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JPH10192015A - 装身具の中留構造 - Google Patents

装身具の中留構造

Info

Publication number
JPH10192015A
JPH10192015A JP141497A JP141497A JPH10192015A JP H10192015 A JPH10192015 A JP H10192015A JP 141497 A JP141497 A JP 141497A JP 141497 A JP141497 A JP 141497A JP H10192015 A JPH10192015 A JP H10192015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
accessory
outer plate
side wall
plate
button
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP141497A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Yamagata
英朝生 山縣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP141497A priority Critical patent/JPH10192015A/ja
Publication of JPH10192015A publication Critical patent/JPH10192015A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装身具短手方向に沿った幅が狭く、かつ装身
具の表裏方向の厚みが薄い中留構造を安価に製造するこ
とである。 【解決手段】 折畳み部2X−1と外板1とを係脱可能
に係合する係合手段は、ばねによって折畳み部2X−1
の外方に付勢される係合突起部46と、外板1の側壁部
9に凹設された係合凹部17と、外板1の外方から係合
凹部17内部への経路を反復移動可能なプッシュボタン
21とを備える。折畳み部2X−1を外板1に折り畳む
ことにより、係合突起部46を係合凹部17内部に挿入
して係合する。プッシュボタン21を外板1の内方に指
圧すれば、プッシュボタン21が係合突起部46を押圧
し、係合凹部17より係合突起部46が離脱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装身具の一方端と
他方端との間に配される中留構造に係わり、詳しくは、
プッシュボタンの押圧により開放されるワンタッチ式の
中留構造に関する。本発明は、手首などに巻回されて装
着されるブレスレットや腕時計のバンドの中留に適す
る。
【0002】
【従来の技術】外板にプッシュボタンが配され、このプ
ッシュボタンと折畳み部とを係脱可能に係合する装身具
の中留構造としては、特開平8−316号公報、及び特
開平7−236506号公報に記載された中留構造が知
られている。
【0003】特開平8−316号公報に記載された中留
構造を、図42及び図43に示す。当該中留は、外板1
00と、この外板100の一端部に折畳み可能に連結さ
れた一方の中板101と、外板100の他端部に折畳み
可能に連結された他方の中板102とを備える。外板1
00の中央部には、装身具短手方向に沿う中空部103
が形成される。また、外板100の中央部の装身具短手
方向の両側に位置する肉厚部104には、前記中空部1
03を挟んだ両側に位置させて穴部105が形成され
る。
【0004】また、一方及び他方のプッシュボタン10
6A、106Bは、押圧部107に連なるフック形状の
一対の係止部108A、108Bと、これらの係止部1
08A、108B間に位置するロッド部109とを有し
ている。
【0005】そして、一方のプッシュボタン106Aの
係止部108A、108Bを、外方から一方の片側の穴
部105に挿入し、ロッド部109を中空部103に挿
入する。同様に、他方のプッシュボタン106Bの係止
部108A、108Bを、外方から他方の片側の穴部1
05に挿入し、ロッド部109を中空部103に挿入す
る。中空部103には弾性部材110が挿入され、一方
及び他方のプッシュボタン106A、106Bを外方に
付勢する。かくして、一方及び他方のプッシュボタン1
06A、106Bが外板100に装着される。
【0006】また、前記一方の中板101の他端側には
係止溝111が設けてあり、この中板101の他端部に
は装身具112の一端部が折畳み可能に連結してあり、
これらで第1の折畳み部113を構成している。また、
前記他方の中板102の他端側には係止溝114が設け
てあり、この中板102の他端部には装身具112の他
端部が折畳み可能に連結してあり、これらで第2の折畳
み部115を構成している。
【0007】そして、第1の折畳み部113を外板10
0側に折畳むことにより、一方の中板101に設けた係
止溝111を、一方及び他方のプッシュボタン106
A、106Bの係止部108A、108Bに係止する。
同様に、第2の折畳み部115を外板100側に折畳む
ことにより、他方の中板102に設けた係止溝114を
一方及び他方ののプッシュボタン106A、106Bの
係止部108A、108Bに係止して、装身具112の
一方端と他方端とを連結(閉じる)する。
【0008】また、装身具112の一方端と他方端とを
解放する場合には、一方及び他方のプッシュボタン10
6A、106Bの押圧部107を押し込んで、一方及び
他方のプッシュボタン106A、106Bを弾性部材1
10に抗して外板100の中心側に寄せる。これによ
り、一方の中板101の係止溝111の係止部108
A、108Bへの係止を解除する。かつ、他方の中板1
02の係止溝114の係止部108A、108Bへの係
止を解除する。そして、第1、第2の折畳み部113、
115を拡開する。
【0009】また、特開平7−236506号公報に記
載された中留構造を、図44及び図45に示す。当該中
留は、外板120と、この外板120の一端部に折畳み
可能に連結された一方の中板121、外板120の他端
部に折畳み可能に連結された他方の中板122、一方の
中板121の他端部に折畳み可能に連結され且つ係止突
起部133Aを有する一方の表板123、他方の中板1
22の他端部に折畳み可能に連結され且つ係止突起部1
33Bを有する他方の表板124とを備える。そして、
一方の表板123には装身具132の一端部が連結さ
れ、第1の折畳み部135が構成される。他方の表板1
24には装身具132の他端部が連結され、第2の折畳
み部136が構成される。
【0010】そして、外板120の中央部には、装身具
短手方向に沿う中空部125と一対の窓部126A、1
26Bを有する中蓋127が設けられる。そして、この
中蓋127の中空部125には、一方及び他方のプッシ
ュボタン128A、128Bが挿入される。
【0011】一方のプッシュボタン128Aは、その内
端部に係止部129A、129Bを有する。また、他方
のプッシュボタン128Bは、その内端部に係止部13
0A、130Bを有する。前記中空部125内におい
て、係止部129Aは係止部130Aとで一方のボタン
側係止部140を構成する。係止部129Bは係止部1
30Bとで他方のボタン側係止部141を構成する。そ
して、一方及び他方のプッシュボタン128A、128
Bは、コイルばね131A、131Bにより互いに離間
するように付勢される。そして、一方のボタン側係止部
140は窓部126Aに、他方のボタン側係止部141
は窓部126Bにそれぞれ装身具132の表裏方向に対
向している。
【0012】そして、第1の折畳み部135を外板12
0側に折畳むことにより、一方の表板123に設けた係
止突起部133Aを窓部126Aを介して一方のボタン
側係止部140に係止する。第2の折畳み部136を外
板120側に折畳むことにより、他方の表板124に設
けた係止突起部133Bを窓部126Bを介して他方の
ボタン側係止部141に係止する。そして、装身具13
2の一方端と他方端とを連結(閉じる)する。
【0013】また、装身具132の一方端と他方端とを
解放する場合には、一方及び他方のプッシュボタン12
8A、128Bを押し込んで、一方及び他方のプッシュ
ボタン128A、128Bをばね131A、131Bに
抗して外板120の中心側に寄せる。これにより、一方
の表板123の係止突起部133Aの一方のボタン側係
止部140への係止を解除する。かつ、他方の表板12
4の係止突起部133Bの他方のボタン側係止部141
への係止を解除する。そして、第1、第2の折畳み部1
35、136を拡開する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−316号公
報に開示された装身具の中留構造にあっては、外板10
0に備えられた一方及び他方のプッシュボタン106
A、106Bの係止部108A、108Bを、第1、第
2の折畳み部113,114の係止溝111、114に
挿入して係合させる。これには、一方及び他方のプッシ
ュボタン106A、106Bを外板100の外方に付勢
する弾性部材110を必要とする。この弾性部材110
は、一方及び他方のプッシュボタン106A、106B
の移動方向に沿った同軸上、すなわち装身具短手方向に
沿って一方及び他方のプッシュボタン106A、106
Bと隣接させて設けなければならない。
【0015】このために、外板100は、一方及び他方
のプッシュボタン106A、106Bと弾性部材110
との双方を保持するための構造を必要とし、複雑な構造
になってしまう。その結果、外板100の加工負荷が大
きいなり、中留構造のコストアップを招いてしまった。
【0016】また、一方及び他方のプッシュボタン10
6A、106Bと弾性部材110とを装身具短手方向に
沿って隣接させるために、外板100を装身具短手方向
に長くせざるを得ない。加えて、一方及び他方のプッシ
ュボタン106A、106Bと第1、第2の折畳み部1
13、115が、装身具112の表裏方向に沿って上下
に重なって係合するため、表裏方向に沿った厚みも厚く
ならざるを得ない。このために、例えば、女性用のブレ
スレットのような、細い装身具に適合する小型の中留構
造を作ることができなかった。
【0017】また、一方及び他方のプッシュボタン10
6A、106Bを第1、第2の折畳み部113、115
の係止溝111、114に係合させるには、第1、第2
の折畳み部113、115の係止溝111、114に引
っ掛かる、釣針にも似たフック形状の係止部108A、
108Bを一方及び他方のプッシュボタン106A、1
06Bに形成することが必要である。このようなフック
を形成することは極めて困難であり、一方及び他方のプ
ッシュボタン106A、106Bの加工負荷が大きいた
めに量産には不向きである。さらに、外板100より第
1、第2の折畳み部113、115を開くと、一方及び
他方のプッシュボタン106A、106Bのフック形状
の係止部108A、108Bが外板100の表側に露出
し、装身具の外観を甚だ損ねてしまうという問題点があ
った。
【0018】また、特開平7−236506号公報に開
示された装身具の中留構造にあっては、一方及び他方の
プッシュボタン128A、128Bと弾性手段であるコ
イルばね131A、131Bとを中蓋127の内部に収
納した構造である。この中蓋127は、一方及び他方の
プッシュボタン128A、128Bのフック形状のボタ
ン側係止部140、141が露出することを防ぐと同時
に、中蓋127は、一方及び他方のプッシュボタン12
8A、128Bにおける装身具短手方向に沿った摺動の
案内手段をも兼ねている。よって、案内手段を別個に設
ける必要がない。このような利点を備えるものの、特開
平8−316号公報に開示された中留構造と重複する欠
点を有する。
【0019】すなわち、一方及び他方のプッシュボタン
128A、128Bと第1、第2の折畳み部135、1
36の表蓋123、124が、装身具の表裏方向に沿っ
て上下に重なって係合するため、表裏方向に沿った厚み
が厚くならざるを得ない。また、フック形状のボタン側
係止部140、141を一方及び他方のプッシュボタン
128A、128Bに形成することが必要であり、一方
及び他方のプッシュボタン128A、128Bの形状が
複雑とならざるを得ない。特に、表蓋123、124の
裏面に、ボタン側係止部140、141に係合するキノ
コ形状の係止突起部133A、133Bをロー付けなど
で固定する必要がある。よって、係止突起部133A、
133Bを表蓋に逐一固定する加工負荷が大きいばかり
か、過大な外力が加わると、係止突起部が表蓋より取れ
てしまうという問題点があった。
【0020】本発明は、上記の問題点に着目して成され
たものであり、その第1の目的とするところは、装身具
短手方向に沿った幅が狭く且つ装身具の表裏方向の厚み
が薄く安価に製造することができる装身具の中留構造を
提供することにある。
