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JPH10237768A - 機能性繊維の製造方法 - Google Patents

機能性繊維の製造方法

Info

Publication number
JPH10237768A
JPH10237768A JP3752497A JP3752497A JPH10237768A JP H10237768 A JPH10237768 A JP H10237768A JP 3752497 A JP3752497 A JP 3752497A JP 3752497 A JP3752497 A JP 3752497A JP H10237768 A JPH10237768 A JP H10237768A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
fiber
hollow
hollow part
solvent
Prior art date
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Pending
Application number
JP3752497A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Onozawa
雄一 小野沢
Makoto Yoshida
吉田  誠
Yukikage Matsui
亨景 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP3752497A priority Critical patent/JPH10237768A/ja
Publication of JPH10237768A publication Critical patent/JPH10237768A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空繊維の中空部内に充分な量の対繊維機能
付与剤が充填された、機能性繊維の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 繊維表面から中空部への連通孔が散在す
る中空繊維の中空部に、該連通孔を介して、ポリマー或
いは非重合性の化合物からなる対繊維機能付与剤を導入
した後、重合開始剤を含むモノマー液を導入し、次いで
該モノマー液を重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空繊維の中空部
内に充分な量の対繊維機能付与剤が充填された、機能性
繊維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維表面に中空部への連通孔を有
する中空繊維において、その中空部分に機能性物質を付
着させ、機能性を有する繊維を得ることに関しては、い
くつかの提案がある。例えば、特開平5−339878
号公報、特開平6−17372号公報及び特開平6−1
7373号公報には、繊維表面に中空部への連通孔を有
する中空合成繊維の中空部内に天然蛋白質溶液を含浸さ
せ、架橋不溶化して、吸湿性能の耐久性を向上させるこ
とが開示されている。
【0003】しかしながら、天然蛋白質溶液は一般に粘
度が高く、しかも水溶液がゲル化する場合があるので、
連通孔を介して中空部内に含浸させることは極めて困難
である。一方、低濃度で天然蛋白質溶液を含浸させた場
合には、中空部内に含まれる天然蛋白質の量が少なくな
り、発現する吸湿性能のレベルが不十分になるという問
題がある。
【0004】また、特開平5−173167号公報に
は、芯成分の一部が繊維表面に露出した芯鞘型複合繊維
をアルカリ減量し、芯部を溶解除去して、繊維の長手方
向に中空部まで達する割裂溝が形成された中空繊維と
し、該中空繊維の中空部に、繊維形成性ポリマーのガラ
ス転移点以下の曇点を持つモノマーから形成された吸湿
剤を付着させた吸湿性繊維が開示されている。
【0005】しかし、上記の方法においては、芯部を完
全に溶解除去することが難しく、モノマーの付着が不十
分になるうえ、仮に溶解除去されたとしても、巾及び長
さが過度に大きい割裂溝が形成されるので、洗濯等の際
に、該割裂溝から吸湿剤が脱落し、耐久性に劣るという
問題があった。
【0006】しかも、上記方法においては、繊維表面に
も吸湿性重合体が付着しているため、布帛にした場合、
