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JPH10195158A - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂の製造方法

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Publication number
JPH10195158A
JPH10195158A JP174197A JP174197A JPH10195158A JP H10195158 A JPH10195158 A JP H10195158A JP 174197 A JP174197 A JP 174197A JP 174197 A JP174197 A JP 174197A JP H10195158 A JPH10195158 A JP H10195158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phenol
reactor
reaction
novolak
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP174197A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Inagaki
昌幸 稲垣
Shoji Tomita
昭二 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP174197A priority Critical patent/JPH10195158A/ja
Publication of JPH10195158A publication Critical patent/JPH10195158A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン性不純物が少なく、硬化速度の速いハ
イオルソタイプのノボラック型フェノール樹脂を、安全
に且つ短時間に収率良く製造すること。 【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類を付加縮合
反応させる際に、触媒を一切使うことなく、フェノール
類を予め2段の同径のタービン型攪拌羽根を有した高圧
反応器内で160℃以上に加温し、且つ不活性気体で
0.5MPa以上に加圧した状態の中に、蟻酸を200
PPM以下に低減したホルマリン又はフェノール類と混
合した純度80%以上のパラホルムアルデヒドを逐次添
加し反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はノボラック型フェノ
ール樹脂の製造方法に関し、特にイオン性不純物が極め
て少なく、硬化性の優れたハイオルソタイプのノボラッ
ク型フェノール樹脂を効率よく製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般的なノボラック型フェノール樹脂の
製造方法としては、フェノール類とアルデヒド類を公知
の有機酸及び/又は無機酸を触媒に用い、常圧100℃
で数時間付加縮合反応し、その後脱水及び未反応モノマ
ー除去を行う方法が知られている。このような方法で作
られたノボラック型フェノール樹脂はフェノール類のオ
ルソ位のメチレン結合に対しパラ位の結合が多いもので
あり、本発明の目的とするところのオルソ位のメチレン
結合の多いハイオルソタイプのノボラック型フェノール
樹脂(以下、ハイオルソノボラックという)に比べ、硬
化性が劣るものであった。
【0003】一方、従来工業的なハイオルソノボラック
の製造は、フェノール類とアルデヒド類を酢酸亜鉛、酢
酸鉛、ナフテン酸亜鉛等の金属塩触媒により弱酸性下で
付加縮合反応させた後、直接あるいは更に酸触媒を添加
し脱水しながら縮合反応を進め、更に必要により未反応
物を除去する工程を入れる方法が一般的である(例え
ば、特開昭55−90523号公報、特開昭59−80
418号公報、特開昭62−230815号公報に記
載)が、かかる方法においては反応及び脱水工程に時間
