JPH10274301A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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- JPH10274301A JPH10274301A JP9451997A JP9451997A JPH10274301A JP H10274301 A JPH10274301 A JP H10274301A JP 9451997 A JP9451997 A JP 9451997A JP 9451997 A JP9451997 A JP 9451997A JP H10274301 A JPH10274301 A JP H10274301A
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- JP
- Japan
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- oil pressure
- toroidal
- continuously variable
- valve
- variable transmission
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- Friction Gearing (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 トロイダル型無段変速機において、変速比制
御弁を構成するソレノイド弁が電気的失陥状態となる
と、変速比を増速側にシフトするようにして車両の走行
時の危険を回避する。 【解決手段】 ソレノイド弁65A、65Bはそれぞれ
常開式又は常閉式切換え弁であり、いずれが電気的失陥
状態になっても、SAポート、SBポートに現れる制御
油圧PA,PBは、スプール弁48のスリーブ49を右
側に変位させる。ライン圧PLは、Bポートに通じ、油
圧シリンダ42,45の増速側シリンダ室43B,46
Bへの作動油圧Pupを減速側シリンダ室43A,46
Aへの作動油圧Pdownより大きくする。トロイダル
変速部1,2における変速比は増速側にシフトし、車両
の走行に対して安全側に変速する。
御弁を構成するソレノイド弁が電気的失陥状態となる
と、変速比を増速側にシフトするようにして車両の走行
時の危険を回避する。 【解決手段】 ソレノイド弁65A、65Bはそれぞれ
常開式又は常閉式切換え弁であり、いずれが電気的失陥
状態になっても、SAポート、SBポートに現れる制御
油圧PA,PBは、スプール弁48のスリーブ49を右
側に変位させる。ライン圧PLは、Bポートに通じ、油
圧シリンダ42,45の増速側シリンダ室43B,46
Bへの作動油圧Pupを減速側シリンダ室43A,46
Aへの作動油圧Pdownより大きくする。トロイダル
変速部1,2における変速比は増速側にシフトし、車両
の走行に対して安全側に変速する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トロイド曲面を
有する入力ディスクと出力ディスクとの間にパワーロー
ラを傾転自在に配置して、入力ディスクの回転を無段階
に変速して出力ディスクへ伝達するトロイダル型無段変
速機に関する。
有する入力ディスクと出力ディスクとの間にパワーロー
ラを傾転自在に配置して、入力ディスクの回転を無段階
に変速して出力ディスクへ伝達するトロイダル型無段変
速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、対向して配置された入力ディスク
と出力ディスク、及び両ディスクに摩擦接触するパワー
ローラからなるトロイダル変速部を備えたトロイダル型
無段変速機が知られている。このトロイダル型無段変速
機においては、パワーローラの傾転角度を変えることに
よって、入力ディスクの回転が無段階に変速されて出力
ディスクに伝達される。
と出力ディスク、及び両ディスクに摩擦接触するパワー
ローラからなるトロイダル変速部を備えたトロイダル型
無段変速機が知られている。このトロイダル型無段変速
機においては、パワーローラの傾転角度を変えることに
よって、入力ディスクの回転が無段階に変速されて出力
ディスクに伝達される。
【0003】トロイダル型無段変速機にはトロイダル変
速部を同一軸上に複数組配置するものがあり、特に二組
のトロイダル変速部を並置したものは、所謂、ダブルキ
ャビティ式トロイダル型無段変速機として知られてい
る。図4及び図5は、従来のダブルキャビティ式トロイ
ダル型無段変速機の一例を示す図である。図4は従来の
ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の模式図で
あり、図5は図4におけるダブルキャビティ式トロイダ
ル型無段変速機の各トロイダル変速部と変速比制御弁に
よる変速比制御機構を示す断面図である。なお、図6
は、図5に示す変速比制御機構におけるソレノイド弁の
dutyを定める手順を示すフローチャートである。
速部を同一軸上に複数組配置するものがあり、特に二組
のトロイダル変速部を並置したものは、所謂、ダブルキ
ャビティ式トロイダル型無段変速機として知られてい
る。図4及び図5は、従来のダブルキャビティ式トロイ
ダル型無段変速機の一例を示す図である。図4は従来の
ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の模式図で
あり、図5は図4におけるダブルキャビティ式トロイダ
ル型無段変速機の各トロイダル変速部と変速比制御弁に
よる変速比制御機構を示す断面図である。なお、図6
は、図5に示す変速比制御機構におけるソレノイド弁の
dutyを定める手順を示すフローチャートである。
【0004】図4に示したダブルキャビティ式トロイダ
ル型無段変速機においては、2組のトロイダル変速部
1,2が主軸3上に並べて配置されている。トロイダル
変速部1は、入力ディスク4、入力ディスク4に対向し
て配置された出力ディスク5、及び入力ディスク4と出
力ディスク5との間に配置され且つ両ディスク4,5の
トロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ6から構成さ
れている。トロイダル変速部2もトロイダル変速部1と
同様に、入力ディスク7、入力ディスク7に対向して配
置された出力ディスク8、及び入力ディスク7と出力デ
ィスク8との間に配置され且つ両ディスク7,8のトロ
イド曲面に摩擦係合するパワーローラ9から構成されて
いる。各トロイダル変速部1,2には、パワーローラ
6,9がそれぞれ2個設けられている。パワーローラ
6,9は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自
在であり、且つ回転軸線10に直交する傾転軸11(紙
面に垂直)の周りに傾転運動可能である。
ル型無段変速機においては、2組のトロイダル変速部
1,2が主軸3上に並べて配置されている。トロイダル
変速部1は、入力ディスク4、入力ディスク4に対向し
て配置された出力ディスク5、及び入力ディスク4と出
力ディスク5との間に配置され且つ両ディスク4,5の
トロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ6から構成さ
れている。トロイダル変速部2もトロイダル変速部1と
同様に、入力ディスク7、入力ディスク7に対向して配
置された出力ディスク8、及び入力ディスク7と出力デ
ィスク8との間に配置され且つ両ディスク7,8のトロ
イド曲面に摩擦係合するパワーローラ9から構成されて
いる。各トロイダル変速部1,2には、パワーローラ
6,9がそれぞれ2個設けられている。パワーローラ
6,9は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自
在であり、且つ回転軸線10に直交する傾転軸11(紙
面に垂直)の周りに傾転運動可能である。
【0005】トロイダル変速部1,2において、入力デ
ィスク4,7は、主軸3の軸方向に変位可能で且つ主軸
3と一体回転可能である。エンジンからの動力は、トル
クコンバータ12を介して主軸3と同一軸線上に配置さ
れている入力軸13に入力される。入力軸13の先端に
は、カムローラ15を備えたローディングカム14が配
設されており、ローディングカム14の回転によって入
力ディスク4と、更に主軸3を介して入力ディスク7と
が回転する。したがって、主軸3は、入力ディスク4,
7に対して入力軸として機能している。また、ローディ
ングカム14のカム作用によって、入力トルクの大きさ
に応じて、入力ディスク4,7をパワーローラ6,9に
押し付けるスラスト力(主軸3の軸方向力)が発生す
る。上記スラスト力は、入力ディスク4,7と出力ディ
スク5,8との間で伝達トルクの大きさに応じてパワー
ローラ6,9を挟み付ける。入力ディスク4,7の回転
は、オイルの剪断力に基づいて、パワーローラ6,9を
介して出力ディスク5,8に伝達される。
ィスク4,7は、主軸3の軸方向に変位可能で且つ主軸
3と一体回転可能である。エンジンからの動力は、トル
クコンバータ12を介して主軸3と同一軸線上に配置さ
れている入力軸13に入力される。入力軸13の先端に
は、カムローラ15を備えたローディングカム14が配
設されており、ローディングカム14の回転によって入
力ディスク4と、更に主軸3を介して入力ディスク7と
が回転する。したがって、主軸3は、入力ディスク4,
7に対して入力軸として機能している。また、ローディ
ングカム14のカム作用によって、入力トルクの大きさ
に応じて、入力ディスク4,7をパワーローラ6,9に
押し付けるスラスト力(主軸3の軸方向力)が発生す
る。上記スラスト力は、入力ディスク4,7と出力ディ
スク5,8との間で伝達トルクの大きさに応じてパワー
ローラ6,9を挟み付ける。入力ディスク4,7の回転
は、オイルの剪断力に基づいて、パワーローラ6,9を
介して出力ディスク5,8に伝達される。
【0006】各トロイダル変速部1,2において、パワ
ーローラ6,9は傾転軸11の周りに傾転可能であり、
