JPH10275978A - プリント配線基板およびその製造方法 - Google Patents
プリント配線基板およびその製造方法Info
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- JPH10275978A JPH10275978A JP7847097A JP7847097A JPH10275978A JP H10275978 A JPH10275978 A JP H10275978A JP 7847097 A JP7847097 A JP 7847097A JP 7847097 A JP7847097 A JP 7847097A JP H10275978 A JPH10275978 A JP H10275978A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】金属ペーストの充填によって作製されたIHV
(インタースティシャルビアホール)の低抵抗化を図る
ことのできるプリント配線基板の製造方法を提供する。 【解決手段】少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板1に形
成されたビアホール3内に、その端部が絶縁基板1の少
なくとも片方の表面から突出するように金属粉末を含む
導体4を充填した後、導体4の突出部6に金属箔からな
る配線層7を積層し、配線層7を介して圧力を印加して
突出部6をビアホール3内に圧縮充填させるとともに、
配線層7を絶縁基板1表面と実質的に段差がないように
絶縁基板1表面に埋め込み、金属粉末の充填率が75%
以上、体積固有抵抗が9.5×10-6Ω−cm以下のビ
アホール導体を形成する。
(インタースティシャルビアホール)の低抵抗化を図る
ことのできるプリント配線基板の製造方法を提供する。 【解決手段】少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板1に形
成されたビアホール3内に、その端部が絶縁基板1の少
なくとも片方の表面から突出するように金属粉末を含む
導体4を充填した後、導体4の突出部6に金属箔からな
る配線層7を積層し、配線層7を介して圧力を印加して
突出部6をビアホール3内に圧縮充填させるとともに、
配線層7を絶縁基板1表面と実質的に段差がないように
絶縁基板1表面に埋め込み、金属粉末の充填率が75%
以上、体積固有抵抗が9.5×10-6Ω−cm以下のビ
アホール導体を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機樹脂を含む絶
縁層内に、金属粉末を含む導体を充填してなるビアホー
ル導体を具備する多層配線基板の製造方法に関する。
縁層内に、金属粉末を含む導体を充填してなるビアホー
ル導体を具備する多層配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、プリント配線基板はプリプレグ
と呼ばれる有機樹脂を含む平板の表面に銅箔を接着した
後、これをエッチングして微細な回路を形成し、これを
積層した後、所望位置にマイクロドリルによりスルーホ
ールの孔明けを行い、そのホール内壁にメッキ法により
金属を付着させてスルーホール導体を形成して各層間の
電気的な接続を行っている。
と呼ばれる有機樹脂を含む平板の表面に銅箔を接着した
後、これをエッチングして微細な回路を形成し、これを
積層した後、所望位置にマイクロドリルによりスルーホ
ールの孔明けを行い、そのホール内壁にメッキ法により
金属を付着させてスルーホール導体を形成して各層間の
電気的な接続を行っている。
【0003】ところが、この方法では、スルーホール導
体は配線基板全体にわたり貫通したものであるために、
積層数が増加に伴いスルーホール数が増加すると、配線
に必要なスペースが確保できなくなるという問題が生
じ、電子機器の軽薄短小化によりプリント配線基板への
多層化、配線の微細化への要求に対して、従来の多層プ
リント配線基板では、対応できなくなっているのが現状
である。
体は配線基板全体にわたり貫通したものであるために、
積層数が増加に伴いスルーホール数が増加すると、配線
に必要なスペースが確保できなくなるという問題が生
じ、電子機器の軽薄短小化によりプリント配線基板への
多層化、配線の微細化への要求に対して、従来の多層プ
リント配線基板では、対応できなくなっているのが現状
である。
【0004】そこで、それらの要求に対して、絶縁層に
対してビアホール導体を作製した後に、積層して多層化
する技術が開発されている。このようなビアホールはI
VH(インタースティシャルビアホール)と呼ばれてい
る。
対してビアホール導体を作製した後に、積層して多層化
する技術が開発されている。このようなビアホールはI
VH(インタースティシャルビアホール)と呼ばれてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このIVHは、一般の
プリント配線板と同様にメッキ技術を用いてホール内壁
に金属膜を形成して作製されるが、メッキ法によると工
程が複雑で処理時間が長い上に有害な薬品を使用するこ
とによる環境への問題も発生する恐れがあることから、
このIVHを、ホール内に金属粉末を含む金属ペースト
を充填することによって形成することが提案されてい
る。
プリント配線板と同様にメッキ技術を用いてホール内壁
に金属膜を形成して作製されるが、メッキ法によると工
程が複雑で処理時間が長い上に有害な薬品を使用するこ
とによる環境への問題も発生する恐れがあることから、
このIVHを、ホール内に金属粉末を含む金属ペースト
を充填することによって形成することが提案されてい
る。
【0006】しかしながら、金属ペースト中には、ホー
ル内への充填性や印刷性を高めるために必然的に有機樹
脂を含有し、そのために、通常の金属メッキにより形成
された回路よりも抵抗値が高いことが問題となり、金属
ペーストで形成したIVHは特に直径150μm以下の
微細なビアサイズでは回路の抵抗値が高く実用に耐えな
いものであった。そのため、導体ペーストを印刷した
後、有機樹脂分を加熱分解したり、さらには、印刷後の
