JPH10296303A - 金属ストリップの圧延方法 - Google Patents
金属ストリップの圧延方法Info
- Publication number
- JPH10296303A JPH10296303A JP11483797A JP11483797A JPH10296303A JP H10296303 A JPH10296303 A JP H10296303A JP 11483797 A JP11483797 A JP 11483797A JP 11483797 A JP11483797 A JP 11483797A JP H10296303 A JPH10296303 A JP H10296303A
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- JP
- Japan
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- roll
- rolling
- diameter
- work
- backup roll
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 最大ヘルツ応力からくる圧延荷重限界(圧下
率限界)を向上させることによって、生産性にすぐれた
板圧延機の圧延方法の提供を目的としている。 【解決手段】 金属ストリップの圧延方法は、上下少な
くともどちらか一方のロールアセンブリーが、軸方向に
3分割以上に分割された分割バックアップロールによっ
てワークロールを支持する機構であり、各分割バックア
ップロールには独立した荷重検出装置と圧下装置とが配
置され、分割バックアップロールが支持するワークロー
ルのロール径(Dwr)を400mm以下とし、かつ前記分
割バックアップロールのロール径(Dbur )と前記分割
バックアップロールが支持するワークロール径との比
(Dbur /Dwr)を3以下とした圧延機により、上下ワ
ークロールの周速度比を、1.1以上として金属ストリ
ップを圧延することを特徴とする。
率限界)を向上させることによって、生産性にすぐれた
板圧延機の圧延方法の提供を目的としている。 【解決手段】 金属ストリップの圧延方法は、上下少な
くともどちらか一方のロールアセンブリーが、軸方向に
3分割以上に分割された分割バックアップロールによっ
てワークロールを支持する機構であり、各分割バックア
ップロールには独立した荷重検出装置と圧下装置とが配
置され、分割バックアップロールが支持するワークロー
ルのロール径(Dwr)を400mm以下とし、かつ前記分
割バックアップロールのロール径(Dbur )と前記分割
バックアップロールが支持するワークロール径との比
(Dbur /Dwr)を3以下とした圧延機により、上下ワ
ークロールの周速度比を、1.1以上として金属ストリ
ップを圧延することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下少なくともど
ちらか一方のロールアセンブリーが、軸方向に3分割以
上に分割された分割バックアップロールによってワーク
ロールを支持する機構であり、各分割バックアップロー
ルには独立した荷重検出装置と圧下装置とを配置した板
圧延機による金属ストリップの圧延方法に関する。
ちらか一方のロールアセンブリーが、軸方向に3分割以
上に分割された分割バックアップロールによってワーク
ロールを支持する機構であり、各分割バックアップロー
ルには独立した荷重検出装置と圧下装置とを配置した板
圧延機による金属ストリップの圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特開平05−48375号公報に
記載の板圧延機のように、分割バックアップロールの荷
重分布を検出し、圧延材とワークロール間の荷重分布を
推定し、これにより圧延後の板クラウン・板形状を高精
度に推定し得る圧延機が注目されている。
記載の板圧延機のように、分割バックアップロールの荷
重分布を検出し、圧延材とワークロール間の荷重分布を
推定し、これにより圧延後の板クラウン・板形状を高精
度に推定し得る圧延機が注目されている。
【0003】この圧延機の中で、特開平06−2622
11号公報の図1に示す様な上下非対称なロール配置の
クラスタータイプの圧延機が示されている。このような
圧延機では、板クラウン、板形状等を高精度に制御する
ことが可能であるため、厳しい形状品質が要求される板
圧延材を製造するのに極めて有利である。また、バック
アップロールとワークロールを備えた圧延機において
は、バックアップロールとワークロールとの間にヘルツ
