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JPH10297903A - 燃料改質装置 - Google Patents

燃料改質装置

Info

Publication number
JPH10297903A
JPH10297903A JP9123098A JP12309897A JPH10297903A JP H10297903 A JPH10297903 A JP H10297903A JP 9123098 A JP9123098 A JP 9123098A JP 12309897 A JP12309897 A JP 12309897A JP H10297903 A JPH10297903 A JP H10297903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
reforming
temperature
gas
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9123098A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimasa Negishi
良昌 根岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP9123098A priority Critical patent/JPH10297903A/ja
Publication of JPH10297903A publication Critical patent/JPH10297903A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料改質装置におけるエネルギ効率を向上さ
せると共に、燃料電池の始動時には速やかに燃料改質装
置を定常状態に昇温させる 【解決手段】 燃料改質装置22の始動時には、メタノ
ールタンク28から蒸発部90に供給するメタノール量
を制限する。これによって、バーナ34から蒸発部90
に供給された燃焼ガスは、蒸発部90で失う熱量が抑え
られて高温の燃焼排ガスとして燃焼排ガス導入部94に
排出される。改質部92は、この高温の燃焼排ガスの熱
量を利用して速やかに昇温する。燃料改質装置22が定
常状態になると、バーナ34から供給される燃焼ガスの
温度を制御して、燃焼排ガス導入部94に排出される燃
焼排ガス温度を充分に低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料改質装置に関
し、詳しくは、炭化水素からなる原燃料を水素リッチな
燃料ガスに改質して燃料電池に供給する燃料改質装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、燃料の有する化学エネルギ
を、機械エネルギや熱エネルギを経由することなく直接
電気エネルギに変換する装置であり、高いエネルギ効率
が実現可能である。よく知られた燃料電池の形態として
は、電解質層を挟んで一対の電極を配置し、一方の電極
(陰極側)に水素を含有する燃料ガスを供給すると共に
他方の電極(陽極側)に酸素を含有する酸化ガスを供給
するものであり、両電極で起きる電気化学反応を利用し
て起電力を得る。以下に、燃料電池で起こる電気化学反
応を表わす式を示す。(1)式はアノードにおける反
応、(2)式はカソードにおける反応を表わし、燃料電
池全体では(3)式に示す反応が進行する。
【0003】 H2 → 2H++2e- …(1) (1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2) H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0004】燃料電池は使用する電解質の種類や運転温
度などにより分類されるが、これら燃料電池の中で、固
体高分子型燃料電池、りん酸型燃料電池、溶融炭酸塩電
解質型燃料電池などでは、二酸化炭素を含有する改質ガ
スを燃料ガスとして用いることができる。すなわち、メ
タノールや天然ガスなどの炭化水素系の原燃料を改質し
て生成した水素リッチガスを燃料ガスとして用いること
ができる。炭化水素系の原燃料を用いる燃料電池を備え
る燃料電池システムには燃料改質装置が設けられてお
り、この燃料改質装置において原燃料の改質を行ない燃
料ガスを生成する。以下に、燃料改質装置における原燃
料の改質反応について説明する。ここでは、メタノール
を原燃料とし、これを水蒸気改質する場合について説明
する。
【0005】 CH3OH → CO+2H2−90.0(kJ/mol) …(4) CO+H2O → CO2+H2+40.5 (kJ/mol) …(5) CH3OH+H2O → CO2+3H2−49.5(kJ/mol) …(6)
【0006】メタノールを水蒸気改質する反応では、
(4)式で示したメタノールの分解反応と、(5)式で
示した一酸化炭素の変成反応とが同時に進行し、全体と
して(6)式の反応が起こる。このように、原燃料を改
質する反応は吸熱反応であるため、改質反応を行なう際
には、反応で必要な熱量を燃料改質装置に対して供給す
る必要がある。
【0007】燃料改質装置に対して熱量を供給する方法
としては、燃料改質装置にバーナを併設し、このバーナ
の燃焼熱によって改質装置を加熱する構成が知られてい
る(例えば、特開昭63−248702号公報など)。
このような燃料改質装置では、バーナの燃焼ガスの温度
を調節することによって、原燃料の改質を行なう改質反
応器を所望の温度に昇温させており、適切な温度範囲で
原燃料の改質反応を行なうことが可能となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バーナ
で発生する燃焼エネルギを用いて原燃料の改質反応を進
行させる上記燃料改質装置では、バーナから燃料改質装
置に供給される熱エネルギ量のうち、その相当量は原燃
料の気化や改質反応に利用されることなく排出されてし
まい、エネルギ効率が不十分となるという問題があっ
た。すなわち、上記メタノールの水蒸気改質を行なう際
の反応温度は250〜300℃であるため、バーナの燃
焼温度は300℃以上にする必要があり、これによって
燃料改質装置からは300℃程度の燃焼排ガスが排出さ
れてしまい、エネルギの多くを利用することなく廃棄し
ていた。
【0009】また、燃料改質装置を加熱する方法とし
て、バーナの代わりにヒータを設け、ヒータによって改
質反応に要する熱量を供給することもできる。このよう
に、燃料改質装置にヒータを設けて加熱する場合には、
改質反応で利用されずに廃棄されてしまうエネルギ量を
少なくすることができ、エネルギ効率を低下させてしま
うことがない。しかしながら、上記したようにヒータを
用いて燃料改質装置の加熱を行なう場合には、燃料電池
の始動時に、燃料改質装置を所定の定常状態となるよう
昇温させるのに長時間を要するという問題があった。特
に、燃料電池を、電気自動車の駆動用電源として用いる
場合などには、燃料改質装置を所定の定常状態にまで昇
温させるのに時間を要するということは、電気自動車を
発進可能にするのに時間を要することになり採用しがた
い。
【0010】本発明の燃料改質装置は、こうした問題を
解決し、燃料改質装置におけるエネルギ効率を向上させ
ると共に、燃料電池の始動時には速やかに燃料改質装置
を定常状態に昇温させることを目的としてなされ、次の
構成を採った。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の燃料改質装置は、炭化水素を原燃料とし、少なく
とも前記原燃料を含む液体を気化させて原燃料ガスを生
成し、該原燃料ガスから水素を含む燃料ガスを生成する
改質反応を行なう燃料改質装置であって、前記原燃料を
含む液体の気化に要する熱量を供給可能な高温の気体を
発生させる熱量発生部と、前記熱量発生部が発生させた
前記高温の気体と前記原燃料を含む液体とが供給され、
該液体と前記高温の気体との間で熱交換させることによ
り、前記液体から前記原燃料ガスを生成すると共に、前
記高温の気体が熱交換した後に生じる排ガスを排出する
蒸発部と、前記蒸発部に供給する前記液体の量を調節す
る供給原燃料量制御手段と、所定の改質触媒を備え、前
記蒸発部で昇温された前記原燃料ガスの供給を受けて、
前記原燃料ガスを前記改質触媒の表面を通過させること
によって前記改質反応を進行させる改質部と、前記排ガ
スの有する熱量を前記改質部に移動させる熱量移動手段
と、前記燃料改質装置の始動時には、前記蒸発部に供給
する前記液体の量を前記原燃料量制御手段を介して制限
することにより、前記蒸発部において前記高温の気体か
ら前記液体へ熱交換される熱量を減少させて、前記排ガ
ス温度を所定の高温とする排ガス昇温制御を行ない、前
記燃料改質装置が定常状態となったときには、前記蒸発
部に供給する前記液体の量に関して、前記排ガス昇温制
御を行なわない制御部とを備えることを要旨とする。
【0012】以上のように構成された本発明の燃料改質
装置は、熱量発生部が発生させた高温の気体と少なくと
も前記原燃料を含む液体とが蒸発部に供給され、この液
体と前記高温の気体との間で熱交換が行なわれる。これ
によって、前記液体は気化されて原燃料ガスとなる。ま
た、前記高温の気体は熱交換した後に排ガスとして蒸発
部から排出される。原燃料ガスは、所定の改質触媒を備
える改質部に供給され、原燃料ガスが改質触媒の表面を
通過することによって改質反応が進行し、水素を含む燃
料ガスが生成する。燃料改質装置の始動時には、排ガス
昇温制御が行なわれる。すなわち、前記蒸発部に供給す
る前記液体の量が制限されて、前記蒸発部において前記
高温の気体から前記液体へ熱交換される熱量が減少す
る。これによって、蒸発部から排出される排ガス温度は
所定の高温となる。所定の高温となった排ガスの有する
熱量は、熱量移動手段によって前記改質部に移動され
る。また、燃料改質装置が定常状態となったときには、
前記蒸発部に供給する前記液体の量に関して、前記排ガ
ス昇温制御は行なわれない。
【0013】このような燃料改質装置によれば、燃料改
質装置の始動時には、蒸発部に供給する前記液体の量が
制限されることによって前記排ガスの温度が高温とな
る。従って、この排ガスの熱量が移動された改質部は昇
温して速やかに定常状態に達することができ、始動時の
立ち上げに要する時間を短縮することができる。ここ
で、前記排ガスの温度を高温とするための手段として、
蒸発部に供給する前記液体の量の制限を行なっているた
め、燃料改質装置の始動時に前記排ガスの温度を高温に
するために、より大きな性能のバーナを準備しておく必
要がない。また、燃料改質装置が定常状態になると、蒸
発部に供給する前記液体の量に関して、前記排ガス温度
を所定の高温にすることを目的とした制限を行なわない
ため、蒸発部に供給する前記液体の量は、燃料改質装置
で生成可能な燃料ガスの量に応じた範囲内で任意に増減
することが可能となる。従って、燃料改質装置が定常状
態に達した後は、必要量の燃料ガスの生成を開始するこ
とができる。
【0014】さらに、本発明の燃料改質装置において、
前記燃料改質装置が定常状態となって前記蒸発部に供給
する前記液体の量に関する前記排ガス昇温制御を行なわ
なくなったときに、前記蒸発部に供給する前記液体の量
に関する情報に基づいて、前記熱量発生部で発生される
前記高温の気体の温度を制御し、前記蒸発部から排出さ
れる前記排ガス温度を所定の温度以下にする高温ガス温
度制御手段と、前記燃料改質装置が定常状態となったと
きに前記改質反応で要する熱量を前記改質部に供給する
ための加熱手段とを備える構成も好ましい。
【0015】このような燃料改質装置によれば、定常状
態となった後には、改質反応で要する熱量は加熱手段に
よって供給される。従って、高温の気体によって改質反
応で要する熱量も供給する場合に比べて、利用されずに
燃料改質装置外に廃棄されてしまうエネルギ量を少なく
することができ、エネルギ効率を高くすることができ
る。このように、前記蒸発部から排出される前記排ガス
によって前記改質部に熱量を供給する必要がないため、
前記熱量発生部で発生される前記高温の気体の温度を低
くすることができ、前記高温の気体を発生させる際に消
費されるエネルギ量を少なくすることができる。また、
前記蒸発部から排出される前記排ガスの温度が所定の温
度以下となるため、燃料改質装置で利用されることなく
外部に排出されるエネルギ量を少なくすることができ、
高いエネルギ効率を保つことができる。
【0016】本発明の燃料改質装置において、前記熱量
移動手段は、前記改質部内部に設けられ、前記蒸発部か
ら排出される排ガス側から前記改質部内部側に向かって
選択的に熱輸送が可能に形成されたヒートパイプからな
ることとしてもよい。
【0017】このような燃料改質装置では、燃料改質装
置の始動時において蒸発部から排出される排ガス温度が
高いときには、この排ガスが有する熱量はヒートパイプ
によって改質部内部に伝えられるため、改質部内部を速
やかに昇温させて定常状態とすることができる。また、
このヒートパイプは、排ガス側から改質部側に向かう方
向に選択的に熱輸送を行なうため、燃料改質装置が定常
状態となって蒸発部から排出される排ガス温度が改質部
内部の温度よりも低いときには、排ガスと改質部との間
で熱交換は行なわれず、改質部から熱量が奪われること
がない。
【0018】また、本発明の燃料改質装置において、前
記熱量移動手段は、前記排ガスを導入可能であって、該
導入された排ガスと前記改質部との間で熱交換が行なわ
れる第1の排ガス流路と、前記排ガスを導入可能であっ
て、前記排ガスを、前記改質部との間で熱交換すること
なく外部に排出する第2の排ガス流路と、前記燃料改質
