JPH10158641A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子Info
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- JPH10158641A JPH10158641A JP8320481A JP32048196A JPH10158641A JP H10158641 A JPH10158641 A JP H10158641A JP 8320481 A JP8320481 A JP 8320481A JP 32048196 A JP32048196 A JP 32048196A JP H10158641 A JPH10158641 A JP H10158641A
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- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/80—Constructional details
- H10K50/84—Passivation; Containers; Encapsulations
- H10K50/841—Self-supporting sealing arrangements
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/80—Constructional details
- H10K50/84—Passivation; Containers; Encapsulations
- H10K50/844—Encapsulations
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Luminescent Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高分子を用いた高輝度、高発光効率、低駆動電
圧で、長期保存してもダークスポットのほとんどが成長
しない有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を安
価に提供する。 【解決手段】一方か両方が透明か半透明である一対の陽
極と陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を有する
有機EL素子において発光層が固体状態で蛍光を有し、
一般式1の繰り返し単位が全繰り返し単位の50モル%
以上、ポリスチレン換算の数平均分子量が103 〜10
7 である高分子蛍光体を含み、かつ有機EL素子表面の
一部以上が、成分Aの液晶ポリエステルを65.0〜9
9.9重量%および成分Bのエポキシ基を有する共重合
体を35.0〜0.1重量%含有する液晶ポリエステル
樹脂組成物よりなるフィルムで被覆された有機EL素
子。 −Ar−CR=CR’− ・・・・・ (1) 〔Arは共役結合に関与するCが4〜20のアリーレン
基または複素環化合物基、R、R’は独立に水素、C1
〜20のアルキル基、C6〜20のアリール基、C4〜
20の複素環化合物またはシアノ基を示す。〕
圧で、長期保存してもダークスポットのほとんどが成長
しない有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を安
価に提供する。 【解決手段】一方か両方が透明か半透明である一対の陽
極と陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を有する
有機EL素子において発光層が固体状態で蛍光を有し、
一般式1の繰り返し単位が全繰り返し単位の50モル%
以上、ポリスチレン換算の数平均分子量が103 〜10
7 である高分子蛍光体を含み、かつ有機EL素子表面の
一部以上が、成分Aの液晶ポリエステルを65.0〜9
9.9重量%および成分Bのエポキシ基を有する共重合
体を35.0〜0.1重量%含有する液晶ポリエステル
樹脂組成物よりなるフィルムで被覆された有機EL素
子。 −Ar−CR=CR’− ・・・・・ (1) 〔Arは共役結合に関与するCが4〜20のアリーレン
基または複素環化合物基、R、R’は独立に水素、C1
〜20のアルキル基、C6〜20のアリール基、C4〜
20の複素環化合物またはシアノ基を示す。〕
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子(以下、有機EL素子ということがあ
る。)に関する。
ミネッセンス素子(以下、有機EL素子ということがあ
る。)に関する。
【0002】
【従来の技術】無機蛍光体を発光材料として用いた無機
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある。)は、例えばバックライトとしての面
状光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用
いられているが、発光させるのに高電圧の交流が必要で
あった。近年、Tangらは有機蛍光色素を発光層と
し、これと電子写真の感光体等に用いられている有機電
荷輸送化合物とを積層した二層構造を有する有機EL素
子を作製した(特開昭59−194393号公報)。有
機EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧駆動、高輝
度に加えて多数の色の発光が容易に得られるという特徴
があることから素子構造や有機蛍光色素、有機電荷輸送
化合物について多くの試みが報告されている〔ジャパニ
ーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス
(Jpn.J.Appl.Phys.)第27巻、L2
69頁(1988年)〕、〔ジャーナル・オブ・アプラ
イド・フィジックス(J.Appl.Phys.)第6
5巻、3610頁(1989年)〕。
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある。)は、例えばバックライトとしての面
状光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用
いられているが、発光させるのに高電圧の交流が必要で
あった。近年、Tangらは有機蛍光色素を発光層と
し、これと電子写真の感光体等に用いられている有機電
荷輸送化合物とを積層した二層構造を有する有機EL素
子を作製した(特開昭59−194393号公報)。有
機EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧駆動、高輝
度に加えて多数の色の発光が容易に得られるという特徴
があることから素子構造や有機蛍光色素、有機電荷輸送
化合物について多くの試みが報告されている〔ジャパニ
ーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス
(Jpn.J.Appl.Phys.)第27巻、L2
69頁(1988年)〕、〔ジャーナル・オブ・アプラ
イド・フィジックス(J.Appl.Phys.)第6
5巻、3610頁(1989年)〕。
【0003】これまでに、発光層に用いる材料として
は、低分子量の有機蛍光色素が一般に用いられており、
高分子量の発光材料としては、WO9013148号公
開明細書、特開平3−244630号公報、アプライド
・フィジックス・レターズ(Appl.Phys.Le
tt.)第58巻、1982頁(1991年)などで提
案されていた。WO9013148号公開明細書の実施
例には、可溶性前駆体を電極上に成膜し、熱処理を行な
うことにより共役系高分子に変換されたポリ(p−フェ
ニレンビニレン)薄膜が得られ、それを用いたEL素子
が開示されている。また、特開平3−244630号公
報には、それ自身が溶媒に可溶であり、熱処理が不要で
あるという特徴を有する共役系高分子が例示されてい
る。アプライド・フィジックス・レターズ(Appl.
Phys.Lett.)第58巻、1982頁(199
1年)にも溶媒に可溶な高分子発光材料およびそれを用
いて作成した有機EL素子が記載されている。しかし、
これらの材料を用いて作成された有機EL素子は、発光
効率が必ずしも十分に高くはなく、保存中にダークスポ
ットと呼ばれる輝度の低い欠陥が発光面に生じ、表示品
位を低下させていた。
は、低分子量の有機蛍光色素が一般に用いられており、
高分子量の発光材料としては、WO9013148号公
開明細書、特開平3−244630号公報、アプライド
・フィジックス・レターズ(Appl.Phys.Le
tt.)第58巻、1982頁(1991年)などで提
案されていた。WO9013148号公開明細書の実施
例には、可溶性前駆体を電極上に成膜し、熱処理を行な
うことにより共役系高分子に変換されたポリ(p−フェ
ニレンビニレン)薄膜が得られ、それを用いたEL素子
が開示されている。また、特開平3−244630号公
報には、それ自身が溶媒に可溶であり、熱処理が不要で
あるという特徴を有する共役系高分子が例示されてい
る。アプライド・フィジックス・レターズ(Appl.
Phys.Lett.)第58巻、1982頁(199
1年)にも溶媒に可溶な高分子発光材料およびそれを用
いて作成した有機EL素子が記載されている。しかし、
これらの材料を用いて作成された有機EL素子は、発光
効率が必ずしも十分に高くはなく、保存中にダークスポ
ットと呼ばれる輝度の低い欠陥が発光面に生じ、表示品
位を低下させていた。
【0004】低分子の有機蛍光色素を用いた有機EL素
子については、陰極の金属材料に保護層としてインジウ
ム、アルミキノリノール錯体等の単独材料または共蒸着
された固体材料や、シリコーンオイルやフッ素化炭素な
どの液体材料を電極の保護層として用いた有機EL素子
が特開平5−101892、特開平5−159881、
特開平5−129080、特開平5−41281号公報
に開示されている。
子については、陰極の金属材料に保護層としてインジウ
ム、アルミキノリノール錯体等の単独材料または共蒸着
された固体材料や、シリコーンオイルやフッ素化炭素な
どの液体材料を電極の保護層として用いた有機EL素子
が特開平5−101892、特開平5−159881、
特開平5−129080、特開平5−41281号公報
に開示されている。
【0005】しかしながら、これまで報告された高分子
を用いた有機EL素子では、保存中に素子にダークスポ
ットと呼ばれる輝度の低い欠陥が発光面に生じるので、
表示品質の向上、保存時の表示品位の低下防止、ダーク
スポットの生成および成長の抑制が求められていた。ダ
ークスポットを抑制するために、従来用いられていた方
法は、シリカなどのギャップ材料を混合した樹脂で陽極
および発光材料を設けた基材とガラスを張り合わせ、素
子の陰極面側に窒素やアルゴン等の不活性な気体で満た
された気体層や、シリコーンオイル等の液体層を設けて
いた。しかしながら、該素子においては、素子全体の膜
厚が厚くなり、特に高分子フィルムを基材として用いた
場合にはその特徴である可穣性が封止によって失われる
ことなどが問題であった。また、製造工程も困難とな
り、工程数が多くなるなど低コストでの製造プロセスと
はなり得なかった。
を用いた有機EL素子では、保存中に素子にダークスポ
ットと呼ばれる輝度の低い欠陥が発光面に生じるので、
表示品質の向上、保存時の表示品位の低下防止、ダーク
スポットの生成および成長の抑制が求められていた。ダ
ークスポットを抑制するために、従来用いられていた方
法は、シリカなどのギャップ材料を混合した樹脂で陽極
および発光材料を設けた基材とガラスを張り合わせ、素
子の陰極面側に窒素やアルゴン等の不活性な気体で満た
された気体層や、シリコーンオイル等の液体層を設けて
いた。しかしながら、該素子においては、素子全体の膜
厚が厚くなり、特に高分子フィルムを基材として用いた
場合にはその特徴である可穣性が封止によって失われる
ことなどが問題であった。また、製造工程も困難とな
り、工程数が多くなるなど低コストでの製造プロセスと
はなり得なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子を用いた高輝度、高発光効率、低駆動電圧の有機EL
素子であり、かつ長期の保存においてもダークスポット
のほとんどが成長しない有機エレクトロルミネッセンス
素子を安価に提供することにある。
子を用いた高輝度、高発光効率、低駆動電圧の有機EL
素子であり、かつ長期の保存においてもダークスポット
のほとんどが成長しない有機エレクトロルミネッセンス
素子を安価に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情をみて、高分子蛍光体を発光層として用いた有機
EL素子の発光効率を向上させるために鋭意検討した結
果、ポリアリーレンビニレン系高分子蛍光体からなる発
光層を有する有機EL素子の表面を、特定の液晶ポリエ
ステル樹脂組成物よりなるフィルムで保護することによ
り、高輝度、高発光効率の有機EL素子の保存特性が向
上し、ダークスポットのほとんどが成長しない有機エレ
クトロルミネッセンス素子が得られることを見出し、本
発明に至った。
な事情をみて、高分子蛍光体を発光層として用いた有機
EL素子の発光効率を向上させるために鋭意検討した結
果、ポリアリーレンビニレン系高分子蛍光体からなる発
光層を有する有機EL素子の表面を、特定の液晶ポリエ
ステル樹脂組成物よりなるフィルムで保護することによ
り、高輝度、高発光効率の有機EL素子の保存特性が向
上し、ダークスポットのほとんどが成長しない有機エレ
クトロルミネッセンス素子が得られることを見出し、本
発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、〔1〕少なくとも一
方が透明または半透明である一対の陽極および陰極から
なる電極間に、少なくとも発光層を有する有機エレクト
ロルミネッセンス素子において、発光層が固体状態で蛍
光を有し、下記一般式(1)で示される繰り返し単位が
全繰り返し単位の50モル%以上であり、ポリスチレン
換算の数平均分子量が103 〜107 である高分子蛍光
体を含み、かつ該有機エレクトロルミネッセンス素子の
表面の少なくとも一部が、成分(A)の液晶ポリエステ
ルを65.0〜99.9重量%および成分(B)のエポ
キシ基を有する共重合体を35.0〜0.1重量%含有
する液晶ポリエステル樹脂組成物よりなるフィルムによ
り被覆されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子に
係るものである。
方が透明または半透明である一対の陽極および陰極から
なる電極間に、少なくとも発光層を有する有機エレクト
ロルミネッセンス素子において、発光層が固体状態で蛍
光を有し、下記一般式(1)で示される繰り返し単位が
全繰り返し単位の50モル%以上であり、ポリスチレン
換算の数平均分子量が103 〜107 である高分子蛍光
体を含み、かつ該有機エレクトロルミネッセンス素子の
表面の少なくとも一部が、成分(A)の液晶ポリエステ
ルを65.0〜99.9重量%および成分(B)のエポ
キシ基を有する共重合体を35.0〜0.1重量%含有
する液晶ポリエステル樹脂組成物よりなるフィルムによ
り被覆されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子に
係るものである。
【化3】 −Ar−CR=CR’− ・・・・・ (1) 〔ここで、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4
個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化
合物基を示し、R、R’はそれぞれ独立に水素、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数4〜20の複素環化合物、シアノ基からなる群か
ら選ばれる基を示す。〕
個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化
合物基を示し、R、R’はそれぞれ独立に水素、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数4〜20の複素環化合物、シアノ基からなる群か
ら選ばれる基を示す。〕
【0009】また、本発明は、〔2〕陽極または陰極
が、高分子フィルム上に形成された金属酸化物よりなる
透明電極であり、該透明電極は該高分子フィルムに対し
て発光層側に配置され、該高分子フィルムの発光層側と
は反対の側の表面、または該高分子フィルムの発光層側
であって該透明電極との間の表面が、ガスバリアー性の
無機材料および/またはハードコート材で被覆されてな
る〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子に係
るものである。さらに、本発明は、〔3〕陰極と発光層
との間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物を含む
層および/または陽極と発光層との間に、該発光層に隣
接して正孔輸送性化合物を含む層を有する〔1〕または
〔2〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子に係る
ものである。
が、高分子フィルム上に形成された金属酸化物よりなる
透明電極であり、該透明電極は該高分子フィルムに対し
て発光層側に配置され、該高分子フィルムの発光層側と
は反対の側の表面、または該高分子フィルムの発光層側
であって該透明電極との間の表面が、ガスバリアー性の
無機材料および/またはハードコート材で被覆されてな
る〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子に係
るものである。さらに、本発明は、〔3〕陰極と発光層
との間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物を含む
層および/または陽極と発光層との間に、該発光層に隣
接して正孔輸送性化合物を含む層を有する〔1〕または
〔2〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子に係る
ものである。
【0010】さらに、本発明は、〔4〕成分(B)のエ
