JPH10165777A - 中空糸モジュールおよびその製造方法 - Google Patents
中空糸モジュールおよびその製造方法Info
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- JPH10165777A JPH10165777A JP33392596A JP33392596A JPH10165777A JP H10165777 A JPH10165777 A JP H10165777A JP 33392596 A JP33392596 A JP 33392596A JP 33392596 A JP33392596 A JP 33392596A JP H10165777 A JPH10165777 A JP H10165777A
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- 239000012510 hollow fiber Substances 0.000 claims 23
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Abstract
(57)【要約】
【課題】滞留部が少なく、ヘッダー小径化による小型化
が可能で、しかも低コストで寸法精度の良い、工業的に
実用化が可能な中空糸モジュールおよびその製造方法を
提供する。 【解決手段】中空糸束と、該中空糸束を収納し該中空糸
束の外周面に連通する側方ノズルを備えた筒状の胴体部
を有するケース胴部材と、前記中空糸束の両端を開口せ
しめた状態で固定した隔壁と、前記ケース胴部材の両端
に取り付いたヘッダー部材とを有する中空糸モジュール
において、前記ケース胴部材端部に、少なくとも糸束規
制部およびヘッダー接合部を有するケース端部材を接合
したことを特徴とする中空糸モジュール。
が可能で、しかも低コストで寸法精度の良い、工業的に
実用化が可能な中空糸モジュールおよびその製造方法を
提供する。 【解決手段】中空糸束と、該中空糸束を収納し該中空糸
束の外周面に連通する側方ノズルを備えた筒状の胴体部
を有するケース胴部材と、前記中空糸束の両端を開口せ
しめた状態で固定した隔壁と、前記ケース胴部材の両端
に取り付いたヘッダー部材とを有する中空糸モジュール
において、前記ケース胴部材端部に、少なくとも糸束規
制部およびヘッダー接合部を有するケース端部材を接合
したことを特徴とする中空糸モジュール。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、血液浄化、透
析、あるいは限外濾過等の目的に使用される中空糸モジ
ュールおよびその製造方法に関する。
析、あるいは限外濾過等の目的に使用される中空糸モジ
ュールおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より中空糸モジュールは人工腎臓、
人工肝臓、人工肺、血漿分離、限外濾過、浄水器、等に
広く利用されており、幾多の実施形態と多種多様の用途
に関して公知である。
人工肝臓、人工肺、血漿分離、限外濾過、浄水器、等に
広く利用されており、幾多の実施形態と多種多様の用途
に関して公知である。
【0003】これら中空糸モジュールは、例えば特公昭
63−52522号公報に記載の如く、筒状本体ケース
内に多数の中空糸が装填され、該中空糸束の端部が該ケ
ースの端部に充填固化される高分子材料の隔壁部材によ
り支持されて、各中空糸の開口部が該隔壁部材の外端面
に開口される。そして、各中空糸の開口部全体を包囲す
るヘッダーが該ケースの両端部に被着され、該ヘッダー
には各中空糸の開口部に連通するA液(例えば血液)用
ノズルが設けられ、該ケースの側面には該中空糸束の周
囲に臨むB液(例えば透析液)用の側方ノズルが設けら
れる。
63−52522号公報に記載の如く、筒状本体ケース
内に多数の中空糸が装填され、該中空糸束の端部が該ケ
ースの端部に充填固化される高分子材料の隔壁部材によ
り支持されて、各中空糸の開口部が該隔壁部材の外端面
に開口される。そして、各中空糸の開口部全体を包囲す
るヘッダーが該ケースの両端部に被着され、該ヘッダー
には各中空糸の開口部に連通するA液(例えば血液)用
ノズルが設けられ、該ケースの側面には該中空糸束の周
囲に臨むB液(例えば透析液)用の側方ノズルが設けら
れる。
【0004】上記中空糸モジュールにおいて、特に医療
の分野に使用されるものに対しては、上述した基本構造
に加えて、更に極めて多くの要求が出されている。
の分野に使用されるものに対しては、上述した基本構造
に加えて、更に極めて多くの要求が出されている。
【0005】このような要求は使用する中空糸およびケ
ースの設計に関している。使用する中空糸の種類は本発
明の対象ではなく、いろいろな種類の中空糸を使用する
ことができる。ケースに対しては、材料の物理的安全
性、殺菌性および信頼性のような自明の要求の他に特に
下記のような要求が出されている。
ースの設計に関している。使用する中空糸の種類は本発
明の対象ではなく、いろいろな種類の中空糸を使用する
ことができる。ケースに対しては、材料の物理的安全
性、殺菌性および信頼性のような自明の要求の他に特に
下記のような要求が出されている。
【0006】ここで、中空糸内部を貫流するA液は一般
に体外循環で中空糸モジュールに供給される血液であ
る。従って、中空糸モジュール内で血液によって満たさ
れる容積、すなわち血液室が可及的に小さいことが重要
である。また、血液室は、中空糸に対する可及的に円滑
な流動分配が、あまり大きな滞留部を生ずることなく行
われるように形成されることが血液を凝固させないよう
にするために重要である。
に体外循環で中空糸モジュールに供給される血液であ
る。従って、中空糸モジュール内で血液によって満たさ
れる容積、すなわち血液室が可及的に小さいことが重要
である。また、血液室は、中空糸に対する可及的に円滑
な流動分配が、あまり大きな滞留部を生ずることなく行
われるように形成されることが血液を凝固させないよう
にするために重要である。
【0007】モジュールの運転時には血液から除去され
た有害物質を含有するB液(例えば透析液)の存在す
