JPH10153579A - 試料分析方法および装置 - Google Patents
試料分析方法および装置Info
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- JPH10153579A JPH10153579A JP31054796A JP31054796A JPH10153579A JP H10153579 A JPH10153579 A JP H10153579A JP 31054796 A JP31054796 A JP 31054796A JP 31054796 A JP31054796 A JP 31054796A JP H10153579 A JPH10153579 A JP H10153579A
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- Japan
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- analyzed
- sample
- laser beam
- irradiation
- laser light
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- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】試料表面の被分析箇所に微小径に絞ったレーザ
光を照射して、該箇所の構成物質を気化・イオン化さ
せ、発生したイオンを飛行時間型の質量分析計にかけ
て、上記物質の成分・組成分析を行なう試料分析方法に
おいて、上記物質が未知の成分・組成であっても、上記
物質の気化に最適な照射強度でレーザ光照射を行なっ
て、上記物質を最適な分析条件の下で分析できるように
すること。 【解決手段】試料5表面に照射するレーザ光の照射強度
(エネルギー)を照射レーザ光の光路上に設置した絞り(2
1)や透過率調整フィルタ(23)を用いて任意に選択(設定
変更)できるようにし、未知物質の分析に際しては、照
射強度が小さい方から順次試料に照射して行くことによ
り、被分析箇所が最適な気化条件で気化・イオン化され
た時の分析データを用いて分析を行なう。 【効果】過大な照射強度でのレーザ光照射により、試料
を気化・消失させてしまうことなく、常に適切な気化・
イオン化条件の下で得られる分析データを用いての、高
精度の質量分析ができる。
光を照射して、該箇所の構成物質を気化・イオン化さ
せ、発生したイオンを飛行時間型の質量分析計にかけ
て、上記物質の成分・組成分析を行なう試料分析方法に
おいて、上記物質が未知の成分・組成であっても、上記
物質の気化に最適な照射強度でレーザ光照射を行なっ
て、上記物質を最適な分析条件の下で分析できるように
すること。 【解決手段】試料5表面に照射するレーザ光の照射強度
(エネルギー)を照射レーザ光の光路上に設置した絞り(2
1)や透過率調整フィルタ(23)を用いて任意に選択(設定
変更)できるようにし、未知物質の分析に際しては、照
射強度が小さい方から順次試料に照射して行くことによ
り、被分析箇所が最適な気化条件で気化・イオン化され
た時の分析データを用いて分析を行なう。 【効果】過大な照射強度でのレーザ光照射により、試料
を気化・消失させてしまうことなく、常に適切な気化・
イオン化条件の下で得られる分析データを用いての、高
精度の質量分析ができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料分析技術に係
わり、特に、半導体装置,マスク・レティクル,液晶デ
ィスプレイ,メモリディスク,回路基板などの微細構造
物試料の表面微小領域に存在する欠陥や異物等の未知成
分物質の組成・成分分析に用いるのに好適な試料分析方
法およびその方法を実施するための装置に関する。
わり、特に、半導体装置,マスク・レティクル,液晶デ
ィスプレイ,メモリディスク,回路基板などの微細構造
物試料の表面微小領域に存在する欠陥や異物等の未知成
分物質の組成・成分分析に用いるのに好適な試料分析方
法およびその方法を実施するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、従来技術に関し、半導体産業にお
ける分析技術を例にとって以下に説明する。半導体の生
産においては、歩留まり・信頼性を向上するために製造
過程における不良を低減することが必須であり、そのた
めには、製造工程途中においてウエハ上に付着する異物
を低減することが重要である。このウエハ上付着異物の
低減は、一般に検査・観察・分析により異物を同定し、
プロセス装置やプロセスフローにおける異物発生源を対
策することによってなされる。この検査には、一般的
に、レーザ光をウエハ表面に照射してその散乱光を検出
する方法や、白色光をウエハ表面に照射して、半導体回
路パターンの画像を取り込んで比較検査することによ
り、異物・欠陥のみを検出する方法が用いられている。
このようにして検出された異物やパターン欠陥部分は、
走査型電子顕微鏡や高解像度観察装置等により、さらに
詳しく観察することができる。また、その後に検出され
た異物・欠陥を分析する方法としては、電子線を試料
(ウエハ)表面に照射して、そこから放出される特性X線
を分析する方法(XMA;X-ray Micro Analysis)が実
用化されており、特に、エネルギー分散型XMAは、無
機物を対象とした分析に広く用いられている。しかし、
このXMAでは、有機物の分析が困難であり、かつ、電
子線の試料内への入射深さを制御することが困難である
ことから、このXMA分析に代わって、レーザ光やイオ
ンビームを微小径に絞って試料に照射し、試料表面上の
被分析箇所の構成物質を気化させて、その分子,原子あ
るいはイオンを分析する方法が検討されている。飛行時
間型レーザ質量分析法がそのうちの一つである。この飛
行時間型レーザ質量分析法では、試料に微小径に絞った
レーザ光を照射して被分析箇所(微小領域)の構成物質を
気化させ、この気化によって生成されたイオンを試料上
方に引き出して、引き出されたイオンが検出器に到達す
るまでの時間(飛行時間)を計測することにより、該イオ
ンの質量を求める分析法である。
ける分析技術を例にとって以下に説明する。半導体の生
産においては、歩留まり・信頼性を向上するために製造
過程における不良を低減することが必須であり、そのた
めには、製造工程途中においてウエハ上に付着する異物
を低減することが重要である。このウエハ上付着異物の
低減は、一般に検査・観察・分析により異物を同定し、
プロセス装置やプロセスフローにおける異物発生源を対
策することによってなされる。この検査には、一般的
に、レーザ光をウエハ表面に照射してその散乱光を検出
する方法や、白色光をウエハ表面に照射して、半導体回
路パターンの画像を取り込んで比較検査することによ
り、異物・欠陥のみを検出する方法が用いられている。
このようにして検出された異物やパターン欠陥部分は、
走査型電子顕微鏡や高解像度観察装置等により、さらに
詳しく観察することができる。また、その後に検出され
た異物・欠陥を分析する方法としては、電子線を試料
(ウエハ)表面に照射して、そこから放出される特性X線
を分析する方法(XMA;X-ray Micro Analysis)が実
用化されており、特に、エネルギー分散型XMAは、無
機物を対象とした分析に広く用いられている。しかし、
このXMAでは、有機物の分析が困難であり、かつ、電
子線の試料内への入射深さを制御することが困難である
ことから、このXMA分析に代わって、レーザ光やイオ
ンビームを微小径に絞って試料に照射し、試料表面上の
被分析箇所の構成物質を気化させて、その分子,原子あ
るいはイオンを分析する方法が検討されている。飛行時
間型レーザ質量分析法がそのうちの一つである。この飛
行時間型レーザ質量分析法では、試料に微小径に絞った
レーザ光を照射して被分析箇所(微小領域)の構成物質を
気化させ、この気化によって生成されたイオンを試料上
方に引き出して、引き出されたイオンが検出器に到達す
るまでの時間(飛行時間)を計測することにより、該イオ
ンの質量を求める分析法である。
【0003】上記した飛行時間型レーザ質量分析法は、
従来、主として有機物、特に、生体化合物の分析に用い
られてきたが、多元素同時分析が可能であり、試料表面
帯電等の影響がなく、質量分析の分解能が高いことか
ら、半導体や液晶等の表面分析にも有効であり、その方
面への適用が種々検討されている。一例として、特開昭
63−146339号公報には、気化用レーザ光と同軸
構成で高解像観察機能を有する飛行時間型レーザ質量分
析計について記載されている。また、特開平6−194
319号公報には、気化用レーザ光を細く絞って試料表
面に照射し、かつ気化生成されたイオンあるいは分子・
原子を検出器に誘導するための穴あき対物レンズ(光学
レンズ)とアインツェルレンズ(イオンレンズ)とを用い
た飛行時間型レーザ質量分析装置および分析方法につい
て記載されている。
従来、主として有機物、特に、生体化合物の分析に用い
られてきたが、多元素同時分析が可能であり、試料表面
帯電等の影響がなく、質量分析の分解能が高いことか
ら、半導体や液晶等の表面分析にも有効であり、その方
面への適用が種々検討されている。一例として、特開昭
63−146339号公報には、気化用レーザ光と同軸
構成で高解像観察機能を有する飛行時間型レーザ質量分
析計について記載されている。また、特開平6−194
319号公報には、気化用レーザ光を細く絞って試料表
面に照射し、かつ気化生成されたイオンあるいは分子・
原子を検出器に誘導するための穴あき対物レンズ(光学
レンズ)とアインツェルレンズ(イオンレンズ)とを用い