応力が作用することが知られており、例えば、特開平0
7−108303号公報には、分割バックアップロール
とワークロールとの間の最大ヘルツ応力が圧延機の入側
と出側とで等しくなるように、各分割バックアップロー
ルの位置と分割バックアップロールのロール径を調整す
る方法が開示されている。
11号公報の図1に示す様な上下非対称なロール配置の
クラスタータイプの圧延機が示されている。このような
圧延機では、板クラウン、板形状等を高精度に制御する
ことが可能であるため、厳しい形状品質が要求される板
圧延材を製造するのに極めて有利である。また、バック
アップロールとワークロールを備えた圧延機において
は、バックアップロールとワークロールとの間にヘルツ
応力が作用することが知られており、例えば、特開平0
7−108303号公報には、分割バックアップロール
とワークロールとの間の最大ヘルツ応力が圧延機の入側
と出側とで等しくなるように、各分割バックアップロー
ルの位置と分割バックアップロールのロール径を調整す
る方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】分割バックアップロー
ルを有する圧延機は上記のように板クラウン、板形状な
どを高精度に制御することが可能であるが、この圧延機
をハウジングを含めて新たに設ける場合には多大な費用
を要する。これに対して、既設の4Hi圧延機のハウジ
ングを流用し、これに分割バックアップロールを有する
ロールアセンブリーを組み込んで、例えば図1に示すよ
うな上下非対称な圧延機を構成することも可能である。
ルを有する圧延機は上記のように板クラウン、板形状な
どを高精度に制御することが可能であるが、この圧延機
をハウジングを含めて新たに設ける場合には多大な費用
を要する。これに対して、既設の4Hi圧延機のハウジ
ングを流用し、これに分割バックアップロールを有する
ロールアセンブリーを組み込んで、例えば図1に示すよ
うな上下非対称な圧延機を構成することも可能である。
【0005】ところで、数mm〜十数mmの板厚の金属スト
リップを圧延する場合、従来は4Hi圧延機のワークロ
ールは500〜700mmのロール径が使用されている
が、この場合は上記のような400mm以下のロール径の
ワークロールを用いる場合に比べて、板厚、形状の制御
精度は格段に劣る。従って、数mm〜十数mmの板厚の金属
ストリップを板厚並びに形状の精度良く圧延するにはワ
ークロール径を400mm以下の小径ロールとする必要が
あるが、400mm以下のロール径のワークロールを用い
ようとすると従来の4Hi圧延機のようにワークロール
の水平方向のたわみが問題となるので、複数のバックア
ップロールで小径ワークロールを支持する必要がある。
リップを圧延する場合、従来は4Hi圧延機のワークロ
ールは500〜700mmのロール径が使用されている
が、この場合は上記のような400mm以下のロール径の
ワークロールを用いる場合に比べて、板厚、形状の制御
精度は格段に劣る。従って、数mm〜十数mmの板厚の金属
ストリップを板厚並びに形状の精度良く圧延するにはワ
ークロール径を400mm以下の小径ロールとする必要が
あるが、400mm以下のロール径のワークロールを用い
ようとすると従来の4Hi圧延機のようにワークロール
の水平方向のたわみが問題となるので、複数のバックア
ップロールで小径ワークロールを支持する必要がある。
【0006】一方、既設のハウジングに上記の構成を組
み込む場合、その分割バックアップロールのロール径は
図1から分かるように、既設のハウジングの大きさの制
約、すなわち既設のハウジングにあるバックアップロー
ルのロール径の1/2以下とならざるを得ない。通常、
上記の板厚範囲の金属ストリップを圧延する4Hi圧延
機のバックアップロールのロール径は1500〜180
0mmであるので、分割バックアップロールのロール径は
750〜900mm以下となる。従って、このように既存
のハウジングを流用する場合は、分割バックアップロー
ルのロール径とこの分割バックアップロールが支持する
ワークロールのロール径との比は、3以下となる。
み込む場合、その分割バックアップロールのロール径は
図1から分かるように、既設のハウジングの大きさの制
約、すなわち既設のハウジングにあるバックアップロー
ルのロール径の1/2以下とならざるを得ない。通常、
上記の板厚範囲の金属ストリップを圧延する4Hi圧延
機のバックアップロールのロール径は1500〜180
0mmであるので、分割バックアップロールのロール径は
750〜900mm以下となる。従って、このように既存
のハウジングを流用する場合は、分割バックアップロー