る、中空糸を包囲する空間は、該液体が中空糸外表面に
対して均一に流下し、かつコンパクトな構造様式で可及
的に高い注入度が可能であるように、つまり可及的に多
数の中空糸がケースに装填され得るように形成されてい
ることが重要である。このため、一般的に、B液用の側
方ノズルの導入流路直下にはバッフルが配され、直接B
液が中空糸に当たらないようにし、B液が中空糸束全体
に分配可能なようにケースと中空糸束の外側との間に円
環状の空間、すなわちB液導入部を設けているのが普通
である。
た有害物質を含有するB液(例えば透析液)の存在す
る、中空糸を包囲する空間は、該液体が中空糸外表面に
対して均一に流下し、かつコンパクトな構造様式で可及
的に高い注入度が可能であるように、つまり可及的に多
数の中空糸がケースに装填され得るように形成されてい
ることが重要である。このため、一般的に、B液用の側
方ノズルの導入流路直下にはバッフルが配され、直接B
液が中空糸に当たらないようにし、B液が中空糸束全体
に分配可能なようにケースと中空糸束の外側との間に円
環状の空間、すなわちB液導入部を設けているのが普通
である。
【0008】最後に、医療用中空糸モジュールは、すべ
ての要求点を可及的に最適に満足させた上で、安価に製
造し得ることが要求される。これは特に重要である。一
般に、医療用中空糸モジュールのコストは、該モジュー
ルで実施される医療のコストに極めて著しい影響を及ぼ
すからである。
ての要求点を可及的に最適に満足させた上で、安価に製
造し得ることが要求される。これは特に重要である。一
般に、医療用中空糸モジュールのコストは、該モジュー
ルで実施される医療のコストに極めて著しい影響を及ぼ
すからである。
【0009】また、上述の中空糸モジュールは一般に遠
心ポッティング法により製造されることが多い。すなわ
ち、上記中空糸モジュールにおいて、ケース内に隔壁部
材を設けることによって中空糸束を支持する作業、すな
わちポッティング作業は、まず、該ケースの長さよりも
長い多数の中空糸を用意し、該中空糸束をケース内に位
置させる。そして、ケースの外端面にポッティング用キ
ャップを嵌着することによって該ケースの外方側端部を
密封し、ケースの中心軸を回転半径上に置く状態で該ケ
ースを回転させながらケースの側面に設けられているB
液用の側方ノズルから高分子材料(ポッティング材)を
流し込み、上記ポッティング材を遠心力下でケースの軸
方向の外方側端部の隔壁形成部位に集中させ、該キャッ
プにて密封されているケースの外方側端部に存在してい
た空気を上記ポッティング材にて駆逐する如くに置換
し、所定時間経過後のポッティング材固化によって隔壁
を形成する。該隔壁は該ポッティング材固化後に、その
外端部を鋭利な刃物でスライスして、中空糸の開口端を
表面に露出させる。その後、ケースの両端部に血液室を
形成するためのヘッダーを液密に嵌着することで中空糸
モジュールとしての形態を得る。
心ポッティング法により製造されることが多い。すなわ
ち、上記中空糸モジュールにおいて、ケース内に隔壁部
材を設けることによって中空糸束を支持する作業、すな
わちポッティング作業は、まず、該ケースの長さよりも
長い多数の中空糸を用意し、該中空糸束をケース内に位
置させる。そして、ケースの外端面にポッティング用キ
ャップを嵌着することによって該ケースの外方側端部を
密封し、ケースの中心軸を回転半径上に置く状態で該ケ
ースを回転させながらケースの側面に設けられているB
液用の側方ノズルから高分子材料(ポッティング材)を
流し込み、上記ポッティング材を遠心力下でケースの軸
方向の外方側端部の隔壁形成部位に集中させ、該キャッ
プにて密封されているケースの外方側端部に存在してい
た空気を上記ポッティング材にて駆逐する如くに置換
し、所定時間経過後のポッティング材固化によって隔壁
を形成する。該隔壁は該ポッティング材固化後に、その
外端部を鋭利な刃物でスライスして、中空糸の開口端を
表面に露出させる。その後、ケースの両端部に血液室を
形成するためのヘッダーを液密に嵌着することで中空糸
モジュールとしての形態を得る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した方法によって
中空糸モジュールを得ることができるが、このような従
来よりある中空糸モジュールは上述したように、B液が
B液導入部で中空糸束全体に略均一に分配可能なよう
に、ケースと中空糸束の外側との間に環状空間を設け、
B液用の側方ノズルの導入流路直下にはバッフルを設け
ているので、必然的に本体ケースの胴体部の径より第2
液導入部の径が大きくなっている。このような構造のた
め、従来よりB液導入部を設けているケース両端部の径
も該胴体部の径より大きくなる。従って、ケース両端部
に取り付けられるヘッダーの径も大きくなり、中空糸モ
ジュール全体の大型化により廃棄コストを著しく増大さ
せる根源となっていた。
中空糸モジュールを得ることができるが、このような従
来よりある中空糸モジュールは上述したように、B液が
B液導入部で中空糸束全体に略均一に分配可能なよう
に、ケースと中空糸束の外側との間に環状空間を設け、
B液用の側方ノズルの導入流路直下にはバッフルを設け
ているので、必然的に本体ケースの胴体部の径より第2
液導入部の径が大きくなっている。このような構造のた
め、従来よりB液導入部を設けているケース両端部の径
も該胴体部の径より大きくなる。従って、ケース両端部
に取り付けられるヘッダーの径も大きくなり、中空糸モ
ジュール全体の大型化により廃棄コストを著しく増大さ
せる根源となっていた。
【0011】また、この場合、特に医療用中空糸モジュ
ールでは、ヘッダーを介してA液、すなわち血液を中空
糸内部へ導入する際には、一般的にヘッダーの中央部よ
り導入されるため、ヘッダー内にある血液室の外周部の
血流速が小さくなる。特にヘッダーが大きい場合には、
その血流速の差が拡大される傾向にある。これら血流速
の遅れが発生することにより置換効率あるいは浄化効率
が低下し、中空糸モジュールとしての性能が低下するこ
とになる。
ールでは、ヘッダーを介してA液、すなわち血液を中空
