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JPH10154352A - 光学情報記録媒体 - Google Patents

光学情報記録媒体

Info

Publication number
JPH10154352A
JPH10154352A JP8310723A JP31072396A JPH10154352A JP H10154352 A JPH10154352 A JP H10154352A JP 8310723 A JP8310723 A JP 8310723A JP 31072396 A JP31072396 A JP 31072396A JP H10154352 A JPH10154352 A JP H10154352A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective layer
layer
recording
optical information
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8310723A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Akihiko Oyama
明彦 大山
Kimiko Uchiyama
貴美子 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP8310723A priority Critical patent/JPH10154352A/ja
Publication of JPH10154352A publication Critical patent/JPH10154352A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】相変化型光ディスクにおいて、記録・消去の繰
り返しによる、熱負荷に起因する保護層の変形を抑え
る。 【解決手段】記録層3の両側に設けられた第一保護層
2、および第二保護層4を、CuO、Co3 4 、Cr
2 3 、およびNiOの少なくとも一種を含む材料で形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、新規な光学情報記
録媒体、詳しくは、レーザビーム等の光照射により情報
を高速かつ高密度に記録、再生、消去することができ、
消去特性や繰り返し特性に優れた光学情報記録媒体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】光学情報記録媒体として実用化されつつ
ある相変化型光ディスクは、温度変化により結晶質と非
晶質との間で可逆的に相変化する記録材料を用いるた
め、照射するレーザビームのパワーを変化させるだけ
で、古い情報を消去しながら同時に新たな情報を記録す
る(以下、「オーバーライト」と称する)ことが出来る
という利点を有している。このオーバーライトが可能な
相変化型光ディスクの記録材料としては、In−Se系
合金(Appl.Phys.Lett.第50巻、66
7ページ、1987年)やIn−Sb−Te(App
l.Phys.Lett.第50巻、16ページ、19
87年)、Ge−Te−Sb合金等のカルコゲン合金が
主として用いられている。
【0003】このような相変化型光ディスクの記録・消
去の原理は以下の通りである。すなわち、記録の際に
は、前述のような記録材料で形成された記録層に対し
て、レンズにより絞り込まれた高いパワーのレーザビー
ムを照射することにより、この記録層を融点以上に昇温
させて一旦溶融し(約500〜600℃)、続いてレー
ザビームのパワーを下げる。これにより、記録層は急速
に冷却されて非晶質状態になり、通常、約1μm程度の
マークが記録層に形成されて室温で安定な状態となる。
一方、消去の際には、このマークに弱いパワーのレーザ
ビームを照射し、融点より低い温度に昇温することによ
り、非晶質状態のマークを結晶化させる。
【0004】上記のように、記録時に高いパワーのレー
ザビームが照射される相変化型光ディスクにおいては、
耐熱性の低いディスク基板や接着層などの熱損傷を防ぐ
ため、従来より、記録層の直上(反射層との間)および
/または直下(基板との間)に保護層を設けている。そ
して、このような保護層の材料としては、一般に、金属
あるいは半金属の酸化物、炭化物、フッ化物、硫化物、
および窒化物やこれらの混合物が用いられている。
