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JPH10214100A - 音声合成方法 - Google Patents

音声合成方法

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Publication number
JPH10214100A
JPH10214100A JP9019085A JP1908597A JPH10214100A JP H10214100 A JPH10214100 A JP H10214100A JP 9019085 A JP9019085 A JP 9019085A JP 1908597 A JP1908597 A JP 1908597A JP H10214100 A JPH10214100 A JP H10214100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vector
output
frame
quantization
harmonics
Prior art date
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Abandoned
Application number
JP9019085A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Iijima
和幸 飯島
Masayuki Nishiguchi
正之 西口
Atsushi Matsumoto
淳 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP9019085A priority Critical patent/JPH10214100A/ja
Publication of JPH10214100A publication Critical patent/JPH10214100A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイン波合成の際の位相初期化により合成音
が不自然となることを防止する。 【解決手段】 サイン波合成回路215にてサイン波合
成を行う際に、位相初期化回路219は、端子205か
らのV(有声音)/UV(無声音)情報に基づいて、U
Vフレームが2フレーム以上連続するときに、フレーム
の終端で、奇数番目のハーモニクスと偶数番目のハーモ
ニクスとで異なる初期値により位相初期化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるMBE
(Multiband Excitation:マルチバンド励起)符号化方
式やハーモニック符号化方式等のようなサイン波合成符
号化あるいはLPC(線形予測符号化)残差に対しそれ
らのサイン波合成符号化を施すようなサイン波合成を用
いる音声合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号(音声信号や音響信号を
含む)の時間領域や周波数領域における統計的性質と人
間の聴感上の特性を利用して信号圧縮を行うような符号
化方法が種々知られている。この符号化方法としては、
大別して時間領域での符号化、周波数領域での符号化、
分析合成符号化等が挙げられる。
【0003】音声信号等の高能率符号化の例として、ハ
ーモニック(Harmonic)符号化、MBE(Multiband Ex
citation: マルチバンド励起)符号化等のサイン波分析
符号化や、SBC(Sub-band Coding:帯域分割符号
化)、LPC(Linear Predictive Coding: 線形予測符
号化)、あるいはDCT(離散コサイン変換)、MDC
T(モデファイドDCT)、FFT(高速フーリエ変
換)等が知られている。
【0004】これらの音声符号化方法の内、上記MBE
符号化やハーモニック符号化等のように音声合成時にサ
イン波合成を用いるものにおいては、エンコーダ側で符
号化されて送信されてきたデータ、例えばハーモニクス
(音声の基本波及びその高調波)の振幅及び位相データ
に基づいて、振幅及び位相の補間を行い、それらの補間
されたパラメータに従って、時々刻々周波数と振幅の変
化してゆくハーモニクス1本分の時間波形を算出し、そ
の時間波形をハーモニクスの本数分だけ足し合わせて合
成波形を得ている。
【0005】しかしながら、伝送ビットレートをさらに
低減するために、上記位相データを伝送しない例も多
く、この場合には、サイン波合成のための位相情報は、
フレーム境界において連続性が保たれるように予測され
た値を用いている。この予測は毎フレーム行われ、有声
音フレームから無声音フレームへの遷移、あるいは無声
音フレームから有声音フレームへの遷移においても絶え
間なく行われるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記位相予
測は、全てのフレームにおいて行われ、有声音→無声
音、無声音→有声音、のようなトランジェント部におい
ても行われる。しかしながら、無声音フレームにおいて
は、有意なピッチが存在せず、場合によってはピッチデ
ータの伝送も行われない。このため、上記位相予測を続
けると位相の値に狂いが生じ、本来期待されていた零位
相加算又はπ/2位相加算から徐々にはずれてゆく現象
が生じ、合成音が歪み感を伴った不自然なものとなり、
音質劣化を引き起こすことになる。
【0007】そのため、無声音→有声音のようなトラン
ジェント部で位相の初期化を行うことが望ましいが、こ
のときの初期値として全てのハーモニクス(基本波及び
高調波)に同一の適当な定数を与えてしまうと、位相が
そろってしまうことにより、やはり合成音が不自然にな
るという問題がある。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、サイン波合成等により音声合成処理を行
う際の位相の狂いによる悪影響を未然に防止できるよう
な音声合成方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る音声合成方
法は、上述した課題を解決するために、音声信号に基づ
く入力信号を時間軸上でフレーム単位で区分し、区分さ
れた各フレーム毎にピッチを求めると共に有声音又は無
声音のいずれかを判別し、求められたピッチのハーモニ
クスを用いて有声音を合成する音声合成方法において、
上記無声音と判別されたフレームから上記有声音と判別
されたフレームへ遷移するとき、上記ハーモニクスの位
相を初期化し、奇数番目のハーモニクスと偶数番目のハ
ーモニクスとで異なる初期値を与えることを特徴として
いる。ここで、上記無声音と判別されたフレームが2フ
レーム以上連続したときに、上記奇数番目のハーモニク
スの位相の初期値として、偶数番目の初期値にπ/n
(nは0以外の整数)を加えた値を用いて位相初期化を
行うことが好ましい。ここで、ハーモニクスとは、音声
信号の基本波及びその高調波を意味する。
【0010】また、本発明に係る音声合成方法は、音声
信号に基づく入力信号を時間軸上でフレーム単位で区分
し、区分された各フレーム毎にピッチを求めると共に有
声音又は無声音のいずれかを判別し、求められたピッチ
のハーモニクスを用いて有声音を合成する音声合成方法
において、上記無声音と判別されたフレームが2フレー
ム以上連続した後に上記有声音と判別されたフレームへ
遷移するとき、上記ハーモニクスの位相を、乱数により
初期化することを特徴としている。
【0011】このように、位相初期化の際に全てのハー
モニクスの位相を揃えることが回避されることにより、
合成音が不自然になることを防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る好ましい実施
の形態について説明する。本発明に係る音声合成方法
は、例えばマルチバンド励起(Multiband Excitation:
MBE)符号化、サイン波変換符号化(Sinusoidal Tra
nsform Coding:STC)、ハーモニック符号化(Harmon
ic coding )等のサイン波合成符号化、又はLPC(Li
near Predictive Coding)残差に上記サイン波合成符号
化を用いたもので、符号化の単位となるフレーム毎に有
声音(V)/無声音(UV)の判別を行い、UVのフレ
ームからVのフレームに遷移する時点で、サイン波合成
の位相を例えば0あるいはπ/2等の所定値に初期化す
るものである。ここで、上記MBE符号化においては、
フレーム内の複数に分割された各バンド毎に上記V/U
V判別を行っており、全バンドがUVとされるフレーム
から少なくとも1つのバンドがVとされるフレームへの
遷移時に、位相を初期化している。
【0013】この場合、UVフレームからVフレームへ
の遷移を検出しなくとも、UVフレームでは常に位相の
初期化を行わせればよい。ただし、ピッチ検出ミス等に
よりVとなるべきフレームがUVと判別されることがま
れにあることを考慮して、UVフレームが例えば2フレ
ーム連続したとき、あるいは3フレーム以上の所定のフ
レーム数だけ連続したときに、位相の初期化を行わせる
ことが好ましい。
【0014】位相初期化の際には、ハーモニクス(基本
波及び高調波)の奇数番目と偶数番目とで異なる初期位
相値を用いることが好ましく、例えば、奇数番目のハー
モニクスの初期値として、偶数番目の初期値にπ/n
(nは非0の整数)を加えた値を用いればよい。
【0015】あるいは、位相初期化の際に、各ハーモニ
クスの初期位相を乱数により初期化することが挙げら
れ、この場合のm番目のハーモニクスの初期位相θ
m(L) を、正の乱数を生成する関数をrandom()、この関
数random()の最大値をRAND_MAXとするとき、 θm(L) = επ((random()/RAND_MAX)−a) ただし、ε、aは定数 により求めることが挙げられる。
【0016】これは、特に、UVフレームのときに、ピ
ッチ情報を送る代わりに他の情報を送るようなシステム
の場合に、連続的な位相予測が困難であることから、上
述のようにUVフレームで位相の初期化を行う効果が大
きく、位相がはずれてゆくことによる音質劣化を未然に
防止できる。
【0017】以下、本発明に係る音声合成方法の実施の
形態の具体例の説明に先立ち、符号化側(エンコーダ
側)の音声符号化装置の具体例について説明する。
【0018】先ず、図1は、サイン波分析符号化を行う
ような音声符号化装置の具体例の概略構成を示してい
る。
【0019】ここで、図1の音声信号符号化装置の基本
的な考え方は、入力音声信号の短期予測残差例えばLP
C(線形予測符号化)残差を求めてサイン波分析(sinu
soidal analysis )符号化、例えばハーモニックコーデ
ィング(harmonic coding )を行う第1の符号化部11
0と、入力音声信号に対して位相再現性のある波形符号
化により符号化する第2の符号化部120とを有し、入
力信号の有声音(V:Voiced)の部分の符号化に第1の
符号化部110を用い、入力信号の無声音(UV:Unvo
iced)の部分の符号化には第2の符号化部120を用い
るようにすることである。
【0020】上記第1の符号化部110には、例えばL
PC残差をハーモニック符号化やマルチバンド励起(M
BE)符号化のようなサイン波分析符号化を行う構成が
用いられる。上記第2の符号化部120には、例えば合
成による分析法を用いて最適ベクトルのクローズドルー
プサーチによるベクトル量子化を用いた符号励起線形予
測(CELP)符号化の構成が用いられる。
【0021】図1の例では、入力端子101に供給され
た音声信号が、第1の符号化部110のLPC逆フィル
タ111及びLPC分析・量子化部113に送られてい
る。LPC分析・量子化部113から得られたLPC係
数あるいはいわゆるαパラメータは、LPC逆フィルタ
111に送られて、このLPC逆フィルタ111により
入力音声信号の線形予測残差(LPC残差)が取り出さ
れる。また、LPC分析・量子化部113からは、後述
するようにLSP(線スペクトル対)の量子化出力が取
り出され、これが出力端子102に送られる。LPC逆
フィルタ111からのLPC残差は、サイン波分析符号
化部114に送られる。サイン波分析符号化部114で
は、ピッチ検出やスペクトルエンベロープ振幅計算が行
われると共に、V(有声音)/UV(無声音)判定部1
15によりV/UVの判定が行われる。サイン波分析符
号化部114からのスペクトルエンベロープ振幅データ
がベクトル量子化部116に送られる。スペクトルエン
ベロープのベクトル量子化出力としてのベクトル量子化
部116からのコードブックインデクスは、スイッチ1
17を介して出力端子103に送られ、サイン波分析符
号化部114からの出力は、スイッチ118を介して出
力端子104に送られる。また、V/UV判定部115
からのV/UV判定出力は、出力端子105に送られる
と共に、スイッチ117、118の制御信号として送ら
れており、上述した有声音(V)のとき上記インデクス
及びピッチが選択されて各出力端子103及び104か
らそれぞれ取り出される。
【0022】図1の第2の符号化部120は、この例で
はCELP(符号励起線形予測)符号化構成を有してお
り、雑音符号帳121からの出力を、重み付きの合成フ
ィルタ122により合成処理し、得られた重み付き音声
を減算器123に送り、入力端子101に供給された音
声信号を聴覚重み付けフィルタ125を介して得られた
音声との誤差を取り出し、この誤差を距離計算回路12
4に送って距離計算を行い、誤差が最小となるようなベ
クトルを雑音符号帳121でサーチするような、合成に
よる分析(Analysis by Synthesis )法を用いたクロー
ズドループサーチを用いた時間軸波形のベクトル量子化
を行っている。このCELP符号化は、上述したように
無声音部分の符号化に用いられており、雑音符号帳12
1からのUVデータとしてのコードブックインデクス
は、上記V/UV判定部115からのV/UV判定結果
が無声音(UV)のときオンとなるスイッチ127を介
して、出力端子107より取り出される。
【0023】ここで、本例においては、ベクトル量子化
部116において、サイン波分析符号化部114からの
スペクトルエンベロープ振幅データに対して聴覚重み付
きベクトル量子化を施しており、この重み付きベクトル
量子化の際に、重みの伝達関数のインパルス応答に基づ
くパラメータを直交変換した結果に基づいて重みを算出
することにより演算量の低減を実現している。
【0024】次に、図2は、上記図1の音声信号符号化
装置に対応する音声信号復号化装置の基本構成を示すブ
ロック図であり、本発明の実施の形態となる音声合成装
置が適用されるものである。
【0025】この図2において、入力端子202には上
記図1の出力端子102からの上記LSP(線スペクト
ル対)の量子化出力としてのコードブックインデクスが
入力される。入力端子203、204、及び205に
は、上記図1の各出力端子103、104、及び105
からの各出力、すなわちエンベロープ量子化出力として
のインデクス、ピッチ、及びV/UV判定出力がそれぞ
れ入力される。また、入力端子207には、上記図1の
出力端子107からのUV(無声音)用のデータとして
のインデクスが入力される。
【0026】入力端子203からのエンベロープ量子化
出力としてのインデクスは、逆ベクトル量子化器212
に送られて逆ベクトル量子化され、LPC残差のスペク
トルエンベロープが求められて有声音合成部211に送
られる。有声音合成部211は、サイン波合成により有
声音部分のLPC(線形予測符号化)残差を合成するも
のであり、この有声音合成部211には入力端子204
及び205からのピッチ及びV/UV判定出力も供給さ
れている。有声音合成部211からの有声音のLPC残
差は、LPC合成フィルタ214に送られる。また、入
力端子207からのUVデータのインデクスは、無声音
合成部220に送られて、雑音符号帳を参照することに
より無声音部分のLPC残差が取り出される。このLP
C残差もLPC合成フィルタ214に送られる。LPC
合成フィルタ214では、上記有声音部分のLPC残差
と無声音部分のLPC残差とがそれぞれ独立に、LPC
合成処理が施される。あるいは、有声音部分のLPC残
