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JPH10265527A - プロピレン重合体 - Google Patents

プロピレン重合体

Info

Publication number
JPH10265527A
JPH10265527A JP7032497A JP7032497A JPH10265527A JP H10265527 A JPH10265527 A JP H10265527A JP 7032497 A JP7032497 A JP 7032497A JP 7032497 A JP7032497 A JP 7032497A JP H10265527 A JPH10265527 A JP H10265527A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propylene polymer
measured
nmr
relational expression
meso
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7032497A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Tatsumi
富美男 巽
Haruo Shiguma
治雄 志熊
Takuji Okamoto
卓治 岡本
Mitsugi Kanzawa
貢 神澤
Nobuhiro Yabunouchi
伸浩 藪ノ内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP7032497A priority Critical patent/JPH10265527A/ja
Publication of JPH10265527A publication Critical patent/JPH10265527A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高度に連鎖構造が制御され、異種結合が少な
い、耐熱性が高いプロピレン重合体を提供する。 【解決手段】(a) プロピレン重合体において、下記の関
係式 (1)及び(2) を満足することを特徴とするプロピレ
ン重合体。 Tm ≧ 1.421〔mmmm〕+22.0 ・・・ (1) Tm :DSCで測定した融点(℃) 〔mmmm〕:13C−NMRで測定したメソ−ペンタッ
ド分率 Mw/Mn ≦ 3.0 ・・・ (2) Mw :重量平均分子量 Mn :数平均分子量 (b) 下記の関係式 (3)を満足する上記(a) に記載のプロ
ピレン重合体。 〔m−2,1〕+〔r−2,1〕+〔1,3〕 ≦ 0.1 ・・・(3) 〔m−2,1〕:13C−NMRで測定したメソ−2,1
挿入含有率 〔r−2,1〕:13C−NMRで測定したラセミ−2,
1挿入含有率 〔1,3〕 :13C−NMRで測定した1,3挿入含
有率

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン重合体
に関するものであり、さらに詳しくは、耐熱性が高く、
高度に立体特異構造が制御された連鎖構造を有するプロ
ピレン重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からα−オレフィン重合体の製造に
は、チタン化合物と有機アルミニウム化合物からなるチ
ーグラー系触媒が用いられており、これでプロピレンを
重合した場合、少量のアタクチックポリプロピレンが生
成する。このアタクチック部は結晶性を持たないため
に、べたつきや成形品の強度、剛性の低下の原因となっ
ている。
【0003】また、最近では、ジルコノセンやハフノセ
ンとアルミノキサンからなるメタロセン系触媒も検討さ
れている。この公知のメタロセン系触媒でプロピレンを
重合した場合、プロピレン重合体にはアタクチック部が
ほとんど存在せず、立体規則性の分布が狭いが、0.1
%を超える異種結合が存在することが知られている。こ
の異種結合の存在によってプロピレン重合体の結晶性が
低下し、耐熱性、強度、剛性等の物性の低下の原因とな
っている。
【0004】このような状況の下、アタクチック部の低
減、立体規則性の向上、異種結合の低減等により、強
度、剛性に優れ、耐熱性の高いプロピレン重合体を得る
ための試みが限りなくなされてきた。例えば、メソ−ペ
ンタッド分率を指標として、これを少しでも高めること