IVHに通電加熱を行いスルーホール導体の抵抗を低減
するなどの後処理を施すことも提案されている。
ル内への充填性や印刷性を高めるために必然的に有機樹
脂を含有し、そのために、通常の金属メッキにより形成
された回路よりも抵抗値が高いことが問題となり、金属
ペーストで形成したIVHは特に直径150μm以下の
微細なビアサイズでは回路の抵抗値が高く実用に耐えな
いものであった。そのため、導体ペーストを印刷した
後、有機樹脂分を加熱分解したり、さらには、印刷後の
IVHに通電加熱を行いスルーホール導体の抵抗を低減
するなどの後処理を施すことも提案されている。
【0007】しかしながら、このようにして金属ペース
トの充填によって形成されたIVH中は、その径が小さ
くなるほどに充填性が低くなる傾向にあり、しかも、ペ
ースト中には溶剤をも含むために、ペーストを乾燥した
場合、あるいは加熱処理で有機樹脂を分解除去した場合
には、ホール内に多くの気孔が発生しており、この気孔
の発生によって、ホール自体の抵抗が大きくなる傾向に
あり、IVHの低抵抗化を図ったとしても7×10-4Ω
−cm程度がせいぜいであり、IVHの低抵抗化が難し
いのが現状であった。
トの充填によって形成されたIVH中は、その径が小さ
くなるほどに充填性が低くなる傾向にあり、しかも、ペ
ースト中には溶剤をも含むために、ペーストを乾燥した
場合、あるいは加熱処理で有機樹脂を分解除去した場合
には、ホール内に多くの気孔が発生しており、この気孔
の発生によって、ホール自体の抵抗が大きくなる傾向に
あり、IVHの低抵抗化を図ったとしても7×10-4Ω
−cm程度がせいぜいであり、IVHの低抵抗化が難し
いのが現状であった。
【0008】また、IVHを金属ペーストの充填によっ
て作製した場合、絶縁層表面の配線層との接続が弱くな
ることも問題であった。この接続が弱いと低温と高温と
の温度サイクルを加えた場合にIVH内部にクラックが
生じたり、配線層とIHVとの間にクラックが生じると
いう問題があった。
て作製した場合、絶縁層表面の配線層との接続が弱くな
ることも問題であった。この接続が弱いと低温と高温と
の温度サイクルを加えた場合にIVH内部にクラックが
生じたり、配線層とIHVとの間にクラックが生じると
いう問題があった。
【0009】従って、本発明は、金属ペーストの充填に
よって作製されるIHV(インタースティシャルビアホ
ール)などのビアホールの低抵抗化を図ることのできる
プリント配線基板の製造方法を提供することを特徴とす
るものである。
よって作製されるIHV(インタースティシャルビアホ
ール)などのビアホールの低抵抗化を図ることのできる
プリント配線基板の製造方法を提供することを特徴とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点について鋭意検討した結果、銅粉末等の低抵
抗金属を含む導体を充填することによってIVHを作製
する場合、充填した導体の端部が前記絶縁基板の少なく
とも片方の表面から突出するように形成し、その後、そ
の突出部に金属箔等からなる配線層を積層し、その配線
層を介して圧力を印加してビアホール内に圧縮充填させ
ることにより、ビアホール内への導体の充填率を大幅に
向上できる結果、ビアホールの低抵抗化が実現でき、こ
れによりプリント基板の超微細化、精密化の要求に応え
うることのできる高信頼性のビアホールを形成できるこ
とを知見した。
うな問題点について鋭意検討した結果、銅粉末等の低抵
抗金属を含む導体を充填することによってIVHを作製
する場合、充填した導体の端部が前記絶縁基板の少なく
とも片方の表面から突出するように形成し、その後、そ
の突出部に金属箔等からなる配線層を積層し、その配線
層を介して圧力を印加してビアホール内に圧縮充填させ
ることにより、ビアホール内への導体の充填率を大幅に
向上できる結果、ビアホールの低抵抗化が実現でき、こ
れによりプリント基板の超微細化、精密化の要求に応え
うることのできる高信頼性のビアホールを形成できるこ
とを知見した。
【0011】即ち、本発明のプリント配線板は、少なく
とも有機樹脂を含む絶縁基板と、該絶縁基板の所定箇所
に形成された金属粉末を含む導体が充填されてなるビア
ホール導体と、前記絶縁基板の表面に前記ビアホール導
体と電気的に接続するように形成された配線層とを具備
するプリント配線基板において、前記配線層は、前記絶
縁基板表面と実質的に段差なく前記絶縁基板内に埋め込
まれてなるとともに、前記ビアホール導体における金属
粉末の充填率が75%以上であることを特徴とするもの
である。なお、前記配線層が金属箔からなることを特徴
とする。
とも有機樹脂を含む絶縁基板と、該絶縁基板の所定箇所
に形成された金属粉末を含む導体が充填されてなるビア
ホール導体と、前記絶縁基板の表面に前記ビアホール導
体と電気的に接続するように形成された配線層とを具備
するプリント配線基板において、前記配線層は、前記絶
縁基板表面と実質的に段差なく前記絶縁基板内に埋め込
まれてなるとともに、前記ビアホール導体における金属
粉末の充填率が75%以上であることを特徴とするもの
である。なお、前記配線層が金属箔からなることを特徴
とする。
【0012】また、本発明のプリント配線基板の製造方
法は、少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板に形成された
ビアホール内に、その端部が前記絶縁基板の少なくとも
片方の表面から突出するように金属粉末を含む導体を充
填した後、前記突出部を前記ビアホール内に圧縮充填さ
せる工程を具備することを特徴とするものであり、これ
により、ビアホール導体における金属粉末の充填率75
%以上、体積固有抵抗を9.5×10-6Ω−cm以下を
達成することができる。
法は、少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板に形成された
ビアホール内に、その端部が前記絶縁基板の少なくとも
片方の表面から突出するように金属粉末を含む導体を充
填した後、前記突出部を前記ビアホール内に圧縮充填さ
せる工程を具備することを特徴とするものであり、これ