た飛行時間型レーザ質量分析装置および分析方法につい
て記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
XMA分析法を用いて微細構造半導体装置の製造過程に
おけるウエハ表面のパターン欠陥や異物を分析する場
合、XMA分析法は原理的に元素分析法であることから
して有機物の分析は困難である。また、異物成分を励起
するために必要なエネルギーが元素番号に依存して異な
ることから、軽元素と呼ばれる元素番号の小さい元素に
対しては低いエネルギー、金属等比較的元素番号の大き
い元素に対しては高いエネルギーの電子線を照射する必
要があった。試料に対する電子線の侵入深さはその照射
エネルギーに依存しており、電子線の照射エネルギーを
高くすると照射電子線が試料のより深部にまで侵入する
ようになり、被分析箇所に存在する欠陥や異物のサイズ
が小さい場合には、これら欠陥や異物成分を含む表面層
だけでなくその下地層にまで電子線が侵入してしまい、
該下地層からの特性X線を多く発生・検出してしまうた
め、表面微少領域の分析が困難であった。また、電子線
やイオン線等の荷電粒子ビームを試料に照射する方法で
は、試料が絶縁物の場合にはその表面が帯電して、照射
ビームのドリフトを生じさせるため、分析箇所等の正確
な制御が困難であった。
XMA分析法を用いて微細構造半導体装置の製造過程に
おけるウエハ表面のパターン欠陥や異物を分析する場
合、XMA分析法は原理的に元素分析法であることから
して有機物の分析は困難である。また、異物成分を励起
するために必要なエネルギーが元素番号に依存して異な
ることから、軽元素と呼ばれる元素番号の小さい元素に
対しては低いエネルギー、金属等比較的元素番号の大き
い元素に対しては高いエネルギーの電子線を照射する必
要があった。試料に対する電子線の侵入深さはその照射
エネルギーに依存しており、電子線の照射エネルギーを
高くすると照射電子線が試料のより深部にまで侵入する
ようになり、被分析箇所に存在する欠陥や異物のサイズ
が小さい場合には、これら欠陥や異物成分を含む表面層
だけでなくその下地層にまで電子線が侵入してしまい、
該下地層からの特性X線を多く発生・検出してしまうた
め、表面微少領域の分析が困難であった。また、電子線
やイオン線等の荷電粒子ビームを試料に照射する方法で
は、試料が絶縁物の場合にはその表面が帯電して、照射
ビームのドリフトを生じさせるため、分析箇所等の正確
な制御が困難であった。
【0005】そこで、本発明者らは、微小領域のより高
感度・高分解能分析を目的として、レーザ光を細く絞っ
て試料に照射し、試料表面上の被分析箇所(微小領域)を
構成する物質を気化させて、この気化によって生じる分
子,原子,あるいはイオンが真空中を飛行して検出器に
到達するまでに要する時間から、その運動エネルギーを
算出して、これら分子,原子,あるいはイオンの質量を
求める分析方法、すなわち飛行時間型レーザ質量分析法
の試料表面の欠陥や異物分析への適用についてさらに詳
細に検討した。
感度・高分解能分析を目的として、レーザ光を細く絞っ
て試料に照射し、試料表面上の被分析箇所(微小領域)を
構成する物質を気化させて、この気化によって生じる分
子,原子,あるいはイオンが真空中を飛行して検出器に
到達するまでに要する時間から、その運動エネルギーを
算出して、これら分子,原子,あるいはイオンの質量を
求める分析方法、すなわち飛行時間型レーザ質量分析法
の試料表面の欠陥や異物分析への適用についてさらに詳
細に検討した。
【0006】まず、飛行時間型レーザ質量分析法では、
試料表面に照射するのがレーザ光であるため、荷電粒子
ビーム照射の場合のような、試料表面帯電の影響は受け
ないので、試料が絶縁物であっても何ら問題は無い。し
かし、飛行時間型レーザ質量分析法では、被分析箇所を
気化させるが、被分析箇所の材質や大きさによりその気
化に必要なエネルギーが異なる。そのため、被分析箇所
に対する照射レーザ光のエネルギーを分析の都度最適化
してやる必要がある。この点、従来の分析方法では、分
析対象物が主として生体化合物であったため、試料に照
射するレーザ光のエネルギーはほぼ一定でよく、細かな
エネルギー調整はなされていなかった。しかるに、半導
体装置表面の欠陥や異物を構成する物質のような未知物
質を分析する場合には、被分析箇所の材質等を事前に知
ることができないため、予め照射レーザ光の適切なエネ
ルギー調整ができず、そのため、被分析箇所表面層のみ
を分析したいのにその下地層までも気化させてしまった
り、逆に、レーザ光を照射しても必要な被分析箇所表面
層が気化されなかったりする場合がある等の問題点があ
った。特に、レーザ質量分析法では、試料表面の分析所
要部分を気化させることを前提としているので、照射レ
ーザ光のエネルギー設定が適切でなく、特にエネルギー
が大きすぎた場合には、所望の分析結果が得られないだ
けではなく、その回のレーザ光照射によって被分析箇所
が気化・消失してしまうため、改めて分析をやり直すこ
とが不可能になってしまうと云う問題が生じる。
試料表面に照射するのがレーザ光であるため、荷電粒子
ビーム照射の場合のような、試料表面帯電の影響は受け
ないので、試料が絶縁物であっても何ら問題は無い。し
かし、飛行時間型レーザ質量分析法では、被分析箇所を
気化させるが、被分析箇所の材質や大きさによりその気
化に必要なエネルギーが異なる。そのため、被分析箇所
に対する照射レーザ光のエネルギーを分析の都度最適化
してやる必要がある。この点、従来の分析方法では、分
析対象物が主として生体化合物であったため、試料に照
射するレーザ光のエネルギーはほぼ一定でよく、細かな
エネルギー調整はなされていなかった。しかるに、半導
体装置表面の欠陥や異物を構成する物質のような未知物
質を分析する場合には、被分析箇所の材質等を事前に知
ることができないため、予め照射レーザ光の適切なエネ
ルギー調整ができず、そのため、被分析箇所表面層のみ
を分析したいのにその下地層までも気化させてしまった
り、逆に、レーザ光を照射しても必要な被分析箇所表面
層が気化されなかったりする場合がある等の問題点があ
った。特に、レーザ質量分析法では、試料表面の分析所
要部分を気化させることを前提としているので、照射レ
ーザ光のエネルギー設定が適切でなく、特にエネルギー
が大きすぎた場合には、所望の分析結果が得られないだ
けではなく、その回のレーザ光照射によって被分析箇所
が気化・消失してしまうため、改めて分析をやり直すこ
とが不可能になってしまうと云う問題が生じる。
【0007】従って、本発明の目的は、飛行時間型レー
ザ質量分析法によって試料表面層上の被分析箇所に存在
する分析対象物(欠陥や異物)を分析する際に、これらの
分析対象物が未知成分であっても、被分析箇所に照射す
るレーザ光の照射条件を適切に設定することができ、そ
れにより、被分析箇所を消失させてしまうことなくし
て、高感度・高分解能での試料表面分析を可能ならしめ
得る分析方法および分析装置を提供することである。
ザ質量分析法によって試料表面層上の被分析箇所に存在
する分析対象物(欠陥や異物)を分析する際に、これらの
分析対象物が未知成分であっても、被分析箇所に照射す
るレーザ光の照射条件を適切に設定することができ、そ
れにより、被分析箇所を消失させてしまうことなくし
て、高感度・高分解能での試料表面分析を可能ならしめ
得る分析方法および分析装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の試料分析方法においては、レーザ光を試料
に照射する際に、照射レーザ光のエネルギーを調整し
て、試料表面の分析深さやダメージを調整する方法を採
っている。
め、本発明の試料分析方法においては、レーザ光を試料
に照射する際に、照射レーザ光のエネルギーを調整し
て、試料表面の分析深さやダメージを調整する方法を採
っている。
【0009】第一の方法は、レーザ光を試料に照射する
際に、試料表面構成材料の融点等に応じて照射レーザ光
のエネルギーを設定する分析方法である。例えば半導体
装置製造ラインにおいては、使用される材料(表面構成
材料)は既知であるので、予め各材料に対応する融点
と、それから換算される各材料表面を気化させるのに必
要な照射レーザ光エネルギーとをテーブル(対応表)上に
設定・記憶させておくことができる。例えば、半導体装
置表面の成膜材料としては、酸化シリコン,アルミニウ
ム,タングステン,ホトレジスト,その他の材料につい
て、上記テーブルを作成しておく。このテーブルから、
1回のパルスレーザ光照射によって気化され得る表面部
分の分量(体積または重量)も算出できる。このため、被
分析試料表面の構成材料が既知の場合には、上記テーブ
ルに基いて、該表面構成材料に応じてパルスレーザ光の
照射回数を設定することにより、試料表面での分析深さ
を制御することが可能となる。
際に、試料表面構成材料の融点等に応じて照射レーザ光
のエネルギーを設定する分析方法である。例えば半導体
装置製造ラインにおいては、使用される材料(表面構成
材料)は既知であるので、予め各材料に対応する融点
と、それから換算される各材料表面を気化させるのに必
要な照射レーザ光エネルギーとをテーブル(対応表)上に
設定・記憶させておくことができる。例えば、半導体装
置表面の成膜材料としては、酸化シリコン,アルミニウ
ム,タングステン,ホトレジスト,その他の材料につい
て、上記テーブルを作成しておく。このテーブルから、
1回のパルスレーザ光照射によって気化され得る表面部
分の分量(体積または重量)も算出できる。このため、被
分析試料表面の構成材料が既知の場合には、上記テーブ
ルに基いて、該表面構成材料に応じてパルスレーザ光の
