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JPH10290047A - 窒化物半導体素子 - Google Patents

窒化物半導体素子

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Publication number
JPH10290047A
JPH10290047A JP5123297A JP5123297A JPH10290047A JP H10290047 A JPH10290047 A JP H10290047A JP 5123297 A JP5123297 A JP 5123297A JP 5123297 A JP5123297 A JP 5123297A JP H10290047 A JPH10290047 A JP H10290047A
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JP
Japan
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layer
doped
nitride semiconductor
thickness
grown
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Application number
JP5123297A
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English (en)
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JP3434162B2 (ja
Inventor
Takao Yamada
孝夫 山田
Shinichi Nagahama
慎一 長濱
Kazuyuki Chiyouchiyou
一幸 蝶々
Shuji Nakamura
修二 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Nichia Chemical Industries Ltd filed Critical Nichia Chemical Industries Ltd
Priority to JP05123297A priority Critical patent/JP3434162B2/ja
Publication of JPH10290047A publication Critical patent/JPH10290047A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶性が良く、高出力、高効率の窒化物半導
体よりなる素子を提供し、具体的に低閾値電流で連続発
振するレーザ素子、及び高効率なLED素子を実現す
る。 【構成】 基板上部に、n不純物がドープされていない
か、若しくはn型不純物濃度が小さい窒化物半導体より
なる第1の層を有し、その第1の層上部に、第1の層よ
りもn型不純物濃度が大きい窒化物半導体よりなる第2
の層を有し、その第2の層に負電極が形成されているこ
とにより、結晶性が良く高キャリア濃度の第2の層が形
成できるため、負電極とのオーミック性が良くなり、素
子の効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLED(発光ダイオー
ド)、LD(レーザダイオード)等の発光素子、あるい
は太陽電池、光センサー等の受光素子、あるいはトラン
ジスタ、集積回路等に使用される窒化物半導体(InX
AlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】窒化物半導体は高輝度青色LED、純緑
色LEDの材料として、フルカラーLEDディスプレ
イ、交通信号等で最近実用化されたばかりである。これ
らの各種デバイスに使用されるLEDは、n型窒化物半
導体層とp型窒化物半導体層との間に、単一量子井戸構
造(SQW:Single-Quantum- Well)のInGaNより
なる活性層を有するダブルへテロ構造を有している。青
色、緑色等の波長はInGaN活性層のIn組成比を増
減することで決定されている。
【0003】また、本出願人は、最近この材料を用いて
パルス電流において、室温での410nmのレーザ発振
を発表した(例えば、Jpn.J.Appl.Phys. Vol35 (1996)
L74-76)。このレーザ素子はパルス電流(パルス幅2μ
s、パルス周期2ms)、閾値電流610mA、閾値電
流密度8.7kA/cm2、閾値電圧21Vにおいて41
0nmのレーザ発振を示す。
【0004】例えば、InGaNを活性層とするダブル
へテロ構造のLED素子では、活性層はAlGaNより
なるn型、p型のクラッド層と、GaNよりなるn型、
p型のコンタクト層とで挟まれている(例えば、特開平
8−83929号参照)。n型コンタクト層、n側クラ
ッド層等のn型層には、Si、Ge等のn型不純物がド
