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JPH10270381A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JPH10270381A
JPH10270381A JP9070095A JP7009597A JPH10270381A JP H10270381 A JPH10270381 A JP H10270381A JP 9070095 A JP9070095 A JP 9070095A JP 7009597 A JP7009597 A JP 7009597A JP H10270381 A JPH10270381 A JP H10270381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
manufacturing
semiconductor device
impurity diffusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9070095A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Sumi
博文 角
Toshiya Hashiguchi
俊哉 橋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP9070095A priority Critical patent/JPH10270381A/ja
Publication of JPH10270381A publication Critical patent/JPH10270381A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合深さの極めて浅い不純物拡散層の上でそ
の表面状態に敏感な金属膜を用いてサリサイド・プロセ
スを行う場合にも、不純物拡散層を十分に低抵抗化し、
かつシリサイド層の突き抜けによる接合破壊を防止す
る。 【解決手段】 金属膜を被覆する前のソース/ドレイン
領域9pの表面を、H22 等の酸化剤を添加した希フ
ッ酸溶液を用いてウェットエッチングすることにより、
自然酸化膜とSiリッチなサブオキサイドを徹底的に除
去すると共に、基体の表面粗度Rを減ずる。この前処理
は、不活性ガスの高密度プラズマ照射やケミカル・ドラ
イエッチングにより行っても良い。この後、ソース/ド
レイン領域9pの表面をCo膜等の金属膜で被覆し、シ
リサイド化アニールを経て薄くかつ厚さの均一なシリサ
イド層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるサリサイ
ド・プロセスにより不純物拡散層の低抵抗化を図る半導
体装置の製造方法に関し、特に形成されるシリサイド膜
の薄膜化および膜厚の均一化に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの高集積化に伴い、不純
物拡散層の接合深さも浅くなる一方である。MOSトラ
ンジスタを例にとると、ゲート電極の線幅の縮小に付随
してチャネル長が短縮しているため、ショート・チャネ
ル効果を抑制し、所望のソース−ドレイン間耐圧を確保
するためには不純物拡散層であるソース/ドレイン領域
を浅く形成する必要がある。その接合深さはデザイン・
ルール0.25μmの下では80nm程度、デザイン・
ルール0.1μmの下では50nm程度まで縮小するこ
とが必要である。
【0003】しかし、50nm程度まで縮小された不純
物拡散層では、そのシート抵抗が1kΩ/□のオーダー
にも達する。MOSトランジスタにおいてソース/ドレ
イン領域のシート抵抗が上昇すると、ゲート遅延時間τ
pdが増大し、トランジスタの動作周波数fはこれに反比
例して低下する。このような動作周波数fの低下は、特
にASIC(特定用途向けIC)やMPU(マイクロ・
プロセシング・ユニット)のように拡散層を電極として
用いるデバイスの応答速度を大きく劣化させるため、極
めて不利益である。
【0004】そこで、この不純物拡散層の低抵抗化を、
その表面に金属シリサイド層を形成することがで達成す
る技術が知られている。この金属シリサイド層は一般
に、シリコン(Si)系材料層の表出部を含む基体の全
面にシリサイドを生成可能な金属膜を薄く堆積させた
後、熱処理(シリサイド化アニール)を施し、該金属膜
とSi系材料層とが接触した部分において自己整合的な
シリサイド化反応を進行させる手法で形成される。この
手法は、サリサイド(SALICIDE =Self Aligned Silicid
ation)・プロセスと呼ばれている。シリサイドを生成可
能な金属としては様々な遷移金属が挙げられるが、最も
使用実績のあるものはTiである。たとえば、MOSト
ランジスタのソース/ドレイン領域の表面にTiSix
(チタン・シリサイド)層が形成されることで、シート
抵抗は約1桁低下する。このようなソース/ドレイン領
域に臨んでコンタクト・ホールを開口し、その内部をプ
ラグ材料で埋め込めば、コンタクト抵抗を決定するプラ
グとSi基板とのコンタクト面積は見かけ上ソース/ド
レイン領域の面積に近づき、これによってコンタクト抵
抗を実効的に下げることが可能となる。
【0005】しかし、TiSixについては、0.35
μmよりさらに微細なデザイン・ルールの下では十分な
低抵抗化が達成できない問題が生じている。この原因の
ひとつは、TiSix層の凝集である。すなわち、微細
なデザイン・ルールの下ではソース/ドレイン領域の表
面積も小さく、TiSix層とSi基板との界面の結合
が弱くなる。加えて、シリサイド化により浅い接合を破