糸条交差部の摩擦抵抗が増大したり、糸条交差部が固定
されたりして、布帛が変形し難くなり、風合が硬くなる
という問題がある。
【0007】このような問題を解決するため、特開平7
−26466号公報には、中空部への連通孔が散在する
中空繊維の中空部に、対繊維機能付与剤を含む水溶性モ
ノマーを、該連通孔を介して吸引導入した後、重合さ
せ、繊維に各種機能を付与する方法が開示されている。
【0008】しかしながら、該方法においては、耐久性
は著しく向上するものの、対繊維機能付与剤を水溶性モ
ノマーと共に中空部に充填するため、中空部に含まれる
対繊維機能付与剤の量が少なくなり、各種機能が充分に
発揮されない場合があるという欠点を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中空
繊維の中空部内に充分な量の対繊維機能付与剤が充填さ
れた、機能性繊維の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、繊維表面から
中空部への連通孔が散在する中空繊維の中空部に、重合
開始剤を含むモノマー液を導入するに先立ち、該連通孔
を介して対繊維機能付与剤を導入すれば、所望の繊維が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明によれば、繊維表面から
中空部への連通孔が散在する中空繊維の中空部に、該連
通孔を介して、ポリマー或いは非重合性の化合物からな
る対繊維機能付与剤を導入した後、重合開始剤を含むモ
ノマー液を導入し、次いで該モノマー液を重合させるこ
とを特徴とする機能性繊維の製造方法が提供される。
【0012】本発明で用いる中空繊維としては、レーヨ
ン、アセテートなどの化学繊維、ポリエステル、ポリア
ミドなどの合成繊維を挙げることができ、特に、ポリエ
ステル中空繊維が好ましく例示される。
【0013】ここでいうポリエステルとは、テレフタル
酸を主たるジカルボン酸成分とし、少なくとも1種のグ
リコール、好ましくは、エチレングリコール、トリメチ
レングリコールなどから選ばれた少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルなどである。
【0014】該ポリエステルは、必要に応じて、安定
剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、触
媒、着色防止剤、耐熱剤、着色剤、無機粒子等を含有し
ても良い。
【0015】上記中空繊維は、従来公知の方法によって
製造することができ、例えば、実公平2―43879号
公報に記載の方法などが任意に採用できる。
【0016】中空繊維の中空率は、繊維の機械的特性を
維持し、かつ十分な量の重合体を充填させるうえで、5
〜40%であることが好ましい。
【0017】また、繊維表面から中空部への多数の連通
孔を形成する方法としては、例えばポリエステル繊維の
場合、有機スルホン酸化合物を共重合したポリエステル
を混合して溶融紡糸し、中空繊維とした後、アルカリ減
量処理することにより連通孔を形成させる方法(特開平
1―20319号公報など)が用いられる。
【0018】また、中空率が20%以上の中空繊維をア
ルカリ処理すれば、有機スルホン酸化合物を使用しなく
ても、繊維の長手方向に沿った低配向部及び/又は変形
歪集中部の除去痕として、連通孔を形成することができ
る。
【0019】更に、芯鞘型複合繊維の芯部ポリマーを溶
解又は分解させて、鞘部に連通孔を有する中空繊維を得
る方法を用いることもできる。
【0020】上記連通孔は、幅が0.2〜10μm、長
さが5〜20μmであることが好ましい。連通孔の幅と
長さが上記範囲をはずれる場合は、対繊維機能付与剤の
導入が不十分になったり、中空繊維内に充填した重合体
が脱落し易くなる場合がある。
【0021】本発明で使用する対繊維機能性付与剤と
は、ポリマー、或いは後述のモノマー液の重合に際し、
重合を起こさない化合物からなり、繊維に各種機能を付
与できるものをいい、下記のようなものが例示される。
【0022】(1)薬効、植物香を有する物質(植物エ
キス、植物蛋白質) アロエ、アロエベラ、オウゴン(コガネバナ)、オウバ
ク(キハダ)、カッコン(クズ)、カミツレ、キュウ
リ、コウカ(ベニバナ)、コムギ、コメ、サンシン(ク
チナシ)、シア、シコン(ムラサキ)、シャクヤク、シ