ポキシ基を有する共重合体が、不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエー
テル単位を0.1〜30重量%含有することを特徴とす
る〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子に係
るものである。また、本発明は、〔5〕成分(A)の液
晶ポリエステルが、下記の繰り返し構造単位を少なくと
も全体の30モル%含むものであることを特徴とする
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子に係るものである。
ポキシ基を有する共重合体が、不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエー
テル単位を0.1〜30重量%含有することを特徴とす
る〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子に係
るものである。また、本発明は、〔5〕成分(A)の液
晶ポリエステルが、下記の繰り返し構造単位を少なくと
も全体の30モル%含むものであることを特徴とする
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子に係るものである。
【化4】
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の有機EL素子につ
いて詳細に説明する。本発明の有機EL素子は、少なく
とも一方が透明または半透明である一対の陽極および陰
極からなる電極間に、少なくとも発光層を有する有機エ
レクトロルミネッセンス素子において、発光層が固体状
態で蛍光を有し、前記一般式(1)で示される繰り返し
単位が、全繰り返し単位の50モル%以上であり、ポリ
スチレン換算の数平均分子量が103 〜107 である高
分子蛍光体を含む。さらに、本発明の有機EL素子は、
該有機EL素子の表面の少なくとも一部が、成分(A)
の液晶ポリエステルを65.0〜99.9重量%および
成分(B)のエポキシ基を有する共重合体を35.0〜
0.1重量%含有する液晶ポリエステル樹脂組成物より
なるフィルムにより被覆されてなることを特徴とする。
次に、本発明の有機EL素子の発光層に用いられる高分
子蛍光体について説明する。該高分子蛍光体は、前記一
般式(1)で示される繰り返し単位を全繰り返し単位の
50モル%以上含む重合体である。繰り返し単位の構造
にもよるが、一般式(1)で示される繰り返し単位が全
繰り返し単位の70%以上であることが好ましい。該高
分子蛍光体は、一般式(1)で示される繰り返し単位以
外の繰り返し単位として、2価の芳香族化合物基もしく
はその誘導体、2価の複素環化合物基もしくはその誘導
体、またはそれらを組み合わせて得られる基などを含ん
でいてもよい。また、一般式(1)で示される繰り返し
単位や他の繰り返し単位が、エーテル基、エステル基、
アミド基、イミド基などを有する非共役の単位で連結さ
れていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分
が含まれていてもよい。
いて詳細に説明する。本発明の有機EL素子は、少なく
とも一方が透明または半透明である一対の陽極および陰
極からなる電極間に、少なくとも発光層を有する有機エ
レクトロルミネッセンス素子において、発光層が固体状
態で蛍光を有し、前記一般式(1)で示される繰り返し
単位が、全繰り返し単位の50モル%以上であり、ポリ
スチレン換算の数平均分子量が103 〜107 である高
分子蛍光体を含む。さらに、本発明の有機EL素子は、
該有機EL素子の表面の少なくとも一部が、成分(A)
の液晶ポリエステルを65.0〜99.9重量%および
成分(B)のエポキシ基を有する共重合体を35.0〜
0.1重量%含有する液晶ポリエステル樹脂組成物より
なるフィルムにより被覆されてなることを特徴とする。
次に、本発明の有機EL素子の発光層に用いられる高分
子蛍光体について説明する。該高分子蛍光体は、前記一
般式(1)で示される繰り返し単位を全繰り返し単位の
50モル%以上含む重合体である。繰り返し単位の構造
にもよるが、一般式(1)で示される繰り返し単位が全
繰り返し単位の70%以上であることが好ましい。該高
分子蛍光体は、一般式(1)で示される繰り返し単位以
外の繰り返し単位として、2価の芳香族化合物基もしく
はその誘導体、2価の複素環化合物基もしくはその誘導
体、またはそれらを組み合わせて得られる基などを含ん
でいてもよい。また、一般式(1)で示される繰り返し
単位や他の繰り返し単位が、エーテル基、エステル基、
アミド基、イミド基などを有する非共役の単位で連結さ
れていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分
が含まれていてもよい。
【0012】本発明における高分子蛍光体において、一
般式(1)のArとしては、共役結合に関与する炭素原
子数が4個以上20個以下からなるアリーレン基または
複素環化合物基であり、下記に示す2価の芳香族化合物
基もしくはその誘導体基、2価の複素環化合物基もしく
はその誘導体基、またはそれらを組み合わせて得られる
基などが例示される。
般式(1)のArとしては、共役結合に関与する炭素原
子数が4個以上20個以下からなるアリーレン基または
複素環化合物基であり、下記に示す2価の芳香族化合物
基もしくはその誘導体基、2価の複素環化合物基もしく
はその誘導体基、またはそれらを組み合わせて得られる
基などが例示される。
【0013】
【化5】 (R1 〜R92は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜2
0のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基、
炭素数6〜18のアリール基およびアリールオキシ基、
ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基からなる群か
ら選ばれた基である。)
0のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基、
炭素数6〜18のアリール基およびアリールオキシ基、
ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基からなる群か
ら選ばれた基である。)
【0014】これらのなかでフェニレン基、置換フェニ
レン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフタ
レンジイル基、置換ナフタレンジイル基、アントラセン
−9,10−ジイル基、置換アントラセン−9,10−
ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、置換ピリジン
−2,5−ジイル基、チエニレン基または置換チエニレ
ン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン基、ビ
フェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,5
−ジイル基、チエニレン基である。
レン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフタ
レンジイル基、置換ナフタレンジイル基、アントラセン
−9,10−ジイル基、置換アントラセン−9,10−
ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、置換ピリジン
−2,5−ジイル基、チエニレン基または置換チエニレ
ン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン基、ビ
フェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,5
−ジイル基、チエニレン基である。
【0015】一般式(1)におけるR、R’が水素また
はシアノ基以外の置換基である場合について述べると、
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基な
どが挙げられ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。アリール
基としては、フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフ
ェニル基(C 1 〜C12は炭素数1〜12であることを示
す。以下、同様である。)、4−C1〜C12アルキルフ
ェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示
される。
はシアノ基以外の置換基である場合について述べると、
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基な
どが挙げられ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。アリール
基としては、フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフ
ェニル基(C 1 〜C12は炭素数1〜12であることを示
す。以下、同様である。)、4−C1〜C12アルキルフ
ェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示
される。
【0016】溶媒可溶性の観点からは、一般式(1)の
Arが、1つ以上の炭素数4〜20のアルキル基、アル
コキシ基およびアルキルチオ基、炭素数6〜18のアリ
ール基およびアリールオキシ基ならびに炭素数4〜14
の複素環化合物基から選ばれた基を有していることが好
ましい。
Arが、1つ以上の炭素数4〜20のアルキル基、アル
コキシ基およびアルキルチオ基、炭素数6〜18のアリ
ール基およびアリールオキシ基ならびに炭素数4〜14
の複素環化合物基から選ばれた基を有していることが好
ましい。
【0017】これらの置換基としては、以下のものが例
示される。炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
また、炭素数4〜20のアルコキシ基としては、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリ
ルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好
ましい。アルキルチオ基としては、ブチルチオ基、ペン
チルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチ
ルチオ基、デシルオキシ基、ラウリルチオ基などが挙げ
られ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基が好ましい。アリール基としては、
フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフェニル基、4
−C1 〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2
−ナフチル基などが例示される。アリールオキシ基とし
ては、フェノキシ基が例示される。複素環化合物基とし
ては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、
2−、3−または4−ピリジル基などが例示される。こ
れら置換基の数は、該高分子蛍光体の分子量と繰り返し
単位の構成によっても異なるが、溶解性の高い高分子蛍
光体を得る観点から、これらの置換基が分子量600当
たり1つ以上であることがさらに好ましい。
示される。炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
また、炭素数4〜20のアルコキシ基としては、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリ
ルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好
ましい。アルキルチオ基としては、ブチルチオ基、ペン
チルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチ
ルチオ基、デシルオキシ基、ラウリルチオ基などが挙げ
られ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基が好ましい。アリール基としては、
フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフェニル基、4
−C1 〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2
−ナフチル基などが例示される。アリールオキシ基とし
ては、フェノキシ基が例示される。複素環化合物基とし
ては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、
2−、3−または4−ピリジル基などが例示される。こ
れら置換基の数は、該高分子蛍光体の分子量と繰り返し
単位の構成によっても異なるが、溶解性の高い高分子蛍
光体を得る観点から、これらの置換基が分子量600当
たり1つ以上であることがさらに好ましい。
【0018】なお、本発明の有機EL素子に用いる高分
子蛍光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合
体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高
分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であ
ってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る
観点からは、完全なランダム共重合体よりブロック性を
帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重
合体が好ましい。また、本発明の有機EL素子は、薄膜
からの発光を利用するので該高分子蛍光体は、固体状態
で蛍光を有するものが用いられる。
子蛍光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合
体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高
分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であ
ってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る
観点からは、完全なランダム共重合体よりブロック性を
帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重
合体が好ましい。また、本発明の有機EL素子は、薄膜
からの発光を利用するので該高分子蛍光体は、固体状態
で蛍光を有するものが用いられる。
【0019】該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示される。
高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれら
の溶媒に0.1wt%以上溶解させることができる。
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示される。
高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれら
の溶媒に0.1wt%以上溶解させることができる。
【0020】本発明における高分子蛍光体は、分子量が
ポリスチレン換算で103 〜107であり、それらの重
合度は繰り返し構造やその割合によっても変わる。成膜
性の点から一般には繰り返し構造の合計数で好ましくは
4〜10000、さらに好ましくは5〜3000、特に
好ましくは10〜2000である。
ポリスチレン換算で103 〜107であり、それらの重
合度は繰り返し構造やその割合によっても変わる。成膜
性の点から一般には繰り返し構造の合計数で好ましくは
4〜10000、さらに好ましくは5〜3000、特に
好ましくは10〜2000である。
【0021】有機EL素子を作製する際に、これらの有
機溶媒可溶性の高分子蛍光体を用いることにより、溶液
から成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を
除去するだけでよく、また後述するさらに電荷輸送材料
や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用
でき、製造上非常に有利である。
機溶媒可溶性の高分子蛍光体を用いることにより、溶液
から成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を
除去するだけでよく、また後述するさらに電荷輸送材料
や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用
でき、製造上非常に有利である。
【0022】本発明の有機EL素子に用いる高分子蛍光
体の合成法としては、例えば、アリーレン基にアルデヒ
ド基が2つ結合したジアルデヒド化合物と、アリーレン
基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物とトリフ
ェニルホスフィンとから得られるジホスホニウム塩から
のWittig反応が例示される。また、他の合成法と
しては、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合
した化合物からの脱ハロゲン化水素法が例示される。さ
らに、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合し
た化合物のスルホニウム塩をアルカリで重合して得られ
る中間体から熱処理により該高分子蛍光体を得るスルホ
ニウム塩分解法が例示される。いずれの合成法において
も、モノマーとして、アリーレン基以外の骨格を有する
化合物を加え、その存在割合を変えることにより、生成
する高分子蛍光体に含まれる繰り返し単位の構造を変え
