[go: up one dir, main page]

JPH10265857A - 高品質焼結鉱 - Google Patents

高品質焼結鉱

Info

Publication number
JPH10265857A
JPH10265857A JP7180997A JP7180997A JPH10265857A JP H10265857 A JPH10265857 A JP H10265857A JP 7180997 A JP7180997 A JP 7180997A JP 7180997 A JP7180997 A JP 7180997A JP H10265857 A JPH10265857 A JP H10265857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered ore
area
sinter
ore
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7180997A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Noda
英俊 野田
Shoichi Mutsukawa
庄一 六川
Koichi Ichikawa
孝一 市川
Noboru Sakamoto
登 坂本
Hideaki Sato
秀明 佐藤
Takashi Watanabe
隆志 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP7180997A priority Critical patent/JPH10265857A/ja
Publication of JPH10265857A publication Critical patent/JPH10265857A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被還元性と耐還元粉化性とのいずれにも優れ
た焼結鉱を開発する。 【解決手段】 SiO2 含有率が5wt.%以下、そしてC
aO(wt.%)/SiO2(wt.%)で表わされた塩基度が
1.0〜3.0の範囲内にある化学成分を有し、式:
(ヘマタイト相量(面積%))/(マグネタイト相量
(面積%))≦0.5を満たす平均構成鉱物組織を有
し、且つ、15面積%以上の平均含有気孔率を有する焼
結鉱を製造する。10〜100μmの仮想直径を有する
開気孔の焼結鉱中占有体積の、全開気孔の焼結鉱中占有
体積に対する割合が、30%以上にする。化学分析によ
るスラグ含有率が12wt.%以下とする。 【効果】 鉄鉱石原料及び副原料の特殊な調達や調整を
することなく、更に、高炉の燃料比低減、スラグ比低
減、及び超高PCIの安定操業を行ないつつ、RI及び
RDIの優れた焼結鉱を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被還元性及び耐
還元粉化性のいずれにも優れた品質特性を有する高品質
焼結鉱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉原料として使用される焼結鉱は、一
般に以下に述べる方法により製造される。先ず、本船か
ら荷揚げされた鉄鉱石を銘柄毎に粉鉱ヤードに山積みす
る。この後、山積みされた各種粉鉱石、含CaO副原
料、含SiO2 副原料、焼結ダスト及び炭材等を、予め
設定している割合でベッディング法により混合し、ブレ
ンディング粉とする。このブレンディング粉と石灰石、
生石灰、珪石及び/又は蛇紋岩、粉コークス及び/又は
無煙炭、並びに返鉱、また場合によっては更に単味の鉱
石等の各原料を、それぞれの配合槽に入れ、各配合槽か
ら所定量の原料・副原料を連続的に切り出す。これらの
原料・副原料に、更に、適量の水分を加えて混合し、造
粒する。
【0003】このようにして造粒された焼結原料、即ち
擬似粒子をホッパーから無端移動グレート式焼結機(ド
ワイトロイド式焼結機)のパレット上に連続的に、高さ
500〜700mm程度の層状に供給する。次いで、点
火炉にて表層部の炭材に点火し、下方に向けて強制的に
空気を吸引しながら炭材を燃焼させる。この時発生する
燃焼熱によって前記擬似粒子を焼結し、塊成化する。
【0004】こうして製造された焼結ケーキを冷却後、
破砕し、整粒して3〜5mm以上の粒子が成品焼結鉱と
して高炉に装入される。破砕・整粒過程で発生した3〜
5mm以下の粉焼結鉱は、返鉱として再び焼結原料の一
部として使用される。
【0005】一方、焼結鉱の品質特性としては、冷間強
度、被還元性及び耐還元粉化性等が特に重要であり、高
炉の安定且つ高効率操業に大きな影響を及ぼすので、厳
しく管理されている。上記特性の評価方法として、冷間
