JPH1025504A - 高炉を利用した石炭灰の溶融処理方法 - Google Patents
高炉を利用した石炭灰の溶融処理方法Info
- Publication number
- JPH1025504A JPH1025504A JP20096796A JP20096796A JPH1025504A JP H1025504 A JPH1025504 A JP H1025504A JP 20096796 A JP20096796 A JP 20096796A JP 20096796 A JP20096796 A JP 20096796A JP H1025504 A JPH1025504 A JP H1025504A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coal ash
- blast furnace
- coal
- furnace slag
- carbonaceous material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
- Manufacture Of Iron (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 石炭火力発電所等から発生する石炭灰を経済
的に溶融し、高炉スラグに変質させ、高炉スラグとして
リサイクル使用することを目的とする。 【解決手段】 石炭灰を、炭素材と共に高炉に吹き込
み、該石炭灰を溶融して高炉スラグの一部とすることを
特徴とする石炭灰の溶融処理方法である。シリカ成分の
多い石炭灰を大量に溶融する場合には生石灰を併せて吹
き込み、高炉スラグの塩基度を(1−1.5)維持する
ことが望ましい。
的に溶融し、高炉スラグに変質させ、高炉スラグとして
リサイクル使用することを目的とする。 【解決手段】 石炭灰を、炭素材と共に高炉に吹き込
み、該石炭灰を溶融して高炉スラグの一部とすることを
特徴とする石炭灰の溶融処理方法である。シリカ成分の
多い石炭灰を大量に溶融する場合には生石灰を併せて吹
き込み、高炉スラグの塩基度を(1−1.5)維持する
ことが望ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、石炭火力発電所
等から発生する石炭灰を経済的に溶融し、高炉スラグに
変質させ、高炉スラグとしてリサイクル使用することを
目的とする。
等から発生する石炭灰を経済的に溶融し、高炉スラグに
変質させ、高炉スラグとしてリサイクル使用することを
目的とする。
【0002】
【従来の技術】石炭灰は石炭を燃焼して発電を行う火力
発電所等から大量に発生する産業廃棄物であり、現在日
本において約年間600万トン発生しており、その大部
分は埋め立てに使用されている。しかし、石炭灰を有効
に再利用することは資源の再利用の観点から重要であ
る。かかる点から石炭灰を経済的に溶融し、資源として
再利用することが望まれれている。
発電所等から大量に発生する産業廃棄物であり、現在日
本において約年間600万トン発生しており、その大部
分は埋め立てに使用されている。しかし、石炭灰を有効
に再利用することは資源の再利用の観点から重要であ
る。かかる点から石炭灰を経済的に溶融し、資源として
再利用することが望まれれている。
【0003】石炭灰を溶融する方法として以下のような
技術が開示されている。特開平6−307767号公報
では、電気抵抗炉で石炭灰を溶融している。また、特開
昭54−78866号公報では高炉から排出された高炉
スラグに石炭灰を添加して石炭灰を溶融する方法であ
る。しかしこれらの方法では石炭灰を溶融するためにか
なり多くの燃料を使用しなければならず、また特別な設
備を必要とする。
技術が開示されている。特開平6−307767号公報
では、電気抵抗炉で石炭灰を溶融している。また、特開
昭54−78866号公報では高炉から排出された高炉
スラグに石炭灰を添加して石炭灰を溶融する方法であ
る。しかしこれらの方法では石炭灰を溶融するためにか
なり多くの燃料を使用しなければならず、また特別な設
備を必要とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】石炭灰を約1500℃