【0021】また、本発明の第2の目的とするところ
は、板材をプレスで打ち抜き、そしてプレスで折り曲げ
て製造される、専らプレス加工のみで簡単に安価に製造
できる中留構造を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1に記
載された特徴的構成を備える。
【0023】かかる構成により、折畳み部を外板に折り
畳むと、折畳み部に配された係合突起部が、外板に凹設
された係合凹部内部に挿入して係合し、折畳み部が外板
に係止され、装身具の一方端と他方端とを閉じる。この
場合、係合突起部はプッシュボタンプッシュボタンを押
圧し、プッシュボタンが外板の外方に向けて移動する。
【0024】次いで、プッシュボタンを外板の内方に向
けて指圧すると、プッシュボタンは係合凹部内部に移動
し、係合凹部内部に位置する係合突起部を外板の内方に
向けて押圧する。すると、係合突起部が、弾性手段の付
勢力に抗して、装身具短手方向に沿って折畳み部の内方
に向けて移動する。よって、係合突起部が係合凹部内部
より離脱し、係合突起部と係合凹部との係合が外れる。
そして、折畳み部を外板より拡開すれば、装身具の一方
端と他方端とを拡開する。
【0025】上記したようにッシュボタンは、従来のよ
うに、折畳み部と係合するフック部を設ける必要がな
い。よって、プッシュボタンを簡単な形状にすることが
できて、プッシュボタンを、容易に且つ安価に製造する
ことができる。加えて、プッシュボタンを外方に付勢す
る弾性手段を、装身具短手方向に沿ってプッシュボタン
と並列して設ける必要がないので、中留構造の装身具短
手方向に沿った幅を狭くすることができる。
【0026】また、本発明の中留構造は、折畳み部の係
合突起部と外板の係合凹部とが、装身具短手方向に沿っ
て並列して係合する。よって、プッシュボタンと折畳み
部が装身具の表裏方向に沿って上下に重なって係合する
従来の中留に比べ、装身具の表裏方向の厚みを薄くする
ことができる。
【0027】このように、請求項1の発明によれば、装
身具短手方向に沿った幅が狭く、かつ装身具の表裏方向
の厚みが薄い中留構造を安価に製造することができる。
例えば、女性用のブレスレットに代表される細身の装身
具に適合する小形の中留構造を、安価に提供することが
できる。
【0028】また、上記の目的を達成するために、請求
項2の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載
の装身具の中留構造において、前記外板は、装身具長手
方向に沿った縁辺部より装身具の表側に向けて立ち上が
って形成され且つ装身具短手方向に沿って前記折畳み部
より外方に位置する側壁部を備え、前記側壁部における
前記外板の内方に向いた内側面に前記係合凹部を形成
し、前記側壁部における前記外板の外方に向いた外側面
に前記プッシュボタンを配した。
【0029】かかる構成により、折畳み部を外板に折り
畳むと、折畳み部が、装身具短手方向に沿って外板の側
壁部の内方に位置する。すると、折畳み部の係合突起部
が、側壁部の内側面に形成された係合凹部内部に挿入し
て係合する。よって、折畳み部が外板に係止され、装身
具の一方端と他方端とを閉じることができる。
【0030】そして、側壁部の外側面に配されたプッシ
ュボタンを側壁部の内方に向けて指圧すると、プッシュ
ボタンが係合凹部内部に位置する係合突起部を押圧し
て、係合突起部が、弾性手段の付勢力に抗して装身具短
手方向に沿って折畳み部の内方に向けて移動する。よっ
て、係合突起部が係合凹部内部より離脱し、係合突起部
と係合凹部との係合が外れる。したがって、折畳み部を
外板より開放すれば、装身具の一方端と他方端とを開放
することができる。
【0031】このように、請求項2の発明によれば、折
畳み部の係合突起部、外板の側壁部の係合凹部およびプ
ッシュボタンが、装身具短手方向に沿って並列し、互い
に装身具の表裏方向に沿って上下に重なることがない。
よって、中留構造の装身具の表裏方向の厚みを薄くする
ことができる。
【0032】また、上記の目的を達成するために、請求
項3の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項2記載
の装身具の中留構造において、前記折畳み部における装
身具長手方向に沿う両縁辺部に各々配された一対の前記
係合突起部と、前記外板における装身具長手方向に沿う
両辺縁部に各々立ち上がって形成された一対の前記側壁
部と、前記側壁部の各々に形成された前記係合凹部と、
前記側壁部の各々に配された前記プッシュボタンとを備
えた。
【0033】かかる構成により、折畳み部を外板に折り
畳むと、折畳み部が、外板の側壁部双方の間に位置す
る。よって、折畳み部の2つの係合突起部各々が、2つ
の側壁部各々に形成された係合凹部各々に挿入して係合
する。よって、折畳み部が、外板に係止され、装身具の
一方端と他方端とを閉じることができる。
【0034】2つの側壁部各々に配されたプッシュボタ
ンを内方に向けて指圧すると、プッシュボタンが係合凹
部内部に位置する係合突起部各々を押圧する。すると、
係合突起部が係合凹部内部より離脱し、係合突起部と係
合凹部との係合が外れる。
【0035】このように、中留構造を、2つのプッシュ
ボタンを備える両プッシュ型の中留構造に成すことがで
きる。折畳み部を外板より開放するには、2つのプッシ
ュボタンを共に押圧しなければならない。どちらか一方
のプッシュボタンを押圧して、一方の係合突起部と係合
凹部との場合を外そうとも、他方の係合突起部と係合凹
部との係合は維持される。よって、一方のプッシュボタ
ンを押圧しただけでは、折畳み部を外板より開放するこ
とはできない。これは、不用意な外力の負荷により、ど
ちらか一方のプッシュボタンが押圧されても、装身具が
脱落しないことを意味する。すなわち、装身具の意図し
ない脱落を防ぐことができる。
【0036】また、上記の目的を達成するために、請求
項4の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項2又は
請求項3記載の装身具の中留構造によれば、前記折畳み
部を第1の折畳み部としたとき、前記外板の他端部と前
記装身具の他端部との間に他方の中板を連結し、前記他
方の中板と前記装身具の他端部とで第2の折畳み部を構
成し、前記係合突起部を第1の係合突起部としたとき、
前記第2の折畳み部に、弾性手段によって装身具短手方
向に沿って前記他方の折畳み部の外方に付勢された第2
の係合突起部を設け、前記第1の係合突起部と前記第2
の係合突起部とを共に前記係合凹部内部に挿入して係合
し、且つ前記プッシュボタンを前記側壁部の内方に指圧
すると、前記プッシュボタンが前記係合凹部内部に位置
した前記第1の係合突起部と前記第2の係合突起部とを
押圧し、前記係合凹部より前記第1の係合突起部と前記
第2の係合突起部とを離脱させる。
【0037】かかる構成により、第1、第2の折畳み部
を外板に折り畳むと、第1、第2の折畳み部双方が、装
身具短手方向に沿って外板の側壁部の内方に位置する。
すると、第1の折畳み部の第1の係合突起部および第2
の折畳み部の第2の係合突起部が、共に側壁部の内側面
に形成された係合凹部内部に挿入して係合する。よっ
て、第1、第2の折畳み部が外板に係止され、装身具の
一方端と他方端とを閉じることができる。
【0038】このとき、第1、第2の係合突起部はプッ
シュボタンを押圧し、プッシュボタンが外板の外方に向
けて移動する。側壁部の外側面に配されたプッシュボタ
ンを側壁部の内方に向けて指圧すると、プッシュボタン
が係合凹部内部に位置する第1、第2の係合突起部を押
圧する。すると、第1、第2の係合突起部が、弾性手段
の付勢力に抗して、装身具短手方向に沿って第1、第2
の折畳み部の内方に向けて各々移動する。よって、第
1、第2の係合突起部が係合凹部内部より離脱し、第
1、第2の係合突起部と係合凹部との係合が各々外れ
る。したがって、第1、第2の折畳み部を外板より開放
すれば、装身具の一方端と他方端とを開放することがで
きる。
【0039】これにより、中留構造を観音開き型にする
ことができる。また、1つのプッシュボタンを押圧する
だけで、第1、第2の係合突起部と係合凹部との係合を
共に解除することができる。すなわち、1つのプッシュ
ボタンを押圧するだけで、容易に第1、第2の折畳み部
と外板との係合を共に解除して、第1、第2の折畳み部
を外板より開放することができる。また、第1、第2の
折畳み部に一対の係合突起部を各々設け、且つ外板に一
対の側壁部を設けて、その各々に係合凹部とプッシュボ
タンを配設すれば、観音開き型で、かつ両プッシュ型の
中留構造と成すことができる。
【0040】また、上記の目的を達成するために、請求
項5の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1乃至
請求項4のいずれかに記載の装身具の中留構造におい
て、前記第1の係合突起部が、前記中板の他端部と前記
装身具の一端部とを回転可能に連結する連結部を兼ねる
ことと、前記第2の係合突起部が、前記他方の中板と前
記装身具の他端部とを回転可能に連結する連結部を兼ね
ることのうち、少なくともいずれか一方を備える。
【0041】かかる構成により、上記した請求項1乃至
請求項4のいずれかの作用と同様な作用を奏し得るばか
りか、係合突起部が中板と装身具との連結部を兼ねるの
で、部品点数を減らすことができ、かつ容易に組み立て
ることができる。
【0042】また、上記の目的を達成するために、請求
項6の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1乃至
請求項5のいずれかに記載の装身具の中留構造におい
て、前記第1の係合突起部が、前記中板の他端と前記装
身具の一端部とを回転可能に連結する第1のばね棒のピ
ボット部であることと、前記第2の係合突起部が、前記
他方の中板と前記装身具の他端部とを回転可能に連結す
る第2のばね棒のピボット部であることのうち、少なく
ともいずれか一方を備える。
【0043】かかる構成により、中板と装身具との連結
部を兼ねる係合突起部には、ばね棒のピボット部を用い
ることができる。すなわち、ばね棒は、その両端に備え
るピボット部を、その軸方向に沿って外方に付勢する弾
性手段(コイル・スプリング)を有し、かつ連結軸とし
て用いることができるからである。これにより、係合突
起部、係合突起部を付勢する弾性手段および中板と装身
具との連結部を、ばね棒1つで兼ねることができ、大幅
に部品点数を減らすことができる。特に、ばね棒は、そ
の両端にピボット部を備えるので、折畳み部における装
身具長手方向に沿う両縁辺部に各々一対の係合突起部を
配する場合に適している。
【0044】また、上記の目的を達成するために、請求
項7の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項2乃至
請求項6のいずれかに記載の装身具の中留構造におい
て、前記側壁部は、その内側面に装身具短手方向に沿っ
て凹設され且つ前記外板の内方を向いた底面を有するボ
タン凹部と、前記外側面より前記底面の一部へと装身具
短手方向に沿って貫通するボタン孔とを備え、前記プッ
シュボタンは、前記ボタン凹部内部に挿入され且つ前記
ボタン孔を通過できない大きさを有する基部と、前記基
部より前記外板の外方に向けて延出し且つ前記ボタン孔
より前記側壁部の外方へと突出する押圧部と、前記基部
より前記外板の内方に向けて延出し且つその先端部が前
記係合突起部と当接する作用部とを備え、前記基部より
前記外板の内方に寄せて位置し且つ前記作用部以外の前
記基部と相対して前記側壁部に固定される抜け止め部材
を含み、前記底面と前記抜け止め部材との間を、前記基
部が装身具短手方向に沿って反復移動できるように構成
され、前記プッシュボタンが装身具短手方向に沿って反
復移動できるように前記側壁部に保持され且つ前記基部
が最も前記底面よりに移動したときの前記作用部の位置
から前記ボタン凹部の前記内側面への開口に至る空間を
前記係合凹部と成した。
【0045】かかる構成により、本発明の中留構造にお
いて、プッシュボタンを装身具短手方向に沿って反復移
動できるように側壁部に保持することができる。プッシ
ュボタンの基部を側壁部のボタン凹部内部に挿入し、ボ
タン凹部の底面の一部に穿設されたボタン孔より、側壁
部の外方へとプッシュボタンの押圧部を突出させる。さ
らに、基部より外板の内方に寄せて、基部と相対するよ
うに抜け止め部材との間を、装身具の短手方向に沿って
反復移動できる。
【0046】プッシュボタンをボタン凹部の底面に向け
て移動させると、基部が底面に当接した位置において、
プッシュボタンの移動は止まる。これは、プッシュボタ
ンの基部が、ボタン孔を通過できない大きさを有するか
らである。
【0047】また、プッシュボタンを外板の内方に向け
て移動させると、基部が抜け止め部材に当接した位置に
おいて、プッシュボタンの移動は止まる。よって、装身
具短手方向に沿って反復移動できるようにプッシュボタ
ンが側壁部に保持される。