装置の始動時には、前記排ガスの流路を前記第1の排ガ
ス流路とし、前記蒸発部に供給する前記液体の量に関し
て、前記排ガス昇温制御が行なわれていないときには、
前記排ガスの流路を前記第2の排ガス流路に切り替える
流路切り替え手段とを備えることとしてもよい。
【0019】このような燃料改質装置では、燃料改質装
置の始動時において蒸発部から排出される排ガス温度が
高いときには、この排ガスは第1の排ガス流路に導入さ
れて排ガスと改質部との間で熱交換が行なわれ、改質部
は速やかに昇温されて定常状態となる。また、燃料改質
装置が定常状態となると、蒸発部から排出される排ガス
は第2の排ガス流路に導入され、排ガスは改質部との間
で熱交換することなく外部に排出される。従って、排ガ
スの温度が改質部内部の温度よりも低いときに、改質部
側から排ガス側に熱量が奪われることがない。
【0020】本発明の燃料改質装置において、前記燃料
改質装置が定常状態となったときに前記改質反応で要す
る熱量を供給するための前記加熱手段は、前記改質部に
設けられたヒータであることとしてもよい。
【0021】このような構成とすれば、燃料改質装置の
始動時には、蒸発部から排出される高温の排ガスを用い
て改質部を加熱することにより速やかに改質部を定常状
態とすることができると共に、定常状態においては、前
記改質部に設けられたヒータを用いて改質反応に要する
熱量を供給することができる。従って、定常状態におい
て、燃料改質装置で利用されずに廃棄されてしまうエネ
ルギ量を少なくすることができる。
【0022】また、本発明の燃料改質装置において、前
記燃料改質装置が定常状態となったときに前記改質反応
で要する熱量を供給するための前記加熱手段は、前記改
質部内部で進行する酸化改質反応によって生じる熱量を
利用する手段であることとしてもよい。
【0023】このような構成とすれば、燃料改質装置の
始動時には、蒸発部から排出される高温の排ガスを用い
て改質部を加熱することにより速やかに改質部を定常状
態とすることができると共に、定常状態においては、改
質反応に要する熱量を酸化改質反応によって供給するこ
とができる。従って、定常状態において、燃料改質装置
で利用されずに廃棄されてしまうエネルギ量を少なくす
ることができる。特に、改質反応で要する熱量を生じる
酸化改質反応が改質部内部で進行するため、エネルギが
伝達される途中で失われてしまう量を少なくすることが
でき、高いエネルギ効率を得ることができる。
【0024】本発明の燃料改質装置において、前記原燃
料はメタノールであることとしてもよい。メタノールは
炭化水素系の原燃料の中で、比較的低い温度で改質反応
を行なうことができるため、燃料改質装置の運転および
停止を繰り返す必要のある用途に用いる場合には好まし
い。また、所定の体積の炭化水素系原燃料から得られる
エネルギ量を比較すると、メタノールは改質反応で生じ
る改質ガスから得られるエネルギ量が多い原燃料であ
る。したがって、燃料改質装置を車両に搭載し、この燃
料改質装置によって車両駆動用電源である燃料電池に燃
料ガスを供給する場合のように、移動を伴う用途に燃料
改質装置を用いる場合には有利である。
【0025】また、本発明の燃料改質装置において、前
記原燃料を含む液体は、液体状態の前記原燃料と水との
混合物、あるいは気体状態の前記原燃料と水との混在物
であり、前記改質部で進行する前記改質反応は、少なく
とも水蒸気改質反応を含むこととしてもよい。
【0026】ここで、前記蒸発器に供給される少なくと
も原燃料を含む液体とは、少なくとも液体成分と原燃料
成分とを含有していればよく、他の気体成分などを混在
させていてもよい。改質反応が少なくとも水蒸気改質反
応を含むことによって、水蒸気改質反応に要する水を少
なくとも液体成分として含有することになる。たとえ
ば、メタノールなど液体状の炭化水素からなる原燃料を
用いる場合には、前記液体は、水蒸気改質反応に要する
水と液体原燃料との混合物となる。また、メタンなど気
体状の炭化水素からなる原燃料を用いる場合には、前記
液体は、水蒸気改質反応に要する水と気体原燃料との混
在物となる。さらに、これらに、部分酸化改質反応で要
する酸素を含有するガスを加えたものとしてもよい。な
お、上記原燃料を含む液体を構成する各成分は、すべて
を予め混合して蒸発器に供給する必要はなく、各成分を
別々に蒸発器に供給して、それぞれの成分について、気
化と昇温、あるいは昇温のみを行なうこととしてもよ
い。
【0027】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は、本発明の好適な一実
施例である燃料電池システム20の構成の概略を例示す
る概略構成図である。本発明の燃料電池システム20
は、システムの起動時にはバーナで発生する燃焼ガスに
よって内部を急速に昇温させ、定常状態の時にはこのバ
ーナで発生するエネルギ量を抑えて外部に廃棄するエネ
ルギ量を減らす構成の燃料改質装置を備えることを特徴
としている。最初に、燃料電池システム20の全体構成
について説明し、引き続き、本発明の要部に対応する燃
料改質装置について説明する。
【0028】燃料電池システム20は、メタノールを貯
留するメタノールタンク28、水を貯留する水タンク3
0、燃焼ガスを発生するバーナ34、空気の圧縮を行な
う圧縮機32、バーナ34や圧縮機32を併設しており
メタノールの改質反応を行なう燃料改質装置22、改質
ガス中の一酸化炭素濃度を低減するCO低減部26、電
気化学反応により起電力を得る燃料電池40、圧縮空気
を蓄えるエアタンク36、圧縮空気を補助的に供給する
コンプレッサ38、コンピュータにより構成される制御
部50を主な構成要素とする。以下に、これら燃料電池
システム20の構成要素について順次説明する。
【0029】燃料電池40は、固体高分子電解質型の燃
料電池であり、構成単位である単セル48を複数積層し
たスタック構造を有している。図2は、燃料電池40を
構成する単セル48の構成を例示する断面図である。単
セル48は、電解質膜41と、アノード42およびカソ
ード43と、セパレータ44,45とから構成されてい
る。
【0030】アノード42およびカソード43は、電解
質膜41を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ44,45は、このサンド
イッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード42お
よびカソード43との間に、燃料ガスおよび酸化ガスの
流路を形成する。アノード42とセパレータ44との間
には燃料ガス流路44Pが形成されており、カソード4
3とセパレータ45との間には酸化ガス流路45Pが形
成されている。セパレータ44,45は、図2ではそれ
ぞれ片面にのみ流路を形成しているが、実際にはその両
面にリブが形成されており、片面はアノード42との間
で燃料ガス流路44Pを形成し、他面は隣接する単セル
が備えるカソード43との間で酸化ガス流路45Pを形
成する。このように、セパレータ44,45は、ガス拡
散電極との間でガス流路を形成するとともに、隣接する
単セル間で燃料ガスと酸化ガスの流れを分離する役割を
果たしている。もとより、単セル48を積層してスタッ
ク構造を形成する際、スタック構造の両端に位置する2
枚のセパレータは、ガス拡散電極と接する片面にだけリ
ブを形成することとしてもよい。
【0031】ここで、電解質膜41は、固体高分子材
料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導
性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性
を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)
を使用した。電解質膜41の表面には、触媒としての白
金または白金と他の金属からなる合金が塗布されてい
る。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他
の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、こ
の触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散さ
せ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemi
cal社、Nafion Solution)を適量添
加してペースト化し、電解質膜41上にスクリーン印刷
するという方法をとった。あるいは、上記触媒を担持し
たカーボン粉を含有するペーストを膜成形してシートを
作製し、このシートを電解質膜41上にプレスする構成
も好適である。
【0032】アノード42およびカソード43は、共に
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形
成されている。なお、本実施例では、アノード42およ
びカソード43をカーボンクロスにより形成したが、炭
素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルト
により形成する構成も好適である。
【0033】セパレータ44,45は、ガス不透過の導
電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とし
た緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ4
4,45はその両面に、平行に配置された複数のリブを
形成しており、既述したように、アノード42の表面と
で燃料ガス流路44Pを形成し、隣接する単セルのカソ
ード43の表面とで酸化ガス流路45Pを形成する。こ
こで、各セパレータの表面に形成されたリブは、両面と
もに平行に形成する必要はなく、面毎に直行するなど所
定の角度をなすこととしてもよい。また、リブの形状は
平行な溝状である必要はなく、ガス拡散電極に対して燃
料ガスまたは酸化ガスを供給可能であればよい。
【0034】以上、燃料電池40の基本構造である単セ
ル48の構成について説明した。実際に燃料電池40と
して組み立てるときには、セパレータ44、アノード4
2、電解質膜41、カソード43、セパレータ45の順
序で構成される単セル48を複数組積層し(本実施例で
は100組)、その両端に緻密質カーボンや銅板などに
より形成される集電板46,47を配置することによっ
て、スタック構造を構成する。
【0035】次に、燃料電池システム20を構成する燃
料電池40以外の構成要素およびそれらの接続関係につ
いて順次説明する。燃料改質装置22は、図1に示した
ように、蒸発部90および改質部92から構成されてい
る。蒸発部90は、メタノールタンク28および水タン
ク30からメタノールと水との供給を受け、これらメタ
ノールと水とを気化させる。また、改質部92では、蒸
発部90で気化されたメタノールおよび水が導かれて水
蒸気改質反応が進行する。燃料改質装置22は、既述し
たようにバーナ34と圧縮機32とを併設しているが、
後述するように圧縮機32を介してバーナ34の燃焼熱
が蒸発部90に導かれ、この燃焼熱が蒸発部90の備え
る熱交換部に伝えられて、蒸発部90に供給されたメタ
ノールと水とを沸騰、気化させる。
【0036】メタノールタンク28から燃料改質装置2
2に原燃料であるメタノールを送り込むメタノール流路
70には第2ポンプ65が設けられており、燃料改質装
置22に供給するメタノール量を調節可能となってい
る。この第2ポンプ65は、制御部50に接続されてお
り、制御部50から出力される信号によって駆動され、
燃料改質装置22に供給するメタノール流量を調節す
る。
【0037】水タンク30から燃料改質装置22に水を
送り込む給水路72には第3ポンプ66が設けられてお
り、燃料改質装置22に供給する水の量を調節可能とな
っている。この第3ポンプ66は、第2ポンプ65と同
じく制御部50に接続されており、制御部50から出力
される信号によって駆動され、燃料改質装置22に供給
する水量を調節する。上記メタノール流路70と給水路
72とは合流して第1燃料供給路78を形成し、この第
1燃料供給路78は燃料改質装置22の蒸発部90に接
続する。メタノール流量と水量とは上記第2ポンプ65
と第3ポンプ66とによって調節されるため、所定量ず
つ混合されたメタノールと水とは第1燃料供給路78を
介して燃料改質装置22に供給される。なお、メタノー
ルと水とが混合される割合は、既述した(4)式〜
(6)式に示した水蒸気改質反応が充分に進行可能とな
る量であって、生成された改質ガス中に、燃料電池40
に供給する燃料ガスとして充分量の水蒸気が含まれるよ
うになる量として定められる。
【0038】燃料改質装置22に併設された圧縮機32
は、燃料電池システム20の外部から空気を取り込んで
これを圧縮し、エアタンク36に加圧供給するための装
置である。圧縮機32は、タービン32aおよびコンプ
レッサ32bを備え、これらは羽根車型に成形されてい
る。タービン32aおよびコンプレッサ32bは同軸上
のシャフト32cで連結されており、タービン32aを
回転駆動することにより、コンプレッサ32bを回転駆
動することができる。燃料改質装置22にはさらにバー
ナ34が併設されているが、このバーナ34からの高温
の燃焼ガスによってタービン32aは駆動される。
【0039】タービン32aの回転と共にコンプレッサ
32bも回転し、このコンプレッサ32bは既述したよ
うに空気の圧縮を行なう。コンプレッサ32bへは、空
気導入路69を介して外気が取り込み可能となってい
る。
【0040】ここで、タービン32aは、バーナ34か
らの高温の燃焼ガスにより駆動されるので、耐熱性およ
