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JPH10258974A - 非定常信号解析装置及び非定常信号解析プログラムを記録した媒体 - Google Patents

非定常信号解析装置及び非定常信号解析プログラムを記録した媒体

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Publication number
JPH10258974A
JPH10258974A JP9248192A JP24819297A JPH10258974A JP H10258974 A JPH10258974 A JP H10258974A JP 9248192 A JP9248192 A JP 9248192A JP 24819297 A JP24819297 A JP 24819297A JP H10258974 A JPH10258974 A JP H10258974A
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JP
Japan
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state quantity
data
time
coordinate
wavelet
Prior art date
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Granted
Application number
JP9248192A
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JP4592123B2 (ja
Inventor
Minoru Iino
野 穣 飯
Masanori Yukitomo
友 雅 徳 行
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Elevator and Building Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Elevator Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Elevator Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP24819297A priority Critical patent/JP4592123B2/ja
Publication of JPH10258974A publication Critical patent/JPH10258974A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4592123B2 publication Critical patent/JP4592123B2/ja
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  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Indicating And Signalling Devices For Elevators (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 監視対象から得られた非定常信号を解析する
ことによって監視対象の異常状態を的確に診断すること
ができる非定常信号解析装置を提供する。 【解決手段】 監視対象10から発生する非定常信号を
解析するための非定常信号解析装置である。非定常信号
をウェーブレット変換してウェーブレットスペクトルデ
ータを作成するウェーブレット変換計算手段2を有す
る。監視対象10における特定の状態量の時間変化を表
した状態量変化関数を設定する状態量変化関数設定手段
4、6を有する。状態量変化関数の逆関数によってウェ
ーブレットスペクトルデータの時間座標を特定の状態量
の座標に非線形変換する時間座標非線形変換手段3を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、監視対象である各
種のメカニカルシステム、プロセス等から発生する非定
常信号を解析するための非定常信号解析装置に係わり、
特に、エレベータから発生する非定常信号を解析するた
めの非定常信号解析装置に関する。
【0002】また、本発明は、監視対象から発生する非
定常信号をコンピュータによって解析するためのプログ
ラムを記録した媒体に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、監視対象であるメカニカルシステ
ム、プロセス等から発生した信号を測定器によって測定
し、測定によって得られた信号データを解析することに
よって監視対象の異常を検知して操作員(オペレータ又
はユーザー)に異常状態を警告表示する診断システムと
して様々なものが提案されている。
【0004】これらの診断システムは、一般に監視対象
から得られた信号データをフーリエ変換してスペクトル
を監視したり、監視対象の入出力データからシステム同
定手法によって特性モデルを推定したりする方法が主流
である。
【0005】しかし、監視対象の運転状態が急激に変化
する非定常状態において測定された非定常信号に対して
は、フーリエ変換によって時々刻々と変化するスペクト
ルを求めたり、システム同定によって変動する特性モデ
ルを求めたりすることはできなかった。
【0006】そこで、非定常信号を解析して監視対象の
異常を検知する手法として、ウェーブレット変換を用い
たウェーブレット解析手法が注目されている。以下、こ
のウェーブレット解析手法について説明する。
【0007】監視対象から測定された信号データをx
(t)とすると、従来のフーリエ変換は下式(1)
【0008】
【数3】
【0009】によって表現される。これに対してウェー
ブレット変換は、下式(2)
【0010】
【数4】
【0011】によって表現される。ここで、φ(・)は
マザーウェーブレットと呼ばれる変換のための基底関数
である。
【0012】フーリエ変換は、ウェーブレット変換にお
ける基底関数をφ(t)=e-jt、b=0、a=ω-1
した場合に相当し、その基底関数は図2(a)に示した
ように無限遠の過去から未来に伸びた関数である。した
がって、フーリエ変換によって得られたスペクトルは、
例えば図2(b)に示したように周波数軸のみの1次元
関数となり、観測データのどの部分の特徴かという時間
依存性が判別できない。
【0013】これに対してウェーブレット変換では、例
えば下式(3)
【0014】
【数5】
【0015】で示されるガボール関数と呼ばれる関数を
基底関数として用いることによって、この基底関数は図
3(a)に示したような時間的に局在した関数となる。
【0016】このため、ウェーブレット変換によって得
られたスペクトルは、例えば図3(b)に示したように
周波数軸及び時間軸に対する2次元関数となり、この2
次元関数に基づいて信号内の各周波数成分の時間依存性
を判別することができる。
【0017】なお、ウェーブレット変換理論に関する詳
細は、例えば榊原 進:数理科学セミナー「ウェーブレ
ットビギナーズガイド」、東京電機大学出版局(199
5)に紹介されている。
【0018】上述したようにウェーブレット変換は観測
されたデータの各時刻でのスペクトル分布を抽出するこ
とができることから、非定常信号に対する解析手段とし
て有効であり、したがって監視対象の運転状態が時々刻
々と変換する場合にも有効であるとされている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の診断システムは、監視対象から得られた非定常信号
に対してただ単にウェーブレット変換を行うようにした
ものであるため、その解析結果は周波数スペクトルの時
