[go: up one dir, main page]

JPH10299848A - 可変速プーリ装置 - Google Patents

可変速プーリ装置

Info

Publication number
JPH10299848A
JPH10299848A JP11300997A JP11300997A JPH10299848A JP H10299848 A JPH10299848 A JP H10299848A JP 11300997 A JP11300997 A JP 11300997A JP 11300997 A JP11300997 A JP 11300997A JP H10299848 A JPH10299848 A JP H10299848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power transmission
transmission ring
roller
peripheral surface
variable speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11300997A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Hasuda
康彦 蓮田
Shinji Yasuhara
伸二 安原
Takao Tamagawa
隆雄 玉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP11300997A priority Critical patent/JPH10299848A/ja
Publication of JPH10299848A publication Critical patent/JPH10299848A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pulleys (AREA)
  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プーリ主体のV溝に偏心変位可能に嵌合する動
力伝達リングの外周面にベルトが係合する可変径プーリ
では、動力伝達リングの回転軸線の倒れや振動は好まし
くない。 【解決手段】本可変速プーリ装置Aでは、動力伝達リン
グ21の外周面を押圧する複数のスタビライザ3を、動
力伝達リング21の偏心方向D1に沿う軸線L1を挟ん
だ両側に配置した。動力伝達リング21は、スタビライ
ザ3のローラ31とプーリ主体22とによって少なくと
も3点の接触点で支持され、軸方向に規制されて倒れを
防止される。また、減衰材40によって動力伝達リング
21をローラ31の軸方向に振動抑制できる。 【効果】動力伝達リング21の任意の径方向の振動を抑
制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プーリに巻き掛け
られたベルトの有効径を変化させることができる可変速
プーリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】上述
の可変速プーリ装置として、近年、互いの間にV溝を区
画し互いに軸方向に相対移動自在な一対のプーリ主体、
これらプーリ主体を相対的に近づける方向に付勢する弾
性部材、および上記プーリ主体間に偏心可能に挟持され
且つ外周面にベルトが係合される動力伝達リングを含む
タイプのものが提供されている。このタイプのもので
は、変速比設定のために、動力伝達リングがプーリ主体
に対して同心に配置された状態から、動力伝達リングを
プーリ主体の軸心に対して所定の偏心方向に偏心変位さ
せると、動力伝達リングの外周面に係合しているベルト
に対して所定の有効径とすることができる。
【0003】動力伝達リングは、その周側面に接するプ
ーリ主体のテーパ状対向面との間でトルク伝達を行うこ
とができる。同心時の動力伝達リングは、その周側面の
全周で、プーリ主体のテーパ状対向面に接触しているの
で、比較的安定して支持される。一方、偏心時の動力伝
達リングは、周方向の一点のみでプーリ主体と接触する
こととなる結果、動力伝達リングの回動軸線はプーリ主
体に対して平行度を維持し難く、倒れ易い。また、動力
伝達リングは、プーリ主体に対して同心となるように弾
性部材によって付勢されているので、ベルトの張力変動
に応じて動力伝達リングが径方向に振動する。
【0004】そこで、このような動力伝達リングの径方
向振動や、動力伝達リングの回動軸線の倒れを防止する
ために、動力伝達リングの外周面に接するローラを動力
伝達リングの偏心側に弾力的に追従させるスタビライザ
を設けることが考えられている(例えば、国際公開番号
WO94/29616)。このスタビライザとしては、
動力伝達リングの外周面に接触するローラを、動力伝達
リングの偏心移動に対して追従するように変位可能なア
