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JPH10287445A - ポリフェニルアルキルシロキサン添加剤を含有する放射線硬化性光学ガラス繊維被覆組成物 - Google Patents

ポリフェニルアルキルシロキサン添加剤を含有する放射線硬化性光学ガラス繊維被覆組成物

Info

Publication number
JPH10287445A
JPH10287445A JP10084482A JP8448298A JPH10287445A JP H10287445 A JPH10287445 A JP H10287445A JP 10084482 A JP10084482 A JP 10084482A JP 8448298 A JP8448298 A JP 8448298A JP H10287445 A JPH10287445 A JP H10287445A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
coating composition
curable
reactive
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10084482A
Other languages
English (en)
Inventor
Michael Suzamu David
マイケル スザム デビット
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koninklijke DSM NV
Original Assignee
DSM NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DSM NV filed Critical DSM NV
Publication of JPH10287445A publication Critical patent/JPH10287445A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ガラス繊維被覆組成物で、硬化した後、
高湿度条件でガラス表面に対する良好な接着性を維持す
ると共に、ガラス繊維からその被覆を剥取り易くする充
分低い繊維摩擦を有する改良放射線硬化性光学ガラス繊
維被覆組成物を与える。 【解決手段】 予備混合物成分として、重合体主鎖及び
少なくとも一つの放射線硬化性官能基を有する放射線硬
化性オリゴマー、及び非反応性ポリフェニルアルキルシ
ロキサンを含み、然も、硬化後、(a) 約18以下の
繊維引抜き摩擦、(b) 1/2 剥離までの24時間より
長い水浸漬剥離時間、及び(c) 10gの力より大き
な湿潤及び乾燥接着性、の性質の組合せを有する被覆組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非反応性ポリフェ
ニルアルキルシロキサン添加剤を含む改良された放射線
硬化性内部一次光学ガラス繊維被覆組成物、それで被覆
した光学ガラス繊維、及びそれら被覆繊維から製造され
た光学ガラス繊維集合体(assembly)に関する。詳しく
は、本発明は、硬化後、ガラス繊維表面への被覆の接着
性、特に高湿潤条件下での接着性と、良好な光学繊維リ
ボン剥取り性(ribbon strippability)との改良された組
合せを有する内部一次被覆組成物を与える。
【0002】
【従来の技術】放射線硬化性被覆及び他の種類の保護材
料が、光学繊維工業で光学繊維及びケーブルの製造中に
広く用いられている。光学ガラス繊維は、通常、ガラス
繊維を引き上げ塔で製造した直後に少なくとも一つの放
射線硬化性被覆で被覆して、ガラス繊維の初期特性を持
続するようにしている。被覆を繊維に適用した直後、被
覆を放射線(一般に紫外線)に照射して迅速に硬化す
る。工業的には製造速度を速くすることが要求されてお
り、従って、被覆組成物の高速度硬化が必須である。放
射線硬化性マトリックス材料は、更に繊維の個々の糸を
保護し、それら繊維糸を一緒に束ねて光学繊維リボン、
光学繊維ケーブル、及び付随する構造体にすることがで
きる。
【0003】被覆組織体には種々の競合する特性が望ま
れるので、通常光学繊維製造では多層重合体被覆が用い
られている。それらは、典型的には、ガラス繊維に直接
接触し、クッションを与える柔らかい内部一次被覆と、
ガラス繊維のための一層耐久性のある外部を与える丈夫
な外側一次被覆(時々二次被覆とも呼ばれている)を有
する。ケーブル集合体では、多くの繊維の中で特定の光
学繊維を識別し易くするため着色被覆を与えることが望
ましいことが屡々ある。これは当分野で知られている種
々の方法、例えば、外側一次被覆を着色又は上塗りする
ための放射線硬化性インク又は溶媒含有ラッカーを適用
することにより達成することができる。
【0004】放射線硬化性一次被覆の例は、例えば、コ
ーディー(Coady)その他による米国特許第5,336,
563号明細書に記載されている。光学繊維被覆技術の
更に別な特徴については、ノラン(Nolan)その他による
米国特許第5,199,098号;ウルティ(Urruti)そ
の他による米国特許第4,923,915号;キムラ(K
imura)その他による米国特許第4,720,529号;
及びテイラー(Taylor)その他による米国特許第4,47
4,830号明細書に記載されている。
【0005】内部一次被覆は、ガラス繊維にクッション
を与え、微小屈曲に対する耐久性を与えるため、通常内
部一次被覆は低いガラス転移温度(Tg)を有する比較
的柔らかい被覆である。微小屈曲は、被覆光学ガラス繊
維の信号伝達能力の減衰をもたらすことがあり、従って
望ましくない。外側一次被覆は、被覆した繊維をケーブ
ルにする時に遭遇するような取扱い力に対する望ましい
耐久性を与える一層堅い被覆であるのが典型的である。
【0006】光学繊維集合体は、マルチチャンネル送信
のためのモジュール機構を与え、それは個々の光学ガラ
ス繊維を取扱う必要性を無くすことにより、光学ガラス
繊維の製造、設置及び管理を簡単にする。典型的には、
複数の被覆光学ガラス繊維をマトリックス材料中に一緒
に結合し、例えば、リボン状集合体を形成する。例え
ば、マトリックス材料は、光学ガラス繊維をケースに入
れるか、又は光学ガラス繊維を一緒に末端結合するため
に用いることができる。
【0007】集合体中の1本以上の光学繊維を、他の光
学繊維又はコネクターに溶融結合する必要がある場合、
マトリックス層の端部を除去し、個々の光学繊維を分離
する。個々の繊維の内部及び外部一次被覆は、マトリッ
クス材料と共に同時に除去し、光学ガラス繊維の裸の表
面部分を与えることが望ましい。この方法は、典型的に
は「リボン剥取り(ribbon stripping)」として言及され
ている。被覆及びマトリックス材料の物理的特性は、そ
れらマトリックス材料及び一次被覆を繊維集合体から合
着体として除去できるようなものであることが好まし
い。
【0008】リボン剥取りは、2枚の加熱板の間にリボ
ン集合体の末端部分を挟み、加熱軟化したマトリックス
材料及び被覆を次に除去することにより行うのが典型的
である。理想的には、内部一次被覆とガラス繊維表面と
の接着性及び繊維摩擦特性は、被覆材料が容易に除去さ
れ、実質的に残留物のない奇麗な裸の光学ガラス繊維表
面を残すようなものである。
【0009】良好なリボン剥取り性が必要なことは、ア
ンセル(Ansel)その他により、米国特許第4,472,
021号明細書中で認識されており、その特許は特に光
学ガラス繊維に対する放射線硬化被覆の接着性を減少さ
せ、それによって剥取り性を向上するのに用いられる放
射線硬化性被覆組成物に関する。特にこの特許は、炭素
・ケイ素結合によりポリシロキサン鎖中のケイ素原子の
幾つかに結合した複数のヒドロキシ末端基を有する有機
ポリシロキサンを、被覆組成物の約2〜20%含有させ
ることにより、放射線硬化性ポリエチレン有機化合物を
変性することを述べている。ポリシロキサンの残りの非
ヒドロキシル末端置換基はメチルであるのが好ましい
が、それらはエチル又はブチルでもよく、又はフェニル
又はトルイル基でさえも良いことが述べられている。ジ
メチルポリシロキサンポリカルビノールグラフト重合体
であると言われているダウ・コーニング(Dow Corning)
(登録商標名)DC−193は特に好ましい。この特許
で例示されている他の好ましいポリシロキサンは、ダウ
・コーニングからDC−57及びDC−190として販
売されているジメチルポリシロキサンポリカルビノール
