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JPH1025322A - シリコーン複合高分子体の製造方法 - Google Patents

シリコーン複合高分子体の製造方法

Info

Publication number
JPH1025322A
JPH1025322A JP20327796A JP20327796A JPH1025322A JP H1025322 A JPH1025322 A JP H1025322A JP 20327796 A JP20327796 A JP 20327796A JP 20327796 A JP20327796 A JP 20327796A JP H1025322 A JPH1025322 A JP H1025322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
double bond
polymerizable double
containing monomer
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20327796A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Iga
伸郎 井賀
Koji Osugi
宏治 大杉
Hisanori Tanabe
久記 田辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP20327796A priority Critical patent/JPH1025322A/ja
Publication of JPH1025322A publication Critical patent/JPH1025322A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業化可能なシリコーン複合高分子体の製造
方法を実現する。 【解決手段】 シリコーン複合高分子体の製造方法は、
ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンと重合性二
重結合含有モノマーとを含む重合性溶液を、ラジカル重
合開始剤を用いて重合反応させる工程を含んでいる。こ
こで、重合性溶液は、例えば、ヒドロシリル基含有オル
ガノポリシロキサンを少なくとも20重量%以上含んで
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子体の製造方法、
特に、シリコーン複合高分子体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】塗料用樹脂、成型材料用樹
脂、医療材料用樹脂および化粧品材料用樹脂等の各種コ
ーティング材料用に用いられる樹脂、あるいは消泡剤や
フロー剤等の表面調整剤用として用いられる樹脂等の有
機高分子体においては、必要に応じて、耐熱性、耐候
性、離型性、成形加工性、耐熱衝撃性等の各種特性を改
善するために、耐熱性や耐候性が良好なシリコーン化合
物と複合することが検討されている。
【0003】上述の各種用途に用いられる有機高分子体
とシリコーン化合物との複合方法として、特開昭59−
126478号には、シリコーン/ビニル系のグラフト
ポリマーの合成方法が示されている。この方法は、リビ
ング重合により得られるシリコーンマクロモノマーを共
重合することによりグラフトポリマーを得る方法である
が、リビング重合そのものの工業化が困難であるため、
工業化が容易ではない。
【0004】また、特開平1−254719号には、シ
リコーン/ビニル系のブロックポリマーの合成方法が示
されている。この方法は、高分子開始剤を用いた2段階
重合法によるブロックポリマーの合成方法であるが、ブ
ロック化効率が低く、工業化が困難である。
【0005】本発明の目的は、工業化可能なシリコーン
複合高分子体の製造方法を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシリコーン
複合高分子体の製造方法は、ヒドロシリル基含有オルガ
ノポリシロキサンと重合性二重結合含有モノマーとを含
む重合性溶液を、ラジカル重合開始剤を用いて重合反応
させる工程を含んでいる。
【0007】ここで用いられるラジカル重合開始剤は、
例えばパーオキサイド系のラジカル重合開始剤であり、
具体的にはジクミルパーオキサイド、ジターシャルブチ
ルパーオキサイド、ターシャルブチルパーオキシベンゾ
エートおよびベンゾイルパーオキサイドからなる群から
選ばれたものを例示することができる。
【0008】また、ヒドロシリル基含有オルガノポリシ
ロキサンは、例えば、下記の平均組成式(1)、
(2)、(3)および(4)からなる群から選ばれた少
なくとも1種である。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Rは、アルキル基、アリル基、ア
リール基、アラルキル基、エポキシ基、水酸基、カルボ
キシル基、アミノ基、アルコキシシリル基またはポリエ
ーテル基、aは0〜200、bは0〜200、cは1〜
200、dは3〜10、およびeは1〜4、である。)
【0011】本発明で用いられる上述のヒドロシリル基
含有オルガノポリシロキサンは、例えば、1分子中に含
まれるヒドロシリル基の平均個数が少なくとも15個で
ある。
【0012】一方、重合性二重結合含有モノマーは、例
えば、スチレン系モノマー、アクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、水酸基含有重合性
二重結合含有モノマー、カルボン酸含有重合性二重結合
含有モノマー、アルコキシシリル基含有重合性二重結合
含有モノマー、フッ素含有重合性二重結合含有モノマ
ー、二官能性重合性二重結合含有モノマー、エポキシ基
含有重合性二重結合含有モノマー、アミド基含有重合性