差と無声音部分のLPC残差とが加算されたものに対し
てLPC合成処理を施すようにしてもよい。ここで入力
端子202からのLSPのインデクスは、LPCパラメ
ータ再生部213に送られて、LPCのαパラメータが
取り出され、これがLPC合成フィルタ214に送られ
る。LPC合成フィルタ214によりLPC合成されて
得られた音声信号は、出力端子201より取り出され
る。
【0027】次に、上記図1に示した音声信号符号化装
置のより具体的な構成について、図3を参照しながら説
明する。なお、図3において、上記図1の各部と対応す
る部分には同じ指示符号を付している。
【0028】この図3に示された音声信号符号化装置に
おいて、入力端子101に供給された音声信号は、ハイ
パスフィルタ(HPF)109にて不要な帯域の信号を
除去するフィルタ処理が施された後、LPC(線形予測
符号化)分析・量子化部113のLPC分析回路132
と、LPC逆フィルタ回路111とに送られる。
【0029】LPC分析・量子化部113のLPC分析
回路132は、入力信号波形の256サンプル程度の長
さを1ブロックとしてハミング窓をかけて、自己相関法
により線形予測係数、いわゆるαパラメータを求める。
データ出力の単位となるフレーミングの間隔は、160
サンプル程度とする。サンプリング周波数fsが例えば
8kHzのとき、1フレーム間隔は160サンプルで20
msec となる。
【0030】LPC分析回路132からのαパラメータ
は、α→LSP変換回路133に送られて、線スペクト
ル対(LSP)パラメータに変換される。これは、直接
型のフィルタ係数として求まったαパラメータを、例え
ば10個、すなわち5対のLSPパラメータに変換す
る。変換は例えばニュートン−ラプソン法等を用いて行
う。このLSPパラメータに変換するのは、αパラメー
タよりも補間特性に優れているからである。
【0031】α→LSP変換回路133からのLSPパ
ラメータは、LSP量子化器134によりマトリクスあ
るいはベクトル量子化される。このとき、フレーム間差
分をとってからベクトル量子化してもよく、複数フレー
ム分をまとめてマトリクス量子化してもよい。ここで
は、20msec を1フレームとし、20msec 毎に算出
されるLSPパラメータを2フレーム分まとめて、マト
リクス量子化及びベクトル量子化している。
【0032】このLSP量子化器134からの量子化出
力、すなわちLSP量子化のインデクスは、端子102
を介して取り出され、また量子化済みのLSPベクトル
は、LSP補間回路136に送られる。
【0033】LSP補間回路136は、上記20msec
あるいは40msec 毎に量子化されたLSPのベクトル
を補間し、8倍のレートにする。すなわち、2.5mse
c 毎にLSPベクトルが更新されるようにする。これ
は、残差波形をハーモニック符号化復号化方法により分
析合成すると、その合成波形のエンベロープは非常にな
だらかでスムーズな波形になるため、LPC係数が20
msec 毎に急激に変化すると異音を発生することがある
からである。すなわち、2.5msec 毎にLPC係数が
徐々に変化してゆくようにすれば、このような異音の発
生を防ぐことができる。
【0034】このような補間が行われた2.5msec 毎
のLSPベクトルを用いて入力音声の逆フィルタリング
を実行するために、LSP→α変換回路137により、
LSPパラメータを例えば10次程度の直接型フィルタ
の係数であるαパラメータに変換する。このLSP→α
変換回路137からの出力は、上記LPC逆フィルタ回
路111に送られ、このLPC逆フィルタ111では、
2.5msec 毎に更新されるαパラメータにより逆フィ
ルタリング処理を行って、滑らかな出力を得るようにし
ている。このLPC逆フィルタ111からの出力は、サ
イン波分析符号化部114、具体的には例えばハーモニ
ック符号化回路、の直交変換回路145、例えばDFT
(離散フーリエ変換)回路に送られる。
【0035】LPC分析・量子化部113のLPC分析
回路132からのαパラメータは、聴覚重み付けフィル
タ算出回路139に送られて聴覚重み付けのためのデー
タが求められ、この重み付けデータが後述する聴覚重み
付きのベクトル量子化器116と、第2の符号化部12
0の聴覚重み付けフィルタ125及び聴覚重み付きの合
成フィルタ122とに送られる。
【0036】ハーモニック符号化回路等のサイン波分析
符号化部114では、LPC逆フィルタ111からの出
力を、ハーモニック符号化の方法で分析する。すなわ
ち、ピッチ検出、各ハーモニクスの振幅Amの算出、有
声音(V)/無声音(UV)の判別を行い、ピッチによ
って変化するハーモニクスのエンベロープあるいは振幅
Amの個数を次元変換して一定数にしている。
【0037】図3に示すサイン波分析符号化部114の
具体例においては、一般のハーモニック符号化を想定し
ているが、特に、MBE(Multiband Excitation: マル
チバンド励起)符号化の場合には、同時刻(同じブロッ
クあるいはフレーム内)の周波数軸領域いわゆるバンド
毎に有声音(Voiced)部分と無声音(Unvoiced)部分と
が存在するという仮定でモデル化することになる。それ
以外のハーモニック符号化では、1ブロックあるいはフ
レーム内の音声が有声音か無声音かの択一的な判定がな
されることになる。なお、以下の説明中のフレーム毎の
V/UVとは、MBE符号化に適用した場合には全バン
ドがUVのときを当該フレームのUVとしている。ここ
で上記MBEの分析合成手法については、本件出願人が
先に提案した特願平4−91422号明細書及び図面に
詳細な具体例を開示している。
【0038】図3のサイン波分析符号化部114のオー
プンループピッチサーチ部141には、上記入力端子1
01からの入力音声信号が、またゼロクロスカウンタ1
42には、上記HPF(ハイパスフィルタ)109から
の信号がそれぞれ供給されている。サイン波分析符号化
部114の直交変換回路145には、LPC逆フィルタ
111からのLPC残差あるいは線形予測残差が供給さ
れている。オープンループピッチサーチ部141では、
入力信号のLPC残差をとってオープンループによる比
較的ラフなピッチのサーチが行われ、抽出された粗ピッ
チデータは高精度ピッチサーチ146に送られて、後述
するようなクローズドループによる高精度のピッチサー
チ(ピッチのファインサーチ)が行われる。また、オー
プンループピッチサーチ部141からは、上記粗ピッチ
データと共にLPC残差の自己相関の最大値をパワーで
正規化した正規化自己相関最大値r(p) が取り出され、
V/UV(有声音/無声音)判定部115に送られてい
る。
【0039】直交変換回路145では例えばDFT(離
散フーリエ変換)等の直交変換処理が施されて、時間軸
上のLPC残差が周波数軸上のスペクトル振幅データに
変換される。この直交変換回路145からの出力は、高
精度ピッチサーチ部146及びスペクトル振幅あるいは
エンベロープを評価するためのスペクトル評価部148
に送られる。
【0040】高精度(ファイン)ピッチサーチ部146
には、オープンループピッチサーチ部141で抽出され
た比較的ラフな粗ピッチデータと、直交変換部145に
より例えばDFTされた周波数軸上のデータとが供給さ
れている。この高精度ピッチサーチ部146では、上記
粗ピッチデータ値を中心に、0.2〜0.5きざみで±数サ
ンプルずつ振って、最適な小数点付き(フローティン
グ)のファインピッチデータの値へ追い込む。このとき
のファインサーチの手法として、いわゆる合成による分
析 (Analysis by Synthesis)法を用い、合成されたパワ
ースペクトルが原音のパワースペクトルに最も近くなる
ようにピッチを選んでいる。このようなクローズドルー
プによる高精度のピッチサーチ部146からのピッチデ
ータについては、スイッチ118を介して出力端子10
4に送っている。
【0041】スペクトル評価部148では、LPC残差
の直交変換出力としてのスペクトル振幅及びピッチに基
づいて各ハーモニクスの大きさ及びその集合であるスペ
クトルエンベロープが評価され、高精度ピッチサーチ部
146、V/UV(有声音/無声音)判定部115及び
聴覚重み付きのベクトル量子化器116に送られる。
【0042】V/UV(有声音/無声音)判定部115
は、直交変換回路145からの出力と、高精度ピッチサ
ーチ部146からの最適ピッチと、スペクトル評価部1
48からのスペクトル振幅データと、オープンループピ
ッチサーチ部141からの正規化自己相関最大値r(p)
と、ゼロクロスカウンタ142からのゼロクロスカウン
ト値とに基づいて、当該フレームのV/UV判定が行わ
れる。さらに、MBEの場合の各バンド毎のV/UV判
定結果の境界位置も当該フレームのV/UV判定の一条
件としてもよい。このV/UV判定部115からの判定
出力は、出力端子105を介して取り出される。
【0043】ところで、スペクトル評価部148の出力
部あるいはベクトル量子化器116の入力部には、デー
タ数変換(一種のサンプリングレート変換)部が設けら
れている。このデータ数変換部は、上記ピッチに応じて
周波数軸上での分割帯域数が異なり、データ数が異なる
ことを考慮して、エンベロープの振幅データ|Am|を
一定の個数にするためのものである。すなわち、例えば
有効帯域を3400kHzまでとすると、この有効帯域が
上記ピッチに応じて、8バンド〜63バンドに分割され
ることになり、これらの各バンド毎に得られる上記振幅
データ|Am|の個数mMX+1も8〜63と変化するこ
とになる。このためデータ数変換部119では、この可
変個数mMX+1の振幅データを一定個数M個、例えば4
4個、のデータに変換している。
【0044】このスペクトル評価部148の出力部ある
いはベクトル量子化器116の入力部に設けられたデー
タ数変換部からの上記一定個数M個(例えば44個)の
振幅データあるいはエンベロープデータが、ベクトル量
子化器116により、所定個数、例えば44個のデータ
毎にまとめられてベクトルとされ、重み付きベクトル量
子化が施される。この重みは、聴覚重み付けフィルタ算
出回路139からの出力により与えられる。ベクトル量
子化器116からの上記エンベロープのインデクスは、
スイッチ117を介して出力端子103より取り出され
る。なお、上記重み付きベクトル量子化に先だって、所
定個数のデータから成るベクトルについて適当なリーク
係数を用いたフレーム間差分をとっておくようにしても
よい。
【0045】次に、第2の符号化部120について説明
する。第2の符号化部120は、いわゆるCELP(符
号励起線形予測)符号化構成を有しており、特に、入力
音声信号の無声音部分の符号化のために用いられてい
る。この無声音部分用のCELP符号化構成において、
雑音符号帳、いわゆるストキャスティック・コードブッ
ク(stochastic code book)121からの代表値出力で
ある無声音のLPC残差に相当するノイズ出力を、ゲイ
ン回路126を介して、聴覚重み付きの合成フィルタ1
22に送っている。重み付きの合成フィルタ122で
は、入力されたノイズをLPC合成処理し、得られた重
み付き無声音の信号を減算器123に送っている。減算
器123には、上記入力端子101からHPF(ハイパ
スフィルタ)109を介して供給された音声信号を聴覚
重み付けフィルタ125で聴覚重み付けした信号が入力
されており、合成フィルタ122からの信号との差分あ
るいは誤差を取り出している。なお、聴覚重み付けフィ
ルタ125の出力から聴覚重み付き合成フィルタの零入
力応答を事前に差し引いておくものとする。この誤差を
距離計算回路124に送って距離計算を行い、誤差が最
小となるような代表値ベクトルを雑音符号帳121でサ
ーチする。このような合成による分析(Analysisby Syn
thesis )法を用いたクローズドループサーチを用いた
時間軸波形のベクトル量子化を行っている。
【0046】このCELP符号化構成を用いた第2の符
号化部120からのUV(無声音)部分用のデータとし
ては、雑音符号帳121からのコードブックのシェイプ
インデクスと、ゲイン回路126からのコードブックの
ゲインインデクスとが取り出される。雑音符号帳121
からのUVデータであるシェイプインデクスは、スイッ
チ127sを介して出力端子107sに送られ、ゲイン
回路126のUVデータであるゲインインデクスは、ス
イッチ127gを介して出力端子107gに送られてい
る。
【0047】ここで、これらのスイッチ127s、12
7g及び上記スイッチ117、118は、上記V/UV
判定部115からのV/UV判定結果によりオン/オフ
制御され、スイッチ117、118は、現在伝送しよう
とするフレームの音声信号のV/UV判定結果が有声音
(V)のときオンとなり、スイッチ127s、127g
は、現在伝送しようとするフレームの音声信号が無声音
(UV)のときオンとなる。
【0048】次に、図4は、上記図2に示した音声信号
復号化装置のより具体的な構成を示しており、本発明の
実施の形態となる音声合成装置が適用されている。この
図4において、上記図2の各部と対応する部分には、同
じ指示符号を付している。
【0049】この図4において、入力端子202には、
上記図1、3の出力端子102からの出力に相当するL
SPのベクトル量子化出力、いわゆるコードブックのイ
ンデクスが供給されている。
【0050】このLSPのインデクスは、LPCパラメ
ータ再生部213のLSPの逆ベクトル量子化器231
に送られてLSP(線スペクトル対)データに逆ベクト
ル量子化され、LSP補間回路232、233に送られ
てLSPの補間処理が施された後、LSP→α変換回路
234、235でLPC(線形予測符号)のαパラメー
タに変換され、このαパラメータがLPC合成フィルタ
214に送られる。ここで、LSP補間回路232及び
LSP→α変換回路234は有声音(V)用であり、L
SP補間回路233及びLSP→α変換回路235は無
声音(UV)用である。またLPC合成フィルタ214
は、有声音部分のLPC合成フィルタ236と、無声音
部分のLPC合成フィルタ237とを分離している。す
なわち、有声音部分と無声音部分とでLPCの係数補間
を独立に行うようにして、有声音から無声音への遷移部
や、無声音から有声音への遷移部で、全く性質の異なる
LSP同士を補間することによる悪影響を防止してい
る。
【0051】また、図4の入力端子203には、上記図
1、図3のエンコーダ側の端子103からの出力に対応
するスペクトルエンベロープ(Am)の重み付けベクト
ル量子化されたコードインデクスデータが供給され、入
力端子204には、上記図1、図3の端子104からの
ピッチのデータが供給され、入力端子205には、上記
図1、図3の端子105からのV/UV判定データが供
給されている。
【0052】入力端子203からのスペクトルエンベロ
ープAmのベクトル量子化されたインデクスデータは、
逆ベクトル量子化器212に送られて逆ベクトル量子化
が施され、上記データ数変換に対応する逆変換が施され
て、スペクトルエンベロープのデータとなって、有声音
合成部211のサイン波合成回路215に送られてい
る。
【0053】なお、エンコード時にスペクトルのベクト
ル量子化に先だってフレーム間差分をとっている場合に
は、ここでの逆ベクトル量子化後にフレーム間差分の復
号を行ってからデータ数変換を行い、スペクトルエンベ
ロープのデータを得る。
【0054】サイン波合成回路215には、入力端子2
04からのピッチ及び入力端子205からの上記V/U
V判定データが供給されている。サイン波合成回路21
5からは、上述した図1、図3のLPC逆フィルタ11
1からの出力に相当するLPC残差データが取り出さ
れ、これが加算器218に送られている。このサイン波
合成の具体的な手法については、例えば本件出願人が先
に提案した、特願平4−91422号の明細書及び図
面、あるいは特願平6−198451号の明細書及び図
面に開示されている。
【0055】サイン波合成回路215には、位相初期化
回路219からの位相初期値情報が送られている。この
位相初期化回路219は、無声音(UV)フレームから
有声音(V)フレームへの遷移時に、サイン波合成回路
215で用いられるハーモニクス(基本波及びその高調
波)の位相を初期化し、奇数番目のハーモニクスと偶数
番目のハーモニクスとで異なる初期値を与えるものであ