糸内部へ導入する際には、一般的にヘッダーの中央部よ
り導入されるため、ヘッダー内にある血液室の外周部の
血流速が小さくなる。特にヘッダーが大きい場合には、
その血流速の差が拡大される傾向にある。これら血流速
の遅れが発生することにより置換効率あるいは浄化効率
が低下し、中空糸モジュールとしての性能が低下するこ
とになる。
【0012】また、かかる従来の構造では、中空糸が開
口している隔壁部で、中空糸束全体の外径を一定にコン
トロールすることが難かしくなり、隔壁部中空糸開口面
での中空糸束全体の外形状が略楕円形となってしまった
り、偏ってしまったりするため、ヘッダー内径と中空糸
束全体の外周部分との間に一定以上の大きなクリアラン
スをとって、Oリングを設置することが必要となる。こ
のような構造では上記クリアランス部分およびその近辺
部の血液の流れが遅くなり、血流の滞留による残血が生
じやすくなるので、更に改良することが強く望まれてい
た。
口している隔壁部で、中空糸束全体の外径を一定にコン
トロールすることが難かしくなり、隔壁部中空糸開口面
での中空糸束全体の外形状が略楕円形となってしまった
り、偏ってしまったりするため、ヘッダー内径と中空糸
束全体の外周部分との間に一定以上の大きなクリアラン
スをとって、Oリングを設置することが必要となる。こ
のような構造では上記クリアランス部分およびその近辺
部の血液の流れが遅くなり、血流の滞留による残血が生
じやすくなるので、更に改良することが強く望まれてい
た。
【0013】これらを改良すべく、今までに特開昭56
−168807号公報や特開昭59−137062号公
報、特開昭63−9448号公報、あるいは公表特開昭
60−500083号公報などが提案されている。
−168807号公報や特開昭59−137062号公
報、特開昭63−9448号公報、あるいは公表特開昭
60−500083号公報などが提案されている。
【0014】しかしながら、特公昭56−168807
号公報や特開昭59−137062号公報に記載されて
いるような、糸束を集束するリングをケース端部に取り
付ける方法は、隔壁部中空糸開口面での中空糸束全体の
外径をコントロールできるので血液滞留部の削減はでき
たとしても、ヘッダー外径を小さくすることはできず、
廃棄コストを削減するまでには至っていなかった。
号公報や特開昭59−137062号公報に記載されて
いるような、糸束を集束するリングをケース端部に取り
付ける方法は、隔壁部中空糸開口面での中空糸束全体の
外径をコントロールできるので血液滞留部の削減はでき
たとしても、ヘッダー外径を小さくすることはできず、
廃棄コストを削減するまでには至っていなかった。
【0015】また、糸束を集束するリングがケース端部
に存在するが故に、製造工程において、ケース内への糸
束挿入が比較的困難になってしまったり、リングの装着
に手間を要していた。
に存在するが故に、製造工程において、ケース内への糸
束挿入が比較的困難になってしまったり、リングの装着
に手間を要していた。
【0016】また、特開昭63−9448号公報あるい
は公表特開昭60−500083号公報に記載されてい
るような中空糸モジュールは、ヘッダーを小さくできる
ので血液滞留部削減や廃棄コスト削減につながるが、そ
のケースの形態上、円環状のアンダーカット部を有する
ので必然的にブロー成形法でケースを形成する必要があ
る。これらブロー成形法では、いくつかの他の成形法、
例えば一般に用いられている射出成形法よりも寸法が正
確に出ない傾向にある事実に基づき、問題が発生する。
すなわち、ブロー成形したケースは寸法精度が悪く、寸
法変動や肉厚ムラによる組立不良により生産ラインの混
乱を招いたり、あるいは、シール性が不良な製品を生ず
る。
は公表特開昭60−500083号公報に記載されてい
るような中空糸モジュールは、ヘッダーを小さくできる
ので血液滞留部削減や廃棄コスト削減につながるが、そ
のケースの形態上、円環状のアンダーカット部を有する
ので必然的にブロー成形法でケースを形成する必要があ
る。これらブロー成形法では、いくつかの他の成形法、
例えば一般に用いられている射出成形法よりも寸法が正
確に出ない傾向にある事実に基づき、問題が発生する。
すなわち、ブロー成形したケースは寸法精度が悪く、寸
法変動や肉厚ムラによる組立不良により生産ラインの混
乱を招いたり、あるいは、シール性が不良な製品を生ず
る。
【0017】また、B液がB液導入部で中空糸束全体に
略均一に分配できるようにするために通常設けるバッフ
ルを設けることが、その成形上、非常に困難である。そ
の他、ヘッダーをケースに取り付ける手段としてよく用
いられるネジを形成することも困難であり、ヘッダー取
付け手段は実質、超音波や溶剤等による融着あるいは接
着の方式に限定されてしまう、等々の問題があり、実質
的に実用化されていなかった。
略均一に分配できるようにするために通常設けるバッフ
ルを設けることが、その成形上、非常に困難である。そ
の他、ヘッダーをケースに取り付ける手段としてよく用
いられるネジを形成することも困難であり、ヘッダー取
付け手段は実質、超音波や溶剤等による融着あるいは接
着の方式に限定されてしまう、等々の問題があり、実質
的に実用化されていなかった。
【0018】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
鑑み、滞留部が少なく、ヘッダー小径化による小型化が
可能で、しかも低コストで寸法精度の良い、工業的に実
用化が可能な中空糸モジュールおよびその製造方法を提
供することにある。
鑑み、滞留部が少なく、ヘッダー小径化による小型化が
可能で、しかも低コストで寸法精度の良い、工業的に実
用化が可能な中空糸モジュールおよびその製造方法を提
供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明者らが鋭意検討した結果、以下に示す本発明に到
達した。すなわち、 (1)複数本の中空糸を引揃えた中空糸束と、該中空糸
束を収納し該中空糸束の外周面に連通する側方ノズルを
備えた筒状の胴体部を有するケース胴部材と、前記中空
糸束の両端を開口せしめた状態で前記ケース胴部材と前