壊することがないよう、形成されるTiSi層の厚みが
ますます薄くなっているので、最悪の場合には上記の凝
集がTiSix層の破断に至る。また、他の原因として
結晶相転移の阻害が挙げられる。TiSix層は一般に
2段階のシリサイド化アニール、すなわち、高抵抗のC
49相を生成させるためのアニールとこれを低抵抗のC
54相に変化させるためのアニールを経て形成される。
しかし、C49相の結晶粒径が0.1〜0.3μmであ
るのに対し、C54相の結晶粒径は2〜3μmと大き
く、デザイン・ルールより大きな結晶粒径への転移が本
質的に困難と考えられるためである。
【0006】近年、TiSixに代わるサリサイド・プ
ロセス材料の有力候補として、CoSix(コバルト・
シリサイド)が提案されている。たとえば、ソース/ド
レイン上にCo膜を積層してシリサイド化アニールを行
うと、Co原子がSi基板中へ拡散し、続いてCoSi
2 が該Si基板上にエピタキシャル成長するので、大粒
径のCoSi2 層を得ることができる。ただし、Coは
極めて酸化されやすい物質であり、通常のAr雰囲気中
や高真空中におけるシリサイド化アニールでは十分に抵
抗の低いCoSi2 層を形成することができない。月刊
セミコンダクターワールド(プレスジャーナル社刊)1
995年12月号p.156−160には、Co膜の表
面をTiN膜でキャッピングした状態でAr雰囲気中で
のアニールを行うことにより、低抵抗化を図った旨が記
載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、微細化
プロセスへの適用が期待されるCoSi2 であるが、実
用化にあたっては接合リークの問題を解決しなければな
らない。この問題を、図11ないし図14を参照しなが
ら説明する。接合リークの根本的な原因は、シリサイド
化反応の不均一性である。サリサイド・プロセスでは一
般に、金属膜を成膜する前に基板の表面の自然酸化膜を
除去するための前処理が行われる。しかし、この金属膜
としてCo膜を使用する場合、Coが上述のように極め
て酸化されやすい物質であるために、Co膜とSi系材
料膜との界面にO原子等の吸着物や自然酸化膜の残膜等
の異物がわずかに存在するだけでも、シリサイド化反応
に影響が及ぼされる。
【0008】たとえば図11に示されるように、Si基
板31の表層部に不純物拡散層32が形成されており、
さらにその表層部に自然酸化膜33(SiOx;ただし
x≒2)が成長している状態を考える。ここで、上記自
然酸化膜33と不純物拡散層32との界面には、不均一
にサブオキサイド34(SiOx;ただしx<2)が生
成している。ここでサブオキサイドとは、酸化シリコン
の化学量論的組成(SiO2 )よりもシリコン含有量が
多い不完全な酸化物である。上記自然酸化膜33を除去
するための前処理としては通常、希フッ酸溶液を用いた
ウェットエッチングが行われるが、希フッ酸はサブオキ
サイド34を完全に分解することができない。このた
め、前処理を終了した時点では図12に示されるように
サブオキサイド34が残存し、不均一に酸素が存在する
状態となる。また、基体の表面凹凸も解消されていな
い。
【0009】上記不純物拡散層32の表層部にCoSi
2 層を形成するためには、図13に示されるように、基
体の表面をCo膜35で被覆する。ここで上記Co膜3
5は、生成したCoSi2 層が不純物拡散層32の浅い
接合を破壊しないよう、十分に薄く形成しておく必要が
ある。これは、従来多用されているTiSixの成長膜
厚がTi膜の初期膜厚の約2倍であるのに対し、CoS
2 の成長膜厚がCo膜の初期膜厚の約3倍と大きいた
めである。たとえば、0.1μmのデザイン・ルール下
ではMOSトランジスタのソース/ドレイン領域の接合
深さは50nm以下となるので、CoSi2 層の成長膜
厚さは20〜30nm程度に抑えなければならず、した
がって予め形成されるCo膜を7〜8nm程度まで薄膜
化する必要がある。
【0010】しかし、このときの基体の表面にはO原子
等の吸着物や自然酸化膜の残膜等の異物が不均一に分布
するため、Co膜35と不純物拡散層32とが直接接触
している領域ではシリサイド化反応が速やかに進行する
が、Co膜35と不純物拡散層32とがたとえばサブオ
キサイド34等の異物を介して接触する領域では、Co
が異物との反応を経て不純物拡散層32と反応すること
になり、シリサイド化速度は遅くなる。このような場
合、Co膜35と不純物拡散層32との直接接触領域に
過剰量のCoが供給されて反応速度が極端に大きくなり
やすい。この結果、図14に示されるように、不純物拡
散層32の表層部にCoSi2層36が形成されるもの
の、この層にCoSi2 スパイク36sが多発すること
がある。たとえば1995年IEEE−IEDM(イン
ターナショナル・エレクトロン・デバイシズ・ミーティ
ング)抄録集p.449−452には、上述のようなC
oSi2 スパイク36sが20〜100nmの長さに伸
長することが記載されている。これは、不純物拡散層3
2の接合を突き抜けるに十分な長さであり、接合リーク
の原因となる。
【0011】基体表面の異物による影響を減ずるため
に、Co膜35の成膜前に不純物拡散層32の表面をA
rイオン照射等の手段によりアモルファス化することも
提案されている。しかしこの方法では、イオン照射時に
基板の内部に発生した結晶欠陥に沿って基板深部までC
o原子が拡散し、かえってCoSi2 スパイク36sを
多発させることになりかねない。
【0012】このように、従来のサリサイド・プロセス
では、シリサイド化のための金属膜を高度に薄膜化する
一方で、自然酸化膜等の吸着酸素等の異物の影響を避け