ルのロール径とこの分割バックアップロールが支持する
ワークロールのロール径との比は、3以下となる。
【0007】このように、数mm〜十数mmの板厚の金属ス
トリップを板厚並びに形状の精度良くかつ既設の4Hi
圧延機のハウジングを流用した圧延機において圧延する
ためには、ワークロールのロール径を400mm以下とす
る必要があると共に、分割バックアップロールのロール
径とこの分割バックアップロールが支持するワークロー
ルのロール径との比は3以下とならざるを得ない。
トリップを板厚並びに形状の精度良くかつ既設の4Hi
圧延機のハウジングを流用した圧延機において圧延する
ためには、ワークロールのロール径を400mm以下とす
る必要があると共に、分割バックアップロールのロール
径とこの分割バックアップロールが支持するワークロー
ルのロール径との比は3以下とならざるを得ない。
【0008】また、上記特開平06−262211号公
報に開示されている分割バックアップロールを有する上
下非対称の圧延機においては、数mm以下の金属ストリッ
プを圧延するものであるが、ワークロールのロール径も
80mmと小径であり、かつ分割バックアップロールのロ
ール径とこの分割バックアップロールが支持するワーク
ロールのロール径との比は1.6と小さい。
報に開示されている分割バックアップロールを有する上
下非対称の圧延機においては、数mm以下の金属ストリッ
プを圧延するものであるが、ワークロールのロール径も
80mmと小径であり、かつ分割バックアップロールのロ
ール径とこの分割バックアップロールが支持するワーク
ロールのロール径との比は1.6と小さい。
【0009】ところで、既に述べたように、バックアッ
プロールとワークロールを備えた圧延機において金属ス
トリップを圧延する場合、バックアップロールとワーク
ロールとの間にはヘルツ応力が作用する。図1に示すよ
うな構成の圧延機において、一般に圧延荷重をP、板幅
をW、ワークロール径をDwr、分割バックアップロール
径をDbur 、分割バックアップロールとワークロールの
中心を通る線と水平線との成す角度をθとすると、ヘル
ツ応力σHZmax は次式で与えられる。
プロールとワークロールを備えた圧延機において金属ス
トリップを圧延する場合、バックアップロールとワーク
ロールとの間にはヘルツ応力が作用する。図1に示すよ
うな構成の圧延機において、一般に圧延荷重をP、板幅
をW、ワークロール径をDwr、分割バックアップロール
径をDbur 、分割バックアップロールとワークロールの
中心を通る線と水平線との成す角度をθとすると、ヘル
ツ応力σHZmax は次式で与えられる。
【0010】
【数1】
【0011】上式から明らかなように、ヘルツ応力を低
減するためにはワークロールと分割バックアップロール
との径比を大きく取ればよいが、上述したように特に既
存のハウジングを流用した場合にはその値を大きく取る
ことはできない。例えば通常の4Hi圧延機のワークロ
ール径は600mm程度でバックアップロール径は150
0mm程度であり、ワークロールとバックアップロールと
のロール径比は2.5である。しかしながら、上述のよ
うに既設ハウジングを用いて分割バックアップロールを
有する圧延機とする場合、例えばワークロール径を30
0mm、分割バックアップロール径を600mm、θ=45
度とした場合、通常の圧延機に比べワークロール径は1
/2倍、分割バックアップロール径は1/2.5倍とな
り、ワークロールとバックアップロールとのロール径比
は2.0となる。圧延荷重が同じ場合、上式をもとに計
算すると上記技術を適用する圧延機のヘルツ応力は従来
の4Hi圧延機のヘルツ応力よりも約1.74倍も増大
する。
減するためにはワークロールと分割バックアップロール
との径比を大きく取ればよいが、上述したように特に既
存のハウジングを流用した場合にはその値を大きく取る
ことはできない。例えば通常の4Hi圧延機のワークロ
ール径は600mm程度でバックアップロール径は150
0mm程度であり、ワークロールとバックアップロールと
のロール径比は2.5である。しかしながら、上述のよ
うに既設ハウジングを用いて分割バックアップロールを
有する圧延機とする場合、例えばワークロール径を30
0mm、分割バックアップロール径を600mm、θ=45
度とした場合、通常の圧延機に比べワークロール径は1
/2倍、分割バックアップロール径は1/2.5倍とな
り、ワークロールとバックアップロールとのロール径比
は2.0となる。圧延荷重が同じ場合、上式をもとに計
算すると上記技術を適用する圧延機のヘルツ応力は従来
の4Hi圧延機のヘルツ応力よりも約1.74倍も増大
する。
