[go: up one dir, main page]

JPH10197806A - 対物レンズ - Google Patents

対物レンズ

Info

Publication number
JPH10197806A
JPH10197806A JP1595797A JP1595797A JPH10197806A JP H10197806 A JPH10197806 A JP H10197806A JP 1595797 A JP1595797 A JP 1595797A JP 1595797 A JP1595797 A JP 1595797A JP H10197806 A JPH10197806 A JP H10197806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
group
optical element
diffractive optical
objective lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP1595797A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiko Murata
明子 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP1595797A priority Critical patent/JPH10197806A/ja
Publication of JPH10197806A publication Critical patent/JPH10197806A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B23/00Telescopes, e.g. binoculars; Periscopes; Instruments for viewing the inside of hollow bodies; Viewfinders; Optical aiming or sighting devices
    • G02B23/24Instruments or systems for viewing the inside of hollow bodies, e.g. fibrescopes
    • G02B23/2407Optical details
    • G02B23/2423Optical details of the distal end
    • G02B23/243Objectives for endoscopes
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/0025Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for optical correction, e.g. distorsion, aberration
    • G02B27/0037Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for optical correction, e.g. distorsion, aberration with diffracting elements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Astronomy & Astrophysics (AREA)
  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ長を短く、又倍率の色収差と像面
湾曲が良好に補正され高解像で、低侵襲な内視鏡に適し
た構成にする。 【解決手段】 負のパワーの第1群、絞り、正のパワ
ーの第2群の構成で、2群中に下記条件(1)を満足す
る少なくとも一つの回折光学素子を設けた。 (1) 3≦f/f≦100 f、fは夫々回折光学素子、対物レンズ全系の焦点距
離。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間の体内に挿入
して診断および治療を行なうための内視鏡の対物レンズ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内視鏡の対物レンズは、画角を広くとれ
又バックフォーカスも長くとれるレトロフォーカスタイ
プのレンズ系が一般的である。又像面にはCCDやイメ
ージファイバーの端面を配置するのが一般的であるが、
高解像化の要求に応じてそれらのサンプリングは、細密
化の方向に向かっている。そのために、内視鏡の対物レ
ンズも高性能なレンズ系が要求されている。
【0003】従来の屈折系レンズでは、ペッツバール和