グラフト重合体である。
【0010】パーカー(Parker)その他による米国特許第
5,373,578号明細書も光学ガラス繊維のリボン
剥取り性に関し、第6欄43〜47行には、ガラス繊維
への接着性をひどく悪くすることなく、ガラス繊維から
一次被覆を除去し易くするために適当な添加剤を選択す
ることは少なからぬ問題であり、特に両方の性質が必要
で、それら性質が互いに排他的になると思われるので問
題になることが認められている。パーカーその他は、剥
取り性を向上させるのに有効な複数のヒドロキシ末端基
を有する米国特許第4,472,021号明細書に記載
の有機ポリシロキサン添加剤を論じている。しかし、彼
らはこの添加剤を含む被覆は、ガラス繊維への接着性が
低く、特に高湿度に曝すと剥離及びそれに続く水の侵入
を起こすことがあり、それがガラス表面を侵食し、抗張
力を減少させることになることを認めている。パーカー
その他は、その代わりに、1〜20%の非架橋炭化水素
成分を添加して、ガラス繊維への接着性を依然として維
持しながら、剥取り性を改良することを提案している。
【0011】水は光学ガラス繊維に非常に有害な影響を
与えることがあり、繊維を弱くし、その耐疲労性を減少
させることがある。大気からの湿分でもガラス繊維を弱
化し、その最終的破壊を起こすことがある。従って、ガ
ラス繊維は水又は湿分に曝されないように保護しなけれ
ばならず、これが一次被覆の目的の一つでもある。しか
し、この湿分は或る内部一次被覆のガラス表面からの剥
離を起こし、それによってガラス表面を湿分へ露出する
ことがあるが、特に上で述べた米国特許第4,472,
021号に記載されているように、リボンの奇麗な剥取
り性を促進するために内部一次層のガラスへの接着性が
意図的に減少させてある場合にはそのようなことが起き
る。
【0012】湿分が存在する中で光学ガラス繊維の劣化
を防ぐために種々の方法が提案されてきた。例えば、ビ
ショップ(Bishop)その他による米国特許第4,849,
462号明細書は、被覆組成物とガラス繊維表面との接
着性を改良するために、特に湿潤雰囲気に曝した後の接
着性を改良するために、接着促進剤として被覆組成物に
種々の有機官能性シランを配合することを教示してい
る。これらの有機官能性シラン変性組成物は、被覆の乾
燥及び湿潤接着性を改良するが、それらは実質的に繊維
の摩擦性を増大することもあり、それがリボンの剥取り
性に悪い影響を与えている。
【0013】ビショップその他の特許に記載されている
ように、被覆に有機官能性シランを用いることは、光学
ガラス繊維に適用された被覆の湿潤接着性を改良する
が、その有機官能性シランは被覆のガラス強度維持能力
を余り改良しない。従って、米国特許第5,502,1
45号及び第5,595,820号明細書では、改良さ
れた被覆組成物が提案されており、この場合被覆ガラス
繊維の劣化速度が、少なくとも内部一次被覆に加水分解
性アルコキシ置換ポリ(シロキサン)を配合することに
より遅くなるようにしてある。
【0014】しかし、光学繊維被覆の性能に対する要求
は大きくなり続けてきており、毎年一層厳しくなり、被
覆の全性質について一層の改良が要求されている。特に
現在良好なリボン剥取り性を与える被覆組成物が要求さ
れているが、これは特に湿分が存在する中でガラス繊維
表面からの内部一次被覆の剥離を防ぎ、然も、水及び大
気中の湿分でさえもその有害な影響からガラス繊維を保
護すると言う臨界的でこれまで競合する必要性に対しバ
ランスさせなければならない。従って、内部一次被覆が
ガラス繊維表面に充分な接着を与え、湿分透過に対し有
効な障壁を与え、湿潤接着及びガラス強度維持を促進す
ると共に、依然としてリボンを剥取り易くするように低
い繊維摩擦を有することが極めて望ましい。充分な湿潤
接着(剥離回避のため)及び低い繊維摩擦(奇麗なリボ
ン剥取り性を達成するため)との間の適切なバランスを
有する被覆組成物を見出すことは今まで見逃されてき
た。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、適当に硬化
すると、高湿度条件でガラス表面に良好な接着を維持
し、水浸透の有害な影響からガラス繊維を保護すると共
に、リボンを剥取り易くする充分低い繊維摩擦を有する
ことを含む改良された性質の組合せを与える改良放射線
硬化性光学ガラス繊維被覆組成物に対する必要性を満た
すことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この改良された性質の組
合せは、既知の種類の放射線硬化性内部一次被覆組成物
に、それを適用及び硬化する前に、約0.1〜30重量
%の非反応性ポリフェニルアルキルシロキサンを添加す
ることにより達成できることが思いがけなく発見され
た。この非反応性ポリフェニルアルキルシロキサン添加
剤は、有機官能性シラン接着剤促進剤を含む放射線硬化
性ガラス繊維被覆に添加した場合に、特に効果的である
と考えられる。
【0017】本発明は、更に本発明の改良された被覆組
成物を適用し、その場で放射線硬化することにより形成
した内部一次被覆を有する被覆光学ガラス繊維の外、そ
のような被覆光学ガラス繊維の複数からなるリボン集合
体も与える。得られた被覆光学ガラス繊維及びそれから
作られたリボン集合体は、向上したリボン剥取り性を有
し、高湿度条件下での剥離、繊維疲労及び水による他の
有害な影響については、本発明の非反応性ポリフェニル
アルキルシロキサン添加剤を含まない組成物から作られ
た同等の被覆よりも、それらを起こしにくい。
【0018】従って、本発明は、広義には、硬化すると
内部一次光学ガラス繊維被覆を与えるのに用いられる液
体放射線硬化性被覆組成物で、予備混合物成分として、
重合体主鎖及び少なくとも一つの放射線硬化性官能基を
有する放射線硬化性オリゴマー及び非反応性ポリフェニ
ルアルキルシロキサンを含み、硬化後、実施例で詳細に
述べる試験方法に従って試験して、(a) 約18以下
の繊維引抜き摩擦、(b) 1/2 剥離まで24時間より
長い水浸漬剥離時間、及び(c) 10gの力より大き
な湿潤及び乾燥接着性、の性質の組合せを有する被覆組
成物を与える。
【0019】本発明は、更に、内部一次光学ガラス繊維
被覆を形成するための液体放射線硬化性被覆組成物にお
いて、予備混合物成分として、(A) 重合体主鎖及び
少なくとも一つの放射線硬化性官能基を有する放射線硬
化性オリゴマー、(B) 有機官能性シラン接着促進
剤、及び(C) 非反応性ポリフェニルアルキルシロキ
サン、を含み、然も、前記成分が、前記組成物を硬化し
た後、実施例で詳細に述べる試験方法に従って試験し
て、(a) 約18以下の繊維引抜き摩擦、(b) 1/
2 剥離までの24時間より長い水浸漬剥離時間、及び
(c) 10gの力より大きな湿潤及び乾燥接着性、の
性質の組合せを有するのに有効な量で存在している被覆
組成物を与える。
【0020】本発明は、更に、光学繊維を保護するため
の新規な液体放射線硬化性組成物において、予備混合物
成分として、(A) 重合体主鎖及びその重合体主鎖に
結合した少なくとも一つの放射線硬化性官能基を有する
少なくとも一種類の放射線硬化性オリゴマー、(B)
場合により、少なくとも一種類の有機官能性シラン接着
促進剤、及び(C) 有効な量の少なくとも一種類の非
反応性ポリフェニルアルキルシロキサン、(D) 場合
により、少なくとも一種類の反応性希釈剤、及び(E)
場合により、有効な量の少なくとも一種類の光開始
剤、を含む組成物を与える。
【0021】特に、本発明は、光学ガラス繊維を保護す
るための新規な液体放射線硬化性組成物において、予備
混合物成分として、(A) エチレン系不飽和を有する
ヒドロキシ官能性単量体、ポリイソシアネート、及びポ
リオールの反応生成物であるオリゴマー、(B) 少な
くとも一種類の有機官能性シラン接着促進剤、(C)
有効な量の少なくとも一種類の非反応性ポリフェニルア
ルキルシロキサン、(D) 場合により、重合可能なモ
ノ官能性ビニル単量体からなる反応性希釈剤、及び
(E) 場合により、有効な量の重合開始剤、を含む組
成物を与える。
【0022】更に特に本発明は、硬化した時、内部一次
光学ガラス繊維被覆を与えるのに用いられる新規な液体
放射線硬化性組成物において、予備混合物成分として、
(A) 約10重量%〜約90重量%の少なくとも一種
類の放射線硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴ
マーであって、オリゴマー主鎖、少なくとも一つのウレ
タン結合基、及び少なくとも一つの放射線硬化性末端封