ーム等を介して回動自在に支持しつつ、ローラを弾性部
材等によって弾力的に動力伝達リングの外周面に押圧す
るものである。スタビライザは、ローラの変位方向を動
力伝達リングの偏心方向に略一致させて、動力伝達リン
グの周方向の一か所に配置されている。
【0005】このため、動力伝達リングは、スタビライ
ザによる接触点とプーリ主体によって挟持されている接
触点との2点で支持される結果、その2点を結ぶ軸の回
りに動力伝達リングが回転するようにして倒れる場合が
想定される。また、上述のスタビライザの構成では、ロ
ーラの変位方向と直交する方向の動力伝達リングの振動
を抑制することはできない。
【0006】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、スタビライザによって、動力伝達リングの
回動軸線の倒れおよび振動をより確実に抑制できる可変
速プーリ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明の可変速プーリ装置は、互い
の間にV溝を区画し互いに軸方向に相対移動自在な一対
のプーリ主体、これらプーリ主体を相対的に近づける方
向に付勢する弾性部材、および上記プーリ主体間に偏心
可能に挟持され且つ外周面にベルトが係合される動力伝
達リングを含み、ベルトに対する有効径を変化させる可
変径プーリと、動力伝達リングの外周面の周方向に離間
した複数の部分をそれぞれ弾力的に押圧する複数のスタ
ビライザとを備えていることを特徴とする。
【0008】この構成によれば、以下の作用を奏する。
すなわち、動力伝達リングは、プーリ主体に対する接触
点と、複数のスタビライザに対する接触点とを含めて、
周方向に関して少なくとも3点を支持される。従って、
プーリ主体と動力伝達リングとの回動軸線同士の平行度
を維持できる。すなわち、動力伝達リングの回動軸線の
倒れを確実に防止できる。しかも、動力伝達リングの周
方向に距離を隔てた複数のスタビライザによって、動力
伝達リングの任意の径方向に関する振動を抑制できる。
【0009】請求項2にかかる発明の可変速プーリ装置
は、請求項1に記載の可変速プーリ装置において、複数
のスタビライザは、上記動力伝達リングの偏心方向に沿
う軸線を挟んだ両側にそれぞれ配置されたものを含むこ
とを特徴とする。この構成によれば、請求項1にかかる
発明の作用に加えて、動力伝達リングの偏心方向と交差
する任意の方向に関する振動を効果的に抑制できる。
【0010】請求項3にかかる発明の可変速プーリ装置
は、請求項1または2に記載の可変速プーリ装置におい
て、各スタビライザは、動力伝達リングの外周面に転が
り接触するローラと、このローラを回動自在で且つ動力
伝達リングの偏心移動に追従して変位できるように支持
するローラ支持手段とを備え、このローラ支持手段は、
上記ローラを動力伝達リングの周面に弾力的に押圧する
付勢部材を含むことを特徴とする。
【0011】この構成によれば、請求項1または2にか
かる発明の作用に加えて、回転自在なローラを動力伝達
リングの偏心移動に追従させるので、動力伝達リングの
回転や偏心移動に悪影響を与えることがない。ここで、
付勢部材としては、ばね、ゴム材等の弾性部材を例示で
きる。なお、ローラの変位によって、摩擦抵抗や粘性抵
抗等の減衰力を発生させる減衰手段をローラ支持手段に
設けてもよく、この場合、動力伝達リングの径方向振動
をより一層抑制することができる。ここで,減衰手段と
しては、オイルダンパ等の公知の構成を利用することが
できる。
【0012】請求項4にかかる発明の可変速プーリ装置
は、互いの間にV溝を区画し互いに軸方向に相対移動自
在な一対のプーリ主体、これらプーリ主体を相対的に近
づける方向に付勢する弾性部材、および上記プーリ主体
間に偏心可能に挟持され且つ外周面にベルトが係合され
る動力伝達リングを含み、ベルトに対する有効径を変化
させる可変径プーリと、上記動力伝達リングの偏心移動
に追従して変位し且つ動力伝達リングの外周面に転がり
接触するローラ、およびこのローラの軸方向への振動を
抑制する抑制手段を含むスタビライザとを備えたことを
特徴とする。
【0013】この構成によれば、以下の作用を奏する。
すなわち、動力伝達リングとローラとの接触点での動力
伝達リングの軸方向の振動を抑制できるので、動力伝達
リングの回動軸線が倒れる振動を確実に防止できる。ま
た、回転自在なローラを動力伝達リングの偏心移動に追
従させるので、動力伝達リングの回転や偏心移動に悪影
響を与えることがない。
【0014】ここで、抑制手段としては、ローラと、ロ
ーラを支持する支持部材との間に介在する、弾力的に変
形可能なゴム材等の減衰材を例示できる。請求項5にか
かる発明の可変速プーリ装置は、請求項3または4に記
載の可変速プーリ装置において、動力伝達リングの外周
面には、周方向に延びるベルト係合用の環状溝が形成さ
