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JPH10298491A - 水性硬化型樹脂組成物および塗料、接着剤 - Google Patents

水性硬化型樹脂組成物および塗料、接着剤

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Publication number
JPH10298491A
JPH10298491A JP9104436A JP10443697A JPH10298491A JP H10298491 A JPH10298491 A JP H10298491A JP 9104436 A JP9104436 A JP 9104436A JP 10443697 A JP10443697 A JP 10443697A JP H10298491 A JPH10298491 A JP H10298491A
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JP
Japan
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polymer
polyisocyanate
aqueous
urethane
hydroxyl group
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Application number
JP9104436A
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English (en)
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Hideaki Kawahara
英昭 河原
Jun Shiraga
潤 白髪
Yoshiki Hasegawa
義起 長谷川
Fumio Yoshino
文夫 吉野
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐溶剤性、耐水性、低温における柔軟性等に優
れる水性硬化型樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ウレタン系重合体及び水酸基含有ビニル系
重合体から構成されてなる重合体粒子とポリイソシアネ
ートと水性媒体とを含んでなる水性硬化型樹脂組成物お
よび塗料、接着剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性硬化型樹脂組成
物およびこれを利用した塗料、接着剤等に関する。さら
に詳しくは、ウレタン系重合体と水酸基含有ビニル系重
合体で構成される重合体粒子(A)、ポリイソシアネー
ト(B)および水性媒体(C)とを含んでなる水性硬化
型樹脂組成物に関するものであり、セメント、コンクリ
ート、金属、プラスチック、紙、皮革、木材、繊維等の
塗料、接着剤等の用途に幅広く利用され得るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、有機溶剤に対する規制の強化、大
気汚染などの公害問題のため、水溶性樹脂や水系エマル
ジョン等の水性樹脂への移行が急がれている。さらに、
品質の高級化、新規用途への使用に伴い、従来の水性分
散液では耐水性、耐溶剤性等の要求物性を発現すること
が困難になっている。
【0003】このため、上記物性向上のため架橋剤を併
用することが多くなっている。架橋システムには種々の
反応があるが、その一つにポリイソシアネートを架橋剤
として使用した技術が種々提案されている。例えば特開
昭61−291613号公報、特開平5−148341
号公報、特開平7−48429号公報等には自己乳化型
ポリイソシアネートを使用した技術が開示されている。
また、特開平4−216815号公報、特開平6−56
953号公報等にはイソシアネート基がブロック化され
た水性ブロックポリイソシアネートを使用した技術が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、架橋密度の向
上と樹脂のフレキシビリティーの両立という点で問題が
あった。つまり、耐溶剤性や耐水性を向上する目的で架
橋密度を上げると、樹脂の柔軟性が失われたり、成膜状
態の悪化により本来の物性を発現できなくなる問題が発
生した。また、ビニル系重合体の架橋剤としてポリイソ
シアネートを配合した場合、ポリマーの相溶性が悪く、
フィルムの濁り、成膜状態の悪化など物性向上の妨げに
なっていた。
【0005】本発明は、架橋反応により耐溶剤性、耐水
性等の物性を向上しつつ、ポリイソシアネートとの相溶
性も良好で、特に低温での樹脂の柔軟性を併せ持つ樹脂
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、ポ
リイソシアネートに、ウレタン系重合体と水酸基含有ビ
ニル系重合体で構成される重合体粒子を組み合わせるこ
とで、架橋反応により耐溶剤性、耐水性等の物性を向上
しつつ、ポリイソシアネートとの相溶性も良好で、低温
での樹脂の柔軟性を併せ持つことが可能であることを見
いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、ウレタン系重合体(a
1)及び水酸基含有ビニル系重合体(a2)の少なくと
も2種の重合体から構成されてなる重合体粒子(A)と
ポリイソシアネート(B)と水性媒体(C)とを含んで
なる水性硬化型樹脂組成物および塗料、接着剤に関す
る。
【0008】好ましくは水酸基含有ビニル系重合体(a
2)が、水酸基含有アクリル系単量体と他のアクリル系
単量体を重合して得られるアクリル系重合体であり、好
ましくは重合体粒子(A)の水酸基価が、0.1〜30
0mgKOH/gであり、好ましくはポリイソシアネー
ト(B)が、自己乳化型ポリイソシアネート及び/又は
水性ブロックポリイソシアネートである水性硬化型樹脂
組成物および塗料、接着剤に関する。
【0009】さらに好ましくはウレタン系重合体(a
1)が、ウレタンプレポリマーをポリオール化合物で鎖
伸長して得られる、分子末端に水酸基を有するもの、又
はウレタンプレポリマーをヒドラジン系化合物で鎖伸長
して得られる、分子末端にヒドラジン構造を有する重合
体であり、且つ水酸基含有ビニル系重合体(a2)が、
水酸基含有ビニル系単量体、カルボニル基含有ビニル系
単量体、および他のビニル系単量体をラジカル重合して
得られる、分子側鎖に水酸基およびカルボニル基を有す
る重合体である水性硬化型樹脂組成物および塗料、接着
剤に関する。
【0010】好ましくは重合体粒子(A)が、ウレタン
系重合体(a1)の存在下で、水酸基含有ビニル系単量
体を含むビニル系単量体混合物を乳化重合してなるもの
であり、好ましくは重合体粒子(A)中のウレタン系重
合体(a1)とビニル系重合体(a2)の固形分重量比
が0.1≦a1/a2≦10.0であり、好ましくは重
合体粒子(A)中の水酸基のモル数(α)とポリイソシ
アネート(B)中のイソシアネート基のモル数(β)の
比が0.1≦β/α≦5.0である水性硬化型樹脂組成
物および塗料、接着剤に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に述べ
る。本発明のウレタン系重合体(a1)は、特に制限さ
れないが、水分散性の点で水性ウレタン系重合体が好ま
しい。水性ウレタン系重合体は、たとえば次のようにし
て製造される。すなわち、まずジイソシアネートとグリ
コール及び水分散性を良くするためにカルボン酸基を有
するグリコールをウレタン化反応させ、ウレタンプレポ
リマーを得る。次いで、このプレポリマーを中和及び鎖
伸長し、水を添加し、水性ウレタン系重合体を得る。反
応に用いた有機溶剤は、必要に応じて公知の方法にて脱