に加熱し、溶融するための所要熱量は加熱効率を100
%とすると約500kcal/kgである。そこで、石
炭灰を可及的に少ない燃料で、極めて経済的に溶融し、
減容化させ、かつ取扱が容易な状態にし、高炉スラグと
同様な路盤材や建築材料として再利用することができる
石炭灰の処理方法を課題とする。
に加熱し、溶融するための所要熱量は加熱効率を100
%とすると約500kcal/kgである。そこで、石
炭灰を可及的に少ない燃料で、極めて経済的に溶融し、
減容化させ、かつ取扱が容易な状態にし、高炉スラグと
同様な路盤材や建築材料として再利用することができる
石炭灰の処理方法を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、既存の多く
の高炉が、石炭灰と同様な微粉である微粉炭吹き込み設
備を備えているので、この設備を利用することにより、
石炭灰を高炉に吹き込むことにより、極めて経済的に石
炭灰を溶融し、高炉スラグに変質させることにより再利
用も可能になるとの着想を得て下記の発明をするに至っ
た。
の高炉が、石炭灰と同様な微粉である微粉炭吹き込み設
備を備えているので、この設備を利用することにより、
石炭灰を高炉に吹き込むことにより、極めて経済的に石
炭灰を溶融し、高炉スラグに変質させることにより再利
用も可能になるとの着想を得て下記の発明をするに至っ
た。
【0006】第1の発明は、石炭灰と、炭素材とを高炉
に吹き込み、該石炭灰を溶融して高炉スラグの一部とす
ることを特徴とする石炭灰の溶融処理方法である。石炭
灰は微粉炭と同様に約200メッシュ以下の微粉である
ため、微粉炭吹き込み設備等を利用して石炭灰を高炉に
吹き込むことが可能である。炭素材としては微粉炭、コ
ークス粉、プラスチック類、天然ガス等が該当し、高炉
に吹き込んだ際にこの炭素材が燃焼し、石炭灰の溶融に
必要な熱を供給して石炭灰の溶融を可能にするものを意
味する。
に吹き込み、該石炭灰を溶融して高炉スラグの一部とす
ることを特徴とする石炭灰の溶融処理方法である。石炭
灰は微粉炭と同様に約200メッシュ以下の微粉である
ため、微粉炭吹き込み設備等を利用して石炭灰を高炉に
吹き込むことが可能である。炭素材としては微粉炭、コ
ークス粉、プラスチック類、天然ガス等が該当し、高炉
に吹き込んだ際にこの炭素材が燃焼し、石炭灰の溶融に
必要な熱を供給して石炭灰の溶融を可能にするものを意
味する。
【0007】第2の発明は、前記石炭灰、炭素材と、生
石灰とを高炉に吹き込み、高炉スラグの塩基度を1〜
1.5とすることを特徴とする請求項1に記載の石炭灰
の溶融処理方法である。従来の高炉スラグの塩基度は1
〜1.5であり、そのため路盤材等に使用できので、同
様な塩基度を維持することが望ましい。
石灰とを高炉に吹き込み、高炉スラグの塩基度を1〜
1.5とすることを特徴とする請求項1に記載の石炭灰
の溶融処理方法である。従来の高炉スラグの塩基度は1
〜1.5であり、そのため路盤材等に使用できので、同
様な塩基度を維持することが望ましい。
【0008】第3の発明は、石炭灰と、炭素材とを高炉
炉内に吹き込み、該石炭灰を溶融して高炉スラグの一部
とすると共に、前記炭素材の吹き込み量に応じて熱風及
び酸素ガスを吹き込むことを特徴とする石炭灰の溶融処
理方法。石炭灰をより大量に高炉において溶融するため
には、熱バランス上十分な熱源を供給する必要がある。
そこで、大量の炭素材を燃焼させるためには例えば酸素
富化した熱風を羽口から供給しなければならない。この
場合には、より多くの炉頂ガスを製造でき、例えば炉頂
ガス発電量をより多くすることができる利点がある。
炉内に吹き込み、該石炭灰を溶融して高炉スラグの一部
とすると共に、前記炭素材の吹き込み量に応じて熱風及
び酸素ガスを吹き込むことを特徴とする石炭灰の溶融処
理方法。石炭灰をより大量に高炉において溶融するため
には、熱バランス上十分な熱源を供給する必要がある。
そこで、大量の炭素材を燃焼させるためには例えば酸素
富化した熱風を羽口から供給しなければならない。この
場合には、より多くの炉頂ガスを製造でき、例えば炉頂
ガス発電量をより多くすることができる利点がある。
