JPH10212475A - 蛍光体およびその製造方法 - Google Patents
蛍光体およびその製造方法Info
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- JPH10212475A JPH10212475A JP1886197A JP1886197A JPH10212475A JP H10212475 A JPH10212475 A JP H10212475A JP 1886197 A JP1886197 A JP 1886197A JP 1886197 A JP1886197 A JP 1886197A JP H10212475 A JPH10212475 A JP H10212475A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】陰極線管の蛍光体被着部での残渣が少なく、高
品質で高精細な画像を再生し得る蛍光体およびその効率
的な製造方法を提供する。 【解決手段】本発明に係る蛍光体は、硫化亜鉛および酸
硫化イットリウムの少なくとも一方を主成分とする蛍光
体粒子表面に、平均粒子径が0.05μm以上2.0μ
m以下であるアルミナ粒子が付着して成り、アルミナ粒
子の付着量が蛍光体粒子重量に対して0.05〜2.0
重量%であることを特徴とする。
品質で高精細な画像を再生し得る蛍光体およびその効率
的な製造方法を提供する。 【解決手段】本発明に係る蛍光体は、硫化亜鉛および酸
硫化イットリウムの少なくとも一方を主成分とする蛍光
体粒子表面に、平均粒子径が0.05μm以上2.0μ
m以下であるアルミナ粒子が付着して成り、アルミナ粒
子の付着量が蛍光体粒子重量に対して0.05〜2.0
重量%であることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーテレビジョン
やコンピューターディスプレー用陰極線管に用いられる
蛍光体およびその製造方法に係り、特に陰極線管におけ
るガラスパネルなどの蛍光体被着部での残渣が少なく、
高品質で高精細な画像を再生し得る蛍光体およびその効
率的な製造方法に関する。
やコンピューターディスプレー用陰極線管に用いられる
蛍光体およびその製造方法に係り、特に陰極線管におけ
るガラスパネルなどの蛍光体被着部での残渣が少なく、
高品質で高精細な画像を再生し得る蛍光体およびその効
率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラーテレビジョン受像機の受
像管(ブラウン管)やコンピューターディスプレー用陰
極線管(CRT)には、電子線励起によって発光する青
色(B),緑色(G),赤色(R)発光の蛍光体が用い
られている。
像管(ブラウン管)やコンピューターディスプレー用陰
極線管(CRT)には、電子線励起によって発光する青
色(B),緑色(G),赤色(R)発光の蛍光体が用い
られている。
【0003】例えば、カラーテレビジョン用の青色発光
蛍光体としては、銀,塩素付活硫化亜鉛蛍光体(Zn
S:Ag,Cl)、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛
蛍光体(ZnS:Ag,Al)、銀,金,アルミニウム
付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Au,Al)など
が用いられる一方、緑色発光蛍光体としては、銅,アル
ミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Al)、
銅,金,アルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:C
u,Au,Al)などが用いられる。また、赤色発光蛍
光体としては、ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍
光体(Y2 O2 S:Eu)などが一般的に広く使用され
ている。
蛍光体としては、銀,塩素付活硫化亜鉛蛍光体(Zn
S:Ag,Cl)、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛
蛍光体(ZnS:Ag,Al)、銀,金,アルミニウム
付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Au,Al)など
が用いられる一方、緑色発光蛍光体としては、銅,アル
ミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Al)、
銅,金,アルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:C
u,Au,Al)などが用いられる。また、赤色発光蛍
光体としては、ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍
光体(Y2 O2 S:Eu)などが一般的に広く使用され
ている。
【0004】また、コンピューターディスプレー用陰極
線管に用いられる蛍光体としては、上記ブラウン管用の
各種蛍光体の他に次のような蛍光体が一般的に使用され
ている。すなわち、緑色発光蛍光体としてマンガン付活
硅酸亜鉛蛍光体(Zn2 SiO4 :Mn)が用いられ、
また赤色発光蛍光体としてマンガン付活燐酸亜鉛蛍光体
(Zn3 (PO4 )2 :Mn)などが使用される場合が
ある。
線管に用いられる蛍光体としては、上記ブラウン管用の
各種蛍光体の他に次のような蛍光体が一般的に使用され
ている。すなわち、緑色発光蛍光体としてマンガン付活
硅酸亜鉛蛍光体(Zn2 SiO4 :Mn)が用いられ、
また赤色発光蛍光体としてマンガン付活燐酸亜鉛蛍光体
(Zn3 (PO4 )2 :Mn)などが使用される場合が
ある。
【0005】上記の各種蛍光体は、ブラウン管などのC