び耐久性を実現するために超耐熱合金やセラミックス等
により形成される。本実施例では、ニッケルベースの合
金(インコネル700、インコネル社)を使用した。ま
た、コンプレッサ32bは、軽量なアルミニウム合金に
より形成される。
【0041】このように圧縮機32によって加圧された
圧縮空気はエアタンク36に一旦供給された後、後述す
るようにバーナ34や燃料電池40の酸素極側に供給さ
れる。なお、エアタンク36には、エアタンク36内の
空気圧を測定する圧力センサ67が設けられており、さ
らにエアタンク36内の空気量が不足するときこれを補
うためのコンプレッサ38が併設されている。圧力セン
サ67は、制御部50に接続されている。制御部50
は、この圧力センサ67からの入力信号を基にエアタン
ク36内の空気量を判断し、空気量が不足であると判断
した場合にはコンプレッサ38に対して駆動信号を出力
し、エアタンク36内に供給される圧縮空気量が充分量
となるよう制御する。燃料電池システム20が定常状態
で運転されているときには、エアタンク36は圧縮機3
2から充分量の圧縮空気を供給されることができるた
め、このコンプレッサ38は、主にシステムの起動時な
どに用いられる。
【0042】タービン32aを駆動するバーナ34は、
燃焼のための燃料を、燃料電池40の陰極側およびメタ
ノールタンク28から供給される。燃料電池40は、メ
タノールを燃料改質装置22で改質して生成した水素リ
ッチガスを燃料として電気化学反応を行なうが、燃料電
池40に供給されたすべての水素が消費されるわけでは
なく、消費されずに残った水素を含む燃料排ガスは燃料
排ガス路74から排出される。バーナ34は、この燃料
排ガス路74に接続して燃料排ガスの供給を受け、消費
されずに残った水素を完全燃焼させて燃料の利用率の向
上を図っている。このような排燃料だけでは燃料として
不足する分、および燃料電池システム20の起動時のよ
うに燃料電池40から排燃料の供給を受けられないとき
は、バーナ34はメタノールタンク28からメタノール
の供給を受ける。バーナ34へメタノールを供給するた
めにメタノール分岐路71が設けられている。このメタ
ノール分岐路71は、メタノールタンク28から燃料改
質装置22にメタノールを供給するメタノール流路70
から分岐しており、第1ポンプ64を備えている。第1
ポンプ64は、制御部50に接続され、制御部50から
の駆動信号を受けてバーナ34に供給するメタノール量
を調節している。
【0043】一方バーナ34は、上記燃焼のための燃料
の他に、燃焼に必要な酸素の供給を受けている。この燃
焼に必要な酸素は、既述したエアタンク36から第1空
気供給路76を介して圧縮空気として供給される。この
第1空気供給路76には第1流量調整器68が設けられ
ており、この第1流量調整器68は制御部50からの駆
動信号を受けて、バーナ34に供給する圧縮空気量を調
節している。
【0044】ここで、バーナ34には第1温度センサ6
0が設けられており、バーナ34での燃焼ガスの温度を
測定して、この測定結果を電気的な信号として制御部5
0に入力している。制御部50は、この第1温度センサ
60からの入力結果を基に、第1ポンプ64および第1
流量調整器68に駆動信号を出力して、バーナ34に供
給するメタノール量と圧縮空気量とを調節し、バーナ3
4での燃焼温度を後述する所定の温度範囲に保ってい
る。このバーナ34における燃焼ガスは、タービン32
aを回転駆動したのち、燃料改質装置22の蒸発部90
に導かれる。タービン32aでの熱交換効率は余り高く
ないため(約10%以内)、バーナ34で発生した熱エ
ネルギの多くは蒸発部90に導かれる。蒸発部90で
は、このバーナ34から供給された高温燃焼排ガスによ
って、既述した第1燃料供給路78を介して供給された
メタノールと水との混合溶液が気化させる。蒸発部90
で気化されたメタノールと水とからなる原燃料ガスは、
燃料改質装置22内で、改質部92に供給される。
【0045】燃料改質装置22が備える改質部92で
は、メタノールと水とからなる原燃料ガスが供給され
て、(4)〜(6)式に示した水蒸気改質反応が進行し
て水素リッチな改質ガスが生成される。この改質部92
の構成については後に詳述する。改質部92は、既述し
たようにバーナ34で発生した燃焼ガスを供給される他
に、内部を加熱する手段として電気式のヒータを備えて
おり、燃料改質装置22が定常状態となったときには、
このヒータによって改質部92内部を水蒸気改質反応に
適した温度に維持することが可能となっている。
【0046】改質部92で改質された水素リッチな改質
ガスは、第2燃料供給路79によってCO低減部26に
導かれる。第2燃料供給路79に設けられた第2温度セ
ンサ61は、改質部92から排出される改質ガスの温度
を測定し、この測定結果に関する情報を制御部50に入
力する。制御部50は第2温度センサ61からの信号を
基に改質部92内部の反応温度を判断し、改質部92が
備える既述した所定の加熱手段を制御して、改質部92
の内部温度を所定の温度範囲に保つ。
【0047】CO低減部26は、第2燃料供給路79を
介して改質部92から供給された改質ガスの一酸化炭素
濃度を低減させて、充分に一酸化炭素濃度が低い燃料ガ
スとして燃料電池40に供給する装置である。メタノー
ルの一般的な改質反応はすでに(4)式ないし(6)式
に示したが、実際に改質反応が行なわれるときにはこれ
らの式に表わしたように理想的に反応が進行するわけで
はなく、改質部92で生成された燃料ガスは所定量の一
酸化炭素を含んでいる。そこで、CO低減部26を設け
ることで、燃料電池40に供給する燃料ガス中の一酸化
炭素濃度の低減を図っている。
【0048】本実施例の燃料電池40は固体高分子型の
燃料電池であって、電池反応を促進する白金または白金
と他の金属とからなる触媒を備えているが(本実施例で
は白金触媒を電解質膜41の表面に塗布した)、燃料ガ
ス中に一酸化炭素が含まれる場合には、この一酸化炭素
が白金触媒に吸着して触媒としての機能を低下させ、
(1)式に示したアノードにおける反応を阻害して燃料
電池の性能を低下させてしまう。そのため、燃料電池4
0のような固体高分子型の燃料電池を用いて発電を行な
うためには、供給する燃料ガス中の一酸化炭素濃度を所
定量以下に低減して電池性能の低下を防ぐことが必須と
なる。なお、このような固体高分子型燃料電池におい
て、供給される燃料ガス中の一酸化炭素濃度としての許
容濃度は通常は数ppm程度以下である。
【0049】CO低減部26に供給される改質ガスは、
上記したように所定量の一酸化炭素を含有する水素リッ
チガスであり、CO低減部26においては、改質ガス中
の水素に優先して一酸化炭素の酸化が行なわれる。CO
低減部26には、一酸化炭素の選択酸化触媒である白金
触媒、ルテニウム触媒、パラジウム触媒、金触媒、ある
いはこれらを第1元素とした合金触媒を担持した担体が
充填されている。また、CO低減部26における一酸化
炭素の選択酸化反応に要する酸素を含有する酸化ガス
は、エアタンク36から圧縮空気として供給される。エ
アタンク36とCO低減部26とを接続する流路である
第3空気供給路82には第3流量調整器84が設けられ
ており、CO低減部26に供給する圧縮空気量を調節可
能となっている。第3流量調整器84は制御部50に接
続されており、第3流量調整器84の駆動量は制御部5
0によって制御される。
【0050】また、CO低減部26で行なわれる一酸化
炭素の選択酸化反応は発熱反応であるため、CO低減部
26は所定の冷却手段を備え、CO低減部26内部を一
酸化炭素選択酸化反応に適した所定の温度範囲に保つ構
成となっている。所定の冷却手段としては、例えば、水
タンク30が貯留する水を冷却水として用い、この冷却
水を、CO低減部26内に設けた流路を循環させるなど
の構成とすることができる。
【0051】このCO低減部26で処理された燃料ガス
中の一酸化炭素濃度は、CO低減部26の運転温度、供
給される改質ガス中の一酸化炭素濃度、CO低減部26
への単位触媒体積当たりの改質ガスの供給流量等によっ
て定まる。CO低減部26には、第4温度センサ63お
よび図示しない一酸化炭素濃度センサが設けられてい
る。一酸化炭素濃度センサの測定結果に基づいて、CO
低減部26の運転温度や供給する改質ガス流量を調節
し、処理後の燃料ガス中の一酸化炭素濃度が許容される
値以下となるように制御している。
【0052】CO低減部26で上記のように一酸化炭素
濃度が下げられた燃料ガスは、第3燃料供給路80によ
って燃料電池40に導かれ、アノード側における電池反
応に供される。第3燃料供給路80には第3温度センサ
62が設けられており、この第3温度センサ62によっ
て、CO低減部26から排出される燃料ガスの温度を測
定している。第3温度センサ62が検出した燃料ガスの
温度に関する情報は制御部50に入力されて、CO低減
部26の運転温度を制御するための処理に供される。
【0053】また、第3燃料供給路80からは燃料分岐
路81が分岐しており、燃料分岐路81の分岐点には三
方切り替えバルブ37が設けられている。燃料分岐路8
1はバーナ34に接続されており、上記三方切り替えバ
ルブ37を切り替えることによって、CO低減部26か
ら排出された燃料ガスの流路を切り替えて、燃料ガスが
燃料電池40に供給される状態と、燃料ガスがバーナ3
4に供給される状態とのいずれかの状態とすることがで
きる。三方切り替えバルブ37は制御部50に接続され
ており、制御部50は、この三方切り替えバルブ37に
駆動信号を出力することによって燃料ガスの流路を切り
替える。燃料ガスが燃料電池40に供給される状態は、
燃料電池システム20が定常状態となっている状態に対
応し、燃料ガスがバーナ34に供給される状態は、燃料
電池システム20の始動時に対応するが、この燃料ガス
の流路の切り替えに関する動作については後に詳しく説
【0054】一方、燃料電池40のカソード側における
電池反応に関わる酸化ガスは、エアタンク36から第2
空気供給路77を介して圧縮空気として供給される。第
2空気供給路77には第2流量調整器83が設けられて
おり、エアタンク36から燃料電池40に供給する酸化
ガス量を調節可能となっている。第2流量調整器83は
制御部50に接続されており、制御部50によって燃料
電池40に供給される酸化ガス量が制御される。酸化ガ
スは電池反応に供された後に酸化排ガスとなって酸化排
ガス路73に排出されるが、この酸化排ガス路73には
凝縮水回収器24が設けられている。燃料電池40で電
気化学反応が進行する際には、燃料電池40の酸素極側
において既述した(2)式の反応によって水が生じる。
本実施例の燃料電池システム20では、電池反応による
生成水を含有する酸化排ガスを凝縮水回収器24に導い
て、酸化排ガス中の生成水を凝縮させて回収し、回収し
た水を再利用している。凝縮水回収器24で回収された
生成水は、水回収路35を介して水タンク30に供給さ
れ、蒸発部90を経て改質部92で行なわれる原燃料の
水蒸気改質反応に供される。凝縮水回収器24で生成水
を回収された酸化排ガスは、排ガス回収路33を経由し
てバーナ34に供給される。燃料電池40での電気化学
反応に供された後に排出される酸化排ガスには酸素が残
留しているため、バーナ34に供給された酸化排ガス
は、バーナ34での燃焼反応に要する酸化ガスとして働
く。
【0055】制御部50は、マイクロコンピュータを中
心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定
された制御プログラムに従って所定の演算などを実行す
るCPU54と、CPU54で各種演算処理を実行する
のに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納さ
れたROM56と、同じくCPU54で各種演算処理を
するのに必要な各種データが一時的に読み書きされるR
AM58と、既述した各種温度センサや圧力センサから
の検出信号を入力すると共にCPU54での演算結果に
応じて既述した各種ポンプや流量調整器などに駆動信号
を出力する入出力ポート52等を備える。
【0056】なお、図1には示さなかったが、燃料電池
システム20は、燃料電池40とは別に所定の2次電池
を備えている。この2次電池は、燃料電池システム20
の起動時において燃料電池40から充分な電力の供給が
得られない間に、既述したコンプレッサ38や各種ポン
プなどを駆動するための電源として利用される。
【0057】次に、本発明の要部に対応する燃料改質装
置22の構成について説明する。図3は、燃料改質装置
22の構成を模式的に表わす説明図である。燃料改質装
置22は、既述したように蒸発部90および改質部92
を備える。圧縮機32を介してバーナ34から供給され
る燃焼ガスは、蒸発部90に導かれて、第1燃料供給路
78を介して供給されたメタノールと水との混合液を昇
温・気化させて原燃料ガスとする。この蒸発部90はプ
レートフィン型に形成されており、バーナ34から供給
される燃焼ガスの流路と、メタノールと水との混合液の
流路とは、それぞれの流れの方向が略逆向きになるよう
に配設されている。したがって、互いに異なる向きに流
れる燃焼ガスと上記混合液との間で熱交換が行なわれ、
メタノールと水との混合液は充分に昇温された原燃料ガ
スとなる。このように、燃焼ガスと上記混合液との流れ
る向きがそれぞれ逆向きとなっているため、蒸発部90
に導かれた上記混合液は、比較的低温となっている下流
側の燃焼ガスとの間で熱交換を開始し、上流側に進むに
つれてより高温の燃焼ガスと熱交換しながら次第に気化
される。最終的には、上記原燃料ガスは、蒸発部90に
導かれた燃焼ガスのうち上流側の充分に高温であるガス
によって昇温されて、改質部92に導入される。
【0058】また、蒸発部90での熱交換によって温度