ラカバ、センキュウ、センブリ、タイソウ(ナツメ)、
ダイス、チャ(紅茶、緑茶)、トウキ、チンピ(ウンシ
ュウミカン)、トウヒ(ダイダイ)、トマト、ニンジ
ン、ニンニク、バクモンナドウ(ジャノヒゲ)、ハマメ
リス、ヘチマ、ホップ、モモ、ヨクイニン(ハトム
ギ)、レモン、ログウッド、アルテア、アルニカ、イチ
ョウ、オトギリソウ、カイソウ、キウイ、クジン(クラ
ラ)、ソウハクヒ(クワ)、サルビア、サンショウ、ジ
オウ(アカヤジオウ)、チョウジ(クローブ)、トウキ
ンセンカ、ジュウヤク(ヒキオコシ)、ボダイジュ、レ
ンゲソウ、ソウハクヒ、クジンなどを溶媒(例えばプロ
ピレングリコール45%水溶液)などで抽出した溶液又
は抽出物を乾燥、粉砕したもの。
【0023】(2)細菌培養用、傷治療用等の医学的、
生理的機能付与物質(動物蛋白質) 人胎盤、牛胎盤、人脾帯、牛皮膚、豚皮膚、牛項靭帯、
牛血液、牛脳、豚胃、鶏冠、乳酸球菌、蟹甲殻、牛乳、
絹、ビール酵母、乳清、ガゼインなど。
【0024】(3)導電体用、磁性体用等の電気的機能
付与物質(セラミックス微粒子) 平均一次粒径が0.01〜1μmの金属酸化物、炭化
物、窒化物又は珪化物からなる単一組成微粒子もしくは
これらの混合微粒子。具体的には、酸化チタン、酸化亜
鉛、コロイダルシリカ、酸化鉄、酸化アルミニウム、炭
化ジルコニウム、ゼオライト、スピオライトなど。
【0025】(4)抗菌性、消臭性を有する化合物 防カビ性、防腐性、細菌に対する抵抗性、殺菌性、昆虫
又はダニ類に対する忌避性などを有する化合物、若しく
は消臭性、防臭性を有する化合物。具体的には、オクタ
カルボ鉄フタロシアニン、フタル酸ジメチル、フタル酸
ジエチル、アジピン酸メチルエステル、ポリアクリロニ
トリル硫化銅複合体(ダイジュナイト)、有機シリコン
系第四級アンモニウム塩、3,4,4′―トリクロロカ
ルバニリド、有機窒素化合物、抗菌性ゼオライト、芳香
族ハロゲン化合物、α―サイナミックアルデヒド、2―
(4―チアゾリル)ベンズイミダゾールなど。
【0026】(5)芳香性を有する化合物 例えば、理研香料工業製のFC5696(イグサ)、F
C5698(ジャスミン)、FC5697(ローズ)、
FC1284(レモンオイル)、ローズフレーバー32
8(OS)、ショウヤクフレーバー3127(OS)、
3155(OS)、FC5700(ヒノキ)、FC56
99(ラベンダー)、Forest Shower―N
O.86、マスクメロンフレーバー1406(WS)、
ジャスミンフレーバー122(OS)など。
【0027】(6)吸水性や吸湿性を有する化合物 例えば、ポリエチレンギグリコールとポリエチレンテレ
フタレートの共重合物、ポリアルキレンオキサイド鎖を
有する基がポリアルキレンポリアミン系骨格に結合した
化合物で且つHLBが6.0〜16.0の範囲のものな
ど。
【0028】(7)はっ水性を有する化合物 例えば、下記式で表される繰り返し単位を主たる繰り返
し単位とする、パーフルオロアルキルなどのフルオロカ
ーボン基を側鎖に有し、且つポリアクリル酸エステルあ
るいはメタクリル酸エステル系高分子等を主鎖に持つ含
フッ素重合体、ジメチルポリシロキサンやその共重合体
のシリコーン系樹脂など。
【0029】
【化1】
【0030】(R1は水素又はメチル基を示し、nは3
から21の整数を示す。)
【0031】本発明においては、上記対繊維機能付与剤
を、連通孔を介して中空繊維の中空部内へ導入するが、
その方法としては、(1)中空繊維を対繊維機能付与剤
を含む液中に浸漬し、中空部内へ浸透させる方法、
(2)中空繊維を対繊維機能付与剤を含む液中に浸漬し
た後、マングルなどで圧絞して中空繊維内の空気を対繊
維機能付与剤と置換させる方法、(3)中空繊維を密閉
容器中に入れて減圧し、中空部内の空気を抜いた後、対
繊維機能付与剤を含む液を容器に注入して、中空部内に
対繊維機能付与剤を導入する方法などを例示することが
できる。
【0032】この際、中空繊維は、糸、紡績糸、織物、
編物、不織布などの任意の形態で処理に供することがで
きるが、通常は、織物、編物などの布帛の形態で処理す
るのが適当である。
【0033】本発明においては、上記対繊維機能付与剤
を、連通孔を介して中空繊維の中空部内へ導入した後、
重合開始剤を含むモノマー液を導入するが、その方法と
しては、(1)中空繊維をモノマー液中に浸漬し、モノ
マー液を中空繊維内へ浸透させる方法、(2)中空繊維