ながら均一な厚さのシリサイド膜を形成することが非常
に困難であった。このような問題は、今後の一層微細な
デザイン・ルールの下では程度の差こそあれ、Co膜以
外の金属膜を用いてシリサイド層を形成する場合にも遭
遇し得るものである。そこで本発明は、上述の問題を解
決し、浅い接合を破壊することなく、薄くかつ均一な厚
さを有し、抵抗の低いシリサイド膜を形成することが可
能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、いわゆるサリサイド・プロセスにおいてシリ
コン系材料膜を金属膜で被覆する前に、該シリコン系材
料層の表層部に成長した酸化膜を除去するための第1の
前処理を行い、その最終的な表面粗度を酸化膜成長時の
表面粗度と等しいか、もしくはこれよりも小とし、この
後、金属膜の成膜とシリサイド化アニールとを行うこと
で上述の問題を解決するものである。上記シリサイド化
アニールによってシリサイド層を形成した後は、上記金
属膜の未反応部分を除去し、基体の全面を絶縁膜で被覆
し、この絶縁膜に上記シリサイド層に臨む接続孔を開口
し、このシリサイド層の露出面に成長した酸化膜を除去
するための第2の前処理を行ってから、この接続孔を上
層配線材料で埋め込む。接続孔の開口と第2の前処理と
の間には、上記不純物拡散層の不純物濃度を補うための
不純物を接続孔の底面より導入し、該不純物を活性化さ
せるための第2の熱処理を行っても良い。本発明では、
第1の前処理において酸化膜を徹底的に除去することに
加え、シリコン系材料膜に予め施されている不純物活性
化のための第1の熱処理、および上述のシリサイド化ア
ニール、第2の前処理、第2の熱処理の各条件も総合的
に最適化し、シリサイド層の低抵抗化を目指す。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の要となる工程は、シリコ
ン系材料層の表層部に成長した酸化膜を除去するための
第1の前処理を行う第1工程である。ここで、シリコン
系材料層の最終的な表面粗度を酸化膜成長時の表面粗度
よりも等しいか、もしくはこれよりも小とするのは、本
発明者らが得た次のような知見にもとづいている。本発
明者らが原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定を行っ
たところによると、不均一な厚さに自然酸化膜が成長し
た状態のSi基板の表面粗度は1.2nm、意図的に厚
さ5nmの熱酸化膜を形成させたSi基板の表面粗度は
1.3nmであり、大差がなかった。つまり、基体表面
の凹凸の大きさを決定しているものは不均一な酸化膜成
分である。したがって、第1の前処理によりシリコン系
材料層の表面粗度が基体の表面粗度が酸化膜成長時の表
面粗度以下になれば、不均一な自然酸化膜が十分に除去
できたと考えられるからである。上記の知見から判断す
ると、自然酸化膜の徹底除去の目安となる表面粗度は、
1.3nmである。
【0015】上記第1の前処理は、(a)酸化剤を含む
フッ酸溶液を用いたウェットエッチング、(b)1010
/cm2 以上のプラズマ密度を有する不活性ガス・プラ
ズマの照射、あるいは(c)フッ素系エッチング種もし
くは塩素系エッチング種の少なくとも一方を用いるケミ
カル・ドライエッチング、のいずれにより行うことがで
きる。上記(a)の方法では、ウェットエッチング液に
添加された酸化剤が被エッチング面に局部的に露出した
サブオキサイドやSi系材料層を酸化して化学量論的組
成に近い酸化膜に変化させ、この酸化膜をフッ酸が直ち
に分解除去する機構でウェットエッチングが進行する。
したがって、フッ酸のみを用いた場合のようにサブオキ
サイドが除去しきれず、これによって後工程のシリサイ
ド化に悪影響が及ぼされる虞れがなくなる。また、従来
であれば凸部として残ったサブオキサイドやシリコン系
材料層の露出部も順次酸化されながらエッチングされる
ため、基体の表面粗度が低減される効果も期待できる。
上記酸化剤としては、たとえば過酸化水素(H
2 2 )、硝酸(HNO3 )、オゾン(O3 )を用いる
ことができる。
【0016】上記(b)の方法は、いわゆる高密度プラ
ズマを用いた酸化膜の除去方法である。ここで、高密度
プラズマとは、従来型のプラズマに比べて電子とガス分
子との衝突回数を増やすための何らかの工夫がなされて
いるプラズマのことである。従来型のプラズマとは、た
とえば平行平板電極間にRFパワーを印加してグロー放
電を起こしたり、導波管へマイクロ波を供給してマイク
ロ波放電を起こすことにより励起されるものである。こ
れに対して高密度プラズマは、たとえばマイクロ波電界
と磁界の相互作用にもとづく電子サイクロトロン共鳴
(ECR)、あるいはホイッスラー・モードと呼ばれる
磁界中のマイクロ波伝搬モード等を利用することにより
ガス分子の解離を高度に促進し、高いプラズマ密度を達
成したものである。
【0017】かかる高密度プラズマの具体例としては、
ECRプラズマ、ヘリコン波プラズマ、誘導結合プラズ
マ、ホロー・アノード励起プラズマ、ヘリカル共振励起
プラズマ等が例示される。これら高密度プラズマに共通
するメリットは、ガス分子の解離が高度に促進される機
構を備えることで、低ガス圧放電でも高いプラズマ密度
が得られることである。したがって、基体に対するイオ
ン衝撃をそれほど高めなくとも、高密度に生成した直進
性の高いイオンで効率の良い処理を行うことができる。
(b)の方法において行われる処理は、不活性ガスのプ
ラズマによる酸化膜のスパッタ除去であるが、このよう
な物理的処理であってもイオン衝撃を減ずることで、S
i基板への結晶欠陥の発生を抑制することができる。
