JPH10233212A - 非水系電池用電極活物質 - Google Patents
非水系電池用電極活物質Info
- Publication number
- JPH10233212A JPH10233212A JP9050999A JP5099997A JPH10233212A JP H10233212 A JPH10233212 A JP H10233212A JP 9050999 A JP9050999 A JP 9050999A JP 5099997 A JP5099997 A JP 5099997A JP H10233212 A JPH10233212 A JP H10233212A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lithium
- iron
- electrode active
- active material
- space group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
電容量をも備えたリチウム鉄系の非水電池用電極活物質
を提供することにある。 【解決手段】 リチウム(Li)と鉄(Fe)とのモル
比x(Li/Fe)がx≦0.95、格子定数aがa>
4.159オングストロームの範囲にあり、かつ結晶構
造が空間群Fm3mであって組成式α−LiFeO2 で
表されるリチウム鉄複合酸化物を電極活物質として含め
る。
Description
活物質に関し、さらに詳しくは、有機電解液のような非
水系電解液を用いるリチウム二次電池等の電極活物質と
して好適なリチウム・鉄複合酸化物に関するものであ
る。
水系電池、例えば、リチウム二次電池の正極活物質とし
ては、コバルト酸リチウム(LiCoO2) が一般的な
材料として用いられてきたが、コスト・資源等の問題か
らこれに代わる材料として、資源的に豊富な鉄(Fe)
が正極活物質として注目されている。
して、例えば特開平8−78019号公報には、BET
法により作製された比表面積が0.5〜20.5m2/g
であることを特徴とするリチウム鉄複合酸化物LixF
eOy(0<x≦1.5,1.8<y<2.2)が開示され
ている。このLixFeOy 材料は、炭酸リチウム(L
i2CO3)と酸化第二鉄(Fe2O3)とをモル比1:1
で混合して空気中で加熱処理して得られ、これを特定の
粒径(比表面積)になるように粉砕して用いると、放電
容量の大きな電池が得られるとするものである。
正極活物質として同じくリチウム鉄複合酸化物LixF
eOy(1.25≦x≦5.05,1.8≦y≦4.02
5)が開示されている。これによれば、LixFeO
yは、リチウムと鉄のモル比(Li/Fe)を特定して
原料を混合し500〜900℃の温度で焼成することに
より得られ、これを正極活物質として用いることにより
放電容量の大きな電池が得られるとするものである。
正極活物質としてリチウム鉄複合酸化物β−LiFeO
2 を用いることにより、放電容量が大きい電池を得る技
術が開示されている。これによれば、β−LiFeO2
を主成分とする焼成物は、リチウムと鉄のモル比(Li
/Fe)を0.8〜1.2として原料を混合し350〜5
00℃の特定温度で焼成することにより得られ、高い放
電容量が得られるとするものである。
正極活物質としてX線回折において面間隔4.8±0.3
オングストロームのピークを有する組成式LiFeO2
で与えられる複合酸化物を用いることにより、放電容量
が大きい電池を得る技術が開示されている。これによれ
ば、元素M(M:リチウム以外の1価あるいは2価の陽
イオンとなりうる元素)は、層状構造を有するMFeO
2 型の化合物をリチウム溶融塩中でイオン交換反応させ
ることによりリチウムに置換され、これにより得られる
複合酸化物LiFeO2 を用いることにより高い放電容
量が得られるとするものである。
は、有機リチウム化合物の溶液中に浸漬して処理した酸
化鉄、特にα−Fe2O3を負極活物質として用いる技術
が開示されている。この公報には、特開平3−1120
70号公報に開示された酸化第二鉄(Fe2O3)を負極
活物質として用いるよりもサイクル特性に優れた電池を
得る技術が開示されている。
特開平8−78019号公報、あるいは特開平7−13
4986号公報に開示されたものは、出発原料でのモル