【0048】プッシュボタンの装身具短手方向に沿った
反復移動に伴い、プッシュボタンの作用部も反復移動す
る。抜け止め部材は、作用部を避けて基部と相対してい
るので、作用部の移動が抜け止め部材によって阻まれる
ことはない。
【0049】また、プッシュボタンの基部が最もボタン
凹部の底面よりに移動したとき、すなわち、基部が底面
に当接したときのプッシュボタンの作用部の位置から、
ボタン凹部の内側面への開口に至る空間を係合凹部と成
している。よって、プッシュボタンの押圧部を外方より
指圧すると、プッシュボタンは、その基部が抜け止め部
材に当接するまで、外板の内方に向けて移動する。する
と、プッシュボタンの作用部が係合凹部内部へと移動す
る。
【0050】以上により、係合凹部内部に挿入された係
合突起部を、確実にプッシュボタンの作用部によって押
圧することができ、係合突起部を係合凹部内部より確実
に離脱させることができる。
【0051】また、上記の目的を達成するために、請求
項8の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項7記載
の装身具の中留構造において、前記抜け止め部材は、前
記側壁部の裏面より前記ボタン凹部に向けて穿設された
挿入孔より挿入され、前記抜け止め部材は前記挿入孔に
案内されて、前記抜け止め部材における装身具の表側寄
りの一端が前記ボタン凹部内部に位置し、かつ前記作用
部以外の前記基部と相対する位置に位置決めされるよう
に、前記抜け止め部材と前記側壁部とを固定する固定手
段を備えた。
【0052】かかる構成により、プッシュボタンを側壁
部に保持することができる。すなわち、プッシュボタン
の基部を側壁部のボタン凹部内部に挿入し、次いで挿入
孔より抜け止め部材を挿入し、基部と相対する位置に位
置決めしつつ、固定手段によって抜け止め部材を側壁部
に固定する。よって、プッシュボタンを側壁部に極めて
容易に組み込むことができる。
【0053】また、挿入孔を側壁部の裏面に開口するよ
うに設けたので、装身具を表側から見る限り挿入孔は見
えない。よって、装身具の美観を貶めることがない。
【0054】また、上記の目的を達成するために、請求
項9の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項7又は
請求項8記載の装身具の中留構造において、前記外板よ
り装身具短手方向に沿って突出した突片の折り曲げ加工
によって、装身具長手方向に沿って貫通した貫通孔を有
する中空体として前記側壁部を形成し、前記貫通孔内部
に芯部材が挿入されて、前記ボタン凹部、前記ボタン孔
および前記挿入孔以外の前記貫通孔が充填される。
【0055】かかる構成により、本発明における中留構
造の側壁部を安価に作製することができる。側壁部を、
ムク材により作製しようとすると、材料費が高価になっ
てしまう。これを解決するために、本発明における中留
構造の側壁部は、外板より突出した突片の折り曲げ加工
によって、側壁部を貫通孔を有する中空体として形成
し、貫通孔内部に芯部材を充填して作製する。これによ
り、加工が容易であるばかりか、極めて安価に側壁部を
作製することができる。
【0056】また、上記の目的を達成するために、請求
項10の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項7乃
至請求項9のいずれかに記載の装身具の中留構造におい
て、前記側壁部は、装身具長手方向に沿った全長にわた
って貫通した貫通孔と、前記内側面より前記貫通孔へと
通ずる第1の開口と、前記外側面より前記貫通孔へと通
じ且つ前記第1の開口と相対する位置に、前記第1の開
口より小さく開口した第2の開口と、前記側壁部の裏面
より前記貫通孔へと通ずる第3の開口とを備え、前記貫
通孔に挿入されて前記側壁部に固定される芯部材が用意
され、前記芯部材は、前記第1の開口と同じ形状で装身
具短手方向に貫通する第4の開口と、前記第4の開口よ
り、装身具の裏側に向けて外方に貫通する縦孔とを備
え、前記貫通孔に前記芯部材を挿入し、前記第1の開口
と前記第4の開口とを一致させて前記ボタン凹部と成す
と共に、前記第2の開口を前記ボタン孔と成し且つ前記
第3の開口と前記縦孔とを一致させて前記挿入孔と成
し、前記挿入孔へ前記抜け止め部材を挿入し、前記固定
手段によって前記抜け止め部材と前記側壁部とを固定す
ることによって、前記芯部材が前記貫通孔内部に固定さ
れる。
【0057】かかる構成により、側壁部に芯部材を挿入
して固定すると、側壁部にボタン凹部、ボタン孔、およ
び挿入孔が形成される。また、かかる構成により、抜け
止め部材と側壁部を固定する固定手段と、芯部材と側壁
部を固定する固定手段とを兼ねることができる。
【0058】すなわち、側壁部に芯部材を挿入し、次い
で挿入孔へ抜け止め部材を挿入し、固定手段によって抜
け止め部材と側壁部とを固定する。この挿入孔は、側壁
部の裏面に穿設された第3の開口と芯部材に穿設された
縦孔とより成っている。すなわち、芯部材の縦孔に挿入
された抜け止め部材が側壁部と固定されることにより、
側壁部の貫通孔内部における芯部材の装身具長手方向に
沿った移動は完全に抑止される。よって、側壁部の貫通
孔内部に芯部材が確実に固定される。これにより、芯部
材と側壁部を固定する固定手段を別途設ける必要がない
ため、部品点数や加工負荷を大きく削減できる。
【0059】また、上記の目的を達成するために、請求
項11の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項8乃
至請求項10のいずれかに記載の装身具の中留構造にお
いて、前記固定手段は、前記抜け止め部材に形成され且
つ装身具短手方向に沿って前記外板の内方に向けて突出
し、且つ前記挿入孔における装身具短手方向に沿った内
径を越えて前記抜け止め部材より突出する抜け止め突起
部と、前記側壁部の内側面に形成され且つ前記挿入孔に
沿って前記挿入孔に通ずるように切断された切欠き部と
を備え、前記挿入孔に前記抜け止め部材を挿入し、前記
抜け止め突起部により、前記切欠き部を拡開するように
前記側壁部の内側面を前記外板の内方に向けて弾性変形
させつつ、前記抜け止め突起部を前記挿入孔より前記ボ
タン凹部内部へと通過させ、前記抜け止め突起部と前記
ボタン凹部とを係合させることにより、前記抜け止め部
材と前記側壁部とを固定するようにした。
【0060】かかる構成により、挿入孔に抜け止め部材
を挿入し、ボタン凹部内部に抜け止め突起部を位置させ
るだけで、抜け止め部材を側壁部に固定することができ
る。このとき、切欠き部を拡開するように、側壁部の内
側面を外板の内方に向けて弾性変形させつつ、抜け止め
突起部は挿入孔よりボタン凹部内部へと通過する。ボタ
ン凹部内部に位置した抜け止め突起部は、挿入孔の内径
を越えて抜け止め部材より突出しているので、抜け止め
部材は再び挿入孔を通過して側壁部より抜けることはな
い。よって、抜け止め突起部とボタン凹部とが確実に係
合する。これにより、簡単な構造で、容易かつ確実に、
抜け止め部材を側壁部に固定することができる。
【0061】また、上記の目的を達成するために、請求
項12の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項10
記載の装身具の中留構造について、前記外板より装身具
短手方向に沿って突出した突片に、前記第1の開口、前
記第2の開口、及び前記第3の開口を穿設し、且つ前記
第2の開口より前記突片の先端部にかけて前記切欠き部
を切断し、前記突片を、前記外板の表側に向け且つ前記
突片の先端部が前記外板の表側と相対するように逆U字
型に折り曲げ、さらに折り曲げられた前記突片の内部に
前記貫通孔を成す隙間を設け、前記突片を折り曲げ加工
により前記側壁部と成した。
【0062】かかる構成により、第1、第2、第3の開
口、切欠き部および貫通孔を有する側壁部を、容易かつ
安価に作製できる。
【0063】外板より突出した突片には、例えばプレス
加工によって、第1、第2、第3の開口、および切欠き
部を容易に穿設することができる。突片を有する外板の
外形形状を、プレス加工によって板材より打ち抜くとき
に、同時に第1、第2、第3の開口、および切欠き部を
打ち抜いて形成することも可能である。かくして、第
1、第2、第3の開口および切欠き部が形成された突片
を備える外板は、容易に加工することができる。次い
で、プレス加工によって突片を折り曲げれば、第1、第
2、第3の開口、切欠き部および貫通孔を有する側壁部
が容易に完成される。
【0064】これにより、本発明における側壁部を備え
る外板は、プレス加工のみによって、板材より作製でき
るため、加工は容易であり、かつ安価である。
【0065】また、上記の目的を達成するために、請求
項13の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項4乃
至請求項12のいずれかに記載の装身具の中留構造にお
いて、前記プッシュボタンは、前記作用部を第1の作用
部としたとき、前記第1の作用部と一対を成す第2の作
用部を備え、前記係合凹部を第1の係合凹部としたと
き、前記基部が最も前記底面寄りに移動したときの前記
第2の作用部の位置から、前記ボタン凹部の前記内側面
への開口に至る空間を、前記第1の係合凹部と一対を成
す前記第2の係合凹部と成し、前記第1の係合凹部に前
記第1の係合突起部を挿入して係合し、前記第2の係合
凹部に前記第2の係合突起部を挿入して係合し、前記プ
ッシュボタンを前記側壁部の内方に指圧すると、前記第
1の作用部が前記第1の係合突起部を押圧し、前記第2
の作用部が前記第2の係合突起部を押圧する。
【0066】かかる構成により、本発明の中留構造を観
音開き型にした場合、第1、第2の係合突起部の各々
を、一対の第1、第2の係合凹部各々に別々に係合させ
ることができる。
【0067】また、上記の目的を達成するために、請求
項14の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項13
記載の装身具の中留構造において、前記抜け止め部材
が、前記第1の作用部と前記第2の作用部との間に位置
する。
【0068】かかる構成により、抜け止め部材を、第1
の作用部と第2の作用部との間に位置させることによ
り、第1、第2の作用部の移動が抜け止め部材によって
阻まれることはない。また、第1、第2の作用部と抜け
止め部材の配置は、本発明の中留における装身具の長手
方向に沿った長さを短くできる。
【0069】また、発明に係わる装身具の中留構造は、
請求項15に記載したように、少なくとも外板と中板と
を備え、前記外板の端部に前記中板の端部を連結する中
折れ部材の連結構造であって、前記外板の端部と前記中
板の端部との連結を、前記外板の端部に、外板連結用円
環部の、閉塞片を有する展開部位を一対形成して、前記
閉塞片をそのままの状態で、前記一対の展開部位を曲げ
加工して前記一対の外板側連結用円環部を形成し、前記
一対の外板側連結用円環部間に前記中板の端部に形成さ
れた中板側連結用円環部を位置させて装身具短手方向に
並べ、前記外板側連結用円環部と前記中板側連結用円環
部とに連結ピンを挿入し、この状態で、前記閉塞片を折
り曲げて前記外板側連結用円環部の外側開口部を塞ぐこ
とにより、中折れ部材の連結しても良い。
【0070】かかる構成にとり、前記外板を板材でプレ
ス加工により打ち抜いて形成する際に、この外板の展開
部位の端部に、外板連結用円環部の、閉塞片を有する展
開部位を一対形成し、前記閉塞片をそのままの状態で、
前記一対の展開部位を曲げ加工して前記一対の外板側連
結用円環部を形成する。そして、前記一対の外板側連結
用円環部間に前記中板の端部に形成された中板側連結用
円環部を位置させて装身具短手方向に並べ、前記外板側
連結用円環部と前記中板側連結用円環部とに連結ピンを
挿入した後に、前記閉塞片を折り曲げて前記外板側連結
用円環部の外側開口部を塞ぐことにより、前記外板の端
部と前記中板の端部との連結を行うことができる。
【0071】このように、前記外板の端部と前記中板の
端部との連結を、プレスで簡単に行うことができるばか
りか、前記閉塞片を折り曲げて前記外板側連結用円環部
の外側開口部を塞ぐので、ピン挿入ようの開口が外から
見えず、外観が向上する。
【0072】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0073】(実施例1)本発明に係わる装身具の中留
構造の実施例1を図1乃至図38に示す。図1は本発明
に係わる装身具の中留構造(実施例1)の斜視図、図2
は同中留構造の分解状態の斜視図、図3は同中留構造に
おいて表板と装身具の端部との連結部分の斜視図であ
る。
【0074】本発明に係わる装身具の中留構造の実施例
1は、腕時計バンド用の観音開きタイプの中留として実
施されている。当該中留は、中折れ部材Bを備える。中
折れ部材Bは、外板1、一方の中板2、他方の中板3、
一方の表板4、他方の表板5とから大略構成される。外
板1の一端部に一方の中板2の一端部が回転可能に連結
される。外板1の他端部に他方の中板3の一端部が回転