照射回数を設定することにより、試料表面での分析深さ
を制御することが可能となる。
【0010】第二の方法は、上記した第一の方法におけ
る照射条件設定用テーブルに基き、あるいは、別途数段
階のレーザ光照射条件を固定設定しておき、弱いエネル
ギーから強いエネルギーへと順次段階的に照射エネルギ
ーを増大させながらレーザ光を照射していく方法であ
る。被分析箇所を特定し、該箇所にレーザ光を照射して
試料表面を気化させる際、該試料表面の構成材料が未知
の場合、または、該試料表面上に付着した未知物質(異
物等)を分析する場合には、その分析に適切な照射エネ
ルギーを予め設定しておくことは困難である。そのため
に、照射レーザ光のエネルギーが被分析箇所の所要気化
エネルギー値よりも大きい場合には、所望の被分析箇所
のみならず、その近傍を含む広い範囲にわたって気化さ
れてしまう。所望の分析箇所よりも広い領域が気化され
ると、分析所望領域以外からのノイズ信号が多数混入し
て検出されるため、分析所望領域についての分析感度が
実質的に低下してしまう。このため、被分析箇所には、
該部分のみを気化させるに必要なエネルギー(または、
それ以下のエネルギー)のレーザ光が照射される必要が
ある。本発明では、照射レーザ光のエネルギーを数段階
に設定して、被分析箇所に対しエネルギーの小さな順に
照射することにより、被分析箇所のみについての所要気
化エネルギー値よりも大きいエネルギーでのレーザ光照
射を防止することができる。すなわち、被分析箇所に照
射するレーザ光のエネルギーを順次段階的に増大させて
行き、被分析箇所が気化されて所望の分析データが得ら
れた段階で照射レーザ光のエネルギーの増大を停止させ
ることができ、それにより、被分析箇所以外の試料表面
領域(例えば下地層)の気化を防止することができる。
る照射条件設定用テーブルに基き、あるいは、別途数段
階のレーザ光照射条件を固定設定しておき、弱いエネル
ギーから強いエネルギーへと順次段階的に照射エネルギ
ーを増大させながらレーザ光を照射していく方法であ
る。被分析箇所を特定し、該箇所にレーザ光を照射して
試料表面を気化させる際、該試料表面の構成材料が未知
の場合、または、該試料表面上に付着した未知物質(異
物等)を分析する場合には、その分析に適切な照射エネ
ルギーを予め設定しておくことは困難である。そのため
に、照射レーザ光のエネルギーが被分析箇所の所要気化
エネルギー値よりも大きい場合には、所望の被分析箇所
のみならず、その近傍を含む広い範囲にわたって気化さ
れてしまう。所望の分析箇所よりも広い領域が気化され
ると、分析所望領域以外からのノイズ信号が多数混入し
て検出されるため、分析所望領域についての分析感度が
実質的に低下してしまう。このため、被分析箇所には、
該部分のみを気化させるに必要なエネルギー(または、
それ以下のエネルギー)のレーザ光が照射される必要が
ある。本発明では、照射レーザ光のエネルギーを数段階
に設定して、被分析箇所に対しエネルギーの小さな順に
照射することにより、被分析箇所のみについての所要気
化エネルギー値よりも大きいエネルギーでのレーザ光照
射を防止することができる。すなわち、被分析箇所に照
射するレーザ光のエネルギーを順次段階的に増大させて
行き、被分析箇所が気化されて所望の分析データが得ら
れた段階で照射レーザ光のエネルギーの増大を停止させ
ることができ、それにより、被分析箇所以外の試料表面
領域(例えば下地層)の気化を防止することができる。
【0011】また、本発明の試料分析方法においては、
試料表面に照射するレーザ光のエネルギーを調整するの
とは別に、試料を冷却することによって、レーザ光照射
した際の試料表面での熱拡散を抑制することができる。
この試料冷却による熱拡散の抑制によって、気化される
試料表面領域の体積が小さくなり、より微小な領域の分
析が可能となる。
試料表面に照射するレーザ光のエネルギーを調整するの
とは別に、試料を冷却することによって、レーザ光照射
した際の試料表面での熱拡散を抑制することができる。
この試料冷却による熱拡散の抑制によって、気化される
試料表面領域の体積が小さくなり、より微小な領域の分
析が可能となる。
【0012】さらに、上記した第一および第二の方法で
レーザ光を試料に照射する際、試料表面上の分析所望箇
所が1回のパルスレーザ光照射で気化・消失しなかった
場合には、複数回のパルスレーザ光照射を行ない、各回
において得られる分析データを個別に記憶して、これら
各回の分析データを加算することによって、ランダムな
ノイズの影響を軽減して、分析所望箇所についての分析
感度を向上させることができる。また、分析所望箇所が
試料内層部である場合には、上記と同様に複数回のパル
スレーザ光照射を行なって、各回の分析データを個別に
記憶して、各回の分析データとそれぞれその直前の回の
分析データとの差分を取ることにより、分析所望の層と
その上の層との境界面(分析データの変化点)をモニタす
ることができ、それにより、所望の深さの層についての
分析が可能になる。
レーザ光を試料に照射する際、試料表面上の分析所望箇
所が1回のパルスレーザ光照射で気化・消失しなかった
場合には、複数回のパルスレーザ光照射を行ない、各回
において得られる分析データを個別に記憶して、これら
各回の分析データを加算することによって、ランダムな
ノイズの影響を軽減して、分析所望箇所についての分析
感度を向上させることができる。また、分析所望箇所が
試料内層部である場合には、上記と同様に複数回のパル
スレーザ光照射を行なって、各回の分析データを個別に
記憶して、各回の分析データとそれぞれその直前の回の
分析データとの差分を取ることにより、分析所望の層と
その上の層との境界面(分析データの変化点)をモニタす
ることができ、それにより、所望の深さの層についての
分析が可能になる。
【0013】上記した照射レーザ光の強度(エネルギー)
の調整は、例えば、照射レーザ光の光路途中に、開口径
の異なる複数の絞り開口およびレーザ光波長に合せた透
過率調整フィルタ等を設置しておき、所望とする照射レ
ーザ光強度に応じて、これらの絞り開口と透過率調整フ
ィルタとの組み合わせを設定することにより達成され得
る。また、上記した試料の冷却は、試料保持台に温度制
御の可能な冷却機構を付設させておき、目的に応じて、
試料を冷却し、かつ冷却温度を制御することにより達成
され得る。さらに、試料気化用のレーザ光とは別に、試
料表面に白色光等を照射して、試料表面の映像をTVカ
メラ等で撮像して、レーザ光照射される箇所およびその
近傍を観察できるように構成しておくことにより、分析
に際しては、先ずこの観察機能を用いて試料表面上での
被分析箇所を特定し、次いでこの特定された被分析箇所
に気化用レーザ光を照射して分析データを取得するよう
にすることができる。なお、上記した被分析箇所を特定
するモードと分析データを取得するモードとの間でのモ
ード切替を行なうためのモード切替機能を付加しておく
のが望ましい。さらにまた、レーザ光照射・分析データ
取得後の試料表面を再度観察することにより、試料表面
のダメージ,気化された箇所の消失深さ等から、照射レ
ーザ光の強度を判定したり、再度パルスレーザ光を照射
するかどうかの判定を行なうことが可能になる。
の調整は、例えば、照射レーザ光の光路途中に、開口径
の異なる複数の絞り開口およびレーザ光波長に合せた透
過率調整フィルタ等を設置しておき、所望とする照射レ
ーザ光強度に応じて、これらの絞り開口と透過率調整フ
ィルタとの組み合わせを設定することにより達成され得
る。また、上記した試料の冷却は、試料保持台に温度制
御の可能な冷却機構を付設させておき、目的に応じて、
試料を冷却し、かつ冷却温度を制御することにより達成
され得る。さらに、試料気化用のレーザ光とは別に、試
料表面に白色光等を照射して、試料表面の映像をTVカ
メラ等で撮像して、レーザ光照射される箇所およびその
近傍を観察できるように構成しておくことにより、分析
に際しては、先ずこの観察機能を用いて試料表面上での
被分析箇所を特定し、次いでこの特定された被分析箇所
に気化用レーザ光を照射して分析データを取得するよう
にすることができる。なお、上記した被分析箇所を特定
するモードと分析データを取得するモードとの間でのモ
ード切替を行なうためのモード切替機能を付加しておく
のが望ましい。さらにまた、レーザ光照射・分析データ
取得後の試料表面を再度観察することにより、試料表面
のダメージ,気化された箇所の消失深さ等から、照射レ
ーザ光の強度を判定したり、再度パルスレーザ光を照射
するかどうかの判定を行なうことが可能になる。
【0014】以上により、未知組成の試料の表面分析に
おいて、分析所要箇所だけを高感度かつ高分解能で分析
できる。また、未知組成試料であっても、適切な分析条
件の下での分析データが得らずに被分析箇所を消失させ
てしまうと云うようなことがなくなり、分析(検査)の信
頼性および効率を向上させることができる。
おいて、分析所要箇所だけを高感度かつ高分解能で分析
できる。また、未知組成試料であっても、適切な分析条
件の下での分析データが得らずに被分析箇所を消失させ
てしまうと云うようなことがなくなり、分析(検査)の信
頼性および効率を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例を挙げて詳細に説明する。
き、実施例を挙げて詳細に説明する。
【0016】本発明による試料分析方法および装置の実
施例につき、図1〜図7を参照して説明する。半導体装
置の製造プロセスでは、多数のパターン形成工程が繰り
返し行なわれる。一つのパターン形成工程は、大略する
と、成膜,レジスト塗布,感光,現像,エッチング,レ
ジスト除去,洗浄等のステップから構成されている。こ
れら複数のステップを経て、ウエハ上に一つの回路パタ