をモノマー液中に浸漬した後、マングルなどで圧絞して
中空繊維内の空気をモノマー液と置換させる方法、
(3)中空繊維を密閉容器中に入れて減圧し、中空内の
空気を抜いた後、モノマー液を容器に注入して、中空繊
維内にモノマー液を導入する方法などを例示することが
できる。
【0034】上記モノマー液は、モノマー及び重合開始
剤を水などの適当な液体に溶解、分散又は乳化させたも
のであり、中空繊維内への導入を容易にするために、な
るべく粘度が低いことが望ましい。
【0035】また、使用するモノマーは、有機溶剤や水
などの溶媒に可溶で、重合開始剤の存在下で重合可能な
ものをいい、例えばブタジエン、アクリロニトリル、ス
チレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸誘導体、ジ
(メタ)アクリル酸、ジ(メタ)アクリル酸誘導体など
のビニルモノマーを挙げることが出来る。また、これら
のモノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0036】重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酸化ベンゾ
イル等の過酸化物、硫酸第2セリウムアンモニウム、硝
酸第2セリウムアンモニウムなどのセリウムアンモニウ
ム塩、或いはα、α′―アゾビスイソブチロニトリルな
どが挙げられる。更に、上記モノマー液には、必要に応
じて対繊維機能付与剤を添加しても良い。
【0037】本発明においては、対繊維機能付与剤及び
モノマー液を中空繊維内に導入した後、該モノマーを溶
解しうる溶媒中に中空繊維を浸漬する、あるいは該モノ
マーを溶解しうる溶媒を中空繊維表面に塗布する等の方
法(以下、単に処理という場合がある)により、繊維表
面に付着したモノマーを溶解除去することが好ましい。
【0038】ここで使用する溶媒は、中空繊維内に導入
したモノマーを溶解しうるものであり、しかも、中空繊
維内に導入されたモノマーの重合を阻害するものでな
く、中空繊維内に導入されたモノマーまで溶出してしま
うほど浸透性が高いものでない限り、任意のものを用い
ることができる。
【0039】先に例示したモノマーに対しては、水、ア
セトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ベンゼン、トルエンなどが用いられる。特に、安価
で取扱いが容易であることから、水を用いるのが好まし
い。
【0040】対繊維機能付与剤及びモノマー液を中空部
内へ導入した中空繊維を上記溶媒で処理する際に、該溶
媒の温度をモノマーの重合開始温度以上の温度、例え
ば、先に例示したモノマーの場合は50〜100℃に加
熱しておくと、繊維表面に付着したモノマーを溶解除去
すると共に、中空繊維内に導入されたモノマーを同時に
重合させることができるので好都合である。また、上記
溶媒に、重合禁止剤を添加しておくと、繊維表面に残存
したモノマーの重合が抑制され、モノマーの除去が一層
容易となるので好ましい。
【0041】重合禁止剤は、安定ラジカルが生成可能な
ものであり、ジフェニルピクリルヒドラジル、ガルビノ
キシル、フェルダジルなどの他、生長ラジカルとの付加
反応によって安定なラジカルを生ずる酸素、硫黄、ベン
ゾキノン誘導体、ニトロ化合物、あるいは生長ラジカル
との連鎖移動反応によって安定なラジカルを生ずるジフ
ェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、ヒドロ
キノン、第三ブチルカテコールなどが例示される。
【0042】これら重合禁止剤を含有する溶媒で、対繊
維機能付与剤を及びモノマー液を導入した中空繊維を処
理する場合、溶媒中の重合禁止剤の量が、中空繊維内の
モノマーの重合性に大きく影響を与える。
【0043】つまり、溶媒中に存在する重合禁止剤の量
が多すぎる場合は、連通孔から中空部に重合を阻害しう
るだけの量の重合禁止剤が進入して、繊維表面だけでは
なく、繊維内におけるモノマーの重合も抑制され、その
結果、中空繊維内に重合体を形成することができなくな
る恐れがある。
【0044】従って、溶媒中に存在する重合禁止剤の量
は、重合禁止剤の重合禁止能にもよるが、繊維表面に付
着したモノマーから加熱によって生成する反応性ラジカ
ルを補足しうる最少限の量に止めることが好ましい。
【0045】更に、上記溶媒にソーピング剤を添加して
おくと、繊維表面に付着したモノマーの除去が促進され