により、ビアホール導体における金属粉末の充填率75
%以上、体積固有抵抗を9.5×10-6Ω−cm以下を
達成することができる。
【0013】また、具体的な製造方法として、少なくと
も有機樹脂を含む絶縁基板の少なくとも片方の表面に所
定厚みの樹脂フィルムを接着する工程と、前記絶縁基板
と前記樹脂フィルムに同時にビアホールを形成する工程
と、該ビアホール内に金属粉末を含む導体を充填する工
程と、充填工程後に前記樹脂フィルムのみを剥離除去し
てビアホールに充填された導体の端部を前記絶縁基板の
表面から突出させる工程と、前記導体からなる突出部に
金属箔からなる配線層を積層する工程と、前記配線層を
介して圧力を印加して前記突出部をビアホール内に圧縮
充填させる工程とを具備することを特徴とするものであ
り、前記金属箔からなる配線層は、特に転写シートから
の転写によって形成されることが望ましい。
も有機樹脂を含む絶縁基板の少なくとも片方の表面に所
定厚みの樹脂フィルムを接着する工程と、前記絶縁基板
と前記樹脂フィルムに同時にビアホールを形成する工程
と、該ビアホール内に金属粉末を含む導体を充填する工
程と、充填工程後に前記樹脂フィルムのみを剥離除去し
てビアホールに充填された導体の端部を前記絶縁基板の
表面から突出させる工程と、前記導体からなる突出部に
金属箔からなる配線層を積層する工程と、前記配線層を
介して圧力を印加して前記突出部をビアホール内に圧縮
充填させる工程とを具備することを特徴とするものであ
り、前記金属箔からなる配線層は、特に転写シートから
の転写によって形成されることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプリント配線基板
の製造方法を図1の工程図で具体的に説明する。本発明
の製造方法によれば、まず、少なくとも有機樹脂を含む
絶縁基板にビアホールを形成した後、ビアホール内に、
その端部が絶縁基板の少なくとも片方の表面から突出す
るように金属粉末を含む導体を充填する。
の製造方法を図1の工程図で具体的に説明する。本発明
の製造方法によれば、まず、少なくとも有機樹脂を含む
絶縁基板にビアホールを形成した後、ビアホール内に、
その端部が絶縁基板の少なくとも片方の表面から突出す
るように金属粉末を含む導体を充填する。
【0015】具体的には、例えば、図1(a)に示すよ
うに、少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板1の表面に、
PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステル
テレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイドなど
からなる樹脂フィルム2を接着する。この樹脂フィルム
は、絶縁基板1のBステージ状態での粘着性を利用した
り、あるいは樹脂フィルム表面に粘着剤を塗布して両者
を接着積層するが、両者は容易に剥離できるレベルであ
るのがよい。
うに、少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板1の表面に、
PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステル
テレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイドなど
からなる樹脂フィルム2を接着する。この樹脂フィルム
は、絶縁基板1のBステージ状態での粘着性を利用した
り、あるいは樹脂フィルム表面に粘着剤を塗布して両者
を接着積層するが、両者は容易に剥離できるレベルであ
るのがよい。
【0016】次に、図1(b)に示すように、絶縁基板
1および樹脂フィルム2との積層体の所定箇所にビアホ
ール3を形成する。ビアホール3の形成は、未硬化の状
態(Bステージ状態)の絶縁基板に対して、パンチング
あるいはレーザー等により形成される。ビアホール径
は、その回路によって様々であるが、通常、100〜2
00μmの径で形成される。
1および樹脂フィルム2との積層体の所定箇所にビアホ
ール3を形成する。ビアホール3の形成は、未硬化の状
態(Bステージ状態)の絶縁基板に対して、パンチング
あるいはレーザー等により形成される。ビアホール径
は、その回路によって様々であるが、通常、100〜2
00μmの径で形成される。
【0017】その後、図1(c)に示すように、ビアホ
ール3内に金属粉末を含む導体4を充填した後、乾燥さ
せる。金属粉末を含む導体は、例えば、金属粉末と、有
機樹脂および溶剤からなり、金属粉末としては、銅、ア
ルミニウム、金、銀の群から選ばれる少なくとも1種ま
たは2種以上の合金によって構成するのが望ましい。
ール3内に金属粉末を含む導体4を充填した後、乾燥さ
せる。金属粉末を含む導体は、例えば、金属粉末と、有
機樹脂および溶剤からなり、金属粉末としては、銅、ア
ルミニウム、金、銀の群から選ばれる少なくとも1種ま
たは2種以上の合金によって構成するのが望ましい。
【0018】一方、有機樹脂としては、前述した熱硬化
性樹脂の他、セルロースなどの樹脂が使用される。ま
た、溶剤としては、用いる有機樹脂が溶解可能な溶剤か
ら構成され、例えば、イソプロピルアルコール、テルピ
ネオール、2−オクタノール、ブチルカルビトールアセ
テート(BCA)等からなる。充填する導体の望ましい
組成は、金属粉末100重量部に対して、有機樹脂0.
05〜10重量部、特に0.05〜3.0重量部、溶剤
を1〜20重量部、特に2〜15重量部の割合で混合し
たものが適当である。なお、乾燥処理は、用いた溶剤が
揮散するに十分な温度で行われ、具体的には、30〜2
00℃で行うことができる。この時のビアホール導体3
中には、多数の気孔5が存在する。
性樹脂の他、セルロースなどの樹脂が使用される。ま
た、溶剤としては、用いる有機樹脂が溶解可能な溶剤か
ら構成され、例えば、イソプロピルアルコール、テルピ
ネオール、2−オクタノール、ブチルカルビトールアセ
テート(BCA)等からなる。充填する導体の望ましい
組成は、金属粉末100重量部に対して、有機樹脂0.