れ、ローラの外周面には、周方向に延び上記環状溝に嵌
合する環状突起が形成されたことを特徴とする。
【0015】この構成によれば、請求項3または4にか
かる発明の作用に加えて、動力伝達リングとローラと
が、環状溝と環状突起によって、凹凸係合されるので、
動力伝達リングとローラとの接触点での動力伝達リング
の軸方向の振動(動力伝達リングの倒れ振動)を確実に
抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、添付
図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態にかかる可変速プーリ装置の概略構成を示す側
面図である。図2は、図1の可変速プーリ装置の概略構
成を示す側面図であり、図1と異なる状態を示す。
【0017】本可変速プーリ装置Aは、複数のプーリ
と、そのプーリ間に巻き掛けられたベルトとを有するベ
ルト伝動装置において、少なくとも一つのプーリに適用
することができる。本可変速プーリ装置Aは、ベルト1
が外周面に巻き掛けられた動力伝達リング21を有して
ベルト1に対する有効径を変化させることのできる可変
径プーリ2と、動力伝達リング21の外周面を押圧する
複数、例えば、2個のスタビライザ3とを備えている。
各スタビライザ3は、動力伝達リング21の外周面の周
方向に離間した複数の部分(各接触点P1に相当)をロ
ーラ31でそれぞれ弾力的に押圧している。
【0018】可変径プーリ2は、動力伝達リング21が
嵌められるV溝2a(図3参照)を区画する一対の円板
状のプーリ主体22を有している。可変径プーリ2で
は、プーリ主体22の軸心に対して動力伝達リング21
が同心に配置されている状態(図2参照)と、プーリ主
体22の軸心に対して動力伝達リング21が偏心してい
る状態(図1参照)とに、動力伝達リング21を所定の
偏心方向D1に沿って変位させることができる。
【0019】偏心方向D1は、ベルト1が動力伝達リン
グ21に巻き掛けられた状態に応じて予め設定される。
この偏心方向D1は、プーリ主体22の回動中心と直交
する方向であり、例えば、図1では左右方向となる。こ
のように動力伝達リング21を偏心変位させて、動力伝
達リング21の外周面に係合しているベルト1に対して
所定の有効径とすることができる。
【0020】以下、各部を詳細に説明する。図3は、図
1の可変径プーリの概略構成の断面正面図であり、上述
の同心状態を示す。可変径プーリ2は、互いに軸方向に
相対移動自在な一対の上述のプーリ主体22と、これら
プーリ主体22を相対的に近づける方向に付勢する弾性
部材23と、プーリ主体22間に偏心可能に挟持され且
つ外周面にベルト1が係合される上述の動力伝達リング
21とを備えている。
【0021】プーリ主体22は、互いに対向して配置さ
れた円板状部材であり、テーパ状の斜面22aを有して
いる。この斜面22aは、それぞれ互いに対向して、両
プーリ主体22の間に上述のV溝2aを区画している。
V溝2aでは、両斜面22aが、プーリ主体22の回動
軸線L2に対して同じ傾斜角となるようにそれぞれ配置
されている。
【0022】また、プーリ主体22は、それぞれ回転軸
24に連結されている。回転軸24は、回動軸線L2回
りに回動自在にして、軸26等を介して機枠(図示せ
ず)に支持されている。回転軸24は、その一端の周囲
にねじ部24aと、他端の周囲にねじ部24bとを有し
ている。ねじ部24aおよびねじ部24bは、互いに逆
ねじで且つ同一ピッチに形成されている。一方のプーリ
主体22はねじ部24aにねじ嵌合され、他方のプーリ
主体22はねじ部24bにねじ嵌合されており、且つ両
プーリ主体22は凹凸嵌合により互いに一体回転可能に
且つ軸方向に同距離で移動可能に連結されている。
【0023】弾性部材23は、皿ばねからなる。弾性部
材23は、軸26に固定された環状の止め環25と、一
方のプーリ主体22との間に介在している。両プーリ主
体22の斜面22a同士が互いに近接する方向に、すな
わち、動力伝達リング21がプーリ主体22に対して同
心となるように、弾性部材23は両プーリ主体22を付
勢している。
【0024】動力伝達リング21は、断面略台形形状の
円環状に形成されて外周面にベルト1への伝動面21c
を有している。伝動面21cには、ベルト1との接触面
積を確保するために周方向に延びる凹凸状のベルト係合
用の環状溝21bが形成されている。この環状溝21b
にベルト1が係合している。ベルト1は、いわゆるVリ
ブベルトであり、環状溝21bに互いに噛み合うような
凹凸からなる環状突起1bが、平ベルトの内周面にベル
ト1の延びる方向(ベルトの走行方向)に延びて設けら
れている。
【0025】動力伝達リング21の両周側面には、テー
パ面21aがそれぞれ形成されている。動力伝達リング
21がV溝2aに嵌められた状態で、テーパ面21aが
プーリ主体22の斜面22aにそれぞれ接するようにな