二重結合含有モノマー、アミノ基含有重合性二重結合含
有モノマー、スルホン基含有重合性二重結合含有モノマ
ー、ポリエーテル基含有重合性二重結合含有モノマーお
よびりん酸基含有重合性二重結合含有モノマーからなる
群から選ばれた少なくとも1種である。
【0013】また、ヒドロシリル基含有オルガノポリシ
ロキサンは、例えば、重合性溶液中に少なくとも20重
量%含まれている。
【0014】
【発明の実施の形態】ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサン 本発明で用いられるヒドロシリル基含有オルガノポリシ
ロキサンは、1分子中に少なくとも1つのヒドロシリル
基(SiH基)を有するものであれば、特に限定されな
いが、通常は、下記の一般式(A)で示されるシロキサ
ン結合の繰返しを主鎖とし、側鎖としてメチル基,エチ
ル基およびプロピル基などのアルキル基、アリル基、ビ
ニル基、フェニル基などのアリール基、フェニルエチル
基,フェニルイソプロピル基などのアラルキル基、エポ
キシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メトキシ
シリル基,エトキシシリル基などのアルコキシシリル
基、ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイ
ドなどのポリエーテル基等をもつ重合体であって、少な
くとも1つのヒドロシリル基を有するものである。
【0015】
【化3】
【0016】このようなヒドロシリル基含有オルガノポ
リシロキサンの具体例としては、例えば、下記の平均組
成式(1)、(2)、(3)および(4)で示されるも
のが挙げられる。
【0017】
【化4】
【0018】なお、各平均組成式中、Rは上述のアルキ
ル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、エポキシ
基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシシ
リル基またはポリエーテル基を示す。また、aは0〜2
00、bは0〜200、cは1〜200、dは3〜1
0、およびeは1〜4である。なお、各平均組成式中の
Rは、2種以上のものであってもよい。
【0019】このようなヒドロシリル基含有オルガノポ
リシロキサンは、1分子中に含まれるヒドロシリル基の
平均個数が少なくとも15個のものが好ましい。ヒドロ
シリル基の平均個数が15個未満の場合は、ヒドロシリ
ル基含有オルガノポリシロキサンと重合性二重結合含有
モノマーとの反応効率が低下し、オルガノポリシロキサ
ンと重合性二重結合含有モノマーから得られる有機ポリ
マーとの複合化効率の高い高分子体が得られにくい場合
がある。
【0020】重合性二重結合含有モノマー 本発明で用いられる重合性二重結合含有モノマーは、重
合性二重結合を有するものであれば特に限定されない
が、例えば、スチレン系モノマー、アクリル酸アルキル
エステル、メタクリル酸アルキルエステル、水酸基含有
重合性二重結合含有モノマー、カルボン酸含有重合性二
重結合含有モノマー、アルコキシシリル基含有重合性二
重結合含有モノマー、フッ素含有重合性二重結合含有モ
ノマー、二官能性重合性二重結合含有モノマー、エポキ
シ基含有重合性二重結合含有モノマー、アミド基含有重
合性二重結合含有モノマー、アミノ基含有重合性二重結
合含有モノマー、スルホン基含有重合性二重結合含有モ
ノマー、ポリエーテル基含有重合性二重結合含有モノマ
ーおよびりん酸基含有重合性二重結合含有モノマーなど
を挙げることができる。
【0021】ここで、スチレン系モノマーとしては、ス
チレンおよびα−メチルスチレンを例示することができ
る。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸ターシャルブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸シクロヘキシル等を例示することができる。メタクリ
ル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸ターシャルブチル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタ
クリル酸シクロヘキシル等を例示することができる。水
酸基含有重合性二重結合含有モノマーとしては、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロ
キシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル等を例
示することができる。カルボン酸含有重合性二重結合含
有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、無水
マレイン酸等を例示することができる。アルコキシシリ
ル基含有重合性二重結合含有モノマーとしては、アクリ
ル酸3−トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸3
−トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸3−トリエ
トキシシリルプロピル、メタクリル酸3−トリエトキシ
シリルプロピル等を例示することができる。フッ素含有
重合性二重結合含有モノマーとしては、アクリル酸トリ
フルオロエチルやメタクリル酸トリフルオロエチル等を
例示することができる。二官能性重合性二重結合含有モ
ノマーとしては、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリ
ル、アクリル酸3−メチル−3−ブテニル、メタクリル
酸3−メチル−3−ブテニル等を例示することができ
る。さらに、エポキシ基含有重合性二重結合含有モノマ
ーとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル等を例示することができる。
【0022】また、アミド基含有重合性二重結合含有モ
ノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、
メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロー
ルメタクリルアミド等を例示することができる。アミノ
基含有重合性二重結合含有モノマーとしては、アクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノ
エチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピルメタ
クリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
等を例示することができる。スルホン基含有重合性二重
結合含有モノマーとしては、アクリルスルホン酸、メタ
クリルスルホン酸、アクリル酸−2−スルホエチル、メ
タクリル酸−2−スルホエチル、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸並びにこれらのアルカ
リ塩、アンモニウム塩およびアミン塩を例示することが
できる。ポリエーテル基含有重合性二重結合含有モノマ
ーとしては、エチレンオキサイドが2〜50程度付加さ
れたアクリレート、エチレンオキサイドが2〜50程度
付加されたメタクリレート、プロピレンオキサイドが2
〜50程度付加されたアクリレートおよびプロピレンオ
キサイドが2〜50程度付加されたメタクリレートを例
示することができる。さらに、リン酸基含有重合性二重
結合含有モノマーとしては、2−アシッドホスホキシエ
チルメタクリレート、2−アシッドホスホキシエチルア
クリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロ
ピルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホ
キシプロピルアクリレート、ジフェニル−2−メタクリ
ロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アク
リロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタ
クリロイロキシエチルホスフェートおよびジブチル−2
−アクリロイロキシエチルホスフェートを例示すること
ができる。
【0023】なお、上述の重合性二重結合含有モノマー
は、2種以上のものが併用されてもよい。
【0024】また、本発明では、重合性二重結合含有モ
ノマーとして、下記の一般式(5)で示される2,4−
ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを用いることも
できる。
【0025】
【化5】
【0026】ラジカル重合開始剤 本発明では、ラジカル重合開始剤としてパーオキサイド
系またはアゾ系のものが用いられる。ここで、パーオキ
サイド系のラジカル重合開始剤としては、ターシャルブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ターシャルヘキシルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート、ジターシャルブチルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、ターシャルブチルパ
ーオキシベンゾエート、1,1−ビス(ターシャルブチ
ルパーオキシ)シクロヘキサン等を例示することができ
る。一方、アゾ系のラジカル重合開始剤としては、2、
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’
−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−
シアノバレリックアシッド、2,2’−アゾビス(2−
メチル−N−(2−ヒドロキシエチル))プロピオンア
ミド等を例示することができる。
【0027】なお、上述のラジカル重合開始剤として
は、ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンのヒド
ロシリル基から水素原子を引き抜き易い点で、パーオキ
サイド系のラジカル重合開始剤、特に、ジクミルパーオ
キサイド、ジターシャルブチルパーオキサイド、ターシ
ャルブチルパーオキシベンゾエートまたはベンゾイルパ
ーオキサイドを用いるのが好ましい。
【0028】重合反応 本発明に係るシリコーン複合高分子体の製造方法は、上
述のヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンと上述
の重合性二重結合含有モノマーとを含む重合性溶液を、
ラジカル重合開始剤を用いて重合反応させる工程を含ん
でいる。ここでは、ヒドロシリル基含有オルガノポリシ
ロキサンのヒドロシリル基からの水素引き抜き反応と、
重合性二重結合含有モノマーの重合反応とが競争的に進
む。具体的には、ヒドロシリル基含有オルガノポリシロ
キサン側にSiラジカルが生成し、このSiラジカルが
開始点となって重合性二重結合含有モノマーが重合し、
ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンに対して重
合性二重結合含有モノマーが重合した有機ポリマーが複
合する。これにより、目的とするシリコーン複合高分子
体が得られる。
【0029】このような重合反応を実施するに当り、上
述の重合性溶液には溶剤が含まれていてもよいし、含ま
れていなくてもよい。
【0030】上述の重合性溶液は、溶剤の利用の有無に
かかわらず、ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサ
ンと重合性二重結合含有モノマーによる有機ポリマーと
の複合効率を高めるために、ヒドロシリル基含有オルガ
ノポリシロキサンの濃度が少なくとも20重量%になる
よう調整するのが好ましい。
【0031】重合反応時の温度条件は、特に限定される
ものではないが、通常は室温〜200℃の温度範囲、好
ましくは100〜200℃の温度範囲で実施される。
【0032】また、重合反応は、分子量調整剤の下で実
施することもできる。分子量調整剤としては、ドデシル
メルカプタンやチオグリコールなどのメルカプタン類、
アリルアルコール,アリルアセテート,アリルカーボネ
ートなどのアリル化合物、四塩化炭素やジブロモエタン
などのハロゲン化物、2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン、2,4−ジカルボキシメチル−4−メ
チル−1−ペンテンなどのα−ビニルモノマー二量体な
どを例示することができる。
【0033】本発明の方法により製造されたシリコーン
複合高分子体は、塗料用樹脂、成型材料用樹脂、医療材
料用樹脂、化粧品材料用樹脂等の各種コーティング材料
用樹脂として、或いは消泡剤やフロー剤等の表面調整剤
として用いられると、良好な耐熱性、耐候性、離型性、
成形加工性、耐熱衝撃性等の各種特性を達成することが
できる。
【0034】
【実施例】実施例1 コンデンサー、撹拌器、窒素導入管および温度調節機を
備えた耐圧反応容器を用意し、これにキシレン25g
と、下記の構造式(6)で示されるオルガノポリシロキ
サン75gとを仕込んで150℃に加熱した。加熱後、
メタクリル酸ターシャルブチル100gとジターシャル
ブチルパーオキサイド10gとの混合溶液を3時間かけ
て滴下し、さらに3時間保温した。これにより得られた
ポリマー溶液を140℃に加熱して溶剤を除去したとこ
ろ、ポリマーAが得られた。
【0035】
【化6】
【0036】得られたポリマーAを、UV検出器(25
4nm)を備えた高速液体クロマトグラフィーを用いて
分析したところ、2本のピークが観察された。それぞれ
のピーク部分を分取し、赤外線吸収スペクトル(IR)
を測定したところ、2本のピークは、未反応のオルガノ
ポリシロキサンおよびポリメタクリル酸ターシャルブチ
ルが複合された(グラフトされた)オルガノポリシロキ
サンによるものであることがわかった。また、2本のピ
ークの面積比から複合効率(ポリメタクリル酸ターシャ
ルブチルが複合されたオルガノポリシロキサンの割合)
を調べたところ、約39%であった。
【0037】実施例2 実施例1で用いたものと同様の反応容器にキシレン10
0gと上記構造式(6)で示されるオルガノポリシロキ
サン75gとを仕込み、150℃に加熱した。加熱後、
メタクリル酸ターシャルブチル100gとジターシャル
ブチルパーオキサイド10gとの混合液を3時間かけて
滴下し、さらに3時間保温した。これにより得られたポ
リマー溶液を140℃に加熱して溶剤を除去したとこ
ろ、ポリマーBが得られた。
【0038】得られたポリマーBを、実施例1と同様に
高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、
2本のピークが観察された。それぞれのピーク部分を分
取し、IR測定をしたところ、2本のピークは、未反応
のオルガノポリシロキサンおよびポリメタクリル酸ター
シャルブチルが複合された(グラフトされた)オルガノ
ポリシロキサンによるものであることがわかった。ま
た、2本のピークの面積比から複合効率(ポリメタクリ
ル酸ターシャルブチルが複合されたオルガノポリシロキ
サンの割合)を調べたところ、約20%であった。
【0039】実施例3 実施例1で用いたものと同じ反応容器にキシレン25g
と上記構造式(6)で示されるオルガノポリシロキサン
75gとを仕込み、130℃に加熱した。加熱後、メタ
クリル酸ターシャルブチル100gとジメチル−2,
2’−アゾビスイソブチレート10gとの混合溶液を3
時間かけて滴下し、さらに3時間保温した。これにより
得られたポリマー溶液を140℃に加熱して溶剤を除去
したところ、ポリマーCが得られた。
【0040】得られたポリマーCを、実施例1と同様に
高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、
2本のピークが観察された。それぞれのピーク部分を分
取し、IR測定をしたところ、2本のピークは、未反応
のオルガノポリシロキサンおよびポリメタクリル酸ター
シャルブチルが複合された(グラフトされた)オルガノ
ポリシロキサンによるものであることがわかった。ま
た、2本のピークの面積比から複合効率(ポリメタクリ
ル酸ターシャルブチルが複合されたオルガノポリシロキ
サンの割合)を調べたところ、約10%であった。
【0041】実施例4 実施例1で用いたものと同様の反応容器にキシレン25
gと下記の構造式(7)で示されるオルガノポリシロキ
サン75gとを仕込み、150℃に加熱した。加熱後、
メタクリル酸ターシャルブチル100gとジターシャル
ブチルパーオキサイド10gとの混合溶液を3時間かけ
て滴下し、さらに3時間保温した。これにより得られた
ポリマー溶液を140℃に加熱して溶剤を除去したとこ
ろ、ポリマーDが得られた。
【0042】
【化7】
【0043】得られたポリマーDを、実施例1と同様に
高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、
2本のピークが観察された。それぞれのピーク部分を分
取し、IR測定をしたところ、2本のピークは、未反応
のオルガノポリシロキサンおよびポリメタクリル酸ター
シャルブチルが複合された(グラフトされた)オルガノ
ポリシロキサンによるものであることがわかった。ま
た、2本のピークの面積比から複合効率(ポリメタクリ
ル酸ターシャルブチルが複合されたオルガノポリシロキ
サンの割合)を調べたところ、約15%であった。