鎖基を有するオリゴマー、(B) 少なくとも一種類の
有機官能性シラン接着促進剤、(C) 約0.1重量%
〜約30重量%の少なくとも一種類の非反応性ポリフェ
ニルアルキルシロキサン、(D) 約10重量%〜約9
0重量%の少なくとも一種類の反応性希釈剤、及び
(E) 場合により、有効な量の少なくとも一種類の光
開始剤、を含む組成物を与える。
【0023】本発明は、リボン集合体のような、本発明
の放射線硬化性被覆組成物から形成した内部一次被覆を
有する被覆光学ガラス繊維及び被覆光学ガラス繊維集合
体に拡張することもできる。
【0024】本発明は、予備混合物成分として、(A)
オリゴマー主鎖、少なくとも一つのウレタン結合基、
及び少なくとも一つの放射線硬化性末端封鎖基を有する
少なくとも一種類の放射線硬化性ウレタン(メタ)アク
リレートオリゴマー、約10重量%〜約90重量%、及
び(B) 少なくとも一種類の有機官能性シラン接着促
進剤、を含む液体放射線硬化性被覆組成物を光学ガラス
繊維上に適用し、その場で硬化することにより形成し
た、光学ガラス繊維上の放射線硬化内部一次被覆のリボ
ン剥取り性と湿潤接着性とのバランスを改良する方法に
おいて、適用及び硬化する前に、前記液体被覆組成物
に、(C) 約0.1重量%〜約30重量%の少なくと
も一種類の非反応性ポリフェニルアルキルシロキサン、
を含有させることからなる改良法も与える。
【0025】ここで用いられている用語「予備混合物成
分」とは、組成物の他の成分と混合する前に、できれば
それらと反応又は相互作用する前に、組成物に添加した
指定成分を意味する。
【0026】本発明は、光学繊維のガラス表面に直接内
部一次被覆層を形成するための被覆組成物に関するが、
使用中の被覆光学繊維が少なくとも一つの外側一次(即
ち二次)層を付加的に含む場合も考慮されている。本発
明は、連続的及び同時〔ウエット・オン・ウエット(wet
-on-wet)〕の両方の硬化組織体を含めた種々の光学繊維
被覆技術に対して適用することができる。前者の場合、
内部及び外部一次被覆は、別々の硬化段階で順次に(一
方の後に他方を)適用及び硬化するのに対し、後者では
硬化する前にそれら被覆を夫々続けて被覆し、次に一つ
の硬化段階で同時に硬化する。
【0027】
【発明の実施の形態】光学ガラス繊維上に内部一次被覆
を形成するための放射線硬化性組成物(今後「内部一次
組成物」として言及する)は、現在当分野でよく知られ
ている。本発明で用いるのに適した内部一次組成物は、
下で更に詳細に説明するように、少なくとも一種類の放
射線硬化性オリゴマー、場合により少なくとも一種類の
反応性希釈剤、重合開始剤、及び(又は)有機官能性シ
ラン接着促進剤を含む。放射線硬化性オリゴマーは、重
合体主鎖及びその重合体主鎖に結合した少なくとも一つ
の放射線硬化性官能基を有するのが典型的である。本発
明の有利な性質の組合せは、有効な量の少なくとも一種
類の非反応性ポリフェニルアルキルシロキサンを内部一
次組成物に添加することにより達成される。
【0028】本発明で用いるのに適した非反応性ポリア
ルキルフェニルシロキサンは、式(I):
【0029】
【化3】
【0030】〔式中、各Rは、独立に、(炭素数1〜1
2)アルキル基、フェニル基、又は下で定義する他の非
反応性基を表し、nは2以上であり、但し前記ポリアル
キルフェニルシロキサン成分中のフェニルR基の平均モ
ル%(今後「フェニルモル%」として言及する)は、少
なくとも約10モル%である。〕の一般構造のシロキサ
ン繰り返し単位を有する。フェニルモル%は、好ましく
は少なくとも約20モル%、一層好ましくは約20〜約
60モル%の範囲にある。フェニル基は置換されていて
も、されていなくてもよいが、置換されていないのが好
ましい。各Rは、(炭素数1〜12)アルキル又はフェ
ニル基であるのが好ましい。
【0031】繰り返し単位nの数は、通常2より大きい
整数であるが、ポリアルキルフェニルシロキサン成分が
異なった長さのそのようなシロキサンの混合物である場
合、nはシロキサン繰り返し単位の平均数を表し、従っ
て、整数である必要はない。nは好ましくは約10〜約
100の範囲にあり、一層好ましくは約10〜80の範
囲にある。重合体鎖に沿ったR置換基に関して、各単位
数nは同じでもよく、単位数nは異なっていてもよい。
本発明の非反応性ポリフェニルアルキルシロキサンは、
上で定義した式(I)の限界内に入るブロック共重合体
の形になっていてもよい。
【0032】ここで用いられている用語「非反応性」と
は、本発明で用いるのに適したポリアルキルフェニルシ
ロキサンが、放射線で硬化するか、又は組成物を製造及
び硬化する条件下で被覆組成物の他の成分と反応するか
又は加水分解するR、X、又はY基を全く含まないこと
を意味する。従って、式(II)によって表されるポリシ
ロキサンでは、末端封鎖基X及びYは、独立に、シロキ
サン置換基として適切な基から選択され、それらは非反
応性である:
【0033】
【化4】
【0034】好ましくは、X及びYは独立に、1〜12
個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル、シクロ
アルキル、又はアリール基から選択される。一層好まし
くは、X及びYは、独立に、(炭素数1〜12)アルキ
ル、又はフェニルから選択され、最も好ましくはメチ
ル、エチル、又はプロピルである。
【0035】Rが(炭素数1〜12)アルキルである場
合、それはメチル、エチル、又はプロピルであるのが好
ましいが、メチル側鎖基が好ましい。式(III) の好まし
い構造体では、
【0036】
【化5】
【0037】Meはメチルを表し、各Rは、独立に、フ
ェニル又はメチルを表し、但しフェニルモル%は少なく
とも20モル%であり、X、Y及びnは上で定義した通
りである。
【0038】他の好ましい態様として、ポリメチルフェ
ニルシロキサンは次の式(IV)を有する:
【0039】
【化6】
【0040】Meはメチレンであり、X、Y及びnは上
で与えた通りである。
【0041】(CH3 2 SiOと、50モル%までの
CH3 (C6 5 )SiO、又は(C 6 5 2 SiO
との共重合体を用いてもよく、ダウ・コーニングからD
C550及びDC710シリコーン流体として市販され
ているポリフェニルアルキルシロキサンは、特に本発明
で用いるのに適していることが判明している。
【0042】ポリアルキルフェニルシロキサンは、樹脂
組成物中に、好ましくは約0.1〜約30重量%の量で
存在し、一層好ましくは約0.5重量%〜約10重量%
の範囲、最も好ましくは約2〜6重量%の範囲で存在す
る。
【0043】本発明で用いられる放射線硬化性光学繊維
被覆は、少なくとも一種類の放射線硬化性オリゴマー、
及び場合により少なくとも一種類の反応性希釈剤を含有
する。放射線硬化性オリゴマーは、重合体主鎖及びその
重合体主鎖に結合した少なくとも一つの放射線硬化性官
能基を有する。重合体主鎖は、一つ以上の重合体又は共
重合体を含んでいてもよい。
【0044】重合体主鎖は、一つ以上の重合体又は共重
合体からなっていてもよい。重合体主鎖中に存在するこ
とができる重合体(単数又は複数)及び(又は)共重合
体(単数又は複数)の種類及び分子量は、特定の用途に
依存する。本明細書の記載に基づき、当業者はTg及び
モジュラスのような放射線硬化樹脂の希望の性質を与え
るように、用いる重合体(単数又は複数)又は共重合体
(単数又は複数)の種類及び分子量を選択することがで
きるであろう。
【0045】重合体及び共重合体の適当な例には、ポリ
エーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレ
フィン、ポリウレタン、及びそれらの共重合体が含まれ
るが、それらに限定されるものではない。好ましくは、
ポリエーテル、又はポリエーテルと、上に列挙した他の
重合体の少なくとも一種類との共重合体を、放射線硬化
性オリゴマーの重合体主鎖として用いる。
【0046】オリゴマーは、少なくとも一つの放射線硬
化性官能基を有する。オリゴマー成分の少なくとも或る
ものは少なくとも二つの放射線硬化性基を有し、オリゴ
マー成分中の一つのオリゴマー当たりの放射線硬化性基
の平均数は、好ましくは少なくとも約1.8であり、一
層好ましくは少なくとも約2になるようにする。
【0047】用いられる放射線硬化性官能基は、化学線
(actinic radiation) に露出した時、重合することがで
きるどのような官能基でもよい。適当なそのような基は
現在よく知られており、当業者の技術範囲内に入る。