ーンが形成されるのであるが、図1に示すように、回路
パターン形成途中に、異物1や突起2,パターン残りや
残渣3,パターン形状不良4等が発生すると、その半導
体装置は動作・特性・信頼性の各面で不良品となる。こ
れらの異物1や突起2,パターン残りや残渣3,パター
ン形状不良4等は、その発生原因によってそれぞれ材質
が異なる(その多くは未知の材質である)上、その形状や
サイズも様々である。そのため、図2に示すように、主
要なパターン形成工程において、ウエハの外観検査を行
なって、ウエハ毎・場所毎の異物や欠陥の有無、それら
の大きさや位置座標を検出している。そして、異物や欠
陥の詳細な内容を把握してその発生原因や発生源を特定
するために、これら異物や欠陥部分を構成する物質につ
いての組成分析が行なわれる。以下においては、このよ
うな異物や欠陥,パターン残りや残渣,パターン形状不
良等が生じている部分の材質(成分および組成)を分析
する場合を例にとって、本発明の分析方法および分析装
置について詳述する。
施例につき、図1〜図7を参照して説明する。半導体装
置の製造プロセスでは、多数のパターン形成工程が繰り
返し行なわれる。一つのパターン形成工程は、大略する
と、成膜,レジスト塗布,感光,現像,エッチング,レ
ジスト除去,洗浄等のステップから構成されている。こ
れら複数のステップを経て、ウエハ上に一つの回路パタ
ーンが形成されるのであるが、図1に示すように、回路
パターン形成途中に、異物1や突起2,パターン残りや
残渣3,パターン形状不良4等が発生すると、その半導
体装置は動作・特性・信頼性の各面で不良品となる。こ
れらの異物1や突起2,パターン残りや残渣3,パター
ン形状不良4等は、その発生原因によってそれぞれ材質
が異なる(その多くは未知の材質である)上、その形状や
サイズも様々である。そのため、図2に示すように、主
要なパターン形成工程において、ウエハの外観検査を行
なって、ウエハ毎・場所毎の異物や欠陥の有無、それら
の大きさや位置座標を検出している。そして、異物や欠
陥の詳細な内容を把握してその発生原因や発生源を特定
するために、これら異物や欠陥部分を構成する物質につ
いての組成分析が行なわれる。以下においては、このよ
うな異物や欠陥,パターン残りや残渣,パターン形状不
良等が生じている部分の材質(成分および組成)を分析
する場合を例にとって、本発明の分析方法および分析装
置について詳述する。
【0017】本発明の分析方法および分析装置において
は、試料表面の所要分析箇所に細く絞ったレーザ光を照
射し、該所要分析箇所に存在する異物や欠陥等の構成物
質を気化・イオン化させる。そして、この気化・イオン
化によって生成されたイオンを試料表面から引き出し
て、試料表面から十分離れた位置に設けられた検出器で
検出し、検出されたイオンがその発生位置(被分析箇所
=レーザ光照射位置)から検出器に到るまでに要した時
間(飛行時間)を測定することにより、該検出イオンの質
量を求め、もって上記被分析箇所に存在していた異物や
欠陥等の構成物質の分析(成分・組成の特定)を行なって
いる。
は、試料表面の所要分析箇所に細く絞ったレーザ光を照
射し、該所要分析箇所に存在する異物や欠陥等の構成物
質を気化・イオン化させる。そして、この気化・イオン
化によって生成されたイオンを試料表面から引き出し
て、試料表面から十分離れた位置に設けられた検出器で
検出し、検出されたイオンがその発生位置(被分析箇所
=レーザ光照射位置)から検出器に到るまでに要した時
間(飛行時間)を測定することにより、該検出イオンの質
量を求め、もって上記被分析箇所に存在していた異物や
欠陥等の構成物質の分析(成分・組成の特定)を行なって
いる。
【0018】図3に、本発明の一実施例になる分析装置
の概略構成を示す。本実施例の分析装置は、大別して、
試料台6を含む試料室7,試料気化用のレーザ光を照射
するためのレーザ光照射光学系,試料から放出されたイ
オンを検出するためのイオン検出系,試料表面を観察す
るための観察用光学系,および、装置各部を制御するた
めの制御部19から構成されている。被分析試料5は試
料台6上に載置され、試料台6は制御部19からの指令
に従って所望の位置へ移動できるよう構成されている。
これにより、試料(例えば半導体ウエハ)5は、その表面
上の異物が存在する座標位置(被分析箇所)がレーザ光照
射光学系の直下となるように、レーザ光照射光学系の光
軸(Z軸)に対して垂直な面(X−Y面)内で2方向(X,
Y方向)に移動され得る。また、試料5の被分析箇所表
面がレーザ光照射光学系の光軸方向(Z方向)での所定位
置に来るようにするために、試料5の厚さの変化に応じ
て、試料5をZ方向にも移動させ得るよう構成されてい
る。なお、これら試料移動のための試料台駆動機構につ
いての図示は省略してある。
の概略構成を示す。本実施例の分析装置は、大別して、
試料台6を含む試料室7,試料気化用のレーザ光を照射
するためのレーザ光照射光学系,試料から放出されたイ
オンを検出するためのイオン検出系,試料表面を観察す
るための観察用光学系,および、装置各部を制御するた
めの制御部19から構成されている。被分析試料5は試
料台6上に載置され、試料台6は制御部19からの指令
に従って所望の位置へ移動できるよう構成されている。
これにより、試料(例えば半導体ウエハ)5は、その表面
上の異物が存在する座標位置(被分析箇所)がレーザ光照
射光学系の直下となるように、レーザ光照射光学系の光
軸(Z軸)に対して垂直な面(X−Y面)内で2方向(X,
Y方向)に移動され得る。また、試料5の被分析箇所表
面がレーザ光照射光学系の光軸方向(Z方向)での所定位
置に来るようにするために、試料5の厚さの変化に応じ
て、試料5をZ方向にも移動させ得るよう構成されてい
る。なお、これら試料移動のための試料台駆動機構につ
いての図示は省略してある。
【0019】試料台6上には、試料5の下面に接触する
冷却部28が設けられており、制御部19からの命令
(あるいは、他の任意の方法)によって、その冷却温度
を適宜制御することによって、試料5を目的に応じた任
意の温度に冷却できるよう構成されている。なお、この
試料冷却系についての図示は省略してある。
冷却部28が設けられており、制御部19からの命令
(あるいは、他の任意の方法)によって、その冷却温度
を適宜制御することによって、試料5を目的に応じた任
意の温度に冷却できるよう構成されている。なお、この
試料冷却系についての図示は省略してある。
【0020】試料気化用レーザ光照射光学系は、レーザ
光源20,絞り21,レンズ22,透過率調整フィルタ
23,ミラー10,対物レンズ9などから構成されてい
る。レーザ光源20は、制御部19からの指令を受け
て、パルス状のレーザ光を出力する。この出力レーザ光
は、絞り21,レンズ22,透過率調整フィルタ23,
光路切替ミラー24,光入射用窓25,ミラー10,対
物レンズ9を介して、被分析試料5の表面に照射され
る。なお、絞り21と透過率調整フィルタ23は、それ
ぞれ複数種の開口径と透過率のものが備えられており、
制御部19からの指令により選択されたものが、照射レ
ーザ光の光路上に挿入設置されるよう構成されている。
光源20,絞り21,レンズ22,透過率調整フィルタ
23,ミラー10,対物レンズ9などから構成されてい
る。レーザ光源20は、制御部19からの指令を受け
て、パルス状のレーザ光を出力する。この出力レーザ光
は、絞り21,レンズ22,透過率調整フィルタ23,
光路切替ミラー24,光入射用窓25,ミラー10,対
物レンズ9を介して、被分析試料5の表面に照射され
る。なお、絞り21と透過率調整フィルタ23は、それ
ぞれ複数種の開口径と透過率のものが備えられており、
制御部19からの指令により選択されたものが、照射レ
ーザ光の光路上に挿入設置されるよう構成されている。
【0021】イオン検出系は、イオン引出電極8,イオ
ン偏向器11,イオンフライト空間13,イオンリフレ
クタ12,イオン検出器14,オシロスコープ15など
から構成されている。上記した試料気化用レーザ光の照
射によって試料5表面で発生したイオンは、イオン引出
電極8によって引き出され、イオン偏向器11により軌
道を修正された上で、イオンフライト空間13へと導か
れる。イオンフライト空間13内を飛行したイオンは、
イオンリフレクタ12によって反射され、再びイオンフ
ライト空間13内を飛行した上で、イオン検出器14に
入射し、そこで検出される。
ン偏向器11,イオンフライト空間13,イオンリフレ
クタ12,イオン検出器14,オシロスコープ15など
から構成されている。上記した試料気化用レーザ光の照
射によって試料5表面で発生したイオンは、イオン引出
電極8によって引き出され、イオン偏向器11により軌
道を修正された上で、イオンフライト空間13へと導か
れる。イオンフライト空間13内を飛行したイオンは、
イオンリフレクタ12によって反射され、再びイオンフ
ライト空間13内を飛行した上で、イオン検出器14に
入射し、そこで検出される。
【0022】オシロスコープ15では、イオン検出器1
4からの検出信号を受けて、時々刻々と検出されるイオ
ンのそれぞれの検出時間を測定し、各イオンの検出時間
からそのイオンの飛行時間(レーザ光源20から試料気
化用のパルスレーザ光が出力された時点から各イオンが
検出されるまでの時間)を求めて、その結果をデータ処
理部16に送る。
4からの検出信号を受けて、時々刻々と検出されるイオ
ンのそれぞれの検出時間を測定し、各イオンの検出時間
からそのイオンの飛行時間(レーザ光源20から試料気
化用のパルスレーザ光が出力された時点から各イオンが
検出されるまでの時間)を求めて、その結果をデータ処
理部16に送る。