RT組立工場において以下のように処理されてCRTの
蛍光体層となる。まず、蛍光体粒子は分散媒としての純
水と、ポリビニルアルコール(PVA)と、重クロム酸
アンモニウム(ADC)と、表面活性剤とともに均一に
混合されてスラリーとされる。調製されたスラリーは、
ブラウン管のフェースプレート内面に回転塗布され、さ
らに乾燥されて塗膜が形成される。次に塗膜を形成した
フェースプレートは露光台においてマスクを通して紫外
線が照射され、塗膜の所定部位のみが露光される。紫外
線によって露光されるパターンはストライプ状またはド
ット状であり、紫外線が照射された部分の塗膜はPVA
−ADCから成るフォトレジストにより硬化する。そし
て、次の現像工程において、塗膜に純水が吹き付けられ
塗膜の洗浄が行われると同時に、硬化していない部分の
蛍光体塗膜が洗い落とされて、ストライプ状またはドッ
ト状のパターンが形成される。このパターン形成工程を
B,G,Rの3原色の蛍光体粒子についてそれぞれ繰り
返すことによりカラーブラウン管やカラーCRT用の蛍
光体層(蛍光膜)が形成される。
RT組立工場において以下のように処理されてCRTの
蛍光体層となる。まず、蛍光体粒子は分散媒としての純
水と、ポリビニルアルコール(PVA)と、重クロム酸
アンモニウム(ADC)と、表面活性剤とともに均一に
混合されてスラリーとされる。調製されたスラリーは、
ブラウン管のフェースプレート内面に回転塗布され、さ
らに乾燥されて塗膜が形成される。次に塗膜を形成した
フェースプレートは露光台においてマスクを通して紫外
線が照射され、塗膜の所定部位のみが露光される。紫外
線によって露光されるパターンはストライプ状またはド
ット状であり、紫外線が照射された部分の塗膜はPVA
−ADCから成るフォトレジストにより硬化する。そし
て、次の現像工程において、塗膜に純水が吹き付けられ
塗膜の洗浄が行われると同時に、硬化していない部分の
蛍光体塗膜が洗い落とされて、ストライプ状またはドッ
ト状のパターンが形成される。このパターン形成工程を
B,G,Rの3原色の蛍光体粒子についてそれぞれ繰り
返すことによりカラーブラウン管やカラーCRT用の蛍
光体層(蛍光膜)が形成される。
【0006】近年、高品位テレビジョン受像機や高精細
コンピューター用ディスプレー等の新規な陰極線管が普
及することに伴って、その陰極線管に使用される蛍光体
にも、さらなる高度な特性改良が求められている。これ
らの改良要請には、蛍光面の品位向上や歩留り向上に繋
るブラウン管製造工程での蛍光体の使い易さに対する改
良要請も多いが、特に蛍光体粒子の被着部に対する蛍光
体粒子の付着力を強化することは常に求められている。
すなわち、現像工程において純水の吹き付け洗浄を行う
に際して、紫外線照射により硬化した部分の蛍光体粒子
が被着部から剥離せずに、所定のパターン形状を保持し
たまま、強固な結合状態で被着部に残存することが要求
されている。
コンピューター用ディスプレー等の新規な陰極線管が普
及することに伴って、その陰極線管に使用される蛍光体
にも、さらなる高度な特性改良が求められている。これ
らの改良要請には、蛍光面の品位向上や歩留り向上に繋
るブラウン管製造工程での蛍光体の使い易さに対する改
良要請も多いが、特に蛍光体粒子の被着部に対する蛍光
体粒子の付着力を強化することは常に求められている。
すなわち、現像工程において純水の吹き付け洗浄を行う
に際して、紫外線照射により硬化した部分の蛍光体粒子
が被着部から剥離せずに、所定のパターン形状を保持し
たまま、強固な結合状態で被着部に残存することが要求
されている。
【0007】蛍光体の付着力を向上させる方法として、
これまでに種々の技術が報告されている。例えば、特開
平2−209989号公報,特開平1−292092号
公報や特開昭62−267390号公報においては、蛍
光体粒子の表面にシリカ(SiO2 )微粒子をコーティ
ングして蛍光体の付着力を高める方法が開示されてい
る。
これまでに種々の技術が報告されている。例えば、特開
平2−209989号公報,特開平1−292092号
公報や特開昭62−267390号公報においては、蛍
光体粒子の表面にシリカ(SiO2 )微粒子をコーティ
ングして蛍光体の付着力を高める方法が開示されてい
る。
【0008】また、他の付着力向上対策として紫外線に
よる露光感度を高める方法も採用されていた。この方法
は、蛍光体スラリー中に添加するフォトレジストとなる
重クロム酸アンモニウム(ADC)または重クロム酸ナ
トリウム(SDC)の添加量を増量したり、酸化亜鉛も
しくは水酸化亜鉛などの化合物を蛍光体粒子表面にコー
ティングしたりすることによって蛍光体スラリーの紫外
線による露光感度を高める方法である。そして蛍光体ス
ラリーの露光感度が高まるため、スラリー塗膜は最少量
の紫外線露光によって効果的に硬化し、蛍光体粒子を被
着部に強固に付着できることが期待されていた。
よる露光感度を高める方法も採用されていた。この方法
は、蛍光体スラリー中に添加するフォトレジストとなる
重クロム酸アンモニウム(ADC)または重クロム酸ナ
トリウム(SDC)の添加量を増量したり、酸化亜鉛も
しくは水酸化亜鉛などの化合物を蛍光体粒子表面にコー
ティングしたりすることによって蛍光体スラリーの紫外
線による露光感度を高める方法である。そして蛍光体ス
ラリーの露光感度が高まるため、スラリー塗膜は最少量
の紫外線露光によって効果的に硬化し、蛍光体粒子を被
着部に強固に付着できることが期待されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】蛍光体粒子表面にシリ
カ微粒子をコーティングすることによって付着させる方
法は、蛍光体粒子の付着力を高める上で極めて有効であ
る。しかしながら、コーティング量が過剰な場合には、
蛍光体粒子表面が活性化されるため、洗浄後の被着部に
おいて本来、残るべきでない部分にまで蛍光体が残留し