比(Li/Fe)は特定されているものの、どのような
結晶構造をもった焼成物のもとに放電容量が増大するの
かは明らかにされていなかった。そして実際に特開平8
−78019号公報に示されるものを製造してみると放
電容量は低く、高い値が得られなかった。
平8−124600号公報、特開平5−275079号
公報に示されるリチウム鉄複合酸化物も高い放電容量が
得られたとはしているが、リチウム鉄複合酸化物には種
々の結晶構造を持つものがあり、リチウム(Li)と鉄
(Fe)とのモル比(Li/Fe)のみならずその合成
手段によって形成されたリチウム鉄複合酸化物の結晶構
造は異なり、その結晶構造によって電極活物質としての
放電容量に強く関係していると推測される。
しては、通常の固相反応の他、溶融塩中でのイオン交換
反応や有機リチウム化合物の溶液中でのリチウム挿入反
応など種々の方法が提案されているが、採られる合成手
段によって形成される結晶構造が異なることから、どの
ような合成手段を採るかも重要な鍵になるものと推察さ
れる。
ム二次電池等の非水系電池に用いられる電極活物質とし
て充放電の可逆性を有するのみならず高い放電容量も備
えたリチウム鉄系複合酸化物を提供することにある。
に本発明の非水系電池用電極活物質は、リチウム(L
i)と鉄(Fe)とのモル比 x(Li/Fe)がx≦
0.95、格子定数aがa>4.159 オングストロー
ムの範囲にあり、かつ結晶構造が空間群Fm3mであっ
て組成式α−LiFeO2 で表されるリチウム鉄複合酸
化物を含むことを要旨とするものである。
モーガンの記号に基づく国際記号で表示された空間群を
示すものである。この構造を有するリチウム鉄複合酸化
物は、岩塩型(NaCl)構造をとる。そしてこの空間
群Fm3mで示されるリチウム鉄複合酸化物は、通常、
α−LiFeO2(JCPDS Powder Diffraction File,17-
0938)と表示されている。
iFeO2 は、この通常のα−LiFeO2 と同じく金
属イオンであるリチウム(Li)と鉄(Fe)とが立方
最密充填(c.c.p)した酸素イオン格子間の8面体
(6配位)サイトに不規則配列しているものであると推
察されるものであるが、この場合にリチウム(Li)と
鉄(Fe)とのモル比x(Li/Fe)がx≦0.9
5、格子定数aがa>4.159オングストロームの範
囲にあることを特徴としている。
xがどの程度小さくなるまで空間群Fm3mの結晶構造
が形成できるのかは明らかではない。仮に、立方最密充
填した酸素イオン格子間の8面体(6配位)サイトをF
eイオンだけが占有すれば、同じく空間群 Fm3mの
酸化鉄(FeO)(JCPDS Powder Diffraction File,6-
0615)が形成されることになるが、その間にはスピネル
構造を持つα−LiFe5O8(空間群P4132, JCPD
S Powder Diffraction File, 38-0259)、あるいはβ−
LiFe5O8(空間群Fd3m, JCPDS Powder Diffrac
tion File, 17-0114)が形成される結晶相がある。
=0.2では、空間群Fm3mとは異なった空間群に属
する結晶構造が形成されるものと推察される。したがっ
て、空間群Fm3mのリチウム鉄複合酸化物は少なくと
もリチウム(Li)と鉄(Fe)とのモル比xがx>
0.2の範囲にあることが望ましい。
極活物質は、鉄イオンに対するリチウムイオンの比率が
小さくなるが、これにより、格子定数は、JCPDS Powder
Diffraction File, 17-0938に示されるα−LiFeO
2 の格子定数(a=4.158)よりも大きくなる。そ
のため、本発明に係る非水系電池用電極活物質は、格子
定数aの範囲がa>4.159オングストロームとなる
リチウム鉄複合酸化物が主体として用いられる。
いては特定できていないが、組成式は、Li+ xFe3+O
2-(1-x)/2あるいはLi+ 1-yFe3+ 1+y/3O2 (このと
き、x=(1−y)/(1+y/3)≦0.95)に近い
ものである。すなわち、リチウムイオン(Li+)の不
足分が鉄イオン(Fe3+) の増加によって電荷補償さ
れているので、リチウムイオン(Li+ )が拡散可能な
空の8面体(6配位)サイトが形成され、格子が膨張す
ることになる。これにより、空の8面体サイトは、上記