記中空糸束の端部同士を固定した隔壁と、端部ノズルを
備えた前記ケース胴部材の両端に取り付いたヘッダー部
材とを有する中空糸モジュールにおいて、前記ケース胴
部材端部に、少なくとも、前記中空糸束の外形形状を規
制する糸束規制部および前記ヘッダー部材と係合するた
めのヘッダー接合部を有するケース端部材を接合したこ
とを特徴とする中空糸モジュール。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下に示す本発明に到
達した。すなわち、 (1)複数本の中空糸を引揃えた中空糸束と、該中空糸
束を収納し該中空糸束の外周面に連通する側方ノズルを
備えた筒状の胴体部を有するケース胴部材と、前記中空
糸束の両端を開口せしめた状態で前記ケース胴部材と前
記中空糸束の端部同士を固定した隔壁と、端部ノズルを
備えた前記ケース胴部材の両端に取り付いたヘッダー部
材とを有する中空糸モジュールにおいて、前記ケース胴
部材端部に、少なくとも、前記中空糸束の外形形状を規
制する糸束規制部および前記ヘッダー部材と係合するた
めのヘッダー接合部を有するケース端部材を接合したこ
とを特徴とする中空糸モジュール。
【0020】(2)前記糸束規制部の内径(D1)は、
下記式で表される定数kの値が0.45〜0.55の範
囲を満足する範囲内にあることを特徴とする前記1に記
載の中空糸モジュール。
下記式で表される定数kの値が0.45〜0.55の範
囲を満足する範囲内にあることを特徴とする前記1に記
載の中空糸モジュール。
【0021】k=d2 ×n/D12 ただし、d:中空糸の外径(μm)、n:中空糸の本数 (3)前記ケース端部材に、糸束ガイド部を設けたこと
を特徴とする前記1〜2のいずれかに記載の中空糸モジ
ュール。
を特徴とする前記1〜2のいずれかに記載の中空糸モジ
ュール。
【0022】(4)前記ケース端部材とヘッダー接合部
に、環状シール部材を有し、該環状シール部材の内径
(D2)と、前記糸束規制部内径D1との寸法差(D2
−D1)を0.5mm〜1.5mmの範囲にしたことを
特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の中空糸モジュ
ール。
に、環状シール部材を有し、該環状シール部材の内径
(D2)と、前記糸束規制部内径D1との寸法差(D2
−D1)を0.5mm〜1.5mmの範囲にしたことを
特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の中空糸モジュ
ール。
【0023】(5)前記ケース胴部材と前記ケース端部
材とが、射出成形により得られたものであることを特徴
とする前記1〜4のいずれかに記載の中空糸モジュー
ル。
材とが、射出成形により得られたものであることを特徴
とする前記1〜4のいずれかに記載の中空糸モジュー
ル。
【0024】(6)前記ケース胴部材と前記ケース端部
材とが、超音波接着により接合されていることを特徴と
する前記1〜5のいずれかに記載の中空糸モジュール。
材とが、超音波接着により接合されていることを特徴と
する前記1〜5のいずれかに記載の中空糸モジュール。
【0025】(7)血液浄化に用いることを特徴とする
前記1〜6のいずれかに記載の中空糸モジュール。
前記1〜6のいずれかに記載の中空糸モジュール。
【0026】(8)前記1〜7のいずれかに記載の中空
糸モジュールを組み入れたことを特徴とする透析装置。
糸モジュールを組み入れたことを特徴とする透析装置。
【0027】(9)側方ノズルを備えた筒状の胴体部を
有するケース胴部材の両端部に、少なくとも、前記中空
糸束の外形形状を規制する糸束規制部およびヘッダー接
合部を有するケース端部材を接合して本体ケースを組立
てた後、該本体ケースに複数本の中空糸を挿入し、該中
空糸のそれぞれの端部を、封止材により該本体ケースに
接着固定して該中空糸を開口せしめた隔壁を形成し、次
いで該本体ケースの両端部に端部ノズルを備えたヘッダ
ー部材を接合することを特徴とする中空糸モジュールの
製造方法。
有するケース胴部材の両端部に、少なくとも、前記中空
糸束の外形形状を規制する糸束規制部およびヘッダー接
合部を有するケース端部材を接合して本体ケースを組立
てた後、該本体ケースに複数本の中空糸を挿入し、該中
空糸のそれぞれの端部を、封止材により該本体ケースに
接着固定して該中空糸を開口せしめた隔壁を形成し、次
いで該本体ケースの両端部に端部ノズルを備えたヘッダ
ー部材を接合することを特徴とする中空糸モジュールの
製造方法。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態例を示す図面
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0029】図1は本発明に係る中空糸モジュールの一
例を示す一部断面側面図であり、図2は図1の要部拡大
図であり、図3は本発明に係る中空糸モジュールの本体
ケースを構成する部材の一例を示す側面図である。
例を示す一部断面側面図であり、図2は図1の要部拡大
図であり、図3は本発明に係る中空糸モジュールの本体
ケースを構成する部材の一例を示す側面図である。
【0030】すなわち、図1を参照すると、ケース胴部
材1の両端に、ケース端部材2を超音波接着によってそ
れぞれ接合した筒状の本体ケース3に、中空糸束4を収
納し、隔壁5によって中空糸束4の両端を開口せしめた
状態で本体ケース3に固定し、本体ケース3の両端にA
液用ノズル61(端部ノズル)および血液室62を有す
るヘッダー部材6を、環状パッキン7を介して、液密に
本体ケース3へ接合した本発明の中空糸モジュールの一
実施例である。ここで、ケース胴部材1は、筒状の胴体
部11、B液用の側方ノズル12、バッフル13および
B液導入部14を備えている。 図2を参照すると、本
図は、図1の要部を拡大したものであり、ケース端部材
2は、糸束規制部22およびヘッダー接合部23を有し
ており、ケース胴部材1とは超音波接着部8で液密に接
合されている。また、本実施例において、ケース端部材
2には糸束ガイド部21を有する形状としている。
材1の両端に、ケース端部材2を超音波接着によってそ