て、混色や残渣などの不良が発生し易くなり、いずれに
しても画像の色調が低下したり、高精細性が得られない
という問題点があった。
カ微粒子をコーティングすることによって付着させる方
法は、蛍光体粒子の付着力を高める上で極めて有効であ
る。しかしながら、コーティング量が過剰な場合には、
蛍光体粒子表面が活性化されるため、洗浄後の被着部に
おいて本来、残るべきでない部分にまで蛍光体が残留し
て、混色や残渣などの不良が発生し易くなり、いずれに
しても画像の色調が低下したり、高精細性が得られない
という問題点があった。
【0010】一方、紫外線露光感度を高める方法におい
ては、露光感度の向上により所定の領域を超えて塗膜の
硬化が進行し易く、ストライプ状またはドット状の蛍光
膜のサイズが肥大化し、規格外れとなり易くなるため、
同様に高色調および高精細性が得られないという問題を
生じていた。
ては、露光感度の向上により所定の領域を超えて塗膜の
硬化が進行し易く、ストライプ状またはドット状の蛍光
膜のサイズが肥大化し、規格外れとなり易くなるため、
同様に高色調および高精細性が得られないという問題を
生じていた。
【0011】近年、高品位テレビなどの普及により高色
調および高精細性に対する要求が、さらに高まるような
状況下において、上記のような蛍光体粒子の付着力の向
上が達成された上に、さらに混色や残渣などの不良およ
び蛍光体膜のサイズ肥大等の問題を起こさない蛍光体が
求められている。本来、ブラウン管などのCRT製造工
程において、フェースプレートの所定のパターン部分に
おいては、ストライプ状またはドット状の蛍光体膜が高
い付着力をもって強固な状態で残留する一方、それ以外
の部分においては蛍光体粒子が全く残留しないことが高
色調および高精細性を実現するための必須要件と考えら
れる。
調および高精細性に対する要求が、さらに高まるような
状況下において、上記のような蛍光体粒子の付着力の向
上が達成された上に、さらに混色や残渣などの不良およ
び蛍光体膜のサイズ肥大等の問題を起こさない蛍光体が
求められている。本来、ブラウン管などのCRT製造工
程において、フェースプレートの所定のパターン部分に
おいては、ストライプ状またはドット状の蛍光体膜が高
い付着力をもって強固な状態で残留する一方、それ以外
の部分においては蛍光体粒子が全く残留しないことが高
色調および高精細性を実現するための必須要件と考えら
れる。
【0012】前記のように蛍光体粒子の表面にシリカ
(SiO2 )微粒子を過剰にまたは不均一にコーティン
グした場合には、蛍光体膜の付着力は大きくなるが、残
渣不良が起こり易くなる。そのため、コーティング量を
厳正に制御して残渣不良を低減するという高度の製造管
理が必要とされていた。
(SiO2 )微粒子を過剰にまたは不均一にコーティン
グした場合には、蛍光体膜の付着力は大きくなるが、残
渣不良が起こり易くなる。そのため、コーティング量を
厳正に制御して残渣不良を低減するという高度の製造管
理が必要とされていた。
【0013】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、陰極線管における蛍光体被着部での残
渣が少なく、高品質で高精細な画像を再生し得る蛍光体
およびその効率的な製造方法を提供することを目的とす
る。
れたものであり、陰極線管における蛍光体被着部での残
渣が少なく、高品質で高精細な画像を再生し得る蛍光体
およびその効率的な製造方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために、蛍光体粒子表面に種々の化合物を付着
させて、その化合物の種類,粒径,付着量が蛍光体特性
に及ぼす影響を実験により比較検討した。その結果、特
に所定粒径範囲のアルミナ粒子を所定量だけ蛍光体粒子
表面にコーティングしたときに、残渣不良を大幅に減少
させることができた。また、蛍光体粒子表面にシリカ微
粒子を併せて付着させた場合においても残渣不良が少な
く、かつ付着力が向上した蛍光体膜が得られることが判
明した。本発明は上記知見に基づいて完成されたもので
ある。
達成するために、蛍光体粒子表面に種々の化合物を付着
させて、その化合物の種類,粒径,付着量が蛍光体特性
に及ぼす影響を実験により比較検討した。その結果、特
に所定粒径範囲のアルミナ粒子を所定量だけ蛍光体粒子
表面にコーティングしたときに、残渣不良を大幅に減少
させることができた。また、蛍光体粒子表面にシリカ微
粒子を併せて付着させた場合においても残渣不良が少な
く、かつ付着力が向上した蛍光体膜が得られることが判
明した。本発明は上記知見に基づいて完成されたもので
ある。
【0015】すなわち本発明に係る蛍光体は、硫化亜鉛
および酸硫化イットリウムの少なくとも一方を主成分と
する蛍光体粒子表面に、平均粒子径が0.05μm以上
2.0μm以下であるアルミナ粒子が付着して成り、ア
ルミナ粒子の付着量が蛍光体粒子重量に対して0.05
〜2.0重量%であることを特徴とする。また、アルミ
ナ粒子の平均粒子径は0.2μm以上1.2μm以下に
するとよい。さらに、蛍光体粒子表面に、さらにシリカ
粒子を付着させるとよい。
および酸硫化イットリウムの少なくとも一方を主成分と
する蛍光体粒子表面に、平均粒子径が0.05μm以上
2.0μm以下であるアルミナ粒子が付着して成り、ア
ルミナ粒子の付着量が蛍光体粒子重量に対して0.05
〜2.0重量%であることを特徴とする。また、アルミ
ナ粒子の平均粒子径は0.2μm以上1.2μm以下に
するとよい。さらに、蛍光体粒子表面に、さらにシリカ
粒子を付着させるとよい。
【0016】また本発明に係る蛍光体の製造方法は、硫
化亜鉛および酸硫化イットリウムの少なくとも一方を主
成分とする蛍光体粒子表面に、アルミナ粒子が付着した
蛍光体の製造方法において、蛍光体粒子を純水中に分散
せしめて蛍光体分散液を調製する工程と、上記蛍光体分
散液に硫酸亜鉛(ZnSO4 )水溶液を添加し撹拌する
