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JPH10156988A - 光触媒機能を有する合成樹脂成形品及び物品 - Google Patents

光触媒機能を有する合成樹脂成形品及び物品

Info

Publication number
JPH10156988A
JPH10156988A JP8334472A JP33447296A JPH10156988A JP H10156988 A JPH10156988 A JP H10156988A JP 8334472 A JP8334472 A JP 8334472A JP 33447296 A JP33447296 A JP 33447296A JP H10156988 A JPH10156988 A JP H10156988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
photocatalytic function
carrier
resin
porous body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8334472A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Origasa
利幸 折笠
Eiichiro Yokochi
英一郎 横地
Yasuo Nakai
康夫 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP8334472A priority Critical patent/JPH10156988A/ja
Publication of JPH10156988A publication Critical patent/JPH10156988A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種の物品に光触媒機能を付与するにあたり、
分解対象物に対して光触媒を選択的に作用させる。 【解決手段】無機透明多孔質体3に光触媒4を担持させ
た光触媒担持体2を基材樹脂に含有せしめ、これを公知
の方法により所定形状に成形して光触媒機能を有する合
成樹脂成形品1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒機能を有す
る合成樹脂成形品及び物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例え
ば、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタン(T
iO2 )は、これに紫外線を照射すると光化学反応を起
こし、各種の有機物等を分解する触媒として作用した
り、抗菌又は防黴作用等の働きがあることが知られてい
る。
【0003】このような機能を有するものは一般に光触
媒と呼ばれており、アナターゼ型二酸化チタン等の光触
媒が奏する上記の如き光触媒機能のメカニズムは、電子
構造に基いて次のように説明されている。
【0004】即ち、光触媒にそのバンドギャップ以上の
エネルギーを持つ光(光量子)が照射されると、価電子
帯の電子が伝導帯に励起するとともに、電子が励起した
後の価電子帯には正孔が生じ(所謂「対発生」)、伝導
帯の励起電子は空気中の酸素と反応してO2 - 、O-
の活性酸素種を生成し、価電子帯の正孔は光触媒の表面
に付着した微量の水分と反応してOHラジカルを生成す
る。そして、このようにして生成された活性酸素種やO
Hラジカルにより各種の有機物等が分解され、抗菌又は
防黴作用等の働きが得られる。
【0005】近年、アナターゼ型二酸化チタン等のよう
な光触媒を水処理、大気処理、土壌処理等に応用する技
術が一部で実用化されており、その代表的なものとして
は、大気中の窒素酸化物(NOX )等の汚染物質や、日
常的な生活空間における悪臭等の分解除去が挙げられ
る。
【0006】このような応用技術にあっては、例えば、
外壁材、タイル、煉瓦、板ガラス、瓦等の建築材料や、
その他の無機物からなる構造物の表面に、真空蒸着、ス
パッタリング、CVD、超微粒子の焼結等の手法により
前記光触媒単体の膜を形成したものが試作されている。
しかしながら、これらの方法では製造に時間、手間、経
費が多くかかり、生産性が良くなかった。また、上記各
種物品の表面にバインダーを用いて光触媒の粉末を固定
化する等して、これらのものに光触媒機能を付与するこ
とも考えられている。しかしながら、このとき光触媒を
固定化するバインダーに合成樹脂等の有機物を用いる
と、光触媒は分解対象物だけを選択的に分解せず、バイ
ンダーをも分解してしまうので、光触媒が脱落する等し
て光触媒機能が経時的に失われていってしまうという問
題がある。
