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JPH10251366A - イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート類の製造方法 - Google Patents

イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート類の製造方法

Info

Publication number
JPH10251366A
JPH10251366A JP9060594A JP6059497A JPH10251366A JP H10251366 A JPH10251366 A JP H10251366A JP 9060594 A JP9060594 A JP 9060594A JP 6059497 A JP6059497 A JP 6059497A JP H10251366 A JPH10251366 A JP H10251366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyisocyanate
reaction
catalyst
cocatalyst
monomeric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9060594A
Other languages
English (en)
Inventor
Kouki Fukumura
考記 福村
Kouya Kojima
甲也 小島
Hideki Mizuta
秀樹 水田
Masaru Wada
勝 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP9060594A priority Critical patent/JPH10251366A/ja
Publication of JPH10251366A publication Critical patent/JPH10251366A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高活性の三量化触媒の提供。 【解決手段】 単量体ポリイソシアネート、及び/また
は1〜3官能性のアルコールで部分的にウレタン化され
たポリイソシアネートを三量化させるにあたり、触媒と
してフッ化カリウムとともに(1)ポリエチレンオキサ
イド化合物、(2)第4級アンモニウム塩、(3)ホス
ホニウム化合物より選ばれた化合物の1種または2種以
上の組み合わせを使用し、さらに助触媒として有機亜リ
ン酸トリエステル及び/またはフェノール性ヒドロキシ
化合物を使う、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネ
ート類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポリウレタ
ン塗料、注型材等のポリウレタン樹脂を製造する際の硬
化剤として有用なイソシアヌレート環を有するポリイソ
シアネート類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】分子内
に耐候性、耐熱性、耐薬品性などに優れるイソシアヌレ
ート環を有するポリイソシアネートは塗料、接着剤、エ
ラストマー、人工皮革、フォームなどのポリウレタンの
原料、及びプラスチックレンズ等の材料として使用され
る。製法については、特開昭54−119480号、特
開昭55−49360号、特開平2−3682号、特開
昭61−129173号、特開平2−110123号、
特開平2−250872号、特開平2−6480号、特
開平2−32068号、特開平2−6454号、特開平
1−297420号、特開平1−149821号、特開
昭61−111371号、特開昭60−181078
号、特開昭60−181114号、特開平2−1155
4号、特開平2−107337号、特開昭55−143
978号、特開昭52−17484号、特開昭61−2
27574号、特開昭57−47319号、特開昭59
−22916号、特開昭63−57577号、特開昭6
3−93770号、特開昭63−96178号、特開平
6−166677号公報等、多くの特許出願がなされて
いる。
【0003】これらの特許出願により提案されている触
媒は、ヒドロキシアルキル基含有第4級アンモニウムヒ
ドロキサイド及び有機弱酸塩、第4級アンモニウムヒド
ロキサイド及び有機弱酸塩、脂肪族カルボン酸アルカリ
金属塩、アミノシリル基含有化合物、第4級アンモニウ
ム及びホスホニウムフルオライド等である。しかしこれ
らの触媒は、生成するイソシアヌレート環含有ポリイソ
シアネートに着色を生じやすいという欠点を持ってい
た。
【0004】これらに対して、特公平7−5573号公
報では触媒としてフッ化カリウムを使用することによっ
て、着色の生じないイソシアヌレート環含有ポリイソシ
アネートの製造法が記載されており、さらに、特公平7
−5574号公報ではフッ化カリウムと(1)ポリエチ
レンオキサイド化合物(2)第4級アンモニウム塩
(3)ホスホニウム化合物より選ばれた化合物の1種ま
たは2種以上の組み合わせからなる触媒を用いることに
よって、少ない触媒使用量、及び穏やかな反応条件で無
着色のイソシアヌレート環含有ポリイソシアネートが製