が低下した燃焼ガスは、燃焼排ガスとして蒸発部90か
ら燃焼排ガス導入部94に排出される。燃焼排ガス導入
部94は、燃料改質装置22の外周部の下部領域に設け
られた構造である。燃焼排ガスは、この燃焼排ガス導入
部94において、原燃料ガスが改質部92内を通過する
のと同じ方向に導かれ、燃料改質装置22の端部に達す
ると燃料改質装置22の外部に排出される。さらに、燃
焼排ガス導入部94は、この燃焼排ガス導入部94を通
過する燃焼排ガスと改質部92内部との間の熱交換を可
能にする構造を備えている。この燃焼排ガス導入部94
を通過する燃焼排ガスと改質部92内部との間の熱交換
を可能にする構造については後述する。
【0059】改質部92は、改質反応を促進する触媒金
属であるCu−Zn触媒で形成されたペレットが充填さ
れており、充分に昇温された上記原燃料ガスの供給を受
けて改質反応を進行させ、水素リッチな改質ガスを生成
する。ここで、触媒金属であるCu−Zn触媒で形成さ
れたペレットとは、銅と酸化亜鉛とを用いて共沈法によ
って作成した触媒金属にアルミナなどのバインダを加え
て、押しだし成形によって直径3〜7mm程度の粒子状
に成形したものをいう。本実施例では、約3mm×3m
m×3mmの大きさに成形したペレットを用いた。この
Cu−Zn触媒からなるペレットは、改質部92におい
て均一に充填されている。改質部92内部に導入された
上記原燃料ガスは、上記ペレット表面の触媒金属と接触
して改質反応を進行しながら第2燃料供給路79に通じ
る出口方向に向かって移動する。なお、改質部92内に
充填する触媒ペレットは、上記した共沈法の他、含浸法
など他の方法によって作成したものを用いることとして
もよい。
【0060】ここで、既述した燃焼排ガス導入部94を
通過する燃焼排ガスと改質部92内部との間の熱交換を
可能にする構造について説明する。上記触媒ペレットが
充填された改質部92の内部には、さらにヒートパイプ
96が設けられている。ヒートパイプ96は、その一端
を燃焼排ガス導入部94に突出させた状態で、改質反応
が進行しつつある原燃料ガスの流れに対して垂直な向き
に配設されており、改質部92内部では、所定の間隔を
空けて複数のヒートパイプ96が設けられている。各ヒ
ートパイプ96において、燃焼排ガス導入部94に突出
する端部にはフィン98が設けられている。本実施例で
は、このフィン98は、ステンレスによって構成した。
このフィン98は、各ヒートパイプ96の表面からヒー
トパイプに垂直な方向に突出した羽状の部材として形成
されており、各ヒートパイプ96ごとに複数(図3では
4枚)のフィン98が設けられている。蒸発部90から
排出された燃焼排ガスが燃焼排ガス導入部94内を通過
するときには、この燃焼排ガスの有する熱量は、上記フ
ィン98を介してヒートパイプ96の端部(燃焼排ガス
導入部94内に突出している側の端部)に伝えられる。
【0061】また、上記フィン98を備えるヒートパイ
プ96は、水またはナフタレン、あるいはジフェニール
系熱媒油を作動流体として備え、ウイックのないタイプ
のヒートパイプとして構成されている。このようなタイ
プのヒートパイプでは、その下端部に熱量が伝えられる
と、上記作動流体が気化してヒートパイプ内を上昇す
る。上昇した作動流体は、ヒートパイプの上方で熱を奪
われて液化し、重力によって下方に還流する。このよう
に、作動流体の還流は重力のみによって起こるため、熱
輸送は下方から上方へ向かって選択的に行なわれること
になる。したがって、燃焼排ガス導入部94内を通過す
る燃焼排ガスの温度が改質部92の内部温度よりも高い
場合には、燃焼排ガスと改質部92内部との間で熱交換
が行なわれるが、反対に、燃焼排ガス導入部94内を通
過する燃焼排ガスの温度が改質部92の内部温度よりも
低い場合には、両者の間で熱交換は行なわれない。
【0062】上述したように、フィン98は、燃焼排ガ
スの有する熱量をヒートパイプ96の端部に伝えるため
の構造であるため、充分な効率で燃焼排ガスの熱量をヒ
ートパイプ96の端部に伝達可能であれば、上記した説
明とは異なる形状に形成することとしてもよい。また、
フィン98は、燃焼排ガスの有する熱量をヒートパイプ
96の端部に充分な効率で伝達可能であって、燃焼排ガ
ス導入部94内を通過する燃焼排ガスの温度に対する充
分な耐熱性を備えるならば、上記ステンレス以外の部材
によって構成してもよい。
【0063】次に、本実施例の燃料電池システム20に
おけるシステム始動時の動作について説明する。図4
は、燃料電池システム20の始動時に実行される始動時
処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチ
ンは、燃料電池システム20において所定のスタートス
イッチからシステムの始動が指示されたときにCPU5
4によって実行される。本ルーチンが起動されると、ま
ず、コンプレッサ38に駆動信号が出力されて、コンプ
レッサ38が起動される(ステップS100)。コンプ
レッサ38が起動されることによって、エアタンク36
に対して加圧空気の供給が開始される。また、このとき
三方切り替えバルブ37に対して駆動信号が出力され
て、CO低減部26から排出される燃料ガスの流路は、
燃料ガスがバーナ34に供給される流路に切り替えられ
る(ステップS110)。
【0064】次に、エアタンク36が備える圧力センサ
67が測定したエアタンク36内の圧力P1 を読み込み
(ステップS120)、読み込んだ値P1 と、制御部5
0内に記憶しておいた所定の基準値P0 とを比較する
(ステップS130)。この所定の基準値P0 とは、エ
アタンク36内において、燃料電池システム20の各部
に圧縮空気を供給するために充分量の空気が貯留されて
いるときのエアタンク36内の圧力として、予め定めて
おいた値である。圧力P1 が所定の基準値P0 を下回る
ときには、ステップS120に戻り、エアタンク36内
の圧力が充分に上昇するまで上記した処理を繰り返す。
【0065】ステップS130においてエアタンク36
内の圧力P1 が上記基準値P0 以上となったときには、
エアタンク36内に充分量の圧縮空気が貯留されたと判
断され、次に、バーナ34において燃焼反応を開始する
(ステップS140)。バーナ34における燃焼反応を
開始する際には、第1ポンプ64に駆動信号を出力して
バーナ34に対するメタノールの供給を開始すると共
に、第1流量調整器68に駆動信号を出力してバーナ3
4に対する圧縮空気の供給を開始して、バーナ34が備
える所定の点火装置によって点火を行なう。これ以後第
1ポンプ64および第1流量調整器68の駆動量は、バ
ーナ34に対して供給されるメタノールおよび水の量
が、バーナ34において充分に大きな所定の燃焼エネル
ギが発生する量となるように、制御される。なお、これ
以後コンプレッサ38は、圧力センサ67が読み込むエ
アタンク36内の圧力P1 の値に基づいて、エアタンク
36内に貯留される圧縮空気量が所定の範囲に維持され
るように駆動状態が制御される。
【0066】バーナ34での燃焼反応が開始されると、
第1温度センサ60が検出するバーナ34における燃焼
温度t1 を読み込む(ステップS150)。次に、この
バーナ34における燃焼温度t1 を、制御部50内に記
憶しておいた所定の基準値t0 と比較する(ステップS
160)。この所定の基準値t0 とは、バーナ34にお
ける燃焼状態が充分な状態となるときの温度として、予
め定めておいた値である。ここで、充分な燃焼状態と
は、後述するように蒸発部90から排出される燃焼排ガ
スによって改質部92を急加熱可能な温度であり、本実
施例では約600〜800℃の温度範囲内で設定した。
燃焼温度t1 が所定の基準値t0 を下回るときには、ス
テップS150に戻り、バーナ34の燃焼温度が充分に
上昇するまで、バーナ34に供給するメタノール量およ
び圧縮空気量を調節しつつ、上記した燃焼温度t1 の読
み込みおよび基準値t0 との比較の処理を繰り返す。
【0067】ステップS160において、燃焼温度t1
が上記基準値t0 以上となったときには、バーナ34に
おける燃焼温度が充分に上昇したものと判断され、次
に、第2ポンプ65および第3ポンプ66に対して駆動
信号を出力して本ルーチンを終了する(ステップS17
0)。第2ポンプ65および第3ポンプ66を駆動する
ことによって、蒸発部90に対してメタノールおよび水
の供給が開始される。このとき、蒸発部90に供給され
るメタノールおよび水の量は、圧縮機32を介してバー
ナ34から供給される燃焼ガスによって充分に気化・昇
温可能な量の3分の1から3分の2の量に抑えられる。
従って、メタノールおよび水との間で熱交換を行なっ
て、これらを気化・昇温させた後に蒸発部90から燃焼
排ガス導入部94に排出される燃焼排ガスは、まだ多く
の熱エネルギを有している。本実施例の燃料改質装置2
2では、上記燃焼排ガス導入部94に排出される燃焼排
ガスの温度は、約300〜500℃となる。
【0068】燃焼排ガス導入部94に排出された燃焼排
ガスは、この燃焼排ガス導入部94において、既述した
ヒートパイプ96の端部に設けられたフィン98との間
で熱交換を行なう。このようにしてフィン98に伝えら
れた熱量は、ヒートパイプ96を介して改質部92内部
に伝えられ、改質部92内部を昇温させる。既述したよ
うに、燃料電池システム20の起動時に燃焼排ガス導入
部94に導入される燃焼排ガスは、約300〜500℃
の高温ガスであるため、改質部92内部は速やかに昇温
する。
【0069】ステップS170において、蒸発部90に
対してメタノールおよび水の供給が開始されると、蒸発
部90で蒸発されたメタノールと水とからなる原燃料ガ
スは、改質部92に供給されて水蒸気改質反応に供され
る。このとき、既述した高温の燃焼排ガスによる改質部
92の加熱が急速に行なわれているため、改質部92が
備える触媒表面では、(4)〜(6)式に示した原燃料
ガスの水蒸気改質反応が徐々に進行するようになる。こ
のように改質部92が充分に昇温していないうちは、改
質部92で進行する改質反応が不十分となるため、第2
燃料供給路79を介してCO低減部26に供給される改
質ガス中の水素濃度は、燃料電池40に供給する燃料ガ
スとしては不十分である。なお、ステップS110にお
いて、三方切り替えバルブ37が既述した状態に切り替
えられているため、燃料電池システム20の起動時に
は、水素濃度が不十分である上記燃料ガスは、燃料電池
40に供給される代わりにバーナ34に供給されて、燃
焼反応のための燃料として用いられる。
【0070】次に、燃料電池システム20の運転状態が
定常状態となるときの動作について説明する。図5は、
燃料電池システム20の始動後に実行される昇温時処理
ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチン
は、既述した始動時処理ルーチンが終了した後に、CP
U54によって実行される。本ルーチンが起動される
と、まず、CPU54は、第2温度センサ61が検出し
た改質ガスの温度t2 を入力する(ステップS20
0)。この第2温度センサ61が検出する改質ガスの温
度は、改質部92の内部温度をよく反映しており、改質
ガスの温度t2 から、改質部92の加熱状態を知ること
ができる。そこで次に、この改質ガス温度t2 を所定の
基準値t3 と比較することで、改質部92の内部温度の
状態を判定する(ステップS210)。
【0071】この所定の基準値t3 とは、改質部92内
部が、触媒表面において水蒸気改質反応を充分な効率で
進行可能な温度にまで昇温しているときの改質ガス温度
として、予め定めておいた値である。本実施例では、こ
の基準値t3 を約250℃に設定した。改質ガスの温度
t2 が所定の基準値t3 を下回るときには、ステップS
200に戻り、改質ガスの温度が充分に上昇するまで、
上記した改質ガスの温度t2 の読み込みおよび基準値t
3 との比較の処理を繰り返す。なお、このとき改質部9
2には、既述したように、フィン98およびヒートパイ
プ96を介して高温の燃焼排ガスから熱エネルギが伝え
られているため、改質部92の内部温度すなわち第2温
度センサ61が検出する改質ガス温度は、急速に上昇し
ている。
【0072】ステップS210において、改質ガスの温
度t2 が上記基準値t3 以上となったときには、改質部
92の内部温度は改質反応を進行させるのに充分な程度
に上昇したものと判断され、次に、蒸発部90に供給す
るメタノールおよび水の量に関する制御を変更する(ス
テップS220)。すなわち、第2ポンプ65および第
3ポンプ66の駆動量に関する制限を停止する。既述し
たように、燃料電池システム20の始動時には、バーナ
34で発生する熱量は所定の値に保たれ、蒸発部90に
供給されるメタノールおよび水の量は、圧縮機32を介
してバーナ34から供給される燃焼ガスによって充分に
気化・昇温可能な量の3分の1から3分の2の量に抑え
られている。このステップS220を実行することによ
って、蒸発部90に供給されるメタノールおよび水の量
に関するこのような制限が行なわれなくなる。このステ
ップS220を実行すると、蒸発部90に供給されるメ
タノールおよび水の量は、蒸発部90に供給される燃焼
ガスによって気化・昇温可能な量の最大量程度に引き上
げられる。
【0073】このように蒸発部90に供給するメタノー
ルおよび水の量を増大させることによって、蒸発部90
に供給される燃焼ガスが有するエネルギのうち、蒸発部
90内で熱交換によって消費される割合が増える。従っ
て、燃焼排ガス導入部94に排出される燃焼排ガスの温
度は、約50〜90℃程度に低下する。改質部92が備
えるヒートパイプ96は、既述したように一方向にのみ
熱量を伝える構造である。蒸発部90に導入されるメタ
ノールおよび水の量が増大して燃焼排ガスの温度が低下