ープされ、p側コンタクト層、p側クラッド層等のp型
層には、Mg、Zn等のp型不純物がドープされてい
る。通常このような構造の場合、n電極が形成されるn
型コンタクト層およびp電極が形成されるp側コンタク
ト層のキャリア濃度は、それぞれのコンタクト層が接す
るクラッド層と同一か、若しくは高キャリア濃度とされ
る。つまり基板から順に、高キャリア濃度のn+層、次
に低キャリア濃度のn−層、活性層、低キャリア濃度の
p−層、高キャリア濃度のp+層の順に積層されるのが
通常であった。(ダブルへテロ構造ではないが、例えば
特開平6−151963号、特開平6−151964号
参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】確かに、電極と接触す
るコンタクト層のキャリア濃度が大きくなると、電極材
料との接触抵抗が小さくなって、良好なオーミック性が
得られやすい。電極とコンタクト層とのオーミック性が
良くなると、LEDではVf(順方向電圧)、LDでは
閾値電流が低下しやすくなる。しかしながら、窒化物半
導体は結晶欠陥の多い材料であり、このような材料に高
キャリア濃度を得るために、高濃度にn型不純物、p型
不純物をドープすると、結晶性が悪くなって素子自体の
出力が低下しやすい傾向にある。
【0006】従って本発明はこのような事情を鑑みて成
されたものであって、その目的とするところは、さらに
結晶性が良く、高出力、高効率の窒化物半導体よりなる
素子を提供することにあり、具体的には低閾値電流で連
続発振するレーザ素子、及び高効率なLED素子を実現
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】我々はLD、LED等の
窒化物半導体素子について、まず、基板の上に成長させ
るn型層を改良することにより、前記課題が解決できる
ことを新規に見いだし、本発明を成すに至った。即ち本
発明の窒化物半導体素子は2種類の態様よりなり、その
第1の態様は、基板上部に、n型不純物がドープされて
いない膜厚0.1μm以上の窒化物半導体よりなる第1
の層を有し、その第1の層上部に、n型不純物がドープ
された窒化物半導体よりなる第2の層を有し、その第2
の層に負電極が形成されてなることを特徴とする。
【0008】第2の態様は基板上部に、n型不純物濃度
が小さい膜厚0.1μm以上の窒化物半導体よりなる第
1の層を有し、その第1の層上部に、第1の層よりもn
型不純物濃度が大きい第2の層を有し、その第2の層に
負電極が形成されてなることを特徴とする。なお、請求
項1、2において、基板と第1の層と第2の層とは必ず
しも接して形成されていることを示すものではなく、基
板と第1の層、若しくは第1の層と第2の層との間に、
バッファ層等の他の窒化物半導体層が挿入されていて
も、本発明の範囲内である。
【0009】さらにまた本発明の窒化物半導体素子は、
前記第1の層、及び前記第2の層の内の少なくとも一方
の層は、膜厚100オングストローム以下の互いに組成
が異なる窒化物半導体層が積層された歪み超格子層(以
下、超格子層という。)よりなることを特徴とする。歪
み超格子層を構成する窒化物半導体層の好ましい膜厚は
70オングストローム以下、さらに好ましくは10オン
グストローム以上、40オングストローム以下に調整す
る。窒化物半導体層の膜厚を薄くすることにより、弾性
歪み限界以下の膜厚となるため、窒化物半導体層の結晶
欠陥、クラックが少なくなって結晶性が飛躍的に向上す
ることにより、素子寿命が長くなり、信頼性の高い素子
を実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の窒化物半導体素子
の一構造を示す模式的な断面図であり、具体的にはLE
D素子の構造を示している。基本的な構造としては、例
えばサファイアよりなる基板10の上に、例えばノンド
ープGaNよりなる低温成長バッファ層11、例えばノ
ンドープGaNよりなる低キャリア濃度の第1の層1
2、例えばSiドープGaNよりなる高キャリア濃度の
第2の層13、例えば単一量子井戸構造のInGaNよ
りなる活性層14、例えばMgドープAlGaNよりな
るp側クラッド層15、例えばMgドープGaNよりな
るp側コンタクト層16が順に積層された構造を有して
いる。最上層のp側コンタクト層16のほぼ全面には透
光性の正電極17(以下、正電極をp電極という。)が
形成され、そのp電極17の表面にはボンディング用の
パッド電極18が形成されている。本発明の素子におい
てn電極19は、n型不純物濃度が小さいか、あるいは
n型不純物がドープされていない第1の層12の上に成
長された、n型不純物が多くドープされた、キャリア濃
度の大きい第2の層13の表面に形成される。つまり、
第2の層13が電流注入層としてのn側コンタクト層と
して作用する。
【0011】一方、不純物濃度が小さい第1の層12
は、負電極が形成されるコンタクト層としてではなく、
コンタクト層として作用する第2の層を成長させるため
の基礎層として作用している。従来のように電流注入層
