JPH10259535A - 弾性糸の給糸方法 - Google Patents
弾性糸の給糸方法Info
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- JPH10259535A JPH10259535A JP6443197A JP6443197A JPH10259535A JP H10259535 A JPH10259535 A JP H10259535A JP 6443197 A JP6443197 A JP 6443197A JP 6443197 A JP6443197 A JP 6443197A JP H10259535 A JPH10259535 A JP H10259535A
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- JP
- Japan
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- yarn
- elastic yarn
- tension
- elastic
- unwinding
- Prior art date
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- Pending
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 弾性糸をパッケージから解舒して糸加工域に
導入するに際し、特にオーバーエンド解舒で、安定した
張力を負荷して給糸する方法を提供する。 【解決手段】 弾性糸をパッケージから解舒し、ヤーン
ガイドを経て、少なくとも2個の供給ローラを介して糸
加工域に導入するに際し、第1供給ローラ速度(V1 )
と第2供給ローラ速度(V2 )との比(V2 /V1 )を
1.03〜1.15にすると共に、第1供給ローラと第
2供給ローラの間の弾性糸張力を7〜50×10-3g/
deにして給糸する。
導入するに際し、特にオーバーエンド解舒で、安定した
張力を負荷して給糸する方法を提供する。 【解決手段】 弾性糸をパッケージから解舒し、ヤーン
ガイドを経て、少なくとも2個の供給ローラを介して糸
加工域に導入するに際し、第1供給ローラ速度(V1 )
と第2供給ローラ速度(V2 )との比(V2 /V1 )を
1.03〜1.15にすると共に、第1供給ローラと第
2供給ローラの間の弾性糸張力を7〜50×10-3g/
deにして給糸する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性糸をパッケー
ジから解舒して、低張力を安定的に負荷した状態で、糸
加工域へ導入する弾性糸の給糸方法に関する。
ジから解舒して、低張力を安定的に負荷した状態で、糸
加工域へ導入する弾性糸の給糸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】糸条をパッケージから解舒する方法とし
ては、大別して2通りある。その1は、パッケージを静
置し、軸方向に糸を引出すオーバーエンド解舒であり、
その2は、パッケージをその軸を中心に回転させ、軸に
垂直にかつパッケージの接線方向に糸条を引出す横解舒
である。
ては、大別して2通りある。その1は、パッケージを静
置し、軸方向に糸を引出すオーバーエンド解舒であり、
その2は、パッケージをその軸を中心に回転させ、軸に
垂直にかつパッケージの接線方向に糸条を引出す横解舒
である。
【0003】通常、非弾性糸では、前者のオーバーエン
ド解舒が採用され、ゴム状弾性糸では横解舒が採用され
ている。オーバーエンド解舒が弾性糸の解舒に使用され
ない理由は、弾性糸固有の性質に由来して、糸条がスム
ースに解舒されず、また、小さな張力で糸条が伸びるの
で、糸加工装置に供給される糸条に繊度変動、伸度変動
を持ち込み、その変動を持った弾性糸が非弾性糸と混
繊、混合仮撚、タスランなどの糸加工で複合されると、
製品に染着カスリ斑、引きつり、弾性糸被覆不良による
目むきなどの問題を生じるからである。
ド解舒が採用され、ゴム状弾性糸では横解舒が採用され
ている。オーバーエンド解舒が弾性糸の解舒に使用され
ない理由は、弾性糸固有の性質に由来して、糸条がスム
ースに解舒されず、また、小さな張力で糸条が伸びるの
で、糸加工装置に供給される糸条に繊度変動、伸度変動
を持ち込み、その変動を持った弾性糸が非弾性糸と混
