。
の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実
施形態に係るアーク溶解設備を示す断面図である。この
アーク溶解設備は、冷鉄源をアーク溶解するための溶解
炉1と、その上方に直結する予熱シャフト2とを備えて
いる。予熱シャフト2の上端には、排ガス吸引系に連結
する排気部2aが設けられている。この溶解炉1および
予熱シャフト2には冷鉄源としての鉄スクラップ3が装
入される。
【0037】予熱シャフト2の上方にはスクラップ装入
バケット4が設けられており、このバケット4から予熱
シャフト2内に鉄スクラップ3が装入される。この場合
に、このバケット4からのスクラップ3の装入は、操業
中に、スクラップ3が溶解室1と予熱シャフト2に連続
して存在する状態を保つように予熱シャフト2へスクラ
ップ3を連続的または断続的に供給する。この際のスク
ラップ3の装入は、操業実績に基づいて予め設定された
レシピに基づいて行ってもよいし、予熱シャフト2内の
スクラップ3の量を検出可能なセンサーを設け、このセ
ンサーからの信号に基づいてバケット4によるスクラッ
プ3の投入を適宜の制御手段により制御するようにして
もよい。
バケット4が設けられており、このバケット4から予熱
シャフト2内に鉄スクラップ3が装入される。この場合
に、このバケット4からのスクラップ3の装入は、操業
中に、スクラップ3が溶解室1と予熱シャフト2に連続
して存在する状態を保つように予熱シャフト2へスクラ
ップ3を連続的または断続的に供給する。この際のスク
ラップ3の装入は、操業実績に基づいて予め設定された
レシピに基づいて行ってもよいし、予熱シャフト2内の
スクラップ3の量を検出可能なセンサーを設け、このセ
ンサーからの信号に基づいてバケット4によるスクラッ
プ3の投入を適宜の制御手段により制御するようにして
もよい。
【0038】溶解炉1の上部には開閉可能な炉蓋5が設
けられており、その炉蓋5を貫通して溶解炉1の上方か
らその中に垂直にアーク電極6が挿入されている。ま
た、溶解炉1の炉底10のアーク電極6と対向する位置
には、炉底電極11が設けられている。そしてアーク電
極6によって形成されるアーク7により、スクラップ3
が溶解され、溶鋼8となる。溶鋼8の上にはスラグ9が
形成されており、アーク7はこのスラグ9内に形成され
ることとなる。
けられており、その炉蓋5を貫通して溶解炉1の上方か
らその中に垂直にアーク電極6が挿入されている。ま
た、溶解炉1の炉底10のアーク電極6と対向する位置
には、炉底電極11が設けられている。そしてアーク電
極6によって形成されるアーク7により、スクラップ3
が溶解され、溶鋼8となる。溶鋼8の上にはスラグ9が
形成されており、アーク7はこのスラグ9内に形成され
ることとなる。
【0039】また、溶解炉1には2本のランス12a,
12bがその先端を溶解室内の溶鋼面に向けて挿入され
ており、ランス12aからは酸素が供給され、ランス1
2bからは補助熱源としてのコークスがインジェクショ
ンされる。なお、補助熱源としてはコークス以外の炭材
を用いてもよい。
12bがその先端を溶解室内の溶鋼面に向けて挿入され
ており、ランス12aからは酸素が供給され、ランス1
2bからは補助熱源としてのコークスがインジェクショ
ンされる。なお、補助熱源としてはコークス以外の炭材
を用いてもよい。
【0040】溶解炉1の予熱シャフト2が直結されてい
る側とは異なる部分に設けられた突出部1aの底部には
出鋼口14が形成されており、その側端にはスラグドア
15が設けられている。なお、スラグドア15と同じ周
面に出鋼口が設けられていてもよい。また、突出部1a
には、その上方からバーナー13が挿入されており、出
鋼される溶鋼の温度を上昇させることが可能となってい
る。この場合、バーナー13の代わりにアーク電極等の
他の加熱手段を設けてもよい。
る側とは異なる部分に設けられた突出部1aの底部には
出鋼口14が形成されており、その側端にはスラグドア
15が設けられている。なお、スラグドア15と同じ周
面に出鋼口が設けられていてもよい。また、突出部1a
には、その上方からバーナー13が挿入されており、出
鋼される溶鋼の温度を上昇させることが可能となってい
る。この場合、バーナー13の代わりにアーク電極等の
他の加熱手段を設けてもよい。
【0041】予熱シャフト2の側壁は、図1に示すよう
に、下方に向かって広がるテーパーを有している。この
ようなテーパーを設けることにより、溶解炉1内の溶鋼
8中へ高温のスクラップを安定的に供給することができ
る。テーパーが形成されていない場合には、スクラップ
3が予熱シャフト2の壁部に拘束され自然に落下しにく
くなり、棚吊りを起こす原因となる。
に、下方に向かって広がるテーパーを有している。この
ようなテーパーを設けることにより、溶解炉1内の溶鋼
8中へ高温のスクラップを安定的に供給することができ
る。テーパーが形成されていない場合には、スクラップ
3が予熱シャフト2の壁部に拘束され自然に落下しにく
くなり、棚吊りを起こす原因となる。
【0042】予熱シャフト2の側壁のテーパーは、2.