【0018】上記(c)の方法は、前述(b)の方法と
は異なり化学的な酸化膜の除去方法である。ケミカル・
ドライエッチングでは、マイクロ波放電により励起され
たプラズマ中の中性活性種、すなわちラジカルが、処理
チャンバ内の下降気流に乗って基板方向へ輸送され、物
理的ダメージの極めて少ない処理が行われる。フッ素系
化学種によればSiOxを効率良く分解することがで
き、塩素系化学種によればSiOxの除去速度は落ちる
ものの、サブオキサイドを分解することができる。した
がって、双方の化学種を同時または時系列的に併用する
ことも効果的である。
【0019】本発明は、予め不純物拡散層が形成された
シリコン系材料層の表面のシリサイド化に適用された場
合に、極めて有効である。この不純物拡散層の典型的な
用途は、MOSトランジスタのソース/ドレイン領域で
あるが、この他にもバイポーラ・トランジスタや電荷結
合素子(CCD)の基板コンタクト部分にシリサイド層
が形成されていても良い。本発明では、MOSトランジ
スタへのサリサイド・プロセスの適用のように実際的な
適用を考えると、上述した酸化膜の徹底除去方法に加え
て他工程でも様々な改善を行い、プロセスを総合的に最
適化することが特に有効である。
【0020】他工程の改善の一例は、不純物の活性化温
度である。本発明では、第1の熱処理による上記不純物
拡散層に導入された不純物の活性化が、800℃以上1
000℃以下の最終到達温度で行われていることが好適
である。一般に不純物活性化アニールは1050℃で行
われることが多いが、本発明ではこの温度域を若干下げ
た。しかも、第1の熱処理における昇降温速度を、使用
される熱源の最大発熱温度より低い温度域では相対的に
速く、該最大発熱温度以上の温度域では相対的に遅く設
定する。これは、Si基板中の結晶欠陥の発生を徹底的
に抑えるためである。Si基板中の結晶欠陥は、熱応力
が急激に変化する際に現れやすい。たとえば、Si基板
上にLDD構造のMOSトランジスタを形成する場合に
は、ゲート電極の側壁面のサイドウォールのエッジ部に
応力が集中しやすく、これが基板中の結晶欠陥の原因と
なる。
【0021】本発明における上述のような昇降温速度の
制御には、この熱応力を緩和する働きがある。上記第1
の熱処理にたとえばハロゲン・ランプを備えたRTA
(ラピット・サーマル・アニール)装置を用いる場合、
ハロゲン・ランプの最大発熱温度は500℃前後であ
る。そこで、最終到達温度をたとえば1000℃とした
場合、昇温速度または降温速度を室温〜500℃の温度
範囲では100℃/秒程度、500〜1000℃の温度
範囲では10℃/秒程度に設定すると良い。
【0022】このような温度制御は、いわゆるコンタク
ト・イオン注入により導入された不純物を活性化するた
めの第2の熱処理に適用しても有効である。ここで、コ
ンタクト・イオン注入とは、不純物拡散層に臨んで接続
孔を開口する際、オーバーエッチングによって除去され
た接続孔底面の不純物を補うために行われるものであ
り、導入された不純物は当然、活性化のための第2の熱
処理を受けることになる。本発明では、この第2の熱処
理を800℃以上1100℃以下の最終到達温度にて行
い、また昇降温速度も前述の第1の熱処理の場合と同様
に設定することが特に好適である。これは、第2の熱処
理により新たな結晶欠陥が発生し、すでに形成されてい
るシリサイド膜から金属原子が基板中へ拡散して結果的
にシリサイド膜が不純物拡散層を突き抜けることを防止
するためである。
【0023】また、接続孔をプラグで上層配線材料で埋
め込む前には、シリサイド層の表面に成長した金属酸化
物やシリコン酸化物からなる混合酸化物を除去する必要
がある。本発明では不純物拡散層の表面に形成されたシ
リサイド層が極めて薄いため、この第2の前処理に際し
てはシリサイド層の表面に成長した酸化物膜を除去する
一方で、シリサイド層そのものを除去しないように細心
の注意を払う必要がある。この第2の前処理についても
前述した第1の前処理の場合と同様、1010/cm2
上のプラズマ密度を有する不活性ガス・プラズマの照
射、あるいはフッ素系エッチング種もしくは塩素系エッ
チング種の少なくとも一方を用いたケミカル・ドライエ
ッチングが有効である。
【0024】ところで、本発明でシリサイド層を形成た
めの金属膜として使用可能なものを例示すると、Ti
膜,V膜,Co膜,Ni膜,Zr膜,Mo膜,Ru膜,
Pd膜,Hf膜,Ta膜,W膜,Pt膜となる。これら
の各膜は単独で使用しても良いが、たとえばCo膜のよ
うに極めて酸化されやすい膜については、その表面にキ
ャッピング膜として他の金属膜や金属化合物膜と積層さ
れた形で使用しても良い。
【0025】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。実施例1 ここでは、本発明をCMOSプロセスに適用し、H2
2 を含む希フッ酸溶液でソース/ドレイン領域の自然酸
化膜を除去した後、該領域の表面にCoSi2層を形成
して低抵抗化を図ったプロセス例について、図1ないし
図9を参照しながら説明する。
【0026】図1は、PMOS形成領域にBF2 + のイ
オン注入を行い、LDD構造を有するPMOSが形成さ
れた状態を示している。ここまでのプロセスを簡単に説
明すると、まずSi基板1に公知の選択酸化分離法(L
OCOS)法によりフィールド酸化膜2(SiO2 )を
形成し、さらにNMOS形成領域にp型不純物をイオン
注入することにより、p型のウェル3を形成した。次
に、このフィールド酸化膜2により規定される素子形成
領域の全面をパイロジェニック酸化法により熱酸化し
て、厚さ約10nmのゲート酸化膜3を形成した。次