したときには、既述したように改質部92内部は充分に
昇温した状態となっているため、これ以後燃焼排ガスと
改質部92との間の熱交換は行なわれなくなる。なお、
燃焼排ガスから熱量の供給が行なわれなくなった後は、
改質部92で進行する改質反応に要する熱量は、改質部
92が備える既述したヒータから供給されるようにな
る。
【0074】ステップS220において蒸発部90に供
給するメタノールおよび水の量を変更すると、次に、三
方切り替えバルブ37の切り替えを行なう(ステップS
230)。既述したように、改質部92内部が充分に昇
温するまでは、燃料ガス中の水素濃度が不十分であるた
め、CO低減部26から排出された燃料ガスはバーナ3
4に供給されている。ここでは、ステップS210にお
いて、改質部92の内部温度が充分に上昇したと判断さ
れているため、燃料ガスの流路を切り替えて、燃料電池
40に対する燃料ガスの供給を開始する。さらに、燃料
電池40に対する酸化ガスの供給を開始して(ステップ
S240)、本ルーチンを終了する。酸化ガスの供給開
始は、第2空気供給路77に備えられた第2流量調整器
83に駆動信号を出力することによって実行される。こ
のように、燃料電池40に対して燃料ガスおよび酸化ガ
スの供給が開始されることによって、燃料電池40にお
ける電気化学反応が可能となる。
【0075】なお、上記した説明では、CO低減部26
の動作状況の確認は省略しているが、ステップS230
において三方切り替えバルブ37を切り替えて燃料電池
40に対する燃料ガスの供給を開始するのに先だって、
CO低減部26が定常状態になったことを確認すること
としてもよい。第3燃料供給路80に設けた第3温度セ
ンサ62が検出する燃料ガスの温度や、同じく第3燃料
供給路80に設けら図示しない一酸化炭素濃度センサが
検出する燃料ガス中の一酸化炭素濃度などに基づいて、
CO低減部26の動作状態を判定することができる。こ
のようにして、CO低減部26が定常状態であると判断
され、CO低減部26において燃料ガス中の一酸化炭素
濃度を充分に低減可能であると確認されてから、ステッ
プS230における三方切り替えバルブ37の切り替え
を行なうこととしてもよい。上述した実施例において
は、燃料改質装置22が定常状態となるまでの時間内に
CO低減部26が定常状態となるように構成することと
し、CO低減部26の運転状態に関する判断の動作を省
略した。CO低減部26における一酸化炭素の選択酸化
反応は発熱反応であるため、水素を含有する燃料ガスが
燃料改質装置22から供給されはじめ、エアタンク36
から所定量の圧縮空気が供給されるようになると、上記
発熱酸化反応の進行に伴ってCO低減部26内の温度は
上昇する。従って、CO低減部26は、内部温度を速や
かに所定温度に昇温させて定常状態にすることが可能で
ある。
【0076】燃料電池40に対して燃料ガスおよび酸化
ガスが供給されるようになり、電池反応が開始される
と、燃料電池40から燃料排ガス路74に対して燃料排
ガスが排出されるようになる。この燃料排ガスは、既述
したようにバーナ34に供給されて燃焼反応のための燃
料として用いられる。燃料電池40における電池反応が
開始された後は、バーナ34における燃焼反応のための
燃料は、燃料排ガス路74を介して供給される燃料排ガ
スが主となり、不足する分はメタノールタンク28から
供給されるメタノールによって補われる。
【0077】図5に示した昇温時処理ルーチンを実行す
ることによって燃料電池40における電池反応が開始さ
れると、それ以後は、第1燃料供給路78を介して蒸発
部90に供給されるメタノールおよび水の量は、燃料電
池40に接続された負荷の大きさ、すなわち燃料電池4
0に要求される発電量に応じて変化することになる。こ
のように蒸発部90に供給されるメタノールおよび水の
量が変化するときにも、バーナ34で発生する燃焼ガス
の温度は第1温度センサ60によって監視されており、
既述した不足分としてメタノールタンク28からバーナ
34に供給されるメタノール量は、第1ポンプ64の駆
動量によって調節され、バーナ34で発生する燃焼ガス
温度が制御される。これによって、蒸発部90に供給さ
れるメタノールおよび水の量は、バーナ34で発生する
燃焼ガスによって気化・昇温可能な量の最大量程度であ
る状態が維持され、燃焼排ガス導入部94に排出される
燃焼排ガスの温度は50〜90℃の状態に保たれる。
【0078】以上のように構成された本実施例の燃料電
池システム20によれば、燃料改質装置22が定常状態
に達した後には、蒸発部90から排出される燃焼排ガス
の温度が約50〜90℃となるので、利用されずに燃料
電池システム20から排出されるエネルギ量が少なくな
り、燃焼排ガスを廃棄することによって燃料電池システ
ムのエネルギ効率が低下してしまうのを抑えることがで
きる。燃料改質装置22の改質部92で進行する水蒸気
改質反応は吸熱反応であるため、燃料改質装置22が定
常状態となった後にも改質部92内部を加熱する必要が
あり、本実施例では、このような定常状態で用いる加熱
手段として電気式のヒータを用いている。ヒータを用い
て改質部92内部を加熱する場合にも、このヒータによ
ってエネルギは消費され、所定量のエネルギは外部に廃
棄されてしまうが、ヒータなどの加熱手段を用いる場合
には、バーナの燃焼ガスによって改質部92を加熱する
場合に比べて、利用されずに外部に廃棄されるエネルギ
量を大幅に抑えることができる。本実施例の燃料電池シ
ステム20によれば、燃料改質装置が定常状態となった
後もバーナからの燃焼熱によって改質部の加熱を行なう
従来の燃料電池システムに比べて、約10%エネルギ効
率を向上させることができる。
【0079】このように、本実施例の燃料改質装置22
は、定常状態で運転している際に利用されることなく廃
棄されてしまうエネルギ量を削減できることに加えて、
始動時に定常状態に達するまでに要する時間が短くて済
むという効果を奏する。図6は、燃料電池システムの起
動時に、改質部の内部温度(改質触媒温度)が上昇する
様子、および燃料改質装置における水素発生量の増加の
様子について、本実施例の燃料改質装置22と従来知ら
れる燃料改質装置とについて比較した結果を表わす説明
図である。なお、図6において、従来の燃料改質装置と
は、燃料改質装置に併設したバーナの燃焼熱によって、
原燃料の昇温・気化および水蒸気改質反応に要する熱量
の供給を行なう装置である。また、外部加熱手段のない
燃料改質装置とは、バーナの燃焼熱を供給する手段のよ
うな外部加熱手段を備えない装置であり、ここでは、改
質部に電気式のヒータのみを設けた燃料改質装置とし
た。
【0080】図6(A)に示すように、本実施例の燃料
改質装置22は、始動時に改質部の内部温度(改質触媒
温度)を所定の温度に昇温させる能力(所定の温度に昇
温させるのに要する時間)は、上記従来の燃料改質装置
と同等であるといえる。すなわち、燃料改質装置22の
始動時には、既述したように、バーナ34からの燃焼ガ
スが蒸発部90での熱交換を経由して生じる高温の燃焼
排ガスによって、急激に改質部92が加熱されるため、
改質部内部を昇温させるために長時間を要してしまうこ
とがない。一方、外部加熱手段のない燃料改質装置の場
合には、改質部に設けられたヒータで生じる熱量が伝熱
によって改質部内部に移動されるため、改質部内部が昇
温するのに長時間を要してしまう。このように改質部内
部を昇温させるのに時間を要する場合には、改質部に先
立って設けられた蒸発部で一旦気化された原燃料ガスが
改質部において降温して凝縮する。そのため、凝縮した
原燃料を再び気化させるのにエネルギが消費されること
になり、ヒータによって加熱を続けても、所定の温度
(図6(A)中のT0 )において一旦温度の上昇が停止
し、改質部を充分に昇温させるためにはさらに時間を要
することになる。
【0081】また、上記したように改質部の内部温度を
昇温させる能力が充分であることから、本実施例の燃料
改質装置22は、始動時に充分量の水素を発生させるの
に要する時間も短くて済むということができる(図6
(B)参照)。これに対して外部加熱手段のない燃料改
質装置の場合には、上記したように改質部内部が昇温す
るのに時間を要するため、充分量の水素を発生できるよ
うになるまでに時間を要する。
【0082】上記第1実施例では、バーナ34に圧縮機
32を併設して、圧縮機32からエアタンク36に対し
て加圧空気を供給する構成としたが、バーナ34に圧縮
機332を併設することなく、バーナ34で生じる燃焼
ガスを直接燃料改質装置22に導入することとしてもよ
い。バーナ34に圧縮機32を併設しない場合には、バ
ーナ34とは独立して、圧縮空気を得るためのコンプレ
ッサを設ければよい。さらに、エアタンク36に一旦圧
縮空気を貯留することなく、外部から取り入れた空気を
加圧して直接燃料電池40に供給する構成としても構わ
ない。
【0083】上記第1実施例では、改質部92と燃焼排
ガス導入部94との間に方向性のある熱交換手段を設け
ることによって、始動時において燃焼排ガス側から改質
部側にだけ熱輸送可能な構成としたが、このような熱交
換手段を設けることなく、燃焼排ガスの流路を切り替え
可能にすることによって、上記一方向の熱輸送を行なう
こともできる。以下に、このような構成を第2実施例と
して説明する。図7は、第2実施例の燃料改質装置22
aの構成の概略を表わす説明図である。燃料改質装置2
2aは、第1実施例の燃料電池システム20と同様の燃
料電池システムに備えられた燃料改質装置であり、以下
の説明では第1実施例の燃料電池システム20と共通す
る部材には同じ番号を付すこととする。また、図7に示
した第2実施例の燃料改質装置22aを構成する部材の
内、第1実施例の燃料改質装置22が備える部材と同様
の機能を有する部材には、燃料改質装置22における部
材番号に符号aを付して表わした。
【0084】燃料改質装置22aは、蒸発部90aと改
質部92aとを備える。蒸発部90aにはバーナ34a
が併設されており、バーナ34aにおける燃焼反応で生
じた燃焼ガスは蒸発部90a内部に導入される。また、
蒸発部90aには、第1燃料供給路78が接続されてお
り、メタノールタンク28および水タンク30からメタ
ノールおよび水を供給可能となっている。第1燃料供給
路78は、蒸発部90a内において熱交換部を形成して
おり、第1燃料供給路78内のメタノールおよび水は、
バーナ34aから供給される燃焼ガスと熱交換すること
によって昇温・気化されて燃料ガスとなる。
【0085】第1燃料供給路78は、上記熱交換部を形
成した後に燃料ガス路88となって改質部92aに接続
する。燃料ガス路88を介して改質部92aに供給され
た原燃料ガスは、改質部92aにおいて水蒸気改質反応
に供される。改質部92aには、第1実施例の改質部9
2と同様に改質触媒からなるペレットが充填されてい
る。改質部92aにおける改質反応によって生成された
改質ガスは、この改質部92に接続する第2燃料供給路
79に排出されてCO低減部26に供給される。なお、
改質部92aは、第1実施例の改質部92と同様に図示
しないヒータを備えており、定常状態で運転を行なうと
きには、このヒータから供給される熱エネルギによって
改質反応に要するエネルギを賄っている。また、改質部
92aは、その内部に第5温度センサ85を備えてい
る。この第5温度センサ85は、制御部50に接続され
ており、改質部92a内部の温度に関する情報を制御部
50に入力可能となっている。
【0086】蒸発部90aにおいてメタノールおよび水
との間で熱交換を行なった燃焼ガスは、燃焼排ガスとし
て燃焼排ガス管95に排出される。この燃焼排ガス管9
5には切り替え弁87が設けられており、切り替え弁8
7を切り替えることによって、燃焼排ガスの流路を以下
に説明する2通りに切り替え可能となっている。改質部
92aの外周部には燃焼排ガス導入部94aが設けられ
ており、上記切り替え弁87を所定の状態に切り替える
ことによって、燃焼排ガスをこの燃焼排ガス導入部94
a内に導入することができる。燃焼排ガス導入部94a
内に導入された燃焼排ガスは、改質部92aとの間で熱
交換を行なう。従って、燃焼排ガスが改質部92aより
も高温であれば、このような燃焼排ガスとの熱交換によ
って、改質部92aを加熱することができる。燃焼排ガ
ス導入部94a内を通過した燃焼排ガスは、燃料電シス
テム外部に排出される。
【0087】一方、切り替え弁87を上記とは異なる状
態に切り替えると、燃焼排ガスは、改質部92aと熱交
換することなくそのまま燃焼電池システム外部に排出さ
れるようになる。なお、燃焼排ガス管95には、上記切
り替え弁87よりも上流側に第6温度センサ86が設け
られている。第6温度センサ86は、制御部50に接続
されており、燃焼排ガスの温度に関する情報を制御部5
0に入力可能となっている。制御部50は、この燃焼排
ガス温度に関する情報に基づいて、上記切り替え弁87
に駆動信号を出力し、流路の接続状態を制御する。本実
施例では、切り替え弁87として電磁作動バルブを用い
ることとしたが、モータ作動バルブやエア作動バルブな
ど異なる種類のバルブを用いることとしてもよい。
【0088】上記第2実施例の燃料改質装置22aを備
える燃料電池システムでは、その始動時には、図4に示
した第1実施例の始動時処理ルーチンと同様の処理が行
なわれる。ここで、第2実施例では、始動時に実行され
る処理として、図4の始動時処理ルーチンにおけるステ
ップS140でバーナの燃焼反応を開始する際に、切り
替え弁87の切り替えを行なって、燃焼排ガスを改質部
92a側の燃焼排ガス導入部94a内に導入することと
する。これによって、燃料改質装置22aを備える燃料
電池システムの始動時には、バーナ34aで生じる燃焼
ガスは、燃焼排ガス導入部94a内に導入されるように