溶剤しても良い。
【0012】この時使用されるジイソシアネート類とし
ては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチル
キシレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどおよびこれ
ら異性体からなる芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジ
イソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロ
ヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボ
ルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネー
ト、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、2,
4,4’−トリイソシアネートジフェニルエーテル、ト
リ(イソシアネートフェニル)メタンなどのトリイソシ
アネート類などを挙げることができる。
【0013】ウレタンプレポリマーを調製する際のグリ
コール類としては、低分子量グリコール類、高分子量グ
リコール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネ
ートポリオール類等が挙げられ、これらをそれぞれ単独
に用いてもよく、また併用してもよい。
【0014】低分子量グリコール類としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチ
レングリコール、オクタンジオール、トリシクロデカン
ジメチロール、水添ビスフェノールA、シクロヘキサン
ジメタノール等が挙げられ、これらを2種以上混合して
もよい。
【0015】高分子量グリコール類としては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等が挙げられる。ポリエステルポ
リオール類としては、グリコール成分とジカルボン酸成
分とを公知の方法でエステル化反応又はエステル交換反
応させたものを用いることができる。またカプロラクト
ン、ヒバロラクトンなどの開環重合によって得られるポ
リエステルポリオール類も挙げられる。
【0016】このとき使用できるグリコール成分として
は、前述の低分子量グリコール類が挙げられ、ジカルボ
ン酸成分としては、マレイン酸、コハク酸、グルタール
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など
が挙げられる。
【0017】カルボン酸成分として不飽和ジカルボン酸
を使用したポリエステルポリオールはビニル系単量体と
の機能的な結びつきが期待されるので、好ましい。この
不飽和ジカルボン酸としては、例えばイタコン酸、マレ
イン酸、フタル酸等がある。これらのジカルボン酸は単
独もしくは併用して使用される。
【0018】ウレタンプレポリマーを製造する際のカル
ボン酸基を有するグリコール類としては、2,2−ジメ
チロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、
2,2−ジメチロール吉草酸等が挙げられる。
【0019】ジイソシアネートとグリコールとの反応
は、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N−
メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等の、イソシア
ネート基に対して不活性で、かつ水との親和性の大きい
有機溶剤中で行うことが望ましい。また有機溶剤の代わ
りにビニル系単量体を用いることもできる。
【0020】カルボキシル基の中和剤としては、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミ
ン、トリブチルアミン等のアミン類、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、アンモニア等のアルカリ性物質が挙
げられる。
【0021】ウレタンプレポリマーの鎖伸長剤として、
一般的には、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル等のポリオール類;エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、
キシリレンジアミン、ジフェニルジアミン、ジアミノシ
クロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジ
ン、イソホロンジアミン等の脂肪族、脂環式及び芳香族
ジアミン類、ヒドラジン、エチレン−1,2−ジヒドラ
ジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−
1,4−ジヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド、1,
3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピ
ルヒダントイン等のヒドラジン誘導体類が挙げられる。
【0022】この際、鎖伸長剤としてポリオール類を用
いると、ウレタン系重合体(a1)のポリマー分子末端
には水酸基が導入され、ビニル系重合体(a2)中の水
酸基とともにポリイソシアネート(B)と架橋し、ウレ
タン系重合体(a1)とビニル系重合体(a2)の機能
的な結びつきが期待されるので好ましい。また、鎖伸長
剤としてヒドラジン誘導体を用いると、ウレタン系重合
体(a1)のポリマー分子末端には−NHNH2の化学
構造が導入され、ビニル系重合体(a2)中にカルボニ
ル基含有単量体やアミド基含有単量体を導入することに
より、ウレタン系重合体(a1)とビニル系重合体(a
2)の機能的な結びつきが期待される。
【0023】本発明では、ウレタン系重合体(a1)中
の酸価は、樹脂固形分あたり、10〜200が好まし
い。酸価10未満では、有機溶剤中で反応させたウレタ
ンプレポリマーを中和剤、鎖伸長剤、蒸留水を用いて水
性化させる場合に凝集物が生じやすく、得られた水性ウ
レタン樹脂の貯蔵安定性も悪くなる。一方、酸価が20
0を超えると、好ましい塗膜の耐久性、耐水性等が得ら
れないことがある。
【0024】本発明の水酸基含有ビニル系重合体(a
2)は、水酸基含有ビニル系単量体と他のアクリル系単
量体を重合することによって得ることができる。水酸基
含有ビニル系単量体としては、特に限定されるものでは
ないが、一つの分子内に重合性のある不飽和基と水酸基
を含有する化合物であれば良く、たとえば、β−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートなどの
水酸基含有アクリル系単量体、ヒドロキシブチルビニル
エーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類など
が挙げられる。
【0025】また、本発明で使用する水酸基含有ビニル
系単量体以外のビニル系単量体としては、特に限定され
るものではないが、一つの分子内に重合性の不飽和基を
含有しているものであれば良く、たとえば、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ラウリル、メタクリ
ル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステル類;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸オクチル等のアクリル酸エステル類等のアクリ