れぞれ接合した筒状の本体ケース3に、中空糸束4を収
納し、隔壁5によって中空糸束4の両端を開口せしめた
状態で本体ケース3に固定し、本体ケース3の両端にA
液用ノズル61(端部ノズル)および血液室62を有す
るヘッダー部材6を、環状パッキン7を介して、液密に
本体ケース3へ接合した本発明の中空糸モジュールの一
実施例である。ここで、ケース胴部材1は、筒状の胴体
部11、B液用の側方ノズル12、バッフル13および
B液導入部14を備えている。 図2を参照すると、本
図は、図1の要部を拡大したものであり、ケース端部材
2は、糸束規制部22およびヘッダー接合部23を有し
ており、ケース胴部材1とは超音波接着部8で液密に接
合されている。また、本実施例において、ケース端部材
2には糸束ガイド部21を有する形状としている。
【0031】図3を参照すると、本発明の中空糸モジュ
ールに用いる本体ケース3を、理解しやすいように、ケ
ース胴部材1およびケース端部材2に分割して表したも
のである。
ールに用いる本体ケース3を、理解しやすいように、ケ
ース胴部材1およびケース端部材2に分割して表したも
のである。
【0032】図4を参照すると、中空糸束4と、中空糸
束4を収納し、中空糸の外面に連通した側方ノズル12
を有する筒状の本体ケース3と、該中空糸束4の両端を
開口せしめた状態で固定した隔壁5と、該本体ケース3
の両端に取り付けられるヘッダー部材6とを有した、従
来の中空糸モジュール9の一例である。
束4を収納し、中空糸の外面に連通した側方ノズル12
を有する筒状の本体ケース3と、該中空糸束4の両端を
開口せしめた状態で固定した隔壁5と、該本体ケース3
の両端に取り付けられるヘッダー部材6とを有した、従
来の中空糸モジュール9の一例である。
【0033】ここで、図を用いながら、本発明の中空糸
モジュールについて更に詳細に説明すると、図1におい
て、ケース胴部材1の両端にケース端部材2をそれぞれ
接合するための接合手段としては、例えば、超音波接
着、溶剤による接着、スピン融着、シール材を介したネ
ジによる螺合等が採用できるが、いずれにしても液密に
シールできる手段とすることが重要である。作業が容易
で作業時間の短い手段が工業的にも優れていることよ
り、超音波接着が最も好ましい。
モジュールについて更に詳細に説明すると、図1におい
て、ケース胴部材1の両端にケース端部材2をそれぞれ
接合するための接合手段としては、例えば、超音波接
着、溶剤による接着、スピン融着、シール材を介したネ
ジによる螺合等が採用できるが、いずれにしても液密に
シールできる手段とすることが重要である。作業が容易
で作業時間の短い手段が工業的にも優れていることよ
り、超音波接着が最も好ましい。
【0034】ケース胴部材1は、図3に示すがごとく、
中空糸束を収納する筒状の胴体部11を備えており、特
に医療用途に用いる場合は更に胴体部の両端にそれぞれ
B液用の側方ノズル12と、バッフル13と、B液導入
部14とを備えている。
中空糸束を収納する筒状の胴体部11を備えており、特
に医療用途に用いる場合は更に胴体部の両端にそれぞれ
B液用の側方ノズル12と、バッフル13と、B液導入
部14とを備えている。
【0035】図2において、ケース端部材2に設けられ
る糸束ガイド部21は、糸束挿入のための傾斜角θを設
けておくことが好ましく、その角度θは、10〜45゜
の範囲とすることが好ましい。
る糸束ガイド部21は、糸束挿入のための傾斜角θを設
けておくことが好ましく、その角度θは、10〜45゜
の範囲とすることが好ましい。
【0036】また、糸束ガイド部近傍21′は、丁度、
中空糸束4が隔壁5から這え出てきた部分、いわゆる中
空糸束4のポッティング材濡れ上がり部にあたり、該濡
れ上がり部は、中空糸の物性やポッティング材の物性に
もよるが、一般的に、剛直なわりに強度がないので、該
濡れ上がり部がケースに接触あるいは癒着していると振
動や衝撃等が加わった場合、最も欠損を受けやすい部分
である。従って、糸束ガイド部近傍21′は中空糸束と
一定の間隔が開くようにして、実質的に中空糸の存在し
ない環状空間を設けることが好ましい。
中空糸束4が隔壁5から這え出てきた部分、いわゆる中
空糸束4のポッティング材濡れ上がり部にあたり、該濡
れ上がり部は、中空糸の物性やポッティング材の物性に
もよるが、一般的に、剛直なわりに強度がないので、該
濡れ上がり部がケースに接触あるいは癒着していると振
動や衝撃等が加わった場合、最も欠損を受けやすい部分
である。従って、糸束ガイド部近傍21′は中空糸束と
一定の間隔が開くようにして、実質的に中空糸の存在し
ない環状空間を設けることが好ましい。
【0037】図2において、ケース端部材2に設けられ
る糸束規制部22は、糸束に損傷を与えないように丸み
をもたせることが好ましい。また、糸束規制部22はそ
の寸法規制効果を十分に発揮できるように、隔壁5に設
けられた中空糸開口面に極力近い方が好ましい。
る糸束規制部22は、糸束に損傷を与えないように丸み
をもたせることが好ましい。また、糸束規制部22はそ
の寸法規制効果を十分に発揮できるように、隔壁5に設
けられた中空糸開口面に極力近い方が好ましい。
【0038】なお、糸束規制部22の内径寸法(D1)
は、中空糸の外径と中空糸の本数と定数kによって定ま
る。
は、中空糸の外径と中空糸の本数と定数kによって定ま
る。
【0039】定数kとは糸束規制部22における中空糸
の充填率であると言い換えられる。本発明者らが実験に
実験を重ねた結果、定数kが0.45〜0.55の範囲
が適正であることを見いだしたものである。定数kは中
空糸束を全体的に見た場合の見かけ上の断面積を求める
ためのもので、糸束規制部22の内径面積と、中空糸束
4全体の見かけ上の断面積とを実質的に一致させ、糸束
規制部22で中空糸束4をきつくもなく、ゆるくもな
く、挟持することが可能となる。
の充填率であると言い換えられる。本発明者らが実験に
実験を重ねた結果、定数kが0.45〜0.55の範囲
が適正であることを見いだしたものである。定数kは中
空糸束を全体的に見た場合の見かけ上の断面積を求める
ためのもので、糸束規制部22の内径面積と、中空糸束