05〜10重量部、特に0.05〜3.0重量部、溶剤
を1〜20重量部、特に2〜15重量部の割合で混合し
たものが適当である。なお、乾燥処理は、用いた溶剤が
揮散するに十分な温度で行われ、具体的には、30〜2
00℃で行うことができる。この時のビアホール導体3
中には、多数の気孔5が存在する。
【0019】次に、図1(d)に示すように、樹脂フィ
ルム2を絶縁基板1より剥離する。
ルム2を絶縁基板1より剥離する。
【0020】これにより、樹脂フィルム2に形成された
ビアホール3に充填された導体4は、絶縁基板1に残存
するために、樹脂フィルム2を剥離した後の、絶縁基板
1では、ビアホール形成箇所において、ビアホール3内
に充填した導体4の端部を絶縁基板1の表面から突出し
た突出部6を形成することができる。
ビアホール3に充填された導体4は、絶縁基板1に残存
するために、樹脂フィルム2を剥離した後の、絶縁基板
1では、ビアホール形成箇所において、ビアホール3内
に充填した導体4の端部を絶縁基板1の表面から突出し
た突出部6を形成することができる。
【0021】次に、上記のようにして形成された導体か
らなる突出部に対して、配線層を積層し、配線層を介し
て圧力を印加して、前記突出部6を前記ビアホール内に
圧縮充填させるとともに、配線層を絶縁基板表面と実質
的に段差が生じないように絶縁基板表面に埋め込み処理
する。
らなる突出部に対して、配線層を積層し、配線層を介し
て圧力を印加して、前記突出部6を前記ビアホール内に
圧縮充填させるとともに、配線層を絶縁基板表面と実質
的に段差が生じないように絶縁基板表面に埋め込み処理
する。
【0022】具体的には、図1(e)に示すように、ビ
アホール導体と電気的に接続される金属箔からなる配線
層を突出部6に積層する。この金属箔からなる配線層7
は、絶縁基板1の厚みLに対して、0.05倍以上、特
に0.1倍以上の厚みであることが望ましい。この厚み
は、後述する圧縮工程でのビアホール導体の充填率を決
定する1つの要素であり、この配線層7の厚みが厚いほ
どビアホール導体の充填率を高めることができる。ただ
し、厚みが厚すぎると配線基板1に対して、配線層を絶
縁基板表面と段差なく埋め込むことが困難となるととも
に多層化した場合に、基板に変形等が生じてしまう場合
がある。かかる観点から上限は0.25倍が適当であ
る。
アホール導体と電気的に接続される金属箔からなる配線
層を突出部6に積層する。この金属箔からなる配線層7
は、絶縁基板1の厚みLに対して、0.05倍以上、特
に0.1倍以上の厚みであることが望ましい。この厚み
は、後述する圧縮工程でのビアホール導体の充填率を決
定する1つの要素であり、この配線層7の厚みが厚いほ
どビアホール導体の充填率を高めることができる。ただ
し、厚みが厚すぎると配線基板1に対して、配線層を絶
縁基板表面と段差なく埋め込むことが困難となるととも
に多層化した場合に、基板に変形等が生じてしまう場合
がある。かかる観点から上限は0.25倍が適当であ
る。
【0023】また、金属箔からなる配線層7は、周知の
方法によって形成される。例えば、絶縁層1の表面に銅
等の金属箔を接着した後、これを配線パターンにレジス
トを塗布して非レジスト形成部をエッチング除去した後
に、レジストを除去する方法、銅箔が接着された転写シ
ートに対して同様にして配線パターンを形成した後、こ
れを絶縁層1に転写させる方法等が採用される。
方法によって形成される。例えば、絶縁層1の表面に銅
等の金属箔を接着した後、これを配線パターンにレジス
トを塗布して非レジスト形成部をエッチング除去した後
に、レジストを除去する方法、銅箔が接着された転写シ
ートに対して同様にして配線パターンを形成した後、こ
れを絶縁層1に転写させる方法等が採用される。
【0024】そして、図1(f)に示すように、突出部
6に対して、金属箔からなる配線層7を介して圧力を印
加して、突出部6を絶縁基板1のビアホール内に圧縮充
填すると同時に、配線層7も絶縁基板1表面と段差が生
じないように絶縁基板1表面に埋め込む。この時に印加
される圧力は、1〜200kg/cm2 、望ましくは2
0〜70kg/cm2 の範囲が望ましい。
6に対して、金属箔からなる配線層7を介して圧力を印
加して、突出部6を絶縁基板1のビアホール内に圧縮充
填すると同時に、配線層7も絶縁基板1表面と段差が生
じないように絶縁基板1表面に埋め込む。この時に印加
される圧力は、1〜200kg/cm2 、望ましくは2
0〜70kg/cm2 の範囲が望ましい。
【0025】上記の図1(e)(f)の工程において、
配線層7を介して突出部6に圧力を印加して、突出部を
ビアホール内に圧縮充填させるに際し、配線層7の大き
さは、ビアホール導体4との接続箇所における最小径が
ビアホール径の1.1〜4倍の大きさであることが望ま
しい。これは、配線層7の大きさがビアホール径の1.
1倍よりも小さいと、導体の乾燥が不十分な場合、ビア
ホール導体4の導体が漏れ出てしまい、ビアホール導体
4の突出部6を圧縮充填することが難しくなるためであ
る。ペーストの乾燥が十分であれば、ビアホール径より
も細い配線層であっても圧縮充填の効果が認められる。
また、4倍を越えると加圧力がビアホール導体4に有効
に印加されず、絶縁基板全体に分散するために基板が変
形する場合がある。
配線層7を介して突出部6に圧力を印加して、突出部を
ビアホール内に圧縮充填させるに際し、配線層7の大き
さは、ビアホール導体4との接続箇所における最小径が
ビアホール径の1.1〜4倍の大きさであることが望ま
しい。これは、配線層7の大きさがビアホール径の1.