が耐熱性等を向上させる唯一の方法として多くの努力が
なされてきた。しかし、メソ−ペンタッド分率を極限に
まで高めるのは容易でなく、諸物性向上のための新たな
方向性が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性が高
く、高度に立体特異構造が制御された連鎖構造を有する
プロピレン重合体を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、従来のようにメソ−ペンタッド分率のみを指標とし
て、剛性、耐熱性等を高めようとするのではなく、主触
媒の配位子の形状による重合体の立体構造の規制や異種
結合の低減により、より高度に立体特異構造を制御し、
ある同一のメソ−ペンタッド分率において最大限まで耐
熱性を高めるべく鋭意検討した結果、以下に示す特定の
関係を満足するプロピレン重合体がその目的を達成でき
ることを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】すなわち、本発明は、以下の(1)〜
(4)に示すプロピレン重合体を提供するものである。 (1)下記の関係式 (1) Tm ≧ 1.421×〔mmmm〕+22.0 (℃) ・・・ (1) 〔式中、Tmは、DSCで測定した融点(℃)、〔mm
mm〕は13C−NMRで測定したメソ−ペンタッド分率
(%)を示す。〕及び関係式(2) Mw/Mn ≦ 3.0 ・・・(2) 〔式中、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量を
示す。〕を満足することを特徴とするプロピレン重合
体。 (2)下記の関係式(3) 〔m−2,1〕+〔r−2,1〕+〔1,3〕 ≦ 0.1 (%) ・・・(3) 〔式中、〔m−2,1〕は13C−NMRで測定したメソ
−2,1挿入含有率(%)、〔r−2,1〕は13C−N
MRで測定したラセミ−2,1挿入含有率(%)、
〔1,3〕は13C−NMRで測定した1,3挿入含有率
(%)を示す。〕を満足する上記(1)に記載のプロピ
レン重合体。 (3)下記の関係式(4) ダイアッド分率 ≧ 90 (重量%) ・・・(4) 及び関係式(5) 〔mrrm〕/〔mmrm〕 ≧ 2.5 ・・・(5)
【0008】
【化2】
【0009】を満足する上記(1)又は(2)に記載の
プロピレン重合体。 (4)上記の重合体が、2,1−挿入に由来する分子鎖
末端(n−ブチル基)を有しない上記(1)〜(3)の
いずれかに記載のプロピレン重合体。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のプロピレン重合体は、従
来のプロピレン重合体の一般的特性に加えて、関係式
(1) Tm ≧ 1.421×〔mmmm〕+22.0 (℃) ・・・ (1) 〔式中、Tmは、DSCで測定した融点(℃)、〔mm
mm〕は13C−NMRで測定したメソ−ペンタッド分率
(%)を示す。〕及び関係式(2) Mw/Mn ≦ 3.0 ・・・(2) 〔式中、Mwは、重量平均分子量、Mnは、数平均分子
量を示す。〕を満足するものであって、新規なプロピレ
ン重合体である。上記の関係式 (1)及び(2) を満足する
ものは、〔mmmm〕に対してTmが高く、耐熱性に優
れ、また、低分子量成分が少ないものを示すものであ
る。
【0011】好ましくは、関係式 (1)' Tm ≧ 1.421×〔mmmm〕+24.0 (℃) ・・・ (1)' を満足するものであり、また、関係式(2) ’ Mw/Mn ≦ 2.5 ・・・(2) ’ を満足するものである。さらに好ましくは、関係式(2)
'' Mw/Mn ≦ 2.0 ・・・(2) '' を満足するものである。このようにより分子量分布を小
さくし、主に低分子量成分を少ないことで、このものを
フィルムにした場合のべたつきをなくすことができる。
【0012】従来の担持型チーグラー系触媒を用いて工
業化されているプロピレン重合体では、上記のようなM
w/Mnが小さいものは得られていない。また、特開昭
58−19309号公報、特開昭61−130314号
公報、特開平3−163088号公報等に記載されてい
るメタロセン系触媒(シクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子を少なくとも1つ有する遷移金属化合物を主触
媒とする。)を用いて得られるプロピレン重合体でも、