5〜7°の範囲であることが好ましい。このテーパーが
2.5°未満では棚吊り発生を有効に防止することがで
きない。また、7°を超えると予熱シャフト2内のスク
ラップ3の装入量が減少し、予熱時にスクラップ3の滞
留時間を十分に稼ぐことができないため、十分な予熱効
果を得ることができなくなる。逆に、同程度の滞留時間
を稼ごうとすると、予熱シャフト2の高さが高くなるた
め、建屋を高くせざるを得ない。さらに、予熱シャフト
2の上部の断面が狭くなり、使用可能なスクラップ量が
制限されてしまう。
5〜7°の範囲であることが好ましい。このテーパーが
2.5°未満では棚吊り発生を有効に防止することがで
きない。また、7°を超えると予熱シャフト2内のスク
ラップ3の装入量が減少し、予熱時にスクラップ3の滞
留時間を十分に稼ぐことができないため、十分な予熱効
果を得ることができなくなる。逆に、同程度の滞留時間
を稼ごうとすると、予熱シャフト2の高さが高くなるた
め、建屋を高くせざるを得ない。さらに、予熱シャフト
2の上部の断面が狭くなり、使用可能なスクラップ量が
制限されてしまう。
【0043】予熱シャフト2にテーパーを設けた場合で
あっても、予熱シャフト2が矩形の場合には、その壁面
とスクラップ3との摩擦力が大きく、棚吊りを必ずしも
有効に防止することができないため、予熱シャフト2の
断面形状を、円または楕円または曲線を含む形状にする
ことが好ましい。
あっても、予熱シャフト2が矩形の場合には、その壁面
とスクラップ3との摩擦力が大きく、棚吊りを必ずしも
有効に防止することができないため、予熱シャフト2の
断面形状を、円または楕円または曲線を含む形状にする
ことが好ましい。
【0044】溶解炉1内の湯面位置から予熱シャフト2
のスクラップ上端位置までの範囲において、溶解炉1お
よび予熱シャフト2の側壁には、スクラップ装入部分に
酸素ガス、空気などの酸素含有ガスを供給するための複
数段(図では3段)のガス導入口16が設けられてい
る。このガス導入口16から導入された酸素含有ガスに
より、溶解炉1から発生する未燃焼のCOガスを燃焼さ
せる。
のスクラップ上端位置までの範囲において、溶解炉1お
よび予熱シャフト2の側壁には、スクラップ装入部分に
酸素ガス、空気などの酸素含有ガスを供給するための複
数段(図では3段)のガス導入口16が設けられてい
る。このガス導入口16から導入された酸素含有ガスに
より、溶解炉1から発生する未燃焼のCOガスを燃焼さ
せる。
【0045】このようにガス導入口16を溶解炉1内の
湯面位置から予熱シャフト2のスクラップ上端位置まで
の範囲の任意の位置に複数設けることにより、溶解炉1
から発生したCOガスは溶解炉1内のスクラップ層およ
び予熱シャフト2内のスクラップ層2の任意の複数の位
置で燃焼させることができる。例えば、溶解炉1内のス
クラップ層で全燃焼量の1/3、溶解炉1の直上の予熱
シャフト2下部のスクラップ層で1/3、予熱シャフト
2内における溶鋼湯面とスクラップの最上位置との中間
位置で残りの1/3を燃焼させることができる。したが
って、1箇所で発生COの全量を燃焼させないので燃焼
ガスの温度が高温にならないし、また、燃焼で生成した
CO2の解離によりO2が生成することもない。また、所
望の位置でCOを燃焼させるのでコントロール性が良く
確実に高効率で燃焼させることができる。
湯面位置から予熱シャフト2のスクラップ上端位置まで
の範囲の任意の位置に複数設けることにより、溶解炉1
から発生したCOガスは溶解炉1内のスクラップ層およ
び予熱シャフト2内のスクラップ層2の任意の複数の位
置で燃焼させることができる。例えば、溶解炉1内のス
クラップ層で全燃焼量の1/3、溶解炉1の直上の予熱
シャフト2下部のスクラップ層で1/3、予熱シャフト
2内における溶鋼湯面とスクラップの最上位置との中間
位置で残りの1/3を燃焼させることができる。したが
って、1箇所で発生COの全量を燃焼させないので燃焼
ガスの温度が高温にならないし、また、燃焼で生成した
CO2の解離によりO2が生成することもない。また、所
望の位置でCOを燃焼させるのでコントロール性が良く
確実に高効率で燃焼させることができる。
【0046】このガス導入口16は、図2に示すよう
に、一つの段につき周方向に複数(図では4つ)設けら
れている。そして、このガス導入口16は、溶解炉1の
湯面からシャフト上部の冷鉄源上端位置までの長さをL
とした場合に、0.5Lの位置より下方に2段以上形成
することが好ましい。0.5Lより上方では燃焼後の着
熱時間が短いために効果が小さく、また、1段ではやは
り燃焼ガスが高温になり、スクラップが酸化したり、設
備への熱負荷が大きくなる等の問題が生じるおそれがあ
る。また、このガス導入口16は、0.5Lの位置より
下方に5段以下であることが好ましい、0.5Lの位置
より下方にガス導入口を6段以上設けた場合には、逆に
空気等の酸素含有ガスの予熱シャフト内部への進入距離
が減少し、予熱シャフト2中心部での燃焼が遅れ、未燃
焼のガスが0.5Lより上方で燃焼するようになり、効
率が低下する。
に、一つの段につき周方向に複数(図では4つ)設けら
れている。そして、このガス導入口16は、溶解炉1の
湯面からシャフト上部の冷鉄源上端位置までの長さをL
とした場合に、0.5Lの位置より下方に2段以上形成
することが好ましい。0.5Lより上方では燃焼後の着
熱時間が短いために効果が小さく、また、1段ではやは
り燃焼ガスが高温になり、スクラップが酸化したり、設
備への熱負荷が大きくなる等の問題が生じるおそれがあ
る。また、このガス導入口16は、0.5Lの位置より
下方に5段以下であることが好ましい、0.5Lの位置
より下方にガス導入口を6段以上設けた場合には、逆に
空気等の酸素含有ガスの予熱シャフト内部への進入距離
が減少し、予熱シャフト2中心部での燃焼が遅れ、未燃
焼のガスが0.5Lより上方で燃焼するようになり、効
率が低下する。
【0047】このように構成される溶解設備において鉄
スクラップを溶解するに際しては、まず、溶解炉1と予
熱シャフト2に鉄スクラップ3を装入し、鉄スクラップ
3が溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在する状態
とする。
スクラップを溶解するに際しては、まず、溶解炉1と予
熱シャフト2に鉄スクラップ3を装入し、鉄スクラップ
3が溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在する状態
とする。
【0048】この状態でアーク電極6によりアーク7を
形成し、鉄スクラップ3を溶解する。この際に、ランス
12aにより酸素を供給し、スクラップの溶解を補助す
る。そして、炉内に溶鋼が溜まってきたら、ランス12
bからスラグ中に補助熱源としてのコークスをインジェ
クションしてスラグフォーミング操業に移行し、電極6
の先端をスラグ9中に埋没させ、アーク7がスラグ9内
に形成されるようにする。この補助熱源としてのコーク
スは供給された酸素と反応してCOガスを発生させると
ともにその反応熱はスクラップ3の溶解に寄与する。
形成し、鉄スクラップ3を溶解する。この際に、ランス
12aにより酸素を供給し、スクラップの溶解を補助す
る。そして、炉内に溶鋼が溜まってきたら、ランス12
bからスラグ中に補助熱源としてのコークスをインジェ
クションしてスラグフォーミング操業に移行し、電極6
の先端をスラグ9中に埋没させ、アーク7がスラグ9内
に形成されるようにする。この補助熱源としてのコーク
スは供給された酸素と反応してCOガスを発生させると
ともにその反応熱はスクラップ3の溶解に寄与する。
【0049】スクラップ溶解により発生するCO排ガス
は、予熱シャフト2に供給され、この排ガスの熱によ
り、シャフト2内のスクラップ3が予熱される。このよ
うに、本発明では、効率良くスクラップを溶解する観点
から、コークス等の補助熱源を使用し、上述したランス
12bから補助熱源としてのコークスをインジェクショ
ンするとともに別のランス12aから酸素を供給するこ
とにより、これらが反応してCOが発生し、熱を発生さ
せるが、溶解炉1が密閉状態の場合には、その際に発生
するCOガスは未燃焼のまま溶解炉1および予熱シャフ
ト2に供給されることとなる。
は、予熱シャフト2に供給され、この排ガスの熱によ
り、シャフト2内のスクラップ3が予熱される。このよ
うに、本発明では、効率良くスクラップを溶解する観点