るので好ましい。ソーピング剤としては、水酸化ナトリ
ウムや炭酸ナトリウムを主剤としたアルカリ性の洗浄
液、繊維加工に一般に用いられるイオン性界面活性剤、
非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。溶媒へ
のソーピング剤の添加量は、0.1〜5.0重量%が適
当である。
【0046】対繊維機能付与剤及びモノマー液を中空部
内へ導入した中空繊維を溶媒で処理する方法は、前述の
ように、繊維表面に付着したモノマーを溶解、除去でき
れば、どのような方法でもよいが、中空繊維を溶媒中に
浸漬して、撹拌する方法が特に好ましく用いられる。
【0047】このように溶媒で処理して、繊維表面に付
着したモノマーを溶解除去した後、中空繊維内のモノマ
ーが重合しうる温度で加熱して、該モノマーを重合さ
せ、中空部内に導入した対繊維機能付与剤を固定化す
る。
【0048】勿論、前述のように、溶媒をモノマーが重
合しうる温度まで加熱して、繊維表面のモノマー除去と
中空繊維内のモノマーの重合とを同時に行うこともでき
る。
【0049】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、実施例における消臭率、洗濯耐久性は以下の方法に
より測定した。 (1)消臭率 アンモニアガス(初期濃度200ppm、この濃度をD
1とする)の入った密閉容器に、2g/lの試料を投入
し、1時間放置後の残存濃度を検知管法にて測定して
(この濃度をD2とする)、下記式により消臭率(%)
を算出した。
【0050】
【数1】消臭率=(D1−D2)/D1×100
【0051】(2)洗濯耐久性 JIS L―1018―77 6.36、H法に準じ、
洗濯を30回繰り返した。
【0052】[実施例1]固有粘度が0.61のポリエ
チレンテレフタレートを溶融し、中空紡糸口金を用い
て、中空率が40%の中空繊維の未延伸糸を得た。次い
で、この未延伸糸を延伸して、丸中空で50デニール/
20フィラメント(酸化チタン量0.3重量%)のマル
チフィラメント糸を得た。
【0053】常法に従い、トリコットを作り、精練、プ
レセットを行い、50g/lの水酸化ナトリウムを含む
熱水(105℃)中で短時間(10分)処理して、減量
率を20%にした。
【0054】得られた布帛からマルチフィラメント糸を
取り出し、その表面を電子顕微鏡で観察したところ、繊
維方向に、幅0.2〜2.0μm、長さ10〜150μ
mのマイクログルーブが、各フィラメントに100μm
当たり少なくとも1個以上観察された。
【0055】次に、この布帛を密閉容器内に入れ、ロー
タリーポンプを用いて容器内を0.004mmHgまで
減圧し、次いで、この容器内に、天然植物エキス系消臭
剤を注入した。
【0056】注入後、ロータリーポンプを用い、さらに
減圧状態を10分間維持した。このとき、容器内の圧力
は0.2mmHgであった。次に、この布帛を常温水を
用いて軽く洗浄した。
【0057】次いで、上記布帛を再度密閉容器内に入
れ、ロータリーポンプを用いて容器内を0.004mm
Hgまで減圧した後、この容器内に、下記式で表される
PEG−ジメタクリレート30重量部、過硫酸カリウム
0.1重量部、水69.9重量部からなるモノマー液を
注入した。
【0058】
【化2】
【0059】モノマー液を注入した後、ロータリーポン
プを用い、さらに減圧状態を10分間維持した。このと
き、容器内の圧力は0.2mmHgであった。次に、こ
の布帛を100℃の熱湯中に撹拌しながら3分間浸漬し
た後、乾燥熱処理した。
【0060】得られた布帛は風合がソフトで、表1に示
すように洗濯30回後も高い消臭性を示し、洗濯耐久性
に優れていた。
【0061】[比較例1]実施例1と同じ布帛を密閉容
器内に入れ、ロータリーポンプを用いて容器内を0.0
04mmHgまで減圧し、次いで、この容器内に、天然
植物エキス系消臭剤と実施例1と同じ組成のモノマー液
とが1:1の比率で混合された液体を注入した。
【0062】注入後、ロータリーポンプを用い、さらに
減圧状態を10分間維持した。このとき、容器内の圧力
は0.2mmHgであった。次に、この布帛を100℃
の熱湯中に撹拌しながら3分間浸漬した後、乾燥熱処理
した。
【0063】得られた布帛は風合はソフトであったが、
表1に示すように消臭性能の劣るものであった。
【0064】[比較例2]実施例1と同じ布帛を密閉容