上記の関係式 (1)を満足するような〔mmmm〕に対し
てTmが高いものは得られていない。
【0013】ところで、プロピレン系重合体において
は、重合時に、プロピレンモノマーのメチレン側が触媒
と結合し、通常1,2挿入するが、2,1挿入又は1,
3挿入することがある。本発明の上記のプロピレン重合
体は、この2,1挿入又は1,3挿入が少なく、関係式
(3) 〔m−2,1〕+〔r−2,1〕+〔1,3〕 ≦ 0.1 (%) ・・・(3) 〔式中、〔m−2,1〕は13C−NMRで測定したメソ
−2,1挿入含有率(%)、〔r−2,1〕は13C−N
MRで測定したラセミ−2,1挿入含有率(%)、
〔1,3〕は13C−NMRで測定した1,3挿入含有率
(%)を示す。〕を満足するするものが好ましく、関係
式 (3)' 〔m−2,1〕+〔r−2,1〕+〔1,3〕 ≦ 0.05 (%) ・・・(3)' を満足するするものがより好ましい。この関係式 (3)を
満足しないものは、Tmが低く、十分な耐熱性が得られ
ない場合がある。
【0014】公知の立体規則性が高い担持型チーグラー
系触媒を用いて工業化されているプロピレン重合体は、
上記の2,1挿入又は1,3挿入は確認できるレベルで
はないが、メタロセン系触媒を用いて得られるプロピレ
ン重合体では、上記の2,1挿入又は1,3挿入が存在
し、所謂、異種結合が存在し、その量は0.1%を越え
るレベルのものである。
【0015】また、本発明の上記のプロピレン重合体
は、下記の関係式(4) ダイアッド分率 ≧ 90 (重量%) ・・・(4) 及び関係式(5) 〔mrrm〕/〔mmrm〕 ≧ 2.5 ・・・(5)
【0016】
【化3】
【0017】を満足するものが好ましい。この関係式
(5) は、高度に重合体の立体特異構造を規制し、耐熱性
等を高めるための有効な指標となることを、本発明者ら
が見出したものである。上記の関係式 (4)及び(5) を満
足するものは、ある同一の〔mmmm〕に対してTmが
高く、十分な耐熱性が得られる。
【0018】さらに好ましくは、関係式 (5)' 〔mrrm〕/〔mmrm〕 ≧ 10 ・・・(5) ' を満足するものである。次に、上記のTm、〔mmm
m〕、〔mrrm〕、〔mmrm〕、ダイアッド分率、
〔m−2,1〕、〔r−2,1〕、及び〔1,3〕、の
測定について、説明する。
【0019】Tmは、DSC(示差走査熱量計)により
測定された融点(℃)で、吸熱ピーク温度を示す。パー
キンエルマー社製7シリーズのDSC装置を用い、昇温
速度10℃/分で測定した。〔mmmm〕、〔mrr
m〕及び〔mmrm〕は、13C−NMRで測定するもの
であり、以下に説明する。
【0020】メチルペンタッド構造に関するZambe
lliらの報告(Macromolucules,
p.687(1975))に基づいて13C−NMRスペ
クトルのピークの帰属を決定し、各ピークの積分強度か
らペンタッド分率を算出する。〔mmmm〕は、全メチ
ル炭素領域における積分強度に対する21.8ppm付
近に現れるピークの積分強度の比から算出されるペンタ
ッド分率(%)である。
【0021】〔mmrm〕は、全メチル炭素領域におけ
る積分強度に対する20.8ppm付近に現れるピーク
の積分強度の比から算出されるペンタッド分率(%)で
ある。〔mrrm〕は、全メチル炭素領域における積分
強度に対する20.0ppm付近に現れるピークの積分
強度の比から算出されるペンタッド分率(%)である。
【0022】なお、mrrmに帰属されるピークが明ら
かに存在するのに対して、mmrmに帰属されるべきピ
ークがノイズ内に隠れる等で識別できないことがある
が、この場合はmrrmのmmrmに対する強度比は∞
とみなす。また、アイソタクチック性が増大した場合
に、mrrm及びmmrmに帰属されるピークがノイズ
内に隠れる等で識別できないこともあるが、この場合も
mrrmのmmrmに対する強度比は∞とみなす。
【0023】後述する実施例のペンタッド分率を算出す
る際の13C−NMRスペクトルの測定は、日本電子製J
NM−GSX400を用いて、1,2,4−トリクロル
ベンゼン/重ベンゼン=9/1(重量比)混合溶媒で重
合体濃度10重量%未満とした溶液を、直径5mmφの
試験管に入れ、130℃、100MHz、SGCMLP
モードにて10000回以上の積算により行った。
【0024】ダイアッド分率は、重合体を沸騰キシレン
に溶解させた後、室温まで放冷した時のキシレン不溶分
