JPH10285136A - スペクトラム拡散無線通信システム - Google Patents
スペクトラム拡散無線通信システムInfo
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- JPH10285136A JPH10285136A JP9083130A JP8313097A JPH10285136A JP H10285136 A JPH10285136 A JP H10285136A JP 9083130 A JP9083130 A JP 9083130A JP 8313097 A JP8313097 A JP 8313097A JP H10285136 A JPH10285136 A JP H10285136A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 チャネル間で相互に干渉がなく、しかも回路
構成の簡単なスペクトラム拡散無線通信システムを提供
すること。 【解決手段】送信部と受信部とから構成され、送信部側
でスペクトラム拡散処理を行なって送信するようにした
スペクトラム拡散無線通信システムにおいて、スペクト
ラム拡散処理用の符号として、所定の近似同期CDMA
用符号を用いる。これにより、チャネル間で相互相関干
渉がなく、しかも回路構成を簡単にしたスペクトラム拡
散無線通信システムを実現することができる。
構成の簡単なスペクトラム拡散無線通信システムを提供
すること。 【解決手段】送信部と受信部とから構成され、送信部側
でスペクトラム拡散処理を行なって送信するようにした
スペクトラム拡散無線通信システムにおいて、スペクト
ラム拡散処理用の符号として、所定の近似同期CDMA
用符号を用いる。これにより、チャネル間で相互相関干
渉がなく、しかも回路構成を簡単にしたスペクトラム拡
散無線通信システムを実現することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スペクトラム拡
散無線通信システム、特にスペクトル拡散方式として新
しい符号を採用し、チャネル間で相互に干渉がなく、し
かも回路構成を簡単にしたスペクトラム拡散無線通信シ
ステムに関するものである。
散無線通信システム、特にスペクトル拡散方式として新
しい符号を採用し、チャネル間で相互に干渉がなく、し
かも回路構成を簡単にしたスペクトラム拡散無線通信シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年通信技術の進歩に伴う新しいデータ
通信方式として、スペクトル拡散方式による通信方式が
研究され、且つ実用化されてきている。このスペクトル
拡散方式による通信方式は、発信側の携帯電話等の端末
により音声信号等をスペクトル拡散により変調してデー
タ化し、無線信号として空中線(アンテナ)により発信
する一方で受信側の端末により復調し通話等を行なうと
いうものである。
通信方式として、スペクトル拡散方式による通信方式が
研究され、且つ実用化されてきている。このスペクトル
拡散方式による通信方式は、発信側の携帯電話等の端末
により音声信号等をスペクトル拡散により変調してデー
タ化し、無線信号として空中線(アンテナ)により発信
する一方で受信側の端末により復調し通話等を行なうと
いうものである。
【0003】近い将来の情報化社会は、データベース等
の情報源、情報を利用するユーザおよび情報伝送を行な
う通信回線から構成される。図27は上記のように予想
される近未来のネットワーク像を示したものである。通
信回線は、基幹となる大容量の伝送路による有線ネット
ワークと、ユーザが音声・画像・データ等の情報を「い
つでも・どこでも・誰とでも」相互にやりとり可能な、
携帯端末装置による無線ネットワークとに分けられる。
の情報源、情報を利用するユーザおよび情報伝送を行な
う通信回線から構成される。図27は上記のように予想
される近未来のネットワーク像を示したものである。通
信回線は、基幹となる大容量の伝送路による有線ネット
ワークと、ユーザが音声・画像・データ等の情報を「い
つでも・どこでも・誰とでも」相互にやりとり可能な、
携帯端末装置による無線ネットワークとに分けられる。
【0004】現在、有線ネットワークには光ファイバ・
同軸ケーブル等が使用され、ISDN、インターネット
に代表されるコンピュータネットワークとしてその発展
・普及が著しい。この有線ネットワークの特徴は、信頼
性が高く、大容量伝送が可能なことであるが、その構築
に当たっては、ケーブルの敷設が必要であり、そのため
のスペースのみならずコストの面でも大きな負担とな
る。
同軸ケーブル等が使用され、ISDN、インターネット
に代表されるコンピュータネットワークとしてその発展
・普及が著しい。この有線ネットワークの特徴は、信頼
性が高く、大容量伝送が可能なことであるが、その構築
に当たっては、ケーブルの敷設が必要であり、そのため
のスペースのみならずコストの面でも大きな負担とな
る。
【0005】一方、無線ネットワークに関しては、IE
EE802.11標準化委員会に代表されるようにここ
数年無線LAN(Local Area Networ
k)への関心が高まり、既にその実用化が始まってい
る。また、昨今では移動体通信の利用が急増し、社会の
インフラストラクチャとなりつつあるといっても過言で
はない。のようなネットワークの無線化は、配線敷設ス
ペースの問題を解決するだけでなく、端末の自由な配置
と移動を可能とする。また、PHS(Personal
Handy−phone System)等の携帯電
話と電子手帳等の携帯端末装置を接続し、データ通信へ
と応用する技術も実用化されている。
EE802.11標準化委員会に代表されるようにここ
数年無線LAN(Local Area Networ
k)への関心が高まり、既にその実用化が始まってい
る。また、昨今では移動体通信の利用が急増し、社会の
インフラストラクチャとなりつつあるといっても過言で
はない。のようなネットワークの無線化は、配線敷設ス
ペースの問題を解決するだけでなく、端末の自由な配置
と移動を可能とする。また、PHS(Personal
Handy−phone System)等の携帯電
話と電子手帳等の携帯端末装置を接続し、データ通信へ
と応用する技術も実用化されている。
【0006】無線ネットワークを支える無線伝送技術に
は次のような特性が要望される。 (1)無線区間における信頼性が有線並み、或いは誤り
訂正により有線並みとなること。 (2)通信内容のセキュリティが保てること。 (3)利用環境に依存しない信頼性、特に室内における
フェージング耐性を持つことである。
は次のような特性が要望される。 (1)無線区間における信頼性が有線並み、或いは誤り
訂正により有線並みとなること。 (2)通信内容のセキュリティが保てること。 (3)利用環境に依存しない信頼性、特に室内における
フェージング耐性を持つことである。
【0007】以上の条件を満たす通信方式として、スペ
クトラム拡散通信方式が注目されている。スペクトラム
拡散通信方式は、情報伝送に最低限必要な帯域よりはる
かに広い周波数帯域にスペクトルを拡散して通信する方
式である。送信情報に通常の情報変調(1次変調、FS
K,PSKなど)を行なった後、PNコード(Pseu
do Noise Code、疑似雑音符号)を用いて
周波数の拡散(2次変調)を行なう。周波数帯域を拡散
することにより、耐妨害性、信号秘匿性、フェージング
耐性等の能力を持つ。また、拡散コードは通信局識別コ
ードとしての能力持つことから、CDMA(Code
Division MultipleAccess、符
号分割多元接続)によるランダムアクセスが可能であ
る。
クトラム拡散通信方式が注目されている。スペクトラム
拡散通信方式は、情報伝送に最低限必要な帯域よりはる
かに広い周波数帯域にスペクトルを拡散して通信する方
式である。送信情報に通常の情報変調(1次変調、FS
K,PSKなど)を行なった後、PNコード(Pseu
do Noise Code、疑似雑音符号)を用いて
周波数の拡散(2次変調)を行なう。周波数帯域を拡散
することにより、耐妨害性、信号秘匿性、フェージング
耐性等の能力を持つ。また、拡散コードは通信局識別コ
ードとしての能力持つことから、CDMA(Code
Division MultipleAccess、符
号分割多元接続)によるランダムアクセスが可能であ
る。
【0008】1990年に米国(アメリカ合衆国)で、
1993年に日本でスペクトラム拡散通信用の周波数バ
ンドが認可され、その活用が奨励されている。表1に米
国並びに日本国内のスペクトラム拡散通信バンドの規格
[3]を示す。
1993年に日本でスペクトラム拡散通信用の周波数バ
ンドが認可され、その活用が奨励されている。表1に米
国並びに日本国内のスペクトラム拡散通信バンドの規格
[3]を示す。
【表1】 上の表から明らかなように、日本国内においては、周波
数帯はISMバンドの2.4GHz帯、バンド幅26M
Hzとなっている。
数帯はISMバンドの2.4GHz帯、バンド幅26M
Hzとなっている。
【0009】スペクトラム拡散通信では、受信部におい
て広帯域に拡散した信号に対して、送信側と同一のPN
コードを乗算し、情報を復元するための逆拡散処理が必
要となる。逆拡散処理を行なうための素子、デバイスを
相関器と呼び、一般にはディジタル型とアナログ型に大
別される。
て広帯域に拡散した信号に対して、送信側と同一のPN
コードを乗算し、情報を復元するための逆拡散処理が必
要となる。逆拡散処理を行なうための素子、デバイスを
相関器と呼び、一般にはディジタル型とアナログ型に大
別される。
【0010】SAW(Surface Acousti
c Wave: 弾性表面波)デバイスはアナログ型相
関器の一種であり、キャリアを含んだ状態で広帯域の信
号処理を行なう。SAWコリレータ、SAWコンボルバ
はRF、IF帯で逆拡散を行なうことが可能なデバイス
であり、スペクトラム拡散通信用相関器として最適であ
る。SAWコンボルバは、参照信号を切り替えることに
より任意の符号に対して動作するプログラマブル相関器
であり、多種の拡散コードを用いるCDMAやネットワ
ークの中央制御局用として最適である。SAWコリレー
タは、構造が非常に簡単であり、固定コードではあるも
のの低消費電力化が必要な携帯無線端末用相関器として
適している。
c Wave: 弾性表面波)デバイスはアナログ型相
関器の一種であり、キャリアを含んだ状態で広帯域の信
号処理を行なう。SAWコリレータ、SAWコンボルバ
はRF、IF帯で逆拡散を行なうことが可能なデバイス
であり、スペクトラム拡散通信用相関器として最適であ
る。SAWコンボルバは、参照信号を切り替えることに
より任意の符号に対して動作するプログラマブル相関器
であり、多種の拡散コードを用いるCDMAやネットワ
ークの中央制御局用として最適である。SAWコリレー
タは、構造が非常に簡単であり、固定コードではあるも
のの低消費電力化が必要な携帯無線端末用相関器として
適している。
【0011】図28にスペクトラム拡散通信方式の概念
図を示す。スペクトラム拡散通信方式は、ある帯域に制
限して情報変調(1次変調)された信号を拡散符号を用
いて広帯域に拡散(2次変調)し、情報伝送を行なう通
信方式である。通常の狭帯域通信方式と比較して、送信
側では伝送を行なう情報とは全く関連のない拘束符号を
用いて周波数を拡散する機能が必要となる。この高速の
拡散符号には、一般に疑似雑音符号(PNコード)を用
いる。また、受信側では送信側で行なった行程の全く逆
の操作で周波数帯域の逆拡散を行ない、通常の情報変調
信号に戻した後、情報復調を行なう。
図を示す。スペクトラム拡散通信方式は、ある帯域に制
限して情報変調(1次変調)された信号を拡散符号を用
いて広帯域に拡散(2次変調)し、情報伝送を行なう通
信方式である。通常の狭帯域通信方式と比較して、送信
側では伝送を行なう情報とは全く関連のない拘束符号を
用いて周波数を拡散する機能が必要となる。この高速の
拡散符号には、一般に疑似雑音符号(PNコード)を用
いる。また、受信側では送信側で行なった行程の全く逆
の操作で周波数帯域の逆拡散を行ない、通常の情報変調
信号に戻した後、情報復調を行なう。
【0012】図28において、送信側の装置は、送信デ
ータに対して一般的な変調を行なうことにより図28
(a)に示すような搬送信号を得て無線信号の形で出力
する。これが信号の1次変調である。上記図28(a)
の信号はそれぞれの周波数f1,f2,f3に対応した
チャネル信号A,B,Cから成り、送信側装置の回路に
付随するノイズ30のレベルより高いレベルを保有して
いる。
ータに対して一般的な変調を行なうことにより図28
(a)に示すような搬送信号を得て無線信号の形で出力
する。これが信号の1次変調である。上記図28(a)
の信号はそれぞれの周波数f1,f2,f3に対応した
チャネル信号A,B,Cから成り、送信側装置の回路に
付随するノイズ30のレベルより高いレベルを保有して
いる。
【0013】送信側装置では上記チャネル信号A,B,
CをさらにSAWコンボルバ方式による拡散変調を行な
って図28(b)に示すような拡散信号(SS信号)す
なわち2次変調信号31を得る。これが2次変調であ
る。この拡散変調によって得られた2次変調信号31は
受信側装置に無線送信される。受信側装置では前記2次
変調信号(拡散変調信号)31を受信し、この受信信号
に逆拡散処理を施してもとのデータ信号に復調し復調信
号を得る。図28(c)は、受信側装置においてチャネ
ル信号Aについて復調信号を得た状態を示している。
CをさらにSAWコンボルバ方式による拡散変調を行な
って図28(b)に示すような拡散信号(SS信号)す
なわち2次変調信号31を得る。これが2次変調であ
る。この拡散変調によって得られた2次変調信号31は
受信側装置に無線送信される。受信側装置では前記2次
変調信号(拡散変調信号)31を受信し、この受信信号
に逆拡散処理を施してもとのデータ信号に復調し復調信
号を得る。図28(c)は、受信側装置においてチャネ
ル信号Aについて復調信号を得た状態を示している。
【0014】無線送信端末である制御装置6において拡
散変調によって得られた2次変調信号31は、ノイズ3
0のレベルよりも低いレベルを有するという特性を持っ
ており、信号レベルがノイズレベルよりも低いので他の
一般的な信号と同時進行の形で通信回線上に送出されて
も、上記他の信号(例えば通話信号)に対して混線、通
信ノイズの発生といった迷惑をかけることはない。
散変調によって得られた2次変調信号31は、ノイズ3
0のレベルよりも低いレベルを有するという特性を持っ
ており、信号レベルがノイズレベルよりも低いので他の
一般的な信号と同時進行の形で通信回線上に送出されて
も、上記他の信号(例えば通話信号)に対して混線、通
信ノイズの発生といった迷惑をかけることはない。
【0015】この拡散、逆拡散の操作によってスペクト
ラム拡散通信方式は次のような特徴を有する。 (1)干渉や妨害を与えたり受けたりすることが少なく
なる。耐干渉能力を有する。 (2)信号秘匿能力が増加する。 (3)秘話性が向上する。秘話に適したシステムを構成
できる。 (4)フェージング、特に周波数選択性フェージング耐
性が向上する。 (5)符号分割多元接続(CDMA)が可能で、上品な
品質劣化(Graceful Degradatio
n)を起こす。 (6)通信と同時に距離測定や時刻同期が可能である。
ラム拡散通信方式は次のような特徴を有する。 (1)干渉や妨害を与えたり受けたりすることが少なく
なる。耐干渉能力を有する。 (2)信号秘匿能力が増加する。 (3)秘話性が向上する。秘話に適したシステムを構成
できる。 (4)フェージング、特に周波数選択性フェージング耐
性が向上する。 (5)符号分割多元接続(CDMA)が可能で、上品な
品質劣化(Graceful Degradatio
n)を起こす。 (6)通信と同時に距離測定や時刻同期が可能である。
【0016】耐干渉能力は、拡散、逆拡散により得られ
るスペクトラム拡散通信特有の能力であるプロセスゲイ
ン(処理利得:Processing Gain, G
p)により実現される。プロセスゲインは、理想的な拡
散、逆拡散を行なった場合、その拡散率に等しくなる。
直接拡散方式においては、使用するPNコード長Nとな
る。このプロセスゲインは有限の電力を持った干渉波に
対してその能力を最大限発揮する。
るスペクトラム拡散通信特有の能力であるプロセスゲイ
ン(処理利得:Processing Gain, G
p)により実現される。プロセスゲインは、理想的な拡
散、逆拡散を行なった場合、その拡散率に等しくなる。
直接拡散方式においては、使用するPNコード長Nとな
る。このプロセスゲインは有限の電力を持った干渉波に
対してその能力を最大限発揮する。
【0017】拡散による広帯域化は、妨害に対して耐性
を実現するばかりでなく、同時に電力密度を小さくす
る。そのため、拡散符号に対する情報(或いは知識)を
持たないものにとっては、信号そのものの存在が分から
ない信号秘匿能力を実現することになる(図28(b)
においてチャネルA,B,Cの2次変調信号すなわち拡
散信号レベルがノイズレベルより低いことに注目)。一
般に、スペクトラム拡散に使用されるPN系列の符号長
が長ければ長いほど符号の解読は困難となり、信号秘匿
能力に加え秘話性、さらには傍受そのものをされにくく
する。
を実現するばかりでなく、同時に電力密度を小さくす
る。そのため、拡散符号に対する情報(或いは知識)を
持たないものにとっては、信号そのものの存在が分から
ない信号秘匿能力を実現することになる(図28(b)
においてチャネルA,B,Cの2次変調信号すなわち拡
散信号レベルがノイズレベルより低いことに注目)。一
般に、スペクトラム拡散に使用されるPN系列の符号長
が長ければ長いほど符号の解読は困難となり、信号秘匿
能力に加え秘話性、さらには傍受そのものをされにくく
する。
【0018】さらに広帯域化は、特に室内無線環境にお
いて問題となる周波数選択性フェージングに対して非常
に有効である。フェージングは、受信機に到達する電波
が複数の経路から到達した合成波であることから発生す
る。この合成波は、到達時間の異なった同一の信号から
成る。したがって、ある到達時間差の逆数に相当する周
波数のフェージングが発生すると考えられる。このフェ
ージングの起こる周波数は、スペクトラム拡散信号の全
帯域にわたることは殆どなく、周波数ダイバーシティに
より信号の或る部分は受信可能となる。また、拡散周波
数帯域の逆数の時間分解能を有しているため、到達した
多重波を分割し、位相を合わせて再合成することにより
ダイバーシティを実現可能である。
いて問題となる周波数選択性フェージングに対して非常
に有効である。フェージングは、受信機に到達する電波
が複数の経路から到達した合成波であることから発生す
る。この合成波は、到達時間の異なった同一の信号から
成る。したがって、ある到達時間差の逆数に相当する周
波数のフェージングが発生すると考えられる。このフェ
ージングの起こる周波数は、スペクトラム拡散信号の全
帯域にわたることは殆どなく、周波数ダイバーシティに
より信号の或る部分は受信可能となる。また、拡散周波
数帯域の逆数の時間分解能を有しているため、到達した
多重波を分割し、位相を合わせて再合成することにより
ダイバーシティを実現可能である。
【0019】スペクトラム拡散通信用の拡散符号は、帯
域を広げるだけでなく、多くのユーザの局識別コードと
しての役割を有しており、符号分割多元接続(CDM
A)が実現できる。図29に各種多元接続の概念図を示
す。従来の共起変調であるFM,AM等は、図29
(a)のように周波数分割によるチャネル割り当てを行
なうFDMA(Frequency Division
Multiple Access)にて実現されてい
る。また、欧州のDECT(Digital Euro
pean Cordless Telecommuni
cations)や日本のPHS(Personal
Hndy−phone System)等は、図29
(b)に示すように拡散符号チャネルに時間スロットを
割り当て、その時間内で全帯域を使用して通信するTD
MA(Time Division Multiple