の式量あたり、(1−x)/2、あるいは2y/3の割
合で形成されることになる。
によれば、このようにしてリチウムイオン(Li+ )の
拡散パスが形成され、Fe3+→Fe2+、あるいはFe2+
→Fe3+という価数変化を伴って、容易にリチウムイオ
ン(Li+ )が挿入あるいは脱離できることになる。こ
のリチウムイオン(Li+ )の挿入/脱離により可逆的
な放電・充電が可能になり、良好なサイクル特性及び高
い放電容量の実現に寄与することになる。
的に説明する。初めに本実施例及び比較例として非水系
電池用電極活物質を溶融塩処理法、固相反応法、イオン
交換法等により作製した。表1は、本発明品である実施
例1〜5及び比較品である比較例1〜6の作製条件及び
反応生成物をまとめて示したものである。
と水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)とを6
1:39のモル比で混合した後、これにさらにリチウム
(Li)と鉄(Fe)とのモル比(Li/Fe)が30
となるようにα型三二酸化鉄(α−Fe2O3)を混合し
た。各原料粉末としては全て市販の試薬を用いた。この
混合粉末をパイレックスガラスビーカーに入れ、窒素ガ
スが充填された電気炉内において260℃で8時間加熱
処理した。冷却後、ビーカー中には、溶融により塊状と
なった試料が得られた。試料の下部には、褐色の反応生
成物(リチウム鉄複合酸化物)が観察された。この塊状
試料の大部分は溶融固化したリチウム(Li)塩である
ので、これを多量のイオン交換水で洗浄し濾過して褐色
の反応生成物のみを分離した。これを120℃の乾燥機
中で一昼夜乾燥し解砕して、褐色の粉末状反応生成物を
得た。
リチウム(LiNO3 )と水酸化リチウム一水和物(L
iOH・H2O )との共融塩にα型三二酸化鉄(α−F
e2O3)を混合する。そのときのリチウム(Li)と鉄
(Fe)とのモル比(Li/Fe)は、実施例1と違っ
て10となるようにした。あとは、同じ条件で実施例1
と同様にして試料を作製し、粉末状の反応生成物を得
た。
他、リチウム(Li)と鉄(Fe)とのモル比(Li/
Fe)も同様とし、違うのはα型三二酸化鉄(α−Fe
2O3)とリチウム共融塩(LiNO3−LiOH・H
2O)の混合粉末の加熱温度を200℃と低くした点だ
けである。この温度以外の条件については、実施例1と
同様にして試料を作製し、粉末状の反応生成物を得た。
二酸化鉄(α−Fe2O3)とリチウム共融塩(LiNO
3−LiOH・H2O)との混合粉末の加熱温度を300
℃と高くした点だけである。この温度以外の条件につい
ては、実施例1と同様にして試料を作製し、粉末状の反
応生成物を得た。
用いる他、リチウム(Li)と鉄(Fe)とのモル比
(Li/Fe)も同様にした。電気炉内での焼成温度も
同じである。したがって、詳細な説明は割愛する。
とγ型三二酸化鉄(γ−Fe2O3)とをモル比が1:1
になるように混合し、径がφ18mmの金型を用いて2
00kgf/cm2 の圧力で一軸加圧成形して、厚さ約
5mmの成形体を作製した。管状雰囲気炉を用いて、こ
れを100cc/minの空気気流中、640℃の温度
で8時間焼成し解砕して、粉末状の反応生成物を得た。
(Li2CO3)とα型三二酸化鉄(α−Fe2O3)と
を、モル比が1:1になるように混合し、成形焼成し
た。焼成温度を540℃としたこと以外は比較例1の場
合と同様であり、これにより粉末状の反応生成物を得
た。
4)と蓚酸第一鉄(FeC2O4・2H2O)とをモル比が
1:2となるように混合し、径がφ25mmの金型を用
いて200kgf/cm2 の圧力で一軸加圧成形して、
厚さ約10mmの成形体を作製した。管状雰囲気炉を用
い、100cc/minの空気気流中、600℃の温度
で20時間熱分解・焼成した後解砕し、再度これを成形
して同様に650℃の温度で20時間再焼成して解砕
し、粉末状のα−NaFeO2(JCPDS Powder Diffract
ion File, 20-1115)を作製した。
して、リチウム溶融塩(LiNO3)中でNa→Liの
イオン交換反応を試みた。α−NaFeO2 に対し、リ
チウム(Li)とナトリウム(Na)とのモル比(Li
/Na)が30となるようにリチウム溶融塩(LiNO
3 )を添加混合し、300℃で8時間イオン交換反応さ
せ、反応生成物を試料として得た。