の割合(重量%)を示す。〔m−2,1〕、〔r−2,
1〕及び〔1,3〕は13C−NMRで測定するものであ
り、以下に説明する。〔m−2,1〕、〔r−2,1〕
及び〔1,3〕の含有率はGrassiらの報告(Ma
cromolucules,21,p.617(198
8))及びBusicoらの報告(Macromolu
cules,27,p.7538(1994))に基づ
いて13C−NMRスペクトルのピークの帰属を決定し、
各ピークの積分強度から各挿入含有率を算出する。
【0025】〔m−2,1〕は、全メチル炭素領域にお
ける積分強度に対する17.2ppm付近に現れるPα
, γ erythroに帰属するピークの積分強度の比から算出
されるメソ−2,1挿入含有率(%)である。〔r−
2,1〕は、全メチル炭素領域における積分強度に対す
る15.0ppm付近に現れるPα, γ threoに帰属す
るピークの積分強度の比から算出されるラセミ−2,1
挿入含有率(%)である。
【0026】〔1,3〕は、全メチン炭素領域における
積分強度に対する31.0ppm付近に現れるTβ,γ
+に帰属するピークの積分強度の比から算出される1,
3挿入含有率(%)である。なお、メソ−2,1挿入、
ラセミ−2,1挿入又は1,3挿入に帰属されるべきピ
ークがノイズ内に隠れる等で識別できないことがある
が、この場合は、各異種結合含有率〔m−2,1〕、
〔r−2,1〕又は〔1,3〕は0とみなす。
【0027】後述する実施例のメソ−2,1挿入、ラセ
ミ−2,1挿入又は1,3挿入の含有率の算出する際の
13C−NMRスペクトルの測定は、日本電子製JNM−
GSX400を用いて、1,2,4−トリクロルベンゼ
ン/重ベンゼン=9/1(重量比)混合溶媒で重合体濃
度20重量%未満とした溶液を、直径10mmφの試験
管に入れ、130℃、100MHz、SGCMLP(S
ingle−plusComplete Low Po
wer decoupling)モードにて20000
回以上の積算により行った。
【0028】また、本発明のプロピレン重合体は、13
−NMRスペクトルの測定において、2,1挿入に由来
する分子鎖末端(n−ブチル基)帰属するピークが実質
的に観測されないものが好ましい。この2,1挿入に由
来する分子鎖末端に関しては、Junglingらの報
告(J.Polym.Sci.:Part A:Pol
ym.Chem.,33,p1305(1995))に
基づいて13C−NMRスペクトルのピークの帰属を決定
し、各ピークの積分強度から各挿入含有率を算出する。
アイソタクチックポリプロピレンでは、18.9ppm
付近に現れるピークがn−ブチル基の末端メチル基炭素
に帰属する。
【0029】後述する実施例の2,1挿入に由来する分
子鎖末端(n−ブチル基)の含有率を算出する際の13
−NMRスペクトルの測定は、日本電子製JNM−GS
X400を用いて、1,2,4−トリクロルベンゼン/
重ベンゼン=9/1(重量比)混合溶媒で重合体濃度2
0重量%未満とした溶液を、直径5mmφの試験管に入
れ、130℃、100MHz、SGCMLPモードにて
10000回以上の積算により行った。
【0030】さらに、本発明のプロピレン重合体は、低
分子量成分やアタクチック部が少ないものが好ましい。
具体的には、そのジエチルエーテル抽出量が、2重量%
以下が好ましく、さらには1重量%以下が好ましい。本
発明のプロピレン重合体は、所謂メタロセン系触媒を用
いて製造できるものであり、以下に示すような遷移金属
化合物及びこれと反応してイオン性の錯体を形成しうる
化合物から構成される触媒を用いて好ましく製造するこ
とができるが、これに限定されるものではない。
【0031】代表的な遷移金属化合物としては、重合体
の立体構造を規制できるような、置換基を有するインデ
ニル基が2つのエチレン基により5員環部で架橋した配
位子を有する周期律表4族の遷移金属化合物を挙げるこ
とができる。具体的な遷移金属化合物としては、(1,
2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,
7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス
(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド
等、並びにこれらの化合物に加えて、該化合物における
ジルコニウムの代わりに、ハフニウム、チタニウムを含
む対応する化合物を挙げることができる。