【0012】以上のことから、このような圧延機では小
径ワークロールと分割バックアップロールとロール径比
を十分に大きくすることはできない上に上述したように
ワークロール径は小さくせざるを得ないので、ワークロ
ールと分割バックアップロール間のヘルツ応力が非常に
増大する状況にある。圧延中において、ヘルツ応力があ
る限界値をこえると、スポーリングと呼ばれるロールの
表面疲労欠陥やロールマークと呼ばれる分割補強ロール
の端部が圧延後の板に転写される表面疵等が発生する。
ヘルツ応力の限界値は、ロールの材質等によって異なる
が、一般に180〜220 kgf/mm2 の値である。上述
の問題を避けるために、通常、ヘルツ応力の限界値以下
で圧延が行われている。このため、上述した上下非対称
なクラスタータイプの圧延機では、圧下率を大きくする
と圧延荷重が増大しヘルツ応力が増大するので、圧下率
を大きく取ることが困難であるという問題がある。
径ワークロールと分割バックアップロールとロール径比
を十分に大きくすることはできない上に上述したように
ワークロール径は小さくせざるを得ないので、ワークロ
ールと分割バックアップロール間のヘルツ応力が非常に
増大する状況にある。圧延中において、ヘルツ応力があ
る限界値をこえると、スポーリングと呼ばれるロールの
表面疲労欠陥やロールマークと呼ばれる分割補強ロール
の端部が圧延後の板に転写される表面疵等が発生する。
ヘルツ応力の限界値は、ロールの材質等によって異なる
が、一般に180〜220 kgf/mm2 の値である。上述
の問題を避けるために、通常、ヘルツ応力の限界値以下
で圧延が行われている。このため、上述した上下非対称
なクラスタータイプの圧延機では、圧下率を大きくする
と圧延荷重が増大しヘルツ応力が増大するので、圧下率
を大きく取ることが困難であるという問題がある。
【0013】このような問題を解決する方法として前述
の特開平07−108303号公報に開示されている技
術があるが、この方法ではワークロール径は同じである
ので圧延荷重そのものは変化しない。このため圧延機が
取ることのできる圧下率には限界があり、時として生産
性が阻害されるという問題があった。本発明は、このよ
うな上下非対称なロール配置のクラスタータイプの、小
径ワークロールを備えかつ、バックアップロールとワー
クロールとのロール径比の小さい圧延機において、金属
ストリップを圧延する際、圧延機のヘルツ応力に起因す
る圧下率の制約を向上させる圧延方法を提供するもので
ある。これによって、例えば既設の圧延機のハウジング
を流用して、クラスタータイプの圧延機を構成した場合
においても圧下率の制約されることなく圧延を可能とす
る方法を提供するものである。
の特開平07−108303号公報に開示されている技
術があるが、この方法ではワークロール径は同じである
ので圧延荷重そのものは変化しない。このため圧延機が
取ることのできる圧下率には限界があり、時として生産
性が阻害されるという問題があった。本発明は、このよ
うな上下非対称なロール配置のクラスタータイプの、小
径ワークロールを備えかつ、バックアップロールとワー
クロールとのロール径比の小さい圧延機において、金属
ストリップを圧延する際、圧延機のヘルツ応力に起因す
る圧下率の制約を向上させる圧延方法を提供するもので
ある。これによって、例えば既設の圧延機のハウジング
を流用して、クラスタータイプの圧延機を構成した場合
においても圧下率の制約されることなく圧延を可能とす
る方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上下少なく
ともどちらか一方のロールアセンブリーが、軸方向に3
分割以上に分割された分割バックアップロールによって
ワークロールを支持する機構であり、各分割バックアッ
プロールには独立した荷重検出装置と圧下装置とが配置
され、分割バックアップロールが支持するワークロール
のロール径(Dwr)を400mm以下とし、前記分割バッ
クアップロールのロール径(Dbur )と前記分割バック
アップロールが支持するワークロール径との比(Dbur
/Dwr)を3以下とした圧延機において、上下ワークロ
ールの周速度比を、1.1以上として金属ストリップを
圧延することを特徴とする金属ストリップの圧延方法で
達成される。さらに、本願発明は、上記発明において、
上下のワークロールの周速度比を1.1以上1.3以下
とすることを特徴とする金属ストリップの圧延方法で達
成される。
ともどちらか一方のロールアセンブリーが、軸方向に3
分割以上に分割された分割バックアップロールによって
ワークロールを支持する機構であり、各分割バックアッ