【0005】上記材料のうちZnS(硫化亜鉛)は、記
録・消去特性および記録層との密着性の観点から、保護
層材料として好ましいことが知られているが、実際にZ
nSのみからなる材料で保護層を形成すると、オーバー
ライトによる記録・消去の繰り返しによってZnSの結
晶粒の粗大化が生じるため、耐熱性が不十分であること
が分かった。
【0006】すなわち、前述のように、記録の際に記録
層が溶融するために生じる記録層の固体−液体間の体積
膨張や、保護層自身の熱膨張によって、保護層は熱変形
し易い。そして、この熱変形は記録層の溶融中に起こる
ため、記録層材料をディスクの回転方向に流動させるこ
とになることから、保護層の熱変形が繰り返し特性の劣
化につながるとされている。そして、保護層の変形を防
ぐためには、保護層として変形に耐えられる膜を形成
する、保護層を変形させる力が生じないようにするこ
とが考えられる。
【0007】このような観点から保護層材料に要求され
る特性としては、 (1)変形強度の高い材料 (2)耐熱性が高い材料 (3)適切な熱伝導率を有すること (4)記録層と高温で反応しないこと (5)化学的に安定であること (6)使用波長域で透明であること が挙げられる。ここで、(1)と(2)はの思想に基
づくものであり、(3)と(4)はの思想に基づくも
のである。なお、(6)は、記録層の上側の保護層の場
合には必ずしも必要な特性ではない。
【0008】そして、の思想に基づいて、ZnSにS
iO2 等を添加した材料で保護層を形成することにより
保護層の耐熱性を向上させる方法(特公平4−7478
5号公報参照)や、記録層と反射層との間に設ける保護
層を二層に分けて、その一方をZnSにSiO2 を混合
した材料からなる層とし、他方をSiO2 のみからなる
層とすることによって、繰り返し特性を向上させる方法
(特開平3−263626号公報参照)などが提案され
ている。
【0009】一方、相変化型光ディスクのオーバーライ
トによる記録・消去の際に、記録層は、初回の記録を除
き、直前の記録・消去に応じて部分的に非晶質状態また
は結晶状態になっている。そして、通常の記録層材料
は、結晶状態の方が非晶質状態より熱伝導率が高く、記
録層で発生した熱の逸散は結晶状態にある部分の方が大
きい。また、記録層以外の層による補正を行わない限
り、記録層の吸収率は結晶状態より非晶質状態の方が高
い。さらに、結晶状態にある部分を溶融するためには潜
熱が必要である。
【0010】これらのことから、直前の記録により結晶
状態となった記録層の部分に、直前の記録により非晶質
状態となった部分と同等の記録マークを形成するには、
結晶状態部分の方が非晶質状態部分よりも大きなエネル
ギーを必要とするにも関わらず、記録マーク形成のため
に必要な熱の吸収量は、結晶状態部分の方が非晶質状態
部分よりも少ない。したがって、オーバーライトにより
直前の記録で結晶状態となった部分に十分な熱を与えよ
うとすると、非晶質状態の部分は必要以上に熱されるた
め、記録層の温度は必要以上に高くなることになる。そ
のため、オーバーライトの繰り返しによって、記録層の
非晶質部分の劣化が早くなるとともに、記録層に接触し
ている保護層は変形しやすくなる。
【0011】このような点を考慮して、非晶質状態と結
晶状態とで、光吸収率が同じか結晶状態の方が高くなる
ようにする方法が各種提案されている。この方法の一つ
として、本出願人は先に、記録層の上側にある保護層
(第2保護層)の消衰係数(吸収係数)kが0.05〜
2.5の範囲にある光学情報記録媒体を出願した(国際
公開番号 WO96/17344)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、消衰係
数が上記範囲にある材料で、前述の保護層に必要とされ
る特性(1)〜(5)を全て満たす材料は少ない。これ
は、消衰係数kが大きい材料は一般的に金属的性質を有
するため、熱伝導率が高すぎたり、高温で記録層と反応
を起こしたりするものが多いからである。また、消衰係
数kが上記範囲にあるカルコゲン材料(Se、Te等)
やSb、Biなどは、融点が低すぎるため特に耐熱性に
劣るものである。
【0013】すなわち、記録層の上側にある保護層(第
2保護層)の消衰係数を限定するだけでは、の思想に
基づき、記録層の温度が必要以上に高くならないように
して保護層の変形を防ぐことはできなかった。
【0014】また、の思想に基づいた前述の方法(特
公平4−74785号や特開平3−263626号に記