間依存性を示すにとどまるものであり、解析対象の異常
診断のための解析手法としては不十分であった。
【0020】例えば図3(b)に示したような従来の診
断システムによる解析結果を見ても、この解析結果が監
視対象の状態変化とどのように関わっているかについて
は読みとることができない。
【0021】そこで、本発明は、上述した問題点を解消
し、監視対象から得られた非定常信号を解析することに
よって監視対象の異常状態を的確に診断することができ
る非定常信号解析装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る非定常信号解析装置は、監視対象から発生する非定常
信号を解析するための非定常信号解析装置において、前
記非定常信号をウェーブレット変換してウェーブレット
スペクトルデータを作成するウェーブレット変換計算手
段と、前記監視対象における特定の状態量の時間変化を
表した状態量変化関数を設定する状態量変化関数設定手
段と、前記状態量変化関数の逆関数によって前記ウェー
ブレットスペクトルデータの時間座標を前記特定の状態
量の座標に非線形変換する時間座標非線形変換手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0023】請求項2記載の発明による非定常信号解析
装置は、監視対象がエレベータであって、このエレベー
タの乗りかごにおいて測定された非定常信号である加速
度信号を解析するための非定常信号解析装置において、
前記加速度信号をウェーブレット変換してウェーブレッ
トスペクトルデータを作成するウェーブレット変換計算
手段と、前記乗りかごの特定の状態量である昇降位置又
は昇降速度の時間変化を表した状態量変化関数を設定す
る状態量変化関数設定手段と、前記状態量変化関数の逆
関数によって前記ウェーブレットスペクトルデータの時
間座標を前記昇降位置又は前記昇降速度の座標に非線形
変換する時間座標非線形変換手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0024】請求項3記載の発明による非定常信号解析
装置は、前記時間座標非線形変換手段は、拡張ウェーブ
レット変換式
【0025】
【数6】
【0026】によって前記ウェーブレットスペクトルデ
ータの時間座標を前記特定の状態量の座標に非線形変換
したスペクトルデータを計算することを特徴とする。
【0027】請求項4記載の発明による非定常信号解析
装置は、前記時間座標非線形変換手段は、前記ウェーブ
レットスペクトルデータを各時間毎に分割し、時間と前
記特定の状態量との関係を記憶したデータテーブル或い
は前記状態量変化関数に基づいて、分割されたデータを
状態量順に並べ替え、各データ間を補間或いは平滑化処
理することによって、前記ウェーブレットスペクトルデ
ータの時間座標を前記特定の状態量の座標に非線形変換
したスペクトルデータを計算することを特徴とする。
【0028】請求項5記載の発明による非定常信号解析
装置は、前記非定常信号を測定するための応答データ測
定手段をさらに有することを特徴とする。
【0029】請求項6記載の発明による非定常信号解析
装置は、前記状態量変化関数設定手段は、前記特定の状
態量以外の状態量に関する測定データに基づいて前記状
態量変化関数を推定するようにしたことを特徴とする。
【0030】請求項7記載の発明による非定常信号解析
装置は、前記特定の状態量以外の状態量に関する測定デ
ータは前記非定常信号に関する測定データであることを
特徴とする。
【0031】請求項8記載の発明による非定常信号解析
装置は、前記状態量変化関数設定手段は、前記監視対象
の動特性モデルに基づく状態観測器又はカルマンフィル
タを用いて、前記特定の状態量の時間変化を前記特定の
状態量以外の状態量の測定データに基づいて推定するこ
とによって前記状態量変化関数を推定するようにしたこ
とを特徴とする。
【0032】請求項9記載の発明による非定常信号解析
装置は、前記状態量変化関数設定手段は、前記特定の状
態量の測定データに基づいて前記状態量変化関数を求め
るようにしたことを特徴とする。
【0033】請求項10記載の発明による非定常信号解
析装置は、前記状態量変化関数設定手段は、予め求めて
おいた前記状態量変化関数を使用するようにしたことを
特徴とする。
【0034】請求項11記載の発明による非定常信号解
析装置は、少なくとも前記特定の状態量の座標及び周波
数の座標を有する座標系によって前記時間座標非線形変
換手段の解析結果を表示する表示手段をさらに有するこ
とを特徴とする。
【0035】請求項12記載の発明による非定常信号解
析装置は、前記時間座標非線形変換手段の解析結果に基
づいて前記監視対象における異常の発生の有無を判定す
る異常判定手段をさらに有することを特徴とする。
【0036】請求項13記載の発明による非定常信号解
析装置は、前記時間座標非線形変換手段の解析結果であ
るスペクトルデータについての前記表示手段による表示
に対して、表示全体の中の特定の領域を指定するための
領域指定手段と、前記領域指定手段によって指定された
領域に対応するスペクトルデータを取り出して前記異常
判定手段に送るためのデータ抽出手段と、をさらに有す
ることを特徴とする。
【0037】請求項14記載の発明による非定常信号解
析装置は、前記異常判定手段による判定結果を前記表示
手段に表示するようにしたことを特徴とする。
【0038】請求項15記載の発明による非定常信号解
析装置は、前記異常判定手段による判定結果を表示する
異常表示手段をさらに有することを特徴とする。
【0039】請求項16記載の発明による非定常信号解
析プログラムを記録した媒体は、監視対象から発生する
非定常信号をコンピュータによって解析するためのプロ
グラムを記録した媒体であって、この非定常信号解析プ
ログラムはコンピュータに、前記非定常信号をウェーブ
レット変換してウェーブレットスペクトルデータを作成
するウェーブレット変換計算機能と、前記監視対象にお
ける特定の状態量の時間変化を表した状態量変化関数を
設定する状態量変化関数設定機能と、前記状態量変化関
数の逆関数によって前記ウェーブレットスペクトルデー
タの時間座標を前記特定の状態量の座標に非線形変換す
る時間座標非線形変換機能と、を実現させることを特徴
とする。
【0040】請求項17記載の発明による非定常信号解
析プログラムを記録した媒体は、前記監視対象はエレベ
ータであり、前記非定常信号は前記エレベータの乗りか
ごにおいて測定された加速度信号であり、前記特定の状
態量は前記乗りかごの昇降位置又は昇降速度であること
を特徴とする。
【0041】請求項18記載の発明による非定常信号解
析プログラムを記録した媒体は、前記時間座標非線形変
換手段は、拡張ウェーブレット変換式
【0042】
【数7】
【0043】によって前記ウェーブレットスペクトルデ
ータの時間座標を非線形変換したスペクトルデータを計
算することを特徴とする。
【0044】請求項19記載の発明による非定常信号解
析プログラムを記録した媒体は、前記時間座標非線形変
換手段は、前記ウェーブレットスペクトルデータを各時
間毎に分割し、時間と前記特定の状態量との関係を記憶
したデータテーブル或いは前記状態量変化関数に基づい
て、分割されたデータを状態量順に並べ替え、各データ
間を補間或いは処理することによって、時間座標を前記
特定の状態量の座標に非線形変換したスペクトルデータ
を計算することを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】第1実施形態 以下、本発明による非定常信号解析装置の第1実施形態
について図1及び図3を参照して説明する。
【0046】図1は、本実施形態による非定常信号解析
装置全体の概略構成を示しており、この非定常信号解析
装置は、解析対象から発生する非定常信号を測定するた
めの応答データ測定手段1を備えている。この応答デー