【0048】一般に用いられる放射線硬化性官能基は、
ラジカル重合又はカチオン重合によって重合することが
できるエチレン系不飽和を有する。適当なエチレン系不
飽和の特別な例は、アクリレート、メタクリレート、ス
チレン、ビニルエーテル、ビニルエステル、N−置換ア
クリルアミド、N−ビニルアミド、マレエートエステ
ル、及びフマレートエステルを含む基である。エチレン
系不飽和は、アクリレート、メタクリレート、又はスチ
レン官能性を含む基によって与えられるのが好ましい。
【0049】一般に用いられる別の種類の放射線硬化性
官能基は、例えば、エポキシ基、又はチオール−エン、
又はアミン−エン系によって与えられる。エポキシ基は
カチオン重合により重合することができるのに対し、チ
オール−エン及びアミン−エン系は、通常ラジカル重合
により重合される。エポキシ基は、例えば単独重合する
ことができる。チオール−エン及びアミン−エン系で
は、例えば重合はアリル不飽和を含む基と、第三級アミ
ン又はチオールを含む基との間で行うことができる。
【0050】選択された種類の放射線硬化性オリゴマー
は、約−20℃より低く、好ましくは約−27℃より低
いTgを有する硬化内部一次被覆を与えるべきである。
一般に、放射線硬化性オリゴマーの分子量が大きくなる
程、硬化内部一次被覆のTgは低くなる。なぜなら、架
橋密度が、分子量が増大するに従って低下するからであ
る。適当な理論的数平均分子量は、約1000〜約1
0,000、好ましくは約1000〜約8000である
ことが判明している。理論的数平均分子量は、用いた反
応物、反応条件、及び反応化学量論性から、形成された
理想的オリゴマー構造体の数平均分子量を計算すること
により決定する。
【0051】本発明の利点は、非反応性ポリフェニルア
ルキルシロキサンを極めて多種類の放射線硬化性内部一
次被覆組成物に添加することにより得ることができると
考えられる。しかし、本発明は、場合により少なくとも
一種類の反応性希釈剤及び(又は)有機官能性シラン接
着促進剤を含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマ
ーに基づくそのような被覆に特に適用することができる
と考えられる。
【0052】ウレタンアクリレートオリゴマーは、ウレ
タンメタクリレートオリゴマーより好ましい。それら
は、ポリオール(オリゴマー主鎖を形成する)、ポリイ
ソシアネート(オリゴマー主鎖と末端封鎖基とを結合す
る)、及び末端封鎖放射線硬化性アクリレート基(放射
線に露出することにより重合する)の反応生成物にする
ことができる。内部一次被覆のためのオリゴマー合成
は、例えば、コーディー(Coady)その他による米国特許
第5,336,563号明細書(その完全な記載は参考
のためここに入れてある)に記載されている方法により
行うことができる。合成条件は、通常オリゴマーが平均
して約1〜2のポリオール主鎖単位、好ましくはオリゴ
マー分子一つ当たり約一つのポリオール単位を有するよ
うに調節する。当分野で知られている従来のオリゴマー
合成法を用いることができる。
【0053】米国特許第5,336,563号明細書に
記載されている合成法は、外部一次(二次)被覆マトリ
ックス材料、及び本発明の改良された内部一次被覆と一
緒に用いることができる他の保護材料のためのオリゴマ
ーを製造するのに用いることもできる。そのような被覆
は、例えば、ビショップその他による米国特許第4,5
22,465号及び第4,514,037号明細書(そ
の完全な記載は参考のためここに入れてある)に記載さ
れている。
【0054】オリゴマーは、全組成物の約10重量%〜
約90重量%、好ましくは約40重量%〜約80重量
%、一層好ましくは約45重量%〜約70重量%の量で
存在させることができる。当業者は、最終要件を考慮し
てオリゴマー量を調節することができる。例えば、オリ
ゴマーの使用量を多くすれば、硬化速度が増大する傾向
がある。
【0055】ウレタンアクリレートオリゴマーは、例え
ば、ポリエーテル、ポリエステル(ポリカプロラクトン
を含む)、ポリカーボネート、炭化水素(飽和及び不飽
和)、及びシリコーン単位の主鎖を有するオリゴマーに
することができる。ポリカーボネート−及びポリエーテ
ル−系オリゴマー、及びそれらの混合物も好ましい。オ
リゴマーは、ブロック共重合体及びランダム共重合体構
造体を含んでいてもよい。
【0056】オリゴマーは、オリゴマー主鎖として働く
少なくとも一種類のポリオールオリゴマー化合物、好ま
しくはジオールを用いて合成することができる。主鎖を
形成するオリゴマーには、アミン官能基(単数又は複
数)が存在していてもよい。主鎖ヒドロキシル基は、オ
リゴマー合成中、ポリイソシアネートと反応すると、ウ
レタン結合を生ずるのに対し、アミン基は、ポリイソシ
アネートと反応すると、尿素結合を生ずる。尿素結合は
改良された接着性及び一層大きな堅さを与えることがで
きる。従って、ウレタン結合と尿素結合との相対的量
は、オリゴマー及び全被覆組成物の性質を調節するのに
用いることができる。
【0057】内部一次被覆についての一つの態様とし
て、オリゴマーはブロック共重合体オリゴマーであり、
ポリエーテル及びポリカーボネートの両方の主鎖を有す
る。各主鎖ブロックは、例えば、約750〜3,000
g/モルの分子量を有することができる。別の態様とし
て、オリゴマーは、他の成分の中で、ポリヘキシルカー
ボネートとポリプロピレングリコールとの混合物から製
造されたブロック共重合体である。更に別の態様とし
て、テトラヒドロフランとメチルテトラヒドロフランと
の共重合に基づき、共重合体ポリエーテルが用いられ
る。
【0058】ウレタンアクリレートオリゴマーは、更
に、ポリイソシアネート結合基化合物を使用して形成す
ることができる少なくとも一つのウレタン結合基を有す
る。ポリイソシアネート結合基化合物は光学繊維被覆の
分野でよく知られており、その選択は特に限定されてい
るものではない。オリゴマー合成中、ポリイソシアネー
ト結合基化合物はポリオール主鎖化合物をそれ自身、又
は他の種類のポリオール主鎖化合物、又は放射線硬化性
末端基化合物に結合することができる。ポリイソシアネ
ート結合基化合物はジイソシアネート化合物であるのが
好ましいが、例えば、トリイソシアネートのような一層
高次のイソシアネートを用いることもできる。
【0059】ポリイソシアネートも脂肪族であるのが好
ましいが、或る芳香族ポリイソシアネートを含有させる
こともできる。芳香族イソシアネート化合物は、被覆の
望ましくない黄色化を伴うことがあるが、少量であれば
芳香族基を、与えられた組成物に許容することができ
る。
【0060】或る場合には、重合体イソシアネートが有
用になることがある。しかし、ポリイソシアネート化合
物は、例えば、4〜20個の炭素原子を持つのが好まし
い。ポリイソシアネートの分子量は約1,000g/モ
ルより小さくてもよいが、好ましくは約500g/モル
より小さい。
【0061】ジイソシアネートの例には、ジフェニルメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチレンジ
シクロヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、4−クロロ−1,3−フェニレンジ
イソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネ
ート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−
テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソ
シアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシレンジイソシアネート、及びポリ
アルキルオキシド及びポリエステルグリコールジイソシ
アネート、例えば、夫々、TDIを末端とするポリテト
ラメチレンエーテルグリコール、及びTDIを末端とす
るポリエチレンアジペートが含まれる。
【0062】トルエンジイソシアネートは、安価な芳香
族結合基化合物の好ましい例である。イソホロンジイソ
シアネートは、好ましい脂肪族結合基化合物である。
【0063】ウレタン結合は、例えば、ジラウリン酸ジ
ブチルスズ又はジアザビシクロオクタン結晶のような、
当分野で知られている慣用的ウレタン化触媒を用いて発
生させることができる。
【0064】オリゴマーは、更に少なくとも一つの放射
線硬化性末端封鎖基(end-capping group) を有する。末