末として上記した実施例及び比較例で用いた市販試薬の
α型三二酸化鉄(α−Fe2O3)、γ型三二酸化鉄(γ
−Fe2O3)、あるいは四三酸化鉄(Fe3O4)をそれ
ぞれ正極活物質としたものである。
ついて粉末X線回折装置(理学電機RAD-B, CuKα線使
用)を使用してその生成相の粉末X線回折パターンを得
た。この結果に基づいて反応生成物の結晶系、空間群、
格子定数、Li/Feモル比等、反応生成物の特徴を同
定したので、これらをまとめて表2に示して説明する。
線回折パターンを図1に示す。このパターンは、横軸に
回折角をとり、縦軸に各回折線の強度をとったものであ
る。この図によれば、ピークが認められる回折角は、1
0〜70゜の間に広がっており、約37゜付近に(1
1 1)のピークが、約43゜付近に(2 0 0)の
ピークが、約63゜付近に(2 2 0)のピークが認
められる。この図に示す粉末X線回折パターンは、JCPD
S Powder Diffraction Fileの17-0938のものと一致して
おり、生成相は、空間群Fm3mの結晶構造をもつα−
LiFeO2 であることが確かめられた。また、格子定
数 aを求めたところ、a=4.171オングストローム
であり、同ファイルのa=4.158 オングストローム
よりもかなり大きくなっていることが判明した。
て、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により、リ
チウム(Li)と鉄(Fe)の含有量を調べたところ、
それぞれ4.81%と47.2%の重量割合であることが
わかった。リチウム(Li)と鉄(Fe)とのモル比
(Li/Fe)は 0.82であり、化学量論組成(Li
/Fe=1)から大きくずれてリチウム(Li)が不足
していることがわかった。
例1と同様であり、空間群Fm3mの結晶構造を持つα
−LiFeO2 単相と同定できた。また、格子定数及び
Li/Feモル比は実施例1の結果と全く一致した。
群Fm3mの結晶構造を持つα−LiFeO2 以外に未
反応のα−Fe2O3による回折ピークが認められた。α
−LiFeO2の格子定数aは、a=4.174オングス
トロームであった。リチウム(Li)と鉄(Fe)との
モル比(Li/Fe)は0.28 であり、未反応のα−
Fe2O3が混入している分、リチウム(Li)の割合が
低下していた。
群Fm3mの結晶構造を持つα−LiFeO2以外にβ
−LiFe5O8(空間群Fd3m, JCPDS Powder Diffr
action File, 17-0114 )によるブロードな回折パター
ンがわずかに認められた。α−LiFeO2の格子定数
はa=4.172オングストロームであり、リチウム
(Li)と鉄(Fe)とのモル比(Li/Fe)は0.
80であった。
群Fm3mの結晶構造を持つα−LiFeO2による回
折ピークが認められた。このα−LiFeO2の格子定
数はa=4.171 オングストロームであり、リチウム
(Li)と鉄(Fe)とのモル比(Li/Fe)は0.
82であった。
相が空間群Fm3mの結晶構造を持つα−LiFeO2
であった。格子定数はa=4.156であり、JCPDS Pow
der Diffraction File, 17-0938に示されたα−LiF
eO2のa=4.158にほぼ一致した。またリチウム
(Li)と鉄(Fe)とのモル比(Li/Fe)は0.
96であった。
相が空間群I41/amdの結晶構造を持つγ−LiF
eO2(JCPDS Powder Diffraction File, 17-0937)で
あった。格子定数はa=4.055,c=8.742で
あり、また、リチウム(Li)と鉄(Fe)とのモル比
(Li/Fe)は0.94であった。
相が空間群R−3mの結晶構造を持つ層状岩塩型のLi
FeO2 (JCPDS Powder Diffraction File, 41-0174)
であった。格子定数は a=2.961,c=14.67
であり、またリチウム(Li)と鉄(Fe)とのモル比
(Li/Fe)は0.85であった。
は、空間群R−3cの結晶構造を持つα−Fe2O3であ
り、格子定数は a=5.037,c=13.76であっ
た。比較例5の試薬の粉末X線回折パターンは、空間群
P4132の結晶構造を持つγ−Fe2O3であり、格子
定数は a=8.348であった。比較例6の試薬の粉末
X線回折パターンは、空間群Fd3mの結晶構造を持つ