に、基体の全面に厚さ約140nmのW−ポリサイド膜
(polySi/WSix)を成膜し、この膜をパター
ニングしてゲート電極5を形成した。続いて、PMOS
形成領域にはBF2 + 、NMOS形成領域にはAs+
それぞれ低濃度にてイオン注入することにより、n-
のLDD領域6nとp- 型のLDD領域6pとをそれぞ
れ形成した。次に、厚さ約200nmのSiOx膜の全
面堆積、このSiOx膜のエッチバックによるサイドウ
ォール7の形成を行った。
【0027】さらに、この基体を酸化炉に搬入し、O2
流量4SLM,800℃,10分間の条件でチャネリン
グ防止膜8としてSiOx膜を約10nmの厚さに形成
した。レジスト・パターニングを行ってNMOS形成領
域をレジスト・パターン10で被覆した後、まずPMO
S形成領域に対し、BF2 + の高濃度イオン注入を行っ
た。このイオン注入の条件は、たとえばイオン加速エネ
ルギー40keV,ドース量3×1015/cm2 とし、
これによりp+ 型のソース/ドレイン領域9pを形成し
た。図1には、ここまでの工程が終了した状態が示され
ている。
【0028】次に、NMOSを形成するためのイオン注
入に先立ち、図2に示されるようにチャネリング防止膜
8を希フッ酸を用いて除去した。この段階でチャネリン
グ防止膜8を除去するのは、質量の大きいAs+ イオン
と共にチャネリング防止膜8中の酸素が基板へ打ち込ま
れるのを防止するためである。次にレジスト・パターニ
ングを行ってPMOS形成領域をレジスト・パターン1
1で被覆した後、As+ の高濃度イオン注入を行った。
このときのイオン注入条件は、たとえばイオン加速エネ
ルギー50keV,ドース量3×1015/cm2 とし、
これによりn+ 型のソース/ドレイン領域9nを形成し
た。
【0029】導入された不純物は、N2 雰囲気中におけ
る第1の熱処理で活性化させた。ここでは、ハロゲン・
ランプを備えたRTA装置を用い、100℃/秒の昇温
速度で室温から500℃まで昇温→10℃/秒の昇温速
度で最終到達温度1000℃まで昇温→1000℃で1
0秒間保持→10℃/秒の降温速度で500℃まで降温
→100℃/秒の降温速度で室温まで降温、といった昇
降温シーケンスにしたがって熱処理を行った。このシー
ケンスにより基板の熱応力の急激な変化が抑制され、基
板中における結晶欠陥の発生が抑制された。ソース/ド
レイン領域9n,9pの接合深さは、約120nmとな
った。
【0030】次に、第1の前処理として、H2 2 :H
2 O:HF=30:70:1の組成を有する30℃の希
フッ酸溶液中に基体を60秒間浸漬し、ソース/ドレイ
ン領域9n,9pの表面に成長している自然酸化膜を除
去した。この前処理の様子を、図3ないし図5に拡大し
て示す。これらの図面にはPMOSのソース/ドレイン
領域9pを図示するが、NMOSのソース/ドレイン領
域9nにおいても処理の様子は同じである。図3は、ソ
ース/ドレイン領域9pの表面に自然酸化膜20が成長
した状態を示している。この自然酸化膜20は、酸化シ
リコンの化学量論的組成SiO2 に近い組成SiOx
(x≒2)を有するが、その厚さは不均一であり、ソー
ス/ドレイン領域9pの表面に最大表面粗度Rmax を発
生させる原因となっている。ここで、上記自然酸化膜2
0とソース/ドレイン領域9pとの界面を酸化膜/基板
界面Qとする。また、上記の自然酸化膜20とソース/
ドレイン領域9pの界面近傍には、化学量論組成よりも
酸素リッチな組成SiOx(x<2)を有するサブオキ
サイド21が不均一に分布している。
【0031】この自然酸化膜20をH2 2 を含む希フ
ッ酸溶液を用いて除去すると、図4に示されるように、
途中で現れるソース/ドレイン領域9pやサブオキサイ
ド21の露出面の表面がH2 2 により酸化され、新た
な酸化層22が生成する。この酸化層22の組成は、酸
化シリコンの化学量論的組成SiO2 に近い組成SiO
xを有する。したがって、この第1の前処理では被エッ
チング面に常に酸化膜が存在する形でウェットエッチン
グが進行することになる。この結果、第1の前処理の終
了時には図5に示されるように、自然酸化膜20もサブ
オキサイド21も徹底的に除去される。また、破線で示
した当初の酸化膜/基板界面Qと比較して明らかなよう
に、本発明では基体表面の平坦性が向上し、その表面粗
度Rは酸化膜生成時の最大表面粗度Rmax よりも遥かに
減少した。
【0032】次に、マグネトロン・スパッタリングを行
い、図6に示されるように基体の全面にCo膜12を約
30nmの厚さに成膜した。このCo膜12はシリサイ
ド膜形成用の原料であり、成膜条件はたとえば、 ターゲット Co Ar流量 100 SCCM 圧力 0.47 Pa RFパワー 1 kW(13.56MHz) 基板温度 150 ℃ とした。
【0033】次に、ソース/ドレイン領域9n,9pの
表面を自己整合的にシリサイド化するための2段階RT
A(ラピッド・サーマル・アニール)を行った。すなわ
ちまず、図6に示される状態の基体をRTA装置に搬入
し、一例としてN2 流量5SLM,550℃,30秒間
の条件で1回目RTAを行った。この結果、図7に示さ
れるように、ゲート電極5の表面にCoSi2 層13
g、ソース/ドレイン領域9n,9pの表面にCoSi
2 層13sdがそれぞれ形成された。
【0034】次に、図8に示されるように、基体を一旦
硫酸過水(H2 SO4 /H2 2 混合水溶液)に浸漬し
て未反応Co膜12uを選択的に溶解除去した後、たと
えばN2 流量5SLM,750℃,30秒間の条件で2
回目RTAを行った。この結果、より安定な結晶構造を
有し抵抗の低いCoSi2 層13g,13sdが形成さ