入力ディスク4,7の回転はパワーローラ6,9の傾転
角に応じて出力ディスク5,8に無段階に変速されて伝
達される。パワーローラ6,9は、トラニオン33,3
7(図5参照)に対して回転自在に且つ揺動自在に支持
されており、スラスト力に応じて生じる主軸3の軸方向
変位に対応することができる。
ーローラ6,9は傾転軸11の周りに傾転可能であり、
入力ディスク4,7の回転はパワーローラ6,9の傾転
角に応じて出力ディスク5,8に無段階に変速されて伝
達される。パワーローラ6,9は、トラニオン33,3
7(図5参照)に対して回転自在に且つ揺動自在に支持
されており、スラスト力に応じて生じる主軸3の軸方向
変位に対応することができる。
【0007】出力ディスク5,8は、一体回転できるよ
うに背面同士を連結軸16上にスプライン嵌合等で連結
されている。連結軸16は主軸3に相対回転可能に嵌合
された中空軸であって、該中空軸の中間部にスプロケッ
ト18が一体的に形成されている。また、連結軸16
は、後述するように出力軸26に繋がるものである。出
力ディスク5,8は、連結軸16を介してスラスト方向
及びラジアル方向の荷重を支持する軸受(図示せず)に
よってケーシング19に支持されている。出力ディスク
5,8に伝達された動力は、第1伝動手段であるチェー
ン伝動装置17、即ち、スプロケット18からチェーン
20及び中間スプロケット21を経て、一端側で中間ス
プロケット21が取付けられたカウンタ軸22に取り出
される。
うに背面同士を連結軸16上にスプライン嵌合等で連結
されている。連結軸16は主軸3に相対回転可能に嵌合
された中空軸であって、該中空軸の中間部にスプロケッ
ト18が一体的に形成されている。また、連結軸16
は、後述するように出力軸26に繋がるものである。出
力ディスク5,8は、連結軸16を介してスラスト方向
及びラジアル方向の荷重を支持する軸受(図示せず)に
よってケーシング19に支持されている。出力ディスク
5,8に伝達された動力は、第1伝動手段であるチェー
ン伝動装置17、即ち、スプロケット18からチェーン
20及び中間スプロケット21を経て、一端側で中間ス
プロケット21が取付けられたカウンタ軸22に取り出
される。
【0008】カウンタ軸22の他端には、前進用クラッ
チ23が配設されている。前進用クラッチ23の出力側
は、第1歯車24に連結されており、第1歯車24は、
変速機全体の出力軸26に取付けられた第2歯車25と
噛み合っている。したがって、前進用クラッチ23はカ
ウンタ軸22と第1歯車24とを空転状態又はトルク伝
達状態に切り換え可能である。また、第1歯車24及び
第2歯車25は、カウンタ軸22の回転を出力軸26に
逆転して伝達する逆転伝動手段となっている。第1伝動
手段であるチェーン伝動装置17から、カウンタ軸2
2、第2伝動手段である第1歯車24及び第2歯車25
までの機構は、出力ディスク5,8の回転を逆転して出
力軸26に伝達する逆転機構を構成している。
チ23が配設されている。前進用クラッチ23の出力側
は、第1歯車24に連結されており、第1歯車24は、
変速機全体の出力軸26に取付けられた第2歯車25と
噛み合っている。したがって、前進用クラッチ23はカ
ウンタ軸22と第1歯車24とを空転状態又はトルク伝
達状態に切り換え可能である。また、第1歯車24及び
第2歯車25は、カウンタ軸22の回転を出力軸26に
逆転して伝達する逆転伝動手段となっている。第1伝動
手段であるチェーン伝動装置17から、カウンタ軸2
2、第2伝動手段である第1歯車24及び第2歯車25
までの機構は、出力ディスク5,8の回転を逆転して出
力軸26に伝達する逆転機構を構成している。
【0009】主軸3と出力軸26との間には、遊星歯車
機構27が配設されている。遊星歯車機構27は、主軸
3に連結されたサンギヤ28、サンギヤ28と噛み合う
と共にキャリヤ29を備えたピニオン30、及びピニオ
ン30と噛み合い且つ出力軸26に連結されたリングギ
ヤ31から成っている。キャリヤ29とケーシング19
との間には、キャリヤ29をケーシング19に対して空
転状態又は固定状態に切り換える後進用クラッチ32が
組み込まれている。
機構27が配設されている。遊星歯車機構27は、主軸
3に連結されたサンギヤ28、サンギヤ28と噛み合う
と共にキャリヤ29を備えたピニオン30、及びピニオ
ン30と噛み合い且つ出力軸26に連結されたリングギ
ヤ31から成っている。キャリヤ29とケーシング19
との間には、キャリヤ29をケーシング19に対して空
転状態又は固定状態に切り換える後進用クラッチ32が
組み込まれている。
【0010】次に、各トロイダル変速部1,2とその変
速制御について、図5及び図6の記載に基づいて説明す
る。パワーローラ6,9は、それぞれ回転支軸34,3
8によってトラニオン33,37に回転自在に支持され
ている。トラニオン33,37は傾転軸11を有し、ケ
ーシング19に対して、傾転軸11の軸方向に移動し且
つ傾転軸11を中心として回動できる。即ち、パワーロ
ーラ6,9が傾転すると、パワーローラ6,9の傾転角
変位量θはそのままトラニオン33,37の傾転軸11
を中心とした回動変位となる。
速制御について、図5及び図6の記載に基づいて説明す
る。パワーローラ6,9は、それぞれ回転支軸34,3
8によってトラニオン33,37に回転自在に支持され
ている。トラニオン33,37は傾転軸11を有し、ケ
ーシング19に対して、傾転軸11の軸方向に移動し且
つ傾転軸11を中心として回動できる。即ち、パワーロ
ーラ6,9が傾転すると、パワーローラ6,9の傾転角
変位量θはそのままトラニオン33,37の傾転軸11
を中心とした回動変位となる。
【0011】入力ディスク4,7及び出力ディスク5,
8は、スラストにより、主軸3の軸方向に弾性変形を生
じる。トロイダル変速部1,2の軸方向の位置の基準
は、出力ディスク5,8が軸受(図示せず)によって支
持されるケーシング19によって定まるので、この変形
に基づいて、パワーローラ6,9は主軸3の軸方向に変
位する。パワーローラ6,9を端部36,40上で回転
自在に支持する回転支軸34,38は、トラニオン3
3,37に回動自在に支持された揺動支軸35,39に
対して偏心した偏心軸であるので、上記パワーローラ
6,9の主軸3の軸方向への変位は、パワーローラ6,
9が揺動支軸35,39周りにする首振り運動によって
吸収される。出力ディスク5,8のスラスト方向位置が
ケーシング19に対して決定されると、パワーローラ
6,9の位置が決まり、更に両入力ディスク4,7のス
ラスト方向位置が決まる。
8は、スラストにより、主軸3の軸方向に弾性変形を生
じる。トロイダル変速部1,2の軸方向の位置の基準
は、出力ディスク5,8が軸受(図示せず)によって支
持されるケーシング19によって定まるので、この変形
に基づいて、パワーローラ6,9は主軸3の軸方向に変
位する。パワーローラ6,9を端部36,40上で回転
自在に支持する回転支軸34,38は、トラニオン3
3,37に回動自在に支持された揺動支軸35,39に
対して偏心した偏心軸であるので、上記パワーローラ
6,9の主軸3の軸方向への変位は、パワーローラ6,
9が揺動支軸35,39周りにする首振り運動によって
吸収される。出力ディスク5,8のスラスト方向位置が
ケーシング19に対して決定されると、パワーローラ
6,9の位置が決まり、更に両入力ディスク4,7のス
ラスト方向位置が決まる。
【0012】トラニオン33,37を傾転軸方向に変位
させるための油圧シリンダ42,45の構造は、トラニ
オン33とトラニオン37について基本的に同じであっ
て同じ構成要素には同じ符号を付してある。トラニオン
33,37の傾転軸11には、それぞれピストン41,
44が設けられ、ピストン41はケーシング19に形成
された油圧シリンダ42内を摺動可能に設けられてい
る。油圧シリンダ42内には、それぞれピストン41に
よって区画された減速側シリンダ室43Aと増速側シリ
ンダ室43Bとが形成されている。油圧シリンダ42の
減速側シリンダ室43Aと増速側シリンダ室43Bとの
間に差圧が生じると、トラニオン33,37は、パワー
ローラ6と共に、傾転軸方向に移動する。増速側シリン
ダ室43Bに油圧が供給されると、増速側に変速し、ま
た、減速側シリンダ室43Aに油圧が供給されると、減
速側に変速する。油路47A,47Bは、トロイダル変
速部2においても、トロイダル変速部1の場合と同様
に、対応する減速側シリンダ室46A、増速側シリンダ
室46B及びピストン44を有する油圧シリンダ45に
連通されている。
させるための油圧シリンダ42,45の構造は、トラニ
オン33とトラニオン37について基本的に同じであっ
て同じ構成要素には同じ符号を付してある。トラニオン
33,37の傾転軸11には、それぞれピストン41,
44が設けられ、ピストン41はケーシング19に形成
された油圧シリンダ42内を摺動可能に設けられてい
る。油圧シリンダ42内には、それぞれピストン41に
よって区画された減速側シリンダ室43Aと増速側シリ
ンダ室43Bとが形成されている。油圧シリンダ42の
減速側シリンダ室43Aと増速側シリンダ室43Bとの
間に差圧が生じると、トラニオン33,37は、パワー
ローラ6と共に、傾転軸方向に移動する。増速側シリン
ダ室43Bに油圧が供給されると、増速側に変速し、ま
た、減速側シリンダ室43Aに油圧が供給されると、減
速側に変速する。油路47A,47Bは、トロイダル変
速部2においても、トロイダル変速部1の場合と同様
に、対応する減速側シリンダ室46A、増速側シリンダ
室46B及びピストン44を有する油圧シリンダ45に
連通されている。
【0013】スプール弁48の本体(弁ケース)内には
スリーブ49が摺動自在に設けられている。スリーブ4
9の両端に当接する第1ばね50が、スリーブ49を中
立位置に保持する方向に付勢している。スリーブ49内
にはスプール51が摺動自在に設けられている。スプー
ル51は一端に配置された第2ばね52によって図5で
右方向に付勢されており、スプール51の他端はレバー
54を介してプリセスカム53が当接している。また、
スプール弁48は一端にSAポートが形成され、他端に