造できることが記載されている。しかし(1)〜(3)
のような相間移動触媒をフッ化カリウムと組み合わせて
使用しても、未だ触媒活性が低く、比較的多くの触媒量
(単量体ポリイソシアネート1重量部に対してフッ化カ
リウム0.0001〜0.05重量部)が必要であっ
た。フッ化カリウムは反応生成物中に不溶分として残る
ため、濾過等の方法で反応生成物から取り除く必要があ
るが、触媒使用量が多いほど濾過時間が長くなり、生成
物のロスが大きくなる等の問題が生じる。また特に脂肪
族及び/または脂環族ポリイソシアネートに対しては比
較的高い反応温度が必要であるが、反応温度が高いとイ
ソシアヌレート化反応開始後の反応制御が困難で、溶解
性の悪い多核体を生じやすいという問題がある。これら
の問題は単に(1)〜(3)のような相間移動触媒の量
をフッ化カリウムに対して増やしても解決されず、改良
が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、触媒としてフッ化カリ
ウムとともに(1)ポリエチレンオキサイド化合物
(2)第4級アンモニウム塩(3)ホスホニウム化合物
より選ばれた化合物の1種または2種以上の組み合わせ
を使用する際に、さらに助触媒として有機亜リン酸トリ
エステル及び/またはフェノール性ヒドロキシ化合物を
用いることによって、上記の問題を解決できることを見
出し本発明を完成するに到った。
【0006】すなわち本発明は、以下のものである。 1.単量体ポリイソシアネート、及び/または1〜3官
能性のアルコールで部分的にウレタン化されたポリイソ
シアネートを三量化させるにあたり、触媒としてフッ化
カリウムとともに(1)ポリエチレンオキサイド化合
物、(2)第4級アンモニウム塩、(3)ホスホニウム
化合物より選ばれた化合物の1種または2種以上の組み
合わせを使用し、さらに助触媒として有機亜リン酸トリ
エステル及び/またはフェノール性ヒドロキシ化合物を
使用することを特徴とする、イソシアヌレート環含有ポ
リイソシアネート類の製造方法。 2.助触媒が有機亜リン酸トリエステルである上記1記
載の方法。 3.助触媒がフェノール性ヒドロキシ化合物である上記
1記載の方法。 4.助触媒が有機亜リン酸トリエステル及びフェノール
性ヒドロキシ化合物である上記1記載の方法。 5.単量体ポリイソシアネートが脂肪族及び/または脂
環族ポリイソシアネートである上記1、2、3または4
記載の方法。 6.単量体ポリイソシアネートが2,5−及び/または
2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]
ヘプタン(NBDi)である上記1、2、3または4記
載の方法。 7単量体ポリイソシアネートが1−イソシアナト−3,
3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘ
キサン(IPDi)である上記1、2、3または4記載
の方法。 8.ヘキサメチレンジイソシアネート(HDi)である
上記1、2、3または4記載の方法。 9.単量体ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDi)と2,5−及び/または2,6−
ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン
(NBDi)の混合物である上記1、2、3または4記
載の方法。 10.単量体ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HDi)と1−イソシアナト−3,3,
5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサ
ン(IPDi)の混合物である上記1、2、3または4
記載の方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において助触媒として用い
られる有機亜リン酸トリエステルとしては、具体的に次
の4つの群からなる化合物を挙げることができる。
【0008】(1)(RO)3P(ただし、Rは同一ま
たは異なって炭素数1〜20のアルキル基あるいは炭素
数1〜20のアルキル基で置換されていてもよいアリー
ル基)で示される化合物。このようなものとして、例え
ばトリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、
トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシ
ルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス
(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスフ
ァイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイトなどの
モノホスファイト類がある。Rで表されるアルキル基及
びアリール基は、例えばクロル等のハロゲンで置換され
ていてもよく、例えばトリス(2,3−ジクロロプロピ
ル)ホスファイト等が挙げられる。
【0009】(2)例えばジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、テトラフェニルテトラ