なる。ここで、第1実施例と同様に、ステップS170
によって蒸発部90aに対してメタノールおよび水の供
給が開始されたときには、その供給量は、バーナ34a
から供給される燃焼ガスによって気化・昇温可能な量の
3分の1から3分の2に制限されるため、燃焼排ガス導
入部94a内に導入される燃焼排ガスは300〜500
℃の高温となり、改質部92aは急速に加熱される。
【0089】また、第2実施例の燃料改質装置22aを
備える燃料電池システムでは、始動後には、図5に示し
た昇温時処理ルーチンと類似した処理が実行される。図
8は、第2実施例の燃料電池システムの始動後に実行さ
れる昇温時処理ルーチンを例示するフローチャートであ
る。本ルーチンは、上記した始動時の処理ルーチンが終
了した後にCPU54によって実行される。本ルーチン
が起動されるとまず、CPU54は、第5温度センサ8
5が測定した改質部92a内部の温度t4 を読み込む
(ステップS300)。次に、この改質部92a内部の
温度t4 を、所定の基準値t5 と比較することで、改質
部92aの内部温度の状態を判定する(ステップS31
0)。
【0090】この所定の基準値t5 とは、改質部92a
が備える触媒表面において水蒸気改質反応を充分な効率
で進行可能なときの改質部内温度の最低値として、予め
定めておいた値である。改質部92aの内部温度t4 が
所定の基準値t5 を下回るときには、ステップS300
に戻り、改質部内部の温度が充分に上昇するまで、上記
した改質部92a内部の温度t4 の読み込みおよび基準
値t5 との比較の処理を繰り返す。なお、このとき改質
部92aの外周部に設けられた燃焼排ガス導入部94a
には、既述したように、燃焼排ガス管95および切り替
え弁87を介して高温の燃焼排ガスが導入されているた
め、改質部92aの内部温度は急速に上昇している。
【0091】ステップS310において、改質部92a
の内部温度t4 が上記基準値t5 以上となったときに
は、改質部92aの内部温度は改質反応によって充分量
の水素を発生可能な程度に昇温したものと判断され、次
に、蒸発部90aに供給するメタノールおよび水の量を
変更する(ステップS320)。すなわち、第2ポンプ
65および第3ポンプ66の駆動量に関する制限を停止
する。本実施例の燃料改質装置22aでは、既述した第
1実施例の燃料改質装置22と同様に、その始動時にお
いて、バーナ34aで発生する熱量は所定の値に保た
れ、蒸発部90aに供給されるメタノールおよび水の量
は、バーナ34aから供給される燃焼ガスによって充分
に気化・昇温可能な量の3分の1から3分の2の量に抑
えられている。このステップS320を実行することに
よって、蒸発部90aに供給されるメタノールおよび水
の量に関するこのような制限が行なわれなくなる。この
ステップS320を実行すると、蒸発部90aに供給さ
れるメタノールおよび水の量は、蒸発部90aに供給さ
れる燃焼ガスによって気化・昇温可能な量の最大量程度
に引き上げられる。
【0092】このように蒸発部90aに供給するメタノ
ールおよび水の量を増大させることによって、蒸発部9
0aに供給される燃焼ガスが有するエネルギのうち、蒸
発部90a内で熱交換によって消費される割合が増え
る。従って、燃焼排ガス導入部94aに排出される燃焼
排ガスの温度は、次第に低下する。
【0093】次に、第6温度センサ86から燃焼排ガス
の温度t6 を読み込み(ステップS330)、この燃焼
排ガスの温度t6 を所定の基準値t7 と比較する(ステ
ップS340)。ここで、所定の基準値t7 とは、改質
部92aに対して充分な熱量を伝えることができない程
度に降温したときの燃焼排ガスの温度として、予め定め
ておいた値である。燃焼排ガスの温度t6 が所定の基準
値t7 以上であるときには、ステップS330に戻り、
燃焼排ガスの温度が上記所定の温度を下回るようになる
まで、上記した燃焼排ガスの温度t6 の読み込みおよび
基準値t7 との比較の処理を繰り返す。
【0094】ステップS340において、燃焼排ガスの
温度t6 が上記所定の基準値t7 を下回ったときには、
次に切り替え弁87を切り替えて(ステップS35
0)、燃焼排ガスの流路を変更させる。切り替え弁87
を切り替えることによって、燃焼排ガス導入部94aに
導入されていた燃焼排ガスが外部に排出されるようにな
る。なお、燃焼排ガス導入部94aに対する燃焼排ガス
の導入が行なわれなくなり、燃焼排ガスから改質部92
aに対する熱量の供給が行なわれなくなった後は、改質
部92aで進行する改質反応に要する熱量は、改質部9
2aが備える既述したヒータから供給されるようにな
る。
【0095】その後、三方切り替えバルブ37を切り替
えて(ステップS360)、CO低減部26から排出さ
れる燃料ガスがバーナ34に供給される状態から、燃料
電池40に供給される状態に切り替える。また、第2流
量調整器83に駆動信号を出力して燃料電池40に対す
る酸化ガスの供給を開始して(ステップS370)、本
ルーチンを終了する。これによって、燃料電池40では
電気化学反応によって発電が開始される。
【0096】なお、図8に示した昇温時処理ルーチンを
実行することによって燃料電池40における電池反応が
開始されると、その後、蒸発部90aに供給されるメタ
ノールおよび水の量の制御や、バーナ34aで生じる燃
焼ガスの温度に関する制御は、既述した第1実施例と同
様に行なわれる。すなわち、蒸発部90aに供給される
メタノールおよび水の量は、燃料電池40に接続された
負荷の大きさに応じて変化し、バーナ34aで生じる燃
焼ガスの温度は、第1ポンプ64の駆動量を調節するこ
とによって、上記メタノールおよび水の量との間で所定
の関係が維持され、これによって、燃焼排ガス管95に
排出される燃焼排ガスの温度は50〜90℃の状態に保
たれる。なお、本実施例の燃料改質装置22aにおい
て、改質部92aの外周部に設けた燃焼排ガス導入部9
4a内に所定のフィン構造などを設け、燃焼排ガスの有
する熱量を改質部92aに伝える効率を高める構成とす
ることも好ましい。
【0097】以上のように構成された第2実施例の燃料
改質装置22aを備える燃料電池システムによれば、第
1実施例の燃料電池システム20と同様の効果を得るこ
とができる。すなわち、始動時には高温の燃焼排ガスに
よって改質部92aを急激に加熱するため、改質部92
aの内部温度を速やかに定常状態に近づけることができ
る。また、燃料改質装置22aが定常状態となった後
は、蒸発部90aにおいてメタノールおよび水との熱交
換によって消費される熱量の割合を増やし、燃焼排ガス
の温度を下げると共に、燃焼排ガスの流路を切り替え
る。従って、改質部92aが充分に昇温した後に燃料改
質装置22aから廃棄されてしまうエネルギ量を削減す
ることができ、システム全体のエネルギ効率を充分高く
することができる。本実施例の燃料改質装置22aを備
える燃料電池システムを用いることによって、第1実施
例の燃料電池システム20と同様に、定常運転時にもバ
ーナの燃焼ガスによって改質部を加熱する従来知られる
燃料改質装置を用いる場合に比べて、エネルギ効率を約
10%程度向上させることができる。
【0098】さらに、第2実施例の燃料改質装置22a
によれば、上記した第1実施例と共通する効果に加え
て、以下のような効果を奏する。すなわち、改質部92
aの周囲に燃焼排ガス導入部94aを設けているため、
改質部92a内が定常状態となったときにはこの燃焼排
ガス導入部94aが断熱材として機能するようになり、
改質部92aからの放熱を抑え、エネルギ効率をさらに
向上させることができる。
【0099】以上説明した第2実施例では、蒸発部90
aと改質部92aとを別体に形成し、蒸発部90aから
排出される燃焼排ガスの流路を切り替えて改質部92a
に供給可能にする構成としたが、蒸発部と改質部とを一
体で形成して燃焼排ガスの流路を切り替え可能とする構
成としてもよい。以下に、このような構成を第3実施例
として示す。
【0100】図9は、第3実施例の燃料改質装置22b
の構成の概略を示す説明図である。燃料改質装置22b
は、第1実施例の燃料電池システム20と同様の燃料電
池システムに備えられた燃料改質装置であり、以下の説
明では第1実施例の燃料電池システム20と共通する部
材には同じ番号を付すこととする。また、図9に示した
第3実施例の燃料改質装置22bを構成する部材の内、
第1実施例の燃料改質装置22が備える部材と同様の機
能を有する部材には、燃料改質装置22における部材番
号に符号bを付して表わした。
【0101】燃料改質装置22bは、原燃料ガスが通過
する方向を長手方向とする蒸発部90bおよび改質部9
2bを備えるが、この第3実施例の燃料改質装置22b
では、蒸発部90bと改質部92bとを一体で形成する
こととし、蒸発部90bの周囲に蒸発部90bと平行な
状態で複数の改質部92bを配設した。蒸発部90b
は、既述した実施例と同様に、バーナ34bが併設され
るとともに第1燃料供給路78が接続されており、この
第1燃料供給路は蒸発部90b内で熱交換部を形成して
いる。従って、第1燃料供給路78を介して供給された
メタノールおよび水は、バーナ34bから供給される燃
焼ガスと熱交換することによって昇温・気化されて燃料
ガスとなる。
【0102】蒸発部90bの周囲に形成された改質部9
2bには、蒸発部90bを経由した第1燃料供給路78
が接続する。蒸発部90bで気化・昇温されたメタノー
ルおよび水は、改質部92bに供給されて水蒸気改質反
応に供される。改質部92bには、既述した実施例と同
様に改質触媒からなるペレットが充填されている。改質
部92bにおける改質反応によって生成された改質ガス
は、この改質部92bに接続する所定の流路を介して第
2燃料供給路79に排出されてCO低減部26に供給さ
れる。なお、改質部92bは、既述した実施例と同様に
図示しないヒータを備えており、定常状態で運転を行な
うときには、このヒータから供給される熱エネルギによ
って改質反応に要するエネルギを賄っている。
【0103】蒸発部90bにおいてメタノールおよび水
との間で熱交換を行なった燃焼ガスは、燃焼排ガスとし
て燃料改質装置22bの外部に排出されるが、その途中
で2種類の流路をとり得る。ここで、蒸発部90bから
燃料改質装置22b外部に直接燃焼排ガスを排出する流
路には、電磁作動弁89が設けられている。この電磁作
動弁89は制御部50に接続されており、制御部50に
よってその開閉状態が制御される。
【0104】また、蒸発部90bにおける燃焼ガスの流
路には、上述した電磁作動弁89とは別に圧力開放弁9
1が設けられている。蒸発部90bの周囲に設けられた
改質部92bのそれぞれには、その外周部を覆って燃焼
排ガス導入部94bが設けられており、圧力開放弁91
は、蒸発部90bにおける燃焼ガス流路と上記燃焼排ガ
ス導入部94bとの接続部位の複数箇所に設けられてい
る。圧力開放弁91はスプリングを備えており、蒸発部
90bにおける燃焼ガス流路内の圧力が所定の値以上に
なると開状態となる。圧力開放弁が開状態となると、燃
焼排ガスが蒸発部90b側から燃焼排ガス導入部94b
内に導入されるようになり、導入された燃焼排ガスは、
改質部92bの外周部に設けられた燃焼排ガス導入部9
4b内を通過して、燃料改質装置22b外に排出され
る。このとき、燃焼排ガスの温度と改質部92bの内部
温度とが異なるときには、燃焼排ガスと改質部92bと
の間で熱交換が行なわれる。なお、上記電磁作動弁89
は、電磁作動式とする代わりにモータ作動式やエア作動
式としてもよい。
【0105】上記第3実施例の燃料改質装置22bを備
える燃料電池システムでは、その始動時には、図4に示
した第1実施例の始動時処理ルーチンと同様の処理が行
なわれる。ここで、第3実施例では、始動時に実行され
る処理として、図4の始動時処理ルーチンにおけるステ
ップS140でバーナの燃焼反応を開始する際に、電磁
作動弁89に駆動信号を出力してこの電磁作動弁89を
閉状態とする。このような処理を実行することによっ
て、燃料改質装置22bを備える燃料電池システムの始
動時には、バーナ34bで生じる燃焼ガスによって蒸発
部90b内部の圧力が所定の値以上になり、圧力開放弁
91が開状態となって燃焼排ガスが燃焼排ガス導入部9
4b内に導入されるようになる。このとき、既述した実
施例と同様に、第1燃料供給路78を介して蒸発部90
bに供給されるメタノールおよび水は、その量が抑えら
れた状態となっているので、燃焼排ガス導入部94b内
に導入される燃焼排ガスは300〜500℃の高温とな
っている。従って、この高温の燃焼排ガスと熱交換する
ことによって、改質部92bは急激に加熱される。
【0106】また、第3実施例の燃料改質装置22bを
備える燃料電池システムでは、始動後には、図5に示し
た昇温時処理ルーチンと類似した処理が実行される。図
10は、第3実施例の燃料電池システムの始動後に実行
される昇温時処理ルーチンを例示するフローチャートで
ある。本ルーチンは、上記した始動時の処理ルーチンが
終了した後にCPU54によって実行される。本ルーチ
ンが起動されるとまず、CPU54は、第2温度センサ
61が測定した改質ガスの温度t2 を読み込む(ステッ
プS400)。次に、この改質ガスの温度t2 を、所定
の基準値t3 と比較することで、改質部92bの内部温
度の状態を判定する(ステップS410)。
【0107】この所定の基準値t3 とは、第1実施例の
昇温時処理ルーチンにおける所定の基準値t3 と同様で
あって、改質部92bが備える触媒表面において水蒸気
改質反応を充分な効率で進行可能なときの改質ガスの温
度の最低値として、予め定めておいた値である。改質ガ
スの温度t2 が所定の基準値t3 を下回るときには、ス
テップS400に戻り、改質部内部の温度が充分に上昇