【0023】データ処理部16では、送られてきた各イ
オンの飛行時間データから、イオン飛行時間と検出イオ
ン量との関係(飛行時間スペクトル)を求め、予め知ら
れているイオン飛行時間対イオン質量数との関係に従っ
て、この飛行時間スペクトルを質量スペクトルに換算す
る。この換算によって得られた質量スペクトルから、試
料5の被分析箇所(=レーザ光照射位置)を構成してい
る物質の成分・組成を判定できる。この質量スペクトル
や各種の演算結果は、記憶部17に記憶され、また、表
示部18によって表示され得る。
オンの飛行時間データから、イオン飛行時間と検出イオ
ン量との関係(飛行時間スペクトル)を求め、予め知ら
れているイオン飛行時間対イオン質量数との関係に従っ
て、この飛行時間スペクトルを質量スペクトルに換算す
る。この換算によって得られた質量スペクトルから、試
料5の被分析箇所(=レーザ光照射位置)を構成してい
る物質の成分・組成を判定できる。この質量スペクトル
や各種の演算結果は、記憶部17に記憶され、また、表
示部18によって表示され得る。
【0024】観察用光学系は、観察用照明光源26,光
路切替ミラー24,TVカメラ27から構成されてい
る。照明光源26からは白色光が出射され、目的に応
じ、光路切替ミラー24を介して試料気化用レーザ光の
光路上に、試料気化用レーザ光と切り替えて入射され、
試料気化用レーザ光の光軸と同軸関係で、試料5表面上
の被分析箇所に照射される。この観察用照明光の照射に
よる試料5表面からの反射光がTVカメラ27で撮像さ
れ、得られた映像信号が制御部19を介して表示部18
に送られ、試料表面の被分析箇所周辺の映像が表示され
る。
路切替ミラー24,TVカメラ27から構成されてい
る。照明光源26からは白色光が出射され、目的に応
じ、光路切替ミラー24を介して試料気化用レーザ光の
光路上に、試料気化用レーザ光と切り替えて入射され、
試料気化用レーザ光の光軸と同軸関係で、試料5表面上
の被分析箇所に照射される。この観察用照明光の照射に
よる試料5表面からの反射光がTVカメラ27で撮像さ
れ、得られた映像信号が制御部19を介して表示部18
に送られ、試料表面の被分析箇所周辺の映像が表示され
る。
【0025】次に、前述した分析装置を用いて試料(半
導体ウエハ)表面上の異物を分析する方法について、図
3および図4を参照して説明する。なお、図4は、本実
施例の分析方法における分析手順を示している。予め異
物や欠陥の所在を他の検査装置で求めてある試料(ウエ
ハ)5をローディング部29にセットしておき、そこか
ら試料室7内の試料台6上にローディングする。そし
て、ウエハ5のオリエンテーションフラットやノッチ等
のウエハ形状を検出するか、あるいは、ウエハ5上に形
成されたアライメントパターンを検出することにより、
ウエハ5の位置座標や回転状態を補正する。次に、予め
他の検査装置で求めてあった異物の位置座標を制御部1
9のコンピュータにローディングし、本分析装置に則し
た座標値に換算し、分析を所望する異物位置が、丁度お
よび観察用光学系の直下に来るように、試料台6を移動
して、ウエハ5の位置決めをする。
導体ウエハ)表面上の異物を分析する方法について、図
3および図4を参照して説明する。なお、図4は、本実
施例の分析方法における分析手順を示している。予め異
物や欠陥の所在を他の検査装置で求めてある試料(ウエ
ハ)5をローディング部29にセットしておき、そこか
ら試料室7内の試料台6上にローディングする。そし
て、ウエハ5のオリエンテーションフラットやノッチ等
のウエハ形状を検出するか、あるいは、ウエハ5上に形
成されたアライメントパターンを検出することにより、
ウエハ5の位置座標や回転状態を補正する。次に、予め
他の検査装置で求めてあった異物の位置座標を制御部1
9のコンピュータにローディングし、本分析装置に則し
た座標値に換算し、分析を所望する異物位置が、丁度お
よび観察用光学系の直下に来るように、試料台6を移動
して、ウエハ5の位置決めをする。
【0026】次いで、ミラー24を用いてレーザ光照射
光学系の光路を観察用光学系の光路に切り替えて、ウエ
ハ5表面を照明光源26からの白色光で照明して、ウエ
ハ5表面からの反射光をTVカメラ27で撮像する。撮
像されたウエハ5表面の像は表示部18に表示される。
このウエハ表面の像を観察しながら、試料台6の高さ
(光学系の光路方向における位置)を調整して、ウエハ5
表面上に光学系の焦点を合わせる。また、この光学系の
焦点位置を表示部18のモニタ画面上にカーソル等で表
示し、そこに被分析箇所(異物位置)が来るよう精密に位
置合わせをする。
光学系の光路を観察用光学系の光路に切り替えて、ウエ
ハ5表面を照明光源26からの白色光で照明して、ウエ
ハ5表面からの反射光をTVカメラ27で撮像する。撮
像されたウエハ5表面の像は表示部18に表示される。
このウエハ表面の像を観察しながら、試料台6の高さ
(光学系の光路方向における位置)を調整して、ウエハ5
表面上に光学系の焦点を合わせる。また、この光学系の
焦点位置を表示部18のモニタ画面上にカーソル等で表
示し、そこに被分析箇所(異物位置)が来るよう精密に位
置合わせをする。
【0027】上記した被分析箇所の位置わせが済んだ
ら、ミラー24で光学系の光路を観察用からレーザ光照
射用に切り替える。次いで、制御部19において、分析
条件を予め複数設定してある条件ファイルの中から所望
の分析条件を選択するか、あるいは、所定の手順に従っ
て所望の分析条件を制御部19に入力して、分析条件を
設定する。この分析条件に従って、レーザ光照射光学系
の光路途中に設置されている絞り21や透過率調整フィ
ルタ23が変更・設定される。この分析条件設定方法に
ついては、後に詳しく述べる。
ら、ミラー24で光学系の光路を観察用からレーザ光照
射用に切り替える。次いで、制御部19において、分析
条件を予め複数設定してある条件ファイルの中から所望
の分析条件を選択するか、あるいは、所定の手順に従っ
て所望の分析条件を制御部19に入力して、分析条件を
設定する。この分析条件に従って、レーザ光照射光学系
の光路途中に設置されている絞り21や透過率調整フィ
ルタ23が変更・設定される。この分析条件設定方法に
ついては、後に詳しく述べる。
【0028】次いで、制御部19からの分析開始指令に
従い、レーザ光源20から試料気化用のレーザ光がパル
ス発振され、被分析箇所(異物)に照射される。ここで、
照射レーザ光の強度が被分析異物を気化させるに必要な
エネルギーに達している場合には、被分析異物の一部が
気化され、さらにその一部がイオン化されて、前述の方
法でイオン検出器14にて検出される。検出データは、
直ちにオシロスコープ15を介してデータ処理部16へ
転送され、被分析異物の質量スペクトルを得るのに必要
な演算や演算結果の保存がなされ、また得られた質量ス
ペクトルその他の演算結果が表示部18のモニタ画面上
に映像表示される。
従い、レーザ光源20から試料気化用のレーザ光がパル
ス発振され、被分析箇所(異物)に照射される。ここで、
照射レーザ光の強度が被分析異物を気化させるに必要な
エネルギーに達している場合には、被分析異物の一部が
気化され、さらにその一部がイオン化されて、前述の方
法でイオン検出器14にて検出される。検出データは、
直ちにオシロスコープ15を介してデータ処理部16へ
転送され、被分析異物の質量スペクトルを得るのに必要
な演算や演算結果の保存がなされ、また得られた質量ス
ペクトルその他の演算結果が表示部18のモニタ画面上
に映像表示される。
【0029】その後、再度ミラー24で光学系の光路を
観察用に切り替えて、分析した箇所すなわちレーザ光照
射した箇所の像を観察する。観察の結果、被分析箇所の
異物が気化されて消失していれば、その箇所の分析はそ
れで終了とする。一方、照射レーザ光の強度が被分析異
物の気化に必要なエネルギー値よりも低かった場合に
は、被分析異物はまだ残存している。そのため、観察結
果により適宜に分析条件を変更・設定し直して、再度同
一箇所を分析する。このような手順を繰り返し、所望箇
所についての所望条件での分析を行ない、ローディング
された試料ウエハ5の表面上における全ての分析所望箇
所についての分析を終了したら、その試料ウエハ5をロ
ーディング部29へアンローディングする。
観察用に切り替えて、分析した箇所すなわちレーザ光照
射した箇所の像を観察する。観察の結果、被分析箇所の
異物が気化されて消失していれば、その箇所の分析はそ
れで終了とする。一方、照射レーザ光の強度が被分析異
物の気化に必要なエネルギー値よりも低かった場合に
は、被分析異物はまだ残存している。そのため、観察結
果により適宜に分析条件を変更・設定し直して、再度同
一箇所を分析する。このような手順を繰り返し、所望箇
所についての所望条件での分析を行ない、ローディング
された試料ウエハ5の表面上における全ての分析所望箇
所についての分析を終了したら、その試料ウエハ5をロ
ーディング部29へアンローディングする。
【0030】以上、本発明の分析方法について説明した
が、既に述べたように半導体ウエハ表面上の異物は、そ
の材質が未知であることが殆どである。そのため、試料
気化用レーザ光を常に適切な条件(エネルギー)でもって
照射することが困難である。例えば、レジスト等の有機
物は比較的低いエネルギーで気化され、フッ素ガスや塩
素ガスと金属とが化合してできた生成物も低エネルギー
で気化する。しかし、金属膜等に関しては、これら有機
物やフッ素・塩素化合物よりも高いエネルギーが必要で
あり、また、酸化珪素等に関しては、さらに高いエネル
ギーを与えないと分解・気化・イオン化しない。
が、既に述べたように半導体ウエハ表面上の異物は、そ
の材質が未知であることが殆どである。そのため、試料