可能に連結される。さらに、一方の中板2の他端部に一
方の表板4が連結され、他方の中板3の他端部に他方の
表板5が連結される。一方の表板4は装身具の一端部に
連結され、他方の表板5は装身具の他端部に連結され
る。かくして、外板1に対して、一方の中板2と他方の
中板3が観音開きタイプに開閉される中留を成す。中折
れ部材Bを折り畳んで閉じれば、装身具の一端と他端が
閉塞する。中折れ部材Bを開放して拡開すれば、装身具
の一端と他端が離間する。ここで、一端、あるいは他端
と言うのは、装身具、すなわちバンドの長手方向に沿っ
て考えている。
【0075】さて、外板1は、短冊状の外板本体1Aを
有する。この外板本体1Aの一端部には、この外板本体
1Aと一体に形成された連結用円環部(外板側連結用円
環部)7が一対設けられる。また、装身具長手方向の他
端部には、この外板本体1Aと一体に形成された連結用
円環部(外板側連結用円環部)8が一対設けられる。
【0076】また、外板本体1Aは一対の側壁部9を備
える。一対の側壁部9は、外板本体1Aにおける短手方
向に沿って分割する中央に位置させて、外板1が成す表
裏面に対してほぼ直角に折り曲げて形成される矩形の突
片である。詳しくは、側壁部9は、外板本体1Aにおけ
る長手方向に沿った縁辺部より、装身具の表側に向けて
立ち上がって形成される。かかる一対の側壁部9は、装
身具短手方向に相対峙する。図6から図10は、側壁部
9をさらに詳しく図示している。側壁部9は、外板本体
1Aの縁辺部より表側に向けて延出し、さらに外板本体
1Aに向けて折り返えされる。詳しくは、外板本体1A
の内方に向けて曲げられて折り返えされている。装身具
短手方向に沿った断面を見ると、装身具の裏側に向けて
開口する、ほぼU字型を成すことがわかる。外板本体1
Aの縁辺部より表側に向けて延出した部分が外側面13
を成し、外板本体1Aに向けて折り返えされた部分が内
側面12を成す。側壁部9を製造する方法については、
さらに詳しく後述する。また、この一対の側壁部9は、
後述する折畳み部より装身具短手方向に沿って外方に位
置する。
【0077】一対の側壁部9における内側面12、外側
面13の間には、装身具短手方向に所定の間隔が設けら
れる。これらの内、外側面12、13間には、側壁部9
の装身具長手方向の一端部から他端部に抜ける芯部材挿
入孔(貫通孔)14が形成される。そして、側壁部9の
内側面12の上部、すなわち表側方向の端部には、案内
用の斜面部9Fが形成される。図6より理解されるよう
に、斜面部9Fは、内側面12の表側方向の端部より、
外板本体1Aの内方に向けて傾斜する。
【0078】そして、側壁部9には、内側面12より芯
部材挿入孔14へと通ずる第1の開口15が形成され
る。また、外側面13より芯部材挿入孔14へと通じ、
且つ第1の開口15と相対する位置に、第2の開口であ
るボタン孔19が形成される。図10を見れば、ボタン
孔19が第1の開口15より小さく開口していることが
わかる。詳しくは、ボタン孔19における長手方向に沿
った開口の幅は、ボタン第1の開口15の幅より小さく
なっている。また、側壁部9の裏面部9Cより芯部材挿
入孔14へと通ずる第3の開口である挿入孔30が形成
される。さらに、第1の開口部15の下辺縁部15aの
中央部から内壁部12の下縁部12aに抜ける縦孔状の
切欠き部16が形成してある。そして、この切欠き部1
6の下側角部には案内面16Aが形成してある。また、
側壁部9の外側面13のボタン孔19の長手方向に沿っ
た両縁は、後述するプッシュボタン21の抜け止めをす
るストッパー部である。すなわち、ボタン孔19の一端
の縁部がストッパー部20Aを成し、他端の縁部がスト
ッパー部20Bに成っている。ストッパー部20A、2
0Bは、ボタン孔19と第1の開口15との長手方向に
沿った開口の幅の差によって形成されていることが、図
10よりわかる。
【0079】一方、プッシュボタン21は、図13に示
すように、平面視で略U字形状を成す。U字の湾曲した
部分が、プッシュボタン21の基部である。基部は、U
字の短手方向に延出して並列する2本のアームである基
部25Aと基部26Aを長手方向に繋ぐ。基部25Aに
おける短手方向への開放された先端部が第1の作用部2
5を成し、基部26Aの開放された先端部が第2の作用
部26を成す。プッシュボタン21の基部の外方寄りの
端部が、指で指圧するための押圧部24となっている。
すなわち、プッシュボタン21の基部における、長手方
向に沿った一端側に第1の作用部25が位置し、同じく
押圧部24の他端側に第2の作用部26が位置する。そ
して、第1の作用部25は、長手方向に向けて、かつU
字の外方に向けて、その基部25Aより突出するストッ
パー部25Bを有する。あるいは、その基部25Aとの
間に段部よりなるストッパー部25Bを有していると見
ることもできる。同じく、第2の作用部26は、その基
部26Aより突出するストッパー部26Bを有してい
る。ストッパー部25Bと26Bは、長手方向に沿って
互いに相反する向きに突出することがわかる。よって、
プッシュボタン21の基部は、ボタン孔19を通過でき
ない大きさを備える。
【0080】また、芯部材22は、図12に示すよう
に、短冊状の芯板本体22Aを有する。この芯板本体2
2Aは、装身具短手方向に貫通する第4の開口部27を
備える。第4の開口部27は、側壁部9の第1の開口1
5と同じ形状をもって貫通される。開口部27と、この
第4の開口部27の下辺縁部27aの中央部から芯板本
体22Aの下縁部22aに抜ける縦孔からなる挿入孔2
8が形成される。
【0081】また、抜け止め部材23は、図16の
(1)、(2)に示すように、短冊状の部材本体23A
を備える。この部材本体22Aの先端部、組み込むとき
を考えれば装身具の表側に向く先端部であるが、その先
端部の両角部は、斜めに切り欠けられ、案内斜面23B
が形成される。また、部材本体22Aの面部、組み込む
ときを考えれば装身具の表側寄りで、かつ装身具の短手
方向に沿って装身具の内方を向く面には、半球状に突出
する抜け止め突起部29が形成される。
【0082】さて、ここで、側壁部9にプッシュボタン
を組み込む方法を述べる。まず、図12に示すように、
側壁部9の芯部材挿入孔14に、芯部材22を挿入す
る。芯部材22は、板材を折り曲げられて作られた中空
の側壁部9内部を充填し、側壁部9に強度を付与する。
そして、この芯部材22の第4の開口部27を、内壁部
12の第1の開口部15に一致させる。図11、あるい
は15に示すように、これら第1の開口部15、第4の
開口部27で、側壁部9にボタン凹部31が形成され
る。ボタン凹部31は、側壁部9に短手方向に沿って凹
設され、外板本体1Aの内方に開口する凹部である。ま
た、芯部材22の挿入孔28を、側壁部9の挿入孔30
と一致させる。よって、挿入孔28と挿入孔30とで、
側壁部9の裏面よりボタン凹部31に貫通する抜け止め
部材用挿入孔が形成される。
【0083】次いで、図13、あるいは15に示すよう
に、ボタン凹部31よりプッシュボタン21を挿入す
る。プッシュボタン21の押圧部24がボタン孔19よ
り外方に突出する。プッシュボタン21における第1の
作用部25のストッパー部25Bが、ボタン孔19のス
トッパー部20Aに相対して当接し、第2の作用部26
のストッパー部26Bが、ボタン孔19のストッパー部
20Bに相対して当接する。また、挿入孔28と挿入孔
30とが成す、抜け止め部材用挿入孔は、U字型のプッ
シュボタン21における二股のアームの間、すなわち、
第1の作用部25と第2の作用部26との間に位置す
る。図15を見れば、第1の作用部25、第2の作用部
26、抜け止め部材用挿入孔は短手方向に沿って直列に
並ぶことがわかる。また、プッシュボタン21の第1の
作用部25と第2の作用部26は、ボタン凹部31内に
位置することがわかる。
【0084】そして、図17に示すように、側壁部9の
裏面部9Cに設けた挿入孔30から、芯部材挿入孔14
に抜けて、抜け止め部材23が挿入される。すなわち、
抜け止め部材23は、抜け止め部材用挿入孔に挿入され
て、抜け止め部材23の半球状の抜け止め突起部29
が、側壁部9のボタン凹部31に係合する。よって、抜
け止め部材23は、側壁部9に固定される。
【0085】図18の(1)〜(3)を見れば、その固
定手段が具体的にわかる。まず(1)に見るように、抜
け止め部材23を挿入孔30から芯部材挿入孔14に挿
入すると、抜け止め突起部29が、側壁部9における内
側面12の切欠き部16に設けられた案内面16Aに裏
側から当たる。さらに、抜け止め部材23を表側に押し
込む。すると、(2)に見るように、抜け止め突起部2
9が切欠き部16を左右に弾性的に押し拡げる。そし
て、抜け止め突起部29が切欠き部16を通過して、第
1の開口部15、すなわちボタン凹部31内部に達す
る。すると、(3)に見るように、抜け止め突起部29
の表側寄りの一端が、ボタン凹部31の内面31a、す
なわちボタン凹部31内部の表側の壁面(天井面)に当
接し、切欠き部16が元に復帰して閉じる。このとき、
抜け止め部材23の裏側寄りの他端が、側壁部9の挿入
孔30を塞ぐように位置する。これにより、装身具の美
観が保たれる。抜け止め部材23は、ボタン凹部31の
内面31aに当接しているため、これ以上表側には移動
しない。また、抜け止め部材23は、その突起部29が
閉塞した切欠き部16を乗り越えられないため、これ以
上裏側には移動しない。さらに、抜け止め部材23の裏
側寄りの他端部近傍は、抜け止め部材用挿入孔に挿入さ
れているため、短手方向や長手方向に沿った平面方向に
もガタつくことはない。かくして、抜け止め突起部29
がボタン凹部31に確実に係合固定される。
【0086】抜け止め部材23が側壁部9に固定される
ことにより、芯部材22とプッシュボタン21が側壁部
9より抜脱しないように抜け止めされる。前述したよう
に、抜け止め部材23の裏側寄りの他端部近傍は、抜け
止め部材用挿入孔、すなわち、芯部材22の挿入孔28
に挿入されている。よって、芯部材22は、抜け止め部
材23と側壁部9との固定を介して、側壁部9の芯部材
挿入孔14より抜脱しないように抜け止めされる。
【0087】また、図18の(3)に見るように、抜け
止め部材23は、ボタン凹部31内部に到り、プッシュ
ボタン21における第1の作用部25と第2の作用部2
6との間に位置する。よって、プッシュボタン21が外
板本体1Aの内方に移動しようとも、第1の作用部25
と第2の作用部26とを繋ぐプッシュボタン21の基部
が、抜け止め部材23に当接するため、プッシュボタン
21は内方に向けて抜脱しない。また、プッシュボタン
21が外板本体1Aの外方に移動しようとも、プッシュ
ボタン21は、ボタン凹部31におけるボタン孔19が
穿設された底面に当接するため、外方に向けて抜脱しな
い。詳しくは、ストッパー部25Bがボタン孔19のス
トッパー部20Aに相対して当接し、ストッパー部26
Bがボタン孔19のストッパー部20Bに相対して当接
するため、プッシュボタン21は外方に向けて抜脱しな
い。短手方向に沿って、ボタン凹部31におけるボタン
孔19が穿設された底面と、抜け止め部材23との間に
は、所定の距離の隙間が設定される。この距離は、プッ
シュボタン21のストローク量である。図20と21に
示すように、プッシュボタン21は、ボタン凹部31に
おけるボタン孔19が穿設された底面と、抜け止め部材
23との間を、短手方向に沿って反復移動できる。長手
方向に沿って、プッシュボタン21とボタン凹部31と
の間には、プッシュボタン21の反復移動に支障を生じ
させない範囲で、隙間を少なくすることが好ましい。こ
れは、長手方向に沿ったプッシュボタン21のガタつき
を抑えるためである。
【0088】前述したように、抜け止め部材23は、ボ
タン凹部31内部に到り、プッシュボタン21における
第1の作用部25と第2の作用部26との間に位置す
る。これにより、ボタン凹部31は作用上から2つの凹
部に分割される。すなわち、第1の作用部25が位置し
たところが、第1の係合凹部17を成し、第2の作用部
26が位置したところが、第2の係合凹部18を成す。
第1の係合凹部17は、後述する第1の折り畳み部寄り
に位置し、また、第2の係合凹部18は、後述する第2
の折り畳み部寄りに位置することが後でわかろう。かく
して、プッシュボタン21は、第1、第2のの係合凹部
17、18の外方に位置して、装身具短手方向に沿って
第1、第2のの係合凹部17、18に隣接する。プッシ
ュボタン21の反復移動により、第1の作用部25は第
1の係合凹部17内を出没する。同様に、第2の作用部
26は、第2の係合凹部18内を出没する。
【0089】また、図26に示すように、一方の中板2
は、短冊状の中板本体2Aを有する。この中板本体2A
の装身具長手方向の一端部には連結用円環部(中板側連
結用円環部)33が形成される。中板本体2Aの装身具
長手方向の他端部は、この中板本体2Aの表裏面に対し
て、表側、すなわち外板1側とは反対側に屈曲される。
この屈曲部の短手方向の両側に、外板1側に突出するピ