【0009】
【発明の実施の形態】高炉は鉄鉱石、焼結鉱等を主にコ
ークスにより還元して銑鉄を製造する設備である。高炉
の熱効率は高く、高い熱効率で石炭灰を溶融できる。前
述の通り石炭灰1kgを約1500℃に加熱して溶融す
るためには約500kcal必要である。仮に石炭を例
にとれば、石炭の発熱量を約7000kcal/1kg
とすると、約0.07kgで足りる。
ークスにより還元して銑鉄を製造する設備である。高炉
の熱効率は高く、高い熱効率で石炭灰を溶融できる。前
述の通り石炭灰1kgを約1500℃に加熱して溶融す
るためには約500kcal必要である。仮に石炭を例
にとれば、石炭の発熱量を約7000kcal/1kg
とすると、約0.07kgで足りる。
【0010】しかし、高炉内における炭素材は必ずしも
完全にCO2 まで燃焼せず、現実には石炭灰が1kg増
加すると、理論量の約5.7倍の0.4kg/銑鉄トン
の燃料比増加が必要である。そこで、例えば石炭灰50
kg/銑鉄1トンを微粉炭吹き込み(PCI)設備を用
いて高炉に吹き込む時に、炭素材である微粉炭の場合、
約20kg/銑鉄1トンに増加して吹き込めば、熱収支
が取れる。また、他の炭素材の発熱量は、プラスチック
類では約11000kcal/1kg、天然ガスでは約
10000kcal/Nm3 であり、個々の炭素材の発
熱量を基に理論値の5〜6倍の発熱量に相当する炭素材
を吹き込めば、熱収支が取れる。
完全にCO2 まで燃焼せず、現実には石炭灰が1kg増
加すると、理論量の約5.7倍の0.4kg/銑鉄トン
の燃料比増加が必要である。そこで、例えば石炭灰50
kg/銑鉄1トンを微粉炭吹き込み(PCI)設備を用
いて高炉に吹き込む時に、炭素材である微粉炭の場合、
約20kg/銑鉄1トンに増加して吹き込めば、熱収支
が取れる。また、他の炭素材の発熱量は、プラスチック
類では約11000kcal/1kg、天然ガスでは約
10000kcal/Nm3 であり、個々の炭素材の発
熱量を基に理論値の5〜6倍の発熱量に相当する炭素材
を吹き込めば、熱収支が取れる。
【0011】従来、高炉では吹き込む熱風を酸素富化
し、銑鉄トン当たり100〜250kgの微粉炭を吹き
込む技術が確立している(例えば、鉄と鋼、第68年
(1982)第15号、第329〜第334頁)。従っ
て、石炭灰を高炉に吹き込むことは可能であり、石炭灰
の溶融に必要な熱源は炭素材を増量して吹き込むことが
できる。
し、銑鉄トン当たり100〜250kgの微粉炭を吹き
込む技術が確立している(例えば、鉄と鋼、第68年
(1982)第15号、第329〜第334頁)。従っ
て、石炭灰を高炉に吹き込むことは可能であり、石炭灰
の溶融に必要な熱源は炭素材を増量して吹き込むことが
できる。
【0012】高炉炉内に石炭灰、炭素材を別々に吹き込
んでも良いが、例えば微粉炭及び石炭灰の粒度は共に約
200メッシュ以下であるので両者を混合して吹き込む
ことができる。高炉炉内の温度を均一に保持する観点か
ら、両者を混合して吹き込むのが望ましい。
んでも良いが、例えば微粉炭及び石炭灰の粒度は共に約
200メッシュ以下であるので両者を混合して吹き込む
ことができる。高炉炉内の温度を均一に保持する観点か
ら、両者を混合して吹き込むのが望ましい。
【0013】石炭灰の代表的成分組成はSiO2 :5
3.3wt%,Al2 O3 :22.6wt%,CaO:
4.8wt%,Fe2 O3 :6.1wt%程度であり、
塩基度(CaO/SiO2 =0.1)が低い。
3.3wt%,Al2 O3 :22.6wt%,CaO:
4.8wt%,Fe2 O3 :6.1wt%程度であり、
塩基度(CaO/SiO2 =0.1)が低い。
【0014】他方、高炉スラグは通常SiO2 :32〜
35wt%,CaO:39〜42wt%,Al2 O3 :
12〜15wt%,MgO:4〜7wt%で、塩基度が
1〜1.5程度である。スラグの溶融点を低くし、その
流動性等を確保するためである。また、高炉スラグは銑
鉄1トン当たり約300kg発生する。
35wt%,CaO:39〜42wt%,Al2 O3 :
12〜15wt%,MgO:4〜7wt%で、塩基度が
1〜1.5程度である。スラグの溶融点を低くし、その