載の技術)によっても、オーバーライトの繰り返し回数
が多くなると、急速な加熱・冷却の繰り返しによって保
護層自体が変形し、この変形が記録層にダメージを与え
てノイズ・ジッターの増大が生じるという問題は十分に
改善されなかった。
【0015】本発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたものであり、保護層の材料を特定する
ことにより保護層自体の変形を防止して、光学情報記録
媒体の記録・消去特性と繰り返し特性を向上させること
を課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、透明な基板と、この基板の
上に直接的または間接的に形成され、且つ光照射による
発熱で光学定数が変化することにより情報の記録および
消去がなされる記録層と、この記録層の直上および直下
のいずれか一方に形成された保護層とを備えた光学情報
記録媒体において、前記保護層は、CuO、Co
3 4 、Cr2 3 、およびNiOからなる群より選ば
れた少なくとも一つの化合物を含む材料で形成された耐
変形層であることを特徴とする光学情報記録媒体を提供
する。
【0017】この光学情報記録媒体は、基板に、保護層
(耐変形層)、記録層の順で薄膜が形成されたもの、ま
たは、基板に、記録層、保護層(耐変形層)の順で薄膜
が形成されたものが含まれる。また、その上にさらに反
射層が設けてあるものや、基板と保護層(耐変形層)と
の間に補助層(例えば、基板との密着性を向上させる等
の目的で設けられる)が設けてあるものも含まれる。
【0018】請求項2に係る発明は、透明な基板と、こ
の基板の上に形成された第一保護層と、この第一保護層
の上に形成され、且つ光照射による発熱で光学定数が変
化することにより情報の記録および消去がなされる記録
層と、この記録層の上に形成された第二保護層と、この
第二保護層の上に形成された反射層とを備えた光学情報
記録媒体において、第一保護層および第二保護層の少な
くともいずれかは、CuO、Co3 4 、Cr2 3
およびNiOからなる群より選ばれた少なくとも一つの
化合物を含む材料で形成された耐変形層であることを特
徴とする光学情報記録媒体を提供する。
【0019】この光学情報記録媒体は、基板に、第一保
護層、記録層、第二保護層、反射層の順で薄膜が形成さ
れたもので、第一保護層のみが耐変形層であるもの、第
二保護層のみが耐変形層であるもの、第一保護層と第二
保護層の両方が耐変形層であるものが含まれる。また、
第一保護層が耐変形層である場合には、基板と第一保護
層との間に補助層が設けてあってもよい。
【0020】この光学情報記録媒体は、請求項3に示す
ように、第一保護層はZnSを主成分とする材料(例え
ばZnSにSiO2 を混合させたもの)で形成され、第
二保護層は耐変形層であることが好ましい。
【0021】このような層構造の場合、記録層の直下の
保護層(第一保護層)の膜厚は、50nm以上600nm以
下であることが好ましく、生産性を考慮すると100nm
以上400nm以下であることがより好ましい。また、記
録層の直上の保護層(第二保護層)の膜厚は、2nm以上
100nm以下であることが好ましく、繰り返し特性の観
点からは、2nm以上50nm以下であることがより好まし
い。
【0022】請求項4に係る発明は、透明な基板と、こ
の基板の上に形成された第一保護層と、この第一保護層
の上に形成され、且つ光照射による発熱で光学定数が変
化することにより情報の記録および消去がなされる記録
層と、この記録層の上に形成された第二保護層と、この
第二保護層の上に形成された第三保護層と、この第三保
護層の上に形成された反射層とを備えた光学情報記録媒
体において、前記第三保護層は、CuO、Co3 4
Cr2 3 、およびNiOからなる群より選ばれた少な
くとも一つの化合物を含む材料で形成された耐変形層で
あることを特徴とする光学情報記録媒体を提供する。
【0023】この光学情報記録媒体は、第一保護層およ
び第二保護層がZnSを主成分とする材料で形成されて
いることが好ましい。なお、この光学情報記録媒体で
は、第三保護層のみでなく第二保護層も前記耐変形層と
してもよいが、その場合の第二保護層は、記録層(Te
やSe等のカルコゲン化合物)との密着性を向上させる
ため、前記CuO等の酸化物に加えてZnSなどのカル
コゲン化合物を含む材料で形成することが好ましい。
【0024】このような層構造の場合、第二保護層と第