ることができるので、一般式(1)で示される繰り返し
単位が50モル%以上となるように加減して仕込み、共
重合してもよい。これらのうち、Wittig反応によ
る方法が、反応の制御や収率の点で好ましい。
体の合成法としては、例えば、アリーレン基にアルデヒ
ド基が2つ結合したジアルデヒド化合物と、アリーレン
基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物とトリフ
ェニルホスフィンとから得られるジホスホニウム塩から
のWittig反応が例示される。また、他の合成法と
しては、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合
した化合物からの脱ハロゲン化水素法が例示される。さ
らに、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合し
た化合物のスルホニウム塩をアルカリで重合して得られ
る中間体から熱処理により該高分子蛍光体を得るスルホ
ニウム塩分解法が例示される。いずれの合成法において
も、モノマーとして、アリーレン基以外の骨格を有する
化合物を加え、その存在割合を変えることにより、生成
する高分子蛍光体に含まれる繰り返し単位の構造を変え
ることができるので、一般式(1)で示される繰り返し
単位が50モル%以上となるように加減して仕込み、共
重合してもよい。これらのうち、Wittig反応によ
る方法が、反応の制御や収率の点で好ましい。
【0023】さらに具体的に、本発明の有機EL素子に
用いられる高分子蛍光体の1つの例であるアリーレンビ
ニレン系共重合体の合成法を説明する。Wittig反
応により高分子蛍光体を得る場合は、まず、ビス(ハロ
ゲン化メチル)化合物、より具体的には、例えば、2,
5−ジオクチルオキシ−p−キシリレンジブロミドを
N,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホ
スフィンと反応させてホスホニウム塩を合成し、これと
ジアルデヒド化合物、より具体的には、例えば、テレフ
タルアルデヒドとを、例えばエチルアルコール中、リチ
ウムエトキシドを用いて縮合させるWittig反応に
より、フェニレンビニレン基と2,5−ジオクチルオキ
シ−p−フェニレンビニレン基を含む高分子蛍光体が得
られる。このとき、共重合体を得るために2種類以上の
ジホスホニウム塩および/または2種類以上のジアルデ
ヒド化合物を反応させてもよい。
用いられる高分子蛍光体の1つの例であるアリーレンビ
ニレン系共重合体の合成法を説明する。Wittig反
応により高分子蛍光体を得る場合は、まず、ビス(ハロ
ゲン化メチル)化合物、より具体的には、例えば、2,
5−ジオクチルオキシ−p−キシリレンジブロミドを
N,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホ
スフィンと反応させてホスホニウム塩を合成し、これと
ジアルデヒド化合物、より具体的には、例えば、テレフ
タルアルデヒドとを、例えばエチルアルコール中、リチ
ウムエトキシドを用いて縮合させるWittig反応に
より、フェニレンビニレン基と2,5−ジオクチルオキ
シ−p−フェニレンビニレン基を含む高分子蛍光体が得
られる。このとき、共重合体を得るために2種類以上の
ジホスホニウム塩および/または2種類以上のジアルデ
ヒド化合物を反応させてもよい。
【0024】これらの高分子蛍光体を有機EL素子の発
光材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を
与えるため、合成後、再沈精製、クロマトグラフによる
分別等の純化処理をすることが好ましい。
光材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を
与えるため、合成後、再沈精製、クロマトグラフによる
分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0025】次に、本発明の特徴である、有機EL素子
に用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物よりなるフィ
ルムについて説明する。以下、該液晶ポリエステル樹脂
組成物よりなるフィルムを保護層と呼ぶことがある。該
液晶ポリエステル樹脂組成物は、成分(A)の液晶ポリ
エステルを65.0〜99.9重量%および(B)成分
のエポキシ基を有する共重合体を35.0〜0.1重量
%含有する。該成分(A)の液晶ポリエステルは、サー
モトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであ
る。
に用いられる液晶ポリエステル樹脂組成物よりなるフィ
ルムについて説明する。以下、該液晶ポリエステル樹脂
組成物よりなるフィルムを保護層と呼ぶことがある。該
液晶ポリエステル樹脂組成物は、成分(A)の液晶ポリ
エステルを65.0〜99.9重量%および(B)成分
のエポキシ基を有する共重合体を35.0〜0.1重量
%含有する。該成分(A)の液晶ポリエステルは、サー
モトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであ
る。
【0026】該液晶ポリエステル樹脂組成物として、具
体的には、(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族
ジカルボン酸と芳香族または脂肪族ジオールとの組み合
わせからなるもの、(2)異種の芳香族ヒドロキシカル
ボン酸の組み合わせからなるもの、(3)芳香族ジカル
ボン酸と芳香族または脂肪族ジオールとの組み合わせか
らなるもの、(4)ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させ
て得られるものなどが挙げられ、400℃以下の温度で
異方性溶融体を形成するものが好ましい。なお、これら
の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、
芳香族または脂肪族ジオールの代わりに、それらのエス
テル形成性誘導体が使用されることもある。該液晶ポリ
エステルの繰返し構造単位としては、下記のものを例示
することができるが、これらに限定されるものではな
い。
体的には、(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族
ジカルボン酸と芳香族または脂肪族ジオールとの組み合
わせからなるもの、(2)異種の芳香族ヒドロキシカル
ボン酸の組み合わせからなるもの、(3)芳香族ジカル
ボン酸と芳香族または脂肪族ジオールとの組み合わせか
らなるもの、(4)ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させ
て得られるものなどが挙げられ、400℃以下の温度で
異方性溶融体を形成するものが好ましい。なお、これら
の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、
芳香族または脂肪族ジオールの代わりに、それらのエス
テル形成性誘導体が使用されることもある。該液晶ポリ
エステルの繰返し構造単位としては、下記のものを例示
することができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0027】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構
造単位として、下記のものが例示される。
造単位として、下記のものが例示される。
【化6】
【0028】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位
として、下記のものが例示される。
として、下記のものが例示される。
【化7】
【0029】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰
返し構造単位として、下記のものが例示される。
返し構造単位として、下記のものが例示される。
【化8】
【0030】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは、前記の一般式
(2)で表される繰り返し構造単位を含むものであり、
具体的には、繰り返し構造単位の組み合わせが下記
(I)〜(VI)のものが挙げられる。
ら特に好ましい液晶ポリエステルは、前記の一般式
(2)で表される繰り返し構造単位を含むものであり、
具体的には、繰り返し構造単位の組み合わせが下記
(I)〜(VI)のものが挙げられる。
【0031】
【化9】
【0032】該液晶ポリエステル(I)、(II)、
(III)、(IV)については、それぞれ、例えば、
特公昭47−47870号公報、特公昭63−3888
号公報、特公昭63−3891号公報、特公昭56−1
8016号公報などに記載されている。これらの中でさ
らに好ましくは(I)、(II)の組み合わせが挙げら
れる。
(III)、(IV)については、それぞれ、例えば、
特公昭47−47870号公報、特公昭63−3888
号公報、特公昭63−3891号公報、特公昭56−1
8016号公報などに記載されている。これらの中でさ
らに好ましくは(I)、(II)の組み合わせが挙げら
れる。
【0033】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物において、高い耐熱性が要求される分野には、成分
(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位
(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モ
ル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からな
る液晶ポリエステルが好ましく使用される。
物において、高い耐熱性が要求される分野には、成分
(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位
(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モ
ル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からな
る液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0034】
【化10】 (式中、Ar’は2価の芳香族基である。)
【0035】本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂
組成物において、環境問題の見地から使用後の焼却等の
廃棄の容易さが求められる分野には、ここまで挙げたそ
れぞれに要求される分野の好ましい組み合わせの中でと
くに炭素、水素、酸素のみの元素からなる組み合わせに
よる液晶ポリエステルが特に好ましく使用される。
組成物において、環境問題の見地から使用後の焼却等の
廃棄の容易さが求められる分野には、ここまで挙げたそ
れぞれに要求される分野の好ましい組み合わせの中でと
くに炭素、水素、酸素のみの元素からなる組み合わせに
よる液晶ポリエステルが特に好ましく使用される。
【0036】本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂
組成物の成分(B)は、エポキシ基を有する共重合体で
ある。共重合体としては、熱可塑性樹脂であってもゴム
であってもよいし、熱可塑性樹脂とゴムの混合物であっ
てもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成物では、成分
(A)の液晶ポリエステルが連続相を、成分(B)のエ
ポキシ基を有する共重合体が分散相を形成していること
が好ましい。液晶ポリエステル単体に比べ液晶ポリエス
テル樹脂組成物の成形性は良好である。この理由は必ず
しも明らかではないが、成分(A)の液晶ポリエステル
末端のカルボン酸と成分(B)のエポキシ基が反応して
溶融粘度の温度依存性を変化させたためと考えられる。
組成物の成分(B)は、エポキシ基を有する共重合体で
ある。共重合体としては、熱可塑性樹脂であってもゴム
であってもよいし、熱可塑性樹脂とゴムの混合物であっ
てもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成物では、成分
(A)の液晶ポリエステルが連続相を、成分(B)のエ
ポキシ基を有する共重合体が分散相を形成していること
が好ましい。液晶ポリエステル単体に比べ液晶ポリエス
テル樹脂組成物の成形性は良好である。この理由は必ず
しも明らかではないが、成分(A)の液晶ポリエステル
末端のカルボン酸と成分(B)のエポキシ基が反応して
溶融粘度の温度依存性を変化させたためと考えられる。
【0037】エポキシ基を有する置換基の中では、グリ
シジル基が好ましい。グリシジル基を含有する単量体と
しては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/
または不飽和カルボン酸グリシジルエーテルが好ましく
用いられる。
シジル基が好ましい。グリシジル基を含有する単量体と
しては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/
または不飽和カルボン酸グリシジルエーテルが好ましく
用いられる。
【0038】不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位
は、一般式
は、一般式
【化11】 (Q1 は、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜1
3の炭化水素基である。)で表される。
3の炭化水素基である。)で表される。
【0039】不飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位
を与える化合物は、一般式
を与える化合物は、一般式
【化12】 (Q2 は、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜1
8の炭化水素基であり、Yは、−CH2 O−または
8の炭化水素基であり、Yは、−CH2 O−または
【0040】
【化13】 である。)
【0041】具体的には、不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステ
ル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p
−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどが挙げら
れる。また、不飽和カルボン酸グリシジルエーテルとし
ては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタク
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテルなどが挙げられる。
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステ
ル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p
−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどが挙げら
れる。また、不飽和カルボン酸グリシジルエーテルとし
ては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタク
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテルなどが挙げられる。
【0042】また、本発明におけるエポキシ基を有する
共重合体(B)の具体例として、熱可塑性樹脂として
は、(a)エチレン単位が50〜99.9重量%、
(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルエステル単
位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.
1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%からな
るエポキシ基含有エチレン共重合体を挙げることができ
る。さらに、本発明におけるエポキシ基を有する共重合
体(B)の具体例として、熱可塑性樹脂としては、
(a)エチレン単位が、50〜99.89重量%、
(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルエステル単
位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.
1〜49.99重量%、好ましくは0.5〜20重量
%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0.
01〜49.9重量%からなるエポキシ基含有エチレン
共重合体を挙げることができる。
共重合体(B)の具体例として、熱可塑性樹脂として
は、(a)エチレン単位が50〜99.9重量%、
(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルエステル単
位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.
1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%からな
るエポキシ基含有エチレン共重合体を挙げることができ
る。さらに、本発明におけるエポキシ基を有する共重合
体(B)の具体例として、熱可塑性樹脂としては、
(a)エチレン単位が、50〜99.89重量%、
(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルエステル単
位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.
1〜49.99重量%、好ましくは0.5〜20重量
%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0.