を小さくして像面湾曲を補正するために、正レンズに高
屈折率の硝材が、負レンズに低屈折率の硝材が用いられ
るが、高い屈折率の硝材は、アッベ数が比較的小さく色
分散が大きいため、後群で倍率の色収差が残存する。更
に、倍率の色収差に関しては、前群と後群ともに負側に
倍率の色収差が発生するためにその補正は困難である。
【0004】この倍率の色収差を補正するためには、後
群に接合レンズを用いればよいが、レンズ枚数が多くな
りコスト高になる欠点がある。
【0005】更に、低侵襲化の観点からも、硬質部の長
さが短く操作性の良い内視鏡が望まれ又レンズ枚数が少
なく全長の短い対物レンズが望まれている。
【0006】上記の問題を解決するために、回折レンズ
を用いることが考えられる。
【0007】通常の屈折系レンズの場合、薄肉レンズの
両面の曲率半径を夫々R1 ,R2とし、硝材の屈折率を
n、焦点距離をfとすると下記の式(a)が成立つ。 1/f=(n−1)(1/R1 +1/R2 ) (a)
【0008】上記式(a)の両辺を設定波長λにて微分
すると下記式(b)のようになり、更に式(c)が導か
れる。 df/dλ=−f(dn/dλ)/(n−1) (b) Δf=fΔn/(n−1) (c)
【0009】一方、回折光学素子(回折レンズ)につい
ては、下記の式(d)に示す関係が成立つ。 λf=C(一定) (d)
【0010】この式(d)の両辺をλで微分すると下記
の式が導かれる。 df/dλ=−C/λ2 =−f/λ
【0011】これより次の式(e)が導かれる。 Δf=−f(Δλ/λ) (e)
【0012】式(c)と式(e)とから回折光学素子の
アッベ数νd は下記の式(f)にて表わされる。 νd =λd /(λF −λC )=−3.45 (f)
【0013】上記式(f)に示す通り、回折光学素子の
アッベ数νd は−3.45という逆分散性および異常分
散性を有し、通常の屈折レンズに緩いパワーの正の回折
光学素子を組合わせることによって大きな色収差補正作
用を得ることが可能になる。そのため、例えば負の前群
と正の後群よりなるレンズ系において後群に回折光学素
子を配置することにより、屈折レンズのみからなるレン
ズ系の場合に前群と同方向に発生していた後群の倍率の
色収差を逆方向に発生させることが可能になり、前群と
後群とで倍率の色収差を互いに打ち消し合うことにより
色収差を良好に補正できる。
【0014】又回折光学素子は、その溝のピッチを連続
的に変化させることによって非球面効率を持たせること
ができ、これを用いて像面湾曲を低減させるために有効
である。又回折光学素子は、その作用が硝材によらない
ため、用いる硝材の自由度が高く厚さを持たないプレー
トレンズとして扱うことができ、例えば赤外カットフィ
ルターの表面などに回折光学素子を形成することが可能
である。
【0015】このような負分散を持つ厚さを持たないプ
レートレンズ(平行平面板に回折素子を設けたレンズ)
を等価屈折レンズに置き換えて設計する方法としてウル
トラハイインディクス法がある。それは屈折率を無限大
にすることにより等価レンズに入射した光をあたかも平
面で曲げられたかのように扱うものである。このように
屈折率を無限大と仮定することにより通常の屈折光線追
跡で回折レンズの光線追跡を行なうことができる。実際
には屈折率を無限大にすることは不可能であるので、1
000以上に設定することが望ましい。
【0016】次に、下記の式にて表わされる非球面の回
折光学素子のピッチを計算する。 Z=ch2 /[1+{1−c2 (K+1)h2 }+Ah
4 +Bh6 +Ch8 +Dh10] ここでZはサグ値、hは光線高、cは曲率、Kは円錐係
数、A,B,C,Dは4次,6次,8次,10次の非球
面係数である。
【0017】上記の非球面を表わす式で12次以上の非
球面係数を用いてもよい。
【0018】回折光学素子(回折レンズ)においては、
回折面(レンズ)への入射角をθ、又射出角をθ’とす
ると下記の関係が成立つ。 sin θ−sin θ’=mλ/P ただし、mは次数、Pは回折面のピッチである。
【0019】これに対し、ウルトラハイインディクスに
おいて、回折条件を実効的な性質として表わすと下記の
ようになる。 (n−1)dz/dh=(sin θ−sin θ’)
【0020】以上より、回折光学素子(回折レンズ)の
ピッチPは下記の式(g)にて表わすことができる。 P=mλ/(n−1)(dz/dh) ={mλ/(n−1)}・[ch/{1−c2 (K+1)h2 } +4Ah3 +6Bh5 +8Ch7 +10Dh9-1 (g)
【0021】特にK=−1の場合は、式(g)は下記式
(h)のようになり、ピッチPは簡単に求められる。 P={mλ/(n−1)}[ch+4Ah3 +6Bh5
