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JPH10206532A - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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Publication number
JPH10206532A
JPH10206532A JP9010660A JP1066097A JPH10206532A JP H10206532 A JPH10206532 A JP H10206532A JP 9010660 A JP9010660 A JP 9010660A JP 1066097 A JP1066097 A JP 1066097A JP H10206532 A JPH10206532 A JP H10206532A
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JP
Japan
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vehicle
frequency
constant
reliability
road
Prior art date
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Application number
JP9010660A
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English (en)
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JP3748306B2 (ja
Inventor
Kanako Honda
加奈子 本田
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Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP01066097A priority Critical patent/JP3748306B2/ja
Publication of JPH10206532A publication Critical patent/JPH10206532A/ja
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Publication of JP3748306B2 publication Critical patent/JP3748306B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物検知の誤認を解消する。 【解決手段】 発振アンテナ3から発振された発振波は
複数の反射物体で反射されて受信アンテナ4で受信さ
れ、混合手段7で混合信号が生成される。FFT手段1
3は、予め定める周期毎に混合信号をフーリエ変換して
複数の周波数成分を得る。抽出手段14は、各周波数成
分と基準レベルとをレベル弁別して、反射物体に対応す
る周波数を抽出する。定数演算手段15は、各反射物体
の周波数に対して個別的に、複数の演算条件に対応する
信頼性定数をそれぞれ求め、その信頼性定数を各周波数
毎に累積する。選択手段16は、各反射物体の周波数の
信頼性定数の累積値を予め定める基準累積値と比較し
て、累積値が予め定める基準累積値以上である周波数を
選択する。位置演算手段17は、選択された周波数か
ら、被検出物体とレーダ装置を搭載する車両と相対距離
および相対速度を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車両等に搭載さ
れ、その周囲の対象物を検出するためのレーダ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】車両には、たとえば衝突物検知のため、
またはオートクルーズの追従車両検知のために、レーダ
装置が搭載される。この種のレーダ装置では、対象物と
しての他の車両であるような複数の対象物からの反射波
をアンテナで一括して受信して時系列信号を得ると、ま
ず、時系列信号に含まれる複数の周波数成分のうち、予
め定める閾レベルよりもレベルが大きい周波数成分を、
検知すべき対象物からの反射波の周波数成分として選択
する。次いで、選択された反射波の周波数成分の周波数
に基づいて、対象物との相対距離および相対速度を含む
ような相対位置情報を算出する。
【0003】このようなレーダ装置に関する従来技術と
して、特開昭56−164971号公開公報、特開平4
−313090号公開公報、および特開平6−1944
42号公開公報が挙げられる。特開昭56−16497
1号公開公報の自動車用FM−CWレーダ装置では、ビ
ート周波数のスペクトル分布のうちで、他の周波数と比
較して際立ってレベルが高い部分が存在するか否かを判
定することによって、対象物の有無を判定する。特開平
4−313090号公開公報の自動車用障害物検知装置
では、FM−CWレーダ装置のビート信号のパワースペ
クトラムの形状から、対象物である検知物体の形状を識
別する。特開平6−194442号公開公報のレーダ装
置では、このレーダ装置を海上で使用するとき、海面か
らの反射であるようなクラッタを除去して、探知物標か
らの信号だけを抽出する。
【0004】上述のレーダ装置で得られる周波数成分の
レベルには、対象物の位置のふらつき、またはマルチパ
ス妨害に起因するようなレベル変化が生じる。特に、レ
ーダ装置を地上で使用するとき、たとえば道路表面であ
るような対象物以外の反射物が多いので、マルチパス妨
害が多く発生する。このために、対象物が存在するにも
拘わらず、マルチパス妨害によって、突発的に短時間だ
け、周波数成分のレベルが閾レベル未満に低下すること
がある。このときレーダ装置は、閾レベル未満のレベル
の周波数成分を除去するので、マルチパス妨害が生じる
間、その周波数成分に対応する相対距離および相対速度
が求められず、対象物がないと誤認することが多い。
【0005】また、上述のレベル変化に起因する対象物
の有無の誤認を解消するために、対象物の相対距離およ
び相対速度が求められた後、求められた相対距離および
相対速度と過去に得られる相対距離および相対速度とを
比較して、信頼性を判定する手法がある。この手法で
は、時系列信号の周波数成分のレベル変化と信頼性判定
とが並列に比較されることが少ない。また、信頼性判定
を複数の条件に対して行うとき、いずれか1つの条件に
関する信頼性が基準よりも低いと判定されると、他の条
件に関する信頼性が極めて高いときにも、その周波数成
分が選択されない。これらのことから、対象物の有無の
誤認を全て解消することは困難だった。
【0006】
【発明が解決するべき課題】本発明の目的は、対象物検
知の誤認を解消することができるレーダ装置を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め定める発
振信号を生成して発振する発振手段と、発振手段からの
発振信号が対象物で反射されて得られ、時間経過に伴っ
てレベルが変化する時系列信号を受信する受信手段と、
予め定める周期毎に、時系列信号に含まれる複数の予め
定める周波数成分に対して個別的に、複数の演算条件に
対応する信頼性定数を、対象物に対応する周波数成分ほ
ど値を大きくまたは小さくするようにそれぞれ求め、複
数の信頼性定数を各周波数成分毎に累積して累積値を得
る定数演算手段と、各周波数成分のうち、累積値が予め
定める基準値以上または未満である周波数成分を選択す
る選択手段と、選択手段で選択された周波数成分から、
対象物との相対距離および相対速度の少なくとも一方を