タ測定手段1は、センサー及びA/D変換器、各種ノイ
ズ除去フィルタ等によって構成されている。
【0047】応答データ測定手段1によって得られた非
定常信号データ(応答データ時系列)x(t)はウェー
ブレット変換計算手段2に送られる。
【0048】このウェーブレット変換計算手段2は、例
えば上述したウェーブレット変換式(2)
【0049】
【数8】
【0050】を保持している。ここで、aは周波数ωの
逆数であり、bは時間tである。
【0051】そして、ウェーブレット変換計算手段2に
おいて、上式(2)を用いて非定常信号データx(t)
をウェーブレット変換し、図3(b)に示したようなウ
ェーブレットスペクトルデータ(ウェーブレット変換デ
ータ)wt(a,b)を算出する。
【0052】ウェーブレット変換計算手段2によって得
られたウェーブレットスペクトルデータwt(a,b)
は時間座標非線形変換手段3に送られる。この時間座標
非線形変換手段3は、ウェーブレット変換計算手段2に
よって得られたウェーブレットスペクトルデータwt
(a,b)の時間座標を、監視対象の特定の状態量(物
理量)に関して非線形座標変換するための手段である。
【0053】ここで、特定の状態量とは、例えば、応答
データ測定手段1によって測定される非定常信号が加速
度に関する信号であるとすれば、特定の状態量は、例え
ば速度であり、或いは位置である。この点については、
後述する第1実施例及び第2実施例において、エレベー
タ及び鉄道列車を例に挙げて詳しく説明する。
【0054】また、本実施形態による非定常信号解析装
置は、時間と特定の状態量との関係を表す状態量変化関
数データ{z(t1),z(t2)……z(tN)}を書
き込むための時間〜状態量変換テーブル4を備えてい
る。この時間〜状態量変換テーブル4は、後述する状態
量推定手段6と共に、監視対象における特定の状態量の
時間変化を表した状態量変化関数を設定する状態量変化
関数設定手段を構成する。
【0055】そして、この時間〜状態量変換テーブル4
に書き込まれる状態量変化関数データ{z(t1),z
(t2)……z(tN)}を得るための方法としてはいく
つかの方法が考えられるが、本実施形態においては、予
め求めておいた状態量変化関数データ{z(t1),z
(t2)……z(tN)}を、入力手段5によって時間〜
状態量変換テーブル4に書き込むようにする。
【0056】なお、状態量変化関数データ{z
(t1),z(t2)……z(tN)}を得るためのその
他の方法としては、例えば、特定の状態量z(例えば速
度)を直接測定して状態量測定値を得ることによって、
特定の状態量zの時間変化を直接的に取得する方法、或
いは特定の状態量z(例えば速度)以外の状態量(例え
ば加速度)に関する測定データに基づいて特定の状態量
zの時間変化を推定する方法等が考えられる。
【0057】後者の特定の状態量以外の状態量から特定
の状態量zの時間変化を推定する方法は、図1に示した
状態量推定手段6を使用する方法であり、これについて
は本実施形態の変形例として後述する。
【0058】時間座標非線形変換手段3は、時間〜状態
量変換テーブル4に書き込まれた状態量変化関数データ
{z(t1),z(t2)……z(tN)}を読み出し、
読み出した状態量変化関数データに基づいてウェーブレ
ットスペクトルデータwt(a,b)の時間座標bを状
態量zの座標に変換する。具体的には、時間座標非線形
変換手段3は、特定の状態量zの時間tに対する関数
(状態量変化関数)z(t)の逆関数t(z)を求め、
この逆関数t(z)に基づいて上述したウェーブレット
変換式(2)を時間tから特定の状態量zに変数変換す
る。
【0059】このようにして特定の状態量zに変数変換
されたウェーブレット変換式(2)は下式(4)のよう
になる。
【0060】
【数9】
【0061】以下では、上式(4)によって示された変
換を便宜上、拡張ウェーブレット変換と称することにす
る。この拡張ウェーブレット変換式(4)によってウェ
ーブレットスペクトルデータwt(a,b)の時間座標
bを状態量zの座標に変換することによって、特定の状
態量に対する周波数の変化を示した拡張ウェーブレット
スペクトルwt(a,z)が得られる。
【0062】なお、上述のウェーブレットスペクトルw
t(a,b)は、周波数ωの関数という意味を強調する
ために、以下ではω=a-1をwt(ω,b)、wt(a
-1,b)との表記も用いることにする。また、以下では
従来のウェーブレットスペクトルをwt(ω,t)、拡
張ウェーブレットスペクトルをwt(ω,z)と記して
区別することにする。
【0063】また、拡張ウェーブレットスペクトルwt
(ω,z)の別の計算の仕方として、従来のウェーブレ
ット変換により得られたウェーブレットスペクトルデー
タwt(ω,t)を各時間{t1,t2…tn}のデータ
{wt(ω,t1),wt(ω,t2)…wt(ω,
n)}に分割し、時間と特定の状態量の関係を示した
状態量変化関数z(t)或いはその関係を記憶したデー
タテーブル{z(t1),z(t2)…z(tn)}に基
づき、前記の分割データを状態量zの順に並べ替え、デ
ータ間を補間或いは平滑化処理することにより、時間座
標を状態量座標に非線形変換した拡張ウェーブレットス
ペクトルwt(ω,z)を得る方法もある。
【0064】次に、時間座標非線形変換手段3によって
求めた拡張ウェーブレットスペクトルwt(a,z)は
表示手段7に送られる。この表示手段7は、拡張ウェー
ブレットスペクトルwt(a,z)に基づいて、時間座
標軸を変数変換された拡張ウェーブレットスペクトルデ
ータ(ウェーブレット解析データ)として周波数座標ω
=a-1(又はその逆数a)及び状態量座標zに対する2
次元関数wt(ω,z)を表示する。
【0065】
【数10】
【0066】さらに、本実施形態による非定常信号解析
装置は、時間座標非線形変換手段3によって算出された
拡張ウェーブレットスペクトルデータに基づいて監視対
象における異常の発生の有無を自動的に判定する異常判
定手段8を備えている。この異常判定手段8は、所定の
異常診断方式を用いて監視対象の正常・異常を自動判定
し、判定結果であるアラーム情報・異常モード情報等を
表示手段7に送ってオペレータに警告表示するものであ
る。
【0067】ここで、所定の異常診断方式としては、例
えば解析結果の拡張ウェーブレットスペクトルデータw
t(ω,z)の特定の部分のパワスペクトル値 {|wt(ω1,z1)|,…,|wt(ωm,zm)|} に基づいて、次式(5) if(|wt(ωi,zi)|>εi) then 異常i (5) などのしきい値判定や、各種の複合的手段による判定を
行うようにする。
【0068】また、異常判定手段8による判定結果は、
表示手段7に表示するだけでなく、表示手段7とは別に
設けた異常表示手段9にアラーム表示することもでき
る。
【0069】また、時間座標非線形変換手段3の解析結
果である拡張ウェーブレットスペクトルデータについて
の表示手段7の表示に対して、ポインティングデバイス
等により使用者が表示全体の中から特定領域を指定し、
その特定領域に対応する拡張ウェーブレットスペクトル
データのみを取り出して異常判定手段8に送り、そのデ
ータのみを用いて異常判定手段8によって前記の監視対
象における異常の発生の有無を判定することもできる。
【0070】これにより、表示手段7に一度表示された
拡張ウェーブレットスペクトルの中から通常と異なった
特徴を有する部分を使用者が判断して取り出し、その部
分についてのみ解析をすることで、他の部分に含まれる
ノイズや外乱その他の因子の影響を受けることなく直接
的な解析作業が可能になり、その結果、異常判定の精度
が向上する。
【0071】以上述べたように本実施形態の非定常信号
解析装置によれば、監視対象から測定された非定常信号
データをウェーブレット変換してウェーブレットスペク
トルデータを求め、これらのウェーブレットスペクトル
データに対して時間座標軸を特定の状態量(物理量)の