1倍よりも小さいと、導体の乾燥が不十分な場合、ビア
ホール導体4の導体が漏れ出てしまい、ビアホール導体
4の突出部6を圧縮充填することが難しくなるためであ
る。ペーストの乾燥が十分であれば、ビアホール径より
も細い配線層であっても圧縮充填の効果が認められる。
また、4倍を越えると加圧力がビアホール導体4に有効
に印加されず、絶縁基板全体に分散するために基板が変
形する場合がある。
【0026】また、この配線層7による圧縮充填処理に
おいて、配線層7は、金属箔からなることが必要であ
る。それは、例えば、金属粉末と有機樹脂とからなるペ
ーストの印刷によって形成した配線層は、気孔を多数含
み緻密性に乏しいことから、ビアホール導体のインクが
配線層側にしみ出てしまい加圧圧縮するのに十分な圧力
をビアホール導体に付与できないためである。なお、配
線層7によるビアホール導体4の圧縮充填処理は、配線
層7を転写シート(図示せず)から圧着して絶縁層に転
写するのと同時に行なうことが望ましい。
おいて、配線層7は、金属箔からなることが必要であ
る。それは、例えば、金属粉末と有機樹脂とからなるペ
ーストの印刷によって形成した配線層は、気孔を多数含
み緻密性に乏しいことから、ビアホール導体のインクが
配線層側にしみ出てしまい加圧圧縮するのに十分な圧力
をビアホール導体に付与できないためである。なお、配
線層7によるビアホール導体4の圧縮充填処理は、配線
層7を転写シート(図示せず)から圧着して絶縁層に転
写するのと同時に行なうことが望ましい。
【0027】本発明によれば、図(a)〜(f)の工程
図に基づき説明したように、突出部6の高さは、樹脂フ
ィルム2の厚みによって決定され、突出部6の高さが高
いほど圧縮充填後のビアホール導体の緻密性を高めるこ
とができる。しかし、その高さが高すぎると、圧縮時に
導体がビアホールから大きくはみだし、ビアホールの精
度が低下する場合があることから、突出部6の突出高さ
は、ビアホールの直径Mの0.1M〜0.8M、特に
0.2M〜0.5Mが適当である。
図に基づき説明したように、突出部6の高さは、樹脂フ
ィルム2の厚みによって決定され、突出部6の高さが高
いほど圧縮充填後のビアホール導体の緻密性を高めるこ
とができる。しかし、その高さが高すぎると、圧縮時に
導体がビアホールから大きくはみだし、ビアホールの精
度が低下する場合があることから、突出部6の突出高さ
は、ビアホールの直径Mの0.1M〜0.8M、特に
0.2M〜0.5Mが適当である。
【0028】また、図(a)〜(f)による説明では、
絶縁基板の片方の面についてのみ説明したが、例えば、
図(a)において、絶縁基板の両面に樹脂フィルムを接
着し、ビアホール形成後、導体を充填し、樹脂フィルム
を剥離して、絶縁基板の表面側と裏面側に導体からなる
突出部を形成し、それぞれの突出部に金属箔を積層し
て、絶縁基板の上下から金属箔の配線層を介して圧力を
印加し、圧縮充填することも可能である。
絶縁基板の片方の面についてのみ説明したが、例えば、
図(a)において、絶縁基板の両面に樹脂フィルムを接
着し、ビアホール形成後、導体を充填し、樹脂フィルム
を剥離して、絶縁基板の表面側と裏面側に導体からなる
突出部を形成し、それぞれの突出部に金属箔を積層し
て、絶縁基板の上下から金属箔の配線層を介して圧力を
印加し、圧縮充填することも可能である。
【0029】なお、本発明における絶縁基板1は、少な
くとも有機樹脂を含むものであり、例えば、PPE(ポ
リフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミド
トリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素
樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂
が使用できる。
くとも有機樹脂を含むものであり、例えば、PPE(ポ
リフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミド
トリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素
樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂
が使用できる。
【0030】また、上記の絶縁層1中には、絶縁層ある
いは配線基板全体の強度を高めるために、有機樹脂に対
して無機質フィラーを複合化させたものでもよい。有機
樹脂と複合化される無機質フィラーとしては、Si
O2 、Al2 O3 、AlN、SiC、等の公知の材料が
使用でき、さらには、ガラスクロスやアラミド不織布に
樹脂を含浸させたシート(プリプレグ)を用いても良
い。なお、有機樹脂と無機質フィラーとの複合材料にお
いては、有機樹脂:無機質フィラーとは、体積比率で1
5:85〜50:50の比率で複合化されるのが適当で
ある。
いは配線基板全体の強度を高めるために、有機樹脂に対
して無機質フィラーを複合化させたものでもよい。有機
樹脂と複合化される無機質フィラーとしては、Si
O2 、Al2 O3 、AlN、SiC、等の公知の材料が
使用でき、さらには、ガラスクロスやアラミド不織布に
樹脂を含浸させたシート(プリプレグ)を用いても良
い。なお、有機樹脂と無機質フィラーとの複合材料にお
いては、有機樹脂:無機質フィラーとは、体積比率で1
5:85〜50:50の比率で複合化されるのが適当で
ある。
【0031】例えば、上記の図1(a)〜(f)で説明
したような工程によって得られる本発明のプリント配線
基板によれば、配線層7は、絶縁基板1表面と実質的に
段差がないように絶縁基板1表面に埋め込まれてなるた
めに、ビアホール導体中における金属粉末の充填率を7
5%以上、特に80%以上にまで高めることができる結
果、体積固有抵抗が9.5×10-6Ω−cm以下、特に
9.0×10-6Ω−cm以下のビアホール導体を形成す
ることができる。
したような工程によって得られる本発明のプリント配線
基板によれば、配線層7は、絶縁基板1表面と実質的に