端封鎖とは、オリゴマーがその分子鎖端に放射線硬化す
ることができる末端点を有することを意味する。オリゴ
マーは、放射線硬化する二つの末端封鎖基を有するのが
好ましい。これらの末端基を形成するのに用いられる化
合物の選択は、特に限定されるものではなく、それら化
合物は当分野でよく知られている。
【0065】一般に、末端封鎖基は、例えば、500g
/モルより小さく、好ましくは約300g/モルより小
さな比較的小さな分子量の少なくとも一種類のモノエチ
レン系不飽和化合物から形成する。メタクリレート及び
アクリレート化合物は、末端封鎖基を形成するのに好ま
しく、アクリレート化合物は特に好ましい。ヒドロキシ
アルキルアクリレート化合物が好ましく、ヒドロキシエ
チルアクリレートは特に好ましい化合物である。他の好
ましい例には、ヒドロキシプロピルアクリレート及びヒ
ドロキシブチルアクリレートが含まれる。末端封鎖化合
物は、米国特許第5,366,563号明細書に更に論
じられている。
【0066】反応性希釈剤は光学繊維被覆の分野でよく
知られており、その選択は特に限定する必要はない。多
くの場合、希釈剤化合物の混合物を最適性質を得るため
に必要とする。適当な希釈剤には、特に(メタ)アクリ
レート化合物が含まれるが、アクリレート化合物が好ま
しい。
【0067】希釈剤はオリゴマーの粘度を減少させる働
きをし、最終被覆の性質、例えば、屈折率及び極性(湿
分吸収性)のような性質を調節する働きをする。それら
は組成物の機械的性質及び架橋密度を調節する働きも
し、組成物が何に最も適しているか、例えば、内部一次
被覆、外側一次被覆、単一被覆、又はマトリックス材料
として適しているかどうかを決定する働きをする。フェ
ノキシエチルアクリレート又はエトキシル化ノニルフェ
ノールアクリレートのような芳香族希釈剤は、材料の屈
折率を上昇させる傾向がある。ラウリルアクリレートの
ような脂肪族希釈剤は、疎水性を与え、長鎖アルキル基
を有する希釈剤も組成物を軟化する傾向がある。N−ビ
ニルピロリドンのような極性希釈剤は、水素結合により
室温での機械的性質を改良することができる。トリメチ
ロールプロパントリアクリレートのような多官能性希釈
剤は、硬化速度及び架橋密度を増大することができる。
水は一般に繊維に対し有害な影響を与えるので、水吸収
性を減少するのに役立つ非極性希釈剤を用いて配合物を
調節することができる。反応性希釈剤中に存在している
官能基は、放射線硬化性オリゴマーに存在している放射
線硬化性官能基と共重合することができる。
【0068】希釈剤化合物の分子量は特に限定する必要
はないが、一般に約1,000g/モルより低い。しか
し、オリゴマー希釈剤は、アルコキシル化アルキルフェ
ノールアクリレート希釈剤中のエチレンオキシ又はプロ
ピレンオキシのような繰り返しエテン系基の如き或るオ
リゴマー特性をそれ自身持っていてもよい。
【0069】希釈剤の合計量は特に限定する必要はない
が、特定の用途に対し本発明の利点を達成するのに有効
なように当業者によって選択されるであろう。例えば、
希釈剤の合計量は、約10重量%〜約90重量%、好ま
しくは約20重量%〜約60重量%、一層好ましくは約
25重量%〜約50重量%である。
【0070】反応性希釈剤は、例えば、アクリレート官
能性及びC4 〜C20アルキル又はポリエーテル部分を有
する慣用的単量体又は単量体混合物であることができ
る。適当な反応性希釈剤の特別な例には、ヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボロ
ニルアクリレート、デシル−アクリレート、ラウリルア
クリレート、ステアリルアクリレート、2−エトキシエ
トキシ−エチルアクリレート、ラウリルビニルエーテ
ル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、N−ビニルホ
ルムアミド、イソデシルアクリレート、イソオクチルア
クリレート、ビニル−カプロラクタム、N−ビニルピロ
リドン、等が含まれる。
【0071】用いることができる他の種類の反応性希釈
剤は芳香族基を有する化合物である。芳香族基を有する
反応性希釈剤の特別な例には、エチレングリコールフェ
ニルエーテル−アクリレート、ポリエチレングリコール
フェニルエーテルアクリレート、ポリプロピレングリコ
ールフェニルエーテル−アクリレート、及び上記単量体
のアルキル置換フェニル誘導体、例えば、ポリエチレン
グリコールノニルフェニルエーテルアクリレートが含ま
れる。
【0072】反応性希釈剤は、重合することができる二
つ以上の官能基を有する希釈剤からなっていてもよい。
そのような単量体の例には、SR349A単量体として
市販され、サートマー(Sartomer)により供給されている
エトキシル化ビスフェノール−A−ジアクリレート、C
2 〜C18炭化水素−ジオールジアクリレート、C3 〜C
18炭化水素トリアクリレート、それらのポリエーテル類
似物等、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキ
サンジオールジビニルエーテル、トリエチレン−グリコ
ールジアクリレート、ペンタエリトリトール−トリアク
リレート、及びトリプロピレングリコールジアクリレー
トが含まれる。
【0073】一次被覆のための好ましい希釈剤は、前記
米国特許第5,336,563号明細書に記載されてい
るアルキル及び芳香族アクリレート希釈剤である。本発
明で特に好ましい希釈剤系は、イソデシルアクリレート
と、エトキシル化ノニルフェノールアクリレートとの混
合物である。他の好ましい例には、V.V.クロンガウ
ズ(Krongauz)及びA.J.トルトレロ(Tortorello)によ
るJ. Appl. Polym. Sci., 57 (1995) 1627-1636 に列挙
されているものが含まれる。
【0074】オリゴマーを希釈剤で希釈した後、未硬化
組成物の粘度は、周囲温度で約12,000cpsより
小さいが、約2,000cpsより大きいのが好まし
く、約3,000〜約8,000cpsであるのが好ま
しい。粘度は、長い貯蔵寿命が得られるように長い時間
に亙って安定であるのが好ましい。光学繊維被覆中の多
くの添加剤は貯蔵寿命を減少することがあり、貯蔵寿命
を悪くしないように選択するのが好ましい。当業者は粘
度を特定の適用技術に合うようにすることができる。
【0075】本発明のポリフェニルアルキルシロキサン
添加剤は、アクリレート、アミノ、又はメルカプト官能
性シランのような有機官能性シラン接着促進剤を含む被
覆組成物にとって特に有利である。使用量は、一次被覆
の接着性を増大し、湿分に露出しても接着性を維持でき
るようにするためには、30重量%までにすることがで
きるが、好ましくは約0.1〜5重量%、一層好ましく
は約0.3〜3重量%の範囲にある。光学繊維被覆に適
した種類の接着促進剤は、例えば、米国特許第4,84
9,462号及び第5,146,531号明細書に記載
されている。メルカプトプロピルトリメトキシシランを
使用するのが好ましい。
【0076】UV硬化を用いて迅速に光学繊維を製造す
るには、光開始剤を被覆組成物中に存在させる必要があ
る。しかし、電子ビーム硬化を用いる場合には、光開始
剤の使用は任意である。光開始剤は光学繊維被覆の硬化
速度を増大することが当分野でよく知られており、光開
始剤の適当な種類及び量の選択は、当業者の技術範囲内
に入る。慣用的光開始剤を用いることができ、光開始剤
の混合物が屡々最適量の表面及び全体的硬化を与えるこ
とができる。光開始剤の全使用量は、例えば、約0.1
重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約
5重量%にすることができる
【0077】当分野で知られているように、光開始剤は
黄色化を起こさない種類のものであるのが好ましい。適
当な光開始剤の例には、ヒドロキシメチルフェニルプロ
パン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、2−メチル
−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホ
リノ−プロパン−1,1−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、1−(4−ドデシル−フェニル)−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロパン−1−オン、ジエトキシフェニル
アセトフェノン、等が含まれる。ベンゾイルジアリール