+8Ch7+10Dh9-1 実際上は回折レンズの屈折率は、1001、10001
といった値をとることが望ましい。またウルトラハイイ
ンディクスレンズはペッツバール和に寄与しないため像
面湾曲に影響を与えないレンズである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】内視鏡対物レンズは、
操作性、低侵襲性、コスト低減等の観点から、レンズ枚
数の削減が求められる。このレンズ枚数を削減するため
の手段として回折レンズを用いることが考えられるが、
回折レンズは極めて大きな負の分散を有するために回折
レンズを用いてレンズ枚数を削減する場合、倍率の色収
差が補正過剰になる。そのため用いる回折レンズのパワ
ーは、通常のレンズの 1/10 程度にすることが望まし
い。しかし、回折レンズのパワーを小にすると、内視鏡
対物レンズのようにレンズの径の小さいレンズ系の場
合、軸上,軸外の光束内の輪帯数を確保することが難し
い。特に軸上光束は、中心輪帯の大きさが光束の径に対
しかなりの部分を占めるために、光束の大部分が中心輪
帯上を通過することになりレンズの形状によるブレーズ
化誤差の影響を受け易くなる。
【0023】一方、輪帯数の確保およびレンズ長の短縮
を考えて回折レンズにある程度のパワーを与えた場合、
回折レンズ周辺部の輪帯形状の加工が困難になり、輪帯
形状の加工誤差により回折効率の劣化を導き、画像のコ
ントラストの劣化の原因となる。
【0024】以上のように、内視鏡対物レンズのように
光束の径が小さい小径レンズに回折レンズを用いる場
合、回折レンズの輪帯ピッチを保ちつつ光束内の輪帯数
を確保することが重要であり、適当なパワーと輪帯形状
を持つ回折レンズを配置することが必要である。
【0025】本発明は、レトロフォーカスタイプの光学
系に回折の効果を有効に発揮し得るパワーおよび現実的
な形状を有する回折レンズを用いることによってレンズ
長が短く倍率の色収差と像面湾曲が十分良好に補正され
た高解像、低侵襲な内視鏡用対物レンズを提供するもの
である。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の対物レンズは、
負のパワーを持つ第1群と、絞りと、正のパワーを持つ
第2群とよりなり、第2群中に少なくとも一つの回折光
学素子を含み、この回折光学素子が下記条件(1)を満
足することを特徴とする。 (1) 3≦fd /f≦100 ただし、fd は回折光学素子の焦点距離、fは対物レン
ズ全系の焦点距離である。
【0027】本発明の対物レンズは、内視鏡対物レンズ
において最も一般的であるレトロフォーカスタイプを採
用したもので、その絞りより後ろの第2群中に前記条件
(1)を満足した少なくとも一つの回折光学素子を用い
たものである。
【0028】上記条件(1)において、下限の3を越え
ると過剰補正状態となり好ましくない。又上限の100
を越えると回折光学素子の逆補正能力を十分に発揮でき
ない。本発明のレンズ系は、回折光学素子の光束内の輪
帯数の確保を考えると、この回折光学素子にある程度の
パワーを持たせる必要があり、そのためには条件(1)
の上限値を10にすることが望ましい。つまり条件
(1)の代りに下記条件(1−1)を満足することがよ
り望ましい。 (1−1) 3≦fd /f≦10
【0029】又、本発明の対物レンズにおいて、回折光
学素子を用いてレンズ枚数を一層削減するためには、パ
ワーを分散させて収差の発生を抑えるために回折光学素
子にもある程度のパワーを持たせる必要があり、下記条
件(2)を満足することが望ましい。 (2) fd /f2 ≦15 ただしf2 は第2群の焦点距離である。
【0030】条件(2)の上限の15を超えると回折光
学素子のパワーが大になりすぎて倍率色収差以外の収差
の補正が難しくなる。
【0031】更に、回折光学素子は、その周辺に向かう
程射出角が大になるためピッチ間隔が小になるが、製造
上の限界を考えると周辺部でのピッチがある程度必要に
なる。これに伴い軸上光束内の輪帯数にも限界が生じる
が、回折効果を確保するためには、ある程度の輪帯数が
必要である。これらの点を考慮すると本発明のレンズ系
で用いる回折光学素子の最適な最小ピッチPmin は下記
条件(3)を満足することが好ましい。 (3) 0.005mm<Pmin <0.015mm 条件(3)の下限の0.005mmを超えると加工誤差に
より回折効率が低くなり好ましくない。又条件(3)の
上限の0.015mmを超えると光束に対し輪帯数を確保
することが難しくなる。
【0032】又本発明のレンズ系において、回折光学素
子が条件(2)を満足しつつ条件(3)を満足するため
には、下記条件(4)を満足する必要がある。 (4) 0.1≦Pmin /Pmax ≦0.4 ただし、Pmax は回折光学素子の最大ピッチである。条