するまで、上記した改質ガスの温度t2 の読み込みおよ
び基準値t3 との比較の処理を繰り返す。なお、このと
き改質部92bの外周部に設けられた燃焼排ガス導入部
94bには、既述したように、圧力開放弁91を介して
高温の燃焼排ガスが導入されているため、改質部92b
の内部温度は急速に上昇している。
【0108】ステップS410において、改質ガスの温
度t2 が上記基準値t3 以上となったときには、改質部
92bの内部温度は改質反応によって充分量の水素を発
生可能な程度に昇温したものと判断され、次に、蒸発部
90bに供給するメタノールおよび水の量が変更される
(ステップS420)。すなわち、第2ポンプ65およ
び第3ポンプ66の駆動量に関する制限を停止する。本
実施例の燃料改質装置22bでは、既述した実施例と同
様に、その始動時において、バーナ34bで発生する熱
量は所定の値に保たれ、蒸発部90bに供給されるメタ
ノールおよび水の量は、バーナ34bから供給される燃
焼ガスによって充分に気化・昇温可能な量の3分の1か
ら3分の2の量に抑えられている。このステップS42
0を実行することによって、蒸発部90bに供給される
メタノールおよび水の量に関するこのような制限が行な
われなくなる。このステップS420を実行すると、蒸
発部90bに供給されるメタノールおよび水の量は、蒸
発部90bに供給される燃焼ガスによって気化・昇温可
能な量の最大量程度に引き上げられる。
【0109】このように蒸発部90bに供給するメタノ
ールおよび水の量を増大させることによって、蒸発部9
0bに供給される燃焼ガスが有するエネルギのうち、蒸
発部90b内で熱交換によって消費される割合が増え
る。従って、燃焼排ガス導入部94bに排出される燃焼
排ガスの温度は、次第に低下する。
【0110】次に、電磁作動弁89に駆動信号を出力し
て、この電磁作動弁89を開状態とする(ステップS4
30)。電磁作動弁89を開状態とすると、この電磁作
動弁89を介して燃焼排ガスが燃料改質装置22b外部
に排出されるようになる。それと共に蒸発部90bにお
ける燃焼排ガス流路内の圧力が低下して、圧力開放弁9
1は閉状態となる。圧力開放弁91が閉状態となると、
燃焼排ガス導入部94bに対する燃焼排ガスの供給が停
止され、燃焼排ガスと改質部92bとの間の熱交換は行
なわれなくなる。
【0111】その後、三方切り替えバルブ37を切り替
えて(ステップS440)、CO低減部26から排出さ
れる燃料ガスがバーナ34に供給される状態から、燃料
電池40に供給される状態に切り替える。また、第2流
量調整器83に駆動信号を出力して燃料電池40に対す
る酸化ガスの供給を開始して(ステップS450)、本
ルーチンを終了する。これによって、燃料電池40では
電気化学反応によって発電が開始される。
【0112】なお、図10に示した昇温時処理ルーチン
を実行することによって燃料電池40における電池反応
が開始されると、その後、蒸発部90bに供給されるメ
タノールおよび水の量の制御や、バーナ34bで生じる
燃焼ガスの温度に関する制御は、既述した実施例と同様
に行なわれる。すなわち、蒸発部90bに供給されるメ
タノールおよび水の量は、燃料電池40に接続された負
荷の大きさに応じて変化し、バーナ34bで生じる燃焼
ガスの温度は、第1ポンプ64の駆動量を調節すること
によって、上記メタノールおよび水の量との間で所定の
関係が維持され、これによって、蒸発部90bから排出
される燃焼排ガスの温度は50〜90℃の状態に保たれ
る。
【0113】上記第3実施例の燃料改質装置22bで
は、電磁作動弁89によって蒸発部90b内の圧力を調
節して、燃焼排ガスの流路の切り替えを行なう圧力開放
弁91を作動させているが、電磁作動弁89の代わりに
熱作動弁を用いることとしてもよい。このような構成を
第4実施例として以下に示す。
【0114】図11は、第4実施例の燃料改質装置22
cの構成の概略を示す説明図である。燃料改質装置22
cは、第1実施例の燃料電池システム20と同様の燃料
電池システムに備えられた燃料改質装置であり、以下の
説明では第1実施例の燃料電池システム20と共通する
部材には同じ番号を付すこととする。また、図11に示
した第43実施例の燃料改質装置22cを構成する部材
の内、第1実施例の燃料改質装置22が備える部材と同
様の機能を有する部材には、燃料改質装置22における
部材番号に符号cを付して表わした。
【0115】燃料改質装置22cは、第3実施例の燃料
改質装置22bと同様に、蒸発部90cと改質部92c
とを一体で形成しており、蒸発部90cの周囲に複数の
改質部92cを配設した。なお図11では、改質部92
cは、その一部のみ示してある。第4実施例の燃料改質
装置22cは、第3実施例の燃料改質装置22bと類似
した構成を有しており、蒸発部90cから排出される燃
焼排ガスは、圧力開放弁91を介して燃焼排ガス導入部
94cに導入可能となっており、高温の燃焼排ガスがこ
の燃焼排ガス導入部94cに導入されたときには、この
燃焼排ガスの熱量によって改質部92cが昇温される。
【0116】一方、第4実施例の燃料改質装置22c
は、第3実施例の燃料改質装置22bが備える電磁作動
弁89に代えて、熱作動弁89cを備えている。この熱
作動弁89cは、バイメタルあるいは形状記憶合金など
により形成されており、約150℃を超える高温下では
閉状態、約150℃以下の低温下では開状態となる弁体
である。従って、蒸発部90cで熱交換した燃焼排ガス
の温度が上記高温となるときには、熱作動弁89cは閉
状態となって蒸発部90c内の圧力が上昇し、これによ
って圧力開放弁91cが開状態となる。このとき、燃焼
排ガスは、圧力開放弁91cを介して燃焼排ガス導入部
94c内に導入された後に燃料改質装置22c外に排出
され、改質部92cは、この燃焼排ガスと熱交換するこ
とによって昇温する。また、蒸発部90cで熱交換した
燃焼排ガスの温度が上記低温となるときには、熱作動弁
89cは開状態となって燃焼排ガスはこの熱作動弁89
cを介して燃料改質装置22c外に排出され、蒸発部9
0c内の圧力が低下する。それと共に圧力開放弁91c
は閉状態となり、燃焼排ガス導入部94cへの燃焼排ガ
スの供給は停止する。
【0117】上記第4実施例の燃料改質装置22cを備
える燃料電池システムでは、その始動時には、図4に示
した第1実施例の始動時処理ルーチンと同様の処理が行
なわれる。ここで、図4の始動時処理ルーチンにおける
ステップS140に対応する動作としてバーナ34cの
燃焼反応を開始すると、既述した実施例と同様に、第1
燃料供給路78を介して蒸発部90cに供給されるメタ
ノールおよび水は、その量が抑えられた状態となってい
るので、蒸発部90cから排出される燃焼排ガスは30
0〜500℃の高温となっている。従って、熱作動弁8
9cは閉状態、圧力開放弁91cは開状態となって、高
温の燃焼排ガスが燃焼排ガス導入部94c内に導入され
るようになる。この高温の燃焼排ガスと熱交換すること
によって、改質部92cは急激に加熱される。
【0118】また、第4実施例の燃料改質装置22cを
備える燃料電池システムでは、始動後には、図5に示し
た昇温時処理ルーチンと同様の処理が実行される。ここ
で、図5の昇温時処理ルーチンにおけるステップS22
0に対応する動作として、蒸発部90cに供給するメタ
ノールおよび水の量に関する制限を停止して、蒸発部9
0cに供給するメタノールおよび水の量を、蒸発部90
cに供給される燃焼ガスによって気化・昇温可能な量の
最大量程度に引き上げる。このように、蒸発部90cに
供給するメタノールおよび水の量を増大させると、蒸発
部90cから排出される燃焼排ガスの温度が低下すると
共に、熱作動弁89cが開状態となり圧力開放弁91c
が閉状態となる。従って、燃焼排ガスが燃焼排ガス導入
部94c内に導入されることなく燃料改質装置22c外
に排出されるようになる。
【0119】また、上記した処理によって燃料電池40
における電池反応が開始されると、その後、蒸発部90
cに供給されるメタノールおよび水の量の制御や、バー
ナ34cで生じる燃焼ガスの温度に関するせいぎょは、
既述した実施例と同様に行なわれる。したがって、蒸発
部90cから燃料改質装置22c外に排出される燃焼排
ガスの温度は50〜90℃の状態に保たれる。
【0120】以上のように構成された第3実施例の燃料
改質装置22bおよび第4実施例の燃料改質装置22c
を備える燃料電池システムによれば、第1実施例の燃料
電池システム20と同様の効果を得ることができる。す
なわち、始動時には高温の燃焼排ガスによって改質部を
急激に加熱するため、改質部の内部温度を速やかに定常
状態に近づけることができる。また、燃料改質装置が定
常状態となった後は、蒸発部においてメタノールおよび
水との熱交換によって消費する熱量を増やし、燃焼排ガ
スの温度を下げると共に、燃焼排ガスの流路を切り替え
る。従って、改質部が充分に昇温した後に燃料改質装置
から廃棄されてしまうエネルギ量を削減することがで
き、システム全体のエネルギ効率を充分高くすることが
できる。上記第3および第4実施例の燃料改質装置を備
える燃料電池システムを用いることによって、第1実施
例の燃料電池システム20と同様に、定常運転時にもバ
ーナの燃焼ガスによって改質部を加熱する従来知られる
燃料改質装置を用いる場合に比べて、エネルギ効率を約
10%程度向上させることができる。
【0121】また、第3実施例の燃料改質装置22bお
よび第4実施例の燃料改質装置22cによれば、第2実
施例の燃料改質装置22aと同様に、以下のような効果
を奏する。すなわち、改質部の周囲に燃焼排ガス導入部
を設けているため、改質部内が定常状態となったときに
はこの燃焼排ガス導入部が断熱材として機能するように
なり、改質部からの放熱を抑え、エネルギ効率をさらに
向上させることができる。さらに、蒸発部90b,90
cでは、図9,図11に示すように燃焼ガスと原燃料の
流れが逆になっているため、熱交換効率がさらに向上す
る。
【0122】また、第3実施例の燃料改質装置22bお
よび第4実施例の燃料改質装置22cでは、バーナから
供給される燃焼排ガスの流路に圧力開放弁や熱作動弁を
設けることによって、燃焼排ガスの流路を制御している
ため、燃料改質装置の構成を簡素化することができる。
すなわち、燃料排ガスや改質部の温度を入力した上で、
所定の弁体を開閉するタイミングを判断し、必要に応じ
て所定の弁体に駆動信号を出力して弁体の開閉を行なう
といった動作を行なう必要がなく、所定の弁体に駆動信
号を出力するための電気的な配線や温度センサなどが不
要となる。
【0123】なお、蒸発部と燃焼排ガス導入部との接続
部に設ける弁体や、蒸発部から直接外部に燃焼排ガスを
排出する流路に設ける弁体の種類は、上記第3および第
4実施例に示した組み合わせに限るものではなく、燃料
改質装置の始動時および始動時から定常状態への移行時
に、燃焼排ガスの流路を既述したように変更可能であれ
ば、上記実施例とは異なる種類の弁体を用いることとし
てもよい。第3実施例では電磁作動弁と圧力開放弁を用
い、第4実施例では熱作動弁と圧力開放弁を用いたが、
それぞれの弁体は、互いに異なる種類の弁体と置き換え
て設計することも可能である。
【0124】また、既述した第1,第3,第4実施例で
は、改質部の昇温状態の判断は、第2温度センサ61が
検出する改質ガスの温度に基づいて行なうこととし、第
2実施例では、第5温度センサ85が測定した改質部内
温度に基づいて行なうこととしたが、このような改質部
の昇温状態の判断は、改質部の内部温度と改質ガスの温
度とのいずれに基づいてもよく、改質部の内部温度をよ
く反映している温度に基づくこととすればよい。
【0125】さらに、既述した各実施例では、それぞれ
の燃料改質装置の改質部は、改質触媒からなるペレット
を内部に充填する構成としたが、触媒ペレットを内部に
充填する代わりに、改質部をハニカムによって構成する
こととしてもよい。すなわち、ハニカムの表面に改質触
媒を担持させ、このようなハニカム表面に原燃料ガスを
通過させることによって改質反応を進行させることがで
きる。触媒を担持したハニカムは、金属製のハニカム表
面にアルミナをコーティングし、さらにその表面に触媒
金属を塗布したり、既述した触媒ペレットを粉砕したも
のにバインダを加えてハニカム表面に塗布するなどの方
法により作成することができる。改質部をハニカムによ
って構成する場合には、燃料改質装置が定常状態となっ
た後に改質部を加熱する方法として、金属製のハニカム
そのものに通電して、表面に担持している触媒を直接加
熱することができるため、加熱の際の効率を高くするこ
とができる。
【0126】また、既述した各実施例では、改質部内で
進行する改質反応は、(4)〜(6)式で表わした水蒸
気改質反応によることとしたが、改質部内において部分
酸化改質反応を行なうこととしてもよい。以下に、部分
酸化改質反応について説明する。
【0127】 CH3OH+(1/2)O2 → CO2+2H2+189.5(kJ/mol) …(7)
【0128】既述した各実施例における改質部のよう
に、改質触媒としてCu−Zn触媒を用いている場合に
は、原燃料ガスに酸素を加えて改質部に供給すると、改
質部では、加えた酸素が消費されて無くなるまでは
(7)式に示す発熱反応が進行し続ける。もとより、
(7)式に示す発熱反応が進行している間も(6)式に
示す通常の水蒸気改質反応は行なわれている。酸素が消
費されて(7)式に示す発熱反応が行なわれなくなった
後は、(6)式に示す吸熱を伴う改質反応だけが行なわ
れるようになる。このように、原燃料ガスに酸素を加え
て改質部に供給し、発熱を伴う酸化改質反応を改質部内
において進行させることによって、水蒸気改質反応で要
する熱量を賄うことが可能である。このように改質部内
で水蒸気改質反応と酸化改質反応の両方を行なう場合に