る。あるいは、UVフレームが2フレーム以上連続した
後にVフレームに遷移したときに、乱数を用いて各ハー
モニクス毎に異なる位相初期値を与えるようにしてもよ
い。この位相初期化回路219の具体例については後述
する。
【0056】また、逆ベクトル量子化器212からのエ
ンベロープのデータと、入力端子204、205からの
ピッチ、V/UV判定データとは、有声音(V)部分の
ノイズ加算のためのノイズ合成回路216に送られてい
る。このノイズ合成回路216からの出力は、重み付き
重畳加算回路217を介して加算器218に送ってい
る。これは、サイン波合成によって有声音のLPC合成
フィルタへの入力となるエクサイテイション(Excitati
on:励起、励振)を作ると、男声等の低いピッチの音で
鼻づまり感がある点、及びV(有声音)とUV(無声
音)とで音質が急激に変化し不自然に感じる場合がある
点を考慮し、有声音部分のLPC合成フィルタ入力すな
わちエクサイテイションについて、音声符号化データに
基づくパラメータ、例えばピッチ、スペクトルエンベロ
ープ振幅、フレーム内の最大振幅、残差信号のレベル等
を考慮したノイズをLPC残差信号の有声音部分に加え
ているものである。
【0057】加算器218からの加算出力は、LPC合
成フィルタ214の有声音用の合成フィルタ236に送
られてLPCの合成処理が施されることにより時間波形
データとなり、さらに有声音用ポストフィルタ238v
でフィルタ処理された後、加算器239に送られる。
【0058】次に、図4の入力端子207s及び207
gには、上記図3の出力端子107s及び107gから
のUVデータとしてのシェイプインデクス及びゲインイ
ンデクスがそれぞれ供給され、無声音合成部220に送
られている。端子207sからのシェイプインデクス
は、無声音合成部220の雑音符号帳221に、端子2
07gからのゲインインデクスはゲイン回路222にそ
れぞれ送られている。雑音符号帳221から読み出され
た代表値出力は、無声音のLPC残差に相当するノイズ
信号成分であり、これがゲイン回路222で所定のゲイ
ンの振幅となり、窓かけ回路223に送られて、上記有
声音部分とのつなぎを円滑化するための窓かけ処理が施
される。
【0059】窓かけ回路223からの出力は、無声音合
成部220からの出力として、LPC合成フィルタ21
4のUV(無声音)用の合成フィルタ237に送られ
る。合成フィルタ237では、LPC合成処理が施され
ることにより無声音部分の時間波形データとなり、この
無声音部分の時間波形データは無声音用ポストフィルタ
238uでフィルタ処理された後、加算器239に送ら
れる。
【0060】加算器239では、有声音用ポストフィル
タ238vからの有声音部分の時間波形信号と、無声音
用ポストフィルタ238uからの無声音部分の時間波形
データとが加算され、出力端子201より取り出され
る。
【0061】ところで、上記音声信号符号化装置では、
要求される品質に合わせ異なるビットレートの出力デー
タを出力することができ、出力データのビットレートが
可変されて出力される。
【0062】具体的には、出力データのビットレート
を、低ビットレートと高ビットレートとに切り換えるこ
とができる。例えば、低ビットレートを2kbpsとし、
高ビットレートを6kbpsとする場合には、以下の表1
に示す各ビットレートのデータが出力される。
【0063】
【表1】
【0064】出力端子104からのピッチデータについ
ては、有声音時に、常に8bits/20msecで出力さ
れ、出力端子105から出力されるV/UV判定出力
は、常に1bit/20msecである。出力端子102から
出力されるLSP量子化のインデクスは、32bits/4
0msecと48bits/40msecとの間で切り換えが行わ
れる。また、出力端子103から出力される有声音時
(V)のインデクスは、15bits/20msecと87bit
s/20msecとの間で切り換えが行われ、出力端子10
7s、107gから出力される無声音時(UV)のイン
デクスは、11bits/10msecと23bits/5msecと
の間で切り換えが行われる。これにより、有声音時
(V)の出力データは、2kbpsでは40bits/20ms
ecとなり、6kbpsでは120bits/20msecとなる。
また、無声音時(UV)の出力データは、2kbpsでは
39bits/20msecとなり、6kbpsでは117bits/
20msecとなる。
【0065】尚、上記LSP量子化のインデクス、有声
音時(V)のインデクス、及び無声音時(UV)のイン
デクスについては、後述する各部の構成と共に説明す
る。
【0066】次に、図5及び図6を用いて、LSP量子
化器134におけるマトリクス量子化及びベクトル量子
化について詳細に説明する。
【0067】上述のように、LPC分析回路132から
のαパラメータは、α→LSP変換回路133に送られ
て、LSPパラメータに変換される。例えば、LPC分
析回路132でP次のLPC分析を行う場合には、αパ
ラメータはP個算出される。このP個のαパラメータ
は、LSPパラメータに変換され、バッファ610に保
持される。
【0068】このバッファ610からは、2フレーム分
のLSPパラメータが出力される。2フレーム分のLS
Pパラメータはマトリクス量子化部620でマトリクス
量子化される。マトリクス量子化部620は、第1のマ
トリクス量子化部6201 と第2のマトリクス量子化部
6202 とから成る。2フレーム分のLSPパラメータ
は、第1のマトリクス量子化部6201 でマトリクス量
子化され、これにより得られる量子化誤差が、第2のマ
トリクス量子化部6202 でさらにマトリクス量子化さ
れる。これらのマトリクス量子化により、時間軸方向及
び周波数軸方向の相関を取り除く。
【0069】マトリクス量子化部6202 からの2フレ
ーム分の量子化誤差は、ベクトル量子化部640に入力
される。ベクトル量子化部640は、第1のベクトル量
子化部6401 と第2のベクトル量子化部6402 とか
ら成る。さらに、第1のベクトル量子化部6401 は、
2つのベクトル量子化部650、660から成り、第2
のベクトル量子化部6402 は、2つのベクトル量子化
部670、680から成る。第1のベクトル量子化部6
401 のベクトル量子化部650、660で、マトリク
ス量子化部620からの量子化誤差が、それぞれ1フレ
ーム毎にベクトル量子化される。これにより得られる量
子化誤差ベクトルは、第2のベクトル量子化部6402
のベクトル量子化部670、680で、さらにベクトル
量子化される。これらのベクトル量子化により、周波数
軸方向の相関を処理する。
【0070】このように、マトリクス量子化を施す工程
を行うマトリクス量子化部620は、第1のマトリクス
量子化工程を行う第1のマトリクス量子化部6201
と、この第1のマトリクス量子化による量子化誤差をマ
トリクス量子化する第2のマトリクス量子化工程を行う
第2のマトリクス量子化部6202 とを少なくとも有
し、上記ベクトル量子化を施す工程を行うベクトル量子
化部640は、第1のベクトル量子化工程を行う第1の
ベクトル量子化部6401 と、この第1のベクトル量子
化の際の量子化誤差ベクトルをベクトル量子化する第2
のベクトル量子化工程を行う第2のベクトル量子化部6
402 とを少なくとも有する。
【0071】次に、マトリクス量子化及びベクトル量子
化について具体的に説明する。
【0072】バッファ610に保持された、2フレーム
分のLSPパラメータ、すなわち10×2の行列は、マ
トリクス量子化器6201 に送られる。上記第1のマト
リクス量子化部6201 では、2フレーム分のLSPパ
ラメータが加算器621を介して重み付き距離計算器6
23に送られ、最小となる重み付き距離が算出される。
【0073】この第1のマトリクス量子化部6201
よるコードブックサーチ時の歪尺度dMQ1は、LSPパ
ラメータX1 、量子化値X1'を用い、(1)式で示す。
【0074】
【数1】
【0075】ここで、tはフレーム番号、iはP次元の
番号を示す。
【0076】また、このときの、周波数軸方向及び時間
軸方向に重みの制限を考慮しない場合の重みwを(2)
式で示す。
【0077】
【数2】
【0078】この(2)式の重みwは、後段のマトリク
ス量子化及びベクトル量子化でも用いられる。
【0079】算出された重み付き距離はマトリクス量子
化器(MQ1) 622に送られて、マトリクス量子化が
行われる。このマトリクス量子化により出力される8ビ
ットのインデクスは信号切換器690に送られる。ま
た、マトリクス量子化による量子化値は、加算器621
で、バッファ610からの2フレーム分のLSPパラメ
ータから減算される。重み付き距離計算器623では、
加算器621からの出力を用いて、重み付き距離が算出
される。このように、2フレーム毎に、順次、重み付き
距離計算器623では重み付き距離が算出されて、マト
リクス量子化器622でマトリクス量子化が行われる。
重み付き距離が最小となる量子化値が選ばれる。また、
加算器621からの出力は、第2のマトリクス量子化部
6202 の加算器631に送られる。
【0080】第2のマトリクス量子化部6202 でも第
1のマトリクス量子化部6201 と同様にして、マトリ
クス量子化を行う。上記加算器621からの出力は、加
算器631を介して重み付き距離計算器633に送ら
れ、最小となる重み付き距離が算出される。
【0081】この第2のマトリクス量子化部6202
よるコードブックサーチ時の歪尺度dMQ2 を、第1のマ
トリクス量子化部6201 からの量子化誤差X2 、量子
化値X2'により、(3)式で示す。
【0082】
【数3】
【0083】この重み付き距離はマトリクス量子化器
(MQ2) 632に送られて、マトリクス量子化が行わ
れる。このマトリクス量子化により出力される8ビット
のインデクスは信号切換器690に送られる。また、マ
トリクス量子化による量子化値は、加算器631で、2
フレーム分の量子化誤差から減算される。重み付き距離
計算器633では、加算器631からの出力を用いて、
重み付き距離が順次算出されて、重み付き距離が最小と
なる量子化値が選ばれる。また、加算器631からの出
力は、第1のベクトル量子化部6401 の加算器65
1、661に1フレームずつ送られる。
【0084】この第1のベクトル量子化部6401
は、1フレーム毎にベクトル量子化が行われる。加算器
631からの出力は、1フレーム毎に、加算器651、
661を介して重み付き距離計算器653、663にそ
れぞれ送られ、最小となる重み付き距離が算出される。
【0085】量子化誤差X2と量子化値X2'との差分
は、10×2の行列であり、 X2−X2’=[3-1 3-2 ] と表すときの、この第1のベクトル量子化部6401
ベクトル量子化器652、662によるコードブックサ
ーチ時の歪尺度dVQ1、dVQ2を、(4)、(5)式で示
す。
【0086】
【数4】
【0087】この重み付き距離はベクトル量子化器(V
1) 652、ベクトル量子化器(VQ2) 662にそ
れぞれ送られて、ベクトル量子化が行われる。このベク
トル量子化により出力される各8ビットのインデクスは
信号切換器690に送られる。また、ベクトル量子化に
よる量子化値は、加算器651、661で、入力された
2フレーム分の量子化誤差ベクトルから減算される。重
み付き距離計算器653、663では、加算器651、
661からの出力を用いて、重み付き距離が順次算出さ
れて、重み付き距離が最小となる量子化値が選ばれる。
また、加算器651、661からの出力は、第2のベク
トル量子化部6402 の加算器671、681にそれぞ
れ送られる。
【0088】ここで、4-1 3-1 3-1 4-2 3-2 3-2 と表すときの、この第2のベクトル量子化部6402
ベクトル量子化器672、682によるコードブックサ
ーチ時の歪尺度dVQ3、dVQ4を、(6)、(7)式で示
す。
【0089】
【数5】
【0090】この重み付き距離はベクトル量子化器(V
3) 672、ベクトル量子化器(VQ4) 682にそ
れぞれ送られて、ベクトル量子化が行われる。このベク
トル量子化により出力される各8ビットのインデクスは
信号切換器690に送られる。また、ベクトル量子化に
よる量子化値は、加算器671、681で、入力された
2フレーム分の量子化誤差ベクトルから減算される。重
み付き距離計算器673、683では、加算器671、
681からの出力を用いて、重み付き距離が順次算出さ
れて、重み付き距離が最小となる量子化値が選ばれる。
【0091】また、コードブックの学習時には、上記各
歪尺度をもとにして、一般化ロイドアルゴリズム(GL
A)により学習を行う。
【0092】尚、コードブックサーチ時と学習時の歪尺
度は、異なる値であっても良い。
【0093】上記マトリクス量子化器622、632、
ベクトル量子化器652、662、672、682から
の各8ビットのインデクスは、信号切換器690で切り
換えられて、出力端子691から出力される。
【0094】具体的には、低ビットレート時には、上記
第1のマトリクス量子化工程を行う第1のマトリクス量
子化部6201 、上記第2のマトリクス量子化工程を行
う第2のマトリクス量子化部6202 、及び上記第1の
ベクトル量子化工程を行う第1のベクトル量子化部64
1 での出力を取り出し、高ビットレート時には、上記
低ビットレート時の出力に上記第2のベクトル量子化工
程を行う第2のベクトル量子化部6402 での出力を合
わせて取り出す。
【0095】これにより、2kbps 時には、32bits/
40msec のインデクスが出力され、6kbps 時には、
48bits/40msec のインデクスが出力される。
【0096】また、上記マトリクス量子化部620及び
上記ベクトル量子化部640では、上記LPC係数を表
現するパラメータの持つ特性に合わせた、周波数軸方向
又は時間軸方向、あるいは周波数軸及び時間軸方向に制
限を持つ重み付けを行う。
【0097】先ず、LSPパラメータの持つ特性に合わ
せた、周波数軸方向に制限を持つ重み付けについて説明
する。例えば、次数P=10とするとき、LSPパラメ
ータx(i)を、低域、中域、高域の3つの領域とし
て、 L1={x(i)|1≦i≦2} L2={x(i)|3≦i≦6} L3={x(i)|7≦i≦10} とグループ化する。そして、各グループL1、L2、L3
の重み付けを1/4、1/2、1/4とすると、各グル
ープL1、L2、L3 の周波数軸方向のみに制限を持つ重
みは、(8)、(9)、(10)式となる。
【0098】
【数6】
【0099】これにより、各LSPパラメータの重み付
けは、各グループ内でのみ行われ、その重みは各グルー
プに対する重み付けで制限される。
【0100】ここで、時間軸方向からみると、各フレー
ムの重み付けの総和は、必ず1となるので、時間軸方向
の制限は1フレーム単位である。この時間軸方向のみに
制限を持つ重みは、(11)式となる。
【0101】
【数7】
【0102】この(11)式により、周波数軸方向での
制限のない、フレーム番号t=0,1の2つのフレーム
間で、重み付けが行われる。この時間軸方向にのみ制限
を持つ重み付けは、マトリクス量子化を行う2フレーム
間で行う。
【0103】また、学習時には、学習データとして用い
る全ての音声フレーム、即ち全データのフレーム数Tに
ついて、(12)式により、重み付けを行う。
【0104】
【数8】
【0105】また、周波数軸方向及び時間軸方向に制限
を持つ重み付けについて説明する。例えば、次数P=1
0とするとき、LSPパラメータx(i,t)を、低
域、中域、高域の3つの領域として、 L1={x(i,t)|1≦i≦2,0≦t≦1} L2={x(i,t)|3≦i≦6,0≦t≦1} L3={x(i,t)|7≦i≦10,0≦t≦1} とグループ化する。各グループL1、L2、L3 の重み付
けを1/4、1/2、1/4とすると、各グループ
1、L2、L3 の周波数軸方向及び時間軸方向に制限を
持つ重み付けは、(13)、(14)、(15)式とな
る。
【0106】
【数9】
【0107】この(13)、(14)、(15)式によ
り、周波数軸方向では3つの帯域毎に、時間軸方向では
マトリクス量子化を行う2フレーム間に重み付けの制限
を加えた重み付けを行う。これは、コードブックサーチ
時及び学習時共に有効となる。
【0108】また、学習時においては、全データのフレ