件(4)の下限の0.1を越えると、収差の発生を抑え
つつ回折に必要な輪帯数を確保することが難しく、上限
の0.4を越えると収差の発生を抑えつつ0.005m
m以上のPminを確保することが難しくなる。
【0033】上記条件(4)を満足するためには、回折
レンズの非球面効果を利用する必要がある。
【0034】実際には、内視鏡対物レンズの中心輪帯P
max と明るさ絞り径dとは次の条件(5)の関係を満足
することが望ましい。 (5) Pmax /d≦0.5
【0035】通常、内視鏡対物レンズは、Pmax が次の
関係を満足することが望ましい。 0.05mm≦Pmax ≦0.15mm ここで中心輪帯ピッチとは、中心輪帯の半径であり、輪
帯ピッチとは前後の輪帯からの距離である。上式の下限
の0.05mmを越えると、回折レンズの周辺部の輪帯
ピッチが細かくなり加工誤差による回折効率の低下を生
じる。上限の0.15mmを越えると、回折レンズ中心
部の輪帯数が不足する。
【0036】次に最適なPmax と輪帯本数から求められ
る最適な回折光学素子の焦点距離fd の値について述べ
る。
【0037】波面を再現するためには、必要な輪帯数が
有効光束内に最低5本程度必要であり、できれば15本
以上が望ましい。
【0038】ここで、m次の回折光を利用した回折光学
系の軸上光束を考えた場合、次の関係が成立つ。 fd 2+YM 2={fd +(N+1)/2λ×m}2 (a) ただし、YM は回折面での軸上光線の光線高、Nは光束
内の輪帯本数、λは設定波長、mは次数である。
【0039】ここでfd ≫λであるので上記の式(a)
は下記の式にて近似できる。 N=YM 2/mλfd −1
【0040】したがってNが少なくとも5以上であると
するとfd は下記条件(6)を満足する必要がある。 (6) fd ≦YM 2/4mλ
【0041】次に軸外でのピッチの大きさを考える。
【0042】焦点距離fd の回折光学素子の軸外主光線
高YC での輪帯ピッチは、次の式で示される。 P={YC +2mλ(fd 2+YC 21/21/2 −YC
【0043】回折光学素子の加工誤差による回折効率の
低下を考慮し又Pmin が0.005mmは必要であること
を考えると、回折光学素子の焦点距離fd は次の条件
(7)を満足することが望ましい。 (7) fd ≧0.005YC /mλ
【0044】条件(6)と条件(7)とから回折光学素
子の焦点距離fd は次の条件(8)を満足することが好
ましい。 (8) 0.005YC /mλ≦fd ≦YM 2/4mλ
【0045】更に軸上の輪帯数を確保するために1次回
折光を用い、波長500〜600nmでの最適化を考える
と、fd は式(9)を満足することが望ましい。 (9) 8YC ≦fd ≦500YM 2
【0046】回折光学素子は、回折面への光線の入射角
および光束の確保を考えると、明るさ絞りの近傍に配置
することが望ましい。ここで、明るさ絞りから回折面ま
での距離をD1 、明るさ絞りから像面までの距離をD2
とするとYC は次の式で簡単に示すことが出来る。 YC =D1 ×IH/D2
【0047】上記式から条件(9)は次の条件(10)
のように表わせる。 (10) 8D1 ×IH/D2 ≦fd ≦150d2
【0048】内視鏡の場合、像面に固体撮像素子あるい
はイメージファイバーを配置するが、それらに斜入射光
が入射すると色シェーディングや伝送損失が生ずる。し
たがって内視鏡用対物レンズは、ある程度テレセントリ
ック性が保たれる必要がある。しかし実際には完全なテ
レセントリック光学系ではなく、0〜20°の傾きでC
CD面へ入射する。この場合、YC はIH/2以上であ
り、下記条件(11)を満足すればよい。 (11) 4IH≦fd ≦150d2
【0049】また、条件(8)において、絞りより前群
(第1群)に屈折レンズ、後群(第2群)に少なくとも
一つの回折光学素子を有するレトロフォーカスタイプの
レンズ系の場合、テレセントリック性により後群(第2
群)の前側焦点位置は、絞りの近傍に存在する。又後群
(第2群)の第1レンズに回折光学素子を用いた時に
は、下記の関係を満足する。 hC ≧0.7×IH×D1/f2 ただし、hC は軸上マージナル光線、f2 は後群(第2
群)の焦点距離である。
【0050】又後群(第2群)の第2レンズに回折光学
素子を用いたときには下記の関係を満足する。 HC ≧0.5IH
【0051】ここで、後群(第2群)の第1レンズに回
折光学素子を配置した場合、軸上マージナル光線高hM
は、簡単のため物体距離を無限遠にすると下記のように
表わされる。 hM =d(−f1 +D3 +D1 )/(−f1 +D3 ) ただし、D3 は前群(第1群)から明るさ絞りまでの距