ル系単量体、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の各
エステル類、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、p−クロロスチレン、クロルメチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、ビニル
ピロリドンの如き複素環式ビニル化合物、アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、ブタ
ジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、メタクリル酸アリル、フタル酸ジア
リル、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリ
セリンジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート
などの多官能ビニル単量体、エチレン、プロピレン、イ
ソブチレン等のビニル単量体、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、オクチルビニルエステルなどのビニルエステ
ル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル
等のビニルエーテル類、エチルアリルエーテル等のアリ
ルエーテル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、
ペンタフルオロプロピレンなどのハロゲン化オレフィン
類、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などのハ
ロゲン化ビニル化合物、フルオロアクリレート、フルオ
ロメタクリレート化合物等が挙げられる。
【0026】さらにその他のビニル系単量体として、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、n−メチロールメタ
クリルアミドなどアミド系単量体、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートな
どのアミノ基含有単量体、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジルなどのグリシジル基含有単量体、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸また
はその半エステル、フマル酸またはその半エステル、イ
タコン酸またはその半エステル、クロトン酸、p−ビニ
ル安息香酸などのカルボキシル基含有単量体、ビニルト
リクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン類等
の反応性極性基含有ビニル系単量体が挙げられる。
【0027】また、鎖伸長剤としてヒドラジン系化合物
を使用し、分子中にヒドラジン構造を導入したウレタン
系重合体(a1)と、ビニル系単量体としてカルボニル
基含有ビニル系単量体及び水酸基含有ビニル系単量体を
使用し、分子中にカルボニル基及び水酸基含有ビニル系
重合体(a2)とを用いると、両重合体間に常温架橋反
応を導入でき、さらなる物性の向上が期待されるので好
ましい。
【0028】カルボニル基含有ビニル系単量体とは、ケ
ト基を含有する単量体のことをいい、例えばアクロレイ
ン、ダイアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケト
ン、ビニルブチルケトン、ダイアセトンアクリレート、
アセトニトリルアクリレート、アセトアセトキシエチル
(メタ)アクリレート、ビニルアセトフェノン、ビニル
ベンゾフェノン等が挙げられる。エステル結合やカルボ
キシル基を有する化合物はこれらに含まれない。これら
のビニル系単量体は用途、要求物性に応じて自由に組み
合わせて使用することができる。
【0029】本発明において、重合体粒子(A)は、ウ
レタン系重合体(a1)と水酸基含有ビニル系重合体
(a2)とから構成されていればどのような構造であっ
てもよく、例えば(a1)と(a2)とが結合している
構造、コアシェル等の複層構造等が挙げられる。
【0030】かかる重合体粒子(A)を製造する方法と
しては、ウレタン系重合体(a1)の存在下で、水酸基
含有ビニル系単量体を含むビニル単量体混合物を乳化重
合する方法、ウレタンプレポリマーを製造する際に、有
機溶剤の一部または全部にビニル系単量体を用い、これ
を水性化した後、ビニル系単量体を重合してウレタン系
重合体とビニル系重合体の複合物を得る方法、ビニル系
単量体群にウレタンプレポリマーを溶解し、重合および
伸長反応を同時に行う方法等が挙げられる。これらの製
造方法のうち、反応の制御のしやすさを考慮すると、ウ
レタン系重合体の存在下で、水酸基含有ビニル系単量体
を含むビニル単量体混合物を乳化重合する方法が好まし
い。
【0031】このようにして得られた重合体粒子(A)
の水性分散体は、ウレタン系重合体とビニル系重合体を
単に混合したものに比べ、重合体同士が均質に混合され
たフィルムが得られ、フィルムの透明性、耐水性、水浸
漬後のフィルムの力学的強度、伸度の保持性など多くの
点で優れたフィルムを形成する。
【0032】この際、必ずしも必要ではないが、ビニル
系単量体100重量部に対し、0〜10重量部の範囲で
界面活性剤(乳化剤)を使用することができる。この時
の界面活性剤(乳化剤)としては、従来から公知のもの
を使用することができる。界面活性剤としては、例えば
アルキルサルフェート、アルカンスルフォネート、アル
キルベンゼンスルフォネート、アルキルアリールポリエ
ーテル硫酸塩、(ジ)アルキルスルホサクシネート、ポ
リオキシエチレンアルキルサルフェート、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルサルフェート等のような陰イオ
ン性乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等
のような非イオン性乳化剤:セチルトリメチルアンモニ
ウムブロミド、ラウリルピリジニウムクロリド等のよう
な陽イオン性乳化剤:ビニルスルホン酸ソーダ、スチレ
ンスルホン酸ソーダ、(メタ)アクリル酸ポリオキシエ
チレン硫酸アンモニウム、(メタ)アクリル酸ポリオキ
シエチレンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンアル
ケニルフェニルスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエ
チレンアルケニルフェニル硫酸ソーダ、ナトリウムアリ
ルアルキルスルホサクシネート、(メタ)アクリル酸ポ
リオキシプロピレンスルホン酸ソーダ、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリロイルホスフェート等のアニオン
系反応性乳化剤:ポリオキシエチレンアルケニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリロイル
エーテル等のノニオン系反応性乳化剤等を挙げることが
できる。また一般的に市販されている反応性乳化剤とし
ては、例えばアクアロンHS−10,ニューフロンティ
アA−229E[以上第一工業製薬(株)製]、アデカ
リアソープSE−3N、SE−5N、SE−10N、S
E−20N,SE−30N[以上旭電化工業(株)
製]、AntoxMS−60,MS−2N、RA−11
20,RA−2614[以上日本乳化剤(株)製]、エ
レミノールJS−2,RS−30[以上三洋化成工業
(株)製]、ラテムルS−120A,S−180A,S