01〜49.9重量%からなるエポキシ基含有エチレン
共重合体を挙げることができる。
【0043】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α、β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に、酢酸ビ
ニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好まし
い。
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α、β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に、酢酸ビ
ニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好まし
い。
【0044】本発明に使用するエポキシ基含有エチレン
共重合体(B)としては、例えば、エチレン単位とグリ
シジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン
単位とグリシジルメタクリレート単位およびメチルアク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびエチルアクリレート単位
からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリ
レート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体等が
挙げられる。
共重合体(B)としては、例えば、エチレン単位とグリ
シジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン
単位とグリシジルメタクリレート単位およびメチルアク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびエチルアクリレート単位
からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリ
レート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体等が
挙げられる。
【0045】また、エポキシ基含有エチレン共重合体
(B)のメルトインデックス〔以下、MFRということ
がある。この測定は、JIS K6760(190℃、
2.16kg荷重)による。〕は、好ましくは0.5〜
100g/10分、さらに好ましくは2〜50g/10
分である。メルトインデックスは、この範囲外であって
もよいが、メルトインデックスが100g/10分を超
えると組成物にしたときの機械的物性の点で好ましくな
く、0.5g/10分未満では成分(A)の液晶ポリエ
ステルとの相溶性が劣り好ましくない。エポキシ基含有
エチレン共重合体(B)は、曲げ剛性率が好ましくは1
0〜1800kg/cm2 、さらに好ましくは20〜1
300kg/cm2 のものが用いられる。曲げ剛性率が
この範囲外であると、組成物の成膜加工性が不十分であ
ったり、フィルムの機械的性質が不十分となる場合があ
り好ましくない。
(B)のメルトインデックス〔以下、MFRということ
がある。この測定は、JIS K6760(190℃、
2.16kg荷重)による。〕は、好ましくは0.5〜
100g/10分、さらに好ましくは2〜50g/10
分である。メルトインデックスは、この範囲外であって
もよいが、メルトインデックスが100g/10分を超
えると組成物にしたときの機械的物性の点で好ましくな
く、0.5g/10分未満では成分(A)の液晶ポリエ
ステルとの相溶性が劣り好ましくない。エポキシ基含有
エチレン共重合体(B)は、曲げ剛性率が好ましくは1
0〜1800kg/cm2 、さらに好ましくは20〜1
300kg/cm2 のものが用いられる。曲げ剛性率が
この範囲外であると、組成物の成膜加工性が不十分であ
ったり、フィルムの機械的性質が不十分となる場合があ
り好ましくない。
【0046】該エポキシ基含有エチレン共重合体(B)
は、通常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発
生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300
℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に
共重合させる方法により製造される。また、ポリエチレ
ンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生剤を混合
し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっ
ても作られる。
は、通常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発
生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300
℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に
共重合させる方法により製造される。また、ポリエチレ
ンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生剤を混合
し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっ
ても作られる。
【0047】また、本発明におけるエポキシ基を有する
共重合体(B)がゴムである場合の具体例としては、
(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カル
ボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシ
ジルエーテル)共重合体ゴムを挙げることができる。好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル単位が40〜9
6.9重量%、さらに好ましくは50〜70重量%、エ
チレン単位が3〜50重量%、さらに好ましくは10〜
49.5重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル
エステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル
単位が0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜
20重量%である。該共重合体ゴムの(メタ)アクリル
酸エステルが40重量%未満であるとゴム弾性が低下
し、該組成物の耐衝撃性改良の効果が小さくなり、また
(メタ)アクリル酸エステルが96.9重量%以上であ
ると、該共重合体ゴムの脆化点が高くなり、該組成物の
低温での機械的性質が低下する場合があり好ましくな
い。
共重合体(B)がゴムである場合の具体例としては、
(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カル
ボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシ
ジルエーテル)共重合体ゴムを挙げることができる。好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル単位が40〜9
6.9重量%、さらに好ましくは50〜70重量%、エ
チレン単位が3〜50重量%、さらに好ましくは10〜
49.5重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル
エステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル
単位が0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜
20重量%である。該共重合体ゴムの(メタ)アクリル
酸エステルが40重量%未満であるとゴム弾性が低下
し、該組成物の耐衝撃性改良の効果が小さくなり、また
(メタ)アクリル酸エステルが96.9重量%以上であ
ると、該共重合体ゴムの脆化点が高くなり、該組成物の
低温での機械的性質が低下する場合があり好ましくな
い。
【0048】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート,2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その1種を単独で使用してもおく、また2種以
上を併用してもよい。
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート,2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その1種を単独で使用してもおく、また2種以
上を併用してもよい。
【0049】該共重合体ゴムは、ムーニー粘度が3〜3
0のものが好ましく、4〜25のものがさらに好まし
い。ここでいう、ムーニー粘度は、JIS K6300
に準じて100℃ラージローターを用いて測定した値を
いう。
0のものが好ましく、4〜25のものがさらに好まし
い。ここでいう、ムーニー粘度は、JIS K6300
に準じて100℃ラージローターを用いて測定した値を
いう。
【0050】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭6
1−127709号公報などに記載された方法により、
フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力5
00kg/cm2 以上、温度40〜300℃の条件によ
り製造することができる。
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭6
1−127709号公報などに記載された方法により、
フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力5
00kg/cm2 以上、温度40〜300℃の条件によ
り製造することができる。
【0051】該共重合体ゴムは、必要に応じて加硫を行
い、加硫ゴムとして用いることができる。上記の(メ
タ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン
酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジル
エーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機酸、多
官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを用いる
ことで達成されるが、これらに限定されるものではな
い。
い、加硫ゴムとして用いることができる。上記の(メ
タ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン
酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジル
エーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機酸、多
官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを用いる
ことで達成されるが、これらに限定されるものではな
い。
【0052】本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂
組成物における成分(A)と成分(B)の比率は、成分
(A)が65.0〜99.9重量%、好ましくは70.
0〜98.0重量%、成分(B)が35.0〜0.1重
量%、好ましくは30.0〜2.0重量%である。成分
(A)が65.0重量%未満であると成膜加工性が不十
分であったり、該組成物により得られるフィルムのガス
バリア性および引張強度が低下するので好ましくない。
また、成分(A)が99.9重量%を超えると該組成物
により得られるフィルムの引張強度の異方性の改良効果
が充分でない場合があり好ましくない。
組成物における成分(A)と成分(B)の比率は、成分
(A)が65.0〜99.9重量%、好ましくは70.
0〜98.0重量%、成分(B)が35.0〜0.1重
量%、好ましくは30.0〜2.0重量%である。成分
(A)が65.0重量%未満であると成膜加工性が不十
分であったり、該組成物により得られるフィルムのガス
バリア性および引張強度が低下するので好ましくない。
また、成分(A)が99.9重量%を超えると該組成物
により得られるフィルムの引張強度の異方性の改良効果
が充分でない場合があり好ましくない。
【0053】さらに、本発明で用いられる液晶ポリエス
テル樹脂組成物における成分(A)と成分(B)は用途
によってその組み合わせを上記範囲内で自由に変えられ
るが、環境問題の観点から炭素、酸素、水素からのみな
る組み合わせが好ましく用いられる。
テル樹脂組成物における成分(A)と成分(B)は用途
によってその組み合わせを上記範囲内で自由に変えられ
るが、環境問題の観点から炭素、酸素、水素からのみな
る組み合わせが好ましく用いられる。
【0054】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用い
ることができる。例えば、溶液状態で各成分を混合し、
溶剤を蒸発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げら
れる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混練す
る方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている
一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置
を用いることができる。特に二軸の高混練機が好まし
い。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温
度は、液晶ポリエステルが溶融する温度に依存して決定
されるが、200〜360℃の範囲が好ましく、さらに
好ましくは230〜340℃である。
物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用い
ることができる。例えば、溶液状態で各成分を混合し、
溶剤を蒸発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げら
れる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混練す
る方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている
一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置
を用いることができる。特に二軸の高混練機が好まし
い。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温
度は、液晶ポリエステルが溶融する温度に依存して決定
されるが、200〜360℃の範囲が好ましく、さらに
好ましくは230〜340℃である。
【0055】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
またはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一
に混合してもよいし、混合を省いて混練装置にそれぞれ
別個に定量供給する方法も用いることもできる。
またはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一
に混合してもよいし、混合を省いて混練装置にそれぞれ
別個に定量供給する方法も用いることもできる。
【0056】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物フィルムの製造は、上記の方法で得られた液晶ポリエ
ステル樹脂組成物を押出機で溶融混練し、口金(ダイ)
を通して押し出した溶融樹脂を引き取ることによって行
う。予め混練の過程を得ず、成型時に各成分をドライブ
レンドして溶融加工操作中に混練して樹脂組成物とし、
直接成形加工品を得ることもできる。口金(ダイ)は、
通常Tダイまたは環状スリットダイ(以下インフレーシ
ョンダイということがある)を用いることができる。
物フィルムの製造は、上記の方法で得られた液晶ポリエ
ステル樹脂組成物を押出機で溶融混練し、口金(ダイ)
を通して押し出した溶融樹脂を引き取ることによって行
う。予め混練の過程を得ず、成型時に各成分をドライブ
レンドして溶融加工操作中に混練して樹脂組成物とし、
直接成形加工品を得ることもできる。口金(ダイ)は、
通常Tダイまたは環状スリットダイ(以下インフレーシ
ョンダイということがある)を用いることができる。
【0057】Tダイを用いたフィルム成形の場合、押出
機によって溶融混練された液晶ポリエステル樹脂組成物
は、通常下向きのTダイを通してシート状の溶融体とな
り、次に圧着ロールを通して長手方向に引取装置で引き
取られる。Tダイから押出された、シート状の溶融体を
二軸延伸機、テンター等を用いて二軸延伸フィルムを得
ることもできる。
機によって溶融混練された液晶ポリエステル樹脂組成物
は、通常下向きのTダイを通してシート状の溶融体とな
り、次に圧着ロールを通して長手方向に引取装置で引き
取られる。Tダイから押出された、シート状の溶融体を
二軸延伸機、テンター等を用いて二軸延伸フィルムを得
ることもできる。
【0058】Tダイのスリット間隔は0.2mm〜1.