繊、混合仮撚、タスランなどの糸加工で複合されると、
製品に染着カスリ斑、引きつり、弾性糸被覆不良による
目むきなどの問題を生じるからである。
【0004】これに対して、横解舒で、かつ、パッケー
ジを一定速度で回転させるフリクション駆動装置を設け
て解舒する場合には、弾性糸を一定解舒張力で一定量安
定して解舒することができるが、その反面、フリクショ
ン駆動装置を設置するための費用がかかり、またパッケ
ージが回転しているために、トランスファーテールを利
用して原糸を途切れることなく供給して連続加工すると
いうことができず、弾性糸のパッケージが空になると一
旦機械を止め新しいパッケージを供給し、再度糸掛けを
して加工を再開しなければならないという問題がある。
ジを一定速度で回転させるフリクション駆動装置を設け
て解舒する場合には、弾性糸を一定解舒張力で一定量安
定して解舒することができるが、その反面、フリクショ
ン駆動装置を設置するための費用がかかり、またパッケ
ージが回転しているために、トランスファーテールを利
用して原糸を途切れることなく供給して連続加工すると
いうことができず、弾性糸のパッケージが空になると一
旦機械を止め新しいパッケージを供給し、再度糸掛けを
して加工を再開しなければならないという問題がある。
【0005】以上のような事から、弾性糸にオーバーエ
ンド解舒を採用し、安定した張力下に糸加工域へ給糸す
る方法が種々検討されてきたが、未だ満足できる方法は
提案されていない。
ンド解舒を採用し、安定した張力下に糸加工域へ給糸す
る方法が種々検討されてきたが、未だ満足できる方法は
提案されていない。
【0006】例えば、非弾性糸の場合には、解舒張力を
安定化させる効果的な方法として、張力補償機能を持つ
噛み込み方式のコンペンセーターを使用する。非弾性糸
のパッケージと供給ローラの間にコンペンセーターを設
けると、パッケージからの解舒張力の変動に応じて、コ
ンペンセーターと供給ローラの間の張力が高くなればそ
の張力でコンペンセーターの噛み込みを押し広げて浅く
し、糸条を通過し易くし、張力が低くなるとコンペンセ
ーターの噛み込みが深くなって糸条に張力を負荷し、安
定した張力で供給ローラを通過するようになる。
安定化させる効果的な方法として、張力補償機能を持つ
噛み込み方式のコンペンセーターを使用する。非弾性糸
のパッケージと供給ローラの間にコンペンセーターを設
けると、パッケージからの解舒張力の変動に応じて、コ
ンペンセーターと供給ローラの間の張力が高くなればそ
の張力でコンペンセーターの噛み込みを押し広げて浅く
し、糸条を通過し易くし、張力が低くなるとコンペンセ
ーターの噛み込みが深くなって糸条に張力を負荷し、安
定した張力で供給ローラを通過するようになる。
【0007】ところが、このようなコンペンセーターを
弾性糸に使った場合には、弾性糸特有の小さな力で大変
形を起し易い性質のため、コンペンセーターと供給ロー
ラの間で張力が高くなれば、コンペンセーターと供給ロ
ーラの間で弾性糸を引張り伸すことになり、張力安定の
効果は全くなく、むしろコンペンセーターを設けると逆
に張力変動が大きくなってしまって、非弾性糸で効果的
な張力安定化の手段が、弾性糸には役立たない。
弾性糸に使った場合には、弾性糸特有の小さな力で大変
形を起し易い性質のため、コンペンセーターと供給ロー
ラの間で張力が高くなれば、コンペンセーターと供給ロ
ーラの間で弾性糸を引張り伸すことになり、張力安定の
効果は全くなく、むしろコンペンセーターを設けると逆
に張力変動が大きくなってしまって、非弾性糸で効果的
な張力安定化の手段が、弾性糸には役立たない。
【0008】このようなことから、弾性糸をオーバーエ
ンド解舒した場合の張力安定化手段の開発が望まれてい
た。
ンド解舒した場合の張力安定化手段の開発が望まれてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、弾性
糸をパッケージから解舒して糸加工域に導入するに際
し、特にオーバーエンド解舒で、安定した張力を負荷し
て給糸する方法を提供することにある。
糸をパッケージから解舒して糸加工域に導入するに際
し、特にオーバーエンド解舒で、安定した張力を負荷し
て給糸する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記目的は、「弾性糸をパッケージから解舒し、ヤ
ーンガイドを経て、少なくとも2個の供給ローラを介し