ン取付部34がそれぞれ形成される。これらのピン取付
部34にはピン孔35がそれぞれ設けられる。そして、
中板本体2Aの裏側の面部には外板1側に起き上がる跳
上げ用ばね片36Aが設けてある。
【0090】また、図1に示すように、他方の中板3
は、短冊状の中板本体3Aを有する。この中板本体3A
の装身具長手方向の一端部には連結用円環部(中板側連
結用円環部)37が形成される。また、中板本体32A
の装身具長手方向の他端部は、この中板本体2Aの面部
に対して外板1側とは反対側に屈曲してあり、この屈曲
部の両側に外板1側に突出するピン取付部38が形成さ
れる。これらのピン取付部38にはピン孔(図示せず)
が設けてある。そして、中板本体3Aの面部には外板1
側に起き上がる跳上げ用ばね片36Bが設けてある。
【0091】また、図26に示すように、一方の表板4
は、板材を偏平なボックス状に折り曲げて形成される。
一方の表板4は、短手方向に貫通する箱体である。この
表板4における長手方向に沿った両側壁部40の、長手
方向の一端側には、連結孔41が設けてある。また、図
3に示すように、表板4の表面部4Aには取付孔39
A、裏面部4Bには取付孔39Bが設けられる。また、
図1に示すように、他方の表板5も、同様に板材を偏平
なボックス状に折り曲げて形成されており、この表板5
の両側壁部42の装身具長手方向の一端側には連結孔4
3が設けてある。また、表板5の表、裏面部5A、5B
には一方の表板4と同様に取付孔が設けてある。
【0092】そして、外板1の一端部には、これの一対
の連結用円環部7に、連結用円環部33を連結ピン43
で連結して一方の中板2の一端部が折り畳み可能に連結
される。また、外板1の他端部には、これの一対の連結
用円環部8に、連結用円環部37を連結ピン44で連結
して他方の中板3の一端部が折り畳み可能に連結され
る。連結手段については、詳しく後述する。
【0093】また、図26と27に示すように、一方の
中板2の他端部は、一方の表板4の両側壁部40間に挿
入される。そして、一方の中板4のピン取付部34と、
表板4の両側壁部40の連結孔41とに、第1のばね棒
45のピボット部45Aが挿入される。このとき、第1
のばね棒45のピボット部45Aは、一方の表板4の両
側壁部40の連結孔42より、短手方向に沿って外方に
突出する。よって、一方の中板2の他端部が、一方の表
板4に折畳み可能に連結される。また、図3に示すよう
に装身具Qの一端部には孔Q1が設けてあり、この孔Q
1にはナット部材90が挿入される。この装身具Qの一
端部を、一方の表板4内に挿入し、表板4の裏面部4B
に設けた孔39Bからねじ部材91を挿入してナット部
材90に螺合させる。そして、ねじ部材91の表側の一
端部を表板4の表面部4Aに設けた孔39Aに挿入させ
る。よって、一方の表板4に装身具Qの一端部が連結さ
れる。一方の表板4は装身具Qの一方端を構成する。一
方の表板4、一方の中板2とで、第1の折畳み部2Xー
1を構成する。
【0094】また、一方の表板4の両側壁部40の連結
孔41を貫通して外方に突出したピボット部45Aが、
第1の係合突起部46を成す。そして、この第1の係合
突起部46と前記側壁部9の第1の係合凹部17とで第
1の係合手段2Yー1を構成する。
【0095】また、同様に、他方の中板3の他端部は、
他方の表板5の両側壁部42間に挿入され、他方の中板
3のピン取付部38と、表板5の両側壁部42の連結孔
43とに、第2のばね棒47のピボット部47Aが挿入
される。よって、他方の中板3の他端部が、一方の表板
4が折畳み可能に連結される。また、他方の表板5には
装身具Qの他端部が、一方の表板4に装身具Qの一端部
を連結したと同様な連結手段で連結される。他方の表板
5は、装身具Qの他方端を構成する。他方の表板5と他
方の中板3とで、第2の折畳み部2Xー2を構成する。
【0096】また、第2のばね棒47のピボット部47
Aは、他方の表板5の両側壁部42の連結孔43を貫通
して、短手方向に沿って外方に突出する。このピボット
部47Aが、第2の係合突起部48である。そして、こ
の第2の係合突起部48と前記側壁部9の第2の係合凹
部18とで第2の係合手段2Yー2を構成する。
【0097】次に、上記のように構成された中留構造を
有する装身具Qを、例えば、手首に装着し、また、この
装着の解除して手首より外す操作を説明する。
【0098】当該中留構造を有する装身具Qは、常に輪
を形成する。この輪の内側に手首を通して、図28に示
すように、第1及び第2の折り畳み部2Xー1、2Xー
2を外板1の表側に向けて折り畳む。そして、第1、第
2の中板2、3を折り畳んで、外板1の表側に重ねる。
外板1の一対の側壁部9は、第1及び第2の折り畳み部
2Xー1、2Xー2より、短手方向に沿って外方に位置
する。よって、一対の側壁部9の間に、第1及び第2の
折り畳み部2Xー1、2Xー2が納められる。しかしな
がら、一対の側壁部9の間の距離は、第1及び第2の折
り畳み部2Xー1、2Xー2より突出する第1の係合突
起部46と第2の係合突起部48が通過できない寸法に
設定されている。
【0099】図29の(1)(2)、あるいは図30の
(1)(2)、に示すように、第1のばね棒45のピボ
ット部45Aである第1の係合突起部46が、外板1よ
り表側に向けて立設された側壁部9によって短手方向に
沿って押圧される。このとき、側壁部9の案内斜面9F
が利用される。よって、第1係合突起部46は、第1ば
ね棒45が内蔵する弾性手段であるコイルスプリング4
5Bの付勢力に抗して、装身具短手方向に沿って内方に
引っ込む。さらに、第1の折り畳み部2Xー1を外板1
に向けて移動させ、第1の折り畳み部2Xー1と外板1
とが、跳ね上げばね36Aに抗して装身具Aの表裏方向
に重なって閉じると、第1の係合突起部46が側壁部9
の第1の係合凹部17と相対する。すなわち、第1の係
合突起部46と第1の係合凹部17とプッシュボタン2
1とが、装身具短手方向に沿って同一平面内に並列す
る。図29の(2)、図30の(2)、図31に示すよ
うに、第1の係合突起部46がコイルスプリング45B
の付勢力により短手方向に沿って外方に移動して、第1
の係合凹部17に挿入される。よって、第1の係合突起
部46が第1の係合凹部17に係合し、第1の折り畳み
部2Xー1が外板1に係止される。第1の係合突起部4
6によって、プッシュボタン21は、その第1の作用部
25で装身具短手方向の外方に押されて移動し、プッシ
ュボタン21の押圧部24がボタン孔19より外方に突
出する。なお、前記跳ね上げばね36Aは第1の折畳み
部2X−1と外板1との間で、この第1の折畳み部2X
−1に寄り添うように撓められる。
【0100】第2の折り畳み部2Xー2も同様に操作さ
れる。第2の係合突起部47が、外板1の側壁部9によ
って短手方向に沿って押圧される。第2係合突起部48
は、第2のばね棒47が内蔵する弾性手段であるコイル
スプリング45Bの付勢力に抗して、装身具短手方向に
沿って内方に引っ込む。さらに、第2の折り畳み部2X
ー2を外板1に向けて移動させて表裏方向に重ねると、
第2の係合突起部47が側壁部9の第2の係合凹部18
と相対する。第2の係合突起部47がコイルスプリング
45Bの付勢力により外方に移動して、第2の係合凹部
18に挿入される。よって、第2の係合突起部47が第
1の係合凹部18に係合し、第2の折り畳み部2Xー2
が外板1に係止される。第2の係合突起部47によっ
て、プッシュボタン21は、その第2の作用部26で装
身具短手方向の外方に押される。跳ね上げばね36Bは
第2の折畳み部2X−2と外板1との間で撓められる。
かくして、装身具Qの一端部と他端部とを閉じて、この
装身具Qが手首に装着される。第1の折り畳み部2Xー
1、第2の折り畳み部2Xー2は、どちらから先に閉じ
てもかまわない。
【0101】そして、プッシュボタン21の、両方の押
圧部24を指で指圧し、短手方向に沿って内方に押す
と、外板1より第1の折り畳み部2Xー1、第2の折り
畳み部が同時に拡開する。図33(1)(2)を参照さ
れたい。プッシュボタン21を指圧すると、プッシュボ
タン21の第1の作用部25が、第1の係合突起部46
をコイルスプリング45Bに抗して短手方向に沿って押
す。第1の係合突起部46は、短手方向に沿って内方に
引っ込み、第1の係合凹部17より抜脱する。跳ね上げ
ばね36Aの弾発力により、一方中板2が外板1より遠
ざかる方向に跳ね上げられる。結果、第1折り畳み部2
Xー1が、装身具Qの表側に向けて外板1より拡開す
る。同時に、プッシュボタン21を指圧すると、第2の
作用部26が、第2の係合突起部48をコイルスプリン
グ45Bに抗して内方に押す。よって、第2の係合突起
部48が第2の係合凹部18より抜脱する。跳ね上げば
ね36Bの弾発力により、他方の中板3が開き、第2の
折り畳み部2Xー2が装身具Qの表側に向けて外板1よ
り拡開する。かくして、プッシュボタン21の指圧によ
り、装身具Qの一端部と他端部とが開放する。次いで、
装身具Qと中留構造が成す輪を開き、この装身具Qを手
首より外せば良い。なお、プッシュボタン21の第1、
第2の作用部25、26は、第1、第2の係合凹部1
7、18が側壁部9の内側面12に開いた開口(第1の
開口15)まで移動させてもよいし、この開口を越えて
内側面12より突出させてもよい。以上で明らかなよう
に、第1のばね棒45と第2のばね棒47は、中板と外
板の連結手段であると共に、外板と表板との係合手段を
も兼ねる。
【0102】なお、第1のばね棒45、第2のばね棒4
7を用いない構成も可能である。図34の(1)に示す
ように、一方の中板2の他端部を、一端側に向けてU字
形状に切り欠いて、短手方向に並列する片持ち状の2本
のアーム部50を形成する。アーム部50の開放端に、
短手方向に沿って外方に向け、ピン状突起部51を一体
に凸設する。2本のアーム部50を短手方向に沿って内
方に弾性的に撓ませ、ピン状突起部51を一方の表板4
の両側壁部40間に挿入する。そして、2本のアーム部
50の撓みを解除し、ピン状突起部51を第1の表板4
の両側壁部40に設けた連結孔41に挿入させる。そし
て、両側壁部40より短手方向に沿って外方に突出する
ピン状突起部51を、第1の係合突起部46とする。2
本のアーム部50は、短手方向に沿って弾性的に撓むた
め、かかる第1の係合突起部46を短手方向に付勢する
弾性手段を成す。また、他方の中板3も一方の中板2と
同様に形成して、他方の中板3のピン状突起部を他方の
表板5の両側壁部42に設けた連結孔43に挿入し、両
側壁部42より外方に突出させる。そして、ピン状突起
部51を第2の係合突起部48に成せば良い。かかる構
成は、ばね棒を用いないため、部品点数が少なく、よっ
て安価に製造することができる。
【0103】また、第1、第2の係合突起部46、48
は、一方及び他方の中板2、3に設けても良い。図35
と図36に示すように、一方の中板2の他端部に、短手
方向に並列する一対の連結用円環部55間にあって、長
手方向に沿って表側に向けて突出する突出片56を形成
する。この突出片56の開放端の先側に、保持用円環部
57を形成する。保持用円環部57は、一対の連結用円
環部55を長手方向に沿って越えて、外板1の内側に向
け、側壁部9に寄せて突出させる。ばね棒58を保持用
円環部57に挿通し、従来法によってばね棒58を保持
用円環部57内に保持させる。例えば、保持用円環部5
7を、その径方向にカシメめて固着させても良いし、ロ
ー付けや接着などの挿通保持手段を採用しても良い。こ
のとき、ばね棒58の両端のピボット部58Aは、保持
用円環部57より突出させる。
【0104】そして、図36に示すように、一対の連結
用円環部55を一方の表板4の両側壁部40間に挿入
し、この表板4の両側壁部40の連結孔42と連結用円
環部55とにばね棒59を挿入する。そして、一方の中
板2の他端部と一方の表板4とを折畳可能に連結する。
図37に示すように側面より見れば、ばね棒58は、両
側壁部40の外方で、かつ外板1の側壁部9に寄せて位
置する。このばね棒58の両端のピボット部58Aを第
1の係合突起部46とする。一方の表板4の表面部4A
には、長手方向に沿ってばね棒59に向けて延出した屋
根である庇部60を形成することが好ましい。なぜなら
ば、露出するばね棒58を、庇部60によって装身具の
表側から見えないように隠し、よって装身具の美観を保
つためである。また、他方の中板3の他端部も、一方の
中板2と同様にばね棒を保持し、そのピボット部を第2
の係合突起部48にすれば良い。
【0105】そして、図37に示すように、第1の係合
突起部46としてばね棒58のピボット部58Aを、前
述の折り畳み操作と同様にして、側壁部9に係合させ
る。第2の係合突起部48も同様に側壁部9に係合させ
る。このように、係合突起部は、折り畳み部のいずれか
の箇所に配されていれば良い。
【0106】また、図38と図39に示すのは、前述の
プッシュボタン21を変形させたものである。第1の作
用部25と第2の作用部26とを、短手方向に沿って連
架して、1つの作用部61が形成されている。詳しく
は、プッシュボタン21は、平面視で蒲鉾型の平板であ