座標軸に座標変換するようにしたので、周波数スペクト
ルの時間変化のみならず、特定の状態量(例えばメカニ
カルシステムにおける位置、速度、加速度など)と周波
数スペクトルとの相関関係・因果関係を容易に把握する
ことができる。
【0072】このため、監視対象において異常現象が発
生した場合にその異常現象を物理法則の観点から理解し
やすい解析結果・表示が得られ、例えば異常現象の発生
箇所を容易に特定することができる。
【0073】また、本実施形態の非定常信号解析装置に
よれば、監視対象の運転状態、内部状態などが頻繁に変
化する非定常状態において、変化する状態ごとにスペク
トル分布を解析することができるので、非定常信号の解
析に極めて有効であり、結果として、短い断片的なデー
タに対しても有効な解析を行うことが可能となる。
【0074】変形例 次に、上述した第1実施形態の変形例について図4を参
照して説明する。
【0075】本変形例による非定常信号解析装置は、時
間〜状態量変換テーブル4に書き込むための状態量変化
関数データ{z(t1),z(t2)……z(tN)}
を、特定の状態量z以外の状態量に関する測定データに
基づいて、状態量推定手段6によって推定して作成する
ようしたものである。したがって、特定の状態量zを直
接測定できない場合において極めて有効である。
【0076】本変形例における状態量推定手段6は、監
視対象の動特性モデルに基づいた状態推定手段を用いて
特定の状態量zの時間変化を測定データから実時間で推
定することにより、状態量変化関数データ{z
(t1),z(t2)……z(tN)}を得るものであ
る。
【0077】図4は、本変形例における状態量推定手段
6の概略構成を示している。この状態量推定手段6にお
いては、監視対象10の入力信号u(t)を出力信号予
測モデル11に入力したときの出力予測値yハット
(t)と実際の出力信号y(t)との差である推定誤差
信号e(t)に基づき、推定状態量修正手段12により
出力信号予測モデル11内の状態量推定値を逐次修正す
ることにより、直接には測定できない特定の状態量z
(t)を実時間で推定することができる。
【0078】状態推定手段の一例としてカルマンフィル
タ或いは状態観測器による構成では、出力信号予測モデ
ルが下式(6)、(7)、推定状態量修正手段が下式
(8)となる。
【0079】
【数11】
【0080】ここで、A、B、Cは監視対象の動特性モ
デルに関する係数行列、Kはカルマンゲイン(或いは状
態観測器ゲイン)である。
【0081】この逐次計算により、監視対象の入力信号
u(k)、出力信号y(k)の観測データ系列から監視
対象の内部状態量ベクトルz(k|k)を推定すること
ができる。このようにして推定された状態量ベクトル中
のいくつかの要素を特定の状態量zとして取り出し、そ
の時系列{z(t1),z(t2)……z(tN)}から
時間〜状態量変換テーブル4を作成する。
【0082】なお、上述の状態量の推定は、予めオフラ
インで処理しておく方法と、データを観測しながら実時
間で処理する方法とがある。
【0083】以上述べたように本変形例によれば、特定
の状態量zを直接測定することができない場合であって
も、状態量推定手段6によって特定の状態量zと観測デ
ータスペクトルとの関係を把握することができる。ま
た、ウェーブレット解析手法に他の解析手法を組み合わ
せることが容易になる。
【0084】第1実施例 次に、上記第1実施形態による非定常信号解析装置の第
1実施例として、監視対象がメカニカルシステムである
エレベータの場合について図5乃至図15を参照して説
明する。本実施例においては、測定信号(非定常信号)
がエレベータの乗りかご内で測定される加速度信号であ
り、非線形変換に用いる特定の状態量は乗りかごの昇降
位置或いは昇降速度である。
【0085】監視対象であるエレベータは、図5に示し
たように、モータ51、シーブ(滑車)52a、52
b、52c、52d、かご枠53、乗りかご54、ガイ
ドローラ55、ガイドレール56、カウンターウェイト
57によって構成されている。
【0086】また、本実施例による非定常信号解析装置
は、図6に示したように乗りかご54内に配置された加
速度センサー20を備えている。この加速度センサー2
0によって測定された加速度信号は、A/D変換器21
に送られて変換された後、解析・表示装置(例えばパソ
コン)22に取り込まれる。加速度センサー20及びA
/D変換器21は図1に示した応答データ測定手段1を
構成する。
【0087】解析・表示装置22の内部では図1に示し
た処理によって拡張ウェーブレットスペクトルデータが
算出され、算出された拡張ウェーブレットスペクトルデ
ータが解析・表示装置22の画面に表示される。また、
解析結果又は異常診断結果はモデム23、23及び公衆
回線を通じて遠隔地の監視センターに送られ、この監視
センターの集中監視端末24に表示され、さらに異常状
態に応じてアラームが発生される。
【0088】図7は、解析・表示装置22における具体
的なフローチャートを示したものである。
【0089】まず、診断開始と共に、加速度センサー2
0によって乗りかご54内の加速度信号x(t)を測定
する(ステップ1)。次に、上述した式(2)及び式
(3)を用いて、測定された加速度信号x(t)に基づ
いてウェーブレットスペクトルデータwt(a,b)を
計算する(ステップ2)。
【0090】そして、その解析結果であるウェーブレッ
トスペクトルデータwt(a,b)又はwt(ω,b)
を時間軸及び周波数軸に対してディスプレイ端末に表示
する(ステップ3)。ここで、ω=a-1はウェーブレッ
トスペクトルの周波数である。次に、解析対象の特定の
状態量として、かご速度又はかご位置のいずれかを使用
者が選択する(ステップ4)。なお、このステップ4に
ついては、かご速度及びかご位置の両方の手順を自動的
に処理するようにすることも可能である。
【0091】次に、ステップ4の特定の状態量の選択に
おいてかご位置を選択した場合には、加速度信号x
(t)を2階積分することにより、かご位置信号p
(t)を生成する(ステップ5)。そして、ステップ5
で生成されたかご位置信号データ{p(t1),p
(t2)…p(tN)}に基づいて、時間t及び位置pの
関数テーブルを作成する(ステップ6)。
【0092】次に、ステップ2で算出されたウェーブレ
ットスペクトルデータの時間座標をステップ6で作成さ
れた関数テーブルに基づいてかご位置pの座標に変換
し、拡張ウェーブレットスペクトルデータwt(ω,
p)を求める(ステップ7)。そして、解析結果である
拡張ウェーブレットスペクトルデータwt(ω,p)を
ディスプレイに表示する(ステップ8)。
【0093】さらに、下式(9)に示したようにwt
(ω,p)で位置pに対する変化率を計算し、変化率が
所定のしきい値を超えるか否かを判定式によって判定
し、パワスペクトルの位置に対する急変の有無を判定す
る(ステップ9)。
【0094】
【数12】
【0095】そして、ステップ9において急変があると
判定された場合には、急変箇所p(ti)を検出し、エ
レベータ系のレール或いはロープの異常としてディスプ
レイに表示する(ステップ10)。一方、急変がないと
判定された場合には、ディスプレイに「異常なし」を表
示し(ステップ11)、診断を終了或いは次の動作周期
まで待機する。
【0096】また、ステップ4において特定の状態量と
してかご速度を選択した場合には、加速度信号x(t)
を1階積分することによってかご速度信号v(t)を生
成する(ステップ12)。そして、ステップ12で生成
されたかご速度信号データ{v(t1),v(t2)…v
(tN)}に基づいて、時間t及び速度vの関数テーブ
ルを作成する(ステップ13)。
【0097】次に、ステップ2で算出されたウェーブレ
ットスペクトルデータwt(a,b)の時間座標をステ
ップ13で作成された関数テーブルに基づいてかご速度
vの座標に変換し、拡張ウェーブレットスペクトルデー