工程と、硫酸亜鉛を添加した蛍光体分散液にアルミナ
(Al2 O3 )粒子分散液を添加し撹拌する工程と、ア
ルミナ粒子を添加した蛍光体分散液にアンモニア水を添
加して蛍光体分散液のpHを8.0〜9.0に調整して水
酸化亜鉛を析出させると同時に撹拌して、蛍光体粒子表
面に水酸化亜鉛を介してアルミナ粒子を付着させる工程
と、アルミナ粒子が付着した蛍光体粒子の分散液を濾過
し、濾滓を乾燥・篩別する工程とを備えることを特徴と
する。
化亜鉛および酸硫化イットリウムの少なくとも一方を主
成分とする蛍光体粒子表面に、アルミナ粒子が付着した
蛍光体の製造方法において、蛍光体粒子を純水中に分散
せしめて蛍光体分散液を調製する工程と、上記蛍光体分
散液に硫酸亜鉛(ZnSO4 )水溶液を添加し撹拌する
工程と、硫酸亜鉛を添加した蛍光体分散液にアルミナ
(Al2 O3 )粒子分散液を添加し撹拌する工程と、ア
ルミナ粒子を添加した蛍光体分散液にアンモニア水を添
加して蛍光体分散液のpHを8.0〜9.0に調整して水
酸化亜鉛を析出させると同時に撹拌して、蛍光体粒子表
面に水酸化亜鉛を介してアルミナ粒子を付着させる工程
と、アルミナ粒子が付着した蛍光体粒子の分散液を濾過
し、濾滓を乾燥・篩別する工程とを備えることを特徴と
する。
【0017】ここで上記製造方法において蛍光体分散液
を調製する工程は、一般的には乾燥状態の蛍光体粒子を
純水中に投入し撹拌する工程であるが、撹拌前に超音波
分散処理またはミリングによる分散処理を予め実施して
もよい。また蛍光体粒子について前工程で何らかの処理
が施されており、蛍光体粒子が純水中に予め分散されて
いる場合には、その分散液を撹拌して使用することがで
きる。
を調製する工程は、一般的には乾燥状態の蛍光体粒子を
純水中に投入し撹拌する工程であるが、撹拌前に超音波
分散処理またはミリングによる分散処理を予め実施して
もよい。また蛍光体粒子について前工程で何らかの処理
が施されており、蛍光体粒子が純水中に予め分散されて
いる場合には、その分散液を撹拌して使用することがで
きる。
【0018】また、蛍光体分散液に薬液としての硫酸亜
鉛(ZnSO4 )水溶液を添加し撹拌する工程では、後
述するAl2 O3 粒子を蛍光体粒子表面に付着させるた
めの水酸化亜鉛を生成させる原料を添加する工程であ
る。上記薬液は硫酸亜鉛を純水中に溶解したものが好適
であるが、水酸化亜鉛を生成できる原料である限りにお
いては他の化合物を使用することも可能である。
鉛(ZnSO4 )水溶液を添加し撹拌する工程では、後
述するAl2 O3 粒子を蛍光体粒子表面に付着させるた
めの水酸化亜鉛を生成させる原料を添加する工程であ
る。上記薬液は硫酸亜鉛を純水中に溶解したものが好適
であるが、水酸化亜鉛を生成できる原料である限りにお
いては他の化合物を使用することも可能である。
【0019】蛍光体分散液にアルミナ(Al2 O3 )粒
子分散液を添加し撹拌する工程は、蛍光体の被着部に対
する付着力を高めるアルミナ粒子を添加する工程であ
る。
子分散液を添加し撹拌する工程は、蛍光体の被着部に対
する付着力を高めるアルミナ粒子を添加する工程であ
る。
【0020】次に蛍光体分散液にアンモニア水を添加し
て蛍光体分散液のpHを8.0〜9.0に調整する工程
において、所定量の水酸化亜鉛が析出する。析出した水
酸化亜鉛とともに蛍光体分散液を撹拌することにより、
蛍光体粒子表面に水酸化亜鉛を介してアルミナ粒子を付
着させることができる。上記分散液のpH値が上記範囲
外になると水酸化亜鉛の析出量が減少するため、アルミ
ナ粒子の付着量を十分に確保することが困難になる。
て蛍光体分散液のpHを8.0〜9.0に調整する工程
において、所定量の水酸化亜鉛が析出する。析出した水
酸化亜鉛とともに蛍光体分散液を撹拌することにより、
蛍光体粒子表面に水酸化亜鉛を介してアルミナ粒子を付
着させることができる。上記分散液のpH値が上記範囲
外になると水酸化亜鉛の析出量が減少するため、アルミ
ナ粒子の付着量を十分に確保することが困難になる。
【0021】こうしてアルミナ粒子が付着した蛍光体粒
子の分散液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別するこ
とにより、本発明に係る蛍光体が得られる。
子の分散液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別するこ
とにより、本発明に係る蛍光体が得られる。
【0022】本発明に係る蛍光体において、蛍光体粒子
表面に付着させるアルミナ粒子の付着量および平均粒径
は、蛍光体の残渣特性や付着力に大きな影響を及ぼすた
め、本発明ではアルミナ粒子の付着量は蛍光体粒子重量
に対して0.05〜2.0重量%の範囲とされる。アル
ミナ粒子の付着量が0.05重量%未満の場合には、残
渣特性の改善効果が不十分であり従来レベルに止まる一
方、0.05重量%以上となると残渣特性が向上し始め
る。さらに2.0重量%を超えると残渣量が却って増加
する。したがって、Al2 O3 粒子の付着量は0.05
〜2.0重量%の範囲であり、さらに0.5〜2.0重
量%とすることがより望ましい。
表面に付着させるアルミナ粒子の付着量および平均粒径
は、蛍光体の残渣特性や付着力に大きな影響を及ぼすた
め、本発明ではアルミナ粒子の付着量は蛍光体粒子重量
に対して0.05〜2.0重量%の範囲とされる。アル
ミナ粒子の付着量が0.05重量%未満の場合には、残
渣特性の改善効果が不十分であり従来レベルに止まる一
方、0.05重量%以上となると残渣特性が向上し始め
る。さらに2.0重量%を超えると残渣量が却って増加
する。したがって、Al2 O3 粒子の付着量は0.05
〜2.0重量%の範囲であり、さらに0.5〜2.0重
量%とすることがより望ましい。
【0023】またアルミナ(Al2 O3 )粒子の平均粒
径が、0.05μm未満または2.0μmを超える場合