【0032】これらの中では、(1,2’−エチレン)
(2,1’−エチレン)−ビス(4,7−ジメチルイン
デニル)ジルコニウムジクロリドが好ましい。また、上
記遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しう
る化合物としては、アルミニウムオキシ化合物、カチオ
ンと複数の基が元素に結合してアニオンとからなるイオ
ン性化合物やルイス酸を挙げることができるが、アルミ
ニウムオキシ化合物が好ましく、アルキルアルミノキサ
ンがより好ましい。
【0033】アルキルアルミノキサンの具体例として
は、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、n
−プロピルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン
等、メチル−エチルアルミノキサン、メチル−n−プロ
ピルアルミノキサン、メチル−イソプロピルアルミノキ
サン、エチル−n−プロピルアルミノキサン、エチル−
イソプロピルアルミノキサン等やこれらを2種以上混合
したものを挙げることができる。これらの中では、メチ
ルアルミノキサンが好ましい。
【0034】重合方法については、特に制限はなく、ス
ラリー重合法、気相重合法、塊状重合法、溶液重合法、
縣濁重合法等のいずれの方法を用いてもよい。また、重
合時には、例えば水素のような、一般的に用いられる連
鎖移動剤を用いれば、得られる重合体の分子量を調節す
ることができる。溶液重合法、スラリー重合法等で重合
溶媒を用いる場合、溶媒は重合に不活性なものであれば
よい。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキ
サン等の脂環族炭化水素等を挙げることができる。
【0035】重合時における遷移金属化合物と前記遷移
金属化合物これとアルミニウムオキシ化合物との使用割
合は、アルミニウムオキシ化合物(アルミニウム換算)
/遷移金属化合物のモル比が、通常1〜10,000の
範囲になるように選ばれる。このモル比が1未満では活
性が十分に発揮されず、また10,000を超えるとア
ルミニウムオキシ化合物が無駄になるとともに、得られ
る重合体中に多量に残存する原因にもなる。活性、経済
性、得られる重合体の品質等の面から好ましいモル比は
10〜5,000の範囲であり、特に20〜2,000
の範囲が好適である。
【0036】また、重合温度は、通常0〜250℃の範
囲から重合方法に応じて適宜選択すればよし、重合圧力
は、通常0〜100kg/cm2 G、好ましくは0〜5
0kg/cm2 Gの範囲から選択すればよい。さらに、
重合時間は、通常1分〜10時間である。
【0037】
〔実施例1〕
1.重合 加熱乾燥した1リットルの耐圧ステンレス製オートクレ
ーブに、窒素気流下、室温にて脱水トルエン400ミリ
リットル及びメチルアルミノキサン2ミリモル(アルミ
ニウム原子換算)を仕込んだ。この混合物を攪拌状態で
50℃まで昇温した後、(1,2’−エチレン)(2,
1’−エチレン)−ビス(4,7−ジメチルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリドを2マイクロモル添加し、
プロピレンを圧力計で7kg/cm2 Gに一定圧となる
ように連続的に供給して30分間重合を行った。重合終
了後、脱圧し、反応溶液をメタノールに投入し、得られ
たプロピレン重合体をろ別し、さらにメタノールで洗浄
した。洗浄後、加熱減圧下で乾燥を行い、41.6gの
重合体を得た。
【0038】2.分析 (1) 上記で示したようにして13C−NMR測定を行った
結果、〔mrrm〕は2.67%であったが、mmrmに
帰属するピークは観察されなかった。従って、〔mrr
m〕/〔mmrm〕は∞とみなす。 (2) ラセミ−2,1挿入及び1、3挿入に帰属するピー
クは観察されなかった。また、メソ−2,1挿入に帰属
されるべきピークはわずかに観察されたものの積分強度
を得ることはできなかった。従って、〔m−2,1〕+
〔r−2,1〕+〔1,3〕は、0とみなす。 (3) 2,1挿入に由来する分子鎖末端(n−ブチル基)
に帰属するピークは観察されなかった。 (4) ジエチルエーテル抽出物量は、0.8重量%であっ
た。また、GPC測定によるMw/Mn値は、1.94
であった。なお、GPC測定は、測定装置としてウォー
ターズ製ALC/GPC 150Cを、カラムとして東