れた。このCoSi2 層13g,13sdの厚さは、約
50nmであった。本発明では、ソース/ドレイン領域
9n,9pの不純物活性化条件が最適化され、基板中で
の結晶欠陥の発生が抑制されていること、Co膜12の
成膜に先立ちソース/ドレイン領域9n,9pの表面か
ら酸化膜が徹底的に除去されており、かつその表面粗度
Rが著しく低減されていることにより、均一性の極めて
高いCoSi2 層13g,13sdを形成することがで
きた。従来のようなCoSi2 スパイクによる接合の破
壊は、検出されなかった。
【0035】この後、図9に示されるように、基体の全
面を層間絶縁膜14(SiOx/BPSG)で被覆し
た。この層間絶縁膜14は、膜質に優れる厚さ約100
nmのSiOx膜と、リフロー特性に優れる厚さ約50
0nmのBPSG(ホウ素・リン・シリケート・ガラ
ス)膜とをこの順に成膜したものである。これらの膜の
成膜条件はたとえば、 (SiOx膜の成膜条件) CVD装置 LPCVD装置 SiH4 流量 30 SCCM O2 流量 540 SCCM 圧力 10.2 Pa 基板温度 400 ℃ (BPSG膜の成膜条件) CVD装置 常圧CVD装置 TEOS流量 50 SCCM O3 流量 500 SCCM トリメチルリン酸 50 SCCM トリメチルホウ酸 50 SCCM 圧力 40 Pa 基板温度 720 ℃ のとおりとした。
【0036】次に、レジスト・パターニングを行って図
示されないレジスト・パターンを形成し、これをマスク
として上記層間絶縁膜14をドライエッチングし、ソー
ス/ドレイン領域9n,9pに臨むコンタクトホール1
5n,15pを開口した。このときのエッチング条件
は、一例として下記のとおりとした。 エッチング装置 マグネトロンRIE装置 C4 8 流量 30 SCCM 圧力 2 Pa RFパワー 1200 W(13.56 MHz) 基板温度 25℃ オーバーエッチング率 50%
【0037】次に、上記コンタクトホール15n,15
pを介してコンタクト・イオン注入を行った。PMOS
形成領域についてはBF2 + をイオン加速エネルギー5
0keV,ドース量3×1015/cm2 の条件で、また
NMOS形成領域についてはAs+ をイオン加速エネル
ギー50keV,ドース量3×1015/cm2 の条件で
それぞれイオン注入した。導入された不純物は、N2
囲気中における第2の熱処理で活性化させた。ここで
は、ハロゲン・ランプを備えたRTA装置を用い、10
0℃/秒の昇温速度で室温から500℃まで昇温→10
℃/秒の昇温速度で最終到達温度850℃まで昇温→8
50℃で30秒間保持→10℃/秒の降温速度で500
℃まで降温→100℃/秒の降温速度で室温まで降温、
といった昇降温シーケンスにしたがって熱処理を行っ
た。このシーケンスにより基板の熱応力の急激な変化が
抑制され、基板中における結晶欠陥の発生が抑制され
た。
【0038】次に、プラグ形成前の第2の前処理とし
て、基体を硫酸過水に浸漬し、さらにArガスを用いた
逆スパッタリングを行うことにより、コンタクト・ホー
ル15n,15p底面の混合酸化物を除去した。この場
合の混合酸化物とは、CoSi2 層13sdの表面に成
長したSiOxやCoOxを含むものである。
【0039】この後は、常法にしたがい、図10に示さ
れるようなプラグ16と上層配線17の形成を行った。
まず、スパッタ成膜されたTi/TiN系密着膜とブラ
ンケットW−CVDにより成膜されたW膜とをエッチバ
ックすることにより、プラグ16を形成した。これらの
各プロセスの条件は、一例として (Ti膜の成膜条件) 装置 マグネトロン・スパッタリング装置 ターゲット Ti Ar流量 100 SCCM 圧力 0.47 Pa RFパワー 8 kW(13.56MHz) 基板温度 150 ℃ 膜厚 10 nm (TiN膜の成膜条件) 装置 マグネトロン・スパッタリング装置 ターゲット Ti Ar流量 40 SCCM N2 流量 20 SCCM 圧力 0.47 Pa RFパワー 5 kW(13.56MHz) 基板温度 150 ℃ 膜厚 70 nm (W膜の成膜条件) 装置 LPCVD装置 WF6 流量 75 SCCM Ar流量 2200 SCCM N2 流量 300 SCCM H2 流量 500 SCCM 圧力 10640 Pa 基板温度 450 ℃ 膜厚 400 nm (W膜とTi/TiN膜のエッチバック条件) 装置 平行平板型RIE装置 SF6 流量 50 SCCM 圧力 1.33 Pa RFパワー 150 W(13.56 MHz) 基板温度 25 ℃ とした。
【0040】一方の上記配線17は、Tiバリヤメタル
とAl−1%Si膜の積層膜をパターニングすることに
より形成されている。各プロセスの条件は、たとえば、 (Tiバリヤメタルの成膜条件) 装置 マグネトロン・スパッタリング装置 ターゲット Ti Ar流量 100 SCCM 圧力 0.47 Pa RFパワー 4 kW(13.56 MHz) 基板温度 150 ℃ 膜厚 30 nm (Al−1%Si膜の成膜条件) 装置 マグネトロン・スパッタリング装置 ターゲット Al−1%Si Ar流量 50 SCCM 圧力 0.47 Pa RFパワー 22.5 kW(13.56 MHz) 基板温度 150 ℃ 膜厚 500 nm (Al−1%膜とTi膜のドライエッチング条件) 装置 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置 BCl3 60 SCCM Cl2 90 SCCM 圧力 0.016 Pa マイクロ波パワー 1000 W(2.45 GHz) RFバイアス・パワー 50 W(800 kHz) 基板温度 25℃ とした。