離である。
【0052】又後群(第2群)の第2レンズに回折光学
素子を用いた時には、光線高HMは下記のようになる。 HM =D4 /2FNO ただしFNOは対物レンズのFナンバー、D4は像面から
回折光学素子までの距離である。
【0053】したがって条件(11)より、後群(第2
群)の第1レンズに回折光学素子を用いた場合は、回折
光学素子の焦点距離fd は下記条件(12)を満足する
ことが望ましい。 (12) 0.003IH×D1 /(f2 ・m・λ)≦fd
≦d2 (−f1 +D3 +D12 /4mλ(−f1
32
【0054】同様に、後群(第2群)の第2レンズに回
折光学素子を用いる時は、回折光学素子の焦点距離fd
は下記のようになる。 (13) 0.002 ×IH/mλ≦fd ≦D4 2/16m
λFNO 2
【0055】本発明の光学系において、不要次数による
フレアーの低減を考えると、設定波長は500〜600
nm付近が望ましい。また、回折に用いる次数は軸上光束
内に輪帯を確保する上で1次光を用いることが望まし
い。
【0056】したがって、後群(第2群)の第1レンズ
に回折光学素子を用いた時には、回折光学素子の焦点距
離fd は、下記条件(14)を満足することが望まし
い。 (14) 6×IH×D1 /f2 ≦fd ≦500d2
(−f1 +D3 +D12 /(−f1 +D32 又、後群(第2群)の第2レンズに回折光学素子を用い
た時、回折光学素子の焦点距離fd は下記条件(15)
を満足することが望ましい。 (15) 4×IH≦fd ≦125D4 2/FNO 2
【0057】実際には、上記条件を満足する場合、回折
光学素子の強力な逆色補正能力により、光軸方向をz方
向とすると光軸近傍の軸上色収差は−z方向に、倍率の
色収差は−y方向に発生する。特に対物レンズのレンズ
長を短くしようとすると、回折光学素子への入射角が大
になり回折光学素子により補正過剰状態になる。
【0058】以上の理由のため、回折光学素子の非球面
効果を利用して軸外でのレンズ系の入射光線の入射角を
抑え、回折光学素子による過剰補正を抑えることが有効
である。即ち、軸外光線に対しては、回折光学素子の非
球面効果を用いて倍率の色収差と軸上色収差をともにプ
ラス方向に持って行くようにして軸外、軸上収差とも良
好に補正することができる。そのためには、特に回折光
学素子の中心から最小ピッチ端までの距離をhとした
時、次の条件(16)を満足することが出来る。 (16) 0.5≦h/f≦0.85 上記条件(16)を満足すれば軸上、軸外とも色収差を
良好に補正出来る。条件(16)の下限の0.5を越え
ると、過剰補正状態となり好ましくない。又、上限の
0.85を越えると回折レンズの逆補正能力を十分に発
揮することができない。
【0059】更にレンズ系のレンズ枚数を更に削減する
場合、回折光学素子以外の屈折レンズで倍率の色収差を
発生させる必要がある。そのため明るさ絞りよりも物体
側に位置する凹レンズの色分散を小さくし、明るさ絞り
より像側の凸レンズに色分散の大きなレンズを用いるこ
とにより、色収差を良好に補正することができる。つま
り、明るさ絞りより物体側の凹レンズのアッベ数を
νd1、明るさ絞りより像側の凸レンズのアッベ数をνd2
とするとき下記条件を満足することが望ましい。 νd1>νd2
【0060】特にレンズ系の第1レンズ(レンズ系の最
も物体側のレンズ)の凹レンズのアッベ数νd は、40
以上であることが望ましい。つまり下記条件を満足する
ことが望ましい。 νd >40
【0061】
【発明の実施の形態】次に本発明の内視鏡対物レンズの
実施の形態を各実施例をもとに説明する。実施例1 r1 =∞ d1 =0.3100 n1 =1.51633 ν1 =64.15 r2 =0.9130 d2 =0.5100 r3 =∞(絞り) d3 =0.2000 r4 =∞ d4 =0.7100 n2 =1.84666 ν2 =23.78 r5 =-1.0180 d5 =0.0300 r6 =5300.0000 d6 =0.0010 n3 =1.0 ×103 ν3 =-3.45(DOE) r7 =∞ d7 =0.5000 n4 =1.45846 ν4 =67.70 r8 =∞ d8 =0.4100 r9 =∞ d9 =0.5000 n5 =1.51633 ν5 =64.15 r10=∞ d10=0.7500 n6 =1.53172 ν6 =48.91 r11=∞ 非球面係数 K=-1.0000 ,A=-6.9550 ×10-5,B=6.5146×10-6