含む相対位置情報をそれぞれ得る位置演算手段とを含む
ことを特徴とするレーダ装置である。本発明に従えば、
レーダ装置は、対象物からの時系列信号から対象物との
相対位置情報を演算するための周波数成分を選択する基
準として、複数の信頼性係数の累積値を用いる。この信
頼性定数は、たとえば各周波数成分のレベル、または対
象物との過去の相対位置情報から逆算された周波数成分
に基づいて決定され、対象物に確実に対応する周波数成
分ほど値が大きいまたは小さい。これによって、対象物
の位置に近接する位置に対応する周波数成分ほど信頼性
定数の値が大きいとき、累積値が大きいほどその周波数
成分が対象物の位置に対応する可能性が大きくなる。こ
れによって、複数の対象物の有無の演算条件を並列に比
較して、対象物の有無を判定することができる。また、
規格が異なるような複数の演算条件を信頼性定数に置換
えるので、比較が容易であると共に重付けが容易にな
る。
【0008】また本発明は、前記複数の演算条件のうち
の1つは、予め定める時間内の時系列信号の各周波数成
分のレベルの積算値であって、前記信頼性定数は、積算
値が大きいほど大きいまたは小さいことを特徴とする。
本発明に従えば、前記定数演算手段は、時系列信号の周
波数成分のレベルの時間積算値を基準として、信頼性定
数を求める。たとえば短時間に突発的に発生し、局部的
に周波数成分のレベルを低下させるようなマルチパス妨
害が発生するときでも、レベルの積算値への影響は小さ
い。したがって、マルチパス妨害に起因する対象物の有
無の誤認を防止することができる。
【0009】また本発明は、前記複数の演算条件のうち
の1つは、対象物との過去の相対位置情報に対応する特
定位置周波数であって、前記信頼数定数は、前記周波数
成分が特定位置周波数と近接するほど大きいまたは小さ
いことを特徴とする。本発明に従えば、前記定数演算手
段は、過去に得られる対象物の相対距離および相対速度
を含む相対位置情報から周波数成分を逆算し、逆算され
た周波数成分を基準として、信頼性定数を求める。これ
によって、たとえばマルチパス妨害によって一時的に対
象物に対応する周波数成分のレベルが低下したときで
も、その周波数成分の信頼性定数を大きくまたは小さく
して、前記選択手段で選択されやすくすることができ
る。
【0010】また本発明は、前記レーダ装置は、予め定
める車両に搭載され、前記位置演算手段からの位置情報
に基づいて、予め定め特定条件を満たす特定対象物を求
める処理手段をさらに含み、前記複数の演算条件のうち
の1つは、車両と特定対象物との過去の相対位置情報に
対応する特定対象物周波数であり、前記信頼数定数は、
前記周波数成分が特定対象物周波数と近接するほど大き
いまたは小さいことを特徴とする。本発明に従えば、前
記レーダ装置には、上述の処理手段が付加される。この
レーダ装置の前記定数演算手段は、過去に処理手段で判
定される特定対象物相対位置情報に関する周波数成分を
逆算し、逆算された周波数成分を基準として、信頼性定
数を求める。これによって、複数の対象物が検出された
ときでも、処理手段が求めるべき特定対象物である可能
性の大きい対象物の信頼性定数を大きくまたは小さくし
て、前記選択手段で選択されやすくすることができる。
【0011】また本発明は、前記特定対象物は、前記車
両が追従すべき対象物であり、前記特定条件は、車両の
移動方向下流側に存在し、車両と特定対象物との相対速
度が予め定める基準速度未満であることを特徴とする。
本発明に従えば、前記処理装置は、車両に先行して走行
する特定対象物を追従させるための装置である。このよ
うな装置を有するレーダ装置では、定数演算手段は、車
両の移動方向下流側で相対速度が時速0Kmに近いよう
な対象物ほど、信頼性定数を大きくまたは小さくする。
これによって、たとえばオートクルーズ装置において、
追従すべき対象物の周波数成分を前記選択手段で選択さ
れ易くすることができる。
【0012】また本発明は、前記特定対象物は、前記車
両と衝突する可能性のある対象物であり、前記特定条件
は、特定対象物が地表に対して静止、または静止途中で
あることを特徴とする。本発明に従えば、前記処理装置
は、車両に衝突する対象物を検知するための装置であ
る。このような処理装置を有するレーダ装置では、定数
演算手段は、たとえば地表に対する絶対速度が時速0K
mに近いような静止中の対象物、または静止途中の対象
物ほど、信頼性定数を大きくまたは小さくする。これに
よって、たとえば衝突検知装置において、車両と衝突す
る可能性のある対象物の周波数成分を前記選択手段で選
択され易くすることができる。
【0013】また本発明は、前記車両が走行すべき複数
の道路および道路近傍の固定物を表す地図データを有
し、車両が現在走行する道路のデータを得る検出手段を
さらに含み、前記定数演算手段は、特定条件を満たす対
象物のうち、車両が現在走行する道路上の移動物のうち
から特定対象物を選ぶことを特徴とする。本発明に従え
ば、前記レーダ装置は、たとえばナビゲーション装置で
あるような、地図データ上の車両の自車位置を把握する
検出手段をさらに有する。定数演算手段は、検出手段で
得られる車両が現在走行中の道路と同一道路上にある複
数の対象物から、信頼性定数を大きくまたは小さくする
べき特定対象物を選ぶ。これによって、たとえば車両が
市街地を車両が走行するとき、道路に面する建造物を特
定対象物と誤認することを防止することができる。ま
た、たとえば車両が交差点付近を走行するとき、交差す
る別の道路を走行する別の車両を特定対象物と誤認する
ことを防止することができる。したがって、検出すべき
特定対象物の周波数成分に対する信頼性定数を確実に大
きくまたは小さくすることができる。
【0014】また本発明は、前記車両が現在走行する道
路の交通情報を得る取得手段をさらに含み、前記定数演
算手段は、特定条件を満たす対象物のうち、車両が現在
走行する道路上の移動物のうちから特定対象物を選ぶこ
とを特徴とする。本発明に従えば、前記レーダ装置は、
たとえばVICSの受信機であるような交通情報の取得
手段をさらに有する。定数演算手段は、取得手段で得ら
れる交通情報から、車両が現在走行中の道路の交通状
況、たとえば渋滞の有無を判別し、同一道路上にある複
数の対象物のうちから、信頼性定数を大きくまたは小さ
くするべき特定対象物を選ぶ。これによって、走行中の
道路の交通状況に併せて、検出すべき特定対象物の周波
数成分に付加される信頼性定数を確実に大きくまたは小
さくすることができる。
【0015】また本発明は、前記特定対象物は、前記車
両に予め定める距離未満まで接近する対象物であり、前
記特定条件は、車両との相対距離が予め定める距離未満
であることを特徴とする。本発明に従えば、前記処理手
段は、車両周辺の対象物の有無を重点的に検出する。こ
のような処理装置を有するレーダ装置では、定数演算手
段は、たとえば車両との相対距離が短い対象物ほど、信
頼性定数を大きくまたは小さくする。これによって、た
とえば接近する対象物の検知装置において、車両の周囲
に近接する対象物の周波数成分を前記選択手段で選択さ
れ易くすることができる。
【0016】また本発明は、前記レーダ装置は、車両に
搭載され、発振手段からの発振信号の放射方向を予め定
める周期で角変位させる測角手段をさらに有し、前記複
数の演算条件のうちの1つは、放射方向の角変位量であ
り、前記信頼性定数は、車両の移動方向下流側に存在す
る対象物ほど大きいまたは小さいことを特徴とする。本
発明に従えば、レーダ装置は、発振信号の放射方向を予
め定める角度範囲で周期的に移動させるような測角手段
を有する。定数演算手段は、放射方向の角変位に基づい
て、車両の移動方向下流側に存在する対象物ほど信頼性
定数を大きくまたは小さくする。これによって、いわゆ
るスキャン方式のレーダ装置において、車両の移動方向