強度はJIS法タンブラー強度(TI)やJIS法落下
強度(SI)等、被還元性はJIS還元率(RI)、そ
して耐還元粉化性は日本鉄鋼協会・製銑部会法の還元粉
化指数(RDI)が用いられる。また、焼結鉱の製造コ
スト面からは、炭材、ガス及び電力等の消費エネルギー
原単位が低く、且つ高生産率、高歩留が要求される。更
に、最近では、環境及び省エネルギーへの対応から、高
炉で発生する副産物のスラグを極力減らすことが要請さ
れている。このような背景から、これら品質並びに生産
率及び歩留等を改善するための技術が多数提案されてい
る。
【0006】一般に、焼結鉱のRIや高温性状(高温荷
重軟化性状等)を改善する方法としては、焼結鉱中のス
ラグ含有率を減らすこと、従って、SiO2 含有率を減
らすことが効果的であることが知られている。しかしな
がら、その場合には冷間強度、歩留及びRDIが悪化す
るという、互いに相反する影響が現われる。従って、R
Iや高温性状を改善して高品質焼結鉱を製造するために
は多くの困難な課題を解決しなければならない。また、
更に近年の高炉高PCI(微粉炭吹込み)操業技術の発
達の中で、特に高炉炉下部での通気性、通液性ひいては
安定操業の達成にスラグ量の少ない低SiO2 焼結鉱が
必要不可欠な原料として注目されつつある。
【0007】低SiO2 による品質改善を狙った技術と
して、例えば、特公昭58−1180号公報は、焼結鉱
中に添加する珪石を1mm未満に粒度調整することによ
り、生産率を低下させずに焼結鉱中のSiO2 を低減す
る方法(先行技術1)を開示している。しかしながら、
先行技術1では、珪石や石灰石等の造滓原料を微粉砕し
なければならなず、粉砕によるコストアップは避けられ
ない。更に、所詮、造滓材として珪石を添加することを
前提にしているので、鉱石中脈石から入ってくるSiO
2 以外は積極的に添加しないという、SiO2 源無添加
による極低SiO2 の焼結鉱製造には不適切な技術であ
る。
【0008】特公昭52−721号公報には、擬似粒子
の調製原料としてNi製錬時に発生する微粉Niスラグ
を添加することにより、低SiO2 化によるRDIの悪
化を抑制しようとする方法(先行技術2)が開示されて
いる。しかしながら、この方法においても、本来不要な
造滓材を調達し、所定の形態・粒度に調整してから添加
しなければならない。
【0009】また、特開平5−59972号公報は、ゲ
ーサイトを含む多孔質低SiO2 鉱石と、含CaO副原
料との特殊な調整により、低SiO2 焼結鉱を製造する
技術(先行技術3)を開示している。しかしながら、こ
の技術におけるように、特定の鉱石銘柄を使用し長期的
に安定した操業を行なうことは、鉱石需給上困難であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、焼結
操業を悪化させずにRI及びRDIを改善しようとする
場合、先行技術では、特殊な原料及び副原料を調達し、
それらを予備処理その他特別な工程で調整をしなければ
ならないという問題があり、汎用性のある抜本的な改善
技術であるとは言いがたい。
【0011】この発明の目的は、上述した鉄鉱石原料及
び副原料の特別な調達及び調整を行うことなく、焼結鉱
中SiO2 含有量が5wt.%以下であって、且つ被還元性
及び耐還元粉化性のいずれにおいても優れた高品質焼結
鉱を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、高品質焼結鉱を開発するに当たり下記点に着
眼した。
【0013】高炉内における焼結鉱の耐還元粉化性を
向上させるために、焼結鉱中のヘマタイトが500〜6
00℃の温度域で還元されてマグネタイトに相変化する
際の体積膨張を抑制する。そのために、焼結鉱中のヘマ
タイト相量を減らし、マグネタイト相量を増やすこと。
【0014】上記においてマグネタイト相量を増や
すことにより、焼結鉱の被還元性が低下するのでこれを
防止するにとどまらず、更に積極的に被還元性を向上さ
せるために、焼結鉱中の含有気孔率を適切な値以上に増
やすこと。更に望ましくは、含有気孔の大きさ分布を最
適な範囲内に調整すること。
【0015】そして、被還元性を一層高めるために、
焼結鉱中のスラグ量を更に減らすこと。この発明は、上
記着眼点に基づき鋭意研究を重ねた。その結果、特に著
しい特徴として、ヘマタイト相量とマグネタイト相量と
の比の値と、含有気孔率とのそれぞれに対して適切な範
囲を与えることにより、耐還元粉化性と被還元性との両
方共に優れた高品質焼結鉱が得られることを知見した。
この発明は上記知見に基づきなされたものである。
【0016】請求項1記載の高品質焼結鉱は、SiO2
含有率が5wt.%以下、そしてCaO(wt.%)/SiO2