三保護層の膜厚は、所望の光学特性及び記録感度が得ら
れる値に設定される。一般的に、保護層自体の光吸収率
を高めたい場合は第三保護層を厚くし、記録層との密着
性や記録感度を高めたい場合は第二保護層を厚くした方
が良い。
【0025】そして、これらのことと繰り返し特性の向
上を両立させるために、第二保護層の膜厚は1nm以上
50nm以下にすることが好適であり、さらに1nm以
上20nm以下とすることがより好適である。また、第
三保護層の膜厚は、記録感度とその光学特性の観点から
適切な記録感度が得られるように定めれば良く、一般に
は1nm以上300nm以下が望ましく、線速が11m
/s、記録感度が22mW以下、使用する半導体レーザ
の波長が830nmである場合には、例えば10nm〜
50nmの範囲が好適である。
【0026】このように、各層構成の光学情報記録媒体
において、保護層をCuO、Co34 、Cr2 3
およびNiOからなる群より選ばれた少なくとも一つの
化合物を含む材料で形成する(すなわち、耐変形層とす
る)ことにより、の思想に基づき、記録層の温度が必
要以上に高くならないようにして保護層の変形を防ぐこ
とができる。
【0027】また、前述の各光学情報記録媒体におい
て、前記耐変形層を形成する材料は、CuO、Co3
4 、Cr2 3 、およびNiOからなる群より選ばれた
少なくとも一つの化合物に加えて、金属のカルコゲン化
合物を含むものであることが好ましい。
【0028】さらに、耐変形層を形成する材料に加える
カルコゲン化合物としては、ZnSを使用することが好
ましい。記録層の直上または直下に形成される保護層の
光学定数は、繰り返し特性に大きく影響するため、この
保護層が、耐変形層としてCuO、Co3 4 、Cr2
3 、およびNiOからなる群より選ばれた少なくとも
一つの化合物で形成される場合には、金属のカルコゲン
化合物を含むことにより、光学定数を所望の値とするこ
とができる。
【0029】記録層がTeやSe系のカルコゲン化合物
である場合には、耐変形層をなす材料に含有させる金属
のカルコゲン化合物として、特にZnS、ZnSe、Z
nTe等を用いると、記録層との密着性が良くなるため
好ましい。
【0030】耐変形層に金属のカルコゲン化合物を含有
させる場合には、目的とするディスクの特性に応じて変
わるが、酸化物(CuO、Co3 4 、Cr2 3 、お
よびNiOからなる群より選ばれた少なくとも一つの化
合物)の合計含有率を、全体の1モル%以上70モル%
以下の範囲とすることが好ましい。
【0031】前記含有率が1モル%未満であると、消衰
係数kが小さくなりすぎるため、繰り返し特性の向上が
十分に得られない。一方、前記含有率が70モル%を超
えると、カルコゲン化合物の含有による密着性向上の作
用が実質的に得られないとともに、保護層の熱伝導率が
高くなりすぎて記録感度の低下を招く。また、前記含有
率は、10モル%以上50モル%以下であることがより
好ましく、20モル%以上50モル%以下であることが
さらに好ましい。
【0032】なお、第一保護層と第二保護層を共に耐変
形層として、両方とも金属のカルコゲン化合物と前記酸
化物との混合材料で形成する場合には、それぞれ組成が
異なるものであってもよい。
【0033】また、耐変形層を形成する材料として、前
述のCuOなどの酸化物と前記カルコゲン材料だけでな
く、SiO2 、Ta2 5 、ZrO2 、TiO2 等の酸
化物、Si3 4 、AlN等の窒化物、Sm2 3 、S
rS、CeS等の硫化物、SiCやC等の炭化物、及び
MgF2 や希土類フッ化物等のフッ化物などを加えたも
のを用いることにより、耐熱性を高めて繰り返し特性を
向上させることができる。この中では、特にSiO2
含むものであると、成膜速度が速いため好ましい。
【0034】本発明の光学情報記録媒体で使用される記
録層材料としては、従来より公知である、Sb−Te−
Ge、In−Sb−Te、In−Sb−Te−Ag、I
n−Se−Tl、Ge−Te−Sn−Au、Sb−Te
−Ge−Pd、Sb−Te−Ge−Nb等のTeまたは
Seをベースとする合金が好ましい。中でも、Sb−T
e−Ge合金もしくはSb−Te−Ge合金をベースに
した合金系は、その組成により種々の結晶化速度を持つ
ため、広い範囲のディスク線速度をカバーすることがで
きる。
【0035】したがって、Sb−Te−Ge合金または
当該合金を主成分とした合金系を記録層材料に用いれ