Access)にて実現されている。一方、CDMA
は、図29(c)に示すようにユーザ全員が同時に全帯
域と時間を使用し、高速の拡散コードによってチャネル
分割するものである。
域を広げるだけでなく、多くのユーザの局識別コードと
しての役割を有しており、符号分割多元接続(CDM
A)が実現できる。図29に各種多元接続の概念図を示
す。従来の共起変調であるFM,AM等は、図29
(a)のように周波数分割によるチャネル割り当てを行
なうFDMA(Frequency Division
Multiple Access)にて実現されてい
る。また、欧州のDECT(Digital Euro
pean Cordless Telecommuni
cations)や日本のPHS(Personal
Hndy−phone System)等は、図29
(b)に示すように拡散符号チャネルに時間スロットを
割り当て、その時間内で全帯域を使用して通信するTD
MA(Time Division Multiple
Access)にて実現されている。一方、CDMA
は、図29(c)に示すようにユーザ全員が同時に全帯
域と時間を使用し、高速の拡散コードによってチャネル
分割するものである。
【0020】FDMA,TDMAは、各ユーザが完全に
分離されたチャネル内で通信を行なうため、理想的な状
態では他のユーザからの干渉妨害が発生せず、規定され
た通信品質で通信可能である。しかし、同一周波数、同
一時間を全てのユーザで共有するCDMAは、ユーザ数
が増加するにしたがって徐々に品質が劣化する(上品な
通信品質の劣化:Graceful Degradat
ion)。FDMA、TDMAが、或る一定ユーザ以上
の許容が不可能であるのに比べ、CDMAは上品な品質
劣化のために符号同期の設定が可能である限りユーザを
許容可能である。CDMAは次世代無線通信の基幹技術
であり、表2に示すように様々な規格が提唱されてい
る。
分離されたチャネル内で通信を行なうため、理想的な状
態では他のユーザからの干渉妨害が発生せず、規定され
た通信品質で通信可能である。しかし、同一周波数、同
一時間を全てのユーザで共有するCDMAは、ユーザ数
が増加するにしたがって徐々に品質が劣化する(上品な
通信品質の劣化:Graceful Degradat
ion)。FDMA、TDMAが、或る一定ユーザ以上
の許容が不可能であるのに比べ、CDMAは上品な品質
劣化のために符号同期の設定が可能である限りユーザを
許容可能である。CDMAは次世代無線通信の基幹技術
であり、表2に示すように様々な規格が提唱されてい
る。
【表2】
【0021】スペクトラム拡散通信の方式は種々提案さ
れているが、代表的な方式について挙げておく。 (1)直接拡散(Drect Sequence, D
S)方式 狭帯域情報変調後、キャリアの位相を高速の拡散符号を
乗算して切り替えることにより広帯域拡散信号を得る。
拡散にBPSK(Binary PhaseShift
Keying:2相位相変調)を用いる場合は、キャ
リア発振器、符号発生器、ミキサのみで簡略に構成可能
である。受信側では、相関検出により送信拡散符号のタ
イミングを抽出し、送信側と同じ拡散符号により位相を
基に戻すことにより狭帯域情報変調信号を得る。 (2)周波数ホッピング(Frequency Hop
ping,FH)方式 高速切り替え可能な周波数シンセサイザにより、定めら
れた帯域内でホッピング系列に基づきRFの周波数を不
連続に切り替えることにより広帯域化する。受信側で
は、送信周波数の変化のタイミングに合わせて局部発振
器を切り替え、狭帯域変調波を得る。システムの構成に
は、高機能な周波数シンセサイザが必要であり、また、
周波数同期補足が基本的にスライディング相関であるた
め、同期遅延が問題になる。 (3)M進スペクトラム拡散通信(M−ary/SS)
方式 この方式は、直接拡散方式を多値化した方式で、1つの
局に幾つかの符号系列を用意しておき、数ビットの情報
に応じてその中の1つを送信する、送信拡散系列に直交
符号を用いた場合、その誤り率特性はM進直交変調方式
と等しくなり、多値数を無限大にすることによりSha
nnon限界を達成することができる。
れているが、代表的な方式について挙げておく。 (1)直接拡散(Drect Sequence, D
S)方式 狭帯域情報変調後、キャリアの位相を高速の拡散符号を
乗算して切り替えることにより広帯域拡散信号を得る。
拡散にBPSK(Binary PhaseShift
Keying:2相位相変調)を用いる場合は、キャ
リア発振器、符号発生器、ミキサのみで簡略に構成可能
である。受信側では、相関検出により送信拡散符号のタ
イミングを抽出し、送信側と同じ拡散符号により位相を
基に戻すことにより狭帯域情報変調信号を得る。 (2)周波数ホッピング(Frequency Hop
ping,FH)方式 高速切り替え可能な周波数シンセサイザにより、定めら
れた帯域内でホッピング系列に基づきRFの周波数を不
連続に切り替えることにより広帯域化する。受信側で
は、送信周波数の変化のタイミングに合わせて局部発振
器を切り替え、狭帯域変調波を得る。システムの構成に
は、高機能な周波数シンセサイザが必要であり、また、
周波数同期補足が基本的にスライディング相関であるた
め、同期遅延が問題になる。 (3)M進スペクトラム拡散通信(M−ary/SS)
方式 この方式は、直接拡散方式を多値化した方式で、1つの
局に幾つかの符号系列を用意しておき、数ビットの情報
に応じてその中の1つを送信する、送信拡散系列に直交
符号を用いた場合、その誤り率特性はM進直交変調方式
と等しくなり、多値数を無限大にすることによりSha
nnon限界を達成することができる。
【0022】しかし、送信シンボル毎に拡散系列を変化
させるため、拡散系列の接続点における相関関数が0に
ならず、同期誤りを起こしやすい。また、送信系列がm
種類あるため、1回の同期点探索に相関器はm個必要と
なる。したがって、同期補足が難しいという欠点を持
つ。他に、タイムホッピング方式、チャープ変調方式、
マルチキャリア方式、拡散符号方式のハイブリド方式な
どが検討されている。
させるため、拡散系列の接続点における相関関数が0に
ならず、同期誤りを起こしやすい。また、送信系列がm
種類あるため、1回の同期点探索に相関器はm個必要と
なる。したがって、同期補足が難しいという欠点を持
つ。他に、タイムホッピング方式、チャープ変調方式、
マルチキャリア方式、拡散符号方式のハイブリド方式な
どが検討されている。
【0023】先に述べたように、周波数拡散に用いる符
号は、ガウス雑音のように完全にランダムは系列が最適
であるが、実際のシステムには疑似雑音符号(PNコー
ド)と呼ばれるディジタルコードを用いるのが一般的で
ある。PNコードの主な性質を以下に挙げる。 (1)平衡性(Balance Property) 系列の1周期内で「1」の出現する回数と「0」の出現
する回数は高々1つしか違わない。 (2)連なり性(Run Property) 1周期に含まれる「”1”の連なり」と「”0”の連な
り」において、それぞれの連なりの長さをkとすると、
長さkの連なりは1/2k の割合で存在する。連なりと
は、”1”もしくは”0”の連続する数のことである。
例えば、01110であれば「”1”の連なり」の長さ
は3、個数は1と数える。 (3)相関性(Correlation Proper
ty) keiretuを巡回させ、あらゆる状態で各項目毎の
比較を行なった場合、一致する項の数と一致しない項の
数は高々1つしか違わない。ここで、「項」とは符号の
要素単体を示す。
号は、ガウス雑音のように完全にランダムは系列が最適
であるが、実際のシステムには疑似雑音符号(PNコー
ド)と呼ばれるディジタルコードを用いるのが一般的で
ある。PNコードの主な性質を以下に挙げる。 (1)平衡性(Balance Property) 系列の1周期内で「1」の出現する回数と「0」の出現
する回数は高々1つしか違わない。 (2)連なり性(Run Property) 1周期に含まれる「”1”の連なり」と「”0”の連な
り」において、それぞれの連なりの長さをkとすると、
長さkの連なりは1/2k の割合で存在する。連なりと
は、”1”もしくは”0”の連続する数のことである。
例えば、01110であれば「”1”の連なり」の長さ
は3、個数は1と数える。 (3)相関性(Correlation Proper
ty) keiretuを巡回させ、あらゆる状態で各項目毎の
比較を行なった場合、一致する項の数と一致しない項の
数は高々1つしか違わない。ここで、「項」とは符号の
要素単体を示す。
【0024】スペクトラム拡散通信では、PNコードと
して、特に相互相関の小さいm系列(Mximum L
ength Squence:最長符号系列)やGol
d系列が良く用いられる。図30(a)にm系列の発生
回路を示す。このm系列の発生回路は複数段のシフトレ
ジスタと排他的論理和(Exclusive−OR)の
論理回路により簡単に構成できる。この回路に初期値を
与え、巡回することにより符号系列が得られる。その中
で最長の周期を持つものがm系列である。m系列は、n
段のシフトレジスタの場合、 2n −1 の符号長となる。m系列の最大の特徴はその相関性にあ
る。図30(b)および(c)に符号長127チップm
系列の自己相関および相互相関特性を示す。これらの図
は、符号を1チップづつ巡回させ、各項の一致する数と
一致しない数との差を横軸シフト量として表示したもの
である。自己相関特性においては、符号の位相が完全に
一致した場合のみピークが現れ、それ以外ではピークの
1/(符号長)の振幅となる。この急峻な自己相関ピー
クを利用して同期用符号として用いることが可能であ
る。また、m系列の組み合わせのうち、相互相関値の小
さなペアをプリファードペアと呼ぶ。表3に様々な長さ
のm系列についてまとめた。
して、特に相互相関の小さいm系列(Mximum L
ength Squence:最長符号系列)やGol
d系列が良く用いられる。図30(a)にm系列の発生
回路を示す。このm系列の発生回路は複数段のシフトレ
ジスタと排他的論理和(Exclusive−OR)の
論理回路により簡単に構成できる。この回路に初期値を
与え、巡回することにより符号系列が得られる。その中
で最長の周期を持つものがm系列である。m系列は、n
段のシフトレジスタの場合、 2n −1 の符号長となる。m系列の最大の特徴はその相関性にあ
る。図30(b)および(c)に符号長127チップm
系列の自己相関および相互相関特性を示す。これらの図
は、符号を1チップづつ巡回させ、各項の一致する数と
一致しない数との差を横軸シフト量として表示したもの
である。自己相関特性においては、符号の位相が完全に
一致した場合のみピークが現れ、それ以外ではピークの
1/(符号長)の振幅となる。この急峻な自己相関ピー
クを利用して同期用符号として用いることが可能であ
る。また、m系列の組み合わせのうち、相互相関値の小
さなペアをプリファードペアと呼ぶ。表3に様々な長さ
のm系列についてまとめた。
【表3】
【0025】m系列は、その系列数に限りがあるため、
チャネル割り当てに限界が生じる。この欠点を補う性質
を持つのがGold系列である。図31にGold系列
の発生方法を示す。図31において、(a)はGold
系列発生器の構成の一例を示す図で、(b)はGold
系列生成の原理を説明する図である。図31(a)に示
してあるように、Gold系列発生器は第1のm系列発
生部1と、第2のm系列発生部2と、これら第1および
第2のm系列発生部1、2の出力を加算する加算器3と
から構成される。第1のm系列発生部1および第2のm
系列発生部2にはクロック信号が入力され、第1のm系
列発生部1からはコード1、第2のm系列発生部2から
はコード2が出力される。そして加算器3はコード1お
よびコード2を加算処理することによりGoldコード
(コード1 XOR コード2)を出力するようになっ
ている。
チャネル割り当てに限界が生じる。この欠点を補う性質
を持つのがGold系列である。図31にGold系列
の発生方法を示す。図31において、(a)はGold
系列発生器の構成の一例を示す図で、(b)はGold
系列生成の原理を説明する図である。図31(a)に示
してあるように、Gold系列発生器は第1のm系列発
生部1と、第2のm系列発生部2と、これら第1および
第2のm系列発生部1、2の出力を加算する加算器3と
から構成される。第1のm系列発生部1および第2のm
系列発生部2にはクロック信号が入力され、第1のm系
列発生部1からはコード1、第2のm系列発生部2から
はコード2が出力される。そして加算器3はコード1お
よびコード2を加算処理することによりGoldコード
(コード1 XOR コード2)を出力するようになっ
ている。
【0026】Gold系列は、上で説明したように、2
つのプリファードペアのm系列の論理和から生成され
る。符号長127の場合、2つのコードの位相関係が、
127通り取れることから、1組のm系列から127個
のGold系列を生成可能である。Gold系列はその
性質が数学的に良く研究されており、自己相関値におい
て特定の3種の値しか取り得ないことが知られている。
また、相互相関値上限が与えられているので、同時接続
数などを見積もることができ、好都合になっている。
つのプリファードペアのm系列の論理和から生成され
る。符号長127の場合、2つのコードの位相関係が、
127通り取れることから、1組のm系列から127個
のGold系列を生成可能である。Gold系列はその
性質が数学的に良く研究されており、自己相関値におい
て特定の3種の値しか取り得ないことが知られている。
また、相互相関値上限が与えられているので、同時接続
数などを見積もることができ、好都合になっている。
【0027】ここで、スペクトラム拡散通信用相関器と
してのSAWデバイスについて説明する。スペクトラム
拡散通信の受信には逆拡散(相関検出)が最大の問題点
となる。逆拡散を行なう相関器は、ディジタル型とアナ
ログ型に大別される。ディジタル相関器の例として図3
2にディジタルスライディング相関器、図33にディジ
タルマッチドフィルタの原理を示す。ディジタルスライ
ディング相関器は、PN系列を受信信号より早く巡回さ
せ、DLL(Deley Lock Loop)などの
補足システムで同期引き込みを行なう。ループを用いた
同期機構であるため、安定に同期保持できるが、相関器
のバランスによる動作不安、最大符号1周期の巡回が必
要となる長い同期補足時間などが問題となる。
してのSAWデバイスについて説明する。スペクトラム
拡散通信の受信には逆拡散(相関検出)が最大の問題点
となる。逆拡散を行なう相関器は、ディジタル型とアナ
ログ型に大別される。ディジタル相関器の例として図3
2にディジタルスライディング相関器、図33にディジ
タルマッチドフィルタの原理を示す。ディジタルスライ
ディング相関器は、PN系列を受信信号より早く巡回さ
せ、DLL(Deley Lock Loop)などの
補足システムで同期引き込みを行なう。ループを用いた
同期機構であるため、安定に同期保持できるが、相関器
のバランスによる動作不安、最大符号1周期の巡回が必
要となる長い同期補足時間などが問題となる。
【0028】ディジタルマッチドフィルタは、既知の拡
散符号の受信信号との相関積分を行なうことにより、相
関ピークの形でPNタイミングの検出を行なう。相関ピ
ークの存在タイミングは、曖昧さが生じる可能性があ
り、逆拡散用PN符号発生器の直接駆動は不安定にな
る。
散符号の受信信号との相関積分を行なうことにより、相
関ピークの形でPNタイミングの検出を行なう。相関ピ
ークの存在タイミングは、曖昧さが生じる可能性があ
り、逆拡散用PN符号発生器の直接駆動は不安定にな
る。
【0029】SAWデバイスはアナログ相関器であり、
電極と遅延線の組み合わせによりRFもしくはIFのキ
ャリアを含んだ状態での逆拡散が可能なデバイスであ
る。図34はSAWデバイスとディジタル相関器の特質
および検波、復調動作手順を対比して表し、SAWデバ
イスの有用性を示す図である。上述したディジタル相関
器は、その動作周波数がベースバンド領域(〜100M
Hz)に限られているため、2.4GHz帯スペクトラ
ム拡散通信において逆拡散を行なうためには最初に受信
信号のキャリア再生を行ない、ベースバンド信号へと検
波、復調を行なう必要がある。その後逆拡散を行なうた
め、復調方式としては「検波後相関」と名付けることが
できる。このディジタル相関器においては検波後復調を
しようとしてもキャリア再生ができず、復調は不可能で
ある。
電極と遅延線の組み合わせによりRFもしくはIFのキ
ャリアを含んだ状態での逆拡散が可能なデバイスであ
る。図34はSAWデバイスとディジタル相関器の特質
および検波、復調動作手順を対比して表し、SAWデバ
イスの有用性を示す図である。上述したディジタル相関
器は、その動作周波数がベースバンド領域(〜100M
Hz)に限られているため、2.4GHz帯スペクトラ
ム拡散通信において逆拡散を行なうためには最初に受信
信号のキャリア再生を行ない、ベースバンド信号へと検
波、復調を行なう必要がある。その後逆拡散を行なうた
め、復調方式としては「検波後相関」と名付けることが
できる。このディジタル相関器においては検波後復調を
しようとしてもキャリア再生ができず、復調は不可能で
ある。
【0030】一方、SAWデバイスは、信号を受信する
際の復調動作において、復調手順として図34の中段の
図に示すような動作を行なう。すなわち、受信した信号
11に対して先ずRFもしくはIFのキャリアを含んだ
状態で相関操作を施して逆拡散を行なって相関処理信号
12を得る。この相関操作において、受信信号に含まれ
ているノイズ等が抑制され且つ伝送特性の拡大をも含め
るプロセスゲインの向上が得られ、相関処理信号12は
復調可能な信号になる。そして、この相関処理信号12
について逆拡散後の相関ピークを検波および復調処理し
て検波信号すなわちベースバンド信号を得る。このよう
に、SAWデバイスでは相関操作によってプロセスゲイ
ン分のノイズの抑圧を行なうため、受信信号の復調処理
を行なうことができ、復調方式としては「相関後検波」
と名付けることができる。検波後相関と、相関後検波と
の違いは、復調時におけるプロセスゲイン(Gp)を得
る場所が異なることである。
際の復調動作において、復調手順として図34の中段の
図に示すような動作を行なう。すなわち、受信した信号
11に対して先ずRFもしくはIFのキャリアを含んだ
状態で相関操作を施して逆拡散を行なって相関処理信号
12を得る。この相関操作において、受信信号に含まれ
ているノイズ等が抑制され且つ伝送特性の拡大をも含め
るプロセスゲインの向上が得られ、相関処理信号12は
復調可能な信号になる。そして、この相関処理信号12
について逆拡散後の相関ピークを検波および復調処理し
て検波信号すなわちベースバンド信号を得る。このよう
に、SAWデバイスでは相関操作によってプロセスゲイ
ン分のノイズの抑圧を行なうため、受信信号の復調処理
を行なうことができ、復調方式としては「相関後検波」
と名付けることができる。検波後相関と、相関後検波と
の違いは、復調時におけるプロセスゲイン(Gp)を得
る場所が異なることである。
【0031】スペクトラム拡散では、その信号を広帯域
に拡散しているため、受信時においてはその最大信号電
力(キャリア電力)がノイズ電力以下に減衰してしまう
ことが考えられる。このように、C/N(キャリア電力
/ノイズ電力)比が非常に悪い環境においては、検波後
相関を行なうディジタル相関器は、同期検波を行なう際
のキャリア再生が不可能となり、ベースバンド信号を得
ることができない。そのため、逆拡散は不可能となって
しまう。キャリア再生を行なえるのは、キャリア電力が
ノイズ電力を上回っているときに限られるのでC/N比
は0dBより大きい必要がある。
に拡散しているため、受信時においてはその最大信号電
力(キャリア電力)がノイズ電力以下に減衰してしまう
ことが考えられる。このように、C/N(キャリア電力
/ノイズ電力)比が非常に悪い環境においては、検波後
相関を行なうディジタル相関器は、同期検波を行なう際
のキャリア再生が不可能となり、ベースバンド信号を得