っている。同心状態では、斜面22aとテーパ面21a
とが全周で接し合う。一方、偏心状態では、斜面22a
とテーパ面21aとは、斜面22aの最も内径寄りの部
分を接触点P0(図1参照)として接触する。
【0026】図1に戻って説明する。スタビライザ3
は、動力伝達リング21の偏心方向側の半分の部分(接
触点P0に対して反対側にある半分の部分)に対応して
配置されている。スタビライザ3は、動力伝達リング2
1を偏心させる向きと逆向きに付勢している。スタビラ
イザ3は、動力伝達リング21の偏心方向D1に沿う軸
線L1を挟んだ両側にそれぞれ配置されており、軸線L
1から所定距離を離れて位置している。ここで、この所
定距離は、動力伝達リング21に想定される振動振幅に
応じて設定される。
【0027】また、スタビライザ3では、ローラ31
が、上述の軸線L1を挟んで対称に動力伝達リング21
の外周面を押圧するようにして配置されている。スタビ
ライザ3は、図4の断面正面図に示すように、動力伝達
リング21の外周面に転がり接触する上述のローラ31
と、このローラ31を回動自在で且つ動力伝達リング2
1の偏心移動に追従して変位できるように支持するロー
ラ支持手段32とを備えている。
【0028】ローラ31は、プーリ主体22の回動軸線
L2に対して平行な回動軸線L3を有している。ローラ
31は、動力伝達リング21の外周面を、動力伝達リン
グ21の径方向に弾力的に押圧している。ローラ31の
外周面には、円柱状の円周面31dが形成されている。
この円周面31dは、動力伝達リング21の環状溝21
bの最外径部分に接触することによって摩擦係合してい
る。
【0029】ローラ支持手段32は、ローラ31の内周
に取り付けられた一対のベアリング33と、これらベア
リング33の内径部を支持する支持軸34と、この支持
軸34が一端に立設されたアーム部材35と、このアー
ム部材35の他端を回動自在に支持する回動軸36と、
この回動軸36が立設された取付部材37とを有してい
る。回動軸36と支持軸34との両軸は、互いに平行
に、且つプーリ主体22の回動軸線L2に対しても平行
に配置され、この関係をアーム部材35の移動にかかわ
らず維持できるようにして、取付部材37は上述した機
枠に固定されている。それゆえ、ローラ31は、回動軸
36の回りに公転しつつ、支持軸34の回りに回動して
も、その回動軸線L3の方向を維持することができる。
【0030】また、ローラ支持手段32は、図1に示す
ように、ローラ31を動力伝達リング21の周面に弾力
的に押圧するための付勢部材38と、ローラ31の変位
によってその変位を減衰させる減衰力を発生させる減衰
手段39とをさらに備えている。なお、図1、図2等に
は、付勢手段38と減衰手段39とは模式的に図示して
ある。
【0031】付勢部材38は、例えば、アーム部材35
を介してローラ31を動力伝達リング21へ押圧付勢す
るつるまきばねからなる。つるまきばねは、一端をアー
ム部材35に、他端を取付部材37に取り付けられる。
なお、付勢部材38としては、つるまきばね以外のばね
やゴム材等の弾性部材でもよい。このように、付勢手段
38によって、ローラ31は、回動軸36の回りに回動
しながら、動力伝達リング21の変位に追従できるの
で、動力伝達リング21に対する接触および付勢状態を
保つことができる。
【0032】減衰手段39は、例えば、アーム部材35
の回動に対して粘性抵抗を付与するオイルダンパであ
る。減衰手段39は、動力伝達リング21の径方向振動
を、減衰することによってより一層抑制することができ
る。なお、減衰手段39としては、アーム部材35の回
動に対して摩擦抵抗を付与する一対の嵌合面等の公知の
構成も利用することができる。要は、減衰手段39とし
ては、ローラ31の変位によって摩擦抵抗や粘性抵抗等
の減衰力を発生できるものであればよい。
【0033】次に、可変速プーリ装置Aの動作を、図1
と図2を参照して説明する。以下、軸方向とは、プーリ
主体22の回動軸線L2の延びる方向である。同心状態
での動力伝達リング21は、V溝2a内に嵌められて、
プーリ主体22に全周で挟持されて安定して支持され
る。また、ローラ31が付勢しているので、動力伝達リ
ング21の同心状態を安定して維持できる。
【0034】また、変速のために動力伝達リング21を
偏心させる場合には、図1に示すように、ベルト1の張
力を強めると、動力伝達リング21が偏心方向D1に移
動して、動力伝達リング21とプーリ主体22との接触
点P0がプーリ主体22の径方向内方に移動する。この
ように動力伝達リング21が偏心変位しても、動力伝達
リング21は接触点P0においてV溝2aに嵌合されて
いるので、接触点P0は所定の軸方向位置に維持され
る。また、ローラ31が動力伝達リング21の変位に追
従することによって付勢状態での接触を維持できるの
で、付勢による摩擦係合によって動力伝達リング21の