て糸加工域に導入するに際し、第1供給ローラ速度(V
1 )と第2供給ローラ速度(V2 )との比(V2 /
V1 )を1.03〜1.15にすると共に、第1供給ロ
ーラと第2供給ローラ間の弾性糸張力を7〜50×10
-3g/deにすることを特徴とする弾性糸の給糸方
法。」により達成できることが見いだされた。
ば、上記目的は、「弾性糸をパッケージから解舒し、ヤ
ーンガイドを経て、少なくとも2個の供給ローラを介し
て糸加工域に導入するに際し、第1供給ローラ速度(V
1 )と第2供給ローラ速度(V2 )との比(V2 /
V1 )を1.03〜1.15にすると共に、第1供給ロ
ーラと第2供給ローラ間の弾性糸張力を7〜50×10
-3g/deにすることを特徴とする弾性糸の給糸方
法。」により達成できることが見いだされた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の添付図面を参照し
つつ詳細に説明する。図1は、本発明の一実施態様を説
明するための工程の模式図である。本発明に使用する弾
性糸2は、ゴム状弾性を有する糸であり、ゴム糸、ポリ
ウレタン弾性糸またはブロック共重合ポリエーテル・エ
ステル弾性糸である。
つつ詳細に説明する。図1は、本発明の一実施態様を説
明するための工程の模式図である。本発明に使用する弾
性糸2は、ゴム状弾性を有する糸であり、ゴム糸、ポリ
ウレタン弾性糸またはブロック共重合ポリエーテル・エ
ステル弾性糸である。
【0012】弾性糸2はパッケージ1から解舒され、ヤ
ーンガイド3、3´を通って、糸条供給ローラ4、5を
介して糸加工域7へ導入される。弾性糸2はパッケージ
1から解舒される時、ヤーンガイド3、3´との間で解
舒バルーニングを起す。この解舒バルーニングは、実撚
カバリング加工のような数m/分以下の解舒の時は比較
的影響が少いが、複合仮撚加工、混繊インターレース加
工、そして複合タスラン加工のように数百m/分以上の
解舒の時は、大きな張力変動を起す。この現象は、パッ
ケージからの弾性糸の糸離れが悪い部位では、更に増長
される傾向にある。バルーニングが脹むときには弾性糸
が引張られ、バルーニングが萎むときには弾性糸が緩
む。この緊張/緩みが、通常の一段式供給ローラ方式で
は、該供給ローラを介して糸加工域へ導入され、糸加工
が不均一になり、弾性糸を他の糸で被覆するカバリング
性不良部(所謂目むき)を生じてしまう。
ーンガイド3、3´を通って、糸条供給ローラ4、5を
介して糸加工域7へ導入される。弾性糸2はパッケージ
1から解舒される時、ヤーンガイド3、3´との間で解
舒バルーニングを起す。この解舒バルーニングは、実撚
カバリング加工のような数m/分以下の解舒の時は比較
的影響が少いが、複合仮撚加工、混繊インターレース加
工、そして複合タスラン加工のように数百m/分以上の
解舒の時は、大きな張力変動を起す。この現象は、パッ
ケージからの弾性糸の糸離れが悪い部位では、更に増長
される傾向にある。バルーニングが脹むときには弾性糸
が引張られ、バルーニングが萎むときには弾性糸が緩
む。この緊張/緩みが、通常の一段式供給ローラ方式で
は、該供給ローラを介して糸加工域へ導入され、糸加工
が不均一になり、弾性糸を他の糸で被覆するカバリング
性不良部(所謂目むき)を生じてしまう。
【0013】本発明においては、少なくとも2個の供給
ローラを介して、弾性糸にプレストレッチをかけながら
糸加工域に導入することにより、前記の解舒バルーニン
グによる張力変動を吸収させて糸揺れを抑制するもので
ある。
ローラを介して、弾性糸にプレストレッチをかけながら
糸加工域に導入することにより、前記の解舒バルーニン
グによる張力変動を吸収させて糸揺れを抑制するもので
ある。
【0014】プレストレッチの割合は、第1供給ローラ
速度(V1 )と第2供給ローラ速度(V2 )との比(V
2 /V1 )で表すと1.03〜1.15(したがってプ
レストレッチ率は3〜15%)の範囲とする必要があ
り、好ましくは1.06〜1.12(プレストレッチ率
は6〜12%)の範囲である。かくすることにより、弾
性糸に低張力ではあるが変動の抑制された張力を負荷さ
せることができ、目むき欠点を防止することができる。
この速度比が1.03未満の場合には、前記解舒バルー
ニングによる張力変動を吸収することができなくなり、
糸加工が不均一になって目むき欠点を生じやすくなる。
一方、1.15を越えると弾性糸にかかる張力が高くな