5mmが好ましく、延伸することで1μmから1000
μmのフィルムが得られるが、実用上、10μm〜15
0μmのフィルムが実用上好ましく用いられる。
5mmが好ましく、延伸することで1μmから1000
μmのフィルムが得られるが、実用上、10μm〜15
0μmのフィルムが実用上好ましく用いられる。
【0059】環状スリットのダイを使用するインフレー
ション成形の場合、液晶ポリエステル樹脂組成物は環状
スリットのダイを備えた溶融混練押出機に供給され、環
状スリットダイから筒状の樹脂組成物溶融体が上方また
は下方に押し出される際、内側に気体を封入すること
と、溶融体が押し出される方向に引き取ることで延伸さ
れて、筒状のフィルムが得られる。この成膜法の場合、
例えば気体の封入量と引き取る速度を変えることで任意
の厚さのフィルムを得ることができる。環状スリットの
間隔は、通常0.1mm〜5mm、好ましくは0.5m
m〜2mm、環状スリットの直径は、通常20mm〜5
00mm、好ましくは50mm〜300mmである。
ション成形の場合、液晶ポリエステル樹脂組成物は環状
スリットのダイを備えた溶融混練押出機に供給され、環
状スリットダイから筒状の樹脂組成物溶融体が上方また
は下方に押し出される際、内側に気体を封入すること
と、溶融体が押し出される方向に引き取ることで延伸さ
れて、筒状のフィルムが得られる。この成膜法の場合、
例えば気体の封入量と引き取る速度を変えることで任意
の厚さのフィルムを得ることができる。環状スリットの
間隔は、通常0.1mm〜5mm、好ましくは0.5m
m〜2mm、環状スリットの直径は、通常20mm〜5
00mm、好ましくは50mm〜300mmである。
【0060】インフレーション成膜における液晶ポリエ
ステル樹脂組成物フィルムの厚さは、5μm〜1000
μmの範囲で制御可能であるが、実用上10μm〜15
0μmのものが好ましく用いられる。いずれの方法によ
る場合でも、成膜温度は、本発明に用いられる液晶ポリ
エステル樹脂組成物が溶融し始める温度から、その温度
より60℃高い温度までの温度範囲が好ましい。
ステル樹脂組成物フィルムの厚さは、5μm〜1000
μmの範囲で制御可能であるが、実用上10μm〜15
0μmのものが好ましく用いられる。いずれの方法によ
る場合でも、成膜温度は、本発明に用いられる液晶ポリ
エステル樹脂組成物が溶融し始める温度から、その温度
より60℃高い温度までの温度範囲が好ましい。
【0061】次に、本発明の有機EL素子の代表的な作
製方法について述べる。陽極および陰極からなる一対の
電極において、透明または半透明な電極としては、ガラ
ス、透明高分子フィルム等の基材の上に、透明または半
透明の電極を形成したものが挙げられる。該陽極の材料
としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等
が用いられる。具体的には、該陽極の材料として、イン
ジウム・スズ・オキサイド(ITO)、酸化スズ等から
なる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAな
ど)、硫化亜鉛、Au、Pt、Ag、Cu等が挙げられ
る。作製方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、
メッキ法などが用いられる。
製方法について述べる。陽極および陰極からなる一対の
電極において、透明または半透明な電極としては、ガラ
ス、透明高分子フィルム等の基材の上に、透明または半
透明の電極を形成したものが挙げられる。該陽極の材料
としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等
が用いられる。具体的には、該陽極の材料として、イン
ジウム・スズ・オキサイド(ITO)、酸化スズ等から
なる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAな
ど)、硫化亜鉛、Au、Pt、Ag、Cu等が挙げられ
る。作製方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、
メッキ法などが用いられる。
【0062】本発明の有機EL素子として、陽極と発光
層との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物を含
む正孔輸送層を有するものが挙げられる。この陽極上に
正孔輸送層を形成する場合には、該正孔輸送層には公知
の正孔輸送性化合物を用いることができる。該正孔輸送
性化合物としては、低分子のピラゾリン誘導体、アリー
ルアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジア
ミン誘導体等や、高分子のポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェ
ンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニ
レンビニレン)もしくはその誘導体が挙げられる。低分
子の正孔輸送性化合物は、単独で用いてもよいが、透明
な高分子化合物に混合して用いてもよい。用いられる高
分子化合物としては、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン
などが例示される。溶液を用いて塗工する場合の正孔輸
送層を溶解する溶媒としては、発光層の高分子蛍光体に
対して該溶媒の溶解度が低いことが好ましい。
層との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物を含
む正孔輸送層を有するものが挙げられる。この陽極上に
正孔輸送層を形成する場合には、該正孔輸送層には公知
の正孔輸送性化合物を用いることができる。該正孔輸送
性化合物としては、低分子のピラゾリン誘導体、アリー
ルアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジア
ミン誘導体等や、高分子のポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェ
ンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニ
レンビニレン)もしくはその誘導体が挙げられる。低分
子の正孔輸送性化合物は、単独で用いてもよいが、透明
な高分子化合物に混合して用いてもよい。用いられる高
分子化合物としては、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン
などが例示される。溶液を用いて塗工する場合の正孔輸
送層を溶解する溶媒としては、発光層の高分子蛍光体に
対して該溶媒の溶解度が低いことが好ましい。
【0063】該正孔輸送層の形成方法としては、該正孔
輸送性化合物の溶融液、溶液または混合液を使用してス
ピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング
法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法、または
バインダー樹脂と該正孔輸送性化合物とを溶液状態また
は溶融状態で混合し分散させた後の溶液または混合液の
スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピン
グ法、バーコート法、ロールコート法等による塗布法が
挙げられる。これらの方法の中で、バインダー樹脂を用
いた塗布法が好ましい。混合するバインダー樹脂として
は、特に限定されないが、正孔輸送性を極度に阻害しな
いものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くな
いものが好適に用いられる。該正孔輸送層の膜厚は、好
ましくは0.5nm〜10μm、さらに好ましくは1n
m〜1μmである。電流密度を上げて発光効率を上げる
ためには、さらに好ましくは10〜800nmである。
輸送性化合物の溶融液、溶液または混合液を使用してス
ピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング
法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法、または
バインダー樹脂と該正孔輸送性化合物とを溶液状態また
は溶融状態で混合し分散させた後の溶液または混合液の
スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピン
グ法、バーコート法、ロールコート法等による塗布法が
挙げられる。これらの方法の中で、バインダー樹脂を用
いた塗布法が好ましい。混合するバインダー樹脂として
は、特に限定されないが、正孔輸送性を極度に阻害しな
いものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くな
いものが好適に用いられる。該正孔輸送層の膜厚は、好
ましくは0.5nm〜10μm、さらに好ましくは1n
m〜1μmである。電流密度を上げて発光効率を上げる
ためには、さらに好ましくは10〜800nmである。
【0064】次いで、発光材料または発光材料と電荷輸
送材料を含む発光層を形成する。該発光層の形成方法と
しては、これら材料の粉末状態からの真空蒸着法、また
はこれら材料の溶融液、溶液もしくは混合液を使用した
スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピン
グ法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法が挙げ
られる。これらの方法の中で、低分子化合物を用いた場
合は、真空蒸着法が好ましい。また、高分子化合物を用
いた場合は、溶液もしくは混合液を使用したスピンコー
ティング法、キャスティング法、ディッピング法、バー
コート法、またはロールコート法等の塗布法が好まし
い。該発光層の膜厚は、好ましくは0.5nm〜10μ
m、さらに好ましくは1nm〜1μmである。電流密度
を上げて発光効率を上げるために、さらに好ましくは1
0〜500nmである。なお、正孔輸送層および発光層
を塗布法により薄膜化した場合には、溶媒を除去するた
め、正孔輸送層形成後および/または発光層形成後に、
減圧下または不活性雰囲気下で、好ましくは30〜30
0℃、さらに好ましくは60〜200℃の温度で加熱乾
燥することが好ましい。
送材料を含む発光層を形成する。該発光層の形成方法と
しては、これら材料の粉末状態からの真空蒸着法、また
はこれら材料の溶融液、溶液もしくは混合液を使用した
スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピン
グ法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法が挙げ
られる。これらの方法の中で、低分子化合物を用いた場
合は、真空蒸着法が好ましい。また、高分子化合物を用
いた場合は、溶液もしくは混合液を使用したスピンコー
ティング法、キャスティング法、ディッピング法、バー
コート法、またはロールコート法等の塗布法が好まし
い。該発光層の膜厚は、好ましくは0.5nm〜10μ
m、さらに好ましくは1nm〜1μmである。電流密度
を上げて発光効率を上げるために、さらに好ましくは1
0〜500nmである。なお、正孔輸送層および発光層
を塗布法により薄膜化した場合には、溶媒を除去するた
め、正孔輸送層形成後および/または発光層形成後に、
減圧下または不活性雰囲気下で、好ましくは30〜30
0℃、さらに好ましくは60〜200℃の温度で加熱乾
燥することが好ましい。
【0065】本発明の有機EL素子として、陰極と発光
層との間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物を含
む層を有するものが挙げられる。さらに、本発明の有機
EL素子として、陰極と発光層との間に、該発光層に隣
接して電子輸送性化合物を含む層と、かつ陽極と発光層
との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物を含む
層とを有するものが挙げられる。該発光層の上にさらに
電子輸送層を積層する場合には、上記の成膜方法で発光
層を設けた後にその上に公知の電子輸送性化合物を用い
た電子輸送層を形成することが好ましい。該電子輸送性
化合物としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノ
ンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘
導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導
体の金属錯体などが好ましく、特に、2−(4−ビフェ
ニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノ
ン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムが好まし
い。
層との間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物を含
む層を有するものが挙げられる。さらに、本発明の有機
EL素子として、陰極と発光層との間に、該発光層に隣
接して電子輸送性化合物を含む層と、かつ陽極と発光層
との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物を含む
層とを有するものが挙げられる。該発光層の上にさらに
電子輸送層を積層する場合には、上記の成膜方法で発光
層を設けた後にその上に公知の電子輸送性化合物を用い
た電子輸送層を形成することが好ましい。該電子輸送性
化合物としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノ
ンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘
導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導
体の金属錯体などが好ましく、特に、2−(4−ビフェ
ニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノ
ン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムが好まし
い。
【0066】また、高分子化合物と電荷輸送材料とを溶
液状態または溶融状態で混合し分散させた後に、マイク
ログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート
法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップ
コート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセ
ット印刷法を用いることができる。混合する高分子化合
物としては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好まし
く、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用
いられる。該高分子化合物として、ポリ(N−ビニルカ
ルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリ
チオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレン
ビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニ
レンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネー
ト、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、またはポリシロキサンなどが例示される。該電子輸
送層の成膜方法としては、特に限定されないが、粉末状
態からの真空蒸着法、または溶液に溶かした後のスピン
コーティング法、キャスティング法、ディッピング法、
バーコート法、ロールコート法等の塗布法、またはバイ
ンダー樹脂と電荷輸送材料とを溶液状態もしくは溶融状
態で混合し分散させた後のスピンコーティング法、キャ
スティング法、ディッピング法、バーコート法、ロール
コート法等の塗布法を用いることができる。該電子輸送
層の膜厚は、少なくともピンホールが発生しないような
厚みが必要であるが、あまり厚いと、素子の抵抗が増加
し、高い駆動電圧が必要となり好ましくない。したがっ
て、電荷輸送層の膜厚は、好ましくは0.5nm〜10
μm、さらに好ましくは1nm〜1μm、特に好ましく
は5〜200nmである。
液状態または溶融状態で混合し分散させた後に、マイク
ログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート
法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップ
コート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセ
ット印刷法を用いることができる。混合する高分子化合
物としては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好まし
く、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用
いられる。該高分子化合物として、ポリ(N−ビニルカ
ルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリ
チオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレン
ビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニ
レンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネー
ト、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、またはポリシロキサンなどが例示される。該電子輸
送層の成膜方法としては、特に限定されないが、粉末状
態からの真空蒸着法、または溶液に溶かした後のスピン
コーティング法、キャスティング法、ディッピング法、
バーコート法、ロールコート法等の塗布法、またはバイ
ンダー樹脂と電荷輸送材料とを溶液状態もしくは溶融状
態で混合し分散させた後のスピンコーティング法、キャ
スティング法、ディッピング法、バーコート法、ロール
コート法等の塗布法を用いることができる。該電子輸送
層の膜厚は、少なくともピンホールが発生しないような
厚みが必要であるが、あまり厚いと、素子の抵抗が増加
し、高い駆動電圧が必要となり好ましくない。したがっ
て、電荷輸送層の膜厚は、好ましくは0.5nm〜10
μm、さらに好ましくは1nm〜1μm、特に好ましく
は5〜200nmである。
【0067】また、発光パターンを形成するために、ま
たは電極形成のためのエッチングを不要にするために、
これらの有機層の形成前、または形成後に、絶縁層を設
けることが好ましい。該絶縁層の素材としては、光硬化
性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテ
ルスルフォン等の有機材料、Al2 O3 、SiO2 など
の無機材料が挙げられるが、連続塗工中に形成する必要
がある場合は、短時間で塗工、硬化により形成可能な光
硬化性樹脂や熱硬化性樹脂がより好ましい。
たは電極形成のためのエッチングを不要にするために、
これらの有機層の形成前、または形成後に、絶縁層を設
けることが好ましい。該絶縁層の素材としては、光硬化
性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテ
ルスルフォン等の有機材料、Al2 O3 、SiO2 など
の無機材料が挙げられるが、連続塗工中に形成する必要
がある場合は、短時間で塗工、硬化により形成可能な光
硬化性樹脂や熱硬化性樹脂がより好ましい。
【0068】次いで、発光層または電子輸送層の上に電
極を設ける。この電極は電子注入陰極となる。本発明で
用いる陰極の材料としては、イオン化エネルギーの小さ
い材料が好ましい。例えば、アルミニウム、インジウ
ム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、マグネシウ
ム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、リチウム
−アルミニウム合金、リチウム−銀合金、リチウム−イ
ンジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金またはグ
ラファイト薄膜等が用いられる。陰極の作製方法として
は、真空蒸着法、スパッタリング法、または金属薄膜を
熱圧着するラミネート法等が用いられる。陰極作成後、
これを保護するための層を設けてもよい。該層として
は、EL特性に影響を与えなければ特に限定されない
が、CaO、ZnO、MgO、GeO、SiO2 、Al
2 O3 などの酸化物、MgF2 などのフッ化物、Al
N、BNなどの窒化物、また、フッ素を含んだ有機化合
物や、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、
ポリオレフィンなどの高分子材料などが例示される。
極を設ける。この電極は電子注入陰極となる。本発明で
用いる陰極の材料としては、イオン化エネルギーの小さ
い材料が好ましい。例えば、アルミニウム、インジウ
ム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、マグネシウ
ム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、リチウム
−アルミニウム合金、リチウム−銀合金、リチウム−イ
ンジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金またはグ
ラファイト薄膜等が用いられる。陰極の作製方法として
は、真空蒸着法、スパッタリング法、または金属薄膜を
熱圧着するラミネート法等が用いられる。陰極作成後、
これを保護するための層を設けてもよい。該層として
は、EL特性に影響を与えなければ特に限定されない
が、CaO、ZnO、MgO、GeO、SiO2 、Al
2 O3 などの酸化物、MgF2 などのフッ化物、Al
N、BNなどの窒化物、また、フッ素を含んだ有機化合
物や、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、
ポリオレフィンなどの高分子材料などが例示される。
【0069】次に、本発明の有機EL素子の特徴であ
る、該有機EL素子の表面の少なくとも一部が、前記の
成分(A)の液晶ポリエステルを65.0〜99.9重
量%および成分(B)のエポキシ基を有する共重合体を
35.0〜0.1重量%含有する液晶ポリエステル樹脂
組成物よりなるフィルムにより被覆されてなることにつ
いて説明する。本発明の有機EL素子は、その表面の少
なくとも一部が、前記の液晶ポリエステル樹脂組成物よ
りなるフィルムにより被覆されてなることを特徴とす
る。該フィルムにより被覆される部分の割合は大きい方
が好ましく、該有機EL素子の表面の全部が被覆されて
いてもよい。該有機EL素子の表面は、保存特性が向上
するので、接着されて該フィルムに被覆されていること
が好ましい。該有機EL素子の表面に該フィルムを接着
する方法としては、光硬化樹脂もしくは熱硬化樹脂を用
いて接着する方法または熱圧着法が挙げられる。
る、該有機EL素子の表面の少なくとも一部が、前記の
成分(A)の液晶ポリエステルを65.0〜99.9重
量%および成分(B)のエポキシ基を有する共重合体を
35.0〜0.1重量%含有する液晶ポリエステル樹脂
組成物よりなるフィルムにより被覆されてなることにつ
いて説明する。本発明の有機EL素子は、その表面の少
なくとも一部が、前記の液晶ポリエステル樹脂組成物よ
りなるフィルムにより被覆されてなることを特徴とす
る。該フィルムにより被覆される部分の割合は大きい方
が好ましく、該有機EL素子の表面の全部が被覆されて
いてもよい。該有機EL素子の表面は、保存特性が向上
するので、接着されて該フィルムに被覆されていること
が好ましい。該有機EL素子の表面に該フィルムを接着
する方法としては、光硬化樹脂もしくは熱硬化樹脂を用
いて接着する方法または熱圧着法が挙げられる。
【0070】次に、該光硬化樹脂もしくは熱硬化樹脂を
用いて接着する方法について、説明する。該光硬化性樹
脂と熱硬化性樹脂については、得られる有機EL素子の
EL特性に影響を与えなければ、特に限定されないが、
水、酸素の透過性の低い樹脂が好ましい。具体的には、
光硬化性樹脂としては、アクリレート樹脂や、含フッ素
アクリレート樹脂が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、
エポキシ樹脂、含フッ素エポキシ樹脂が挙げられる。該
光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂により接着する場合
は、用いる基材は、透明導電膜の付いた基材であれば限
定されないが、該基材の接着部分は、電荷輸送層と発光
層の有機層は取り除き、該基材とこれらの硬化性樹脂が
直接接触することが好ましい。また、該基材の接着部分
は、樹脂との接着性を高めるため、シランカップリング
剤で処理してもよい。また、該基材と該液晶ポリエステ
ル樹脂組成物よりなるフィルムとの間に窒素、アルゴン
などの不活性で水分の含有量が小さい気体で満たされた
空間を設けてもよいし、該樹脂と該基材とが直接接触し
ていてもよい。また、該基材と該フィルムとの間に、吸
水性樹脂や脱酸素剤を入れてもよい。有機層に低分子化
合物を用いる場合には、熱硬化性樹脂の硬化剤と低分子
化合物が反応したり、溶解する場合がある。その場合に
は該基材と該フィルムとの間に窒素、アルゴンなどの不
活性で水分の含有量が小さい気体で満たされた空間を設
けることが好ましい。図1に、基材と液晶ポリエステル
樹脂組成物よりなるフィルムとが密着している例を示
す。図2に、基材と液晶ポリエステル樹脂組成物よりな
るフィルムとの間に不活性な気体が満たされている例を
示す。ここで、有機層7とは、発光層または発光層と正
孔輸送層もしくは電子輸送層などを示す。
用いて接着する方法について、説明する。該光硬化性樹
脂と熱硬化性樹脂については、得られる有機EL素子の
EL特性に影響を与えなければ、特に限定されないが、
水、酸素の透過性の低い樹脂が好ましい。具体的には、
光硬化性樹脂としては、アクリレート樹脂や、含フッ素
アクリレート樹脂が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、
エポキシ樹脂、含フッ素エポキシ樹脂が挙げられる。該
光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂により接着する場合
は、用いる基材は、透明導電膜の付いた基材であれば限
定されないが、該基材の接着部分は、電荷輸送層と発光
層の有機層は取り除き、該基材とこれらの硬化性樹脂が
直接接触することが好ましい。また、該基材の接着部分
は、樹脂との接着性を高めるため、シランカップリング
剤で処理してもよい。また、該基材と該液晶ポリエステ
ル樹脂組成物よりなるフィルムとの間に窒素、アルゴン
などの不活性で水分の含有量が小さい気体で満たされた
空間を設けてもよいし、該樹脂と該基材とが直接接触し
ていてもよい。また、該基材と該フィルムとの間に、吸
水性樹脂や脱酸素剤を入れてもよい。有機層に低分子化
合物を用いる場合には、熱硬化性樹脂の硬化剤と低分子
化合物が反応したり、溶解する場合がある。その場合に
は該基材と該フィルムとの間に窒素、アルゴンなどの不
活性で水分の含有量が小さい気体で満たされた空間を設
けることが好ましい。図1に、基材と液晶ポリエステル
樹脂組成物よりなるフィルムとが密着している例を示
す。図2に、基材と液晶ポリエステル樹脂組成物よりな
るフィルムとの間に不活性な気体が満たされている例を
示す。ここで、有機層7とは、発光層または発光層と正
孔輸送層もしくは電子輸送層などを示す。
【0071】次に、熱圧着法を用いる場合においては、
有機EL素子における基材は限定されないが、高分子フ
ィルムが好ましい。熱圧着の場合にはラミネーターを用
いることが好ましい。熱圧着温度は、50℃以上200
℃以下が好ましく、100℃以上150℃以下がさらに
好ましい。該基材に高分子フィルムを用いる場合は、該
高分子フィルムは、水、酸素などの透過性の小さい材料
すなわちバリア性の高い材料を用いることが好ましい。
該基材は、無機材料および/またはハードコート剤で被
覆されてなることが好ましい。すなわち、本発明の有機
EL素子の一態様は、陽極または陰極が、高分子フィル
ム上に形成された金属酸化物よりなる透明電極であり、
該透明電極は該高分子フィルムに対して発光層側に配置
され、該高分子フィルムの発光層側とは反対の側の表面
がガスバリアー性の無機材料および/またはハードコー
ト材で被覆されてなるものである。また、本発明の有機
EL素子の一態様は、陽極または陰極が、高分子フィル
ム上に形成された金属酸化物よりなる透明電極であり、
該透明電極は該高分子フィルムに対して発光層側に配置
され、該高分子フィルムの発光層側であって該透明電極
との間の表面が、ガスバリアー性の無機材料および/ま
たはハードコート材で被覆されてなるものである。該無
機材料としては、アルミニウム、チタン、ニッケル、バ
ナジウムなど表面に緻密な不動態層を形成する金属材料
やSiO2 、Al2 O3 などの水、酸素などのバリア性
の高い酸化物が例示される。また、ハードコート剤につ
いては、特に限定されないが、水、酸素などのバリア性
の高いアクリレート系樹脂などが例示される。
有機EL素子における基材は限定されないが、高分子フ
ィルムが好ましい。熱圧着の場合にはラミネーターを用
いることが好ましい。熱圧着温度は、50℃以上200
℃以下が好ましく、100℃以上150℃以下がさらに
好ましい。該基材に高分子フィルムを用いる場合は、該
高分子フィルムは、水、酸素などの透過性の小さい材料
すなわちバリア性の高い材料を用いることが好ましい。
該基材は、無機材料および/またはハードコート剤で被
覆されてなることが好ましい。すなわち、本発明の有機
EL素子の一態様は、陽極または陰極が、高分子フィル
ム上に形成された金属酸化物よりなる透明電極であり、
該透明電極は該高分子フィルムに対して発光層側に配置
され、該高分子フィルムの発光層側とは反対の側の表面
がガスバリアー性の無機材料および/またはハードコー
ト材で被覆されてなるものである。また、本発明の有機
EL素子の一態様は、陽極または陰極が、高分子フィル
ム上に形成された金属酸化物よりなる透明電極であり、
該透明電極は該高分子フィルムに対して発光層側に配置
され、該高分子フィルムの発光層側であって該透明電極
との間の表面が、ガスバリアー性の無機材料および/ま
たはハードコート材で被覆されてなるものである。該無
機材料としては、アルミニウム、チタン、ニッケル、バ
ナジウムなど表面に緻密な不動態層を形成する金属材料
やSiO2 、Al2 O3 などの水、酸素などのバリア性
の高い酸化物が例示される。また、ハードコート剤につ
いては、特に限定されないが、水、酸素などのバリア性
の高いアクリレート系樹脂などが例示される。
【0072】本発明において、高分子蛍光体と共に使用
できる公知の発光材料としては、例えば、ナフタレン誘
導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもし
くはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリ
ン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリ
ンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テト
ラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、ま
たはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体など
を用いることができる。具体的には、例えば特開昭57
−51781号公報、同59−194393号公報に記
載されているもの等、公知のものが使用可能である。さ
らに、発光層に該高分子蛍光体以外の下記に述べる発光
材料を混合使用してもよい。また、該高分子蛍光体およ
び/または電荷輸送材料を高分子化合物に分散させた層
とすることもできる。
できる公知の発光材料としては、例えば、ナフタレン誘
導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもし
くはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリ
ン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリ
ンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テト
ラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、ま
たはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体など
を用いることができる。具体的には、例えば特開昭57
−51781号公報、同59−194393号公報に記
載されているもの等、公知のものが使用可能である。さ
らに、発光層に該高分子蛍光体以外の下記に述べる発光
材料を混合使用してもよい。また、該高分子蛍光体およ
び/または電荷輸送材料を高分子化合物に分散させた層
とすることもできる。
【0073】本発明において、高分子蛍光体とともに使
用される電荷輸送材料、すなわち、電子輸送性化合物ま
たは正孔輸送性化合物としては公知のものが使用でき
る。正孔輸送性化合物としては、ピラゾリン誘導体、ア
リールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニル
ジアミン誘導体等が例示され、電子輸送性化合物として
は、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンも
しくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、
ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもし
くはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンも
しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジ
シアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘
導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導
体の金属錯体等が例示される。具体的には、特開昭63
−70257号公報、同63−175860号公報、特
開平2−135359号公報、同2−135361号公
報、同2−209988号公報、同3−37992号公
報、同3−152184号公報に記載されているもの等
が例示される。
用される電荷輸送材料、すなわち、電子輸送性化合物ま
たは正孔輸送性化合物としては公知のものが使用でき
る。正孔輸送性化合物としては、ピラゾリン誘導体、ア
リールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニル
ジアミン誘導体等が例示され、電子輸送性化合物として
は、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンも
しくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、
ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもし
くはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンも
しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジ
シアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘
導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導
体の金属錯体等が例示される。具体的には、特開昭63
−70257号公報、同63−175860号公報、特
開平2−135359号公報、同2−135361号公
報、同2−209988号公報、同3−37992号公
報、同3−152184号公報に記載されているもの等
が例示される。
【0074】これらの中で、発光層に用いる正孔輸送性
化合物としては、トリフェニルジアミン誘導体が好まし
く、発光層に用いる電子輸送性化合物としては、オキサ
ジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、
アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロ
キシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、特に、正
孔輸送性化合物としては、4,4’−ビス(N(3−メ
チルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、電
子輸送性化合物としては、2−(4−ビフェニリル)−
5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス
(8−キノリノール)アルミニウムが好ましい。これら
のうち、電子輸送性の化合物と正孔輸送性の化合物のい
ずれか一方、または両方を同時に使用すればよい。これ
らは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。
化合物としては、トリフェニルジアミン誘導体が好まし
く、発光層に用いる電子輸送性化合物としては、オキサ
ジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、
アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロ
キシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、特に、正
孔輸送性化合物としては、4,4’−ビス(N(3−メ
チルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、電
子輸送性化合物としては、2−(4−ビフェニリル)−
5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス
(8−キノリノール)アルミニウムが好ましい。これら
のうち、電子輸送性の化合物と正孔輸送性の化合物のい
ずれか一方、または両方を同時に使用すればよい。これ
らは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。
【0075】
【実施例】以下本発明をさらに詳細に説明するために実
施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。ここで、数平均分子量については、クロロホルムを
溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を求
めた。 <液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの作製>実施例
に用いた保護層の液晶ポリエステル樹脂組成物よりなる
フィルムの製造方法は、以下の通りである。p−ヒドロ
キシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4、4’
−ジアセトキシジフェニル(60/15/5/20.2
(モル))を撹拌翼を持つ重合装置に仕込んで、窒素ガ
ス雰囲気下で撹拌しながら330℃で1時間重合させ、
さらに280℃で3時間処理して溶融温度が324℃の
液晶ポリエステルを得た。該液晶ポリエステルと、特開
昭61−127709公報の実施例5の記載に基づき製
造した、メチルアクリレート/エチレン/グリシジルメ
タクリレート(59.0/48.7/2.3(重量
比))、ムーニー粘度(100℃)=15であるゴムと
を、二軸押出機で設定温度340℃で溶融混練し、液晶
ポリエステル樹脂組成物を得た。該液晶ポリエステル樹
脂組成物を50mm径、間隔1mmの環状スリットダイ
を備えた50mm径の単軸押出機を用いて350℃で溶
融押し出しして、インフレーション法により延伸し、3
5μ〜40μmの液晶ポリエステル樹脂組成物フィルム
を得た。該フィルムの酸素透過度は、0.4cc/m2
・24hr・1atm、水蒸気透過度は0.5g/m2
・24hr・1atmであった。
施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。ここで、数平均分子量については、クロロホルムを
溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を求
めた。 <液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの作製>実施例
に用いた保護層の液晶ポリエステル樹脂組成物よりなる
フィルムの製造方法は、以下の通りである。p−ヒドロ
キシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4、4’
−ジアセトキシジフェニル(60/15/5/20.2
(モル))を撹拌翼を持つ重合装置に仕込んで、窒素ガ
ス雰囲気下で撹拌しながら330℃で1時間重合させ、
さらに280℃で3時間処理して溶融温度が324℃の
液晶ポリエステルを得た。該液晶ポリエステルと、特開
昭61−127709公報の実施例5の記載に基づき製
造した、メチルアクリレート/エチレン/グリシジルメ
タクリレート(59.0/48.7/2.3(重量
比))、ムーニー粘度(100℃)=15であるゴムと
を、二軸押出機で設定温度340℃で溶融混練し、液晶
ポリエステル樹脂組成物を得た。該液晶ポリエステル樹
脂組成物を50mm径、間隔1mmの環状スリットダイ
を備えた50mm径の単軸押出機を用いて350℃で溶
融押し出しして、インフレーション法により延伸し、3
5μ〜40μmの液晶ポリエステル樹脂組成物フィルム
を得た。該フィルムの酸素透過度は、0.4cc/m2
・24hr・1atm、水蒸気透過度は0.5g/m2
・24hr・1atmであった。
【0076】実施例1 <高分子蛍光体1の合成>2,5−ジオクチルオキシ−
p−キシリレンジブロミドをN,N−ジメチルホルムア
ミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホス
ホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩47.
75重量部、およびテレフタルアルデヒド6.7重量部
を、エチルアルコールに溶解させた。5.8重量部のリ
チウムエトキシドを含むエチルアルコール溶液をホスホ
ニウム塩とジアルデヒドのエチルアルコール溶液に滴下
し、室温で3時間重合させた。一夜室温で放置した後、
沈殿を濾別し、エチルアルコールで洗浄後、クロロホル
ムに溶解、これにエタノールを加え再沈生成した。これ
を減圧乾燥して、重合体8.0重量部を得た。これを高
分子蛍光体1という。モノマーの仕込み比から計算され
る高分子蛍光体1の繰り返し単位とそのモル比を下記に
示す。
p−キシリレンジブロミドをN,N−ジメチルホルムア
ミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホス
ホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩47.
75重量部、およびテレフタルアルデヒド6.7重量部
を、エチルアルコールに溶解させた。5.8重量部のリ
チウムエトキシドを含むエチルアルコール溶液をホスホ
ニウム塩とジアルデヒドのエチルアルコール溶液に滴下
し、室温で3時間重合させた。一夜室温で放置した後、
沈殿を濾別し、エチルアルコールで洗浄後、クロロホル
ムに溶解、これにエタノールを加え再沈生成した。これ
を減圧乾燥して、重合体8.0重量部を得た。これを高
分子蛍光体1という。モノマーの仕込み比から計算され
る高分子蛍光体1の繰り返し単位とそのモル比を下記に
示す。
【化14】 (2つの繰り返し単位の比は、50:50であり、該2
つの繰り返し単位は交互に結合している。) 該高分子蛍光体1のポリスチレン換算の数平均分子量
は、1.0×104 であった。該高分子蛍光体1の構造
については、赤外吸収スペクトル、NMRで確認した。
つの繰り返し単位は交互に結合している。) 該高分子蛍光体1のポリスチレン換算の数平均分子量
は、1.0×104 であった。該高分子蛍光体1の構造
については、赤外吸収スペクトル、NMRで確認した。
【0077】<素子の作成および評価>スパッタリング
によって、40nmの厚みでITO膜を付けたガラス基
板に、ポリビニルカルバゾールの1.0wt%クロロホ
ルム溶液を用いて、ディッピングにより50nmの厚み
で成膜した。さらに、高分子蛍光体1の1.0wt%ト
ルエン溶液を用いて、スピンコートにより50nmの厚
みで成膜した。さらに、これを減圧下120℃で1時間
乾燥した後、電子輸送層として、トリス(8−キノリノ
ール)アルミニウム(Alq3 )を0.1〜0.2nm
/sの速度で35nm蒸着した。その上に陰極の第1の
金属層として、リチウム−アルミニウム合金(リチウム
濃度:1wt%)を40nm蒸着して、有機EL素子を
作製した。蒸着のときの真空度は、すべて8×10-6T
orr以下であった。電極作製後、窒素雰囲気中で、透
明ガラス基板上に作製した有機EL素子の周囲に5μm
のシリカギャップ材を混合した光硬化性樹脂(共立化学
社製、商品名テクノダイン)で、この上から液晶ポリエ
ステル樹脂組成物フィルムをのせ、基板と該液晶ポリエ
ステル樹脂組成物フィルムとを接着することにより有機
EL素子保護層を作製した。得られた素子に電圧12.
5Vを印加したところ、電流密度32.1mA/cm2
の電流が流れ、輝度1892cd/m2 の黄緑色のEL
発光が観察された。この時の発光効率は、5.9cd/
Aであった。輝度はほぼ電流密度に比例していた。ま
た、ELピーク波長は540nmで、高分子蛍光体1の
薄膜の蛍光ピーク波長とほぼ一致しており、高分子蛍光
体1からのEL発光が確認された。この素子を40℃、
90RH%で5日間保存後、10Vで低電圧駆動したと
ころ、ダークスポットの成長は少なく、非発光部分の面
積は10%以下であった。
によって、40nmの厚みでITO膜を付けたガラス基
板に、ポリビニルカルバゾールの1.0wt%クロロホ
ルム溶液を用いて、ディッピングにより50nmの厚み
で成膜した。さらに、高分子蛍光体1の1.0wt%ト
ルエン溶液を用いて、スピンコートにより50nmの厚
みで成膜した。さらに、これを減圧下120℃で1時間
乾燥した後、電子輸送層として、トリス(8−キノリノ
ール)アルミニウム(Alq3 )を0.1〜0.2nm
/sの速度で35nm蒸着した。その上に陰極の第1の
金属層として、リチウム−アルミニウム合金(リチウム
濃度:1wt%)を40nm蒸着して、有機EL素子を
作製した。蒸着のときの真空度は、すべて8×10-6T
orr以下であった。電極作製後、窒素雰囲気中で、透
明ガラス基板上に作製した有機EL素子の周囲に5μm
のシリカギャップ材を混合した光硬化性樹脂(共立化学
社製、商品名テクノダイン)で、この上から液晶ポリエ
ステル樹脂組成物フィルムをのせ、基板と該液晶ポリエ
ステル樹脂組成物フィルムとを接着することにより有機
EL素子保護層を作製した。得られた素子に電圧12.