(wt.%)で表わされた塩基度が1.0〜3.0の範囲内
にある化学成分を有し、式:(ヘマタイト相量(面積
%)/(マグネタイト相量(面積%)≦0.5を満たす
平均構成鉱物組織を有し、且つ、15面積%以上の平均
含有気孔率を有することに特徴を有するものである。
【0017】請求項2記載の高品質焼結鉱は、請求項1
記載の焼結鉱の特徴に、更に、10〜100μmの仮想
直径を有する開気孔の焼結鉱中占有体積の、全開気孔の
焼結鉱中占有体積に対する割合が、30%以上であるよ
うな気孔の大きさ分布をしていることを付加したことに
特徴を有するものである。
【0018】請求項3記載の高品質焼結鉱は、請求項1
及び2記載の焼結鉱の特徴に、更に、化学成分分析に基
づくスラグ含有率が12wt.%以下であることを付加した
ことに特徴を有するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態の例
を説明する。始めに、製造方法について説明する。
【0020】図1に、この発明の焼結鉱の製造フロー例
の概略図を示す。原料として、山積みされた各種鉄鉱石
(粉鉱石)1a、・・・、1n、石灰石2及び生石灰
3、返鉱4、珪石5、並びに粉コークス6(但し、粉コ
ークスを内装する場合に限る)のそれぞれを切り出し、
計量器7で秤量し、所定の配合割合の原料を、一次ミキ
サーに装入する。ここで、水分8’を添加して調湿・混
合する。調湿・混合された配合原料を二次ミキサー9又
はペレタイザー10で造粒して、擬似粒子を調製する。
なお、粉コークスを擬似粒子に外装する場合は、引き続
きコーティングミキサー11で粉コークス6’を外装す
る。次いで、平均粒径2〜8mm程度の造粒物を焼結機
12に装入する。焼結機12に装入された造粒物の上表
面に点火し、下方吸引により焼成を進行させて焼結鉱を
製造する。
【0021】上記焼結鉱の製造過程において、SiO2
含有率を5wt.%以下に、CaO(wt.%)/SiO2 (w
t.%)で表わされる塩基度を1.0〜3.0の範囲内
に、またスラグ含有率を12wt.%以下に調整する方法
は、珪石等副原料及び鉄鉱石中の脈石成分とそれら原料
の配合割合とを用いた常法により調整する。
【0022】焼成過程において、焼結鉱中のマグネタイ
ト相量を増加させ、ヘマタイト相量とマグネタイト相量
との比を面積%で0.5%以下に調整するために、還元
ガス13を焼成炉(焼結機12の一部。図示せず)上部
より吹き込む。また、マグネタイト相量を確保するため
には、磁鉄鉱系鉱石の配合、ミルスケールのようにFe
Oを多量に含む高FeO原料の配合、あるいは燃料用粉
コークスの増配合を行なうことも効果的である。但し、
粉コークスを増配合した場合、焼結層内で過剰な融液生
成が生じ安く、所定の気孔率を確保することが困難とな
る傾向がある。そこで、本発明品の製造においては、平
均含有気孔率を15面積%以上に確保するため、添加粉
コークス量を極力少なくし、42kg/ton−成品以
下に制限するのが望ましい。
【0023】また、全開気孔の体積中、10〜100μ
mの仮想直径を有する開気孔の体積和の割合を増加させ
るためには、準備された各種鉄鉱石の内、水分等ガス発
生成分含有率の高いものを増配合すること、SiO2
有率を下げること、スラグ含有率を下げること、及び粉
コークス配合量を下げることを適宜組み合わせた原料配
合にする。
【0024】上述した製造方法により、この発明の高品
質焼結鉱が製造される。この発明において、焼結鉱の化
学成分、平均鉱物組織、及び平均含有気孔率等を上述し
た通りに限定した理由について、以下に述べる。
【0025】(1)SiO2 含有率≦5wt.% 高炉で発生する副産物であるスラグの量に関して、特に
最近、環境保全及び省エネルギーの観点から、更に高炉
メーカーへ供給される粉鉱石中の脈石含有率の低下傾向
に対処するため、焼結鉱に含有されるスラグ量を極力減
らすことが望まれる。これに応えるためには、焼結鉱の
塩基度を所定範囲内に保持することを前提条件として、
焼結鉱のSiO2 含有率を減らすことが必要である。ま
た、焼結鉱中のSiO2 はスラグ融液量を増大させ、特
に被還元性を低下させる。従って、焼結鉱中のSiO2
含有率は5wt.%以下に制限する。更に望ましくは4.5
wt.%以下にするのがよい。このようにSiO2 含有率を
低くすることは、還元雰囲気下でファイアライト(2F
eO・SiO2 )のような難還元物質の発生を抑制する
効果もある。なお、SiO2 含有率の下限値は、使用主
原料、副原料の種類に依存するが、基本的には塩基度及
びスラグ含有率を決めるとそれに連動して定まる。塩基
度については次項に述べる通り1.0〜3.0の範囲内
にし、また、スラグ含有率については常用の焼結鉱の塩