段差がないように絶縁基板1表面に埋め込まれてなるた
めに、ビアホール導体中における金属粉末の充填率を7
5%以上、特に80%以上にまで高めることができる結
果、体積固有抵抗が9.5×10-6Ω−cm以下、特に
9.0×10-6Ω−cm以下のビアホール導体を形成す
ることができる。
【0032】この本発明のプリント配線基板は、絶縁基
板1の表裏に配線層が形成された単層の配線基板として
用いたり、複数層を積層圧着して多層配線化することも
できる。特に、積層圧着して多層配線化する場合、配線
層7は、絶縁基板1表面と実質的に段差が生じないよう
に埋め込まれているために、配線層7自体の厚みによる
多層配線基板の変形や、変形に伴う配線層の断線などが
生じることがなく、信頼性の高い配線基板を提供するこ
とができる。
板1の表裏に配線層が形成された単層の配線基板として
用いたり、複数層を積層圧着して多層配線化することも
できる。特に、積層圧着して多層配線化する場合、配線
層7は、絶縁基板1表面と実質的に段差が生じないよう
に埋め込まれているために、配線層7自体の厚みによる
多層配線基板の変形や、変形に伴う配線層の断線などが
生じることがなく、信頼性の高い配線基板を提供するこ
とができる。
【0033】また、本発明によれば、上記のビアホール
導体の圧縮充填後、または多層化した後に、ビアホール
導体に直流電流及び/またはパルス電流を印加してさら
に低抵抗化を図ることができる。例えば、パルス電流を
印加する場合の条件は、電圧1〜200V、1パルスの
通電時間3秒以下、パルス間隔が3秒以下、パルス電流
値が基板100cm2 当たり50〜5000Aであるこ
とが適当である。なおパルス電流は、矩形波であること
が望ましい。正弦波等も用いられるが矩形波が最も効果
的である。また、パルス電源は、直流パルス電源である
ことが望ましい。それは、正弦波よりも矩形波のほう
が、粒子間の放電が起こりやすく、表面の清浄作用が高
く、パルス電流は交流よりも直流の方が一旦清浄された
粒子表面に汚れ等が付着しにくいためである。
導体の圧縮充填後、または多層化した後に、ビアホール
導体に直流電流及び/またはパルス電流を印加してさら
に低抵抗化を図ることができる。例えば、パルス電流を
印加する場合の条件は、電圧1〜200V、1パルスの
通電時間3秒以下、パルス間隔が3秒以下、パルス電流
値が基板100cm2 当たり50〜5000Aであるこ
とが適当である。なおパルス電流は、矩形波であること
が望ましい。正弦波等も用いられるが矩形波が最も効果
的である。また、パルス電源は、直流パルス電源である
ことが望ましい。それは、正弦波よりも矩形波のほう
が、粒子間の放電が起こりやすく、表面の清浄作用が高
く、パルス電流は交流よりも直流の方が一旦清浄された
粒子表面に汚れ等が付着しにくいためである。
【0034】さらに、本発明によれば、上記パルス電流
の印加ののちに、ビアホール導体に通電による加熱処理
を施すことにより、さらにビアホール導体の低抵抗化を
図ることができる。通電処理は、電圧10〜100V、
基板100cm2 当たり電流3〜50Aの直流、交流の
いずれでもよく、通電による加熱温度は100〜300
℃の範囲であることが望ましい。この時の加熱温度が3
00℃よりも高いと絶縁層を形成する耐熱性の高い樹脂
の分解が起こり、100℃よりも低いとさらなる低抵抗
化の効果が小さいためである。この通電加熱によって、
金属粒子同士の結合が強固となり、IVHの抵抗を下げ
ることができるのである。
の印加ののちに、ビアホール導体に通電による加熱処理
を施すことにより、さらにビアホール導体の低抵抗化を
図ることができる。通電処理は、電圧10〜100V、
基板100cm2 当たり電流3〜50Aの直流、交流の
いずれでもよく、通電による加熱温度は100〜300
℃の範囲であることが望ましい。この時の加熱温度が3
00℃よりも高いと絶縁層を形成する耐熱性の高い樹脂
の分解が起こり、100℃よりも低いとさらなる低抵抗
化の効果が小さいためである。この通電加熱によって、
金属粒子同士の結合が強固となり、IVHの抵抗を下げ
ることができるのである。
【0035】また、この通電加熱処理は、前述したパル
ス電流の印加処理と同時に行うことができる。具体的に
は、直流のパルス電流と直流電流とを合わせた波形、つ
まり直流電流波形の上部が矩形波となった電流を印加す
ると通電加熱による作用と、パルス電流印加による放電
溶接作用とを同時に付加することができる。
ス電流の印加処理と同時に行うことができる。具体的に
は、直流のパルス電流と直流電流とを合わせた波形、つ
まり直流電流波形の上部が矩形波となった電流を印加す
ると通電加熱による作用と、パルス電流印加による放電
溶接作用とを同時に付加することができる。
【0036】
【実施例】絶縁層として、有機樹脂としてイミド樹脂を
用い、さらに無機フィラーとして球状シリカを用い、こ
れらを有機樹脂:無機フィラーが体積比で30:70と
なる組成物を用い、これをドクターブレード法によって
厚さ120μmの半硬化状態の絶縁基板を作製した。こ
の絶縁基板に対して、厚さが表1のPETフィルムから
なる樹脂フィルムを片面に接着した。そして、パンチン
グにより絶縁基板および樹脂フィルムの両者を貫通する
直径が0.1mmのビアホールを所定位置に形成した。
用い、さらに無機フィラーとして球状シリカを用い、こ
れらを有機樹脂:無機フィラーが体積比で30:70と
なる組成物を用い、これをドクターブレード法によって
厚さ120μmの半硬化状態の絶縁基板を作製した。こ
の絶縁基板に対して、厚さが表1のPETフィルムから
なる樹脂フィルムを片面に接着した。そして、パンチン
グにより絶縁基板および樹脂フィルムの両者を貫通する
直径が0.1mmのビアホールを所定位置に形成した。
【0037】そして、平均粒径が4μmの表面に銀を被
覆した銅粉100重量部、セルロース0.2重量部、2
−オクタノール10重量部とを混合した金属ペーストを
調製し、このビアホールに金属ペーストを充填した後、
140℃で30分加熱して乾燥させ、溶剤およびセルロ