り、その中央に表裏に貫通する抜け止め孔が穿設され
る。蒲鉾型の湾曲部分が押圧部24を成し、押圧部24
と対向する直線部分が作用部61を成す。プッシュボタ
ン21は、ボタン凹部31に挿入され、押圧部24をボ
タン孔19より外方に突出させる。側壁部9の裏面部9
Cに設けた挿入孔30から、芯部材挿入孔14に抜ける
抜け止め部材挿入孔に、抜け止め部材23を挿入させ
る。抜け止め部材23の半球状の抜け止め突起部29を
ボタン凹部31に係合させる。このとき、抜け止め部材
23の表側の端部は、プッシュボタン21の抜け止め孔
に挿入され、プッシュボタン21の抜け止めが成され
る。短手方向に沿って、プッシュボタン21の抜け止め
孔の内径は、抜け止め部材23の外径より大きく設定さ
れており、その径の差がプッシュボタン21のストロー
クである。かくして、プッシュボタン21は、短手方向
に沿って反復移動できる。その作用部61は、第1の係
合凹部17と第2の係合凹部18に出没可能に反復移動
する。かかるプッシュボタン21は、より簡単な構造
で、安価に製造することができる。
【0107】次に、側壁部9の形成方法、および外板1
の製造方法について述べる。図4と図5に示すように、
側壁部9は、外板1と共に、一枚の板材をプレスにて打
ち抜き、折り畳まれることにより形成される。すなわ
ち、一枚の板材を打ち抜き加工して、展開状態の外板本
体1Aを形成する。この外板本体1Aの長手方向に沿っ
た両側部中央には、短手方向に突出する突片9Aが形成
される。さらに、外板本体1Aの短手方向に沿った両端
部には、連結用円環部7、8の展開部位7−1、8−1
が形成される。展開部位7−1、8−1は、連結用円環
部7、8の装身具短手方向の外側を塞ぐ閉塞片7A、8
Aを備えている。また、外板本体1Aの両側部の縁辺に
は、補強用リブ9D、9Eの展開部位9D−1、9E−
1がそれぞれ形成される。突片9Aには、第1の開口部
15と、切欠き部16と、第2の開口部であるボタン孔
19と、第3の開口部である挿入孔30とが形成され
る。
【0108】そして、展開部位7−1、8−1をプレス
にて曲げ加工して、連結用円環部7、8を形成する。展
開部位9D−1、9E−1を曲げ加工して補強用リブ9
D、9Eを形成する。また、突片9Aを、第1の折り目
イ、および第2の折り目ロで折り曲げて、図5に実線で
示すように裏面部9Cと外側面13を形成する。さら
に、第3の折り目ハで折り曲げて図5に点線で示すよう
に内側面12を形成する。
【0109】このように、本発明における外板1は、プ
レスによる打ち抜き、および折り曲げて加工のみによっ
て、板材から容易にかつ安価に製造される。また、本発
明を構成する他の部材、すなわち、中板、プッシュボタ
ン、表板も、プレスにより板材から容易にかつ安価に製
造される構造であることが、今までの説明と図より理解
されるだろう。
【0110】次に、外板と中板の連結手段について述べ
る。図25の(1)、(2)、(3)に示すように、一
対の連結用円環部7の間に一方の中板2の連結用円環部
33が挿入され、一方の連結用円環部7から連結ピン4
3が連結用円環部7、33、7に挿入される。次いで、
閉塞片7Aを、例えばプレスにて折り曲げて、連結用円
環部7の外側開口部を塞ぐ。よって、外板1の一端部に
一方の中板2の一端部が折り畳み可能に連結される。ま
た、外板1の他端部と他方の中板3の一端部との連結
も、上記した外板1の一端部と一方の中板2の一端部と
の連結と同様に、連結ピンを挿入し、閉塞片8Aを折り
曲げて、連結用円環部8の外側開口部を塞げば良い。以
上の説明から、本発明の中留具は、板材よりプレスのみ
にて容易に製造され、かつ組立も容易であることがわか
る。プッシュボタンは、抜け止め部材23を側壁部9に
押し込むだけで容易に組み込まれることは前述した。完
成した中留具を得るための全ての工程は、容易で安価で
ある。例えば、本発明の中留具は、自動機械により、板
材から製造と組立を一貫して行い、よって完成させるこ
とも可能である。
【0111】上記した実施例1によれば、プッシュボタ
ン21には、従来のように降り畳み部と係合するフック
部を設ける必要がない。よって、プッシュボタン21を
簡単な形状にすることができて、プッシュボタン21を
容易に且つ安価に製造できる。加えて、プッシュボタン
21を外方に付勢する弾性手段を、装身具短手方向に沿
ってプッシュボタン21と並列して設ける必要がない。
よって、本発明の中留構造は、装身具短手方向に沿った
幅を狭くすることができる。
【0112】また、本発明の中留構造は、第1、第2の
折り畳み部2Xー1、2Xー2の第1、第2の係合突起
部46、48が、外板1の第1、第2の係合凹部17、
18と、装身具短手方向に沿って並列して係合する。よ
って、プッシュボタン21と第1、第2の折り畳み部2
Xー1、2Xー2が装身具Qの表裏方向に沿って上下に
重なって係合する従来の中留構造に比べ、本発明の中留
構造は、装身具Qの表裏方向の厚みを薄くすることがで
きる。したがって、装身具短手方向に沿った幅が狭く、
かつ装身具Qの表裏方向の厚みが薄い中留構造を安価に
製造することができる。例えば、女性用のブレスレット
に代表される細身の装身具に適合する小形の中留構造
を、安価に提供することができる。
【0113】また、中留構造は、2つのプッシュボタン
21を備える両プッシュ型であるために、第1、第2の
折り畳み部2Xー1、2Xー2を外板1より開放するに
は、外板1の装身具短手方向の両側にある一対の側壁部
9の双方のプッシュボタン21を共に押圧しなければな
らない。どちらか一方の片側のプッシュボタン21を押
圧して、第1の係合突起部46と第1の係合凹部17と
の場合を外そうとも、第2の係合突起部48と第2の係
合凹部18との係合は維持される。よって、一方の片側
のプッシュボタン21を押圧しただけでは、第1、第2
の折り畳み部2Xー1、2Xー2を外板1より開放する
ことはできない。これは、不用意な外力の負荷により、
どちらか一方のプッシュボタン21が押圧されても、装
身具Qが脱落しないことを意味する。すなわち、装身具
Qの意図しない脱落を防ぐことができる。
【0114】また、外板1の装身具短手方向の両側にあ
る一対の側壁部9が備える双方のプッシュボタン21の
うち、一方の両側のプッシュボタン21を押圧するだけ
で、第1、第2の係合突起部46、48と第1、第2の
係合凹部17、18との係合を共に解除することができ
る。すなわち、一方の両側のプッシュボタン21を押圧
するだけで、容易に第1、第2の折り畳み部2Xー1、
2Xー2と外板1との係合を共に解除して、第1、第2
の折り畳み部2Xー1、2Xー2を外板1より開放する
ことができる。
【0115】また、第1の係合突起部46が、前記中板
2の他端と前記装身具Qの一方端としての一方の表板4
とを回転可能に連結する連結部を兼ねる。また、第2の
係合突起部48が、他方の中板3の他端部と前記装身具
Qの他方端としての他方の表板5を回転可能に連結する
連結部を兼ねる。これにより、部品点数を減らすことが
でき、かつ容易に組み立てることができる。
【0116】また、第1の係合突起部46が、一方の中
板2の他端部と前記装身具Qの一方端としての一方の表
板4とを回転可能に連結する第1のばね棒45のピボッ
ト部45Aである。第2の係合突起部48が、他方の中
板3の他端部と前記装身具Qの他方端としての他方の表
板5の他端部とを回転可能に連結する第2のばね棒47
のピボット部である。これにより、係合突起部、係合突
起部を付勢する弾性手段、および中板2、3と装身具Q
との連結部を、ばね棒1つで兼ねることができ、大幅に
部品点数を減らすことができる。特に、ばね棒45、4
7は、その両端にピボット部45Aを備えるので、第
1、第2の折り畳み部2Xー1、2Xー2における装身
具長手方向に沿う両縁辺部に各々一対の係合突起部4
6、48を配する場合に適している。
【0117】また、プッシュボタン21の基部25A、
26Aを側壁部9のボタン凹部31内部に挿入し、次い
で挿入孔30より抜け止め部材23を挿入し、基部25
A、26Aと相対する位置に位置決めしつつ、固定手段
によって抜け止め部材23を側壁部9に固定する。よっ
て、プッシュボタン21を側壁部9に極めて容易に組み
込むことができる。また、挿入孔30を側壁部9の裏面
に開口するように設けたので、装身具Qを表側から見る
限り挿入孔30は見えない。よって、装身具Qの美観を
貶めることがない。
【0118】また、前記外板1より装身具短手方向に沿
って突出した突片9Aの折り曲げ加工によって、装身具
長手方向に沿って貫通した貫通孔14を有する中空体と
して前記側壁部9を形成し、貫通孔部14内部に芯部材
22が挿入されて、前記ボタン凹部31、前記ボタン孔
19および前記挿入孔30以外の前記貫通孔14が充填
されることにより、中留構造の側壁部9を安価に作製す
ることができる。この側壁部9を、ムク材により作製し
ようとすると、材料費が高価になってしまう。かかる構
成は、製造コストを解決する。
【0119】なお、上記した実施例1の場合には、一方
の表板4を介して一方の中板2を装身具Qの一端部に連
結し、また、他方の表板5を介して他方の中板3を装身
具Qの他端部に連結したが、本発明にあっては、一方及
び他方の表板4、5を無くして、一方の中板2を装身具
Qの一端部に連結し、また、他方の中板3を装身具Qの
他端部に連結した構成にしてもよい。
【0120】(実施例2)本発明に係わる装身具の中留
構造の実施例2を、図40に示す。図40は、実施例2
の斜視図である。
【0121】実施例2は、片プッシュ型の中留構造であ
る。上記した実施例1の装身具の中留構造にあっては、
側壁部9は、外板1の長手方向に沿った両縁辺に、短手
方向に相対して一対に形成された。実施例2において
は、側壁部9は、外板1の長手方向に沿った縁辺の片側
のみに形成される。第1、第2の係合突起部46、48
は、片側の側壁部9の第1、第2の係合凹部17、18
にのみ係合させれば良いため、片方のみに形成される。
詳しくは、ばね棒のピボット部は、表板4、5より、短
手方向に沿って側壁部9の有る方向に向けてのみ突出さ
せてある。しかしながら、実施例1と同様に、ばね棒の
ピボット部を、短手方向に沿って両側に突出させても、
折り畳みの操作そのものには何ら支障はない。そして、
他の構成は、上記した実施例1の装身具の中留構造と同
構成であるために、同じ符号を付して説明を省略する。
【0122】中留構造を有する装身具Qが成す輪に手首
を通して、第1及び第2の折り畳み部2Xー1、2Xー
2を外板1側に折り畳む。すなわち、第1、第2の中板
2、3を外板1の表側に重なるように折り畳むと、第
1、第2のばね棒45、47のピボット部45A、47
Aで構成して成る、片側のみの第1、第2の係合突起部
46、48が、外板1より表側に向けて立設された側壁
部9によって押圧される。
【0123】よって、第1、第2の係合突起部46、4
8は、第1、第2のばね棒45,47が内蔵する弾性手
段であるコイルスプリング45Bの付勢力に抗して、装
身具短手方向に沿って内方に引っ込む。さらに、第1の
折り畳み部2Xー1を外板1に向けて移動させ、第1の
折り畳み部2Xー1と外板1とが,跳ね上げばね36
A、36Bに抗して装身具Qの表裏方向に重なって閉じ
ると、第1の係合突起部46が側壁部9の第1の係合凹
部17と相対する。すると、第1の係合突起部46がコ
イルスプリング45Bの付勢力により外方に移動して、
第1の係合凹部17に挿入される。よって、第1の係合
突起部46が第1の係合凹部17に係合し、第1の折り
畳み部2Xー1が外板1に係止される。第1の係合突起
部46の第1の係合凹部17への係合により、第1の係
合突起部46によって、前記プッシュボタン21は、そ
の第1の作用部25で装身具短手方向の外方に押されて
移動し、プッシュボタン21の押圧部24がボタン孔1
9より外方に突出する。
【0124】また、第2の折り畳み部2Xー2を外板1
に向けて移動させ、第2の折り畳み部2Xー2と外板1
とが装身具Qの表裏方向に重なって閉じると、第2の係
合突起部48が側壁部9の第2の係合凹部18と相対す
る。すると、第2の係合突起部48がコイルスプリング
45Bの付勢力により外方に移動して、第2の係合凹部
18に挿入される。この場合、第2の係合突起部48が
前記プッシュボタン21の第2の作用部26を押すよう
になる。よって、第2の係合突起部48が第2の係合凹
部18に係合し、第2の折り畳み部2Xー2が外板1に
係止される。よって、装身具Qの一方端と他方端とを閉
じて、この装身具Qが手首に装着される。
【0125】そして、前記プッシュボタン21の押圧部
24を指で内方に押すことにより、プッシュボタン21
の第1、第2の作用部25,26で、第1、第2の係合
突起部46、48をコイルスプリング45Bに抗して押
して、第1、第2の係合突起部46、48を第1、第2
の係合凹部17、18より抜き出すことにより、一方及
び他方の中板2、3を跳ね上げばね36A、36Bの弾
発力により跳ね上げて、第1、第2の前記折り畳み部2
Xー1、2Xー2を装身具Qの表側に向けて外板1より