基度の範囲内、例えば、5〜20wt.%程度にするのが適
切である。
【0026】(2)塩基度:CaO(wt.%)/SiO2
(wt.%)=1.0〜3.0 焼結鉱の強度を確保するためには塩基度を大きくするこ
とが効果的である。しかしながら、塩基度を大きくし過
ぎると、主としてヤードストック時に粉化する、所謂耐
候性が劣化する。そこで、焼結鉱の強度を確保し、高炉
装入物として実用的な焼結鉱の塩基度として、1.0〜
3.0の範囲内に限定すべきである。
【0027】(3)ヘマタイト相量(面積%)/マグネ
タイト相量(面積%)≦0.5を満たす平均構成鉱物組
織を有すること。この条件は、本発明において最も重要
な二つ要件の内の一つである。焼結鉱の耐還元粉化性を
向上させるためには、焼結鉱を構成する鉱物組織におい
て、ヘマタイト相の含有率を低くし、マグネタイト含有
率を高くすることが効果的である。しかしながら、含有
気孔率を多数視野で測定した結果の平均値(平均含有気
孔率)の面積%が、15%未満では、900℃前後にお
ける焼結鉱の被還元性を高水準に改善するのには不十分
である。しかしながら、鉱物組織を十分多数の視野で観
察・測定したときのヘマタイト相量とマグネタイト相量
との面積%比の平均値(平均構成鉱物組織)が0.5を
超えると、500〜600℃の温度域における耐還元粉
化性を高水準に改善するのには不十分となる。
【0028】一方、ヘマタイト相量とマグネタイト相量
との面積%比を小さくするほど、上記耐還元粉化性は向
上する。しかしながら、この値を小さくし過ぎると、マ
グネタイト相量の増加による被還元性の低下を抑止する
ための、本発明におけるもう一つの重要な手段である含
有気孔率の増加・維持を、その上限を超えて大きくしな
ければならなくなる。なぜならば、焼結鉱の含有気孔率
は、面積%で50%程度以上になると実用上焼結鉱の強
度が不足するからである。こうした理由より、被還元性
を高水準に維持するためには、ヘマタイト相量とマグネ
タイト相量との面積%比を0.1程度以上に限定するこ
とが望ましい。
【0029】以上により、本発明の焼結鉱は、平均構成
鉱物組織に関して、ヘマタイト相量とマグネタイト相量
との面積%の比が、0.5以下に調整されたものに限定
すべきである。
【0030】(4)平均含有気孔率(面積%)≧15% この条件は、本発明において最も重要な二つの要件の内
の他の一つの要件である。焼結鉱の被還元性を向上させ
るためには、焼結鉱単位重量当たりの焼結鉱表面に開孔
した開気孔の含有率を高くする方がよい。開気孔率と平
面による切断面上に現れた面積%による気孔率とは一定
の相関関係にある。従って、本発明においては測定の便
宜上より、開気孔率の代わりに、面積%による気孔率を
採用した。 焼結鉱の被還元性を向上させるためには、
焼結鉱の任意の断面上における気孔率(含有気孔率)を
大きくすると効果的である。しかしながら、含有気孔率
を多数の視野での測定結果の平均値(平均含有気孔率)
の面積%が、15%未満では、900℃前後における焼
結鉱の被還元性を高水準に改善するのには不十分であ
る。
【0031】一方、含有気孔率を大きくするほど、上記
被還元性は向上する。しかしながら、この値を大きくし
過ぎると、上記(3)項の中で述べたように、実用上焼
結鉱の強度が不足する。実用上焼結鉱に十分な強度を保
持させるためには、焼結鉱の含有気孔率を面積%で50
%程度以下にすることが望ましい。
【0032】以上により、本発明の焼結鉱は、平均含有
気孔率(面積%)が15%以上に調整されたものに限定
すべきである。なお、上記説明において、焼結鉱の鉱物
組織の構成割合に関し、ヘマタイト相量及びマグネタイ
ト相量を面積%で表示し、また、含有気孔率についても
面積%で表示した。これは、焼結鉱の平面による切断面
上で測定される面積%で定義するものである。このよう
に定義した理由は、上記各量を精度よく測定できる方法
として現状では、例えば、画像処理による方法で面積%
を求めるのが優れているからである。一方、面積%を幾
何学的に体積%に換算することは公知の算定式で可能で
ある。従って、本発明における上記各面積%は、精度よ
く測定可能な方法を用いれば、体積%に換算した場合に
も有効なものである。
【0033】(5)10〜100μmの仮想直径を有す
る開気孔の体積和の、全開気孔の体積和に占める割合が
30%以上であること。高炉内における焼結鉱の被還元
反応は、高炉内還元ガスと焼結鉱の露出表面との接触及
び焼結鉱内部へのガス拡散とによって行なわれる。上記
反応は主に上記接触界面積に依存する。従って、開気孔
率は高いほど、焼結鉱の被還元性はよくなる。しかしな
がら、開気孔の入口径が小さ過ぎると、焼結鉱の搬送過
程や高炉内での荷重により開気孔の入口が閉塞する。開