ることができない。そのため、逆拡散は不可能となって
しまう。キャリア再生を行なえるのは、キャリア電力が
ノイズ電力を上回っているときに限られるのでC/N比
は0dBより大きい必要がある。
【0032】一方、相関後検波を行なうSAWデバイス
は、受信信号をキャリアを含んだまま逆拡散を行なうた
めに、プロセスゲインンのS/N(信号電力/ノイズ電
力)の改善を行なう。その結果、C/N比の悪い環境に
おいても復調が可能となる。逆拡散された信号がノイズ
電力よりも大きければ検波、復調は可能であるので、受
信時のC/N比が−Gp(dB)よりも大きい必要があ
る。これは、プロセスゲイン文だけノイズ電力がキャリ
ア電力よりも大きくならない限り、復調可能であること
を意味する。このことから、SAWデバイスはスペクト
ラム拡散通信用相関器として最適であるということがで
きる。他のアナログ相関器としてはCCD(Charg
e Coupled Device)などが挙げられ
る。
は、受信信号をキャリアを含んだまま逆拡散を行なうた
めに、プロセスゲインンのS/N(信号電力/ノイズ電
力)の改善を行なう。その結果、C/N比の悪い環境に
おいても復調が可能となる。逆拡散された信号がノイズ
電力よりも大きければ検波、復調は可能であるので、受
信時のC/N比が−Gp(dB)よりも大きい必要があ
る。これは、プロセスゲイン文だけノイズ電力がキャリ
ア電力よりも大きくならない限り、復調可能であること
を意味する。このことから、SAWデバイスはスペクト
ラム拡散通信用相関器として最適であるということがで
きる。他のアナログ相関器としてはCCD(Charg
e Coupled Device)などが挙げられ
る。
【0033】スペクトラム拡散通信用相関器としてのS
AWデバイスにはSAWコンボルバ型と、SAWコリレ
ータ型とがある。両者とも、相関後検波を行なうアナロ
グ相関器である。図35はSAWコリレータとSAWコ
ンボルバの構造、特徴および応用分野について対比させ
て表した図である。SAWコンボルバは、図35に示す
ように、入力信号(f(t))を受ける入力電極14
と、参照信号(g(t))が入力される参照電極15
と、入力信号(f(t))および参照信号(g(t))
に基づいて積分処理動作を行ない、出力信号(h
(t))を出力するゲート電極16とを備えてなり、入
力信号に対してキャリア信号を含んだままで相関操作を
行ない、且つまた完全非同期で高速相関操作を行なうも
のである。相関コードは参照信号の信号パターンにより
決定されるため、任意の信号に対する相関操作が可能で
ある。SAWコンボルバは、参照信号を切り替え可能な
構成にすることでプログラマブルな相関器となるため、
汎用性が高く、CDMAの基地局用相関器として適して
いる。
AWデバイスにはSAWコンボルバ型と、SAWコリレ
ータ型とがある。両者とも、相関後検波を行なうアナロ
グ相関器である。図35はSAWコリレータとSAWコ
ンボルバの構造、特徴および応用分野について対比させ
て表した図である。SAWコンボルバは、図35に示す
ように、入力信号(f(t))を受ける入力電極14
と、参照信号(g(t))が入力される参照電極15
と、入力信号(f(t))および参照信号(g(t))
に基づいて積分処理動作を行ない、出力信号(h
(t))を出力するゲート電極16とを備えてなり、入
力信号に対してキャリア信号を含んだままで相関操作を
行ない、且つまた完全非同期で高速相関操作を行なうも
のである。相関コードは参照信号の信号パターンにより
決定されるため、任意の信号に対する相関操作が可能で
ある。SAWコンボルバは、参照信号を切り替え可能な
構成にすることでプログラマブルな相関器となるため、
汎用性が高く、CDMAの基地局用相関器として適して
いる。
【0034】SAWコリレータは、(f(t))を受け
る入力電極17と、タップドディレイライン18からな
る。タップドディレイライン18上のタッピングパター
ンにより相関コードが決定される。デバイス製造時にコ
ードが形成されるため、固定コードの相関器となるが、
SAWコンボルバと同様、完全非同期で高速相関操作が
可能である。また、SAWコリレータは構造が簡単で小
型化が可能であるため、携帯無線端末用相関器として適
している。
る入力電極17と、タップドディレイライン18からな
る。タップドディレイライン18上のタッピングパター
ンにより相関コードが決定される。デバイス製造時にコ
ードが形成されるため、固定コードの相関器となるが、
SAWコンボルバと同様、完全非同期で高速相関操作が
可能である。また、SAWコリレータは構造が簡単で小
型化が可能であるため、携帯無線端末用相関器として適
している。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】一般的にCDMA用符
号として用いられる符号としては、先に説明したように
m系列とかGold系列とかがある。 (m系列)m系列には次のような特徴がある。 (1)”1”と”0”の符号の出現確率がほぼ同じ。 (2)系列の自己相関特性のサイドローブレベルが−1
/(系列長)である。 (3)系列の発生が容易である。
号として用いられる符号としては、先に説明したように
m系列とかGold系列とかがある。 (m系列)m系列には次のような特徴がある。 (1)”1”と”0”の符号の出現確率がほぼ同じ。 (2)系列の自己相関特性のサイドローブレベルが−1
/(系列長)である。 (3)系列の発生が容易である。
【0036】CDMAを行なうための符号としてm系列
を用いる場合には、2通りの考え方がある。1つは、或
る1つのm系列を用意して、各ユーザはそのm系列を時
間的にずらしたものを使う方法である。時間的にずらさ
れたm系列相互の相関値は、上述のように−1/(系列
長)となるので、良好な相関特性の組み合わせが系列長
と同じ数だけ得られる。しかし、この方法では各ユーザ
が同期して信号を送信しなければならないので、一般の
多元接続には利用しにくい。また、相互相関値は0では
ないので、各チャネルから干渉を受けて雑音許容度が減
少し、誤り率特性が劣化してしまう。
を用いる場合には、2通りの考え方がある。1つは、或
る1つのm系列を用意して、各ユーザはそのm系列を時
間的にずらしたものを使う方法である。時間的にずらさ
れたm系列相互の相関値は、上述のように−1/(系列
長)となるので、良好な相関特性の組み合わせが系列長
と同じ数だけ得られる。しかし、この方法では各ユーザ
が同期して信号を送信しなければならないので、一般の
多元接続には利用しにくい。また、相互相関値は0では
ないので、各チャネルから干渉を受けて雑音許容度が減
少し、誤り率特性が劣化してしまう。
【0037】2通りのうちのもう1つは、各ユーザが異
なる系列、すなわち異なるタップ位置のシフトレジスタ
から発生するm系列を使う方法である。この場合は、チ
ャネル間干渉が大きくなり、また同一周期の系列数が少
ないため、チャネル数も限られてしまう(127チップ
で18系列)。
なる系列、すなわち異なるタップ位置のシフトレジスタ
から発生するm系列を使う方法である。この場合は、チ
ャネル間干渉が大きくなり、また同一周期の系列数が少
ないため、チャネル数も限られてしまう(127チップ
で18系列)。
【0038】(Gold系列)m系列の発生できる符号
数が少ないという欠点を補うのが、m系列を基にするG
old系列である。Gold系列は、2種類のm系列発
生器を用意し、その出力を加算することで得られる。長
さNのシフトレジスタの初期オフセットを変えることに
よって、基となったm系列2個を含む2N +1個とい
う、m系列とは比較にならないほど多数の符号が生成さ
れる。但し、相互相関値の最大値は多少悪化する。m系
列やGold系列の場合、その性質は数学的に良く研究
されており、相互相関値の上限が与えられている。その
ため、干渉が0ではないものの、同時接続数などを見積
もることができ、非常に好都合になっている。
数が少ないという欠点を補うのが、m系列を基にするG
old系列である。Gold系列は、2種類のm系列発
生器を用意し、その出力を加算することで得られる。長
さNのシフトレジスタの初期オフセットを変えることに
よって、基となったm系列2個を含む2N +1個とい
う、m系列とは比較にならないほど多数の符号が生成さ
れる。但し、相互相関値の最大値は多少悪化する。m系
列やGold系列の場合、その性質は数学的に良く研究
されており、相互相関値の上限が与えられている。その
ため、干渉が0ではないものの、同時接続数などを見積
もることができ、非常に好都合になっている。
【0039】(直交m系列)直交m系列は、m系列の問
題点を解決する方法として考え出された。この系列は、
m系列を1チップづつ巡回シフトして得られるM種類の
系列の後ろに1チップ付加することによって生成され
る。このとき、付加するチップは系列中の”1”、”
0”の数が等しくなるように選ばれる。長さMのm系列
を1チップづつシフトしたm系列を次式に示す。 M ={x1 ,x2 ,x3 ,・・・・・,xM-1 ,xM } M ={x2 ,x3 ,x ,・・・,xM-1, xM ,x1 } ・・・・・・・・ M ={xM ,x1 ,x2 ,x3 ,・・・・・・・・,xM-1 } 上式の各系列の後ろに1チップ付加した系列を付加した系列は、 M ={x1 ,x2 ,x3 ,・・・・・・・・,xM-1 ,xM ,xadd } M ={x2 ,x3 ,・・・・・,xM-1 ,xM ,x1 ,xadd } ・・・・・・・・ M ={xM ,x1 ,x2 ,x3 ,・・・・・・・・,xM-1 ,xadd } となる。各々の自己相関特性ではそのサイドローブに0
でない相関値が存在するが、位相差0において相互相関
値を0とすることができ、M多重通信が可能となる。
題点を解決する方法として考え出された。この系列は、
m系列を1チップづつ巡回シフトして得られるM種類の
系列の後ろに1チップ付加することによって生成され
る。このとき、付加するチップは系列中の”1”、”
0”の数が等しくなるように選ばれる。長さMのm系列
を1チップづつシフトしたm系列を次式に示す。 M ={x1 ,x2 ,x3 ,・・・・・,xM-1 ,xM } M ={x2 ,x3 ,x ,・・・,xM-1, xM ,x1 } ・・・・・・・・ M ={xM ,x1 ,x2 ,x3 ,・・・・・・・・,xM-1 } 上式の各系列の後ろに1チップ付加した系列を付加した系列は、 M ={x1 ,x2 ,x3 ,・・・・・・・・,xM-1 ,xM ,xadd } M ={x2 ,x3 ,・・・・・,xM-1 ,xM ,x1 ,xadd } ・・・・・・・・ M ={xM ,x1 ,x2 ,x3 ,・・・・・・・・,xM-1 ,xadd } となる。各々の自己相関特性ではそのサイドローブに0
でない相関値が存在するが、位相差0において相互相関
値を0とすることができ、M多重通信が可能となる。
【0040】(直交Gold系列)直交Gold系列
は、構成方法がGold系列と同じで、系列間では直交
していることからこのように呼ばれ、簡単にOG系列と
言われる。ここで、2つのm系列、 A={ai ; i=0,1,2,・・・・・・,N−2} B={bj ; j=0,1,2,・・・・・・,N−2} (n=2n )が異なる帰還タップ位置のシフトレジスタ
から生成されたものとする。その系列の後ろに1つのチ
ップ”0”を付加することにより、系列長が N=2n になる系列は次のように書ける。 U=(a0 ,a1 ,a2 ,・・・,aN-2 ,0)=
(A,0) V =(Tj (b0 ,b1 ,b2 ,・・・,bN-2 ),
0)=(Tj B,0) ここで、T Bは系列Bのチップをj回巡回シフトした
ものである。U,V(j=0,1,・・・・,N−2)
により次のようなN個系列の系列集合が構成される。 OG(A,B)={U,(U*Vj (j=0,1,2,
・・・,N−2))} ここで、”*”は排他的論理和を表す演算子である。O
G系列の一集合OG(A,B)の中のN個の系列は互い
に直交し、直交m系列よりも良好な相関特性を持つ。
は、構成方法がGold系列と同じで、系列間では直交
していることからこのように呼ばれ、簡単にOG系列と
言われる。ここで、2つのm系列、 A={ai ; i=0,1,2,・・・・・・,N−2} B={bj ; j=0,1,2,・・・・・・,N−2} (n=2n )が異なる帰還タップ位置のシフトレジスタ
から生成されたものとする。その系列の後ろに1つのチ
ップ”0”を付加することにより、系列長が N=2n になる系列は次のように書ける。 U=(a0 ,a1 ,a2 ,・・・,aN-2 ,0)=
(A,0) V =(Tj (b0 ,b1 ,b2 ,・・・,bN-2 ),
0)=(Tj B,0) ここで、T Bは系列Bのチップをj回巡回シフトした
ものである。U,V(j=0,1,・・・・,N−2)
により次のようなN個系列の系列集合が構成される。 OG(A,B)={U,(U*Vj (j=0,1,2,
・・・,N−2))} ここで、”*”は排他的論理和を表す演算子である。O
G系列の一集合OG(A,B)の中のN個の系列は互い
に直交し、直交m系列よりも良好な相関特性を持つ。
【0041】(Walsh符号)Walsh符号はHa
damard行列(H行列)の行ベクトルとして表され
る。H行列は、 (1)正方行列 (2)行列の元素は+1か−1のいずれかで構成され
る。 (3)任意の2つの行ベクトルは全て直交する。 という条件を満たす行列のことであり、2i 次のH行列
からは2i 個のWalsh符号が得られる。以下に2i
次のH行列の作成方法について示す。
damard行列(H行列)の行ベクトルとして表され
る。H行列は、 (1)正方行列 (2)行列の元素は+1か−1のいずれかで構成され
る。 (3)任意の2つの行ベクトルは全て直交する。 という条件を満たす行列のことであり、2i 次のH行列
からは2i 個のWalsh符号が得られる。以下に2i
次のH行列の作成方法について示す。
【数4】 H行列の性質(3)より、Walsh符号も位相差0に
おいて相互相関値が0となり、2i 個の直交したチャネ
ルが得られる。但し、位相がずれると、相互相関干渉が
出現する。
おいて相互相関値が0となり、2i 個の直交したチャネ
ルが得られる。但し、位相がずれると、相互相関干渉が
出現する。
【0042】以上のように一般的にCDMA用符号とし
て用いられる符号としてm系列とかGold系列とかを
使用した場合は、チャネル間で相互相関干渉が出現する
という不具合があった。
て用いられる符号としてm系列とかGold系列とかを
使用した場合は、チャネル間で相互相関干渉が出現する
という不具合があった。
【0043】本発明は上記のような従来の不具合を解決
するものであり、チャネル間で相互に干渉がなく、しか
も回路構成の簡単なスペクトラム拡散無線通信システム
を提供することを目的とする。
するものであり、チャネル間で相互に干渉がなく、しか
も回路構成の簡単なスペクトラム拡散無線通信システム
を提供することを目的とする。
【0044】そしてまた、本発明者は、従来スペクトラ
ム拡散通信の特徴であるCDMAに着目し、以下の目的
のもとに研究、開発を行なった。 (1)チャネル間干渉のないCDMA用符号の提案を行
なう。 (2)SAWコンボルバを用いた相関システムの設計を
行ない、提案する符号の実用化の指針を示す。 (3)上記CDMA用符号を用いたCDMAシステムを
提案し、その性能が構内CDMAセル化技術の現実解と
して充分であることを示す。
ム拡散通信の特徴であるCDMAに着目し、以下の目的
のもとに研究、開発を行なった。 (1)チャネル間干渉のないCDMA用符号の提案を行
なう。 (2)SAWコンボルバを用いた相関システムの設計を
行ない、提案する符号の実用化の指針を示す。 (3)上記CDMA用符号を用いたCDMAシステムを
提案し、その性能が構内CDMAセル化技術の現実解と
して充分であることを示す。
【0045】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するため、拡散処理用の符号として近似同期CDM
A用符号を用いる。この近似同期CDMA用符号は、複
素数で表される多相系列の符号で、無線通信等において
使用し得る符号として最近提唱されているものである。
ここで、近似同期CDMA用符号について述べる。先に
述べた符号(m系列、Gold系列、Walsh符号
等)は、相互相関値が0ではなかったり、相関値が0と
なってもそれは或る1時点に限られていた。CDMAシ
ステムの実現という観点からは、できるだけ直交する範
囲が広いことが望ましい。以下では、広範囲において直
交性を有する近似同期CDMA用符号について説明す
る。
達成するため、拡散処理用の符号として近似同期CDM
A用符号を用いる。この近似同期CDMA用符号は、複
素数で表される多相系列の符号で、無線通信等において
使用し得る符号として最近提唱されているものである。
ここで、近似同期CDMA用符号について述べる。先に
述べた符号(m系列、Gold系列、Walsh符号
等)は、相互相関値が0ではなかったり、相関値が0と
なってもそれは或る1時点に限られていた。CDMAシ
ステムの実現という観点からは、できるだけ直交する範
囲が広いことが望ましい。以下では、広範囲において直
交性を有する近似同期CDMA用符号について説明す
る。
【0046】(直交系列) 周期Nの周期系列 (・・・,a0 ,a1 ,・・・,aN-1 ,a0 ,a1 ,
・・・,aN-1 ,・・・) は次のように巡回行列として表現できる。
・・・,aN-1 ,・・・) は次のように巡回行列として表現できる。
【数5】
【0047】Aを巡回行列、Bを対角行列とする。ここ
で、Bの対角要素がAの第1列にDFT(離散フーリエ
変換)を施したものと等しいとき、次式が成立する。 A=F-1BF ただし、FはDFT行列である。周期系列において、自
己相関関数が周期の倍数以外の全ての項で0となると
き、その系列を直交系列と呼ぶことにする。巡回行列A
がユニタリ行列であるとき、Aは系列を表し、またBも
ユニタリ行列となる。よって、対角行列Bの対角要素の
絶対値は1となる。 相互相関のない周期系列 AおよびCを周期系列を表す巡回行列とすると、 A=F-1BF および C=F-1DF となるような対角行列BおよびDが存在する。Aおよび
Cで表される周期系列の相互相関関数は、次のように表
現できる。
で、Bの対角要素がAの第1列にDFT(離散フーリエ
変換)を施したものと等しいとき、次式が成立する。 A=F-1BF ただし、FはDFT行列である。周期系列において、自
己相関関数が周期の倍数以外の全ての項で0となると
き、その系列を直交系列と呼ぶことにする。巡回行列A
がユニタリ行列であるとき、Aは系列を表し、またBも
ユニタリ行列となる。よって、対角行列Bの対角要素の
絶対値は1となる。 相互相関のない周期系列 AおよびCを周期系列を表す巡回行列とすると、 A=F-1BF および C=F-1DF となるような対角行列BおよびDが存在する。Aおよび
Cで表される周期系列の相互相関関数は、次のように表
現できる。
【数6】 ここで、 tCはCの転置行列を表す。対角行列BDの対
角要素の全てが0となるとき、相互相関値は全ての項に
おいて0となる。例として、周期3の直交系列 (1,1,W3 ) を考える。
角要素の全てが0となるとき、相互相関値は全ての項に
おいて0となる。例として、周期3の直交系列 (1,1,W3 ) を考える。
【数7】 また、F12は12次のDFT行列である。
【0048】(2)式の右辺の行列の列ベクトルから、
4つの多相周期系列が得られる。左辺の行列において
は、各列は互いに直交するよう、要素がずらして配置さ
れている。ここで、行は各チャネルに、列は周波数軸と
みなすことができる。したがって、左辺の行列は各チャ
ネル用系列の周波数スペクトルが互いに重ならないよう
に設計していることに相当する。よって、逆DFTによ
り時間領域に変換して得られた右辺の系列のどの2つを
とっても、相互相関関数は全ての項において0となる。
4つの多相周期系列が得られる。左辺の行列において
は、各列は互いに直交するよう、要素がずらして配置さ
