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JPH10273002A - エアバッグ用基布およびエアバッグ - Google Patents

エアバッグ用基布およびエアバッグ

Info

Publication number
JPH10273002A
JPH10273002A JP9078195A JP7819597A JPH10273002A JP H10273002 A JPH10273002 A JP H10273002A JP 9078195 A JP9078195 A JP 9078195A JP 7819597 A JP7819597 A JP 7819597A JP H10273002 A JPH10273002 A JP H10273002A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
fabric
film
base
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9078195A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiji Moriwaki
淑次 森脇
Tomomichi Fujiyama
友道 藤山
Masao Seki
昌夫 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP9078195A priority Critical patent/JPH10273002A/ja
Publication of JPH10273002A publication Critical patent/JPH10273002A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、エアバッグ
としての機械的特性を保持しつつ、低通気性、軽量性、
柔軟性および収納性に優れたエアバッグ用基布およびエ
アバッグを提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のエアバッグ用基布は、0.2kg/
cm2 の圧力に調整して流したときに通過する空気量が1
00cc/cm2 /sec.以下の通気度を有する繊維基材表面
にフィルムが積層されていることを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時に乗員
の衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグに関するも
のであり、さらに詳しくは、低通気性、軽量性、柔軟性
および収納性に優れたエアバッグ用基布およびエアバッ
グに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグには400〜1000
デニールのナイロン66またはナイロン6フィラメント
糸を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性など
の向上のため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフ
ィン、シリコーンなどの合成ゴムなどのエラストマー樹
脂を塗布、積層した基布を裁断し、袋体に縫製して作ら
れていた。
【0003】しかしながら、これらのエラストマー樹脂
を基布の片面に塗布、積層する際、一般に、ナイフコー
ト、ロールコート、リバースコートなどによるコーティ
ング方式が採用されているが、フィラメント織物で構成
されるエアバッグ基布に対しては、通常、クロロプレン
エラストマー樹脂の場合では、基布表面に90〜120
g/m2 塗布されており、厚みが厚くなり、収納性の面
においても、パッケージボリュームが大きくなる問題が
あった。また、クロロプレンエラストマー樹脂に比べ、
より耐熱性、耐寒性の優れたシリコーンエラストマー樹
脂の場合では、塗布量が40〜60g/m2 で、軽量
化し、収納性の面でもかなり向上したが、まだ十分とは
言えず、またエラストマーの塗布、積層は工程が煩雑で
生産性の面に問題があった。
【0004】一方、エアバッグ用基布は、低価格化なら
びにモジュールカバーの縮小化のため、エアバッグ用基
布の収納性向上が強く要望されおり、ノンコート基布を
使用したエアバッグが注目されてきた。その対応技術と
して、ナイロン66、ナイロン6などのポリアミド繊維
織物およびポリエステル繊維織物から構成される高密度
ノンコートエアバッグの検討が進められている。例え
ば、特開平4−2835号公報は、コーティングをされ
ていない低通気性の織布が提案されているが、コーティ
ング品に比べ、経済性は向上するが低通気性が十分とは
言えない。一方、本発明者らは先願として特開平5−2
13136号公報に粗目織物とフィルムの積層体からな
るエアバッグを提案しているが、ノンコート品に比べ、
低通気性は改善されたが、機械的特性が十分とは言え難
く、満足したエアバッグ用基布が得られていないのが実