ーム数について重み付けを行う。LSPパラメータx
(i,t)を、低域、中域、高域の3つの領域として、 L1 ={x(i,t)|1≦i≦2,0≦t≦T} L2 ={x(i,t)|3≦i≦6,0≦t≦T} L3 ={x(i,t)|7≦i≦10,0≦t≦T} とグループ化し、各グループL1、L2、L3 の重み付け
を1/4、1/2、1/4とすると、各グループL1
2、L3 の周波数軸方向及び時間軸方向に制限を持つ
重み付けは、(16)、(17)、(18)式となる。
【0109】
【数10】
【0110】この(16)、(17)、(18)式によ
り、周波数軸方向では3つの帯域毎に重み付けを行い、
時間軸方向では全フレーム間で重み付けを行うことがで
きる。
【0111】さらに、上記マトリクス量子化部620及
び上記ベクトル量子化部640では、上記LSPパラメ
ータの変化の大きさに応じて重み付けを行う。音声フレ
ーム全体においては少数フレームとなる、V→UV、U
V→Vの遷移(トランジェント)部において、子音と母
音との周波数特性の違いから、LSPパラメータは大き
く変化する。そこで、(19)式に示す重みを、上述の
重みw’(i,t)に乗算することにより、上記遷移部
を重視する重み付けを行うことができる。
【0112】
【数11】
【0113】尚、(19)式の代わりに、(20)式を
用いることも考えられる。
【0114】
【数12】
【0115】このように、LSP量子化器134では、
2段のマトリクス量子化及び2段のベクトル量子化を行
うことにより、出力するインデクスのビット数を可変に
することができる。
【0116】次に、図1,図3のベクトル量子化部11
6の基本構成を図7に、また図7のベクトル量子化部の
より具体的な構成を図8にそれぞれ示し、ベクトル量子
化器116におけるスペクトルエンベロープ(Am)の
重み付きベクトル量子化の具体例について説明する。
【0117】先ず、図3の音声信号符号化装置におい
て、スペクトル評価部148の出力側あるいはベクトル
量子化器116の入力側に設けられたスペクトルエンベ
ロープの振幅のデータ数を一定個数にするデータ数変換
の具体例について説明する。
【0118】このデータ数変換には種々の方法が考えら
れるが、本実施の形態においては、例えば、周波数軸上
の有効帯域1ブロック分の振幅データに対して、ブロッ
ク内の最後のデータからブロック内の最初のデータまで
の値を補間するようなダミーデータ、あるいはブロック
の最後のデータ、最初のデータを繰り返すような所定の
データを付加してデータ個数をNF 個に拡大した後、帯
域制限型のOS 倍(例えば8倍)のオーバーサンプリン
グを施すことによりOS 倍の個数の振幅データを求め、
このOS 倍の個数((mMX+1)×OS 個)の振幅デー
タを直線補間してさらに多くのNM 個(例えば2048
個)に拡張し、このNM 個のデータを間引いて上記一定
個数M(例えば44個)のデータに変換している。実際
には、最終的に必要なM個のデータを作成するのに必要
なデータのみをオーバーサンプリング及び直線補間で算
出しており、NM 個のデータを全て求めてはいない。
【0119】図3の重み付きベクトル量子化を行うベク
トル量子化部116は、図7に示すように、第1のベク
トル量子化工程を行う第1のベクトル量子化部500
と、この第1のベクトル量子化部500における第1の
ベクトル量子化の際の量子化誤差ベクトルを量子化する
第2のベクトル量子化工程を行う第2のベクトル量子化
部510とを少なくとも有する。この第1のベクトル量
子化部500は、いわゆる1段目のベクトル量子化部で
あり、第2のベクトル量子化部510は、いわゆる2段
目のベクトル量子化部である。
【0120】第1のベクトル量子化部500の入力端子
501には、スペクトル評価部148の出力ベクトル
、即ち一定個数Mのエンベロープデータが入力され
る。この出力ベクトルは、ベクトル量子化器502で
重み付きベクトル量子化される。これにより、ベクトル
量子化器502から出力されるシェイプインデクスは出
力端子503から出力され、また、量子化値0 'は出力
端子504から出力されると共に、加算器505、51
3に送られる。加算器505では、ソースベクトル
ら量子化値0 'が減算されて、量子化誤差ベクトル
得られる。
【0121】この量子化誤差ベクトルは、第2のベク
トル量子化部510内のベクトル量子化部511に送ら
れる。このベクトル量子化部511は、複数個のベクト
ル量子化器で構成され、図7では、2個のベクトル量子
化器5111、5112から成る。量子化誤差ベクトル
は次元分割されて、2個のベクトル量子化器5111
5112で、それぞれ重み付きベクトル量子化される。
これらのベクトル量子化器5111、5112から出力さ
れるシェイプインデクスは、出力端子5121、5122
からそれぞれ出力され、また、量子化値1 ’、2 ’は
次元方向に接続されて、加算器513に送られる。この
加算器513では、量子化値1 ’、2 ’と量子化値
0 ’とが加算されて、量子化値1 ’が生成される。この
量子化値1 ’は出力端子514から出力される。
【0122】これにより、低ビットレート時には、上記
第1のベクトル量子化部500による第1のベクトル量
子化工程での出力を取り出し、高ビットレート時には、
上記第1のベクトル量子化工程での出力及び上記第2の
量子化部510による第2のベクトル量子化工程での出
力を取り出す。
【0123】具体的には、図8に示すように、ベクトル
量子化器116内の第1のベクトル量子化部500のベ
クトル量子化器502は、L次元、例えば44次元の2
ステージ構成としている。
【0124】すなわち、44次元でコードブックサイズ
が32のベクトル量子化コードブックからの出力ベクト
ルの和に、ゲインgi を乗じたものを、44次元のスペ
クトルエンベロープベクトルの量子化値0 ’として
使用する。これは、図8に示すように、2つのシェイプ
コードブックをCB0、CB1とし、その出力ベクトル
0i 1j 、ただし0≦i,j≦31、とする。ま
た、ゲインコードブックCBgの出力をgl 、ただし0
≦l≦31、とする。gl はスカラ値である。この最終
出力0 'は、gi0i 1j ) となる。
【0125】LPC残差について上記MBE分析によっ
て得られたスペクトルエンベロープAmを一定次元に変
換したものをとする。このとき、をいかに効率的に
量子化するかが重要である。
【0126】ここで、量子化誤差エネルギEを、 E=‖W{H−Hgl0i 1j )}‖2 ・・・ (21) =‖WH{−gl0i 1j )}‖2 と定義する。この(21)式において、HはLPCの合
成フィルタの周波数軸上での特性であり、Wは聴覚重
み付けの周波数軸上での特性を表す重み付けのための行
列である。
【0127】行列Hは、現フレームのLPC分析結果
によるαパラメータを、αi (1≦i≦P)として、
【0128】
【数13】
【0129】の周波数特性からL次元、例えば44次元
の各対応する点の値をサンプルしたものである。
【0130】算出手順としては、一例として、1、
α1、α2、・・・、αp に0詰めして、すなわち、1、
α1、α2、・・・、αp 、0、0、・・・、0として、
例えば256点のデータにする。その後、256点FF
Tを行い、(re2+im21/2 を0〜πに対応する点に対
して算出して、その逆数をとる。それをL点、すなわち
例えば44点に間引いたものを対角要素とする行列を、
【0131】
【数14】
【0132】とする。
【0133】聴覚重み付け行列Wは、以下のように求
められる。
【0134】
【数15】
【0135】この(23)式で、αi は入力のLPC分
析結果である。また、λa、λbは定数であり、一例とし
て、λa=0.4、λb=0.9が挙げられる。
【0136】行列あるいはマトリクスWは、上記(2
3)式の周波数特性から算出できる。一例として、1、
α1λb、α2λb2、・・・、αpλbp、0、0、・・・、
0として256点のデータとしてFFTを行い、0以上
π以下の区間に対して(re2[i]+im2[i])1/2 、0≦
i≦128、を求める。次に、1、α1λa、α2λa2
・・・、αpλap 、0、0、・・・、0として分母の周
波数特性を256点FFTで0〜πの区間を128点で
算出する。これを(re'2[i]+im'2[i])1/2、0≦i
≦128、とする。
【0137】
【数16】
【0138】として、上記(23)式の周波数特性が求
められる。
【0139】これをL次元、例えば44次元ベクトルの
対応する点について、以下の方法で求める。より正確に
は、直線補間を用いるべきであるが、以下の例では最も
近い点の値で代用している。
【0140】すなわち、 ω[i]=ω0[nint(128i/L)] 1≦i≦L ただし、nint(X)は、Xに最も近い整数を返す関数で
ある。
【0141】また、上記Hに関しても同様の方法で、
h(1)、h(2)、・・・、h(L)を求めている。すなわち、
【0142】
【数17】
【0143】となる。
【0144】ここで、他の例として、FFTの回数を減
らすのに、H(z)W(z)を先に求めてから、周波数特性
を求めてもよい。すなわち、
【0145】
【数18】
【0146】この(25)式の分母を展開した結果を、
【0147】
【数19】
【0148】とする。ここで、1、β1、β2、・・・、
β2p、0、0、・・・、0として、例えば256点のデ
ータにする。その後、256点FFTを行い、振幅の周
波数特性を、
【0149】
【数20】
【0150】とする。これより、
【0151】
【数21】
【0152】これをL次元ベクトルの対応する点につい
て求める。上記FFTのポイント数が少ない場合は、直
線補間で求めるべきであるが、ここでは最寄りの値を使
用している。すなわち、
【0153】
【数22】
【0154】である。これを対角要素とする行列を
W’とすると、
【0155】
【数23】
【0156】となる。(26)式は上記(24)式と同
一のマトリクスとなる。
【0157】あるいは、(25)式より直接|H(exp
(jω))W(exp(jω))|をω=iπ/L(ただし、1
≦i≦L)に関して算出したものをwh[i] に使用しても
よい。又は、(25)式のインパルス応答を適当な長さ
(例えば40点)求めて、それを用いてFFTして振幅
周波数特性を求めて使用してもよい。
【0158】ここで、本発明の実施の形態として、聴覚
重み付けフィルタの特性とLPC合成フィルタの特性を
持った重みW’の計算における演算量を少なくする方
法について説明する。
【0159】上記(25)式に示されたH(z)W(z)を
Q(z)とする。すなわち、
【0160】
【数24】
【0161】として、Q(z)のインパルス応答を求め
る。それをq(n)、0≦n<Limp とする。Limp はイ
ンパルス応答長であり、例えばLimp=40 である。
【0162】本実施の形態においては、P=10である
ので、上記(a1)式は30個の係数を持つ20次のI
IR(無限インパルス応答)フィルタとなる。概略でL
imp×3P=40×30=1200回の積和演算で、上
記(a1)式のインパルス応答q(n)がLimp サンプル
分求められる。このq(n)に0詰めをして、q'(n)、
0≦n<2m とする。例えばm=7の場合には、トータ
ル128個のデータとすべく、2m−Limp=128−4
0=88個の0をq(n)にアペンド(0詰め)して、
q'(n) とする。
【0163】このq'(n) を、2m(=128) 点、F
FT(高速フーリエ変換)する。FFTの結果の実部、
虚部をそれぞれ re[i],im[i] 、0≦i≦2m-1 とす
る。これより、
【0164】
【数25】
【0165】を算出する。これがQ(z)の2m-1 点で表
された振幅周波数応答である。このrm[i] の隣接する
値同士を直線補間して、2m 点で周波数応答を表す。な
お、直線補間の代わりに、より高次の補間を用いてもよ
いが、その分演算量が増えることになる。
【0166】上記補間により求められた配列をwlpc[i]
、0≦i≦2m とすると、 wlpc[2i] = rm[i] 0≦i≦2m-1 ・・・ (a3) wlpc[2i+1]=(rm[i]+rm[i+1])/2 0≦i<2m-1 ・・・ (a4) であり、これでwlpc[i] 、0≦i≦128が算出され
る。
【0167】これより、上記 wh0[i] を使用する代わり
に、 wh[i] = wlpc[nint(128i/L)] 1≦i≦L ・・・ (a5) ただし、nint(x) は、xに最も近い整数を返す関数とし
て、wh[i] を導出できる。これは、128点のFFTを
1回演算することにより、上記(26)式のW’が求
められることになる。
【0168】一般に、N点FFTに必要な演算量は、概
略 (N/2)log2N の複素乗算 Nlog2N の複素加算 であり、これは、 (N/2)log2N×4 の実数乗算 Nlog2N×2 の実数加算 に相当する。
【0169】このような方法によれば、先ず、上記イン
パルス応答q(n)を求める積和演算量が1200であ
る。また、上記m=7で、N=27 =128の場合のF
FTの演算量は、略々 128/2×7×4 = 1792 128×7×2 = 1792 となり、積和を1として、約1792のオーダになる。
次に、上記(a2)式の計算は、2乗和の演算量を約
3、平方根の演算量を約50として、これが2m-1=26
=64回計算されることより、 64×(3+50) = 3392 また、上記(a4)式の補間は、64×2=128程度
のオーダとなる。
【0170】従って、これらの総計は、 1200+1792+3392+128 = 6512 すなわち、6512程度のオーダとなる。
【0171】さらに、重みマトリクスWは、W'T
Wのパターンで使用されるので、上記(a2)式の平
方根演算を省略して、rm2[i]のみを求めて使用しても
よい。この場合、上記(a3)式、(a4)式は、rm
[i] ではなくrm2[i]に対して行い、上記(a5)式で
求めるものも、wh[i] ではなくwh2[i]となる。このとき
の上記rm2[i]を求める演算量は192となり、総計の
演算量は、 1200+1792+192+128 = 3312 すなわち3312程度のオーダとなる。
【0172】なお、上記(25)式から(26)式まで
の演算をそのままの形で行う場合には、演算量の総計
は、約12160程度のオーダとなる。すなわち、先
ず、上記(25)式の分子、分母共に256点FFT演
算が行われ、これらの256点FFTは、上述したよう
に、それぞれが256/2×8×4=4096のオーダ
となる。また、上記 wh0[i] の演算には、2回の2乗和
(演算量各3)、割算(演算量約25)及び平方根計算
(演算量約50)があって、これが128回分で、12
8×(3+3+25+50)=10368となるが、こ
れについても上述と同様に平方根の計算を省略すると、
128×(3+3+25)=3968のオーダの演算量
となる。従って、これらの総計は、4096×2+39
68=12160のオーダとなる。
【0173】このようなことから、上記(25)式をそ
のまま計算して、上記wh0[i]の代わりにwh0 2[i] を計算
する場合には、12160程度のオーダの演算量が必要
となるのに対して、上記(a1)式から(a5)式まで
のような計算を行うことにより、演算量は3312程度
のオーダに削減され、約1/4強程度にまで演算量が削
減されることになる。
【0174】以上説明したような演算量を少なくした重
みの計算処理手順をまとめると、図9のフローチャート
のようになる。
【0175】この図9において、最初のステップS91
で重みの伝達関数の上記(a1)式を導出し、次のステ
ップS92で上記(a1)式のインパルス応答を導出す
る。このインパルス応答に対してステップS93で0ア
ペンド(0詰め)した後、ステップS94でFFT(高
速フーリエ変換)する。なお、0アペンドしなくても2
のべき乗の長さのインパルス応答を算出した場合は、そ
のままFFTしてもよい。次のステップS95で振幅又
は振幅の2乗の周波数特性を算出する。次のステップS
96で、周波数特性のポイント数を増やすための直線補
間を行う。
【0176】このような重み付きベクトル量子化の重み
の計算は、音声符号化のみならず、オーディオ信号等の
可聴信号の符号化に適用できる。すなわち、音声又はオ