となるn側コンタクト層を数μm以上の膜厚で、高キャ
リア濃度の単一の窒化物半導体層で構成しようとする
と、n型不純物濃度の大きい層を成長させる必要があ
る。不純物濃度の大きい厚膜の層は結晶性が悪くなる傾
向にある。このため結晶性の悪い層の上に、活性層等の
他の窒化物半導体を成長させても、結晶欠陥を他の層が
引き継ぐことになって結晶性の向上が望めない。そこで
本発明では、まずコンタクト層とすべき第2の層を成長
させる前に、不純物濃度が小さい、結晶性の良い第1の
層を成長させることにより、キャリア濃度が大きく結晶
性の良い第2の層を成長させるのである。一般にn型不
純物が含まれていないか、あるいはn型不純物濃度が小
さい第1の層のキャリア濃度は、第2の層よりも小さい
傾向にある。
【0012】本発明において、第1の層、第2の層にド
ープされるn型不純物としては、例えばSi、Ge、S
n、C、Tiのように周期律表第IV族元素を挙げるこ
とができ、その中でもSi、Geは窒化物半導体にドー
プしてキャリア濃度、抵抗率等を調整するのに常用され
る。また窒化物半導体層の場合は半導体層中にできる窒
素空孔のためにノンドープ(不純物をドープしない状
態)でもn型を示す傾向にあるが、結晶性が良くなると
キャリア濃度の小さい高抵抗な層となる可能性もある。
そのため本発明の第1の層の導電型は規定しない。
【0013】第1の層のn型不純物濃度は、第2の層よ
りも小さければ良いが、最も好ましくはn型不純物をド
ープしない状態(以下ノンドープという。)が望まし
い。ノンドープのものが最も結晶性が良い窒化物半導体
が得られるからである。本発明の場合、むしろ第2の層
の不純物濃度の方が重要であり、その範囲は1×1017
/cm3〜1×1021/cm3の範囲、さらに好ましくは、1
×1018/cm3〜1×1019/cm3に調整することが望ま
しい。1×1017/cm3よりも小さいとn電極の材料と
好ましいオーミックが得られにくくなるので、レーザ素
子では閾値電流、電圧の低下が望めず、1×1021/cm
3よりも大きいと、素子自体のリーク電流が多くなった
り、また結晶性も悪くなるため、素子の寿命が短くなる
傾向にある。
【0014】第1の層にn型不純物をドープする場合に
は第2の層よりも不純物量を少なくすることによりキャ
リア濃度の小さい層を形成できる。また、活性化率の小
さい(つまり不純物をドープしてもキャリア濃度があま
り大きくならない)n型不純物をドープしても良い。し
かし、本発明では不純物をドープしないで第1の層を形
成する方が結晶性の良いものが得られるため、好ましく
はノンドープの状態で第1の層を形成することが望まし
い。
【0015】ここで、バッファ層11について説明す
る。バッファ層11は、通常0.1μm未満の膜厚で第
1の層を成長させる前に、第1の層の成長温度よりも低
温で成長される窒化物半導体層である。具体的にはノン
ドープのGaN、AlN、AlGaN層が挙げられる。
この層は第1の層の結晶性を良くするために成長される
層であり、また基板の上にバッファ層を成長させると、
基板と窒化物半導体との格子不整合を緩和する作用があ
る。このバッファ層は通常、多結晶を含む層であるた
め、キャリア濃度を測定することはほとんど不可能であ
るか、仮に測定できたとしても、例えば1×1021/cm
3以上と非常に大きく、移動度が非常に小さい層であ
る。従って、本発明では基板の上、若しくは第1の層を
成長させる前に単一の組成で成長される膜厚0.1μm
未満の低温成長バッファ層は、本発明の第1の層には含
まれない。
【0016】さらに、第1の層、及び第2の層の内の少
なくとも一方の層を、膜厚100オングストローム以下
の互いに組成が異なる窒化物半導体層が積層された歪み
超格子層とすることもできる。超格子層とすると、この
層が超格子構造となって窒化物半導体層の結晶性が飛躍
的に良くなり、閾値電流が低下する。つまり、超格子層
を構成する各窒化物半導体層の膜厚を100オングスト
ローム以下として、弾性歪み限界以下の膜厚としてい
る。このように超格子層を構成する窒化物半導体層の膜
厚を弾性歪み限界以下の膜厚とすると、結晶中に微細な
クラック、結晶欠陥が入りにくくなり、結晶性の良い窒
化物半導体を成長できる。そのため、この超格子層の上
に他の窒化物半導体層を成長させても、超格子層が結晶
性が良いために他の窒化物半導体層の結晶性も良くな
る。従って全体の窒化物半導体に結晶欠陥が少なくなっ
て結晶性が向上するので、閾値電流が低下して、レーザ
素子の寿命が向上する。
【0017】超格子層を構成する窒化物半導体層は互い
に組成が異なる窒化物半導体で構成されていれば良く、
バンドギャップエネルギーが異なっていても、同一でも
かまわない。例えば超格子層を構成する最初の層(A
層)をInXGa1-XN(0≦X≦1)で構成し、次の層
(B層)をAlYGa1-YN(0<Y≦1)で構成する
と、B層のバンドギャップエネルギーが必ずA層よりも
大きくなるが、A層をIn XGa1-XN(0≦X≦1)で
構成し、B層をInZAl1-ZN(0<Z≦1)で構成す