プロールには独立した荷重検出装置と圧下装置とが配置
され、分割バックアップロールが支持するワークロール
のロール径(Dwr)を400mm以下とし、前記分割バッ
クアップロールのロール径(Dbur )と前記分割バック
アップロールが支持するワークロール径との比(Dbur
/Dwr)を3以下とした圧延機において、上下ワークロ
ールの周速度比を、1.1以上として金属ストリップを
圧延することを特徴とする金属ストリップの圧延方法で
達成される。さらに、本願発明は、上記発明において、
上下のワークロールの周速度比を1.1以上1.3以下
とすることを特徴とする金属ストリップの圧延方法で達
成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。図1は本発明の方法を適用する圧延機の1例を示す
概要図であり図1の(a)はその側面図、図1の(b)
は上面図である。図1において、上ロールアセンブリー
は、軸方向に7分割された分割バックアップロール、3
A〜3C,4A〜4Dによって、ワークロール1を支持
する機構とし、各々の分割バックアップロール3A〜3
C,4A〜4Dにはそれぞれ独立に荷重検出装置と独立
した分割バックアップロール圧下装置とが配置されてい
る。また、下側ワークロール2は下側バックアップロー
ル5によって支持されている。上側ワークロール1のロ
ール径は240mm、分割バックアップロール3のロール
径は500mmであり、分割バックアップロールとワーク
ロールとの径比は約2.1である。金属ストリップ6は
圧延機によって圧延されている。上側ワークロール1は
ロール周速度VU で、下側ワークロールはロール周速度
VL で回転しており、それらは2機のモータによってそ
れぞれ駆動されている。このような圧延機において上下
のワークロールの周速度比を変えて、金属ストリップを
圧延し、ロールバイト内の圧力分布を調査した。
る。図1は本発明の方法を適用する圧延機の1例を示す
概要図であり図1の(a)はその側面図、図1の(b)
は上面図である。図1において、上ロールアセンブリー
は、軸方向に7分割された分割バックアップロール、3
A〜3C,4A〜4Dによって、ワークロール1を支持
する機構とし、各々の分割バックアップロール3A〜3
C,4A〜4Dにはそれぞれ独立に荷重検出装置と独立
した分割バックアップロール圧下装置とが配置されてい
る。また、下側ワークロール2は下側バックアップロー
ル5によって支持されている。上側ワークロール1のロ
ール径は240mm、分割バックアップロール3のロール
径は500mmであり、分割バックアップロールとワーク
ロールとの径比は約2.1である。金属ストリップ6は
圧延機によって圧延されている。上側ワークロール1は
ロール周速度VU で、下側ワークロールはロール周速度
VL で回転しており、それらは2機のモータによってそ
れぞれ駆動されている。このような圧延機において上下
のワークロールの周速度比を変えて、金属ストリップを
圧延し、ロールバイト内の圧力分布を調査した。
【0016】図2は、ロールバイト内の圧力分布と中立
点の位置を説明する概念図であり、図2の(a−1)、
(a−2)は上下のワークロールが同じ周速度の場合、
図2の(b−1)、(b−2)は上下ロールが異なる周
速度の場合を示している。通常、上側ワークロールのロ
ール周速度VU と下側ワークロールの周速度VL は同じ
速度になるように速度制御されている。すなわち周速度
比が1で圧延されている。この際ロールバイト内の圧力
分布は図2の(a−1)に示すように中立点位置(ロー
ルバイト内で圧延された金属ストリップの移動速度とロ
ール周速度とが等しくなる位置すなわち、図2の(a−
2)におけるE,F)に圧延力のピークを持つフリクシ
ョンヒルが形成される。圧延荷重はこのフリクションヒ
ルを積分したものとなる。
点の位置を説明する概念図であり、図2の(a−1)、
(a−2)は上下のワークロールが同じ周速度の場合、
図2の(b−1)、(b−2)は上下ロールが異なる周
速度の場合を示している。通常、上側ワークロールのロ
ール周速度VU と下側ワークロールの周速度VL は同じ
速度になるように速度制御されている。すなわち周速度
比が1で圧延されている。この際ロールバイト内の圧力
分布は図2の(a−1)に示すように中立点位置(ロー
ルバイト内で圧延された金属ストリップの移動速度とロ
ール周速度とが等しくなる位置すなわち、図2の(a−
2)におけるE,F)に圧延力のピークを持つフリクシ
ョンヒルが形成される。圧延荷重はこのフリクションヒ
ルを積分したものとなる。
【0017】本発明の方法においては周速度比VU /V
L ≧1.1とするものである。従って、例えば図2の