4全体の見かけ上の断面積とを実質的に一致させ、糸束
規制部22で中空糸束4をきつくもなく、ゆるくもな
く、挟持することが可能となる。
【0040】すなわち、定数kが0.45よりも小さい
と、言い換えれば充填率が小さいと、中空糸束4に偏り
が発生したり、中空糸束4全体の外形状が略楕円形にな
ってしまい、ヘッダー内径と中空糸束4全体の外周部分
との間に一定以上の大きなクリアランスができるので、
血流の滞留による残血を生じやすくなり、返血の際にこ
の部分の血液がヘッダー内の血液室62に残血しやすく
なる。
と、言い換えれば充填率が小さいと、中空糸束4に偏り
が発生したり、中空糸束4全体の外形状が略楕円形にな
ってしまい、ヘッダー内径と中空糸束4全体の外周部分
との間に一定以上の大きなクリアランスができるので、
血流の滞留による残血を生じやすくなり、返血の際にこ
の部分の血液がヘッダー内の血液室62に残血しやすく
なる。
【0041】また、定数kが0.55よりも大きいと、
言い換えれば充填率が高すぎると、糸束挿入作業が行い
づらくなり、挿入時に中空糸が擦過して損傷しやすくな
り、また、たとえ挿入ができたとしてもポッティングし
た際に、不浸透や中空糸割れなどの欠点が発生しやすく
なる。
言い換えれば充填率が高すぎると、糸束挿入作業が行い
づらくなり、挿入時に中空糸が擦過して損傷しやすくな
り、また、たとえ挿入ができたとしてもポッティングし
た際に、不浸透や中空糸割れなどの欠点が発生しやすく
なる。
【0042】図2において、ケース端部材2に設けられ
るヘッダー接合部23は、接合手段として、例えば、超
音波接着、溶剤による接着、スピン融着、ネジによる螺
合、凸部と凹部の嵌合など、いずれの手段でもよいが、
いずれにしても、作業が容易で作業時間の短い手段が工
業的にも優れているので好ましい。
るヘッダー接合部23は、接合手段として、例えば、超
音波接着、溶剤による接着、スピン融着、ネジによる螺
合、凸部と凹部の嵌合など、いずれの手段でもよいが、
いずれにしても、作業が容易で作業時間の短い手段が工
業的にも優れているので好ましい。
【0043】また、ヘッダー接合部23はその接合手段
によってはヘッダー内を通る血液流路のために適切な密
閉シールを提供し得るので、図1の具体例において、環
状パッキン部材7は必ずしも必要ではないが、ヘッダー
内にある血液室62の血液滞留部を極小化するために
も、例えばシリコンゴム等の弾性体からなる環状パッキ
ン部材7を有する方が好ましい。
によってはヘッダー内を通る血液流路のために適切な密
閉シールを提供し得るので、図1の具体例において、環
状パッキン部材7は必ずしも必要ではないが、ヘッダー
内にある血液室62の血液滞留部を極小化するために
も、例えばシリコンゴム等の弾性体からなる環状パッキ
ン部材7を有する方が好ましい。
【0044】ここで、環状パッキン部材7の内径(D
2)は、隔壁5に開口された中空糸の開口部を塞がない
寸法とすることが重要であり、本発明者らが鋭意検討し
た結果、該環状パッキン部材7の変形量や各部材の寸法
公差などを考慮して、糸束規制部22の内径(D1)に
対してD2−D1が0.5mm〜1.5mmの範囲であ
ることが好ましい結果を得た。すなわち、D2−D1が
0.5mm以下であると中空糸の開口を塞ぐおそれがあ
り、D2−D1が1.5mm以上であると血液の滞留が
生じやすくなる。
2)は、隔壁5に開口された中空糸の開口部を塞がない
寸法とすることが重要であり、本発明者らが鋭意検討し
た結果、該環状パッキン部材7の変形量や各部材の寸法
公差などを考慮して、糸束規制部22の内径(D1)に
対してD2−D1が0.5mm〜1.5mmの範囲であ
ることが好ましい結果を得た。すなわち、D2−D1が
0.5mm以下であると中空糸の開口を塞ぐおそれがあ
り、D2−D1が1.5mm以上であると血液の滞留が
生じやすくなる。
【0045】図3に示す、本発明の中空糸モジュールの
本体ケース3を構成するケース胴部材1およびケース端
部材2の材質は特に限定されないが、コストや安全性か
らみて、汎用プラスチックであることが好ましい。汎用
プラスチックとしては例えば、ポリスチレン、ポリカー
ボネイト、PMMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ABS、ASなどが挙げられる。
本体ケース3を構成するケース胴部材1およびケース端
部材2の材質は特に限定されないが、コストや安全性か
らみて、汎用プラスチックであることが好ましい。汎用
プラスチックとしては例えば、ポリスチレン、ポリカー
ボネイト、PMMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ABS、ASなどが挙げられる。
【0046】また、本発明品のケース胴部材1およびケ
ース端部材2は、その形状より、射出成形によって得ら
れることが大きな特徴である。射出成形によれば、低コ
ストで比較的寸法精度が良く、安定して生産でき、工業
的に優れたものが得られるからである。
ース端部材2は、その形状より、射出成形によって得ら
れることが大きな特徴である。射出成形によれば、低コ
ストで比較的寸法精度が良く、安定して生産でき、工業
的に優れたものが得られるからである。
【0047】また、本発明品の製造方法は、本体ケース
3を構成するケース胴部材1とケース端部材2との接合
を、中空糸モジュールの製造工程内ではなく、別にある
事前の工程で実施できるので、従来よりある中空糸モジ
ュールの製造工程を何ら変更することなく採用すること
ができるといった特徴を有する。
3を構成するケース胴部材1とケース端部材2との接合
を、中空糸モジュールの製造工程内ではなく、別にある
事前の工程で実施できるので、従来よりある中空糸モジ
ュールの製造工程を何ら変更することなく採用すること
ができるといった特徴を有する。
【0048】本発明の中空糸モジュールは、従来の中空
糸モジュールが用いられている用途に適用可能である
が、その特徴や効果より、血液浄化に用いることが好ま
しい。なかでも透析装置に組み入れて、人工腎臓として
使用するのが最も好ましい。
糸モジュールが用いられている用途に適用可能である