には、いずれも蛍光体膜の付着力が低下するとともに残
渣量が増加する。そのためアルミナ粒子の平均粒径は
0.05〜2.0μmの範囲とする。
径が、0.05μm未満または2.0μmを超える場合
には、いずれも蛍光体膜の付着力が低下するとともに残
渣量が増加する。そのためアルミナ粒子の平均粒径は
0.05〜2.0μmの範囲とする。
【0024】本発明に係る製造方法によって得られる蛍
光体の残渣特性が向上する理由は必ずしも明らかではな
いが、以下のような機構に基づくものと考えられる。す
なわち、蛍光体粒子表面に付着したアルミナ粒子は乾燥
することにより蛍光体粒子表面に強固な接合状態で固着
する。ここでアルミナ粒子は電気的に強くプラス(+)
に帯電する傾向があるため、アルミナ粒子が固着した蛍
光体粒子全体としてもプラス(+)帯電となる。そして
ガラスパネルなどの被着部に蛍光体粒子を付着した場
合、ガラスパネル上のプラス帯電と反発して残渣が少な
くなる現象により、残渣特性が向上するものと考えられ
る。
光体の残渣特性が向上する理由は必ずしも明らかではな
いが、以下のような機構に基づくものと考えられる。す
なわち、蛍光体粒子表面に付着したアルミナ粒子は乾燥
することにより蛍光体粒子表面に強固な接合状態で固着
する。ここでアルミナ粒子は電気的に強くプラス(+)
に帯電する傾向があるため、アルミナ粒子が固着した蛍
光体粒子全体としてもプラス(+)帯電となる。そして
ガラスパネルなどの被着部に蛍光体粒子を付着した場
合、ガラスパネル上のプラス帯電と反発して残渣が少な
くなる現象により、残渣特性が向上するものと考えられ
る。
【0025】また蛍光体粒子表面に、粒径が0.06〜
0.3μmの微細なシリカ(SiO2 )粒子を付着させ
ることにより、ブラウン管パネルなどの被着部と蛍光体
粒子との付着力を向上させることができ、均一で緻密な
蛍光膜を得ることができ、混色のない高精細な陰極線管
を形成することができる。
0.3μmの微細なシリカ(SiO2 )粒子を付着させ
ることにより、ブラウン管パネルなどの被着部と蛍光体
粒子との付着力を向上させることができ、均一で緻密な
蛍光膜を得ることができ、混色のない高精細な陰極線管
を形成することができる。
【0026】上記構成に係る蛍光体によれば、蛍光体粒
子表面に所定の微細粒径を有するアルミナ粒子を所定量
付着させているため、被着部と蛍光体粒子との付着力を
高めることができる上に、残渣特性が向上した蛍光体膜
を形成することが可能になる。したがって蛍光体膜パタ
ーンのサイズ太り、混色などが少なく、高精細な陰極線
管を提供することができる。
子表面に所定の微細粒径を有するアルミナ粒子を所定量
付着させているため、被着部と蛍光体粒子との付着力を
高めることができる上に、残渣特性が向上した蛍光体膜
を形成することが可能になる。したがって蛍光体膜パタ
ーンのサイズ太り、混色などが少なく、高精細な陰極線
管を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例を参照して具体的に説明する。
下の実施例を参照して具体的に説明する。
【0028】実施例1 硫化亜鉛蛍光体粒子を200g分取し、純水500ml中
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が0.05重量
%となるように添加して30分間撹拌した。しかる後
に、蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、p
H8.0に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分
散液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して実施例1
に係る蛍光体を調製した。
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が0.05重量
%となるように添加して30分間撹拌した。しかる後
に、蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、p
H8.0に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分
散液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して実施例1
に係る蛍光体を調製した。
【0029】実施例2 硫化亜鉛蛍光体粒子を200g分取し、純水500ml中
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が0.5重量%
となるように添加して30分間撹拌した。しかる後に、
蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、pH
8.5に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分散
液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して実施例2に
係る蛍光体を調製した。
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が0.5重量%
となるように添加して30分間撹拌した。しかる後に、
蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、pH
8.5に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分散
液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して実施例2に
係る蛍光体を調製した。
【0030】実施例3 硫化亜鉛蛍光体粒子を200g分取し、純水500ml中