タwt(ω,v)を求める(ステップ14)。そして、
解析結果である拡張ウェーブレットスペクトルデータw
t(ω,v)をディスプレイに表示する(ステップ1
5)。
【0098】さらに、下式(10)に示したように|w
t(ω,v)|のしきい値判定 |wt(ωi,vi)| > εv (10) により、しきい値を超えるパワスペクトルを持つ部分の
データ(ピークスペクトル){wt(ω1,v1),wt
(ω2,v2)…wt(ωm,vm)}を検出する。さら
に、周波数ωとかご速度vとの間の比例関係式(11) vi=rωi+ei (11) を仮定し、誤差eiの二乗和Σei 2が最小となる係数r
の最小二乗解
【0099】
【数13】
【0100】を求める。
【0101】このとき、各データ点{(ω1,v1),
(ω2,v3)…(ωm,vm)}の比例関係式(11)の
直線からの距離dの分散に対する判定式
【0102】
【数14】
【0103】が成り立てば速度vと周波数ωに強い相関
(比例)関係があると判断する(ステップ16)。
【0104】そして、この場合は、エレベータの回転系
(モータ、シーブ、各軸のベアリング、ガイドローラな
ど)のいずれかに異常があると判断される。なぜなら
ば、回転系の偏心等によるトルクむらの周波数は回転数
に比例し、また、かご速度も回転数に比例するためであ
る。
【0105】さらに、比例係数rからどの回転系かを判
定し、判定結果をディスプレイに表示する(ステップ1
7)。例えば、(r/2π)がシーブ(滑車)の半径に
一致すれば、 かご速度=2π(シーブ半径)×(シーブ回転周波数) (14) なる関係からシーブの偏心によるトルクむらが原因と判
断される。一方、ステップ16において相関関係はない
と判定された場合には、ディスプレイに「異常なし」を
表示し(ステップ11)、診断を終了或いは次の動作周
期まで待機する。
【0106】次に、図1に示した時間座標非線形変換手
段3における処理に対応するステップ6又はステップ1
3における座標変換の具体的手順について説明する。
【0107】まず、かご位置信号p(t)或いはかご速
度信号v(t)をここでは状態量信号z(t)と記すこ
とにし、データ列{z(t1),z(t2)…z
(tN)}からなる関数テーブル(時間〜状態量変換テ
ーブル4)が得られているとする。そして、通常のウェ
ーブレット変換により得られたデータ wt(a,b)={wt(ai,bj)|i=1,...,n1,j=1,...,n2} (15) に対し、まず周波数ω=a-1の関係を代入し、 wt(ω,b)={wt(ωi,bj)|ωi=ai -1,i=1,...,n1,j=1,...,n2} (16) なるデータに変換する。
【0108】次に、各データ要素の時間座標bjに対
し、 tk≦bj≦tk+1 (17) なるtkを{t1,t2…tN}から探し出し、線形補間式
【0109】
【数15】
【0110】により、対応する状態量z(bj)を求め
ることにより、拡張ウェーブレットスペクトルデータ wt(ω,z)={wt(ωi,z(bj))|ωi=ai -1,i=1,..,n1,j=1,..,n2 } (19) を得ることができる。
【0111】また、別の手段としては、時間〜状態量変
換テーブル4から関数z(t)を推定する。例えば、 z(t)=z0+z1t+…zpp (20) なる多項式を仮定し、係数z0,z1…zpをデータ{z
(t1),z(t2)…z(tN)}から最小二乗推定す
る。次に、その逆関数t(z)を求める。
【0112】最後に、観測データx(t)に対し、
【0113】
【数16】
【0114】を直接、数値積分することにより、拡張ウ
ェーブレットスペクトルデータを得ることもできる。
【0115】図8乃至図15は、本実施例による非定常
信号解析装置を用いてエレベータの乗りかご54の加速
度データを解析した結果を示している。
【0116】図8乃至図12は、エレベータのモータ5
1の軸が偏心したことによる回転トルクむらが原因で乗
りかご54において異常振動が生じたケースを示してい
る。図8(a)はモータ51のトルク司令値、図8
(b)はその時のかご加速度信号x(t)の積分計算か
ら推定したかご速度信号v(t)、図8(c)は同様に
かご加速度信号x(t)の2階積分計算から推定したか
ご位置信号p(t)である。
【0117】このとき、乗りかご54の内部で観測され
た加速度データx(t)は、図9(a)に示したように
速度と共に周波数特性が変化する非定常信号である。そ
の理由は、モータ軸の偏心によるトルクむらの周波数が
図9(b)に示したようにかご速度に比例して変化する
ためである。したがって、加速度データx(t)を単純
にフーリエ変換しても、図9(c)に示したように全体
のスペクトル分布が解るだけで、速度信号への依存性は
判別できない。
【0118】図10、図11(a)、(b)、図12は
それぞれ、加速度信号x(t)を従来型ウェーブレット
変換した結果、速度信号v(t)に基づく拡張ウェーブ
レット変換した結果、位置信号p(t)に基づく拡張ウ
ェーブレット変換した結果を示している。
【0119】例えば、図11(a)、(b)の速度信号
に基づくウェーブレットスペクトルデータを見ると、ス
ペクトルの山(ピークスペクトル)が速度信号v(t)
と周波数ω=a-1との比例関係を表す一直線上に並んで
いることが判別できる。この結果から、エレベータの回
転系が異常であることが判別され、さらに、速度と周波
数との比例関係からモータ51の軸が異常であることが
判別される。
【0120】また、図13乃至図15はエレベータのガ
イドレール56に異常がある場合の解析結果を示してい
る。図13の(a)、(b)、(c)はそれぞれ、モー
タトルク信号、かご速度信号v(t)、かご位置信号p
(t)を示している。図14の(a)、(b)はそれぞ
れ、かご内加速度信号x(t)、そのフーリエ変換結果
を示している。
【0121】そして、乗りかご54が上昇中に、高さ約
10.7mの部分にガイドレール56の継ぎ目による段
差があり、この段差によって乗りかご54がインパルス
状の外力を受け、振動を始めている。しかし、図14
(b)に示したフーリエ変換の結果からは、どの部分で
外力を受けたのか判別できない。
【0122】次に、加速度信号x(t)の位置信号p
(t)に対する拡張ウェーブレット変換の結果を図15
に示す。図15から解るように、かご位置p軸方向に対
し、p=10.7mの部分でスペクトルの急変が見られ
る。したがって、このp=10.7mの部分でガイドレ
ール56の異常が発生していることが判別される。
【0123】以上述べたように本実施例によれば、エレ
ベータの乗りかご54の加速度信号をかご速度に対して
拡張ウェーブレット変換し、得られた拡張ウェーブレッ
トスペクトルデータにおけるピークスペクトルの周波数
とかご速度との比例関係から回転系のトルク変動が発生
していることが判別でき、さらに比例係数から原因とな
る回転系の半径を特定できる。
【0124】同様に、加速度信号のかご位置に対する拡
張ウェーブレットスペクトルデータのスペクトルの位置
変化から、レール、ロープなどの傷の有無を判別でき、
その位置を特定することができる。
【0125】したがって、エレベータの異常診断、メイ
ンテナンス業務等の効率を大幅に向上させることができ
る。また、エレベータの移動距離が短く、観測データ長
が短い場合でも精度の高い解析・異常診断を行うことが
可能である。
【0126】なお、本実施例の異常判定手段は、エレベ
ータのかご内加速度信号を一度記憶し、それに対して、
オフライン処理で異常解析を行う場合と、実時間でデー
タの測定、特定状態量であるかご速度・加速度の推定、
拡張ウェーブレット計算、異常の判定を全て実時間で行
う場合とがある。
【0127】特に、エレベータシステムの異常診断への
適用に関しては、加速度信号に含まれる振動スペクトル
のかご位置、かご速度との相関関係が明確に把握でき、
診断、異常箇所の特定が容易に行える。