SBポートが形成されており、SAポートにはソレノイ
ド弁55Aを通じて制御油圧PAが供給され、SBポー
トにはソレノイド弁55Bを通じて制御油圧PBが供給
される。また、スプール弁48は、ライン圧(油圧源)
へ連結されるPLポート、油路47Aを介して減速側シ
リンダ室43Aへ連通されるAポート、油路47Bを介
して増速側シリンダ室43Bへ連通されるBポート、リ
ザーバへ連通されるRポートを備えている。
スリーブ49が摺動自在に設けられている。スリーブ4
9の両端に当接する第1ばね50が、スリーブ49を中
立位置に保持する方向に付勢している。スリーブ49内
にはスプール51が摺動自在に設けられている。スプー
ル51は一端に配置された第2ばね52によって図5で
右方向に付勢されており、スプール51の他端はレバー
54を介してプリセスカム53が当接している。また、
スプール弁48は一端にSAポートが形成され、他端に
SBポートが形成されており、SAポートにはソレノイ
ド弁55Aを通じて制御油圧PAが供給され、SBポー
トにはソレノイド弁55Bを通じて制御油圧PBが供給
される。また、スプール弁48は、ライン圧(油圧源)
へ連結されるPLポート、油路47Aを介して減速側シ
リンダ室43Aへ連通されるAポート、油路47Bを介
して増速側シリンダ室43Bへ連通されるBポート、リ
ザーバへ連通されるRポートを備えている。
【0014】また、このトロイダル型無段変速機は、車
速センサ56、アクセルペダルの踏込み量を検出するア
クセル踏込み量センサ57等の各種センサを備えてお
り、これらのセンサで検出された車速v及びアクセル踏
込み量Acc等の変速情報がコントローラ58に入力さ
れる。コントローラ58は、これらの変速情報に基づい
て算出した目標変速比に応じた制御信号をソレノイド弁
55A,55Bに対して出力する。ソレノイド弁55
A,55Bは、制御油圧PA,PBをスプール弁48の
SAポート及びSBポートに出力する出力ポートC、ド
レンポートD、及び制御油圧源(パイロット油圧源)P
Sに連通する油圧源ポートEを有している。ソレノイド
弁55A,55Bは、同じ形式のソレノイド弁であり、
図示の場合、ソレノイド弁に例えば断線等の電気的失陥
が生じたときに、出力ポートCが油圧源ポートEに連通
する常時開式切換え弁である。コントローラ58からの
制御信号を受けてソレノイド弁55A,55BはSAポ
ート及びSBポートに制御油圧源PSからの油圧を供給
するか、或いはSAポート及びSBポートの制御油圧を
ドレンに解放することにより、スリーブ49を目標変速
比に応じて軸方向に移動させる。スリーブ49には、P
L,R,A及びBの各ポートに対応した連通孔が形成さ
れており、スプール49の位置に応じて、ポートPL,
RをポートA又はポートBに連通させている。
速センサ56、アクセルペダルの踏込み量を検出するア
クセル踏込み量センサ57等の各種センサを備えてお
り、これらのセンサで検出された車速v及びアクセル踏
込み量Acc等の変速情報がコントローラ58に入力さ
れる。コントローラ58は、これらの変速情報に基づい
て算出した目標変速比に応じた制御信号をソレノイド弁
55A,55Bに対して出力する。ソレノイド弁55
A,55Bは、制御油圧PA,PBをスプール弁48の
SAポート及びSBポートに出力する出力ポートC、ド
レンポートD、及び制御油圧源(パイロット油圧源)P
Sに連通する油圧源ポートEを有している。ソレノイド
弁55A,55Bは、同じ形式のソレノイド弁であり、
図示の場合、ソレノイド弁に例えば断線等の電気的失陥
が生じたときに、出力ポートCが油圧源ポートEに連通
する常時開式切換え弁である。コントローラ58からの
制御信号を受けてソレノイド弁55A,55BはSAポ
ート及びSBポートに制御油圧源PSからの油圧を供給
するか、或いはSAポート及びSBポートの制御油圧を
ドレンに解放することにより、スリーブ49を目標変速
比に応じて軸方向に移動させる。スリーブ49には、P
L,R,A及びBの各ポートに対応した連通孔が形成さ
れており、スプール49の位置に応じて、ポートPL,
RをポートA又はポートBに連通させている。
【0015】トロイダル変速部1の一方のトラニオン3
3の傾転軸11の先端にはプリセスカム53が連結され
ており、中央部を枢着されたレバー54の一端がこのプ
リセスカム53に当接し、レバー54の他端がスプール
弁48のスプール51の他端に当接している。プリセス
カム53は、トラニオン33の傾転軸方向変位量Yと傾
転角変位量θとの合成変位量として検出する。スプール
弁48のスプール51は、この合成変位量に対応して移
動する。スプール弁48とソレノイド弁55A,55B
とは、変速比を制御するため、コントローラ58からの
目標変速比に関する制御信号と、プリセスカム53から
の合成変位量についての信号とを受けて油圧シリンダ4
2,45の油圧を調整する変速比制御弁を構成してい
る。
3の傾転軸11の先端にはプリセスカム53が連結され
ており、中央部を枢着されたレバー54の一端がこのプ
リセスカム53に当接し、レバー54の他端がスプール
弁48のスプール51の他端に当接している。プリセス
カム53は、トラニオン33の傾転軸方向変位量Yと傾
転角変位量θとの合成変位量として検出する。スプール
弁48のスプール51は、この合成変位量に対応して移
動する。スプール弁48とソレノイド弁55A,55B
とは、変速比を制御するため、コントローラ58からの
目標変速比に関する制御信号と、プリセスカム53から
の合成変位量についての信号とを受けて油圧シリンダ4
2,45の油圧を調整する変速比制御弁を構成してい
る。
【0016】トラニオン33,37は、傾転軸方向変位
量Yがゼロである中立位置にある状態では、パワーロー
ラ6,9の傾転角はその時の状態を維持しており、変速
比はその時の一定の値を保持している。即ち、この中立
位置では、トラニオン33,37は、入力ディスク4,
7及び出力ディスク5,8の回転中心線とパワーローラ
6,9の回転軸線10とが交叉するような傾転軸方向の
位置にある。この位置では、パワーローラ6,9はその
変速比に対応した傾転角変位量で回動している。また、
スプール51は、目標変速比に対応してシフトしている
スリーブ49に追従して移動して、Aポート及びBポー
トを閉じている状態にある。
量Yがゼロである中立位置にある状態では、パワーロー
ラ6,9の傾転角はその時の状態を維持しており、変速
比はその時の一定の値を保持している。即ち、この中立
位置では、トラニオン33,37は、入力ディスク4,
7及び出力ディスク5,8の回転中心線とパワーローラ
6,9の回転軸線10とが交叉するような傾転軸方向の
位置にある。この位置では、パワーローラ6,9はその
変速比に対応した傾転角変位量で回動している。また、
スプール51は、目標変速比に対応してシフトしている
スリーブ49に追従して移動して、Aポート及びBポー
トを閉じている状態にある。
【0017】ソレノイド弁55A,55Bは、電磁コイ
ルを励磁するパルス電流のデューティ比を変更すること
により、弁体が採る弁作動位置の時間比率が変更可能な
デューティソレノイド弁とすることができる。ソレノイ
ド弁55A,55Bの各dutyの決定手順の一例とし
て、図6に示す決定フローがある。図6に示したdut
yの決定手順によれば、車速センサ56によって車速v
が、またアクセルペダル踏込み量センサ58によってア
クセルペダル踏込み量Accが検出され(ステップ1
0、以下S10のように略す)、コントローラ58は、
車速v及びアクセルペダル踏込み量Accの変速情報に
基づいて定めた目標変速比に対応するように、ソレノイ
ド弁55A,55Bの各ソレノイドを励磁するduty
を求める(S11)。即ち、ソレノイド弁55A,55
Bに対するdutyを、それぞれdutyA,duty
Bとすると、 dutyA=f(Acc,v) (fは、関数を表す) dutyB=100%−dutyA で求められる。ソレノイド弁55A,55Bは、同じ常
時開式のソレノイド弁であるから、通常、SAポートと
SBポートとの間に差圧が生じるように、dutyAと
dutyBとで全duty(100%)を分配したdu
tyが求められる。各dutyは、それぞれ対応するソ
レノイド弁55A,55Bに出力され(S12)、その
後メインのルーチンに戻る。
ルを励磁するパルス電流のデューティ比を変更すること
により、弁体が採る弁作動位置の時間比率が変更可能な
デューティソレノイド弁とすることができる。ソレノイ
ド弁55A,55Bの各dutyの決定手順の一例とし
て、図6に示す決定フローがある。図6に示したdut
yの決定手順によれば、車速センサ56によって車速v
が、またアクセルペダル踏込み量センサ58によってア
クセルペダル踏込み量Accが検出され(ステップ1
0、以下S10のように略す)、コントローラ58は、
車速v及びアクセルペダル踏込み量Accの変速情報に
基づいて定めた目標変速比に対応するように、ソレノイ
ド弁55A,55Bの各ソレノイドを励磁するduty
を求める(S11)。即ち、ソレノイド弁55A,55
Bに対するdutyを、それぞれdutyA,duty
Bとすると、 dutyA=f(Acc,v) (fは、関数を表す) dutyB=100%−dutyA で求められる。ソレノイド弁55A,55Bは、同じ常
時開式のソレノイド弁であるから、通常、SAポートと
SBポートとの間に差圧が生じるように、dutyAと
dutyBとで全duty(100%)を分配したdu
tyが求められる。各dutyは、それぞれ対応するソ
レノイド弁55A,55Bに出力され(S12)、その
後メインのルーチンに戻る。
【0018】ソレノイド弁55A,55Bは、それぞれ
dutyA,dutyBで励磁されるので、制御油圧源
PSからソレノイド弁55A,55Bを通じてスプール
弁48の両端のポートSB,SAに供給される制御油圧
PA,PBの差圧が第1ばね50のばね力と釣り合うよ
うにスリーブ49が移動し、スリーブ49の移動した位
置は、上記のとおり、目標変速比を表すことになる。
dutyA,dutyBで励磁されるので、制御油圧源