れば、A層とB層とは組成が異なるが、バンドギャップ
エネルギーが同一の場合もあり得る。またA層をAlY
Ga1-YN(0≦Y≦1)で構成し、B層をInZAl1-Z
N(0<Z≦1)で構成すれば、同様に第1の層と第2
の層とは組成が異なるがバンドギャップエネルギーが同
一の場合もあり得る。本発明の超格子層はこのような組
成が異なってバンドギャップエネルギーが同じ構成でも
良い。
【0018】好ましくは超格子層を構成するA層、B層
の窒化物半導体はバンドギャップエネルギーが異なるも
のを積層することが望ましく、超格子層を構成する窒化
物半導体の平均バンドギャップエネルギーを活性層より
も大きくするように調整することが望ましい。好ましく
は一方の層をInXGa1-XN(0≦X≦1)とし、もう
一方の層をAlYGa1-YN(0≦Y≦1、X≠Y=0)で
構成することにより、結晶性のよい超格子層を形成する
ことができる。また、AlGaNは結晶成長中にクラッ
クが入りやすい性質を有している。そこで、超格子層を
構成するA層を膜厚100オングストローム以下のAl
を含まない窒化物半導体層とすると、Alを含む窒化物
半導体よりなるもう一方のB層を成長させる際のバッフ
ァ層として作用し、B層にクラックが入りにくくなる。
そのため超格子層を積層してもクラックのない超格子を
形成できるので、結晶性が良くなり、素子の寿命が向上
する。これもまた一方の層をInXGa1-XN(0≦X≦
1)とし、もう一方の層をAlYGa1-YN(0≦Y≦
1、X≠Y=0)とした場合の利点である。
【0019】超格子層を構成する各窒化物半導体層の膜
厚は100オングストローム以下、さらに好ましくは7
0オングストローム以下、最も好ましくは10オングス
トローム以上、40オングストローム以下の範囲に調整
する。100オングストロームよりも厚いと弾性歪み限
界以上の膜厚となり、膜中に微少なクラック、あるいは
結晶欠陥が入りやすい傾向にある。井戸層、障壁層の膜
厚の下限は特に限定せず1原子層以上であればよいが1
0オングストローム以上に調整することが望ましい。但
し、膜厚の厚い第1の層を超格子層で構成する場合には
70オングストローム以下、膜厚が薄く、n型不純物が
含まれる第2の層を超格子層とする場合には40オング
ストローム以下にすることが望ましい。
【0020】超格子層を構成する窒化物半導体層のバン
ドギャップエネルギーが互いに異なる場合、n型不純物
はバンドギャップエネルギーの大きな方の層に多くドー
プするか、またはバンドギャップエネルギーの小さな方
をノンドープとして、バンドギャップエネルギーの大き
な方にn型不純物をドープする方が、閾値電圧、閾値電
流が低下しやすい傾向にある。
【0021】重要なことに、第2の層よりも第1の層を
厚く成長させ、第1の層は0.1μm以上、さらに好ま
しくは0.5μm以上、最も好ましくは1μm以上、2
0μm以下に調整することが望ましい。第1の層が0.
1μmよりも薄いと、不純物濃度の大きい第2の層を厚
く成長させなければならず、コンタクト層としての第2
の層の結晶性の向上があまり望めない傾向にある。また
20μmよりも厚いと、第1の層自体に結晶欠陥が多く
なりやすい傾向にある。また第1の層を厚く成長させる
利点として、放熱性の向上が挙げられる。つまりレーザ
素子を作製した場合に、第1の層で熱が広がりやすくレ
ーザ素子の寿命が向上する。さらにレーザ光の漏れ光が
第1の層内で広がって、楕円形に近いレーザ光が得やす
くなる。
【0022】一方、第2の層は0.2μm以上、4μm
以下に調整することが望ましい。0.2よりも薄いと、
後で負電極を形成する際に、第2の層を露出させるよう
にエッチングレートを制御するのが難しく、一方、4μ
m以上にすると不純物の影響で結晶性が悪くなる傾向に
ある。これは、第1の層、第2の層を超格子層で構成す
る場合も同様である。超格子層で第1の層、第2の層を
構成する場合には、それぞれの超格子層全体の層の膜厚
を指すことは言うまでもない。第1の層を超格子で20
μm以上積むことは、非常に手間がかかり製造工程上不
向きである。但し、第2の層を超格子層で形成する場合
では4μm以上の膜厚で形成しても良いが、第1の層と
同様に厚膜で成長させると非常に手間が係る。
【0023】
【実施例】以下実施例において本発明を詳説する。図2
は本発明の一実施例のレーザ素子の構造を示す模式的な
断面図であり、レーザ光の共振方向に垂直な方向で素子
を切断した際の構造を示すものである。以下この図面を
元に本発明の素子を説明する。なお、本明細書において
示す一般式InXAlYGa1-X-YNは単に窒化物半導体
の組成比を示すものであって、例えば異なる層が同一の
一般式で示されていても、それらの層のX値、Y値等が一
致しているものではない。
【0024】[実施例1]サファイア(C面)よりなる
基板20を反応容器内にセットし、容器内を水素で十分
置換した後、水素を流しながら、基板の温度を1050
℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行う。基板20