−180[以上花王(株)製]等のアニオン型反応性界
面活性剤、アクアロンRN−20,RN−30,RN−
50,ニューフロンティアN−177E[以上第一工業
製薬(株)製]、アデカリアソープNE−10,NE−
20,NE−30,NE−40[以上旭電化工業(株)
製]、RMA−564,RMA−568,RMA−11
14[以上日本乳化剤(株)製]、NKエステルM−2
0G、M−40G、M−90G、M−230G[以上新
中村化学工業(株)製]等のノニオン型反応性界面活性
剤等を挙げることができる。勿論これら以外の市販の界
面活性剤を用いることも可能であり、これらのうちの複
数種を併用することも可能である。
【0033】また、乳化剤以外、分散安定剤、ラジカル
重合開始剤等を用いることもできる。分散安定剤として
は、例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エーテル、
澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッ
ド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、
水溶性アクリル樹脂等の合成あるいは天然の水溶性高分
子物質が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物
を使用することができる。
【0034】ラジカル重合開始剤としては、たとえば、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過酸化水素、アゾビスイソブチロニトリルおよびそ
の塩酸塩等が挙げられ、またクメンハイドロパーオキサ
イド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、など
の有機過酸化物も必要に応じて使用することができる。
さらにこれらの過硫酸塩または過酸化物と、鉄イオン
などの金属イオンおよびナトリウムスルホオキシレート
ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビ
ン酸などの還元剤を組み合わせて用いる公知のレドック
ス系開始剤も用いることができる。
【0035】重合時の温度は、公知の技術で行われてい
る範囲でよく、また乳化重合は常圧下、またはガス状の
ビニル系単量体を用いるときは加圧下で行われる。本発
明の水性硬化型樹脂組成物においては、重合体粒子
(A)中の水酸基価は、用途、要求性能により自由に設
定することが可能であるが、物性とコストのバランスを
考慮すると0.1〜300mgKOH/gの範囲である
ことが望ましい。
【0036】本発明の水性硬化型樹脂組成物において、
重合体粒子(A)中のウレタン系重合体(a1)と水酸
基含有ビニル系重合体(a2)の比は特に限定されるも
のではないが、その固形分重量比で0.1≦a1/a2
≦10.0の範囲が好ましく、用途、要求性能、コスト
等を考慮した上で自由に設計することができる。ウレタ
ン系重合体(a1)とビニル系重合体(a2)の割合を
コスト、用途、要求性能などにあわせて本発明の範囲内
で調節することにより、ウレタン樹脂の特性を強調した
り、ビニル系樹脂の特性を強調することができ、被覆
剤、接着剤などとして、幅広い分野での使用に耐えうる
ものとなる。
【0037】本発明のポリイソシアネート(B)は、分
子中に1個以上のイソシアネート基を有し、水分散可能
なものであれば特に制限はないが、重合体粒子(A)と
の架橋反応の進行や相溶性、作業性を考慮すると、水と
容易に混和するようなものが好ましく、ポリエチレンオ
キサイド、カルボキシル基、スルホン酸基等の内少なく
とも1種以上の親水性成分で変性された自己乳化型ポリ
イソシアネート、水性化ブロックイソシアネートが好ま
しい。
【0038】本発明のポリイソシアネート(B)を重合
体粒子(A)とを混合する方法としては、重合体粒子
(A)の水性分散体中にポリイソシアネート(B)を配
合し、機械的に強制分散する方法、または前記の機械的
分散に替えて乳化剤を用いて分散する方法などが挙げら
れる。
【0039】このポリイソシアネートは、重合体粒子
(A)水性分散体への添加時期は問わず、塗料、接着剤
等として使用する直前に重合体粒子(A)の水性分散体
に添加してもよく、またあらかじめ添加し水性分散体に
したものを使用してもよい。またこの際必要により加熱
してもよい。
【0040】自己乳化型ポリイソシアネートは、たとえ
ばポリイソシアネートにイソシアネート基と反応しうる
活性水素基を少なくとも1個以上有する親水性基及び疎
水性基を導入することにより得ることができる。親水性
基だけでなく疎水性基を導入するのは、ポリイソシアネ
ートを水中に分散した場合、その周りに存在している水
分子と付近に存在する未反応のNCO基との反応を、立
体障害的あるいはその親油性に基づいて界面化学的に抑
制する効果を得るためである。疎水性基としては、たと
えば、活性水素基を少なくとも1個以上有する高級アル
コールや水酸基含有脂肪酸エステル等を挙げることがで
きる。
【0041】自己乳化型ポリイソシアネートに使用する
ポリイソシアネートとしては、たとえばフェニレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネ
ート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネートなどおよびこれら異性体からなる芳香
族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシ
アネート、1,12−ドデカンジイソシアネートなどの
脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネー
トなどの脂環式ジイソシアネート、2,4,6−トリイ
ソシアネートトルエン、2,4,4’−トリイソシアネ
ートジフェニルエーテル、トリ(イソシアネートフェニ
ル)メタンなどのトリイソシアネート類などを挙げるこ
とができる。また、ポリイソシアネートと活性水素基含
有化合物との反応によるイソシアネート基末端化合物、
あるいはこれら化合物の反応、例えばアダクト型ポリイ
ソシアネートやウレトジオン化反応、イソシアヌレート
化反応、カルボジイミド化反応、ウレトンイミン化反
応、ビュレット化反応などによるイソシアネート変性
体、およびこれらの混合物を挙げることができる。 こ
れらポリイソシアネートのうちで、水分散安定性、水分
散後のイソシアネート基の安定性、無黄変性等の点か
ら、脂肪族あるいは脂環式ポリイソシアネートが好まし
く、この中でも耐熱性、架橋性等の点で平均NCO官能
基数が2以上であるイソシアヌレート環含有ポリイソシ
アネートが好ましい。
【0042】このようなイソシアヌレート環含有ポリイ
ソシアネートは、たとえば、原料のポリイソシアネート
を、第3級アミン類、アルキル置換エチレンイミン類、
第3級アルキルフォスフィン類、アセチルアセン金属塩
類、各種有機酸の金属塩類等の公知のウレトジオン化触
媒及び/あるいはイソシアヌレート化触媒、さらに必要
に応じ助触媒を用いて、溶剤の存在下又は不存在下で通
常0〜90℃の反応温度で液状のポリオールまたはDO
P等の可塑剤中において製造される。
【0043】助触媒としては、例えばフェノール性ヒド
ロキシル基含有化合物、アルコール性ヒドロキシル基含
有化合物等が挙げられる。溶剤としては、例えばトルエ
ン、キシレン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル系、プロピレングリコールメチルエー
テルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート
等のグリコールエーテルエステル系等のイソシアネート