状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来のエアバッグの欠点に鑑み、エアバッグとしての
機械的特性を保持しつつ、低通気性、軽量性、柔軟性お
よび収納性に優れたエアバッグ用基布およびエアバッグ
を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次のような構成を有する。すなわち、本
発明のエアバッグ用基布は、0.2kg/cm2 の圧力に調
整して流したときに通過する空気量が100cc/cm2
sec.以下の通気度を有する繊維基材表面にフィルムが積
層されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、コーティング加工を施
さずに優れた低通気性を有するエアバッグ用基布を提供
することについて、鋭意検討したところ、比較的低通気
性の繊維基材表面にフィルムを積層することにより、エ
アバッグとしての機械的特性を保持しつつ、低通気性、
軽量性、柔軟性および収納性に抜群に優れたエアバッグ
用基布を提供することができることを究明したものであ
る。
【0008】なお、本発明者の検討によれば、かかる効
果は繊維基材において、その表面に該フィルムが非接着
状態で積層、または接着層を介して積層、または接着剤
が部分的に付与されて積層されていても、さらにラミネ
ートされたものであっても、優れた効果を発揮させるこ
とができる。
【0009】本発明における繊維基材としては、ナイロ
ン6・6、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン4・
6、およびナイロン6とナイロン6・6の共重合体、ナ
イロンにポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やア
ミンなどを共重合したポリアミド繊維、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモ
ポリエステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する
酸成分にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸またはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを
共重合したポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタ
ルアミドおよび芳香族エーテルとの共重合に代表される
アラミド繊維、レーヨン繊維、サルフォン系繊維超高分
子量ポリエチレン繊維および上記合成繊維を主体とする
海島構造を有する高分子配列体繊維から構成される高密
度の織物、編物および不織布を用いることができる。か
かる繊維基材の形態としては織物がより好ましい。また
織物組織としては平織、綾織、朱子織およびこれらの変
化織、多軸織などの織物が使用されるが、これらの中で
も、特に機械的特性に優れ、また地薄な面から平織物が
好ましい。また織物の中でもポリアミド繊維およびポリ
エステル繊維からなる平織物エアバッグ特性に優れる。
なお、かかる繊維には、原糸の製造工程や加工工程での
生産性あるいは特性改善のために通常使用される各種添
加剤を含んでいても良い。例えば熱安定剤、酸化防止
剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、
顔料、難燃剤などを含有せしめることができる。
【0010】本発明のかかる繊維基材としては、0.2
kg/cm2 の圧力に調整して流したときに通過する空気量
が100cc/cm2 /sec.以下、さらに好ましくは50cc
/cm2 /sec.以下という低通気度のものを使用すること
によって、極めて薄いフィルムを積層するだけで、上述
のような優れたエアバッグ用基布を提供することができ
るものである。
【0011】さらに、また、本発明のかかる繊維基材と
しては、エアバッグとしての必要な機械的特性ならびに
軽量性などの面から、上述の織物が次の要件を同時に満
足することにより、さら効果を発揮させることができ
る。
【0012】 (a)目付W(g/m2 ) W≦250 (b)厚さTh(mm) Th≦0.35 (c)引張強力S(N/cm) S≧500 (d)破断伸度E(%) E≧15 (e)引裂強力Te(N) Te≧100 (f)カバーファクター(Cf) 1000≦Cf≦2500 ここで、カバーファクター(Cf)とは、経糸総繊度を
D1 、経糸密度をN1とし、緯糸総繊度をD2 、緯糸密
度をN2 とすると、 Cf=(D1 )1/2 ×N1 +(D2 )1/2 ×N2 で表され、機械的特性および軽量性、収納性の面から、
好まくは1000〜2500、さらに好ましくは150
0〜2000である。また、織機としては、ウォーター
ジェットルーム、エアージェットルーム、レピア織機を
適宜使用することができる。
【0013】また、織物を構成する総繊度および単糸繊
度は特に制約されないが、総繊度は好ましくは100〜
600デニール、さらに好ましくは100〜500デニ
ール、単糸繊度は、好ましくは0.5〜8デニール、さ