にはサファイアC面の他、R面、A面を主面とするサフ
ァイア、その他、スピネル(MgA124)のような絶
縁性の基板の他、SiC(6H、4H、3Cを含む)、
ZnS、ZnO、GaAs、GaN等の半導体基板を用
いることができる。
【0025】(バッファ層21)続いて、温度を510
℃まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニ
アとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板1上
にGaNよりなるバッファ層2を約200オングストロ
ームの膜厚で成長させる。バッファ層20、AlN、G
aN、AlGaN等が、900℃以下の温度で、0.1
μm未満、好ましくは数十オングストローム〜数百オン
グストロームで形成できる。このバッファ層は基板と窒
化物半導体との格子定数不正を緩和するために形成され
るが、窒化物半導体の成長方法、基板の種類等によって
は省略することも可能である。
【0026】(第1の層22)バッファ層20成長後、
TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させる。
1050℃になったら、同じく原料ガスにTMG、アン
モニアガスを用い、キャリア濃度1×1018/cm3のノ
ンドープGaNよりなる第1の層22を5μmの膜厚で
成長させる。第1の層はInXAlYGa1-X-YN(0≦
X、0≦Y、X+Y≦1)で構成でき、その組成は特に問う
ものではない。
【0027】(第2の層23)続いて、1050℃でT
MG、アンモニア、不純物ガスにシランガスを用い、S
iを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる第
2の層23を1μmの膜厚で成長させる。この第2の層
23のキャリア濃度はドープ量と同じ1×10 19/cm3
であった。特にSiのような活性化率の高いn型不純物
はドープした不純物量とほぼ同じだけのキャリア濃度が
得られるため、以下の説明においてSiがドープされた
n型窒化物半導体はSiのドープ量でもって、キャリア
濃度が示されているものとする。第2の層の組成もIn
XAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成
でき、その組成は特に問うものではなく、第1の層2
2、第2の層23を異なる組成の窒化物半導体で構成し
ても良い。
【0028】(クラック防止層24)次に、温度を80
0℃にして、原料ガスにTMG、TMI(トリメチルイ
ンジウム)、アンモニア、シランガスを用い、Siを1
×1019/cm3ドープしたIn0.1Ga0.9Nよりなるク
ラック防止層24を500オングストロームの膜厚で成
長させる。このクラック防止層10はInを含むn型の
窒化物半導体、好ましくはInGaNで成長させること
により、Alを含む窒化物半導体層中にクラックが入る
のを防止することができる。なおこのクラック防止層は
100オングストローム以上、0.5μm以下の膜厚で
成長させることが好ましい。100オングストロームよ
りも薄いと前記のようにクラック防止として作用しにく
く、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が黒変する傾向
にある。なお、このクラック防止層24は成長方法、成
長装置等の条件によっては省略することもでき、特に第
2の層23を超格子構造とした場合には省略できる。
【0029】(n側クラッド層25)次に温度を105
0℃にして、原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウ
ム)、TMG、NH3、SiH4を用い、Siを1×10
19/cm3ドープしたn型Al0.25Ga0.75Nよりなるn
側クラッド層25を0.5μmの膜厚で成長させる。こ
のn側クラッド層25はキャリア閉じ込め層、及び光閉
じ込め層として作用し、Alを含む窒化物半導体、好ま
しくはAlGaNを成長させることが望ましく、100
オングストローム以上、2μm以下、さらに好ましくは
500オングストローム以上、1μm以下で成長させる
ことにより、結晶性の良いクラッド層が形成できる。
【0030】(n側光ガイド層26)続いて、1050
℃でSiを1×1019/cm3ドープしたn型GaNより
なるn側光ガイド層26を0.2μmの膜厚で成長させ
る。このn側光ガイド層26は、活性層の光ガイド層と
して作用し、GaN、InGaNを成長させることが望
ましく、通常100オングストローム〜5μm、さらに
好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成
長させることが望ましい。このn側の光ガイド層はノン
ドープでも良い。
【0031】(活性層27)次に、原料ガスにTMG、
TMI、アンモニア、シランガスを用いて活性層27を
成長させる。活性層27は温度を800℃に保持して、
まずSiを8×10 18/cm3でドープしたIn0.2Ga0.