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が1.0重量%
となるように添加して30分間撹拌した。しかる後に、
蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、pH
9.0に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分散
液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して実施例3に
係る蛍光体を調製した。
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が1.0重量%
となるように添加して30分間撹拌した。しかる後に、
蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、pH
9.0に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分散
液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して実施例3に
係る蛍光体を調製した。
【0031】実施例4 硫化亜鉛蛍光体粒子を200g分取し、純水500ml中
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が2.0重量%
となるように添加して30分間撹拌した。しかる後に、
蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、pH
8.5に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分散
液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して実施例4に
係る蛍光体を調製した。
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が2.0重量%
となるように添加して30分間撹拌した。しかる後に、
蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、pH
8.5に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分散
液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して実施例4に
係る蛍光体を調製した。
【0032】比較例1 硫化亜鉛蛍光体粒子を200g分取し、純水500ml中
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が3.0重量%
となるように添加して30分間撹拌した。しかる後に、
蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、pH
8.0に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分散
液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して比較例1に
係る蛍光体を調製した。
に均一分散して蛍光体分散液を調製した。次に、この蛍
光体分散液に硫酸亜鉛水溶液を20cc添加し、30分間
撹拌した。次に上記分散液中に、平均粒径が0.3μm
であるアルミナ粒子を分散したアルミナ分散液を、蛍光
体粒子重量に対するアルミナ粒子の割合が3.0重量%
となるように添加して30分間撹拌した。しかる後に、
蛍光体分散液中に希アンモニア水溶液を添加し、pH
8.0に調節して1時間撹拌した。その後、蛍光体分散
液を濾過し、得られた濾滓を乾燥・篩別して比較例1に
係る蛍光体を調製した。
【0033】従来例 アルミナ(Al2 O3 )粒子を付着せずに、実施例1で
用意した硫化亜鉛蛍光体粒子を、そのまま用いて従来例
の蛍光体とした。
用意した硫化亜鉛蛍光体粒子を、そのまま用いて従来例
の蛍光体とした。
【0034】上記、従来例,実施例1〜4および比較例
1の各蛍光体について、PVA−ADCから成るフォト
レジストを含む蛍光体スラリーを調製し、このスラリー
をブラウン管のフェースプレートに塗布後、露光量を変
えて紫外線を照射し、得られた蛍光面を現像して洗浄し
フェースプレート上に固着して形成されたストライプ状
の蛍光体膜間に残留する残渣数を簡易顕微鏡(ショップ
マイクロ)によって計数して下記表1に示す結果を得
た。なお、残渣数はAl2 O3 粒子を付着していない従
来例の蛍光体を使用した場合を基準値1として相対的な
値(残渣比率)として示した。
1の各蛍光体について、PVA−ADCから成るフォト
レジストを含む蛍光体スラリーを調製し、このスラリー
をブラウン管のフェースプレートに塗布後、露光量を変
えて紫外線を照射し、得られた蛍光面を現像して洗浄し
フェースプレート上に固着して形成されたストライプ状
の蛍光体膜間に残留する残渣数を簡易顕微鏡(ショップ
マイクロ)によって計数して下記表1に示す結果を得
た。なお、残渣数はAl2 O3 粒子を付着していない従
来例の蛍光体を使用した場合を基準値1として相対的な
値(残渣比率)として示した。
【0035】また露光量と、付着力に対応するストライ
プ幅との関係を測定して図1に示す結果を得た。
プ幅との関係を測定して図1に示す結果を得た。
【0036】
【表1】
【0037】上記表1に示す結果から明らかなように、
蛍光体粒子表面に、所定平均粒径のアルミナ粒子を所定
量付着させた蛍光体粒子を使用することにより、残渣特
性を効果的に改善できることが判明した。特に実施例2
〜4から明らかなように、Al2 O3 粒子の付着量が
0.50〜2.00重量%の範囲において残渣量の低減
効果が顕著になることが確認できた。