ホスフィンオキシド光開始剤のようなホスフィンオキシ
ド型光開始剤〔例えば、BASFによるルセリン(Lucer
in)TPO〕が広く使われてきており、特に顔料が材料
中に存在する場合に使われている。光開始剤の混合物を
用いることもできる。例えば、米国特許第5,146,
531号明細書に論じられいるような非黄色化光開始剤
を用いることができる。一次被覆のための好ましい光開
始剤は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−
1−プロパン及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオ
キシド、又はそれらの混合物である。
【0078】放射線硬化性被覆組成物への他の一般的添
加剤には、立体障害フェノール又は立体障害アミン光安
定化剤のような熱的酸化防止剤が含まれる。好ましい種
類の熱的酸化防止剤は、チオジエチレンシンナメート誘
導体、チバ・ガイギー社から入手することができるイル
ガノックス(Irganox)1305である。熱的酸化防止剤
は、例えば、約0.1重量%〜1重量%の量で存在させ
ることができる。
【0079】用いることができる他の添加剤には、貯蔵
安定化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BH
T)、円滑剤及び摩擦調節剤、顔料、光官能性及び光吸
収性化合物、触媒、開始剤、潤滑剤、湿潤剤、及びレベ
リング剤が含まれる。
【0080】例1〜4及び比較例A及びB ウレタンアクリレートオリゴマーの合成 H−I−(PTGL2000−I)2 −Hとして指定さ
れているウレタンアクリレートオリゴマーを、次の成分
から記載の割合で製造した: 成分 部 イソホロンジイソシアネート(IPDI) 10.351 ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT) 0.090 ジラウリン酸ジブチルスズ 0.060 2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA) 3.600 PTG−L2000(テトラメチレングリコールと メチルテトラメチレングリコールとの共重合体) 62.882 SR−504A(エトキシル化ノニルフェノールアクリレート)23.018
【0081】イソホロンジイソシアネート(IPDI)
を、空気パージ及び冷却手段を具えた撹拌反応容器へ導
入し、それにブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及
びジラウリン酸ジブチルスズを撹拌しながら添加した。
次に2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)
を一定の速度で軽量しながら反応器へ導入し、同時に4
0℃を越えないように反応器に冷却を加え、然る後、得
られた混合物を40℃で60分間保持した。PTG−L
2000共重合体を、次に70〜80℃の温度を維持す
るように冷却しながら30分間に亙って反応器へ撹拌し
ながら導入し、60分間保持した。次にSR−504A
(エトキシ化ノニルフェノールアクリレート)を反応器
へ導入し、最終オリゴマーを30分間保持した。
【0082】被覆組成物の製造及び試験 本発明に従って四つの被覆組成物を作り(例1〜4)、
二つの比較被覆組成物を従来の方法に従って作り、一つ
はポリシロキサンを添加せず(比較例A)、もう一つは
従来法で用いられているエトキシル化ジメチルシロキサ
ンを添加した(比較例B)。各被覆をガラス基体に適用
し、種々の性質について試験した。それらについて表1
に報告し、下で更に説明する。
【0083】比較例A 上で製造したH−I−(PTGL2000−I)2 −H
オリゴマーを、表1に示した成分と、比較例Aとして記
載した割合で混合した。エトキシル化ノニルフェノール
アクリレートは反応性希釈剤として使用し、ジフェニル
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキ
シドは光開始剤として用い、γメルカプトピロプルトリ
メトキシシランは有機官能性シランとして用い、チオジ
エチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シヒドロシンナメート)を熱的酸化防止剤として用い
た。
【0084】比較例B 比較例Aの組成物98部に、ダウ・コーニング液体エト
キシル化ジメチルシロキサンDC193を2.00部添
加した。DC193は上で述べた米国特許第4,47
2,021号明細書の好ましいポリシロキサンであり、
それはジメチルポリシロキサンポリカルビノールグラフ
ト重合体として同定されていた。このポリシロキサン
は、光学ガラス繊維に適用した放射線硬化被覆の接着性
を低下し、それによって剥取り性を向上させるために、
その特許の放射線硬化性被覆組成物に添加した。
【0085】例1 比較例Aの組成物98部に、DC550として指定され
たダウ・コーニング液体ポリフェニルメチルシロキサン
を2.00部添加した。
【0086】例2 比較例Aの組成物98部に、DC710として指定され
たダウ・コーニング液体ポリフェニルメチルシロキサン
を2.00部添加した。
【0087】例3 比較例Aの組成物96部に、DC550として指定され
たダウ・コーニング液体ポリフェニルメチルシロキサン
を4.00部添加した。
【0088】例4 比較例Aの組成物94部に、DC550として指定され
たダウ・コーニング液体ポリフェニルメチルシロキサン
を6.00部添加した。
【0089】試験方法 例1〜4(本発明による)及び比較例A及びBの被覆組
成物の各々をガラス基体に適用し、硬化し、次の試験方
法に従い、繊維摩擦、亀裂伝播性、水剥離性、乾燥接着
性、及び湿潤接着性について試験した。
【0090】繊維摩擦 内部一次被覆の繊維引抜き摩擦は、内部一次被覆と裸の
光学ガラス繊維との間の繊維摩擦を評価したものであ
る。一般に、内部一次被覆の繊維引抜き摩擦が小さい
程、光学ガラス繊維と内部一次被覆との間の繊維摩擦が
小さく、抵抗力が小さく、光学ガラス繊維から内部一次
被覆を一層滑らかに除去し易くなる。また、繊維摩擦が
小さい程、リボン剥取りを行うために内部一次被覆に適
用される力は小さくてすむようになる。内部一次被覆に
適用される力が小さい程、内部一次被覆の一体性が壊れ
る機会は小さくなり、それによって光学ガラス繊維の表
面に内部一次被覆の残りの部分を残すことができる。
【0091】繊維引抜き摩擦試験は次のようにして行う
ことができる。試料は裸の奇麗な光学繊維からなり、そ
の一端を、試験すべき硬化内部一次被覆のシート中に埋
める。この集合体をレオメトリックス(Rheometrics)R
SA−IIレオメーターのような適用な装置中に取付
け、温度を代表的リボン剥取り温度(例えば、90℃)
に上昇し、0.1mm/秒の速度でシートから繊維をゆ
っくり引き抜く。装置は力対距離を記録し、プロットす
る。プロットは、負の勾配の曲線領域を示すのが典型的
であり、それは繊維を引き抜いて行くに従って繊維と被
覆との間の接触面積が減少して行く結果得られるもので
ある。勾配を測定し、試験の結果とする。傾きの値が小
さいことは繊維引抜き摩擦が小さいことに対応し、大き
い値は大きな摩擦に対応する。三つの試験試料について
行い、それらの平均値を試験の最終的結果として用い
た。
【0092】亀裂伝播 亀裂伝播試験は、内部一次被覆の凝集強度を測定するも
のである。内部一次被覆の凝集強度が大きい程、内部一
次被覆を切り離すのに必要なエネルギー量が大きくな
る。従って、大きな凝集強度を有する内部一次被覆は、
小さい凝集強度を持つ内部一次被覆よりも、破壊分離を
起こさず且つ光学ガラス繊維の表面に残りの部分を残さ
ず、リボン剥取り中に一層大きな剥取り力に耐えること
ができる。
【0093】亀裂伝播は次のようにして測定することが
できる。最初に内部一次組成物から0.075mmの厚
さのフイルムを引いて作る。次にそのフイルムを、窒素
雰囲気中、ヒュージョン(Fusion)Dランプからの1.0
J/cm2 のUVに曝すことにより硬化する。長さ35
mm、幅12mm、及び厚さ0.075mmの大きさの
三つの試験帯を切り取る。各帯の横に2.5mmの長さ
の切りを入れた。帯をRSA−IIレオメーターに取付
け、温度を90℃(代表的リボン剥取り温度)へ持って
行き、0.1mm/秒の一定延伸速度を試験帯へ適用す
る。凝集強度の測定は、試験帯の幅を横切って亀裂が伝
播する前の長さの増大ΔLである。ゲージ長さは23.