PSからソレノイド弁55A,55Bを通じてスプール
弁48の両端のポートSB,SAに供給される制御油圧
PA,PBの差圧が第1ばね50のばね力と釣り合うよ
うにスリーブ49が移動し、スリーブ49の移動した位
置は、上記のとおり、目標変速比を表すことになる。
【0019】変速比の変更はトラニオン33,37を中
立位置から傾転軸11の軸方向に変位させることによっ
て行われる。即ち、両ディスクの回転中に目標変速比が
変更されてスリーブ49が更に別の位置へシフトする
と、スリーブ49とスプール51との間に相対移動が生
じ、その移動量に対応して、Aポート又はBポートが、
ライン圧に連通するPLポートに導通して、トラニオン
33,37が傾転軸方向に変位する。トラニオン33,
37の傾転軸方向の変位に応じてパワーローラ6,9も
傾転軸方向に変位し、パワーローラ6,9と入力ディス
ク4,7及び出力ディスク5,8との接触位置が、上記
中立位置における接触位置から変位する。その結果、パ
ワーローラ6,9は、両ディスクから傾転力を受け、パ
ワーローラ6,9は、傾転軸11に沿った変位方向(即
ち、Y>0又はY<0の方向)と変位量(Yの絶対値)
に応じた向きと速さで傾転軸11周りに傾転を開始す
る。両ディスクとパワーローラとの接触点が変わること
により無段変速が行われる。
立位置から傾転軸11の軸方向に変位させることによっ
て行われる。即ち、両ディスクの回転中に目標変速比が
変更されてスリーブ49が更に別の位置へシフトする
と、スリーブ49とスプール51との間に相対移動が生
じ、その移動量に対応して、Aポート又はBポートが、
ライン圧に連通するPLポートに導通して、トラニオン
33,37が傾転軸方向に変位する。トラニオン33,
37の傾転軸方向の変位に応じてパワーローラ6,9も
傾転軸方向に変位し、パワーローラ6,9と入力ディス
ク4,7及び出力ディスク5,8との接触位置が、上記
中立位置における接触位置から変位する。その結果、パ
ワーローラ6,9は、両ディスクから傾転力を受け、パ
ワーローラ6,9は、傾転軸11に沿った変位方向(即
ち、Y>0又はY<0の方向)と変位量(Yの絶対値)
に応じた向きと速さで傾転軸11周りに傾転を開始す
る。両ディスクとパワーローラとの接触点が変わること
により無段変速が行われる。
【0020】一方、プリセスカム53が検出したトラニ
オン33,37の傾転軸方向変位量Yと傾転角変位量θ
との合成変位量は、レバー54を介してスプール弁48
のスプール51の他端に作用し、スプール51の一端側
に作用する第2ばね52のばね力に抗してスプール51
を移動させる。したがって、目標変速比として与えられ
るスリーブ49の位置と、プリセスカム53によって与
えられるスプール51の位置との関係によって、油路4
7A,47Bに接続するAポート及びBポートをPLポ
ート又はRポートに切り換えることにより、油路47
A,47BをPLポート又はRポートに接続して油路4
7Bの油路47Aの作動油圧Pdownと作動油圧Pu
pとに差圧を生じさせる。シリンダ室43A,43Bの
各作動油圧の圧力差により、トロイダル変速部1におけ
るトラニオン33,37は傾転軸方向に変位して、変速
動作を開始する。傾転角が目標傾転角に近づき、各トラ
ニオン33,37の傾転軸方向変位量Yがゼロに近づく
と、プリセスカム53によって与えられる目標変速比に
対応したスプール49の位置は、スリーブ49の位置に
接近し、次第に収束して変速動作が終了する。
オン33,37の傾転軸方向変位量Yと傾転角変位量θ
との合成変位量は、レバー54を介してスプール弁48
のスプール51の他端に作用し、スプール51の一端側
に作用する第2ばね52のばね力に抗してスプール51
を移動させる。したがって、目標変速比として与えられ
るスリーブ49の位置と、プリセスカム53によって与
えられるスプール51の位置との関係によって、油路4
7A,47Bに接続するAポート及びBポートをPLポ
ート又はRポートに切り換えることにより、油路47
A,47BをPLポート又はRポートに接続して油路4
7Bの油路47Aの作動油圧Pdownと作動油圧Pu
pとに差圧を生じさせる。シリンダ室43A,43Bの
各作動油圧の圧力差により、トロイダル変速部1におけ
るトラニオン33,37は傾転軸方向に変位して、変速
動作を開始する。傾転角が目標傾転角に近づき、各トラ
ニオン33,37の傾転軸方向変位量Yがゼロに近づく
と、プリセスカム53によって与えられる目標変速比に
対応したスプール49の位置は、スリーブ49の位置に
接近し、次第に収束して変速動作が終了する。
【0021】このように、パワーローラ6,9の傾転角
制御は、コントローラ58によって設定された目標変速
比に対応した位置を占めるスリーブ49に対してスプー
ル51が追従するように行なわれる。スプール51の追
従完了までの間は、開いた各ポートを介して油圧シリン
ダ42,45への作動油圧が制御され、トラニオン3
3,37を傾転軸方向に変位させる。トラニオン33,
37の傾転軸方向変位Yがゼロとなり、パワーローラ
6,9が目標の傾転角まで傾転されると、そのときには
スプール51のスリーブ49に対する追従が完了した状
態となる。
制御は、コントローラ58によって設定された目標変速
比に対応した位置を占めるスリーブ49に対してスプー
ル51が追従するように行なわれる。スプール51の追
従完了までの間は、開いた各ポートを介して油圧シリン
ダ42,45への作動油圧が制御され、トラニオン3
3,37を傾転軸方向に変位させる。トラニオン33,
37の傾転軸方向変位Yがゼロとなり、パワーローラ
6,9が目標の傾転角まで傾転されると、そのときには
スプール51のスリーブ49に対する追従が完了した状
態となる。
【0022】また、トロイダル型無段変速機として、ト
ルク伝達中にパワーローラが入力ディスクと出力ディス
クから接線力を受けても、パワーローラを支持するトラ
ニオンが変位しないようにしたもの(特開平7−151
218号公報参照)がある。このトロイダル型無段変速
機は、トラニオンの傾転軸方向変位の制御用の二つのシ
リンダ室に、パワーローラに作用する接線力と相殺する
圧力差を生じさせて、トラニオンの中立位置を維持し、
変速終了後に再度変速を開始しないようにしたものであ
る。
ルク伝達中にパワーローラが入力ディスクと出力ディス
クから接線力を受けても、パワーローラを支持するトラ
ニオンが変位しないようにしたもの(特開平7−151
218号公報参照)がある。このトロイダル型無段変速
機は、トラニオンの傾転軸方向変位の制御用の二つのシ
リンダ室に、パワーローラに作用する接線力と相殺する
圧力差を生じさせて、トラニオンの中立位置を維持し、
変速終了後に再度変速を開始しないようにしたものであ
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の各技術
は、以下のような問題点がある。即ち、図4及び図5に
例として示した従来のトロイダル型無段変速機において
は、スリーブ49の両端に作用する制御油圧PA,PB
を制御するソレノイド弁55A,55Bは、共に常時開
式(ノーマルオープン型)のデューティソレノイド弁、
即ち、コントローラ58からの制御信号がない場合に
は、ソレノイド弁55A,55Bの出力ポートCに油圧
源PSの圧力が現れる形式のものである。ところで、ソ
レノイド弁55A,55Bは電気的失陥を完全に回避す
ることは困難であり、最も発生しやすい電気的失陥はワ
イヤの断線である。
は、以下のような問題点がある。即ち、図4及び図5に
例として示した従来のトロイダル型無段変速機において
は、スリーブ49の両端に作用する制御油圧PA,PB
を制御するソレノイド弁55A,55Bは、共に常時開
式(ノーマルオープン型)のデューティソレノイド弁、
即ち、コントローラ58からの制御信号がない場合に
は、ソレノイド弁55A,55Bの出力ポートCに油圧
源PSの圧力が現れる形式のものである。ところで、ソ
レノイド弁55A,55Bは電気的失陥を完全に回避す
ることは困難であり、最も発生しやすい電気的失陥はワ
イヤの断線である。
【0024】ソレノイド弁55Aに電気的失陥が生じた
場合には、スプール弁48のSAポートに現れる制御油
圧PAは制御油圧源PSの圧力となり、SBポートに現
れる制御油圧PBよりも大となる(PA≧PB)。した
がって、スリーブ49は図5で右方へ押され、油圧シリ
ンダ42,45への作動油圧は、Pup≧Pdownの
関係となり、トラニオンは増速側に変位する。一方、ソ
レノイド弁55Bに電気的失陥が生じた場合には、SB
ポートに現れる制御油圧PBは制御油圧源PSの圧力と
なり、SAポートに現れる制御油圧PAよりも大となる
(PA≦PB)。したがって、油圧シリンダ42,45
への作動油圧は、Pup≦Pdownとなってトラニオ
ンは減速側に変位する。そして、ソレノイド弁55A,
55B共に電気的失陥が生じた場合には、スプール弁4
9のSAポート,SBポートは共に制御油圧源PSの圧
力となり、スリーブ49は中央位置に固定され、変速比
は最大減速比と最大増速時中間の変速比となる。このよ
うな、電気的失陥のうち、ソレノイド弁55Bが断線し
た場合には、トロイダル型無段変速機は急激なシフトダ
ウンとなり、エンジンのオーバーランや車両のスピン等
が発生して危険な状況になるという問題点がある。
場合には、スプール弁48のSAポートに現れる制御油
圧PAは制御油圧源PSの圧力となり、SBポートに現
れる制御油圧PBよりも大となる(PA≧PB)。した
がって、スリーブ49は図5で右方へ押され、油圧シリ
ンダ42,45への作動油圧は、Pup≧Pdownの
関係となり、トラニオンは増速側に変位する。一方、ソ
レノイド弁55Bに電気的失陥が生じた場合には、SB
ポートに現れる制御油圧PBは制御油圧源PSの圧力と
なり、SAポートに現れる制御油圧PAよりも大となる
(PA≦PB)。したがって、油圧シリンダ42,45
への作動油圧は、Pup≦Pdownとなってトラニオ
ンは減速側に変位する。そして、ソレノイド弁55A,
55B共に電気的失陥が生じた場合には、スプール弁4
9のSAポート,SBポートは共に制御油圧源PSの圧
力となり、スリーブ49は中央位置に固定され、変速比