らに好ましくは2〜6デニール、特に好ましくは3〜6
デニールのものが使用される。これらの繊維の強度とし
ては、6.5g/d以上のものが好ましく使用される。
【0014】一方、繊維基材に積層するフィルムの材質
は、特に制約を受けないが、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ
ール、ポリカーボネート、ナイロン6、芳香族ポリイミ
ド、ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイド、テト
ラフロロエチレン、三フッ化エチレンなどを使用するこ
とができる。これらの中でも機械的特性の面からポリエ
チレンテレフタレートか特に効果を発揮する。またこれ
らのフィルムは未延伸フィルムであっても、一軸または
二軸延伸フィルムであっても、さらにこれらの組み合わ
せでもよい。一般に未延伸フィルムに比べ、延伸フィル
ムは引張強力、破裂強度、引き裂き伝幡抵抗が優れるた
めに、延伸フィルムを用いるのが好ましいが、これらの
特性は繊維基材との組み合せにも関係するために適宜使
用するとよい。もちろんかかるフィルム、たとえば未延
伸フィルム、一軸延伸フィルムおよび二軸延伸フィルム
からえらばれた少なくとも2種の積層など各種の組み合
わせの複数層のフィルム積層体のものを使用することが
できる。かかるフィルムは、コーティング膜とは明確に
区別されるものである。
【0015】かかるフィルムの厚さは、10ミクロン以
下であることが必須であり、好ましくは5ミクロン以
下、さらに好ましくは1ミクロン以下である。10ミク
ロンを越えるフィルムを用いると厚さのために風合いが
硬いものになり、特に収納性の面で好ましくない。ま
た、かかるフィルムの積層は、繊維基材表面にフィルム
が非接着状態で積層、すなわち単に積層する(未接着)
だけでもよく、または接着層を介して積層されてもよ
く、または接着剤が部分的に付与されて積層されもよ
く、さらにラミネートされたものでもよい。
【0016】繊維基材にフィルムを積層させる方法とし
ては、金属ロール、プラスチックロールまたはプレス方
式などが適宜使用される。なお、かかるフィルムを繊維
基材に積層したエアバッグ用基布は、運転席用エアバッ
グ、助手席用エアバッグ、後部座席用エアバッグおよび
側面用エアバッグに適宜使用することができる。
【0017】また、上記エアバッグにおいては、インフ
レータ取り付け口やベントホール部分などに用いられる
補強布またはバッグ展開形状を規制する部材が、該繊維
基材と同一基材であることが縫製性の面から有利であり
好ましい。またエアバッグの縫製にあたっては、打抜き
または溶断によって形成された1枚もしくは複数枚のか
かるエアバッグ用基布を用い、その周縁部を縫製するこ
とが好ましく、さらには周縁部の縫製が、一重または二
重の合せ縫製のみで構成されたエアバッグが好ましい。
【0018】本発明のエアバッグ用基布の特徴は、機械
的特性を保持しつつ、優れた低通気性、軽量性、柔軟性
および収納性を付与できるという点にある。すなわち、
本発明で得られる基布は、コーティング加工を施さずに
して、エアバッグとしての機械的特性ならびに、低通気
性、軽量性、柔軟性および収納性に優れたものを提供す
ることができる。
【0019】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例中のエアバッグ用基布の特性は下
記の方法によりを測定した。
【0020】重 量 :JIS L6328(5.
3.4法)により求めた。
【0021】厚 さ :JIS L6328(5.
3.3法)により求めた。
【0022】引張強力 :JIS L6328(5.
3.5法)により求めた。
【0023】破断伸度 :JIS L6328(5.
3.5法)により求めた。
【0024】引裂強力 :JIS L6328(5.
3.6法)により求めた。
【0025】通気度 :層流管式通気度測定機を用
い、流体(空気)を0.2kg/cm2の圧力に調整して
流し、その時通過する空気流量(cc/cm2 /sec) を測定し
た。
【0026】剛軟度 :JIS L1096(6.1
9.1A法)により求めた。
【0027】収納性 :エアバッグ袋体を所定の形に折
り曲げて、98Nの押圧をかけた時の折りたたみ高さを
測定した。標準品として、シリコーンゴムコート品(4
5g/m2 塗工品)の嵩高さを100とした時の相対値
で示した。
【0028】実施例1 総繊度420デニール、72本のフィラメント、強度
9.5g/デニール、伸度22.5%のナイロン6・6
繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータージェッ
トルームにて経糸と緯糸の織密度がともに45本/イン
チの平織物を得た。この織物は、通気度45cc/cm2
sec.、目付175g/m2 、厚さ0.26mmであっ
た。一方、フィルムとして、融点260℃、厚さ1.5
ミクロンのポリエチレンテレフタレートからなる2軸延
伸フィルムを用い、また接着層として融点150℃、厚
さ1.0ミクロンのポリエチレンフィルムを用い、17