【0041】以上のようにして作成されたCMOSは、
動作周波数fが高く、またリーク電流が極めて少なく、
良好なデバイス特性を有することが確認された。
【0042】実施例2 上述の第1の前処理は、HNO3 /H2 O/HF=40
0:200:200の組成を有する希フッ酸溶液を用い
ても行うことができる。本実施例では、30℃の上記希
フッ酸溶液に基体を60秒間浸漬し、ソース/ドレイン
領域9n,9pの表面に成長している自然酸化膜を十分
に除去することができた。この結果、後工程では優れた
均一性を有するCoSi2 層13g,13sdを形成す
ることができた。
【0043】実施例3 本実施例では、第1の前処理として誘導結合プラズマ装
置内でArガス・プラズマ照射を行った。処理条件は、
一例として下記のとおりとした。 Arガス流量 20 SCCM 圧力 0.06 Pa RFパワー 1000 W(13.56MHz) DCバイアス電圧 100 V エッチング量 5 nm 本実施例の第1の前処理は、実施例1や実施例2とは異
なりドライ処理であるため、前処理終了値は基板をマグ
ネトロン・スパッタリング装置へ真空搬送し、Co膜1
2を成膜することができる。すなわち、前処理からCo
膜12の成膜までの間に基板を大気開放しないことが可
能となるので、自然酸化膜の再成長を極めて効果的に防
止することができた。
【0044】実施例4 本実施例では、第1の前処理としてClF3 ガスを用い
たケミカル・ドライエッチングを行った。処理条件は、
一例として下記のとおりとした。 ClF3 ガス流量 100 SCCM 圧力 50 Pa マイクロ波パワー 1000 W(2.45 GHz) エッチング量 5 nm 上記第1の前処理を終了後は、基板をマグネトロン・ス
パッタリング装置へ真空搬送し、Co膜12を成膜し
た。
【0045】実施例5 本実施例では、接続孔15n,15pをプラグ16で埋
め込む前の第2の前処理として、HFガスを用いたケミ
カル・ドライエッチングを行った。処理条件は、一例と
して下記のとおりとした。 HFガス流量 100 SCCM 圧力 50 Pa マイクロ波パワー 1000 W(2.45 GHz) エッチング量 5 nm 上述のように穏やかな条件で前処理を行うことにより、
CoSi2 層13sd層の表面に成長した混合酸化物が
除去されたが、CoSi2 層13sd自身はほとんど除
去されず、また、基板へのダメージも回避された。
【0046】以上、本発明を5例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、サンプルとして用いた基体の
構造や構成材料や各部の寸法、および成膜,エッチン
グ,前処理,熱処理等の各操作条件の細部については、
適宜変更や選択を行うことが可能である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、接合深さの極めて浅い不純物拡散層の上で
その表面状態に極めて敏感な金属膜を用いてシリサイド
化を行う場合にも、十分に低い抵抗率を有し、かつ膜圧
が均一で接合破壊を起こす虞れのないシリサイド層を形
成することができる。したがって本発明は、微細なデザ
イン・ルールにもとづいて製造される半導体装置の高集
積化、高性能化、高歩留り化に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をCMOSの製造に適用したプロセス例
において、p型不純物のイオン注入によりLDD構造を
有するPMOSを形成した状態を示す模式的断面図であ
る。
【図2】図1の基体に対するn型不純物のイオン注入に
よりLDD構造を有するNMOSを形成した状態を示す
模式的断面図である。
【図3】図2のソース/ドレイン領域の表面に自然酸化
膜が成長した状態を拡大して示す模式的断面図である。
【図4】図3のソース/ドレイン領域の露出面に酸化層
を生成させながら自然酸化膜を除去している状態を示す
模式的断面図である。
【図5】自然酸化膜を除去し、かつソース/ドレイン領
域の表面粗度を減じた状態を示す模式的断面図である。
【図6】図2の基体の全面にCo膜を成膜した状態を示
す模式的断面図である。
【図7】図6の基体に対してシリサイド化アニールを行
い、ソース/ドレイン領域とゲート電極の表層部にCo
Si2 層を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図8】図7の未反応Co膜を除去した状態を示す模式
的断面図である。
【図9】図8の基体上で層間絶縁膜の成膜、コンタクト
・ホールの開口、およびコンタクト・イオン注入を行っ
ている状態を示す模式的断面図である。
【図10】図9のコンタクト・ホールをプラグで埋め込
み、このプラグに接続する上層配線を形成した状態を示
す模式的断面図である。
【図11】従来プロセスにおいて不純物拡散層の表面に
自然酸化膜が成長した状態を示す模式的断面図である。
【図12】図11の自然酸化膜を希フッ酸処理で除去
し、サブオキサイドが残存した状態を示す模式的断面図
である。
【図13】図12の基体の表面にCo膜を成膜した状態
を示す模式的断面図である。
【図14】図13の基体にWに対してシリサイド化アニ
ールを行った結果、CoSi2 スパイクが発生して接合
が破壊された状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1…Si基板 3…ウェル 5…ゲート電極 9n,9
p…ソース/ドレイン領域 12…Co膜 12u…未
反応Co膜 13g…CoSi2 層(ゲート電極上)
13sd…CoSi2 層(ソース/ドレイン領域上)