【0062】実施例2 r1 =∞ d1 =0.3100 n1 =1.51633 ν1 =64.15 r2 =1.3279 d2 =0.2726 r3 =∞(絞り) d3 =0.0060 r4 =∞ d4 =0.5863 n2 =1.45846 ν2 =67.70 r5 =∞ d5 =0.0010 n3 =1.0 ×103 ν3 =-3.45(DOE) r6 =3805.8900 d6 =0.0300 r7 =∞ d7 =0.6000 n4 =1.88300 ν4 =40.78 r8 =-1.0072 d8 =0.4921 r9 =∞ d9 =0.5000 n5 =1.51633 ν5 =64.15 r10=∞ d10=0.7500 n6 =1.53172 ν6 =48.91 r11=∞ 非球面係数 K=0 ,A=3.2406×10-4,B=-2.1849 ×10-4
【0063】前述のように本発明のタイプの内視鏡用対
物レンズは、操作性の観点からレンズ系の全長を短くす
るために回折光学素子を用いている。
【0064】実施例1は、レンズ系の全長を短くするた
めに、物体側から順に、負の屈折レンズの第1群と、明
るさ絞りと、正の屈折レンズ第1レンズと回折光学素子
(回折レンズ)の第2レンズとよりなる第2群との3枚
にて構成されている。又、PおよびCは夫々傷防止用平
板およびCCDカバーガラスである。回折面は、面にほ
ぼ垂直に光線が入射しかつ光束を大きくとれる絞り近傍
に配置してある。又絞りを挟んで前後に負レンズと正レ
ンズを配置することによって倍率の色収差以外の収差を
補正している。
【0065】前群(第1群)の負の屈折レンズの像側の
面で発生する正の球面収差を後群(第2群)の第1レン
ズである正の屈折レンズで発生する負の球面収差で打消
すようにしている。
【0066】又回折レンズのペッツバール和はほとんど
0であり、像面湾曲は、前群(第1群)の屈折面と後群
の屈折面とで補正している。又回折レンズにより軸外収
差を補正している。
【0067】又、軸上色収差は、前群(第1群)と後群
(第2群)とで打ち消し合っているが、輪帯数を確保す
るため回折レンズのパワーをある程度強くしているた
め、近軸では軸上色収差は−z方向に、倍率の色収差は
−y方向つまり通常の屈折レンズの色収差とは逆方向に
発生している。この実施例では、レンズ系の全長を短く
するために回折レンズへの入射角がきつくなり、回折レ
ンズにより軸外収差は過剰補正の状態になる。この実施
例では、この過剰補正状態の収差を回折レンズに非球面
の作用を持たせるようにしてこの非球面の作用を利用し
周辺での回折レンズのパワーを弱めるようにして光線の
入射角を緩めて軸外でのz方向の色収差を正の方向へも
って行っている。この非球面の作用により補正過剰ぎみ
の倍率の色収差も正の方向へ持って行って良好に補正し
ている。このように回折レンズに非球面作用を持たせる
ことにより軸外での性能を良好に保っている。
【0068】又、前群(第1群)の屈折レンズの硝材に
分散の小さい硝材を用い、後群(第2群)の第1レンズ
である屈折レンズの硝材に分散の大きい材質を用いるこ
とにより、回折レンズ以外で発生する倍率の色収差を正
方向に発生させて、回折レンズによる過剰補正能力を打
ち消すようにしている。そのためには、特に後群の屈折
レンズ(第1レンズ)のアッベ数を40以下にすること
が望ましい。つまり前記第1レンズのアッベ数をνd
する時下記条件を満足することが望ましい。 νd >40
【0069】実施例2も内視鏡用対物レンズの実施例
で、物体側より順に、負の屈折レンズの前群(第1群)
と、明るさ絞りと、正の回折レンズの第1レンズと正の
屈折レンズの第2レンズよりなる後群(第2群)とより
の3枚にて構成され、その像側に傷防止用平板P、CC
DカバーガラスCが配置されている。回折面は、面にほ
ぼ垂直に光線が入射しかつ光束を大きくとれる絞り近傍
に配置してある。この実施例は、レンズ系の全長を短く
することを重視した対物レンズで、回折レンズのパワー
を全系の焦点距離に対し強くしてある。
【0070】本発明の対物レンズは、特許請求の範囲の
各請求項に記載する構成のレンズ系の他、下記の各項に
記載するレンズ系も本発明の目的を達成する。
【0071】(1)特許請求の範囲の請求項1、2、3
又は4に記載するレンズ系で、回折光学素子が下記条件
(4)を満足することを特徴とする対物レンズ。 (4) 0.1≦Pmin /Pmax ≦0.4
【0072】(2)特許請求の範囲の請求項1、2、3
又は4あるいは前記の(1)の項に記載されているレン
ズ系で、下記条件(5)を満足することを特徴とする対
物レンズ。 (5) Pmax /d≦0.5
【0073】(3)特許請求の範囲の請求項1、2、3
又は4あるいは前記の(1)又は(2)の項に記載され
ているレンズ系で回折光学系が下記条件を満足すること
を特徴とする対物レンズ。 0.05mm≦Pmax ≦0.15mm
【0074】(4)特許請求の範囲の請求項1、2、3