接触点P1での軸方向位置を所定位置に維持できる。こ
のように、動力伝達リング21は、接触点P0と接触点
P1との3点の接触点で軸方向位置を維持されるので、
動力伝達リング21にその軸方向の力が作用しても、動
力伝達リング21のプーリ主体22に対する平行度を維
持でき、その結果、動力伝達リング21の回動軸線が倒
れることを防止できる。また、ローラ31が動力伝達リ
ング21の変位に追従できるので、動力伝達リング21
の偏心動作を邪魔することもない。
【0035】また、動力伝達リング21が回動する場合
には、ローラ31は支持軸34の回りに回動しつつ動力
伝達リング21の周面を転がるので、動力伝達リング2
1の回動に対して不要な抵抗を与えない。また、ベルト
1の張力が変動する場合には、動力伝達リング21に振
動を生じる場合がある。例えば、動力伝達リング21の
径方向の振動については、付勢部材38および減衰手段
39が協働して、振動を減衰することによって確実に抑
制することができる。
【0036】また、ベルト1の張力によって、動力伝達
リング21が軸方向への力を受ける場合には、上述のよ
うに動力伝達リング21は軸方向位置を維持されている
ので、軸方向の力による振動を防止できる。このように
本実施の形態によれば、動力伝達リング21は、プーリ
主体22に対する接触点P0と、複数のスタビライザ3
に対する接触点P1とを含めて、周方向に関して3点を
支持される。従って、プーリ主体22と動力伝達リング
21との回動軸線同士の平行度を維持できる。すなわ
ち、動力伝達リング21の回動軸線の倒れを確実に防止
できる。従って、可変径プーリ2やベルト1の各部に無
理な負荷がかかることや、伝達トルクの変動等を防止で
きる。
【0037】しかも、動力伝達リング21の周方向に距
離を隔てた複数のスタビライザ3によって、動力伝達リ
ング21の任意の径方向に関する振動、例えば、偏心方
向D1に関する振動や、偏心方向D1と交差する方向に
関する振動等を抑制できるので、ベルト1の速度むら等
の不具合を防止できる。特に、動力伝達リング21の偏
心方向D1に沿う軸線L1を挟んだ両側にそれぞれ配置
されたスタビライザ3によって、動力伝達リング21の
偏心方向D1と交差する任意の径方向に関する振動を効
果的に抑制できるので、動力伝達リング21の振れ回り
を抑制するのに好ましい。
【0038】また、ローラ31を動力伝達リング21の
周面に弾力的に押圧させつつ、回転自在なローラ31を
動力伝達リング21の偏心移動に追従させるので、動力
伝達リング21の回転や偏心移動に悪影響を与えること
がない。なお、上述のスタビライザ3では、各ローラ3
1毎に取付部材37を有していたが、図5に示すよう
に、各ローラ31で一体の取付部材37を兼用してもよ
い。また、減衰手段39を省略してもよい。要は、複数
のローラ31があればよい。
【0039】また、スタビライザ3は、可変径プーリ2
の周囲に2個が設けられた構成を例示したが、スタビラ
イザ3を3個以上設ける場合には、動力伝達リング21
の回動軸線の倒れ防止や振動防止効果が大きい。要は、
スタビライザ3の個数は少なくとも2個あればよい。と
ころで、スタビライザ3によって動力伝達リング21を
軸方向に拘束している状態で、動力伝達リング21に大
きな軸方向の力が作用する場合を想定すると、動力伝達
リング21の拘束していない部分でかえって大きく振動
することが想定される。本発明の第2の実施の形態で
は、以下のように振動を減衰させることができる。
【0040】図6は、本発明の第2の実施の形態にかか
る可変速プーリ装置の概略構成の正面図である。図7
は、図6の可変速プーリ装置の概略構成の側面図であ
る。図6および図7は、動力伝達リングがプーリ主体に
対して偏心した状態を示している。第2の実施の形態で
は、スタビライザ3が1個で設けられている点と、ロー
ラ31の外周面の構成が異なる点と、ローラ支持手段3
2がローラ31をその軸方向に変位可能に支持する点
と、ローラ支持手段32がローラ31のその軸方向への
振動を抑制する抑制手段を備える点とで、第1の実施の
形態のスタビライザ3と異なっている。なお、第1の実
施の形態と同様の部分については、同じ符号を付して、
その説明を省略する。
【0041】スタビライザ3は、動力伝達リング21の
偏心方向側の半分の部分で、接触点P0に対して略正反
対となる外周面にローラ31が接触するように配置され
ている。スタビライザ3は、動力伝達リング21を偏心
させる向きと逆向きに付勢している。ローラ31の外周
面には、周方向に延びる環状突起31bが形成されてい
る。この環状突起31bは、動力伝達リング21の環状
溝21bに嵌合することによって、凹凸係合している。
【0042】ローラ支持手段32は、上述のベアリング
33、支持軸34、アーム部材35、回動軸36、取付
部材37および付勢部材38と、回動軸36を回動自在