5℃に加熱した金属ロールにてラミネート加工を施し、
エアバッグ用基布を得た。しかる後、該エアバッグ用基
布から直径725mmの円状布帛2枚を打抜き法にて裁
断し、一方の円状布帛の中央に平織物のみからなる直径
200mmの円状補強布を3枚積層して、直径110m
m、145mm、175mm線上を上下糸ともナイロン
6・6繊維の420D/1×3から構成される縫糸で本
縫いによるミシン縫製し、直径90mmの孔を設け、イ
ンフレータ取付け口とした。さらに中心部よりバイアス
方向に255mmの位置に相反して同一布帛からなる直
径75mmの円状補強布を一枚当て直径50mm、60
mmの線上を上下糸ともナイロン6・6繊維の420D
/1×3から構成される縫糸で本縫いによるミシン縫製
し、直径40mmの孔を設けたベントホールを2カ所設
置した。次いで、本円状布帛の補強布帛側を外にし、他
方の円状布帛と経軸を45度ずらして重ね合わせ、直径
700mm、710mmの円周状を上下糸ともナイロン
6・6繊維の1260D/1から構成される縫糸で二重
環縫いによるミシン縫製した後、袋体を裏返し、60L
容量の運転席用エアバッグを作製した。
【0029】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し、表1に示した。本発
明のエアバッグは、エアバッグに必要な機械的特性なら
びに低通気性を有し、かつ軽量性、収納性に優れてい
た。
【0030】比較例1,2 実施例1と同一フィラメント糸を用い、ウォータージェ
ットルームにて経糸と緯糸の織密度がともに45本/イ
ンチの通気度45cc/cm2 /sec.の平織物を得た。一
方、フィルムとして、融点260℃、厚さ35ミクロン
のポリエチレンテレフタレートからなる2軸延伸フィル
ムを用い、また接着層として融点150℃、厚さ1.0
ミクロンのポリエチレンフィルムを用い、175℃に加
熱した金属ロールにてラミネート加工を施し、エアバッ
グ用基布を得た。
【0031】また比較例2として、実施例1と同一フィ
ラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて経糸
と緯糸の織密度がともに45本/インチの平織物を得
た。次いで、該織物を通常の方法にて精練、乾燥した
後、180℃で25秒間熱セットした。しかる後、該織
物をコンマコーターを用い、塗工量が45g/m2 にな
るようにメチルビニル系シリコーンゴムにてコーティン
グを行ない、120℃で乾燥した後、180℃で3分間
の加硫処理し、エアバッグ用基布を得た。次いで、これ
らのエアバッグ用基布についても実施例1と同様に60
L容量の運転席用エアバッグを作製した。
【0032】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表1
に示した。比較例1,2のエアバッグは、低通気性には
優れていたが、軽量性、収納性に劣り、また比較例2の
エアバッグは、加工工程が煩雑で生産性の面に問題があ
った。 実施例2 総繊度315デニール、72本のフィラメント、強度
9.3g/デニール、伸度23.1%のナイロン6繊維
からなるフィラメント糸を用い、ウォータージェットル
ームにて経糸と緯糸の織密度がともに54本/インチの
平織物を得た。次いで、常法により精練、乾燥し、18
0℃のヒートセットを施した。このものは通気度25cc
/cm2 /sec.、目付189g/m2 、厚さ0.27mm
であった。一方、フィルムとして、融点265℃、厚さ
0.85ミクロンのポリエチレンテレフタレートからな
る2軸延伸フィルムを用い、該フィルムの片面にウレタ
ン系接着剤を5g/m2 塗布して張り合わせ、エアバッ
グ用基布を得た。しかる後、本体布1枚、側面布2枚を
溶融裁断し、120L容量の助手席エアバッグを作製し
た。
【0033】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表1
に示した。本発明のエアバッグは、エアバッグに必要な
機械的特性ならびに低通気性を有し、かつ軽量性、収納
性に優れていた。
【0034】比較例3,4 実施例2と同一の平織物を用い、フィルムとして融点2
65℃、厚さ15.5ミクロンのポリエチレンテレフタ
レートからなる2軸延伸フィルムを用い、該フィルムの
片面にウレタン系接着剤を5g/m2 塗布して張り合わ
せ、エアバッグ用基布を得た[比較例3]。
【0035】一方、実施例2と同一の平織物を、170
℃に加熱した表面がフラットな金属ロールと室温のプラ
スチックロールとの間で圧力35トン、速度15m/分
で片面に加圧圧縮加工を施し、エアバッグ用基布を得た
[比較例4]。しかる後、実施例2と同様に120L容
量の助手席エアバッグを作製した。
【0036】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表1
に示した。比較例3のエアバッグは、低通気性には優れ
ていたが、軽量性、収納性に劣り、また比較例4のエア
バッグは、粗硬で引裂強力にやや劣っていた。
【0037】実施例3 総繊度420デニール、144フィラメント、強度8.