気孔の入口径は仮想直径に比例すると考えることができ
る。ここで、開気孔の仮想直径とは、当該開気孔の体積
を球体の体積と仮定した場合に、その球体の直径を指す
ものと定義する。仮想直径は、例えば、市販の水銀圧入
式ポロシメーターを用いて測定することができる。本発
明者等の実験結果によれば、開気孔率が一定の場合、焼
結鉱の被還元性は、全開気孔の体積和に占める仮想直径
が10〜100μmの開気孔の体積和の割合が増加する
と向上することがわかった。そして、その割合が30%
以上になると被還元性が著しく向上する。また、仮想直
径が10〜100μmの開気孔の体積割合が多くなり過
ぎて焼結鉱の強度低下が問題となることはないので、上
限を設ける必要はない。
【0034】(6)スラグ含有率≦12wt.% この発明において、焼結鉱のスラグ含有率とは化学成分
分析に基づくFe酸化物及びFe以外の成分の総計をい
い、画像処理に基づくスラグの割合ではない。焼結鉱中
のスラグ含有率を少なくすると被還元性が向上し、12
wt.%以下にすると被還元性が一層向上する。従って、本
発明の焼結鉱の品質は一層向上する。なお、スラグ含有
率を少なくし過ぎると、強度低下が問題となる。従っ
て、強度低下が問題とならない程度、例えば、5wt.%程
度のスラグを確保することが望ましい。
【0035】
【実施例】次に、この発明の高品質焼結鉱を、実施例に
よって更に詳細に説明する。図1に示した焼結鉱の製造
フローに従い、本発明の範囲内の焼結鉱(実施例1〜
6)、及び本発明の範囲外の焼結鉱(従来法及び比較例
1〜5)を製造した。但し、粉コークスは擬似粒子に内
装した。
【0036】表1及び2に、それぞれ各実施例並びに従
来法及び各比較例の原料配合を示し、使用した各鉄鉱石
の成分組成を表3に示す。上記原料配合により、表1及
び2に併記したように、焼結鉱のSiO2 含有率の目標
値を、実施例では、3.0〜5.0の間の各種値に設定
し、従来法及び比較例では、4.2〜5.5の間の各種
値に設定した。一方、塩基度(CaO/SiO2 )の目
標値は、実施例並びに従来法及び比較例のすべてについ
て、2.0の一定値とした。また、鉄鉱石中の水分含有
率を考慮した鉄鉱石の配合量、及び粉コークス配合量に
より、実施例では、焼結鉱の気孔率の目標値を15面積
%以上の各種値にし、開気孔の仮想直径が比較的小さい
ものの割合をある程度高い値に確保するよう配慮した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】一方、焼結鉱の試験製造工程において、実
施例の場合には、焼成過程において還元ガスを焼成炉上
部より吹き込むことにより、擬似粒子中のヘマタイト相
の一部をマグネタイトに還元した。表4に、使用した還
元ガスの成分組成及び吹込み条件を示す。これに対し
て、従来法及び比較例の場合には、焼成過程における還
元ガス吹込みは行なわなかった。
【0041】
【表4】
【0042】以上の製造条件により得られたそれぞれの
焼結鉱について、SiO2 含有率、塩基度(CaO/S
iO2 (wt.% 比率))、ヘマタイト相とマグネタイト
相との鉱物組織の構成比率、含有気孔率、気孔径の分
布、及びスラグ含有率を試験した。
【0043】ヘマタイト相とマグネタイト相との鉱物組
織の構成比率は、焼結鉱の切断研磨面を反射顕微鏡で鉱
物組織を観察し、ヘマタイト相及びマグネタイト相を同
定し、それに基づき画像処理により両組織相の定量分析
を行ない、(ヘマタイト相量(面積%))/(マグネタ
イト相量(面積%))を求め、その比の値で表わした。
【0044】含有気孔率の測定は、焼結鉱の切断研磨面
の画像処理により行なった。画像処理は、研磨面上で1
箇所当たり100μm平方の面積を任意の1000箇所
について測定し、平均含有気孔率を求め、面積%で表わ
した。
【0045】気孔径の分布測定は、市販の水銀圧入式ポ
ロシメーターを用い、負荷された水銀圧力に依存して定
まる開気孔の仮想直径と、その時開気孔内に圧入された
水銀量とから、所定範囲内の仮想直径を有する開気孔の
焼結鉱中占有体積の、全開気孔の焼結鉱中占有体積に対
する割合を求め、%で表わした。
【0046】表5及び6に、それぞれ実施例並びに従来
法及び比較例についての上記各測定結果を示す。また、
表7及び8に、それぞれ実施例並びに従来法及び比較例
の各焼結鉱の化学分析結果を示す。
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】表6からわかるように、従来法及び比較例
1〜5では、SiO2 含有率、(ヘマタイト相量(面積
%))/(マグネタイト相量(面積%))、及び平均含
有気孔率の内、少なくとも一つが本発明の範囲を外れて
いる。これに対して、表5からわかるように、実施例1