【0007】このため従来は、光触媒機能を付与しよう
とする物品の表面に、バインダーを用いて光触媒を固定
化する場合には無機系のバインダーを用いることが余儀
なくされていた。しかしながら、無機系のバインダーを
用いて光触媒を固定化するのは、バインダーを乾燥させ
るのに時間がかかり作業効率の点で好ましくなく、ま
た、100〜200℃程度の温度での焼き付け工程も必
要になるので作業工程が煩雑になるばかりか、光触媒機
能を付与することができる物品も耐熱性のあるものに限
定されてしまうため、光触媒の応用技術の適用範囲が著
しく狭められていた。
【0008】また、成形原料中に光触媒を含有させてこ
れを成形することで、得られる成形品に光触媒機能を付
与することもできる。しかしながら、この場合も上記と
同様に使用可能な成形原料が無機系のものに限定されて
しまい、成形原料に合成樹脂等の有機物を用いると、こ
れが光触媒によって分解されて成形品の経時劣化が著し
くなってしまうという問題があり、これも光触媒の応用
技術の適用範囲を狭める一因となっていた。
【0009】本発明者らは、上記したような問題を解決
すべく鋭意研究を重ねた結果、無機透明多孔質体に光触
媒を担持させることで、分解対象物に対して光触媒を選
択的に作用させることができることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)
無機透明多孔質体に光触媒を担持した光触媒担持体が含
有された基材樹脂を成形してなることを特徴とする光触
媒機能を有する合成樹脂成形品、(2)無機透明多孔質
体に光触媒を担持した光触媒担持体が含有された表面樹
脂層を有することを特徴とする光触媒機能を有する物品
を要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づき詳細に説明する。図1は、本発明光触媒機能を有す
る合成樹脂成形品の一例を示す要部断面図であり、図中
2は光触媒担持体を示す。
【0012】本発明光触媒機能を有する合成樹脂成形品
1は、無機透明多孔質体3に光触媒5を担持した光触媒
担持体2を基材樹脂に含有せしめ、これを従来公知の方
法で所定形状に成形してなるものである。
【0013】本発明でいう光触媒とは、一般に「光触
媒」とよばれる全てのものをいうが、具体的には、特定
の波長の光が照射されると光化学反応を起こし、これに
よって各種の有機物等を分解する触媒として作用した
り、抗菌又は防黴作用等の働きが得られるものをいう。
【0014】また、光触媒は、具体的にはアセトアルデ
ヒド、ホルムアルデヒド、メチルメルカプタン、硫化水
素、アンモニア、トリメチルアミン等のような悪臭の原
因となるものや、その他、窒素酸化物(NOX )等の大
気中の汚染物質、油のミストや油汚れ、煙草のヤニ、細
菌、黴等を分解できることが知られているが、本発明で
は光触媒によって分解し得るこれらのものが分解対象物
となり得る。但し、特に大きな効果を期待し得るのは、
無機透明多孔質体3の孔4内に侵入し易い気体、ミス
ト、単量体等の低分子量物質である。
【0015】本発明において用いる光触媒5としては、
例えば、アナターゼ型(鋭錘石型とも呼称される)の結
晶構造を有する二酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化セリウム(CeO)等が挙げられ、通
常これらの光触媒は、平均結晶粒径5〜200nm、比
表面積10〜300m2 /gとなるように無機多孔質体
3に担持させるのが好ましい。
【0016】上記した光触媒のうち、本発明では、1)
日常生活に必要とされる照明光でも高い触媒活性が得ら
れ、特殊な光源を必要としない、2)化学的に安定であ
り、長期にわたって光触媒機能が得られる、3)毒性が
ない、4)安価でありコスト的にも有利である等の理由
から、アナターゼ型二酸化チタンが特に好ましく用いら
れる。更に必要に応じ、アナターゼ型二酸化チタンの光
触媒作用のための感光波長の上限を長波長側に移動させ
るために、分光増感剤を添加しても良い。このような分
光増感剤としては、可視光を吸収する色素が用いられ
る。代表的なものとしては、Ru(4、4′−ジカルボ
キシル−2、2′ビピリジン)2 (NCS)2 等のルテ
ニウム錯体が例示できる。
【0017】また、本発明において光触媒5を担持させ
る無機透明多孔質体3は、担持する光触媒5との組み合
わせに応じて、該光触媒5の触媒活性が得られる波長の
光に対して透明性を有し、このような光を透過し得るも
のが適宜選択される。例えば、光触媒5にアナターゼ型
二酸化チタンを用いた場合、アナターゼ型二酸化チタン
は380nm以下の波長の近紫外光で触媒活性が得られ
るから、無機透明多孔質体3には380nm以下の波長
の近紫外光を透過するものが用いられる。但し、分光増
感剤を添加した場合には、延長された感光波長の上限
(吸収端)以下の波長に対して透明なものを選ぶ。
【0018】本発明で用いる無機透明多孔質体3として
は、具体的には、ゼオライト、シリカゲル、シリカアル
ミナ、セメント、トライカルシウムシリケート、珪酸カ
ルシウム、多孔質硝子、水酸化アルミニウム、炭酸マグ
ネシウム等が例示できる。これらのなかでも、光触媒の
担持適性、光触媒によって分解された生成物の吸着性等
の点で、シリカゲル又はゼオライトを用いるのが好まし
い。
【0019】本発明では、これらの無機透明多孔質体3
に光触媒5を担持させる方法や、光触媒5を担持させた
光触媒担持体2の具体的な形態は特に問わないが、十分
な光触媒機能が得られるようにするには、無機透明多孔
質体100重量部に対して、10〜900重量部の光触
媒を担持させるのが好ましい。また、この光触媒担持体
2に、更に抗菌効果を付与するために、該担持体2にA
gイオンを吸着乃至担持させることもできる。
【0020】また、図2に本発明における光触媒担持体
2を概念的に例示するが、該担持体2には、a)塊状の
無機透明多孔質体3の孔4内の任意の場所に光触媒5を
担持させたもの(図2(a))、b)無機透明多孔質体
3を中空状に形成し、その中空内壁面6に光触媒5を担
持させたもの(図2(b))、c)内部が中空状に形成
された無機透明多孔質体3の孔4内の任意の場所に光触
媒5を担持させ、該多孔質体3と同種又は異種の多孔質
体7が上記中空部に充填されたもの(図2(c))等
を、その一例として挙げることができる。
【0021】本発明合成樹脂成形品1は、このような光
触媒担持体2を液状又はゲル状の基材樹脂に含有させて
これを成形することにより得られるが、このとき、樹脂
分子間に働く凝集力により基材樹脂は集合体として振る
舞い、また、有機物である樹脂と無機透明多孔質体とは
馴染みが悪く、光触媒担持体2の孔4内部、或いは光触
媒担持体2と基材樹脂との間には空気が入り込んだりも
しているので、基材樹脂は無機透明多孔質体2の孔4内
に侵入し難く、光触媒5との接触により基材樹脂が分解
されるのを防ぐことができる。
【0022】また、たとえ無機多孔質体3の孔4内に基
材樹脂が侵入したとしても、そこに光触媒5が存在しな
ければ基材樹脂は分解されず、また、孔4内に侵入した
基材樹脂が光触媒5によって分解されても、その近傍の
基材樹脂が局所的に分解されるに止まり、光触媒5の作
用が基材樹脂の全体には及ばず、光触媒担持体2の脱落
等により光触媒機能が失われてしまうには至らない。
【0023】一方、前述したような分解対象物の多く
は、通常、分子状で空気中に拡散しているので、拡散現
象によって容易に多孔質体3の孔4内に入り込み、光触
媒と接触して分解される。
【0024】従って、本発明によれば、光触媒5が無機
透明多孔質体3に担持されているので、光触媒機能を損
なうことなく基材樹脂と光触媒5との接触を避け、光触
媒5によって基材樹脂が分解されないようにして、分解
対象物に対して選択的に光触媒5を作用させることが可
能となる。このため、光触媒担持体2を含有せしめた基
材樹脂を所定形状に成形するだけで、光触媒機能を有す
る合成樹脂成形品1を容易に得ることができる。
【0025】無機透明多孔質体3の孔4内への基材樹脂
の侵入を防ぎ、その一方で、分解対象物の侵入を許して
これを選択的に分解するようにするには、多孔質体3の
表面に現れる孔4の径rが10nm〜10μmであるの
が好ましく、多孔質体の比表面積は10〜100m2
gであるのが好ましい。また、無機透明多孔質体3に
は、平均粒径1〜100μmのものを用いるのが好まし
い。
【0026】また、分解対象物の一部には基材樹脂に浸
透して多孔質体3の孔4内に達するものもあるが、光触
媒機能が効率良く発揮されるには、光触媒担持体2が樹
脂中に完全に埋没されることなく、図1に示すようにそ
の一部が表面に露出している必要がある。光触媒担持体
2を表面に露出させるには、基材樹脂中に含有させる光
触媒担持体2の量や、基材樹脂の厚み(表面樹脂層(図
3参照)として用いる場合)を適宜調整すれば良い。光
触媒担持体2の含有量は成形品1の厚みや光触媒担持体
2の平均粒径等によっても異なるが、通常、基材樹脂1
00重量部に対して5〜900重量部であるのが好まし
い。図3の如く光触媒担持体2を表面樹脂層9に含有さ
せる場合、表面樹脂層9の厚さを担持体2の平均粒径と
同等乃至はそれ以下にすることも効果的である。また、
基材樹脂中に完全に埋没した担持体でも、空気、水蒸
気、及び分解対象物が拡散等によって、光触媒担持体ま
で浸透到達するならば、ある程度の効果は期待し得る。
【0027】本発明合成樹脂成形品1の基材樹脂には、
ポリシロキサン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビ
ニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合体、水酸基又はカルボキシル基
等を有する炭化フッ素をイソシアネート架橋したフッ素
樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ABS、ポ
リカーボネート、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらのなかで
も、耐汚染性が要求される場合は、ポリシロキサンのよ
うなケイ素樹脂や、ポリフッ化ビニリデンのようなフッ
素樹脂を用いるのが好ましい。また、ポリシロキサンは
無機物に近く光触媒に分解され難いので、本発明で使用
するのに最も適した樹脂である。また、フッ素樹脂も一
般に、光触媒で生じたラジカルなO2 - 等により反応し
難いため、これも好適な樹脂となる。
【0028】本発明合成樹脂成形品1は、フィルム状、
シート状又は板状に成形されたものでも、これらを他の
基材と積層したものであっても良く、或いは、各種立体
形状、例えば窓枠(サッシ)、手摺り、扉、扉枠、天井
板、床板、窓硝子、間仕切り等の建築用内外装材、食
卓、箪笥、引出の外板等の家具類、流し台、換気扇、換
気ダクト、洗面台、浴槽等の住宅設備機器類、電燈の反
射板、光拡板、グローブ、CRT(ブラウン管)表面、
テレビジョン受信器等の弱電・OA機器のキャビネッ
ト、キーボード等、車輛内装材等のような特定の製品形
態に成形されたものであっても良く、その具体的な形態
は問われない。
【0029】次に、本発明光触媒機能を有する物品につ
いて説明する。図3は、本発明光触媒機能を有する物品
の一例を示す要部断面図であり、図中10は本発明物品
を構成する基材を示す。
【0030】本発明の光触媒機能を有する物品8は、そ
の表面に、無機透明多孔質体3に光触媒5が担持された
光触媒担持体2を含有せしめた表面樹脂層9を有してい
る。本発明光触媒機能を有する物品8においても、光触
媒5、無機透明多孔質体3、光触媒担持体2は、前述し
たのと同様のものが用いられる。
【0031】本発明物品8の表面樹脂層9は、シート
状、フィルム状又は板状に成形された、前述の光触媒機
能を有する合成樹脂成形品1を、直接又は接着剤や任意
の貼着部材を介して光触媒機能を付与しようとする物品
の表面に貼着することにより設けることができる。
【0032】或いは、該表面樹脂層9は、前述したよう
な基材樹脂をバインダーに用い、これに光触媒担持体2
を含有せしめた塗工組成物を、グラビアコート、ロール
コート、スプレーコート、フローコート、コンマコート
等の公知の塗工法により光触媒機能を付与しようとする
物品の表面に塗工することによって形成することもでき
る。このようにして形成される表面樹脂層9の厚みは、
1〜100μmであるのが好ましい。
【0033】このとき、該樹脂層9の表面に光触媒担持
体2の一部を露出させて光触媒機能を効率良く発揮させ
るためには、塗工組成物中の担持体2の含有量を適宜調
整する他に、表面樹脂層9の厚みを光触媒担持体の粒径
よりも薄しても良い。
【0034】また、表面樹脂層9を、光触媒担持体2を
含有せしめた塗工組成物により塗工形成する場合にも、
表面樹脂層9は光触媒により分解されない。これは、前
述の合成樹脂成形品1において、基材樹脂が光触媒によ
って分解されないのと同様の理由による。
【0035】本発明物品8を構成する基材10の材料
は、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、
フェノール樹脂、ポリカーボネート、ABS、ポリスチ
レン等の合成樹脂の他、鉄、アルミニウム、銅等の金
属、硝子、陶磁器等のセラミックス、石膏、硅酸カルシ
ウム、セメント等の非陶磁器系窯業材料、木材等であ
り、その形状はシート、板、立体形状等任意である。
【0036】本発明において、無機透明多孔質体3に光
触媒5が担持された光触媒担持体2を含有せしめた表面
樹脂層9を形成し、これによって光触媒機能を付与する
ことができる物品には、例えば、前記合成樹脂成形品1
の場合と同様のものが挙げられる。尚、本発明合成樹脂
成形品1及び物品8においては、光触媒機能を阻害しな
い範囲内で、絵柄印刷や、凹凸模様のエンボス加工を施
しても良い。
【0037】また、本発明合成樹脂成形品1、或いは本
発明物品8の表面樹脂層9には、光触媒機能を損なわな
い範囲内で、各種添加剤を付与することができる。この
ような添加剤の例としては、帯電防止剤がある。帯電防
止剤としては、ITO(酸化インジウム錫)粉末乃至鱗
片等の導電体、或いはポリオキシエチレンアミン系、ポ
リオキシエチレンアルキル燐酸エステル系、ソルビタン
脂肪酸エステル系、アルキルアルカノールアミン系等の
界面活性剤がある。特に、帯電防止剤を添加すると、油
汚れ等の汚染物質の付着防止効果を付与できるので好ま
しい。帯電防止剤の添加量は0.5〜5重量%程度とす
るのが好ましい。
【0038】
【実施例】次に、具体的な実施例を挙げて本発明をより
詳細に説明する。
【0039】シリカゲル100重量部に対して、アナタ
ーゼ型二酸化チタン40重量部を担持せしめた平均粒径
5μmの光触媒担持体を得た。次に、この光触媒担持体
を、有機系バインダー(アクリル+塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体系二液硬化型透明樹脂)100重量部に対
して、50重量部含有せしめた塗工組成物をグラビアコ
ート法により塩化ビニル基材に塗工して、膜厚12μm
の表面樹脂層が形成されたシートを得た。次いで、得ら
れたシートから面積24cm2 のサンプル片を切り取
り、その光触媒活性を図4に光触媒活性評価装置により
下記の如く評価した。
【0040】1)容積1リットルのサンプル容器に乾燥
空気500mlを入れ、これにアセトアルデヒド10μ
lを注入してサンプルガスを調製した(アセトアルデヒ
ド濃度:約800ppm)。 2)容積2.8リットルの反応容器21にサンプル片1
を設置した。 3)容積2リットルの容器28に乾燥空気2リットルを
入れ、これを途中の系にはめ込み、系内の湿度を一定す
るために上記乾燥空気を、循環ポンプ24により10分
間循環させた。 4)容器28を取り外して循環系を直結し、そのまま系
内の空気を循環させながら、上記1)で調製したサンプ
ルガス約15mlをガス注入口26から反応容器21に
注入した(このとき反応容器21内のアセトアルデヒド
濃度は約120ppmとなる)。 5)反応容器21にサンプルガスを注入した後に、低圧
水銀燈からなる光源23から波長380nm以下のスペ
クトルを含む紫外線を照射した。紫外線強度は0.5m
W/cm2 とした。 6)紫外線を60分間照射した後に、三方活栓25のサ
ンプリング口27から、系内の空気を取り出し、ガスク
ロマトグラフィー法によりそのなかに含まれるアセトア
ルデヒドの濃度を測定したところ、20ppmに減少し
ていた。
【0041】次に、上記サンプル片1を反応容器21か
ら取り出して、これに空気中の条件下で、前記5)と同
様の紫外線を24時間照射した後に、表面樹脂層を観察
した。表面樹脂層には変色、亀裂等の劣化がみられず、
サンプル片の外観に変化は認められなかった。更に、こ
のサンプル片について、上記と同様にしてその光触媒活
性を再度評価したところ、その結果に変化はみられなか
った。
【0042】
【発明の効果】本発明光触媒機能を有する合成樹脂成形
品は、光触媒が無機透明多孔質体に担持されているの
で、光触媒によって基材樹脂が分解されず、分解対象物
に対して選択的に光触媒が作用するから、光触媒機能が
長期にわたって維持される。
【0043】また、本発明光触媒機能を有する物品も、
その表面に設けられた表面樹脂層に無機透明多孔質体に
光触媒を担持した光触媒担持体が含有されているので、
該樹脂層が光触媒によって分解されてしまうことなく光
触媒機能が長期にわたって維持され、分解対象物を選択
的に分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明光触媒機能を有する合成樹脂成形品の一
例を示す断面図である。
【図2】光触媒担持体の一例を概念的に示した図面であ
る。
【図3】本発明光触媒機能を有する物品の一例を示す断
面図である。
【図4】光触媒活性評価装置の一例を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 光触媒機能を有する合成樹脂成形品 2 光触媒担持体 3 無機透明多孔質体 5 光触媒 8 光触媒機能を有する物品 9 表面樹脂層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機透明多孔質体に光触媒を担持した光触
    媒担持体が含有された基材樹脂を成形してなることを特
    徴とする光触媒機能を有する合成樹脂成形品。
  2. 【請求項2】無機透明多孔質体に光触媒を担持した光触
    媒担持体が含有された表面樹脂層を有することを特徴と
    する光触媒機能を有する物品。
JP8334472A 1996-11-29 1996-11-29 光触媒機能を有する合成樹脂成形品及び物品 Pending JPH10156988A (ja)

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JP8334472A JPH10156988A (ja) 1996-11-29 1996-11-29 光触媒機能を有する合成樹脂成形品及び物品

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