は最大減速比と最大増速時中間の変速比となる。このよ
うな、電気的失陥のうち、ソレノイド弁55Bが断線し
た場合には、トロイダル型無段変速機は急激なシフトダ
ウンとなり、エンジンのオーバーランや車両のスピン等
が発生して危険な状況になるという問題点がある。
【0025】したがって、ソレノイド弁が電気的失陥を
生じても、トロイダル変速部の変速動作が減速側に行わ
れないようにして、トロイダル型無段変速機の急激なシ
フトダウンを回避することについて、解決すべき課題が
ある。
生じても、トロイダル変速部の変速動作が減速側に行わ
れないようにして、トロイダル型無段変速機の急激なシ
フトダウンを回避することについて、解決すべき課題が
ある。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
問題を解決し、変速比制御弁を構成するスリーブの位置
を制御する2個のソレノイド弁のいずれか一方、又は双
方に電気的失陥が生じても、当該電気的失陥が生じたソ
レノイド弁によってスプール弁に出力される制御油圧が
トラニオンの傾転軸方向の変位を減速側の変位としない
ような制御油圧とすることにより、トロイダル型無段変
速機の急激なシフトダウンを回避して、エンジンのオー
バーランや車両のスピン等の危険な状況が発生するのを
防止するトロイダル型無段変速機を提供することであ
る。
問題を解決し、変速比制御弁を構成するスリーブの位置
を制御する2個のソレノイド弁のいずれか一方、又は双
方に電気的失陥が生じても、当該電気的失陥が生じたソ
レノイド弁によってスプール弁に出力される制御油圧が
トラニオンの傾転軸方向の変位を減速側の変位としない
ような制御油圧とすることにより、トロイダル型無段変
速機の急激なシフトダウンを回避して、エンジンのオー
バーランや車両のスピン等の危険な状況が発生するのを
防止するトロイダル型無段変速機を提供することであ
る。
【0027】この発明は、対向して配置された入力ディ
スクと出力ディスク、前記両ディスク間に配置され且つ
前記両ディスクに対する傾転角度に応じて前記入力ディ
スクの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達
するパワーローラ、前記パワーローラを回転自在に支持
し且つ傾転軸方向に変位可能なトラニオン、前記各トラ
ニオンを前記傾転軸方向に変位させるシリンダ室を有す
る油圧シリンダ、前記トラニオンに設けられており且つ
前記トラニオンの傾転軸方向変位量と前記パワーローラ
の傾転角変位量との合成変位量を検出する検出手段、及
び変速比を制御するため目標変速比と前記合成変位量と
に基づいて前記シリンダ室への作動油圧を制御する変速
比制御弁を具備し、前記変速比制御弁は前記シリンダ室
への前記作動油圧を出力するスプール弁と前記スプール
弁を作動させるための制御油圧を出力するソレノイド弁
とから成り、前記ソレノイド弁は当該ソレノイド弁の電
気的失陥状態で前記スプール弁が出力する前記作動油圧
が前記変速比を増速側にシフトさせることになるように
前記制御油圧を出力することから成るトロイダル型無段
変速機に関する。
スクと出力ディスク、前記両ディスク間に配置され且つ
前記両ディスクに対する傾転角度に応じて前記入力ディ
スクの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達
するパワーローラ、前記パワーローラを回転自在に支持
し且つ傾転軸方向に変位可能なトラニオン、前記各トラ
ニオンを前記傾転軸方向に変位させるシリンダ室を有す
る油圧シリンダ、前記トラニオンに設けられており且つ
前記トラニオンの傾転軸方向変位量と前記パワーローラ
の傾転角変位量との合成変位量を検出する検出手段、及
び変速比を制御するため目標変速比と前記合成変位量と
に基づいて前記シリンダ室への作動油圧を制御する変速
比制御弁を具備し、前記変速比制御弁は前記シリンダ室
への前記作動油圧を出力するスプール弁と前記スプール
弁を作動させるための制御油圧を出力するソレノイド弁
とから成り、前記ソレノイド弁は当該ソレノイド弁の電
気的失陥状態で前記スプール弁が出力する前記作動油圧
が前記変速比を増速側にシフトさせることになるように
前記制御油圧を出力することから成るトロイダル型無段
変速機に関する。
【0028】この発明によるトロイダル型無段変速機
は、上記のように構成されているので、次のように作動
する。即ち、ソレノイド弁が断線等の電気的失陥状態と
なると、ソレノイド弁が出力する制御油圧は、スプール
弁が変速比を増速側にシフトさせる作動油圧を出力する
ような制御油圧であるので、スプール弁が出力する作動
油圧は変速比が減速する方向にトラニオンを変位させる
ことがない。したがって、車両が高速走行中であって
も、トロイダル型無段変速機が急激なシフトダウンを起
こすことがない。トロイダル型無段変速機が仮にシフト
アップを生じても、エンジンにとっては負荷トルクが上
昇する側であるので車両の走行に対しては安全側とな
る。
は、上記のように構成されているので、次のように作動
する。即ち、ソレノイド弁が断線等の電気的失陥状態と
なると、ソレノイド弁が出力する制御油圧は、スプール
弁が変速比を増速側にシフトさせる作動油圧を出力する
ような制御油圧であるので、スプール弁が出力する作動
油圧は変速比が減速する方向にトラニオンを変位させる
ことがない。したがって、車両が高速走行中であって
も、トロイダル型無段変速機が急激なシフトダウンを起
こすことがない。トロイダル型無段変速機が仮にシフト
アップを生じても、エンジンにとっては負荷トルクが上
昇する側であるので車両の走行に対しては安全側とな
る。
【0029】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、スプール弁の各端には一対のソレノイド弁が出力す
る制御油圧が対応して供給され、一方のソレノイド弁が
常時開式ソレノイド弁であり、他方のソレノイド弁が常
時閉式ソレノイド弁である。このトロイダル型無段変速
機によれば、一対のソレノイド弁の形式が常時開式と常
時閉式とで異なるため、どちらのソレノイド弁が電気的
失陥状態になっても、両ソレノイド弁がスプール弁に出
力する制御油圧の相対的な作用は同じであってスプール
弁の作動は結果的に同じとなり、スプール弁が出力する
作動油圧は変速比が減速する方向にトラニオンを変位さ
せることがない。
て、スプール弁の各端には一対のソレノイド弁が出力す
る制御油圧が対応して供給され、一方のソレノイド弁が
常時開式ソレノイド弁であり、他方のソレノイド弁が常
時閉式ソレノイド弁である。このトロイダル型無段変速
機によれば、一対のソレノイド弁の形式が常時開式と常
時閉式とで異なるため、どちらのソレノイド弁が電気的
失陥状態になっても、両ソレノイド弁がスプール弁に出
力する制御油圧の相対的な作用は同じであってスプール
弁の作動は結果的に同じとなり、スプール弁が出力する
作動油圧は変速比が減速する方向にトラニオンを変位さ
せることがない。
【0030】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、ソレノイド弁はデューティ信号に基づいて制御油圧
が変更可能であるデューティソレノイド弁であり、両ソ
レノイド弁に入力されるデューティ信号は等しい信号と
される。ソレノイド弁をデューティソレノイド弁とする
ことにより、電磁コイルを励磁するパルス電流のデュー
ティ比に基づいて、例えば、ソレノイド弁の出力が油圧
源とドレンとに通じる時間比率が制御され、出力に現れ
る平均的な圧力としての制御油圧が変更される。このト
ロイダル型無段変速機によれば、一対のソレノイド弁の
形式が常時開式と常時閉式とで異なるため、両ソレノイ
ド弁に入力されるデューティ信号を等しくすることによ
って、各ソレノイド弁が出力する制御油圧は全体を互い
に分配するような相補的な値となり、スプール弁の制御
に適することとなる。
て、ソレノイド弁はデューティ信号に基づいて制御油圧
が変更可能であるデューティソレノイド弁であり、両ソ
レノイド弁に入力されるデューティ信号は等しい信号と
される。ソレノイド弁をデューティソレノイド弁とする
ことにより、電磁コイルを励磁するパルス電流のデュー
ティ比に基づいて、例えば、ソレノイド弁の出力が油圧
源とドレンとに通じる時間比率が制御され、出力に現れ
る平均的な圧力としての制御油圧が変更される。このト
ロイダル型無段変速機によれば、一対のソレノイド弁の
形式が常時開式と常時閉式とで異なるため、両ソレノイ
ド弁に入力されるデューティ信号を等しくすることによ
って、各ソレノイド弁が出力する制御油圧は全体を互い
に分配するような相補的な値となり、スプール弁の制御
に適することとなる。
【0031】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、スプール弁は弁本体内に摺動可能に嵌合されたスリ
ーブ及び当該スリーブとの相対位置に応じて作動油圧を
制御するためスリーブの内部に摺動可能に嵌合されたス
プールを有しており、スプール及びスリーブの一方は合
成変位量に応じて移動し、スプール及びスリーブの他方
はソレノイド弁が目標変速比に基づいて出力した制御油
圧に応じて移動することから成る。かかるスリーブとス
プールとを有する形式のスプール弁を用いると、目標変
速比に対応するようにスリーブ及びスプールの一方が移
動し、他方がその目標変速比に対応する移動に追従する
ように移動して変速制御が行われる。
て、スプール弁は弁本体内に摺動可能に嵌合されたスリ
ーブ及び当該スリーブとの相対位置に応じて作動油圧を
制御するためスリーブの内部に摺動可能に嵌合されたス
プールを有しており、スプール及びスリーブの一方は合
成変位量に応じて移動し、スプール及びスリーブの他方
はソレノイド弁が目標変速比に基づいて出力した制御油
圧に応じて移動することから成る。かかるスリーブとス
プールとを有する形式のスプール弁を用いると、目標変
速比に対応するようにスリーブ及びスプールの一方が移
動し、他方がその目標変速比に対応する移動に追従する
ように移動して変速制御が行われる。