下流側の対象物の周波数成分を、前記選択手段で選択さ
れ易くすることができる。
【0017】また本発明は、前記レーダ装置は、車両に
搭載され、前記複数の演算条件のうちの1つは、車両お
よび対象物間の過去の相対距離と、車両の走行する道路
の曲率と、同一道路上の車両の有無との関係であり、前
記信頼性定数は、車両と同一道路上に存在する対象物ほ
ど大きいまたは小さいことを特徴とする。本発明に従え
ば、レーダ装置は、対象物との相対距離および車両が走
行する道路の曲率から、たとえば予め定めるテーブルに
基づいて、対象物が車両と同一の道路上に有るか否かを
判別することができる。このような手段を有するレーダ
装置は、同一道路上の対象物ほど、信頼性定数を大きく
または小さくする。これによって、走行中の道路が弯曲
するときでも、同一道路上の対象物を前記選択手段で選
択されやすくすることができる。また、車両が弯曲した
道路を走行するとき、対向車線を走行する別の車両を同
一道路上の対象物と誤認することを防止することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
あるレーダ装置の電気的構成を示すブロック図である。
レーダ装置は、いわゆるFM−CW(Frequency Modula
tion-Continuous Wave)レーダ装置であり、たとえば車
両に搭載されて用いられる。このレーダ装置1は、レー
ダ装置1を搭載する搭載車両の周辺に存在する物体を検
出すべき対象物である被検出物体とし、被検出物体と搭
載車両との相対距離および相対速度の少なくとも一方を
含むような位置情報を得る。
【0019】レーダ装置1は、送信アンテナ3、受信ア
ンテナ4、発振手段5、受信手段6、混合手段7、アナ
ログ/デジタル変換手段10、信号処理手段11、入出
力手段19、アプリケーション手段21、ナビゲーショ
ン手段26,交通情報取得手段27,および車両センサ
手段28を含んで構成される。アンテナ3,4、手段5
〜7は、レーダセンサ手段9を構成する。
【0020】発振アンテナ3は、発振手段5からの発振
信号に応答して、後述するように周波数が経時的に偏移
する電磁波であるような送信波を放射する。発振信号
は、たとえば周波数が経時偏移するような交流電力信号
であり、その強度は常に一定である。この送信波は、送
信波の放射方向下流側の1または複数の反射物体に向け
て放射され、反射物体からそれぞれ反射されて搭載車両
に戻り、反射波として受信アンテナ4に一括して受信さ
れる。この反射物体には、被検出物体が含まれる。
【0021】発振アンテナ3からの送信波を反射する上
述の反射物体には、具体的には、搭載車両が現在走行中
の走行道路と同一道路を先行して走行する先行車両、走
行道路に隣接する隣接道路を走行する隣接車両、道路周
辺の建造物、ならびに走行道路および隣接道路表面など
が挙げられる。これら反射物体のうちの少なくとも1つ
が、レーダ装置1によって搭載車両との相対位置を検出
すべき被検出物体であり、たとえば先行車両がこの被検
出物体に該当する。
【0022】受信手段6は、受信アンテナ4からの出力
に応答し、受信された反射波の受信電界強度を表し、受
信電界強度が増加すると信号レベルが増加するような時
系列信号を生成して、混合手段8に導出する。混合手段
8には、時系列信号の他に、発振手段5からの発振信号
が与えられる。混合手段8は、発振信号と時系列信号と
を混合して、両信号のビート周波数を有する混合信号を
生成する。この混合信号は、アナログ/デジタル変換回
路10(図面では「A/D」とする)でデジタル信号に
変換された後に、信号処理手段11に与えられる。
【0023】信号処理手段11は、FFT手段13、抽
出手段14、定数演算手段15、選択手段16、および
位置演算手段17を含んで構成される。FFT手段13
では、混合信号を予め定める単位時間W2(図2)毎に
サンプリングして直交変換することによって、単位時間
W2内での混合信号の周波数成分を得る。続いて、抽出
手段14では、混合信号の周波数成分のうちで反射物体
に対応する周波数を抽出する。続いて、定数演算手段1
5では、抽出される反射物体の各周波数について、後述
の複数の演算条件に個々に適合するような信頼性定数を
個別的に算出し、算出された信頼性定数を各周波数毎に
累積する。さらに、選択手段16では、反射物体の各周
波数の信頼性定数の累積値の大小を基準として、被検出
物体に対応する周波数だけを選択する。位置演算手段1
7は、選択手段16で選択される被検出物体の周波数か
ら被検出物体と搭載車両との間の相対距離および相対速
度を含むような位置情報を表す位置情報信号を生成す
る。この位置情報信号は、入出力インタフェイス回路で
あるような入出力手段19を介してアプリケーション手
段21に与えられる。
【0024】アプリケーション手段21には、追従判定
手段22、衝突判定手段23、近距離判定手段24が含
まれる。各判定手段22〜24は、位置演算手段17か
らの位置情報信号を用いて被検出物体と搭載車両との間
に予め定める特定条件が成立するか否かを判定する。た
とえば追従判定手段22は、搭載車両に先行する走行車
両であるような被検出物体と搭載車両との距離が予め定
める距離未満に近接すること、または両車両間の相対速
度が予め定める速度以上に大きくなることを特定条件と
して、その是非を判定する。また衝突判定手段22は、
被検出物体と搭載車両との位置関係および相対速度から
衝突する可能性があるか否かを判定する。さらに近距離
判定手段24は、被検出物体が搭載車両から予め定める
距離以内の領域にあるか否かを判定する。これらの特定
条件が成立するとき、各判定手段は、たとえばブザーか
ら警告音を発生させて、その旨を車両の運転者に提示す
る。
【0025】また、ナビゲーション手段26は請求項の
検出手段に相当し、たとえばGPS(Global Positioni
ng System)装置および地磁気センサであるような自車
位置検出手段を有し、ナビゲーション手段26に予め備
えられる地図上での搭載車両の現在位置を取得して、搭
載車両の周辺の道路構造および建造物を含む搭載車両周
辺の状況であるような周辺情報を取得する。交通情報取
得手段27は、たとえばVICSの受信機で実現され、
搭載車両周辺の現在の交通情報を取得する。車両センサ
手段28は、たとえばハンドルの操作角を検出するため
の手段(図示せず)、および車両の走行速度を検出する
ための車速センサ(図示せず)を含み、現在の搭載車両
の進行方向および走行速度を含む車両の挙動を表す挙動
信号を得る。これら周辺情報、交通情報、および挙動信
号は、定数演算手段15に与えられて、後述するように
信頼性定数の算出に用いられる。
【0026】以下に、FM−CWレーダ装置の挙動を説
明するために、レーダセンサ手段9の挙動ならびに送信
波、反射波、および混合信号の挙動を詳細に説明する。
【0027】発振アンテナ3は、たとえば車両の車体の
進行方向下流側に電磁波である送信波を放射するように
設置される。また受信アンテナ4は、車両の車体の進行
方向下流側からの電磁波、たとえば後述の反射波を受信
するように設置される。このために、発振および受信ア
ンテナ3,4は、たとえば車両の車体前方のフロントグ
リル内に設置される。また発振および受信アンテナ3,
4は、いわゆる指向性の強いアンテナであって、たとえ
ば発振アンテナ3からの送信波の主ローブのビーム幅は
約2度〜3度である。これらアンテナ3,4は、共有の
単一のアンテナで実現されてもよい。
【0028】図2(1)は、送信波および反射波の周波
数の経時偏移を説明するためのグラフである。実線31
は送信波の周波数の経時偏移を表し、2点鎖線32は、
実線31の送信波に対応する反射波の周波数の経時偏移
を表す。以下に説明する周波数偏移の挙動は、被検出物
体が単一であってマルチパス妨害がなく、かつ送信およ