(b−2)に示すような上側ワークロール径が下側ワー
クロール径より小さい場合には、上側ワークロール1の
方が下側ワークロール2よりも早く回っている。この時
ロールバイト内の圧力分布は図2の(b−2)に示すよ
うに、中立点位置は上ワークロール(高周速ロール)側
ではロールバイト出口近傍Gに、下側ワークロール(低
周速ロール)側ではロールバイト入口近傍Hにある。図
2の(b−2)において、矢印で示すように摩擦せん断
応力の方向が中立点で逆転するため、上ワークロール中
立点と下ワークロール中立点との間は摩擦せん断応力が
相殺してフリクションヒルは(同周速である場合(a−
1)のフリクションヒルは(b−1)において破線で示
している)カットされ、その結果圧力分布は実線のよう
になる。図2の(b−1)より明らかなように、圧延荷
重は本発明の方法の条件の方が小さくなる。従って、同
一圧下率でも本発明の方法の方が圧延荷重が小さくなり
上ワークロールと分割バックアップロール間のヘルツ応
力が小さくなる。言い換えれば最大ヘルツ応力に達する
までの圧下率は本発明の方法により増大させることがで
きることが分かる。
L ≧1.1とするものである。従って、例えば図2の
(b−2)に示すような上側ワークロール径が下側ワー
クロール径より小さい場合には、上側ワークロール1の
方が下側ワークロール2よりも早く回っている。この時
ロールバイト内の圧力分布は図2の(b−2)に示すよ
うに、中立点位置は上ワークロール(高周速ロール)側
ではロールバイト出口近傍Gに、下側ワークロール(低
周速ロール)側ではロールバイト入口近傍Hにある。図
2の(b−2)において、矢印で示すように摩擦せん断
応力の方向が中立点で逆転するため、上ワークロール中
立点と下ワークロール中立点との間は摩擦せん断応力が
相殺してフリクションヒルは(同周速である場合(a−
1)のフリクションヒルは(b−1)において破線で示
している)カットされ、その結果圧力分布は実線のよう
になる。図2の(b−1)より明らかなように、圧延荷
重は本発明の方法の条件の方が小さくなる。従って、同
一圧下率でも本発明の方法の方が圧延荷重が小さくなり
上ワークロールと分割バックアップロール間のヘルツ応
力が小さくなる。言い換えれば最大ヘルツ応力に達する
までの圧下率は本発明の方法により増大させることがで
きることが分かる。
【0018】図3は圧延荷重および高周速ロール側の圧
延トルクにおよぼす周速度比の影響を示す概念図であ
る。図3および図2より明らかなように荷重低減効果は
速度比が大きい方があり、速度比が1.1より小さいと
その効果は小さく速度比が1.1以上でその効果は大き
くなる。また、中立点位置がロールバイトよりも外側に
飛び出した場合(速度比が1.3よりも大きな場合)に
は荷重低減効果は飽和する。さらに、高周速ロール側の
圧延トルクはワークロールの周速度比が増大するほど大
きくなり、速度比が1.3を越えると急激に増大する。
従って、圧延機のモータの大型化を回避しようとする場
合には、ワークロールの周速度比は、1.3≧VU /V
L ≧1.1が好ましいことが判明した。
延トルクにおよぼす周速度比の影響を示す概念図であ
る。図3および図2より明らかなように荷重低減効果は
速度比が大きい方があり、速度比が1.1より小さいと
その効果は小さく速度比が1.1以上でその効果は大き
くなる。また、中立点位置がロールバイトよりも外側に
飛び出した場合(速度比が1.3よりも大きな場合)に
は荷重低減効果は飽和する。さらに、高周速ロール側の
圧延トルクはワークロールの周速度比が増大するほど大
きくなり、速度比が1.3を越えると急激に増大する。
従って、圧延機のモータの大型化を回避しようとする場
合には、ワークロールの周速度比は、1.3≧VU /V
L ≧1.1が好ましいことが判明した。
【0019】
【実施例】図1を用いて、本発明の実施例を示す。図1
は本発明を適用する板圧延機であり、その仕様を表1に
示す。図1において、上ロールアセンブリーは、軸方向
に7分割に分割した分割バックアップロール、3A〜3
C,4A〜4Dによって、ワークロール1を支持する機
構とし、各々の分割バックアップロール3A〜3C,4
A〜4Dにはそれぞれ独立に荷重検出装置と独立した分
割バックアップロール圧下装置とが配置されており、1
は上ワークロール、2は下ワークロール、3は上分割バ
ックアップロール(3分割)、4は上分割バックアップ
ロール(4分割)、5は下バックアップロール、6は金
属ストリップである。また、上部の分割バックアップロ
ールの角度θはそれぞれ45度であり、各分割バックア
ップロールの胴長は130mmである。