【0032】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、合成変位量を検出する検出手段はプリセスカムであ
り、スプール及びスリーブの一方はプリセスカムと係合
することにより合成変位量に応じて移動することから成
る。プリセスカムは傾転軸方向変位量と傾転角変位量と
の合成変位量を検出することができる。スプール及びス
リーブの一方をプリセスカムと係合すると、プリセスカ
ムが検出する合成変位量がスプール及びスリーブの一方
の移動量に変換される。
て、合成変位量を検出する検出手段はプリセスカムであ
り、スプール及びスリーブの一方はプリセスカムと係合
することにより合成変位量に応じて移動することから成
る。プリセスカムは傾転軸方向変位量と傾転角変位量と
の合成変位量を検出することができる。スプール及びス
リーブの一方をプリセスカムと係合すると、プリセスカ
ムが検出する合成変位量がスプール及びスリーブの一方
の移動量に変換される。
【0033】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、スプール弁は弁体内での位置に応じて作動油圧を制
御するため弁体内に摺動可能に設けられたスプールを有
しており、スプールはソレノイド弁が合成変位量と目標
変速比とに基づいて出力した制御油圧に応じて移動す
る。スプールを有するがスリーブを有さない形式のスプ
ール弁を用いると、例えば、コントローラは、合成変位
量と目標変速比とに基づいて求められた制御信号をソレ
ノイド弁に出力し、ソレノイド弁は当該制御信号に応じ
た制御油圧をスプール弁に出力する。スプール弁は制御
油圧に基づいて作動油圧を油圧シリンダに供給して、ト
ラニオンの傾転軸方向変位量を制御する。
て、スプール弁は弁体内での位置に応じて作動油圧を制
御するため弁体内に摺動可能に設けられたスプールを有
しており、スプールはソレノイド弁が合成変位量と目標
変速比とに基づいて出力した制御油圧に応じて移動す
る。スプールを有するがスリーブを有さない形式のスプ
ール弁を用いると、例えば、コントローラは、合成変位
量と目標変速比とに基づいて求められた制御信号をソレ
ノイド弁に出力し、ソレノイド弁は当該制御信号に応じ
た制御油圧をスプール弁に出力する。スプール弁は制御
油圧に基づいて作動油圧を油圧シリンダに供給して、ト
ラニオンの傾転軸方向変位量を制御する。
【0034】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、合成変位量を検出する検出手段はプリセスカムであ
り、制御油圧は合成変位量をポテンショメータによって
変換した電圧値と目標変速比に対応する目標電圧値との
偏差に応じて出力される。プリセスカムは傾転軸方向変
位量と傾転角変位量との合成変位量を検出することがで
きる。検出した合成変位量と目標変速比とはそれぞれ電
圧値に変換され、ソレノイド弁はこれらの電圧値の偏差
に応じて制御油圧を出力する。
て、合成変位量を検出する検出手段はプリセスカムであ
り、制御油圧は合成変位量をポテンショメータによって
変換した電圧値と目標変速比に対応する目標電圧値との
偏差に応じて出力される。プリセスカムは傾転軸方向変
位量と傾転角変位量との合成変位量を検出することがで
きる。検出した合成変位量と目標変速比とはそれぞれ電
圧値に変換され、ソレノイド弁はこれらの電圧値の偏差
に応じて制御油圧を出力する。
【0035】更に、上記トロイダル型無段変速機におい
て、パワーローラは一対設けられており、トラニオン及
び油圧シリンダはパワーローラに対応して一対設けられ
ている。トロイダル変速部は、一対のパワーローラを有
するものが力学的なバランス上、好ましい。なお、この
ような構成を有するトロイダル変速部を同じ軸上に並置
したダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機にお
いても、この発明は適用可能であることは明らかであ
る。
て、パワーローラは一対設けられており、トラニオン及
び油圧シリンダはパワーローラに対応して一対設けられ
ている。トロイダル変速部は、一対のパワーローラを有
するものが力学的なバランス上、好ましい。なお、この
ような構成を有するトロイダル変速部を同じ軸上に並置
したダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機にお
いても、この発明は適用可能であることは明らかであ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるトロイダル型無段変速機の実施例について説明す
る。図1は、この発明によるトロイダル型無段変速機の
一実施例を示す断面図である。図1に示したトロイダル
型無段変速機は、ソレノイド弁の形式を特定した以外の
基本的な構造については、図5に示した従来のトロイダ
ル型無段変速機の構造と同じであるので、同じ構成要素
には同じ符号を付し、それらの構造と同じ構造に基づく
変速比の基本的な制御動作とについての再度の説明を省
略する。
によるトロイダル型無段変速機の実施例について説明す
る。図1は、この発明によるトロイダル型無段変速機の
一実施例を示す断面図である。図1に示したトロイダル
型無段変速機は、ソレノイド弁の形式を特定した以外の
基本的な構造については、図5に示した従来のトロイダ
ル型無段変速機の構造と同じであるので、同じ構成要素
には同じ符号を付し、それらの構造と同じ構造に基づく
変速比の基本的な制御動作とについての再度の説明を省
略する。
【0037】図1に示したトロイダル型無段変速機にお
いて、ソレノイド弁65Aは常時開式(ノーマルオープ
ン式)のデューティソレノイド弁であり、ソレノイド弁
65Bは、常時閉式(ノーマルクローズ式)のデューテ
ィソレノイド弁である。ソレノイド弁65Aの断線等の
電気的失陥が生じた場合には、出力ポートCは油圧源ポ
ートEに通じることとなり、スプール弁48のSAポー
トには、制御油圧源PSの制御油圧が作用する。このと
き、ソレノイド弁65Bに電気的失陥が生じていないと
すると、SAポートに現れる制御油圧PAは、SBポー
トに現れる制御油圧PBよりも高くなり(PA≧P
B)、スリーブ49は、図1において右側に移動する。
PLポートはBポートに通じ、ライン圧は、油路47
B,47Bを通じて増圧側シリンダ室43B,46Bに
供給される。したがって、作動油圧の大小関係はPup
≧Pdownとなり、トラニオン33,37の傾転軸方
向の変位は変速比を増速側に変化させる方向となる。
いて、ソレノイド弁65Aは常時開式(ノーマルオープ
ン式)のデューティソレノイド弁であり、ソレノイド弁
65Bは、常時閉式(ノーマルクローズ式)のデューテ
ィソレノイド弁である。ソレノイド弁65Aの断線等の
電気的失陥が生じた場合には、出力ポートCは油圧源ポ
ートEに通じることとなり、スプール弁48のSAポー
トには、制御油圧源PSの制御油圧が作用する。このと
き、ソレノイド弁65Bに電気的失陥が生じていないと
すると、SAポートに現れる制御油圧PAは、SBポー
トに現れる制御油圧PBよりも高くなり(PA≧P
B)、スリーブ49は、図1において右側に移動する。
PLポートはBポートに通じ、ライン圧は、油路47
B,47Bを通じて増圧側シリンダ室43B,46Bに
供給される。したがって、作動油圧の大小関係はPup
≧Pdownとなり、トラニオン33,37の傾転軸方
向の変位は変速比を増速側に変化させる方向となる。
【0038】また、ソレノイド弁65Bに断線等の電気
的失陥が生じた場合には、出力ポートCはドレンポート
Dに通じることになり、スプール弁48のSBポートに
現れる制御油圧はドレンに解放された油圧となる。この
とき、ソレノイド弁65Aに電気的失陥が生じていない
とすると、ソレノイド弁65Aに電気的失陥が生じた場
合と同様に、SAポートに現れる制御油圧PAは、SB
ポートに現れる制御油圧PBよりも高くなる。スリーブ
49は、図1において右側に移動するので、作動油圧の
大小関係はPup≧Pdownの関係となり、トラニオ
ン33,37の傾転軸方向の変位は変速比を増速側に変
化させる方向となる。
的失陥が生じた場合には、出力ポートCはドレンポート
Dに通じることになり、スプール弁48のSBポートに
現れる制御油圧はドレンに解放された油圧となる。この
とき、ソレノイド弁65Aに電気的失陥が生じていない
とすると、ソレノイド弁65Aに電気的失陥が生じた場
合と同様に、SAポートに現れる制御油圧PAは、SB
ポートに現れる制御油圧PBよりも高くなる。スリーブ
49は、図1において右側に移動するので、作動油圧の
大小関係はPup≧Pdownの関係となり、トラニオ
ン33,37の傾転軸方向の変位は変速比を増速側に変
化させる方向となる。
【0039】ソレノイド弁65Aとソレノイド弁65B
に同時に電気的失陥を生じた場合には、ソレノイド弁6
5Aの出力ポートCは油圧源ポートEに通じ、且つソレ
ノイド弁65Bの出力ポートCはドレンポートDに通じ
ることとなるので、スプール弁48のSAポートに現れ
る制御油圧PAは制御油圧源PSの圧力となり、SBポ
ートに現れる制御油圧PBはドレンに解放された油圧と
なる。したがって、ソレノイド弁65A,65Bのいず
れかが電気的失陥状態になったのと同様に、SAポート
の制御油圧PAは、SBポートの制御油圧PBよりも高
くなり、スリーブ49は、図1において右側に移動する
ので、トラニオン33,37は変速比を増速側に変化さ
せる方向にシフトする。
に同時に電気的失陥を生じた場合には、ソレノイド弁6
5Aの出力ポートCは油圧源ポートEに通じ、且つソレ
ノイド弁65Bの出力ポートCはドレンポートDに通じ
ることとなるので、スプール弁48のSAポートに現れ
る制御油圧PAは制御油圧源PSの圧力となり、SBポ
ートに現れる制御油圧PBはドレンに解放された油圧と
なる。したがって、ソレノイド弁65A,65Bのいず
れかが電気的失陥状態になったのと同様に、SAポート
の制御油圧PAは、SBポートの制御油圧PBよりも高
くなり、スリーブ49は、図1において右側に移動する
ので、トラニオン33,37は変速比を増速側に変化さ