れている。ここで、行は各チャネルに、列は周波数軸と
みなすことができる。したがって、左辺の行列は各チャ
ネル用系列の周波数スペクトルが互いに重ならないよう
に設計していることに相当する。よって、逆DFTによ
り時間領域に変換して得られた右辺の系列のどの2つを
とっても、相互相関関数は全ての項において0となる。
【0049】(2)式の左辺の4つの列ベクトルは、
(1,1,W3 )の要素間に0を挿入した構成になって
いるが、(1,1,W3 )が直交系列であるために、そ
れぞれが直交系列となっている。この場合の(1,1,
W3 )と同様の働きをする直交系列を、基礎直交系列と
呼ぶ。これにより得られた4つの多相周期系列の自己相
関関数は次のようになる。 (100100100100) (100j00−100−j00) (100−100100−100) (100−j00−100j00) 一般に、基礎直交系列を拡張して作成した直交系列は、
逆DFTによって多相周期系列に変換され、その自己相
関関数は基礎直交系列の周期の倍数以外の全ての項で0
となる。(2)式に倣って作成された符号は、相互相関
のみならず、自己相関において符号の同期が多少前後に
ずれた場合でも相関値が0となるという特徴を持つ。
(1,1,W3 )の要素間に0を挿入した構成になって
いるが、(1,1,W3 )が直交系列であるために、そ
れぞれが直交系列となっている。この場合の(1,1,
W3 )と同様の働きをする直交系列を、基礎直交系列と
呼ぶ。これにより得られた4つの多相周期系列の自己相
関関数は次のようになる。 (100100100100) (100j00−100−j00) (100−100100−100) (100−j00−100j00) 一般に、基礎直交系列を拡張して作成した直交系列は、
逆DFTによって多相周期系列に変換され、その自己相
関関数は基礎直交系列の周期の倍数以外の全ての項で0
となる。(2)式に倣って作成された符号は、相互相関
のみならず、自己相関において符号の同期が多少前後に
ずれた場合でも相関値が0となるという特徴を持つ。
【0050】全ての信号が、或る一定の範囲内に収まる
ように制御して運用するのが近似同期CDMA方式であ
る。そして(2)式のような手順により作成された近似
同期CDMA用符号のことを、提唱者(末広直樹氏:筑
波大学助教授)の名をとって末広符号と呼ぶこともあ
る。
ように制御して運用するのが近似同期CDMA方式であ
る。そして(2)式のような手順により作成された近似
同期CDMA用符号のことを、提唱者(末広直樹氏:筑
波大学助教授)の名をとって末広符号と呼ぶこともあ
る。
【0051】(位相状態の少ない近似同期CDMA用符
号)先に述べた用に、(2)式の右辺から得られる近似
同期CDMA用符号は、多相周期系列となっている。そ
の系列の位相の状態数は、系列の周期が長くなるにつれ
て増加していく(系列周期128では取り得る位相状態
数が128ある)。考慮すべき位相の状態数があまりに
多いと、実用上、符号を正確に発生させる操作が複雑、
且つ困難となる。そこで、本発明では近似同期CDMA
用符号を少ない位相の状態数で生成する方法について提
案する。これにより系列の制御が容易になり、符号発生
回路の実現が容易になる。
号)先に述べた用に、(2)式の右辺から得られる近似
同期CDMA用符号は、多相周期系列となっている。そ
の系列の位相の状態数は、系列の周期が長くなるにつれ
て増加していく(系列周期128では取り得る位相状態
数が128ある)。考慮すべき位相の状態数があまりに
多いと、実用上、符号を正確に発生させる操作が複雑、
且つ困難となる。そこで、本発明では近似同期CDMA
用符号を少ない位相の状態数で生成する方法について提
案する。これにより系列の制御が容易になり、符号発生
回路の実現が容易になる。
【0052】ここで位相状態数の低減化の方法について
説明する。まず、基礎直交系列にDFTを施す。得られ
る系列はまた直交系列になっているので、この系列を新
たに基礎直交系列とし、(2)式と同様に系列の要素間
に0を挿入して周期を任意の長さに拡張する。そして、
各列ベクトルが直交するように、すなわち周波数スペク
トルが重ならないように行列を構成し、その後逆DFT
を施して時間軸上の信号を得る。その結果、得られた行
列の第1列は、最初の基礎直交系列が連続した形になっ
ており、その位相状態数は基礎直交系列のそれと等しく
なる。例として、先の説明と同様に、基礎直交系列が周
期3の系列(1,1,W3 )の場合について説明する。
説明する。まず、基礎直交系列にDFTを施す。得られ
る系列はまた直交系列になっているので、この系列を新
たに基礎直交系列とし、(2)式と同様に系列の要素間
に0を挿入して周期を任意の長さに拡張する。そして、
各列ベクトルが直交するように、すなわち周波数スペク
トルが重ならないように行列を構成し、その後逆DFT
を施して時間軸上の信号を得る。その結果、得られた行
列の第1列は、最初の基礎直交系列が連続した形になっ
ており、その位相状態数は基礎直交系列のそれと等しく
なる。例として、先の説明と同様に、基礎直交系列が周
期3の系列(1,1,W3 )の場合について説明する。
【数8】
【0053】(3)式の右辺の行列の第1列に注目する
と、基礎直交系列(1,1,W3 )の繰り返しとなって
いることがわかる。したがって、この系列の取り得る位
相状態は”1”か”W3 ”の2種類となる。ただし、他
の列ベクトルから得られる系列は先の近似同期CDMA
用符号と同様に多相周期系列となっている。しかし、こ
れらの系列の特性は、1列目の系列を用いて表現するこ
とができる。
と、基礎直交系列(1,1,W3 )の繰り返しとなって
いることがわかる。したがって、この系列の取り得る位
相状態は”1”か”W3 ”の2種類となる。ただし、他
の列ベクトルから得られる系列は先の近似同期CDMA
用符号と同様に多相周期系列となっている。しかし、こ
れらの系列の特性は、1列目の系列を用いて表現するこ
とができる。
【0054】(3)式の右辺から得られる系列のスペク
トルに着目すると、各系列は或る帯域中に基礎直交系列
の周期と同数(いまの場合は3)のピークが等間隔に立
つというのは共通であるが、そのピークの位置がそれぞ
れ違うことで区別される。すなわち、各系列のスペクト
ル特性は、第1列ベクトルをシフトさせた形となってい
る、近似同期CDMA用符号の直交性は、符号のスペク
トルが互いに重ならないことで実現している。よって、
最も位相状態の少ない系列のみを用い、各チャネル用の
符号としては乗算するキャリア周波数を変位させてスペ
クトルの立ち方をシフトさせることで、他の列ベクトル
を拡散符号として使用した場合と同様の特性が得られ
る。この様子を図1に示す。
トルに着目すると、各系列は或る帯域中に基礎直交系列
の周期と同数(いまの場合は3)のピークが等間隔に立
つというのは共通であるが、そのピークの位置がそれぞ
れ違うことで区別される。すなわち、各系列のスペクト
ル特性は、第1列ベクトルをシフトさせた形となってい
る、近似同期CDMA用符号の直交性は、符号のスペク
トルが互いに重ならないことで実現している。よって、
最も位相状態の少ない系列のみを用い、各チャネル用の
符号としては乗算するキャリア周波数を変位させてスペ
クトルの立ち方をシフトさせることで、他の列ベクトル
を拡散符号として使用した場合と同様の特性が得られ
る。この様子を図1に示す。
【0055】基礎直交系列として、(1,1,W3 )の
代わりに4相の直交系列、 (1,1,1,1,1,j,−1,−j,1,−1,
1,−1,1,−j,−1,j) もしくは2相の系列、 (1,1,1,−1) を用いると、それぞれ4相もしくは2相の近似同期CD
MA用符号が生成される。これらは容易に回路による実
現が可能である。そして、SS通信に応用することがで
きるものである。
代わりに4相の直交系列、 (1,1,1,1,1,j,−1,−j,1,−1,
1,−1,1,−j,−1,j) もしくは2相の系列、 (1,1,1,−1) を用いると、それぞれ4相もしくは2相の近似同期CD
MA用符号が生成される。これらは容易に回路による実
現が可能である。そして、SS通信に応用することがで
きるものである。
【0056】そこで、本発明者は実際に符号発生器を作
成し、相関器としてZnO/Si型SAWコンボルバを
用いた相関システムを構成し、近似同期CDMA用符号
の相関特性を観察した。この相関システムの構成に当た
っては、ここでは相関器としてのZuO/Si型SAW
コンボルバを用いた。その構造を図2に示す。この図に
示してあるように、ZnO/Si型SAWコンボルバ2
0は、ZnO(酸化亜鉛)層21と、SiO2 (二酸化
珪素)層22と、Si(珪素:シリコン)構造体23と
を順次積層し、さらにSi構造体23の裏面には背面接
続電極24が配置されて成る。ZnO層21にはゲート
電極25が設けられている一方、回路としてのIDT2
6(26a、26b)が設けられている。また、上記Z
nO/Si型SAWコンボルバ20の主な特性を従来の
エラスティック型コンボルバと対比させて表4に示す。
成し、相関器としてZnO/Si型SAWコンボルバを
用いた相関システムを構成し、近似同期CDMA用符号
の相関特性を観察した。この相関システムの構成に当た
っては、ここでは相関器としてのZuO/Si型SAW
コンボルバを用いた。その構造を図2に示す。この図に
示してあるように、ZnO/Si型SAWコンボルバ2
0は、ZnO(酸化亜鉛)層21と、SiO2 (二酸化
珪素)層22と、Si(珪素:シリコン)構造体23と
を順次積層し、さらにSi構造体23の裏面には背面接
続電極24が配置されて成る。ZnO層21にはゲート
電極25が設けられている一方、回路としてのIDT2
6(26a、26b)が設けられている。また、上記Z
nO/Si型SAWコンボルバ20の主な特性を従来の
エラスティック型コンボルバと対比させて表4に示す。
【表4】
【0057】この表4から明らかなように、ZnO/S
i型SAWコンボルバ20の動作中心周波数は215M
Hz、BT(Band−Time)積は207である。
BT積は3dB帯域幅と遅延時間の積で、スペクトラム
拡散通信に応用した場合、SAWデバイスの最大発揮し
得るプロセスゲインに相当する。ZnO/Si型SAW
コンボルバ20は、そのゲート電極25におけるSi空
乏層の非線形容量性により−42dBという端子効率を
実現している。この値は、従来のエラスティック型コン
ボルバより約15dB良く、中程度のBT積を必要とす
る無線端末用相関器として最適である。
i型SAWコンボルバ20の動作中心周波数は215M
Hz、BT(Band−Time)積は207である。
BT積は3dB帯域幅と遅延時間の積で、スペクトラム
拡散通信に応用した場合、SAWデバイスの最大発揮し
得るプロセスゲインに相当する。ZnO/Si型SAW
コンボルバ20は、そのゲート電極25におけるSi空
乏層の非線形容量性により−42dBという端子効率を
実現している。この値は、従来のエラスティック型コン
ボルバより約15dB良く、中程度のBT積を必要とす
る無線端末用相関器として最適である。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について説明する。図3は上記ZnO/Si型SAWコ
ンボルバ20を使用して構成した相関システムの回路構
成を表すブロック図である。この図に示すように相関シ
ステムは、ZnO/Si型SAWコンボルバ20と、こ
のZnO/Si型SAWコンボルバ20へ入力される周
波数faの第1信号を発生させる第1の発振器27と、
第1信号に対してPNコード1を入力するPNコード1
供給部28と、第1信号とPNコード1とを乗算する第
1の乗算器29と、ZnO/Si型SAWコンボルバ2
0へ入力される周波数fbの第2信号を発生させる第2
の発振器30と、第2信号に対してPNコード2を入力
するPNコード2供給部31と、第2信号とPNコード
2とを乗算する第2の乗算器32と、ZnO/Si型S
AWコンボルバ20の出力に対して帯域分離を行なうバ
ンドパスフィルタ33とから構成されている。拡散符号
であるPNコード1および2については、コード長が1
27チップのm系列、コードレートは14MHzとして
ある。
について説明する。図3は上記ZnO/Si型SAWコ
ンボルバ20を使用して構成した相関システムの回路構
成を表すブロック図である。この図に示すように相関シ
ステムは、ZnO/Si型SAWコンボルバ20と、こ
のZnO/Si型SAWコンボルバ20へ入力される周
波数faの第1信号を発生させる第1の発振器27と、
第1信号に対してPNコード1を入力するPNコード1
供給部28と、第1信号とPNコード1とを乗算する第
1の乗算器29と、ZnO/Si型SAWコンボルバ2
0へ入力される周波数fbの第2信号を発生させる第2
の発振器30と、第2信号に対してPNコード2を入力
するPNコード2供給部31と、第2信号とPNコード
2とを乗算する第2の乗算器32と、ZnO/Si型S
AWコンボルバ20の出力に対して帯域分離を行なうバ
ンドパスフィルタ33とから構成されている。拡散符号
であるPNコード1および2については、コード長が1
27チップのm系列、コードレートは14MHzとして
ある。
【0059】図4は上記図3に示された回路構成を有す
る相関システムで相関処理を行なって得られたZnO/
Si型SAWコンボルバ20の拡散符号並びに周波数に
対する特性結果を示す図である。SAWコンボルバに同
一の符号が入力された場合は、図4(a)に示すよう
に、拡散符号の自己相関出力が得られ、急峻なピークを
持った出力となる。プリファードペアなm系列を入力し
た場合は、相関出力はその相互相関特性を反映した出力
が得られる。一方、SAWコンボルバの入力中心周波数
を変化させると、図4(b)に示すように、入力中心周
波数差が110kHzの倍数となると相関ピークが消滅
する。この値はSAWコンボルバのゲート遅延時間9μ
sec(マイクロ秒)の逆数に相当し、この積分時間を
持つ積分器の数学的直交周波数である。この特性を利用
して、充分なチャネルセパレーションが確保できること
が実験の結果分かった。このようなチャネルセパレーシ
ョンの方式を微小周波数変位型マルチチャネルと呼ぶこ
とにする。
る相関システムで相関処理を行なって得られたZnO/
Si型SAWコンボルバ20の拡散符号並びに周波数に
対する特性結果を示す図である。SAWコンボルバに同
一の符号が入力された場合は、図4(a)に示すよう
に、拡散符号の自己相関出力が得られ、急峻なピークを
持った出力となる。プリファードペアなm系列を入力し
た場合は、相関出力はその相互相関特性を反映した出力
が得られる。一方、SAWコンボルバの入力中心周波数
を変化させると、図4(b)に示すように、入力中心周
波数差が110kHzの倍数となると相関ピークが消滅
する。この値はSAWコンボルバのゲート遅延時間9μ
sec(マイクロ秒)の逆数に相当し、この積分時間を
持つ積分器の数学的直交周波数である。この特性を利用
して、充分なチャネルセパレーションが確保できること
が実験の結果分かった。このようなチャネルセパレーシ
ョンの方式を微小周波数変位型マルチチャネルと呼ぶこ
とにする。
【0060】SAWコンボルバは、素子内部に符号情報
を持たず、且つ完全にアナログ動作を行なうので、使用
する拡散符号に制限がなく、非同期で最高相関操作が可
能となるという特徴を持つ。近似同期CDMA用符号に
対するSAWコンボルバの相関システムの構成に際して
は、この特徴と微小周波数変位型マルチチャネルを積極
的に適用する。この相関システムの実験の緒元を表5に
示す。
を持たず、且つ完全にアナログ動作を行なうので、使用
する拡散符号に制限がなく、非同期で最高相関操作が可
能となるという特徴を持つ。近似同期CDMA用符号に
対するSAWコンボルバの相関システムの構成に際して
は、この特徴と微小周波数変位型マルチチャネルを積極
的に適用する。この相関システムの実験の緒元を表5に
示す。
【表5】 基礎直交系列として、周期16の系列を用いている。こ
の系列にDFTを施して新たな直交系列を得る。
の系列にDFTを施して新たな直交系列を得る。
【数9】
【0061】(4)式に示すように、スペクトル領域の
設計ではチャネル数8を設定したため、直交系列の要素
間に0を7つ挿入して周期を128に拡張する。この系
列を順次要素をシフトさせて8列の行列にする。この行
列にDFTを施すことにより、時間領域の信号を得る。
(4)式右辺の行列の第1列には、基礎直交系列が繰り
返された系列が現れている。この系列は、±1および±
jの4つの値で構成されるため、4相系列となる。一
方、他のベクトルから得られる系列は、従来と同様多相
周期系列となっており、これらの系列を回路で生成する
には128段階の精度で位相を制御する必要があるた
め、正確な発生は困難となり、充分な特性が期待できな
い。
設計ではチャネル数8を設定したため、直交系列の要素
間に0を7つ挿入して周期を128に拡張する。この系
列を順次要素をシフトさせて8列の行列にする。この行
列にDFTを施すことにより、時間領域の信号を得る。
(4)式右辺の行列の第1列には、基礎直交系列が繰り
返された系列が現れている。この系列は、±1および±
jの4つの値で構成されるため、4相系列となる。一
方、他のベクトルから得られる系列は、従来と同様多相
周期系列となっており、これらの系列を回路で生成する
には128段階の精度で位相を制御する必要があるた
め、正確な発生は困難となり、充分な特性が期待できな
い。
【0062】そこで、上述したように、他の系列の特性
は最も位相状態数のすくない第1列の系列を用いて実現
する。すなわち、各チャネルにキャリア周波数を110
kHzづつ変位させて割り当て、それぞれの符号の代わ
りとする。これにより、スペクトルのピークの立つ位置
がシフトするので、それぞれの多相周期系列を用いたと
きと同様の特性が実現できる。
は最も位相状態数のすくない第1列の系列を用いて実現
する。すなわち、各チャネルにキャリア周波数を110
kHzづつ変位させて割り当て、それぞれの符号の代わ
りとする。これにより、スペクトルのピークの立つ位置
がシフトするので、それぞれの多相周期系列を用いたと
きと同様の特性が実現できる。
【0063】ところで、得られた4相の近似同期CDM
A用符号の位相は、位相空間で見ると実軸および虚軸上
に位置する。そのため、符号を実部と虚部とに分けて制
御することを考えた場合、±1および0の3値が必要と
なる。そこで、さらなる簡略化のために、この実験では
図5に示すように符号を位相空間で45度回転させ、各
象限に1つの状態が来るようにする。この処理により、
符号の実部および虚部は2値のみをとるようになり、±
を用いたディジタル回路による容易な制御が可能とな
る。
A用符号の位相は、位相空間で見ると実軸および虚軸上
に位置する。そのため、符号を実部と虚部とに分けて制
御することを考えた場合、±1および0の3値が必要と
なる。そこで、さらなる簡略化のために、この実験では
図5に示すように符号を位相空間で45度回転させ、各
象限に1つの状態が来るようにする。この処理により、
符号の実部および虚部は2値のみをとるようになり、±
を用いたディジタル回路による容易な制御が可能とな
る。
【0064】この近似同期CDMA用符号を14Mcp
sで用いると、帯域幅14MHzに16本のスペクトル
のピークが立つことになる。また、符号の自己相関特性
は、基礎直交系列の周期16の倍数以外の全ての項で0
となる。すなわち、1周期の相関で16チップ時間毎に
8本の相関ピークが現れる。一方、キャリアを変位させ
て用いる他チャネル用の符号との相互相関特性は理論的
には0となる。
sで用いると、帯域幅14MHzに16本のスペクトル
のピークが立つことになる。また、符号の自己相関特性
は、基礎直交系列の周期16の倍数以外の全ての項で0
となる。すなわち、1周期の相関で16チップ時間毎に
8本の相関ピークが現れる。一方、キャリアを変位させ
て用いる他チャネル用の符号との相互相関特性は理論的
には0となる。
【0065】図6および図7はこの実施の形態における
SAWコンボルバを用いた相関システムの構成を表すブ
ロック図である。これらの図のうち図6は上記相関シス