りすぎ、弾性糸の伸長変形を伴うようになるので、この
場合もやはり張力変動が大きくなり、糸加工は不均一と
なりやすい。
速度(V1 )と第2供給ローラ速度(V2 )との比(V
2 /V1 )で表すと1.03〜1.15(したがってプ
レストレッチ率は3〜15%)の範囲とする必要があ
り、好ましくは1.06〜1.12(プレストレッチ率
は6〜12%)の範囲である。かくすることにより、弾
性糸に低張力ではあるが変動の抑制された張力を負荷さ
せることができ、目むき欠点を防止することができる。
この速度比が1.03未満の場合には、前記解舒バルー
ニングによる張力変動を吸収することができなくなり、
糸加工が不均一になって目むき欠点を生じやすくなる。
一方、1.15を越えると弾性糸にかかる張力が高くな
りすぎ、弾性糸の伸長変形を伴うようになるので、この
場合もやはり張力変動が大きくなり、糸加工は不均一と
なりやすい。
【0015】第1供給ローラ4と第2供給ローラ5との
距離は、特に制限する必要はないが、あまりに短いと作
業性が低下し、長すぎると装置のレイアウトが困難にな
るので、通常は15〜200cm、好ましくは20〜3
0cmの範囲が適当である。また、供給ローラを3個以
上用いる場合にも、各供給ローラ間の距離は上記と同様
の範囲が適当である。
距離は、特に制限する必要はないが、あまりに短いと作
業性が低下し、長すぎると装置のレイアウトが困難にな
るので、通常は15〜200cm、好ましくは20〜3
0cmの範囲が適当である。また、供給ローラを3個以
上用いる場合にも、各供給ローラ間の距離は上記と同様
の範囲が適当である。
【0016】次に第1供給ローラ4と第2供給ローラ5
との間における弾性糸2の平均張力(T1 )は、7〜5
0×10-3g/deとする必要がある。かかる範囲の張
力を弾性糸に負荷させることにより、前記解舒バルーニ
ングによる張力変動を吸収することができる。この平均
張力(T1 )が7×10-3g/de未満の場合には、解
舒バルーニングによる張力変動を吸収することができな
くなり、弾性糸が他の糸で被覆されない目むき欠点を生
じることになる。一方、50×10-3g/deを越える
場合には弾性糸が伸長され、張力変動が弾性糸の繊度変
動あるいは伸度変動の問題を引き起こすことになる。
との間における弾性糸2の平均張力(T1 )は、7〜5
0×10-3g/deとする必要がある。かかる範囲の張
力を弾性糸に負荷させることにより、前記解舒バルーニ
ングによる張力変動を吸収することができる。この平均
張力(T1 )が7×10-3g/de未満の場合には、解
舒バルーニングによる張力変動を吸収することができな
くなり、弾性糸が他の糸で被覆されない目むき欠点を生
じることになる。一方、50×10-3g/deを越える
場合には弾性糸が伸長され、張力変動が弾性糸の繊度変
動あるいは伸度変動の問題を引き起こすことになる。
【0017】なお、糸条パッケージと供給ローラとの間
に設けられたヤーンガイド3、3´は、弾性糸との摩擦
力ができるだけ小さいものが良く、梨地クロームメッキ
ガイドや粒子が丸味を帯びたセラミックガイドを使用す
るのが好ましい。ガイドの形状は環状のものが好適で、
閉じた環状、一部が開いた環状、筒状、スネールガイド
等が適している。
に設けられたヤーンガイド3、3´は、弾性糸との摩擦
力ができるだけ小さいものが良く、梨地クロームメッキ
ガイドや粒子が丸味を帯びたセラミックガイドを使用す
るのが好ましい。ガイドの形状は環状のものが好適で、
閉じた環状、一部が開いた環状、筒状、スネールガイド
等が適している。
【0018】次に、本発明の弾性糸の給糸方法が効果的
に使用される糸加工域について説明する。この弾性糸の
給糸方法は、弾性糸を芯として、非弾性糸を側糸として
被覆する糸加工に効果を発揮し、複合仮撚加工、複合タ
スラン加工、複合混繊加工等に適用できる。
に使用される糸加工域について説明する。この弾性糸の
給糸方法は、弾性糸を芯として、非弾性糸を側糸として
被覆する糸加工に効果を発揮し、複合仮撚加工、複合タ
スラン加工、複合混繊加工等に適用できる。
【0019】その中でも、複合仮撚加工においては、弾
性糸の瞬間的な緩みが仮撚の撚張力バランスの関係から
弾性糸が複合仮撚加工糸の側糸より外側に現われ、所謂
目むき現象を起こし織編物の品質欠点になるので、その
解決策として本発明の方法の適用が有効である。
性糸の瞬間的な緩みが仮撚の撚張力バランスの関係から