気化用レーザ光を常に適切な条件(エネルギー)でもって
照射することが困難である。例えば、レジスト等の有機
物は比較的低いエネルギーで気化され、フッ素ガスや塩
素ガスと金属とが化合してできた生成物も低エネルギー
で気化する。しかし、金属膜等に関しては、これら有機
物やフッ素・塩素化合物よりも高いエネルギーが必要で
あり、また、酸化珪素等に関しては、さらに高いエネル
ギーを与えないと分解・気化・イオン化しない。
【0031】本発明の分析方法による具体的な分析例と
して、半導体ウエハのAlパターン上にレジストが異物
として残存した場合の不良分析例について記す。先ず、
既に述べた方法で被分析箇所とレーザ光照射光学系の焦
点位置との一致を確認した上で、照射レーザ光の強度を
1mJに設定して、被分析箇所にこのレーザ光を照射し
た。その結果、被分析箇所だけでなく、その周囲のパタ
ーンも数十μmの領域にわたって溶融・気化しているこ
とが判明した。この時得られたスペクトルは、時間分解
能が悪い上に、下地物質のものと思われる成分の信号を
多く含んだものであった。これは、照射レーザ光の強度
(エネルギー)が高すぎて、被分析箇所だけではなく、
その周囲領域の物質をも気化させてしまったこと、ま
た、熱拡散現象による気化・イオン化の時間遅延によっ
て、同じ物質からの同じ成分イオンの発生が同時に行な
われなかったことが原因であると判断される。時間分解
能が悪いと、同一時間内に種々異なる成分イオンが混在
して検出されてしまうため、被分析箇所(異物)を構成す
る物質が何であるかの判定が困難となる。また、被分析
箇所以外の領域の気化は、それ自体分析箇所周辺領域の
ダメージを大きくすることになる。さらに、適正な分析
結果が得られなかったにも拘らず、被分析箇所の異物が
気化によって全て消失してしまっているため、改めて再
分析することが不可能となる。
して、半導体ウエハのAlパターン上にレジストが異物
として残存した場合の不良分析例について記す。先ず、
既に述べた方法で被分析箇所とレーザ光照射光学系の焦
点位置との一致を確認した上で、照射レーザ光の強度を
1mJに設定して、被分析箇所にこのレーザ光を照射し
た。その結果、被分析箇所だけでなく、その周囲のパタ
ーンも数十μmの領域にわたって溶融・気化しているこ
とが判明した。この時得られたスペクトルは、時間分解
能が悪い上に、下地物質のものと思われる成分の信号を
多く含んだものであった。これは、照射レーザ光の強度
(エネルギー)が高すぎて、被分析箇所だけではなく、
その周囲領域の物質をも気化させてしまったこと、ま
た、熱拡散現象による気化・イオン化の時間遅延によっ
て、同じ物質からの同じ成分イオンの発生が同時に行な
われなかったことが原因であると判断される。時間分解
能が悪いと、同一時間内に種々異なる成分イオンが混在
して検出されてしまうため、被分析箇所(異物)を構成す
る物質が何であるかの判定が困難となる。また、被分析
箇所以外の領域の気化は、それ自体分析箇所周辺領域の
ダメージを大きくすることになる。さらに、適正な分析
結果が得られなかったにも拘らず、被分析箇所の異物が
気化によって全て消失してしまっているため、改めて再
分析することが不可能となる。
【0032】そこで、被分析箇所(異物)を構成する物質
が未知である場合には、予め複数のレーザ光照射条件を
含んだ条件ファイルを設定しておき、これら複数の照射
条件のうちレーザ光照射強度(エネルギー)が最も弱い
方から順番に照射するようにした。レーザ光の照射エネ
ルギーは、既に述べたように、照射光路の途中に設けら
れた絞り21の開口径を変えたり、透過率調整フィルタ
23の透過率を変えることによって可変設定される。図
5に、この条件ファイルの一例を示す。条件Aは有機物
を気化する際の適正エネルギー条件に相当し、条件Bは
金属−フッ素・塩素化合物を気化する際の適正エネルギ
ー条件に相当する。また、条件CはAlを、条件DはW
をそれぞれ気化させる際の適正エネルギー条件に相当す
ると云うように、各種の材料に相当する照射エネルギー
条件が、この条件ファイルに入力されている。この条件
ファイルに基いて、照射エネルギーが最も弱い順に被分
析箇所にレーザ光を照射し、その都度、分析結果(質量
スペクトル)を確認すると共に、被分析箇所(レーザ光
照射箇所)を観察用光学系により観察して、分析結果の
適否(再分析の要否)や,分析深さ等を判定する。そし
て、被分析箇所(異物)の適切な気化が行なわれておら
ず、再分析が必要と判定された場合には、レーザ光の照
射エネルギーを1ステップ高くして再分析を行なう。こ
のような手順を経ることにより、被分析箇所の異物が消
失してしまう前に、適正な分析結果を確実に得ることが
可能になる。
が未知である場合には、予め複数のレーザ光照射条件を
含んだ条件ファイルを設定しておき、これら複数の照射
条件のうちレーザ光照射強度(エネルギー)が最も弱い
方から順番に照射するようにした。レーザ光の照射エネ
ルギーは、既に述べたように、照射光路の途中に設けら
れた絞り21の開口径を変えたり、透過率調整フィルタ
23の透過率を変えることによって可変設定される。図
5に、この条件ファイルの一例を示す。条件Aは有機物
を気化する際の適正エネルギー条件に相当し、条件Bは
金属−フッ素・塩素化合物を気化する際の適正エネルギ
ー条件に相当する。また、条件CはAlを、条件DはW
をそれぞれ気化させる際の適正エネルギー条件に相当す
ると云うように、各種の材料に相当する照射エネルギー
条件が、この条件ファイルに入力されている。この条件
ファイルに基いて、照射エネルギーが最も弱い順に被分
析箇所にレーザ光を照射し、その都度、分析結果(質量
スペクトル)を確認すると共に、被分析箇所(レーザ光
照射箇所)を観察用光学系により観察して、分析結果の
適否(再分析の要否)や,分析深さ等を判定する。そし
て、被分析箇所(異物)の適切な気化が行なわれておら
ず、再分析が必要と判定された場合には、レーザ光の照
射エネルギーを1ステップ高くして再分析を行なう。こ
のような手順を経ることにより、被分析箇所の異物が消
失してしまう前に、適正な分析結果を確実に得ることが
可能になる。
【0033】また、被分析箇所の気化に際して、試料
(ウエハ)表面における熱拡散が、実際に気化される領域
の広さに大きく影響する。図6に、その概要を示す。試
料表面における熱の広がりが大きいと、同図の(a)に示
すように、気化される領域30も広がる。そのため、目
的に応じて、例えば微小な領域を分析したい場合には、
試料冷却部28を用いて試料5を冷却する。また、上記
条件ファイルにおいて、ある一定以上のエネルギーでレ
ーザ光を照射する場合には、試料へのダメージを軽減す
るためにも試料を冷却する。冷却手段は、例えば液体窒
素等により冷却部28を冷却する方法等が挙げられ、分
析前に制御部19からの指令あるいは手動スイッチによ
る指令、または、液体窒素の注入等により冷却開始され
る。これにより、同図の(b)に示すように、気化される
領域30を微小領域に留めることが可能となると同時
に、前述したような時間分解能の低下を防止することが
できるようになり、さらに試料5表面に与えるダメージ
を軽減することが可能となる。このようにして、試料で
ある半導体ウエハ表面上の異物や欠陥に対して、常に適
切な分析条件を設定することにより、高精度の分析結果
(スペクトル)を得ることができるようになった。
(ウエハ)表面における熱拡散が、実際に気化される領域
の広さに大きく影響する。図6に、その概要を示す。試
料表面における熱の広がりが大きいと、同図の(a)に示
すように、気化される領域30も広がる。そのため、目
的に応じて、例えば微小な領域を分析したい場合には、
試料冷却部28を用いて試料5を冷却する。また、上記
条件ファイルにおいて、ある一定以上のエネルギーでレ
ーザ光を照射する場合には、試料へのダメージを軽減す
るためにも試料を冷却する。冷却手段は、例えば液体窒
素等により冷却部28を冷却する方法等が挙げられ、分
析前に制御部19からの指令あるいは手動スイッチによ
る指令、または、液体窒素の注入等により冷却開始され
る。これにより、同図の(b)に示すように、気化される
領域30を微小領域に留めることが可能となると同時
に、前述したような時間分解能の低下を防止することが
できるようになり、さらに試料5表面に与えるダメージ
を軽減することが可能となる。このようにして、試料で
ある半導体ウエハ表面上の異物や欠陥に対して、常に適
切な分析条件を設定することにより、高精度の分析結果
(スペクトル)を得ることができるようになった。
【0034】既に述べたように、本発明の分析方法で
は、試料表面上での被分析箇所を気化させている。その
ため、これまでに述べた方法で、レーザ光の照射条件を
適切に設定すると、パルスレーザ光の照射の度毎に分析
深さが異なる分析データを得ることができる。一例とし
て、試料表面上に設けられた被膜31の内部に存在する
異物32の分析を目的として、試料表面にパルスレーザ
光を複数回照射して、各回の分析データから質量スペク
トルを演算して求めた結果を、図7に示す。1回目の分
析では、同図の(a)に示すように、Siに相当するピー
ク33とSiOに相当するピーク34を含むスペクトル
が得られた。これは、同図の(a') に示すように、試料
の最表面層にある被膜31そのものの成分である。2回
目の分析においても、図7の(b)に示すように、図7の
(a)と同様のスペクトルであった。従って、この場合に
も、同図の(b') に示すように、試料の気化は異物32
までは達していないことが判る。次いで、3回目の分析
では、図7の(c)のように、Siに相当する僅かなピー
ク33と、SiOに相当する僅かなピーク34も検出さ
れたが、それとは別に、Wに相当する高いピーク35が