び受信アンテナ3,4と被検出物体との間の無線伝送路
の経路長が或る長さに保たれる場合を表す。
【0029】送信波の周波数は、予め定める中心周波数
f0を中心として、予め定める変位幅δfだけ、予め定
める振動周期W1で周期的に増減するように、三角波ス
イープされる。具体的には、送信波の周波数は、時刻t
0から時刻t2までの増加期間で予め定める最小周波数
fminから予め定める最大周波数fmaxまで時間経
過に比例して増加し、時刻t2から時刻t4までの減少
期間で最大周波数fmaxから最小周波数fminまで
時間経過に比例して減少する。
【0030】最大および最小周波数fmax,fmin
は、それぞれ中心周波数f0から変位幅δfの半分の周
波数だけ増加および減少した周波数である。中心周波数
f0はたとえば750Hzであり、変位幅δfは、たと
えば75MHzである。このときの振動周期W1は、た
とえば1.3m秒である。また増加および減少期間は振
動周期W1の半分の時間である。また周波数の増加およ
び減少の各時間変化率の絶対値は等しい。これら最大お
よび最小周波数fmax,fminならびに振動周期W
1は、レーザ装置1の使用状況等に応じて適宜設定する
ことができる。
【0031】各反射物体からの反射波、換言すると受信
アンテナ4が受信する受信波は、たとえば送信波と同様
に周波数が経時的に偏移し、その偏移タイミングが送信
波の偏移タイミングよりも遅延するような電磁波とな
る。上述の送信波の送信時刻から該送信波に対応する反
射波の受信時刻までの遅延時間W3は、電磁波の無線伝
送路の経路長に比例して増加する。それ故に、反射波の
周波数偏移の挙動は、周波数の偏移タイミングだけが異
なり、周波数偏移の時間変化率、中心周波数f0、変化
率δf、および振動周期W1は等しい。ゆえに反射波
は、周波数増加の開始時刻t1から時刻t2を経て減少
開始時刻t3まで時間経過に比例して増加し、減少開始
時刻t3から時刻t4を経て減少終了時刻t5まで時間
経過に比例して減少する。時刻t1,t3,t5は、そ
れぞれ送信波の周波数偏移の時刻t0,t2,t4から
遅延時間W3だけ遅れた時刻に対応する。
【0032】図2(2)は、図2(1)に示す送信波お
よび反射波が得られるときに生成される混合信号のビー
ト周波数の経時偏移を表すグラフである。ビート周波数
は、被検出物体とレーダ装置1との相対距離が大きいほ
ど大きくなる。FM−CWレーダ装置では、被検出物体
の相対距離および相対速度はこのビート周波数をパラメ
ータとして、後述の予め定める算出式から求められる。
経路長が或る長さに保たれた状態にて上述の送信波を放
射すると、ビート周波数は、送信波の振動周期W1と同
一の周期で偏移する。具体的には、送信波の周波数増加
の開始時刻t0から上述の遅延時間W3が経過する間、
ビート周波数は時間経過に比例して増加し、反射波の周
波数増加の開始時刻t1から送信波の周波数減少の開始
時刻t2まで最大ビート周波数fupを保つ。さらに開
始時刻t2から反射波の周波数減少の開始時刻t3まで
時間経過に比例して減少し、開始時刻t3から送信波の
周波数減少の終了時刻t4まで、最小ビート周波数fd
nを保つ。最大および最小ビート周波数fup,fdn
の絶対値は等しい。
【0033】また、発振信号の信号レベルは常に予め定
めるレベルを保つので、発振波の電界強度もまた常に予
め定めるレベルを保つ。この発振波の各反射物体からの
個別の反射波の受信電界強度は、反射物体の電磁波の反
射率、およびアンテナ3,4と反射物体との間の無線伝
送路の経路長に関連して変化し、反射率が同一の反射物
体からの反射波であれば、経路長の長さの4乗に比例し
て減少する。このとき、反射率が類似の反射物体が複数
あって各反射物体との無線伝送路の経路長が反射波の波
長の整数倍であるとき、マルチパス妨害が発生する。マ
ルチパス妨害が発生すると、時系列信号の信号レベルは
急激に減少する。これらのことから、混合信号は、反射
波の受信電界強度の経時変化に対応して信号レベルが変
化するような脈動信号であり、信号レベルの交流成分の
振幅の変動は、受信電界強度の経時変化に対応する。
【0034】図3は、信号処理手段11における信号処
理動作を説明するためのフローチャートである。図3の
フローチャートに沿って、信号処理手段11の詳細な挙
動を以下に説明する。
【0035】発振手段5から発振信号が送信アンテナ3
に供給されると、発振波が放射される。反射物体からの
反射波を受信アンテナ4が受信すると、混合手段7が混
合信号の生成を開始して、ステップa1からステップa
2に進む。ステップa2では、アナログ/デジタル変換
手段10が、混合手段7からの混合信号をデジタル信号
に変換して、FFT手段13に与える。
【0036】続いて、ステップa3では、FFT手段1
3が、まず、予め定めるサンプリング周期毎の時間軸上
の観測点で混合信号の信号レベルをサンプリングする。
このサンプリングでのN点の観測点の間隔は、振動周期
W1の半分の時間である単位時間W2以下の長さに設定
される。たとえば、観測点の数が128点のときは、単
位時間W2の128分の1の長さに設定される。
【0037】続いてFFT手段13は、混合信号の信号
レベルをサンプリングするたびに、予め定める周波数軸
上のN点の観測点の周波数f1〜fNにおける混合信号
の信号レベルである周波数成分を得る。これら周波数成
分は、レーダ装置1で検出可能な範囲に反射物体がある
とき、その反射物体と搭載車両との相対距離に対応する
ビート周波数fup,fdnの周波数成分のレベルだけ
が該反射物体からの反射波単体の受信電界強度に対応す
るレベルとなり、残余の周波数の周波数成分はレベル0
または時系列信号に重畳される雑音信号の受信電界強度
に対応するレベルになる。また、複数の反射物体が検出
可能な範囲に存在するとき、各反射物体と搭載車両との
相対距離にそれぞれ対応するような複数のビート周波数
fup,fdnの周波数成分のレベルが、それぞれ各反
射物体からの反射波単体の受信電界強度に対応するレベ
ルとなる。反射物体があるときの受信電界強度に対応す
るレベルは、たとえばマルチパス妨害がないときには雑
音信号に対応するレベルよりも大きい。
【0038】FFT手段13は、具体的には、たとえば
フーリエ変換法を用いた直交変換の演算を行う演算手段
で実現される。任意のサンプリング時刻tnにおける前
記周波数f1〜fNの各周波数成分c1(tn)〜cN
(tn)の値は、サンプリング時刻tnからN点遡った
時間軸上の観測点から該サンプリング時刻tnまでのN
点の観測点で得られる混合信号の信号レベル値L1〜L
Nを用いたフーリエ変換によって得られる。この演算に
は、具体的には、N点の高速フーリエ変換法が用いられ
る。フーリエ変換の点数Nは、たとえば128点であ
る。任意のサンプリング時刻tnにおける周波数f1〜
fNのうちの任意の周波数fnの周波数成分cn(t
n)を得るための高速フーリエ変換法の変換式を以下に
表す。
【0039】
【数1】
【0040】図4は、FFT手段13で得られる周波数
成分を表すグラフである。図3では、高速フーリエ変換
法の点数Nを8点とし、周波数f1,f3,f5にそれ
ぞれ対応する相対距離だけ搭載車両から離れた地点に、
反射物体が存在するものとする。図4(1)は或る任意
のサンプリング時刻tnにおいて得られる周波数成分を
表し、図4(2)は該サンプリング時刻tnから微小時
間だけ経過した次のサンプリング時刻tn+1において
得られる周波数成分を表す。
【0041】反射物体に対応する周波数の周波数成分の
レベルは、微小時間で増減することが多い。これは、た
とえばレーダ装置1を車両に取付けて使用するとき、被
検出物体および搭載車両の少なくとも一方に微小振動が
生じていることが多いために、被検出物体と搭載車両と
の相対距離が頻繁に変化するためである。また、被検出