弾性糸が複合仮撚加工糸の側糸より外側に現われ、所謂
目むき現象を起こし織編物の品質欠点になるので、その
解決策として本発明の方法の適用が有効である。
【0020】以下、弾性糸を芯とし、ポリエステルフィ
ラメントを側糸とする複合仮撚加工を例にあげて説明す
る。
ラメントを側糸とする複合仮撚加工を例にあげて説明す
る。
【0021】図2において、弾性糸2は、パッケージ1
から解舒され、ヤーンガイド3、3´を通って、供給ロ
ーラ4、5を介して糸加工域7へ導入される。弾性糸2
は、ローラ4とローラ5との間で予備伸長(プレストレ
ッチ率3〜15%)し、次いでローラ5とローラ6との
間で伸長して緊張状態とした後、熱可塑性非弾性糸の未
延伸糸Aと半延伸糸Bとを合糸した糸条8と引揃え、ロ
ーラ10との間に設けたインターレースノズル9に通し
て交絡を付与する。次いで、ローラ10とローラ13と
の間に設けたヒーター11と仮撚具12との間で同時延
伸仮撚、熱固定、解撚を行なった後、巻取機14で巻取
って嵩高弾性加工糸を得る。
から解舒され、ヤーンガイド3、3´を通って、供給ロ
ーラ4、5を介して糸加工域7へ導入される。弾性糸2
は、ローラ4とローラ5との間で予備伸長(プレストレ
ッチ率3〜15%)し、次いでローラ5とローラ6との
間で伸長して緊張状態とした後、熱可塑性非弾性糸の未
延伸糸Aと半延伸糸Bとを合糸した糸条8と引揃え、ロ
ーラ10との間に設けたインターレースノズル9に通し
て交絡を付与する。次いで、ローラ10とローラ13と
の間に設けたヒーター11と仮撚具12との間で同時延
伸仮撚、熱固定、解撚を行なった後、巻取機14で巻取
って嵩高弾性加工糸を得る。
【0022】なお、ローラ5とローラ6との間の伸長率
は、2〜4倍が適当であり、この範囲未満では得られる
加工糸のストレッチ性が不十分となり、一方前記範囲を
越える場合には、弾性糸の断糸が多発するようになり、
工程調子が悪化したり得られる加工糸の品位が低下しや
すくなる。
は、2〜4倍が適当であり、この範囲未満では得られる
加工糸のストレッチ性が不十分となり、一方前記範囲を
越える場合には、弾性糸の断糸が多発するようになり、
工程調子が悪化したり得られる加工糸の品位が低下しや
すくなる。
【0023】
[実施例1]弾性糸として、ポリブチレンテレフタレー
トをハードセグメントとし、ポリオキシブチレングリコ
ールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエー
テルエステル未延伸糸モノフィラメント(繊度70デニ
ール、伸度800%)を用い、図2の工程で、弾性糸2
をそのパッケージ1(巻径20cm、巻幅5cm)から
ガイド3、3´(梨地クロムメッキを施した金属ガイ
ド、穴径2mm)を通して解舒し、供給ローラ4、5を
介し、第1供給ローラ速度(V1 )83.7m/分、第
2供給ローラ速度(V2 )90m/分として糸加工域へ
導入した(速度比V2 /V1 =1.07)。その時、供
給ローラ4の直前での弾性糸に負荷されている平均張力
は0.014g/de、また張力の変動幅は0.002
1g/deであり、十分低い安定した解舒張力であっ
た。
トをハードセグメントとし、ポリオキシブチレングリコ
ールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエー
テルエステル未延伸糸モノフィラメント(繊度70デニ
ール、伸度800%)を用い、図2の工程で、弾性糸2
をそのパッケージ1(巻径20cm、巻幅5cm)から
ガイド3、3´(梨地クロムメッキを施した金属ガイ
ド、穴径2mm)を通して解舒し、供給ローラ4、5を
介し、第1供給ローラ速度(V1 )83.7m/分、第
2供給ローラ速度(V2 )90m/分として糸加工域へ
導入した(速度比V2 /V1 =1.07)。その時、供
給ローラ4の直前での弾性糸に負荷されている平均張力
は0.014g/de、また張力の変動幅は0.002
1g/deであり、十分低い安定した解舒張力であっ
た。
【0024】また供給ローラ4と供給ローラ5との間の
平均張力T1 は20×10-3g/deと、低い張力を安
定して負荷して、糸加工域7へ供給することができ、糸
加工域で複合仮撚加工したところ、図4(イ)に示すよ
うな目むき欠点のない嵩高弾性糸を得た。
平均張力T1 は20×10-3g/deと、低い張力を安
定して負荷して、糸加工域7へ供給することができ、糸
