JPH10308520A - 半導体薄膜の製造方法およびその半導体薄膜を用いた太陽電池 - Google Patents
半導体薄膜の製造方法およびその半導体薄膜を用いた太陽電池Info
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- JPH10308520A JPH10308520A JP9115510A JP11551097A JPH10308520A JP H10308520 A JPH10308520 A JP H10308520A JP 9115510 A JP9115510 A JP 9115510A JP 11551097 A JP11551097 A JP 11551097A JP H10308520 A JPH10308520 A JP H10308520A
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10F—INORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
- H10F71/00—Manufacture or treatment of devices covered by this subclass
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】従来の数100μm程度の厚いSi単結晶太陽
電池と同じ程度の高い光電変換効率を有し、かつ製造コ
ストが安価な半導体薄膜の製造方法およびその半導体薄
膜を用いた太陽電池を提供する。 【解決手段】半導体結晶母材中に、半導体結晶の第1の
主面から他の第2の主面に向かって複数の柱状構造を形
成する第1の工程と、半導体結晶母材中に、陽極化成に
より多孔質層を形成する第2の工程と、上記多孔質層と
上記柱状構造を含む半導体結晶母材の一部と支持基板と
を少なくとも構成要素として積層した構造体を、上記半
導体結晶母材から剥離することにより、上記柱状構造が
薄膜中を貫通してなる半導体薄膜を上記支持基板上に形
成する第3の工程とを、繰り返し行って半導体薄膜を作
製し、この半導体薄膜を光電変換層として用い太陽電池
とする。
電池と同じ程度の高い光電変換効率を有し、かつ製造コ
ストが安価な半導体薄膜の製造方法およびその半導体薄
膜を用いた太陽電池を提供する。 【解決手段】半導体結晶母材中に、半導体結晶の第1の
主面から他の第2の主面に向かって複数の柱状構造を形
成する第1の工程と、半導体結晶母材中に、陽極化成に
より多孔質層を形成する第2の工程と、上記多孔質層と
上記柱状構造を含む半導体結晶母材の一部と支持基板と
を少なくとも構成要素として積層した構造体を、上記半
導体結晶母材から剥離することにより、上記柱状構造が
薄膜中を貫通してなる半導体薄膜を上記支持基板上に形
成する第3の工程とを、繰り返し行って半導体薄膜を作
製し、この半導体薄膜を光電変換層として用い太陽電池
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は支持基板上に積層さ
れた半導体薄膜の製造方法、およびその半導体薄膜を用
いた太陽電池に関する。
れた半導体薄膜の製造方法、およびその半導体薄膜を用
いた太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体を用いて太陽光から電気へ有効な
エネルギ変換を行うことは、地球環境を考慮したクリー
ンエネルギ創出の観点から、今後重視されるべき技術課
題である。種々の半導体材料のなかでも、安全・安価で
エネルギ変換効率の高いシリコン(Si)半導体は、今
後、いっそうの増加が見込まれるエネルギ需要の担い手
の一つとして重要であり、すでに太陽電池として一部実
用化されている。そこで、従来の太陽電池ならびにその
製造方法の典型的な例として、以下に、Siを例に挙げ
て説明する。将来予想される太陽光発電の飛躍的な普及
に伴って、電池材料の需要も膨大なものになることが懸
念され、資源的な要請からSi材料の使用を最小限に押
さえ、かつ、一定の光電変換効率を保持した太陽電池構
造が要求されている。このような省資源型Si太陽電池
を製造する方法としては、(1)単結晶もしくは多結晶
のバルク結晶から所望の厚さのSi薄膜を切り出す(す
なわちスライスする)、あるいは、(2)上記と同様な
結晶から所望の厚さのSi薄膜を支持基板と接着した状
態で一体的に剥離する、あるいは、(3)所定の基体上
にSi薄膜層を堆積する、もしくはこれらの方法を組み
合わせた工程を経て、引き続き太陽電池作製に必要な種
々の既知の処理を行う方法がある。
エネルギ変換を行うことは、地球環境を考慮したクリー
ンエネルギ創出の観点から、今後重視されるべき技術課
題である。種々の半導体材料のなかでも、安全・安価で
エネルギ変換効率の高いシリコン(Si)半導体は、今
後、いっそうの増加が見込まれるエネルギ需要の担い手
の一つとして重要であり、すでに太陽電池として一部実
用化されている。そこで、従来の太陽電池ならびにその
製造方法の典型的な例として、以下に、Siを例に挙げ