〜6はいずれも、本発明の請求項1の条件を満たし、実
施例4〜6は請求項2の条件を満たし、そして実施例5
及び6は請求項3の条件を満たしている。
【0052】図2及び3に、それぞれ各実施例並びに従
来法及び各比較例についての、代表的な操業成績結果
(生産率、及び成品歩留)、並びに、焼結鉱の強度特性
(TI +10 )、被還元性(JIS−RI)及び耐還元粉
化性(RDI)の試験結果を示す。
【0053】図2及び3から、下記事項がわかる。 本発明の範囲外である従来法及び比較例はいずれにお
いても、焼結鉱の被還元性と耐還元粉化性との内、少な
くとも一つにおいて劣っており、両方共にすぐれている
ものはない。
【0054】これに対して本発明の焼結鉱は、焼結鉱
の強度特性、被還元性及び耐還元粉化性のいずれにおい
ても優れている。しかも、生産率及び成品歩留について
もすぐれている。即ち、実施例の焼結鉱の製造において
は、操業が高位に安定するとともに、品質の優れた成品
が得られることがわかる。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
鉄鉱石原料及び副原料の特殊な調達や調整をすることな
く、更に、高炉の燃料比低減、スラグ比低減、及び超高
PCIの安定操業を行ないつつ、RI及びRDIの優れ
た焼結鉱を提供することができ、工業上有用な効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の焼結鉱の製造フロー例の概略図であ
る。
【図2】実施例についての代表的な操業成績結果、並び
に、焼結鉱の強度特性、被還元性及び耐還元粉化性の試
験結果を示すグラフである。
【図3】従来法及び比較例についての代表的な操業成績
結果、並びに、焼結鉱の強度特性、被還元性及び耐還元
粉化性の試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 原料 1a、・・・、1n 各種鉄鉱石 2 石灰石 3 生石灰 4 返鉱 5 珪石 6 粉コークス 6’粉コークス 7 計量器 8 1次ミキサー 8’水分 9 2次ミキサー 10 ペレタイザー 11 コーティングミキサー 12 焼結機 13 還元ガス 14 ブロワー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 登 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 秀明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 隆志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2 含有率が5wt.%以下、そしてC
    aO(wt.%)/SiO2 (wt.%)で表わされた塩基度が
    1.0〜3.0の範囲内にある化学成分を有し、下記
    (1)式: (ヘマタイト相量(面積%))/(マグネタイト相量(面積%))≦0.5 --------------(1) を満たす平均構成鉱物組織を有し、且つ、15面積%以
    上の平均含有気孔率を有することを特徴とする高品質焼
    結鉱。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の焼結鉱に、更に、10〜
    100μmの仮想直径を有する開気孔の焼結鉱中占有体
    積の、全開気孔の焼結鉱中占有体積に対する割合が、3
    0%以上であることを付加したことを特徴とする高品質
    焼結鉱。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の焼結鉱に、更
    に、化学成分分析に基づくスラグ含有率が12wt.%以下
    であることを付加したことを特徴とする高品質焼結鉱。
JP7180997A 1997-03-25 1997-03-25 高品質焼結鉱 Pending JPH10265857A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7180997A JPH10265857A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 高品質焼結鉱

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7180997A JPH10265857A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 高品質焼結鉱