拡開すれば、すなわち、第1、第2の中板2、3を外板
1より拡開すれば、装身具Qの一端部と他端部とを開放
することができる。このようにして装身具Qと中留構造
が成す輪を開き、この装身具Qを手首より外す。
【0126】(実施例3)本発明に係わる装身具の中留
構造の実施例3を、図41に示す。図41は、実施例3
の斜視図である。
【0127】実施例3は、三ッ折れ型の中留構造であ
る。当該中留は、三ッ折れ構成の中折れ部材Cを有して
いる。この中折れ部材Cは、外板71と、中板72と、
表板73とから大略構成される。
【0128】外板71は、短冊状の外板本体71Aを有
する。この外板本体71Aの長手方向の一端部には、こ
の外板本体71Aと一体に形成された連結用円環部74
が一対設られる。また、外板本体71Aの他端部には、
この外板本体71Aと一体に形成された連結用円環部7
5が一対設けられる。
【0129】また、外板本体71Aの長手方向に沿った
縁辺部には、短手方向に相対し、かつその他端部側に寄
せて、一対の側壁部76が形成される。側壁部76は、
外板71の面部に対して直角の折り曲げて形成してあ
り、外板71の表側に向けて立ち上がっている。
【0130】外板71の一端部には、中板72の一端部
が折り畳み可能に連結される。詳しくは、外板71の一
対の連結用円環部74と、中板72の連結用円環部80
が、実施例1と同様に、連結ピン81により連結され
る。中板72の他端部は、表板73の両側壁部82間に
挿入され、ばね棒84によって両者は折畳み可能に連結
される。すなわち、実施例1と同じく、中板72のピン
取付部74のピン孔(図示せず)と、表板74の両側壁
部82の連結孔83とに、ばね棒84のピボット部84
Aが挿入されて連結される。また、表板73に装身具Q
の一端部が連結される。そして、表板74は装身具Qの
一方端を構成する。かくして、第1の折畳み部2Xー1
が構成される。
【0131】また、外板71の一対の連結用円環部75
と装身具Qの連結部85が、連結ピン86によって連結
される。よって、外板71の他端部に、装身具Qの他端
部が折り畳み可能に連結される。
【0132】ばね棒84のピボット部84Aは、一方の
表板74の両側壁部82の連結孔83を貫通して、短手
方向に沿って外方に突出する。このピボット部84Aが
係合突起部77である。そして、この係合突起部77と
側壁部76の係合凹部79とで係合手段2Yー1を構成
する。
【0133】側壁部76は、上記した実施例1の側壁部
9と略同構成である。しかしながら、折り畳み部2Xー
1が1つであって、この折り畳み部2Xー1が具備する
一対の係合突起部77が係合するだけであるために、側
壁部76の係合凹部79は、上記した実施例1の場合の
ような第1、第2の係合凹部17、18を構成する必要
はない。第1の係合凹部17に相当する大きさの、1つ
の係合凹部79が有れば良い。よって、側壁部76の装
身具長手方向の長さLは、上記した実施例1のの側壁部
9の長さに比べ、より小さくなっている。
【0134】次に、上記のように構成された中留構造を
有する装身具Qを、例えば、手首に装着し、また、この
装着を解除して手首より外す操作を説明する。
【0135】中留構造を有する装身具Qが成す輪に手首
を通して、折り畳み部2Xー1を外板71側に折り畳
む。すなわち、中板72を外板71の表側に重なるよう
に折り畳むと、ばね棒84のピボット部84Aである係
合突起部77が、外板71より表側に向けて立設された
側壁部76によって押圧される。よって、係合突起部7
7は、ばね棒84が内蔵する弾性手段であるコイルスプ
リング(図示せず)の付勢力に抗して、装身具短手方向
に沿って内方に引っ込む。さらに、折り畳み部2Xー1
を外板71に向けて移動させ、折り畳み部2Xー1と外
板71とが、跳ね上げばね87に抗して装身具Qの表裏
方向に重なって閉じると、係合突起部77が側壁部76
の係合凹部79と相対する。すると、係合突起部77が
コイルスプリングの付勢力により外方に移動して、係合
凹部79に挿入される。よって、係合突起部77が係合
凹部79に係合し、折り畳み部2Xー1が外板71に係
止される。係合突起部77の係合凹部79への係合によ
り、係合突起部77によって、前記プッシュボタン21
は装身具短手方向の外方に押されて移動し、プッシュボ
タン21の押圧部24がボタン孔19より外方に突出す
る。よって装身具Qの一方端と他方端とを閉じて、この
装身具Qが手首に装着される。
【0136】そして、前記プッシュボタン21の、両方
の押圧部24を指で摘み、内方に押すことにより係合突
起部77をコイルスプリングに抗して押して係合凹部7
9より抜き出すと、跳ね上げばね87の弾発力により中
板72が外板71側とは反対側に開き、前記折り畳み部
2Xー1が装身具Qの表側に向けて外板71より拡開
し、装身具Qの一方端と他方端とを開放する。このよう
にして装身具Qと中留構造が成す輪を開き、この装身具
Qを手首より外す。
【0137】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
おけるプッシュボタンは、従来のように、折畳み部と係
合するフック部を設ける必要がない。よって、プッシュ
ボタンを簡単な形状にすることができて、プッシュボタ
ンを、容易に且つ安価に製造することができる。加え
て、プッシュボタンを外方に付勢する弾性手段を、装身
具短手方向に沿ってプッシュボタンと並列して設ける必
要がないので、中留構造の装身具短手方向に沿った幅を
狭くすることができる。
【0138】また、本発明の中留構造は、折畳み部の係
合突起部と外板の係合凹部とが、装身具短手方向に沿っ
て並列して係合する。よって、プッシュボタンと折畳み
部が装身具の表裏方向に沿って上下に重なって係合する
従来の中留に比べ、装身具の表裏方向の厚みを薄くする
ことができる。
【0139】また、折畳み部の係合突起部、外板の側壁
部の係合凹部およびプッシュボタンが、装身具短手方向
に沿って並列し、互いに装身具の表裏方向に沿って上下
に重なることがない。よって、中留構造の装身具の表裏
方向の厚みを薄くすることができる。
【0140】また、本発明の中留構造は、2つのプッシ
ュボタンを備える両プッシュ型の中留構造に成すことが
できる。折畳み部を外板より開放するには、2つのプッ
シュボタンを共に押圧しなければならない。どちらか一
方のプッシュボタンを押圧して、一方の係合突起部と係
合凹部との場合を外そうとも、他方の係合突起部と係合
凹部との係合は維持される。よって、一方のプッシュボ
タンを押圧しただけでは、折畳み部を外板より開放する
ことはできない。これは、不用意な外力の負荷により、
どちらか一方のプッシュボタンが押圧されても、装身具
が脱落しないことを意味する。すなわち、装身具の意図
しない脱落を防ぐことができる。
【0141】また、本発明の中留構造は、観音開き型に
することができる。1つのプッシュボタンを押圧するだ
けで、第1、第2の係合突起部と係合凹部との係合を共
に解除することができる。すなわち、1つのプッシュボ
タンを押圧するだけで、容易に第1、第2の折畳み部と
外板との係合を共に解除して、第1、第2の折畳み部を
外板より開放することができる。また、第1、第2の折
畳み部に一対の係合突起部を各々設け、且つ外板に一対
の側壁部を設けて、その各々に係合凹部とプッシュボタ
ンを配設すれば、観音開き型で、かつ両プッシュ型の中
留構造と成すことができる。
【0142】また、第1の係合突起部が、一方の中板の
他端部と装身具の一端部とを回転可能に連結する連結部
を兼ねること、第2の係合突起部が、他方の中板と装身
具の他端部とを回転可能に連結する連結部を兼ねること
のうち、少なくともいずれか一方を備えることにより、
部品点数を減らすことができ、かつ容易に組み立てるこ
とができる。
【0143】また、第1の係合突起部が、一方の中板の
他端と装身具の一端部とを回転可能に連結する第1のば
ね棒のピボット部であること、第2の係合突起部が、他
方の中板と装身具の他端部とを回転可能に連結する第2
のばね棒のピボット部であることのうち、少なくともい
ずれか一方を備えることにより、中板と装身具との連結
部を兼ねる係合突起部には、ばね棒のピボット部を用い
ることができる。すなわち、ばね棒は、その両端に備え
るピボット部を、その軸方向に沿って外方に付勢する弾
性手段(コイル・スプリング)を有し、かつ連結軸とし
て用いることができるからである。これにより、係合突
起部、係合突起部を付勢する弾性手段および中板と装身
具との連結部を、ばね棒1つで兼ねることができ、大幅
に部品点数を減らすことができる。特に、ばね棒は、そ
の両端にピボット部を備えるので、折畳み部における装
身具長手方向に沿う両縁辺部に各々一対の係合突起部を
配する場合に適している。
【0144】また、挿入孔を側壁部の裏面に開口するよ
うに設けたので、装身具を表側から見る限り挿入孔は見
えない。よって、装身具の美観を貶めることがない。
【0145】本発明における中留構造の側壁部は、外板
より突出した突片の折り曲げ加工によって、側壁部を貫
通孔を有する中空体として形成し、貫通孔内部に芯部材
を充填して作製する。これにより、加工が容易であるば
かりか、極めて安価に側壁部を作製することができる。
【0146】また、抜け止め部材と側壁部を固定する固
定手段は、芯部材と側壁部を固定する固定手段を兼ね
る。これにより、部品点数や加工負荷を大きく削減でき
る。
【0147】また、プレス加工によって、第1、第2、
第3の開口、切欠き部および貫通孔を有する側壁部が容
易に完成する。また、側壁部を備える外板は、プレス加
工のみによって、板材より作製できるため、加工は容易
であり、かつ安価である。
【0148】また、本発明の中留構造を観音開き型にし
た場合、第1、第2の係合突起部の各々を、一対の第
1、第2の係合凹部各々に別々に係合させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装身具の中留構造(実施例1)の斜視
図である。
【図2】同装身具の中留構造(実施例1)の分解状態の
斜視図である。
【図3】同装身具の中留構造(実施例1)において表板
と装身具の端部との連結部分の分解状態の斜視図であ
る。
【図4】同装身具の中留構造(実施例1)において外板
の展開状態の斜視図である。
【図5】同外板の斜視図である。
【図6】同外板の側壁部の斜視図である。
【図7】図5のK方向からの矢視図である。
【図8】図5のL方向からの矢視図である。
【図9】図5のM方向からの矢視図である。
【図10】図5のD−D線に沿う断面図である。
【図11】図5のE−E線に沿う断面図である。
【図12】同外板の側壁部内に芯部材を挿入する状態の
斜視図である。
【図13】同外板の側壁部において芯部材内にプッシュ
ボタンを挿入する状態の斜視図である。
【図14】同芯部材内にプッシュボタンを挿入した状態
の斜視図である。
【図15】図13のF−F線に沿う断面図である。
【図16】(1)は抜け止め部材の側面図である。
(2)は同抜け止め部材の斜視図である。
【図17】同外板の側壁部内に抜け止め部材を挿入する
状態の斜視図である。
【図18】(1)、(2)、(3)は同外板の側壁部内
に抜け止め部材を挿入する順序の説明図である。
【図19】同外板の側壁部に、プッシュボタン、芯部材
及び抜け止め部材を収納した係止機構部の斜視図であ
る。
【図20】同係止機構部の一部省略した斜視図である。
【図21】同係止機構部においてプッシュボタンを押し
た状態の一部省略した斜視図である。
【図22】図18のG方向からの矢視図である。
【図23】図18のH−H線に沿う断面図である。
【図24】図18のI−I線に沿う断面図である。
【図25】(1)、(2)、(3)は外板と中板との連
結の順序を示す説明図である。
【図26】本発明の装身具の中留構造(実施例1)にお
ける第1の折畳み部の分解状態の斜視図である。
【図27】同第1の折畳み部の組立状態の斜視図であ
る。
【図28】本発明の装身具の中留構造(実施例1)の作
動説明図である。
【図29】(1)図27のJ−J線から見た第1の折畳
み部の折畳み途中の断面図である。(2)は同第1の折
畳み部を折畳んだ状態の断面図である。
【図30】(1)第1の折畳み部の折畳み途中の斜視図
である。(2)は同第1の折畳み部を折畳んだ状態の斜
視図である。
【図31】第1の折畳み部を折畳んだ状態でのプッシュ
ボタンの挙動を説明する斜視図である。
【図32】第1の折畳み部を折畳んだ状態から拡開する
ためにプッシュボタンを押した状態を説明する斜視図で
ある。
【図33】(1)は第1の折畳み部を折畳んだ状態から
拡開するためにプッシュボタンを押した状態を説明する
断面図である。(2)は同第1の折畳み部の拡開途中の
断面図である。
【図34】(1)は第1の折畳み部の他の実施例の分解
状態の斜視図である。(2)は同組立状態の斜視図であ
る。
【図35】第1の折畳み部の別の他の実施例の分解状態
の斜視図である。
【図36】同組立状態の斜視図である。
【図37】第1の折畳み部の別の他の実施例の側面図で
ある。