8g/デニール、伸度18%のポリエチレンテレフタレ
ート繊維からなるフィラメント糸を用い、レピア織機に
て経糸と緯糸の織密度がともに46本/インチの平組織
の織物を得た。次いで、該織物を常法にて精練、乾燥し
た後、180℃で25秒間熱セットした。このものは通
気度43cc/cm2 /sec.、目付189g/m2 、厚さ
0.26mmであった。一方、フィルムとして、融点2
65℃、厚さ0.95ミクロンのポリエチレンテレフタ
レートからなる未延伸フィルムを用い、該フィルムを単
に平組織の重ね合わせた状態で積層し、エアバッグ用基
布を得た。しかる後、本体布1枚、側面布2枚を溶融裁
断し、15L容量のサイド用エアバッグを作製した。こ
のようにして得られたエアバッグ用基布およびエアバッ
グの特性を実施例1と同様に評価し表1に示した。本発
明のエアバッグは、エアバッグに必要な機械的特性なら
びに低通気性を有し、かつ軽量性、収納性に優れてい
た。
【0038】比較例5 実施例3と同一の平織物に融点265℃、厚さ20ミク
ロンのポリエチレンテレフタレートからなる未延伸フィ
ルムを用い、該フィルムを単に平組織の重ね合わせた状
態で積層し、エアバッグ用基布を得た。しかる後、本体
布1枚、側面布2枚を溶融裁断し、15L容量のサイド
用エアバッグを作製した。
【0039】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表1
に示した。比較例5のエアバッグは、軽量性、収納性が
十分でなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、エアバッグとしての必
要な機械的特性を保持しつつ、かつ低通気性、軽量性、
柔軟性および収納性に優れたエアバッグを提供でき、ま
た従来のコーティングを施したものやカレンダー加工品
に比べて、安価なエアバッグの提供が可能になり、エア
バッグによる乗員保護システムを普及促進させることが
できる。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.2kg/cm2 の圧力に調整して流した
    ときに通過する空気量が100cc/cm2 /sec.以下の通
    気度を有する繊維基材表面にフィルムが積層されている
    ことを特徴とするエアバッグ用基布。
  2. 【請求項2】 該通気度が、50cc/cm2 /sec.以下で
    ある請求項1記載のエアバッグ用基布。
  3. 【請求項3】 該フィルムが、5ミクロン以下の厚さを
    有するものである請求項1記載のエアバッグ用基布。
  4. 【請求項4】 該フィルムが、1ミクロン以下の厚さを
    有するものである請求項1記載のエアバッグ用基布。
  5. 【請求項5】 該フィルムが、非接着状態で該繊維基材
    に積層されているものである請求項1、3および4のい
    ずれかに記載のエアバッグ用基布。
  6. 【請求項6】 該フィルムが、接着層を介して該繊維基
    材に積層されているものである請求項1、3および4の
    いずれかに記載のエアバッグ用基布。
  7. 【請求項7】 該接着剤が、部分的に付与されているも
    のである請求項6記載のエアバッグ用基布。
  8. 【請求項8】 該フィルムが、ラミネートによって該繊
    維基材に積層されているものである請求項1、3および
    4のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  9. 【請求項9】 該フィルムが、複数のフィルムの積層体
    である請求項1、3〜6および8のいずれかに記載のエ
    アバッグ用基布。
  10. 【請求項10】 該繊維基材が、織物である請求項1、
    5、6および8のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  11. 【請求項11】 該織物が、下記(a)〜(f)の要件
    を同時に満足する請求項10記載のエアバッグ用基布。 (a)目付W(g/m2 ) W≦250 (b)厚さTh(mm) Th≦0.35 (c)引張強力S(N/cm) S≧500 (d)破断伸度E(%) E≧15 (e)引裂強力Te(N) Te≧100 (f)カバーファクター(Cf) 1000≦Cf≦2500
  12. 【請求項12】 該織物が、1500〜2000のカバ
    ーファクターを有するものである請求項10または11
    記載のエアバッグ用基布。
  13. 【請求項13】 該織物が、総繊度が100〜500デ
    ニールの糸条で構成されているものである請求項10〜
    12のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  14. 【請求項14】 該織物が、単糸繊度が0.5〜7デニ
    ールの繊維で構成されているものである請求項10〜1
    3のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  15. 【請求項15】 該織物が、1×1の平織物である請求
    項10〜14のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  16. 【請求項16】 該繊維基材が、ポリアミド系繊維また
    はポリエステル系繊維から選ばれた少なくとも一種の繊
    維で構成されているものである請求項1、5、8および
    10のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載のエ
    アバッグ用基布のフィルム側を内側にして形成されてい
    ることを特徴とするエアバッグ。
  18. 【請求項18】 該エアバッグにおいて、補強布または
    エアバッグ展開形状を規制する部材が、該繊維基材と同
    一基材である請求項17記載のエアバッグ。
  19. 【請求項19】 該エアバッグが、該エアバッグ用基布
    を打抜きまたは溶断によって形成された一枚もしくは複
    数枚のエアバッグ展開形状片の周縁部を縫製されて構成
    されたものである請求項17または18記載のエアバッ
    グ。
  20. 【請求項20】 該縫製が、一重または二重の合せ縫製
    のみで構成されている請求項19記載のエアバッグ。
JP9078195A 1997-03-28 1997-03-28 エアバッグ用基布およびエアバッグ Pending JPH10273002A (ja)

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JP9078195A JPH10273002A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 エアバッグ用基布およびエアバッグ

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