テムの送信部の構成を表すブロック図、図7は同相関シ
ステムの受信部の構成を表すブロック図である。図6に
おいて、37は近似同期CDMA用符号を発生する符号
発生器、38は送信キャリア信号の出力源となるキャリ
ア信号発生器、39は近似同期CDMA用符号の実部に
対して信号を乗算する乗算器、40はキャリア信号発生
器38で生成されたキャリア信号の直交成分を生成する
直交成分生成部、41は近似同期CDMA用符号の虚部
に対してキャリア信号の直交成分を乗算する乗算器、4
2は乗算器39の出力と乗算器41の出力とを加算する
加算器、43は送信信号を出射する空中線としてのアン
テナである。
SAWコンボルバを用いた相関システムの構成を表すブ
ロック図である。これらの図のうち図6は上記相関シス
テムの送信部の構成を表すブロック図、図7は同相関シ
ステムの受信部の構成を表すブロック図である。図6に
おいて、37は近似同期CDMA用符号を発生する符号
発生器、38は送信キャリア信号の出力源となるキャリ
ア信号発生器、39は近似同期CDMA用符号の実部に
対して信号を乗算する乗算器、40はキャリア信号発生
器38で生成されたキャリア信号の直交成分を生成する
直交成分生成部、41は近似同期CDMA用符号の虚部
に対してキャリア信号の直交成分を乗算する乗算器、4
2は乗算器39の出力と乗算器41の出力とを加算する
加算器、43は送信信号を出射する空中線としてのアン
テナである。
【0066】図7において、44は近似同期CDMA用
符号を発生する符号発生器、45は受信キャリア信号の
出力源となるキャリア信号発生器、46は近似同期CD
MA用符号の実部に対して信号を乗算する乗算器、47
はキャリア信号発生器45で生成されたキャリア信号の
直交成分を生成する直交成分生成部、48は近似同期C
DMA用符号の虚部に対してキャリア信号の直交成分を
乗算する乗算器、49は乗算器46のを入力して相関処
理を行なう第1のSAWコンボルバ、50は乗算器48
のを入力して相関処理を行なう第2のSAWコンボル
バ、51は第1のSAWコンボルバ49の出力と第2の
SAWコンボルバ50の出力とを加算して相関出力を得
る加算器、52は送信信号を出射する空中線としてのア
ンテナである。
符号を発生する符号発生器、45は受信キャリア信号の
出力源となるキャリア信号発生器、46は近似同期CD
MA用符号の実部に対して信号を乗算する乗算器、47
はキャリア信号発生器45で生成されたキャリア信号の
直交成分を生成する直交成分生成部、48は近似同期C
DMA用符号の虚部に対してキャリア信号の直交成分を
乗算する乗算器、49は乗算器46のを入力して相関処
理を行なう第1のSAWコンボルバ、50は乗算器48
のを入力して相関処理を行なう第2のSAWコンボル
バ、51は第1のSAWコンボルバ49の出力と第2の
SAWコンボルバ50の出力とを加算して相関出力を得
る加算器、52は送信信号を出射する空中線としてのア
ンテナである。
【0067】符号発生器37、44は、PLD(Pro
gramable Logic Device)を中心
とした簡易な構成で実現している。符号発生器37、4
4からは4相の近似同期CDMA用符号の実部および虚
部が出力される。送信部においては、近似同期CDMA
用符号の実部をキャリアの同相(1相)成分に、虚部を
直交成分(Q相)に乗算して送信する。受信部では、参
照用の符号が生成され、第1および第2のSAWコンボ
ルバ49、50で近似同期CDMA用符号の実部信号及
び虚部信号の相関をとり、両者を演算処理することで結
果を得ている。SAWコンボルバを用いているために、
相関処理は完全に非同期で行なわれる。なお、信号の伝
搬路は有線で構成されているが、一部または全部を無線
で接続してもよい。
gramable Logic Device)を中心
とした簡易な構成で実現している。符号発生器37、4
4からは4相の近似同期CDMA用符号の実部および虚
部が出力される。送信部においては、近似同期CDMA
用符号の実部をキャリアの同相(1相)成分に、虚部を
直交成分(Q相)に乗算して送信する。受信部では、参
照用の符号が生成され、第1および第2のSAWコンボ
ルバ49、50で近似同期CDMA用符号の実部信号及
び虚部信号の相関をとり、両者を演算処理することで結
果を得ている。SAWコンボルバを用いているために、
相関処理は完全に非同期で行なわれる。なお、信号の伝
搬路は有線で構成されているが、一部または全部を無線
で接続してもよい。
【0068】ここで、キャリアを含んだ状態での複素数
信号に対する相関計算法について述べる。複素数信号お
よび参照信号の実部、虚部をそれぞれR、Iおよび
R’、I’とすると、数学的な計算式は以下のようにな
る。 実数部: Rcosωt・R’cosωt+Isinωt・I’sinωt +Rsinωt・R’sinωt+Icosωt・I’cosωt ・・・・・・(5) 虚数部: Icosωt・R’cosωt+Isinωt・R’sinωt −(Rsinωt・I’sinωt+Rcosωt・I’cosωt) ・・・・(6) ここで、ω:キャリア角周波数、t:時間である。近似
同期CDMA用符号の相関値は実数値となり、(6)式
は0となるので無視でき、(5)式のみ考慮すればよ
い。(5)式から、数学に忠実な相関を行なう場合には
4つの相関計算を粉雨必要があり、SAWコンボルバは
4つ必要となることがわかる。一方、図7に示した受診
部の相関システム(SAWコンボルバ2個)では相関出
力は次式のように表すことができる。 相関出力=Rcosωt・R’cosω(t−τ) +Isinωt・I’sinω(t−τ)・・・・(7) ここで、τ:遅延時間である。(7)式を変形して整理
し、直流成分を除去すると、 (1/2)(R R’−I I’)cos(2ωt−ωτ) ・・・・(8) となる。ここで、参照信号として送信側の符号の複素共
役を用いる。すなわち、R’=R,I’=Iとすると、
(8)式は求める自己相関値 R2 +I2 に角周波数2ωのキャリアが乗算された形となる。した
がって、図7に示すように2個のSAWコンボルバ4
9、50で構成された相関回路を用いることでも、妥当
な相関結果が得られる。
信号に対する相関計算法について述べる。複素数信号お
よび参照信号の実部、虚部をそれぞれR、Iおよび
R’、I’とすると、数学的な計算式は以下のようにな
る。 実数部: Rcosωt・R’cosωt+Isinωt・I’sinωt +Rsinωt・R’sinωt+Icosωt・I’cosωt ・・・・・・(5) 虚数部: Icosωt・R’cosωt+Isinωt・R’sinωt −(Rsinωt・I’sinωt+Rcosωt・I’cosωt) ・・・・(6) ここで、ω:キャリア角周波数、t:時間である。近似
同期CDMA用符号の相関値は実数値となり、(6)式
は0となるので無視でき、(5)式のみ考慮すればよ
い。(5)式から、数学に忠実な相関を行なう場合には
4つの相関計算を粉雨必要があり、SAWコンボルバは
4つ必要となることがわかる。一方、図7に示した受診
部の相関システム(SAWコンボルバ2個)では相関出
力は次式のように表すことができる。 相関出力=Rcosωt・R’cosω(t−τ) +Isinωt・I’sinω(t−τ)・・・・(7) ここで、τ:遅延時間である。(7)式を変形して整理
し、直流成分を除去すると、 (1/2)(R R’−I I’)cos(2ωt−ωτ) ・・・・(8) となる。ここで、参照信号として送信側の符号の複素共
役を用いる。すなわち、R’=R,I’=Iとすると、
(8)式は求める自己相関値 R2 +I2 に角周波数2ωのキャリアが乗算された形となる。した
がって、図7に示すように2個のSAWコンボルバ4
9、50で構成された相関回路を用いることでも、妥当
な相関結果が得られる。
【0069】図8は上記の相関処理において、送信部か
ら発生した送信信号の電力スペクトルを示す図である。
この図から、帯域幅14MHz中に16本スペクトルの
ピークが観察され、理論通りの符号が生成されているこ
とがわかる。このピークが重ならないようにキャリアを
微小周波数変位させることで、多重化を実現する(微小
周波数変位型マルチチャネル)。
ら発生した送信信号の電力スペクトルを示す図である。
この図から、帯域幅14MHz中に16本スペクトルの
ピークが観察され、理論通りの符号が生成されているこ
とがわかる。このピークが重ならないようにキャリアを
微小周波数変位させることで、多重化を実現する(微小
周波数変位型マルチチャネル)。
【0070】図9(a)は近似同期CDMA用符号の自
己相関特性の理論特性を示し、図9(b)は近似同期C
DMA用符号の自己相関特性の実測値を示す図である。
理論的には、1周期で基礎直交系列の周期の倍数の項で
相関ピークが現れ、それ以外では0となる。本実施の形
態の場合、系列周期が128、基礎直交系列の周期が1
6であるので、系列1周期の相関で8本のピークが現れ
ることになる。しかし、コンボルバの場合、入力信号と
参照信号は互いに向かい合って進行してくるので、結局
符号1周期に相当する9μsecでは16本の相関ピー
クが出現する。理論通りの動作結果が得られていること
がわかる。ただし、シミュレーションでは各ピーク間の
オフイドローブは0となっているのに対し、実際の測定
ではそのようになっていない。の原因としては、アナロ
グ素子である2台のSAWコンボルバ49、50の出力
特性の差異、またキャリアのI相およびQ相の直交性が
充分でない(π/2からずれている)こと、或いは2つ
の出力信号の位相状態の調整が最適化されていないこと
などが考えられる。
己相関特性の理論特性を示し、図9(b)は近似同期C
DMA用符号の自己相関特性の実測値を示す図である。
理論的には、1周期で基礎直交系列の周期の倍数の項で
相関ピークが現れ、それ以外では0となる。本実施の形
態の場合、系列周期が128、基礎直交系列の周期が1
6であるので、系列1周期の相関で8本のピークが現れ
ることになる。しかし、コンボルバの場合、入力信号と
参照信号は互いに向かい合って進行してくるので、結局
符号1周期に相当する9μsecでは16本の相関ピー
クが出現する。理論通りの動作結果が得られていること
がわかる。ただし、シミュレーションでは各ピーク間の
オフイドローブは0となっているのに対し、実際の測定
ではそのようになっていない。の原因としては、アナロ
グ素子である2台のSAWコンボルバ49、50の出力
特性の差異、またキャリアのI相およびQ相の直交性が
充分でない(π/2からずれている)こと、或いは2つ
の出力信号の位相状態の調整が最適化されていないこと
などが考えられる。
【0071】図10は、微小周波数変位型マルチチャネ
ルにより多重化した信号の相互相関特性を示す図であ
る。キャリア周波数が215MHzの信号と215.1
1MHzの信号との相関をとっている。図10(a)は
近似同期CDMA用符号を拡散符号として用いた場合の
相関結果を表し、図10(b)は周期127のm系列m
(7,1)を拡散符号として用いた場合の相関結果を表
す。拡散符号として近似同期CDMA用符号を用いた場
合、スペクトルが重ならないため、相互相関値が殆ど見
られない。すなわち、チャネル間干渉が殆どなく、m系
列の場合よりもはるかに良好なチャネルセパレーション
が実現できている。近似同期CDMA用符号の場合、理
論的には相互相関値は0となるので、自己相関ピークに
対して無限大のゲインを有することになる。しかし、
(7)式による相関を行なった場合は、ミュレーション
によりそのゲインは45dBと得られた。一方、m系列
では、同様なシミュレーションにより自己相関ピークと
の比較を行なうと、約27dBという結果が得られた。
すなわち、拡散符号として近似同期CDMA用符号を用
いることによりm系列よりも約18dB良好な直交性が
実現できる。
ルにより多重化した信号の相互相関特性を示す図であ
る。キャリア周波数が215MHzの信号と215.1
1MHzの信号との相関をとっている。図10(a)は
近似同期CDMA用符号を拡散符号として用いた場合の
相関結果を表し、図10(b)は周期127のm系列m
(7,1)を拡散符号として用いた場合の相関結果を表
す。拡散符号として近似同期CDMA用符号を用いた場
合、スペクトルが重ならないため、相互相関値が殆ど見
られない。すなわち、チャネル間干渉が殆どなく、m系
列の場合よりもはるかに良好なチャネルセパレーション
が実現できている。近似同期CDMA用符号の場合、理
論的には相互相関値は0となるので、自己相関ピークに
対して無限大のゲインを有することになる。しかし、
(7)式による相関を行なった場合は、ミュレーション
によりそのゲインは45dBと得られた。一方、m系列
では、同様なシミュレーションにより自己相関ピークと
の比較を行なうと、約27dBという結果が得られた。
すなわち、拡散符号として近似同期CDMA用符号を用
いることによりm系列よりも約18dB良好な直交性が
実現できる。
【0072】(実施の形態2)近似同期CDMA用符号
を用いたCDMAシステム 次に、近似同期CDMA用符号を用いて通信システムの
設計を行なう。まず近似同期CDMA用符号の特性を維
持しながら、データ変調を行なうために、符号の擬周期
化という概念を導入する。次に、実際に擬周期系列発生
器を作成し、その特性を観察した結果について示す。さ
らに、CDMAシステムについて遣唐使セル半径および
データの伝送レートについても検討する。
を用いたCDMAシステム 次に、近似同期CDMA用符号を用いて通信システムの
設計を行なう。まず近似同期CDMA用符号の特性を維
持しながら、データ変調を行なうために、符号の擬周期
化という概念を導入する。次に、実際に擬周期系列発生
器を作成し、その特性を観察した結果について示す。さ
らに、CDMAシステムについて遣唐使セル半径および
データの伝送レートについても検討する。
【0073】近似同期CDMA用符号は、符号のみを用
いた場合、上述のように、全ての区間において相互相関
値が0および自己相関ピーク間のサイドローブが0とい
う特徴を持つ。しかし、近似同期CDMA用符号にデー
タ変調を施すと、その特性が劣化してしまう。図11
は、データ変調方式としてBPSKを用い、データが”
1010・・・”とした場合の近似同期CDMA用符号
の相関特性のシミュレーション結果を示す図である。図
11において、上段の左図は近似同期CDMA用符号の
みを用いた場合の自己相関特性を示し、同じく上段の右
図は近似同期CDMA用符号のみを用いた場合の相互相
関特性を示す。また、下段の左図は近似同期CDMA用
符号にBPSKデータ変調を施した場合の自己相関特性
を示し、同じく下段の右図は近似同期CDMA用符号に
BPSKデータ変調を施した場合の相互相関特性を示
す。これらの図から、先に挙げた特徴が失われてしまっ
ていることがわかる。これは、データの”1”、”0”
に対して符号の位相が0、πと切り替わるために、デー
タの切り替わりにおいて符号の特性が消失してしまうの
である。
いた場合、上述のように、全ての区間において相互相関
値が0および自己相関ピーク間のサイドローブが0とい
う特徴を持つ。しかし、近似同期CDMA用符号にデー
タ変調を施すと、その特性が劣化してしまう。図11
は、データ変調方式としてBPSKを用い、データが”
1010・・・”とした場合の近似同期CDMA用符号
の相関特性のシミュレーション結果を示す図である。図
11において、上段の左図は近似同期CDMA用符号の
みを用いた場合の自己相関特性を示し、同じく上段の右
図は近似同期CDMA用符号のみを用いた場合の相互相
関特性を示す。また、下段の左図は近似同期CDMA用
符号にBPSKデータ変調を施した場合の自己相関特性
を示し、同じく下段の右図は近似同期CDMA用符号に
BPSKデータ変調を施した場合の相互相関特性を示
す。これらの図から、先に挙げた特徴が失われてしまっ
ていることがわかる。これは、データの”1”、”0”
に対して符号の位相が0、πと切り替わるために、デー
タの切り替わりにおいて符号の特性が消失してしまうの
である。
【0074】データ変調に対しても周期系列の特性を維
持する方法として、擬周期化と呼ばれる概念が提案され
ている。先ずこの概念について説明する。 (擬周期系列)有限長Nの系列を、 A=(a0 ,a1 ,・・・,aN-1 ) とすると、Aを基に作成される長さN+2Lの系列、 A’=(aN-L ,・・・,aN-1 ,a0 ,a1 ,・・
・,aN-1 ,a0 ,・・・・・,aL-1 ) をAの擬周期系列と呼ぶ。図12は擬周期系列の作成方
法を説明する図である。この図において、A’の先頭か
らLチップはAの後ろLチップの系列と同じである。一
方、A’の後ろLチップはAの先頭Lチップの系列と同
じである。つまり、A’は(・・・AAA・・・)とい
う周期系列から、Aを中心に前後Lチップ文付加して切
り取った形になっている。この状態においてAからA’
を作成することを擬周期化と呼ぶ。擬周期系列A’と系
列Aとの相関をとると、2N+2L−1チップ分の相関
出力が得られる。このうち、中央の2L+1チップ分の
出力は、Aの周期系列の自己相関関数と等しくなる。さ
らに、Aの代わりにAとは異なる有限長Nの系列をBを
用いてA’とBの相関をとることを考える。すると、そ
の相関結果は中央の2L+1チップ分がAとBとの相互
相関関数と一致する。
持する方法として、擬周期化と呼ばれる概念が提案され
ている。先ずこの概念について説明する。 (擬周期系列)有限長Nの系列を、 A=(a0 ,a1 ,・・・,aN-1 ) とすると、Aを基に作成される長さN+2Lの系列、 A’=(aN-L ,・・・,aN-1 ,a0 ,a1 ,・・
・,aN-1 ,a0 ,・・・・・,aL-1 ) をAの擬周期系列と呼ぶ。図12は擬周期系列の作成方
法を説明する図である。この図において、A’の先頭か
らLチップはAの後ろLチップの系列と同じである。一
方、A’の後ろLチップはAの先頭Lチップの系列と同
じである。つまり、A’は(・・・AAA・・・)とい
う周期系列から、Aを中心に前後Lチップ文付加して切
り取った形になっている。この状態においてAからA’
を作成することを擬周期化と呼ぶ。擬周期系列A’と系
列Aとの相関をとると、2N+2L−1チップ分の相関
出力が得られる。このうち、中央の2L+1チップ分の
出力は、Aの周期系列の自己相関関数と等しくなる。さ
らに、Aの代わりにAとは異なる有限長Nの系列をBを
用いてA’とBの相関をとることを考える。すると、そ
の相関結果は中央の2L+1チップ分がAとBとの相互
相関関数と一致する。
【0075】例として、周期4(N=4)の直交系列 A=(111−1) を考える。まず、Aの周期系列の自己相関関数は、 (・・・40004000・・・) と得られる。また、Aの1周期分同士の相関は、 (−101410−1) となる。
【0076】次に、Aに対し擬周期化を行なう。L=2
とすると、 A’=(1−1A11)=(1−1111−111) と得られる。A’の1周期とAの相互相関をとると、そ
の結果は、 (−12−100400121) となり、中央の2L+1=5チップ分の出力が周期自己
相関関数の−L〜+Lシフトの項と一致していることが
わかる。
とすると、 A’=(1−1A11)=(1−1111−111) と得られる。A’の1周期とAの相互相関をとると、そ
の結果は、 (−12−100400121) となり、中央の2L+1=5チップ分の出力が周期自己
相関関数の−L〜+Lシフトの項と一致していることが
わかる。
【0077】(擬周期化した近似同期CDMA用符号)
近似同期CDMA用符号の擬周期系列について考える。
先に述べたように、擬周期化した近似同期CDMA用符
号と通常の近似同期CDMA用符号の相関出力の中央の
2L+1チップ分では、符号の周期相関特性が維持され
ることになる。すなわち、希望信号に対しては、自己相
関ピーク間のサイドローブが検出されず、非希望信号に
対しては相関値が出現しない。これは、符号の擬周期化
によって付加されたチップがデータ変調に対するガード
ビットのような役割を果たしているためである。このた
めに、Lチップずれた信号に対しては符号の自己相関特
性が維持される。つまり、全ての信号がLチップ時間内