がかかるといった生産性の問題や、金属イオンが樹脂中
に含有し、その硬化物は耐熱性、耐水性、電気絶縁性な
どの特性が劣り、特にイオン性不純物の混入を嫌う電気
・電子分野向けの用途には使用できないといった問題が
あった。
【0004】また、金属塩以外の触媒を用いるハイオル
ソノボラックの製造方法としては、フェノール類とアル
デヒド類の反応に際し、金属塩触媒以外の触媒として、
例えば蓚酸のような昇華分解する酸と非極性溶媒を添加
し、110℃以上の温度で水と溶媒を蒸発させ溶媒のみ
反応系に戻しながら、第一次反応を2〜10時間、第二
次反応を1〜10時間行う方法(例えば、特開平4−2
02312号公報)が知られているが、かかる方法は反
応時間が長いのみならず、イオン性不純物を低減するた
めには、触媒の昇化・分解工程が必須となるばかりでな
く、非極性溶媒の除去工程が必要となる問題がある。
【0005】更に、触媒を用いないハイオルソノボラッ
クの製造方法としては、フェノール類とパラホルムアル
デヒドをキシレンの様な非極性溶媒を用い混合後、10
0〜220℃で12〜20時間加圧容器内で反応させる
方法(例えば、Casiraghi,他 Makrom
ol.Chem.182(11),2973,(198
1)や特開平6−345837号公報)が知られてい
る。特に、前記Makromol.Chem.には、か
かる製法によりオルソ位でのメチレン結合比率が非常に
高い樹脂が得られると述べられているが、一方これらの
方法においては反応に長時間を要すといった点や、文献
中にも述べられているが、反応温度を高くするとアルデ
ヒド類がはじめから所定量存在するため一度に反応し、
反応圧制御が出来ないと言った問題があり、更に非極性
溶媒を使用する方法の共通点として、溶媒除去工程が必
要な事や取り扱いの安全性、バッチ生産の場合のバッチ
当たりの収得量を多くすることが出来ないなどの問題点
があるため、工業的なハイオルソノボラックの製造方法
としては必ずしも優れているとは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、これらの
問題点を克服すべく鋭意研究した結果、反応器内で加熱
加圧したフェノール類中に触媒を使用することなくアル
デヒド類を逐次注入混合することにより、更には、好ま
しくはアルデヒド類として蟻酸を低減したホルマリン又
はフェノール類と混合したパラホルムアルデヒドを用
い、また、(好ましくは同径の)2段のタービン型攪拌
羽根を有した反応器を使用することにより、電気・電子
分野向け成形材料用、エポキシ樹脂の硬化剤用、積層板
用他幅広い用途に好適な、硬化性に優れ、イオン性不純
物が極めて少なく、その硬化物は耐水性、耐熱性、電気
絶縁性に優れたハイオルソノボラックを、反応上の安全
確保が容易で且つ非常に効率よく生産できることを見い
出し、本発明に至ったものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明は、フェノール類
とアルデヒド類を触媒を使用しないで反応させる際、フ
ェノール類を予め160℃以上まで加温した後不活性ガ
スにより0.5MPa以上迄加圧し、アルデヒド類を逐
次添加し反応温度を160℃以上に保ちながら付加縮合
反応をさせる事を特徴とするノボラック型フェノール樹
脂の製造方法に関するものであり、好ましくはアルデヒ
ド類の添加を反応器下部より行い、更にはアルデヒド類
として好ましくは蟻酸を200PPM以下まで除去した
ホルマリン又は純度80%以上のパラホルムアルデヒド
をフェノール類に溶解もしくは懸濁させたものを使用
し、反応器として(好ましくは同径の)2段のタービン
型攪拌羽根を有したものを使用することを特徴とする同
樹脂の製造方法に関するものである。
【0008】ここでフェノール類としては、フェノー
ル、クレゾール、ビスフェノール類などのフェノール性
水酸基を有する化合物の1種又は2種以上を用いる。こ
のフェノール類を反応器内で160℃以上、好ましくは
180〜230℃に加熱し、且つ窒素ガス等の公知の不
活性ガスにより0.5MPa以上、好ましくは0.7M
Pa以上に加圧する。フェノール類の初期加熱温度16
0℃以下の場合、アルデヒド類の添加開始時における反