物体が車両であるとき、車体の外観が複雑なために車体
の各部分で反射率が大きく異なり、送信波が照射される
位置が微小変化するだけで、反射波の反射率が変化する
ためである。さらに、マルチパス妨害が頻繁に発生し、
反射物体からの反射波の時系列信号の信号レベルが頻繁
に低下するためである。また、周波数f7のように、対
応する反射物体がない周波数の周波数成分であっても、
たとえば雑音成分によって、対応する反射物体がある周
波数の周波数成分のレベルに近いレベルを保つことがあ
る。FFT手段13は、このような周波数成分c1(t
n)〜cN(tn)を表す信号を抽出手段14に与えて
ステップa3の処理を終了し、ステップa4に進む。
【0042】再び図3に戻って、ステップa4では、抽
出手段14で、各周波数f1〜fNの周波数成分c1
(tn)〜cN(tn)を、予め定める基準レベルVr
ef1でそれぞれレベル弁別する。このレベル弁別処理
によって、周波数成分のレベルが基準レベルVref1
以上であると判定される周波数を、反射物体に対応する
周波数として抽出する。この基準レベルVref1は、
たとえば混合信号に含まれる雑音成分の信号レベルと同
程度のレベルに設定される。この場合で図4に表すよう
に信号レベルが増減するとき、反射物体に対応する周波
数の周波数成分であっても、上述の複数の理由から信号
レベルが基準レベルVref1未満であって周波数が抽
出されないことがある。また逆に、反射物体が対応しな
い周波数の周波数成分であっても信号レベルが基準レベ
ルVref1以上であって周波数が抽出されることもあ
る。抽出手段14は、少なくとも1つの周波数成分のレ
ベルが基準レベルVref1以上であるとき、その周波
数成分と該周波数成分の周波数とを定数演算手段15に
与える。
【0043】続いて、ステップa5では、定数演算手段
15は、抽出手段14から得られる1または複数の反射
物体の周波数について、複数種類の信頼性定数を求め、
その累積値S1〜SNを得る。この信頼性定数は、前述
したように、たとえば抽出手段14から与えられる反射
物体の周波数のうちで雑音成分に起因する周波数成分の
周波数を位置演算手段17での演算対象から除外するた
め、およびマルチパス雑音によって抽出手段14で抽出
されない周波数を演算対象に加えるために用いられる。
また、被検出物体を搭載車両と同一道路上を走行する車
両とするときには、該同一道路周辺の建造物および別の
道路上の車両に対応する周波数を除去するために用いら
れる。
【0044】具体的には、上述の信頼性定数には、たと
えば周波数成分の積算値に関する信頼性定数K1、反射
物体の過去の位置情報との類似性に関する信頼性定数K
2、反射物体の挙動に関する信頼性定数K3〜K5、搭
載車両が走行する道路に関する信頼性定数K6、および
レーダ装置1の送信波の放射方向に関する信頼性定数K
7が挙げられる。定数演算手段15は、FFT手段13
の全ての周波数f1〜fNについてそれぞれ信頼性定数
の累積変数S(f1)〜S(fN)を有し、上述の各信
頼性定数K1〜K7を各周波数f1〜fN毎に累積変数
S(f1)〜S(fN)にそれぞれ加算または減算する
ことによって、信頼性定数の累積値を得る。定数演算手
段15での演算手法の詳細は後述する。
【0045】続いて、ステップa6では、選択手段16
で、上述の周波数f1〜fNのうちで、信頼性係数の累
積値S1〜SNが予め定める基準累積値以上である周波
数を被検出物体の周波数として抽出して、該周波数を表
す信号を位置演算手段17に与える。これによって、混
合信号の信号レベルが予め定める基準レベル以上である
か否かの判定と、混合信号のうちで被検出物体に対応す
る周波数の検出とを、同時に行うことができる。また、
マルチパス妨害および過大な雑音信号の重畳によって周
波数成分のレベルが増減するとき、および車両周辺に被
検出物体以外の反射物体が存在するときでも、確実に被
検出物体に対応する周波数を選択することができる。
【0046】続いて、ステップa7では、位置演算手段
17が被検出物体と搭載車両との位置情報を生成する。
位置演算手段17は、選択手段16から周波数を表す信
号が与えられるときだけ作動し、それ以外の残余のとき
には作動しない。位置演算手段17が作動するときに
は、与えられる周波数、すなわち最大および最小ビート
周波数fup,fdnから、以下の演算式を用いて、レ
ーダ装置1と被検出物体との相対距離Rおよび相対速度
vを算出する。相対速度vは、レーダ装置1に被検出物
体が近付く方向への速度を正の値で表し、遠ざかる方向
への速度を負の値で表す。
【0047】
【数2】
【0048】上式の係数Krは、送信波の中心周波数f
0と変位幅δfとをパラメータとする予め定める関数F
から求められる。
【0049】 Kr=F(f0,δf) …(3) まあ、係数Kvは以下の式で規定される。cは光速度で
ある。
【0050】 Kv=2・f0/c …(4) 上述の最大および最小ビート周波数fup,fdnは、
発振波および反射波の最大および最小周波数fmax,
fminと比較して充分に小さい。ゆえに、このような
ビート信号の処理を行う手段は、送信波および反射波を
そのまま取扱う手段と比較して、高周波に対応する処理
構成を設ける必要がないので、構造が簡略化される。ゆ
えに、レーダ装置1全体の構造を簡略化することができ
る。このような手法で得られた位置情報は、入出力手段
19を介してアプリケーション手段21に与えられて、
上述の判定動作に用いられる。
【0051】図5は、図3のフローチャートのステップ
a5において、定数演算手段15で実施される信頼性定
数K1〜K7の累積値S1〜SNの算出手法を詳細に説
明するためのフローチャートである。このフローチャー
トにしたがって、各信頼性定数K1〜K7の演算手法を
説明する。抽出手段14から反射物体の周波数が与えら
れると、ステップb1からステップb2に進む。
【0052】ステップb2では、周波数成分の積算値に
関する信頼性係数K1を演算する。定数演算手段15で
は、まず最新のサンプリング時から予め定める検出期間
だけ遡る間に実施された複数回のサンプリングでそれぞ
れ得られる周波数f1〜fNの周波数成分c1(tm)
〜cN(tm)を、各周波数f1〜fN毎に積算するこ
とによって、検出期間内での各周波数の周波数成分の積
算値Cf1〜CfNを得る。周波数f1〜fNのうちの
任意の周波数fnの積算値Cfnは、次式に表すよう
に、検出時間内での各サンプリング時刻t1〜tMにお
ける周波数fnの周波数成分cn(t1)〜cn(t
M)の積算値である。
【0053】
【数3】
【0054】定数演算手段15は、これら積算値が予め
定める基準積算値以上であるか否かを各周波数毎に判定
する。この判定結果から、次式に示すように、積算値が
基準積算値以上の周波数は、その周波数の信頼性定数の
累積変数S(fn)に信頼性定数K1を加算し、基準積
算値未満の残余の周波数には、累積変数S(fn)から
信頼性定数K1を減算する。この累積変数S(fn)
は、たとえば各周波数f1〜fnについて、送信波の増
加期間に得られる最大ピーク周波数fupについての積
算定数Sup(fn)、減算期間に得られる最小ピーク
周波数fdnについての積算定数Sdn(fn)が個別
に求められる。
【0055】 Sup(Pfupn)=Sup(fupn)+K1 Sdn(Pfdnn)=Sdn(fdnn)+K1 上記以外のSup,Sdn以外はK1だけ減算 …(6) 上式でPfupn,Pfdnnは、増加期間および減算
期間での積算値が基準積算値以上であるような任意の周
波数をそれぞれ表す。
【0056】表1は、周波数f1,f3,f5に対応す
る反射物体がある場合で6回のサンプリングを含むよう
な或る検出期間が設定されるとき、検出期間内の各サン
プリング時刻tm〜tm+5で得られる周波数f0〜f
