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JPH10194817A - セメント組成物 - Google Patents

セメント組成物

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JPH10194817A
JPH10194817A JP1478197A JP1478197A JPH10194817A JP H10194817 A JPH10194817 A JP H10194817A JP 1478197 A JP1478197 A JP 1478197A JP 1478197 A JP1478197 A JP 1478197A JP H10194817 A JPH10194817 A JP H10194817A
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cement
weight
parts
concrete
blast furnace
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JP1478197A
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Yoshikazu Fuji
良和 藤
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Individual
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Publication date
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    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緻密で高強度、且つ、密着性、可撓性に優れ
る無機系被覆材を生成し得るセメント組成物の提供を課
題とする。 【解決手段】 アンモニウム塩類又はナトリウム塩類の
少なくともいずれかと、カリウム塩類と、鉄化合物と、
硝酸カルシウム又は塩化カルシウムの少なくともいずれ
かと、マグネシウム塩類とを水に添加して、多種多量の
金属イオンを含有する水溶液を調整する。また、高炉水
砕スラグを6,000ないし8,000ブレーンに微粉
化する。これらの水溶液及びスラグをポルトランドセメ
ント及び樹脂エマルジョンからなるポリマーセメントに
配合する。上記水溶液のイオンリッチな性質のため、セ
メント水和物が細かく分散し、緻密な構造体を得ること
ができる。また、微粉化したスラグが各配合成分間の間
隙を埋めるようにして自己硬化するため、相乗効果によ
り、構造体の強度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセメント組成物、特
に、コンクリートやモルタル、スレート、あるいは鉄骨
等に対する劣化防止用又は防錆用等の被覆材として好適
に用いることのできるセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に酸性雨の問題がもちあがって
から、例えば、ダムや海洋河川の護岸壁、橋梁、トンネ
ル等を始めとして、一般建物施設、下水管、テトラポッ
ト、電柱等に至るまで、様々な土木建築構造物に使用さ
れるコンクリート及びその二次製品、あるいは金属製建
材等の劣化や腐食の問題がクローズアップされ、これに
追随して建築構造物を脆弱化させるコンクリートの中性
化ないし劣化の防止、又は防錆を図るための様々な被覆
材の提案が試みられている。
【0003】かかる被覆材に求められる機能の第一は、
水や外気のコンクリート内部への進入を遮断し、もって
空気中の浮遊塩分や二酸化炭素、あるいは酸性雨や酸性
土壌の影響によるコンクリートの中性化ないし劣化、又
は構造物中の鉄筋、鉄骨の腐食を防止し得るだけの強固
で緻密な保護皮膜を形成することである。
【0004】また、かかる被覆材に求められる機能の第
二は、吹付工法やハケ塗り工法等の通常の現場施工が容
易に行なえるだけの流動性等の管理、調整が可能なこと
である。
【0005】従来、最も早くからこのような対策に使用
されていたものの一つに、塗料、とりわけ水溶性のもの
や水分散系のものに比べて塗膜強度が大きいといわれる
有機溶剤系の塗料がある。しかしながら、塗料による硬
化皮膜は水や空気の遮断性に優れるが、その分、建物の
内外温度差によって結露が生じ易く、また、皮膜の大部
分が合成高分子でできているため光による分解、劣化が
免れない。さらに、有機溶剤の吸引毒性についての問題
もある。
【0006】これに対処するものとして、有機系溶剤あ
るいは合成樹脂等を殆ど含まない無機成分を主材として
なる被覆材の開発、就中、コンクリートと同様の構成成
分を使用して、従来のものに比べて密度や強度に優れる
硬化物を形成し得るセメント系組成物の提案が多くなさ
れている。
【0007】そもそも、ポルトランドセメントに代表さ
れる水硬性セメントに高炉水砕スラグを配合した所謂高
炉セメントが、該スラグの潜在的なアルカリ水硬性によ
って長期に渡る耐食性を有する高強度のコンクリート硬
化物を与えることは従来よりよく知られている。最近に
おける開発は、この高炉セメントに、さらに種々の混合
剤を配合して品質の改良を企図するものが主流で、例え
ば、特開平7−61852号公報には、ポルトランドセ
メントと、高炉水砕スラグ微粉末と、高炉徐冷スラグ
と、亜硝酸リチウムとを含有するセメント組成物が開示
されている。そして、このような配合によれば、水和反
応中における亜硝酸リチウムに由来するリチウムイオン
と、結晶質粉末の高炉徐冷スラグの表面部分とが反応し
て、結合力の強いコンクリート材料組織が得られるとし
ている。
【0008】また、一方では、特開平8−34644号
公報に開示されているように、組成は、石灰、酸化アル
ミニウム、酸化鉄、シリカ等と、ほとんど従来のセメン
ト組成と変わらないものの、この配合物を1250℃以
上に加熱溶融したのち急冷して特定の結晶構造にガラス
化した溶融物を求め、これをセメントに対して10〜5
0重量%添加することにより耐酸性かつ高強度のコンク
リートが得られるとするものもある。
【0009】さらに、基材への密着性や可撓性に優れる
合成高分子ポリマーのエマルジョンを混合した所謂ポリ
マーセメントを被覆材として建材表面に塗布する方法も
試みられている。
【0010】このように、コンクリート、あるいはモル
タル、スレート、又は鉄骨等からなる建物施設や土木構
築物一般を環境の変化から長期に渡って保護するための
有効な対策を講じることは、現在の当業界分野における
急務の一つとなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている被覆材用途のセメント組成物、コンクリー
ト改質用の混和剤、あるいはポリマーセメント等は、セ
メントの凝結、硬化反応時における次のような問題点を
解決するものではないため、得られるコンクリートの強
度や耐薬品性等の改良にはそれほどの期待を寄せること
はできないと考えられる。
【0012】つまり、ポルトランドセメント等に水を加
えてペースト状にすると、直ちに水和反応が始まって凝
結が起こり、流動性が失われたのちケイ酸カルシウム水
和物ゲル等を生じて硬化する。その場合に、この水との
水和反応で生じる水和物ゲル、すなわちエトリンガイト
に石灰や珪石等のセメント成分を初めとして他の骨材や
スラグ、あるいは珪砂、混和剤等が吸着、吸結して取り
込まれることになるのであるが、このときのエトリンガ
イトの粒径が大きく粗であると、これらの各種構成成分
が細かく分散せず、その結果、硬化後のコンクリートや
モルタルの物理的構造がそれほど緻密にはならないと共
に、エトリンガイト内部から経時的に発生する水酸カル
シウムや炭酸カルシウムの発生量が多くなってコンクリ
ート内部の化学的安定性が損なわれ、その結果、コンク
リート等の脆弱化の原因にもなるのである。そして、従
来提案されている技術のなかに、この点に着目して改良
を図ったものは見当たらないのである。
【0013】さらに、ポリマーセメントでは、専らカチ
オン性の樹脂エマルジョンが用いられるため、強アルカ
リ性のセメント水和物とこのカチオン性エマルジョンと
の反応をコントロールすることが難しく、水和反応によ
ってより速やかに流動性が失われ、その結果、一般的な
補修、上塗り施工に適していないという問題も有してい
る。
【0014】そこで、本発明は、セメントの凝結、硬化
時の水和反応中に、各種構成成分が細かく分散し、これ
により水和物ゲルの粒径が可及的に小となって、得られ
るコンクリートないしその皮膜が抜本的に緻密で強固な
ものに変性し、その結果、コンクリート、モルタル、ス
レート、鉄骨等に対する劣化防止用ないしは防錆用の被
覆材として好適に用いることができ、且つ、樹脂エマル
ジョンを添加してなお流動性が保持されて、施工が容易
で密着性及び加撓性の良好な被覆材を生成することので
きるセメント組成物の提供を課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係るセメント組成物は、30〜40重量部の
ポルトランドセメントと、10重量部の高炉水砕スラグ
と、5〜15重量部の樹脂エマルジョンと、アンモニウ
ム塩類又はナトリウム塩類の少なくともいずれか、硝酸
カルシウム又は塩化カルシウムの少なくともいずれか、
カリウム塩類、鉄化合物、及びマグネシウム塩類の水溶
液(以下「触媒溶液」という。)0.3〜0.5重量部
とを含有してなるものである。
【0016】このように、本発明のセメント組成物で
は、種々の無機化合物が添加されて多くのカチオン性金
属イオンを含有するように調整されたイオンリッチな触
媒溶液が、ポルトランドセメント及び高炉水砕スラグか
らなる高炉セメントや樹脂エマルジョン等と共に配合さ
れる。本発明者は、上記触媒溶液を高炉セメントやポリ
マーセメント等と共に混合して養生すると、結合力が高
く緻密で強固な構造に変性したコンクリートないしモル
タル等が得られ、これが水や空気の遮断性に優れると共
に、樹脂エマルジョンの存在によって密着性ないし可撓
性が良好で、ヘアクラック等が起き難く、且つ、水和反
応後の流動性ないし施工性のよい被覆材として好適に使
用し得ることを見出した。
【0017】この理論については必ずしも明らかではな
いが、触媒溶液の高い電子濃度が作用して、水和反応で
生じるアニオン性のエトリンガイトやその他の配合物が
細かく分散され、その結果、該エトリンガイトや高炉水
砕スラグ等の粒径が微小となって緻密で強固な構造体が
得られるものと考えられる。
【0018】また、一方においては、高炉水砕スラグが
潜在的に有するアルカリ中の自己硬化反応性が相乗効果
となって寄与する結果、得られるコンクリート構造体の
緻密性ないし強度が一層高められるものであるとも考え
られる。
【0019】このとき、高炉水砕スラグとしては、6,
000ないし8,000ブレーン程度に微粉化したもの
を用いることが好ましい。アルカリ水硬性である自己反
応のための表面積が大きくなって、得られる被覆塗膜が
より緻密で強固なものになると共に、他に配合される骨
材や珪砂、樹脂エマルジョン、あるいはエトリンガイト
等の分散吸着物の間に入り込み易くなってこれらの間隙
を埋め、得られる被覆塗膜の緻密化をより一層促進する
ことになるからである。
【0020】また、一方においては、上記触媒溶液の高
濃度のカチオンによって、同じくカチオン性の樹脂エマ
ルジョンが安定化され、その結果、アニオン性のセメン
ト水和物ゲルとの反応性が抑制されて流動性が長時間継
続し、従来困難であったこれらの樹脂エマルジョンとセ
メント水和物との反応性の管理が容易化して施工性に優
れるものとも考えられる。
【0021】このとき、樹脂エマルジョンとしては、セ
メント成分と静電気的に吸結し得るエポキシ系やアクリ
ル系等のカチオン性のものがより好ましいが、アニオン
性又はノニオン性の樹脂エマルジョンを用いることもで
きる。また、樹脂エマルジョンの固形分濃度としては、
例えば45〜50%のもの等が好適に使用できる。
【0022】上記触媒溶液の調整に用いられるカリウム
塩類としては、例えば、炭酸カリウム、塩化カリウム、
硝酸カリウム、硫酸カリウム等が使用でき、これらの一
又は二以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】また、鉄化合物としては、例えば、硫酸鉄
等の+2価の鉄化合物等が使用でき、これらの一又は二
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】さらに、アンモニウム塩類としては、例え
ば、塩化アンモニウム等が使用でき、これらの一又は二
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】一方、ナトリウム塩類としては、例えば、
塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等が
使用でき、これらの一又は二以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0026】そして、マグネシウム塩類としては、例え
ば、塩化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム等が使用でき、これらの一又は二以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0027】この触媒溶液の調製方法の一例を説明する
と、まず、カルキ分(塩素分)を除去した水100重量
部に、1〜3重量部のアンモニウム塩類又はナトリウム
塩類の少なくともいずれかと、1〜4重量部のカリウム
塩類とを、例えばこれらを予め混合しておく等して同時
に水に添加するようにする。同時に添加することによ
り、これらの成分のイオン化が促進されて、溶液調整が
容易となるからである。
【0028】また、これらの添加後は、約12〜18分
間撹拌すると共に、水温を3〜10℃に保つようにす
る。水温をこの温度範囲に保つことによって、得られる
溶液の作用が常に安定的に得られるようになるからであ
る。
【0029】そして、これに3〜10重量部の鉄化合物
を添加し、約12〜18分間撹拌する。この鉄化合物を
水に添加するときも、上記と同様の理由により、水温を
3〜10℃に保つようにする。
【0030】次に、70〜150重量部の硝酸カルシウ
ム又は塩化カルシウムの少なくともいずれかを添加し、
約25〜35分間撹拌する。
【0031】このとき、硝酸カルシウム又は塩化カルシ
ウムに代えて、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム又は
ケイ酸カルシウム等の他のカルシウム塩類を使用しても
よい。
【0032】そして、得られた溶液をさらに10〜15
時間放置すると共に、水温を15〜20℃、好ましくは
17〜18℃に冷却し、然る後、3〜7重量部のマグネ
シウム塩類を添加することにより、本発明の組成物に使
用する触媒溶液が最終的に得られることになる。
【0033】本発明のセメント組成物には、本発明の目
的が達成される範囲内において、さらに骨材としての6
〜8号の珪砂や珪砂の微粉末、又は各種混和剤としての
減水剤や防錆剤、あるいはAE剤や顔料、キレート剤、
粘度調整剤としてのベントナイト、デベリング剤として
のメチルセルロース等の他の添加剤を配合することが可
能である。
【0034】本発明のセメント組成物は、ポルトランド
セメント、高炉水砕スラグ、及び骨材や珪砂微粉末等の
その他の粉体成分からなる粉体混合物を主材とし、これ
に対して、樹脂エマルジョン及び上記触媒溶液にAE剤
や顔料等を添加した固形分濃度50%程度の液材を混合
することにより、水和反応が開始してコンクリートやモ
ルタル等に硬化する。
【0035】硬化皮膜は、床用、屋根用、壁用、補修用
等の被覆材として使用でき、その施工方法も、吹付工
法、左官工法、ローラ工法、ハケ塗り工法等の一般的な
施工法を用いることができる。
【0036】本発明のセメント組成物の各配合比率は、
その用途や得られる強度等に応じて上記の範囲内で種々
変更することが可能である。例えば、床用被覆材とする
場合は、ポルトランドセメント40重量部、高炉水砕ス
ラグ10重量部、樹脂エマルジョン5重量部、骨材40
重量部、珪砂微粉末5重量部、及び触媒溶液0.3重量
部等とするのが好ましい結果が得られる。
【0037】これに対して、強度をより高めたいときは
骨材の含有量を多くしたり、また可撓性を一層向上させ
たいときには樹脂エマルジョンの配合量を高くする等の
ように配合比率を変えることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を通じて本発明をさらに詳しく
説明する。触媒溶液の調製 123kgの工業用水に12gのチオ硫酸ナトリウムを
加えて10分間撹拌し、水中のカルキ分を固定化除去し
た。次に、水温を約7℃に保ちながら、1.7kgの塩
化アンモニウムと2.9kgの炭酸カリウムとを同時に
加え、15分間撹拌したのち、同じく水温を約7℃に保
ちつつ、硫酸鉄を5.6kg添加してさらに15分間撹
拌した。さらに、この溶液に塩化カルシウム130kg
を加えて30分間撹拌した後、12時間室温で放置し、
水温がおよそ17〜18℃になったところで、6.1k
gの塩化マグネシウムを添加して約270kgの触媒溶
液を得た。コンクリート供試体A及びコンクリート比較品Bの作成
とひずみ試験 ポルトランドセメント40重量部と、高炉水砕スラグ
(粒度6,000ブレーン)10重量部とからなる粉体
混合物に、変性アクリル酸エステル共重合物エマルジョ
ン5重量部(全固形分45%、pH約8.5、比重約
1.0の市販品)と、上記触媒溶液0.3重量部とを混
和した液材を添加して、20℃で28日間気中養生し、
4cm×4cm×16cmのコンクリート供試体Aを作
成した。一方、普通水のみを用いてポルトランドセメン
トを上記と同じW/C条件で、20℃、28日間気中養
生し、4cm×4cm×16cmの普通コンクリート比
較品Bを作成した。これらの供試体A及び比較品Bに対
してそれぞれひずみ試験を実施した。その結果、図1に
示すように、普通コンクリート比較品Bは、およそ50
kgf/cm2の応力、ひずみ率200×10-6の時点
で破壊したのに対し、本発明に係る組成物から得られた
コンクリート供試体Aでは、110kgf/cm2の応
力を加えても、ひずみ率が3,800×10-6程度とな
って破壊せず、樹脂エマルジョンを配合したことによ
り、可撓性に優れることが分かった。モルタル比較品Cの作成と吸水試験 上記のコンクリート比較品Bに加え、普通水、ポルトラ
ンドセメント及び6号珪砂を用いて4cm×4cm×1
6cmの1:3モルタル比較品Cを上記と同じW/C条
件で、20℃、28日間気中養生して作成した。このモ
ルタル比較品Cと、上記コンクリート比較品B及びコン
クリート供試体Aに対してそれぞれJIS−A−620
3に準拠して吸水試験を実施した。その結果、図2に示
すように、コンクリート比較品B及びモルタル比較品C
は、早期のうちから吸水率が大きく、72時間後にはそ
れぞれ13体積%及び26体積%の高い吸水率を示した
のに対し、コンクリート供試体Aでは、72時間後にお
いても、吸水率が3.6体積%と低く、上記触媒溶液又
は微粉化した高炉水砕スラグを配合したことにより、緻
密な構造体が得られたことが分かった。水蒸気透過阻止試験 上記のモルタル比較品Cとコンクリート供試体Aとに対
してそれぞれJIS−Z−0208に準拠して水蒸気透
過阻止試験を実施した。その結果、図3に示すように、
モルタル比較品Cは、一日当りの水蒸気透過量が120
〜130g/m2と大きかったのに対し、コンクリート
供試体Aでは、25g/m2前後と小さく、これによっ
ても、やはり上記触媒溶液又は微粉化した高炉水砕スラ
グを配合したことにより、構造体の緻密さが高いことが
分かった。モルタル供試体D、普通モルタル比較品E及びポリマー
モルタル比較品Fの作成と圧縮強度試験 上記のコンクリート供試体Aを作成した配合組成を基準
として、6号珪砂を用い、20℃で28日間気中養生し
て、4cm×4cm×16cmの1:3モルタル供試体
Dを作成した。一方、普通水、ポルトランドセメント及
び6号珪砂を用いて上記と同じ条件で、同寸法の普通
1:3モルタル比較品Eを作成した。また、このモルタ
ル比較品Eの配合組成を基準として、さらに樹脂エマル
ジョンとしてのSBR(スチレン−ブタジエンゴム)ラ
テックスを添加し、上記と同じ条件で、同寸法の1:3
ポリマーモルタル比較品Fを作成した。次に、各成形品
D,E,Fをそれぞれ灯油又はトルエン−酢酸エチル混
合溶剤に28日間侵漬させ、これらの供試体D及び比較
品E,Fに対してそれぞれ圧縮強度試験を実施した。そ
の結果、図4に示すように、本発明に係る組成物から得
られたモルタル供試体Dは、侵漬後のものにおいても、
また無処理のものにおいても、比較品E,Fに比べて圧
縮強度が大きく、上記触媒溶液又は微粉化した高炉水砕
スラグを添加したことにより、耐薬品性に優れ、配合成
分同士が強固に結合していることが分かった。
【0039】図5に、他に実施した塗膜性能試験の結果
をまとめて示す。いずれの項目においても、本発明に係
るセメント組成物から得られる被覆材としての塗膜が、
基材への付着性、緻密性、耐候性に優れていることが分
かる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセメント
組成物は、密着性及び可撓性に優れ、耐薬品性が良く、
且つ、緻密で強固な構造体を与えると共に、一般的な施
工法が利用できるから、コンクリートやモルタル、スレ
ート、あるいは鉄骨等からなる建物施設や土木構築物一
般を環境の変化から長期に渡って保護し、これらの脆弱
化の原因となる中性化ないし劣化、あるいは腐食、錆び
つきを防止する被覆材として好適に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセメント組成物から得られたコンク
リート供試体と従来の普通コンクリートとの可撓性の相
違を示すグラフ図である。
【図2】 本発明のセメント組成物から得られたコンク
リート供試体と従来の普通コンクリート及び普通モルタ
ルとの構造の緻密性の相違を示すグラフ図である。
【図3】 本発明のセメント組成物から得られたコンク
リート供試体と従来の普通モルタルとの構造の緻密性の
相違を示すグラフ図である。
【図4】 本発明のセメント組成物から得られたモルタ
ル供試体と従来の普通モルタル及びポリマーモルタルと
の耐薬品性及び強度の相違を示す一覧表である。
【図5】 本発明のセメント組成物から得られた被覆材
としての塗膜の基材に対する付着性、緻密性、耐候性等
を示す一覧表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 22:12 22:14 22:10 22:14) 103:10 103:60 111:22 111:72

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30〜40重量部のポルトランドセメン
    トと、10重量部の高炉水砕スラグと、5〜15重量部
    の樹脂エマルジョンと、アンモニウム塩類又はナトリウ
    ム塩類の少なくともいずれか、硝酸カルシウム又は塩化
    カルシウムの少なくともいずれか、カリウム塩類、鉄化
    合物、及びマグネシウム塩類の水溶液0.3〜0.5重
    量部とを含有することを特徴とするセメント組成物。
  2. 【請求項2】 高炉水砕スラグは、6,000ないし
    8,000ブレーンに微粉化したものであることを特徴
    とする請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 【請求項3】 水溶液は、100重量部の水に、アンモ
    ニウム塩類又はナトリウム塩類の少なくともいずれかを
    1〜3重量部、硝酸カルシウム又は塩化カルシウムの少
    なくともいずれかを70〜150重量部、カリウム塩類
    を1〜4重量部、鉄化合物を3〜10重量部、及びマグ
    ネシウム塩類を3〜7重量部添加してなることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載のセメント組成物。
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JP2012171855A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Yoshiji Hirota セメントを用いない硬化組成物
WO2014003120A1 (ja) * 2012-06-28 2014-01-03 独立行政法人物質・材料研究機構 造粒物及びその製造方法

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