蛍光体粒子表面に、所定平均粒径のアルミナ粒子を所定
量付着させた蛍光体粒子を使用することにより、残渣特
性を効果的に改善できることが判明した。特に実施例2
〜4から明らかなように、Al2 O3 粒子の付着量が
0.50〜2.00重量%の範囲において残渣量の低減
効果が顕著になることが確認できた。
【0038】また、図1に示す結果から明らかなよう
に、各実施例に係る蛍光体について露光量の変化に対応
する付着力(ストライプ幅に対応する。)は、下限が1
25〜135の範囲内にあり、この値は付着力の変化が
少ないことを意味している。すなわちAl2 O3 粒子の
付着によって蛍光体膜の付着力が変化することが少ない
ことも確認された。
に、各実施例に係る蛍光体について露光量の変化に対応
する付着力(ストライプ幅に対応する。)は、下限が1
25〜135の範囲内にあり、この値は付着力の変化が
少ないことを意味している。すなわちAl2 O3 粒子の
付着によって蛍光体膜の付着力が変化することが少ない
ことも確認された。
【0039】実施例5〜8および比較例2 実施例3において、付着させるアルミナ(Al2 O3 )
粒子の平均粒径をそれぞれ0.05μm(実施例5),
0.50μm(実施例6),1.0μm(実施例7),
2.0μm(実施例8),2.5μm(比較例2)とし
た点以外は実施例3と同様に処理してそれぞれ実施例5
〜8および比較例2に係る蛍光体を調製した。
粒子の平均粒径をそれぞれ0.05μm(実施例5),
0.50μm(実施例6),1.0μm(実施例7),
2.0μm(実施例8),2.5μm(比較例2)とし
た点以外は実施例3と同様に処理してそれぞれ実施例5
〜8および比較例2に係る蛍光体を調製した。
【0040】上記各蛍光体を実施例1と同様にスラリー
とし、ブラウン管のフェースプレートに塗布し、紫外線
露光,現像,洗浄してストライプ状の蛍光体膜をそれぞ
れ形成した。そして各蛍光体膜間に残留する残渣数の比
率を測定して下記表2に示す結果を得た。またアルミナ
粒子の平均粒径と蛍光体膜の付着力(フェースプレート
上に残留したストライプの割合)との関係を測定して図
2に示す結果を得た。
とし、ブラウン管のフェースプレートに塗布し、紫外線
露光,現像,洗浄してストライプ状の蛍光体膜をそれぞ
れ形成した。そして各蛍光体膜間に残留する残渣数の比
率を測定して下記表2に示す結果を得た。またアルミナ
粒子の平均粒径と蛍光体膜の付着力(フェースプレート
上に残留したストライプの割合)との関係を測定して図
2に示す結果を得た。
【0041】
【表2】
【0042】上記表2に示す結果から明らかなように、
付着させるアルミナ(Al2 O3 )粒子の平均粒径を
0.05〜2.00μmの範囲とした各実施例の蛍光体
膜においては、残渣数が減少することが判明した。また
図2に示す結果からも明らかなように、上記のアルミナ
粒子の粒径範囲においては、蛍光体膜の付着力の低下も
少ないことが確認できた。
付着させるアルミナ(Al2 O3 )粒子の平均粒径を
0.05〜2.00μmの範囲とした各実施例の蛍光体
膜においては、残渣数が減少することが判明した。また
図2に示す結果からも明らかなように、上記のアルミナ
粒子の粒径範囲においては、蛍光体膜の付着力の低下も
少ないことが確認できた。
【0043】実施例9〜13 実施例3において蛍光体粒子重量に対して1.0重量%
のアルミナ粒子を付着させた蛍光体粒子に、さらに平均
粒径0.1μmのシリカ粒子を、それぞれ0.1重量%
(実施例9),0.5重量%(実施例10),1.0重
量%(実施例11),2.0重量%(実施例12)およ
び3重量%(実施例13)付着させた点以外は実施例3
と同様に処理して、それぞれ実施例9〜13に係る蛍光
体を調製した。
のアルミナ粒子を付着させた蛍光体粒子に、さらに平均
粒径0.1μmのシリカ粒子を、それぞれ0.1重量%
(実施例9),0.5重量%(実施例10),1.0重
量%(実施例11),2.0重量%(実施例12)およ
び3重量%(実施例13)付着させた点以外は実施例3
と同様に処理して、それぞれ実施例9〜13に係る蛍光
体を調製した。
【0044】そして調製した各蛍光体を使用して実施例
1と同様にブラウン管のフェースプレートにストライプ
状の蛍光体膜を形成し、各蛍光体膜間に残留する残渣数
の比率を測定して下記表3に示す結果を得た。なお、各
残渣比率はシリカ粒子を付着させていない実施例3の場
合を基準値1として相対的に表示した。
1と同様にブラウン管のフェースプレートにストライプ
状の蛍光体膜を形成し、各蛍光体膜間に残留する残渣数
の比率を測定して下記表3に示す結果を得た。なお、各
残渣比率はシリカ粒子を付着させていない実施例3の場
合を基準値1として相対的に表示した。
【0045】
【表3】
【0046】上記表3に示す結果から明らかなように、
アルミナ粒子に加えて、さらにシリカ(SiO2 )粒子
を蛍光体粒子表面に付着させることにより、残渣特性を
さらに改善することが可能となることが判明した。
アルミナ粒子に加えて、さらにシリカ(SiO2 )粒子
を蛍光体粒子表面に付着させることにより、残渣特性を
さらに改善することが可能となることが判明した。
【0047】このように本実施例に係る蛍光体によれ
ば、従来製法による蛍光体と比較して、蛍光体膜の付着
力が高く維持できる上に、残渣特性を大幅に改善するこ
とが可能となった。また、蛍光体膜のサイズ太りなどの
問題が少ないことから、色調が良好で高精細な画像を再
生し得る陰極線管が得られる。
ば、従来製法による蛍光体と比較して、蛍光体膜の付着
力が高く維持できる上に、残渣特性を大幅に改善するこ
とが可能となった。また、蛍光体膜のサイズ太りなどの
問題が少ないことから、色調が良好で高精細な画像を再
生し得る陰極線管が得られる。
【0048】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る蛍光体に