ーディオ信号を周波数領域のパラメータとしてのDFT
(離散フーリエ変換)係数、DCT(離散コサイン変
換)係数、MDCT(改良DCT)係数など、又はその
パラメータに基づいて得られたパラメータ、例えばハー
モニクス振幅、LPC残差のハーモニクス振幅などで表
現する可聴信号符号化において、そのパラメータを重み
付きベクトル量子化する際、重みの伝達関数のインパル
ス応答、又はインパルス応答を打ち切ったものに0アペ
ンド(0詰め)したものをFFTして、その結果に基づ
いて重みを算出するようにすればよい。この場合、上記
重みのインパルス応答のFFTを行った後に、FFT係
数そのもの(re,im) (ただし、係数の実部をre、虚部
をimとする。)、re2+im2 、又は(re2+im21/2のい
ずれかを補間したものを上記重みとして使用することが
好ましい。
【0177】ここで、上述した(26)式のマトリクス
W’、すなわち重み付き合成フィルタの周波数特性を
用いて、上記(21)式を書き直すと、
【0178】
【数26】
【0179】となる。
【0180】次に、シェイプコードブックとゲインコー
ドブックの学習法について説明する。
【0181】先ず、CB0に関しコードベクトル0c
選択する全てのフレームkに関して歪の期待値を最小化
する。そのようなフレームがM個あるとして、
【0182】
【数27】
【0183】を最小化すればよい。この(28)式中
で、Wk'はk番目のフレームに対する重み、k はk
番目のフレームの入力、gk はk番目のフレームのゲイ
ン、1k はk番目のフレームについてのコードブックC
B1からの出力、をそれぞれ示す。
【0184】この(28)式を最小化するには、
【0185】
【数28】
【0186】
【数29】
【0187】次に、ゲインに関しての最適化を考える。
【0188】ゲインのコードワードgc を選択するk番
目のフレームに関しての歪の期待値Jg は、
【0189】
【数30】
【0190】上記(31)式及び(32)式は、シェイ
0i 1j 及びゲインgl 、0≦i≦31、0≦j≦
31、0≦l≦31の最適なセントロイドコンディショ
ン(Centroid Condition)、すなわち最適なデコーダ出力
を与えるものである。なお、1j に関しても0i と同様
に求めることができる。
【0191】次に、最適エンコード条件(Nearest Neig
hbour Condition )を考える。
【0192】歪尺度を求める上記(27)式、すなわ
ち、 E=‖W'(−gl0i 1j ))‖2 を最小化する0i 1j を、入力、重みマトリクス
W' が与えられる毎に、すなわち毎フレームごとに決
定する。
【0193】本来は、総当り的に全てのgl (0≦l≦
31)、0i (0≦i≦31)、1j (0≦j≦31)
の組み合せの、32×32×32=32768通りにつ
いてEを求めて、最小のEを与えるgl0i 1j
組を求めるべきであるが、膨大な演算量となるので、本
実施の形態では、シェイプとゲインのシーケンシャルサ
ーチを行っている。なお、0i 1j との組み合せにつ
いては、総当りサーチを行うものとする。これは、32
×32=1024通りである。以下の説明では、簡単化
のため、0i 1j m と記す。
【0194】上記(27)式は、E=‖W'(−gl
m)‖2 となる。さらに簡単のため、w =W'
w =W'm とすると、
【0195】
【数31】
【0196】となる。従って、gl の精度が充分にとれ
ると仮定すると、
【0197】
【数32】
【0198】という2つのステップに分けてサーチする
ことができる。元の表記を用いて書き直すと、
【0199】
【数33】
【0200】となる。この(35)式が最適エンコード
条件(Nearest Neighbour Condition)である。
【0201】ここで上記(31)、(32)式の条件
(Centroid Condition)と、(35)式の条件を用い
て、LBG(Linde-Buzo-Gray) アルゴリズム、いわゆる
一般化ロイドアルゴリズム(Generalized Lloyd Algori
thm:GLA)によりコードブック(CB0、CB1、C
Bg)を同時にトレーニングできる。
【0202】なお、本実施の形態では、W’として、
入力のノルムで割り込んだW’を使用している。す
なわち、上記(31)、(32)、(35)式におい
て、事前にW’にW’/‖‖を代入して使用して
いる。
【0203】あるいは別法として、ベクトル量子化器1
16でのベクトル量子化の際の聴覚重み付けに用いられ
る重みW’については、上記(26)式で定義されて
いるが、過去のW’も加味して現在のW’を求める
ことにより、テンポラルマスキングも考慮したW’を
求めてもよい。
【0204】上記(26)式中のwh(1),wh(2),・・・,w
h(L)に関して、時刻n、すなわち第nフレームで算出さ
れたものをそれぞれwhn(1),whn(2),・・・,whn(L) とす
る。
【0205】時刻nで過去の値を考慮した重みをA
n(i)、1≦i≦L と定義すると、
【0206】
【数34】
【0207】とする。ここで、λは例えばλ=0.2と
すればよい。このようにして求められたAn(i)、1≦i
≦L について、これを対角要素とするマトリクスを上
記重みとして用いればよい。
【0208】このように重み付きベクトル量子化により
得られたシェイプインデクス0i 1j は、出力端子5
20、522からそれぞれ出力され、ゲインインデクス
lは、出力端子521から出力される。また、量子化
0 'は、出力端子504から出力されると共に、加算
器505に送られる。
【0209】この加算器505では、スペクトルエンベ
ロープベクトルから量子化値0 'が減算されて、量子
化誤差ベクトルが生成される。この量子化誤差ベクト
は、具体的には、8個のベクトル量子化器5111
〜5118から成るベクトル量子化部511に送られ
て、次元分割され、各ベクトル量子化器5111〜51
8で重み付きのベクトル量子化が施される。
【0210】第2のベクトル量子化部510では、第1
のベクトル量子化部500と比較して、かなり多くのビ
ット数を用いるため、コードブックのメモリ容量及びコ
ードブックサーチのための演算量(Complexity)が非常
に大きくなり、第1のベクトル量子化部500と同じ4
4次元のままでベクトル量子化を行うことは、不可能で
ある。そこで、第2のベクトル量子化部510内のベク
トル量子化部511を複数個のベクトル量子化器で構成
し、入力される量子化値を次元分割して、複数個の低次
元ベクトルとして、重み付きのベクトル量子化を行う。
【0211】ベクトル量子化器5111〜5118で用い
る各量子化値0 7 と、次元数と、ビット数との関係
を、表2に示す。
【0212】
【表2】
【0213】ベクトル量子化器5111〜5118から出
力されるインデクスIdvq0〜Idvq7は、各出力端子52
1〜5238からそれぞれ出力される。これらのインデ
クスの合計は72ビットである。
【0214】また、ベクトル量子化器5111〜5118
から出力される量子化値0 ’〜7 ’を次元方向に接続
した値を’とすると、加算器513では、量子化値
’と量子化値0 ’とが加算されて、量子化値1 ’が
得られる。よって、この量子化値1 ’は、1 ’=0 ’+’ =’ で表される。すなわち、最終的な量子化誤差ベクトル
は、’−となる。
【0215】尚、音声信号復号化装置側では、この第2
のベクトル量子化部510からの量子化値1 ’ を復号
化するときには、第1のベクトル量子化部500からの
量子化値0 ’ は不要であるが、第1のベクトル量子化
部500及び第2のベクトル量子化部510からのイン
デクスは必要とする。
【0216】次に、上記ベクトル量子化部511におけ
る学習法及びコードブックサーチについて説明する。
【0217】先ず、学習法においては、量子化誤差ベク
トル及び重みw’を用い、表2に示すように、8つの
低次元ベクトル0 7 及びマトリクスに分割する。こ
のとき、重みW’は、例えば44点に間引いたものを
対角要素とする行列、
【0218】
【数35】
【0219】とすると、以下の8つの行列に分割され
る。
【0220】
【数36】
【0221】このように、及びW’の低次元に分割
されたものを、それぞれi 、Wi’ (1≦i≦8) とする。
【0222】ここで、歪尺度Eを、 E=‖Wi'(i )‖2 ・・・(37) と定義する。このコードベクトルi の量子化結果
であり、歪尺度Eを最小化する、コードブックのコード
ベクトルがサーチされる。
【0223】尚、Wi’は、学習時には重み付けがあ
り、サーチ時には重み付け無し、すなわち単位行列と
し、学習時とコードブックサーチ時とでは異なる値を用
いるようにしてもよい。
【0224】また、コードブックの学習では、一般化ロ
イドアルゴリズム(GLA)を用い、さらに重み付けを
行っている。先ず、学習のための最適なセントロイドコ
ンディションについて説明する。コードベクトルを最
適な量子化結果として選択した入力ベクトルがM個あ
る場合に、トレーニングデータをk とすると、歪の期
待値Jは、全てのフレームkに関して重み付け時の歪の
中心を最小化するような(38)式となる。
【0225】
【数37】
【0226】上記(39)式で示すは最適な代表ベク
トルであり、最適なセントロイドコンディションであ
る。
【0227】また、最適エンコード条件は、‖Wi'
i )‖2 の値を最小化するをサーチすればよ
い。ここでサーチ時のWi'は、必ずしも学習時と同じ
i'である必要はなく、重み無しで
【0228】
【数38】
【0229】のマトリクスとしてもよい。
【0230】このように、音声信号符号化装置内のベク
トル量子化部116を2段のベクトル量子化部から構成
することにより、出力するインデクスのビット数を可変
にすることができる。
【0231】次に、本発明の前記CELP符号化構成を
用いた第2の符号化部120は、より具体的には図10
に示すような、多段のベクトル量子化処理部(図10の
例では2段の符号化部1201と1202)の構成を有す
るものとなされている。なお、当該図10の構成は、伝
送ビットレートを例えば前記2kbpsと6kbpsと
で切り換え可能な場合において、6kbpsの伝送ビッ
トレートに対応した構成を示しており、さらにシェイプ
及びゲインインデクス出力を23ビット/5msecと
15ビット/5msecとで切り換えられるようにして
いるものである。また、この図10の構成における処理
の流れは図11に示すようになっている。
【0232】この図10において、例えば、図10の第
1の符号化部300は前記図3の第1の符号化部113
と略々対応し、図10のLPC分析回路302は前記図
3に示したLPC分析回路132と対応し、図10のL
SPパラメータ量子化回路303は図3の前記α→LS
P変換回路133からLSP→α変換回路137までの
構成と対応し、図10の聴覚重み付けフィルタ304は
図3の前記聴覚重み付けフィルタ算出回路139及び聴
覚重み付けフィルタ125と対応している。したがっ
て、この図10において、端子305には前記図3の第
1の符号化部113のLSP→α変換回路137からの
出力と同じものが供給され、また、端子307には前記
図3の聴覚重み付けフィルタ算出回路139からの出力
と同じものが、端子306には前記図3の聴覚重み付け
フィルタ125からの出力と同じものが供給される。た
だし、この図10の聴覚重み付けフィルタ304では、
前記図3の聴覚重み付けフィルタ125とは異なり、前
記LSP→α変換回路137の出力を用いずに、入力音
声データと量子化前のαパラメータとから、前記聴覚重
み付けした信号(すなわち前記図3の聴覚重み付けフィ
ルタ125からの出力と同じ信号)を生成している。
【0233】また、この図10に示す2段構成の第2の
符号化部1201及び1202において、減算器313及
び323は図3の減算器123と対応し、距離計算回路
314及び324は図3の距離計算回路124と、ゲイ
ン回路311及び321は図3のゲイン回路126と、
ストキャスティックコードブック310,320及びゲ
インコードブック315,325は図3の雑音符号帳1
21とそれぞれ対応している。
【0234】このような図10の構成において、先ず、
図11のステップS1に示すように、LPC分析回路3
02では、端子301から供給された入力音声データ
を前述同様に適当なフレームに分割してLPC分析を行
い、αパラメータを求める。LSPパラメータ量子化回
路303では、上記LPC分析回路302からのαパラ
メータをLSPパラメータに変換して量子化し、さらに
この量子化したLSPパラメータを補間した後、αパラ
メータに変換する。次に、当該LSPパラメータ量子化
回路303では、当該量子化したLSPパラメータを変
換したαパラメータ、すなわち量子化されたαパラメー
タから、LPC合成フィルタ関数1/H(z)を生成
し、これを端子305を介して1段目の第2の符号化部
1201の聴覚重み付き合成フィルタ312に送る。
【0235】一方、聴覚重み付けフィルタ304では、
LPC分析回路302からのαパラメータ(すなわち量
子化前のαパラメータ)から、前記図3の聴覚重み付け
フィルタ算出回路139によるものと同じ聴覚重み付け
のためのデータを求め、この重み付けのためのデータが
端子307を介して、1段目の第2の符号化部1201
の聴覚重み付き合成フィルタ312に送られる。また、
当該聴覚重み付けフィルタ304では、図11のステッ
プS2に示すように、入力音声データと量子化前のαパ
ラメータとから、前記聴覚重み付けした信号(前記図3
の聴覚重み付けフィルタ125からの出力と同じ信号)
を生成する。すなわち、先ず、量子化前のαパラメータ
から聴覚重み付けフィルタ関数W(z)を生成し、さら
に入力音声データに当該フィルタ関数W(z)を適用
してW を生成し、これを上記聴覚重み付けした信号と
して、端子306を介して1段目の第2の符号化部12
1 の減算器313に送る。
【0236】1段目の第2の符号化部1201 では、9
ビットシェイプインデクス出力のストキャスティックコ
ードブック(stochastic code book)310からの代表
値出力(無声音のLPC残差に相当するノイズ出力)が
ゲイン回路311に送られ、このゲイン回路311に
て、ストキャスティックコードブック310からの代表
値出力に6ビットゲインインデクス出力のゲインコード
ブック315からのゲイン(スカラ値)を乗じ、このゲ
イン回路311にてゲインが乗じられた代表値出力が、
1/A(z)=(1/H(z))・W(z)の聴覚重み
付きの合成フィルタ312に送られる。この重み付きの
合成フィルタ312からは、図11のステップS3のよ
うに、1/A(z)のゼロ入力応答出力が減算器313
に送られる。当該減算器313では、上記聴覚重み付き
合成フィルタ312からのゼロ入力応答出力と、上記聴
覚重み付けフィルタ304からの上記聴覚重み付けした
信号W とを用いた減算が行われ、この差分或いは誤差
が参照ベクトルとして取り出される。図11のステッ
プS4に示すように、1段目の第2の符号化部1201
でのサーチ時には、この参照ベクトルが、距離計算回
路314に送られ、ここで距離計算が行われ、量子化誤
差エネルギEを最小にするシェイプベクトルとゲイン
gがサーチされる。ただし、ここでの1/A(z)はゼ
ロ状態である。すなわち、コードブック中のシェイプベ
クトルをゼロ状態の1/A(z)で合成したものを
syn とするとき、式(40)を最小にするシェイプベク
トルとゲインgをサーチする。
【0237】
【数39】
【0238】ここで、量子化誤差エネルギEを最小とす
とgをフルサーチしてもよいが、計算量を減らすた
めに、以下のような方法をとることができる。なお、r
(n)等は、ベクトル等の要素を表している。
【0239】第1の方法として、以下の式(41)に定
義するEsを最小とするシェイプベクトルをサーチす
る。
【0240】
【数40】
【0241】第2の方法として、第1の方法により得ら
れたより、理想的なゲインは、式(42)のようにな
るから、式(43)を最小とするgをサーチする。
【0242】
【数41】
【0243】 Eg=(gref−g)2 (43) ここで、Eはgの二次関数であるから、Egを最小にす
るgはEを最小化する。
【0244】上記第1,第2の方法によって得られた