加工域で複合仮撚加工したところ、図4(イ)に示すよ
うな目むき欠点のない嵩高弾性糸を得た。
【0025】[比較例1]実施例1と同じ弾性糸を用い
て、図3の工程(速度が90m/分の供給ローラが一
つ)で糸加工域へ導入した。その時、供給ローラ4の直
前での弾性糸に負荷されている平均張力は0.039g
/de、また張力の変動幅は0.023g/deであ
り、部分的に解舒張力が過大になる場合があった。
て、図3の工程(速度が90m/分の供給ローラが一
つ)で糸加工域へ導入した。その時、供給ローラ4の直
前での弾性糸に負荷されている平均張力は0.039g
/de、また張力の変動幅は0.023g/deであ
り、部分的に解舒張力が過大になる場合があった。
【0026】また供給ローラ4を出た直後の弾性糸に負
荷されている平均張力は55×10-3g/de、張力変
動幅は32×10-3g/deとなり、安定に低い張力を
負荷して糸加工域へ供給することができず、実施例1と
同様に複合仮撚加工しても図4(ロ)に示すような、弾
性糸が側糸の外へ出た目むき欠点の混在する嵩高弾性糸
しか得られなかった。
荷されている平均張力は55×10-3g/de、張力変
動幅は32×10-3g/deとなり、安定に低い張力を
負荷して糸加工域へ供給することができず、実施例1と
同様に複合仮撚加工しても図4(ロ)に示すような、弾
性糸が側糸の外へ出た目むき欠点の混在する嵩高弾性糸
しか得られなかった。
【0027】[実施例2]弾性糸として、切断伸度が8
00%の、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメ
ントとし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグ
メントとするブロック共重合ポリエーテルエステル未延
伸モノフィラメント(70デニール)を用い、熱可塑性
非弾性糸として、切断伸度が135%の、ポリエステル
マルチフィラメント半延伸糸(115デニール/10フ
ィラメント)および切断伸度が330%の、ポリエステ
ルマルチフィラメント未延伸糸(150デニール/48
フィラメント)を用いて図2の工程で加工した。
00%の、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメ
ントとし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグ
メントとするブロック共重合ポリエーテルエステル未延
伸モノフィラメント(70デニール)を用い、熱可塑性
非弾性糸として、切断伸度が135%の、ポリエステル
マルチフィラメント半延伸糸(115デニール/10フ
ィラメント)および切断伸度が330%の、ポリエステ
ルマルチフィラメント未延伸糸(150デニール/48
フィラメント)を用いて図2の工程で加工した。
【0028】弾性糸2は、実施例1と同様にして、供給
ローラ4、5によって糸加工域へ導入した。
ローラ4、5によって糸加工域へ導入した。
【0029】弾性糸2をローラ5とローラ6で3倍に延
伸した後、ローラ6の上流側で前記2種類のポリエステ
ルマルチフィラメントと引揃え、ローラ10との間に設
けたインターレースノズル9に通して圧空圧4kg/c
m2 、オーバーフィード率2.5%で約60ケ/mの交
絡を付与した。次いで、ローラ10と延伸ローラ13と
の間に設けた加熱板11と仮撚ディスク12との間で同
時延伸仮撚、熱固定、解撚を行なった後、巻取機14で
巻取って嵩高弾性糸を得た。この時の延伸倍率は1.6
倍、加熱板の温度は160℃、仮撚ディスクの周速度は
600m/分、延伸ローラ速度は300m/分であっ
た。
伸した後、ローラ6の上流側で前記2種類のポリエステ
ルマルチフィラメントと引揃え、ローラ10との間に設
けたインターレースノズル9に通して圧空圧4kg/c
m2 、オーバーフィード率2.5%で約60ケ/mの交
絡を付与した。次いで、ローラ10と延伸ローラ13と
の間に設けた加熱板11と仮撚ディスク12との間で同
時延伸仮撚、熱固定、解撚を行なった後、巻取機14で
巻取って嵩高弾性糸を得た。この時の延伸倍率は1.6
倍、加熱板の温度は160℃、仮撚ディスクの周速度は
600m/分、延伸ローラ速度は300m/分であっ
た。
【0030】この嵩高弾性糸に150t/mのS撚をか
けて、経100本/インチ、緯60本/インチの密度で