7の各周波数成分,およびその積算値Cf1〜Cf7を
表す。
【0057】
【表1】
【0058】表1に表すように、検出期間内では、反射
物体に対応する周波数f1,f3,f5の周波数成分
は、その信号レベルが変動しても、検出期間全域にわた
って継続して検出される。またマルチパス妨害が発生す
るときでも、複数回のサンプリング時にわたって継続し
て検出されないことは少ないので、各周波数f1,f
3,f5毎に異なるサンプリング時にマルチパス妨害が
発生するときでも、積算値Cf1,Cf3,Cf5は類
似する。反射物体に対応しない周波数f7の積算値Cf
7には、一時的に対応する周波数と同等の信号レベルが
検出されるが、検出期間全域にわたって継続して検出さ
れないので、積算値の絶対値は小さい。これによって、
反射物体に対応する周波数f1,f3,f5の積算値C
f1,Cf3,Cf5と、反射物体に対応しない残余の
積算値Cf7とでは、積算値が大きく異なる。
【0059】これらのことから、各周波数の周波数成分
の積算値は、上述した理由の周波数成分の増減の影響を
受けにくいことが分かる。したがって、各周波数の周波
数成分のレベルを各サンプリング時に判定するよりも、
周波数成分の積算値を判定するほうが、周波数成分の増
減の影響を受けることが少ない。したがって、上述の理
由で周波数成分が低下するときにその周波数に対応する
反射物体がないと誤認すること、逆に雑音が過大である
ときにその周波数に対応する反射物体があると誤認する
ことを防止することができる。
【0060】続いて、ステップb3では、過去の位置情
報との類似性に関する信頼性定数K2を演算する。定数
演算手段15は、過去に被検出物体に対応すると判定さ
れる周波数について、その周波数の累積変数S(fn)
に信頼性定数K2を加算し、残余の周波数の累積変数に
は信頼性定数K2を減算する。
【0061】 Sup(Tfupn)=Sup(fupn)+K2 Sdn(Tfdnn)=Sdn(fdnn)+K2 上記以外のSup,Sdn以外はK1だけ減算 …(7) 上式でTfupn,Tfdnnは、一周期前の信号処理
動作の増加期間および減算期間で、被検出物体があると
判定された任意の周波数fupn、fdnnをそれぞれ
表す。この周波数Tfupn,Tfdnnは、たとえば
1周期前の過去の信号処理動作において得られる被検出
物体の位置情報から逆算して求められる。また、1周期
前の信号処理動作で選択手段16で選択される周波数を
直接記憶しておいてもよい。
【0062】このように、定数演算手段15は、継続し
て反射物体があると予想される周波数についての信頼性
定数の累積変数S(fn)を大きくする。反射物体は搭
載車両周辺の別の車両および建造物であるので、瞬間的
に消滅したり出現することは少ない。したがって、最新
の検出期間において、1周期前の過去の検出期間で反射
物体があると判定された場所の近傍に、その反射物体が
継続して存在すると考えられる。このことから上述のよ
うに信頼性定数K2を付すことによって、たとえば雑音
成分およびマルチパス妨害によって一時的に信号レベル
が増減して抽出手段14に誤って抽出されるまたはされ
ない場合でも、反射物体があると予想される周波数の累
積値Snを大きくすることができる。
【0063】続いて、ステップb4では、追従すべき被
検出物体に対する信頼性定数K3を演算する。抽出手段
14で抽出される反射物体の周波数のうち、この信頼性
定数K3を加算する周波数は、たとえば上述の追従判定
手段22の判定の特定条件を満たすような反射物体に対
応する追従特定周波数が選ばれる。具体的には、抽出手
段14で抽出される反射物体の周波数の累積変数S(f
n)のうち、周波数が追従特定周波数と一致する累積変
数S(fn)にだけ信頼性定数K3が加算され、残余の
周波数の累積変数には定数0が加算される。追従特定周
波数は、具体的には、反射物体と搭載車両との相対速度
が時速0Kmであるときの反射物体からの反射波の周波
数であり、上述の式(2)と時速とから逆算して得られ
る。これによって、追従判定手段22において上述の先
行車両であると判定されるような被検出物体の信頼性定
数の累積値を大きくすることができる。
【0064】また、信頼性定数K3を加算すべき周波数
の判定動作では、前述のナビゲーション手段26および
交通情報取得手段27からの周辺情報および交通情報
を、判定基準として加えても良い。たとえば、周辺情報
から車両周辺の建造物の位置を判別することができると
き、追従特定周波数と周波数との比較結果に拘わらず、
その建造物の位置に対応する周波数の累積変数S(f
n)には、定数0を加算する。またたとえば、搭載車両
が十字路近傍を走行する場合に搭載車両が走行中の道路
と交差する別の道路の位置を判別することができると
き、上述の比較結果に拘わらず、その道路に対応する周
波数の累積変数S(fn)には定数0を加算する。これ
によって、たとえば搭載車両と同一の道路を走行するよ
うな反射物体以外の残余の反射物体の累積変数S(f
n)が小さくなり、選択手段16で選択されにくくな
る。これによって、たとえば追従すべき被検出物体を検
出するべきときに、これら残余の反射物体を誤って被検
出物体として検出することを防止することができる。
【0065】続いて、ステップb5では、接近する被検
出物体に対する信頼性定数K4を演算する。抽出手段1
4で抽出された反射物体の周波数のうち、信頼性定数K
4を加算する周波数は、近距離判定手段24の判定の特
定条件を満たすような反射物体の周波数が選ばれる。具
体的には、反射物体の周波数の累積変数S(fn)のう
ち、周波数が予め定める接近特定周波数と一致する累積
変数S(fn)にだけ信頼性定数K4が加算され、残余
の周波数の累積変数には定数0が加算される。接近特定
周波数は、具体的には、反射物体と搭載車両との相対距
離が予め定める基準距離未満であるときの反射物体から
の反射波の周波数であり、上述の式(1)と基準距離と
から予め逆算されて、定数演算手段15内に記憶され
る。これによって、近距離判定手段24で検出されるよ
うな被検出物体の信頼性定数の積算値を大きくすること
ができる。
【0066】また、信頼性定数K4を加算すべき周波数
の判定動作では、信頼性定数K3の判定動作と同様に、
前述のナビゲーション手段26および交通情報取得手段
27からの周辺情報および交通情報を判定基準として加
え、道路側方の建造物および別道路上の車両を除去する
ようにしてもよい。またたとえば、道路情報取得手段2
7からの交通情報を用いて、搭載車両が渋滞中の道路を
走行するときには、上述の基準距離を短くしてもよい。
これによって、搭載道路と同一道路を移動するような反
射物体以外の反射物体の累積変数S(fn)が小さくな
り、選択手段16で選択されにくくなる。したがって、
近距離判定手段23の判定動作で、これら反射物体を誤
って被検出物体として検出することを防止することがで
きる。
【0067】続いて、ステップb6では、静止する被検
出物体に対する信頼性定数K5を演算する。抽出手段1
4で抽出された反射物体の周波数のうち、信頼性定数K
5を加算する周波数は、地表に対して静止するような反
射物体の周波数が選ばれる。具体的には、次式のように
反射物体の周波数の累積変数S(fn)のうち、周波数
が静止特定周波数と一致する累積変数S(fn)にだけ
信頼性定数K5が減算され、残余の周波数の累積変数に
は定数0が加算される。または信頼性定数K5を負の値
として、この信頼性定数K5を累積変数S(fn)に加
算する。次式でTfupn,Tfdnnは、反射物体の
絶対速度が時速0Kmであるときの周波数fupn、f
dnnをそれぞれ表す。
【0068】 Sup(Tfupn)=Sup(fupn)−K3 Sdn(Tfdnn)=Sdn(fdnn)−K3 …(8) 静止特定周波数は、具体的には、反射物体の地表に対す