とgより、量子化誤差ベクトルは次の式(44)のよ
うに計算できる。
【0245】−gsyn (44) これを、2段目の第2の符号化部1202 のリファレン
ス入力として1段目と同様にして量子化する。
【0246】すなわち、上記1段目の第2の符号化部1
201 の聴覚重み付き合成フィルタ312からは、端子
305及び端子307に供給された信号がそのまま2段
目の第2の符号化部1202の聴覚重み付き合成フィル
タ322に送られる。また、当該2段目の第2の符号化
部1202減算器323には、1段目の第2の符号化部
1201にて求めた上記量子化誤差ベクトルが供給さ
れる。
【0247】次に、図11のステップS5において、当
該2段目の第2の符号化部1202でも1段目と同様に
処理が行われる。すなわち、5ビットシェイプインデク
ス出力のストキャスティックコードブック320からの
代表値出力がゲイン回路321に送られ、このゲイン回
路321にて、当該コードブック320からの代表値出
力に3ビットゲインインデクス出力のゲインコードブッ
ク325からのゲインを乗じ、このゲイン回路321の
出力が、聴覚重み付きの合成フィルタ322に送られ
る。当該重み付きの合成フィルタ322からの出力は減
算器323に送られ、当該減算器323にて上記聴覚重
み付き合成フィルタ322からの出力と1段目の量子化
誤差ベクトルとの差分が求められ、この差分が距離計
算回路324に送られてここで距離計算が行われ、量子
化誤差エネルギEを最小にするシェイプベクトルとゲ
インgがサーチされる。
【0248】上述したような1段目の第2の符号化部1
201 のストキャストコードブック310からのシェイ
プインデクス出力及びゲインコードブック315からの
ゲインインデクス出力と、2段目の第2の符号化部12
2 のストキャストコードブック320からのインデク
ス出力及びゲインコードブック325からのインデクス
出力は、インデクス出力切り換え回路330に送られる
ようになっている。ここで、当該第2の符号化部120
から23ビット出力を行うときには、上記1段目と2段
目の第2の符号化部1201及び1202のストキャスト
コードブック310,320及びゲインコードブック3
15,325からの各インデクスを合わせて出力し、一
方、15ビット出力を行うときには、上記1段目の第2
の符号化部1201 のストキャストコードブック310
とゲインコードブック315からの各インデクスを出力
する。
【0249】その後は、ステップS6のようにフィルタ
状態がアップデートされる。
【0250】ところで、本実施の形態では、2段目の第
2の符号化部1202 のインデクスビット数が、シェイ
プベクトルについては5ビットで、ゲインについては3
ビットと非常に少ない。このような場合、適切なシェイ
プ、ゲインがコードブックに存在しないと、量子化誤差
を減らすどころか逆に増やしてしまう可能性がある。
【0251】この問題を防ぐためには、ゲインに0を用
意しておけばよいが、ゲインは3ビットしかなく、その
うちの一つを0にしてしまうのは量子化器の性能を大き
く低下させてしまう。そこで、比較的多いビット数を割
り当てたシェイプベクトルに、要素が全て0のベクトル
を用意する。そして、このゼロベクトルを除いて、前述
のサーチを行い、量子化誤差が最終的に増えてしまった
場合に、ゼロベクトルを選択するようにする。なお、こ
のときのゲインは任意である。これにより、2段目の第
2の符号化部1202が量子化誤差を増すことを防ぐこ
とができる。
【0252】なお、図10の例では、2段構成の場合を
例に挙げているが、2段に限らず複数段構成とすること
ができる。この場合、1段目のクローズドループサーチ
によるベクトル量子化が終了したら、N段目(2≦N)
ではN−1段目の量子化誤差をリファレンス入力として
量子化を行い、さらにその量子化誤差をN+1段目のリ
ファレンス入力とする。
【0253】上述したように、図10及び図11から、
第2の符号化部に多段のベクトル量子化器を用いること
により、従来のような同じビット数のストレートベクト
ル量子化や共役コードブックなどを用いたものと比較し
て、計算量が少なくなる。特に、CELP符号化では、
合成による分析(Analysis by Synthesis )法を用いた
クローズドループサーチを用いた時間軸波形のベクトル
量子化を行っているため、サーチの回数が少ないことが
重要である。また、2段の第2の符号化部1201と1
202の両インデクス出力を用いる場合と、1段目の第
2の符号化部1201のインデクス出力のみを用いる
(2段目の第2の符号化部1202の出力インデクスを
用いない)場合とを切り換えることにより、簡単にビッ
ト数を切り換えることが可能となっている。さらに上述
したように、1段目と2段目の第2の符号化部1201
と1202の両インデクス出力を合わせて出力するよう
なことを行えば、後のデコーダ側において例えば何れか
を選ぶようにすることで、デコーダ側でも容易に対応で
きることになる。すなわち例えば6kbpsでエンコー
ドしたパラメータを、2kbpsのデコーダでデコード
するときに、デコーダ側で容易に対応できることにな
る。またさらに、例えば2段目の第2の符号化部120
2のシェイプコードブックにゼロベクトルを含ませるこ
とにより、割り当てられたビット数が少ない場合でも、
ゲインに0を加えるよりは少ない性能劣化で量子化誤差
が増加することを防ぐことが可能となっている。
【0254】次に、上記ストキャスティックコードブッ
クのコードベクトル(シェイプベクトル)は例えば以下
のようにして生成することができる。
【0255】例えば、ストキャスティックコードブック
のコードベクトルは、いわゆるガウシアンノイズのクリ
ッピングにより生成することができる。具体的には、ガ
ウシアンノイズを発生させ、これを適当なスレシホール
ド値でクリッピングし、それを正規化することで、コー
ドブックを構成することができる。
【0256】ところが、音声には様々な形態があり、例
えば「さ,し,す,せ,そ」のようなノイズに近い子音
の音声には、ガウシアンノイズが適しているが、例えば
「ぱ,ぴ,ぷ,ぺ,ぽ」のような立ち上がりの激しい子
音(急峻な子音)の音声については、対応しきれない。
【0257】そこで、本発明では、全コードベクトルの
うち、適当な数はガウシアンノイズとし、残りを学習に
より求めて上記立ち上がりの激しい子音とノイズに近い
子音の何れにも対応できるようにする。例えば、スレシ
ホールド値を大きくとると、大きなピークを幾つか持つ
ようなベクトルが得られ、一方、スレシホールド値を小
さくとると、ガウシアンノイズそのものに近くなる。し
たがって、このようにクリッピングスレシホールド値の
バリエーションを増やすことにより、例えば「ぱ,ぴ,
ぷ,ぺ,ぽ」のような立ち上がりの激しい子音や、例え
ば「さ,し,す,せ,そ」のようなノイズに近い子音な
どに対応でき、明瞭度を向上させることができるように
なる。なお、図12には、図中実線で示すガウシアンノ
イズと図中点線で示すクリッピング後のノイズの様子を
示している。また、図12の(A)はクリッピングスレ
シホールド値が1.0の場合(すなわちスレシホールド
値が大きい場合)を、図12の(B)にはクリッピング
スレシホールド値が0.4の場合(すなわちスレシホー
ルド値が小さい場合)を示している。この図12の
(A)及び(B)から、スレシホールド値を大きくとる
と、大きなピークを幾つか持つようなベクトルが得ら
れ、一方、スレシホールド値を小さくとると、ガウシア
ンノイズそのものに近くなることが判る。
【0258】このようなことを実現するため、先ず、ガ
ウシアンノイズのクリッピングにより初期コードブック
を構成し、さらに予め適当な数だけ学習を行わないコー
ドベクトルを決めておく。この学習しないコードベクト
ルは、その分散値が小さいものから順に選ぶようにす
る。これは、例えば「さ,し,す,せ,そ」のようなノ
イズに近い子音に対応させるためである。一方、学習を
行って求めるコードベクトルは、当該学習のアルゴリズ
ムとしてLBGアルゴリズムを用いるようにする。ここ
で最適エンコード条件(Nearest Neighbour Conditio
n) でのエンコードは固定したコードベクトルと、学習
対象のコードベクトル両方を使用して行う。セントロイ
ドコンディション(Centroid Condition)においては、
学習対象のコードベクトルのみをアップデートする。こ
れにより、学習対象となったコードベクトルは「ぱ,
ぴ,ぷ,ぺ,ぽ」などの立ち上がりの激しい子音に対応
するようになる。
【0259】なお、ゲインは通常通りの学習を行うこと
で、これらのコードベクトルに対して最適なものが学習
できる。
【0260】上述したガウシアンノイズのクリッピング
によるコードブックの構成のための処理の流れを図13
に示す。
【0261】この図13において、ステップS10で
は、初期化として、学習回数n=0とし、誤差D0=∞
とし、最大学習回数nmaxを決定し、学習終了条件を決
めるスレシホールド値εを決定する。
【0262】次のステップS11では、ガウシアンノイ
ズのクリッピングによる初期コードブックを生成し、ス
テップS12では学習を行わないコードベクトルとして
一部のコードベクトルを固定する。
【0263】次にステップS13では上記コードブック
を用いてエンコードを行い、ステップS14では誤差を
算出し、ステップS15では(Dn-1−Dn)/Dn
ε、若しくはn=nmaxか否かを判断し、Yesと判断
した場合には処理を終了し、Noと判断した場合にはス
テップS16に進む。
【0264】ステップS16ではエンコードに使用され
なかったコードベクトルの処理を行い、次のステップS
17ではコードブックのアップデートを行う。次にステ
ップS18では学習回数nを1インクリメントし、その
後ステップS13に戻る。
【0265】次に、図3の音声信号符号化装置におい
て、V/UV(有声音/無声音)判定部115の具体例
について説明する。
【0266】このV/UV判定部115においては、直
交変換回路145からの出力と、高精度ピッチサーチ部
146からの最適ピッチと、スペクトル評価部148か
らのスペクトル振幅データと、オープンループピッチサ
ーチ部141からの正規化自己相関最大値r(p) と、ゼ
ロクロスカウンタ142からのゼロクロスカウント値と
に基づいて、当該フレームのV/UV判定が行われる。
さらに、MBEの場合と同様な各バンド毎のV/UV判
定結果の境界位置も当該フレームのV/UV判定の一条
件としている。
【0267】このMBEの場合の各バンド毎のV/UV
判定結果を用いたV/UV判定条件について以下に説明
する。
【0268】MBEの場合の第m番目のハーモニクスの
大きさを表すパラメータあるいは振幅|Am| は、
【0269】
【数42】
【0270】により表せる。この式において、|S(j)
| は、LPC残差をDFTしたスペクトルであり、|
E(j)| は、基底信号のスペクトル、具体的には256
ポイントのハミング窓をDFTしたものである。また、
m及びbmは、第m番目のハーモニクスに対応する第m
バンドに対応する周波数をインデクスjで表現したとき
の下限値及び上限値である。また、各バンド毎のV/U
V判定のために、NSR(ノイズtoシグナル比)を利用
する。この第mバンドのNSRは、
【0271】
【数43】
【0272】と表せ、このNSR値が所定の閾値(例え
ば0.3 )より大のとき(エラーが大きい)ときには、そ
のバンドでの|Am ||E(j) |による|S(j) |の近
似が良くない(上記励起信号|E(j) |が基底として不
適当である)と判断でき、当該バンドをUV(Unvoice
d、無声音)と判別する。これ以外のときは、近似があ
る程度良好に行われていると判断でき、そのバンドをV
(Voiced、有声音)と判別する。
【0273】ここで、上記各バンド(ハーモニクス)の
NSRは、各ハーモニクス毎のスペクトル類似度をあら
わしている。NSRのハーモニクスのゲインによる重み
付け和をとったものをNSRall として次のように定義
する。
【0274】NSRall =(Σm |Am |NSRm )/
(Σm |Am |) このスペクトル類似度NSRall がある閾値より大きい
か小さいかにより、V/UV判定に用いるルールベース
を決定する。ここでは、この閾値をThNSR =0.3 とし
ておく。このルールベースは、フレームパワー、ゼロク
ロス、LPC残差の自己相関の最大値に関するものであ
り、NSRall <ThNSR のときに用いられるルールベ
ースでは、ルールが適用されるとVとなり適用されるル
ールがなかった場合はUVとなる。
【0275】また、NSRall ≧ThNSR のときに用い
られるルールベースでは、ルールが適用されるとUV、
適用されないとVとなる。
【0276】ここで、具体的なルールは、次のようなも
のである。NSRall <ThNSR のとき、 if numZeroXP<24、& frmPow>340、& r0>0.32
then V NSRall ≧ThNSR のとき、 if numZeroXP>30、& frmPow<900、& r0<0.23
then UV ただし、各変数は次のように定義される。 numZeroXP:1フレーム当たりのゼロクロス回数 frmPow :フレームパワー r0 :自己相関最大値 上記のようなルールの集合であるルールに照合すること
で、V/UVを判定する。
【0277】次に、図4の音声信号復号化装置の要部の
より具体的な構成及び動作について説明する。
【0278】先ず、サイン波合成回路215でのサイン
波合成及び位相初期化回路219での各ハーモニクス
(基本波及びその高調波)の位相初期化について説明す
る。
【0279】サイン波合成回路215において、上記V
(有声音)と判別された1フレーム分のサイン波合成信
号v(n)は、フレーム内の時間インデックス(サンプ
ル番号)nを用いて、一般に次のように表される。
【0280】
【数44】
【0281】この式中のnは、フレーム長をLとすると
き、0≦n<Lであり、mはハーモニクスの番号を表
す。また、Am(n)は、上記合成フレームの先端から終端
までの間で補間された第m高調波の振幅であり、最も簡
単には、フレーム単位で更新される振幅データの第m高
調波の値を直線補間することにより求めることができ
る。すなわち、上記合成フレームの先端(n=0)での
第m高調波の振幅値をA0m、該合成フレームの終端(n
=L:次の合成フレームの先端)での第m高調波の振幅
値をALmとするとき、 Am(n) = (L-n)A0m/L+nALm/L の式によりAm(n)を計算すればよい。
【0282】次に、上記サイン波合成信号v(n)の式
中の位相θm(n) は、
【0283】
【数45】
【0284】により表せる。この式中のθm(0) は初期
位相である。
【0285】従って、n=0、n=Lにおける基本角周
波数を、それぞれω1,ω2とし、各サンプルnにおける
角周波数を線形補間により求めることにすると、n=L
における位相θm(L) は、
【0286】
【数46】
【0287】として求められる。この式中で、mod(x,y)
とは、xをyで割った余り(剰余)を示し、例えば、mo
d(2.3π,2π)=0.3πである。従って、 β=mod(α+π,2π)−π は、例えばα=1.3π のときβ=−0.7π 、α=2.3π
のときβ=0.3π 、α=−1.3π のときβ=0.7π であ
る。
【0288】このようにして求められたθm(L) を次の
フレームの初期位相として与えることで、角フレームの
位相の連続性が保たれる。
【0289】しかしながら、UV(無声音)フレームに
おいては、角周波数ωm が不定となるため、上述のよう
に計算することはできない。そこで、フレームがUVの
ときには、そのフレームの終端n=Lにおいて初期位相
を与える。
【0290】この初期位相を θm(L)=0,π/2 の
ように、全てのハーモニクスに同一の固定値を与えてし
まうと、各ハーモニクスの位相が揃いすぎてしまうた
め、合成音が不自然になる。
【0291】そこで、本実施の形態においては、偶数番
目のハーモニクスの位相初期値と奇数番目のハーモニク
スの位相初期値とを互いに異ならせることにより、上述
のような音質劣化を防止している。この場合、偶数番目
の位相初期値にπ/N(Nは非0の整数:N=±1,±
2,±3,±4,・・・)を加えて奇数番目の位相初期