8Nよりなる井戸層を25オングストロームの膜厚で成
長させる。次にTMIのモル比を変化させるのみで同一
温度で、Siを8×1018/cm3ドープしたIn0.01G
a0.95Nよりなる障壁層を50オングストロームの膜厚
で成長させる。この操作を2回繰り返し、最後に井戸層
を積層した多重量子井戸構造とする。活性層にドープす
る不純物は本実施例のように井戸層、障壁層両方にドー
プしても良く、いずれか一方にドープしてもよい。なお
n型不純物をドープすると閾値が低下する傾向にある。
【0032】(p側キャップ層28)次に、温度を10
50℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2M
g(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、活性
層よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1
×1020/cm3ドープしたAl0.1Ga0.9Nよりなるp
側キャップ層28を300オングストロームの膜厚で成
長させる。このp側キャップ層28は好ましくはp型と
するが、膜厚が薄いため、n型不純物をドープしてキャ
リアが補償されたi型としても良い。p側キャップ層2
8の膜厚は0.1μm以下、さらに好ましくは500オ
ングストローム以下、最も好ましくは300オングスト
ローム以下に調整する。0.1μmより厚い膜厚で成長
させると、p側キャップ層28中にクラックが入りやす
くなり、結晶性の良い窒化物半導体層が成長しにくいか
らである。またキャリアがこのエネルギーバリアをトン
ネル効果により通過できなくなる。Alの組成比が大き
いAlGaN程薄く形成するとLD素子は発振しやすく
なる。例えば、Y値が0.2以上のAlYGa1-YNであ
れば500オングストローム以下に調整することが望ま
しい。p側キャップ層28の膜厚の下限は特に限定しな
いが、10オングストローム以上の膜厚で形成すること
が望ましい。
【0033】(p側光ガイド層29)続いて、1050
℃で、Mgを1×1020/cm3ドープしたGaNよりな
るp側光ガイド層26を0.2μmの膜厚で成長させ
る。このp側光ガイド層29は、n側光ガイド層26と
同じく、活性層の光ガイド層として作用し、GaN、I
nGaNを成長させることが望ましく、通常100オン
グストローム〜5μm、さらに好ましくは200オング
ストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望まし
い。なおこのp側光ガイド層は、p型不純物をドープし
たが、ノンドープの窒化物半導体で構成することもでき
る。
【0034】(p側クラッド層30)続いて1050℃
で、Mgを1×1020/cm3ドープしたAl0.25Ga0.7
5Nよりなるp側クラッド層30を0.5μmの膜厚で
成長させる。この層はn側クラッド層25と同じく、キ
ャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層として作用し、A
lを含む窒化物半導体、好ましくはAlGaNを成長さ
せることが望ましく、100オングストローム以上、2
μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以
上、1μm以下で成長させると結晶性の良いクラッド層
が成長できる。
【0035】本実施例のように量子構造の井戸層を有す
る活性層を有するダブルへテロ構造の半導体素子の場
合、その活性層27に接して、活性層よりもバンドギャ
ップエネルギーが大きい膜厚0.1μm以下の窒化物半
導体よりなるキャップ層、好ましくはAlを含む窒化物
半導体よりなるp側キャップ層28を設け、そのp側キ
ャップ層28よりも活性層から離れた位置に、p側キャ
ップ層28よりもバンドギャップエネルギーが小さいp
側光ガイド層29を設け、そのp側光ガイド層29より
も活性層から離れた位置に、p側光ガイド層29よりも
バンドギャップが大きい窒化物半導体、好ましくはAl
を含む窒化物半導体よりなるp側クラッド層30を設け
ることは非常に好ましい。しかもp側キャップ層28の
膜厚を0.1μm以下と薄く設定してあるため、キャリ
アのバリアとして作用することはなく、p層から注入さ
れた正孔が、トンネル効果によりキャップ層28を通り
抜けることができて、活性層で効率よく再結合し、LD
の出力が向上する。つまり、注入されたキャリアは、キ
ャップ層28のバンドギャップエネルギーが大きいた
め、半導体素子の温度が上昇しても、あるいは注入電流
密度が増えても、キャリアは活性層をオーバーフローせ
ず、キャップ層28で阻止されるため、キャリアが活性
層に貯まり、効率よく発光することが可能となる。
【0036】(p側コンタクト層31)最後に、p側ク
ラッド層30の上に、1050℃でMgを2×1020
cm3ドープしたGaNよりなるp側コンタクト層31を
150オングストロームの膜厚で成長させる。p側コン
タクト層31はp型のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、
0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくは
MgをドープしたGaNとすれば、p電極32と最も好
ましいオーミック接触が得られる。なお、p側コンタク
ト層と好ましいオーミックが得られるp電極32の材料
としては、例えばNi、Pd、Ag、Ni/Au等を挙
げることができる。さらに、p側コンタクト層31の膜
厚は500オングストローム以下、さらに好ましくは3
00オングストローム以下、最も好ましくは200オン
グストローム以下に調整することが望ましい。なぜな
ら、抵抗率が高いp型窒化物半導体層の膜厚を500オ
ングストローム以下に調整することにより、さらに抵抗
率が低下するため、閾値での電流、電圧が低下する。ま
たp型層から除去される水素が多くなって抵抗率が低下
しやすい傾向にある。さらに、このコンタクト層31を