2mmで一定である。報告された値は、現在三つの測定
値の平均値である。
【0094】水剥離 水吸収剥離試験は、大きな湿度条件下での剥離に対する
被覆の抵抗性を測定するものである。各内部一次被覆組
成物から引いて、顕微鏡スライド上にその内部一次被覆
組成物の3.0ミルのフイルムを作り、次に窒素雰囲気
中でヒュージョン(Fusion)Dランプ、120W/cm、
からの1.0J/cm2 のUVに曝すことにより硬化し
た。次に、硬化した3.0ミル内部一次フイルムの上に
外側一次被覆組成物を引いて3.0ミルのフイルムを形
成することにより、夫々外側一次被覆を作り、それを内
部一次被覆と同じやり方で硬化した。
【0095】脱イオン水を500mlのビーカー中に入
れ、被覆した顕微鏡スライドをその水の中に浸漬した。
次に被覆スライドの入ったビーカーを60℃の温水浴の
中に入れた。最初の1時間の間15分毎に剥離について
観察し、然る後、1時間毎に8時間まで、然る後、24
時間間隔で剥離が観察されるまで、剥離について観察し
た。記録した時間は、ガラス基体から被覆の1/2 が剥離
したことが決定された時間である。剥離は一般に試料の
露出した端から出発し、内部へ伝播する。被覆した繊維
は露出した端を持たないので、試料被覆の1/2 が剥離す
るようになる相対的時間を比較することが、ガラス繊維
に起きる相対的剥離速度の一層正確な概算になると考え
られる。例えば、報告された1/2 剥離が24時間より長
い所にある各試料については、1/2 剥離は24〜48時
間の間の或る時点で起きている。試験は72時間後に止
めたので、1/2 剥離が72時間よりも長いとして報告さ
れた試料は、試験が終わった時その剥離程度には達して
いなかったものである。
【0096】乾燥接着及び湿潤接着 50%相対湿度(乾燥接着)及び95%相対湿度(湿式
接着)でのガラス板に対する硬化試料の接着性を、万能
試験装置、インストロン型TTDを用いて試験した。荷
重セルは、10ポンドの容量を持っていた。
【0097】20×20cmの研磨したガラス板〔アレ
ッチ・アソシエーツ(Alletch Associates)カタログ番号
26080〕を用いた。試験材料をガラス板に適用し、
UVプロセッサーを用いて硬化した。硬化したフイルム
の厚さは約75μであった。
【0098】硬化フイルムは、試験する前、約23℃で
50%の相対湿度で7日間維持した。それら板をその環
境の室から取り出す前に、フイルムの表面にスラリー
(微粉砕ポリエチレン及び水)の層を適用し、湿分を維
持した。
【0099】幅約1in、長さ約5inの試験片を、硬
化フイルムを引いて作った時の引張り方向と平行に切断
した。タルクの薄い層を各引張りフイルムの第一及び第
三帯に適用し、接着試験中のブロッキングを少なくし
た。
【0100】試験する前に装置の補正を行なった。クロ
スヘッドの速度を10.00in/分に設定した。各材
料についてガラス板から四つの試験片を除去するのに必
要な力を測定し、帯状チャート記録機で記録した。報告
した値は、g単位で測定した力の四つの値の平均値であ
る。
【0101】次にガラス板上に残っている試験片を約2
3℃で95%の相対湿度でその環境室内に更に1日保持
した。その環境室から板を取り出す前に、スラリー(微
粉砕ポリエチレン及び水)の層をフイルムの表面に適用
し、湿分を維持した。各材料について、ガラス板から4
枚の試験片を除去するための力を上述のようにして測定
した。
【0102】試験結果の考察 表1の比較例Aと比較例Bとを比較することにより、2
%のエトキシル化ジメチルシロキサンDC193を添加
すると、繊維摩擦の劇的な減少を与える結果になり、そ
れによって米国特許第4,472,021号明細書に報
告されているように、リボン剥取り性を向上することが
分かる。しかし、このリボン剥取り性の向上は、乾燥及
び湿潤接着性の実質的な減少及び水剥離試験を24時間
より長い時間から僅か30分に減少させる結果を伴って
初めてもたらされるものである。
【0103】例1〜4から、従来用いられていたエトキ
シル化ジメチルシロキサンの代わりに非反応性ポリフェ
ニルアルキルシロキサンを添加すると、全く思いがけな
いことに、水剥離に対する抵抗性を回復するか又は著し
く更に改良し、比較例に比較して乾燥及び湿潤接着性を
実質的に回復し、然も比較例Aよりも繊維摩擦が減少し
ていることから明らかなように、リボン剥取り性が改良
されていることが分かる。
【0104】本発明をその特別な態様に関して詳細に記
述してきたが、特許請求した発明に対し、その本質及び
範囲から離れることなく種々の変更及び修正を行えるこ
とは当業者に明らかであろう。
【0105】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 6/44 301 G02B 6/44 301A 381 381 //(C09D 175/14 183:04)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化により内部一次光学ガラス繊維被覆
    を与えるのに用いられる液体放射線硬化性被覆組成物に
    おいて、予備混合物成分として、重合体主鎖及び少なく
    とも一つの放射線硬化性官能基を有する放射線硬化性オ
    リゴマー、及び非反応性ポリフェニルアルキルシロキサ
    ンを含み、然も、硬化後、 (a) 約18以下の繊維引抜き摩擦、 (b) 1/2 剥離までの24時間より長い水浸漬剥離時
    間、及び (c) 10gの力より大きな湿潤及び乾燥接着性、の
    性質の組合せを有する被覆組成物。
  2. 【請求項2】 予備混合物成分として、少なくとも一種
    類の有機官能性シラン接着促進剤を更に含む、請求項1
    に記載の被覆組成物。
  3. 【請求項3】 水浸漬剥離時間が、1/2 剥離まで48時
    間より長い、請求項1又は2に記載の被覆組成物。
  4. 【請求項4】 水浸漬剥離時間が、1/2 剥離まで72時
    間より長い、請求項1又は2に記載の被覆組成物。
  5. 【請求項5】 繊維引抜き摩擦が約12以下である、請
    求項1又は2に記載の被覆組成物。
  6. 【請求項6】 水浸漬剥離時間が、1/2 剥離まで72時
    間より長い、請求項5に記載の被覆組成物。
  7. 【請求項7】 光学ガラス繊維芯及びその芯の上の硬化
    内部一次被覆を有する被覆光学ガラス繊維であって、予
    備混合物成分として、重合体主鎖及び少なくとも一つの
    放射線硬化性官能基を有する放射線硬化性オリゴマー、
    及び非反応性ポリフェニルアルキルシロキサンを含み、
    硬化後、 (a) 約18以下の繊維引抜き摩擦、 (b) 1/2 剥離までの24時間より長い水浸漬剥離時
    間、及び (c) 10gの力より大きな湿潤及び乾燥接着性、の
    性質の組合せを有する液体放射線硬化性被覆組成物をガ
    ラス繊維に適用及び硬化することにより形成された前記
    硬化内部一次被覆及び前記芯を有する被覆光学ガラス繊
    維。
  8. 【請求項8】 予備混合物成分として、少なくとも一種
    類の有機官能性シラン接着促進剤を更に含む、請求項7