は本発明を適用する板圧延機であり、その仕様を表1に
示す。図1において、上ロールアセンブリーは、軸方向
に7分割に分割した分割バックアップロール、3A〜3
C,4A〜4Dによって、ワークロール1を支持する機
構とし、各々の分割バックアップロール3A〜3C,4
A〜4Dにはそれぞれ独立に荷重検出装置と独立した分
割バックアップロール圧下装置とが配置されており、1
は上ワークロール、2は下ワークロール、3は上分割バ
ックアップロール(3分割)、4は上分割バックアップ
ロール(4分割)、5は下バックアップロール、6は金
属ストリップである。また、上部の分割バックアップロ
ールの角度θはそれぞれ45度であり、各分割バックア
ップロールの胴長は130mmである。
【0020】このミルを用いて、上ワークロールおよび
下ワークロールの周速度を40m/min で冷間圧延を行
う場合、分割バックアップロール3の最大ヘルツ応力限
界(200 kgf/mm2 )から、圧下率35%、圧延荷重
は約970TON までしか取ることができなかった。本発
明を適用し上ワークロールの周速度を52m/min 、下
ワークロールの周速度を40m/min で冷間圧延を行う
場合、分割バックアップロール3の最大ヘルツ応力限界
(200 kgf/mm2 )から、圧下率45%、圧延荷重は
約970TON まで取ることができた。なお、本発明の実
施例では、上側ロールの周速度が下側ロールの周速度よ
りも早い場合について述べたが、下側ロールの周速度が
上側ロールの周速度よりも早い場合も同等な効果が得ら
れることは云うまでもない。
下ワークロールの周速度を40m/min で冷間圧延を行
う場合、分割バックアップロール3の最大ヘルツ応力限
界(200 kgf/mm2 )から、圧下率35%、圧延荷重
は約970TON までしか取ることができなかった。本発
明を適用し上ワークロールの周速度を52m/min 、下
ワークロールの周速度を40m/min で冷間圧延を行う
場合、分割バックアップロール3の最大ヘルツ応力限界
(200 kgf/mm2 )から、圧下率45%、圧延荷重は
約970TON まで取ることができた。なお、本発明の実
施例では、上側ロールの周速度が下側ロールの周速度よ
りも早い場合について述べたが、下側ロールの周速度が
上側ロールの周速度よりも早い場合も同等な効果が得ら
れることは云うまでもない。
【0021】
【発明の効果】本発明の圧延機を用いると、異周速圧延
により圧延荷重を低減できるため、より高圧下圧延が可
能となり、圧延機の生産性を高めることができる。
により圧延荷重を低減できるため、より高圧下圧延が可
能となり、圧延機の生産性を高めることができる。
【0022】
【表1】
【図1】図1は本発明の方法を適用する圧延機の例の概
略図で(a)は側面図、(b)は上面図である。
略図で(a)は側面図、(b)は上面図である。
【図2】図2は、ロールバイト内の圧力分布と中立点の
位置を説明する概念図で(a−1),(a−2)は上下
のワークロールが同じ周速度の場合の、(a−1)は圧
力分布、(a−2)は中立点の位置を各々示し、(b−
1)、(b−2)は上下ロールが異なる周速度の場合
の、(b−1)は圧力分布、(b−2)は中立点の位置
を示している。
位置を説明する概念図で(a−1),(a−2)は上下
のワークロールが同じ周速度の場合の、(a−1)は圧
力分布、(a−2)は中立点の位置を各々示し、(b−
1)、(b−2)は上下ロールが異なる周速度の場合
の、(b−1)は圧力分布、(b−2)は中立点の位置
を示している。
【図3】図3は圧延荷重および高周速ロール側の圧延ト
ルクにおよぼす周速度比の影響を示す概念図である。
ルクにおよぼす周速度比の影響を示す概念図である。
1…上ワークロール 2…下ワークロール 3…上分割バックアップロール(3分割) 4…上分割バックアップロール(4分割) 5…下バックアップロール 6…金属ストリップ E,F,G,H…中立点
Claims (2)
- 【請求項1】 上下少なくともどちらか一方のロールア
センブリーが、軸方向に3分割以上に分割された分割バ
ックアップロールによってワークロールを支持する機構
であり、各分割バックアップロールには独立した荷重検
出装置と圧下装置とが配置され、かつ前記分割バックア
ップロールが支持するワークロールのロール径(Dwr)
を400mm以下とすると共に、前記分割バックアップロ
ールのロール径(Dbur )と前記分割バックアップロー
ルが支持するワークロール径との比(Dbur /Dwr)を
3以下とする圧延機において、上下ワークロールの周速
度比を、1.1以上として金属ストリップを圧延するこ