且つその軸方向に変位可能に支持する一対の軸受部材4
1と、軸受部材41の軸方向D2への変位を抑制する抑
制手段としての一対の減衰材40とを備えている。支持
軸34が一端に立設されたアーム部材35の他端には、
回動軸36が軸方向の両側に延びて設けられている。回
動軸36の両端には、一対の軸受部材41が回動自在に
それぞれ嵌合している。軸受部材41は、取付部材37
内の凹部に収容された状態で、軸方向D2に沿って変位
可能に支持されている。各軸受部材41と、それと対向
する取付部材37部分との間に、減衰材40がそれぞれ
設けられている。ローラ31が、軸方向D2に変位する
と、アーム部材35、回動軸36を介して、軸受部材4
1が軸方向D2に変位し、減衰材40を変形させる。
【0043】軸受部材41の軸方向へ変位できる量とし
ては、動力伝達リング21の回動軸線の倒れが問題にな
らない程度の少量に設定されている。減衰材40は、ゴ
ム材からなる。また、減衰材40は、付勢された状態
で、取付部材37と軸受部材41との間に密着状態で取
り付けられている。減衰材40は、一対で設けられて、
互いの弾性力が釣り合う位置にローラ31を軸方向に位
置させることができる。なお、抑制手段としては、ロー
ラ31と、ローラ31を支持する支持部材との間に介在
する、弾力的に変形可能なゴム材やばね等の減衰材であ
ればよく、第1の実施形態の減衰手段39も利用でき
る。
【0044】この可変速プーリ装置Aの偏心状態の動作
を説明する。この可変速プーリ装置Aでも、第1の実施
の形態での接触点P0の動作と同様にして、動力伝達リ
ング21の接触点P0での軸方向位置は維持される。ま
た、ローラ31は、接触点P0で支持される他、接触点
P1で動力伝達リング21の周方向に延びる環状溝21
bで凹凸係合しているので、動力伝達リング21の回動
軸線の倒れを防止できる。
【0045】また、互いに軸方向に凹凸係合するローラ
31と動力伝達リング21とは、互いの間で軸方向にす
べりを生じない。また、動力伝達リング21にその軸方
向の力が作用する場合には、動力伝達リング21は、凹
凸係合によってローラ31に対して軸方向の力を及ぼす
ので、ローラ31はその軸方向D2に移動する。このと
き、減衰材40は、自身の持つばね性と内部摩擦を用い
て、上述の軸方向D2の変位を抑制し減衰する。その結
果、上述の軸方向の力による振動は防止される。
【0046】このように本実施の形態によれば、抑制手
段によって、動力伝達リング21とローラ31との接触
点P1での動力伝達リング21の軸方向D2の振動を抑
制できるので、動力伝達リング21の回動軸線が倒れる
振動を確実に防止できる。本実施の形態のように、ロー
ラ31と動力伝達リング21とが、凹凸係合によって互
いに軸方向に拘束しあっている場合において、仮にロー
ラ31を軸方向に堅固に支持していると、動力伝達リン
グ21はローラ31によって拘束されていない部分で却
って大きく振動することが想定されることから、本実施
形態では、このような振動を防止するべく、上述の抑制
手段を設けた。
【0047】また、ローラ31と動力伝達リング21と
が凹凸係合しているので、スタビライザ3を一個設ける
という簡単な構造で、動力伝達リング21の回動軸線の
倒れを防止することができる。また、動力伝達リング2
1とローラ31とが、環状溝21bと環状突起31bと
によって、凹凸係合されるので、動力伝達リング21と
ローラ31との接触点P1での動力伝達リング21の軸
方向の振動(動力伝達リング21の倒れ振動)を確実に
抑制できる。
【0048】なお、第2の実施の形態では、上述の抑制
手段は、ローラ支持手段32に備えられていたが、これ
には限定されない。例えば、ローラ31自身がゴム材等
の減衰材によって形成される構成も考えられ、抑制手段
はスタビライザ3に含まれていればよい。また、第1の
実施の形態で示した、複数個設けられたスタビライザ3
の少なくとも一個を、第2の実施の形態で示したスタビ
ライザ3に構成してもよい。例えば、スタビライザ3に
抑制手段を設けることによって、ローラ31の軸方向の
振動を抑制可能にして構成してもよく、この場合には、
第1の実施の形態の作用効果に加えて、抑制手段による
ローラ31の軸方向D2の振動抑制効果を得られるの
で、動力伝達リング21の回動軸線の倒れ防止にとって
より一層好ましい。また、スタビライザ3のローラ31
の外周面に環状突起31bを成形してもよく、この場合
には、凹凸係合によってより一層確実に動力伝達リング
21の回動軸線の倒れを防止できる。また、第1の実施
の形態のスタビライザ3を第2の実施の形態のスタビラ
イザ3と同様に構成してもよい。さらに、各スタビライ
ザ3のそれぞれを上述のように構成すればより一層好ま
しい。
【0049】また、本発明の各実施の形態のスタビライ
ザ3の構成としては、上述のものに限定されない。要
は、動力伝達リング21の外周面を弾力的に押圧できる