Fe3O4であり、格子定数は a=8.396であった、
尚、比較例4〜6は、いずれもリチウム(Li)と鉄
(Fe)とのモル比(Li/Fe)が0であった。
実施例1,3〜5及び比較例1〜6の反応生成物及び試
薬を正極活物質としてリチウム二次電池の試験用セルを
組み立てたので、図2を参照して説明する。初めに、試
験用セル10に用いた正極合材12について説明すると
この正極合材12は、反応生成物(α−LiFeO2
等)に導電材としてアセチレンブラックと、結着材とし
てポリフッ化ビニリデンとを、90:5:5の重量比で
混合し、さらにこの混合粉末に対してNメチル2ピロリ
ドンを100:45の重量比で加え混練してペースト状
にしたものからなるものである。
mmのステンシルを用いて、厚さ50μmのアルミニウ
ム箔(正極集電板14)上にこのペーストを塗布し、充
分乾燥した後このアルミニウム箔上の正極合材を180
℃の温度下で1500kgf/cm2 の圧力で加熱加圧
して密着させた。そして、φ15mmのポンチで打ち抜
いて正極とした。その結果、正極には正極活物質として
の反応生成物あるいは試薬が約10mg塗布できた。
で打ち抜いた厚さ1mmの金属リチウム(Li)が用い
られている。セパレータ18としては、ポリエチレン製
の微多孔膜を用い、電解液としては、1:1の体積比で
混合したプロピレンカーボネート(PC)とジメトキシ
エタン(DME)の有機溶媒1リットル中に、1モルの
LiPF6の電解質が溶解したもの(1M−LiPF6/
PC+DME)を用いた。尚、符号20は正極端子、2
2は負極端子、24は絶縁物である。
したのでそれについて説明する。この特性評価は、電池
セル10を充放電試験装置に取り付け4.2〜1.5V
(実施例5については4.2〜1.0V)の電圧範囲で
0.1mA/cm2の定電流充放電を行って正極活物質1
gあたりの放電容量を調べることにより行ったものであ
る。上述した表2には、実施例1〜5及び比較例1〜6
の主たる反応生成物の特徴の他、それぞれについての電
池特性(実施例2を除く)が併せて示されている。
3に充放電曲線が示され、図4にサイクル特性が示され
ている。図3に示す充放電曲線は、横軸に容量を、縦軸
に電圧をとったものであり、1.5〜4.2Vの範囲で充
電と放電が交互に繰り返しなされていることが示され、
充放電の可逆性が充分であることが判明した。
イクル数を、縦軸に放電容量をとったものであり、1.
5〜4.2Vの範囲で充電と放電を繰り返したときのそ
の放電容量を示したものである。これによれば、放電容
量は、50mAh/g付近でほぼ安定(52mAh/
g)しており、従来のもの(20mAh/g程度)に較
べて遥かに大きな放電容量が得られた他、図3に示すよ
うに充放電の可逆性も十分であることが判明した。
電容量は41mAh/gであり、α−Fe2O3の混入が
あるものの従来のものよりもかなり大きな放電容量を示
すことが判明した。実施例4を用いた電池特性について
は、放電容量は58mAh/gであり、β−LiFe5
O8の混入があるものの従来のものよりもかなり大きな
放電容量を示すことが判明した。実施例5を用いた電池
特性については、充放電試験時の電圧範囲を4.2〜1.
0Vとした以外は、実施例1と同様にして正極活物質1
gあたりの放電容量を調べたところ、91mAh/gの
放電容量が得られた。また、充放電の可逆性もかなり高
いことがわかった。
は、その放電容量がそれぞれ12mAh/g、10mA
h/g、15mAh/gという結果になり、従来のもの
と同程度、あるいはそれ以下の放電容量しか得られない
ことがわかった。また、比較例4〜6を用いた電池特性
については、その放電容量は、α−Fe2O3が26mA
h/g、γ−Fe2O3が26mAh/g、Fe3O4が1
3mAh/gという結果になり、やはり、従来のものと
同程度の容量しか得られないことがわかった。
比較例(従来のもの)に較べてかなり大きな放電容量を
達成していることが明らかである。この場合に、リチウ
ム(Li)と鉄(Fe)とのモル比は、実施例1〜5及
び比較例1との比較からモル比x(Li/Fe)が x
≦0.95の範囲内にあることが望ましいといえる。ま
た、上記の結果及びJCPDS Powder Diffraction File, 1
7-0938に示されるα−LiFeO2の格子定数(a=4.