のずれに収まっていれば(すなわち近似同期制御がなさ
れていれば)、近似同期CDMA用符号の特性が発揮さ
れる。
近似同期CDMA用符号の擬周期系列について考える。
先に述べたように、擬周期化した近似同期CDMA用符
号と通常の近似同期CDMA用符号の相関出力の中央の
2L+1チップ分では、符号の周期相関特性が維持され
ることになる。すなわち、希望信号に対しては、自己相
関ピーク間のサイドローブが検出されず、非希望信号に
対しては相関値が出現しない。これは、符号の擬周期化
によって付加されたチップがデータ変調に対するガード
ビットのような役割を果たしているためである。このた
めに、Lチップずれた信号に対しては符号の自己相関特
性が維持される。つまり、全ての信号がLチップ時間内
のずれに収まっていれば(すなわち近似同期制御がなさ
れていれば)、近似同期CDMA用符号の特性が発揮さ
れる。
【0078】シミュレーションにより、近似同期CDM
A用符号の擬周期化のデータ変調に対する効果について
調べた。N=128の近似同期CDMA用符号をL=1
5として擬周期化し、BPSK変調を行なった信号と擬
周期化を施さない参照用近似同期CDMA用符号との相
関のシミュレーション結果を図13および図14に示
す。図13は、希望信号の擬周期系列との相関を示して
おり、この図中、中央部分では自己相関ピーク間のサイ
ドローブが0となっており、近似同期CDMA用符号の
特性が維持されている。また、図14は非希望信号の擬
周期系列との相関を示している。こちらも同様に符号の
特性が維持されており、図14中、中央部分では相互相
関値が0となっている。このように、符号の擬周期化は
データ変調による符号の特性の劣化の対策として有効で
あることがわかる。
A用符号の擬周期化のデータ変調に対する効果について
調べた。N=128の近似同期CDMA用符号をL=1
5として擬周期化し、BPSK変調を行なった信号と擬
周期化を施さない参照用近似同期CDMA用符号との相
関のシミュレーション結果を図13および図14に示
す。図13は、希望信号の擬周期系列との相関を示して
おり、この図中、中央部分では自己相関ピーク間のサイ
ドローブが0となっており、近似同期CDMA用符号の
特性が維持されている。また、図14は非希望信号の擬
周期系列との相関を示している。こちらも同様に符号の
特性が維持されており、図14中、中央部分では相互相
関値が0となっている。このように、符号の擬周期化は
データ変調による符号の特性の劣化の対策として有効で
あることがわかる。
【0079】(擬周期化した近似同期CDMA用符号の
相関特性)次に、実際に擬周期系列発生器を作成して擬
周期系列発生器化された近似同期CDMA用符号の相関
特性を検討する。図15および図16はこの実施の形態
におけるSAWコンボルバを用いた相関システムにおい
て擬周期系列発生器を取り付けた例を表すブロック図で
ある。これらの図のうち図15は上記相関システムの送
信部の構成を表すブロック図、図16は同相関システム
の受信部の構成を表すブロック図である。図15におい
て、55は近似同期CDMA用符号を擬周期化して擬周
期系列符号を作成する擬周期系列発生器、56はベース
バンドデータを生成するベースバンドデータ生成器、5
7は擬周期系列符号の実部に対してベースバンドデータ
信号を乗算する乗算器、58は擬周期系列符号の虚部に
対してベースバンドデータ信号を乗算する乗算器、59
は送信キャリア信号の出力源となるキャリア信号発生
器、60はキャリア信号発生器59で生成されたキャリ
ア信号の直交成分を生成する直交成分生成部、61は乗
算器57の出力信号に対してキャリア信号を乗算する乗
算器、62は乗算器58の出力信号に対してキャリア信
号の直交成分を乗算する乗算器、63は乗算器61の出
力と乗算器62の出力とを加算する加算器、64は送信
信号を出射する空中線としてのアンテナである。
相関特性)次に、実際に擬周期系列発生器を作成して擬
周期系列発生器化された近似同期CDMA用符号の相関
特性を検討する。図15および図16はこの実施の形態
におけるSAWコンボルバを用いた相関システムにおい
て擬周期系列発生器を取り付けた例を表すブロック図で
ある。これらの図のうち図15は上記相関システムの送
信部の構成を表すブロック図、図16は同相関システム
の受信部の構成を表すブロック図である。図15におい
て、55は近似同期CDMA用符号を擬周期化して擬周
期系列符号を作成する擬周期系列発生器、56はベース
バンドデータを生成するベースバンドデータ生成器、5
7は擬周期系列符号の実部に対してベースバンドデータ
信号を乗算する乗算器、58は擬周期系列符号の虚部に
対してベースバンドデータ信号を乗算する乗算器、59
は送信キャリア信号の出力源となるキャリア信号発生
器、60はキャリア信号発生器59で生成されたキャリ
ア信号の直交成分を生成する直交成分生成部、61は乗
算器57の出力信号に対してキャリア信号を乗算する乗
算器、62は乗算器58の出力信号に対してキャリア信
号の直交成分を乗算する乗算器、63は乗算器61の出
力と乗算器62の出力とを加算する加算器、64は送信
信号を出射する空中線としてのアンテナである。
【0080】図16において、65は擬周期化された符
号の復調に適応する参照符号(実際には通常の近似同期
CDMA用符号)を発生する参照符号発生器、66は受
信キャリア信号の出力源となるキャリア信号発生器、6
7は参照符号発生器65の出力の実部に対して信号を乗
算する乗算器、68はキャリア信号発生器45で生成さ
れたキャリア信号の直交成分を生成する直交成分生成
部、69は参照符号発生器65の出力の虚部に対してキ
ャリア信号の直交成分を乗算する乗算器、70は乗算器
67のを入力して相関処理を行なう第1のSAWコンボ
ルバ、71は乗算器69のを入力して相関処理を行なう
第2のSAWコンボルバ、72は第1のSAWコンボル
バ70の出力と第2のSAWコンボルバ71の出力とを
加算して相関出力を得る加算器、73は送信信号を出射
する空中線としてのアンテナである。
号の復調に適応する参照符号(実際には通常の近似同期
CDMA用符号)を発生する参照符号発生器、66は受
信キャリア信号の出力源となるキャリア信号発生器、6
7は参照符号発生器65の出力の実部に対して信号を乗
算する乗算器、68はキャリア信号発生器45で生成さ
れたキャリア信号の直交成分を生成する直交成分生成
部、69は参照符号発生器65の出力の虚部に対してキ
ャリア信号の直交成分を乗算する乗算器、70は乗算器
67のを入力して相関処理を行なう第1のSAWコンボ
ルバ、71は乗算器69のを入力して相関処理を行なう
第2のSAWコンボルバ、72は第1のSAWコンボル
バ70の出力と第2のSAWコンボルバ71の出力とを
加算して相関出力を得る加算器、73は送信信号を出射
する空中線としてのアンテナである。
【0081】また、上記擬周期系列発生器を作成するに
当たっての各種パラメータを表6に示す。
当たっての各種パラメータを表6に示す。
【表6】 なお、この実施の形態では、第1の実施の形態において
用いた系列を、前後に15チップ付加して擬周期化した
ものを用いている。擬周期系列発生器55としては、例
えばXiling社のFPGA(Field Prog
ramableGate Array)XC4010−
4を用いて実現した。ベースバンドデータの”1”、”
0”に対して擬周期系列1周期(158チップ)の極性
を正転、反転させてデータ変調を行なう(BPSK方
式)。一方、受信側では、参照信号として通常の近似同
期CDMA用符号を発生し変調信号と相関をとることで
結果を得る。
用いた系列を、前後に15チップ付加して擬周期化した
ものを用いている。擬周期系列発生器55としては、例
えばXiling社のFPGA(Field Prog
ramableGate Array)XC4010−
4を用いて実現した。ベースバンドデータの”1”、”
0”に対して擬周期系列1周期(158チップ)の極性
を正転、反転させてデータ変調を行なう(BPSK方
式)。一方、受信側では、参照信号として通常の近似同
期CDMA用符号を発生し変調信号と相関をとることで
結果を得る。
【0082】図17乃至図20は上記通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果を示す図である。これらの図のうち、図1
7はデータを乗算しない符号のみの場合の希望信号に対
する相関結果を表す図、図18は、同じくデータを乗算
しない符号のみの場合の他局信号に対する相関結果を表
す図である。図19はデータを”0”、”1”交互とし
て変調を施した場合の希望信号に対する相関結果を表す
図、図20は同じくデータを”0”、”1”交互として
変調を施した場合の他局信号に対する相関結果を表す図
である。図17および図18において、希望信号に対す
る相関(fa=fb=215MHz)および他局信号に
対する相関(fa=215MHz、fb=215.11
MHz)のいずれの相関も、シミュレーションによる理
論特性とほぼ一致していることがわかる。一方、図19
および図20の場合はデータを”0”、”1”交互とし
て変調を施しており、これは、最もベースバンドデータ
の位相の切り替わりが激しいとした場合の結果である。
この場合においても、希望信号に対する相関(fa=f
b=215MHz)および他局信号に対する相関(fa
=215MHz、fb=215.11MHz)のいずれ
の相関も、上記符号のみの場合と比較しても殆ど変わら
ず、シミュレーションによる理論特性とほぼ一致してい
ることがわかる。つまりデータ変調を施しても近似同期
CDMA用符号の特性が劣化することなく維持されてい
る。
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果を示す図である。これらの図のうち、図1
7はデータを乗算しない符号のみの場合の希望信号に対
する相関結果を表す図、図18は、同じくデータを乗算
しない符号のみの場合の他局信号に対する相関結果を表
す図である。図19はデータを”0”、”1”交互とし
て変調を施した場合の希望信号に対する相関結果を表す
図、図20は同じくデータを”0”、”1”交互として
変調を施した場合の他局信号に対する相関結果を表す図
である。図17および図18において、希望信号に対す
る相関(fa=fb=215MHz)および他局信号に
対する相関(fa=215MHz、fb=215.11
MHz)のいずれの相関も、シミュレーションによる理
論特性とほぼ一致していることがわかる。一方、図19
および図20の場合はデータを”0”、”1”交互とし
て変調を施しており、これは、最もベースバンドデータ
の位相の切り替わりが激しいとした場合の結果である。
この場合においても、希望信号に対する相関(fa=f
b=215MHz)および他局信号に対する相関(fa
=215MHz、fb=215.11MHz)のいずれ
の相関も、上記符号のみの場合と比較しても殆ど変わら
ず、シミュレーションによる理論特性とほぼ一致してい
ることがわかる。つまりデータ変調を施しても近似同期
CDMA用符号の特性が劣化することなく維持されてい
る。
【0083】(近似同期CDMA用符号を用いたCDM
Aシステム)次に広範囲において直交性を有するという
近似同期CDMA用符号の特質(利点)を発揮できる通
信形態について考案する。図21は近似同期CDMA用
符号を用いたCDMAシステム(通信形態)の一例を概
略的に示す図である。このCDMAシステムは中央に基
地局75を有する小ゾーン構成、いわゆるセルラー方式
のCDMAシステムを想定したものである。このCDM
Aシステムは、半径Rのセル76内に複数の移動局77
が存在し、それらは基地局75を通して他の端末(移動
局を含む)と通信を行なう。基地局75から移動局77
への回線のことを下り回線(Down Link)78
と呼び、反対の移動局77から基地局75への回線のこ
とを上り回線(Up Link)79と呼ぶ。下り回線
78においては、基地局75から各移動局77へ複数の
信号を一斉に送信するため、各チャネルの同期制御が可
能となる。したがって、Walsh符号や直交m系列と
いった従来の同期CDMA用符号を用いても、多重通信
を行なうことができる。
Aシステム)次に広範囲において直交性を有するという
近似同期CDMA用符号の特質(利点)を発揮できる通
信形態について考案する。図21は近似同期CDMA用
符号を用いたCDMAシステム(通信形態)の一例を概
略的に示す図である。このCDMAシステムは中央に基
地局75を有する小ゾーン構成、いわゆるセルラー方式
のCDMAシステムを想定したものである。このCDM
Aシステムは、半径Rのセル76内に複数の移動局77
が存在し、それらは基地局75を通して他の端末(移動
局を含む)と通信を行なう。基地局75から移動局77
への回線のことを下り回線(Down Link)78
と呼び、反対の移動局77から基地局75への回線のこ
とを上り回線(Up Link)79と呼ぶ。下り回線
78においては、基地局75から各移動局77へ複数の
信号を一斉に送信するため、各チャネルの同期制御が可
能となる。したがって、Walsh符号や直交m系列と
いった従来の同期CDMA用符号を用いても、多重通信
を行なうことができる。
【0084】一方、上り回線においては、複数の移動局
77は各移動局独立のタイミングで基地局75へ送信を
行なう。そのため、各移動局77間の同期制御は困難で
あり、従来の同期CDMA用符号を用いた多重化ではチ
ャネル間において干渉が発生してしまう。この対策とし
て、現行のCDMAシステムでは、基地局75による移
動局77の送信電力制御(Power Contro
l)が行なわれている。この操作により、全ての上り回
線の信号がセル76内のどこから発せられたものであっ
ても、基地局75には同じ電力で到達するようにし、干
渉の影響を低く抑える。しかしながら、この機能を実現
するためには、高価で複雑な装置構成が必要不可欠とな
る。
77は各移動局独立のタイミングで基地局75へ送信を
行なう。そのため、各移動局77間の同期制御は困難で
あり、従来の同期CDMA用符号を用いた多重化ではチ
ャネル間において干渉が発生してしまう。この対策とし
て、現行のCDMAシステムでは、基地局75による移
動局77の送信電力制御(Power Contro
l)が行なわれている。この操作により、全ての上り回
線の信号がセル76内のどこから発せられたものであっ
ても、基地局75には同じ電力で到達するようにし、干
渉の影響を低く抑える。しかしながら、この機能を実現
するためには、高価で複雑な装置構成が必要不可欠とな
る。
【0085】これに対して、これまでに説明してきた擬
周期化した近似同期CDMA用符号について着目する
と、本実施の形態における先の説明で述べたように、デ
ータ変調を施しても最大2Lチップ時間という広い直交
性を有し、Lチップずれた信号に対しても、チャネル間
干渉が現れない。この特性を利用し近似同期CDMA用
符号を上り回線79に適用する。
周期化した近似同期CDMA用符号について着目する
と、本実施の形態における先の説明で述べたように、デ
ータ変調を施しても最大2Lチップ時間という広い直交
性を有し、Lチップずれた信号に対しても、チャネル間
干渉が現れない。この特性を利用し近似同期CDMA用
符号を上り回線79に適用する。
【0086】次に上記セルラー方式のCDMAシステム
において採用されるセル76の半径Rについての検討を
行なう。すなわち、近似同期制御を行なうことなく、全
ての信号が自然と近似同期の範囲に収まっているような
セル76の大きさを求めるものである。表6から、L=
15と得られるので、全ての信号が15チップ以内に収
まっているならば、移動局77間の同期制御をしなくて
も干渉の影響を受けない通信が可能となる。15チップ
を時間に換算すると、チップレートが14Mcpsであ
ることから、次式のようになる。 15 (chip time)=(14M)-1×15=1.07[μ
sec] すなわち、CDMAシステムの同期には約1μ sec
の余裕がある。
において採用されるセル76の半径Rについての検討を
行なう。すなわち、近似同期制御を行なうことなく、全
ての信号が自然と近似同期の範囲に収まっているような
セル76の大きさを求めるものである。表6から、L=
15と得られるので、全ての信号が15チップ以内に収
まっているならば、移動局77間の同期制御をしなくて
も干渉の影響を受けない通信が可能となる。15チップ
を時間に換算すると、チップレートが14Mcpsであ
ることから、次式のようになる。 15 (chip time)=(14M)-1×15=1.07[μ
sec] すなわち、CDMAシステムの同期には約1μ sec
の余裕がある。
【0087】次に、基地局75と、各移動局77(ここ
では移動局77A、77Bとする)の間の通信方法につ
いて説明する。図22は図21に示すセルラー方式のC
DMAシステムにおける基地局75と2つの移動局77
A、77Bとの間における通信手順の一例を説明するタ
イムチャートである。この図において、各移動局77
A、77Bへの信号が一斉に送信される下り回線78に
対して、各移動局77A、77Bは受信後直ちに応答を
返すものとする。下り回線78の信号が発せられた時刻
を0とし、移動局77Aによって受信された時刻を
t1 、移動局77Bによって受信された時刻をt2 とす
ると、移動局77Aおよび移動局77Bからのそれぞれ
の応答信号が基地局75に到達する時刻は、それぞれ2
t1 および2t 2 となる。基地局75と移動局77A、
77Bの間の距離が異なると、応答信号の到着には遅延
時間が生じる。移動局77Aは基地局75の近傍に位置
し、移動局77Bがセル76の外周部にいるときが基も
遅延時間が大きくなり、このチが15チップ時間以内で
あれば、全ての上り回線79の信号は同期制御をしなく
ても近似同期の範囲内にあることになる。このときのセ
ル半径Rを求めると、 (遅延時間)max =(2t2 −2t1 ) =(R−0)/(光速) =1.07[μ sec](15 chip time) より、R=160.71(m)と得られる。この値は、
PHSのセル半径が100〜200mであることから
も、充分実用的である。
では移動局77A、77Bとする)の間の通信方法につ
いて説明する。図22は図21に示すセルラー方式のC
DMAシステムにおける基地局75と2つの移動局77
A、77Bとの間における通信手順の一例を説明するタ
イムチャートである。この図において、各移動局77
A、77Bへの信号が一斉に送信される下り回線78に
対して、各移動局77A、77Bは受信後直ちに応答を
返すものとする。下り回線78の信号が発せられた時刻
を0とし、移動局77Aによって受信された時刻を
t1 、移動局77Bによって受信された時刻をt2 とす
ると、移動局77Aおよび移動局77Bからのそれぞれ
の応答信号が基地局75に到達する時刻は、それぞれ2
t1 および2t 2 となる。基地局75と移動局77A、
77Bの間の距離が異なると、応答信号の到着には遅延
時間が生じる。移動局77Aは基地局75の近傍に位置
し、移動局77Bがセル76の外周部にいるときが基も
遅延時間が大きくなり、このチが15チップ時間以内で
あれば、全ての上り回線79の信号は同期制御をしなく
ても近似同期の範囲内にあることになる。このときのセ
ル半径Rを求めると、 (遅延時間)max =(2t2 −2t1 ) =(R−0)/(光速) =1.07[μ sec](15 chip time) より、R=160.71(m)と得られる。この値は、
PHSのセル半径が100〜200mであることから
も、充分実用的である。
【0088】さらに、上り回線79の信号についてシミ
ュレーションを行なった。図23は上り回線79の信号
についてのシミュレーションで想定した通信形態を示す
ブロック図である。また図24は上記上り回線79の信
号についてのシミュレーションにおいて得られた相関結
果を示す図である。移動局77は複数(77A、77
B、・・・77G)存在し、それぞれτA、τB・・・
τGの遅延時間をもって信号を基地局75へ返している
ものとする。合計7局の移動局77A、77B、・・・
77Gが、それぞれ独立のタイミングで送信を行う。但