【0128】第2実施例 次に、上記第1実施形態による非定常信号解析装置の第
2実施例として、監視対象が列車である場合について図
16及び図17を参照して説明する。
【0129】鉄道などの列車、電車は車輪の摩耗或いは
レールの歪み、変形などにより、異常振動や異常音を発
することがあり、乗り心地の低下、乗客の不快感、さら
には列車事故の原因となる。
【0130】そこで、以下では、非定常信号解析装置を
列車の異常診断システムとして使用する場合について説
明する。
【0131】図16は本実施例による非定常信号解析装
置の概略を示した構成図であり、図17は本実施例によ
る非定常信号解析装置を列車に取り付けた状態を説明す
るための説明図である。
【0132】図16に示したように本実施例による非定
常信号解析装置は、応答データ測定手段1を構成する加
速度センサー30及び音響センサー31を備えており、
これらのセンサー30、31は図17に示したように列
車32に取り付けられている。加速度センサ30及び音
響センサー31からなる応答データ測定手段1の検出信
号は、ウェーブレット変換計算手段2に送られてここで
ウェーブレットスペクトルに変換される。
【0133】また、図17に示したように列車32には
従来から位置センサ33及びエンコーダ34が取り付け
られており、位置センサ33は地上に設置された地上識
別子(目印)35を認識するものであり、一方、エンコ
ーダ34は列車32の車輪軸に取り付けられてこの車輪
軸の回転を検出するものである。
【0134】さらに、本実施例による非定常信号解析装
置は、図16に示したように速度・位置検出手段36を
備えており、この速度・位置検出手段36は、上述した
位置センサ33及びエンコーダ34からの信号に基づい
て、特定の状態量である列車の速度及び位置を検出し、
時間〜位置データ或いは時間〜速度データを作成する。
これらの時間〜位置データ或いは時間〜速度データは時
間〜状態量変換テーブル4に送られてここに格納され
る。
【0135】ウェーブレット変換計算手段2によって算
出されたウェーブレットスペクトルは時間座標非線形変
換手段3に送られ、この時間座標非線形変換手段3は、
時間〜状態量変換テーブル4からの時間〜位置データ或
いは時間〜速度データに基づいて、ウェーブレットスペ
クトルの時間座標を列車位置座標或いは列車速度座標に
変換して拡張ウェーブレットスペクトルを生成する。
【0136】時間座標非線形変換手段3の変換結果は異
常判定手段8に送られ、この異常判定手段8において正
常か異常かの判定がなされる。ここで、異常判定の方法
としては、まず位置〜周波数に対する拡張ウェーブレッ
トスペクトルを過去の正常時のスペクトルデータと比較
し、その差異がしきい値以上になった場合に線路のレー
ル異常と判定し、さらに、異常が発生したレールの場所
を特定する。
【0137】また、他の異常判定方法としては、速度〜
周波数に対する拡張ウェーブレットスペクトルを過去の
正常時のスペクトルデータと比較し、その差異がしきい
値以上になった場合に列車の車輪異常と判定し、異常が
発生した車輪を特定する。
【0138】なお、異常判定の際に使用される正常時の
データは、通常運転時のデータ或いは列車試験時のデー
タの基づいて別途作成し、予め準備しておくようにす
る。
【0139】異常判定手段8による判定結果は列車32
内に設けられた表示警報装置(異常表示手段)9に送ら
れ、異常の場合には運転員に対して警報が発せられる。
また、異常判定手段8の判定結果は、有線又は無線の通
信手段37によって列車管制センター内の受信手段38
に送られ、さらに列車管制センター内の表示手段7に送
られてここに表示される。
【0140】なお、上記の実施例においては実時間にて
処理を実行することを前提としているが、実時間ではな
くオフラインによって処理を実行することも可能であ
る。
【0141】また、上記の実施例においては異常診断シ
ステムである非定常信号解析装置を列車の内部に設置す
るようにしているが、非定常信号解析装置を列車外部に
設置し、加速度センサー30及び音響センサー31を線
路側に取り付けることによっても上記と同様の機能を実
現することができる。
【0142】第3実施例 次に、上記第1実施形態による非定常信号解析装置の第
3実施例として、不特定の監視対象の異常を解析するた
めの汎用異常診断ツールである非定常信号解析装置につ
いて図18乃至図21を参照して説明する。本実施例に
よる非定常信号解析装置は、センサー、演算機能、及び
表示機能等が一体化した携帯型の解析装置或いは異常診
断装置である。
【0143】図18は本実施例による非定常信号解析装
置(汎用異常診断装置)40の外観を示した斜視図であ
り、図19はこの非定常信号解析装置の内部のシステム
構成を示した構成図である。
【0144】図18及び図19に示したようにこの非定
常信号解析装置40は、解析結果である拡張ウェーブレ
ットスペクトルデータを表示するための表示部41を備
えており、この表示部41は電子ペンよりなるポインテ
ィングデバイス42によって使用者が画面上の特定の領
域を指定できるようになっている。なお、ポインティン
グデバイスとしては、電子ペンに代えてマウスを設ける
こともできる。
【0145】また、本実施例による非定常信号解析装置
40は、応答データ測定手段である加速度センサー43
を内蔵しており、さらに、監視対象の状態量信号を取り
込むための外部信号入力端子44を備えている。加速度
センサー43からの検出信号及び外部信号入力端子44
からの入力信号は、非定常信号解析装置40の内部に設
けられた中央処理装置(CPU)45に送られるように
なっている。CPU45にはメモリ46が接続されてお
り、センサー情報はこのメモリ46に記憶され、CPU
45によって拡張ウェーブレット変換計算が実行され
る。
【0146】図20は、CPU45によって得られた拡
張ウェーブレットスペクトルデータを表示部41に表示
した状態の一例を示しており、画面上の横軸が特定の状
態量(監視対象の位置、速度など)を示し、縦軸が周波
数を示し、さらに、スペクトルのパワーの強さを等高線
で表示したものである。なお、等高線に代えて色分けで
スペクトルのパワーを表示することも可能である。
【0147】そして、使用者は、電子ペン又はマウスな
どよりなるポインティングデバイス42を操作して、表
示部41の画面上で領域指定線によって異常診断の実施
を希望する特定の領域を指定する。なお、指定する領域
の形は長方形には限られず、任意の形状が可能である。
【0148】このようにして表示部41の画面上で特定
の領域を指定すると、指定された領域に相当する拡張ウ
ェーブレットデータだけが切り出され、切り出されたデ
ータのみに対して引き続いて異常診断処理が実施され
る。また、指定領域以外の部分のデータを0と見なした
上で以後の異常診断処理を実施するようにしても良い。
【0149】次に、図21を参照して、領域指定後の異
常診断処理について説明する。図21において符号47
はポインティングデバイス42を含む領域指定手段であ
り、この領域指定手段47によって異常診断すべき領域
が指定されると、データ抽出手段48によって指定した
領域に対応する拡張ウェーブレットスペクトルデータが
取り出されるか、或いは、指定領域以外の部分のデータ
が0にセットされる。
【0150】このようにして加工されたデータは異常判
定手段8に送られ、これらのデータに基づいて、例えば
前述した式(12)及び式(13)に示した手順などに
よって異常の有無が判定される。異常判定手段8による
判定結果は表示手段7に送られてここで表示される。な
お、表示部41を表示手段7として兼用することもでき
る。
【0151】以上述べたように本実施例においては、領
域指定手段47及びデータ抽出手段48によって、表示
部41に表示された全スペクトルデータのうちの一部を
指定できるようにしたので、表示部41に表示された全
スペクトルデータの中から通常と異なった特徴を示して