基に対して不活性な溶剤が挙げられる。
【0044】また反応停止剤により触媒を不活性化し反
応を停止させることができる。反応停止剤としては、例
えばリン酸、パラトルエンスルホン酸メチル、硫黄等を
挙げることができる。
【0045】自己乳化型ポリイソシアネートの親水性基
としては、カチオン、アニオン等のイオン性基、ノニオ
ン性基等が挙げられる。ポリイソシアネートにノニオン
性基を導入するためのノニオン性化合物としては、ポリ
アルキレンエーテルアルコール、ポリオキシアルキレン
脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0046】ポリアルキレンエーテルアルコールの製造
に開始剤として用いられる活性水素含有化合物として
は、例えばメタノール、n−ブタノール、シクロヘキサ
ノール、フェノール、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、アニリン、トリメチロールプロパン、グリ
セリンなどが挙げられる。これらのうち、水分散安定性
の点から、低級アルコールを用いるのが好ましい。
【0047】またポリオキシアルキレン脂肪酸エステル
の製造に開始剤として用いられる脂肪酸としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸などが挙げられる。これらのう
ち、水分散安定性の点から低級脂肪酸を用いるのが好ま
しい。
【0048】該ポリアルキレンエーテルアルコール、ポ
リオキシアルキレン脂肪酸エステルなどに存在するアル
キレンオキサイド鎖は、一般には3〜90個であり、好
ましくは5〜50個である。またアルキレンオキサイド
鎖はすべてエチレンオキシド鎖で構成されたものでもよ
いが、全アルキレンオキサイド鎖中でエチレンオキシド
ユニットとプロピレンオキシドユニット等の他のアルキ
レンオキシドユニットとを併用したものでもよく、この
場合ポリイソシアネートの水分散性を考慮すると少なく
ともエチレンオキサイドユニットを70%以上含むもの
が好ましい。
【0049】ポリイソシアネートにイオン性基を導入す
るためのイオン性化合物としては、脂肪酸塩、スルホン
酸塩、リン酸エステル、硫酸エステル塩等のアニオン性
化合物、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミ
ン塩、第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩等のカチ
オン性化合物、スルホベタイン等の両性化合物が挙げら
れる。
【0050】ポリイソシアネートに疎水性基を導入する
ための高級アルコールとしては、例えば、オクチルアル
コール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコ
ール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、
ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、シンナミ
ルアルコール等が挙げられる。
【0051】ポリイソシアネートに疎水性基を導入する
ための脂肪酸エステルの原料としての脂肪酸としては、
α−オキシプロピオン酸、オキシコハク酸、ジオキシコ
ハク酸、ε−オキシプロパン−1,2,3−トリカルボ
ン酸、ヒドロキシ酢酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキ
システアリン酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、
リシノステアロール酸、サリチル酸、マンデル酸等を挙
げることができ、ヒドロキシル基含有化合物としては、
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコール等が挙
げられる。
【0052】本発明の自己乳化型ポリイソシアネート
は、公知の方法で一般には溶剤の不存在下で50〜13
0℃の中程度に高められた温度にて製造されるが、必要
に応じてウレタン工業で常用の不活性溶剤、触媒等を使
用することもできる。
【0053】自己乳化型ポリイソシアネートは、親水性
鎖を導入することにより水分散安定性を向上させること
ができ、さらに適度な長さの親油性鎖を親水性鎖とのバ
ランスを考慮して導入することにより、水中でのイソシ
アネート基と水との反応を界面化学的に抑制することが
できる。
【0054】自己乳化型ポリイソシアネートに、必要に
応じて他の物質を混合することができる。例えば酸化防
止剤、紫外線吸収剤、耐熱性向上剤、着色剤、無機およ
び有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強材、触
媒などを添加することができる。
【0055】上記の自己乳化型ポリイソシアネートは、
水と混合することにより、容易に水分散液とすることが
できる。得られた水分散液は、水に分散した後も比較的
安定に存在しているイソシアネート基が、これら基材表
面に存在する活性水素基と反応するため、非常に密着性
の良い塗料、接着剤を得ることができる。
【0056】またポリイソシアネートが水に分散した後
かなりの時間が経過し、イソシアネート基が消滅した後
も、粒径が0.1〜0.3μm程度のポリイソシアネー
ト粒子がエマルジョン状態として安定に存在しているた
め、これを塗布し常温乾燥あるいは加熱乾燥して得られ
る皮膜は、硬く強靭なものとなる。このため、フイルム
またはシートの状態あるいは各種基材のコーティグ剤等
として使用することが可能である。基材との密着性が重
視される場合は、イソシアネート基が存在している状態
で塗布し、使用するのが望ましい。
【0057】本発明における、ポリイソシアネート
(B)のうち、水性ブロックイソシアネートを得るため
には、ブロックイソシアネートを水中に分散するため、
たとえば、亜硫酸水素ナトリウムのように親水性の強い
ブロック剤を用いてブロックイソシアネートを分散する
方法、ポリイソシアネートの一部を親水基を持った化合
物で変性し、水中に分散する方法などが挙げられる。
【0058】ポリイソシアネートの親水性基による変性
は、ポリイソシアネートに、たとえばジメチロールプロ
ピオン酸、ジメチロールブタン酸などのカルボン酸のよ
うな親水基を持つグリコール類やポリエチレングリコー
ルのような親水性ポリオールを反応させることにより行
われ、この反応は必要により触媒の存在下に行われる。
【0059】ブロックイソシアネートの水分散体に用い
られる、ポリイソシアネート類としては前述の自己乳化
型ポリイソシアネートに用いられるものと同様のものが
挙げられる。これらのポリイソシアネートはイソシアネ
ート基がブロック化剤でブロックされブロックイソシア
ネートとなる。ブロック化剤としては、たとえば、マロ
ン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、
アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレ
ン系化合物、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキ
シム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、
シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物など
が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して使
用しても良い。
【0060】ブロック化反応は、溶剤の有無に関わらず
行うことができるが、溶剤を用いる場合は、イソシアネ
ート基に対して不活性な溶剤を用いることが必要であ