から、コークス等の補助熱源を使用し、上述したランス
12bから補助熱源としてのコークスをインジェクショ
ンするとともに別のランス12aから酸素を供給するこ
とにより、これらが反応してCOが発生し、熱を発生さ
せるが、溶解炉1が密閉状態の場合には、その際に発生
するCOガスは未燃焼のまま溶解炉1および予熱シャフ
ト2に供給されることとなる。
【0050】本実施形態では、溶解炉1内の湯面位置か
ら予熱シャフト2のスクラップ上端位置までの範囲の任
意の位置に複数のガス導入口16が設けられているか
ら、これらガス導入口16から空気、酸素ガス等の酸素
含有ガスを吹き込むことにより、溶解炉1から発生した
COガスは、溶解炉1内のスクラップ層および予熱シャ
フト2内のスクラップ層3の任意の複数の位置で燃焼さ
せることができ、スクラップ層3の1箇所で燃焼させる
場合のように燃焼ガスの温度が高温になってスクラップ
が融着することもないし、燃焼で生成したCO2の解離
によりO2が生成することもない。また、所望の位置で
COを燃焼させるのでコントロール性が良く確実に高効
率で燃焼させることができ、その熱を有効にスクラップ
の予熱に利用することができる。
ら予熱シャフト2のスクラップ上端位置までの範囲の任
意の位置に複数のガス導入口16が設けられているか
ら、これらガス導入口16から空気、酸素ガス等の酸素
含有ガスを吹き込むことにより、溶解炉1から発生した
COガスは、溶解炉1内のスクラップ層および予熱シャ
フト2内のスクラップ層3の任意の複数の位置で燃焼さ
せることができ、スクラップ層3の1箇所で燃焼させる
場合のように燃焼ガスの温度が高温になってスクラップ
が融着することもないし、燃焼で生成したCO2の解離
によりO2が生成することもない。また、所望の位置で
COを燃焼させるのでコントロール性が良く確実に高効
率で燃焼させることができ、その熱を有効にスクラップ
の予熱に利用することができる。
【0051】この場合に、トータルの酸素含有ガスの吹
き込み量は、その中の酸素濃度と流量から計算される酸
素量Qinが、補助熱源との反応および金属酸化のために
炉内に吹き込む酸素量Q(Nm3/min)に対し、以
下の(A)式に示す関係になるようにすることが好まし
い。 0.55Q≦Qin≦0.9Q ……(A)
き込み量は、その中の酸素濃度と流量から計算される酸
素量Qinが、補助熱源との反応および金属酸化のために
炉内に吹き込む酸素量Q(Nm3/min)に対し、以
下の(A)式に示す関係になるようにすることが好まし
い。 0.55Q≦Qin≦0.9Q ……(A)
【0052】これは、Qinが0.9Qを超えると燃焼に
関与しない余剰の酸素が存在するようになり、それに伴
う余剰のN2も増え、発生ガスの温度が低下して効率が
低下するとともに、余剰酸素による酸化の問題も生じ、
また0.55Q未満では発生COの全量を燃焼させるこ
とができず、シャフト上部で未燃焼のCOが存在するか
らである。
関与しない余剰の酸素が存在するようになり、それに伴
う余剰のN2も増え、発生ガスの温度が低下して効率が
低下するとともに、余剰酸素による酸化の問題も生じ、
また0.55Q未満では発生COの全量を燃焼させるこ
とができず、シャフト上部で未燃焼のCOが存在するか
らである。
【0053】溶解炉1内でスクラップ3が溶解すると、
予熱シャフト2のスクラップが溶解炉1に供給されるた
め、予熱シャフト2内のスクラップ3の上端位置が低下
してくる。この場合に、スクラップ3等が溶解室と予熱
シャフトに連続して存在する状態を保つように、バケッ
ト4から予熱シャフト2へスクラップ3を連続的または
断続的に供給する。これにより、常に一定量以上のスク
ラップが溶解炉1および予熱シャフト2内に存在してい
る状態が保たれる。この際のスクラップ3の装入は、上
述したように、操業実績に基づいて予め設定されたレシ
ピに基づいて行ってもよいし、予熱シャフト2内のスク
ラップ3の量を検出可能なセンサーを設け、このセンサ
ーからの信号に基づいてバケット4によるスクラップ3
の投入を制御するようにしてもよい。
予熱シャフト2のスクラップが溶解炉1に供給されるた
め、予熱シャフト2内のスクラップ3の上端位置が低下
してくる。この場合に、スクラップ3等が溶解室と予熱
シャフトに連続して存在する状態を保つように、バケッ
ト4から予熱シャフト2へスクラップ3を連続的または
断続的に供給する。これにより、常に一定量以上のスク
ラップが溶解炉1および予熱シャフト2内に存在してい
る状態が保たれる。この際のスクラップ3の装入は、上
述したように、操業実績に基づいて予め設定されたレシ
ピに基づいて行ってもよいし、予熱シャフト2内のスク
ラップ3の量を検出可能なセンサーを設け、このセンサ
ーからの信号に基づいてバケット4によるスクラップ3
の投入を制御するようにしてもよい。
【0054】スクラップの溶解が進行して所定量、例え
ば1チャージ分以上の溶鋼が炉内に溜まったら、溶解炉
1および溶解シャフト2内にスクラップが連続して存在
する状態を保ったまま、溶解炉1を傾動させて出鋼口1
4から1チャージ分の溶鋼を取鍋等へ出鋼する。出鋼に
際しては、溶鋼の凝固による出鋼口14の詰まりを防止
するために、バーナー13で溶鋼を加熱してもよい。
ば1チャージ分以上の溶鋼が炉内に溜まったら、溶解炉
1および溶解シャフト2内にスクラップが連続して存在
する状態を保ったまま、溶解炉1を傾動させて出鋼口1
4から1チャージ分の溶鋼を取鍋等へ出鋼する。出鋼に
際しては、溶鋼の凝固による出鋼口14の詰まりを防止
するために、バーナー13で溶鋼を加熱してもよい。
【0055】このようにしてスクラップを溶解する場合
には、予熱シャフト2内にはプッシャーやフィンガー等
のスクラップ搬送供給のための設備を備えていないの
で、これらが設けられている従来の溶解設備よりも使用
する酸素量を増やすことができ、排ガス温度を高めるこ
とができる。したがって、従来の溶解設備よりも高い温
度にスクラップを予熱することが可能になる。
には、予熱シャフト2内にはプッシャーやフィンガー等
のスクラップ搬送供給のための設備を備えていないの
で、これらが設けられている従来の溶解設備よりも使用
する酸素量を増やすことができ、排ガス温度を高めるこ
とができる。したがって、従来の溶解設備よりも高い温
度にスクラップを予熱することが可能になる。
【0056】また、常にスクラップ3が溶解炉1と予熱
シャフト2に連続して存在する状態を保つように予熱シ
ャフト2へスクラップ3を供給し、溶解炉1内で所定量
の溶鋼が形成されてこれを出鋼する際にも、溶解炉1お
よび予熱シャフト2に連続してスクラップが存在するた
め、排ガスによるスクラップ予熱効率が高い。この場合
に、溶解中および出鋼時に1チャージ分の50%以上の
スクラップを溶解炉1および予熱シャフト2に連続して
存在するようにすることによって、予熱効率が極めて高
いものとなる。
シャフト2に連続して存在する状態を保つように予熱シ
ャフト2へスクラップ3を供給し、溶解炉1内で所定量
の溶鋼が形成されてこれを出鋼する際にも、溶解炉1お
よび予熱シャフト2に連続してスクラップが存在するた
め、排ガスによるスクラップ予熱効率が高い。この場合
に、溶解中および出鋼時に1チャージ分の50%以上の
スクラップを溶解炉1および予熱シャフト2に連続して
存在するようにすることによって、予熱効率が極めて高
いものとなる。
【0057】また、コークス等の補助熱源と反応してC
Oガスを発生させ、かつスラグフォーミングのための金
属酸化に使用する酸素の供給量は25Nm3/t以上で
あることが好ましい。これにより、一層効率良くスクラ
ップを溶解することができる。さらに好ましくは40N
m3/tである。
Oガスを発生させ、かつスラグフォーミングのための金
属酸化に使用する酸素の供給量は25Nm3/t以上で
あることが好ましい。これにより、一層効率良くスクラ
ップを溶解することができる。さらに好ましくは40N
m3/tである。
【0058】また、このように常にスクラップが存在し
ている状態で溶解を行うと溶鋼温度が1550℃程度と
低いため、溶鋼が出鋼口14に詰まるおそれがあるが、
上述のようにバーナー13で溶鋼を加熱することによ
り、このようなおそれを回避することができる。さら
に、出鋼した溶鋼を十分な温度に上昇させるために、溶
鋼を取鍋に出鋼した後、取鍋内の溶鋼を適宜の加熱手段
により加熱し、所定の温度まで昇温してもよい。この際