応速度が遅くなるばかりでなく、パラ位のメチレン結合
が促進され目的とするハイオルソノボラックが得られに
くくなる。初期の不活性ガスによる加圧は、酸化着色の
防止の意味はもちろん含まれているが、原料中及び縮合
反応により生じる縮合水の蒸発潜熱による反応温度低下
を防止するものであり、0.5MPa以下の加圧では反
応開始直後の反応温度低下し目標温度を保てない。
【0009】次いで、アルデヒド類を逐次反応器内へ添
加するが、好ましくは、アルデヒドの反応効率の点で反
応器下部より添加することが好ましい。フェノール類に
対するアルデヒド類のモル比は特に限定しないが、一般
的には0.3〜1.0の範囲で行う。本発明に用いるア
ルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムア
ルデヒド、ポリオキシメチレンなどアルデヒド基を有す
るもの1種又は2種以上であるが、好適なものとしては
1つは公知のイオン交換樹脂等で処理して蟻酸を200
PPM以下としたホルマリンであり、もう1つは純度8
0%以上のパラホルムアルデヒドである。
【0010】ホルマリンはホルムアルデヒド水溶液のこ
とであるが、濃度37%以上のものが好ましく、更に好
ましくは濃度40%以上である。ホルムアルデヒドはカ
ニッツァーロ反応によりホルマリン生産時及び保管時に
蟻酸を生成しやすいが、この蟻酸は生成樹脂中に分解し
きれないものがイオン性不純物として含有されるばかり
ではなく、フェノール類とアルデヒド類の付加縮合反応
時に酸触媒として働いてしまい、パラ位のメチレン結合
を促進してしまうため、好ましくは200PPM以下、
更に好ましくは50PPM以下まで除去しておく必要が
ある。
【0011】パラホルムアルデヒドとしては純度80%
以上のものを使用するのが好ましい。純度が低い場合オ
ルソ位のメチレン結合度が低下し好ましくない。また一
般にパラホルムアルデヒドは固形物であり、加温された
フェノール類を液中へ逐次添加させることが困難であ
る。本発明では、逐次添加を容易にするために、パラホ
ルムアルデヒドとフェノール類の一部を事前に混合し溶
解させるか、スラリー状にしておくことが必須である。
パラホルムアルデヒドとフェノール類の混合比は特に限
定するものではないが、公知の高圧ポンプまたはスラリ
ーポンプで扱える流動性を確保できる比率が好ましい。
またこの場合、パラホルムアルデヒドの混合に要したフ
ェノール類の量は、反応器内で加熱しているフェノール
類の一部と見なしモル比等の算出は行う。
【0012】アルデヒド類の逐次添加に当たっては、公
知のプランジャータイプ及びダイヤフラムタイプ等の高
圧ポンプや回転容積型の一軸偏心ネジポンプ(例えば兵
神装備株式会社製モーノポンプ等)及びチューブポンプ
等のスラリーポンプなどを用い、好ましくは反応器下部
より加熱フェノール類中に定量的に供給する。この時の
添加速度は、反応温度160℃以上を保ち且つ急激な反
応による過度の反応熱発生や過度の圧力上昇を起こさな
い範囲として、添加時間を15分〜2時間に設定するこ
とが好ましいが、反応器伝熱面の汚れによる熱交換状況
の振れや、その他外部からの突発的な要因においても、
アルデヒド類の添加停止や添加速度の調整により、高温
下の反応においても直ちに安全確保及び生産の安定化が
図れるのが本発明の特徴でもある。
【0013】アルデヒド類の添加位置は一般的な反応器
上部からの添加もしくはフェノール類液面上の添加でも
よいが、降圧工程での臭気等の問題や、収率、得られる
分子量の安定性といった面から優れている反応器下部か
らの添加が好ましい。反応器下部より注入添加されたア
ルデヒド類は、直ちに反応すると同時に、一部は気化し
反応液面上部より蒸発されるまでの間で付加縮合反応を
完結するのに対し、上部からの添加では高温状態のフェ
ノール類の液面で蒸気圧の低いホルムアルデヒドが気化
してしまい、反応器気相部に滞留し反応できない可能性
があるからである。
【0014】本発明に使用する反応器は一般的な圧力反
応器であるが、アルデヒド類の反応器下部添加に有利な
上下に設置した(好ましくは同径の)2段のタービン型
攪拌羽根を有しているとより好ましい。