る。イソシアネート基に対して不活性な溶剤としては、
一般のウレタン化反応に用いられているものを用いるこ
とができる。溶剤を使用した場合は、ブロックイソシア
ネートを水中に分散した後、必要により公知の技術で脱
溶剤しても良い。ブロック化反応の際、触媒として、
錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩および3級アミン等を用い
てもよい。また反応は、一般に−20℃〜150℃で行
うことができる。イソシアネート基は、ブロック化され
ないと保存中水や活性水素含有化合物と反応して架橋に
関与することができないので、実質的にすべてイソシア
ネート基がブロック化されていることが好ましい。
【0061】以上のようにして得られたブロックイソシ
アネートは、必要により乳化剤やポリビニルアルコール
類等の保護コロイドを併用して水中に分散される。この
とき、ブロックイソシアネートを水に分散するためホモ
ミキサー、ホモジナイザー等の乳化装置が用いられるこ
ともある。
【0062】このようにして得られた水性ブロックイソ
シアネートは、重合体粒子(A)の水分散体に配合さ
れ、本発明の水性硬化型樹脂組成物となる。この水性硬
化型樹脂組成物は、使用時に加熱することにより、潜在
性のブロックイソシアネートからブロック剤が解離し、
イソシアネート基と重合体粒子(A)中の水酸基とが架
橋反応することにより、物性の優れたフィルムを形成す
る。
【0063】本発明の水性硬化型樹脂組成物において、
ポリイソシアネートの反応は重合体粒子(A)中の水酸
基だけでなく溶媒の水とも反応し得るため、重合体粒子
(A)中の水酸基のモル数(α)とポリイソシアネート
(B)中のイソシアネート基あるいは潜在性のブロック
イソシアネート基(β)の反応性のみを考慮した場合
は、これらのモル数の比(β/α)が1以上であること
が望ましいが、物性とコストのバランスを考慮すると
0.1≦β/α≦5.0の範囲が好ましく、より好まし
くは0.5≦β/α≦2.0の範囲であることが望まし
い。本発明は、ウレタン系重合体と水酸基を含有するビ
ニル系重合体からなる重合体粒子の水性分散体に、ポリ
イソシアネートを配合することにより、造膜時に重合体
粒子内あるいは粒子間において機能的な結びつきが発現
し、硬化物の性能を著しく向上させることができる。ポ
リイソシアネートとして自己乳化型ポリイソシアネート
を使用した場合、使用直前に重合体粒子の水性分散液と
混合することにより、イソシアネート基がこれら重合体
粒子中の水酸基と反応するため、密着性、耐溶剤性など
が良好となり、被覆剤、接着剤として好適なものとな
る。ポリイソシアネートとして水性ブロックイソシアネ
ートを使用した場合、使用時に加熱することでブロック
化されたイソシアネートが解離し、重合体粒子中の水酸
基と速やかに反応する。
【0064】本発明の水性媒体(C)は、基本的には水
であり、これに溶剤を含んでいてもよい。溶剤として
は、上記の芳香族系、ケトン系、エステル系、グリコー
ルエーテルエステル系の溶剤が挙げられる。
【0065】本発明の水性硬化型樹脂組成物は、そのま
まで用いることができるが、用途、目的に応じて各種の
添加剤を添加することができる。添加剤としては、顔
料、充填剤、骨材、分散剤、湿潤剤、増粘剤、レオロジ
ーコントロール剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶
剤、防腐剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤などが挙げられ、これらを適宜組み合わせて使用
することができる。
【0066】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をより詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下について、部および%はいずれも
重量に基づく値である。
【0067】製造例1(重合体粒子の製造) 1,6−ヘキサンジオール1780g、アジピン酸25
45gおよび2,2−ジメチロールプロピオン酸567
gを混合して170℃に昇温し、この温度で23時間反
応させることにより、OH価60、酸価60のポリエス
テルポリオール(I)を得た。
【0068】このポリエステルポリオールに1815g
のメチルエチルケトンをを加えて希釈した。このポリエ
ステルポリオール溶液(I)240gと、メチルエチル
ケトン220g、2,2−ジメチロールプロピオン酸3
0gおよびシクロヘキサンジメタノール27gを70℃
にて十分撹拌混合した後、4,4’−ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート236gを加えて80℃に昇温
し、6時間反応した後、30℃まで冷却し、ウレタンプ
レポリマー溶液を得た。
【0069】このポリウレタンプレポリマー溶液をあら
かじめ80%ヒドラジン水溶液21gとトリエチルアミ
ン40gをイオン交換水1500gに溶解させたアミン
水溶液中に、高速撹拌下、徐々に注ぎ込み、粘調で半透
明の生成物を得た。これを減圧下、55℃にて溶剤を除
去した後、イオン交換水を加えて濃度を調整し、不揮発
分23.7%、粘度(BM粘度計、60rpm、25
℃)23cps、pH8.4の半透明な水性ウレタン重
合体(a1)を得た。
【0070】次に原料として下記のものを使用し、ビニ
ル系重合体を製造した。 重合性単量体類 アクリル酸2−エチルヘキシル 265g スチレン 100g メタクリル酸メチル 65g アクリル酸 10g β−ヒドロキシエチルメタクリレート 50g ダイアセトンアクリルアミド 10g 界面活性剤類 ニューコール707SF(固形分30%)*1) 50g イオン交換水 360g 重合開始剤:過硫酸アンモニウム 2.5g *1)日本乳化剤(株)製、特殊アニオン乳化剤 四つ口フラスコに界面活性剤30g、イオン交換水21
0g、水性ウレタン重合体(a1)1054gを仕込ん
で撹拌を開始し、窒素気流中で80℃に昇温し、次いで
重合開始剤を添加した。次いで重合性単量体類500
g、界面活性剤20g、イオン交換水150gを混合し
て単量体プレエマルジョンを作成した。この単量体プレ
エマルジョンを3時間にわたって上記のフラスコ中に滴
下した。この際の反応温度は80±3℃に保った。滴下
終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応
を継続させ、次いで冷却して14%アンモニア水にてp
H8〜9に調整し、不揮発分が38.0%、粘度200
cps、pH8.5の重合体粒子水分散体を得た。
【0071】製造例2(重合体粒子の製造) さらに、製造例1と同様の方法で、表−1に示した原料
を使用して、重合体粒子水分散体を得た。
【0072】比較製造例1、2 製造例1において、表−1に示した原料を使用して、製
造例1と同様な反応条件で乳化重合を行い、アクリル系
エマルジョンを合成し、樹脂水分散体を得た。
【0073】比較製造例3、4 比較製造例1、2の樹脂水分散体に、表−1で示した比
率で水性ウレタン重合体(a1)を添加し、樹脂水分散
体を得た。
【0074】
【表1】
【0075】実施例1 上記製造例1により得られた重合体粒子水分散体100
gに、アクアネート210(日本ポリウレタン工業
(株)製自己乳化型ポリイソシアネート)10gを添加
し、十分に混合し、水性硬化型樹脂組成物を得た。
【0076】実施例2 上記製造例1により得られた水性樹脂分散体100gに
エラストロンBN−08[第一工業製薬(株)製水性ブ
ロックイソシアネート]10gおよびエラストロンキャ
タリスト64[第一工業製薬(株)製ブロックイソシア
ネート用触媒]0.5gを添加し、十分に混合し、水性
硬化型樹脂組成物を得た。