値とすることが挙げられる。具体的には例えば、 θm(L)=0 mは偶数(偶数番目のハーモニク
スの初期値) θm(L)=π/4 mは奇数(奇数番目のハーモニク
スの初期値) としたり、 θm(L)=π/2 mは偶数(偶数番目のハーモニク
スの初期値) θm(L)=π/4 mは奇数(奇数番目のハーモニク
スの初期値) とすることが挙げられる。これらの具体例では、偶数番
目のハーモニクスの位相初期値に+π/4又は−π/4
を加えた値を奇数番目のハーモニクスの位相初期値とし
ているが、この他任意のオフセットを各ハーモニクスの
奇数番目と偶数番目とに与えるようにすればよい。
【0292】また、乱数を用いて各ハーモニクス毎に異
なる初期値を与えることでも同様の効果、すなわち位相
が揃い過ぎることによる合成音の不自然さを防止する効
果を得ることができる。
【0293】すなわち、この乱数を用いる初期化の具体
例としては、正の乱数を生成する関数をrandom()とし、
この関数random()が生成し得る最大の数をRAND_MAXとす
るとき、m番目のハーモニクスの初期位相θm(L) を、
【0294】
【数47】
【0295】により計算して与える。この式中のε及び
aは適当な定数であり、具体例としては、ε=0.5 ,a
=0とすることが挙げられる。
【0296】ところで、本実施の形態においては、V/
UV情報は1ビット(2値)であるが、2ビット以上の
情報によりVらしさ、UVらしさを表現する場合には、
εの値をそれに応じて変化させることも考えられる。こ
れは、ピッチ強度の弱い、すなわちUVに近いようなV
のフレームにおいては、初期位相を広く分布させること
で、合成音中にノイズ成分を多く含ませることに相当す
る。
【0297】次に、初期化のタイミングについて述べ
る。位相初期化は、図4の位相初期化回路219に供給
されるV/UVフラグを参照し、UVが2フレーム以上
連続しているときに位相初期化を行う。この位相初期化
は、UVフレームが連続している間は常に行われ、Vフ
レームに遷移したとき、初期化された位相からサイン波
合成が開始される。
【0298】図14は、この初期化の動作についての状
態遷移を示すものである。この図14の状態SA ,状態
B では上記位相の初期化は行われず、状態SC に達し
たときに位相初期化が行われる。この図14において、
状態SA のときV(有声音)と判別されれば状態SA
ままで、UV(無声音)と判別されたときに状態SB
移る。状態SB では、Vのとき状態SA に戻り、UVの
とき状態SC に移って、このときのフレームの終端で位
相を初期化する。状態SC では、UVのとき状態SC
ままであるがこのときもフレームの終端で位相を初期化
し、Vのとき状態SA に移る。従って、UVが2フレー
ム以上連続したときに位相初期化が行われ、この後はU
Vフレームが連続している間は常時位相初期化が行わ
れ、Vフレームになると状態SA に戻って、再びUVが
2フレーム以上連続するまで初期化は行わない。
【0299】このようにUVフレームが2フレーム以上
続くときのみ位相初期化をおこなわせることにより、ピ
ッチ検出ミス等によりVとなるべきフレームがUVと判
別されることによる誤動作を防止できる。すなわち、こ
のような1フレームのみUVと誤判別されることがあっ
ても、次のフレームではVに戻ることより、位相初期化
を行わないことにより位相の連続性が保たれる。また、
2フレーム以上UVと判別されれば、本当のUVフレー
ムであると判断してよく、位相初期化を行わせるのが妥
当である。
【0300】次に、図4のLPC合成フィルタ214に
ついて説明する。LPC合成フィルタ214は、上述し
たように、V(有声音)用の合成フィルタ236と、U
V(無声音)用の合成フィルタ237とに分離されてい
る。すなわち、合成フィルタを分離せずにV/UVの区
別なしに連続的にLSPの補間を20サンプルすなわち
2.5msec 毎に行う場合には、V→UV、UV→Vの
遷移(トランジェント)部において、全く性質の異なる
LSP同士を補間することになり、Vの残差にUVのL
PCが、UVの残差にVのLPCが用いられることによ
り異音が発生するが、このような悪影響を防止するため
に、LPC合成フィルタをV用とUV用とで分離し、L
PCの係数補間をVとUVとで独立に行わせたものであ
る。
【0301】この場合の、LPC合成フィルタ236、
237の係数補間方法について説明する。これは、次の
表3に示すように、V/UVの状態に応じてLSPの補
間を切り換えている。
【0302】
【表3】
【0303】この表3において、均等間隔LSPとは、
例えば10次のLPC分析の例で述べると、フィルタの
特性がフラットでゲインが1のときのαパラメータ、す
なわち α0=1,α1=α2=・・・=α10=0に対応す
るLSPであり、 LSPi =(π/11)×i 0≦i≦10 である。
【0304】このような10次のLPC分析、すなわち
10次のLSPの場合は、図15に示す通り、0〜πの
間を11等分した位置に均等間隔で配置されたLSP
で、完全にフラットなスペクトルに対応している。合成
フィルタの全帯域ゲインはこのときが最小のスルー特性
となる。
【0305】図16は、ゲイン変化の様子を概略的に示
す図であり、UV(無声音)部分からV(有声音)部分
への遷移時における1/HUV(z) のゲイン及び1/H
V(z)のゲインの変化の様子を示している。
【0306】ここで、補間を行う単位は、フレーム間隔
が160サンプル(20msec )のとき、1/HV(z)の
係数は2.5msec (20サンプル)毎、また1/HUV
(z)の係数は、ビットレートが2kbps で10msec
(80サンプル)、6kbps で5msec (40サンプ
ル)毎である。なお、UV時はエンコード側の第2の符
号化部120で合成による分析法を用いた波形マッチン
グを行っているので、必ずしも均等間隔LSPと補間せ
ずとも、隣接するV部分のLSPとの補間を行ってもよ
い。ここで、第2の符号化部120におけるUV部の符
号化処理においては、V→UVへの遷移部で1/A(z)
の重み付き合成フィルタ122の内部状態をクリアする
ことによりゼロインプットレスポンスを0にする。
【0307】これらのLPC合成フィルタ236、23
7からの出力は、それぞれ独立に設けられたポストフィ
ルタ238v、238uに送られており、ポストフィル
タもVとUVとで独立にかけることにより、ポストフィ
ルタの強度、周波数特性をVとUVとで異なる値に設定
している。
【0308】次に、LPC残差信号、すなわちLPC合
成フィルタ入力であるエクサイテイションの、V部とU
V部のつなぎ部分の窓かけについて説明する。これは、
図4の有声音合成部211のサイン波合成回路215
と、無声音合成部220の窓かけ回路223とによりそ
れぞれ行われるものである。なお、エクサイテイション
のV部の合成方法については、本件出願人が先に提案し
た特願平4−91422号の明細書及び図面に具体的な
説明が、また、V部の高速合成方法については、本件出
願人が先に提案した特願平6−198451号の明細書
及び図面に具体的な説明が、それぞれ開示されている。
今回の具体例では、この高速合成方法を用いてV部のエ
クサイテイションを生成している。
【0309】V(有声音)部分では、隣接するフレーム
のスペクトルを用いてスペクトルを補間してサイン波合
成するため、図17に示すように、第nフレームと第n
+1フレームとの間にかかる全ての波形を作ることがで
きる。しかし、図17の第n+1フレームと第n+2フ
レームとのように、VとUV(無声音)に跨る部分、あ
るいはその逆の部分では、UV部分は、フレーム中に±
80サンプル(全160サンプル=1フレーム間隔)の
データのみをエンコード及びデコードしている。このた
め、図18に示すように、V側ではフレームとフレーム
との間の中心点CNを越えて窓かけを行い、UV側では
中心点CN移行の窓かけを行って、接続部分をオーバー
ラップさせている。UV→Vの遷移(トランジェント)
部分では、その逆を行っている。なお、V側の窓かけは
破線のようにしてもよい。
【0310】次に、V(有声音)部分でのノイズ合成及
びノイズ加算について説明する。これは、図4のノイズ
合成回路216、重み付き重畳回路217、及び加算器
218を用いて、有声音部分のLPC合成フィルタ入力
となるエクサイテイションについて、次のパラメータを
考慮したノイズをLPC残差信号の有声音部分に加える
ことにより行われる。
【0311】すなわち、上記パラメータとしては、ピッ
チラグPch、有声音のスペクトル振幅Am[i]、フレーム
内の最大スペクトル振幅Amax 、及び残差信号のレベル
Levを挙げることができる。ここで、ピッチラグPch
は、所定のサンプリング周波数fs (例えばfs=8kH
z)でのピッチ周期内のサンプル数であり、スペクトル
振幅Am[i]のiは、fs/2 の帯域内でのハーモニック
スの本数をI=Pch/2とするとき、0<i<Iの範囲
内の整数である。
【0312】このノイズ合成回路216による処理は、
例えばMBE(マルチバンド励起)符号化の無声音の合
成と同様な方法で行われる。図19は、ノイズ合成回路
216の具体例を示している。
【0313】すなわち図19において、ホワイトノイズ
発生部401からは、時間軸上のホワイトノイズ信号波
形に所定の長さ(例えば256サンプル)で適当な窓関
数(例えばハミング窓)により窓かけされたガウシャン
ノイズが出力され、これがSTFT処理部402により
STFT(ショートタームフーリエ変換)処理を施すこ
とにより、ノイズの周波数軸上のパワースペクトルを得
る。このSTFT処理部402からのパワースペクトル
を振幅処理のための乗算器403に送り、ノイズ振幅制
御回路410からの出力を乗算している。乗算器403
からの出力は、ISTFT処理部404に送られ、位相
は元のホワイトノイズの位相を用いて逆STFT処理を
施すことにより時間軸上の信号に変換する。ISTFT
処理部404からの出力は、重み付き重畳加算回路21
7に送られる。
【0314】なお、上記図19の例においては、ホワイ
トノイズ発生部401から時間領域のノイズを発生して
それをSTFT等の直交変換を行うことで周波数領域の
ノイズを得ていたが、ノイズ発生部から直接的に周波数
領域のノイズを発生するようにしてもよい。すなわち、
周波数領域のパラメータを直接発生することにより、S
TFTやFFT等の直交変換処理が節約できる。
【0315】具体的には、±xの範囲の乱数を発生しそ
れをFFTスペクトルの実部と虚部として扱うようにす
る方法や、0から最大値(max)までの範囲の正の乱
数を発生しそれをFFTスペクトルの振幅として扱い、
−πからπまでの乱数を発生しそれをFFTスペクトル
の位相として扱う方法などが挙げられる。
【0316】こうすることにより、図19のSTFT処
理部402が不要となり、構成の簡略化あるいは演算量
の低減が図れる。
【0317】ノイズ振幅制御回路410は、例えば図2
0のような基本構成を有し、上記図4のスペクトルエン
ベロープの逆量子化器212から端子411を介して与
えられるV(有声音)についての上記スペクトル振幅A
m[i]と、上記図4の入力端子204から端子412を介
して与えられる上記ピッチラグPchに基づいて、乗算器
403での乗算係数を制御することにより、合成される
ノイズ振幅Am_noise[i]を求めている。すなわち図20
において、スペクトル振幅Am[i]とピッチラグPchとが
入力される最適なnoise_mix 値の算出回路416からの
出力をノイズの重み付け回路417で重み付けし、得ら
れた出力を乗算器418に送ってスペクトル振幅Am[i]
と乗算することにより、ノイズ振幅Am_noise[i]を得て
いる。
【0318】ここで、ノイズ合成加算の第1の具体例と
して、ノイズ振幅Am_noise[i]が、上記4つのパラメー
タの内の2つ、すなわちピッチラグPch及びスペクトル
振幅Am[i]の関数f1(Pch,Am[i])となる場合について説
明する。
【0319】このような関数f1(Pch,Am[i])の具体例と
して、 f1(Pch,Am[i])=0 (0<i<Nois
e_b×I) f1(Pch,Am[i])=Am[i]×noise_mix (Noise_b×I
≦i<I) noise_mix = K×Pch/2.0 とすることが挙げられる。
【0320】ただし、noise_mix の最大値は、noise_mi
x_max とし、その値でクリップする。一例として、K=
0.02、noise_mix_max=0.3、Noise_b=0.7とする
ことが挙げられる。ここで、Noise_b は、全帯域の何割
からこのノイズの付加を行うかを決める定数である。本
例では、7割より高域側、すなわちfs=8kHzのとき、
4000×0.7=2800Hzから4000Hzの間でノ
イズを付加するようにしている。
【0321】次に、ノイズ合成加算の第2の具体例とし
て、上記ノイズ振幅Am_noise[i]を、上記4つのパラメ
ータの内の3つ、すなわちピッチラグPch、スペクトル
振幅Am[i]及び最大スペクトル振幅Amax の関数f2(Pc
h,Am[i],Amax) とする場合について説明する。
【0322】このような関数f2(Pch,Am[i],Amax) の具
体例として、 f2(Pch,Am[i],Amax)=0 (0<i
<Noise_b×I) f2(Pch,Am[i],Amax)=Am[i]×noise_mix (Noise_b
×I≦i<I) noise_mix = K×Pch/2.0 を挙げることができる。ただし、noise_mix の最大値
は、noise_mix_max とし、一例として、K=0.02、no
ise_mix_max=0.3、Noise_b=0.7とすることが挙げ
られる。
【0323】さらに、もしAm[i]×noise_mix>Amax×
C×noise_mix ならば、 f2(Pch,Am[i],Amax)=Amax×C×noise_mix とする。ここで、定数Cは、C=0.3 としている。こ
の条件式によりノイズレベルが大きくなり過ぎることを
防止できるため、上記K、noise_mix_max をさらに大き
くしてもよく、高域のレベルも比較的大きいときにノイ
ズレベルを高めることができる。
【0324】次に、ノイズ合成加算の第3の具体例とし
て、上記ノイズ振幅Am_noise[i]を、上記4つのパラメ
ータの内の4つ全ての関数f3(Pch,Am[i],Amax,Lev) と
することもできる。
【0325】このような関数f3(Pch,Am[i],Amax,Lev)
の具体例は、基本的には上記第2の具体例の関数f2(Pc
h,Am[i],Amax) と同様である。ただし、残差信号レベル
Levは、スペクトル振幅Am[i]のrms(root mean squ
are)、あるいは時間軸上で測定した信号レベルであ
る。上記第2の具体例との違いは、Kの値とnoise_mix_
max の値とをLev の関数とする点である。すなわち、Le
v が小さくなったときには、K、noise_mix_max の各値
を大きめに設定し、Lev が大きいときは小さめに設定す
る。あるいは、連続的にLev の値を逆比例させてもよ
い。
【0326】次に、ポストフィルタ238v、238u
について説明する。
【0327】図21は、図4の例のポストフィルタ23
8v、238uとして用いられるポストフィルタを示し
ており、ポストフィルタの要部となるスペクトル整形フ
ィルタ440は、ホルマント強調フィルタ441と高域
強調フィルタ442とから成っている。このスペクトル
整形フィルタ440からの出力は、スペクトル整形によ
るゲイン変化を補正するためのゲイン調整回路443に
送られており、このゲイン調整回路443のゲインG
は、ゲイン制御回路445により、スペクトル整形フィ
ルタ440の入力xと出力yと比較してゲイン変化を計
算し、補正値を算出することで決定される。
【0328】スペクトル整形フィルタの440特性PF
(z) は、LPC合成フィルタの分母Hv(z)、Huv(z) の
係数、いわゆるαパラメータをαi とすると、
【0329】
【数48】
【0330】と表せる。この式の分数部分がホルマント
強調フィルタ特性を、(1−kz-1)の部分が高域強調
フィルタ特性をそれぞれ表す。また、β、γ、kは定数
であり、一例としてβ=0.6、γ=0.8、k=0.