の加熱手段としては例えばアーク電極を用いることがで
きる。
ている状態で溶解を行うと溶鋼温度が1550℃程度と
低いため、溶鋼が出鋼口14に詰まるおそれがあるが、
上述のようにバーナー13で溶鋼を加熱することによ
り、このようなおそれを回避することができる。さら
に、出鋼した溶鋼を十分な温度に上昇させるために、溶
鋼を取鍋に出鋼した後、取鍋内の溶鋼を適宜の加熱手段
により加熱し、所定の温度まで昇温してもよい。この際
の加熱手段としては例えばアーク電極を用いることがで
きる。
【0059】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。上記実施形態は、溶解炉1で発生したCO排ガス
の実質的に全部を溶解炉1内の湯面位置から予熱シャフ
ト2のスクラップ上端位置までの範囲の任意の位置に複
数段に設けられたガス導入口16からの酸素含有ガスで
燃焼させたが、本実施形態においては、溶解炉1のスラ
グドア15を溶解炉1へ空気を侵入させるための作業扉
として機能させて、溶解処理中にこの作業扉15を開い
て溶解炉1へ空気を侵入させ、溶解炉1内で未燃焼のC
O排ガスの一部を燃焼させる。そして、未燃焼のCO排
ガスの残部を溶解炉1内の湯面位置から予熱シャフト2
のスクラップ上端位置までの範囲の任意の位置に設けら
れたガス導入口16からの酸素含有ガスで燃焼させる。
する。上記実施形態は、溶解炉1で発生したCO排ガス
の実質的に全部を溶解炉1内の湯面位置から予熱シャフ
ト2のスクラップ上端位置までの範囲の任意の位置に複
数段に設けられたガス導入口16からの酸素含有ガスで
燃焼させたが、本実施形態においては、溶解炉1のスラ
グドア15を溶解炉1へ空気を侵入させるための作業扉
として機能させて、溶解処理中にこの作業扉15を開い
て溶解炉1へ空気を侵入させ、溶解炉1内で未燃焼のC
O排ガスの一部を燃焼させる。そして、未燃焼のCO排
ガスの残部を溶解炉1内の湯面位置から予熱シャフト2
のスクラップ上端位置までの範囲の任意の位置に設けら
れたガス導入口16からの酸素含有ガスで燃焼させる。
【0060】このように、溶解炉1に空気を侵入させる
と、炉内で生成した高温のCOガスの一部が侵入空気に
より燃焼するが、燃焼は溶解炉1内で生じるため、未溶
解スクラップ層内で局所的に高温になることはなくスク
ラップの融着は起こらない。また、この燃焼熱は、排ガ
スが予熱シャフト2に入る前に溶鋼面から予熱シャフト
2の下端位置までの間でスクラップ3に着熱し、排ガス
が予熱シャフト2に入った際には局所的な融着が起こら
ない温度に低下している。さらに、予熱シャフト2内で
もガスの熱がスクラップに着熱するため、排ガス温度は
高くなく、予熱シャフト2内でもスクラップの融着は生
じない。その部分のスクラップを効率良く予熱すること
ができる。そして、このように排ガスの熱はスクラップ
3に確実に着熱し、スクラップ3の予熱に有効に利用さ
れる。
と、炉内で生成した高温のCOガスの一部が侵入空気に
より燃焼するが、燃焼は溶解炉1内で生じるため、未溶
解スクラップ層内で局所的に高温になることはなくスク
ラップの融着は起こらない。また、この燃焼熱は、排ガ
スが予熱シャフト2に入る前に溶鋼面から予熱シャフト
2の下端位置までの間でスクラップ3に着熱し、排ガス
が予熱シャフト2に入った際には局所的な融着が起こら
ない温度に低下している。さらに、予熱シャフト2内で
もガスの熱がスクラップに着熱するため、排ガス温度は
高くなく、予熱シャフト2内でもスクラップの融着は生
じない。その部分のスクラップを効率良く予熱すること
ができる。そして、このように排ガスの熱はスクラップ
3に確実に着熱し、スクラップ3の予熱に有効に利用さ
れる。
【0061】本実施形態では、CO排ガスの一部を侵入
空気により溶解炉1で燃焼させる際に、CO2/(CO2
+CO)をODとした場合にOD<0.7となるように
溶解炉1内で未燃焼のCOガスを燃焼させる。ODの値
が0.7以上になると、炉内の熱量が大きくなりすぎ
て、炉の損傷や融着が生じてしまう。より好ましくは、
OD<0.6である。
空気により溶解炉1で燃焼させる際に、CO2/(CO2
+CO)をODとした場合にOD<0.7となるように
溶解炉1内で未燃焼のCOガスを燃焼させる。ODの値
が0.7以上になると、炉内の熱量が大きくなりすぎ
て、炉の損傷や融着が生じてしまう。より好ましくは、
OD<0.6である。
【0062】このように、本実施形態では、溶解炉1内
で未燃焼COガスの一部を燃焼させるので、従前の実施
形態と同様、スクラップ層3の1箇所で燃焼させる場合
のように燃焼ガスの温度が高温になってスクラップ3が
融着することもないし、燃焼で生成したCO2の解離に
よりO2が生成することもない。また、所望の位置でC
Oを燃焼させるのでコントロール性が良く確実に高効率
で燃焼させることができ、その熱を有効にスクラップの
予熱に利用することができる。
で未燃焼COガスの一部を燃焼させるので、従前の実施
形態と同様、スクラップ層3の1箇所で燃焼させる場合
のように燃焼ガスの温度が高温になってスクラップ3が
融着することもないし、燃焼で生成したCO2の解離に
よりO2が生成することもない。また、所望の位置でC
Oを燃焼させるのでコントロール性が良く確実に高効率
で燃焼させることができ、その熱を有効にスクラップの
予熱に利用することができる。
【0063】また、図3に示すように、本実施形態では
従前の実施形態と異なり、すでに溶解炉1内で未燃焼の
CO排ガスの一部が燃焼しているので、ガス導入口16
は一段でもよい。もちろん、複数段であっても構わな
い。従前の実施形態と同様、スクラップ3の予熱効率を
高める観点からはガス導入口16は下部にあるほうが好
ましい。
従前の実施形態と異なり、すでに溶解炉1内で未燃焼の
CO排ガスの一部が燃焼しているので、ガス導入口16
は一段でもよい。もちろん、複数段であっても構わな
い。従前の実施形態と同様、スクラップ3の予熱効率を
高める観点からはガス導入口16は下部にあるほうが好
ましい。
【0064】このようにガス導入口16が1段の場合、
およびガス導入口16が複数段であってもガス導入量が
少ない場合には、ODの値は0.3<ODであることが
好ましい。このような場合にODの値が0.3以下であ
ると、予熱シャフト2内でのガスの熱量が不足して、ス
クラップの予熱を十分に行うことができない。さらに好
ましくは、0.4<ODである。
およびガス導入口16が複数段であってもガス導入量が
少ない場合には、ODの値は0.3<ODであることが
好ましい。このような場合にODの値が0.3以下であ
ると、予熱シャフト2内でのガスの熱量が不足して、ス
クラップの予熱を十分に行うことができない。さらに好
ましくは、0.4<ODである。
【0065】本実施形態においても、スクラップの溶解
が進行して所定量の溶鋼が炉内に溜まったら、溶解炉1
および溶解シャフト2内にスクラップが連続して存在す
る状態を保ったまま、溶解炉1を傾動させて出鋼口14
から1チャージ分の溶鋼を取鍋等へ出鋼する。したがっ
て、同様に従来の溶解設備よりも高い温度にスクラップ
を予熱することが可能になる。
が進行して所定量の溶鋼が炉内に溜まったら、溶解炉1
および溶解シャフト2内にスクラップが連続して存在す
る状態を保ったまま、溶解炉1を傾動させて出鋼口14
から1チャージ分の溶鋼を取鍋等へ出鋼する。したがっ
て、同様に従来の溶解設備よりも高い温度にスクラップ
を予熱することが可能になる。
【0066】さらに、従前の実施の形態と同様、常にス
クラップ3が溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在
する状態を保つように予熱シャフト2へスクラップ3を
供給するので、排ガスによるスクラップ予熱効率が高
く、溶解中および出鋼時に1チャージ分の50%以上の
スクラップを溶解炉1および予熱シャフト2に連続して
存在するようにすることによって、予熱効率が極めて高
いものとなる。
クラップ3が溶解炉1と予熱シャフト2に連続して存在
する状態を保つように予熱シャフト2へスクラップ3を
供給するので、排ガスによるスクラップ予熱効率が高
く、溶解中および出鋼時に1チャージ分の50%以上の
スクラップを溶解炉1および予熱シャフト2に連続して
存在するようにすることによって、予熱効率が極めて高
いものとなる。
【0067】さらにまた、コークス等の補助熱源と反応