【0077】比較例1 上記製造例1により得られた水性樹脂分散体をそのまま
比較例1とした。 比較例2 上記比較製造例1により得られた水性樹脂分散体に実施
例1と同様な配合を行い比較例2とした。
【0078】比較例3 上記比較製造例1により得られた水性樹脂分散体に実施
例2と同様な配合を行い比較例3とした。
【0079】比較例4 上記比較製造例3により得られた水性樹脂分散体に実施
例1と同様な配合を行い比較例4とした。
【0080】比較例5 上記比較製造例3により得られた水性樹脂分散体に実施
例2と同様な配合を行い比較例5とした。
【0081】上記のように得られた水性樹脂分散体は配
合後、直ちに下記試験方法により試験した。 <フィルム物性>以下の配合にて得られた各水性樹脂分
散体(実施例1、2、比較例1〜5)を用いてフィルム
を作成し、以下の試験及び試験方法で行った。 [試験方法] (1)フィルムの透明性:試料をガラス板上に流し込
み、3日間乾燥後、ガラス板から剥がし、裏返して4日
間乾燥後(ブロックポリイソシアネートを使用している
場合はさらに140℃で30分間加熱処理を行った)使
用した。試料は乾燥後のフィルムの膜厚が0.2mmに
なるように採取した。採取した試験片の全透過率TLを
下記条件で測定し、フィルムの透明性を評価した。
【0082】濁度計 :日本電色工業(株)製濁度計N
DH−300A 測定光源:ハロゲンランプ 受光素子:JIS K7105に準拠するシリコンフォ
トセル 測定面積:透過 12φ TL:全透過率 (%) 評価基準 ○:全透過率が85%以上。
【0083】 △:全透過率が70%以上85%未満。 ×:全透過率が70%未満 (2)ゲル分率:ゲル分率はアセトン不溶解分として測
定した。試料をガラス板上に流し込み、3日間乾燥後、
ガラス板から剥がし、裏返して4日間乾燥後(ブロック
ポリイソシアネートを使用している場合はさらに140
℃で30分間加熱処理を行った)使用した。試料は乾燥
後のフィルムの膜厚が0.5mmになるように採取、5
0mm角に切り取り試験片とした。
【0084】次に、予め試験片のアセトン浸漬前の重量
(G0)を測定しておき、アセトン溶液中に常温で24
時間浸漬した後の試験片のアセトン不溶解分を分離し
て、110℃で1時間乾燥した後の重量(G1)を測定
し、下記の方法に従ってゲル分率を求めた。
【0085】 G0:試験片のアセトン浸漬前の重量 G1:試験片のアセトン浸漬後の不溶解分の乾燥重量 (3)皮膜耐溶剤性:ガラス板上に試料を3milアプ
リケーターで塗工し、常温で3日間乾燥(ブロックポリ
イソシアネートを使用している場合はさらに140℃で
30分間加熱処理を行った)して試験片とした。得られ
た試験片の樹脂塗工面にアセトンまたはトルエン溶液を
染み込ませた綿棒で100回ラビングし、塗工面の劣化
の有無を観察した。
【0086】評価基準 ○:皮膜に全く異常無し。 △:皮膜表面及び内部に劣化が有り、ガラス板上からの
脱離がやや有る。
【0087】 ×:皮膜の内部まで劣化し、脱離が著しい。 (4)皮膜耐水性:ガラス板上に試料を3milアプリ
ケーターで塗工し、常温で3日間乾燥(ブロックポリイ
ソシアネートを使用している場合はさらに140℃で3
0分間加熱処理を行った)して試験片とした。
【0088】得られた試験片を常温水中に7日間浸漬
し、水浸漬前と水浸漬後の試験片の濁度を濁度計で測定
し、その濁度の変化度合いをW値として求め、皮膜の水
浸漬による劣化(白化)を評価した。
【0089】濁度計:日本電色工業(株)製濁度計ND
H−300A 測定光源:ハロゲンランプ 受光素子:JIS K7105に準拠するシリコンフォ
トセル 測定面積:透過 12φ 濁度及び水浸漬前後の濁度の変化度合いは、下記の式に
従って求めた。
【0090】 TL:全透過率 (%) DF:拡散透過率(%) H0:水浸漬前の試験片の濁度 H1:水浸漬後の試験片の濁度 評価基準 濁度の変化度合いW値から下記3段階で評価した。
【0091】 ○:濁度の変化度合いW値が5未満。 △:濁度の変化度合いW値が5以上で且つ30未満。 ×;濁度の変化度合いW値が30以上。 (5)フィルム吸水率:試料をガラス板上に流し込み、
3日間乾燥後、ガラス板から剥がし、裏返して4日間乾
燥後(ブロックポリイソシアネートを使用している場合
はさらに140℃で30分間加熱処理を行った)使用し
た。試料は乾燥後のフィルムの膜厚が0.5mmになる
ように採取、20mm角に切り取り重量を測定(W0)
し試験片とした。
【0092】試験片を常温水中に7日間浸漬し、引き上
げてフィルム表面の水分を軽く拭き取った後、重量を測
定(W1)した。さらにそのフィルムを110℃で1時
間乾燥し、放冷後重量を測定(W2)した。下記計算式
によりフィルム吸水率を求めた。
【0093】 W0:試験フィルムの水浸漬前の重量 W1:試験フィルムの水浸漬後の重量 W2:試験フィルムの水浸漬後乾燥した後の重量 (6)フィルム強度、伸度:試料をガラス板上に流し込
み、3日間乾燥後、ガラス板から剥がし、裏返して4日
間乾燥後(ブロックポリイソシアネートを使用している
場合はさらに140℃で30分間加熱処理を行った)使
用した。試料は乾燥後のフィルムの膜厚が0.5mmに
なるように採取した。これらのフィルムをJIS3号ダ
ンベルの型に打ち抜き試験片とし、引張試験での破断強
度を下記の条件で測定した。破断時の伸びを伸度(%)
とした。また、試験片を24時間常温の水に浸漬したあ
と、20℃雰囲気下で塗膜強度、伸度を測定した。
【0094】引張試験機:島津(株)製オートグラフA
G−5000C 引張速度(クロスヘッドスピード):200mm/分 チャック間距離:60mm 測定温度:−20℃、20℃の2点 [試験結果]表−2からわかるように、本発明の水性硬
化型樹脂組成物を含有する被覆剤は、他の水性樹脂分散
体に比べて、耐水性、耐溶剤性、低温におけるフィルム
の柔軟性、浸水後の強伸度の保持率等が格段に優れたも
のになる。
【0095】
【表2】
【0096】<塗膜物性>以下の配合にて得られた各水
性硬化型樹脂組成物を用いて下記の塗料配合を行い、弾
性塗装剤(実施例3、4、比較例6、7、8)を調製し
た。
【0097】実施例3 上記製造例1により得られた水性樹脂分散体を下記配合
にて塗料化し、アクアネート210[日本ポリウレタン
工業(株)製自己乳化型ポリイソシアネート]を添加
し、十分に混合し、塗料を得た。
【0098】実施例4 上記製造例1により得られた水性樹脂分散体を実施例3
と同様に塗料化し、エラストロンBN−08[第一工業
製薬(株)製水性ブロックイソシアネート]およびエラ
ストロンキャタリスト64[第一工業製薬(株)製ブロ
ックイソシアネート用触媒]を添加し、塗料を得た。
【0099】比較例6 上記製造例1により得られた水性樹脂分散体をそのまま
塗料化した。比較例7上記比較製造例3により得られた
水性樹脂分散体に実施例3と同様な配合を行った。
【0100】比較例8 上記比較製造例3により得られた水性樹脂分散体に実施
例4と同様な配合を行った。
【0101】上記のように得られた水性硬化型塗料組成
物は配合後、直ちに下記試験方法により試験した。 [配合] タイペークR−930*2) 100.0 Hi−メトローズ90SH−15000*3) 0.6 プライマル850*4) 1.0 5%トリポリリン酸カリ 2.0 ノイゲンEA−120*5) 1.0 アデカノールSX−568*6) 2.5 エチレングリコール 10.0 水 35.2 28%アンモニア水 1.0 上記の配合混合物を高速ディスパーで分散し、下記の配
合物を添加した。 水性樹脂分散体*7) 401.3 キシレン 6.6 アデカノールUH−420/水=1/2*8) 塗料粘
度によって調整 ポリイソシアネート/ブロックポリイソシアネート 水
性樹脂分散体の10%量 ブロックポリイソシアネート用触媒 脂分散体の