が、その特徴や効果より、血液浄化に用いることが好ま
しい。なかでも透析装置に組み入れて、人工腎臓として
使用するのが最も好ましい。
【0049】
実施例1〜2 血液透析用のPMMA中空糸(外径260μ)1440
0本を用いて、図1に示す本発明の中空糸モジュール
を、表1に示す条件で製造し、これを用いて、ヘマトク
リット値40%の牛新鮮血1lを200ml/minの
流速で10分間循環した後に、100mlの生理食塩水
を100ml/minの流速で供給し、次いで空気を供
給して中空糸内の液体を押し出す返血作業を行った結
果、表1の結果を得た。
0本を用いて、図1に示す本発明の中空糸モジュール
を、表1に示す条件で製造し、これを用いて、ヘマトク
リット値40%の牛新鮮血1lを200ml/minの
流速で10分間循環した後に、100mlの生理食塩水
を100ml/minの流速で供給し、次いで空気を供
給して中空糸内の液体を押し出す返血作業を行った結
果、表1の結果を得た。
【0050】比較例1 実施例1〜2で使用した同様の中空糸束を用いて、図4
に示す従来の中空糸モジュールを製造した。結果を前記
実施例等と比較するべく、同様に表1に示した。
に示す従来の中空糸モジュールを製造した。結果を前記
実施例等と比較するべく、同様に表1に示した。
【0051】ただし、従来の中空糸モジュールには糸束
規制部D1が無いため、表中のD1は本体ケースの胴体
部における内径で示した。
規制部D1が無いため、表中のD1は本体ケースの胴体
部における内径で示した。
【0052】なお、本体ケースの端部における内径はφ
58であった。
58であった。
【0053】かかる表1の結果からわかるように、本発
明の中空糸モジュールの糸束規制部内径と環状パッキン
内径との差D2−D1を小さくすることで血液室におけ
る残血を減少させられることがわかる。
明の中空糸モジュールの糸束規制部内径と環状パッキン
内径との差D2−D1を小さくすることで血液室におけ
る残血を減少させられることがわかる。
【0054】比較例1に示した従来の中空糸モジュール
は、その構造により、血液室における残血も起こりやす
く、中空糸の塞ぎ糸についても今回は発生しなかった
が、本体ケースの端部における内径がφ58であること
から、構造的に充分起こり得る可能性があり、製造工程
上、塞ぎ糸に関しての検査が不可欠である。
は、その構造により、血液室における残血も起こりやす
く、中空糸の塞ぎ糸についても今回は発生しなかった
が、本体ケースの端部における内径がφ58であること
から、構造的に充分起こり得る可能性があり、製造工程
上、塞ぎ糸に関しての検査が不可欠である。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明の中空糸モジュールは、例えば医
療用の人工腎臓に用いた場合、ヘッダー内の血液滞留部
を無くすことができ、中空糸の開口の塞儀を阻止でき、
また、ヘッダーの小型化が可能になり、中空糸モジュー
ル全体を小型化できるので医療用廃棄物を削減すること
ができる。
療用の人工腎臓に用いた場合、ヘッダー内の血液滞留部
を無くすことができ、中空糸の開口の塞儀を阻止でき、
また、ヘッダーの小型化が可能になり、中空糸モジュー
ル全体を小型化できるので医療用廃棄物を削減すること
ができる。
【0057】また、ヘッダー内面、血液室の容積が減少
でき、各中空糸内での血液流速を略均一に出来るので、
透析効率の向上および透析後の残血が改善される。
でき、各中空糸内での血液流速を略均一に出来るので、
透析効率の向上および透析後の残血が改善される。
【0058】さらに、各部材は射出成形により得ること
ができるので低コストで寸法精度の良い、工業的に優れ
た製品を得ることができる。
ができるので低コストで寸法精度の良い、工業的に優れ
た製品を得ることができる。
【0059】本発明のモジュールは、上述したように、
滞留部が少なく、小型化できるので、いかなる用途の中
空糸モジュールにも適用することができる。
滞留部が少なく、小型化できるので、いかなる用途の中
空糸モジュールにも適用することができる。
【図1】本発明に係る中空糸モジュールの一例を示す一
部断面側面図である。
部断面側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明に係る中空糸モジュールの本体ケースを
構成する部材の一例を示す側面図である。
構成する部材の一例を示す側面図である。
【図4】従来の中空糸モジュールの一部断面を示す側面
図である。
図である。
1:ケース胴部材 2:ケース端部材 3:本体ケース 4:中空糸束 5:隔壁 6:ヘッダー 7:環状パッキン 8:超音波接着部 9:従来の中空糸モジュール 11:筒状の胴体部 12:B液用の側方ノズル 13:バッフル 14:B液導入部 21:糸束ガイド部 21′:糸束ガイド部近傍 22:糸束規制部 23:ヘッダー接合部 61:A液用ノズル 62:血液室
Claims (9)
- 【請求項1】複数本の中空糸を引揃えた中空糸束と、該
中空糸束を収納し該中空糸束の外周面に連通する側方ノ
ズルを備えた筒状の胴体部を有するケース胴部材と、前
記中空糸束の両端を開口せしめた状態で前記ケース胴部
材と前記中空糸束の端部同士を固定した隔壁と、端部ノ
ズルを備えた前記ケース胴部材の両端に取り付いたヘッ
ダー部材とを有する中空糸モジュールにおいて、前記ケ
ース胴部材端部に、少なくとも、前記中空糸束の外形形
状を規制する糸束規制部および前記ヘッダー部材と係合
するためのヘッダー接合部を有するケース端部材を接合
したことを特徴とする中空糸モジュール。 - 【請求項2】前記糸束規制部の内径(D1)は、下記式
で表される定数kの値が0.45〜0.55の範囲を満
足する範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の
中空糸モジュール。 k=d2 ×n/D12 ただし、d:中空糸の外径(μm)、n:中空糸の本数 - 【請求項3】前記ケース端部材に、糸束ガイド部を設け
たことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の中