せる方向にシフトする。
【0040】上記のように、ソレノイド弁65Aとソレ
ノイド弁65Bとは、常時開式及び常時閉式という形式
が異なっており、コントローラ58からの目標変速比に
応じてデューティ比を定めた信号(デューティ信号)に
応答して出力ポートが制御油圧源PSに対して開く平均
開度が互いに相補的になっているのでソレノイド弁65
A,65Bを作動させるデューティ信号は同じものとし
て定められる。即ち、図3に示すように、アクセルペダ
ル踏込み量Accと車速vとが検出される(ステップ
1、S1と略す。以下同じ)と、これらの情報に基づい
て、目標変速比に対応して、ソレノイド弁65Aのdu
tyAをアクセルペダル踏込み量Accと車速vとの関
数fによって求め、ソレノイド弁65BのdutyBを
dutyAと等しくする(S2)。求めた各dutyA
及びdutyBをそれぞれ対応するソレノイド弁65
A,65Bに出力する(S3)。
ノイド弁65Bとは、常時開式及び常時閉式という形式
が異なっており、コントローラ58からの目標変速比に
応じてデューティ比を定めた信号(デューティ信号)に
応答して出力ポートが制御油圧源PSに対して開く平均
開度が互いに相補的になっているのでソレノイド弁65
A,65Bを作動させるデューティ信号は同じものとし
て定められる。即ち、図3に示すように、アクセルペダ
ル踏込み量Accと車速vとが検出される(ステップ
1、S1と略す。以下同じ)と、これらの情報に基づい
て、目標変速比に対応して、ソレノイド弁65Aのdu
tyAをアクセルペダル踏込み量Accと車速vとの関
数fによって求め、ソレノイド弁65BのdutyBを
dutyAと等しくする(S2)。求めた各dutyA
及びdutyBをそれぞれ対応するソレノイド弁65
A,65Bに出力する(S3)。
【0041】次に、この発明によるトロイダル型無段変
速機の別の実施例について説明する。図2は、この発明
によるトロイダル型無段変速機の別の実施例を示す断面
図である。図2に示したトロイダル型無段変速機は、変
速比制御弁を構成するスプール弁68を、スリーブを有
しない形式のものとした例である。したがって、ソレノ
イド弁75A,75Bの出力は、スプール弁68のスプ
ール69の端部に直接作用する。プリセスカム53が検
出したトラニオン33の傾転軸方向変位量Yと傾転角変
位量θとの合成変位量は、レバー71を介してポテンシ
ョメータ72に入力される。ポテンショメータ72は、
合成変位量を対応する電圧値Vに変換してコントローラ
73に入力する。一方、コントローラ73は、車速セン
サ56、アクセルペダル踏み込み量センサ57から入力
される車速v及びアクセルペダル踏込み量Accの変速
情報に基づいて目標変速比を求め、その目標変速比に対
応する目標電圧値V0 を予め定められた変換テーブル等
の手段によって求める。コントローラ73は、電圧値V
と目標電圧値V0 との偏差Ve に基づいてデューティ比
を逐次変化させた信号(デューティ信号)の形でソレノ
イド弁75A,75Bに制御信号を出力する。
速機の別の実施例について説明する。図2は、この発明
によるトロイダル型無段変速機の別の実施例を示す断面
図である。図2に示したトロイダル型無段変速機は、変
速比制御弁を構成するスプール弁68を、スリーブを有
しない形式のものとした例である。したがって、ソレノ
イド弁75A,75Bの出力は、スプール弁68のスプ
ール69の端部に直接作用する。プリセスカム53が検
出したトラニオン33の傾転軸方向変位量Yと傾転角変
位量θとの合成変位量は、レバー71を介してポテンシ
ョメータ72に入力される。ポテンショメータ72は、
合成変位量を対応する電圧値Vに変換してコントローラ
73に入力する。一方、コントローラ73は、車速セン
サ56、アクセルペダル踏み込み量センサ57から入力
される車速v及びアクセルペダル踏込み量Accの変速
情報に基づいて目標変速比を求め、その目標変速比に対
応する目標電圧値V0 を予め定められた変換テーブル等
の手段によって求める。コントローラ73は、電圧値V
と目標電圧値V0 との偏差Ve に基づいてデューティ比
を逐次変化させた信号(デューティ信号)の形でソレノ
イド弁75A,75Bに制御信号を出力する。
【0042】ソレノイド弁75A,75Bの出力ポート
Cからは、各dutyに応じた制御油圧PA,PBがス
プール弁68のSAポートとSBポートに出力される。
SAポート及びSBポートに供給される制御油圧PA,
PBは、両油圧の差圧が電圧値の偏差Ve に比例するよ
うに制御されている。スプール69は、その差圧に応じ
て図2で左右に移動し、PLポートがAポート又はBポ
ートに通じ、油路47A,47BをPLポート又はRポ
ートに接続して油路47Bの油路47Aの作動油圧Pd
ownとPupとに差圧を生じさせる。トラニオン3
3,37は、油圧シリンダ42,45におけるシリンダ
室42A,42B間の差圧及びシリンダ室45A,45
B間の差圧に応じて傾転軸方向に変位して、変速動作を
開始する。
Cからは、各dutyに応じた制御油圧PA,PBがス
プール弁68のSAポートとSBポートに出力される。
SAポート及びSBポートに供給される制御油圧PA,
PBは、両油圧の差圧が電圧値の偏差Ve に比例するよ
うに制御されている。スプール69は、その差圧に応じ
て図2で左右に移動し、PLポートがAポート又はBポ
ートに通じ、油路47A,47BをPLポート又はRポ
ートに接続して油路47Bの油路47Aの作動油圧Pd
ownとPupとに差圧を生じさせる。トラニオン3
3,37は、油圧シリンダ42,45におけるシリンダ
室42A,42B間の差圧及びシリンダ室45A,45
B間の差圧に応じて傾転軸方向に変位して、変速動作を
開始する。
【0043】傾転角θが目標傾転角に近づき、電圧値V
が目標電圧値V0 に近づくにつれて、各トラニオン3
3,37の傾転軸方向変位量Yはゼロに近づき、実際の
変速比も目標変速比に近づいていく。電圧の偏差Ve の
符号が反転する度に、上記の変速動作を繰り返して、実
際の変速比が目標変速比に一致した時には、トラニオン
33,37の傾転軸方向変位量Yと偏差Ve とは共にゼ
ロとなって、パワーローラ6,9は中立位置に戻り、変
速動作は終了する。
が目標電圧値V0 に近づくにつれて、各トラニオン3
3,37の傾転軸方向変位量Yはゼロに近づき、実際の
変速比も目標変速比に近づいていく。電圧の偏差Ve の
符号が反転する度に、上記の変速動作を繰り返して、実
際の変速比が目標変速比に一致した時には、トラニオン
33,37の傾転軸方向変位量Yと偏差Ve とは共にゼ
ロとなって、パワーローラ6,9は中立位置に戻り、変
速動作は終了する。
【0044】ソレノイド弁75Aは、常時閉式のソレノ
イド弁であり、断線等の電気的失陥が生じた場合には、
出力ポートCはドレンポートDに通じて、スプール弁6
8のSAポートの制御油圧PAを解放する。ソレノイド
弁75Bが電気的失陥を生じていないとすると、制御油
圧PAはSBポートに作用する制御油圧PBより低くな
り(PA≦PB)、スプール弁68のスプール69は図
2で左方に移動し、PLポートはBポートに通じて、ラ
イン圧は作動油圧として油路47Bを経て油圧シリンダ
42,45の増速側シリンダ室43B,46Bに作用す
る。その結果、トラニオン33,37は増速側にシフト
することになる。
イド弁であり、断線等の電気的失陥が生じた場合には、
出力ポートCはドレンポートDに通じて、スプール弁6
8のSAポートの制御油圧PAを解放する。ソレノイド
弁75Bが電気的失陥を生じていないとすると、制御油
圧PAはSBポートに作用する制御油圧PBより低くな
り(PA≦PB)、スプール弁68のスプール69は図
2で左方に移動し、PLポートはBポートに通じて、ラ
イン圧は作動油圧として油路47Bを経て油圧シリンダ
42,45の増速側シリンダ室43B,46Bに作用す
る。その結果、トラニオン33,37は増速側にシフト
することになる。
【0045】ソレノイド弁75Bは常時開式のソレノイ
ド弁であり、断線等の電気的失陥が生じた場合には、出
力ポートCは油圧源ポートEに通じてスプール弁68の
SBポートへの制御油圧PBを制御油圧源PSの圧力と
する。ソレノイド弁75Aが電気的失陥を生じていない
としても、SBポートに作用する制御油圧PBは制御油
圧PAよりも高くなり(PA≦PB)、スプール弁68
のスプール69は図2でやはり左方に移動し、PLポー
トはBポートに通じ、ライン圧は油路47Bを経て作動
油圧として油圧シリンダ42,45の増速側シリンダ室
43B,46Bに作用する。その結果、トラニオン3
3,37は増速側にシフトする。
ド弁であり、断線等の電気的失陥が生じた場合には、出
力ポートCは油圧源ポートEに通じてスプール弁68の
SBポートへの制御油圧PBを制御油圧源PSの圧力と
する。ソレノイド弁75Aが電気的失陥を生じていない
としても、SBポートに作用する制御油圧PBは制御油
圧PAよりも高くなり(PA≦PB)、スプール弁68
のスプール69は図2でやはり左方に移動し、PLポー
トはBポートに通じ、ライン圧は油路47Bを経て作動
油圧として油圧シリンダ42,45の増速側シリンダ室
43B,46Bに作用する。その結果、トラニオン3
3,37は増速側にシフトする。
【0046】ソレノイド弁75A,75Bが同時に電気
的失陥状態になったとすると、スプール弁68のSAポ
ートの制御油圧PAを解放し、且つSBポートの制御油
圧PBは制御油圧源PSの圧力となる。したがって、S
Bポートに作用する制御油圧PBは制御油圧PAよりも
高くなり(PA≦PB)、上記のソレノイド弁75A,
75Bのいずれかが電気的失陥状態になった場合と同様
に、トラニオン33,37は増速側にシフトすることに
なる。なお、ソレノイド弁75A,75Bへのduty
の算出は、図3に示すように、両ソレノイド弁の形式が
異なるので、同じdutyとされる。
的失陥状態になったとすると、スプール弁68のSAポ
ートの制御油圧PAを解放し、且つSBポートの制御油
圧PBは制御油圧源PSの圧力となる。したがって、S
Bポートに作用する制御油圧PBは制御油圧PAよりも
高くなり(PA≦PB)、上記のソレノイド弁75A,