0.5%量 Total 561.2 N.V.(%) 47.3 PVC(%) 15.2 PWC(%) 39.6 *2)ルチル型酸化チタン:石原産業(株) *3)メチルセルローズ:信越化学(株) *4)ポリカルボン酸型分散剤:ローム・アンド・ハー
ス社(米国) *5)界面活性剤:第一工業製薬(株) *6)消泡剤:旭電化(株) *7)水性樹脂分散体の不揮発分(%)により調整 *8)増粘剤:旭電化(株) [試験方法] 塗膜光沢:ガラス板に3ミルアプリケーターにて塗布
し、1日乾燥後(実施例2および比較例3はさらに14
0℃×30分)に60゜反射率を測定(%)。 JIS A6910:伸び率:塗膜厚がドライで約1m
mになるように試片を作成し、その後JIS伸長性試験
方法に従って養生し2号ダンベルにて打ち抜いたものを
試験片とした。 [塗布→7日間養生→裏面7日間養生→(実施例2およ
び比較例3はさらに140℃×30分)→打ち抜き]ま
た、試験片を24時間常温の水に浸漬したものも測定し
た。
【0102】付着強さ:下塗り剤としてアクリディック
53−448[大日本インキ化学工業(株)製]塗布
し、3時間乾燥後、試料を試験方法に従って塗布し、1
4日間養生後供試(実施例2および比較例3はさらに1
40℃×30分)、浸水後の付着強さに用いる試験体の
四側面は養生終了3日間前に塩化ビニル樹脂塗料で塗り
込んだ。接着剤は2液型エポキシ接着剤を使用した。
【0103】温冷繰り返し作用に対する抵抗性:(20
±2℃水中18時間→−20±3℃3時間→50±3℃
3時間)×10サイクル 耐衝撃性:JIS伸長性試験方法に準拠 耐候性:同上 塗膜強度:JIS A6910 伸び率を測定した時点
での塗膜強度を表示。
【0104】促進耐候性:伸び率を測定したものと同様
の塗膜をスタンダードウェザーメーターに500時間照
射した後の20℃及び−10℃における塗膜伸度を測
定。 [試験結果]表−3から分かるように、本発明の水性硬
化型樹脂組成物と顔料とを配合した塗料は耐候性が良
好、浸水後も塗膜強伸度が劣化せず、温冷繰り返し作用
に対する耐性があり、付着性の優れた特性を発揮する。
【0105】
【表3】
【0106】<接着物性>上記のように得られた各水性
硬化型樹脂組成物を用いて下記の配合を行い、接着剤
(実施例5、比較例9、10、11)を調製した。
【0107】実施例5 上記製造例2により得られた水性樹脂分散体100gに
炭酸カルシウム20gを加え、さらにアクアネート21
0(日本ポリウレタン工業(株)製自己乳化型ポリイソ
シアネート)10gを添加し、十分に混合し、接着剤を
得た。
【0108】比較例9 上記製造例2により得られた水性樹脂分散体100gに
炭酸カルシウム20gを加え、十分に混合し、接着剤を
得た。
【0109】比較例10 上記比較製造例2により得られた水性樹脂分散体を実施
例5と同様の配合を行い、接着剤を得た。
【0110】比較例11 上記比較製造例4により得られた水性樹脂分散体を実施
例5と同様の配合を行い、接着剤を得た。
【0111】上記のように得られた水性硬化型組成物を
含有した接着剤は、配合後、直ちに下記試験方法により
試験した。 <接着条件> 被着剤:カバ/カバ(まさ目板、含水率9%) 塗布量:260g/m2 圧 締:10kg/cm2、24時間、20℃ 養 生:3日以上 [測定条件]JIS K−6852の接着剤の圧縮せん
断接着強さ試験方法に従った。
【0112】試験結果を表−4に示す。
【0113】
【表4】
【0114】[試験結果]表−4から分かるように、本
発明の接着剤は、耐久性、耐水性が良好である。
【0115】
【発明の効果】本発明の水性硬化型組成物は、耐溶剤
性、耐水性等に優れ、特に低温での樹脂の柔軟性を併せ
持つので、セメント、コンクリート、金属、プラスチッ
ク、紙、皮革、木材、繊維等の塗料、被覆剤、接着剤等
に幅広く利用され得るものである。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウレタン系重合体(a1)及び水酸基含有
    ビニル系重合体(a2)の少なくとも2種の重合体から
    構成されてなる重合体粒子(A)とポリイソシアネート
    (B)と水性媒体(C)とを含んでなる水性硬化型樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】水酸基含有ビニル系重合体(a2)が、水
    酸基含有アクリル系単量体と他のアクリル系単量体を重
    合して得られるアクリル系重合体である請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】重合体粒子(A)の水酸基価が、0.1〜
    300mgKOH/gである請求項1又は2記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】ポリイソシアネート(B)が、自己乳化型
    ポリイソシアネートである請求項1〜3いずれか1項記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】ポリイソシアネート(B)が、水性ブロッ
    クポリイソシアネートである請求項1〜4いずれか1項
    記載の組成物。
  6. 【請求項6】ウレタン系重合体(a1)が、ウレタンプ
    レポリマーをポリオール化合物で鎖伸長して得られる、
    分子末端に水酸基を有する請求項1〜5いずれか1項記
    載の組成物。
  7. 【請求項7】ウレタン系重合体(a1)が、ウレタンプ
    レポリマーをヒドラジン系化合物で鎖伸長して得られ
    る、分子末端にヒドラジン構造を有するウレタン系重合
    体であり、且つ水酸基含有ビニル系重合体(a2)が、
    水酸基含有ビニル系単量体、カルボニル基含有ビニル系
    単量体、および他のビニル系単量体をラジカル重合して
    得られる、分子側鎖に水酸基およびカルボニル基を有す
    るビニル系単量体である請求項1〜6いずれか1項記載
    の組成物。
  8. 【請求項8】重合体粒子(A)が、ウレタン系重合体
    (a1)の存在下で、水酸基含有ビニル系単量体を含む
    ビニル系単量体混合物を乳化重合してなる請求項1〜7
    いずれか1項記載の組成物。
  9. 【請求項9】重合体粒子(A)中のウレタン系重合体
    (a1)とビニル系重合体(a2)の固形分重量比が
    0.1≦a1/a2≦10.0である請求項1〜8いず
    れか1項記載の組成物。
  10. 【請求項10】重合体粒子(A)中の水酸基のモル数
    (α)とポリイソシアネート(B)中のイソシアネート
    基のモル数(β)の比が0.1≦β/α≦5.0である
    請求項1〜9いずれか1項記載の組成物。
  11. 【請求項11】ウレタン系重合体(a1)及び水酸基含
    有ビニル系重合体(a2)の少なくとも2種の重合体か
    ら構成されてなる重合体粒子(A)とポリイソシアネー
    ト(B)と水性媒体(C)とを含んでなる水性硬化型樹
    脂組成物を含有してなる塗料。
  12. 【請求項12】ウレタン系重合体(a1)及び水酸基含
    有ビニル系重合体(a2)の少なくとも2種の重合体か
    ら構成されてなる重合体粒子(A)とポリイソシアネー
    ト(B)と水性媒体(C)とを含んでなる水性硬化型樹
    脂組成物を含有してなる接着剤。
  13. 【請求項13】ウレタン系重合体(a1)及び水酸基含
    有ビニル系重合体(a2)の少なくとも2種の重合体か
    ら構成されてなる重合体粒子(A)とポリイソシアネー
    ト(B)と水性媒体(C)とを含んでなる水性硬化型樹
    脂組成物を含有してなる被覆剤。
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