空糸モジュール。 - 【請求項4】前記ケース端部材とヘッダー接合部との間
に、環状シール部材を有し、該環状シール部材の内径
(D2)と、前記糸束規制部の内径(D1)との寸法差
(D2−D1)を0.5mm〜1.5mmの範囲にした
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空
糸モジュール。 - 【請求項5】前記ケース胴部材と前記ケース端部材と
が、射出成形により得られたものであることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸モジュール。 - 【請求項6】前記ケース胴部材と前記ケース端部材と
が、超音波接着により接合されていることを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の中空糸モジュール。 - 【請求項7】血液浄化に用いることを特徴とする請求項
1〜6のいずれかに記載の中空糸モジュール。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の中空糸モ
ジュールを組み入れたことを特徴とする透析装置。 - 【請求項9】側方ノズルを備えた筒状の胴体部を有する
ケース胴部材の両端部に、少なくとも、前記中空糸束の
外形形状を規制する糸束規制部およびヘッダー接合部を
有するケース端部材を接合して本体ケースを組立てた
後、該本体ケースに複数本の中空糸を挿入し、該中空糸
のそれぞれの端部を、封止材により該本体ケースに接着
固定して該中空糸を開口せしめた隔壁を形成し、次いで
該本体ケースの両端部に端部ノズルを備えたヘッダー部
材を接合することを特徴とする中空糸モジュールの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33392596A JPH10165777A (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 中空糸モジュールおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33392596A JPH10165777A (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 中空糸モジュールおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10165777A true JPH10165777A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18271507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33392596A Pending JPH10165777A (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 中空糸モジュールおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10165777A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2001060502A1 (de) * | 2000-02-17 | 2001-08-23 | Gambro Dialysatoren Gmbh & Co. Kg | Filter mit membranen aus hohlfasern |
US6830685B2 (en) * | 2001-12-05 | 2004-12-14 | Fresenius Usa, Inc. | Filtering device with associated sealing design and method |
JP2005246379A (ja) * | 2004-03-04 | 2005-09-15 | Celgard Inc | 中空繊維膜コンタクタおよびその作成方法 |
JP2009202112A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-09-10 | Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd | 中空糸膜モジュール |
WO2012091028A1 (ja) | 2010-12-28 | 2012-07-05 | 東レ株式会社 | 医療材料および中空糸膜モジュール |
JP2017024007A (ja) * | 2016-10-06 | 2017-02-02 | 株式会社キッツマイクロフィルター | 中空糸膜モジュール |
WO2023013766A1 (ja) * | 2021-08-06 | 2023-02-09 | ニプロ株式会社 | 中空糸膜モジュールの製造方法、及び中空糸膜モジュール |
-
1996
- 1996-12-13 JP JP33392596A patent/JPH10165777A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012091028A1 (ja) | 2010-12-28 | 2012-07-05 | 東レ株式会社 | 医療材料および中空糸膜モジュール |
US9867917B2 (en) | 2010-12-28 | 2018-01-16 | Toray Industries, Inc. | Medical material and hollow fiber membrane module |
JP2017024007A (ja) * | 2016-10-06 | 2017-02-02 | 株式会社キッツマイクロフィルター | 中空糸膜モジュール |
WO2023013766A1 (ja) * | 2021-08-06 | 2023-02-09 | ニプロ株式会社 | 中空糸膜モジュールの製造方法、及び中空糸膜モジュール |
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