薄くする効果には、次のようなことがある。例えば、p
型AlGaNよりなるp側クラッド層に、膜厚が500
オングストロームより厚いp型GaNよりなるp側コン
タクト層が接して形成されており、仮にクラッド層とコ
ンタクト層の不純物濃度が同じで、キャリア濃度が同じ
である場合、p側コンタクト層の膜厚を500オングス
トロームよりも薄くすると、クラッド層側のキャリアが
コンタクト層側に移動しやすくなって、p側コンタクト
層のキャリア濃度が高くなる傾向にある。そのためキャ
リア濃度の高いコンタクト層に電極を形成すると良好な
オーミックが得られる。
【0037】反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに
窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700
℃でアニーリングを行い、p型不純物がドープされた層
をさらに低抵抗化する。
【0038】アニーリング後、ウェーハを反応容器から
取り出し、図2に示すように、RIE装置で最上層のp
側コンタクト層31と、p側クラッド層30とをエッチ
ングして、4μmのストライプ幅を有するリッジ形状と
する。特に活性層よりも上にあるAlを含む窒化物半導
体層以上の層をリッジ形状とすることにより、活性層の
発光がリッジ下部に集中して、横モードが単一化しやす
く、閾値が低下しやすい。リッジ形成後、リッジ表面に
マスクを形成し、図2に示すように、ストライプ状のリ
ッジに対して左右対称にして、n電極33を形成すべき
第2の層23の表面を露出させる。n電極33の材料と
してはAl、Ti、W、Cu、Zn、Sn、In等の金
属若しくは合金が好ましいオーミックが得られる。
【0039】次にp側コンタクト層31の表面にNiと
Auよりなるp電極32をストライプ状に形成する。一
方、TiとAlよりなるn電極33をストライプ状の第
2の層23のほぼ全面に形成する。なおほぼ全面とは8
0%以上の面積をいう。このようにp電極32に対して
左右対称に第2の層23を露出させて、その第2の層2
3のほぼ全面にn電極を設けることも、閾値を低下させ
る上で非常に有利である。
【0040】以上のようにして、n電極とp電極とを形
成したウェーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨
剤を用いて、窒化物半導体を形成していない側のサファ
イア基板20をラッピングし、基板の厚さを50μmと
する。ラッピング後、さらに細かい研磨剤で1μmポリ
シングして基板表面を鏡面状とする。
【0041】基板研磨後、研磨面側をスクライブして、
ストライプ状の電極に垂直な方向でバー状に劈開し、劈
開面に共振器を作製する。共振器面にSiO2とTiO2
よりなる誘電体超格子を形成し、最後にp電極32に平
行な方向で、バーを切断してレーザチップとした。次に
チップをフェースアップ(基板とヒートシンクとが対向
した状態)でヒートシンクに設置し、それぞれの電極を
ボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、
室温において、閾値電流密度3.0kA/cm2、閾値電
圧4.5Vで、発振波長405nmの連続発振が確認さ
れ、30時間以上の寿命を示した。
【0042】[実施例2]実施例1において、第2の層
23成長時に、Siを1×1019/cm3ドープしたAl
0.1Ga0.9Nよりなる層を20オングストローム成長さ
せ、続いてSiを同量でドープしたn型GaNよりなる
層を20オングストローム成長させる。そして、この操
作をそれぞれ200回繰り返し、キャリア濃度1×10
19/cm3の総膜厚0.8μmの超格子層よりなる第2の
層23を形成する。
【0043】次に、クラック防止層24を成長させず
に、実施例1と同様にして第2の層23の上に直接n側
クラッド層25を成長させ、後は同様にして図2のレー
ザ素子の構造となるように窒化物半導体を積層する。
【0044】成長後、リッジを形成した後、第2の層2
3の表面をエッチングして露出させる。なお第2の層2
3の表面にはSiドープGaNよりなる井戸層が露出し
た。後は実施例1と同様にして電極を形成してレーザ素
子としたところ、室温において、閾値電流密度2.8k
A/cm2、閾値電圧4.3Vで、発振波長405nmの
連続発振が確認され、40時間以上の寿命を示した。
【0045】[実施例3]実施例2において、第2の層
23成長時に、Siを2×1019/cm3ドープしたAl
0.1Ga0.9Nよりなる層を30オングストローム成長さ
せ、続いてノンドープのGaNよりなる層を30オング
ストローム成長させる。この操作をそれぞれ200回繰
り返し、総膜厚1.2μmの超格子層よりなる第2の層
23を形成する。後は実施例2と同様にレーザ素子を作
製したところ、閾値電流密度2.7kA/cm2、閾値電
圧4.1Vで、発振波長405nmの連続発振が確認さ
れ、50時間以上の寿命を示した。
【0046】このように超格子層を第2の層23とし
て、n電極を形成する層とすると閾値電圧が低下する傾
向にある。これはHEMTに類似した効果が現れたので
はないかと推察される。例えば、n型不純物がドープさ
れたバンドギャップの大きい窒化物半導体層と、バンド
ギャップが小さいノンドープの窒化物半導体層とを積層
した超格子層では、n型不純物を添加した層と、ノンド
ープの層とのヘテロ接合界面で、障壁層側が空乏化し、
バンドギャップの小さい層側の厚さ前後の界面に電子
(二次元電子ガス)が蓄積する。この二次元電子ガスが
バンドギャップの小さい側にできるので、電子が走行す
るときに不純物による散乱を受けないため、超格子の電
子の移動度が高くなり、抵抗率が低下する。従って超格
子を電極形成時のコンタクト層とすると、移動度が大き
くなって素子の電圧が低下すると推察されるが詳しいこ
とは不明である。
【0047】[実施例4]実施例1において、第1の層
22成長時に、ノンドープのn型GaNよりなる井戸層
を40オングストローム、次にノンドープのn型Al0.