ソー製 TSK HM+GMH6を用いて、1,2,4
−トリクロルベンゼンを溶媒として、135℃、流速1
ミリリットル/分で測定した。 (5) メソ−ペンタッド分率〔mmmm〕は、83.6%
で、DSCで測定した融点Tmは144.5℃であっ
た。この実施例及び以下の実施例、比較例について、そ
の重合条件を表1に、分析結果を表2にまとめる。
【0039】〔実施例2〕実施例1における触媒量、メ
チルアルミノキサン量及び重合温度を表1に示すように
変更した以外は、実施例1と同様に重合及び分析を行っ
た。また、分析結果は表2に示す。 〔比較例1〜4〕実施例1における遷移金属化合物、触
媒量、メチルアルミノキサン量、プロピレン圧及び重合
温度等を表1に示すように変更した以外は、実施例1と
同様に重合及び分析を行った。また、分析結果は表2に
示す。 〔比較例5〕チーグラー系触媒を用いて製造した出光石
油化学製ポリプロピレンF−740NP(MI=7)で
ある。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】以上の実施例及び比較例の融点Tmとメソ
−ペンタッド分率〔mmmm〕の関係を図1にまとめ
る。公知のメタロセン系触媒を用いて製造したプロピレ
ン重合体は、関係式(1) を満足しないことがわかる。チ
ーグラー系触媒を用いて製造したプロピレン重合体であ
る比較例5は、関係式(1) を満足するが、上記で示した
ように連鎖構造の制御が不十分で、関係式(2) を満足し
ない。また、ジエチルエーテル抽出分が多く、Mw/M
nが大きいことから、低分子量成分やアタックチック部
が多いと判断され、重合体としても本発明のプロピレン
重合体とは異なるものである。さらに、チーグラー系触
媒を用いて製造したプロピレン重合体は、昇温分別法に
よる規則性分布曲線において、低規則性側にテイリング
があり、本発明や公知のメタロセン系触媒を用いて重合
したプロピレン重合体とも異なるものである。
【0044】
【発明の効果】本発明のプロピレン重合体は、アタクチ
ック部がほとんど存在せず、高度に立体特異構造を制御
されたものであり、ある同一のメソ−ペンタッド分率に
おいて、従来にない耐熱性がある。また、異種結合も少
ないものは、ある同一のメソ−ペンタッド分率におい
て、メタロセン系触媒を用いて得られた公知のプロピレ
ン重合体よりも耐熱性がある。そのため、各種工業用部
品等に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 融点Tmとメソ−ペンタッド分率〔mmm
m〕の関係を示す。
【符号の説明】
1.関係式(1) における等式を示す。 2.関係式(1)'における等式を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の関係式 (1) Tm ≧ 1.421×〔mmmm〕+22.0 (℃) ・・・ (1) 〔式中、Tmは、DSCで測定した融点(℃)、〔mm
    mm〕は13C−NMRで測定したメソ−ペンタッド分率
    (%)を示す。〕及び関係式(2) Mw/Mn ≦ 3.0 ・・・(2) 〔式中、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量を
    示す。〕を満足することを特徴とするプロピレン重合
    体。
  2. 【請求項2】 下記の関係式(3) 〔m−2,1〕+〔r−2,1〕+〔1,3〕 ≦ 0.1 (%) ・・・(3) 〔式中、〔m−2,1〕は13C−NMRで測定したメソ
    −2,1挿入含有率(%)、〔r−2,1〕は13C−N
    MRで測定したラセミ−2,1挿入含有率(%)、
    〔1,3〕は13C−NMRで測定した1,3挿入含有率
    (%)を示す。〕を満足する請求項1に記載のプロピレ
    ン重合体。
  3. 【請求項3】 下記の関係式(4) ダイアッド分率 ≧ 90 (重量%) ・・・(4)
    及び関係式(5) 〔mrrm〕/〔mmrm〕 ≧ 2.5 ・・・(5) 【化1】 を満足する請求項1又は2に記載のプロピレン重合体。
  4. 【請求項4】 上記の重合体が、2,1−挿入に由来す
    る分子鎖末端(n−ブチル基)を有しない請求項1〜3
    のいずれかに記載のプロピレン重合体。
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