流動性等を確保するためである。また、高炉スラグは銑
鉄1トン当たり約300kg発生する。
【0015】従って、大量に石炭灰を高炉に添加しない
場合には高炉スラグの成分組成、塩基度を変化させない
ので、添加する石炭灰に塩基度を調整する原料を追加す
る必要はない。しかし、石炭灰を大量に添加する場合あ
るいは高炉スラグの塩基度が1以下となる場合には予め
石炭灰に生灰石(CaO)等を添加し、上記高炉スラグ
の塩基度が従来の範囲を逸脱しないようにすることが必
要である。
場合には高炉スラグの成分組成、塩基度を変化させない
ので、添加する石炭灰に塩基度を調整する原料を追加す
る必要はない。しかし、石炭灰を大量に添加する場合あ
るいは高炉スラグの塩基度が1以下となる場合には予め
石炭灰に生灰石(CaO)等を添加し、上記高炉スラグ
の塩基度が従来の範囲を逸脱しないようにすることが必
要である。
【0016】図1には現在稼働している微粉炭吹き設備
の概要を示す。この設備は石炭を粉砕して微粉炭を製造
する破砕ステーションAと微粉炭吹き込みステーション
Bとから構成されている。石炭灰と炭素材を混合吹き込
みする場合に両者を混合する場所は、例えば図1では石
炭粉砕ステーションが望ましい。破砕ステーションAに
おいて、石炭2は石炭ホッパ4に一旦貯蔵され、給炭機
6から粉砕機8に供給され粉砕される。
の概要を示す。この設備は石炭を粉砕して微粉炭を製造
する破砕ステーションAと微粉炭吹き込みステーション
Bとから構成されている。石炭灰と炭素材を混合吹き込
みする場合に両者を混合する場所は、例えば図1では石
炭粉砕ステーションが望ましい。破砕ステーションAに
おいて、石炭2は石炭ホッパ4に一旦貯蔵され、給炭機
6から粉砕機8に供給され粉砕される。
【0017】粉砕された石炭は熱風発生炉10から供給
される熱風によりバッグフィルタ12に搬送され、ここ
で集炭される。なお、上記熱風は吸引ブロア18により
外部に排出される。また、熱風発生炉10は燃料ガスを
空気で燃焼し、必要により窒素ガスが供給されて熱風を
発生する。
される熱風によりバッグフィルタ12に搬送され、ここ
で集炭される。なお、上記熱風は吸引ブロア18により
外部に排出される。また、熱風発生炉10は燃料ガスを
空気で燃焼し、必要により窒素ガスが供給されて熱風を
発生する。
【0018】バッグフィルタ12により集炭された石炭
は約200メッシュ以下の微粉炭であが、塊状の部分も
あるので先ずスクリーン14を通過しサージビン16に
貯蔵され、ニューマチックコンベア20からコールビン
22に搬送され、ストレジインジェクタ24、プライマ
リインジェクタ26を通過後分配機28を介し圧縮空気
34により気送されて高炉羽口に吹き込まれる。
は約200メッシュ以下の微粉炭であが、塊状の部分も
あるので先ずスクリーン14を通過しサージビン16に
貯蔵され、ニューマチックコンベア20からコールビン
22に搬送され、ストレジインジェクタ24、プライマ
リインジェクタ26を通過後分配機28を介し圧縮空気
34により気送されて高炉羽口に吹き込まれる。
【0019】石炭灰と炭素材を添加混合する装置として
は、石炭灰が十分微粉状体であれば原則としていずれの
装置において添加混合してもよい。しかし、粉砕機8
(図中)、スクリーン14(図中)、またはサージ
ビン16(図中)等が石炭灰の添加混合のためには便
利である。しかし、石炭灰が部分的に塊を含む場合には
石炭ホッパー4、粉砕機8、またはスクリーン14等に
おいて添加混合することが望ましい。
は、石炭灰が十分微粉状体であれば原則としていずれの
装置において添加混合してもよい。しかし、粉砕機8
(図中)、スクリーン14(図中)、またはサージ
ビン16(図中)等が石炭灰の添加混合のためには便
利である。しかし、石炭灰が部分的に塊を含む場合には
石炭ホッパー4、粉砕機8、またはスクリーン14等に
おいて添加混合することが望ましい。
【0020】炭素材が微粉炭以外のものである場合、例
えばプラスチック類では微粉砕化したり、ペレット化し
たりして粒径を整えて、上記微粉炭と同様に取り扱うこ
とが出来る。また、天然ガス等のガス状物であれば直接
吹き込み配管から吹き込んでもよく、他のガスと共に吹