る絶対速度が時速0Kmであるときの周波数である。こ
のような周波数は、たとえば車速センサから得られる現
在の搭載車両の走行速度と上述の式(2)とから逆算さ
れる。これによって、たとえば道路に隣接する建造物で
あるような静止する反射物体の累積変数S(fn)が小
さくなり、選択手段16で選択されにくくなる。これに
よって、たとえば追従すべき被検出物体を検出するべき
ときに、建造物などを誤って被検出物体として検出する
ことを防止することができる。
【0069】続いて、ステップb7では、車両が走行す
る道路形状に関する信頼性定数K6を演算する。この信
頼性定数K6は、車両が曲線道路を走行するときに抽出
手段14で抽出される周波数の累積変数S(fn)に加
算される。この信頼性定数K6の値は、道路の曲率半径
Rおよび反射物体と被検出物体との相対距離の組合わせ
によって異なる値を取る。この信頼性定数K6の値は、
たとえば曲率半径Rと上述の相対距離から逆算される周
波数との組合わせと対応付けられて、定数演算手段15
内にテーブルとして予め記憶される。
【0070】定数演算手段15は、まず、車両センサ2
8から与えられる挙動信号に基づき、車両の操作角度お
よび走行速度から、道路の曲率半径Rを算出する。曲率
半径Rはまた、車両のヨー角と走行速度とから算出され
てもよい。続いて、抽出手段14で抽出される1または
複数の反射物体の周波数と、算出される道路の曲率半径
Rとのそれぞれの組合わせに対応する信頼性定数K6の
値を上述のテーブルから読出し、各周波数の累積変数S
(fn)に加算する。
【0071】上述するように、レーダ装置1の送信アン
テナ3からの送信波は指向性が強くかつ搭載車両の現在
の進行方向下流側に向かって直線状に放射される。車両
が曲線道路を走行するときには、送信波の放射方向と搭
載車両が現在走行する走行道路の延長方向とが異なるの
で、送信波の放射領域が走行道路上からずれ、走行道路
に隣接する隣接道路にはみ出すことがある。このはみ出
しの面積は、道路の曲率半径が大きいほど広くなる。ま
た、隣接道路のうちで送信波の放射領域が重なる部分の
位置関係は、車両の走行速度が大きいほど頻繁に変化す
る。このことから、抽出手段14で抽出される反射物体
に対応する周波数の累積変数S(fn)に対して、上述
のように道路の曲率半径Rと走行速度とに対応する信頼
性定数K6を加算することによって、同一道路を走行す
る先行車両を追従する場合であって曲線道路を走行であ
るときに、隣接道路を走行する車両を走行道路を走行す
る車両と誤認することを防止することができる。
【0072】続いて、ステップb8では、レーダ装置1
の挙動に関する信頼性定数K7が演算される。この信頼
性定数K7は、レーダ装置1のレーダセンサ手段9が送
信波の放射方向を角変位させるような測角手段を有する
ときに、車両が曲線道路を走行するときに抽出手段14
で抽出される周波数の累積変数S(fn)に加算され
る。この測角手段は、たとえば送信アンテナ3の向きを
モータを用いて機械的に角変位させる構造の装置であっ
てもよく、また、いわゆるフェイズドアレイのように送
信アンテナ3と一体化されて電気的に放射方向を角変位
させる構造の装置であってもよい。定数演算手段15
は、たとえば送信波の放射方向が搭載車両の進行方向を
中心として、地表に水平に角変位される場合、送信波が
進行方向と一致するときに信頼性定数K7を抽出手段1
4で抽出される周波数の累積変数S(fn)に加算し、
放射方向と進行方向とが一致しないときは定数0を加算
する。または、送信波の放射方向と搭載車両の進行方向
の差分の角度を算出し、角度が小さいほど信頼性定数K
7の値を大きくして、抽出される全ての周波数に加算す
るようにしてもよい。
【0073】送信波の放射方向が角変位されるときに
は、場合によっては搭載車両が走行中の道路以外の場
所、例えば隣接道路および道路側方に向かって送信波が
放射されることがある。この場合に上述のように送信波
の放射方向と車両の進行方向との角度に応じてこのよう
な信頼性定数を加算することによって、同一道路を走行
する先行車両を追従するときに、隣接道路を走行する車
両および道路側方の建造物を走行道路を走行する車両と
誤認することを防止することができる。
【0074】このように定数演算手段15は、抽出手段
14で抽出された反射物体の周波数が得られるたびに、
上述の信頼性定数K1〜K7をそれぞれ演算して、累積
変数S(fn)に順次的に加算する。表2は、周波数f
1,f3,f5に対応する反射物体がある場合に得られ
る周波数f0〜f7の積算定数K1〜K7、およびその
累積値S1〜S7を表す。この場合、1周期前の過去の
サンプリング時には周波数f1,f5に対応する被検出
物体があると判定されており、また周波数f3は走行道
路上以外の場所にある反射物体に対応するものとする。
【0075】
【表2】
【0076】表2では、周波数f0〜f7の信頼性定数
の累積値S0〜S7のうちで、周波数f1,f5の累積
値S1,S5が大きく、周波数f3の累積値S3は周波
数成分の積算値の信頼性定数K1が大きいにも拘わらず
小さい。このように、複数種類の信頼性定数を加算する
ことによって、上述の各種類の条件を定量的に判定する
ことができる。また、上述の信頼性定数K1〜K7のう
ちで、重視すべき条件を表す信頼性定数の値を他の信頼
性定数の値よりも大きくすることによって、信頼性定数
K1〜K7の条件に容易に重み付けをすることができ
る。たとえば表2では、受信電界強度の積算値の信頼性
定数K1、および過去の位置情報の信頼性定数K2に他
の信頼性定数K3〜K7よりも大きな値を付している。
【0077】このように信頼性定数K1〜K7の演算と
累積とが終了すると、ステップb9でガード処理が行わ
れる。ガード処理では最終的な累積値S1〜S7が定数
演算手段15で演算処理が可能な予め定める上限値以上
であるか否かを個別に判定し、上限値以上であるときに
は累積値の値を上限値に置換え、上限値未満であればそ
のままの値を保たせる。これは定数演算手段15がマイ
クロコンピュータの演算処理で実現される仮想回路であ
るときに、演算処理のプログラム上で設定される変数の
許容桁数を越えた数値の演算が困難になるために、その
不都合を防止するために実施される。また、累積値が大
きくなりすぎることを防止して、実際にターゲットが抜
けたり消えたりした場合に、応答遅れが生じることを防
止することができる。
【0078】このようなガード処理が終了すると、ステ
ップb10に進んで当該フローチャートの処理動作を終
了し、続いて、図3のフローチャートのステップa6に
進む。このような一連の動作によって、複数種類の信頼
性定数K1〜K7を算出してその累積値を求めることが
できる。
【0079】このレーダ装置1の信号処理手段11の各
手段13〜17では、それぞれ上述のような演算処理が
行われている。ゆえに、信号処理手段11をマイクロコ
ンピュータで実現し、各手段13〜17をマイクロコン
ピュータの演算処理で実現されるような仮想的な手段で
実現させることもできる。これによって、レーダ装置1
の実質の部品点数を減少させることができる。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車両に搭
載されるレーダ装置は、対象物の相対速度および相対距
離を算出するための周波数成分を、複数の信頼性定数の
累積値を基準として選ぶ。これによって、複数の演算条
件を並列に比較することができると共に、各演算条件に
対する重み付けが容易になる。
【0081】また本発明によれば、定数演算手段は、時
系列信号のレベルの積算値を演算条件とする。さらにま
た本発明によれば、過去に検出された対象物の相対距離
および相対位置との類似を演算条件とする。これによっ
て、マルチパス妨害によって一時的にレベル低下する周
波数成分を、確実に対象物の周波数成分として選ぶこと