平織に製織した後、常法に従い精練、プレセット、染
色、ファイナルセットを行なった。得られた織物は、ソ
フトでスパンライクな風合と外観を有しており、良好な
伸縮性能を示した。また、該織物の経および緯方向にそ
れぞれ30%の伸張を与えた時の外観を観察した結果、
目むきの発生は全く見られなかった。
けて、経100本/インチ、緯60本/インチの密度で
平織に製織した後、常法に従い精練、プレセット、染
色、ファイナルセットを行なった。得られた織物は、ソ
フトでスパンライクな風合と外観を有しており、良好な
伸縮性能を示した。また、該織物の経および緯方向にそ
れぞれ30%の伸張を与えた時の外観を観察した結果、
目むきの発生は全く見られなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、弾性糸をパッケージか
ら解舒して糸加工域に導入するに際し、従来張力管理の
難しかったオーバーエンド解舒が、低張力、低張力変動
幅で可能となり、安定したスムースな解舒が可能とな
る。それにより、弾性糸をオーバーエンド解舒し、非弾
性糸と混繊、複合仮撚、タスラン等の複合糸加工を施し
た場合に問題であった染着カスリ斑、引きつり、弾性糸
被覆不良による目むき等の発生を解消できる。
ら解舒して糸加工域に導入するに際し、従来張力管理の
難しかったオーバーエンド解舒が、低張力、低張力変動
幅で可能となり、安定したスムースな解舒が可能とな
る。それにより、弾性糸をオーバーエンド解舒し、非弾
性糸と混繊、複合仮撚、タスラン等の複合糸加工を施し
た場合に問題であった染着カスリ斑、引きつり、弾性糸
被覆不良による目むき等の発生を解消できる。
【0032】また、オーバーエンド解舒が可能となるた
め、従来の横解舒で必要であった巻糸体を一定速度で積
極的に回転解舒させるためのフリクション駆動装置の費
用が不要となり、さらに、横解舒では巻糸体が空になる
と一度機械を止めて新しい巻糸体を供給し、再度糸掛し
加工を再開していたものを、トランスファーテールを利
用して、機械を止めることなく連続して糸加工できるよ
うになった。
め、従来の横解舒で必要であった巻糸体を一定速度で積
極的に回転解舒させるためのフリクション駆動装置の費
用が不要となり、さらに、横解舒では巻糸体が空になる
と一度機械を止めて新しい巻糸体を供給し、再度糸掛し
加工を再開していたものを、トランスファーテールを利
用して、機械を止めることなく連続して糸加工できるよ
うになった。
【図1】本発明の一実施態様を説明するための工程の模
式図である。
式図である。
【図2】糸加工域が複合仮撚加工である工程の一例を示
す図。
す図。
【図3】本発明外の従来の工程を説明するための模式図
である。
である。
【図4】弾性糸を芯糸とし、非弾性糸を側糸として弾性
糸を被覆した嵩高弾性糸の断面図で、(イ)は良糸、
(ロ)は不良糸(所謂目むき糸)である。
糸を被覆した嵩高弾性糸の断面図で、(イ)は良糸、
(ロ)は不良糸(所謂目むき糸)である。
1 弾性糸パッケージ 2 弾性糸 3 ヤーンガイド 3´ ヤーンガイド 4 第1供給ローラ 5 第2供給ローラ 6 延伸ローラ 7 糸加工域 8 熱可塑性非弾性糸 9 インターレースノズル 10 ローラ 11 ヒーター 12 仮撚具 13 ローラ 14 巻取機 15 弾性糸 16 熱可塑性非弾性糸 17 熱可塑性非弾性糸 A 熱可塑性非弾性糸 B 熱可塑性非弾性糸
Claims (2)
- 【請求項1】 弾性糸をパッケージから解舒し、ヤーン
ガイドを経て、少なくとも2個の供給ローラを介して糸
加工域に導入するに際し、第1供給ローラ速度(V1 )
と第2供給ローラ速度(V2 )との比(V2 /V1 )を
1.03〜1.15にすると共に、第1供給ローラと第
2供給ローラ間の弾性糸張力を7〜50×10-3g/d
eにすることを特徴とする弾性糸の給糸方法。 - 【請求項2】 糸加工域が、緊張状態にある弾性糸と、
伸度差を有する少なくとも2種以上の熱可塑性合成繊維
とを同時に混繊・交絡した後、仮撚、熱固定および解撚