ば、本発明に含まれる各層構成の光学情報記録媒体にお
いて、第一保護層(記録層の直下の保護層)、第二保護
層(記録層の直上の保護層)、および第三保護層の膜厚
を大きく変化させることができるため好適である。
【0036】本発明の光学情報記録媒体で使用される好
適な反射層材料としては、Al、Cr、Ni、Au、S
i、Ti、Hf、及びPd等の金属、及びこれらの合金
が挙げられる。この中で、例えば、Al−Ti合金、A
l−Cr合金、Al−Si合金、Al−Hf合金、Al
−Ta合金、Al−Pd合金、Al−Si−Mn合金等
の合金系が特に好ましい。
【0037】このような保護層、記録層、反射層を基板
上に形成する方法としては、従来より公知の方法、例え
ば、真空蒸着、スパッタリング法、CVD法いずれを採
用してもよい。
【0038】これらの方法の中で、一般的には、蒸着法
及びスパッタリング法が採用されるが、生産性を考慮す
ると蒸着法よりスパッタリング法の方が優れているた
め、量産設備にはスパッタリング法が多く利用されてい
る。スパッタリング法で2種以上の混合物から成る膜を
形成する方法としては、構成する物質を各々のターゲッ
トからスパッタリングする共スパッタリング法、また
は、各々の物質の粉末を混合して焼結させたターゲット
を用いる方法がよく利用される。
【0039】そして、保護層を、前述の酸化物(Cu
O、Co3 4 、Cr2 3 、およびNiO等の少なく
ともいずれか)のみからなる耐変形層として、スパッタ
リング法により成膜する場合には、当該酸化物をターゲ
ットとして用いて成膜しても良いし、形成させる酸化物
に対応するCu、Co、Cr、およびNiの少なくとも
いずれかを含む合金をターゲットとして用い、成膜装置
内に酸素を導入することで、基板上で酸化反応を生じさ
せることにより当該酸化物の薄膜を形成してもよい。
【0040】前述の酸化物に金属のカルコゲン化合物を
含む薄膜を、スパッタリング法で成膜する場合には、当
該カルコゲン化合物と、形成させる酸化物に対応するC
u、Co、Cr、およびNiの少なくともいずれかを含
む合金をターゲットとして用い、成膜装置内に酸素を導
入することで当該酸化物の薄膜を形成してもよい。ま
た、当該酸化物とカルコゲン化合物とを混合したターゲ
ットを用いるか、別々のターゲットを用いて成膜しても
良い。
【0041】本発明の光学情報記録媒体で使用可能な透
明基板としては、従来より光ディスクの基板として慣用
されているものが挙げられるが、光学的特性が良好で機
械的強度が大きく、かつ寸法安定性に優れるポリカーボ
ネート製基板、やガラス基板などが好適である。
【0042】本発明の光学情報記録媒体は、また、反射
層の上に膜の保護と強化のために、透明な樹脂層を形成
することが好ましい。この材料としては、紫外線硬化樹
脂(ウレタン系、アクリル系、シリコン系、ポリエステ
ル系)またはホットメルト系の接着剤等を用いることが
できる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。 〔実施例1〕以下のようにして、図1に示す層構成の相
変化型光ディスク(光学情報記録媒体)を作製した。
【0044】先ず、厚さ1.2mmで1.6μmのピッ
チの溝があらかじめ設けられているポリカーボネート製
の基板1上に、SiO2 を全体の20mol%含むZn
SとSiO2 との混合物からなるターゲットを用い、R
Fスパッタリング法により150nmの第一保護層2を
形成した。次に、この第一保護層2の上に、記録層3と
して25nmのSb−Te−Ge系合金を形成した。
【0045】次に、No.11 〜No.14 では、各サンプル毎
に、CuO、Co3 4 、Cr2 3 、またはNiOを
全体の20mol%含む、ZnSと各酸化物との混合物
からなるターゲットを用い、RFスパッタリング法によ
り30nmの第二保護層4を形成した。また、No.15 で
は、SiO2 を全体の20mol%含むZnSとSiO
2 との混合物からなるターゲットを用い、RFスパッタ
リング法により30nmの第二保護層4を形成した。
【0046】次に、この第二保護層4の上に、Al合金
の反射層6を150nm形成した。この上に紫外線硬化
樹脂7をスピンコート法により10μm塗布し、紫外線
を当てて硬化させた。
【0047】このようにして得られた各サンプルを駆動
装置にかけて、線速度約10m/sで回転させ、波長7
80nmのレーザビームにより、1.5T信号をオーバ
ーライトモード(記録パワー13mW、消去パワー6.