き込んでもよい。また、他の炭素材と組み合わせて用い
ても何ら問題ない。
えばプラスチック類では微粉砕化したり、ペレット化し
たりして粒径を整えて、上記微粉炭と同様に取り扱うこ
とが出来る。また、天然ガス等のガス状物であれば直接
吹き込み配管から吹き込んでもよく、他のガスと共に吹
き込んでもよい。また、他の炭素材と組み合わせて用い
ても何ら問題ない。
【0021】前述のように石炭灰は1kgを溶融するた
めに500Kcalの熱量が必要でありかつ、一定の銑
鉄生産量を確保するためには、0.4kgの微粉炭若し
くはコークスを余分に装入する必要がある。特にコーク
スの場合には所謂装入コークスを増加させてもよい。そ
の外の炭素材を使用する場合にも理論量の約5〜6倍
の、熱収支が取れる量を用いればよい。
めに500Kcalの熱量が必要でありかつ、一定の銑
鉄生産量を確保するためには、0.4kgの微粉炭若し
くはコークスを余分に装入する必要がある。特にコーク
スの場合には所謂装入コークスを増加させてもよい。そ
の外の炭素材を使用する場合にも理論量の約5〜6倍
の、熱収支が取れる量を用いればよい。
【0022】以上述べたように、石炭灰を高炉で溶融す
る場合に適当な量の炭素材を吹き込めば銑鉄を生産しな
がら石炭灰を溶融することが可能であることが証明でき
た。
る場合に適当な量の炭素材を吹き込めば銑鉄を生産しな
がら石炭灰を溶融することが可能であることが証明でき
た。
【0023】また、上記炭素材を多く吹き込む場合には
通常酸素ガスを冨化した空気、更には純酸素ガスも高炉
に吹き込むことが既に行われている。従って、石炭灰を
より大量に吹き込む場合には、酸素ガスを炭素材と共に
高炉に吹き込み、多くの石炭灰を溶融して高炉スラグの
一部とすることも可能である。この場合には炭素材の吹
き込み量に応じて酸素ガスを酸素富化した空気、或いは
純酸素ガスを羽口に吹き込めばよい。この場合にはより
多くの炉頂ガスを製造でき、例えば炉頂ガス発電量をよ
り多くすることができる利点がある。
通常酸素ガスを冨化した空気、更には純酸素ガスも高炉
に吹き込むことが既に行われている。従って、石炭灰を
より大量に吹き込む場合には、酸素ガスを炭素材と共に
高炉に吹き込み、多くの石炭灰を溶融して高炉スラグの
一部とすることも可能である。この場合には炭素材の吹
き込み量に応じて酸素ガスを酸素富化した空気、或いは
純酸素ガスを羽口に吹き込めばよい。この場合にはより
多くの炉頂ガスを製造でき、例えば炉頂ガス発電量をよ
り多くすることができる利点がある。
【0024】
【実施例】1日の出銑量が10トンの試験高炉で、PC
I(微粉炭吹き込み)設備により微粉炭を100kg/
銑鉄1トン吹き込んで操業した。この際、石炭灰10k
g/銑鉄1トンを、サージビンにおいて微粉炭粉と混合
し、PCI設備で試験高炉に供給した。徐々に石炭灰の
添加量を増加させ50kg/銑鉄1トンまで行った。そ
の時の微粉炭吹き込み量は120kg/銑鉄1トンに増
量した。
I(微粉炭吹き込み)設備により微粉炭を100kg/
銑鉄1トン吹き込んで操業した。この際、石炭灰10k
g/銑鉄1トンを、サージビンにおいて微粉炭粉と混合
し、PCI設備で試験高炉に供給した。徐々に石炭灰の
添加量を増加させ50kg/銑鉄1トンまで行った。そ
の時の微粉炭吹き込み量は120kg/銑鉄1トンに増
量した。
【0025】生成したスラグの成分組成は、SiO2 :
40wt%,CaO:40wt%,Al2 O3 :15w
t%,MgO:4wt%で、塩基度が1.0程度であっ
た。また、この際銑鉄のSiwt%は0.7wt%とや
や高いが、この程度の成分組成であれば十分路盤材とし
て使用できた。従って、石炭灰を銑鉄1トン当たり50
kg以上、例えば100kgの微粉炭を添加する場合に
はスラグの塩基度が1以下となるので、CaO等の石灰
源を予め石炭灰に添加しておくことが必要であることも
明らかとなった。
40wt%,CaO:40wt%,Al2 O3 :15w
t%,MgO:4wt%で、塩基度が1.0程度であっ
た。また、この際銑鉄のSiwt%は0.7wt%とや
や高いが、この程度の成分組成であれば十分路盤材とし
て使用できた。従って、石炭灰を銑鉄1トン当たり50