14…層間絶縁膜 15n,15p…コンタクト・ホール 20…自然酸化
膜(SiOx;x≒2) 21…サブオキサイド(Si
Ox;x<2) 22…SiOx層(SiOx;x≒
2)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン系材料層の表層部を自己整合的
    にシリサイド化する半導体装置の製造方法であって、 前記シリコン系材料層の表層部に成長したシリコン酸化
    膜を除去するための第1の前処理を行い、該シリコン系
    材料層の最終的な表面粗度をシリコン酸化膜成長時の表
    面粗度と等しいか、もしくはこれよりも小とする第1工
    程と、 前記シリコン系材料層の表面を金属膜で被覆する第2工
    程と、 熱処理を行い、前記金属膜と前記シリコン系材料層の表
    層部とを反応させてシリサイド層を形成する第3工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の前処理を、酸化剤を含むフッ
    酸溶液を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の半
    導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の前処理を、1010/cm2
    上のプラズマ密度を有する不活性ガス・プラズマの照射
    により行うことを特徴とする請求項1記載の半導体装置
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の前処理を、フッ素系エッチン
    グ種もしくは塩素系エッチング種の少なくとも一方を用
    いるケミカル・ドライエッチングにより行うことを特徴
    とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリサイド化される前記シリコン系材料
    層の表層部には不純物拡散層が予め形成され、前記シリ
    サイド層が該不純物拡散層の表層部に形成されることを
    特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記不純物拡散層に導入された不純物
    が、800℃以上1000℃以下の最終到達温度におけ
    る第1の熱処理により予め活性化されていることを特徴
    とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の熱処理における昇降温速度
    を、使用される熱源の最大発熱温度より低い温度域では
    相対的に速く、該最大発熱温度以上の温度域では相対的
    に遅く設定することを特徴とする請求項6記載の半導体
    装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第3工程の後に前記金属膜の未反応
    部分を除去する第4工程と、 基体の全面を絶縁膜で被覆する第5工程と、 前記シリサイド層に臨む接続孔を前記絶縁膜に開口する
    第6工程と、 前記シリサイド層の露出面に成長した混合酸化物を除去
    するための第2の前処理を行う第7工程と、 前記接続孔を上層配線材料で埋め込む第8工程とを有す
    ることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記第2の前処理を、1010/cm2
    上のプラズマ密度を有する不活性ガスのプラズマの照射
    により行うことを特徴とする請求項8記載の半導体装置
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第2の前処理を、フッ素系エッチ
    ング種もしくは塩素系エッチング種の少なくとも一方を
    用いるケミカル・ドライエッチングにより行うことを特
    徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第6工程と前記第7工程との間
    で、前記不純物拡散層の不純物濃度を補うための不純物
    を前記接続孔の底面より導入し、該不純物を活性化させ
    るための第2の熱処理を行うことを特徴とする請求項8
    記載の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の熱処理を、800℃以上1
    100℃以下の最終到達温度にて行うことを特徴とする
    請求項11記載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の熱処理における昇降温速度
    を、使用される熱源の最大発熱温度より低い温度域では
    相対的に速く、該最大発熱温度以上の温度域では相対的
    に遅く設定することを特徴とする請求項11記載の半導
    体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記不純物拡散層がMOSトランジス
    タのソース/ドレイン領域であることを特徴とする請求
    項1記載の半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記金属膜がTi,V,Co,Ni,
    Zr,Mo,Ru,Pd,Hf,Ta,W,Ptから選
    ばれる少なくともいずれかの金属よりなる膜であること
    を特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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