いる部分を使用者が判断して取り出し、取り出した部分
のみに対して異常判定手段8によって解析することがで
きる。このため、異常診断解析の際に、指定領域以外の
部分に含まれるノイズや外乱その他の因子の影響を受け
ることがなく、異常判定の精度を向上させることができ
る。
【0152】第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態による非定常信号解析プロ
グラムを記録した媒体について図22及び図23を参照
して説明する。
【0153】本実施形態による非定常信号解析プログラ
ムを記録した媒体は、上述した第1実施形態におけるウ
ェーブレット変換計算手段2、時間座標非線形変換手段
3、及び状態量変化関数設定手段(時間〜状態量変換テ
ーブル4、状態量推定手段6)のそれぞれの機能をコン
ピュータに実現させるための非定常信号解析プログラム
を記録した、機械読み取り可能な又はコンピュータ読み
取り可能な記録媒体(記憶媒体)である。
【0154】また、非定常信号解析プログラムに、さら
に、上述した第1実施形態における異常判定手段8の機
能についてのプログラムを追加することもできる。
【0155】本実施形態における非定常信号解析プログ
ラムによる解析手順は、上記第1実施形態及びその変形
例、或いは第1実施形態の第1乃至第3実施例において
説明した解析手順と同様である。
【0156】図22は、本実施形態による非定常信号解
析プログラムを記録した媒体からプログラムを読み出す
ためのコンピュータシステムを示した斜視図であり、記
録媒体に記録されているプログラムは、コンピュータシ
ステム50に搭載された記録媒体駆動装置により読み出
されて非定常信号の解析に用いられる。
【0157】コンピュータシステム50は、図22に示
したように、ミニータワー等の筐体に収納されたコンピ
ュータ本体51と、CRT(陰極線管)、プラズマディ
スプレイ、液晶表示装置(LCD)等の表示装置52
と、記録出力装置としてのプリンタ53と、入力装置と
してのキーボード54a及びマウス54bと、フレキシ
ブルディスクドライブ装置56と、CD−ROMドライ
ブ装置57と、を備えている。
【0158】図23は、本実施形態による非定常信号解
析プログラムを記録した媒体からプログラムを読み出す
ためのコンピュータシステムを示したブロック図であ
る。図23に示したように、コンピュータ本体51が収
納された筐体内には、RAM等よりなる内部メモリー5
5と、ハードディスクドライブユニット58等の外部メ
モリがさらに設けられている。
【0159】非定常信号解析プログラムが記録されたフ
レキシブルディスク61は、図22に示したように、フ
レキシブルディスクドライブ装置56のスロットに挿入
されて所定のアプリケーションプログラムに基づいて読
み出し可能である。なお、プログラムを記録した媒体と
しては、フレキシブルディスク61のみに限られず、C
D−ROM62であっても良い。また、記録媒体は、図
示しないMO(MagnetoOptical)ディスク、光ディスク、
DVD(Digital Versatile Disk)、カードメモリ、磁気
テープ等であっても良い。
【0160】
【発明の効果】以上述べたように本発明による非定常信
号解析装置によれば、監視対象の特定の状態量に対する
周波数の変化の依存性、相関関係を求めることができる
ので、監視対象の異常状態を的確に診断することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による非定常信号解析装
置の概略を示した構成図。
【図2】(a)はフーリエ変換の基底関数を示したグラ
フ、(b)はフーリエ変換によるパワスペクトルを示し
たグラフ。
【図3】(a)はウェーブレット変換の基底関数を示し
たグラフ、(b)はウェーブレット変換によるウェーブ
レットパワスペクトルを示したグラフ。
【図4】本発明の第1実施形態の変形例における状態量
推定手段の概略を示した構成図。
【図5】本発明の第1実施形態の第1実施例の解析対象
であるエレベータの概略を示した構成図。
【図6】本発明の第1実施形態の第1実施例のハードウ
ェア構成を示した構成図。
【図7】本発明の第1実施形態の第1実施例における拡
張ウェーブレット変換に基づくエレベータ異常診断アル
ゴリズムを示したフローチャート。
【図8】(a)、(b)、(c)はそれぞれモータ軸偏
心異常時のエレベータのモータトルク、かご速度、かご
位置を示したグラフ。
【図9】(a)、(b)、(c)はそれぞれモータ軸偏
心異常時のエレベータのかご内加速度、回転トルク変
動、かご内加速度のフーリエ変換結果を示したグラフ。
【図10】モータ軸偏心異常時のエレベータのかご内加
速度データを従来のウェーブレット変換手法によって解
析した結果を示したグラフ。
【図11】(a)、(b)はそれぞれモータ軸偏心異常
時のエレベータのかご内加速度データをかご速度に対し
て拡張ウェーブレット変換した結果を示したグラフ。
【図12】モータ軸偏心異常時のエレベータのかご内加
速度データをかご位置に対して拡張ウェーブレット変換
した結果を示したグラフ。
【図13】(a)、(b)、(c)はそれぞれガイドレ
ール異常時のエレベータのモータトルク、かご速度、か
ご位置を示したグラフ。
【図14】(a)、(b)はそれぞれガイドレール異常
時のエレベータのかご内加速度、かご内加速度のフーリ
エ変換結果を示したグラフ。
【図15】ガイドレール異常時のエレベータのかご内加
速度のかご位置に対する拡張ウェーブレット変換結果を
示したグラフ。
【図16】本発明の第1実施形態の第2実施例による非
定常信号解析装置の概略を示した構成図。
【図17】本発明の第1実施形態の第2実施例による非
定常信号解析装置を列車に取り付けた状態を説明するた
めの説明図。
【図18】本発明の第1実施形態の第3実施例による非
定常信号解析装置の外観を示した斜視図。
【図19】本発明の第1実施形態の第3実施例による非
定常信号解析装置の内部のシステム構成を示した構成
図。
【図20】本発明の第1実施形態の第3実施例による非
定常信号解析装置の表示部の表示状態の一例を示した
図。
【図21】本発明の第1実施形態の第3実施例による非
定常信号解析装置の概略を示した構成図。
【図22】本発明の第2実施形態による非定常信号解析
プログラムを記録した媒体からプログラムを読み出すた
めのコンピュータシステムを示した斜視図。
【図23】本発明の第2実施形態による非定常信号解析
プログラムを記録した媒体からプログラムを読み出すた
めのコンピュータシステムを示したブロック図。
【符号の説明】
1 応答データ測定手段 2 ウェーブレット変換計算手段 3 時間座標非線形変換手段 4 時間〜状態量変換テーブル 5 入力手段 6 状態量推定手段 7 表示手段 8 異常判定手段 10 監視対象 11 出力信号予測モデル 12 推定状態量修正手段 20、30、43 加速度センサー 21 A/D変換器 22 解析・表示装置 31 音響センサー 32 列車 36 速度・位置検出手段 40 非定常信号解析装置(汎用異常診断装置) 41 表示部 42 ポインティングデバイス 45 中央処理装置(CPU) 47 領域指定手段 48 データ抽出手段 54 乗りかご 61 フレキシブルディスク 62 CD−ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06F 17/14 G06F 15/332 S

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】監視対象から発生する非定常信号を解析す
    るための非定常信号解析装置において、 前記非定常信号をウェーブレット変換してウェーブレッ
    トスペクトルデータを作成するウェーブレット変換計算
    手段と、 前記監視対象における特定の状態量の時間変化を表した
    状態量変化関数を設定する状態量変化関数設定手段と、 前記状態量変化関数の逆関数によって前記ウェーブレッ