5Vを印加したところ、電流密度32.1mA/cm2
の電流が流れ、輝度1892cd/m2 の黄緑色のEL
発光が観察された。この時の発光効率は、5.9cd/
Aであった。輝度はほぼ電流密度に比例していた。ま
た、ELピーク波長は540nmで、高分子蛍光体1の
薄膜の蛍光ピーク波長とほぼ一致しており、高分子蛍光
体1からのEL発光が確認された。この素子を40℃、
90RH%で5日間保存後、10Vで低電圧駆動したと
ころ、ダークスポットの成長は少なく、非発光部分の面
積は10%以下であった。
【0078】実施例2 <素子の作成および評価>厚さ100μm、表面抵抗率
100Ω(住友ベークライト株式会社製、透明導電フィ
ルム:商品名FST−5337)のITO膜付ポリエー
テルサルフォンフィルム基板に、バーコーターを用い
て、まずポリビニルカルバゾールの1.0wt%塩化メ
チレン溶液を塗工乾燥後、高分子蛍光体1の1.0wt
%トルエン溶液を塗工した。その結果、ITO膜付ポリ
エーテルサルフォンフィルムフィルム基板上にポリビニ
ールカルバゾールが50nmの厚みで、さらにその上に
高分子蛍光体1が50nmの厚みで積層された2層構造
の有機層が成膜された。さらに、この塗工フィルムを減
圧下80℃で1時間乾燥した後、電子輸送層として、ト
リス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3 )を
0.1〜0.2nm/sの速度で35nm蒸着した。そ
の上に、リチウム−アルミニウム合金を40nmm蒸着
して有機EL素子を作製した。蒸着のときの真空度はす
べて8×10-6Torr以下であった。電極作製後、窒
素雰囲気中で、透明ガラス基板上に作製した有機EL素
子の周囲に5μmのシリカギャップ材を混合した光硬化
性樹脂(共立化学社製、商品名テクノダイン)で、この
上から液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムをのせ、基
板と該液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムとを接着す
ることにより有機EL素子保護層を作製した。この素子
に電圧12.5Vを印加したところ、電流密度32.1
mA/cm2の電流が流れ、輝度1892cd/m2 の
黄緑色のEL発光が観察された。この時の発光効率は、
5.9cd/Aであり、基板を直径2cmの棒に巻き付
けても非発光部分(ダークスポット)の発生、効率の低
下はほとんどなかった。輝度はほぼ電流密度に比例して
いた。また、ELピーク波長は540nmで、高分子蛍
光体1の薄膜の蛍光ピーク波長とほぼ一致しており高分
子蛍光体1よりのEL発光が確認された。この素子を4
0℃、90RH%で5日間保存後、10Vで低電圧駆動
したところ、ダークスポットの成長は少なく、非発光部
分の面積は10%以下であった。
100Ω(住友ベークライト株式会社製、透明導電フィ
ルム:商品名FST−5337)のITO膜付ポリエー
テルサルフォンフィルム基板に、バーコーターを用い
て、まずポリビニルカルバゾールの1.0wt%塩化メ
チレン溶液を塗工乾燥後、高分子蛍光体1の1.0wt
%トルエン溶液を塗工した。その結果、ITO膜付ポリ
エーテルサルフォンフィルムフィルム基板上にポリビニ
ールカルバゾールが50nmの厚みで、さらにその上に
高分子蛍光体1が50nmの厚みで積層された2層構造
の有機層が成膜された。さらに、この塗工フィルムを減
圧下80℃で1時間乾燥した後、電子輸送層として、ト
リス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3 )を
0.1〜0.2nm/sの速度で35nm蒸着した。そ
の上に、リチウム−アルミニウム合金を40nmm蒸着
して有機EL素子を作製した。蒸着のときの真空度はす
べて8×10-6Torr以下であった。電極作製後、窒
素雰囲気中で、透明ガラス基板上に作製した有機EL素
子の周囲に5μmのシリカギャップ材を混合した光硬化
性樹脂(共立化学社製、商品名テクノダイン)で、この
上から液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムをのせ、基
板と該液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムとを接着す
ることにより有機EL素子保護層を作製した。この素子
に電圧12.5Vを印加したところ、電流密度32.1
mA/cm2の電流が流れ、輝度1892cd/m2 の
黄緑色のEL発光が観察された。この時の発光効率は、
5.9cd/Aであり、基板を直径2cmの棒に巻き付
けても非発光部分(ダークスポット)の発生、効率の低
下はほとんどなかった。輝度はほぼ電流密度に比例して
いた。また、ELピーク波長は540nmで、高分子蛍
光体1の薄膜の蛍光ピーク波長とほぼ一致しており高分
子蛍光体1よりのEL発光が確認された。この素子を4
0℃、90RH%で5日間保存後、10Vで低電圧駆動
したところ、ダークスポットの成長は少なく、非発光部
分の面積は10%以下であった。
【0079】比較例1 有機EL素子の保護層を用いない以外は、実施例1と同
じ方法で素子を作成した。この素子に電圧12.5Vを
印加したところ、電流密度32.1mA/cm 2 の電流
が流れ、輝度1892cd/m2 の黄緑色のEL発光が
観察された。この時の発光効率は、5.9cd/Aであ
った。輝度はほぼ電流密度に比例していた。また、EL
ピーク波長は540nmで、高分子蛍光体1の薄膜の蛍
光ピーク波長とほぼ一致しており高分子蛍光体1よりの
EL発光が確認された。この素子を40℃、90RH%
で5日間保存後、10Vで低電圧駆動したところ、ダー
クスポットの発生が多く、全く発光しなかった。
じ方法で素子を作成した。この素子に電圧12.5Vを
印加したところ、電流密度32.1mA/cm 2 の電流
が流れ、輝度1892cd/m2 の黄緑色のEL発光が
観察された。この時の発光効率は、5.9cd/Aであ
った。輝度はほぼ電流密度に比例していた。また、EL
ピーク波長は540nmで、高分子蛍光体1の薄膜の蛍
光ピーク波長とほぼ一致しており高分子蛍光体1よりの
EL発光が確認された。この素子を40℃、90RH%
で5日間保存後、10Vで低電圧駆動したところ、ダー
クスポットの発生が多く、全く発光しなかった。
【0080】このように、液晶ポリエステル樹脂組成物
フィルムによって保護されている実施例1および実施例
2の有機EL素子は、液晶ポリエステル樹脂組成物フィ
ルムによって保護されていない比較例1の有機EL素子
よりも、ダークスポットの成長が少なく、優れた発光表
示品位の保存特性を示した。
フィルムによって保護されている実施例1および実施例
2の有機EL素子は、液晶ポリエステル樹脂組成物フィ
ルムによって保護されていない比較例1の有機EL素子
よりも、ダークスポットの成長が少なく、優れた発光表
示品位の保存特性を示した。
【0081】
【発明の効果】本発明の有機EL素子は、融点や分解温
度が比較的高い高分子材料を用いているので熱的に安定
であり、塗布法により容易に発光層を形成できることか
ら、非常に容易に高輝度、高発光効率の有機EL素子を
作製することができる。特に、長期の保存においてもダ
ークスポットのほとんどが成長しないので、バックライ
トとしての面状光源,フラットパネルディスプレイ等の
装置として好ましく使用でき、工業的価値が大きい。高
分子蛍光体と陰極とを液晶ポリエステル樹脂組成物より
なるフィルムによって外気と接触しないよう隔絶されて
いる実施例1および実施例2の有機EL素子は、作製が
容易で、かつ優れた発光表示品位の保存特性を示すが、
該フィルムを有さない比較例1においてはダークスポッ
トの発生が多かった。
度が比較的高い高分子材料を用いているので熱的に安定
であり、塗布法により容易に発光層を形成できることか
ら、非常に容易に高輝度、高発光効率の有機EL素子を
作製することができる。特に、長期の保存においてもダ
ークスポットのほとんどが成長しないので、バックライ
トとしての面状光源,フラットパネルディスプレイ等の
装置として好ましく使用でき、工業的価値が大きい。高
分子蛍光体と陰極とを液晶ポリエステル樹脂組成物より
なるフィルムによって外気と接触しないよう隔絶されて
いる実施例1および実施例2の有機EL素子は、作製が
容易で、かつ優れた発光表示品位の保存特性を示すが、
該フィルムを有さない比較例1においてはダークスポッ
トの発生が多かった。
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の
1例の模式的な断面図。
1例の模式的な断面図。
【図2】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の
1例の模式的な断面図。
1例の模式的な断面図。
1・・・基材 2・・・熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂 3・・・不活性気体層 4・・・液晶ポリエステル樹脂組成物よりなるフィルム 5・・・電極取り出し用金属箔 6・・・陰極 7・・・有機層 8・・・陽極
Claims (17)
- 【請求項1】少なくとも一方が透明または半透明である
一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子におい
て、発光層が固体状態で蛍光を有し、下記一般式(1)
で示される繰り返し単位が全繰り返し単位の50モル%
以上であり、ポリスチレン換算の数平均分子量が103
〜107 である高分子蛍光体を含み、かつ該有機エレク
トロルミネッセンス素子の表面の少なくとも一部が、成
分(A)の液晶ポリエステルを65.0〜99.9重量
%および成分(B)のエポキシ基を有する共重合体を3
5.0〜0.1重量%含有する液晶ポリエステル樹脂組
成物よりなるフィルムにより被覆されてなることを特徴
とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 【化1】 −Ar−CR=CR’− ・・・・・ (1) 〔ここで、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4
個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化
合物基を示し、R、R’はそれぞれ独立に水素、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数4〜20の複素環化合物、シアノ基からなる群か
ら選ばれる基を示す。〕 - 【請求項2】陽極または陰極が、高分子フィルム上に形
成された金属酸化物よりなる透明電極であり、該透明電
極は該高分子フィルムに対して発光層側に配置され、該
高分子フィルムの発光層側とは反対の側の表面、または
該高分子フィルムの発光層側であって該透明電極との間
の表面が、ガスバリアー性の無機材料および/またはハ
ードコート材で被覆されてなることを特徴とする請求項
1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項3】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
て電子輸送性化合物を含む層を有することを特徴とする
請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス
素子。 - 【請求項4】陽極と発光層との間に、該発光層に隣接し
て正孔輸送性化合物を含む層を有することを特徴とする
請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス
素子。 - 【請求項5】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
て電子輸送性化合物を含む層と、かつ陽極と発光層との
間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物を含む層と
を有することを特徴とする請求項1または2記載の有機
エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項6】液晶ポリエステル樹脂組成物よりなるフィ
ルムが、有機エレクトロルミネッセンス素子の表面の少
なくとも一部に熱圧着されてなることを特徴とする請求
項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子。 - 【請求項7】液晶ポリエステル樹脂組成物よりなるフィ
ルムが、有機エレクトロルミネッセンス素子の表面の少
なくとも一部に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂によっ
て接着されてなることを特徴とする請求項1〜5のいず
れかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項8】成分(B)のエポキシ基を有する共重合体
が、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/
または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重
量%含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか
に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項9】成分(B)のエポキシ基を有する共重合体
が、(a)エチレン単位が50〜99.9重量%、
(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルエステル単
位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.
1〜50重量%からなるエポキシ基を有するエチレン共
重合体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項10】成分(B)のエポキシ基を有する共重合
体が、(a)エチレン単位が50〜99.89重量%、
(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルエステル単
位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.
1〜49.99重量%、(c)エチレン系不飽和エステ
ル化合物単位が0.01〜49.9重量%からなるエポ
キシ基含有エチレン共重合体であることを特徴とする請
求項1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッ
センス素子。 - 【請求項11】成分(B)のエポキシ基を有する共重合
体が、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽
和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和
グリシジルエーテル)共重合体ゴムを含むことを特徴と
する請求項1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロル
ミネッセンス素子。 - 【請求項12】成分(B)のエポキシ基を有する共重合
体が、(メタ)アクリル酸エステル単位が40〜96.
9重量%、エチレン単位が3〜50重量%、不飽和カル
ボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グ
リシジルエーテル単位が0.1〜10重量%からなる共
重合体ゴムであることを特徴とする請求項1〜7のいず
れかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項13】共重合体ゴムのムーニー粘度(ここでい
うムーニー粘度は、JIS K6300に準じて測定
した値をいう。)が3〜30の範囲であることを特徴と
する請求項11または12記載の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子。 - 【請求項14】成分(A)の液晶ポリエステルが、下記
の繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%含む
ものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 【化2】 - 【請求項15】成分(A)の液晶ポリエステルが、芳香
族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族
もしくは脂肪族ジオールとを反応させて得られるもので
あることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項16】成分(A)の液晶ポリエステルが、異種
の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせを反応させ
て得られるものであることを特徴とする請求項1〜7の
いずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項17】成分(A)の液晶ポリエステルが、芳香
族ジカルボン酸と芳香族もしくは脂肪族ジオールとを反
応させて得られるものであることを特徴とする請求項1
〜7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス
素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8320481A JPH10158641A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8320481A JPH10158641A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10158641A true JPH10158641A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=18121936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8320481A Pending JPH10158641A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10158641A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000215986A (ja) * | 1999-01-25 | 2000-08-04 | Sumitomo Chem Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
JP2001237065A (ja) * | 2000-02-25 | 2001-08-31 | Toppan Printing Co Ltd | 高分子el素子およびその製造方法 |
JP2002075642A (ja) * | 2000-09-04 | 2002-03-15 | Sumitomo Chem Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 |
JP2002373777A (ja) * | 2001-06-18 | 2002-12-26 | Toppan Printing Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 |
JP2003297553A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-17 | Kuraray Co Ltd | El素子用防湿フィルムおよび該フィルムを使用してなるel素子 |
JP2004185951A (ja) * | 2002-12-03 | 2004-07-02 | Dainippon Printing Co Ltd | フレキシブル高分子有機elディスプレイの製造ライン |
KR100537601B1 (ko) * | 1999-04-15 | 2005-12-19 | 삼성에스디아이 주식회사 | 유기전계발광장치 |
JP2010232696A (ja) * | 2010-07-16 | 2010-10-14 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 |
JP5660128B2 (ja) * | 2010-03-17 | 2015-01-28 | コニカミノルタ株式会社 | 発光装置 |
US9118025B2 (en) | 2002-05-15 | 2015-08-25 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light emitting device |
WO2023176815A1 (ja) * | 2022-03-16 | 2023-09-21 | ポリプラスチックス株式会社 | 液晶性樹脂の製造方法 |
-
1996
- 1996-11-29 JP JP8320481A patent/JPH10158641A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000215986A (ja) * | 1999-01-25 | 2000-08-04 | Sumitomo Chem Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
JP4581152B2 (ja) * | 1999-01-25 | 2010-11-17 | 住友化学株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
KR100537601B1 (ko) * | 1999-04-15 | 2005-12-19 | 삼성에스디아이 주식회사 | 유기전계발광장치 |
JP4682390B2 (ja) * | 2000-02-25 | 2011-05-11 | 凸版印刷株式会社 | 高分子el素子 |
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JP2002373777A (ja) * | 2001-06-18 | 2002-12-26 | Toppan Printing Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 |
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JP2004185951A (ja) * | 2002-12-03 | 2004-07-02 | Dainippon Printing Co Ltd | フレキシブル高分子有機elディスプレイの製造ライン |
JP5660128B2 (ja) * | 2010-03-17 | 2015-01-28 | コニカミノルタ株式会社 | 発光装置 |
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WO2023176815A1 (ja) * | 2022-03-16 | 2023-09-21 | ポリプラスチックス株式会社 | 液晶性樹脂の製造方法 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080125 |