よれば、蛍光体粒子表面に所定の微細粒径を有するアル
ミナ粒子を所定量付着させているため、被着部と蛍光体
粒子との付着力を高めることができる上に、残渣特性が
向上した蛍光体膜を形成することが可能になる。したが
って蛍光体膜パターンのサイズ太り、混色などが少な
く、高精細な陰極線管を提供することができる。
よれば、蛍光体粒子表面に所定の微細粒径を有するアル
ミナ粒子を所定量付着させているため、被着部と蛍光体
粒子との付着力を高めることができる上に、残渣特性が
向上した蛍光体膜を形成することが可能になる。したが
って蛍光体膜パターンのサイズ太り、混色などが少な
く、高精細な陰極線管を提供することができる。
【図1】露光量と付着力(ストライプ幅)との関係を示
すグラフ。
すグラフ。
【図2】アルミナ粒子の平均粒径と蛍光体膜の付着力と
の関係を示すグラフ。
の関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 克之 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 (72)発明者 竹原 俊文 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 硫化亜鉛および酸硫化イットリウムの少
なくとも一方を主成分とする蛍光体粒子表面に、平均粒
子径が0.05μm以上2.0μm以下であるアルミナ
粒子が付着して成り、アルミナ粒子の付着量が蛍光体粒
子重量に対して0.05〜2.0重量%であることを特
徴とする蛍光体。 - 【請求項2】 アルミナ粒子の平均粒子径が0.2μm
以上1.2μm以下であることを特徴とする請求項1記
載の蛍光体。 - 【請求項3】 蛍光体粒子表面に、さらにシリカ粒子が
付着していることを特徴とする請求項1記載の蛍光体。 - 【請求項4】 硫化亜鉛および酸硫化イットリウムの少
なくとも一方を主成分とする蛍光体粒子表面に、アルミ
ナ粒子が付着した蛍光体の製造方法において、蛍光体粒
子を純水中に分散せしめて蛍光体分散液を調製する工程
と、上記蛍光体分散液に硫酸亜鉛(ZnSO4 )水溶液
を添加し撹拌する工程と、硫酸亜鉛を添加した蛍光体分
散液にアルミナ(Al2 O3 )粒子分散液を添加し撹拌
する工程と、アルミナ粒子を添加した蛍光体分散液にア
ルモニア水を添加して蛍光体分散液のpHを8.0〜9.
0に調整して水酸化亜鉛を析出させると同時に撹拌し
て、蛍光体粒子表面に水酸化亜鉛を介してアルミナ粒子
を付着させる工程と、アルミナ粒子が付着した蛍光体粒
子の分散液を濾過し、濾滓を乾燥・篩別する工程とを備
えることを特徴とする蛍光体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1886197A JPH10212475A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 蛍光体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1886197A JPH10212475A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 蛍光体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10212475A true JPH10212475A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=11983333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1886197A Pending JPH10212475A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 蛍光体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10212475A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1115144A4 (en) * | 1999-05-25 | 2003-08-27 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | METHOD FOR PRODUCING A FLUORESCENT LAMP AND SUSPENSION |
JP2006518398A (ja) * | 2003-02-20 | 2006-08-10 | パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 被覆された蛍光体、この種の蛍光体を有する発光装置及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-01-31 JP JP1886197A patent/JPH10212475A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1115144A4 (en) * | 1999-05-25 | 2003-08-27 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | METHOD FOR PRODUCING A FLUORESCENT LAMP AND SUSPENSION |
JP2006518398A (ja) * | 2003-02-20 | 2006-08-10 | パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 被覆された蛍光体、この種の蛍光体を有する発光装置及びその製造方法 |
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