ものであればよい。その他、本発明の要旨を変更しない
範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0050】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、以下の効
果を奏する。すなわち、動力伝達リングは、周方向に関
して少なくとも3点を支持されるので、動力伝達リング
の回動軸線の倒れを確実に防止しつつ、動力伝達リング
の任意の径方向に関する振動を抑制できる。
【0051】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
かかる発明の効果に加えて、動力伝達リングの偏心方向
に沿う軸線を挟んだ両側にそれぞれ配置された複数のス
タビライザによって、動力伝達リングの偏心方向と交差
する任意の方向に関する振動を効果的に抑制できる。請
求項3に係る発明によれば、請求項1または2にかかる
発明の効果に加えて、回転自在なローラを動力伝達リン
グの偏心移動に追従させるので、動力伝達リングの回転
や偏心移動に悪影響を与えることがない。また、ローラ
の変位によって、減衰力を発生させる減衰手段を設ける
場合、動力伝達リングの径方向振動をより一層抑制する
ことができる。
【0052】請求項4に係る発明によれば、以下の効果
を奏する。すなわち、抑制手段によって動力伝達リング
の接触点の軸方向の振動を抑制できるので、動力伝達リ
ングの回動軸線が倒れる振動を確実に防止できる。ま
た、回転自在なローラを動力伝達リングの偏心移動に追
従させるので、動力伝達リングの回転や偏心移動に悪影
響を与えることがない。
【0053】請求項5に係る発明によれば、請求項3ま
たは4にかかる発明の効果に加えて、動力伝達リングと
ローラとの凹凸係合によって、接触点での動力伝達リン
グの軸方向の振動(動力伝達リングの倒れ振動)を確実
に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる可変速プー
リ装置の概略構成の側面図であり、動力伝達リングがプ
ーリ主体に対して偏心した状態を示す。
【図2】図1の可変速プーリ装置の概略構成の側面図で
あり、動力伝達リングがプーリ主体に対して同心の状態
を示す。
【図3】図1の可変径プーリの概略構成の断面正面図で
あり、同心状態を示す。
【図4】図1のスタビライザの概略構成の断面正面図で
ある。
【図5】本発明の他の実施の形態にかかる可変速プーリ
装置の概略構成の側面図であり、動力伝達リングがプー
リ主体に対して偏心した状態を示す。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる可変速プー
リ装置の概略構成の正面図であり、動力伝達リングがプ
ーリ主体に対して偏心した状態を示す。
【図7】図6の可変速プーリ装置の概略構成の側面図で
あり、動力伝達リングがプーリ主体に対して偏心した状
態を示す。
【符号の説明】
A 可変速プーリ装置 1 ベルト 2 可変径プーリ 2a V溝 3 スタビライザ 21 動力伝達リング 21b 環状溝 21c 伝動面(外周面、周面) 22 プーリ主体 23 弾性部材 31 ローラ 31b 環状突起 32 ローラ支持手段 38 付勢部材 39 減衰手段 40 減衰材(抑制手段) D1 偏心方向 D2 ローラの軸方向 L1 偏心方向に沿う軸線 P1 接触点

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いの間にV溝を区画し互いに軸方向に相
    対移動自在な一対のプーリ主体、これらプーリ主体を相
    対的に近づける方向に付勢する弾性部材、および上記プ
    ーリ主体間に偏心可能に挟持され且つ外周面にベルトが
    係合される動力伝達リングを含み、ベルトに対する有効
    径を変化させる可変径プーリと、 上記動力伝達リングの外周面の周方向に離間した複数の
    部分をそれぞれ弾力的に押圧する複数のスタビライザと
    を備えていることを特徴とする可変速プーリ装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の可変速プーリ装置におい
    て、 上記複数のスタビライザは、上記動力伝達リングの偏心
    方向に沿う軸線を挟んだ両側にそれぞれ配置されたもの
    を含むことを特徴とする可変速プーリ装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の可変速プーリ装
    置において、 各スタビライザは、動力伝達リングの外周面に転がり接
    触するローラと、このローラを回動自在で且つ動力伝達
    リングの偏心移動に追従して変位できるように支持する
    ローラ支持手段とを備え、 このローラ支持手段は、上記ローラを動力伝達リングの