(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイ
ト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファ
イト等の多価アルコールから誘導されたジ、トリあるい
はテトラホスファイト類。
【0010】(3)例えば、テトラアルキル(炭素数1
〜20)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホ
スファイト等のビスフェノール系化合物から誘導された
ジフォスファイト類。
【0011】(4)例えば水添ビスフェノールAホスフ
ァイトポリマー(分子量2400〜3000)等のポリ
ホスファイト類等が挙げられる。また上記ホスファイト
の酸素原子は硫黄原子で置換されたものでもよく、その
例としてトリラウリルチオフォスファイト等が挙げられ
る。
【0012】本発明において助触媒として用いられるフ
ェノール性ヒドロキシ化合物としては、フェノールの他
に、o−,m−,及びp−クレゾール、トリメチルフェ
ノール等のアルキル置換フェノール、ハロゲン置換また
はニトロ基等の置換基を有するフェノール類、4,4’
−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン(ビスフ
ェノールA)等のビスフェノール化合物などが挙げられ
る。本発明においてはフェノール性ヒドロキシ化合物を
助触媒として使用することが必須であり、通常三量化反
応の助触媒として知られているアルコール性ヒドロキシ
化合物や、カルボキシル基性ヒドロキシ化合物ではほと
んどその効果は得られない。
【0013】本発明においては、有機亜リン酸トリエス
テルまたはフェノール性ヒドロキシ化合物を単独で助触
媒として用いても効果が得られるが、これらを併用する
ことによってその効果は相乗的に高まる。
【0014】本発明において使用されるフッ化カリウム
はペレット状、粉状、フレーク状等種々の形状がいずれ
も使用できるが、吸湿性が低く活性が高いことから、ス
プレードライドフッ化カリウム(sd.KF)が特に好
ましい。
【0015】フッ化カリウムと組み合わせて使用する
(1)〜(3)の化合物の例として、(1)のポリエチ
レンオキサイド化合物としてはポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリ
エチレングリコールジメチルエーテル等のポリエチレン
グリコール類、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシク
ロヘキシル−18−クラウン−6のようなクラウンエー
テル類、例えば関東化学社製の[クリプトフィックス−
111]として市販されているC142824のような
クリプタンド類等、(2)の第4級アンモニウム塩類と
しては、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、
テトラブチルアンモニウムブロマイド等、(3)のホス
ホニウム化合物としてはトリオクチルエチルホスホニウ
ムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド等
が挙げられる。
【0016】本発明の方法では、フッ化カリウムと上記
(1)〜(3)の化合物とからなる触媒にたいして亜リ
ン酸トリエステル助触媒を組み合わせて使用し、触媒自
体の使用量は、助触媒無しで使用する場合の最も効果的
な量よりも少ない量を用いればよい。実際には反応に使
用する単量体ポリイソシアネート及び/または部分的に
ウレタン化されたポリイソシアネート1重量部に対して
フッ化カリウムの使用量は0.000001〜0.00
05重量部あれば十分であり、好ましくは0.0000
05〜0.0002重量部、特に好ましくは0.000
005〜0.00008重量部である。(1)〜(3)
の相間移動触媒の使用量はフッ化カリウムの1/100
〜100倍量が好適である。触媒量が少なすぎる場合
は、所望の転化率達成までに時間がかかりすぎて適切で
なく、また触媒量が多すぎる場合は、イソシアヌレート
化反応が速すぎ、大きな発熱を伴うため、反応制御が困
難となる。
【0017】助触媒の使用量としては、フッ化カリウム
の使用量の1〜100倍量が好適である。
【0018】触媒及び助触媒は原料の単量体ポリイソシ
アネート及び/または部分的にウレタン化されたポリイ
ソシアネート中に各々添加してもよく、またあらかじめ
混合して添加してもよい。
【0019】本発明において用いられる単量体ポリイソ
シアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシア
ネート(HDi)、1−イソシアナト−3,3,5,−
トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン
(IPDi)、2,5−及び/又は2,6−ジイソシア
ナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン(NBD
i)、2,4,4−または2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシ
アネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエー
ト、1,3−シクロヘキシルジイソシアネート、1,4
−シクロヘキシルジイソシアネート、4,4’−メチレ
ンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−
2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−
2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビ
ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−または
p−キシリレンジイソシアネート、1,3−または1,
4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪
族及び/または脂環族ポリイソシアネート、2,4−及
び/または2,6−トルエンジイソシアネート(TD
i)、2,4’−及び/または4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDi)等の芳香族ポリイソシ
アネート等が挙げられる。これらの単量体ポリイソシア
ネートは2種以上混合して用いることも可能である。こ
れらの中で脂肪族及び/または脂環族ポリイソシアネー
トがより好適である。
【0020】また、1〜3官能性のアルコールで部分的
にウレタン化されたポリイソシアネートも原料として好
適に使用される。ここに用いられる1〜3官能性のアル
コールの例としては、例えばメタノール、エタノール、
各種ブタノール、2−エチル−ヘキサノール、エチレン
グリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコ
ール、1,3−または1,4−または2,3−ブチレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、
トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘ
キサントリオール等の低分子量化合物及び分子量約20
0〜10000のポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール等が挙げられる。
【0021】アルコールと単量体ポリイソシアネート予
備反応時のNCO/OH当量比は、10〜100程度の
値から目的に応じ選択される。
【0022】部分ウレタン化反応および三量化反応は、
溶媒を使用してもしなくてもよいが、使用する場合はイ
ソシアネート基に対して反応活性を持たない溶媒を選択
すべきである。
【0023】イソシアヌレート化反応は、通常0〜12
0 ℃、好ましくは20〜70 ℃の温度で行われる。
【0024】特に単量体ポリイソシアネート及び/また
は部分的にウレタン化されたポリイソシアネート原料と
して脂肪族及び/または脂環族ポリイソシアネートを用
いる場合、助触媒を使用しないと100℃以上の反応温
度でないと十分な反応速度を得ることができなかった
が、助触媒の使用によって70℃付近の温度で反応が十
分進行する。このため反応制御が容易になり、溶解性の
悪い多核体の生成量を少なくすることが可能になった。
【0025】反応の進行は反応液のNCO滴定、屈折
率、粘度、IR測定等により行うことができる。反応が
所望の転化率に到達した時点で、停止剤の添加により触
媒を失活させて反応を停止する。この転化率は10〜6
0%の範囲で選定するのが適当である。転化率10%以
下では生産性が悪すぎて好ましくなく、転化率60%以
上では高分子量のオリゴマー成分が増え、得られるイソ
シアヌレート環含有ポリイソシアネートの物性が低下す
るため好ましくない。上記反応停止剤としては、例えば
塩酸、リン酸、硫酸等の無機強酸や塩化ベンゾイル、酸
性リン酸エステル等の酸性有機物質、及びシリカゲルや
酸性基含有樹脂等の吸着性物質等が使用される。失活さ
れたフッ化カリウムは反応系に不溶化するが、使用量が
少ないため濾過により容易に除去できる。
【0026】かくして単量体ポリイソシアネート及び/
または部分的にウレタン化されたポリイソシアネートの
生成物への転化率10〜60%時点で反応を終了した
後、反応液から未反応の単量体ポリイソシアネート及び
溶媒を使用した場合は溶媒を除去し精製する。精製方法
としては、減圧蒸留や溶剤抽出等があるが、一般には流
下式薄膜蒸発缶が好適に使用される。人体への安全衛生
上、生成物であるイソシアヌレート環含有ポリイソシア
ネート中の単量体ポリイソシアネート含有量は1.0重
量%以下にする必要がある。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって具体的に説明するが、
本発明の方法は実施例により限定されるものではない。 実施例1 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を備えた4つ口フラス
コにNBDi 1000g、フッ化カリウム0.1g、
ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(BTA
C)0.2g、及びテトラフェニルテトラ(トリデシ