し、そのずれは最大でも15チップ以内に収まっている
(近似周期がなされている)とする。それらの信号が全
て加算されて基地局75に到達したものとし、それに対
して相関処理を行う。移動局に対する相関を取った場合
は、図24(a)のように近傍サイドローブが0となる
部分が定期的に現れる。この部分を取り出し、キャリア
を取り除くことによりデータが復調される。一方、実際
には送信を行っていない移動局77Hに対する相関を行
うと、その結果は図24(b)のようになる。この図か
ら、相互相関値が0となっている部分が出現しているこ
とがわかる。すなわち、チャネル間干渉の影響を受けて
いない。
ュレーションを行なった。図23は上り回線79の信号
についてのシミュレーションで想定した通信形態を示す
ブロック図である。また図24は上記上り回線79の信
号についてのシミュレーションにおいて得られた相関結
果を示す図である。移動局77は複数(77A、77
B、・・・77G)存在し、それぞれτA、τB・・・
τGの遅延時間をもって信号を基地局75へ返している
ものとする。合計7局の移動局77A、77B、・・・
77Gが、それぞれ独立のタイミングで送信を行う。但
し、そのずれは最大でも15チップ以内に収まっている
(近似周期がなされている)とする。それらの信号が全
て加算されて基地局75に到達したものとし、それに対
して相関処理を行う。移動局に対する相関を取った場合
は、図24(a)のように近傍サイドローブが0となる
部分が定期的に現れる。この部分を取り出し、キャリア
を取り除くことによりデータが復調される。一方、実際
には送信を行っていない移動局77Hに対する相関を行
うと、その結果は図24(b)のようになる。この図か
ら、相互相関値が0となっている部分が出現しているこ
とがわかる。すなわち、チャネル間干渉の影響を受けて
いない。
【0089】(伝送レートの検討)擬周期化した近似同
期CDMA用符号を用いた場合のベースバンドデータの
伝送レートについて検討する。基地局75と移動局77
は、TDD(Time Dibision Duple
x)による全二重通信を行っているものとする。TDD
とは、送受信のタイミングを時間軸で分割し、擬似的に
全二重通信を行う手法である。図25にTDDの概略を
示すブロック図である。ある絶対時間を持ったマスタ送
信機 (今の場合は基地局75)が存在し、他の子機
(移動局77)はあらかじめ決定された時間の間に送信
を行う。この与えられたフレーム内であれば、任意のデ
ータを送信可能となる。
期CDMA用符号を用いた場合のベースバンドデータの
伝送レートについて検討する。基地局75と移動局77
は、TDD(Time Dibision Duple
x)による全二重通信を行っているものとする。TDD
とは、送受信のタイミングを時間軸で分割し、擬似的に
全二重通信を行う手法である。図25にTDDの概略を
示すブロック図である。ある絶対時間を持ったマスタ送
信機 (今の場合は基地局75)が存在し、他の子機
(移動局77)はあらかじめ決定された時間の間に送信
を行う。この与えられたフレーム内であれば、任意のデ
ータを送信可能となる。
【0090】データとして音声を送ることを考えると、
人間の音声の許容遅延時間(人間が遅延と感じない最大
時間)が約5msecであることから、回線の最大フレ
ーム長は5msecとなる。この値は、擬周期化した近
似同期CDMA用符号1周期、即ち158チップで1シ
ンボルを送るとすると、450シンボル時間に相当す
る。データ変調方式がBPSKの場合、1シンボルで1
ビット送信することになるので、1フレーム当たりの送
信可能ビット数は最大450ビットとなる。従って、フ
レームを上り、下りで均等に割り振るとすると、回線の
データレートは45kbpsと得られる。
人間の音声の許容遅延時間(人間が遅延と感じない最大
時間)が約5msecであることから、回線の最大フレ
ーム長は5msecとなる。この値は、擬周期化した近
似同期CDMA用符号1周期、即ち158チップで1シ
ンボルを送るとすると、450シンボル時間に相当す
る。データ変調方式がBPSKの場合、1シンボルで1
ビット送信することになるので、1フレーム当たりの送
信可能ビット数は最大450ビットとなる。従って、フ
レームを上り、下りで均等に割り振るとすると、回線の
データレートは45kbpsと得られる。
【0091】ここで、近似同期CDMA用符号を用いた
CDMAシステムの更なる高性能化について検討する。
先の説明では、近似同期CDMA用符号を用いたCDM
Aシステムについて、基本的な方式を用いた場合につい
て性能の見積を行った。本節では、より高性能なシステ
ムを実現する指針として、チャネル数の増加および伝送
レートの高速化について検討を行う。
CDMAシステムの更なる高性能化について検討する。
先の説明では、近似同期CDMA用符号を用いたCDM
Aシステムについて、基本的な方式を用いた場合につい
て性能の見積を行った。本節では、より高性能なシステ
ムを実現する指針として、チャネル数の増加および伝送
レートの高速化について検討を行う。
【0092】(チャネル数の増加)近似同期CDMA用
符号の場合、直交性が広範囲にわたるという利点がある
ものの、今回検討した符号では符号長128で多重数は
8と、チャネル数はそれほど多く取ることができない。
一方、同期制御が可能な下り回線に直交m系列やWal
sh符号といった同期CDMA用符号を適用した場合、
理想的には理論限界に近いチャネル数が設定でき、符号
長128では多重数は128となる。従って、下り回線
の128チャネルに対し上り回線が8チャネルと非常に
非対称性の強いネットワークとなる。このバランスを改
善し、効率の良い通信を実現するために、上り回線のチ
ャネル数増加が望まれる。
符号の場合、直交性が広範囲にわたるという利点がある
ものの、今回検討した符号では符号長128で多重数は
8と、チャネル数はそれほど多く取ることができない。
一方、同期制御が可能な下り回線に直交m系列やWal
sh符号といった同期CDMA用符号を適用した場合、
理想的には理論限界に近いチャネル数が設定でき、符号
長128では多重数は128となる。従って、下り回線
の128チャネルに対し上り回線が8チャネルと非常に
非対称性の強いネットワークとなる。このバランスを改
善し、効率の良い通信を実現するために、上り回線のチ
ャネル数増加が望まれる。
【0093】本発明で検討した8というチャネル数は、
現行の帯域幅26MHzの法規制およびSAWコンボル
バの積分時間9μsecといった条件に依っている。帯
域幅の制限がなければ、チップレートを高速にすること
により、近似同期CDMA用符号のスペクトルのピーク
間隔が広がり、多くのチャネルを設定することができ
る。従って、将来的により広い帯域幅が認可されれば、
その分のチャネル数の増加が見込める。例として100
MHzバンドが制定されたとすると、帯域幅は現行の約
4倍であるので、チャネル数は単純に32と計算でき
る。
現行の帯域幅26MHzの法規制およびSAWコンボル
バの積分時間9μsecといった条件に依っている。帯
域幅の制限がなければ、チップレートを高速にすること
により、近似同期CDMA用符号のスペクトルのピーク
間隔が広がり、多くのチャネルを設定することができ
る。従って、将来的により広い帯域幅が認可されれば、
その分のチャネル数の増加が見込める。例として100
MHzバンドが制定されたとすると、帯域幅は現行の約
4倍であるので、チャネル数は単純に32と計算でき
る。
【0094】また、SAWコンボルバの積分時間を長く
できれば、長周期の系列の処理が可能となり、現行のチ
ップレート14MHzでもチャネル数を増やすことが可
能となる。但し、符号長が長くなることによりデータレ
ートは低下してしまう。例えば、SAWコンボルバの積
分時間が2倍の18secになったとすると、扱える符
号長は2倍の256チップとなり、チャネル数の倍の1
6にできる。しかし、このときのデータレートは約24
kbpsとなり、前節で見積もった値の約半分となる。
できれば、長周期の系列の処理が可能となり、現行のチ
ップレート14MHzでもチャネル数を増やすことが可
能となる。但し、符号長が長くなることによりデータレ
ートは低下してしまう。例えば、SAWコンボルバの積
分時間が2倍の18secになったとすると、扱える符
号長は2倍の256チップとなり、チャネル数の倍の1
6にできる。しかし、このときのデータレートは約24
kbpsとなり、前節で見積もった値の約半分となる。
【0095】もう一つの方法として、近似同期CDMA
用符号に工夫を加えてチャネル数を倍にすることができ
る。先に、複素数の相関の計算式は次式で示されること
を述べた。繰り返しになるが、もう一度その式を挙げ
る。 実数部: Rcosωt・R’cosωt+Isinωt・I’sinωt +Rsinωt・R’sinωt+Icosωt・I’cosωt ・・・・・・(5) 虚数部: Icosωt・R’cosωt+Isinωt・R’sinωt −(Rsinωt・I’sinωt+Rcosωt・I’cosωt) ・・・・(6) 本発明で用いた近似同期CDMA用符号はその相関値が
全て実数で得られるため、(6)式の出力は0となり、
(5)式のみを考慮すれば十分であった。
用符号に工夫を加えてチャネル数を倍にすることができ
る。先に、複素数の相関の計算式は次式で示されること
を述べた。繰り返しになるが、もう一度その式を挙げ
る。 実数部: Rcosωt・R’cosωt+Isinωt・I’sinωt +Rsinωt・R’sinωt+Icosωt・I’cosωt ・・・・・・(5) 虚数部: Icosωt・R’cosωt+Isinωt・R’sinωt −(Rsinωt・I’sinωt+Rcosωt・I’cosωt) ・・・・(6) 本発明で用いた近似同期CDMA用符号はその相関値が
全て実数で得られるため、(6)式の出力は0となり、
(5)式のみを考慮すれば十分であった。
【0096】ここで、j倍(虚数倍)した近似同期CD
MA用符号(j倍符号)を考える。j倍した符号のスペ
クトル特性は、通常の近似同期CDMA用符号、すなわ
ち1倍符号のそれと同一になる。ここで1倍符号および
j倍符号はそれぞれ次のように表される。
MA用符号(j倍符号)を考える。j倍した符号のスペ
クトル特性は、通常の近似同期CDMA用符号、すなわ
ち1倍符号のそれと同一になる。ここで1倍符号および
j倍符号はそれぞれ次のように表される。
【数10】 よって、スペクトルが重ならない他チャネル用符号との
相互相関値は0となる。問題はスペクトルが重なる同一
キャリアの1倍符号との相関であるが、相関値は虚数と
なり、(6)式には出力が現れるが、(5)式には出力
されない。したがって、(5)式に相当するシステムで
相関処理を行えば、1倍符号とj倍符号は識別が可能で
あり、両者の干渉はない。当然、参照信号としてj倍符
号を用意すれば、(5)式で検出が可能である。このこ
とを応用すれば、1倍符号で8チャネル、j倍符号で8
チャネルの合計16チャネルが確保できる。図26に、
j倍符号の擬周期系列の相関特性を示す。j倍符号との
相関では相関ピークが検出され(図26(a))、1倍
符号との相関では相関値が現れてないことがわかる(図
26(b))。即ち、j倍符号と1倍符号は干渉無く識
別が可能である。
相互相関値は0となる。問題はスペクトルが重なる同一
キャリアの1倍符号との相関であるが、相関値は虚数と
なり、(6)式には出力が現れるが、(5)式には出力
されない。したがって、(5)式に相当するシステムで
相関処理を行えば、1倍符号とj倍符号は識別が可能で
あり、両者の干渉はない。当然、参照信号としてj倍符
号を用意すれば、(5)式で検出が可能である。このこ
とを応用すれば、1倍符号で8チャネル、j倍符号で8
チャネルの合計16チャネルが確保できる。図26に、
j倍符号の擬周期系列の相関特性を示す。j倍符号との
相関では相関ピークが検出され(図26(a))、1倍
符号との相関では相関値が現れてないことがわかる(図
26(b))。即ち、j倍符号と1倍符号は干渉無く識
別が可能である。
【0097】(伝送レートの高速化)上述の伝送レート
の検討では、音声のみの伝送を仮定した。しかし、将来
的に画像等の大きなデータも送信することを考えた場
合、伝送レートは速ければ速いほど良い。高速化の手段
としては、QPSK(Quadrature Phas
e Shift Keyng;直交PSK)の適用が考
えられる。BPSKでは、1シンボル=1bitであっ
たのに対し、QPSKでは1シンボル=2bitの通信
を行うので、2内のデータレート、即ち90kbpsと
得られる。この値は、ISDNのBチャネルの64kb
psと比較しても、良好な値となっている。
の検討では、音声のみの伝送を仮定した。しかし、将来
的に画像等の大きなデータも送信することを考えた場
合、伝送レートは速ければ速いほど良い。高速化の手段
としては、QPSK(Quadrature Phas
e Shift Keyng;直交PSK)の適用が考
えられる。BPSKでは、1シンボル=1bitであっ
たのに対し、QPSKでは1シンボル=2bitの通信
を行うので、2内のデータレート、即ち90kbpsと
得られる。この値は、ISDNのBチャネルの64kb
psと比較しても、良好な値となっている。
【0098】以上、ここでは近似同期CDMA用符号を
用いたCDMAシステムについて設計を行った。擬周期
化した近似同期CDMA用符号を用い、データ変調に対
しても符号の特性が維持されることを示した。また、実
際に擬周期符号発生器を試作し、その相関特性を観察し
て理論と一致する結果を得た。更に、システムの性能に
ついて見積を行い、セル半径約160m、データレート
45kbpsと実用上十分であることを示した。特に、
セル内の上り回線においては各移動局77間の同期制御
を必要としない。そして、システムの更なる高性能化の
指針として、容易にチャネル数およびデータレートを倍
にすることが可能であることを示した。
用いたCDMAシステムについて設計を行った。擬周期
化した近似同期CDMA用符号を用い、データ変調に対
しても符号の特性が維持されることを示した。また、実
際に擬周期符号発生器を試作し、その相関特性を観察し
て理論と一致する結果を得た。更に、システムの性能に
ついて見積を行い、セル半径約160m、データレート
45kbpsと実用上十分であることを示した。特に、
セル内の上り回線においては各移動局77間の同期制御
を必要としない。そして、システムの更なる高性能化の
指針として、容易にチャネル数およびデータレートを倍
にすることが可能であることを示した。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
送信部と受信部とから構成され、送信部側でスペクトラ
ム拡散処理を行なって送信するようにしたスペクトラム
拡散無線通信システムにおいて、スペクトラム拡散処理
用の符号として、所定の近似同期CDMA用符号を用い
たため、チャネル間で相互相関干渉がなく、しかも回路
構成を簡単にしたスペクトラム拡散無線通信システムを
実現することができる。
送信部と受信部とから構成され、送信部側でスペクトラ
ム拡散処理を行なって送信するようにしたスペクトラム
拡散無線通信システムにおいて、スペクトラム拡散処理
用の符号として、所定の近似同期CDMA用符号を用い
たため、チャネル間で相互相関干渉がなく、しかも回路
構成を簡単にしたスペクトラム拡散無線通信システムを
実現することができる。
【0100】また、本発明では、21世紀のパーソナル
C&Cにおいて主流となると考えられる携帯情報無線端
末「Tele Pad」の実現を目指し、そのための高
信頼無線通信技術であるスペクトラム拡散通信方式につ
いて、その中のCDMAのシステムの設計・試作が容易
に行なえるという効果が得られる。
C&Cにおいて主流となると考えられる携帯情報無線端
末「Tele Pad」の実現を目指し、そのための高
信頼無線通信技術であるスペクトラム拡散通信方式につ
いて、その中のCDMAのシステムの設計・試作が容易
に行なえるという効果が得られる。
【0101】さらに、CDMA用符号として、チャネル
間干渉のない近似同期CDMA用符号を用いるから、従
来多相系列であったこのCDMA用符号を、少ない位相
状態で表現することができる。これにより2相または4
相の符号の生成が可能となり、実用化が容易となる。ま
た、各チャネル用符号は位相状態数の低減された符号に
対して各チャネル毎に微小変位したキャリア周波数を割
り当てることにより、符号のスペクトル特性をシフトさ
せることができ、チャネル間の干渉を無くすることが可
能になるという効果が得られる。
間干渉のない近似同期CDMA用符号を用いるから、従
来多相系列であったこのCDMA用符号を、少ない位相
状態で表現することができる。これにより2相または4
相の符号の生成が可能となり、実用化が容易となる。ま
た、各チャネル用符号は位相状態数の低減された符号に
対して各チャネル毎に微小変位したキャリア周波数を割
り当てることにより、符号のスペクトル特性をシフトさ
せることができ、チャネル間の干渉を無くすることが可
能になるという効果が得られる。
【0102】さらに、上記近似同期CDMA用符号を用
いるための符号発生器およびSAWコンボルバを用いた
相関回路を実現することにより、4相の近似同期CDM
A用符号は、位相空間で45度回転させてディジタル回
路で直接制御可能とした。
いるための符号発生器およびSAWコンボルバを用いた
相関回路を実現することにより、4相の近似同期CDM
A用符号は、位相空間で45度回転させてディジタル回
路で直接制御可能とした。
【0103】また、近似同期CDMA用符号を用いたC
DMAシステムの実現により、データ変調による符号の
特性劣化の対策として符号の擬周期化を行い、チャネル
間干渉のない通信を可能にすることができる。そして、
実際に擬周期系列発生器を作成し、理論と一致する特性
を得た。また、システムの性能について見積を行い、実
用上十分なセル半径約160m、データレート45kb
psが実現できる。特に、上り回線においては各移動局
77間の同期制御を不要とすることができる。さらに、
多重チャネル数およびデータレートの倍増を容易にする
ことができる。
DMAシステムの実現により、データ変調による符号の
特性劣化の対策として符号の擬周期化を行い、チャネル
間干渉のない通信を可能にすることができる。そして、
実際に擬周期系列発生器を作成し、理論と一致する特性
を得た。また、システムの性能について見積を行い、実
用上十分なセル半径約160m、データレート45kb
psが実現できる。特に、上り回線においては各移動局
77間の同期制御を不要とすることができる。さらに、
多重チャネル数およびデータレートの倍増を容易にする
ことができる。
【0104】以上の事柄から、近似同期CDMA用符号
を用いたCDMAシステムは、構内CDMAセル化技術
の現実解として十分な性能を有しており通信技術の発展
に有効である。
を用いたCDMAシステムは、構内CDMAセル化技術
の現実解として十分な性能を有しており通信技術の発展
に有効である。
【図1】本発明のスペクトラム拡散無線通信システムで
用いられる近似同期CDMA用符号の直交性から、周波
数シフトによる多相周期系列の表現法を説明する図であ
る。
用いられる近似同期CDMA用符号の直交性から、周波
数シフトによる多相周期系列の表現法を説明する図であ
る。
【図2】本発明のスペクトラム拡散無線通信システムの
有効性の検証のために実現されたZnO/Si型SAW
コンボルバを用いた相関システムの構造を概略的に説明
する斜視図である。
有効性の検証のために実現されたZnO/Si型SAW
コンボルバを用いた相関システムの構造を概略的に説明
する斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る、ZnO/S
i型SAWコンボルバを使用して構成した相関システム
の回路構成を表すブロック図である。
i型SAWコンボルバを使用して構成した相関システム
の回路構成を表すブロック図である。
【図4】(a)図3に示された回路構成を有する相関シ
ステムで相関処理を行なって得られたZnO/Si型S