158)等を比較検討すると、格子定数aがa>4.1
59オングストロームの範囲内にあることが望ましいと
いえる。
群Fm3mの結晶構造を有することから、このようにリ
チウム(Li)の鉄(Fe)に対するモル比(Li/F
e)を少なくすることにより、岩塩型(NaCl型)の
リチウム鉄複合酸化物の結晶構造内に、格子の膨張、空
孔の形成、リチウムイオン(Li+ )、鉄イオン及び空
孔の配列の不規則性といった結晶格子の乱れが導入さ
れ、リチウムイオン(Li+ )の拡散パスが形成され得
る。これにより、Fe3+/Fe2+の価数変化を伴って容
易にリチウムイオン(Li+ )が挿入あるいは脱離でき
るから可逆的な充放電がなされ得ることになる。
0〜300℃という比較的低温の温度範囲で加熱処理が
施された後得られるものであるから、反応容器や電気炉
の腐食を低減することができるため、製造設備を長期に
わたって使用することが可能になり、生産コストを抑え
ることも可能になる。
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の電池に適用することが可能である。例えば上記実施例
では、本実施例に係る電極活物質をリチウム二次電池の
正極活物質とした場合のみを例として説明したが、本実
施例に係る電極活物質は、一次電池、二次電池あるいは
正極負極を問わず、非水系電池に適用可能なものであ
る。
チウム(Li)と鉄(Fe)とのモル比x(Li/F
e)がx≦0.95、格子定数aがa>4.159オング
ストロームの範囲にあり、かつ結晶構造が空間群Fm3
mであって組成式α−LiFeO2 で表されるリチウム
鉄複合酸化物を主体とするものである。そして結晶構造
内に導入した結晶格子の乱れを介してリチウムイオンの
挿入・脱離反応が起こることにより充放電の可逆性を有
すると同時に高い放電容量も備えた電極活物質が得られ
るものである。
ほかに、高い充放電容量が確保されるものであるから、
パソコンや携帯電話などの通信事務用機器用、あるいは
近い将来の需要が期待される電気自動車電源用への適用
などが期待されるものである。
の結晶構造を解析するためX線回折パターンを示した図
である。
二次電池の電池セルの構成を示す断面図である。
たリチウム二次電池の充放電特性を示す図である。
たリチウム二次電池のサイクル特性を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 リチウム(Li)と鉄(Fe)とのモル
比x(Li/Fe)がx≦0.95、格子定数aがa>
4.159オングストロームの範囲にあり、かつ結晶構
造が空間群Fm3mであって組成式α−LiFeO2 で
表されるリチウム鉄複合酸化物を含むことを特徴とする
非水系電池用電極活物質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9050999A JPH10233212A (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | 非水系電池用電極活物質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9050999A JPH10233212A (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | 非水系電池用電極活物質 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10233212A true JPH10233212A (ja) | 1998-09-02 |
Family
ID=12874498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9050999A Pending JPH10233212A (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | 非水系電池用電極活物質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10233212A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001080337A1 (fr) * | 2000-04-19 | 2001-10-25 | Japan Storage Battery Co., Ltd. | Matiere active d'electrode positive pour accumulateur, procede de production de ladite matiere et accumulateur electrolytique non aqueux comportant cette matiere |
US6440606B1 (en) * | 1999-10-29 | 2002-08-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Nonaqueous electrolyte battery |
US6716555B2 (en) | 2000-06-13 | 2004-04-06 | Japan Storage Battery Co., Ltd. | Positive active material for secondary battery, process for preparation thereof and non-aqueous secondary battery comprising same |
JP2009234810A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Saitama Univ | 岩塩型リチウムフェライトとその製造方法、炭酸ガスの吸収方法、吸収装置及び分離装置 |
CN101807716A (zh) * | 2010-03-22 | 2010-08-18 | 庄安中 | 氧化锂动力电池 |
JP2012028264A (ja) * | 2010-07-27 | 2012-02-09 | Toyota Motor Corp | 負極活物質、その製造方法および前記負極活物質を用いた二次電池 |
JP2012030988A (ja) * | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Tayca Corp | 鉄含有チタン酸リチウムの製造方法 |
CN115004414A (zh) * | 2020-01-29 | 2022-09-02 | 株式会社Lg新能源 | 二次电池用正极活性材料及包含其的锂二次电池 |
-
1997
- 1997-02-18 JP JP9050999A patent/JPH10233212A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6440606B1 (en) * | 1999-10-29 | 2002-08-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Nonaqueous electrolyte battery |