器内に入れ、ロータリーポンプを用いて容器内を0.0
04mmHgまで減圧し、次いで、この容器内に、実施
例1と同じ組成を有するモノマー液を注入した。
【0065】注入後、ロータリーポンプを用い、さらに
減圧状態を10分間維持した。このとき、容器内の圧力
は0.2mmHgであった。次に、この布帛を常温水を
用いて軽く洗浄した。
【0066】次いで、上記布帛を再度密閉容器内に入
れ、ロータリーポンプを用いて容器内を0.004mm
Hgまで減圧した後、この容器内に、天然植物エキス系
消臭剤を注入した。
【0067】消臭剤を注入した後、ロータリーポンプを
用い、さらに減圧状態を10分間維持した。このとき、
容器内の圧力は0.2mmHgであった。次に、この布
帛を100℃の熱湯中に撹拌しながら3分間浸漬した
後、乾燥熱処理した。
【0068】得られた布帛は風合はソフトであったが、
表1に示すように消臭性能の劣るものであった。
【0069】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 13/46

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維表面から中空部への連通孔が散在す
    る中空繊維の中空部に、該連通孔を介して、ポリマー或
    いは非重合性の化合物からなる対繊維機能付与剤を導入
    した後、重合開始剤を含むモノマー液を導入し、次いで
    該モノマー液を重合させることを特徴とする機能性繊維
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 モノマー液を重合させるに先立ち、該モ
    ノマー液を溶解しうる溶媒で中空繊維を処理し、繊維表
    面に付着しているモノマーを実質的に除去すると同時
    に、あるいは除去した後、中空部内のモノマーを重合さ
    せる請求項1記載の機能性繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 モノマー液が対繊維機能付与剤を含有す
    る請求項1又は2記載の機能性繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 モノマー液の溶媒が水である請求項1、
    2又は3記載の機能性繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 モノマー液の溶媒の温度がモノマーの重
    合開始温度以上の温度である請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の機能性繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶媒が重合禁止剤を含有する請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の機能性繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 溶媒がソーピング剤を含有する請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の機能性繊維の製造方法。
JP3752497A 1997-02-21 1997-02-21 機能性繊維の製造方法 Pending JPH10237768A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003012423A1 (fr) * 2001-07-31 2003-02-13 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Fibre creuse avec paroi interieure dans laquelle est introduit un polymere a peigne, fibre creuse impregnee de gel, et mince tronçon mince d'ensemble de fibres
CN112323198A (zh) * 2020-09-16 2021-02-05 广东前进牛仔布有限公司 一种抗菌抗病毒纱线及面料及其制造方法

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