JPH10246950A - マルチビーム記録装置の開口板製作方法 - Google Patents
マルチビーム記録装置の開口板製作方法Info
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- JPH10246950A JPH10246950A JP6377897A JP6377897A JPH10246950A JP H10246950 A JPH10246950 A JP H10246950A JP 6377897 A JP6377897 A JP 6377897A JP 6377897 A JP6377897 A JP 6377897A JP H10246950 A JPH10246950 A JP H10246950A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 精密な露光パターンを形成するために投影レ
ンズが有する収差や各光学部材の組み付け、加工の誤差
を最小限に抑えようとすると、レンズ枚数の増加、加工
コストの増加を招く。 【解決手段】 基準開口板を配置してLED42を点灯
させ、感光体フィルム3上に基準開口の像を露光し(S.
1)、基準開口の像の実位置座標(Ym1(n), Zm1(n))を測
定する(S.2)。この実位置座標と基準開口の像の理想
位置座標(Y0(n),Z0(n))とをコンピュータに読み込ませ
(S.3)、座標軸の相対位置関係を調整する(S.4)。補
正された実位置座標(Y1(n), Z1(n))と、基準開口の位置
座標(HY1(n), HZ1(n))とを入力し(S.5)、像の実位置
座標から基準開口の位置座標へ射像する座標変換の変換
係数f(i, j), g(i, j)を求める(S.6)。基準開口の像
の理想位置座標と座標変換の変換係数とを入力し(S.
7)、理想位置座標を投影光学系で開口板に逆投影した
場合の補正開口の位置座標(HY2(n), HZ2(n))を求め(S.
8)、これに基づいて開口板を製作する(S.9)。
ンズが有する収差や各光学部材の組み付け、加工の誤差
を最小限に抑えようとすると、レンズ枚数の増加、加工
コストの増加を招く。 【解決手段】 基準開口板を配置してLED42を点灯
させ、感光体フィルム3上に基準開口の像を露光し(S.
1)、基準開口の像の実位置座標(Ym1(n), Zm1(n))を測
定する(S.2)。この実位置座標と基準開口の像の理想
位置座標(Y0(n),Z0(n))とをコンピュータに読み込ませ
(S.3)、座標軸の相対位置関係を調整する(S.4)。補
正された実位置座標(Y1(n), Z1(n))と、基準開口の位置
座標(HY1(n), HZ1(n))とを入力し(S.5)、像の実位置
座標から基準開口の位置座標へ射像する座標変換の変換
係数f(i, j), g(i, j)を求める(S.6)。基準開口の像
の理想位置座標と座標変換の変換係数とを入力し(S.
7)、理想位置座標を投影光学系で開口板に逆投影した
場合の補正開口の位置座標(HY2(n), HZ2(n))を求め(S.
8)、これに基づいて開口板を製作する(S.9)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多数の発光素子
が配列して構成される光源部からの光を縮小投影して感
光材料面上に所定のパターンを露光するマルチビーム記
録装置における開口板制作方法に関する。
が配列して構成される光源部からの光を縮小投影して感
光材料面上に所定のパターンを露光するマルチビーム記
録装置における開口板制作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のマルチビーム記録装置は、例え
ばプリント基板を作成するための露光焼き付け用のマス
クに回路パターンを形成するために使用される。マルチ
ビーム記録装置の光学系は、二次元的に配列した多数の
発光素子を有する光源部と、光源部の各発光素子から発
する光束の範囲を制限する開口が形成された開口板と、
開口板を透過した光束を縮小投影する投影レンズとから
構成される。縮小投影レンズの投影位置には、感光材料
が配置される。光源部を所定のパターンにしたがって発
光させると、発光素子からの光束により感光材料上に開
口の像による露光パターンが形成されて感光物質を感光
させる。
ばプリント基板を作成するための露光焼き付け用のマス
クに回路パターンを形成するために使用される。マルチ
ビーム記録装置の光学系は、二次元的に配列した多数の
発光素子を有する光源部と、光源部の各発光素子から発
する光束の範囲を制限する開口が形成された開口板と、
開口板を透過した光束を縮小投影する投影レンズとから
構成される。縮小投影レンズの投影位置には、感光材料
が配置される。光源部を所定のパターンにしたがって発
光させると、発光素子からの光束により感光材料上に開
口の像による露光パターンが形成されて感光物質を感光
させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したマルチビーム
記録装置により精密な露光パターンを形成するために
は、各開口を透過した光束が感光材料上でそれぞれ所定
の設計位置に正確に結像する必要があり、そのためには
縮小投影レンズが有する収差や各光学部材の組み付け、
加工の誤差を最小限に抑える必要がある。しかしなが
ら、収差や組み付け、加工誤差を抑えるためにはレンズ
枚数の増加、加工コストの増加を招くという問題があ
る。
記録装置により精密な露光パターンを形成するために
は、各開口を透過した光束が感光材料上でそれぞれ所定
の設計位置に正確に結像する必要があり、そのためには
縮小投影レンズが有する収差や各光学部材の組み付け、
加工の誤差を最小限に抑える必要がある。しかしなが
ら、収差や組み付け、加工誤差を抑えるためにはレンズ
枚数の増加、加工コストの増加を招くという問題があ
る。
【0004】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑
み、レンズ枚数や加工コストの増加を伴わずに精密なパ
ターンを感光材料上に投影できるマルチビーム記録装置
を提供するためになされたものであり、装置毎の特性に
応じて開口像を所定の設計位置に結像させることができ
る開口板を製作する方法を提供することを目的とする。
み、レンズ枚数や加工コストの増加を伴わずに精密なパ
ターンを感光材料上に投影できるマルチビーム記録装置
を提供するためになされたものであり、装置毎の特性に
応じて開口像を所定の設計位置に結像させることができ
る開口板を製作する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】この発明にかかるマルチ
ビーム記録装置の開口板製作方法は、上記の目的を達成
させるため、所定の基準パターンで基準開口が配列した
基準開口板を開口板の位置に配置して光源を点灯させ、
投影光学系を介して被露光面上に基準開口の像を記録す
るテスト露光段階と、テスト露光段階で得られた基準開
口の像の実位置を測定する測定段階と、基準開口の位置
と基準開口の像の実位置とに基づいて投影光学系の作用
を座標変換として求める座標変換算出段階と、基準開口
の像の理想位置を投影光学系で前記開口板に投影した場
合の補正開口の位置を座標変換を用いて求める補正開口
位置算出段階とを有することを特徴とする。
ビーム記録装置の開口板製作方法は、上記の目的を達成
させるため、所定の基準パターンで基準開口が配列した
基準開口板を開口板の位置に配置して光源を点灯させ、
投影光学系を介して被露光面上に基準開口の像を記録す
るテスト露光段階と、テスト露光段階で得られた基準開
口の像の実位置を測定する測定段階と、基準開口の位置
と基準開口の像の実位置とに基づいて投影光学系の作用
を座標変換として求める座標変換算出段階と、基準開口
の像の理想位置を投影光学系で前記開口板に投影した場
合の補正開口の位置を座標変換を用いて求める補正開口
位置算出段階とを有することを特徴とする。
【0005】このようにして求めた補正開口の位置座標
に開口を形成して開口板を製作することにより、投影光
学系が誤差や収差を有する場合にも、理想位置に近い位
置に開口の像を形成することができる。
に開口を形成して開口板を製作することにより、投影光
学系が誤差や収差を有する場合にも、理想位置に近い位
置に開口の像を形成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるマルチビ
ーム記録装置の開口板作成方法の実施形態を説明する。
まず、図1に基づいてマルチビーム記録装置の概要につ
いて説明する。マルチビーム記録装置100は、装置本
体ベース1と、回路パターンが作画される被走査面とし
ての感光フィルム3を載置し、装置本体ベース1に対し
てY方向にスライド可能な感光材搭載テーブル2と、感
光フィルム3上に投影パターンを形成する光照射ユニッ
ト4と、この光照射ユニット4を本体ベース1に対して
Y方向に垂直なZ方向にスライド可能に支持する光学ベ
ース5とから概略構成されている。
ーム記録装置の開口板作成方法の実施形態を説明する。
まず、図1に基づいてマルチビーム記録装置の概要につ
いて説明する。マルチビーム記録装置100は、装置本
体ベース1と、回路パターンが作画される被走査面とし
ての感光フィルム3を載置し、装置本体ベース1に対し
てY方向にスライド可能な感光材搭載テーブル2と、感
光フィルム3上に投影パターンを形成する光照射ユニッ
ト4と、この光照射ユニット4を本体ベース1に対して
Y方向に垂直なZ方向にスライド可能に支持する光学ベ
ース5とから概略構成されている。
【0007】テーブル2は、その下面がY方向に延びる
一対のレール2Rに沿ってガイドされた状態で、ボール
ねじ2Bを図示しないテーブル駆動モータにより回転さ
せることによって、光照射ユニット4により形成される
光源像に対して感光フィルム3をY方向に走査させる。
このY方向の走査により、感光フィルム3は帯状に露光
される。
一対のレール2Rに沿ってガイドされた状態で、ボール
ねじ2Bを図示しないテーブル駆動モータにより回転さ
せることによって、光照射ユニット4により形成される
光源像に対して感光フィルム3をY方向に走査させる。
このY方向の走査により、感光フィルム3は帯状に露光
される。
【0008】光学ベース5は、Z方向に延びる一対のガ
イドレール5RにガイドされてZ方向に移動可能となっ
ており、光学系駆動モータ5Mによってボールねじ5B
を回転させることにより、光照射ユニット4をZ方向に
移動させる。このZ方向の直線移動により、帯状の走査
領域が切り換えられる。
イドレール5RにガイドされてZ方向に移動可能となっ
ており、光学系駆動モータ5Mによってボールねじ5B
を回転させることにより、光照射ユニット4をZ方向に
移動させる。このZ方向の直線移動により、帯状の走査
領域が切り換えられる。
【0009】光照射ユニット4には、装置本体ベース1
に設けられた位置検出用リニアスケール5Kを検出する
スケール検出ヘッド5Dが設けられており、光学系駆動
モータ5Mはスケール検出ヘッド5Dの検出信号に基づ
いてフィードバック制御される。なお、図示していない
が、感光材搭載テーブル2も同様の検出機構を備え、テ
ーブル駆動モータは検出結果に基づいてフィードバック
制御される。
に設けられた位置検出用リニアスケール5Kを検出する
スケール検出ヘッド5Dが設けられており、光学系駆動
モータ5Mはスケール検出ヘッド5Dの検出信号に基づ
いてフィードバック制御される。なお、図示していない
が、感光材搭載テーブル2も同様の検出機構を備え、テ
ーブル駆動モータは検出結果に基づいてフィードバック
制御される。
【0010】光照射ユニット4は、有効な面積を持つ複
数の光源が離散的に2次元配列された光源部と、光源の
像を被走査面上に形成する投影光学系とを備えている。
光源部は、図2に示されるようにプリント基板41に取
り付けられた発光素子であるLED(発光ダイオード)4
2と、各LED42に対応してその前面に位置する開口
APが形成された開口板43とから構成される。投影光
学系は、開口板43側から順に配列した第1レンズ群4
4、および第2レンズ群45からなる縮小光学系であ
り、開口板43を透過したビームにより開口APの像を
光源像として感光フィルム3の表面に形成する。
数の光源が離散的に2次元配列された光源部と、光源の
像を被走査面上に形成する投影光学系とを備えている。
光源部は、図2に示されるようにプリント基板41に取
り付けられた発光素子であるLED(発光ダイオード)4
2と、各LED42に対応してその前面に位置する開口
APが形成された開口板43とから構成される。投影光
学系は、開口板43側から順に配列した第1レンズ群4
4、および第2レンズ群45からなる縮小光学系であ
り、開口板43を透過したビームにより開口APの像を
光源像として感光フィルム3の表面に形成する。
【0011】LED42、およびLED42に対応して
開口パネル43に形成された開口APは、Y方向に沿う
配列を「列」、Z方向に沿う配列を「行」とする二次元
行列として形成されており、走査方向であるY方向につ
いては、各列のLED42がY方向に対して角度を持つ
直線上に配置され、Z方向については、各行のLED4
2がZ方向と平行な直線上に配置されている。
開口パネル43に形成された開口APは、Y方向に沿う
配列を「列」、Z方向に沿う配列を「行」とする二次元
行列として形成されており、走査方向であるY方向につ
いては、各列のLED42がY方向に対して角度を持つ
直線上に配置され、Z方向については、各行のLED4
2がZ方向と平行な直線上に配置されている。
【0012】感光フィルム3と光源像である開口APの
像とを相対的に走査させつつLED42を制御して、Z
方向に離散的に配列した各行の開口像を所定ピッチづつ
ずらしながら複数行分重ねることにより、描画面上に隙
間なく二次元の画像を形成することができる。
像とを相対的に走査させつつLED42を制御して、Z
方向に離散的に配列した各行の開口像を所定ピッチづつ
ずらしながら複数行分重ねることにより、描画面上に隙
間なく二次元の画像を形成することができる。
【0013】次に、上記のマルチビーム記録装置で使用
される開口板43の製作方法について説明する。図3に
示されるように、投影光学系の光軸をX軸とし、X軸に
直交する開口板43上の座標系で図1で示した走査方向
Yと平行な軸をHY軸、Z方向と平行な軸をHZ軸とす
る。また、X軸に直交する感光体フィルム3上の座標系
は、図1で示されるY方向と平行なY軸、Z方向と平行
なZ軸により規定される。いずれの座標系も、X軸との
交点が原点となる。
される開口板43の製作方法について説明する。図3に
示されるように、投影光学系の光軸をX軸とし、X軸に
直交する開口板43上の座標系で図1で示した走査方向
Yと平行な軸をHY軸、Z方向と平行な軸をHZ軸とす
る。また、X軸に直交する感光体フィルム3上の座標系
は、図1で示されるY方向と平行なY軸、Z方向と平行
なZ軸により規定される。いずれの座標系も、X軸との
交点が原点となる。
【0014】開口板の製作工程は、図4に示されるよう
にS.1〜S.9の9段階から構成される。以下、各段階
について説明する。こられの段階のうち、S.3〜S.8
がコンピュータ上での演算により実行されるステップで
あり、これらについては後に詳細に説明する。
にS.1〜S.9の9段階から構成される。以下、各段階
について説明する。こられの段階のうち、S.3〜S.8
がコンピュータ上での演算により実行されるステップで
あり、これらについては後に詳細に説明する。
【0015】S.1のテスト露光段階では、所定の基準
パターンで基準開口が配列した基準開口板を開口板43
の位置に配置してLED42を点灯させ、感光体フィル
ム3上に基準開口の像を露光する。基準開口板は、基準
開口の位置座標データに基づいてフォトプロッター等の
描画装置により作成される。なお、テスト露光段階で
は、全てのLEDを点灯させてもよいが、開口の像が一
回の露光でカバーされる範囲を含むエリア内で偏りなく
配分されている限り、部分的に複数のLED42を選択
して点灯させてもよい。
パターンで基準開口が配列した基準開口板を開口板43
の位置に配置してLED42を点灯させ、感光体フィル
ム3上に基準開口の像を露光する。基準開口板は、基準
開口の位置座標データに基づいてフォトプロッター等の
描画装置により作成される。なお、テスト露光段階で
は、全てのLEDを点灯させてもよいが、開口の像が一
回の露光でカバーされる範囲を含むエリア内で偏りなく
配分されている限り、部分的に複数のLED42を選択
して点灯させてもよい。
【0016】S.2の測定段階では、テスト露光段階で
感光体フィルム3上に形成された基準開口の像の実位置
を感光体フィルム3上での二次元座標として測定する。
測定は、テスト露光で得られた感光体フィルムを座標測
定器のステージ上にセットして行われる。各像の中心位
置は、Y-Z座標系上での座標(Ym1(n), Zm1(n))で表わ
される。ここで、nはテスト露光により形成される開口
像のそれぞれに付された番号であり、例えば100個の
像を形成する場合には1〜100の値をとる。なお、テ
スト露光段階で全てのLEDを発光させた場合には、形
成された開口の像の全点を測定する必要はなく、それら
を含むエリアに対して偏りがないような点を適当に選ん
で測定すればよい。露光段階で発光させるLEDを選択
した場合には、形成された像の全点を測定すればよい。
感光体フィルム3上に形成された基準開口の像の実位置
を感光体フィルム3上での二次元座標として測定する。
測定は、テスト露光で得られた感光体フィルムを座標測
定器のステージ上にセットして行われる。各像の中心位
置は、Y-Z座標系上での座標(Ym1(n), Zm1(n))で表わ
される。ここで、nはテスト露光により形成される開口
像のそれぞれに付された番号であり、例えば100個の
像を形成する場合には1〜100の値をとる。なお、テ
スト露光段階で全てのLEDを発光させた場合には、形
成された開口の像の全点を測定する必要はなく、それら
を含むエリアに対して偏りがないような点を適当に選ん
で測定すればよい。露光段階で発光させるLEDを選択
した場合には、形成された像の全点を測定すればよい。
【0017】S.3のデータ読み込み段階では、上記の
測定段階で得られた基準開口の像の実位置座標(Ym1(n),
Zm1(n))と、基準開口の像の理想位置座標(Y0(n), Z0
(n))とがコンピュータに読み込まれる。理想位置座標
は、投影光学系が誤差を持たない場合の基準開口の像の
理想的な位置を示す。
測定段階で得られた基準開口の像の実位置座標(Ym1(n),
Zm1(n))と、基準開口の像の理想位置座標(Y0(n), Z0
(n))とがコンピュータに読み込まれる。理想位置座標
は、投影光学系が誤差を持たない場合の基準開口の像の
理想的な位置を示す。
【0018】S.4の演算1は、S.3で読み込まれた基
準開口の像の実位置座標(Ym1(n), Zm1(n))と、基準開口
の像の理想位置座標(Y0(n), Z0(n))との座標軸の相対位
置関係を調整する座標軸調整段階に相当する演算であ
る。各像の位置についての実位置と理想位置との差の総
和が最小となるように一群の基準開口の像の実位置を像
相互の位置関係を保ちつつ、全体的に回転、移動させ
る。この演算1の操作により、後述する演算3で求めら
れる補正開口位置の基準開口位置からのずれを最小にす
ることができる。演算1により求められた補正された実
位置座標は、(Y1(n), Z1(n))で表される。
準開口の像の実位置座標(Ym1(n), Zm1(n))と、基準開口
の像の理想位置座標(Y0(n), Z0(n))との座標軸の相対位
置関係を調整する座標軸調整段階に相当する演算であ
る。各像の位置についての実位置と理想位置との差の総
和が最小となるように一群の基準開口の像の実位置を像
相互の位置関係を保ちつつ、全体的に回転、移動させ
る。この演算1の操作により、後述する演算3で求めら
れる補正開口位置の基準開口位置からのずれを最小にす
ることができる。演算1により求められた補正された実
位置座標は、(Y1(n), Z1(n))で表される。
【0019】S.5のデータ読み込み段階では、演算1
で補正された実位置座標(Y1(n), Z1(n))と、基準開口の
HY−HZ座標系上での位置座標(HY1(n), HZ1(n))とが
入力される。S.6の演算2は、投影光学系の作用を、
実位置座標(Y1(n), Z1(n))から基準開口の位置座標(HY1
(n), HZ1(n))へ射像する逆投影の座標変換として捉え、
この座標変換の変換係数f(i, j), g(i, j)を求める座標
変換算出段階に相当する演算である。
で補正された実位置座標(Y1(n), Z1(n))と、基準開口の
HY−HZ座標系上での位置座標(HY1(n), HZ1(n))とが
入力される。S.6の演算2は、投影光学系の作用を、
実位置座標(Y1(n), Z1(n))から基準開口の位置座標(HY1
(n), HZ1(n))へ射像する逆投影の座標変換として捉え、
この座標変換の変換係数f(i, j), g(i, j)を求める座標
変換算出段階に相当する演算である。
【0020】S.7のデータ読み込み段階では、基準開
口の像の理想位置座標(Y0(n), Z0(n))と、演算2で求め
られた座標変換の変換係数f(i, j), g(i, j)とが読み込
まれる。S.8の演算3は、S.7で読み込まれた基準開
口の像の理想位置座標(Y0(n), Z0(n))を投影光学系で開
口板に逆投影した場合の補正開口の位置座標(HY2(n),HZ
2(n))をS.6で求めた座標変換を用いて求める補正開口
位置算出段階に相当する演算である。
口の像の理想位置座標(Y0(n), Z0(n))と、演算2で求め
られた座標変換の変換係数f(i, j), g(i, j)とが読み込
まれる。S.8の演算3は、S.7で読み込まれた基準開
口の像の理想位置座標(Y0(n), Z0(n))を投影光学系で開
口板に逆投影した場合の補正開口の位置座標(HY2(n),HZ
2(n))をS.6で求めた座標変換を用いて求める補正開口
位置算出段階に相当する演算である。
【0021】最後に、S.9で、演算3により求められ
た補正開口位置に基づいて開口板を製作する。開口板
は、補正開口の位置座標データに基づき、描画装置によ
り作成される。このような方法により製作された開口板
を用いることにより、投影光学系に含まれる収差やレン
ズの偏心に基づく像の位置誤差を相殺することができ、
光学系の精度を変えることなく、感光体フィルム上に形
成されるパターンの精度を向上させることができる。
た補正開口位置に基づいて開口板を製作する。開口板
は、補正開口の位置座標データに基づき、描画装置によ
り作成される。このような方法により製作された開口板
を用いることにより、投影光学系に含まれる収差やレン
ズの偏心に基づく像の位置誤差を相殺することができ、
光学系の精度を変えることなく、感光体フィルム上に形
成されるパターンの精度を向上させることができる。
【0022】続いて、上記のS.4、S.6、S.7の段
階で実行される演算1、演算2、演算3の内容について
詳細に説明する。S.4の演算1(座標軸調整)では、各
基準開口の像毎に対応する実位置と理想位置との距離の
2乗を求め、その総和が最小となるような座標変換を行
う。このとき、全ての開口に関して同等の重み付けをし
てもよいが、重要な開口、例えば隣接する帯状の走査範
囲との境となる両端の開口、に他の開口より大きな重み
付けをすることもできる。具体的には、第n番目の開口
について、基準開口の像の実位置座標を(Yml(n), Zml
(n))として、調整後の実位置座標(Y1(n), Z1(n))を以下
の(1),(2)の変換式で表す。 Y1(n) = cosα・Ym1(n) − sinα・Zm1(n) + dY …(1) Z1(n) = sinα・Ym1(n) + cosα・Zm1(n) + dZ …(2)
階で実行される演算1、演算2、演算3の内容について
詳細に説明する。S.4の演算1(座標軸調整)では、各
基準開口の像毎に対応する実位置と理想位置との距離の
2乗を求め、その総和が最小となるような座標変換を行
う。このとき、全ての開口に関して同等の重み付けをし
てもよいが、重要な開口、例えば隣接する帯状の走査範
囲との境となる両端の開口、に他の開口より大きな重み
付けをすることもできる。具体的には、第n番目の開口
について、基準開口の像の実位置座標を(Yml(n), Zml
(n))として、調整後の実位置座標(Y1(n), Z1(n))を以下
の(1),(2)の変換式で表す。 Y1(n) = cosα・Ym1(n) − sinα・Zm1(n) + dY …(1) Z1(n) = sinα・Ym1(n) + cosα・Zm1(n) + dZ …(2)
【0023】(1),(2)式中、αは像の全体的な回転要
素、dY,dZはそれぞれY方向、Z方向の平行移動要素を
示す係数である。そして、この変換式(1),(2)と、理想
位置座標(Y0(n),Z0(n))、相対的重要度を示す荷重wa
(n)とに基づき、以下の(3)式で示される実位置と理想位
置との距離の2乗の総和Qaが最小となるように係数
α、dY、dZを求める。求められた係数にしたがい、(1),
(2)式により基準開口の像の実位置座標(Yml(n), Zml
(n))を座標軸調整による補正された実位置の座標(Y1
(n),Z1(n))に変換する。(3)式の符号nsは、演算の対象
となる開口の総数である。
素、dY,dZはそれぞれY方向、Z方向の平行移動要素を
示す係数である。そして、この変換式(1),(2)と、理想
位置座標(Y0(n),Z0(n))、相対的重要度を示す荷重wa
(n)とに基づき、以下の(3)式で示される実位置と理想位
置との距離の2乗の総和Qaが最小となるように係数
α、dY、dZを求める。求められた係数にしたがい、(1),
(2)式により基準開口の像の実位置座標(Yml(n), Zml
(n))を座標軸調整による補正された実位置の座標(Y1
(n),Z1(n))に変換する。(3)式の符号nsは、演算の対象
となる開口の総数である。
【0024】
【数1】
【0025】なお、演算1の処理により、最終的に求め
られる補正開口の位置と基準開口の位置との差、すなわ
ち補正量を小さくすることができる。開口板の製作にと
って重要なのは、相互の開口の位置関係であり、この位
置関係が保たれている限り、全部の開口が一体に回転、
シフトしていたとしても、開口板の取り付け位置を調整
することにより補正が可能である。このため、演算1に
より回転、シフトによる要素を除外しても開口板の精度
には影響がない。
られる補正開口の位置と基準開口の位置との差、すなわ
ち補正量を小さくすることができる。開口板の製作にと
って重要なのは、相互の開口の位置関係であり、この位
置関係が保たれている限り、全部の開口が一体に回転、
シフトしていたとしても、開口板の取り付け位置を調整
することにより補正が可能である。このため、演算1に
より回転、シフトによる要素を除外しても開口板の精度
には影響がない。
【0026】S.6の演算2(座標変換算出)では、前述
のように投影光学系の作用を像の実位置座標(Y1(n), Z1
(n))から基準開口の位置座標(HY1(n), HZ1(n))へ射像す
る逆投影の座標変換として捉えて変換式を算出する。こ
れは像点を物点に移すレンズの逆投影の座標変換である
が、これとは逆に物点を像点に移すレンズの正投影の座
標変換も同様に考えることができる。座標変換はいろい
ろな形で表現されるが、ここではY、Zについての近似多
項式で表現する。具体的には、第n番目の開口につい
て、基準開口の像の補正された実位置座標(Y1(n), Z1
(n))を逆投影したときの開口位置の座標(HYb(n), HZb
(n))を以下の(4),(5)に示す逆投影の変換式で表す。
のように投影光学系の作用を像の実位置座標(Y1(n), Z1
(n))から基準開口の位置座標(HY1(n), HZ1(n))へ射像す
る逆投影の座標変換として捉えて変換式を算出する。こ
れは像点を物点に移すレンズの逆投影の座標変換である
が、これとは逆に物点を像点に移すレンズの正投影の座
標変換も同様に考えることができる。座標変換はいろい
ろな形で表現されるが、ここではY、Zについての近似多
項式で表現する。具体的には、第n番目の開口につい
て、基準開口の像の補正された実位置座標(Y1(n), Z1
(n))を逆投影したときの開口位置の座標(HYb(n), HZb
(n))を以下の(4),(5)に示す逆投影の変換式で表す。
【0027】
【数2】
【0028】(4),(5)式中、f(i,j),g(i,j)は逆投影の
変換係数である。そして、この変換式(4),(5)と、基準
開口の位置座標を(HY1(n), HZ1(n))、相対的重要度を示
す荷重wb(n)とに基づき、以下の式(6)で示される逆投影
された開口の位置と基準開口の位置との距離の2乗の総
和Qbが最小となるように変換係数f(i,j),g(i,j)を最
小二乗法で求める。
変換係数である。そして、この変換式(4),(5)と、基準
開口の位置座標を(HY1(n), HZ1(n))、相対的重要度を示
す荷重wb(n)とに基づき、以下の式(6)で示される逆投影
された開口の位置と基準開口の位置との距離の2乗の総
和Qbが最小となるように変換係数f(i,j),g(i,j)を最
小二乗法で求める。
【0029】
【数3】
【0030】S.8の演算3(補正開口位置算出)では、
上記の演算2で求められた変換係数f(i,j),g(i,j)を
(4),(5)式に代入して逆投影の変換式を作り、基準開口
の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))を入力して逆投影さ
れた像が開口板上でいずれの位置に形成されるかを求め
る。求められた逆投影像の位置が、補正開口の位置座標
(HY2(n), HZ2(n))となる。すなわち、変換式(4),(5)の
像の実位置座標(Y1(n), Z1(n))を理想位置座標(Y0(n),
Z0(n))に入れ替えることにより、式(7),(8)に示される
ように補正開口位置座標が求められる。なお、演算3に
ついては、全開口について逆投影の演算を実行して全て
の補正開口の位置を求める。 HY2(n)=F(Y0(n), Z0(n)) …(7) HZ2(n)=G(Y0(n), Z0(n)) …(8)
上記の演算2で求められた変換係数f(i,j),g(i,j)を
(4),(5)式に代入して逆投影の変換式を作り、基準開口
の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))を入力して逆投影さ
れた像が開口板上でいずれの位置に形成されるかを求め
る。求められた逆投影像の位置が、補正開口の位置座標
(HY2(n), HZ2(n))となる。すなわち、変換式(4),(5)の
像の実位置座標(Y1(n), Z1(n))を理想位置座標(Y0(n),
Z0(n))に入れ替えることにより、式(7),(8)に示される
ように補正開口位置座標が求められる。なお、演算3に
ついては、全開口について逆投影の演算を実行して全て
の補正開口の位置を求める。 HY2(n)=F(Y0(n), Z0(n)) …(7) HZ2(n)=G(Y0(n), Z0(n)) …(8)
【0031】次に、上述した実施形態の開口板製作方法
の実効性を確認するため、各段階を順に実行することに
よりどのようなデータが得られるかをコンピュータ上で
シミュレーションした結果を以下に説明する。この例で
は、投影光学系の一部のレンズが偏心した際に開口板の
位置をどのように補正すべきかを10行10列の100
個の開口について求めている(ns=100)。また、ここ
では、テスト露光をする代わりにレンズデータに基づい
て計算により光線追跡を行って開口像の実位置を求めて
いる。
の実効性を確認するため、各段階を順に実行することに
よりどのようなデータが得られるかをコンピュータ上で
シミュレーションした結果を以下に説明する。この例で
は、投影光学系の一部のレンズが偏心した際に開口板の
位置をどのように補正すべきかを10行10列の100
個の開口について求めている(ns=100)。また、ここ
では、テスト露光をする代わりにレンズデータに基づい
て計算により光線追跡を行って開口像の実位置を求めて
いる。
【0032】最初に与えられているデータは、標準的な
設計値通りの開口板の開口の座標(HY0(n), HZ0(n))、こ
の開口板を誤差のない投影光学系で投影した際に形成さ
れるべき開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))、そし
て投影光学系のレンズデータ(偏心要素なしのレンズデ
ータ1と偏心要素ありのレンズデータ2)である。ま
ず、理想位置座標(Y0(n),Z0(n))を起点にレンズデータ
1を用いて光線追跡して、基準開口板の基準開口の位置
座標(HY1(n), HZ1(n))を求める。このようにして基準開
口の位置座標を定めることにより、偏心以外の誤差の影
響を除外することができる。これらのデータの具体的な
数値は、以下の表1、表2に示されている。
設計値通りの開口板の開口の座標(HY0(n), HZ0(n))、こ
の開口板を誤差のない投影光学系で投影した際に形成さ
れるべき開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))、そし
て投影光学系のレンズデータ(偏心要素なしのレンズデ
ータ1と偏心要素ありのレンズデータ2)である。ま
ず、理想位置座標(Y0(n),Z0(n))を起点にレンズデータ
1を用いて光線追跡して、基準開口板の基準開口の位置
座標(HY1(n), HZ1(n))を求める。このようにして基準開
口の位置座標を定めることにより、偏心以外の誤差の影
響を除外することができる。これらのデータの具体的な
数値は、以下の表1、表2に示されている。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】次に、基準開口の座標(HY1(n), HZ1(n))を
起点にレンズデータ2を用いて光線追跡し、基準開口の
像の実位置を求めると共に、これら一群の像を全体的に
回転、シフトさせ、これを基準開口の像の実位置座標(Y
m1(n),Zm1(n))とする。これらの計算がテスト露光段階
に相当する。基準開口の像の実位置に回転、シフトを故
意に与えることにより、演算1(座標軸調整)の有効性を
確認することができる。
起点にレンズデータ2を用いて光線追跡し、基準開口の
像の実位置を求めると共に、これら一群の像を全体的に
回転、シフトさせ、これを基準開口の像の実位置座標(Y
m1(n),Zm1(n))とする。これらの計算がテスト露光段階
に相当する。基準開口の像の実位置に回転、シフトを故
意に与えることにより、演算1(座標軸調整)の有効性を
確認することができる。
【0036】続いて、基準開口の像の実位置座標(Ym1
(n),Zm1(n))に基づいて演算1を実行し、補正された像
の実位置座標(Y1(n),Z1(n))を求める。ここで評価のた
め、基準開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))と補正
された像の実位置座標(Y1(n),Z1(n))との差を各点毎に
求める。差は、各像点をY軸に投影した距離dY10(n)、Z
軸に投影した距離dZ10(n)、そして像点間の直線距離dR1
0(n)により表される。これらのデータの具体的な数値
は、以下の表3、表4に示されている。
(n),Zm1(n))に基づいて演算1を実行し、補正された像
の実位置座標(Y1(n),Z1(n))を求める。ここで評価のた
め、基準開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))と補正
された像の実位置座標(Y1(n),Z1(n))との差を各点毎に
求める。差は、各像点をY軸に投影した距離dY10(n)、Z
軸に投影した距離dZ10(n)、そして像点間の直線距離dR1
0(n)により表される。これらのデータの具体的な数値
は、以下の表3、表4に示されている。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】次に、補正された像の実位置座標(Y1(n),
Z1(n))と基準開口の座標(HY1(n), HZ1(n))とに基づいて
演算2(座標変換算出)を実行して偏心を含む投影光学系
の作用を表す逆投影の座標変換の係数f(i, j), g(i, j)
を求める。係数f(i, j)のデータの具体的な数値は以下
の表5、表6に示されており、係数g(i, j)のデータの
具体的な数値は表7、表8に示されている。
Z1(n))と基準開口の座標(HY1(n), HZ1(n))とに基づいて
演算2(座標変換算出)を実行して偏心を含む投影光学系
の作用を表す逆投影の座標変換の係数f(i, j), g(i, j)
を求める。係数f(i, j)のデータの具体的な数値は以下
の表5、表6に示されており、係数g(i, j)のデータの
具体的な数値は表7、表8に示されている。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】上記の演算2で求められた逆投影の座標変
換の式に開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))を代入
して、演算3(補正開口位置算出)を実行し、補正開口の
位置座標(HY2(n), HZ2(n))を求める。演算3により、こ
の例で用いられている偏心を含むレンズデータ2で表さ
れる投影光学系に適した開口板の開口位置座標を求める
ことができる。
換の式に開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))を代入
して、演算3(補正開口位置算出)を実行し、補正開口の
位置座標(HY2(n), HZ2(n))を求める。演算3により、こ
の例で用いられている偏心を含むレンズデータ2で表さ
れる投影光学系に適した開口板の開口位置座標を求める
ことができる。
【0045】なお、ここでは、評価のために補正された
開口板を用いて投影した場合の各像点の位置を求めて基
準開口板を用いた場合の像点位置と比較する。そこで、
補正開口の位置座標(HY2(n), HZ2(n))を起点にレンズデ
ータ2を用いて光線追跡することにより、補正開口の像
の位置座標を計算すると共に、求められた座標に演算1
と同様に開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))との誤
差が小さくなるよう座標調整の補正をかけ、補正された
座標を補正開口の像の位置座標(Y2(n),Z2(n))とする。
開口板を用いて投影した場合の各像点の位置を求めて基
準開口板を用いた場合の像点位置と比較する。そこで、
補正開口の位置座標(HY2(n), HZ2(n))を起点にレンズデ
ータ2を用いて光線追跡することにより、補正開口の像
の位置座標を計算すると共に、求められた座標に演算1
と同様に開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))との誤
差が小さくなるよう座標調整の補正をかけ、補正された
座標を補正開口の像の位置座標(Y2(n),Z2(n))とする。
【0046】続いて、基準開口の像の理想位置座標(Y0
(n),Z0(n))と補正された補正開口の像の位置座標(Y2
(n),Z2(n))との差を各点毎に求める。差は、各像点をY
軸に投影した距離dY20(n)、Z軸に投影した距離dZ20
(n)、そして像点間の直線距離dR20(n)により表される。
補正開口の位置座標(HY2(n), HZ2(n))、補正開口の像の
位置座標(Y2(n),Z2(n))、および各距離のデータの具体
的な数値は、以下の表9、表10に示されている。
(n),Z0(n))と補正された補正開口の像の位置座標(Y2
(n),Z2(n))との差を各点毎に求める。差は、各像点をY
軸に投影した距離dY20(n)、Z軸に投影した距離dZ20
(n)、そして像点間の直線距離dR20(n)により表される。
補正開口の位置座標(HY2(n), HZ2(n))、補正開口の像の
位置座標(Y2(n),Z2(n))、および各距離のデータの具体
的な数値は、以下の表9、表10に示されている。
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】この発明の開口板製作方法の効果は、開口
の像の理想位置と補正前の開口板を用いて投影される像
の位置との差dR10(n)と、開口の像の理想位置と補正後
の開口板を用いて投影される像の位置との差dR20(n)と
を比較することにより評価することができる。この例で
は、表3、4の最も右側の列の数値dR10(n)と比較し
て、表9、10の最も右側の列の数値dR20(n)が顕著に
小さくなっていることから理解できるように、補正開口
板を用いることにより開口の像の位置を理想位置に近づ
けることができ、描画されるパターンの精度を高めるこ
とができる。
の像の理想位置と補正前の開口板を用いて投影される像
の位置との差dR10(n)と、開口の像の理想位置と補正後
の開口板を用いて投影される像の位置との差dR20(n)と
を比較することにより評価することができる。この例で
は、表3、4の最も右側の列の数値dR10(n)と比較し
て、表9、10の最も右側の列の数値dR20(n)が顕著に
小さくなっていることから理解できるように、補正開口
板を用いることにより開口の像の位置を理想位置に近づ
けることができ、描画されるパターンの精度を高めるこ
とができる。
【0050】図5は、開口板上での開口の配列を示すグ
ラフであり、基準開口の位置座標(HY1(n), HZ1(n))を記
号「□」で、補正開口の位置座標(HY2(n), HZ2(n))を記
号「・」で表示している。このグラフでは、基準開口の
位置座標がHY-HZ座標上のスケールで表されており、補
正開口の位置座標は、各像点毎に基準開口からの偏差と
して表されている。座標系のスケールは、100個の開
口全体をカバーするよう定められており、これと同一の
スケールで偏差を示すと基準開口と補正開口とが殆ど重
なってしまうため、偏差のスケールは図中右上に示され
るように座標軸とは異なるドット間スケールで表されて
いる。すなわち、補正開口は、座標系上の正確な位置に
プロットされているのではなく、対応する基準開口から
いずれの方向にどれだけ偏差を持つのかが表されてい
る。
ラフであり、基準開口の位置座標(HY1(n), HZ1(n))を記
号「□」で、補正開口の位置座標(HY2(n), HZ2(n))を記
号「・」で表示している。このグラフでは、基準開口の
位置座標がHY-HZ座標上のスケールで表されており、補
正開口の位置座標は、各像点毎に基準開口からの偏差と
して表されている。座標系のスケールは、100個の開
口全体をカバーするよう定められており、これと同一の
スケールで偏差を示すと基準開口と補正開口とが殆ど重
なってしまうため、偏差のスケールは図中右上に示され
るように座標軸とは異なるドット間スケールで表されて
いる。すなわち、補正開口は、座標系上の正確な位置に
プロットされているのではなく、対応する基準開口から
いずれの方向にどれだけ偏差を持つのかが表されてい
る。
【0051】図6は、像面上での像点の配列を示すグラ
フであり、基準開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))
を記号「□」で、補正前の基準開口板を用いて投影され
る像の補正された実位置座標(Y1(n),Z1(n))を記号
「・」で表示している。このグラフでも、図5と同様に
理想位置座標がY-Z座標系のスケールで表されており、
実位置座標は対応する像点の理想位置からの偏差として
図中右上のドット間スケールで表されている。対応する
記号「□」と「・」との直線距離が前述の距離dR10(n)
を表している。
フであり、基準開口の像の理想位置座標(Y0(n),Z0(n))
を記号「□」で、補正前の基準開口板を用いて投影され
る像の補正された実位置座標(Y1(n),Z1(n))を記号
「・」で表示している。このグラフでも、図5と同様に
理想位置座標がY-Z座標系のスケールで表されており、
実位置座標は対応する像点の理想位置からの偏差として
図中右上のドット間スケールで表されている。対応する
記号「□」と「・」との直線距離が前述の距離dR10(n)
を表している。
【0052】図7は、図6と同様像面上での像点の配列
を示すグラフであり、基準開口の像の理想位置座標(Y0
(n),Z0(n))を記号「□」で、補正開口板を用いて投影
される像の補正された実位置座標(Y2(n),Z2(n))を記号
「・」で表示している。このグラフでも、図6と同様に
理想位置座標がY-Z座標系のスケールで表されており、
実位置座標は対応する像点の理想位置からの偏差として
図中右上のドット間スケールで表されている。対応する
記号「□」と「・」との直線距離が前述の距離dR20(n)
を表している。ただし、図6と図7とではドット間スケ
ールが10:1で異なり、図6における偏差は、図7にお
ける偏差の1/10のスケールで表されている。すなわ
ち、図6を図7のドット間スケールで表現すると、図中
における偏差を表す線の長さが10倍になる。
を示すグラフであり、基準開口の像の理想位置座標(Y0
(n),Z0(n))を記号「□」で、補正開口板を用いて投影
される像の補正された実位置座標(Y2(n),Z2(n))を記号
「・」で表示している。このグラフでも、図6と同様に
理想位置座標がY-Z座標系のスケールで表されており、
実位置座標は対応する像点の理想位置からの偏差として
図中右上のドット間スケールで表されている。対応する
記号「□」と「・」との直線距離が前述の距離dR20(n)
を表している。ただし、図6と図7とではドット間スケ
ールが10:1で異なり、図6における偏差は、図7にお
ける偏差の1/10のスケールで表されている。すなわ
ち、図6を図7のドット間スケールで表現すると、図中
における偏差を表す線の長さが10倍になる。
【0053】図6と図7とを比較することにより、補正
開口板を用いることにより開口の像の位置が理想位置に
近づくことが理解できる。なお、上記のシミュレーショ
ンでは、レンズの偏心による影響を補正するよう開口位
置を求めたが、他の誤差、収差による開口像の位置ずれ
も同様に補正することが可能である。
開口板を用いることにより開口の像の位置が理想位置に
近づくことが理解できる。なお、上記のシミュレーショ
ンでは、レンズの偏心による影響を補正するよう開口位
置を求めたが、他の誤差、収差による開口像の位置ずれ
も同様に補正することが可能である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の開口板
製作方法によれば、投影光学系が開口の像位置を所定の
設計位置からずらすような誤差、収差を有する場合に
も、個々の投影光学系の誤差に応じて開口の位置を補正
することにより、投影光学系の加工、組立精度を上げる
ことなく、開口の像の位置を設計値に近づけることがで
きる。開口の位置は、投影光学系の作用を座標変換とし
て捉えることによりコンピュータ上で演算により求める
ことができ、光学系の精度を向上させる場合と比較する
と、低コストで同等の効果を得ることができる。
製作方法によれば、投影光学系が開口の像位置を所定の
設計位置からずらすような誤差、収差を有する場合に
も、個々の投影光学系の誤差に応じて開口の位置を補正
することにより、投影光学系の加工、組立精度を上げる
ことなく、開口の像の位置を設計値に近づけることがで
きる。開口の位置は、投影光学系の作用を座標変換とし
て捉えることによりコンピュータ上で演算により求める
ことができ、光学系の精度を向上させる場合と比較する
と、低コストで同等の効果を得ることができる。
【図1】 実施形態の開口板製作方法が適用されるマル
チビーム記録装置の全体構成を示す斜視図である。
チビーム記録装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】 図1の装置の光照射ユニットの光学系を示す
説明図である。
説明図である。
【図3】 演算のための座標系の設定を示す説明図であ
る。
る。
【図4】 実施形態の開口板製作方法の行程を示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図5】 開口板上での開口の配列を示すグラフであ
り、基準開口の位置座標と補正開口の位置の基準開口か
らの偏差を示す。
り、基準開口の位置座標と補正開口の位置の基準開口か
らの偏差を示す。
【図6】 像面上での像点の配列を示すグラフであり、
基準開口の像の理想位置座標と基準開口板を用いて投影
される像の補正された実位置の理想位置からの偏差を示
す。
基準開口の像の理想位置座標と基準開口板を用いて投影
される像の補正された実位置の理想位置からの偏差を示
す。
【図7】 像面上での像点の配列を示すグラフであり、
基準開口の像の理想位置座標と補正開口板を用いて投影
される像の補正された実位置の理想位置からの偏差を示
す。
基準開口の像の理想位置座標と補正開口板を用いて投影
される像の補正された実位置の理想位置からの偏差を示
す。
3 感光体フィルム 4 光照射ユニット 41 プリント基板 42 LED 43 開口板 44 第1レンズ群 45 第2レンズ群
Claims (9)
- 【請求項1】 二次元に配列した複数の光源からの光束
を該光源に対応して形成された開口板の開口を通して投
影光学系に入射させ、該投影光学系を介して前記開口の
像を被露光面上に投影してパターンを記録するマルチビ
ーム記録装置の開口板製作方法において、 所定の基準パターンで基準開口が配列した基準開口板を
前記開口板の位置に配置して前記光源を点灯させ、前記
投影光学系を介して前記被露光面上に前記基準開口の像
を記録するテスト露光段階と、 前記テスト露光段階で得られた前記基準開口の像の実位
置を測定する測定段階と、 前記基準開口の位置と前記基準開口の像の実位置とに基
づいて前記投影光学系の作用を座標変換として求める座
標変換算出段階と、 前記基準開口の像の理想位置を前記投影光学系で前記開
口板に投影した場合の補正開口の位置を前記座標変換を
用いて求める補正開口位置算出段階とを有することを特
徴とするマルチビーム記録装置の開口板製作方法。 - 【請求項2】 前記補正開口位置算出段階で求められた
前記補正開口位置に基づいて開口を形成する開口板作成
段階をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の
マルチビーム記録装置の開口板製作方法。 - 【請求項3】 前記測定段階で得られた前記基準開口の
像の実位置の座標軸と、前記基準開口の像の理想位置と
の相対位置関係を調整する座標軸調整段階をさらに備
え、前記座標変換算出段階は、前記座標軸調整段階によ
り調整された像の位置に基づいて実行されることを特徴
とする請求項1に記載のマルチビーム記録装置の開口板
製作方法。 - 【請求項4】 前記座標軸調整段階では、前記基準開口
の像の実位置と理想位置との差が小さくなるように座標
軸の相対位置関係が調整されることを特徴とする請求項
3に記載のマルチビーム記録装置の開口板製作方法。 - 【請求項5】 前記実位置と理想位置との差は、対象と
なる基準開口の像の実位置の座標と対応する理想位置の
座標とのずれの総和として計算されることを特徴とする
請求項4に記載のマルチビーム記録装置の開口板製作方
法。 - 【請求項6】 前記総和の計算において、対象となる基
準開口毎に重要度に応じて個別の重み付けをすることを
特徴とする請求項5に記載のマルチビーム記録装置の開
口板製作方法。 - 【請求項7】 前記座標変換算出段階では、前記基準開
口の像の実位置の座標に基づいて逆変換された開口板上
での開口の座標と前記基準開口の座標との誤差が小さく
なるように前記座標変換の係数が求められることを特徴
とする請求項1に記載のマルチビーム記録装置の開口板
製作方法。 - 【請求項8】 前記逆変換された開口と前記基準開口と
の差は、対象となる逆変換された開口の座標と対応する
基準開口の座標とのずれの総和として計算されることを
特徴とする請求項7に記載のマルチビーム記録装置の開
口板製作方法。 - 【請求項9】 前記総和の計算において、対象となる基
準開口毎に重要度に応じて個別の重み付けをすることを
特徴とする請求項8に記載のマルチビーム記録装置の開
口板製作方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6377897A JPH10246950A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | マルチビーム記録装置の開口板製作方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6377897A JPH10246950A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | マルチビーム記録装置の開口板製作方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10246950A true JPH10246950A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=13239184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6377897A Pending JPH10246950A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | マルチビーム記録装置の開口板製作方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10246950A (ja) |
-
1997
- 1997-03-03 JP JP6377897A patent/JPH10246950A/ja active Pending
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