する加工域である請求項1記載の弾性糸の給糸方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6443197A JPH10259535A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 弾性糸の給糸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6443197A JPH10259535A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 弾性糸の給糸方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10259535A true JPH10259535A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13258089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6443197A Pending JPH10259535A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 弾性糸の給糸方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10259535A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002327347A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-15 | Asahi Kasei Corp | 伸縮性複合糸の製造方法 |
JP2009517561A (ja) * | 2005-12-02 | 2009-04-30 | ヒョスン・コーポレーション | Oeto方式を用いた弾性糸の巻き戻し装置 |
JP2011136816A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Unicharm Corp | 弾性糸供給装置 |
JP2016010710A (ja) * | 2015-08-25 | 2016-01-21 | ユニ・チャーム株式会社 | 使い捨ておむつの製造装置及び使い捨ておむつの製造方法 |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP6443197A patent/JPH10259535A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002327347A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-15 | Asahi Kasei Corp | 伸縮性複合糸の製造方法 |
JP4563611B2 (ja) * | 2001-04-26 | 2010-10-13 | 旭化成せんい株式会社 | 伸縮性複合糸の製造方法 |
JP2009517561A (ja) * | 2005-12-02 | 2009-04-30 | ヒョスン・コーポレーション | Oeto方式を用いた弾性糸の巻き戻し装置 |
JP4751450B2 (ja) * | 2005-12-02 | 2011-08-17 | ヒョスン・コーポレーション | Oeto方式を用いた弾性糸の巻き戻し装置 |
JP2011136816A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Unicharm Corp | 弾性糸供給装置 |
US9156648B2 (en) | 2009-12-28 | 2015-10-13 | Unicharm Corporation | Elastic thread supply device |
JP2016010710A (ja) * | 2015-08-25 | 2016-01-21 | ユニ・チャーム株式会社 | 使い捨ておむつの製造装置及び使い捨ておむつの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041020 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041026 |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20041214 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070724 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |