JPH10193935A - タイヤ空気圧異常判定装置 - Google Patents
タイヤ空気圧異常判定装置Info
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- JPH10193935A JPH10193935A JP1342197A JP1342197A JPH10193935A JP H10193935 A JPH10193935 A JP H10193935A JP 1342197 A JP1342197 A JP 1342197A JP 1342197 A JP1342197 A JP 1342197A JP H10193935 A JPH10193935 A JP H10193935A
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- 230000033001 locomotion Effects 0.000 claims description 10
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- 238000000034 method Methods 0.000 description 7
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- Measuring Fluid Pressure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 タイヤの共振レベルが高くノイズ等の影響を
受け難いときにタイヤ空気圧の異常判定を行い、異常判
定の精度を更に一層向上させる。 【解決手段】 各輪の車輪速を検出する車輪速センサ1
2FL〜2RRと、車輪速より車輪に対する路面よりの外乱
及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータ(タイヤ
のベルト側部分の角速度、ベルト側部分とリム側部分と
の間のねじり角)を推定する外乱オブザーバ30と、少
なくともオブザーバにより推定された外乱若しくはパラ
メータに基づき所定時間に於けるタイヤのベルト側部分
とリム側部分との間の相対回転振動のレベルとして正規
化許可判定値Dを演算するブロック34と、判定値Dが
基準値以上のときに外乱及びパラメータに基づきタイヤ
空気圧が異常であるか否かを判定するブロック32、3
6、38とを有する。
受け難いときにタイヤ空気圧の異常判定を行い、異常判
定の精度を更に一層向上させる。 【解決手段】 各輪の車輪速を検出する車輪速センサ1
2FL〜2RRと、車輪速より車輪に対する路面よりの外乱
及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータ(タイヤ
のベルト側部分の角速度、ベルト側部分とリム側部分と
の間のねじり角)を推定する外乱オブザーバ30と、少
なくともオブザーバにより推定された外乱若しくはパラ
メータに基づき所定時間に於けるタイヤのベルト側部分
とリム側部分との間の相対回転振動のレベルとして正規
化許可判定値Dを演算するブロック34と、判定値Dが
基準値以上のときに外乱及びパラメータに基づきタイヤ
空気圧が異常であるか否かを判定するブロック32、3
6、38とを有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のタイヤの空
気圧の異常を判定するタイヤ空気圧異常判定装置に係
り、更に詳細には車輪速の如き車輪の運動状態量に基づ
きタイヤ空気圧の異常を判定するタイヤ空気圧異常判定
装置に係る。
気圧の異常を判定するタイヤ空気圧異常判定装置に係
り、更に詳細には車輪速の如き車輪の運動状態量に基づ
きタイヤ空気圧の異常を判定するタイヤ空気圧異常判定
装置に係る。
【0002】
【従来の技術】タイヤの空気圧とタイヤのばね定数との
間には一定の関係があり、またタイヤのばね定数とタイ
ヤの共振周波数との間には一定の関係があることを利用
し、車輪速信号よりタイヤの振動に起因する車輪速の振
動成分を抽出し、その振動成分に基づきタイヤの上下方
向又は前後方向の共振周波数又はタイヤのばね定数を求
め、これよりタイヤの空気圧を推定しその異常を判定す
るタイヤ空気圧異常判定装置は従来より種々の構成のも
のが提案されている。
間には一定の関係があり、またタイヤのばね定数とタイ
ヤの共振周波数との間には一定の関係があることを利用
し、車輪速信号よりタイヤの振動に起因する車輪速の振
動成分を抽出し、その振動成分に基づきタイヤの上下方
向又は前後方向の共振周波数又はタイヤのばね定数を求
め、これよりタイヤの空気圧を推定しその異常を判定す
るタイヤ空気圧異常判定装置は従来より種々の構成のも
のが提案されている。
【0003】例えば本願出願人の出願にかかる特開平8
−15069号公報には、各輪の車輪速を検出し、路面
よりタイヤに入力される振動入力の大きさが所定の範囲
内にあるときの車輪速信号に基づき、車輪に対する路面
よりの外乱及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメー
タをオブザーバにより求め、これらの外乱及びパラメー
タよりタイヤ空気圧(タイヤのばね定数)を推定しタイ
ヤ空気圧の異常を判定するよう構成されたタイヤ空気圧
異常判定装置が記載されている。
−15069号公報には、各輪の車輪速を検出し、路面
よりタイヤに入力される振動入力の大きさが所定の範囲
内にあるときの車輪速信号に基づき、車輪に対する路面
よりの外乱及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメー
タをオブザーバにより求め、これらの外乱及びパラメー
タよりタイヤ空気圧(タイヤのばね定数)を推定しタイ
ヤ空気圧の異常を判定するよう構成されたタイヤ空気圧
異常判定装置が記載されている。
【0004】かかるタイヤ空気圧異常判定装置によれ
ば、各輪の車輪速が検出され、路面よりタイヤに入力さ
れる振動入力の大きさが所定の範囲内にあるときの車輪
速信号に基づきタイヤの空気圧の異常が判定されるの
で、圧力センサの如くタイヤの空気圧を直接検出する手
段を要することなくタイヤ空気圧の異常を判定すること
ができ、また路面よりタイヤに入力される振動入力の大
きさに拘らずタイヤ空気圧の異常が判定される場合に比
して高精度にタイヤ空気圧の異常を判定することができ
る。
ば、各輪の車輪速が検出され、路面よりタイヤに入力さ
れる振動入力の大きさが所定の範囲内にあるときの車輪
速信号に基づきタイヤの空気圧の異常が判定されるの
で、圧力センサの如くタイヤの空気圧を直接検出する手
段を要することなくタイヤ空気圧の異常を判定すること
ができ、また路面よりタイヤに入力される振動入力の大
きさに拘らずタイヤ空気圧の異常が判定される場合に比
して高精度にタイヤ空気圧の異常を判定することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし例えば車輌が高
速道路の如き良路を走行する場合の如く、路面よりタイ
ヤに入力される振動入力の大きさが所定の範囲内にあっ
てもその振動レベルが所定の範囲の下限値に近いときに
は、車輪速信号に含まれるノイズ等の影響を受けてタイ
ヤのばね定数の推定値にバラツキが生じ易く、従ってタ
イヤ空気圧の異常判定を精度よく行うためには上記先の
提案にかかるタイヤ空気圧異常判定装置にも更なる改良
が必要である。
速道路の如き良路を走行する場合の如く、路面よりタイ
ヤに入力される振動入力の大きさが所定の範囲内にあっ
てもその振動レベルが所定の範囲の下限値に近いときに
は、車輪速信号に含まれるノイズ等の影響を受けてタイ
ヤのばね定数の推定値にバラツキが生じ易く、従ってタ
イヤ空気圧の異常判定を精度よく行うためには上記先の
提案にかかるタイヤ空気圧異常判定装置にも更なる改良
が必要である。
【0006】また一般に、従来のタイヤ空気圧異常判定
装置に於いては、各輪のタイヤ空気圧の異常判定が順次
行われるようになっているので、上述の問題を解消すべ
く所定の範囲の下限値を高く設定すると、タイヤ空気圧
の異常判定の精度を高くすることはできるが、タイヤ空
気圧の異常判定が行われている車輪に路面より入力され
る振動入力の大きさが比較的小さい状況が継続すると、
その車輪のタイヤ空気圧の異常判定の結果が出るまでの
時間が長くなり、そのため他の車輪に路面より入力され
る振動入力の大きさが比較的大きい状況に於いても他の
車輪のタイヤ空気圧の異常判定が長時間行われなくなる
という問題がある。
装置に於いては、各輪のタイヤ空気圧の異常判定が順次
行われるようになっているので、上述の問題を解消すべ
く所定の範囲の下限値を高く設定すると、タイヤ空気圧
の異常判定の精度を高くすることはできるが、タイヤ空
気圧の異常判定が行われている車輪に路面より入力され
る振動入力の大きさが比較的小さい状況が継続すると、
その車輪のタイヤ空気圧の異常判定の結果が出るまでの
時間が長くなり、そのため他の車輪に路面より入力され
る振動入力の大きさが比較的大きい状況に於いても他の
車輪のタイヤ空気圧の異常判定が長時間行われなくなる
という問題がある。
【0007】本発明は、先の提案にかかるタイヤ空気圧
推定装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたもの
であり、本発明の主要な課題は、オブザーバにより推定
された外乱若しくはパラメータに基づき所定時間につい
て求められるタイヤの回転振動のレベルの積算値が比較
的大きくなったときには、タイヤの共振レベルが高くノ
イズ等の影響を受け難いことに着目し、この回転振動の
レベルが比較的大きいときにタイヤ空気圧の異常判定を
行うことにより、タイヤ空気圧の異常判定の精度を更に
一層向上させることである。
推定装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたもの
であり、本発明の主要な課題は、オブザーバにより推定
された外乱若しくはパラメータに基づき所定時間につい
て求められるタイヤの回転振動のレベルの積算値が比較
的大きくなったときには、タイヤの共振レベルが高くノ
イズ等の影響を受け難いことに着目し、この回転振動の
レベルが比較的大きいときにタイヤ空気圧の異常判定を
行うことにより、タイヤ空気圧の異常判定の精度を更に
一層向上させることである。
【0008】本発明の他の課題は、各輪のタイヤ空気圧
の異常判定が順次行われる場合に於いて、タイヤ空気圧
の異常判定の精度を更に一層向上させると共に、一つの
車輪のタイヤ空気圧の異常判定の結果が出るまでの時間
が長くなることに起因して他の車輪のタイヤ空気圧の異
常判定が長時間行われなくなることを防止することであ
る。
の異常判定が順次行われる場合に於いて、タイヤ空気圧
の異常判定の精度を更に一層向上させると共に、一つの
車輪のタイヤ空気圧の異常判定の結果が出るまでの時間
が長くなることに起因して他の車輪のタイヤ空気圧の異
常判定が長時間行われなくなることを防止することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車輪の運動
状態量を検出する手段と、車輪の運動状態量の検出値よ
り車輪に対する路面よりの外乱及びタイヤのばね定数の
変化を表すパラメータを推定するオブザーバと、少なく
とも前記オブザーバにより推定された前記外乱若しくは
前記パラメータに基づき所定時間に於けるタイヤの回転
振動のレベルを演算する手段と、前記振動のレベルが基
準値以上のときには前記外乱及び前記パラメータに基づ
きタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定する手段とを
有するタイヤ空気圧異常判定装置によって達成される。
は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車輪の運動
状態量を検出する手段と、車輪の運動状態量の検出値よ
り車輪に対する路面よりの外乱及びタイヤのばね定数の
変化を表すパラメータを推定するオブザーバと、少なく
とも前記オブザーバにより推定された前記外乱若しくは
前記パラメータに基づき所定時間に於けるタイヤの回転
振動のレベルを演算する手段と、前記振動のレベルが基
準値以上のときには前記外乱及び前記パラメータに基づ
きタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定する手段とを
有するタイヤ空気圧異常判定装置によって達成される。
【0010】一般に車輪速の如き車輪の運動状態量には
タイヤの共振振動以外のノイズが含まれているので、路
面より車輪に入力される振動入力の大きさが所定の範囲
内のあるか否によっては、タイヤの共振レベルがタイヤ
空気圧の異常判定に適したレベルであるか否かを適確に
判定することが困難である。これに対しオブザーバによ
り推定された外乱若しくはパラメータに基づき演算され
る所定時間についてのタイヤの回転振動のレベルはタイ
ヤの共振レベルを良好に示し、従ってこの振動のレベル
によればタイヤ空気圧の異常判定に適した状況であるか
否かを適確に判定することができる。
タイヤの共振振動以外のノイズが含まれているので、路
面より車輪に入力される振動入力の大きさが所定の範囲
内のあるか否によっては、タイヤの共振レベルがタイヤ
空気圧の異常判定に適したレベルであるか否かを適確に
判定することが困難である。これに対しオブザーバによ
り推定された外乱若しくはパラメータに基づき演算され
る所定時間についてのタイヤの回転振動のレベルはタイ
ヤの共振レベルを良好に示し、従ってこの振動のレベル
によればタイヤ空気圧の異常判定に適した状況であるか
否かを適確に判定することができる。
【0011】上述の請求項1の構成によれば、少なくと
もオブザーバにより推定された外乱若しくはパラメータ
に基づき所定時間に於けるタイヤの回転振動のレベルが
演算され、該振動のレベルが基準値以上のときに外乱及
びパラメータに基づきタイヤ空気圧が異常であるか否か
が判定されるので、タイヤの共振レベルが高く車輪の運
動状態量の検出値に含まれるノイズの影響等を受けにく
い状況に於いてのみタイヤ空気圧の異常判定が行われ、
これによりタイヤ空気圧の異常判定の精度が更に一層向
上される。
もオブザーバにより推定された外乱若しくはパラメータ
に基づき所定時間に於けるタイヤの回転振動のレベルが
演算され、該振動のレベルが基準値以上のときに外乱及
びパラメータに基づきタイヤ空気圧が異常であるか否か
が判定されるので、タイヤの共振レベルが高く車輪の運
動状態量の検出値に含まれるノイズの影響等を受けにく
い状況に於いてのみタイヤ空気圧の異常判定が行われ、
これによりタイヤ空気圧の異常判定の精度が更に一層向
上される。
【0012】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、タ
イヤの回転振動のレベルを判定するための基準値は車輌
の走行状態に応じて可変設定されるよう構成される(請
求項2の構成)。
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、タ
イヤの回転振動のレベルを判定するための基準値は車輌
の走行状態に応じて可変設定されるよう構成される(請
求項2の構成)。
【0013】一般にタイヤの共振レベルは車輌が走行す
る路面が良路であるほど低くなり、ノイズ等の影響に起
因してタイヤ空気圧の異常判定に誤りが生じ易くなる。
またタイヤ空気圧の異常判定を行うべきか否かの判定の
基準値を高く設定すると、誤判定の虞れを低減すること
はできるが、タイヤ空気圧の異常判定の頻度が低くな
り、タイヤ空気圧の異常検出が遅れる虞れが高くなる。
る路面が良路であるほど低くなり、ノイズ等の影響に起
因してタイヤ空気圧の異常判定に誤りが生じ易くなる。
またタイヤ空気圧の異常判定を行うべきか否かの判定の
基準値を高く設定すると、誤判定の虞れを低減すること
はできるが、タイヤ空気圧の異常判定の頻度が低くな
り、タイヤ空気圧の異常検出が遅れる虞れが高くなる。
【0014】請求項2の構成によれば、前記基準値は車
輌の走行状態に応じて可変設定されるので、例えば車輌
が良路を走行する場合には基準値を高めに設定してタイ
ヤ空気圧の誤判定を防止し、車輌が良路以外を走行する
場合には基準値を低めに設定してタイヤ空気圧の異常判
定の頻度が低くなることを防止することが可能になる。
輌の走行状態に応じて可変設定されるので、例えば車輌
が良路を走行する場合には基準値を高めに設定してタイ
ヤ空気圧の誤判定を防止し、車輌が良路以外を走行する
場合には基準値を低めに設定してタイヤ空気圧の異常判
定の頻度が低くなることを防止することが可能になる。
【0015】また本発明によれば、上述の他の課題を効
果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、タイ
ヤ空気圧異常判定装置は各輪毎に順次タイヤ空気圧の異
常判定を行い、一つの車輪について前記振動のレベルが
連続して前記基準値未満である回数が基準回数になる
と、前記一つの車輪についてのタイヤ空気圧の異常判定
を中止し、他の一つの車輪についてタイヤ空気圧の異常
判定を行うよう構成される(請求項3の構成)。
果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、タイ
ヤ空気圧異常判定装置は各輪毎に順次タイヤ空気圧の異
常判定を行い、一つの車輪について前記振動のレベルが
連続して前記基準値未満である回数が基準回数になる
と、前記一つの車輪についてのタイヤ空気圧の異常判定
を中止し、他の一つの車輪についてタイヤ空気圧の異常
判定を行うよう構成される(請求項3の構成)。
【0016】請求項3の構成によれば、一つの車輪につ
いてタイヤ空気圧の異常判定を行うに適していない状況
である旨の判定回数が基準回数になると、当該車輪につ
いてのタイヤ空気圧の異常判定が中止され、他の一つの
車輪についてタイヤ空気圧の異常判定が行われるので、
例えば一つの車輪に路面より入力される振動レベルが比
較的低いことに起因してその車輪のタイヤ空気圧の異常
判定に長時間を要し、そのため他の車輪についてタイヤ
空気圧の異常判定が長時間行われなくなることを確実に
防止することが可能になる。
いてタイヤ空気圧の異常判定を行うに適していない状況
である旨の判定回数が基準回数になると、当該車輪につ
いてのタイヤ空気圧の異常判定が中止され、他の一つの
車輪についてタイヤ空気圧の異常判定が行われるので、
例えば一つの車輪に路面より入力される振動レベルが比
較的低いことに起因してその車輪のタイヤ空気圧の異常
判定に長時間を要し、そのため他の車輪についてタイヤ
空気圧の異常判定が長時間行われなくなることを確実に
防止することが可能になる。
【0017】
【課題を解決するための手段の好ましい態様】本発明の
一つの好ましい態様によれば、請求項1乃至3の何れか
の構成に於いて、オブザーバは車輪の運動状態量として
の車輪速に基づき車輪に対する路面よりの外乱、タイヤ
のベルト側部分の角速度、タイヤのリム側部分とベルト
側部分と間のねじり角を推定するよう構成される(好ま
しい態様1)。
一つの好ましい態様によれば、請求項1乃至3の何れか
の構成に於いて、オブザーバは車輪の運動状態量として
の車輪速に基づき車輪に対する路面よりの外乱、タイヤ
のベルト側部分の角速度、タイヤのリム側部分とベルト
側部分と間のねじり角を推定するよう構成される(好ま
しい態様1)。
【0018】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、タイヤ空気圧
が異常であるか否かを判定する手段はオブザーバにより
推定された外乱、ベルト側部分の角速度、リム側部分と
ベルト側部分との間のねじり角に基づきタイヤのばね定
数の変化量を演算し、該変化量に基づきタイヤ空気圧が
異常であるか否かを判定するよう構成される(好ましい
態様2)。
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、タイヤ空気圧
が異常であるか否かを判定する手段はオブザーバにより
推定された外乱、ベルト側部分の角速度、リム側部分と
ベルト側部分との間のねじり角に基づきタイヤのばね定
数の変化量を演算し、該変化量に基づきタイヤ空気圧が
異常であるか否かを判定するよう構成される(好ましい
態様2)。
【0019】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、タイヤ
の回転振動のレベルを演算する手段は、車輪の運動状態
量として検出されたリム側部分の角速度とオブザーバに
より推定されたベルト側部分の角速度との偏差の大きさ
を所定時間について積算演算するよう構成される(好ま
しい態様3)。
ば、上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、タイヤ
の回転振動のレベルを演算する手段は、車輪の運動状態
量として検出されたリム側部分の角速度とオブザーバに
より推定されたベルト側部分の角速度との偏差の大きさ
を所定時間について積算演算するよう構成される(好ま
しい態様3)。
【0020】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、タイヤ
の回転振動のレベルを演算する手段は、オブザーバによ
り推定されたリム側部分とベルト側部分との間のねじり
角の大きさを所定時間について積算演算するよう構成さ
れる(好ましい態様4)。
ば、上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、タイヤ
の回転振動のレベルを演算する手段は、オブザーバによ
り推定されたリム側部分とベルト側部分との間のねじり
角の大きさを所定時間について積算演算するよう構成さ
れる(好ましい態様4)。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの実施形態について詳細に説明する。
発明を幾つかの実施形態について詳細に説明する。
【0022】第一の実施形態 図1は本発明によるタイヤ空気圧異常判定装置の第一の
実施形態を示す概略構成図であり、図2は車輪の力学モ
デルを示す説明図であり、図3は図1に示されたタイヤ
空気圧判定装置のブロック線図である。
実施形態を示す概略構成図であり、図2は車輪の力学モ
デルを示す説明図であり、図3は図1に示されたタイヤ
空気圧判定装置のブロック線図である。
【0023】図1に於いて、左前輪10FL、右前輪10
FR、左後輪10RL、右後輪10RRにはそれぞれ車輪速セ
ンサ12FL、12FR、12RL、12RRが設けられてお
り、これらの車輪速センサは周知の如く対応する車輪の
車輪速に対応するパルス信号を出力するようになってい
る。一般に車輪はホイールの外周にタイヤが取付けられ
たタイヤ付きホイールであり、従って図2に示されてい
る如く、車輪10は相対回転可能なリム側部分20とベ
ルト側部分22とがねじりばね24によって連結された
ものと考えられてよいので、各車輪速センサは厳密には
対応する車輪のリム側部分20の角速度を検出する。
FR、左後輪10RL、右後輪10RRにはそれぞれ車輪速セ
ンサ12FL、12FR、12RL、12RRが設けられてお
り、これらの車輪速センサは周知の如く対応する車輪の
車輪速に対応するパルス信号を出力するようになってい
る。一般に車輪はホイールの外周にタイヤが取付けられ
たタイヤ付きホイールであり、従って図2に示されてい
る如く、車輪10は相対回転可能なリム側部分20とベ
ルト側部分22とがねじりばね24によって連結された
ものと考えられてよいので、各車輪速センサは厳密には
対応する車輪のリム側部分20の角速度を検出する。
【0024】また各車輪12FL〜12RRにはそのホイー
ルの軸部に作用する制駆動トルクTd を検出するトルク
センサ14FL〜14RRが設けられている。各車輪速セン
サよりのパルス信号及び各トルクセンサよりの制駆動ト
ルク信号はタイヤ空気圧判定装置16へ入力され、判定
装置16はこれらの信号に基づき後述の如く各輪のタイ
ヤ空気圧(タイヤのばね定数)を推定により演算すると
共に、車輪のタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定
し、タイヤ空気圧が異常であるときには警報装置18へ
制御信号を出力することにより車輌の乗員に警報を発す
るようになっている。
ルの軸部に作用する制駆動トルクTd を検出するトルク
センサ14FL〜14RRが設けられている。各車輪速セン
サよりのパルス信号及び各トルクセンサよりの制駆動ト
ルク信号はタイヤ空気圧判定装置16へ入力され、判定
装置16はこれらの信号に基づき後述の如く各輪のタイ
ヤ空気圧(タイヤのばね定数)を推定により演算すると
共に、車輪のタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定
し、タイヤ空気圧が異常であるときには警報装置18へ
制御信号を出力することにより車輌の乗員に警報を発す
るようになっている。
【0025】図3に示されている如く、タイヤ空気圧判
定装置16は各車輪速センサよりパルス信号を受ける車
輪速演算ブロック26と、前処理フィルタブロック28
と、各トルクセンサより制駆動トルク信号を受ける外乱
オブザーバ30と、相関演算ブロック32と、正規化許
可判定値演算ブロック34と、正規化ブロック36と、
タイヤ空気圧が異常であるか否かを判定する異常判定ブ
ロック38とを有している。
定装置16は各車輪速センサよりパルス信号を受ける車
輪速演算ブロック26と、前処理フィルタブロック28
と、各トルクセンサより制駆動トルク信号を受ける外乱
オブザーバ30と、相関演算ブロック32と、正規化許
可判定値演算ブロック34と、正規化ブロック36と、
タイヤ空気圧が異常であるか否かを判定する異常判定ブ
ロック38とを有している。
【0026】尚タイヤ空気圧判定装置16は実際には例
えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモ
リ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)
と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコ
モンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ
であってよく、このことは後述の他の実施形態について
も同様である。
えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモ
リ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)
と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコ
モンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ
であってよく、このことは後述の他の実施形態について
も同様である。
【0027】車輪速演算ブロック26は車輪速センサ1
2FL〜12RRより供給されるパルス信号に基づき車輪速
(リム側部分の回転速度)を演算し、前処理フィルタブ
ロック28は車輪速演算ブロック26により演算された
車輪速のうちタイヤ空気圧の判定に適した所定の周波数
範囲内にあるものを抽出する。
2FL〜12RRより供給されるパルス信号に基づき車輪速
(リム側部分の回転速度)を演算し、前処理フィルタブ
ロック28は車輪速演算ブロック26により演算された
車輪速のうちタイヤ空気圧の判定に適した所定の周波数
範囲内にあるものを抽出する。
【0028】外乱オブザーバ30は図2に示された車輪
10のモデルに基づいて構成されている。車輪10は慣
性モーメントJR のリム側部分20と慣性モーメントJ
B のベルト側部分22とがばね定数Kのねじりばね24
により接続されたものとして車輪をモデル化すれば、下
記の(1)〜(3)の状態方程式が成立し、これによっ
て線形システムが構成される。
10のモデルに基づいて構成されている。車輪10は慣
性モーメントJR のリム側部分20と慣性モーメントJ
B のベルト側部分22とがばね定数Kのねじりばね24
により接続されたものとして車輪をモデル化すれば、下
記の(1)〜(3)の状態方程式が成立し、これによっ
て線形システムが構成される。
【数1】JR ωR ′=−KθRB+T1 ・・・(1) JB ωB ′= KθRB−Td ・・・(2) θRB′=ωR −ωB ・・・(3) ただし、 ωR :リム側部分20の角速度 ωR ′:リム側部分20の角加速度 ωB :ベルト側部分22の角速度 ωB ′:ベルト側部分22の角加速度 θRB :リム側部分20とベルト側部分22との間のね
じり角 T1 :トルクセンサ14により検出される制駆動トル
ク Td :路面からの外乱トルク
じり角 T1 :トルクセンサ14により検出される制駆動トル
ク Td :路面からの外乱トルク
【0029】尚実際の車輪にはリム側部分20とベルト
側部分22との間にダンパが存在するが、その影響は比
較的小さいので、この実施形態に於いてはその存在が無
視されている。
側部分22との間にダンパが存在するが、その影響は比
較的小さいので、この実施形態に於いてはその存在が無
視されている。
【0030】上記状態方程式をベクトル及び行列を用い
て表せば下記の(4)式となる。
て表せば下記の(4)式となる。
【数2】
【0031】ここでタイヤの空気圧が変化し、ねじりば
ね24のばね定数がKからK+ΔKに変化したとする
と、車輪10の運動は下記の(5)式にて表される。
ね24のばね定数がKからK+ΔKに変化したとする
と、車輪10の運動は下記の(5)式にて表される。
【数3】
【0032】即ちばね定数KがΔKだけ変化することは
正常なタイヤに(5)式の右辺の最終項にて表される外
乱が加えられるのと等価である。この外乱にはばね定数
Kの変化量ΔKの情報が含まれており、またばね定数K
はタイヤの空気圧に応じて変化するので、この外乱を推
定することによってタイヤの空気圧の変化量を推定する
ことができる。この外乱の推定に外乱オブザーバの手法
が用いられるのであり、今路面からのトルクTd をも外
乱として扱うことにすれば、推定されるべき外乱wは下
記の(6)式にて表される。
正常なタイヤに(5)式の右辺の最終項にて表される外
乱が加えられるのと等価である。この外乱にはばね定数
Kの変化量ΔKの情報が含まれており、またばね定数K
はタイヤの空気圧に応じて変化するので、この外乱を推
定することによってタイヤの空気圧の変化量を推定する
ことができる。この外乱の推定に外乱オブザーバの手法
が用いられるのであり、今路面からのトルクTd をも外
乱として扱うことにすれば、推定されるべき外乱wは下
記の(6)式にて表される。
【数4】
【0033】しかし理論上外乱[w]の中の一つの要素
しか推定することができないため、(6)式の第二要素
を外乱w2 とし、この外乱w2 を下記の(7)式にて定
義すれば、車輪10の状態方程式は下記の(8)式の如
くになり、従って外乱オブザーバはこの(8)式に基づ
いて構成される。
しか推定することができないため、(6)式の第二要素
を外乱w2 とし、この外乱w2 を下記の(7)式にて定
義すれば、車輪10の状態方程式は下記の(8)式の如
くになり、従って外乱オブザーバはこの(8)式に基づ
いて構成される。
【0034】
【数5】 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB・・・(7)
【数6】
【0035】外乱オブザーバは外乱をシステムの状態変
数の一つとして推定するものである。そこで(7)式の
外乱w2 をシステムの状態に含めるために、推定される
べき外乱のダイナミックスを下記の(9)式にて近似す
る。
数の一つとして推定するものである。そこで(7)式の
外乱w2 をシステムの状態に含めるために、推定される
べき外乱のダイナミックスを下記の(9)式にて近似す
る。
【数7】w2 ′=0・・・(9)
【0036】この近似は外乱の連続的な滑らかな変化を
それに沿う階段状の変化に近似(零次近似)することを
意味し、外乱オブザーバ30の外乱推定速度を推定され
るべき外乱の変化に比べて十分早くすればこの近似は十
分に許容される。上記(9)式より、外乱w2 をシステ
ムの状態変数に含めると下記の(10)式の拡張系が構
成される。
それに沿う階段状の変化に近似(零次近似)することを
意味し、外乱オブザーバ30の外乱推定速度を推定され
るべき外乱の変化に比べて十分早くすればこの近似は十
分に許容される。上記(9)式より、外乱w2 をシステ
ムの状態変数に含めると下記の(10)式の拡張系が構
成される。
【数8】
【0037】この(11)式に於いて[ωB θRB w
2 ]T が検出することができない状態変数である。従っ
てこのシステムに基づいて外乱オブザーバ30を構成す
れば外乱w2 と元々測定できない状態変数ωB 、θRBと
を推定することができる。
2 ]T が検出することができない状態変数である。従っ
てこのシステムに基づいて外乱オブザーバ30を構成す
れば外乱w2 と元々測定できない状態変数ωB 、θRBと
を推定することができる。
【0038】記述を簡単にするために(10)式のベク
トル及び行列を分解して次のように表すこととする。
トル及び行列を分解して次のように表すこととする。
【数9】
【0039】このとき、状態[z]=[ωB θRB w
2 ]T を推定する最小次元オブザーバの構成は下記の
(11)式にて表される。
2 ]T を推定する最小次元オブザーバの構成は下記の
(11)式にて表される。
【数10】 [zp ′]=[A21][xa ]+[A22][zp ]+[B2 ][u]+[G]{ [xa ′]−([A11][xa ]+[A12][zp ]+[B1 ][u])}=( [A21]−[G][A11])[xa ]+([A22]−[G][A12])[zp ] +[G][xa ′]+([B2 ]−[G][B1 ])[u]・・・(11) ただし、 [zp ] :[z]の推定値 [zp ′]:推定値[zp ]の変化率 [G] :外乱オブザーバ30の推定速度を決めるゲ
イン
イン
【0040】また、真値[z]と推定値[zp ]との誤
差[e]を[e]=[z]−[zp]とおき、誤差
[e]の変化率を[e′]とすると、下記の(12)式
の関係が得られる。
差[e]を[e]=[z]−[zp]とおき、誤差
[e]の変化率を[e′]とすると、下記の(12)式
の関係が得られる。
【数11】 [e′]=([A22]−[G][A12])[e]・・・(12)
【0041】これは外乱オブザーバ30の推定特性を表
しており、行列([A22]−[G][A12])の固有値
が外乱オブザーバ30の極となる。オブザーバゲイン
[G]は推定速度が所定の速度になるように決定されれ
ばよい。
しており、行列([A22]−[G][A12])の固有値
が外乱オブザーバ30の極となる。オブザーバゲイン
[G]は推定速度が所定の速度になるように決定されれ
ばよい。
【0042】尚以上に於いては外乱w2 が前記(7)
式、即ちw2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θ
RBにて表されるものとして、外乱オブザーバ30のうち
ねじりばね24のばね定数KがΔK変化した場合の外乱
w2 を推定する部分の構成について説明したが、外乱オ
ブザーバ30のうちベルト側部分22の慣性モーメント
JB がJB +ΔJB に変化した場合の外乱や、外乱オブ
ザーバ30のうちリム側部分20の慣性モーメントJR
がJR +ΔJR に変化した場合の外乱を推定する部分も
同様にして構成することができる。
式、即ちw2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θ
RBにて表されるものとして、外乱オブザーバ30のうち
ねじりばね24のばね定数KがΔK変化した場合の外乱
w2 を推定する部分の構成について説明したが、外乱オ
ブザーバ30のうちベルト側部分22の慣性モーメント
JB がJB +ΔJB に変化した場合の外乱や、外乱オブ
ザーバ30のうちリム側部分20の慣性モーメントJR
がJR +ΔJR に変化した場合の外乱を推定する部分も
同様にして構成することができる。
【0043】相関演算ブロック32は、外乱オブザーバ
30により推定された外乱w2 の推定値w2p及びねじり
角θRBの推定値θRBp に基づき、後述の如く外乱w2 の
推定値w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関C(w
2p,θRBp )及びねじり角推定値θRBp の自己相関C
(θRBp ,θRBp )を演算する。
30により推定された外乱w2 の推定値w2p及びねじり
角θRBの推定値θRBp に基づき、後述の如く外乱w2 の
推定値w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関C(w
2p,θRBp )及びねじり角推定値θRBp の自己相関C
(θRBp ,θRBp )を演算する。
【0044】正規化許可判定値演算ブロック34は、外
乱オブザーバ30により推定されたベルト側部分22の
角速度ωB の推定値ωBpと車輪速センサ12FL〜12RR
よりのパルス信号より車輪速として演算されたリム側部
分20の角速度ωR とに基づき、後述の如くベルト側部
分22とリム側部分20との間の相対回転振動のレベル
である正規化許可判定値Dを演算する。
乱オブザーバ30により推定されたベルト側部分22の
角速度ωB の推定値ωBpと車輪速センサ12FL〜12RR
よりのパルス信号より車輪速として演算されたリム側部
分20の角速度ωR とに基づき、後述の如くベルト側部
分22とリム側部分20との間の相対回転振動のレベル
である正規化許可判定値Dを演算する。
【0045】正規化ブロック36は、正規化許可判定値
Dが基準値DS(正の定数)以上であるか否かを判定
し、DがDS以上であるときには正規化、即ち下記の
(13)式に従って自己相関C(θRBp ,θRBp )に対
する相互相関C(w2p,θRBp )の比としてLK 値を演
算し、RAMのLK 値メモリに格納する。
Dが基準値DS(正の定数)以上であるか否かを判定
し、DがDS以上であるときには正規化、即ち下記の
(13)式に従って自己相関C(θRBp ,θRBp )に対
する相互相関C(w2p,θRBp )の比としてLK 値を演
算し、RAMのLK 値メモリに格納する。
【数12】 LK =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )・・・(13)
【0046】異常判定ブロック38は、LK 値メモリに
格納されているLK 値に基づきばね定数の変化量ΔKを
演算し、この変化量に基づきタイヤの空気圧が異常であ
るか否かを判定する。
格納されているLK 値に基づきばね定数の変化量ΔKを
演算し、この変化量に基づきタイヤの空気圧が異常であ
るか否かを判定する。
【0047】即ちLK 値とばね定数の変化量ΔKとの間
には前記(8)式に基づき求められる下記の(14)式
にて表される関係がある。
には前記(8)式に基づき求められる下記の(14)式
にて表される関係がある。
【数13】 LK =(−1/JB )C0 +ΔK/JB ・・・(14)
【0048】ただし、C0 はC(Tdp,θRBp )/C
(θRBp ,θRBp )にて表される値であり、ばね定数K
の変化とは無関係であるので、タイヤ空気圧が正常の状
態で予め求めておくことによって補償することができ
る。また、C(Tdp,θRBp )は外乱トルクTd の推定
値とねじり角θRBの推定値との相互相関を表している。
(θRBp ,θRBp )にて表される値であり、ばね定数K
の変化とは無関係であるので、タイヤ空気圧が正常の状
態で予め求めておくことによって補償することができ
る。また、C(Tdp,θRBp )は外乱トルクTd の推定
値とねじり角θRBの推定値との相互相関を表している。
【0049】ROMには予めLK とΔKとの関係がばね
定数変化テーブルとしてROMに格納されており、従っ
てLK 値メモリに格納されているLK =C(w2p,θ
RBp )/C(θRBp ,θRBp )に基づいてねじりばね2
4のばね定数Kの変化量ΔKが演算される。そして変化
量ΔKがROMに格納されている基準値ΔK0 と比較さ
れ、補正値ΔKが負の定数である基準値ΔK0 より小さ
い場合にはタイヤの空気圧が異常に低いと判定されて警
報装置18により警報が発せられる。
定数変化テーブルとしてROMに格納されており、従っ
てLK 値メモリに格納されているLK =C(w2p,θ
RBp )/C(θRBp ,θRBp )に基づいてねじりばね2
4のばね定数Kの変化量ΔKが演算される。そして変化
量ΔKがROMに格納されている基準値ΔK0 と比較さ
れ、補正値ΔKが負の定数である基準値ΔK0 より小さ
い場合にはタイヤの空気圧が異常に低いと判定されて警
報装置18により警報が発せられる。
【0050】以上の説明より解る如く、車輪速センサ1
2FL〜12RR、車輪速演算ブロック26、及び前処理フ
ィルタブロック28により車輪の運動状態量を検出する
手段の機能が達成され、外乱オブザーバ30によりオブ
ザーバの機能が達成され、正規化許可判定値演算ブロッ
ク34により所定時間に於けるタイヤの回転振動のレベ
ルを演算する手段の機能が達成され、相関演算ブロック
32、正規化ブロック36、及び異常判定ブロック38
によりタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定する手段
の機能が達成される。
2FL〜12RR、車輪速演算ブロック26、及び前処理フ
ィルタブロック28により車輪の運動状態量を検出する
手段の機能が達成され、外乱オブザーバ30によりオブ
ザーバの機能が達成され、正規化許可判定値演算ブロッ
ク34により所定時間に於けるタイヤの回転振動のレベ
ルを演算する手段の機能が達成され、相関演算ブロック
32、正規化ブロック36、及び異常判定ブロック38
によりタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定する手段
の機能が達成される。
【0051】図4はこの第一の実施形態のタイヤ空気圧
判定装置16により実行されるタイヤ空気圧異常判定ル
ーチンを示すゼネラルフローチャートである。尚図4に
示されたフローチャートによるタイヤ空気圧の異常判定
は例えば左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の順に繰り返
し実行される。
判定装置16により実行されるタイヤ空気圧異常判定ル
ーチンを示すゼネラルフローチャートである。尚図4に
示されたフローチャートによるタイヤ空気圧の異常判定
は例えば左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の順に繰り返
し実行される。
【0052】まずステップ10に於いてはタイヤ空気圧
の異常判定が行われるべき車輪の車輪速を示すパルス信
号及び制駆動トルクを示す信号の読み込みが行われ、ス
テップ20に於いては車輪速を示すパルス信号に基づき
車輪速Vwiが演算され、ステップ30に於いては車輪速
信号に対し前処理フィルタ処理、即ち所定の上限及び下
限カットオフ周波数にてバンドパスフィルタ処理が行わ
れる。
の異常判定が行われるべき車輪の車輪速を示すパルス信
号及び制駆動トルクを示す信号の読み込みが行われ、ス
テップ20に於いては車輪速を示すパルス信号に基づき
車輪速Vwiが演算され、ステップ30に於いては車輪速
信号に対し前処理フィルタ処理、即ち所定の上限及び下
限カットオフ周波数にてバンドパスフィルタ処理が行わ
れる。
【0053】ステップ40に於いてはiが1インクリメ
ントされ、ステップ50に於いてはiが基準値Na (1
00〜1000程度の正の一定の整数)であるか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ1
0へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ60に
於いてiが0にリセットされる。
ントされ、ステップ50に於いてはiが基準値Na (1
00〜1000程度の正の一定の整数)であるか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ1
0へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ60に
於いてiが0にリセットされる。
【0054】ステップ70に於いては車輪速Vwi及び対
応する制駆動トルクに基づき外乱オブザーバ30につい
て上述した外乱オブザーバの処理が行われ、これにより
外乱w2 の推定値w2p、ベルト側部分22の角速度ωB
の推定値ωBp、及びねじり角θRBの推定値θRBp が求め
られる。
応する制駆動トルクに基づき外乱オブザーバ30につい
て上述した外乱オブザーバの処理が行われ、これにより
外乱w2 の推定値w2p、ベルト側部分22の角速度ωB
の推定値ωBp、及びねじり角θRBの推定値θRBp が求め
られる。
【0055】ステップ80に於いては相関演算ブロック
32について上述した相関演算が図5に示されたフロー
チャートに従って行われ、これにより外乱w2 の推定値
w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関C(w2p,θ
RBp )及びねじり角推定値θRBp の自己相関C
(θRBp ,θRBp )が演算される。
32について上述した相関演算が図5に示されたフロー
チャートに従って行われ、これにより外乱w2 の推定値
w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関C(w2p,θ
RBp )及びねじり角推定値θRBp の自己相関C
(θRBp ,θRBp )が演算される。
【0056】ステップ90に於いては正規化許可判定値
Dが下記の(15)式に従ってベルト側部分22の角速
度ωB の推定値ωBpとリム側部分20の角速度ωR (検
出値)との偏差の自乗積和値として演算される。
Dが下記の(15)式に従ってベルト側部分22の角速
度ωB の推定値ωBpとリム側部分20の角速度ωR (検
出値)との偏差の自乗積和値として演算される。
【数14】D=Σ(ωBp−ωR )2 ・・・(15)
【0057】ステップ100に於いては正規化許可判定
値Dがその基準値DS(正の定数)以上であるか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ1
10に於いて以上の各ステップに於いて演算されたデー
タがクリアされ、肯定判別が行われたときにはステップ
120に於いて正規化ブロック36について上述した正
規化処理が行われ、これにより自己相関C(θRBp ,θ
RBp )に対する相互相関C(w2p,θRBp )の比として
LK 値が演算されると共に、LK 値に基づきタイヤのば
ね定数の変化量ΔKが演算される。
値Dがその基準値DS(正の定数)以上であるか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ1
10に於いて以上の各ステップに於いて演算されたデー
タがクリアされ、肯定判別が行われたときにはステップ
120に於いて正規化ブロック36について上述した正
規化処理が行われ、これにより自己相関C(θRBp ,θ
RBp )に対する相互相関C(w2p,θRBp )の比として
LK 値が演算されると共に、LK 値に基づきタイヤのば
ね定数の変化量ΔKが演算される。
【0058】ステップ130に於いてはばね定数の変化
量ΔKがその基準値ΔK0 (負の定数)未満であるか否
かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのま
まステップ150へ進み、肯定判別が行われたときには
ステップ140に於いて警報装置18へ制御信号が出力
された後ステップ150へ進む。ステップ150に於い
ては以上の各ステップに於いて演算されたデータがクリ
アされると共に、タイヤ空気圧の異常判定が行われるべ
き次ぎの車輪が選定され、しかる後ステップ10へ戻
る。
量ΔKがその基準値ΔK0 (負の定数)未満であるか否
かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのま
まステップ150へ進み、肯定判別が行われたときには
ステップ140に於いて警報装置18へ制御信号が出力
された後ステップ150へ進む。ステップ150に於い
ては以上の各ステップに於いて演算されたデータがクリ
アされると共に、タイヤ空気圧の異常判定が行われるべ
き次ぎの車輪が選定され、しかる後ステップ10へ戻
る。
【0059】また上述のステップ80の相関演算ルーチ
ンは図5に示されたフローチャートに従って以下の如く
実行される。
ンは図5に示されたフローチャートに従って以下の如く
実行される。
【0060】ステップ81に於いてはステップ70に於
いて演算された現時点の外乱推定値W2p(j) 及びねじり
角推定値θRBp(j)が読込まれ、ステップ82に於いては
下記の(16)式に従って相互相関C(w2p,θRB)が
演算される。即ち外乱推定値w2p(j) とねじり角推定値
θRBp(j)との積が演算され、その積が相互相関C
(w2p,θRB)に加算される。ただし最初にステップ8
2が実行される際には相互相関C(w2p,θRBp )が0
であるため、相互相関メモリに外乱推定値w2p(j) とね
じり角推定値θRBp(j)との積が格納されるのみである。
いて演算された現時点の外乱推定値W2p(j) 及びねじり
角推定値θRBp(j)が読込まれ、ステップ82に於いては
下記の(16)式に従って相互相関C(w2p,θRB)が
演算される。即ち外乱推定値w2p(j) とねじり角推定値
θRBp(j)との積が演算され、その積が相互相関C
(w2p,θRB)に加算される。ただし最初にステップ8
2が実行される際には相互相関C(w2p,θRBp )が0
であるため、相互相関メモリに外乱推定値w2p(j) とね
じり角推定値θRBp(j)との積が格納されるのみである。
【数15】 C(w2p,θRB)=C(w2p,θRB)+w2p(j) ・θRBp(j)・・・(16)
【0061】同様にステップ83に於いては下記の(1
6)式に従って自己相関C(θRBp,θRBp )が演算さ
れる。即ちねじり角推定値θRBp(j)の二乗が演算され、
自己相関メモリの自己相関C(θRBp ,θRBp )に加算
される。
6)式に従って自己相関C(θRBp,θRBp )が演算さ
れる。即ちねじり角推定値θRBp(j)の二乗が演算され、
自己相関メモリの自己相関C(θRBp ,θRBp )に加算
される。
【数16】 C(θRBp ,θRBp )=C(θRBp ,θRBp )+θRBp(j) 2 ・・・(17)
【0062】ステップ84に於いては整数jが1インク
リメントされ、ステップ85に於いては整数jがNb
(正の一定の整数)になったか否かの判定が行われ、否
定判別が行われたときにはステップ10へ戻り、肯定判
別が行われたときにはステップ86に於いてjが0にリ
セットされることにより相関演算ルーチンを終了し、次
ぎのステップ90へ進む。
リメントされ、ステップ85に於いては整数jがNb
(正の一定の整数)になったか否かの判定が行われ、否
定判別が行われたときにはステップ10へ戻り、肯定判
別が行われたときにはステップ86に於いてjが0にリ
セットされることにより相関演算ルーチンを終了し、次
ぎのステップ90へ進む。
【0063】以上の説明より解る如く、ステップ10及
び20により図3の車輪速演算ブロック26の機能が達
成され、ステップ30により前処理フィルタブロック2
8の機能が達成され、ステップ70により外乱オブザー
バ30の機能が達成され、ステップ80により相関演算
ブロック32の機能が達成される。またステップ90に
より正規化許可判定値演算ブロック34の機能が達成さ
れ、ステップ100〜110により正規化ブロック36
の機能が達成され、ステップ130及び140により異
常判定ブロック38の機能が達成される。
び20により図3の車輪速演算ブロック26の機能が達
成され、ステップ30により前処理フィルタブロック2
8の機能が達成され、ステップ70により外乱オブザー
バ30の機能が達成され、ステップ80により相関演算
ブロック32の機能が達成される。またステップ90に
より正規化許可判定値演算ブロック34の機能が達成さ
れ、ステップ100〜110により正規化ブロック36
の機能が達成され、ステップ130及び140により異
常判定ブロック38の機能が達成される。
【0064】かくして第一の実施形態によれば、ステッ
プ10〜70に於いて外乱オブザーバの処理により外乱
w2 及びねじり角θRBが推定され、ステップ80に於い
て外乱w2 の推定値w2p及びねじり角θRBの推定値θ
RBp に基づき、外乱w2 の推定値w2pとねじり角推定値
θRBp との相互相関C(w2p,θRBp )及びねじり角推
定値θRBp の自己相関C(θRBp ,θRBp )が演算され
る。
プ10〜70に於いて外乱オブザーバの処理により外乱
w2 及びねじり角θRBが推定され、ステップ80に於い
て外乱w2 の推定値w2p及びねじり角θRBの推定値θ
RBp に基づき、外乱w2 の推定値w2pとねじり角推定値
θRBp との相互相関C(w2p,θRBp )及びねじり角推
定値θRBp の自己相関C(θRBp ,θRBp )が演算され
る。
【0065】そしてステップ90に於いてベルト側部分
22とリム側部分20との間の相対回転振動のレベルで
ある正規化許可判定値Dが演算され、ステップ100に
於いて正規化許可判定値Dが基準値DS以上であると判
定されたときにのみステップ120に於いて正規化が行
われ、ステップ130及び140のタイヤ空気圧の異常
判定が行われる。
22とリム側部分20との間の相対回転振動のレベルで
ある正規化許可判定値Dが演算され、ステップ100に
於いて正規化許可判定値Dが基準値DS以上であると判
定されたときにのみステップ120に於いて正規化が行
われ、ステップ130及び140のタイヤ空気圧の異常
判定が行われる。
【0066】従ってこの実施形態によれば、正規化許可
判定値Dは外乱オブザーバ処理により推定されたベルト
側部分22の回転速度と検出されたリム側部分20の回
転速度との間の偏差の大きさの積算値として演算され、
この値はタイヤの共振レベルを示すので、タイヤの共振
レベルが高く車輪速信号に含まれるノイズの影響等を受
けにくい状況に於いてのみタイヤ空気圧の異常判定を行
い、これにより車輪速信号に含まれるノイズ等に起因し
てタイヤ空気圧が誤って異常であると判定されることを
防止し、タイヤ空気圧の異常判定を高精度に行うことが
できる。
判定値Dは外乱オブザーバ処理により推定されたベルト
側部分22の回転速度と検出されたリム側部分20の回
転速度との間の偏差の大きさの積算値として演算され、
この値はタイヤの共振レベルを示すので、タイヤの共振
レベルが高く車輪速信号に含まれるノイズの影響等を受
けにくい状況に於いてのみタイヤ空気圧の異常判定を行
い、これにより車輪速信号に含まれるノイズ等に起因し
てタイヤ空気圧が誤って異常であると判定されることを
防止し、タイヤ空気圧の異常判定を高精度に行うことが
できる。
【0067】またこの実施形態によれば、正規化許可判
定値Dは上記(15)式に従ってベルト側部分22の角
速度ωB の推定値ωBpとリム側部分20の角速度ωR と
の偏差の自乗積和値として演算されるので、ステップ7
0の外乱オブザーバ処理により演算されたベルト側部分
22の角速度ωB の推定値ωBpを有効に利用することが
できる。
定値Dは上記(15)式に従ってベルト側部分22の角
速度ωB の推定値ωBpとリム側部分20の角速度ωR と
の偏差の自乗積和値として演算されるので、ステップ7
0の外乱オブザーバ処理により演算されたベルト側部分
22の角速度ωB の推定値ωBpを有効に利用することが
できる。
【0068】第二の実施形態 図6は本発明によるタイヤ空気圧異常判定装置の第二の
実施形態に於けるタイヤ空気圧異常判定ルーチンを示す
ゼネラルフローチャートである。尚図6に於いて図4に
示されたステップに対応するステップには図4に於いて
付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されて
いる。
実施形態に於けるタイヤ空気圧異常判定ルーチンを示す
ゼネラルフローチャートである。尚図6に於いて図4に
示されたステップに対応するステップには図4に於いて
付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されて
いる。
【0069】この実施形態のステップ102及び104
以外の各ステップはそれぞれ第一の実施形態の場合と同
様に実行され、ステップ100に於いて否定判別が行わ
れたときにはステップ102に於いてカウンタのカウン
ト値Cdsが1インクリメントされ、ステップ104に於
いてカウント値Cdsが基準値Cdso (正の一定の整数)
であるか否かの判別が行われる。このステップに於いて
肯定判別が行われたときにはステップ150へ進み、否
定判別が行われたときにはステップ110へ進む。尚基
準値Cdso は正規化許可判定値Dとその基準値DSとの
偏差D−DSの関数であってもよい。
以外の各ステップはそれぞれ第一の実施形態の場合と同
様に実行され、ステップ100に於いて否定判別が行わ
れたときにはステップ102に於いてカウンタのカウン
ト値Cdsが1インクリメントされ、ステップ104に於
いてカウント値Cdsが基準値Cdso (正の一定の整数)
であるか否かの判別が行われる。このステップに於いて
肯定判別が行われたときにはステップ150へ進み、否
定判別が行われたときにはステップ110へ進む。尚基
準値Cdso は正規化許可判定値Dとその基準値DSとの
偏差D−DSの関数であってもよい。
【0070】かくして第二の実施形態によれば、第一の
実施形態の場合と同様、車輪速信号に含まれるノイズ等
に起因してタイヤ空気圧が誤って異常であると判定され
ることを防止してタイヤ空気圧の異常判定を高精度に行
うと共に、外乱オブザーバ処理により演算されたベルト
側部分22の角速度ωB の推定値ωBpを有効に利用して
正規化許可判定値Dを演算することができる。
実施形態の場合と同様、車輪速信号に含まれるノイズ等
に起因してタイヤ空気圧が誤って異常であると判定され
ることを防止してタイヤ空気圧の異常判定を高精度に行
うと共に、外乱オブザーバ処理により演算されたベルト
側部分22の角速度ωB の推定値ωBpを有効に利用して
正規化許可判定値Dを演算することができる。
【0071】またこの実施形態によれば、ステップ10
0に於ける否定判別の回数Cdsが基準値Cdso になる
と、ステップ150に於いてタイヤ空気圧の異常判定が
行われる車輪が他の車輪に選定されるので、他の車輪の
タイヤの共振レベルが比較的高いにも拘らず、タイヤ空
気圧の異常判定が行われている車輪のタイヤの共振レベ
ルが低いレベルにて継続することに起因して他の車輪の
タイヤ空気圧の異常判定が長時間行われなくなることを
確実に防止することができる。
0に於ける否定判別の回数Cdsが基準値Cdso になる
と、ステップ150に於いてタイヤ空気圧の異常判定が
行われる車輪が他の車輪に選定されるので、他の車輪の
タイヤの共振レベルが比較的高いにも拘らず、タイヤ空
気圧の異常判定が行われている車輪のタイヤの共振レベ
ルが低いレベルにて継続することに起因して他の車輪の
タイヤ空気圧の異常判定が長時間行われなくなることを
確実に防止することができる。
【0072】尚上述の第一及び第二の実施形態に於いて
は、正規化許可判定値Dは上記(15)式に従ってベル
ト側部分22の角速度の推定値ωBpとリム側部分20の
角速度ωR との偏差の自乗積和値として演算されるよう
になっているが、下記の(18)式に従ってベルト側部
分22の角速度の推定値ωBpとリム側部分20の角速度
ωR との偏差の絶対値の和として演算されてもよい。
は、正規化許可判定値Dは上記(15)式に従ってベル
ト側部分22の角速度の推定値ωBpとリム側部分20の
角速度ωR との偏差の自乗積和値として演算されるよう
になっているが、下記の(18)式に従ってベルト側部
分22の角速度の推定値ωBpとリム側部分20の角速度
ωR との偏差の絶対値の和として演算されてもよい。
【数17】D=Σ|ωBp−ωR |・・・(18)
【0073】また正規化許可判定値Dは下記の(19)
式に従って外乱オブザーバ処理により演算されたタイヤ
のねじり角の推定値θRBp の自乗積和値として演算され
てもよく、更には上記(15)式の右辺又は(18)式
の右辺と(19)式の右辺との線形和の如く、これらの
組合せとして演算されてもよい。
式に従って外乱オブザーバ処理により演算されたタイヤ
のねじり角の推定値θRBp の自乗積和値として演算され
てもよく、更には上記(15)式の右辺又は(18)式
の右辺と(19)式の右辺との線形和の如く、これらの
組合せとして演算されてもよい。
【数18】D=Σ(θRBp )2 ・・・(19)
【0074】また上述の第一及び第二の実施形態に於い
ては、ステップ120に於いて演算されたタイヤのばね
定数の変化量ΔKに基づきステップ130に於いてタイ
ヤ空気圧が異常であるか否かが判定されるようになって
いるが、必要ならばばね定数の変化量ΔKに基づきタイ
ヤ空気圧の変化量ΔPが演算され、タイヤ空気圧Pが正
規のタイヤ空気圧Po と変化量ΔPと和として演算され
てもよい。更にこの場合、タイヤ空気圧の異常判定は演
算されたタイヤ空気圧P又はその変化量ΔPに基づいて
行われてもよい。
ては、ステップ120に於いて演算されたタイヤのばね
定数の変化量ΔKに基づきステップ130に於いてタイ
ヤ空気圧が異常であるか否かが判定されるようになって
いるが、必要ならばばね定数の変化量ΔKに基づきタイ
ヤ空気圧の変化量ΔPが演算され、タイヤ空気圧Pが正
規のタイヤ空気圧Po と変化量ΔPと和として演算され
てもよい。更にこの場合、タイヤ空気圧の異常判定は演
算されたタイヤ空気圧P又はその変化量ΔPに基づいて
行われてもよい。
【0075】また上述の第一及び第二の実施形態に於い
ては、正規化許可判定値Dの大小判定の基準値DSは定
数であるが、基準値DSは例えば車速が高いほど高くな
るよう、若しくはトランスミッションのギヤ比及びエン
ジン回転数より推定される路面状況が良路であるほど高
くなるよう、車輌の走行状態に応じて可変設定されても
よい。
ては、正規化許可判定値Dの大小判定の基準値DSは定
数であるが、基準値DSは例えば車速が高いほど高くな
るよう、若しくはトランスミッションのギヤ比及びエン
ジン回転数より推定される路面状況が良路であるほど高
くなるよう、車輌の走行状態に応じて可変設定されても
よい。
【0076】また上述の第一及び第二の実施形態に於い
ては、正規化許可判定値Dはタイヤのベルト側部分とリ
ム側部分との間の相対回転振動のレベルとして演算され
るようになっているが、例えば車輪の回転速度の変動の
レベルとして演算されてもよい。
ては、正規化許可判定値Dはタイヤのベルト側部分とリ
ム側部分との間の相対回転振動のレベルとして演算され
るようになっているが、例えば車輪の回転速度の変動の
レベルとして演算されてもよい。
【0077】また上述の第一及び第二の実施形態に於い
て、ステップ84の前にステップ90及びステップ10
0が実行され、これにより正規化許可判定値Dが基準値
DS以上になったときには、相関演算の回数jがNb に
なる前であってもステップ120以降が実行されてもよ
い。
て、ステップ84の前にステップ90及びステップ10
0が実行され、これにより正規化許可判定値Dが基準値
DS以上になったときには、相関演算の回数jがNb に
なる前であってもステップ120以降が実行されてもよ
い。
【0078】更に上述の第一及び第二の実施形態に於い
ては、外乱オブザーバ30は各車輪の制駆動トルクTd
をも入力とするようになっているが、上記(1)式等に
於ける制駆動トルクT1 の項が省略されると共に、トル
クセンサ14FL〜14RRが省略されてもよい。
ては、外乱オブザーバ30は各車輪の制駆動トルクTd
をも入力とするようになっているが、上記(1)式等に
於ける制駆動トルクT1 の項が省略されると共に、トル
クセンサ14FL〜14RRが省略されてもよい。
【0079】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
あろう。
ついて詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
あろう。
【0080】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、上述
の請求項1の構成によれば、少なくともオブザーバによ
り推定された外乱若しくはパラメータに基づき所定時間
に於けるタイヤの回転振動のレベルが演算され、該振動
のレベルが基準値以上のときに外乱及びパラメータに基
づきタイヤ空気圧が異常であるか否かが判定されるの
で、タイヤの共振レベルが高く車輪の運動状態量の検出
値に含まれるノイズの影響等を受けにくい状況に於いて
のみタイヤ空気圧の異常判定を行ない、これにより従来
のタイヤ空気圧異常判定装置の場合に比してタイヤ空気
圧の異常判定の精度を更に一層向上させることができ
る。
の請求項1の構成によれば、少なくともオブザーバによ
り推定された外乱若しくはパラメータに基づき所定時間
に於けるタイヤの回転振動のレベルが演算され、該振動
のレベルが基準値以上のときに外乱及びパラメータに基
づきタイヤ空気圧が異常であるか否かが判定されるの
で、タイヤの共振レベルが高く車輪の運動状態量の検出
値に含まれるノイズの影響等を受けにくい状況に於いて
のみタイヤ空気圧の異常判定を行ない、これにより従来
のタイヤ空気圧異常判定装置の場合に比してタイヤ空気
圧の異常判定の精度を更に一層向上させることができ
る。
【0081】また請求項2の構成によれば、基準値は車
輌の走行状態に応じて可変設定されるので、例えば車輌
が良路を走行する場合には基準値を高めに設定してタイ
ヤ空気圧の誤判定を防止し、車輌が良路以外を走行する
場合には基準値を低めに設定してタイヤ空気圧の異常判
定の頻度が低くなることを防止することができる。
輌の走行状態に応じて可変設定されるので、例えば車輌
が良路を走行する場合には基準値を高めに設定してタイ
ヤ空気圧の誤判定を防止し、車輌が良路以外を走行する
場合には基準値を低めに設定してタイヤ空気圧の異常判
定の頻度が低くなることを防止することができる。
【0082】更に請求項3の構成によれば、一つの車輪
についてタイヤ空気圧の異常判定を行うに適していない
状況である旨の判定回数が基準回数になると、当該車輪
についてのタイヤ空気圧の異常判定が中止され、他の一
つの車輪についてタイヤ空気圧の異常判定が行われるの
で、例えば一つの車輪に路面より入力される振動レベル
が比較的低いことに起因してその車輪のタイヤ空気圧の
異常判定に長時間を要し、そのため他の車輪についてタ
イヤ空気圧の異常判定が長時間行われなくなることを確
実に防止することができる。
についてタイヤ空気圧の異常判定を行うに適していない
状況である旨の判定回数が基準回数になると、当該車輪
についてのタイヤ空気圧の異常判定が中止され、他の一
つの車輪についてタイヤ空気圧の異常判定が行われるの
で、例えば一つの車輪に路面より入力される振動レベル
が比較的低いことに起因してその車輪のタイヤ空気圧の
異常判定に長時間を要し、そのため他の車輪についてタ
イヤ空気圧の異常判定が長時間行われなくなることを確
実に防止することができる。
【図1】本発明によるタイヤ空気圧異常判定装置の第一
の実施形態を示す概略構成図である。
の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】車輪の力学モデルを示す説明図である。
【図3】図1に示されたタイヤ空気圧判定装置のブロッ
ク線図である。
ク線図である。
【図4】第一の実施形態に於けるタイヤ空気圧異常判定
ルーチンを示すゼネラルフローチャートである。
ルーチンを示すゼネラルフローチャートである。
【図5】図4に示されたフローチャートのステップ80
に於ける相関演算ルーチンを示すフローチャートであ
る。
に於ける相関演算ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図6】第二の実施形態に於けるタイヤ空気圧異常判定
ルーチンを示すゼネラルフローチャートである。
ルーチンを示すゼネラルフローチャートである。
12FL〜12RR…車輪速センサ 16…タイヤ空気圧判定装置 18…警報装置 26…車輪速演算ブロック 28…前処理フィルタブロック 30…外乱オブザーバ 32…相関演算ブロック 34…正規化許可判定値演算ブロック 36…正規化ブロック 38…異常判定ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 秀樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内 (72)発明者 河井 弘之 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内 (72)発明者 小島 弘義 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内 (72)発明者 鈴木 基司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地株式会社 デンソー内 (72)発明者 藤原 健司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地株式会社 デンソー内 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】車輪の運動状態量を検出する手段と、車輪
の運動状態量の検出値より車輪に対する路面よりの外乱
及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータを推定す
るオブザーバと、少なくとも前記オブザーバにより推定
された前記外乱若しくは前記パラメータに基づき所定時
間に於けるタイヤの回転振動のレベルを演算する手段
と、前記振動のレベルが基準値以上のときには前記外乱
及び前記パラメータに基づきタイヤ空気圧が異常である
か否かを判定する手段とを有するタイヤ空気圧異常判定
装置。 - 【請求項2】前記基準値は車輌の走行状態に応じて可変
設定されることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空
気圧異常判定装置。 - 【請求項3】前記タイヤ空気圧異常判定装置は各輪毎に
順次タイヤ空気圧の異常判定を行い、一つの車輪につい
て振動のレベルが連続して前記基準値未満である回数が
基準回数になると、前記一つの車輪についてのタイヤ空
気圧の異常判定を中止し、他の一つの車輪についてタイ
ヤ空気圧の異常判定を行うよう構成されていることを特
徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧異常判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01342197A JP3328534B2 (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | タイヤ空気圧異常判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01342197A JP3328534B2 (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | タイヤ空気圧異常判定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10193935A true JPH10193935A (ja) | 1998-07-28 |
JP3328534B2 JP3328534B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=11832676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01342197A Expired - Fee Related JP3328534B2 (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | タイヤ空気圧異常判定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3328534B2 (ja) |
-
1997
- 1997-01-09 JP JP01342197A patent/JP3328534B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3328534B2 (ja) | 2002-09-24 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
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