ル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト1gを仕
込み、窒素気流下、反応器内を撹拌しながら70℃まで
昇温した。反応器内の温度はゆるやかに75℃まであが
りしばらくその温度を保った後、徐々に70℃まで低下
した。発熱開始後5時間で停止剤として85%リン酸
0.2gを添加し、その後さらに70℃で約1時間撹拌
し反応を完全に停止した。室温まで放冷後、析出した失
活触媒を濾過によって除去した。反応マスは無色透明で
あった。次いで薄膜蒸発缶によって未反応のモノマーを
除去した。得られた生成物は、常温で無色透明の固体で
融点50〜60℃、NCO含有率17.8%、モノマー
含有量0.6%であった。生成物収量は340gで、N
BDiからの転化率34%であった。
【0028】実施例2 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を備えた4つ口フラス
コにNBDi 1000gを仕込み、窒素気流下、反応
器内を撹拌しながら70℃まで昇温し、あらかじめ混合
したフッ化カリウム0.1gと平均分子量400のポリ
エチレングリコール(PEG400)10g、及びフェ
ノール(PhOH)1gを30分間で滴下的に加えた。
反応器内の温度はゆるやかに75℃まであがりしばらく
その温度を保った後、徐々に70℃まで低下した。発熱
開始後4時間で停止剤として85%リン酸0.2gを添
加し、その後さらに70℃で約1時間撹拌し反応を完全
に停止した。室温まで放冷後、析出した失活触媒を濾過
によって除去した。反応マスは無色透明であった。次い
で薄膜蒸発缶によって未反応のモノマーを除去した。得
られた生成物は、常温で無色透明の固体で融点50〜6
0℃、NCO含有率17.4%、モノマー含有量0.5
%であった。生成物収量は400gで、NBDiからの
転化率40%であった。
【0029】実施例3 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を備えた4つ口フラス
コにNBDi 1000gとトリフェニルホスファイト
(TPP)2gを仕込み、窒素気流下、反応器内を撹拌
しながら70℃まで昇温し、あらかじめ混合したフッ化
カリウム0.03gと平均分子量400のポリエチレン
グリコール(PEG400)10g、及びフェノール
0.3gを30分間で滴下的に加えた。反応器内の温度
はゆるやかに75℃まであがりしばらくその温度を保っ
た後、徐々に70℃まで低下した。発熱開始後3時間で
停止剤として85%リン酸0.1gを添加し、その後さ
らに70℃で約1時間撹拌し反応を完全に停止した。室
温まで放冷後、析出した失活触媒を濾過によって除去し
た。反応マスは無色透明であった。次いで薄膜蒸発缶に
よって未反応のモノマーを除去した。得られた生成物
は、常温で無色透明の固体で融点50〜60℃、NCO
含有率17.3%、モノマー含有量0.5%であった。
生成物収量は420gで、NBDiからの転化率42%
であった。
【0030】実施例4〜9 第1表に示す処方および条件下で、実施例2と同様にし
てイソシアヌレート環を有するポリイソシアネートを得
た。得られた生成物の物性を第1表下欄にまとめた。
【0031】実施例10 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を備えた4つ口フラス
コに2,4−TDi500g、酢酸ブチル500g、フ
ッ化カリウム0.01g、テトラブチルホスホニウムブ
ロマイド0.01g、及びジイソデシルペンタエリスリ
トールジホスファイト0.125gを仕込み、窒素気流
下、反応器内を撹拌しながら40℃まで昇温したとこ
ろ、発熱が起こったので、反応器内の温度を50℃以下
に保つように冷却し、1時間後停止剤として塩化ベンゾ
イルを0.03g添加して反応を止めた。得られた反応
マスは微黄色透明で(APHA40)、不揮発分50
%、NCO含有量8.0%であった。
【0032】比較例1 助触媒テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールテトラホスファイトを使用しない以外は実施
例1と同様に反応を行ったが、イソシアヌレート化は進
行せず、反応温度を120℃まで挙げたところで急激な
発熱が起こったため、停止剤として85%リン酸0.2
gを添加して反応を停止した。得られた反応マスには、
三量体以上の多核体が多く生成していた。
【0033】比較例2 助触媒としてフェノールのかわりにメタノールを使用し
た以外は実施例2と同様に反応を行ったが、イソシアヌ
レート化は進行せず、反応温度を120℃まで挙げたと
ころで急激な発熱が起こったため、停止剤として85%
リン酸0.2gを添加して反応を停止した。得られた反
応マスには、三量体以上の多核体が多く生成していた。
【0034】比較例3 助触媒としてフェノールのかわりにプロピオン酸を使用
した以外は実施例2と同様に反応を行ったが、イソシア
ヌレート化は進行せず、触媒量を徐々に追加して最初の
添加量の6倍まで添加したが反応は進行しなかった。
【0035】比較例4 助触媒としてフェノールを使用しない以外は実施例2と
同様に反応を行ったが、イソシアヌレート化は進行せ
ず、触媒量を徐々に追加して最初の添加量の6倍まで添
加したところで反応が進行した。停止剤として85%リ
ン酸1.2gを添加して反応を停止した。反応マスの白