してCOガスを発生させ、かつスラグフォーミングのた
めの金属酸化に使用する酸素の供給量についても同様に
25Nm3/t以上であることが好ましく、さらに好ま
しくは40Nm3/tである。
してCOガスを発生させ、かつスラグフォーミングのた
めの金属酸化に使用する酸素の供給量についても同様に
25Nm3/t以上であることが好ましく、さらに好ま
しくは40Nm3/tである。
【0068】
(第1実施例)溶解炉(炉径;7.2m、高さ4m)と
予熱シャフト(5mW×3mD×7mH)とが直結した
直流アーク設備の溶解炉内および予熱シャフト内に、ス
クラップ150トンを装入し、溶解炉にて28インチの
黒鉛電極により、最大600V、100kAの電源容量
でアークを形成し、スクラップを溶解した。また炉側壁
に設けた作業口より、水冷ランスを挿入し、そこから6
600Nm3/hrの量で送酸した。
予熱シャフト(5mW×3mD×7mH)とが直結した
直流アーク設備の溶解炉内および予熱シャフト内に、ス
クラップ150トンを装入し、溶解炉にて28インチの
黒鉛電極により、最大600V、100kAの電源容量
でアークを形成し、スクラップを溶解した。また炉側壁
に設けた作業口より、水冷ランスを挿入し、そこから6
600Nm3/hrの量で送酸した。
【0069】図4に示すように、溶解炉1の湯面上の側
壁(溶解炉上端から1.5m下方)側面に1段(A)に
4箇所、さらに予熱シャフト2に、シャフト下部500
mmの位置から8段(B,C,D,E,F,G,H,
I)に各4箇所、合計9段に空気を溶解炉1、予熱シャ
フト2に吹き込むノズル(ガス導入口)16を設置し
た。各ノズルから空気を表1に示すように分配して吹き
込み、その時の電力原単位と予熱シャフト上部のガス組
成を計測した。
壁(溶解炉上端から1.5m下方)側面に1段(A)に
4箇所、さらに予熱シャフト2に、シャフト下部500
mmの位置から8段(B,C,D,E,F,G,H,
I)に各4箇所、合計9段に空気を溶解炉1、予熱シャ
フト2に吹き込むノズル(ガス導入口)16を設置し
た。各ノズルから空気を表1に示すように分配して吹き
込み、その時の電力原単位と予熱シャフト上部のガス組
成を計測した。
【0070】なお、炉内に溶鋼が溜まってきた時点で、
80kg/minでコークスをスラグ中にインジェクシ
ョンしスラグフォーミング操業に移行し、黒鉛電極の先
端をフォーミングスラグ中に埋没させた。この時の電圧
は400Vに設定した。予熱シャフト内のスクラップが
溶解炉内でのスクラップの溶解に伴って下降したら、予
熱シャフト上部からスクラップ装入バケットからスクラ
ップを供給し、予熱シャフト内のスクラップの高さを一
定の高さに保持した。
80kg/minでコークスをスラグ中にインジェクシ
ョンしスラグフォーミング操業に移行し、黒鉛電極の先
端をフォーミングスラグ中に埋没させた。この時の電圧
は400Vに設定した。予熱シャフト内のスクラップが
溶解炉内でのスクラップの溶解に伴って下降したら、予
熱シャフト上部からスクラップ装入バケットからスクラ
ップを供給し、予熱シャフト内のスクラップの高さを一
定の高さに保持した。
【0071】このように、溶解炉内および予熱シャフト
内に連続してスクラップが存在する状態で溶解を進行さ
せ、溶解炉内に180トンの溶鋼が生成した段階で、6
0トンを炉内に残し、1チャージ分の120トンの溶鋼
を出鋼口から取鍋に出鋼した。出鋼時の溶鋼の温度は1
550℃であった。溶鋼中のC濃度は0.1%であっ
た。出鋼口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱
した。
内に連続してスクラップが存在する状態で溶解を進行さ
せ、溶解炉内に180トンの溶鋼が生成した段階で、6
0トンを炉内に残し、1チャージ分の120トンの溶鋼
を出鋼口から取鍋に出鋼した。出鋼時の溶鋼の温度は1
550℃であった。溶鋼中のC濃度は0.1%であっ
た。出鋼口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱
した。
【0072】120トン出鋼後も送酸とコークスインジ
ェクションを行いながらスラグフォーミング操業を行っ
て溶解を継続し、再度溶解炉内の溶鋼量が180トンに
なったら120トン出鋼することを繰り返した。表1の
結果は、この溶解を繰り返した5チャージの平均値を示
している。なお、表1の実施例1〜9は本発明の範囲内
であり、比較例1〜4は本発明の範囲から外れるもので
ある。比較例1〜3は溶解炉を密閉状態とし、比較例
1,2では空気吹き込みを1段で行い、比較例3では空
気の吹き込みを行わなかった。また、比較例4は従来の
バッチ操業を行ったものである。
ェクションを行いながらスラグフォーミング操業を行っ
て溶解を継続し、再度溶解炉内の溶鋼量が180トンに
なったら120トン出鋼することを繰り返した。表1の
結果は、この溶解を繰り返した5チャージの平均値を示
している。なお、表1の実施例1〜9は本発明の範囲内
であり、比較例1〜4は本発明の範囲から外れるもので
ある。比較例1〜3は溶解炉を密閉状態とし、比較例
1,2では空気吹き込みを1段で行い、比較例3では空
気の吹き込みを行わなかった。また、比較例4は従来の
バッチ操業を行ったものである。
【0073】表1の結果から、実施例では、スクラップ
が常に溶解炉および予熱シャフトに存在し、しかも効率
よく未燃焼のCOガスを燃焼できることから、スクラッ
プの予熱効率が高く、電力原単位の低減が可能となるこ
とが確認された。この中でも特に、空気吹き込みの位置
および吹き込み空気量が好ましい範囲である実施例1,
2,4においては、平均してtap−tap約40分間
で120トンの溶鋼が得られ、酸素量33Nm3/t、
コークス原単位26kg/tで電力原単位175〜18
0kWh/tが得られ、本発明を適用しなかった比較例
1〜4と比べ、60〜120kWh/tも電力原単位が
低かった。出鋼した120トンの溶鋼は取鍋炉(LF)
により1620℃に昇温し、連続鋳造により175×1
75mmのビレットを製造した。
が常に溶解炉および予熱シャフトに存在し、しかも効率
よく未燃焼のCOガスを燃焼できることから、スクラッ
プの予熱効率が高く、電力原単位の低減が可能となるこ
とが確認された。この中でも特に、空気吹き込みの位置
および吹き込み空気量が好ましい範囲である実施例1,
2,4においては、平均してtap−tap約40分間
で120トンの溶鋼が得られ、酸素量33Nm3/t、
コークス原単位26kg/tで電力原単位175〜18
0kWh/tが得られ、本発明を適用しなかった比較例
1〜4と比べ、60〜120kWh/tも電力原単位が
低かった。出鋼した120トンの溶鋼は取鍋炉(LF)
により1620℃に昇温し、連続鋳造により175×1
75mmのビレットを製造した。
【0074】
【表1】
【0075】(第2実施例)上記溶解炉において、送酸
量9500Nm3/hr、コークス120kg/mi
n、酸素量45Nm3/t、コークス原単位36kg/
tとした以外は、実施例1と同様の溶解を実施した。そ
の際の空気吹き込み箇所と吹き込み条件および結果を表
2に示した。なお、表1の実施例10〜18は本発明の
範囲内であり、比較例5〜8は本発明の範囲から外れる
ものである。比較例5〜7は溶解炉を密閉状態とし、比
較例5,6では空気吹き込みを1段で行い、比較例7で
は空気の吹き込みを行わなかった。また、比較例8は従
来のバッチ操業を行ったものである。
量9500Nm3/hr、コークス120kg/mi
n、酸素量45Nm3/t、コークス原単位36kg/
tとした以外は、実施例1と同様の溶解を実施した。そ
の際の空気吹き込み箇所と吹き込み条件および結果を表
2に示した。なお、表1の実施例10〜18は本発明の
範囲内であり、比較例5〜8は本発明の範囲から外れる
ものである。比較例5〜7は溶解炉を密閉状態とし、比
較例5,6では空気吹き込みを1段で行い、比較例7で
は空気の吹き込みを行わなかった。また、比較例8は従
来のバッチ操業を行ったものである。
【0076】表2の結果から、本発明では、スクラップ
が常に溶解炉および予熱シャフトに存在し、しかも効率
よく未燃焼のCOガスを燃焼できることから、スクラッ
プの予熱効率が高く、電力原単位の低減が可能となるこ
とが確認された。この中でも特に、空気吹き込みの位置
および吹き込み空気量が好ましい範囲である実施例1
0,11,14においては、平均してtap−tap約
37分間で120トンの溶鋼が得られ、酸素量45Nm
3/t、コークス原単位36kg/tで電力原単位12
0kWh/tが得られ、本発明を適用しなかった比較例
5〜8と比べ、80〜150kWh/tも電力原単位が
低かった。
が常に溶解炉および予熱シャフトに存在し、しかも効率
よく未燃焼のCOガスを燃焼できることから、スクラッ
プの予熱効率が高く、電力原単位の低減が可能となるこ
とが確認された。この中でも特に、空気吹き込みの位置
および吹き込み空気量が好ましい範囲である実施例1
0,11,14においては、平均してtap−tap約
37分間で120トンの溶鋼が得られ、酸素量45Nm
3/t、コークス原単位36kg/tで電力原単位12
0kWh/tが得られ、本発明を適用しなかった比較例
5〜8と比べ、80〜150kWh/tも電力原単位が
低かった。
【0077】
【表2】
【0078】(第3実施例)溶解炉(炉径;7.2m、
高さ4m)と予熱シャフト(5mW×3mD×7mH)
とが直結した直流アーク設備の溶解炉内および予熱シャ
フト内に、スクラップ150トンを装入し、溶解炉にて
28インチの黒鉛電極により、最大600V、100k
Aの電源容量でアークを形成し、スクラップを溶解し
た。また炉側壁に設けた作業口より、水冷ランスを挿入
し、そこから9500Nm3/hrの量で送酸した。
高さ4m)と予熱シャフト(5mW×3mD×7mH)
とが直結した直流アーク設備の溶解炉内および予熱シャ
フト内に、スクラップ150トンを装入し、溶解炉にて
28インチの黒鉛電極により、最大600V、100k
Aの電源容量でアークを形成し、スクラップを溶解し
た。また炉側壁に設けた作業口より、水冷ランスを挿入
し、そこから9500Nm3/hrの量で送酸した。
【0079】図3に示すように、予熱シャフト2の下部
に酸素含有ガスとしての空気を導入するためのガス導入
口16を1段(4箇所)に設置し、さらに作業扉15に
より溶解炉1への侵入空気量を調節可能とした。そし
て、作業扉15およびガス導入口16から空気を供給し
てCOを燃焼させた。その際のトータルの二次燃焼空気
量と各位置でのOD(=CO2/(CO2+CO))の値
を表3に示す。また、その時の電力原単位と予熱シャフ
ト上部のガス組成を測定した。
に酸素含有ガスとしての空気を導入するためのガス導入
口16を1段(4箇所)に設置し、さらに作業扉15に
より溶解炉1への侵入空気量を調節可能とした。そし
て、作業扉15およびガス導入口16から空気を供給し
てCOを燃焼させた。その際のトータルの二次燃焼空気
量と各位置でのOD(=CO2/(CO2+CO))の値
を表3に示す。また、その時の電力原単位と予熱シャフ
ト上部のガス組成を測定した。
【0080】なお、炉内に溶鋼が溜まってきた時点で、
120kg/minでコークスをスラグ中にインジェク
ションしスラグフォーミング操業に移行し、黒鉛電極の
先端をフォーミングスラグ中に埋没させた。この時の電
圧は400Vに設定した。予熱シャフト内のスクラップ
が溶解炉内でのスクラップの溶解に伴って下降したら、
予熱シャフト上部からスクラップ装入バケットからスク
ラップを供給し、予熱シャフト内のスクラップの高さを
一定の高さに保持した。
120kg/minでコークスをスラグ中にインジェク
ションしスラグフォーミング操業に移行し、黒鉛電極の
先端をフォーミングスラグ中に埋没させた。この時の電
圧は400Vに設定した。予熱シャフト内のスクラップ
が溶解炉内でのスクラップの溶解に伴って下降したら、
予熱シャフト上部からスクラップ装入バケットからスク
ラップを供給し、予熱シャフト内のスクラップの高さを
一定の高さに保持した。
【0081】このように、溶解炉内および予熱シャフト
内に連続してスクラップが存在する状態で溶解を進行さ
せ、溶解炉内に180トンの溶鋼が生成した段階で、6
0トンを炉内に残し、1チャージ分の120トンの溶鋼
を出鋼口から取鍋に出鋼した。出鋼時の溶鋼の温度は1
550℃であった。溶鋼中のC濃度は0.1%であっ
た。出鋼口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱
した。
内に連続してスクラップが存在する状態で溶解を進行さ
せ、溶解炉内に180トンの溶鋼が生成した段階で、6
0トンを炉内に残し、1チャージ分の120トンの溶鋼
を出鋼口から取鍋に出鋼した。出鋼時の溶鋼の温度は1
550℃であった。溶鋼中のC濃度は0.1%であっ
た。出鋼口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱
した。
【0082】120トン出鋼後も送酸とコークスインジ
ェクションを行いながらスラグフォーミング操業を行っ
て溶解を継続し、再度溶解炉内の溶鋼量が180トンに
なったら120トン出鋼することを繰り返した。表3の
結果は、この溶解を繰り返した5チャージの平均値を示
している。なお、表3の実施例19は本発明の範囲内で
あり、比較例9は本発明の範囲から外れるものである。
比較例9は溶解炉でのODが0.7以上である。
ェクションを行いながらスラグフォーミング操業を行っ
て溶解を継続し、再度溶解炉内の溶鋼量が180トンに
なったら120トン出鋼することを繰り返した。表3の
結果は、この溶解を繰り返した5チャージの平均値を示
している。なお、表3の実施例19は本発明の範囲内で
あり、比較例9は本発明の範囲から外れるものである。
比較例9は溶解炉でのODが0.7以上である。
【0083】表3の結果から、実施例19では、スクラ
ップの予熱効率が高く、電力原単位を低くすることがで
きることが確認された。この実施例では、平均してta
p−tap約40分間で120トンの溶鋼が得られ、酸
素量36Nm3/t、コークス原単位26kg/tで電
力原単位175kWh/tが得られた。一方、比較例9
では電力原単位は実施例19に比べて低かったが、設備
トラブルおよび融着という操業トラブルが多発した。
ップの予熱効率が高く、電力原単位を低くすることがで
きることが確認された。この実施例では、平均してta
p−tap約40分間で120トンの溶鋼が得られ、酸
素量36Nm3/t、コークス原単位26kg/tで電
力原単位175kWh/tが得られた。一方、比較例9
では電力原単位は実施例19に比べて低かったが、設備
トラブルおよび融着という操業トラブルが多発した。
【0084】
【表3】
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶解室と、その上方に直結する予熱シャフトとを有する
アーク溶解設備を用いてスクラップ等の冷鉄源を溶解す
るので、溶解室への冷鉄源の搬送供給のための装置を特
に必要としない。また、冷鉄源が溶解室と予熱シャフト
に連続して存在する状態を保つように予熱シャフトへ冷
鉄源を供給しながら溶解室内の冷鉄源をアークにより溶
解し、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点で溶解室お
よび予熱シャフトに冷鉄源が存在する状態で溶鋼を出鋼
するので、次チャージの冷鉄源の予熱も可能であり、極
めて高効率の冷鉄源の溶解を実現することができる。さ
らに、溶解室で発生した未燃焼ガスを、溶解室内の湯面
から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲に
おいて複数段に形成されたガス導入口から、冷鉄源装入
部分に酸素含有ガスを供給して燃焼させるので、設備破
損や、冷鉄源の酸化がない条件で、コントロール性良く
確実に効率良く燃焼させることができ、冷鉄源の予熱効
率を一層高めることができる。
溶解室と、その上方に直結する予熱シャフトとを有する
アーク溶解設備を用いてスクラップ等の冷鉄源を溶解す
るので、溶解室への冷鉄源の搬送供給のための装置を特
に必要としない。また、冷鉄源が溶解室と予熱シャフト
に連続して存在する状態を保つように予熱シャフトへ冷
鉄源を供給しながら溶解室内の冷鉄源をアークにより溶
解し、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点で溶解室お
よび予熱シャフトに冷鉄源が存在する状態で溶鋼を出鋼
するので、次チャージの冷鉄源の予熱も可能であり、極
めて高効率の冷鉄源の溶解を実現することができる。さ
らに、溶解室で発生した未燃焼ガスを、溶解室内の湯面
から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲に
おいて複数段に形成されたガス導入口から、冷鉄源装入
部分に酸素含有ガスを供給して燃焼させるので、設備破
損や、冷鉄源の酸化がない条件で、コントロール性良く
確実に効率良く燃焼させることができ、冷鉄源の予熱効
率を一層高めることができる。
【図1】本発明の一実施形態に係るアーク溶解設備を示
す断面図。
す断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係るアーク溶解設備を示
す平面図。
す平面図。
【図3】本発明の他の実施形態に係るアーク溶解設備を
示す断面図。
示す断面図。
【図4】本発明の実施例に適用したアーク溶解設備の一
部分を示す断面図。
部分を示す断面図。
1……溶解炉 2……予熱シャフト 3……鉄スクラップ 4……スクラップ装入バスケット 6……電極 7……アーク 8……溶鋼 9……スラグ 12……ランス 13……バーナー 14……出鋼口 15……作業扉(スラグドア) 16……ガス導入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧 敏道 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 靖浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (18)
- 【請求項1】 溶解室と、その上方に直結する予熱シャ
フトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解す
る方法であって、冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続
して存在する状態を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を
連続的または断続的に供給しながら溶解室内の冷鉄源を
アーク加熱およびコークス等の補助熱源と酸素を溶解室
内に供給することによって溶解し、その際に溶解室内の
湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置まで
の範囲において複数段に形成されたガス導入口から、冷
鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給して溶解室から発生
する未燃焼ガスを燃焼させ、溶解室に所定量の溶鋼が溜
まった時点で溶解室および予熱シャフトに冷鉄源が存在
する状態で溶鋼を出鋼することを特徴とする冷鉄源の溶
解方法。 - 【請求項2】 前記溶解室湯面からシャフト上部の冷鉄
源上端位置までの長さをLとした場合に、0.5Lの位
置より下方に2段以上のガス導入口を形成し、前記酸素
含有ガスはこれらのガス導入口から導入されることを特
徴とする請求項1に記載の冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項3】 前記溶解室湯面からシャフト上部の冷鉄
源上端位置までの長さをLとした場合に、0.5Lの位
置より下方に2段以上5段以下のガス導入口を形成し、
前記酸素含有ガスはこれらのガス導入口から導入される
ことを特徴とする請求項2に記載の冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項4】 前記酸素含有ガスの全吹き込み量は、そ
の中の酸素濃度と流量から計算される酸素量Qinが、溶
解室内に吹き込む酸素量Q(Nm3/min)に対し、
以下の(A)式に示す関係になるようにすることを特徴
とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の
冷鉄源の溶解方法。 0.55Q≦Qin≦0.9Q ……(A) - 【請求項5】 前記溶解室内に吹き込む酸素量が25N
m3/t以上であることを特徴とする請求項1ないし請
求項4のいずれか1項に記載の冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項6】 溶解中および出鋼時に、溶解室および予
熱シャフトに1チャージ分の50%以上の冷鉄源が残存
していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
ずれか1項に記載の冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項7】 溶鋼の出鋼時に溶鋼を加熱することを特
徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載
の冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項8】 溶解室と、冷鉄源を予熱する予熱シャフ
トとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解する
方法であって、冷鉄源を予熱シャフトから供給しながら
溶解室内の冷鉄源をアーク加熱およびコークス等の補助
熱源と酸素とを溶解室内に供給することにより溶解し、
その際に溶解室内の湯面位置から予熱シャフト上部の冷
鉄源の上端位置までの範囲において複数段に形成された
ガス導入口から、冷鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給
して溶解室から発生する未燃焼ガスを燃焼させることを
特徴とする冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項9】 溶解室と、その上方に直結する予熱シャ
フトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解す
る方法であって、冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続
して存在する状態を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を
連続的または断続的に供給しながら溶解室内の冷鉄源を
アーク加熱およびコークス等の補助熱源と酸素を溶解室
内に供給することによって溶解し、その際に、溶解室内
に空気を侵入させ、CO2/(CO2+CO)をODとし
た場合にOD<0.7となるように溶解室内で未燃焼ガ
スを燃焼させ、かつ溶解室内の湯面位置から予熱シャフ
ト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲において一段また
は複数段に形成されたガス導入口から、冷鉄源装入部分
に酸素含有ガスを供給して溶解室から発生する未燃焼ガ
スを燃焼させ、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点で
溶解室および予熱シャフトに冷鉄源が存在する状態で溶
鋼を出鋼することを特徴とする冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項10】 溶解室と、冷鉄源を予熱する予熱シャ
フトとを有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解す
る方法であって、冷鉄源を予熱シャフトから供給しなが
ら溶解室内の冷鉄源をアーク加熱およびコークス等の補
助熱源と酸素とを溶解室内に供給することにより溶解
し、その際に、溶解室内に空気を侵入させ、CO2/
(CO2+CO)をODとした場合にOD<0.7とな
るように溶解室内で未燃焼ガスを燃焼させ、かつ溶解室
内の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置
までの範囲において一段または複数段に形成されたガス
導入口から、冷鉄源装入部分に酸素含有ガスを供給して
溶解室から発生する未燃焼ガスを燃焼させることを特徴
とする冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項11】 0.3<ODとなるように溶解室内で
未燃焼ガスを燃焼させることを特徴とする請求項9また
は請求項10に記載の冷鉄源の溶解方法。 - 【請求項12】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、そ
の上方に直結し、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶
解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク電極と、冷鉄源
が溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態を保つ
ように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的または断続的に供
給する冷鉄源供給手段と、前記溶解室にコークス等の補
助熱源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解室に酸
素を供給する酸素供給手段と、溶解室内の湯面位置から
予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲におい
て、冷鉄源装入部分に溶解室から発生する未燃焼ガスを
燃焼させるための酸素含有ガスを導入する複数段のガス
導入口とを有し、溶解室内の冷鉄源をアークおよび補助
熱源と酸素により溶解することを特徴とする冷鉄源の溶
解設備。 - 【請求項13】 前記溶解室湯面からシャフト上部の冷
鉄源上端位置までの長さをLとした場合に、前記ガス導
入口は、0.5Lの位置より下方に2段以上形成されて
いることを特徴とする請求項12に記載の冷鉄源の溶解
設備。 - 【請求項14】 前記ガス導入口は、0.5Lの位置よ
り下方に2段以上5段以下形成されていることを特徴と
する請求項13に記載の冷鉄源の溶解設備。 - 【請求項15】 前記出鋼口近傍に設けられた溶鋼を加
熱するための加熱手段をさらに有することを特徴とする
請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の冷
鉄源の溶解設備。 - 【請求項16】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、冷
鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶解室内で冷鉄源を溶
解するためのアーク電極と、前記溶解室にコークス等の
補助熱源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解室に
酸素を供給する酸素供給手段と、溶解室内の湯面位置か
ら予熱シャフト上部の冷鉄源の上端位置までの範囲にお
いて、冷鉄源装入部分に溶解室から発生する未燃焼ガス
を燃焼させるための酸素含有ガスを導入する複数段のガ
ス導入口とを有し、溶解室内の冷鉄源をアークおよび補
助熱源と酸素により溶解することを特徴とする冷鉄源の
溶解設備。 - 【請求項17】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、そ
の上方に直結し、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶
解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク電極と、冷鉄源
が溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態を保つ
ように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的または断続的に供
給する冷鉄源供給手段と、前記溶解室にコークス等の補
助熱源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解室に酸
素を供給する酸素供給手段と、前記溶解室内に未燃焼ガ
スを燃焼させるための空気を導入する空気導入部と、溶
解室内の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄源の上端
位置までの範囲において、冷鉄源装入部分に溶解室から
発生する未燃焼ガスを燃焼させるための酸素含有ガスを
導入する一段または複数段のガス導入口とを有し、溶解
室内の冷鉄源をアークおよび補助熱源と酸素により溶解
することを特徴とする冷鉄源の溶解設備。 - 【請求項18】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、冷
鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶解室内で冷鉄源を溶
解するためのアーク電極と、前記溶解室にコークス等の
補助熱源を供給する補助熱源供給手段と、前記溶解室に
酸素を供給する酸素供給手段と、前記溶解室内に未燃焼
ガスを燃焼させるための空気を導入する空気導入部と、
溶解室内の湯面位置から予熱シャフト上部の冷鉄源の上
端位置までの範囲において、冷鉄源装入部分に溶解室か
ら発生する未燃焼ガスを燃焼させるための酸素含有ガス
を導入する一段または複数段のガス導入口とを有し、溶
解室内の冷鉄源をアークおよび補助熱源と酸素により溶
解することを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7861998A JPH10310814A (ja) | 1997-03-13 | 1998-03-12 | 冷鉄源の溶解方法および溶解設備 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-76688 | 1997-03-13 | ||
JP7668897 | 1997-03-13 | ||
JP7861998A JPH10310814A (ja) | 1997-03-13 | 1998-03-12 | 冷鉄源の溶解方法および溶解設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10310814A true JPH10310814A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=26417820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7861998A Pending JPH10310814A (ja) | 1997-03-13 | 1998-03-12 | 冷鉄源の溶解方法および溶解設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10310814A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012509454A (ja) * | 2008-11-19 | 2012-04-19 | エクストラータ テクノロジー プロプライアタリー リミテッド | 炉及び炉の冷却方法 |
JP2012158782A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Jfe Steel Corp | 複合アーク溶解炉排ガスの改質方法および複合アーク溶解炉 |
JP2012158781A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Jfe Steel Corp | 冷鉄源の複合アーク溶解炉による溶解方法および複合アーク溶解炉 |
-
1998
- 1998-03-12 JP JP7861998A patent/JPH10310814A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012509454A (ja) * | 2008-11-19 | 2012-04-19 | エクストラータ テクノロジー プロプライアタリー リミテッド | 炉及び炉の冷却方法 |
JP2012158782A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Jfe Steel Corp | 複合アーク溶解炉排ガスの改質方法および複合アーク溶解炉 |
JP2012158781A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Jfe Steel Corp | 冷鉄源の複合アーク溶解炉による溶解方法および複合アーク溶解炉 |
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