又は4あるいは前記の(1)、(2)又は(3)に記載
されているレンズ系で、回折光学系が下記条件(9)を
満足することを特徴とする対物レンズ。 (9) 8Yc ≦fd ≦500YM 2
【0075】(5)特許請求の範囲の請求項1、2、3
又は4あるいは前記の(1)、(2)又は(3)に記載
されているレンズ系で、回折光学系が下記条件(10)
を満足することを特徴とする対物レンズ。 (10) 8D1×IH/D2 ≦fd ≦150d2
【0076】(6)特許請求の範囲の請求項1、2、3
又は4あるいは前記の(1)、(2)又は(3)に記載
されているレンズ系で、回折光学系が下記条件(11)
を満足することを特徴とする対物レンズ。 (11) 4IH≦fd ≦150d2
【0077】(7)特許請求の範囲の請求項1、2、3
又は4あるいは前記の(1),(2),(3),
(4),(5)又は(6)に記載されているレンズ系で
前記第1群が1枚の屈折レンズよりなり前記第2群が1
枚の回折レンズと1枚の屈折レンズよりなることを特徴
とする対物レンズ。
【0078】(8)前記の(7)に記載されているレン
ズ系で、前記第2群が物体側から順に1枚の回折レンズ
と1枚の屈折レンズよりなり、回折レンズが下記条件
(14)を満足することを特徴とする対物レンズ。 (14) 6IH×D1/f2 ≦fd≦500d2 (−f
1 +D3+D12 /(−f1 +D32
【0079】(9)前記の(7)に記載されているレン
ズ系で、前記第1群が1枚の屈折レンズよりなり、前記
第2群が物体側から順に、1枚の屈折レンズと1枚の回
折レンズとよりなり、下記条件(15)を満足する対物
レンズ。 (15) 4IH≦fd ≦125D4 2/FNO 2
【0080】(10)前記の(7)、(8)又は(9)
に記載されているレンズ系で、前記第1群が1枚のレン
ズよりなり、前記第2群が1枚の屈折レンズと1枚の回
折光学素子よりなり、前記第2群の屈折レンズのアッベ
数が下記条件を満足することを特徴とする対物レンズ。 νd >40
【0081】(11)前記の(7)、(8)、(9)又
は(10)の項に記載されたレンズ系で、前記第1群の
屈折レンズのアッベ数と前記第2群の屈折レンズのアッ
ベ数が下記条件を満足することを特徴とする対物レン
ズ。 νd1>νd2
【0082】(12)特許請求の範囲の請求項1、2、
3又は4あるいは前記の(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)又は(9)の
項に記載されているレンズ系で、下記の式を満足するこ
とを特徴とする対物レンズ。 0.5≦h/f≦0.85
【0083】(13)前記の(12)の項に記載されて
いるレンズ系で、回折レンズが赤外カットフィルターか
らなることを特徴とする対物レンズ。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば色収差が補正され全長の
短い操作性の良い、低侵襲、高性能な内視鏡対物レンズ
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対物レンズの実施例1の断面図
【図2】本発明の対物レンズの実施例2の断面図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側より順に、負のパワーを有する第1
    群と、絞りと、正のパワーを有する第2群とよりなり、
    前記第2群に少なくとも一つの回折光学素子を含み該回
    折光学素子が下記条件(1)を満足することを特徴とす
    る対物レンズ。 (1) 3≦fd /f≦100 fは対物レンズ全系の焦点距離、fd は回折光学素子の
    焦点距離である。
  2. 【請求項2】前記回折光学素子が条件(1)の代りに下
    記条件(1−1)を満足することを特徴とする請求項1
    の対物レンズ。 (1−1) 3≦fd /f≦10
  3. 【請求項3】前記回折光学素子が下記条件(2)を満足
    することを特徴とする請求項1又は2の対物レンズ。 (2) fd /f2 ≦15 ただし、f2 は第2群の焦点距離である。
  4. 【請求項4】前記回折光学素子が下記条件(3)を満足
    することを特徴とする請求項1,2又は3の対物レン
    ズ。 (3) 0.005mm≦Pmin ≦0.015mm ただし、Pmin は回折光学素子の最小輪帯ピッチであ
    る。