    に記載の被覆光学ガラス繊維。
  9. 【請求項9】 硬化により内部一次光学ガラス繊維被覆
    を与えるのに用いられる液体放射線硬化性被覆組成物に
    おいて、予備混合物成分として、 (A) 重合体主鎖及び少なくとも一つの放射線硬化性
    官能基を有する放射線硬化性オリゴマー、 (B) 有機官能性シラン接着促進剤、及び (C) 非反応性ポリフェニルアルキルシロキサン、を
    含み、然も、前記成分が、前記組成物が硬化後、 (a) 約18以下の繊維引抜き摩擦、 (b) 1/2 剥離までの24時間より長い水浸漬剥離時
    間、及び (c) 10gの力より大きな湿潤及び乾燥接着性、の
    性質の組合せを有するのに有効な量で存在している被覆
    組成物。
  10. 【請求項10】 少なくとも一種類の反応性希釈剤を更
    に含む、請求項9に記載の被覆組成物。
  11. 【請求項11】 少なくとも一種類の光開始剤を更に含
    有する、請求項9に記載の被覆組成物。
  12. 【請求項12】 硬化により内部一次光学ガラス繊維被
    覆を与えるのに用いられる液体放射線硬化性被覆組成物
    において、予備混合物成分として、 (A) 重合体主鎖及びその重合体主鎖に結合した少な
    くとも一つの放射線硬化性官能基を有する少なくとも一
    種類の放射線硬化性オリゴマー、 (B) 場合により、少なくとも一種類の有機官能性シ
    ラン接着促進剤、及び (C) 有効な量の少なくとも一種類の非反応性ポリフ
    ェニルアルキルシロキサン、 (D) 場合により、少なくとも一種類の反応性希釈
    剤、及び (E) 場合により、有効な量の少なくとも一種類の光
    開始剤、を含む被覆組成物。
  13. 【請求項13】 硬化により内部一次光学ガラス繊維被
    覆を与えるのに用いられる液体放射線硬化性被覆組成物
    において、予備混合物成分として、 (A) 重合体主鎖及びその重合体主鎖に結合した少な
    くとも一つの放射線硬化性官能基を有する少なくとも一
    種類の放射線硬化性オリゴマー、 (B) 少なくとも一種類の有機官能性シラン接着促進
    剤、 (C) 有効な量の少なくとも一種類の非反応性ポリフ
    ェニルアルキルシロキサン、 (D) 場合により、少なくとも一種類の反応性希釈
    剤、及び (E) 場合により、有効な量の少なくとも一種類の光
    開始剤、を含む被覆組成物。
  14. 【請求項14】 硬化により内部一次光学ガラス繊維被
    覆を与えるのに用いられる液体放射線硬化性被覆組成物
    において、予備混合物成分として、 (A) 重合体主鎖及びその重合体主鎖に結合した少な
    くとも一つの放射線硬化性官能基を有する少なくとも一
    種類の放射線硬化性オリゴマー、 (B) 少なくとも一種類の有機官能性シラン接着促進
    剤、 (C) 有効な量の少なくとも一種類の非反応性ポリフ
    ェニルアルキルシロキサン、 (D) 少なくとも一種類の反応性希釈剤、及び (E) 場合により、有効な量の少なくとも一種類の光
    開始剤、を含む被覆組成物。
  15. 【請求項15】 硬化により内部一次光学ガラス繊維被
    覆を与えるのに用いられる液体放射線硬化性被覆組成物
    において、予備混合物成分として、 (A) 約10重量%〜約90重量%の少なくとも一種
    類の放射線硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴ
    マーであって、オリゴマー主鎖、少なくとも一つのウレ
    タン結合基、及び少なくとも一つの放射線硬化性末端封
    鎖基を有するオリゴマー、 (B) 少なくとも一種類の有機官能性シラン接着促進
    剤、 (C) 約0.1重量%〜約30重量%の少なくとも一
    種類の非反応性ポリフェニルアルキルシロキサン、 (D) 約10重量%〜約90重量%の少なくとも一種
    類の反応性希釈剤、及び (E) 場合により、有効な量の少なくとも一種類の光
    開始剤、を含む被覆組成物。
  16. 【請求項16】 非反応性ポリフェニルアルキルシロキ
    サンが、式(I): 【化1】 (式中、各Rは、独立に直鎖又は分岐鎖(炭素数1〜1
    2)アルキル又はフェニル基を表し、nは1より大き
    く、但しフェニルのモル%は少なくとも約10モル%で
    ある。)の一般構造のシロキサン繰り返し単位を有す
    る、請求項12〜15のいずれか1項に記載の被覆組成
    物。
  17. 【請求項17】 非反応性ポリフェニルアルキルシロキ
    サンが、式(II): 【化2】 (式中、各Rは、独立に直鎖又は分岐鎖(炭素数1〜1
    2)アルキル基又はフェニル基を表し、nは1以上であ
    り、X及びYは、独立に非反応性基を表し、但しフェニ
    ルの平均モル%は少なくとも約10モル%であるものと
    する。)の一般構造を有する、請求項12〜15のいず
    れか1項に記載の被覆組成物。
  18. 【請求項18】 X及びYが、独立に、1〜12個の炭
    素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル、シクロアルキ
    ル、又はアリール基から選択された非反応性基を表す、
    請求項17に記載の被覆組成物。
  19. 【請求項19】 Rが、(炭素数1〜12)アルキル基
    の場合、メチル、エチル及びプロピルからなる群から選
    択された基である、請求項16又は17に記載の被覆組
    成物。
  20. 【請求項20】 フェニルのモル%が少なくとも約20
    モル%である、請求項16又は17に記載の被覆組成
    物。
  21. 【請求項21】 フェニルのモル%が、約20〜60モ
    ル%の範囲にある、請求項16又は17に記載の被覆組
    成物。
  22. 【請求項22】 予備混合物成分として、 (A) オリゴマー主鎖、少なくとも一つのウレタン結
    合基、及び少なくとも一つの放射線硬化性末端封鎖基を
    有する少なくとも一種類の放射線硬化性ウレタン(メ
    タ)アクリレートオリゴマー、及び (B) 少なくとも一種類の有機官能性シラン接着促進
    剤、を含む液体放射線硬化性被覆組成物を光学ガラス繊
    維上に適用し、硬化することにより形成した、光学ガラ
    ス繊維上の放射線硬化内部一次被覆のリボン剥取り性と
    湿潤接着性とのバランスを改良する方法において、適用
    及び硬化する前に、前記液体被覆組成物に、 (C) 約0.1重量%〜約30重量%の少なくとも一
    種類の非反応性ポリフェニルアルキルシロキサン、を含
    有させることからなる改良法。
JP10084482A 1997-03-31 1998-03-30 ポリフェニルアルキルシロキサン添加剤を含有する放射線硬化性光学ガラス繊維被覆組成物 Pending JPH10287445A (ja)

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