検出された。従って、この場合には、同図の(c') のよ
うに、試料の気化が異物32まで達して、被膜31中に
埋まっていた異物32の成分であるWが検出されたもの
と判断される。この場合、各回の分析で得られたスペク
トルの間での差をとって、スペクトルの変化点を顕在化
することにより、被膜31の成分と異物32の成分とを
弁別することができる。これらの方法によって、試料表
面上の同一場所について複数回の分析を行った際の各回
の分析結果から、目的とする異物32についての情報の
みを精度よく弁別して取得することができる。
は、試料表面上での被分析箇所を気化させている。その
ため、これまでに述べた方法で、レーザ光の照射条件を
適切に設定すると、パルスレーザ光の照射の度毎に分析
深さが異なる分析データを得ることができる。一例とし
て、試料表面上に設けられた被膜31の内部に存在する
異物32の分析を目的として、試料表面にパルスレーザ
光を複数回照射して、各回の分析データから質量スペク
トルを演算して求めた結果を、図7に示す。1回目の分
析では、同図の(a)に示すように、Siに相当するピー
ク33とSiOに相当するピーク34を含むスペクトル
が得られた。これは、同図の(a') に示すように、試料
の最表面層にある被膜31そのものの成分である。2回
目の分析においても、図7の(b)に示すように、図7の
(a)と同様のスペクトルであった。従って、この場合に
も、同図の(b') に示すように、試料の気化は異物32
までは達していないことが判る。次いで、3回目の分析
では、図7の(c)のように、Siに相当する僅かなピー
ク33と、SiOに相当する僅かなピーク34も検出さ
れたが、それとは別に、Wに相当する高いピーク35が
検出された。従って、この場合には、同図の(c') のよ
うに、試料の気化が異物32まで達して、被膜31中に
埋まっていた異物32の成分であるWが検出されたもの
と判断される。この場合、各回の分析で得られたスペク
トルの間での差をとって、スペクトルの変化点を顕在化
することにより、被膜31の成分と異物32の成分とを
弁別することができる。これらの方法によって、試料表
面上の同一場所について複数回の分析を行った際の各回
の分析結果から、目的とする異物32についての情報の
みを精度よく弁別して取得することができる。
【0035】また、リファレンス(試料標準)として、被
分析箇所と同様の構造の箇所を予め設定しておき、この
リファレンス箇所について、予め異なる照射エネルギー
での複数回のレーザ光照射を行ない、各回毎の分析深さ
を観察により求めておくことにより、その結果から、異
物・欠陥等の存在する箇所についての各回の分析結果に
ついての分析深さを知ることができる。また、リファレ
ンス箇所のスペクトルと異物箇所のスペクトルとの差を
取り、ピーク位置を比較することにより、異物箇所周辺
のパターンや被膜の成分の影響を把握して、異物のみの
成分を精度良く弁別して取得することが可能となる。特
に、分析対象とする異物や欠陥が、試料の最表面層にあ
るのではなく内層部に埋まっている場合には、この異物
や欠陥の成分だけではなくそれよりも上層部の成分も検
出されるが、上記方法によれば、この上層部の成分の影
響を容易に排除できる上、各回の分析深さを定量的に把
握できる。その結果、分析すべき異物や欠陥の深さ方向
位置と成分を定量的に特定できる。
分析箇所と同様の構造の箇所を予め設定しておき、この
リファレンス箇所について、予め異なる照射エネルギー
での複数回のレーザ光照射を行ない、各回毎の分析深さ
を観察により求めておくことにより、その結果から、異
物・欠陥等の存在する箇所についての各回の分析結果に
ついての分析深さを知ることができる。また、リファレ
ンス箇所のスペクトルと異物箇所のスペクトルとの差を
取り、ピーク位置を比較することにより、異物箇所周辺
のパターンや被膜の成分の影響を把握して、異物のみの
成分を精度良く弁別して取得することが可能となる。特
に、分析対象とする異物や欠陥が、試料の最表面層にあ
るのではなく内層部に埋まっている場合には、この異物
や欠陥の成分だけではなくそれよりも上層部の成分も検
出されるが、上記方法によれば、この上層部の成分の影
響を容易に排除できる上、各回の分析深さを定量的に把
握できる。その結果、分析すべき異物や欠陥の深さ方向
位置と成分を定量的に特定できる。
【0036】以上、本発明による分析方法および分析装
置について代表的な実施例を挙げて説明してきたが、こ
れから明らかなように、本発明によれば、未知の異物や
欠陥に対して分析条件を設定する方法、被分析箇所の分
析空間領域をより微小にするために試料表面での熱拡散
を防ぐ方法、さらに分析結果を観察して次の分析条件を
設定する方法、分析結果を演算して、分析箇所のデータ
のみを弁別する方法等により、微細な異物や欠陥を精度
良く分析する方法、およびこれらの方法を実施するため
の分析装置の代表的な構成が提供される。なお、本発明
は、冒頭の適用範囲にも掲げているように、半導体装置
以外のマスクやレティクル,液晶ディスプレイ,メモリ
ディスク,回路基板等の微細構造物における微小領域の
分析にも同様に適用され得るものである。また、本発明
の範囲を逸脱しない範囲で、請求項に掲げた複数の特徴
を組み合わせた分析方法および分析装置についても同様
である。
置について代表的な実施例を挙げて説明してきたが、こ
れから明らかなように、本発明によれば、未知の異物や
欠陥に対して分析条件を設定する方法、被分析箇所の分
析空間領域をより微小にするために試料表面での熱拡散
を防ぐ方法、さらに分析結果を観察して次の分析条件を
設定する方法、分析結果を演算して、分析箇所のデータ
のみを弁別する方法等により、微細な異物や欠陥を精度
良く分析する方法、およびこれらの方法を実施するため
の分析装置の代表的な構成が提供される。なお、本発明
は、冒頭の適用範囲にも掲げているように、半導体装置
以外のマスクやレティクル,液晶ディスプレイ,メモリ
ディスク,回路基板等の微細構造物における微小領域の
分析にも同様に適用され得るものである。また、本発明
の範囲を逸脱しない範囲で、請求項に掲げた複数の特徴
を組み合わせた分析方法および分析装置についても同様
である。
【0037】本発明によって得られる代表的な効果を、
以下に、簡単にまとめて説明する。 試料(微細な回路パターン等)の表面における被分析箇
所(微小な異物や欠陥等)にレーザ光を照射して、該被分
析箇所を気化・イオン化させ、発生したイオンを検出し
てその飛行時間を測定し、この飛行時間から検出された
イオンの質量数を割り出して、上記被分析箇所を構成す
る物質を同定する分析方法および分析装置において、上
記被分析箇所に照射するレーザ光の強度(エネルギー)を
複数段階に設定し、弱い照射エネルギーの順から上記被
分析箇所に照射することによって、上記被分析箇所を構
成する物質が未知の物質である場合であっても、上記被
分析箇所を損なったり消失したりしてしまうことなく、
常に適切な分析条件でもって分析ができるようになる。
また、上記した複数段階のレーザ光照射条件を予め条
件テーブル上に登録しておくことにより、より効率良く
分析条件の設定ができる。また、上記被分析箇所を構
成する物質が既知の物質である場合には、それぞれの照
射エネルギーでのレーザ光照射による被分析箇所の気化
量を予め求めておくことにより、レーザ光の照射エネル
ギーから分析深さを知ることができる。また、分析直
後に被分析箇所を観察し、この観察結果に基づいて次の
分析条件を設定するようにすることにより、より精度の
高い分析を実行することができるようになる。また、
試料を冷却することにより、レーザ光照射に際しての試
料表面での熱拡散を抑制し、レーザ光照射領域のみを気
化できるようになるので、より微小な領域の分析が可能
となる。さらに、各分析結果について、得られたスペ
クトルを重ね合せ、あるいは差をとることにより、被分
析箇所の成分とその周囲の成分とを精度よく弁別して測
定することができるようになる。
以下に、簡単にまとめて説明する。 試料(微細な回路パターン等)の表面における被分析箇
所(微小な異物や欠陥等)にレーザ光を照射して、該被分
析箇所を気化・イオン化させ、発生したイオンを検出し
てその飛行時間を測定し、この飛行時間から検出された
イオンの質量数を割り出して、上記被分析箇所を構成す
る物質を同定する分析方法および分析装置において、上
記被分析箇所に照射するレーザ光の強度(エネルギー)を
複数段階に設定し、弱い照射エネルギーの順から上記被
分析箇所に照射することによって、上記被分析箇所を構
成する物質が未知の物質である場合であっても、上記被
分析箇所を損なったり消失したりしてしまうことなく、
常に適切な分析条件でもって分析ができるようになる。
また、上記した複数段階のレーザ光照射条件を予め条
件テーブル上に登録しておくことにより、より効率良く
分析条件の設定ができる。また、上記被分析箇所を構
成する物質が既知の物質である場合には、それぞれの照
射エネルギーでのレーザ光照射による被分析箇所の気化
量を予め求めておくことにより、レーザ光の照射エネル
ギーから分析深さを知ることができる。また、分析直
後に被分析箇所を観察し、この観察結果に基づいて次の
分析条件を設定するようにすることにより、より精度の
高い分析を実行することができるようになる。また、
試料を冷却することにより、レーザ光照射に際しての試
料表面での熱拡散を抑制し、レーザ光照射領域のみを気
化できるようになるので、より微小な領域の分析が可能
となる。さらに、各分析結果について、得られたスペ
クトルを重ね合せ、あるいは差をとることにより、被分
析箇所の成分とその周囲の成分とを精度よく弁別して測