【0015】反応器下部より添加したアルデヒド類は直
ちに反応するが、一部は気化し液中を上昇する。この時
タービン型攪拌羽根を2段、好ましくは同径のものを2
段用いることにより、上下タービン型攪拌羽根の中間位
置でそれぞれの攪拌流がぶつかり滞留ゾーンが出来るこ
とにより、気化アルデヒドの上昇を妨げ反応を促進し、
収率も良くなり気相部のアルデヒドガス量も低下し、臭
気問題上も好適である。一方、タービン羽根1段又はそ
の他特に上下流を作り出す大型攪拌翼等では、アルデヒ
ド類の反応効率が悪く、所定の分子量が得られず収率も
低下する。
【0016】このようにして、フェノール類にアルデヒ
ド類を添加し付加縮合反応したものは、アルデヒド類添
加終了後更に数分間圧力保持後、反応器に付設した熱交
換器経由で降圧しながらフラッシュにより脱水するか、
フラッシュタンクに移送しつつ脱水し、更に必要により
減圧下で加熱し又は公知の薄膜蒸発器等を用い未反応モ
ノマーを除去し、イオン性不純物の極めて少ないハイオ
ルソタイプのノボラック型フェノール樹脂を得る。
【0017】さらに本発明の一例を図1により説明する
が、かかる説明により本発明が限定されるものではな
い。図1は本発明の設備及びフローを示す概略図であ
り、(a)は正面図、(b)は平面図である。フェノー
ル類を上下2段のタービン型攪拌羽根(1)付き高圧反
応器(2)に入れた後、160℃以上となるまで加温
し、窒素ガス等の不活性ガスを加圧ライン(3)により
0.5MPa以上まで加圧する。所定の温度圧力到達
後、目的とする分子量とするのに必要なアルデヒド量を
高圧定量ポンプ(4)により反応器下部の注入ノズル
(5)から注入添加する。
【0018】注入されたアルデヒド類は液面まで上昇す
る間にフェノール類と反応温度160℃以上で保持され
た状態で付加縮合反応が完結する。反応終了後圧力調整
バルブ(6)を徐々に開き原料中の水と縮合水を蒸発さ
せ、熱交換器(7)で水を凝縮し反応系外に取り去ると
共に、反応器内の圧力を常圧まで低下させる。脱水の完
了した樹脂のみ反応器内に残る。この後更に反応器内を
減圧とし更に加熱し未反応モノマーを除去し、反応器内
より取り出し冷却固化することにより固形のイオン性不
純物の極めて少ないハイオルソタイプのノボラック型フ
ェノール樹脂が得られる。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例、比較例を用いて具体的
に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。なお、文中に記載されている
「%」は、全て「重量%」を示す。
【0020】《実施例1》フェノール22.0Kgを熱
交換器、加熱装置及び同径の2段タービン型攪拌羽根を
有した容量50Lの高圧反応器で180℃まで加熱し、
窒素ガスにて0.7MPa迄加圧した後、ダイアフラム
式高圧定量ポンプにて予めイオン交換樹脂処理により蟻
酸含有量を50PPMまで低減した40%ホルマリン1
0.5Kgを60分間掛けて反応器下部より逐次添加し
付加縮合反応をさせた。この間の反応温度が180〜2
00℃となるように反応器のジャケット部の温度調節及
び添加速度は調整した。反応終了後、熱交換器経由で5
分間掛けて常圧に戻しながら脱水反応を行った。更にこ
の後1.3KPaまで減圧し反応液温度が180℃とな
るまで加熱し未反応フェノールの除去を行った後、冷却
バット上に取り出し固形のノボラック型フェノール樹脂
21.0Kgを得た。付加縮合開始から脱水終了までの
所要時間は65分であった。
【0021】《実施例2》フェノール22.0Kg、初
期加熱温度を160℃、初期加圧0.5MPa、40%
ホルマリン添加量を13.5Kgとした以外は実施例1
と同様の方法で反応し23Kgの固形ノボラック型フェ
ノール樹脂を得た。
【0022】《実施例3》フェノール類としてm−クレ
ゾール・p−クレゾール混合物(60:40)30.0
Kgを使用し、40%ホルマリン量を11.9Kgとし
た以外は、すべて実施例1と同様の方法で固形ノボラッ
ク型フェノール樹脂28Kgを得た。
【0023】《実施例4》反応器内にフェノール20.