とを特徴とする金属ストリップの圧延方法。 - 【請求項2】 上下のワークロールの周速度比を1.1
以上1.3以下とすることを特徴とする請求項1記載の
金属ストリップの圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11483797A JPH10296303A (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 金属ストリップの圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11483797A JPH10296303A (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 金属ストリップの圧延方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10296303A true JPH10296303A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14647948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11483797A Withdrawn JPH10296303A (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 金属ストリップの圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10296303A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008110387A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Nippon Steel Corp | 延性及び耐常温時効性に優れた焼付硬化性冷延鋼鈑の製造方法 |
JP2008110386A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Nippon Steel Corp | 延性及び耐常温時効性に優れた冷延鋼鈑の製造方法 |
JP2013525111A (ja) * | 2010-03-18 | 2013-06-20 | ガンヌン−ウォンジュ ナショナル ユニバーシティ インダストリー アカデミー コーポレイション グループ | 非対称圧延装置、非対称圧延方法及びそれを用いて製造された圧延材 |
CN108555024A (zh) * | 2018-05-23 | 2018-09-21 | 辽宁博镁兴业科技有限公司 | 一种镁合金箔材五辊异径轧机装置及其轧制方法 |
-
1997
- 1997-05-02 JP JP11483797A patent/JPH10296303A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008110387A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Nippon Steel Corp | 延性及び耐常温時効性に優れた焼付硬化性冷延鋼鈑の製造方法 |
JP2008110386A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Nippon Steel Corp | 延性及び耐常温時効性に優れた冷延鋼鈑の製造方法 |
JP2013525111A (ja) * | 2010-03-18 | 2013-06-20 | ガンヌン−ウォンジュ ナショナル ユニバーシティ インダストリー アカデミー コーポレイション グループ | 非対称圧延装置、非対称圧延方法及びそれを用いて製造された圧延材 |
US9421592B2 (en) | 2010-03-18 | 2016-08-23 | Gangneung-Wonju National University Industry Academy Cooperation Group | Asymmetric rolling device, asymmetric rolling method and rolled material manufactured using same |
CN108555024A (zh) * | 2018-05-23 | 2018-09-21 | 辽宁博镁兴业科技有限公司 | 一种镁合金箔材五辊异径轧机装置及其轧制方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040706 |