1Ga0.9Nよりなる障壁層を60オングストローム成長
させる。この操作をそれぞれ200回繰り返し、平均キ
ャリア濃度5×1017/cm3の総膜厚2μmの超格子層
よりなる第1の層22を形成する。
【0048】次に実施例1と同様にして、Siを1×1
19/cm3ドープしたn型GaNよりなる第2の層23
を1μmの膜厚で成長させ、その上にクラック防止層2
4を成長させ、後は実施例1と同様にしてレーザ素子を
作製したところ、実施例2とほぼ同等の特性を有するレ
ーザ素子が作製できた。
【0049】[実施例5]実施例1において、第1の層
成長時に、Siを1×1018/cm3ドープしたn型Ga
Nとする他は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製し
たところ、同じく室温において、閾値電流密度3.1k
A/cm2、閾値電圧4.6Vで、発振波長405nmの
連続発振が確認され、25時間以上の寿命を示した。
【0050】[実施例6]この実施例は図1のLED素
子を元に説明する。実施例1と同様にしてサファイアよ
りなる基板10の上に、ノンドープGaNよりなるバッ
ファ層11を600℃で成長させた後、バッファ層11
の上にキャリア濃度1×1018/cm3のノンドープn型
GaNよりなる第1の層12を4μm成長させ、次にS
iを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる第
2の層13を1μm成長させる。
【0051】次にIn0.4Ga0.6Nよりなる膜厚30オ
ングストロームの単一量子井戸構造よりなる活性層14
を成長させ、さらに、Mgを5×1019/cm3ドープし
たMgドープp型Al0.2Ga0.9Nよりなるp側クラッ
ド層15を0.5μm成長させ、その上に、Mgを5×
1019/cm3ドープしたMgドープp型GaNよりなる
p側コンタクト層16を0.2μm成長させる。
【0052】成長後、ウェーハを反応容器から取り出し
実施例1と同様にして、アニーリングを行った後、p方
コンタクト層16側からエッチングを行いn電極19を
形成すべき第2の層13の表面を露出させる。最上層の
p側コンタクト層16のほぼ全面に膜厚200オングス
トロームのNi−Auよりなる透光性のp電極17を形
成し、そのp電極17の上にAuよりなるパッド電極1
8を形成する。露出した第2の層の表面にもTi−Al
よりなるn電極19を形成する。
【0053】以上のようにして電極を形成したウェーハ
を350μm角のチップに分離してLED素子としたと
ころ、If20mAにおいて520nmの緑色発光を示
し、Vfは3.1Vであった。これに対し、第1の層
と、第2の層を単一のSiドープGaN(Si:1×1
19/cm3)で構成したLED素子のVfは3.4Vで
あった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
ますノンドープの窒化物半導体よりなる第1の層の上
に、n型不純物をドープした第2の層を形成して、その
第2の層に負電極を形成すると、結晶性が良くキャリア
濃度の高い第2の層が形成できるために、閾値電流、電
圧が低下し、非常の効率の良い素子を実現できる。さら
に本発明の素子をレーザ素子に適用することにより、閾
値電流、閾値電圧が低い、室温で連続発振する短波長の
レーザ素子を得ることができる。このようなレーザ素子
が得られたことにより、CVD、光ファイバー等の光通
信用の光源として、非常に有意義である。さらにまた本
発明は窒化物半導体を用いたLED、受光素子等の他の
光デバイスにも適用可能である。例えばLED素子に本
発明を適用すると、Vf(順方向電圧)が低下した非常
に効率の高いLEDを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るLED素子の構造を
示す模式断面図。
【図2】 本発明の他の実施例に係るレーザ素子の構造
を示す模式断面図。
【符号の説明】
10、20・・・・基板 11、21・・・・バッファ層 12、22・・・・第1の層 13、23・・・・第2の層 14、27・・・・活性層 15、30・・・・p側クラッド層 16、31・・・・p側コンタクト層 17、32・・・・p電極 19、33・・・・n電極
フロントページの続き (72)発明者 中村 修二 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上部に、n型不純物がドープされて
    いない膜厚0.1μm以上の窒化物半導体よりなる第1
    の層を有し、その第1の層上部に、n型不純物がドープ
    された窒化物半導体よりなる第2の層を有し、その第2
    の層に負電極が形成されてなることを特徴とする窒化物
    半導体素子。
  2. 【請求項2】 基板上部に、n型不純物濃度が小さい膜
    厚0.1μm以上の窒化物半導体よりなる第1の層を有
    し、その第1の層上部に、第1の層よりもn型不純物濃
    度が大きい第2の層を有し、その第2の層に負電極が形
    成されてなることを特徴とする窒化物半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の層、及び前記第2の層の内の
    少なくとも一方の層は、膜厚100オングストローム以
    下の互いに組成が異なる窒化物半導体層が積層された歪
    み超格子層よりなることを特徴とする請求項1または2
    に記載の窒化物半導体素子。
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