0Kgを入れ、アルデヒド類として88%パラホルムア
ルデヒド6.1Kgを使用し、更にパラホルムアルデヒ
ドは8.0Kgのフェノールと事前に混合し、懸濁状態
液となったものをプランジャー式高圧定量ポンプにて反
応器下部より供給すること以外は、すべて実施例2と同
様の方法でノボラック型フェノール樹脂27.0Kgを
得た。
【0024】《実施例5》88%パラホルムアルデヒド
を7.8Kgとした以外は、すべて実施例4と同様の方
法でノボラック型フェノール樹脂28.0Kgを得た。
【0025】《実施例6》反応器内にフェノール類とし
てm/p−クレゾール20.0Kgを入れ、88%パラ
ホルムアルデヒド7.3Kgと10.0Kgのm/p−
クレゾールを混合したものを反応器下部より供給するこ
と以外は、すべて実施例2と同様の方法でノボラック型
フェノール樹脂30.0Kgを得た。
【0026】《実施例7》40%ホルマリンを反応器上
部より液面に添加させる方法以外は実施例1と同じ方法
で実施し、ノボラック型フェノール樹脂18.0Kgを
得た。
【0027】《実施例8》蟻酸濃度が400PPMの一
般的な40%ホルマリンを使用すること以外は、すべて
実施例1と同様の方法で実施し、ノボラック型フェノー
ル樹脂22.0Kgを得た。
【0028】《比較例1》実施例1で使用した反応器に
フェノール22.0Kgと代表的なノボラック化触媒で
ある蓚酸0.22Kgを入れ常圧で100℃となるまで
加熱した後、40%ホルマリン10.5Kgを90分間
で徐々に添加した後、100℃を保ち60分間反応を続
行した。更にこの樹脂を温度常圧で130℃となるまで
加熱しながら脱水した後、1.3KPaまで減圧し反応
液温度180℃となるまで未反応フェノールの除去を行
った。その後冷却バットに取り出し21.0Kgのノボ
ラック型フェノール樹脂を得た。付加縮合反応開始から
脱水終了までの所要時間は4時間30分であった。
【0029】《比較例2》40%ホルマリンの量を1
4.7Kgとした以外は、すべて比較例1と同様の方法
でノボラック型フェノール樹脂23.0Kgを得た。
【0030】《比較例3》実施例1で使用した反応器
に、フェノール22.0Kgと88%パラホルムアルデ
ヒド4.8Kg及びハイオルソノボラック化触媒として
2価金属塩の代表の酢酸亜鉛0.22Kgを入れ、常圧
で100℃となるまで加熱し、100℃を保ち3時間反
応を継続した後、一旦90℃まで冷却しここに縮合反応
促進触媒として蓚酸0.11Kgと水0.33Kgを混
合したものを添加し、30分混合後再度100℃まで昇
温し1時間反応を行った。更に常圧で130℃となるま
で脱水した後、1.3KPaまで減圧し反応液温度が1
80℃となるまで未反応フェノール除去を行い、冷却バ
ットに取り出し20.0Kgのノボラック型フェノール
樹脂を得た。付加縮合開始から脱水終了までの所要時間
は7時間であった。
【0031】《比較例4》実施例1で使用した反応器
に、フェノール15.0Kgと88%パラホルムアルデ
ヒド4.8K及びキシレン15.0Kgを入れ、反応器
を密閉し150℃まで加熱後、150℃の温度を保持し
ながら2時間反応させた。この液を冷却して分析したと
ころ、重量平均分子量が150程度と殆ど反応していな
い状態であった。
【0032】《比較例5》比較例6と同じ方法で20時
間反応し付加縮合反応を完結させた後、反応器内圧力が
大気圧となるまで冷却し、常圧150℃となるまで加熱
し脱水及びキシレン除去を行った。更に1.33KPa
まで減圧して反応液温度が180℃となるまで未反応フ
ェノール除去を行い、冷却バットに取り出し13.0K
gのノボラック型フェノール樹脂を得た。付加縮合開始
から脱水終了までの所要時間は24時間であった。
【0033】《比較例6》窒素ガスによる初期加圧を行
わない以外はすべて実施例1と同じ方法で反応したとこ
ろ、ホルマリン添加開始時より反応液温度が低下し、所
定反応液温度が維持できないまま続行し、ノボラック型
フェノール樹脂16.0Kgを得たが、実施例に比べ収
率が大変悪かった。
【0034】以上の各例により得られた樹脂の特性を測
定し、その結果を表1に示す。
【表1】
【0035】測定方法は以下の通りである。 1.重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質とした
紫外線吸収スペクトル検出器を用いたゲルパーミッショ
ンクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。比
較例5に関してはテトラヒドロフラン可溶部の測定とな
った。 2.モノマー含量は、キャピラリーガスクロマトグラフ