【図38】プッシュボタンの他の実施例の取付状態の斜
視図である。
【図39】同プッシュボタンの取付状態の説明図であ
る。
【図40】本発明の装身具の中留構造(実施例2)の斜
視図である。
【図41】本発明の装身具の中留構造(実施例3)の斜
視図である。
【図42】(1)は従来の装身具の中留構造の平面図で
ある。(2)は同中留構造の側面図である。
【図43】(1)は従来の装身具の中留構造のプッシュ
ボタンと、プッシュボタン装着部との分解状態の斜視図
である。(2)は同組立図である。
【図44】従来の他の装身具の中留構造の分解状態の斜
視図である。
【図45】同中留構造のプッシュボタン機構部の平面図
である。
【符号の説明】
1 外板 2 一方の中板 3 他方の中板 9 側壁部 14 芯部材挿入孔(貫通孔) 15 第1の開口 16 切欠き部 17 係合凹部 18 係合凹部 19 ボタン孔(第2の開口) 21 プッシュボタン 22 芯部材 23 抜け止め部材 27 第4の開口 29 抜け止め突起部 30 挿入孔(第3の開口) 46 係合突起部 2X−1 第1の折畳み部 2X−2 第2の折畳み部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外板の一端部に中板の一端部を連結し、
    前記中板の他端部に装身具の一端部を連結し、前記外板
    の他端部に前記装身具の他端部を連結し、前記中板と前
    記装身具の一端部とが成す折畳み部が前記外板に折り畳
    まれて閉じる形態の装身具の中留構造であって、前記折
    畳み部と前記外板とを係脱可能に係合する係合手段を備
    え、前記係合手段は、前記折畳み部に配され、弾性手段
    によって装身具短手方向に沿って前記折畳み部の外方に
    付勢される係合突起部と、前記外板に、前記係合突起部
    と相対して凹設されて前記折畳み部より装身具短手方向
    に沿って外方に位置し且つ前記外板の内方を向く係合凹
    部と、前記外板に配されて前記外板の外方から前記係合
    凹部内部への経路を反復移動可能なプッシュボタンとを
    備え、前記折畳み部を前記外板に折り畳むことにより、
    前記係合突起部を前記係合凹部内部に挿入して係合し、
    前記プッシュボタンを前記外板の内方に指圧すると、前
    記プッシュボタンが前記係合凹部内部に位置した前記係
    合突起部を押圧し、前記係合凹部より前記係合突起部が
    離脱することを特徴とする装身具の中留構造。
  2. 【請求項2】 前記外板は、装身具長手方向に沿った縁
    辺部より装身具の表側に向けて立ち上がって形成され且
    つ装身具短手方向に沿って前記折畳み部より外方に位置
    する側壁部を備え、前記側壁部における前記外板の内方
    に向いた内側面に前記係合凹部を形成し、前記側壁部に
    おける前記外板の外方に向いた外側面に前記プッシュボ
    タンを配した請求項1記載の装身具の中留構造。
  3. 【請求項3】 前記折畳み部における装身具長手方向に
    沿う両縁辺部に各々配された一対の前記係合突起部と、
    前記外板における装身具長手方向に沿う両辺縁部に各々
    立ち上がって形成された一対の前記側壁部と、前記側壁
    部の各々に形成された前記係合凹部と、前記側壁部の各
    々に配された前記プッシュボタンとを備えた請求項2記
    載の装身具の中留構造。
  4. 【請求項4】 前記折畳み部を第1の折畳み部としたと
    き、前記外板の他端部と前記装身具の他端部との間に他
    方の中板を連結し、前記他方の中板と前記装身具の他端
    部とで第2の折畳み部を構成し、前記係合突起部を第1
    の係合突起部としたとき、前記第2の折畳み部に、弾性
    手段によって装身具短手方向に沿って前記他方の折畳み
    部の外方に付勢された第2の係合突起部を設け、前記第
    1の係合突起部と前記第2の係合突起部とを共に前記係
    合凹部内部に挿入して係合し、且つ前記プッシュボタン
    を前記側壁部の内方に指圧すると、前記プッシュボタン
    が前記係合凹部内部に位置した前記第1の係合突起部と
    前記第2の係合突起部とを押圧し、前記係合凹部より前
    記第1の係合突起部と前記第2の係合突起部とを離脱さ
    せる請求項2又は請求項3記載の装身具の中留構造。
  5. 【請求項5】 前記第1の係合突起部が、前記中板の他
    端部と前記装身具の一端部とを回転可能に連結する連結
    部を兼ねることと、前記第2の係合突起部が、前記他方
    の中板と前記装身具の他端部とを回転可能に連結する連
    結部を兼ねることのうち、少なくともいずれか一方を備
    える請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の装身具の
    中留構造。
  6. 【請求項6】 前記第1の係合突起部が、前記中板の他
    端と前記装身具の一端部とを回転可能に連結する第1の
    ばね棒のピボット部であることと、前記第2の係合突起
    部が、前記他方の中板と前記装身具の他端部とを回転可
    能に連結する第2のばね棒のピボット部であることのう
    ち、少なくともいずれか一方を備える請求項1乃至請求
    項5のいずれかに記載の装身具の中留構造。
  7. 【請求項7】 前記側壁部は、その内側面に装身具短手
    方向に沿って凹設され且つ前記外板の内方を向いた底面
    を有するボタン凹部と、前記外側面より前記底面の一部
    へと装身具短手方向に沿って貫通するボタン孔とを備
    え、前記プッシュボタンは、前記ボタン凹部内部に挿入
    され且つ前記ボタン孔を通過できない大きさを有する基
    部と、前記基部より前記外板の外方に向けて延出し且つ
    前記ボタン孔より前記側壁部の外方へと突出する押圧部
    と、前記基部より前記外板の内方に向けて延出し且つそ
    の先端部が前記係合突起部と当接する作用部とを備え、
    前記基部より前記外板の内方に寄せて位置し且つ前記作
    用部以外の前記基部と相対して前記側壁部に固定される
    抜け止め部材を含み、前記底面と前記抜け止め部材との
    間を、前記基部が装身具短手方向に沿って反復移動でき
    るように構成され、これにより、前記プッシュボタンが
    装身具短手方向に沿って反復移動できるように前記側壁
    部に保持され且つ前記基部が最も前記底面よりに移動し
    たときの前記作用部の位置から前記ボタン凹部の前記内
    側面への開口に至る空間を前記係合凹部と成した請求項
    2乃至請求項6のいずれかに記載の装身具の中留構造。
  8. 【請求項8】 前記抜け止め部材は、前記側壁部の裏面
    より前記ボタン凹部に向けて穿設された挿入孔より挿入
    され、前記抜け止め部材は前記挿入孔に案内されて、前
    記抜け止め部材における装身具の表側寄りの一端が前記
    ボタン凹部内部に位置し、かつ前記作用部以外の前記基
    部と相対する位置に位置決めされるように、前記抜け止
    め部材と前記側壁部とを固定する固定手段を備えた請求
    項7記載の装身具の中留構造。
  9. 【請求項9】 前記外板より装身具短手方向に沿って突
    出した突片の折り曲げ加工によって、装身具長手方向に
    沿って貫通した貫通孔を有する中空体として前記側壁部
    を形成し、前記貫通孔内部に芯部材が挿入されて、前記
    ボタン凹部、前記ボタン孔および前記挿入孔以外の前記
    貫通孔が充填される請求項7又は請求項8記載の装身具
    の中留構造。
  10. 【請求項10】 前記側壁部は、装身具長手方向に沿っ
    た全長にわたって貫通した貫通孔と、前記内側面より前
    記貫通孔へと通ずる第1の開口と、前記外側面より前記
    貫通孔へと通じ且つ前記第1の開口と相対する位置に、
    前記第1の開口より小さく開口した第2の開口と、前記
    側壁部の裏面より前記貫通孔へと通ずる第3の開口とを
    備え、前記貫通孔に挿入されて前記側壁部に固定される
    芯部材が用意され、前記芯部材は、前記第1の開口と同
    じ形状で装身具短手方向に貫通する第4の開口と、前記
    第4の開口より、装身具の裏側に向けて外方に貫通する
    縦孔とを備え、よって、前記貫通孔に前記芯部材を挿入
    し、前記第1の開口と前記第4の開口とを一致させて前
    記ボタン凹部と成すと共に、前記第2の開口を前記ボタ
    ン孔と成し且つ前記第3の開口と前記縦孔とを一致させ
    て前記挿入孔と成し、さらに前記挿入孔へ前記抜け止め
    部材を挿入し、前記固定手段によって前記抜け止め部材
    と前記側壁部とを固定することによって、前記芯部材が
    前記貫通孔内部に固定される請求項7乃至請求項9のい
    ずれかに記載の装身具の中留構造。
  11. 【請求項11】 前記固定手段は、前記抜け止め部材に
    形成され且つ装身具短手方向に沿って前記外板の内方に
    向けて突出し、且つ前記挿入孔における装身具短手方向
    に沿った内径を越えて前記抜け止め部材より突出する抜
    け止め突起部と、前記側壁部の内側面に形成され且つ前
    記挿入孔に沿って前記挿入孔に通ずるように切断された
    切欠き部とを備え、前記挿入孔に前記抜け止め部材を挿
    入し、前記抜け止め突起部により、前記切欠き部を拡開
    するように前記側壁部の内側面を前記外板の内方に向け
    て弾性変形させつつ、前記抜け止め突起部を前記挿入孔
    より前記ボタン凹部内部へと通過させ、前記抜け止め突
    起部と前記ボタン凹部とを係合させることにより、前記
    抜け止め部材と前記側壁部とを固定するようにした請求
    項8乃至請求項10のいずれかに記載の装身具の中留構
    造。
  12. 【請求項12】 前記外板より装身具短手方向に沿って
    突出した突片に、前記第1の開口、前記第2の開口、及
    び前記第3の開口を穿設し、且つ前記第2の開口より前
    記突片の先端部にかけて前記切欠き部を切断し、前記突
    片を、前記外板の表側に向け且つ前記突片の先端部が前
    記外板の表側と相対するように逆U字型に折り曲げ、さ
    らに折り曲げられた前記突片の内部に前記貫通孔を成す
    隙間を設け、前記突片を折り曲げ加工により前記側壁部
    と成した請求項10記載の装身具の中留構造。
  13. 【請求項13】 前記プッシュボタンは、前記作用部を
    第1の作用部としたとき、前記第1の作用部と一対を成
    す第2の作用部を備え、前記係合凹部を第1の係合凹部
    としたとき、前記基部が最も前記底面寄りに移動したと
    きの前記第2の作用部の位置から、前記ボタン凹部の前
    記内側面への開口に至る空間を、前記第1の係合凹部と
    一対を成す前記第2の係合凹部と成し、前記第1の係合
    凹部に前記第1の係合突起部を挿入して係合し、前記第
    2の係合凹部に前記第2の係合突起部を挿入して係合
    し、前記プッシュボタンを前記側壁部の内方に指圧する
    と、前記第1の作用部が前記第1の係合突起部を押圧
    し、前記第2の作用部が前記第2の係合突起部を押圧す
    る請求項4乃至請求項12のいずれかに記載の装身具の
    中留構造。
  14. 【請求項14】 前記抜け止め部材が、前記第1の作用
    部と前記第2の作用部との間に位置する請求項13記載
    の装身具の中留構造。
  15. 【請求項15】 少なくとも外板と中板とを備え、前記
    外板の端部に前記中板の端部を連結する中折れ部材の連
    結構造であって、前記外板の端部と前記中板の端部との
    連結を、前記外板の端部に、外板連結用円環部の閉塞片
    を有する展開部位を一対形成して、前記閉塞片をそのま
    まの状態で前記一対の展開部位を曲げ加工して前記一対
    の外板側連結用円環部を形成し、前記一対の外板側連結
    用円環部間に前記中板の端部に形成された中板側連結用
    円環部を位置させて装身具短手方向に並べ、前記外板側
    連結用円環部と前記中板側連結用円環部に連結ピンを挿
    入し、この状態で、前記閉塞片を折り曲げて前記外板側
    連結用円環部の外側開口部を塞ぐことにより行うように
    したことを特徴とする中折れ部材の連結構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016043307A1 (ja) * 2014-09-19 2016-03-24 並木精密宝石株式会社 バックル、腕時計、及びバックル又は腕時計の製造方法
JP2022514556A (ja) * 2018-12-21 2022-02-14 カルティエ インターナショナル アーゲー ブレスレット用折り畳み式バックル留具

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