ースを揮散除去させた。その後、樹脂フィルムを剥離除
去した。その結果、絶縁基板の表面には、高さが樹脂フ
ィルムの厚みにほぼ合致した導体からなる突出部が形成
された。
覆した銅粉100重量部、セルロース0.2重量部、2
−オクタノール10重量部とを混合した金属ペーストを
調製し、このビアホールに金属ペーストを充填した後、
140℃で30分加熱して乾燥させ、溶剤およびセルロ
ースを揮散除去させた。その後、樹脂フィルムを剥離除
去した。その結果、絶縁基板の表面には、高さが樹脂フ
ィルムの厚みにほぼ合致した導体からなる突出部が形成
された。
【0038】一方、厚さ12μmの銅箔を接着した転写
シートの銅箔に対してフォトレジスト法によって配線層
を形成した。そして、配線層が形成された転写シートを
絶縁基板に位置あわせして、絶縁基板の表面の導体から
なる突出部上に配線層を重ね合わせた後、少なくともビ
アホール導体形成位置に50kg/cm2 の圧力を印加
して、導体からなる突出部を絶縁基板に圧縮充填すると
ともに、配線層表面と絶縁基板表面と段差が生じないよ
うに、配線層を絶縁基板表面に埋め込み、さらに120
℃に加熱した。なお、この時のビアホールにおける突出
部に積層した配線層の最小径は0.2mmとした。
シートの銅箔に対してフォトレジスト法によって配線層
を形成した。そして、配線層が形成された転写シートを
絶縁基板に位置あわせして、絶縁基板の表面の導体から
なる突出部上に配線層を重ね合わせた後、少なくともビ
アホール導体形成位置に50kg/cm2 の圧力を印加
して、導体からなる突出部を絶縁基板に圧縮充填すると
ともに、配線層表面と絶縁基板表面と段差が生じないよ
うに、配線層を絶縁基板表面に埋め込み、さらに120
℃に加熱した。なお、この時のビアホールにおける突出
部に積層した配線層の最小径は0.2mmとした。
【0039】また、一部のプリント配線基板に対して
は、さらに、パルス幅20msec、パルス間隔20m
sec、パルス電圧10V、パルス電流500A、印加
時間1分の条件でパルス電流を印加したり、電圧20
V、電流50A、印加時間1分の条件で通電加熱を施し
た。
は、さらに、パルス幅20msec、パルス間隔20m
sec、パルス電圧10V、パルス電流500A、印加
時間1分の条件でパルス電流を印加したり、電圧20
V、電流50A、印加時間1分の条件で通電加熱を施し
た。
【0040】得られた各配線基板に対して、ビアホール
導体の抵抗を測定した。 また、ビアホール導体に対し
て観察用樹脂を含浸させた後、ビアホール導体をカット
して断面の画像解析を行い、非観察用樹脂部の面積をも
ってビアホールの充填率を求めた。
導体の抵抗を測定した。 また、ビアホール導体に対し
て観察用樹脂を含浸させた後、ビアホール導体をカット
して断面の画像解析を行い、非観察用樹脂部の面積をも
ってビアホールの充填率を求めた。
【0041】また、比較例として、ビアホール導体の端
部に金属箔からなる配線層を形成して全く埋め込み処理
を行わない(ビアホール導体に対して加圧圧縮処理を行
わない)もの、突出部を形成しないもの、配線層を金属
箔ではなく金属ペーストの印刷によって形成したもの等
に対して、同様に抵抗の測定を行った。
部に金属箔からなる配線層を形成して全く埋め込み処理
を行わない(ビアホール導体に対して加圧圧縮処理を行
わない)もの、突出部を形成しないもの、配線層を金属
箔ではなく金属ペーストの印刷によって形成したもの等
に対して、同様に抵抗の測定を行った。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果から、明らかなように、従来法
によって作製した配線層の埋め込み処理(ビアホール導
体の加圧圧縮処理なし)の試料No.1に比較して、突出
部を形成せずに配線層の埋め込みを行った場合、充填率
はわずかながら向上し、導体抵抗が低下がみられた。
によって作製した配線層の埋め込み処理(ビアホール導
体の加圧圧縮処理なし)の試料No.1に比較して、突出
部を形成せずに配線層の埋め込みを行った場合、充填率
はわずかながら向上し、導体抵抗が低下がみられた。
【0044】そこで、本発明に基づき、突出部を形成し
た後に圧縮充填処理を行った場合、充填率は75%以上
に向上し、導体抵抗は9.5×10-6Ω−cm以下まで
低下した。さらに、突出部を両側に設け、両側から圧縮
充填処理すると、充填率が片側処理よりも高くなり抵抗
の低減を図ることができた。また、通電処理やパルス電
流印加処理を施すと、さらに抵抗を下げることができ
た。
た後に圧縮充填処理を行った場合、充填率は75%以上
に向上し、導体抵抗は9.5×10-6Ω−cm以下まで
低下した。さらに、突出部を両側に設け、両側から圧縮
充填処理すると、充填率が片側処理よりも高くなり抵抗
の低減を図ることができた。また、通電処理やパルス電
流印加処理を施すと、さらに抵抗を下げることができ
た。
【0045】しかし、配線層を金属ペーストによる印刷
で形成した試料No.15では、配線層が変形してビアホ
ール導体に圧力が十分加わらず、圧縮充填ができなかっ
た。
で形成した試料No.15では、配線層が変形してビアホ
ール導体に圧力が十分加わらず、圧縮充填ができなかっ
た。
【0046】また、突出部の高さが、ビアホール径Mに
対して0.8Mを越える試料No.7では、わずかながら
導体のはみ出しが確認された。
対して0.8Mを越える試料No.7では、わずかながら
導体のはみ出しが確認された。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のプリント配
線板の製造方法によれば、金属粉末を含む導体を充填す
るに際し、予め導体による突出部を形成し、この突出部
を圧縮充填することにより、ビアホール導体の充填率を
大幅に高めることができる結果、ビアホール導体の低抵
抗化を実現することができ、これにより、これによりプ
リント基板の超微細化、精密化の要求に応えうることの
できる高信頼性の配線基板を作製することができる。
線板の製造方法によれば、金属粉末を含む導体を充填す
るに際し、予め導体による突出部を形成し、この突出部