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10265857A true JPH10265857A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13471274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7180997A Pending JPH10265857A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 高品質焼結鉱

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10265857A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006009156A (ja) * 2005-08-08 2006-01-12 Jfe Steel Kk 焼結鉱および高炉操業方法
JP2020012141A (ja) * 2018-07-17 2020-01-23 日本製鉄株式会社 焼結鉱
JP2020084241A (ja) * 2018-11-20 2020-06-04 日本製鉄株式会社 焼結鉱の製造方法
WO2021029008A1 (ja) * 2019-08-13 2021-02-18 日本製鉄株式会社 炭材内装鉱及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006009156A (ja) * 2005-08-08 2006-01-12 Jfe Steel Kk 焼結鉱および高炉操業方法
JP4529838B2 (ja) * 2005-08-08 2010-08-25 Jfeスチール株式会社 焼結鉱および高炉操業方法
JP2020012141A (ja) * 2018-07-17 2020-01-23 日本製鉄株式会社 焼結鉱
JP2020084241A (ja) * 2018-11-20 2020-06-04 日本製鉄株式会社 焼結鉱の製造方法
WO2021029008A1 (ja) * 2019-08-13 2021-02-18 日本製鉄株式会社 炭材内装鉱及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106282543B (zh) 一种改善烧结矿低温还原粉化率的方法
EP2458020B1 (en) Carbon composite briquette for producing reduced iron and method for producing reduced iron employing the same
CN101289697B (zh) 高炉炼铁原料及其制备方法
JP2000192153A (ja) 焼結鉱およびその製造方法、ならびに高炉操業方法
JPH10265858A (ja) 高品質焼結鉱の製造方法
CN110629017B (zh) 烧结含铁料、烧结组合物,烧结矿及其制备方法
EP4407048A2 (en) Pig iron production method
JPH10265857A (ja) 高品質焼結鉱
JP3900721B2 (ja) 高品質低SiO2 焼結鉱の製造方法
Prakash et al. Morphology and reduction kinetics of fluxed iron ore pellets
JP4085493B2 (ja) 高品質焼結鉱の製造方法
JP3395554B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
CN110634037A (zh) 铁矿粉冶炼成本测算方法
JP3951825B2 (ja) 焼結原料の造粒方法
JP4867394B2 (ja) 製鉄用非焼成塊成鉱
WO1996009415A1 (fr) Procede de production de minerai fritte a l'aide de minerai de fer a teneur en eau cristallisee comme matiere premiere
JP4599736B2 (ja) 焼結原料の造粒方法
CN117867267B (zh) 一种用于降低钢渣中游离氧化钙的预熔球团及制备方法
JP3014549B2 (ja) 高炉操業方法
JP2000178659A (ja) 高品質低SiO2 焼結鉱の製造方法
JPH0617152A (ja) 高ゲーサイト鉱石を原料とする高炉用焼結鉱の製造法
JP6696376B2 (ja) 高炉の操業方法
CN115821038A (zh) 一种提高烧结过程氧化铁皮配比的方法
WO2023199550A1 (ja) 高炉の操業方法
JP3952871B2 (ja) 高強度焼結鉱の製造方法