3を挙げることができる。
【0331】また、ゲイン調整回路443のゲインG
は、
【0332】
【数49】
【0333】としている。この式中のx(i) はスペクト
ル整形フィルタ440の入力、y(i)はスペクトル整形
フィルタ440の出力である。
【0334】ここで、上記スペクトル整形フィルタ44
0の係数の更新周期は、図22に示すように、LPC合
成フィルタの係数であるαパラメータの更新周期と同じ
く20サンプル、2.5msec であるのに対して、ゲイ
ン調整回路443のゲインGの更新周期は、160サン
プル、20msec である。
【0335】このように、ポストフィルタのスペクトル
整形フィルタ440の係数の更新周期に比較して、ゲイ
ン調整回路443のゲインGの更新周期を長くとること
により、ゲイン調整の変動による悪影響を防止してい
る。
【0336】すなわち、一般のポストフィルタにおいて
は、スペクトル整形フィルタの係数の更新周期とゲイン
の更新周期とを同じにしており、このとき、ゲインの更
新周期を20サンプル、2.5msec とすると、図22
からも明らかなように、1ピッチ周期の中で変動するこ
とになり、クリックノイズを生じる原因となる。そこで
本例においては、ゲインの切換周期をより長く、例えば
1フレーム分の160サンプル、20msec とすること
により、急激なゲインの変動を防止することができる。
また逆に、スペクトル整形フィルタの係数の更新周期を
160サンプル、20msec とするときには、円滑なフ
ィルタ特性の変化が得られず、合成波形に悪影響が生じ
るが、このフィルタ係数の更新周期を20サンプル、
2.5msec と短くすることにより、効果的なポストフ
ィルタ処理が可能となる。
【0337】なお、隣接するフレーム間でのゲインのつ
なぎ処理は、図23に示すように、前フレームのフィル
タ係数及びゲインと、現フレームのフィルタ係数及びゲ
インとを用いて算出した結果に、次のような三角窓 W(i) = i/20 (0≦i≦20) と 1−W(i) (0≦i≦20) をかけてフェードイン、フェードアウトを行って加算す
る。図23では、前フレームのゲインG1 が現フレーム
のゲインG2 に変化する様子を示している。すなわち、
オーバーラップ部分では、前フレームのゲイン、フィル
タ係数を使用する割合が徐々に減衰し、現フレームのゲ
イン、フィルタ係数の使用が徐々に増大する。なお、図
23の時刻Tにおけるフィルタの内部状態は、現フレー
ムのフィルタ、前フレームのフィルタ共に同じもの、す
なわち前フレームの最終状態からスタートする。
【0338】以上説明したような信号符号化装置及び信
号復号化装置は、例えば図24及び図25に示すような
携帯通信端末あるいは携帯電話機等に使用される音声コ
ーデックとして用いることができる。
【0339】すなわち、図24は、上記図1、図3に示
したような構成を有する音声符号化部160を用いて成
る携帯端末の送信側構成を示している。この図24のマ
イクロホン161で集音された音声信号は、アンプ16
2で増幅され、A/D(アナログ/ディジタル)変換器
163でディジタル信号に変換されて、音声符号化部1
60に送られる。この音声符号化部160は、上述した
図1、図3に示すような構成を有しており、この入力端
子101に上記A/D変換器163からのディジタル信
号が入力される。音声符号化部160では、上記図1、
図3と共に説明したような符号化処理が行われ、図1、
図2の各出力端子からの出力信号は、音声符号化部16
0の出力信号として、伝送路符号化部164に送られ
る。伝送路符号化部164では、いわゆるチャネルコー
ディング処理が施され、その出力信号が変調回路165
に送られて変調され、D/A(ディジタル/アナログ)
変換器166、RFアンプ167を介して、アンテナ1
68に送られる。
【0340】また、図25は、上記図2、図4に示した
ような構成を有する音声復号化部260を用いて成る携
帯端末の受信側構成を示している。この図25のアンテ
ナ261で受信された音声信号は、RFアンプ262で
増幅され、A/D(アナログ/ディジタル)変換器26
3を介して、復調回路264に送られ、復調信号が伝送
路復号化部265に送られる。264からの出力信号
は、上記図2、図4に示すような構成を有する音声復号
化部260に送られる。音声復号化部260では、上記
図2、図4と共に説明したような復号化処理が施され、
図2、図4の出力端子201からの出力信号が、音声復
号化部260からの信号としてD/A(ディジタル/ア
ナログ)変換器266に送られる。このD/A変換器2
66からのアナログ音声信号がスピーカ268に送られ
る。
【0341】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、例えば上記図1、図3の音声分析
側(エンコード側)の構成や、図2、図4の音声合成側
(デコード側)の構成については、各部をハードウェア
的に記載しているが、いわゆるDSP(ディジタル信号
プロセッサ)等を用いてソフトウェアプログラムにより
実現することも可能である。また、デコーダ側の合成フ
ィルタ236、237や、ポストフィルタ238v、2
38uは、図4のように有声音用と無声音用とで分離し
なくとも、有声音及び無声音の共用のLPC合成フィル
タやポストフィルタを用いるようにしてもよい。さら
に、本発明の適用範囲は、伝送や記録再生に限定され
ず、ピッチ変換やスピード変換、規則音声合成、あるい
は雑音抑圧のような種々の用途に応用できることは勿論
である。
【0342】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る音声合成方法によれば、無声音(UV)と判別さ
れるフレームから有声音(V)と判別されるフレームに
遷移する際に、サイン波合成のためのハーモニクスの位
相を初期化しており、偶数番目のハーモニクスの初期位
相と奇数番目のハーモニクスの初期位相とを互いに異な
らせているため、初期化位相が揃うことによる音質劣
化、例えば合成音が不自然になることを未然に防止でき
る。
【0343】また、UVフレームが2フレーム以上連続
した後にVフレームに遷移する際に各ハーモニクスの位
相を乱数を用いて初期化することによっても、初期化位
相が揃うことにより合成音が不自然になることを防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音声合成装置の実施の形態に信号
を供給するための音声符号化装置の基本構成を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明に係る音声合成装置の実施の形態が適用
される音声復号化装置として、図1の音声符号化装置に
より符号化された信号を復号化するための音声復号化装
置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】図1の音声符号化装置のより具体的な構成例を
示すブロック図である。
【図4】図3の音声符号化装置により符号化された信号
を復号化するための音声復号化装置の具体的な構成の例
を示すブロック図である。
【図5】LSP量子化部の基本構成を示すブロック図で
ある。
【図6】LSP量子化部のより具体的な構成を示すブロ
ック図である。
【図7】ベクトル量子化部の基本構成を示すブロック図
である。
【図8】ベクトル量子化部のより具体的な構成を示すブ
ロック図である。
【図9】ベクトル量子化部の際の重みの計算の処理手順
の具体例を説明するためのフローチャートである。
【図10】図1、図3に示す音声符号化装置のCELP
符号化部分(第2の符号化部)の具体的構成を示すブロ
ック回路図である。
【図11】図10の構成における処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図12】ガウシアンノイズと、異なるスレシホールド
値でのクリッピング後のノイズの様子を示す図である。
【図13】学習によってシェイプコードブックを生成す
る際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】波形合成時の位相初期化の動作を説明するた
めの状態遷移図である。
【図15】10次のLPC分析により得られたαパラメ
ータに基づく10次のLSP(線スペクトル対)を示す
図である。
【図16】UV(無声音)フレームからV(有声音)フ
レームへのゲイン変化の様子を説明するための図であ
る。
【図17】フレーム毎に合成されるスペクトルや波形の
補間処理を説明するための図である。
【図18】V(有声音)フレームとUV(無声音)フレ
ームとの接続部でのオーバーラップを説明するための図
である。
【図19】有声音合成の際のノイズ加算処理を説明する
ための図である。
【図20】有声音合成の際に加算されるノイズの振幅計
算の例を示す図である。
【図21】ポストフィルタの構成例を示す図である。
【図22】ポストフィルタのフィルタ係数更新周期とゲ
イン更新周期とを説明するための図である。
【図23】ポストフィルタのゲイン、フィルタ係数のフ
レーム境界部分でのつなぎ処理を説明するための図であ
る。
【図24】本発明の実施の形態となる音声符号化装置が
用いられる携帯端末の送信側構成の一例を示すブロック
図である。
【図25】図24の携帯端末の送信側構成に対応する受
信側構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
110 第1の符号化部、 111 LPC逆フィル
タ、 113 LPC分析・量子化部、 114 サイ
ン波分析符号化部、 115 V/UV判定部、116
ベクトル量子化器、 120 第2の符号化部、 1
21 雑音符号帳、 122 重み付き合成フィルタ、
123 減算器、 124 距離計算回路、 125
聴覚重み付けフィルタ、 211 有声音合成部、
215サイン波合成回路、 219 位相初期化回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声信号に基づく入力信号を時間軸上で
    フレーム単位で区分し、区分された各フレーム毎にピッ
    チを求めると共に有声音又は無声音のいずれかを判別
    し、求められたピッチのハーモニクスを用いて有声音を
    合成する音声合成方法において、 上記無声音と判別されたフレームから上記有声音と判別
    されたフレームへの遷移時に上記ハーモニクスの位相を
    初期化し、奇数番目のハーモニクスと偶数番目のハーモ
    ニクスとで異なる初期値を与えることを特徴とする音声
    合成方法。
  2. 【請求項2】 上記奇数番目のハーモニクスの位相の初
    期値として、偶数番目の初期値にπ/n(nは0以外の
    整数)を加えた値を用いることを特徴とする請求項1記
    載の音声合成方法。
  3. 【請求項3】 上記無声音と判別されたフレームが2フ
    レーム以上連続するときに上記ハーモニクスの位相を初
    期化することを特徴とする請求項1記載の音声合成方
    法。
  4. 【請求項4】 音声信号に基づく入力信号を時間軸上で
    フレーム単位で区分し、区分された各フレーム毎にピッ
    チを求めると共に有声音又は無声音のいずれかを判別
    し、求められたピッチのハーモニクスを用いて有声音を
    合成する音声合成方法において、 上記無声音と判別されたフレームが2フレーム以上連続
    した後に上記有声音と判別されたフレームへ遷移すると
    き、上記ハーモニクスの位相を、乱数により初期化する
    ことを特徴とする音声合成方法。
  5. 【請求項5】 m番目のハーモニクスの初期位相θm
    は、正の乱数を生成する関数をrandom()、この関数rand
    om()の最大値をRAND_MAXとするとき、 θm = επ((random()/RAND_MAX)−a) ただし、ε、aは定数 により求めて上記初期化を行うことを特徴とする請求項
    4記載の音声合成方法。
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