5mW)で100回記録した。その後、同じトラックに
4.0T信号を1回記録(オーバーライト)し、先に記
録された1.5T信号の消去特性を調べた。
【0048】4.0T信号の記録は、レーザビームの記
録パワーを一定(13mW)に、消去パワ−を4mW〜
7mWの範囲で0.1mW毎に変化させて行った。ま
た、消去パワーを変えて行った記録毎に、4.0T信号
を1回記録する前後の1.5T信号のキャリアー(RF
信号強度)を測定し、その差を消去比として算出した。
そして、各サンプル毎に、消去比が20dB以上となる
消去パワーの最大値と最小値との差を算出し、これを消
去パワーマージンと定義した。この消去パワーマージン
が大きいほど、消去特性が高いことになる。
【0049】一方、前述のようにして得られた各サンプ
ルを駆動装置にかけて、線速度約10m/sで回転さ
せ、波長790nmのレーザビームにより、ランダムパ
ターンの記録をオーバーライトモード(記録パワー13
mW、消去パワー6mW)で20万回繰り返した後、ビ
ットエラーレート(ビット誤り率)を測定した。
【0050】これらの結果を下記の表1に併せて示す。
【0051】
【表1】 この表から分かるように、本発明の実施例に相当するN
o.11 〜No.14 については、いずれのサンプルも消去パ
ワーマージンが2.0mW以上あり、従来例に相当する
No.15 (SiO2 系)に比べて消去特性に優れている。
【0052】また、20万回後のビットエラーレートに
ついても、本発明の実施例に相当するNo.11 〜No.14
は、いずれのサンプルも5×10-5以下と良好であった
が、従来例に相当するNo.5では、2×10-3となり、エ
ラー訂正ができない状態であった。 〔実施例2〕第二保護層4を以下のようにして形成した
以外は、前記第1実施例と同様にして、図1に示す層構
成の相変化型光ディスクを作製した。
【0053】第二保護層4は、ZnSとCuOとSiO
2 との混合物からなり、且つSiO 2 を全体の20mo
l%の割合で含み、且つCuOを全体の10〜60mo
l%の各割合で含むターゲットを用い、RFスパッタリ
ング法により30nmの膜厚で形成した。すなわち、各
サンプル毎に、ZnSとCuOとSiO2 との混合物か
らなるが、ZnSとCuOの混合量が異なる第二保護層
4を形成した。
【0054】そして、得られた各サンプルを用い、実施
例1と同様にして、オーバーライトを20万回繰り返し
た後のビットエラーレートを測定した。その結果を下記
の表2に示す。
【0055】
【表2】 この表から分かるように、CuOの混合量が20〜50
mol%の範囲にあるNo.22 〜No.25 では、いずれのサ
ンプルも20万回後のビットエラーレートが5×10-5
以下と良好であり、繰り返し特性の高いものであった。
また、CuOの混合量が10mol%であるNo.21 は、
20万回後のビットエラーレートが1×10-4であり、
従来例に相当する前述のNo.15 (SiO2 系)よりは繰
り返し特性が高いものであった。なお、CuOの混合量
が60mol%であるNo.26 は、20万回後のビットエ
ラーレートが2×10-3であり、従来例に相当するNo.1
5と同等の結果であった。
【0056】したがって、ZnSとCuOとSiO2
の混合物からなる第二保護層4については、使用するス
パッタリングターゲットに含まれるCuOの混合量が1
0〜50mol%の範囲であることが好ましく、20〜
50mol%の範囲であるとより好ましい。 〔実施例3〕以下のようにして、図2に示す層構成の相
変化型光ディスクを作製した。
【0057】先ず、厚さ1.2mmで1.6μmのピッ
チの溝があらかじめ設けられているポリカーボネート製
の基板1上に、SiO2 を全体の20mol%含むZn
SとSiO2 との混合物からなるターゲットを用い、R
Fスパッタリング法により150nmの第一保護層2を
形成した。次に、この第一保護層2の上に、記録層3と
して25nmのSb−Te−Ge系合金を形成した。
【0058】次に、SiO2 を全体の20mol%含む
ZnSとSiO2 との混合物からなるターゲットを用
い、第一保護層2と同様の方法により10nmの第二保
護層4を形成した。この第二保護層4の上に、No. 31で
はCr2 3 からなるターゲットを用い、No. 32ではC
3 4 からなるターゲットを用い、RFスパッタリン
グ法によりそれぞれ20nmの第三保護層5を形成し
た。
【0059】次に、この第三保護層5の上に、Al合金
の反射層6を150nm形成した。この上に紫外線硬化
樹脂7をスピンコート法により10μm塗布し、紫外線
を当てて硬化させた。
【0060】そして、得られた各サンプルを用い、実施
例1と同様にして、オーバーライトを20万回繰り返し
た後のビットエラーレートを測定した。その結果を下記
の表3に示す。
【0061】
【表3】 この表から分かるように、いずれのサンプルも20万回
繰り返した後のビットエラーレートが5×10-5以下と
良好であった。
【0062】このように、前記実施例1および2では、
第一保護層2をZnSとSiO2 の混合材料で形成し、
第二保護層4をZnSまたはZnSとSiO2 とを含む
耐変形層としており、実施例3では、第一保護層2およ
び第二保護層4をZnSとSiO2 の混合材料で形成
し、第三保護層5を耐変形層としているため、保護層の
変形が防止されるとともに記録層3との密着性が高く、
繰り返し特性に優れたものとなっている。しかしなが
ら、本発明はこれらに限定されるものではなく、前述の
ような各種層構成の光学情報記録媒体において、保護層
を耐変形層としている全てのものを含むものである。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学情報
記録媒体によれば、保護層をCuO、Co3 4 、Cr
2 3 、およびNiOからなる群より選ばれた少なくと
も一つの化合物を含む材料で形成する(すなわち、耐変
形層とする)ことにより、記録層の温度が必要以上に高
くならないようにして保護層の変形を防ぐことができ
る。その結果、繰り返し特性が改善されるため、記録デ
ータの信頼性が高くなり、信号品質の優れた光学情報記
録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における光学情報記録媒体の
層構造(記録層両面の保護層と反射層とを有する4層構
造)を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例における光学情報記録媒体の
層構造(記録層両面の保護層、第三保護層、および反射
層を有する5層構造)を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第一保護層 3 記録層 4 第二保護層 5 第三保護層 6 反射層 7 紫外線硬化樹脂層 8 入射光

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板と、この基板の上に直接的ま
    たは間接的に形成され、且つ光照射による発熱で光学定
    数が変化することにより情報の記録および消去がなされ
    る記録層と、この記録層の直上および直下のいずれか一
    方に形成された保護層とを備えた光学情報記録媒体にお
    いて、前記保護層は、CuO、Co34 、Cr
    2 3 、およびNiOからなる群より選ばれた少なくと
    も一つの化合物を含む材料で形成された耐変形層である
    ことを特徴とする光学情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 透明な基板と、この基板の上に形成され
    た第一保護層と、この第一保護層の上に形成され、且つ
    光照射による発熱で光学定数が変化することにより情報
    の記録および消去がなされる記録層と、この記録層の上
    に形成された第二保護層と、この第二保護層の上に形成
    された反射層とを備えた光学情報記録媒体において、第
    一保護層および第二保護層の少なくともいずれかは、C
    uO、Co3 4 、Cr2 3 、およびNiOからなる
    群より選ばれた少なくとも一つの化合物を含む材料で形
    成された耐変形層であることを特徴とする光学情報記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 第一保護層はZnSを主成分とする材料
    で形成され、第二保護層は耐変形層であることを特徴と
    する請求項2記載の光学情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 透明な基板と、この基板の上に形成され
    た第一保護層と、この第一保護層の上に形成され、且つ
    光照射による発熱で光学定数が変化することにより情報
    の記録および消去がなされる記録層と、この記録層の上
    に形成された第二保護層と、この第二保護層の上に形成
    された第三保護層と、この第三保護層の上に形成された
    反射層とを備えた光学情報記録媒体において、前記第三
    保護層は、CuO、Co3 4 、Cr2 3 、およびN
    iOからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物を
    含む材料で形成された耐変形層であることを特徴とする
    光学情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7393574B2 (en) 2004-04-07 2008-07-01 Hitachi Maxwell, Ltd. Information recording medium

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