濁を濾過によって除こうとしたが、濾過性が非常に悪く
途中で断念した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上、本発明の特徴をまとめると、以下
のとおりである。 (1)、触媒活性が高く、少量の触媒使用量で反応が進
行する。 (2)、反応の制御性、再現性に優れている。 (3)、実質的に無色透明のイソシアヌレート環を有す
るポリイソシアネートが得られる。 かくして得られた無色透明のイソシアヌレート環を有す
るポリイソシアネートは耐候性、耐熱性に優れたポリウ
レタン原料として非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 勝 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単量体ポリイソシアネート、及び/また
    は1〜3官能性のアルコールで部分的にウレタン化され
    たポリイソシアネートを三量化させるにあたり、触媒と
    してフッ化カリウムとともに(1)ポリエチレンオキサ
    イド化合物、(2)第4級アンモニウム塩、(3)ホス
    ホニウム化合物より選ばれた化合物の1種または2種以
    上の組み合わせを使用し、さらに助触媒として有機亜リ
    ン酸トリエステル及び/またはフェノール性ヒドロキシ
    化合物を使うことを特徴とする、イソシアヌレート環含
    有ポリイソシアネート類の製造方法。
  2. 【請求項2】 助触媒が有機亜リン酸トリエステルであ
    る請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 助触媒がフェノール性ヒドロキシ化合物
    である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 助触媒が有機亜リン酸トリエステル及び
    フェノール性ヒドロキシ化合物である請求項1記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 単量体ポリイソシアネートが脂肪族及び
    /または脂環族ポリイソシアネートである請求項1、
    2、3または4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 単量体ポリイソシアネートが2,5−及
    び/又は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,
    2,1]ヘプタン(NBDi)である請求項1、2、3
    または4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 単量体ポリイソシアネートが1−イソシ
    アナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメ
    チルシクロヘキサン(IPDi)である請求項1、2、
    3または4記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 単量体ポリイソシアネートがヘキサメチ
    レンジイソシアネート(HDi)である請求項1、2、
    3または4記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 単量体ポリイソシアネートがヘキサメチ
    レンジイソシアネート(HDi)と2,5−及び/又は
    2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]
    ヘプタン(NBDi)の混合物である請求項1、2、3
    または4記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 単量体ポリイソシアネートがヘキサメ
    チレンジイソシアネート(HDi)と1−イソシアナト
    −3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシ
    クロヘキサン(IPDi)の混合物である請求項1、
    2、3または4記載の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000178333A (ja) * 1998-12-17 2000-06-27 Mitsui Chemicals Inc イソシアヌレート環含有ポリイソシアナートの製造方法
JP2008273988A (ja) * 1997-08-13 2008-11-13 Bayer Ag 淡色ウレトジオンポリイソシアネートの製造方法
JP4752839B2 (ja) * 2005-06-22 2011-08-17 日本ポリウレタン工業株式会社 イソシアヌレート結合形成反応触媒、及びこれを用いたイソシアヌレート結合含有変性ポリイソシアネート混合物の製造方法
JP2016008300A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 東ソー株式会社 ポリイソシアヌレート変性イソシアネート組成物

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