ィー法により測定した。比較例5はメタノール可溶部の
測定となった。 3.オルソ/パラ結合比は、テトラヒドロフランに溶解
後、13C−NMRスペクトル法により求めたメチレン基
結合量を、下式に代入し算出した。尚比較例5はテトラ
ヒドロフラン可溶部の測定となった。 オルソ/パラ結合比=[2×(o−o結合)+(o−p
結合)]/[2×(p−p結合)+(o−p結合)] o−o結合:オルソ−オルソ位結合メチレン基の数 o−p結合:オルソ−パラ位結合メチレン基の数 p−p結合:パラ−パラ位結合メチレン基の数 4.硬化時間は、得られた固形樹脂に対し10%のヘキ
サメチレンテトラミンを配合し粉砕混合したものを、J
IS K 6909に基づき、150℃熱板上でゲル化
点までの時間を測定した。 5.抽出水電気伝導度は、樹脂中のイオン性不純物を把
握する項目であり、数値が小さい方がイオン性不純物が
少ない事を表している。今回は固形樹脂6gと純水40
mlをプレッシャークッカー用容器に入れ密閉し、恒温
槽で125℃20時間熱処理後、抽出水を電気伝導度計
(東亜電波工業(株)製CM−2A)により電気伝導度
を測定した。
【0036】これらの測定値より明らかなように、本発
明の実施例で製造されたノボラック型フェノール樹脂
は、オルソ位のメチレン結合がパラ位のメチレン結合よ
り多い(オルソ/パラ結合比>2.0)ハイオルソノボ
ラックであり、その硬化速度が一般の酸触媒を用いたノ
ボラック比較例1,2に比較して速く、且つイオン性不
純物が少ないことが判る。また他のハイオルソノボラッ
クの製法と比べても短時間で付加縮合反応及び脱水反応
が完結するばかりでなく、反応器容積当たりの収量も多
くすることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、従来同時に成り
立たなかったイオン性不純物が少なく且つ硬化性に優れ
たハイオルソノボラックを高効率で生産することが可能
となる。即ち、高温反応時における反応圧力の制御が容
易であり、このため安全性が十分確保され、短時間の反
応で高い収率が得られる。そして、その硬化物は耐熱
性、電気絶縁性、耐湿性に優れているため、電気・電子
関連分野を始め幅広い用途への適応が可能となり、工業
的なノボラック型フェノール樹脂の製造方法として好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の設備の概略図であり、(a)は縦断
面図、(b)は横断面図。
【符号の説明】
1 タービン型攪拌羽根 2 高圧反応器 3 窒素ガス封入ライン 4 アルデヒド類高圧定量ポンプ 5 アルデヒド類注入ノズル 6 圧力調整バルブ 7 熱交換器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とアルデヒド類とを触媒
    を使用しないで反応させる際に、フェノール類を予め1
    60℃以上まで加温した後不活性ガスにより0.5MP
    a以上に加圧し、アルデヒド類を逐次添加し反応温度を
    160℃以上に保ちながら付加縮合反応をさせる事を特
    徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルデヒド類の添加を反応器の下部より
    行う請求項1記載のノボラック型フェノール樹脂の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 アルデヒド類として、蟻酸を200PP
    M以下まで除去したホルマリンを使用する請求項1又は
    2記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルデヒド類として純度80%以上のパ
    ラホルムアルデヒドを用い、これをフェノール類に溶解
    もしくは懸濁させて使用する請求項1又2記載のノボラ
    ック型フェノール樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応器として2段のタービン型攪拌羽根
    を有したものを使用する請求項1,2,3又は4記載の
    ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
JP174197A 1997-01-08 1997-01-08 ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 Pending JPH10195158A (ja)

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