kg以上、例えば100kgの微粉炭を添加する場合に
はスラグの塩基度が1以下となるので、CaO等の石灰
源を予め石炭灰に添加しておくことが必要であることも
明らかとなった。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、石炭灰の
溶融を大規模に還元雰囲気で、しかも効率的に実施で
き、更に高炉スラグと同様に路盤材に使用できる石炭灰
溶融方法が確立した。本発明の方法を用いれば、石炭火
力発電所から発生する石炭灰を有効利用でき、広大な埋
立て用地が不要になり、埋立て費用が節減され、発電費
用削減の効果がある。経済的なことを言えば、1トンの
石炭灰を溶融させ、路盤材に変換させる費用は、例えば
微粉炭であれば0.4トン分だけであり、極めて経済的
である。
溶融を大規模に還元雰囲気で、しかも効率的に実施で
き、更に高炉スラグと同様に路盤材に使用できる石炭灰
溶融方法が確立した。本発明の方法を用いれば、石炭火
力発電所から発生する石炭灰を有効利用でき、広大な埋
立て用地が不要になり、埋立て費用が節減され、発電費
用削減の効果がある。経済的なことを言えば、1トンの
石炭灰を溶融させ、路盤材に変換させる費用は、例えば
微粉炭であれば0.4トン分だけであり、極めて経済的
である。
【0027】この方法においては、既存の高炉の設備、
PCI設備が利用できるので、近くの石炭火力発電所か
ら石炭灰を輸送して、溶融し、路盤材として処理すれ
ば、石炭灰の埋め立てる費用以内でリサイクルしたこと
になり、極めて有効な技術である。また、国内の一部の
内海などでは、石炭灰を海洋埋め立てにすることが禁じ
られており、臨海石炭火力発電所にとっては、本法は特
に有効である。たとえば、4,000m3 以上の大型高
炉においては、年間十数万トンの石炭灰を溶融処理で
き、高炉スラグへの変換が非常に安価に処理できる。
PCI設備が利用できるので、近くの石炭火力発電所か
ら石炭灰を輸送して、溶融し、路盤材として処理すれ
ば、石炭灰の埋め立てる費用以内でリサイクルしたこと
になり、極めて有効な技術である。また、国内の一部の
内海などでは、石炭灰を海洋埋め立てにすることが禁じ
られており、臨海石炭火力発電所にとっては、本法は特
に有効である。たとえば、4,000m3 以上の大型高
炉においては、年間十数万トンの石炭灰を溶融処理で
き、高炉スラグへの変換が非常に安価に処理できる。
【0028】また、将来のことを考慮すると、次世代火
力発電と目されるPFBC(加圧流動層微粉炭燃焼)に
よる火力発電所から排出される石炭灰は、流動層内に脱
硫剤として生石灰を多量投入するため、フリーライムが
多量含まれ、その用途に制約がある。しかし、本発明の
方法では銑鉄中のSi含有量の増加の懸念がなく、石炭
灰50kg/銑鉄1トン以上の吹き込みが可能になる。
力発電と目されるPFBC(加圧流動層微粉炭燃焼)に
よる火力発電所から排出される石炭灰は、流動層内に脱
硫剤として生石灰を多量投入するため、フリーライムが
多量含まれ、その用途に制約がある。しかし、本発明の
方法では銑鉄中のSi含有量の増加の懸念がなく、石炭
灰50kg/銑鉄1トン以上の吹き込みが可能になる。
【図1】高炉の微粉炭吹き込み設備の概要を示す図であ
る。
る。
2 石炭 4 石炭ホッパ 6 給炭機 8 粉砕機 12 バッグフィルタ 14 スクリーン 16 サージビン 20 ニューマチックコンベア 22 コールビン 24 ストレジインジェクタ 26 プライマリインジェクタ
Claims (3)
- 【請求項1】 石炭灰と、炭素材とを高炉に吹き込み、
該石炭灰を溶融して高炉スラグの一部とすることを特徴
とする石炭灰の溶融処理方法。 - 【請求項2】 前記石炭灰、炭素材と、生石灰とを高炉
に吹き込み、高炉スラグの塩基度を1〜1.5とするこ
とを特徴とする請求項1に記載の石炭灰の溶融処理方
法。 - 【請求項3】 石炭灰と、炭素材とを高炉炉内に吹き込
み、該石炭灰を溶融して高炉スラグの一部とすると共
に、前記炭素材の吹き込み量に応じて熱風及び酸素ガス