を圧縮充填することにより、ビアホール導体の充填率を
大幅に高めることができる結果、ビアホール導体の低抵
抗化を実現することができ、これにより、これによりプ
リント基板の超微細化、精密化の要求に応えうることの
できる高信頼性の配線基板を作製することができる。
【図1】本発明のプリント配線基板の製造方法を説明す
るための工程図である。
るための工程図である。
1 絶縁基板 2 樹脂フィルム 3 ビアホール 4 導体 5 気孔 6 突出部 7 配線層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹森 理一 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板と、該
絶縁基板の所定箇所に形成された金属粉末を含む導体が
充填されてなるビアホール導体と、前記絶縁基板の表面
に前記ビアホール導体と電気的に接続するように形成さ
れた配線層とを具備するプリント配線基板において、前
記配線層は、前記絶縁基板表面と実質的に段差がないよ
うに前記絶縁基板表面に埋め込まれてなるとともに、前
記ビアホール導体における金属粉末の充填率が75%以
上であることを特徴とするプリント配線基板。 - 【請求項2】前記配線層が金属箔からなることを特徴と
する請求項1記載のプリント配線基板。 - 【請求項3】少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板に形成
されたビアホール内に、その端部が前記絶縁基板の少な
くとも片方の表面から突出するように金属粉末を含む導
体を充填した後、前記導体の突出部に金属箔からなる配
線層を積層し、該配線層を介して圧力を印加して前記突
出部を前記ビアホール内に圧縮充填させるとともに、前
記配線層を前記絶縁基板表面と実質的に段差がないよう
に前記絶縁基板表面に埋め込むことを特徴とするプリン
ト配線基板の製造方法。 - 【請求項4】前記加圧圧縮後のビアホール導体における
金属粉末の充填率が75%以上であり、且つ体積固有抵
抗が9.5×10-6Ω−cm以下であることを特徴とす
る請求項3記載のプリント配線基板の製造方法。 - 【請求項5】少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板の少な
くとも片方の表面に所定厚みの樹脂フィルムを接着する
工程と、前記絶縁基板と前記樹脂フィルムに同時にビア
ホールを形成する工程と、該ビアホール内に金属粉末を
含む導体を充填する工程と、充填工程後に前記樹脂フィ
ルムのみを剥離除去してビアホールに充填された導体の
端部を前記絶縁基板の表面から突出させる工程と、前記
導体からなる突出部に金属箔からなる配線層を積層する
工程と、前記配線層を介して圧力を印加して前記突出部
をビアホール内に圧縮充填させるとともに、前記配線層
を前記絶縁基板表面と実質的に段差がないように前記絶
縁基板表面に埋め込む工程とを具備することを特徴とす
るプリント配線基板の製造方法。 - 【請求項6】前記金属箔からなる配線層が、転写シート
からの転写によって形成されることを特徴とする請求項
3記載のプリント配線基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7847097A JPH10275978A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | プリント配線基板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7847097A JPH10275978A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | プリント配線基板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10275978A true JPH10275978A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=13662915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7847097A Pending JPH10275978A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | プリント配線基板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10275978A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002016363A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-18 | Kyocera Corp | 回路基板 |
JP2002246727A (ja) * | 2001-02-13 | 2002-08-30 | Hitachi Chem Co Ltd | マルチワイヤ配線板の位置合わせ方法 |
-
1997
- 1997-03-28 JP JP7847097A patent/JPH10275978A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002016363A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-18 | Kyocera Corp | 回路基板 |
JP2002246727A (ja) * | 2001-02-13 | 2002-08-30 | Hitachi Chem Co Ltd | マルチワイヤ配線板の位置合わせ方法 |
JP4678460B2 (ja) * | 2001-02-13 | 2011-04-27 | 日立化成工業株式会社 | マルチワイヤ配線板の位置合わせ方法 |
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