は、上記したように同一の触媒によって両反応を促進す
ることとしてもよいし、それぞれの改質反応に対して異
なる触媒を用意することとしてもよい。
【0129】図12は、第1実施例の燃料電池システム
20と同様のシステムであって、水蒸気改質反応に加え
て部分酸化改質反応を行なう燃料改質装置を備える燃料
電池システム20dの構成の概略を例示する説明図であ
る。燃料電池システム20dは、燃料電池システム20
とほぼ同様の構成を備えているため、共通する部材には
同一の番号を付した。燃料電池システム20dでは、エ
アタンク36からバーナ34に圧縮空気を供給する第1
空気供給路76から分岐して、空気供給分岐路93が設
けられている。この空気供給分岐路93は、第1燃料供
給路78に接続しており、この第1燃料供給路78を通
過するメタノールおよび水に対して圧縮空気を供給可能
となっている。また、空気供給分岐路93には第4流量
調整器97が設けられており、空気供給分岐路93を介
して供給される圧縮空気量を調節可能となっている。第
4流量調整器97は制御部50に接続されており、制御
部50によって駆動される。制御部50は、酸化改質反
応で要する酸素量を判断して、第4流量調整器97の駆
動量を制御する。
【0130】以上説明したように、燃料電池システム2
0dでは、原燃料ガスに加える酸素を、エアタンクから
供給される圧縮空気から得ている。改質部内で進行する
酸化改質反応の量は、エアタンクから供給する圧縮空気
量を調節することによって制御することができる。改質
部に供給する原燃料の量と、原燃料に加える圧縮空気の
量とを調節することによって、改質部内で進行する水蒸
気改質反応で要する熱量と、改質部内で進行する酸化改
質反応で生じる熱量とのバランスをとることができ、エ
ネルギ効率を向上させることができる。このような構成
とすれば、既述した実施例のように改質部にヒータなど
の加熱手段を設けることなく改質反応を進行させること
ができる。改質部が高温となることにより、生じた熱量
が改質部外に散逸する放熱損失などを考慮しても、改質
部に導入する圧縮空気中の酸素量は、改質部に導入され
るメタノール量の10から20%とすれば、反応に伴う
吸熱と発熱とを釣り合わせることができる。
【0131】このように、改質部にヒータを設ける代わ
りに酸化改質反応で生じる熱量を利用して水蒸気改質反
応を行なう場合には、ヒータで加熱しながら水蒸気改質
反応を行なう場合よりもさらにエネルギ効率が向上す
る。改質部にヒータを備える上記各実施例の燃料改質装
置は、定常状態もバーナからの燃焼ガスによって改質部
を加熱する従来の燃料改質装置に比べて約10%エネル
ギ効率が向上するが、上記各実施例の燃料改質装置にお
いて、ヒータの代わりに酸化改質反応で生じる熱量を利
用する構成とするならば、上記従来の燃料改質装置に比
べてエネルギ効率は約15%向上させることができる。
【0132】また、既述した実施例では、蒸発部に燃焼
ガスを供給するバーナは、点火装置を備える燃焼装置と
したが、酸化触媒を備える燃焼装置とするなど他種の装
置としてもよく、所定の高温ガスを発生可能であればよ
い。
【0133】既述した実施例では、水素リッチな燃料ガ
スを得るための原燃料としてメタノールを用いることと
したが、他種の炭化水素を原燃料として用いることもで
きる。燃料改質装置に蒸発部を設け、バーナからの燃焼
ガスによって所定温度に昇温された原燃料ガスを生成す
る工程を含むならば、本発明を適用して既述した効果を
得ることができる。メタノールの他に適用可能な原燃料
の例として、メタン,天然ガス,エタン,プロパン,ブ
タン,ガソリン,軽油,エタノール,アセトン、DME
(ジメチルエーテル)などを挙げることができる。
【0134】ここで、原燃料としてメタンなど気体の原
燃料を用いる場合には原燃料を気化する必要はないが、
燃料改質装置に供給するのに先だって原燃料を昇温させ
ておくことが望ましいため、燃料改質装置に対して水蒸
気改質反応で要する水と気体原燃料との両方を供給する
こととすれば、水の気化と同時に気体原燃料を昇温させ
ることができる。燃料改質装置に対する水と気体原燃料
との供給方法としては、予め水と気体原燃料とが混在す
る状態とした後に燃料改質装置に供給してもよいし、水
と気体原燃料とを別々に燃料改質装置に供給してもよ
い。
【0135】また、改質部において必ずしも水蒸気改質
反応を行なう必要はなく、メタノールなどの液体原燃料
を用いて酸化改質反応だけによって改質ガスを生成する
こととしてもよい。このような場合にも、燃料改質装置
が定常状態となった後は、液体原燃料あるいは空気を酸
化改質反応に要する酸素を含有する液体原燃料を気化さ
せて充分に昇温させることができる熱量をバーナによっ
て供給すればよいため、既述した実施例の構成を適用す
ることができる。
【0136】既述した実施例では、燃料改質装置で原燃
料を改質して得た燃料ガスを供給される燃料電池は、固
体高分子型燃料電池としたが、異なる種類の燃料電池を
備える燃料電池システムにおいて既述した燃料改質装置
を備えることとしてもよい。特に、燃料電池としてりん
酸型燃料電池や固体電解質型燃料電池を用いる場合に
は、既述した実施例の燃料電池システムの構成を準用す
ることが可能である。
【0137】また、既述した燃料電池システムでは、燃
料電池40に接続された負荷量の変動に応じて、燃料改
質装置で生成する改質ガス量を変化させる構成とした
が、燃料改質装置で生成した改質ガス、あるいはこの改
質ガスから分離した水素ガスを一旦貯蔵し、この貯蔵し
た改質ガスあるいは水素ガスを燃料電池に供給すること
としてもよい。このような場合には、改質ガスを生成す
る速度を一定として常に良好な効率で改質反応を進行さ
せることができる。このような構成の燃料改質装置で
は、定常状態に達した後は、蒸発部に供給する原燃料な
どの量を、バーナから供給される燃焼ガスによって気化
・昇温可能な量の最大量程度に保てばよく、これによっ
て安定して充分量の改質ガスを生成すると共に、燃料改
質装置で利用されずに廃棄されてしまうエネルギ量を少
なくすることができる。
【0138】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である燃料電池システ
ム20の構成を例示するブロック図である。
【図2】燃料電池40が備える単セル48の構成を示す
断面模式図である。
【図3】燃料改質装置22の構成の概要を表わす説明図
である。
【図4】第1実施例の燃料電池システム20の始動時に
実行される始動時処理ルーチンを表わすフローチャート
である。
【図5】第1実施例の燃料電池システム20の始動後に
実行される昇温時処理ルーチンを表わすフローチャート
である。
【図6】燃料改質装置の始動時に、時間と共に改質触媒
温度が上昇する様子、および発生する水素量が増加する
様子を表わす説明図である。
【図7】第2実施例の燃料改質装置22aの構成の概略
を表わす説明図である。
【図8】第2実施例の燃料電池システムの始動後に実行
されれる昇温時処理ルーチンを表わすフローチャートで
ある。
【図9】第3実施例の燃料改質装置22bの構成の概略
を示す説明図である。
【図10】第3実施例の燃料電池システムの始動後に実
行されれる昇温時処理ルーチンを表わすフローチャート
である。
【図11】第4実施例の燃料改質装置22cの構成の概
略を示す説明図である。
【図12】燃料電池システム20dの構成の概略を例示
する説明図である。
【符号の説明】
20,20d…燃料電池システム 22,22a,22b、22c…燃料改質装置 24…凝縮水回収器 26…CO低減部 28…メタノールタンク 30…水タンク 32…圧縮機 32a…タービン 32b…コンプレッサ 32c…シャフト 33…排ガス回収路 34,34a,34b,34c…バーナ 35…水回収路 36…エアタンク 37…バルブ 38…コンプレッサ 40…燃料電池 41…電解質膜 42…アノード 43…カソード 44,45…セパレータ 44P…燃料ガス流路 45P…酸化ガス流路 46,47…集電板 48…単セル 50…制御部 52…入出力ポート 54…CPU 56…ROM 58…RAM 60…第1温度センサ 61…第2温度センサ 62…第3温度センサ 63…第4温度センサ 64…第1ポンプ 65…第2ポンプ 66…第3ポンプ 67…圧力センサ 68…第1流量調整器 69…空気導入路 70…メタノール流路 71…メタノール分岐路 72…給水路 73…酸化排ガス路 74…燃料排ガス路 76…第1空気供給路 77…第2空気供給路 78…第1燃料供給路 79…第2燃料供給路 80…第3燃料供給路 81…燃料分岐路 82…第3空気供給路 83…第2流量調整器 84…第3流量調整器 87…切り替え弁 88…燃料ガス路 89…電磁作動弁 89c…熱作動弁 90,90a,90b,90c…蒸発部 91,91c…圧力開放弁 92,92a,92b,92c…改質部 93…空気供給分岐路 94,94a,94b,94c…燃焼排ガス導入部 95…燃焼排ガス管 96…ヒートパイプ 97…第4流量調整器 98…フィン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素を原燃料とし、少なくとも前記
    原燃料を含む液体を気化させて原燃料ガスを生成し、該
    原燃料ガスから水素を含む燃料ガスを生成する改質反応
    を行なう燃料改質装置であって、 前記原燃料を含む液体の気化に要する熱量を供給可能な
    高温の気体を発生させる熱量発生部と、 前記熱量発生部が発生させた前記高温の気体と前記原燃
    料を含む液体とが供給され、該液体と前記高温の気体と
    の間で熱交換させることにより、前記液体から前記原燃
    料ガスを生成すると共に、前記高温の気体が熱交換した
    後に生じる排ガスを排出する蒸発部と、 前記蒸発部に供給する前記液体の量を調節する供給原燃
    料量制御手段と、 所定の改質触媒を備え、前記蒸発部で昇温された前記原
    燃料ガスの供給を受けて、前記原燃料ガスを前記改質触
    媒の表面を通過させることによって前記改質反応を進行
    させる改質部と、 前記排ガスの有する熱量を前記改質部に移動させる熱量
    移動手段と、 前記燃料改質装置の始動時には、前記蒸発部に供給する
    前記液体の量を前記原燃料量制御手段を介して制限する
    ことにより、前記蒸発部において前記高温の気体から前
    記液体へ熱交換される熱量を減少させて、前記排ガス温
    度を所定の高温とする排ガス昇温制御を行ない、前記燃
    料改質装置が定常状態となったときには、前記蒸発部に
    供給する前記液体の量に関して、前記排ガス昇温制御を
    行なわない制御部とを備える燃料改質装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料改質装置であって、 前記燃料改質装置が定常状態となって前記蒸発部に供給
    する前記液体の量に関する前記排ガス昇温制御を行なわ
    なくなったときに、前記蒸発部に供給する前記液体の量
    に関する情報に基づいて、前記熱量発生部で発生される
    前記高温の気体の温度を制御し、前記蒸発部から排出さ
    れる前記排ガス温度を所定の温度以下にする高温ガス温
    度制御手段と、 前記燃料改質装置が定常状態となったときに前記改質反
    応で要する熱量を前記改質部に供給するための加熱手段
    とを備える燃料改質装置。
  3. 【請求項3】 前記熱量移動手段は、前記改質部内部に
    設けられ、前記蒸発部から排出される排ガス側から前記
    改質部内部側に向かって選択的に熱輸送が可能に形成さ
    れたヒートパイプからなる請求項1または2記載の燃料
    改質装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の燃料改質装置で
    あって、 前記熱量移動手段は、 前記排ガスを導入可能であって、該導入された排ガスと
    前記改質部との間で熱交換が行なわれる第1の排ガス流
    路と、 前記排ガスを導入可能であって、前記排ガスを、前記改
    質部との間で熱交換することなく外部に排出する第2の
    排ガス流路と、 前記燃料改質装置の始動時には、前記排ガスの流路を前
    記第1の排ガス流路とし、前記蒸発部に供給する前記液
    体の量に関して、前記排ガス昇温制御が行なわれていな
    いときには、前記排ガスの流路を前記第2の排ガス流路
    に切り替える流路切り替え手段とを備える燃料改質装
    置。
  5. 【請求項5】 前記燃料改質装置が定常状態となったと
    きに前記改質反応で要する熱量を供給するための前記加
    熱手段は、前記改質部に設けられたヒータである請求項
    2記載の燃料改質装置。
  6. 【請求項6】 前記燃料改質装置が定常状態となったと
    きに前記改質反応で要する熱量を供給するための前記加
    熱手段は、前記改質部内部で進行する酸化改質反応によ
    って生じる熱量を利用する手段である請求項2記載の燃
    料改質装置。
  7. 【請求項7】 前記原燃料はメタノールである請求項1
    ないし6いずれか記載の燃料改質装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6いずれか記載の燃料改
    質装置であって、 前記原燃料を含む液体は、液体状態の前記原燃料と水と
    の混合物、あるいは気体状態の前記原燃料と水との混在
    物であり、 前記改質部で進行する前記改質反応は、少なくとも水蒸
    気改質反応を含む燃料改質装置。
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