WO2001080337A1 (fr) * | 2000-04-19 | 2001-10-25 | Japan Storage Battery Co., Ltd. | Matiere active d'electrode positive pour accumulateur, procede de production de ladite matiere et accumulateur electrolytique non aqueux comportant cette matiere |
US6916578B2 (en) | 2000-04-19 | 2005-07-12 | Japan Storage Battery Co., Ltd. | Positive electrode active material for secondary cell, method for producing the same and nonaqueous electrolyte secondary cell comprising the same |
US6716555B2 (en) | 2000-06-13 | 2004-04-06 | Japan Storage Battery Co., Ltd. | Positive active material for secondary battery, process for preparation thereof and non-aqueous secondary battery comprising same |
JP2009234810A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Saitama Univ | 岩塩型リチウムフェライトとその製造方法、炭酸ガスの吸収方法、吸収装置及び分離装置 |
CN101807716A (zh) * | 2010-03-22 | 2010-08-18 | 庄安中 | 氧化锂动力电池 |
JP2012028264A (ja) * | 2010-07-27 | 2012-02-09 | Toyota Motor Corp | 負極活物質、その製造方法および前記負極活物質を用いた二次電池 |
JP2012030988A (ja) * | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Tayca Corp | 鉄含有チタン酸リチウムの製造方法 |
CN115004414A (zh) * | 2020-01-29 | 2022-09-02 | 株式会社Lg新能源 | 二次电池用正极活性材料及包含其的锂二次电池 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4856847B2 (ja) | 二次電池用正極活物質およびその製造方法 | |
Ein‐Eli et al. | LiNixCu0. 5− xMn1. 5 O 4 Spinel Electrodes, Superior High‐Potential Cathode Materials for Li Batteries: I. Electrochemical and Structural Studies | |
US10056612B2 (en) | Lithium manganate particles for non-aqueous electrolyte secondary battery, process for producing the same, and nonaqueous electrolyte secondary battery | |
JP4592931B2 (ja) | リチウム二次電池用正極材料及び及びその製造方法 | |
KR101989632B1 (ko) | 정극 활물질 입자 분말 및 그의 제조 방법, 및 비수전해질 이차 전지 | |
JP2021520333A (ja) | O3/p2混合相ナトリウム含有ドープ層状酸化物材料 | |
JP5819200B2 (ja) | リチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 | |
EP2581343A1 (en) | Lithium composite compound particle powder, method for producing same, and nonaqueous electrolyte secondary battery | |
KR20180052565A (ko) | 나트륨 이온 배터리용 캐소드 물질로서의 나트륨 망간 산화물을 위한 2가 금속 도핑 | |
JP2008511960A (ja) | リチウム電池用のマンガン酸化物複合電極 | |
JP4090694B2 (ja) | 多重ドーピングしたリチウムマンガン酸化物化合物及びその製造方法 | |
KR20200083445A (ko) | 마그네슘으로 도핑된 망간 스피넬, 상기 망간 스피넬을 포함하는 캐소드 재료, 이들의 조제 방법 및 상기 스피넬을 포함하는 리튬 이온 배터리 | |
JP6541115B2 (ja) | 正極材料、並びにそれを正極に使用したリチウム二次電池 | |
KR20120042973A (ko) | 리튬 이온 전지용 정극 활물질, 리튬 이온 전지용 정극, 및 리튬 이온 전지 | |
JPH10326621A (ja) | リチウムイオン非水電解質二次電池 | |
JPH08217452A (ja) | マンガン複合酸化物及びその製造方法並びにその用途 | |
JPH0992285A (ja) | 非水電解質リチウム二次電池 | |
JP2008103100A (ja) | 非水電解質二次電池用正極活物質およびその焼成用治具 | |
KR100872370B1 (ko) | 리튬 이차전지용 스피넬형 양극 활물질 및 그 제조방법 | |
JP2002279987A (ja) | リチウム二次電池用正極材料及び該材料を用いたリチウム二次電池 | |
JP2000323122A (ja) | 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法 | |
JPH10233212A (ja) | 非水系電池用電極活物質 | |
JP4496150B2 (ja) | リチウム・遷移金属複合酸化物の製造方法及び該リチウム・遷移金属複合酸化物を用いてなるリチウム電池 | |
JP4066102B2 (ja) | リチウムマンガン複合酸化物の製造方法 | |
JP2008050259A (ja) | リチウムマンガン複合酸化物及びリチウム二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040811 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041006 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20041119 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041129 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071203 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203 |