【0044】比較例 実施例1で用いたものと同様の反応容器にキシレン25
gと下記の構造式(8)で示されるオルガノポリシロキ
サン75gとを仕込み、150℃に加熱した。加熱後、
メタクリル酸ターシャルブチル100gとジターシャル
ブチルパーオキサイド10gとの混合溶液を3時間かけ
て滴下し、さらに3時間保温した。これにより得られた
ポリマー溶液を140℃に加熱して溶剤を除去したとこ
ろ、ポリマーEが得られた。
【0045】
【化8】
【0046】得られたポリマーEを、実施例1と同様に
高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、
1本のピークのみが観察された。このピーク部分を分取
し、IR測定をしたところ、当該ピークは未反応のオル
ガノポリシロキサンであることがわかった。この結果よ
り、ヒドロシリル基を含有しないオルガノポリシロキサ
ンは、ラジカル開始剤の存在下において重合性二重結合
含有モノマーから得られる有機ポリマーと複合しないこ
とがわかった。
【0047】
【発明の効果】本発明に係るシリコーン複合高分子体の
製造方法では、ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキ
サンと重合性二重結合含有モノマーとを含む重合性溶液
を、ラジカル重合開始剤を用いて重合反応させているの
で、これまでは工業的に生産するのが困難であったシリ
コーン複合高分子体を工業的に容易に製造することがで
きる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサ
    ンと重合性二重結合含有モノマーとを含む重合性溶液
    を、ラジカル重合開始剤を用いて重合反応させる工程を
    含む、シリコーン複合高分子体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ラジカル重合開始剤がパーオキサイド
    系のラジカル重合開始剤である、請求項1に記載のシリ
    コーン複合高分子体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記パーオキサイド系のラジカル重合開始
    剤が、ジクミルパーオキサイド、ジターシャルブチルパ
    ーオキサイド、ターシャルブチルパーオキシベンゾエー
    トおよびベンゾイルパーオキサイドからなる群から選ば
    れたものである、請求項2に記載のシリコーン複合高分
    子体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ヒドロシリル基含有オルガノポリシロ
    キサンは、下記の平均組成式(1)、(2)、(3)お
    よび(4)からなる群から選ばれた少なくとも1種であ
    る、請求項1、2または3に記載のシリコーン複合高分
    子体の製造方法。 【化1】 (式中、Rは、アルキル基、アリル基、アリール基、ア
    ラルキル基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ア
    ミノ基、アルコキシシリル基またはポリエーテル基、a
    は0〜200、bは0〜200、cは1〜200、dは
    3〜10、およびeは1〜4、である。)
  5. 【請求項5】前記ヒドロシリル基含有オルガノポリシロ
    キサンは、1分子中に含まれるヒドロシリル基の平均個
    数が少なくとも15個である、請求項1、2、3または
    4に記載のシリコーン複合高分子体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記重合性二重結合含有モノマーは、スチ
    レン系モノマー、アクリル酸アルキルエステル、メタク
    リル酸アルキルエステル、水酸基含有重合性二重結合含
    有モノマー、カルボン酸含有重合性二重結合含有モノマ
    ー、アルコキシシリル基含有重合性二重結合含有モノマ
    ー、フッ素含有重合性二重結合含有モノマー、二官能性
    重合性二重結合含有モノマー、エポキシ基含有重合性二
    重結合含有モノマー、アミド基含有重合性二重結合含有
    モノマー、アミノ基含有重合性二重結合含有モノマー、
    スルホン基含有重合性二重結合含有モノマー、ポリエー
    テル基含有重合性二重結合含有モノマーおよびりん酸基
    含有重合性二重結合含有モノマーからなる群から選ばれ
    た少なくとも1種である、請求項1、2、3、4または
    5に記載のシリコーン複合高分子体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記ヒドロシリル基含有オルガノポリシロ
    キサンが前記重合性溶液中に少なくとも20重量%含ま
    れている、請求項1、2、3、4、5または6に記載の
    シリコーン複合高分子体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE19934117A1 (de) * 1999-02-09 2000-08-10 S & C Polymer Silicon & Compos Haftvermittler für Siliconmaterialien
EP2042151A2 (de) 2000-08-07 2009-04-01 S & C Polymer Silicon- und Composite-Spezialitäten GmbH Haftender Fluoridlack
JP2014519527A (ja) * 2011-04-12 2014-08-14 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ 特定のリン酸化共重合体とその共重合体によってグラフト化される無機粒子

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