AWコンボルバの拡散符号並びに周波数に対する特性と
して、SAWコンボルバに同一の符号が入力された場合
の特性結果を示す図である。 (b)図3に示された回路構成を有する相関システムで
相関処理を行なって得られたZnO/Si型SAWコン
ボルバの拡散符号並びに周波数に対する特性として、S
AWコンボルバにプリファードペアなm系列が入力され
た場合の特性結果を示す図である。
ステムで相関処理を行なって得られたZnO/Si型S
AWコンボルバの拡散符号並びに周波数に対する特性と
して、SAWコンボルバに同一の符号が入力された場合
の特性結果を示す図である。 (b)図3に示された回路構成を有する相関システムで
相関処理を行なって得られたZnO/Si型SAWコン
ボルバの拡散符号並びに周波数に対する特性として、S
AWコンボルバにプリファードペアなm系列が入力され
た場合の特性結果を示す図である。
【図5】本発明のスペクトラム拡散で用いられる近似同
期CDMA用符号を位相空間で45度回転させ、各象限
に1つの状態が来るようにする操作を説明する図であ
る。
期CDMA用符号を位相空間で45度回転させ、各象限
に1つの状態が来るようにする操作を説明する図であ
る。
【図6】前記第1の実施の形態におけるSAWコンボル
バを用いた相関システムの送信部の構成を表すブロック
図である。
バを用いた相関システムの送信部の構成を表すブロック
図である。
【図7】前記第1の実施の形態におけるSAWコンボル
バを用いた相関システムの受信部の構成を表すブロック
図である。
バを用いた相関システムの受信部の構成を表すブロック
図である。
【図8】前記相関システムの相関処理において、送信部
から発生した送信信号の電力スペクトルを示す図であ
る。
から発生した送信信号の電力スペクトルを示す図であ
る。
【図9】(a)前記相関システムの処理動作実験に際し
て近似同期CDMA用符号の自己相関特性の理論特性を
示す図である。 (b)前記相関システムの処理動作実験に際して近似同
期CDMA用符号の自己相関特性の実測値を示す図であ
る。
て近似同期CDMA用符号の自己相関特性の理論特性を
示す図である。 (b)前記相関システムの処理動作実験に際して近似同
期CDMA用符号の自己相関特性の実測値を示す図であ
る。
【図10】(a)微小周波数変位型マルチチャネルによ
り多重化した信号の、近似同期CDMA用符号を拡散符
号として用いた場合の相互相関特性を示す図である。 (b)微小周波数変位型マルチチャネルにより多重化し
た信号の、周期127のm系列m(7,1)を拡散符号
として用いた場合の相互相関特性を示す図である。
り多重化した信号の、近似同期CDMA用符号を拡散符
号として用いた場合の相互相関特性を示す図である。 (b)微小周波数変位型マルチチャネルにより多重化し
た信号の、周期127のm系列m(7,1)を拡散符号
として用いた場合の相互相関特性を示す図である。
【図11】第2の実施の形態において、データ変調方式
としてBPSKを用い、データが”1010・・・”と
した場合の近似同期CDMA用符号の相関特性のシミュ
レーション結果を示す図である。
としてBPSKを用い、データが”1010・・・”と
した場合の近似同期CDMA用符号の相関特性のシミュ
レーション結果を示す図である。
【図12】前記第2の実施の形態において用いられる擬
周期系列の作成方法を説明する図である。
周期系列の作成方法を説明する図である。
【図13】前記第2の実施の形態において、N=128
の近似同期CDMA用符号をL=15として擬周期化
し、BPSK変調を行なった信号と擬周期化を施さない
参照用近似同期CDMA用符号との相関のシミュレーシ
ョン結果のうち、希望信号の擬周期系列との相関特性を
示す図である。
の近似同期CDMA用符号をL=15として擬周期化
し、BPSK変調を行なった信号と擬周期化を施さない
参照用近似同期CDMA用符号との相関のシミュレーシ
ョン結果のうち、希望信号の擬周期系列との相関特性を
示す図である。
【図14】前記第2の実施の形態において、N=128
の近似同期CDMA用符号をL=15として擬周期化
し、BPSK変調を行なった信号と擬周期化を施さない
参照用近似同期CDMA用符号との相関のシミュレーシ
ョン結果のうち、非希望信号の擬周期系列との相関特性
を示す図である。
の近似同期CDMA用符号をL=15として擬周期化
し、BPSK変調を行なった信号と擬周期化を施さない
参照用近似同期CDMA用符号との相関のシミュレーシ
ョン結果のうち、非希望信号の擬周期系列との相関特性
を示す図である。
【図15】前記第2の実施の形態におけるSAWコンボ
ルバを用いた相関システムの送信部の構成を表すブロッ
ク図である。
ルバを用いた相関システムの送信部の構成を表すブロッ
ク図である。
【図16】前記第2の実施の形態におけるSAWコンボ
ルバを用いた相関システムの受信部の構成を表すブロッ
ク図である。
ルバを用いた相関システムの受信部の構成を表すブロッ
ク図である。
【図17】(a)図15および図16に示された通信シ
ステムを使って得られた擬周期化した近似同期CDMA
用符号の相関特性の結果のうちデータを乗算しない符号
のみの場合の希望信号に対する相関結果の理論特性を表
す図である。 (b)図15および図16に示された通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果のうちデータを乗算しない符号のみの場合
の希望信号に対する相関結果の実測値を表す図である。
ステムを使って得られた擬周期化した近似同期CDMA
用符号の相関特性の結果のうちデータを乗算しない符号
のみの場合の希望信号に対する相関結果の理論特性を表
す図である。 (b)図15および図16に示された通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果のうちデータを乗算しない符号のみの場合
の希望信号に対する相関結果の実測値を表す図である。
【図18】(a)図15および図16に示された通信シ
ステムを使って得られた擬周期化した近似同期CDMA
用符号の相関特性の結果のうちデータを乗算しない符号
のみの場合の他局信号に対する相関結果の理論特性を表
す図である。 (b)図15および図16に示された通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果のうちデータを乗算しない符号のみの場合
の他局信号に対する相関結果の実測値を表す図である。
ステムを使って得られた擬周期化した近似同期CDMA
用符号の相関特性の結果のうちデータを乗算しない符号
のみの場合の他局信号に対する相関結果の理論特性を表
す図である。 (b)図15および図16に示された通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果のうちデータを乗算しない符号のみの場合
の他局信号に対する相関結果の実測値を表す図である。
【図19】(a)図15および図16に示された通信シ
ステムを使って得られた擬周期化した近似同期CDMA
用符号の相関特性の結果のうちデータを”0”、”1”
交互として変調を施した場合の希望信号に対する相関結
果の理論特性を表す図である。 (b)図15および図16に示された通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果のうちデータを”0”、”1”交互として
変調を施した場合の希望信号に対する相関結果の実測値
を表す図である。
ステムを使って得られた擬周期化した近似同期CDMA
用符号の相関特性の結果のうちデータを”0”、”1”
交互として変調を施した場合の希望信号に対する相関結
果の理論特性を表す図である。 (b)図15および図16に示された通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果のうちデータを”0”、”1”交互として
変調を施した場合の希望信号に対する相関結果の実測値
を表す図である。
【図20】(a)図15および図16に示された通信シ
ステムを使って得られた擬周期化した近似同期CDMA
用符号の相関特性の結果のうちデータを”0”、”1”
交互として変調を施した場合の他局信号に対する相関結
果の理論特性を表す図である。 (b)図15および図16に示された通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果のうちデータを”0”、”1”交互として
変調を施した場合の他局信号に対する相関結果の実測値
を表す図である。
ステムを使って得られた擬周期化した近似同期CDMA
用符号の相関特性の結果のうちデータを”0”、”1”
交互として変調を施した場合の他局信号に対する相関結
果の理論特性を表す図である。 (b)図15および図16に示された通信システムを使
って得られた擬周期化した近似同期CDMA用符号の相
関特性の結果のうちデータを”0”、”1”交互として
変調を施した場合の他局信号に対する相関結果の実測値
を表す図である。
【図21】本発明による近似同期CDMA用符号を用い
たCDMAシステム(通信形態)の一例であるセルラー
方式のCDMAシステムを概略的に示す図である。
たCDMAシステム(通信形態)の一例であるセルラー
方式のCDMAシステムを概略的に示す図である。
【図22】図21に示すセルラー方式のCDMAシステ
ムの基地局と移動局との間における通信手順の一例を説
明するタイムチャートである。
ムの基地局と移動局との間における通信手順の一例を説
明するタイムチャートである。
【図23】図21に示すセルラー方式のCDMAシステ
ムの基地局と移動局との間における上り回線の信号につ
いてのシミュレーションで想定した通信形態を示すブロ
ック図である。
ムの基地局と移動局との間における上り回線の信号につ
いてのシミュレーションで想定した通信形態を示すブロ
ック図である。
【図24】図21に示すセルラー方式のCDMAシステ
ムの基地局と移動局との間における上り回線の信号につ
いてのシミュレーションにおいて得られた相関結果を示
す図である。
ムの基地局と移動局との間における上り回線の信号につ
いてのシミュレーションにおいて得られた相関結果を示
す図である。
【図25】TDD(Time Dibision Du
plex)による全二重通信を行なうスペクトラム拡散
無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。
plex)による全二重通信を行なうスペクトラム拡散
無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図26】(a)j倍符号の擬周期系列とj倍符号の相
関特性を示す図である。 (b)j倍符号の擬周期系列と1倍符号の相関特性を示
す図である。
関特性を示す図である。 (b)j倍符号の擬周期系列と1倍符号の相関特性を示
す図である。
【図27】近い将来実用段階に到達すると予想される近
未来の通信ネットワーク形態を示した図である。
未来の通信ネットワーク形態を示した図である。
【図28】(a)本発明の前提となるスペクトラム拡散
通信方式において、送信側の制御装置が送信データに対
して一般的な変調を行なって得られた搬送信号の態様を
モデル化して表す図である。 (b)前記スペクトラム拡散通信方式において、前記
(a)のチャネル信号A、B、CをさらにSAWコンボ
ルバ方式による拡散処理を行なって得られた2次変調信
号の態様をモデル化して表す図である。 (c)前記スペクトラム拡散通信方式において、異なっ
た変調を受けた信号が混在した状態で回線上に送信され
る態様をモデル化して表す図である。
通信方式において、送信側の制御装置が送信データに対
して一般的な変調を行なって得られた搬送信号の態様を
モデル化して表す図である。 (b)前記スペクトラム拡散通信方式において、前記
(a)のチャネル信号A、B、CをさらにSAWコンボ
ルバ方式による拡散処理を行なって得られた2次変調信
号の態様をモデル化して表す図である。 (c)前記スペクトラム拡散通信方式において、異なっ
た変調を受けた信号が混在した状態で回線上に送信され
る態様をモデル化して表す図である。
【図29】(a)多元接続通信方式のうち、FM,AM
通信システムに用いられる周波数分割によるチャネル割
り当てを行なうFDMA通信方式を説明する図である。 (b)多元接続通信方式のうち、DECTやPHS通信
システムに用いられる拡散符号チャネルに時間スロット
を割り当て、その時間内で全帯域を使用して通信するT
DMA通信方式を説明する図である。 (c)多元接続通信方式のうち、ユーザ全員が同時に全
帯域と時間を使用し、高速の拡散コードによってチャネ
ル分割するCDMA通信方式を説明する図である。
通信システムに用いられる周波数分割によるチャネル割
り当てを行なうFDMA通信方式を説明する図である。 (b)多元接続通信方式のうち、DECTやPHS通信
システムに用いられる拡散符号チャネルに時間スロット
を割り当て、その時間内で全帯域を使用して通信するT
DMA通信方式を説明する図である。 (c)多元接続通信方式のうち、ユーザ全員が同時に全
帯域と時間を使用し、高速の拡散コードによってチャネ
ル分割するCDMA通信方式を説明する図である。
【図30】(a)スペクトラム拡散通信においてPNコ
ードとして用いられるm系列の発生回路を示す図であ
る。 (b)符号長127チップm系列の自己相関特性を示す
図である。 (c)符号長127チップm系列の相互相関特性を示す
図である。
ードとして用いられるm系列の発生回路を示す図であ
る。 (b)符号長127チップm系列の自己相関特性を示す
図である。 (c)符号長127チップm系列の相互相関特性を示す
図である。
【図31】(a)スペクトラム拡散通信においてPNコ
ードとして用いられるGold系列の発生回路の構成を
示すブロック図である。 (b)Gold系列生成の原理を説明する図である。
ードとして用いられるGold系列の発生回路の構成を
示すブロック図である。 (b)Gold系列生成の原理を説明する図である。
【図32】スペクトラム拡散通信の受信に際して逆拡散
をディジタル処理により行なうディジタルスライディン
グ相関器の構成を示すブロック図である。
をディジタル処理により行なうディジタルスライディン
グ相関器の構成を示すブロック図である。
【図33】図32に示されたディジタルスライディング
相関器に用いられるディジタルマッチドフィルタの原理
を示す図である。
相関器に用いられるディジタルマッチドフィルタの原理
を示す図である。
【図34】SAWデバイスとディジタル相関器の特質お
よび検波、復調動作手順を対比して表し、SAWデバイ
スの有用性を示す図である。
よび検波、復調動作手順を対比して表し、SAWデバイ
スの有用性を示す図である。
【図35】SAWコリレータとSAWコンボルバの構
造、特徴および応用分野について対比させて表した図で
ある。
造、特徴および応用分野について対比させて表した図で
ある。
20 SAWコンボルバ(ZnO/Si型) 27、30 発振器 28、31 PNコード供給部 29、32 乗算器 33 バンドパスフィルタ 37、44 符号発生器 38、45 キャリア信号発生器 39、41、46、48 乗算器 40、47 直交成分生成部 42、51 加算器 43、52 アンテナ 49、50 SAWコンボルバ 75 基地局 76 セル 77 移動局 78 下り回線 79 上り回線
Claims (3)
- 【請求項1】 送信部と受信部とから構成され、送信部
側でスペクトラム拡散処理を行なって送信するようにし
たスペクトラム拡散無線通信システムにおいて、スペク
トラム拡散処理用の符号として、 周期Nの周期系列(・・・,a0 ,a1 ,・・・,a
N-1 ,a0 ,a1 ,・・・,aN-1 ,・・・)の巡回行
列、 【数1】 をAとし、Bを対角行列とした場合、 A=F-1BF ただし、F:DFT行列が成立する条件の下で、周期系
列において、自己相関関数が周期の倍数以外の全ての項
で0となる系列を直交系列とし、 同様にして、AおよびCを周期系列を表す巡回行列と
し、 A=F-1BF および C=F-1DF となるような対角行列BおよびDの存在の下で、Aおよ
びCで表される周期系列の相互相関関数、 【数2】 で表される近似同期CDMA用符号を用いたことを特徴
とするスペクトラム拡散無線通信システム。 - 【請求項2】 送信部側でスペクトラム拡散処理を行な
う場合のスペクトラム拡散処理用の符号として、周期3
の直交系列(1,1,W3 )について、 【数3】 また、F12は12次のDFT行列。で表される近似同期
CDMA用符号を用いたことを特徴とする請求項1記載
のスペクトラム拡散無線通信システム。 - 【請求項3】 送信部側において、さらにSAWコンボ
ルバ方式によるスペクトル拡散処理を行なって信号を拡
散変調し、回線上に拡散変調信号を送出する一方で、受
信端末においてSAWデバイスを介してこの拡散変調信
号を受信して復調し、データを送受信するようにしたこ
とを特徴とする請求項1または2記載のスペクトラム拡
散無線通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9083130A JPH10285136A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | スペクトラム拡散無線通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9083130A JPH10285136A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | スペクトラム拡散無線通信システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10285136A true JPH10285136A (ja) | 1998-10-23 |
Family
ID=13793625
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9083130A Pending JPH10285136A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | スペクトラム拡散無線通信システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10285136A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001022637A1 (fr) * | 1999-09-17 | 2001-03-29 | Toyo Communication Equipment Co., Ltd. | Systeme de communication amrc utilisant un ensemble de sequences de code presentant une region de correlation non croisee |
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JP2014098696A (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-29 | Sick Ag | 光電子スキャナ |
CN114448525A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-05-06 | 成都天贸科技有限公司 | 一种s频段扩频信号模拟源 |
-
1997
- 1997-04-01 JP JP9083130A patent/JPH10285136A/ja active Pending
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JP4677461B2 (ja) * | 2001-10-19 | 2011-04-27 | パナソニック株式会社 | スペクトル拡散通信システムおよび方法 |
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