を吹き込むことを特徴とする石炭灰の溶融処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20096796A JPH1025504A (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | 高炉を利用した石炭灰の溶融処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20096796A JPH1025504A (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | 高炉を利用した石炭灰の溶融処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025504A true JPH1025504A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16433301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20096796A Pending JPH1025504A (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | 高炉を利用した石炭灰の溶融処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1025504A (ja) |
-
1996
- 1996-07-12 JP JP20096796A patent/JPH1025504A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6755905B2 (en) | Use of high carbon coal ash | |
KR100661878B1 (ko) | 용철의 제법 | |
US5772727A (en) | Process for the production of metal from metal ores | |
CN1940092A (zh) | 转底炉熔融还原炼铁工艺 | |
JPH1025504A (ja) | 高炉を利用した石炭灰の溶融処理方法 | |
US3832158A (en) | Process for producing metal from metal oxide pellets in a cupola type vessel | |
JP2002020771A (ja) | 廃木材の処理方法 | |
JPH07228905A (ja) | 高炉の操業方法 | |
JP4085493B2 (ja) | 高品質焼結鉱の製造方法 | |
JPH0873909A (ja) | 竪型炉への燃料吹き込み方法 | |
JP2000109911A (ja) | 竪型炉への燃料吹き込み方法 | |
JPS6054948A (ja) | ガス発生と鉱滓の処理を効率良く行う方法 | |
JP2004183005A (ja) | 高炉における廃木材処理方法 | |
KR100222394B1 (ko) | 석탄재의 처리방법 | |
EP0618302A1 (en) | Metallurgical processes and appartus | |
JP2001355016A (ja) | 金属材料の溶解及び精錬用原料 | |
KR101448083B1 (ko) | 용선 제조 설비 및 이를 이용한 용선 제조 방법 | |
JP2024111820A (ja) | 原燃料炭材の製造方法 | |
JP4034974B2 (ja) | フライアッシュを利用した高炉スラグの骨材製造方法 | |
JPH01111437A (ja) | 石炭灰処理炉およびその操業方法 | |
RU2283354C1 (ru) | Способ производства железорудного агломерата | |
JP3511720B2 (ja) | 可燃物の燃焼炉への供給装置および方法 | |
JPH09184614A (ja) | 石炭灰の溶融処理における石炭灰の装入方法 | |
JP2000109935A (ja) | 高炉用焼結鉱の製造方法 | |
JP2001254112A (ja) | 竪型炉への燃料吹き込み方法 |