て説明する。将来予想される太陽光発電の飛躍的な普及
に伴って、電池材料の需要も膨大なものになることが懸
念され、資源的な要請からSi材料の使用を最小限に押
さえ、かつ、一定の光電変換効率を保持した太陽電池構
造が要求されている。このような省資源型Si太陽電池
を製造する方法としては、(1)単結晶もしくは多結晶
のバルク結晶から所望の厚さのSi薄膜を切り出す(す
なわちスライスする)、あるいは、(2)上記と同様な
結晶から所望の厚さのSi薄膜を支持基板と接着した状
態で一体的に剥離する、あるいは、(3)所定の基体上
にSi薄膜層を堆積する、もしくはこれらの方法を組み
合わせた工程を経て、引き続き太陽電池作製に必要な種
々の既知の処理を行う方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の方法は、
切り出すSi薄膜の膜厚の均一性に問題があった。ま
た、切り出した薄膜を何らかの基体上に接着する工程に
おいて、特に、膜厚が100μm以下となると、ハンド
リングの上で困難性を伴い製造歩留まりが低下する問題
があった。上記(2)の方法の一つとして、プロトンイ
オンを単結晶もしくは多結晶のバルク結晶に注入し、生
じた欠陥を利用してSi薄膜を剥離する方法があった
が、太陽電池の特性に問題を残さない程度に充分に欠陥
を回復させることは困難であった。また、上記(3)の
方法では、あらかじめ基体上に堆積した非晶質もしくは
粒径の小さい多結晶Si薄膜に対し、熱処理等をはじめ
とする種々の方法で結晶粒径の大きいSi薄膜となし、
これにより比較的高効率の太陽電池を得る方法が試みら
れた。この場合は、所望の薄膜の形成は可能であるが、
Si膜の堆積に要するコスト、および付随する種々の熱
処理等に要するコストが相対的に高く、実用上の問題と
なっていた。さらに、これら(1)から(3)の方法を
適宜組み合わせた方法では、太陽電池の製造コストを充
分に押さえることは困難であった。
切り出すSi薄膜の膜厚の均一性に問題があった。ま
た、切り出した薄膜を何らかの基体上に接着する工程に
おいて、特に、膜厚が100μm以下となると、ハンド
リングの上で困難性を伴い製造歩留まりが低下する問題
があった。上記(2)の方法の一つとして、プロトンイ
オンを単結晶もしくは多結晶のバルク結晶に注入し、生
じた欠陥を利用してSi薄膜を剥離する方法があった
が、太陽電池の特性に問題を残さない程度に充分に欠陥
を回復させることは困難であった。また、上記(3)の
方法では、あらかじめ基体上に堆積した非晶質もしくは
粒径の小さい多結晶Si薄膜に対し、熱処理等をはじめ
とする種々の方法で結晶粒径の大きいSi薄膜となし、
これにより比較的高効率の太陽電池を得る方法が試みら
れた。この場合は、所望の薄膜の形成は可能であるが、
Si膜の堆積に要するコスト、および付随する種々の熱
処理等に要するコストが相対的に高く、実用上の問題と
なっていた。さらに、これら(1)から(3)の方法を
適宜組み合わせた方法では、太陽電池の製造コストを充
分に押さえることは困難であった。
【0004】本発明の目的は、上記(1)の方法におけ
る膜厚の均一性、上記(2)の方法における欠陥回復の
課題、上記(3)の方法におけるコスト低減の課題を解
決し、従来の数100μm程度の厚いSi単結晶太陽電
池と同じ程度の効果的な光電変換効率を有し、かつ製造
コストが安価な半導体薄膜の製造方法およびその半導体
薄膜を用いた太陽電池を提供することにある。
る膜厚の均一性、上記(2)の方法における欠陥回復の
課題、上記(3)の方法におけるコスト低減の課題を解
決し、従来の数100μm程度の厚いSi単結晶太陽電
池と同じ程度の効果的な光電変換効率を有し、かつ製造
コストが安価な半導体薄膜の製造方法およびその半導体
薄膜を用いた太陽電池を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項1に記
載のように、半導体結晶母材中に、該半導体結晶の第1
の主面から他の第2の主面に向かって複数の柱状構造を
形成する第1の工程と、上記半導体結晶母材中に、陽極
化成により多孔質層を形成する第2の工程と、上記多孔
質層と上記柱状構造を含む半導体結晶母材の一部と支持
基板とを少なくとも構成要素として積層した構造体を、
上記半導体結晶母材から剥離することにより、上記柱状
構造が薄膜中を貫通してなる半導体薄膜を上記支持基板
上に形成する第3の工程とを、少なくとも含む半導体薄
膜の製造方法とするものである。また、本発明は請求項
2に記載のように、請求項1記載の半導体薄膜の製造方
法において、第3の工程の後に残存する半導体結晶母材
を用いて、第1の工程、第2の工程および第3の工程を
繰り返し行い、複数の半導体薄膜を得る工程を有する半
導体薄膜の製造方法とするものである。また、本発明は
請求項3に記載のように、請求項1または請求項2に記
載の半導体薄膜の製造方法により作製した半導体薄膜
を、少なくとも太陽電池の光電変換層として用いて半導
体薄膜太陽電池とするものである。
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項1に記