    周面に弾力的に押圧する付勢部材を含むことを特徴とす
    る可変速プーリ装置。
  4. 【請求項4】互いの間にV溝を区画し互いに軸方向に相
    対移動自在な一対のプーリ主体、これらプーリ主体を相
    対的に近づける方向に付勢する弾性部材、および上記プ
    ーリ主体間に偏心可能に挟持され且つ外周面にベルトが
    係合される動力伝達リングを含み、ベルトに対する有効
    径を変化させる可変径プーリと、 上記動力伝達リングの偏心移動に追従して変位し且つ動
    力伝達リングの外周面に転がり接触するローラ、および
    このローラの軸方向への振動を抑制する抑制手段を含む
    スタビライザとを備えたことを特徴とする可変速プーリ
    装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の可変速プーリ装
    置において、 上記動力伝達リングの外周面には、周方向に延びるベル
    ト係合用の環状溝が形成され、 ローラの外周面には、周方向に延び上記環状溝に嵌合す
    る環状突起が形成されたことを特徴とする可変速プーリ
    装置。
JP11300997A 1997-04-30 1997-04-30 可変速プーリ装置 Pending JPH10299848A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11300997A JPH10299848A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 可変速プーリ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11300997A JPH10299848A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 可変速プーリ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10299848A true JPH10299848A (ja) 1998-11-13

Family

ID=14601160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11300997A Pending JPH10299848A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 可変速プーリ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10299848A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100208042B1 (ko) 장력 조절 장치용 감쇠 기구
KR100208041B1 (ko) 감쇠 기구를 갖춘 장력 조절 장치 및 벨트 구동 시스템
JP4588333B2 (ja) 回転カム調圧装置
US4671127A (en) Vibration suppressing device in a feed screw mechanism
US20080176692A1 (en) Belt-driven transmission
US10533629B2 (en) Centrifugal pendulum damper and torque transmission device
JP2013185598A (ja) 捩り振動減衰装置
JPH06505541A (ja) 摩擦仮より装置
EP1519078B1 (en) Drive belt pulley and belt drive system
JP3792199B2 (ja) ベルト式駆動リングcvt連結器
JP7020574B2 (ja) 遠心振り子ダンパ及びトルク伝達装置
JPH10299848A (ja) 可変速プーリ装置
JP3113279B2 (ja) 無端チェーン伝動装置のための自動緊張及び減衰要素
AU2001273547A1 (en) Belt drive ring CVT coupler
JP2022020591A (ja) ベルトテンショナおよびこのようなベルトテンショナを備えたベルト伝動装置
JPH08184357A (ja) オートテンショナ
KR100973153B1 (ko) 토션댐퍼플라이휠
TW201903303A (zh) 配重裝置
JPH05296306A (ja) 無段変速装置
JP3648383B2 (ja) 可変径プーリ
JP3653937B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3694157B2 (ja) 補機駆動装置
JP3988213B2 (ja) 可変径プーリ
JP7487629B2 (ja) 無段変速機
JP7487630B2 (ja) 無段変速機