ができる。したがって、マルチパス妨害に起因するよう
な、対象物の消失の誤認を防止することができる。
【0082】また本発明によれば、レーダ装置は、得ら
れる相対距離および相対速度から、未来の車両の状態を
推測して警告する処理手段を有する。処理手段には、オ
ートクルーズ装置の追従装置、衝突検知装置、近距離監
視装置がある。処理手段で選ばれる特定対象物の相対距
離および相対速度との類似を演算条件とする。これによ
って、各装置で選択されるべき特定対象物の周波数成分
を、相対距離および相対速度の算出用データとして、確
実に選択することができる。したがって、各処理手段に
おいて、特定対象物の相対距離および相対速度に基づく
処理を実施させることができる。
【0083】さらにまた本発明によれば、追従装置およ
び衝突検知装置を有するレーダ装置は、ナビゲーション
装置の地図データおよび自車位置、ならびに交通情報を
用いて、車両が走行中の道路上の移動体だけを、対象物
に選ぶ。これによって、道路近傍の建築物を特定対象物
と誤認することを防止することができる。
【0084】また本発明によれば、いわゆるスキャン方
式のレーダ装置は、放射領域および検知領域の角変位に
基づいて、信頼性定数を決定する。さらにまた本発明に
よれば、レーダ装置は、対象物が車両と同一の道路上に
有るか否かに基づいて、信頼性定数を決定する。これに
よって、また、車両が弯曲した道路を走行するとき、対
向車線を走行する別の車両を同一道路上の対象物と誤認
することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるレーダ装置1の電
気的構成を示すブロック図である。
【図2】送信波および反射波の周波数の経時偏移を説明
するためのグラフ、およびこれら送信波および反射波が
得られるときに生成される混合信号のビート周波数の経
時偏移を表すグラフである。
【図3】信号処理回路11における信号処理手法を説明
するためのフローチャートである。
【図4】FFT手段13で得られる各周波数成分の経時
偏移を説明するためのグラフである。
【図5】定数演算手段15における信頼性定数K1〜K
7の演算手法を詳細に説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1 レーダ装置 3 送信アンテナ 4 受信アンテナ 5 発振手段 6 受信手段 7 混合手段 12 FFT手段 13 抽出手段 15 定数演算手段 17 選択手段 18 位置演算手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01S 13/60 G01S 13/60 C 13/93 13/93 Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定める発振信号を生成して発振する
    発振手段と、 発振手段からの発振信号が対象物で反射されて得られ、
    時間経過に伴ってレベルが変化する時系列信号を受信す
    る受信手段と、 予め定める周期毎に、時系列信号に含まれる複数の予め
    定める周波数成分に対して個別的に、複数の演算条件に
    対応する信頼性定数を、対象物に対応する周波数成分ほ
    ど値を大きくまたは小さくするようにそれぞれ求め、複
    数の信頼性定数を各周波数成分毎に累積して累積値を得
    る定数演算手段と、 各周波数成分のうち、累積値が予め定める基準値以上ま
    たは未満である周波数成分を選択する選択手段と、 選択手段で選択された周波数成分から、対象物との相対
    距離および相対速度の少なくとも一方を含む相対位置情
    報をそれぞれ得る位置演算手段とを含むことを特徴とす
    るレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の演算条件のうちの1つは、予
    め定める時間内の時系列信号の各周波数成分のレベルの
    積算値であって、 前記信頼性定数は、積算値が大きいほど大きいまたは小
    さいことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の演算条件のうちの1つは、対
    象物との過去の相対位置情報に対応する特定位置周波数
    であって、 前記信頼数定数は、前記周波数成分が特定位置周波数と
    近接するほど大きいまたは小さいことを特徴とする請求
    項1記載のレーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記レーダ装置は、予め定める車両に搭
    載され、前記位置演算手段からの位置情報に基づいて、
    予め定め特定条件を満たす特定対象物を求める処理手段
    をさらに含み、 前記複数の演算条件のうちの1つは、車両と特定対象物
    との過去の相対位置情報に対応する特定対象物周波数で
    あり、 前記信頼数定数は、前記周波数成分が特定対象物周波数
    と近接するほど大きいまたは小さいことを特徴とする請
    求項1記載のレーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記特定対象物は、前記車両が追従すべ
    き対象物であり、 前記特定条件は、車両の移動方向下流側に存在し、車両
    と特定対象物との相対速度が予め定める基準速度未満で
    あることを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記特定対象物は、前記車両と衝突する
    可能性のある対象物であり、 前記特定条件は、特定対象物が地表に対して静止、また
    は静止途中であることを特徴とする請求項4記載のレー
    ダ装置。
  7. 【請求項7】 前記車両が走行すべき複数の道路および
    道路近傍の固定物を表す地図データを有し、車両が現在
    走行する道路のデータを得る検出手段をさらに含み、 前記定数演算手段は、特定条件を満たす対象物のうち、
    車両が現在走行する道路上の移動物のうちから特定対象
    物を選ぶことを特徴とする請求項5または6記載のレー
    ダ装置。
  8. 【請求項8】 前記車両が現在走行する道路の交通情報
    を得る取得手段をさらに含み、 前記定数演算手段は、特定条件を満たす対象物のうち、
    車両が現在走行する道路上の移動物のうちから特定対象
    物を選ぶことを特徴とする請求項5または6記載のレー
    ダ装置。
  9. 【請求項9】 前記特定対象物は、前記車両に予め定め
    る距離未満まで接近する対象物であり、 前記特定条件は、車両との相対距離が予め定める距離未
    満であることを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
  10. 【請求項10】 前記レーダ装置は、車両に搭載され、 発振手段からの発振信号の放射方向を予め定める周期で
    角変位させる測角手段をさらに有し、 前記複数の演算条件のうちの1つは、放射方向の角変位
    量であり、 前記信頼性定数は、車両の移動方向下流側に存在する対
    象物ほど大きいまたは小さいことを特徴とする請求項1
    記載のレーダ装置。
  11. 【請求項11】 前記レーダ装置は、車両に搭載され、 前記複数の演算条件のうちの1つは、車両および対象物
    間の過去の相対距離と、車両の走行する道路の曲率と、
    同一道路上の車両の有無との関係であり、 前記信頼性定数は、車両と同一道路上に存在する対象物
    ほど大きいまたは小さいことを特徴とする請求項1記載
    のレーダ装置。
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