    トスペクトルデータの時間座標を前記特定の状態量の座
    標に非線形変換する時間座標非線形変換手段と、を備え
    たことを特徴とする非定常信号解析装置。
  2. 【請求項2】監視対象がエレベータであって、このエレ
    ベータの乗りかごにおいて測定された非定常信号である
    加速度信号を解析するための非定常信号解析装置におい
    て、 前記加速度信号をウェーブレット変換してウェーブレッ
    トスペクトルデータを作成するウェーブレット変換計算
    手段と、 前記乗りかごの特定の状態量である昇降位置又は昇降速
    度の時間変化を表した状態量変化関数を設定する状態量
    変化関数設定手段と、 前記状態量変化関数の逆関数によって前記ウェーブレッ
    トスペクトルデータの時間座標を前記昇降位置又は前記
    昇降速度の座標に非線形変換する時間座標非線形変換手
    段と、を備えたことを特徴とする非定常信号解析装置。
  3. 【請求項3】前記時間座標非線形変換手段は、拡張ウェ
    ーブレット変換式 【数1】 によって前記ウェーブレットスペクトルデータの時間座
    標を前記特定の状態量の座標に非線形変換したスペクト
    ルデータを計算することを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の非定常信号解析装置。
  4. 【請求項4】前記時間座標非線形変換手段は、前記ウェ
    ーブレットスペクトルデータを各時間毎に分割し、時間
    と前記特定の状態量との関係を記憶したデータテーブル
    或いは前記状態量変化関数に基づいて、分割されたデー
    タを状態量順に並べ替え、各データ間を補間或いは平滑
    化処理することによって、前記ウェーブレットスペクト
    ルデータの時間座標を前記特定の状態量の座標に非線形
    変換したスペクトルデータを計算することを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の非定常信号解析装置。
  5. 【請求項5】前記非定常信号を測定するための応答デー
    タ測定手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれか一項に記載の非定常信号解析装
    置。
  6. 【請求項6】前記状態量変化関数設定手段は、前記特定
    の状態量以外の状態量に関する測定データに基づいて前
    記状態量変化関数を推定するようにしたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の非定常
    信号解析装置。
  7. 【請求項7】前記特定の状態量以外の状態量に関する測
    定データは前記非定常信号に関する測定データであるこ
    とを特徴とする請求項6記載の非定常信号解析装置。
  8. 【請求項8】前記状態量変化関数設定手段は、前記監視
    対象の動特性モデルに基づく状態観測器又はカルマンフ
    ィルタを用いて、前記特定の状態量の時間変化を前記特
    定の状態量以外の状態量の測定データに基づいて推定す
    ることによって前記状態量変化関数を推定するようにし
    たことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の非定
    常信号解析装置。
  9. 【請求項9】前記状態量変化関数設定手段は、前記特定
    の状態量の測定データに基づいて前記状態量変化関数を
    求めるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    5のいずれか一項に記載の非定常信号解析装置。
  10. 【請求項10】前記状態量変化関数設定手段は、予め求
    めておいた前記状態量変化関数を使用するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の非定常信号解析装置。
  11. 【請求項11】少なくとも前記特定の状態量の座標及び
    周波数の座標を有する座標系によって前記時間座標非線
    形変換手段の解析結果を表示する表示手段をさらに有す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか
    一項に記載の非定常信号解析装置。
  12. 【請求項12】前記時間座標非線形変換手段の解析結果
    に基づいて前記監視対象における異常の発生の有無を判
    定する異常判定手段をさらに有することを特徴とする請
    求項11記載の非定常信号解析装置。
  13. 【請求項13】前記時間座標非線形変換手段の解析結果
    であるスペクトルデータについての前記表示手段による
    表示に対して、表示全体の中の特定の領域を指定するた
    めの領域指定手段と、 前記領域指定手段によって指定された領域に対応するス
    ペクトルデータを取り出して前記異常判定手段に送るた
    めのデータ抽出手段と、をさらに有することを特徴とす
    る請求項12記載の非定常信号解析装置。
  14. 【請求項14】前記異常判定手段による判定結果を前記
    表示手段に表示するようにしたことを特徴とする請求項
    12又は請求項13に記載の非定常信号解析装置。
  15. 【請求項15】前記異常判定手段による判定結果を表示
    する異常表示手段をさらに有することを特徴とする請求
    項12乃至請求項14のいずれか一項に記載の非定常信
    号解析装置。
  16. 【請求項16】監視対象から発生する非定常信号をコン
    ピュータによって解析するためのプログラムを記録した
    媒体であって、この非定常信号解析プログラムはコンピ
    ュータに、 前記非定常信号をウェーブレット変換してウェーブレッ
    トスペクトルデータを作成するウェーブレット変換計算
    機能と、 前記監視対象における特定の状態量の時間変化を表した
    状態量変化関数を設定する状態量変化関数設定機能と、 前記状態量変化関数の逆関数によって前記ウェーブレッ
    トスペクトルデータの時間座標を前記特定の状態量の座
    標に非線形変換する時間座標非線形変換機能と、を実現
    させることを特徴とする非定常信号解析プログラムを記
    録した媒体。
  17. 【請求項17】前記監視対象はエレベータであり、前記
    非定常信号は前記エレベータの乗りかごにおいて測定さ
    れた加速度信号であり、前記特定の状態量は前記乗りか
    ごの昇降位置又は昇降速度であることを特徴とする請求
    項16記載の非定常信号解析プログラムを記録した媒
    体。
  18. 【請求項18】前記時間座標非線形変換手段は、拡張ウ
    ェーブレット変換式 【数2】 によって前記ウェーブレットスペクトルデータの時間座
    標を非線形変換したスペクトルデータを計算することを
    特徴とする請求項16又は請求項17に記載の非定常信
    号解析プログラムを記録した媒体。
  19. 【請求項19】前記時間座標非線形変換手段は、前記ウ
    ェーブレットスペクトルデータを各時間毎に分割し、時
    間と前記特定の状態量との関係を記憶したデータテーブ
    ル或いは前記状態量変化関数に基づいて、分割されたデ
    ータを状態量順に並べ替え、各データ間を補間或いは平
    滑化処理することによって、時間座標を前記特定の状態
    量の座標に非線形変換したスペクトルデータを計算する
    ことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の非
    定常信号解析プログラムを記録した媒体。
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