載のように、半導体結晶母材中に、該半導体結晶の第1
の主面から他の第2の主面に向かって複数の柱状構造を
形成する第1の工程と、上記半導体結晶母材中に、陽極
化成により多孔質層を形成する第2の工程と、上記多孔
質層と上記柱状構造を含む半導体結晶母材の一部と支持
基板とを少なくとも構成要素として積層した構造体を、
上記半導体結晶母材から剥離することにより、上記柱状
構造が薄膜中を貫通してなる半導体薄膜を上記支持基板
上に形成する第3の工程とを、少なくとも含む半導体薄
膜の製造方法とするものである。また、本発明は請求項
2に記載のように、請求項1記載の半導体薄膜の製造方
法において、第3の工程の後に残存する半導体結晶母材
を用いて、第1の工程、第2の工程および第3の工程を
繰り返し行い、複数の半導体薄膜を得る工程を有する半
導体薄膜の製造方法とするものである。また、本発明は
請求項3に記載のように、請求項1または請求項2に記
載の半導体薄膜の製造方法により作製した半導体薄膜
を、少なくとも太陽電池の光電変換層として用いて半導
体薄膜太陽電池とするものである。
【0006】本発明は、請求項1に記載のように、第1
の工程であるSi内の柱状構造の形成について、代表的
な例としてn形Siの場合には、電流等の条件が制御さ
れた陽極化成を用いて径が一定の穴を形成する方法を採
用し、p形Siの場合は、フォト工程等により形成され
た面内の特定の領域を多孔質化する方法により行われ
る。そして、柱状構造が所望の深さに達した段階で、陽
極化成条件を適宜変更する、および/または、Si結晶
の伝導形等の性質が膜厚方向に制御されていることか
ら、結果的に陽極化成条件が変化することを切っ掛けと
し、柱状構造としたSi結晶部分が、後の工程において
薄膜として剥離するのに有利な層構造を形成せしめ(第
2の工程)、続いて、このような工程を経て得られた柱
状構造を有するSi結晶と、該Si結晶とは別に準備さ
れた支持基板とを接着(接合)して得られた積層構造物
を、上記Si結晶から剥離させる第3の工程とにより、
柱状構造が薄膜中を貫通してなるSi薄膜を支持基板上
に形成する半導体薄膜の製造方法を提供するものであ
る。このような半導体薄膜の製造方法とすることによ
り、膜厚が均一で、欠陥のない、安価な半導体薄膜が得
られる効果がある。また、請求項2に記載のように、請
求項1記載の半導体薄膜の製造方法において、第3の工
程の後に残存する半導体結晶母材を用いて、第1の工
程、第2の工程および第3の工程を繰り返し行い、複数
の半導体薄膜を得る工程を含む半導体薄膜の製造方法と
することにより、膜厚が均一で、欠陥のない半導体薄膜
をいっそう安価に製造できる効果がある。また、請求項
3に記載のように、請求項1または請求項2に記載の半
導体薄膜の製造方法により作製した半導体薄膜を、少な
くとも太陽電池の光電変換活性層として用いて半導体薄
膜太陽電池とすることにより、従来の数100μm程度
の厚いSi単結晶太陽電池と同じ程度の効果的な光電変
換効率を有し、かつ大面積で安価な半導体薄膜太陽電池
を実現できる効果がある。
の工程であるSi内の柱状構造の形成について、代表的
な例としてn形Siの場合には、電流等の条件が制御さ
れた陽極化成を用いて径が一定の穴を形成する方法を採
用し、p形Siの場合は、フォト工程等により形成され
た面内の特定の領域を多孔質化する方法により行われ
る。そして、柱状構造が所望の深さに達した段階で、陽
極化成条件を適宜変更する、および/または、Si結晶
の伝導形等の性質が膜厚方向に制御されていることか
ら、結果的に陽極化成条件が変化することを切っ掛けと
し、柱状構造としたSi結晶部分が、後の工程において
薄膜として剥離するのに有利な層構造を形成せしめ(第
2の工程)、続いて、このような工程を経て得られた柱
状構造を有するSi結晶と、該Si結晶とは別に準備さ
れた支持基板とを接着(接合)して得られた積層構造物
を、上記Si結晶から剥離させる第3の工程とにより、
柱状構造が薄膜中を貫通してなるSi薄膜を支持基板上
に形成する半導体薄膜の製造方法を提供するものであ
る。このような半導体薄膜の製造方法とすることによ
り、膜厚が均一で、欠陥のない、安価な半導体薄膜が得
られる効果がある。また、請求項2に記載のように、請
求項1記載の半導体薄膜の製造方法において、第3の工
程の後に残存する半導体結晶母材を用いて、第1の工
程、第2の工程および第3の工程を繰り返し行い、複数
の半導体薄膜を得る工程を含む半導体薄膜の製造方法と
することにより、膜厚が均一で、欠陥のない半導体薄膜
をいっそう安価に製造できる効果がある。また、請求項
3に記載のように、請求項1または請求項2に記載の半
導体薄膜の製造方法により作製した半導体薄膜を、少な
くとも太陽電池の光電変換活性層として用いて半導体薄
膜太陽電池とすることにより、従来の数100μm程度
の厚いSi単結晶太陽電池と同じ程度の効果的な光電変
換効率を有し、かつ大面積で安価な半導体薄膜太陽電池
を実現できる効果がある。
【0007】本発明の半導体薄膜の製造方法および半導
体薄膜太陽電池は、Si薄膜に限定されるものではな
く、Si母材結晶上に形成された非晶質Si層、もしく
はII−VI族、III−V族を始めとする化合物半導体層にお
いても、該半導体層中に柱状構造を形成し、下部Si母
材結晶内に剥離用の多孔質層を形成し、上記柱状構造を
有した層と、上記母材結晶とは別に、準備された支持基
板とを接着させて積層した構造物を剥離することによ
り、非晶質Si層もしくはII−VI族、III−V族を始めと
する化合物半導体膜を実現することが可能である。ま
た、本発明によって形成された半導体薄膜は、太陽電池
素子として有用であるばかりではなく、一般に薄膜内に
作り込まれた半導体素子として機能する場合においても
適用可能である。従来のn形Si内に穴を形成する方法
については、例えば、ジャーナル オブザ エレクトロケ
ミカル ソサイティ 137巻(1990年)第653頁〜第659頁
〔V.Lehmann and H.Foell,Journal of the Electrochem
ical Society,vol.137,653-659(1990)〕に記述があ
る。適当な抵抗率のn形Si結晶に対し、陽極化成時の
バイアス電圧、光照射波長、光導電電流、陽極化成時間
等を最適に設定することにより、一定の径を有した穴を
400μmの深さに至るまで形成することが可能である
との開示がある。しかしながら、上記文献の技術のみで
は穴は形成されるものの、厚さ400μm以下の薄膜よ
りなる太陽電池素子として構成することは不可能であっ
た。本発明の半導体薄膜における柱状構造の形成は、上
記穴形成技術を応用し、かつ穴が所望の深さに至った段
階で、穴の形成反応とは著しく条件が異なった陽極化成
反応を惹起させることにより、これまでの膜厚方向への
化成反応の進行(すなわち穴形成)ではなく、主として
膜面方向への多孔質化を行う化成反応の進行をもたらす
ことにより、この部分を層構造として多孔質度の大きい
層にすることができる。複数の穴を含むSi層の下部に
形成された多孔質度の大きい層は、上部の穴を含むSi
層、および、より下部のSi結晶部分よりも機械的に脆
弱であり、後の工程において穴を有するSi結晶部分が
薄膜として剥離するのに有利な構造となっている。p型
Si内に柱状構造を形成する場合には、以下のような陽
極化成反応の特徴を利用する。すなわち、Si結晶に光
を照射しない場合、結晶内の正孔密度の差から、n形S
iに比べてp形Siが陽極化成反応が盛んに起こる。そ
こで、Si結晶内にn形およびp形の領域を適宜配置し
た後、柱状に形成したp形領域のみを陽極化成により多
孔質化し、さらに上記n形Siの場合と同様に陽極化成
条件を変化させて、多孔質度の大きい層を形成した構造
とするものである。
体薄膜太陽電池は、Si薄膜に限定されるものではな
く、Si母材結晶上に形成された非晶質Si層、もしく
はII−VI族、III−V族を始めとする化合物半導体層にお
いても、該半導体層中に柱状構造を形成し、下部Si母
材結晶内に剥離用の多孔質層を形成し、上記柱状構造を
有した層と、上記母材結晶とは別に、準備された支持基
板とを接着させて積層した構造物を剥離することによ
り、非晶質Si層もしくはII−VI族、III−V族を始めと
する化合物半導体膜を実現することが可能である。ま
た、本発明によって形成された半導体薄膜は、太陽電池
素子として有用であるばかりではなく、一般に薄膜内に
作り込まれた半導体素子として機能する場合においても
適用可能である。従来のn形Si内に穴を形成する方法
については、例えば、ジャーナル オブザ エレクトロケ
ミカル ソサイティ 137巻(1990年)第653頁〜第659頁
〔V.Lehmann and H.Foell,Journal of the Electrochem
ical Society,vol.137,653-659(1990)〕に記述があ
る。適当な抵抗率のn形Si結晶に対し、陽極化成時の
バイアス電圧、光照射波長、光導電電流、陽極化成時間
等を最適に設定することにより、一定の径を有した穴を
400μmの深さに至るまで形成することが可能である
との開示がある。しかしながら、上記文献の技術のみで
は穴は形成されるものの、厚さ400μm以下の薄膜よ
りなる太陽電池素子として構成することは不可能であっ
た。本発明の半導体薄膜における柱状構造の形成は、上
記穴形成技術を応用し、かつ穴が所望の深さに至った段
階で、穴の形成反応とは著しく条件が異なった陽極化成
反応を惹起させることにより、これまでの膜厚方向への
化成反応の進行(すなわち穴形成)ではなく、主として
膜面方向への多孔質化を行う化成反応の進行をもたらす
ことにより、この部分を層構造として多孔質度の大きい
層にすることができる。複数の穴を含むSi層の下部に
形成された多孔質度の大きい層は、上部の穴を含むSi
層、および、より下部のSi結晶部分よりも機械的に脆
弱であり、後の工程において穴を有するSi結晶部分が
薄膜として剥離するのに有利な構造となっている。p型
Si内に柱状構造を形成する場合には、以下のような陽
極化成反応の特徴を利用する。すなわち、Si結晶に光
を照射しない場合、結晶内の正孔密度の差から、n形S
iに比べてp形Siが陽極化成反応が盛んに起こる。そ
こで、Si結晶内にn形およびp形の領域を適宜配置し
た後、柱状に形成したp形領域のみを陽極化成により多
孔質化し、さらに上記n形Siの場合と同様に陽極化成
条件を変化させて、多孔質度の大きい層を形成した構造
とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、陽極化成工程により形成
した穴状の柱状構造を有する半導体薄膜の製造方法およ
びその半導体薄膜を用いた太陽電池素子の作製につい
て、さらに詳細に説明する。 〈実施の形態1〉図1(a)〜(e)は、本実施の形態
において例示する半導体薄膜およびその半導体薄膜を用
いた太陽電池素子を製造する工程を示す模式図である。
図1(a)で、1は母材n形(100)Si結晶基体を
示し、該Si結晶基体1の裏面より、陽極化成反応時に
照射する光3を照射しつつ、表面から陽極化成反応を行
わしめる。一定の径の穴を形成するためには、上記光3
の照射は800nm以上の波長の光をカットするフィル
ターを用いて行うのが好適である。陽極化成条件を適宜
設定することにより30μm深さ、直径1μmの柱状穴
2を形成することができた。また、柱状穴2のSi結晶
面内の配置については、あらかじめ上記Si結晶基体1
の表面に、光リソグラフィー等の方法により微小な凹面
(ピット)を生じさせておけば、それを切っ掛けとして
陽極化成条件に依存した一定の径の穴の形成が可能であ
る。引き続き、図1(b)に示すように、バイアス等の
陽極化成条件を瞬時に大きく変化させ、比較的短時間の
反応で多孔質度の大きい層4を形成した。次いで、接合
部を形成するために、図1(c)に示すように、B(ボ
ロン)ドープガラス5を塗布した。図1(d)に示すよ
うに、通常の拡散過程を経てn形Si層11内に、p形
拡散層6を形成し、Bドープガラス5を除去した後、p
電極7を付着し、さらに太陽電池の支持基板となるガラ
ス板8を接着した。ガラス板8とp電極7との接着に
は、適当な耐熱性接着剤を用いることが好ましい。ガラ
ス板8を接着後、柱状穴2を有する層は、上記ガラス板
8と一体的に母材n形(100)Si結晶基体1から機
械的に剥離することができた。また、多孔質度の大きい
層4も、上述したように機械的に脆弱なため、破断面4
0を境にして剥離することができた。なお、剥離の際に
は、剥離を助長するために酸等の溶液に浸漬する化学的
処理、もしくは加熱処理を付加することによって、より
好適に破断を行うことができた。剥離後、柱状穴層側に
残存した多孔質層41はエッチングにより除去した。ま
た、剥離後残存した母材n形(100)Si結晶基体1
は、破断面40近傍の多孔質層42を除去後、再利用し
た。剥離した構造体は、図1(e)に示すように、太陽
光の反射防止膜9、n電極10を順次形成して太陽電池
を構成した。なお、柱状穴2の周辺部のSiは、穴形成
に伴う歪が蓄積され酸化され易い状態になっており、穴
形成の直後からn電極形成に至るまでの過程で酸化膜1
2が形成される。太陽電池の特性の観点からは、酸化膜
12、反射防止膜9は光生成キャリアの表面再結合を防
止する上で有効である。なお、p電極7を透明電極とし
た場合、図1(e)において、上部より入射した光の一
部は、柱状穴2、p電極7、支持基板となるガラス板8
を通過することが可能で、いわゆるシースルー機能(光
が部分的に透過する機能)を有した太陽電池の構成も可
能である。柱状穴2の配置および深さ・径は、陽極化成
条件を制御することにより調整可能であり、例えば、シ
ースルーの程度等も変化させることが可能である。
した穴状の柱状構造を有する半導体薄膜の製造方法およ
びその半導体薄膜を用いた太陽電池素子の作製につい
て、さらに詳細に説明する。 〈実施の形態1〉図1(a)〜(e)は、本実施の形態
において例示する半導体薄膜およびその半導体薄膜を用
いた太陽電池素子を製造する工程を示す模式図である。
図1(a)で、1は母材n形(100)Si結晶基体を
示し、該Si結晶基体1の裏面より、陽極化成反応時に
照射する光3を照射しつつ、表面から陽極化成反応を行
わしめる。一定の径の穴を形成するためには、上記光3
の照射は800nm以上の波長の光をカットするフィル
ターを用いて行うのが好適である。陽極化成条件を適宜
設定することにより30μm深さ、直径1μmの柱状穴
2を形成することができた。また、柱状穴2のSi結晶
面内の配置については、あらかじめ上記Si結晶基体1
の表面に、光リソグラフィー等の方法により微小な凹面
(ピット)を生じさせておけば、それを切っ掛けとして
陽極化成条件に依存した一定の径の穴の形成が可能であ
る。引き続き、図1(b)に示すように、バイアス等の
陽極化成条件を瞬時に大きく変化させ、比較的短時間の
反応で多孔質度の大きい層4を形成した。次いで、接合
部を形成するために、図1(c)に示すように、B(ボ
ロン)ドープガラス5を塗布した。図1(d)に示すよ
うに、通常の拡散過程を経てn形Si層11内に、p形
拡散層6を形成し、Bドープガラス5を除去した後、p
電極7を付着し、さらに太陽電池の支持基板となるガラ
ス板8を接着した。ガラス板8とp電極7との接着に
は、適当な耐熱性接着剤を用いることが好ましい。ガラ
ス板8を接着後、柱状穴2を有する層は、上記ガラス板
8と一体的に母材n形(100)Si結晶基体1から機
械的に剥離することができた。また、多孔質度の大きい
層4も、上述したように機械的に脆弱なため、破断面4
0を境にして剥離することができた。なお、剥離の際に
は、剥離を助長するために酸等の溶液に浸漬する化学的
処理、もしくは加熱処理を付加することによって、より
好適に破断を行うことができた。剥離後、柱状穴層側に
残存した多孔質層41はエッチングにより除去した。ま
た、剥離後残存した母材n形(100)Si結晶基体1
は、破断面40近傍の多孔質層42を除去後、再利用し
た。剥離した構造体は、図1(e)に示すように、太陽
光の反射防止膜9、n電極10を順次形成して太陽電池
を構成した。なお、柱状穴2の周辺部のSiは、穴形成
に伴う歪が蓄積され酸化され易い状態になっており、穴
形成の直後からn電極形成に至るまでの過程で酸化膜1
2が形成される。太陽電池の特性の観点からは、酸化膜
12、反射防止膜9は光生成キャリアの表面再結合を防
止する上で有効である。なお、p電極7を透明電極とし
た場合、図1(e)において、上部より入射した光の一
部は、柱状穴2、p電極7、支持基板となるガラス板8
を通過することが可能で、いわゆるシースルー機能(光
が部分的に透過する機能)を有した太陽電池の構成も可
能である。柱状穴2の配置および深さ・径は、陽極化成
条件を制御することにより調整可能であり、例えば、シ
ースルーの程度等も変化させることが可能である。
【0009】〈実施の形態2〉図2(a)〜(e)は、
本実施の形態において例示する半導体薄膜およびその半
導体薄膜を用いた太陽電池素子を製造する工程を示す模
式図である。図2(a)において、21は母材p形(1
00)Si結晶基体である。マスク22をスクリーン印
刷後、水素イオン注入を行い、マスク22を除去した
後、400℃でアニールすると、上記Si結晶基体21
の一部に、注入エネルギに応じてn形化領域23が形成
される。次いで、陽極化成を行うと、図2(b)に示す
ように、イオン注入されずp形のままで多孔質化した柱
状の構造20およびその下部に多孔質化したp形領域2
4が形成される。次に、接合を形成するために、図2
(c)に示すように、P(燐)ドープガラス25を塗布
し、n形拡散のための熱処理を行った。熱処理に伴い、
注入された水素が上記Si結晶基体21の外側に拡散し
散逸すると共に、Pドープガラス層25よりPが拡散
し、図2(d)に示すように、n形層26が形成され、
n形化領域23は、元のp形となる。Pドープガラス2
5を除去した後、n電極27を付着し、さらに、太陽電
池の支持基板となるガラス板28を接着させた〔図2
(d)〕。次いで、実施の形態1と同様にして、柱状構
造を含むSi薄層を剥離した。残った母材p形(10
0)Si結晶基体21は再利用した。図2(e)に示す
ように、剥離されたSi薄層の表面は、反射防止効果を
高めるためにアルカリ溶液でエッチングし、逆ピラミッ
ド状の表面30を形成した。反射防止膜31、p電極3
2を順次積層し、熱処理を行って太陽電池を作製した。
多孔質化したp形領域24の周辺部のSiは、太陽電池
の作製過程中で酸化され柱状の酸化領域29となった。
なお、多孔質化したp形領域24の酸化は、太陽電池の
作製過程中の適当な段階で、意図的・積極的に行っても
良い。
本実施の形態において例示する半導体薄膜およびその半
導体薄膜を用いた太陽電池素子を製造する工程を示す模
式図である。図2(a)において、21は母材p形(1
00)Si結晶基体である。マスク22をスクリーン印
刷後、水素イオン注入を行い、マスク22を除去した
後、400℃でアニールすると、上記Si結晶基体21
の一部に、注入エネルギに応じてn形化領域23が形成
される。次いで、陽極化成を行うと、図2(b)に示す
ように、イオン注入されずp形のままで多孔質化した柱
状の構造20およびその下部に多孔質化したp形領域2
4が形成される。次に、接合を形成するために、図2
(c)に示すように、P(燐)ドープガラス25を塗布
し、n形拡散のための熱処理を行った。熱処理に伴い、
注入された水素が上記Si結晶基体21の外側に拡散し
散逸すると共に、Pドープガラス層25よりPが拡散
し、図2(d)に示すように、n形層26が形成され、
n形化領域23は、元のp形となる。Pドープガラス2
5を除去した後、n電極27を付着し、さらに、太陽電
池の支持基板となるガラス板28を接着させた〔図2
(d)〕。次いで、実施の形態1と同様にして、柱状構
造を含むSi薄層を剥離した。残った母材p形(10
0)Si結晶基体21は再利用した。図2(e)に示す
ように、剥離されたSi薄層の表面は、反射防止効果を
高めるためにアルカリ溶液でエッチングし、逆ピラミッ
ド状の表面30を形成した。反射防止膜31、p電極3
2を順次積層し、熱処理を行って太陽電池を作製した。
多孔質化したp形領域24の周辺部のSiは、太陽電池
の作製過程中で酸化され柱状の酸化領域29となった。
なお、多孔質化したp形領域24の酸化は、太陽電池の
作製過程中の適当な段階で、意図的・積極的に行っても
良い。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体薄
膜の製造方法およびその半導体薄膜を用いた薄膜太陽電
池では、上記従来の(1)の方法では実現が困難であっ
た10μm程度の膜厚の薄膜Si結晶を容易に作製する
ことができる。また、上記従来の(2)の方法では、太
陽電池特性に問題を残さない程度に注入欠陥を回復させ
ることが困難であったが、本発明では陽極化成反応に関
与しないSi結晶部分は基本的に元の欠陥の少ない結晶
構造が維持されるため問題は生じない。これは、本発明
の方法が、上記従来の(3)の方法では達成困難であっ
た単結晶もしくは数cm程度以上の大粒径の多結晶Si
薄膜を、母材の結晶性を維持したまま実現できることを
意味する。さらに、イオン注入装置等の高価な装置を用
いる必要もなく、簡易な陽極化成装置で大面積の薄膜処
理を短時間に行うことができる。また、単結晶(もしく
は単結晶とみなし得る程度の大粒径の多結晶)の薄膜で
は、粒径が小さい上記従来の(3)の方法で問題となっ
ていた結晶粒界におけるキャリアの再結合・漏れ電流に
起因する効率の低下がないため、従来の厚い(数100
μm程度)Si単結晶太陽電池と同程度の効果的な光電
変換効率が得られる。また、剥離工程後、残留した母材
Si結晶の再利用が可能であるため、Siの資源節約の
面でも有利な方法である。標準的な6インチSi単結晶
ウエハ1枚から、10μm厚のSi単結晶太陽電池を約
50枚以上作製できる効果がある。
膜の製造方法およびその半導体薄膜を用いた薄膜太陽電
池では、上記従来の(1)の方法では実現が困難であっ
た10μm程度の膜厚の薄膜Si結晶を容易に作製する
ことができる。また、上記従来の(2)の方法では、太
陽電池特性に問題を残さない程度に注入欠陥を回復させ
ることが困難であったが、本発明では陽極化成反応に関
与しないSi結晶部分は基本的に元の欠陥の少ない結晶
構造が維持されるため問題は生じない。これは、本発明
の方法が、上記従来の(3)の方法では達成困難であっ
た単結晶もしくは数cm程度以上の大粒径の多結晶Si
薄膜を、母材の結晶性を維持したまま実現できることを
意味する。さらに、イオン注入装置等の高価な装置を用
いる必要もなく、簡易な陽極化成装置で大面積の薄膜処
理を短時間に行うことができる。また、単結晶(もしく
は単結晶とみなし得る程度の大粒径の多結晶)の薄膜で
は、粒径が小さい上記従来の(3)の方法で問題となっ
ていた結晶粒界におけるキャリアの再結合・漏れ電流に
起因する効率の低下がないため、従来の厚い(数100
μm程度)Si単結晶太陽電池と同程度の効果的な光電
変換効率が得られる。また、剥離工程後、残留した母材
Si結晶の再利用が可能であるため、Siの資源節約の
面でも有利な方法である。標準的な6インチSi単結晶
ウエハ1枚から、10μm厚のSi単結晶太陽電池を約
50枚以上作製できる効果がある。
【図1】本発明の実施の形態1で例示した半導体薄膜の
作製方法とその半導体薄膜を用いた太陽電池の製造過程
を示す工程図。
作製方法とその半導体薄膜を用いた太陽電池の製造過程
を示す工程図。
【図2】本発明の実施の形態2で例示した半導体薄膜の
作製方法とその半導体薄膜を用いた太陽電池の製造過程
を示す工程図。
作製方法とその半導体薄膜を用いた太陽電池の製造過程
を示す工程図。
1…母材n形(100)Si結晶基体 2…柱状穴 3…陽極化成反応時に照射する光 4…多孔質度の大きい層 5…Bドープガラス 6…p形拡散層 7…p電極 8…支持基板となるガラス板 9…反射防止膜 10…n電極 11…n形Si層 12…酸化膜 20…多孔質化した柱状の構造 21…母材p形(100)Si結晶基体 22…マスク 23…n形化領域 24…多孔質化したp形領域 25…Pドープガラス 26…n形層 27…n電極 28…ガラス板 29…柱状の酸化領域 30…逆ピラミッド状の表面 31…反射防止膜 32…p電極 40…破断面 41…柱状穴層側に残存した多孔質層 42…破断面近傍の多孔質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 武 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】半導体結晶母材中に、該半導体結晶の第1
の主面から他の第2の主面に向かって複数の柱状構造を
形成する第1の工程と、 上記半導体結晶母材中に、陽極化成により多孔質層を形
成する第2の工程と、 上記多孔質層と上記柱状構造を含む半導体結晶母材の一
部と支持基板とを少なくとも構成要素として積層した構
造体を、上記半導体結晶母材から剥離することにより、
上記柱状構造が薄膜中を貫通してなる半導体薄膜を上記
支持基板上に形成する第3の工程とを、少なくとも含む
ことを特徴とする半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の半導体薄膜の製造方法にお
いて、第3の工程の後に残存する半導体結晶母材を用い
て、第1の工程、第2の工程および第3の工程を、繰り
返し行い、複数の半導体薄膜を得る工程を有することを
特徴とする半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の半導体薄
膜の製造方法により作製した半導体薄膜を、少なくとも
太陽電池の光電変換層として用いることを特徴とする太
陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9115510A JPH10308520A (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | 半導体薄膜の製造方法およびその半導体薄膜を用いた太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9115510A JPH10308520A (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | 半導体薄膜の製造方法およびその半導体薄膜を用いた太陽電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10308520A true JPH10308520A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=14664315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9115510A Pending JPH10308520A (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | 半導体薄膜の製造方法およびその半導体薄膜を用いた太陽電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10308520A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004515920A (ja) * | 2000-12-08 | 2004-05-27 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | 気体種の導入を含む薄膜製造方法 |
WO2009104561A1 (ja) * | 2008-02-21 | 2009-08-27 | シャープ株式会社 | 太陽電池および太陽電池の製造方法 |
WO2010030107A3 (en) * | 2008-09-09 | 2010-06-24 | Lg Electronics Inc. | Thin-film type solar cell module having a reflective media layer and fabrication method thereof |
KR100999180B1 (ko) | 2008-07-11 | 2010-12-10 | 주식회사 밀레니엄투자 | 태양 전지 및 이의 제조방법 |
-
1997
- 1997-05-06 JP JP9115510A patent/JPH10308520A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004515920A (ja) * | 2000-12-08 | 2004-05-27 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | 気体種の導入を含む薄膜製造方法 |
WO2009104561A1 (ja) * | 2008-02-21 | 2009-08-27 | シャープ株式会社 | 太陽電池および太陽電池の製造方法 |
JP5203397B2 (ja) * | 2008-02-21 | 2013-06-05 | シャープ株式会社 | 太陽電池の製造方法 |
US9054254B2 (en) | 2008-02-21 | 2015-06-09 | Sharp Kabushiki Kaisha | Solar cell and method of manufacturing solar cell |
KR100999180B1 (ko) | 2008-07-11 | 2010-12-10 | 주식회사 밀레니엄투자 | 태양 전지 및 이의 제조방법 |
WO2010030107A3 (en) * | 2008-09-09 | 2010-06-24 | Lg Electronics Inc. | Thin-film type solar cell module having a reflective media layer and fabrication method thereof |
KR101161378B1 (ko) | 2008-09-09 | 2012-07-02 | 엘지전자 주식회사 | 백색 반사층을 구비한 박막형 태양전지 모듈 및 그 제조방법 |
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