75Bのいずれかが電気的失陥状態になった場合と同様
に、トラニオン33,37は増速側にシフトすることに
なる。なお、ソレノイド弁75A,75Bへのduty
の算出は、図3に示すように、両ソレノイド弁の形式が
異なるので、同じdutyとされる。
【0047】
【発明の効果】この発明によるトロイダル型無段変速機
は、上記のように構成されているので、次のような効果
を奏する。即ち、前記ソレノイド弁が断線等の電気的失
陥状態となると、ソレノイド弁が出力する制御油圧は、
スプール弁が変速比を増速側にシフトさせる作動油圧を
出力するような制御油圧であるので、トラニオンは変速
比を減速する方向に変位することがない。したがって、
もし車両が高速走行中である場合に、車両の走行が危険
となるトロイダル型無段変速機の急激なシフトダウンを
起こすことがない。トロイダル型無段変速機が仮にシフ
トアップを生じても、エンジンに対しては負荷トルクが
上昇する側であるので、走行する車両にとっては安全側
となる。
は、上記のように構成されているので、次のような効果
を奏する。即ち、前記ソレノイド弁が断線等の電気的失
陥状態となると、ソレノイド弁が出力する制御油圧は、
スプール弁が変速比を増速側にシフトさせる作動油圧を
出力するような制御油圧であるので、トラニオンは変速
比を減速する方向に変位することがない。したがって、
もし車両が高速走行中である場合に、車両の走行が危険
となるトロイダル型無段変速機の急激なシフトダウンを
起こすことがない。トロイダル型無段変速機が仮にシフ
トアップを生じても、エンジンに対しては負荷トルクが
上昇する側であるので、走行する車両にとっては安全側
となる。
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す断面図である。
施例を示す断面図である。
【図2】この発明によるトロイダル型無段変速機の別の
実施例を示す断面図である。
実施例を示す断面図である。
【図3】図1及び図2に示したトロイダル型無段変速機
に適用されるソレノイド弁のdutyを定めるフローチ
ャートである。
に適用されるソレノイド弁のdutyを定めるフローチ
ャートである。
【図4】従来のトロイダル型無段変速機の概略図であ
る。
る。
【図5】図4に示す従来のトロイダル型無段変速機の断
面図である。
面図である。
【図6】従来のトロイダル型無段変速機に適用されるソ
レノイド弁のdutyを定めるフローチャートである。
レノイド弁のdutyを定めるフローチャートである。
1,2 トロイダル変速部 3 主軸 4,7 入力ディスク 5,8 出力ディスク 6,9 パワーローラ 11 傾転軸 13 入力軸 16 連結軸 19 ケーシング 26 出力軸 33,37 トラニオン 42,45 油圧シリンダ 42A,42B,46A,46B シリンダ室 48,68 スプール弁 49 スリーブ 51 スプール 53 プリセスカム(検出手段) 58,73 コントローラ 65A,65B ソレノイド弁 72 ポテンショメータ 75A,75B ソレノイド弁 PA,PB 制御油圧 Pup,Pdown 作動油圧
Claims (8)
- 【請求項1】 対向して配置された入力ディスクと出力
ディスク、前両ディスク間に配置され且つ前記両ディス
クに対する傾転角度に応じて前記入力ディスクの回転を
無段階に変速して前記出力ディスクに伝達するパワーロ
ーラ、前記パワーローラを回転自在に支持し且つ傾転軸
方向に変位可能なトラニオン、前記各トラニオンを前記
傾転軸方向に変位させるシリンダ室を有する油圧シリン
ダ、前記トラニオンに設けられており且つ前記トラニオ
ンの傾転軸方向変位量と前記パワーローラの傾転角変位
量との合成変位量を検出する検出手段、及び変速比を制
御するため目標変速比と前記合成変位量とに基づいて前
記シリンダ室への作動油圧を制御する変速比制御弁を具
備し、前記変速比制御弁は前記シリンダ室への前記作動
油圧を出力するスプール弁と前記スプール弁を作動させ
るための制御油圧を出力するソレノイド弁とから成り、
前記ソレノイド弁は当該ソレノイド弁の電気的失陥状態
で前記スプール弁が出力する前記作動油圧が前記変速比
を増速側にシフトさせることになるように前記制御油圧
を出力することから成るトロイダル型無段変速機。 - 【請求項2】 前記スプール弁の各端には一対の前記ソ
レノイド弁が出力する前記制御油圧が対応して供給さ
れ、一方の前記ソレノイド弁が常時開式ソレノイド弁で
あり、他方の前記ソレノイド弁が前記常時閉式ソレノイ
ド弁であることから成る請求項1に記載のトロイダル型
無段変速機。 - 【請求項3】 前記ソレノイド弁はデューティ信号に基
づいて前記制御油圧が変更可能であるデューティソレノ
イド弁であり、前記両ソレノイド弁に入力される前記デ
ューティ信号を等しくしたことからなる請求項2に記載
のトロイダル型無段変速機。 - 【請求項4】 前記スプール弁は弁本体内に摺動可能に
嵌合されたスリーブ及び前記スリーブとの相対位置に応
じて前記作動油圧を制御するため前記スリーブの内部に
摺動可能に嵌合されたスプールを有しており、前記スプ
ール及び前記スリーブの一方は前記合成変位量に応じて
移動し、前記スプール及び前記スリーブの他方は前記ソ
レノイド弁が前記目標変速比に基づいて出力した前記制
御油圧に応じて移動することから成る請求項2又は3に
記載のトロイダル型無段変速機。 - 【請求項5】 前記合成変位量を検出する前記検出手段
はプリセスカムであり、前記スプール及び前記スリーブ
の前記一方は前記プリセスカムと係合することにより前
記合成変位量に応じて移動することから成る請求項4に
記載のトロイダル型無段変速機。 - 【請求項6】 前記スプール弁は弁体内での位置に応じ
て前記作動油圧を制御するため前記弁体内に摺動可能に
設けられたスプールを有しており、前記スプールは前記
ソレノイド弁が前記合成変位量と前記目標変速比とに基
づいて出力した前記制御油圧に応じて移動することから
成る請求項2又は3に記載のトロイダル型無段変速機。 - 【請求項7】 前記合成変位量を検出する前記検出手段
はプリセスカムであり、前記制御油圧は前記合成変位量
をポテンショメータによって変換した電圧値と目標変速
比に対応する目標電圧値との偏差に応じて出力されるこ
とから成る請求項6に記載のトロイダル型無段変速機。 - 【請求項8】 前記パワーローラは一対設けられてお
り、前記トラニオン及び前記油圧シリンダは前記パワー
ローラに対応して一対設けられていることから成る請求
項1〜7のいずれか1項に記載のトロイダル型無段変速
機。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9451997A JPH10274301A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | トロイダル型無段変速機 |
PCT/JP1998/001483 WO1998044279A1 (fr) | 1997-03-31 | 1998-03-31 | Transmission toroidale continuement variable |
US09/194,542 US6132333A (en) | 1997-03-31 | 1998-03-31 | Failsafe toroidal continuously variable transmission |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9451997A JPH10274301A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | トロイダル型無段変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10274301A true JPH10274301A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=14112586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9451997A Pending JPH10274301A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10274301A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006194393A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Toyota Motor Corp | 障害判定手段を伴う油圧サーボ装置用油圧制御装置 |
JP2016169828A (ja) * | 2015-03-13 | 2016-09-23 | 川崎重工業株式会社 | 変速装置及びそれを備える発電システム |
CN113565813A (zh) * | 2021-09-01 | 2021-10-29 | 成都大宏立机器股份有限公司 | 一种全自动保(泄)压功能的辊压机液压系统 |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP9451997A patent/JPH10274301A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006194393A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Toyota Motor Corp | 障害判定手段を伴う油圧サーボ装置用油圧制御装置 |
JP4710324B2 (ja) * | 2005-01-17 | 2011-06-29 | トヨタ自動車株式会社 | 障害判定手段を伴う油圧サーボ装置用油圧制御装置 |
JP2016169828A (ja) * | 2015-03-13 | 2016-09-23 | 川崎重工業株式会社 | 変速装置及びそれを備える発電システム |
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