JP1595797A 1997-01-14 1997-01-14 対物レンズ Withdrawn JPH10197806A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1595797A JPH10197806A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 対物レンズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1595797A JPH10197806A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 対物レンズ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10197806A true JPH10197806A (ja) 1998-07-31

Family

ID=11903226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1595797A Withdrawn JPH10197806A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 対物レンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10197806A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6181481B1 (en) 1998-11-30 2001-01-30 Fuji Photo Optical Co., Ltd. Objective lens for endoscope
JP2009297401A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Fujinon Corp 撮像レンズ及びカプセル型内視鏡
WO2012176791A1 (ja) 2011-06-24 2012-12-27 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 対物光学系

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6181481B1 (en) 1998-11-30 2001-01-30 Fuji Photo Optical Co., Ltd. Objective lens for endoscope
JP2009297401A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Fujinon Corp 撮像レンズ及びカプセル型内視鏡
WO2012176791A1 (ja) 2011-06-24 2012-12-27 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 対物光学系
US8767307B2 (en) 2011-06-24 2014-07-01 Olympus Medical Systems Corp. Objective optical system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2725401B1 (en) Objective optical system
JP3573575B2 (ja) 光学系
JP5993604B2 (ja) 赤外線用光学系
US6266191B1 (en) Diffractive-refractive achromatic lens
JPH04267212A (ja) 超広角レンズ
CN103852861B (zh) 超广角透镜系统
JPH05142473A (ja) リアコンバージヨンレンズ
EP1860476A1 (en) Imaging lens
JPH10115777A (ja) 撮影レンズ
CN101907762A (zh) 镜头系统
JP3853889B2 (ja) ズームレンズ
CN118112779A (zh) 目视系统
JPH06308381A (ja) 内視鏡対物レンズ
JP4345050B2 (ja) 超広角レンズ
CN117471657B (zh) 光学镜头
CN117389008B (zh) 光学镜头
CN115963625B (zh) 光学成像镜头
JPH10339842A (ja) 赤外用非球面光学系
JPH10197806A (ja) 対物レンズ
JP5298871B2 (ja) 結像レンズおよびカメラ装置および携帯情報端末装置
JP4091284B2 (ja) 接眼レンズ系
JP4097781B2 (ja) 対物レンズ
JP2019215411A (ja) 接眼光学系、電子ビューファインダー及び撮像装置
JP3300671B2 (ja) 接眼レンズ系
CN117471656B (zh) 光学镜头

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040406