定することができるようになる。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、本発明によれば、被分析箇所の構成物質が未知な場
合であっても、適切な分析条件を設定することができ、
従来よりも多種多様の試料について、精度の高い分析が
できるようになる。同時に、より微小な領域の分析が可
能となり、また、分析箇所とその周囲の物質との弁別精
度が向上するため、高感度且つ高精度な試料分析が可能
となる。
に、本発明によれば、被分析箇所の構成物質が未知な場
合であっても、適切な分析条件を設定することができ、
従来よりも多種多様の試料について、精度の高い分析が
できるようになる。同時に、より微小な領域の分析が可
能となり、また、分析箇所とその周囲の物質との弁別精
度が向上するため、高感度且つ高精度な試料分析が可能
となる。
【0039】従って、本発明の分析方法および分析装置
方法を、半導体装置を始めとして、マスクやレティク
ル,液晶ディスプレイ,メモリディスク,回路基板等の
微細な構造物を製造するプロセスに適用することによ
り、製造過程で不慮の不良や未知のトラブルが発生した
際に、即時にそれについて高精度分析ができ、発生原因
を特定することが可能となる。そのため、早期かつ的確
な対策を施すことができ、大量の不良発生を未然に防ぐ
ことができる。その結果、上記した微細構造物製造過程
における不良やトラブル等の問題点を減少させることが
でき、製造歩留りが向上する。その結果、新製品開発に
際しての開発効率を向上させ、かつ、実際に製品製造す
るに際しての製造コストを削減できる。同時に、上記の
効果により、半導体装置を始めとする各種微細構造物の
パターン不良を低減できるので、得られる製品の信頼性
が向上する。
方法を、半導体装置を始めとして、マスクやレティク
ル,液晶ディスプレイ,メモリディスク,回路基板等の
微細な構造物を製造するプロセスに適用することによ
り、製造過程で不慮の不良や未知のトラブルが発生した
際に、即時にそれについて高精度分析ができ、発生原因
を特定することが可能となる。そのため、早期かつ的確
な対策を施すことができ、大量の不良発生を未然に防ぐ
ことができる。その結果、上記した微細構造物製造過程
における不良やトラブル等の問題点を減少させることが
でき、製造歩留りが向上する。その結果、新製品開発に
際しての開発効率を向上させ、かつ、実際に製品製造す
るに際しての製造コストを削減できる。同時に、上記の
効果により、半導体装置を始めとする各種微細構造物の
パターン不良を低減できるので、得られる製品の信頼性
が向上する。
【図1】本発明の分析方法による分析対象の一例として
の、半導体装置の回路パターン形成に際して発生する異
物や欠陥等を模式的に示す図,
の、半導体装置の回路パターン形成に際して発生する異
物や欠陥等を模式的に示す図,
【図2】本発明の分析方法の適用対象の一例である、半
導体装置製造プロセスにおけるプロセス・フローを示す
図,
導体装置製造プロセスにおけるプロセス・フローを示す
図,
【図3】本発明による分析装置(レーザ励起飛行時間計
測式質量分析装置)の一構成例を示す図,
測式質量分析装置)の一構成例を示す図,
【図4】本発明による分析方法(レーザ励起飛行時間計
測式質量分析法)の分析手順の一例を示す図,
測式質量分析法)の分析手順の一例を示す図,
【図5】本発明の分析方法における分析条件の設定方法
の一例を示す図,
の一例を示す図,
【図6】本発明の分析方法における試料の冷却効果につ
いて説明する図,
いて説明する図,
【図7】本発明の分析方法における分析結果の演算例を
示す図。
示す図。
1 ・・・・ 半導体製造過程で発生した異物, 2 ・・・・ 半導体製造過程で発生した突起状欠陥, 3 ・・・・ 半導体製造過程で発生したパターン残りや残
渣, 4 ・・・・ 半導体製造過程で発生したパターン形状不良, 5 ・・・・ 被分析試料, 6 ・・・・ 試料台, 7 ・・・・ 試料室, 8 ・・・・ イオン引出電極, 9 ・・・・ 対物レンズ, 10 ・・・・ ミラー, 11 ・・・・ イオン偏向器, 12 ・・・・ イオンリフレクタ, 13 ・・・・ イオンフライト空間, 14 ・・・・ イオン検出器, 15 ・・・・ オシロスコープ, 16 ・・・・ データ処理部, 17 ・・・・ 記憶部, 18 ・・・・ 表示部, 19 ・・・・ 制御部, 20 ・・・・ レーザ光源, 21 ・・・・ 絞り, 22 ・・・・ レンズ, 23 ・・・・ 透過率調整フィルタ, 24 ・・・・ 光路切替ミラー, 25 ・・・・ 光入射用窓, 26 ・・・・ 観察用照明光源, 27 ・・・・ TVカメラ, 28 ・・・・ 試料冷却部, 29 ・・・・ ローディング部, 30 ・・・・ レーザ光照射により気化される領域, 31 ・・・・ 試料最表面の被膜, 32 ・・・・ 異物, 33 ・・・・ Siのピーク, 34 ・・・・ SiOのピーク, 35 ・・・・ Wのピーク。
渣, 4 ・・・・ 半導体製造過程で発生したパターン形状不良, 5 ・・・・ 被分析試料, 6 ・・・・ 試料台, 7 ・・・・ 試料室, 8 ・・・・ イオン引出電極, 9 ・・・・ 対物レンズ, 10 ・・・・ ミラー, 11 ・・・・ イオン偏向器, 12 ・・・・ イオンリフレクタ, 13 ・・・・ イオンフライト空間, 14 ・・・・ イオン検出器, 15 ・・・・ オシロスコープ, 16 ・・・・ データ処理部, 17 ・・・・ 記憶部, 18 ・・・・ 表示部, 19 ・・・・ 制御部, 20 ・・・・ レーザ光源, 21 ・・・・ 絞り, 22 ・・・・ レンズ, 23 ・・・・ 透過率調整フィルタ, 24 ・・・・ 光路切替ミラー, 25 ・・・・ 光入射用窓, 26 ・・・・ 観察用照明光源, 27 ・・・・ TVカメラ, 28 ・・・・ 試料冷却部, 29 ・・・・ ローディング部, 30 ・・・・ レーザ光照射により気化される領域, 31 ・・・・ 試料最表面の被膜, 32 ・・・・ 異物, 33 ・・・・ Siのピーク, 34 ・・・・ SiOのピーク, 35 ・・・・ Wのピーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 欣也 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 山口 裕功 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 水野 文夫 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内
Claims (14)
- 【請求項1】試料表面の被分析箇所に微小径に絞ったレ
ーザ光を照射して上記被分析箇所を構成する物質を気化
させて、この気化によって生成される原子,分子,ある
いはイオンを検出して、上記被分析箇所を構成する物質
の分析を行なう試料分析方法において、上記被分析箇所
に照射する上記レーザ光の照射強度を変化させることに
よって、上記被分析箇所の上記試料表面からの分析深さ
および被分析量を制御することを特徴とする試料分析方
法。 - 【請求項2】上記被分析箇所に照射する上記レーザ光の
照射強度の変化は、互いに成分組成の異なる複数の物質
について、それぞれを気化させるのに適切な複数のレー
ザ光照射強度を予め設定しておき、この予め設定した複
数のレーザ光照射強度のうちからいずれかを選択するこ
とにより行なわれることを特徴とする請求項1に記載の
試料分析方法。 - 【請求項3】上記被分析箇所に照射する上記レーザ光の
照射強度の変化は、上記レーザ光の照射強度が弱い方か
ら順次強い方に向かって行なわれることを特徴とする請
求項1に記載の試料分析方法。 - 【請求項4】上記レーザ光照射強度の選択は、上記の予
め設定した複数のレーザ光照射強度のうち、強度の弱い
方から強度の強い方に向かって順次行なわれることを特
徴とする請求項2に記載の試料分析方法。 - 【請求項5】試料表面の被分析箇所に微小径に絞ったレ
ーザ光を照射して上記被分析箇所を構成する物質を気化
させて、この気化によって生成された原子,分子,ある
いはイオンを検出して、上記被分析箇所を構成する物質
の分析を行なう試料分析方法において、上記被分析箇所
への上記レーザ光の照射は、上記試料を冷却しながら行
なわれることを特徴とする試料分析方法。 - 【請求項6】上記被分析箇所への上記レーザ光の照射
は、上記試料を冷却しながら行なわれることを特徴とす
る請求項1から4までのいずれかに記載の試料分析方
法。 - 【請求項7】試料表面の被分析箇所に微小径に絞ったレ
ーザ光を照射して上記被分析箇所を構成する物質を気化
させて、この気化によって生成される原子,分子,ある
いはイオンを検出して、上記被分析箇所を構成する物質
の分析を行なう試料分析方法において、上記被分析箇所
に照射する上記レーザ光をパルスレーザ光とし、このパ
ルスレーザ光を複数回にわたって上記被分析箇所に照射
して、これら複数回のパルスレーザ光照射の各回毎に上
記被分析箇所から生成される上記原子,分子,あるいは
イオンを各回毎に分離検出して、各回毎に、上記被分析
箇所を構成する物質の分析を行なうことを特徴とする試
料分析方法。 - 【請求項8】上記複数回のパルスレーザ光照射の各回毎
に得られる分析結果を比較して、上記被分析箇所を構成
する物質の試料表面からの深さ方向における変化を検知
する段階をさらに含んでなることを特徴とする請求項7
に記載の試料分析方法。 - 【請求項9】上記被分析箇所に照射する上記レーザ光を
パルスレーザ光とし、このパルスレーザ光を複数回にわ
たって上記被分析箇所に照射し、これら複数回のパルス
レーザ光照射の各回毎に上記被分析箇所から生成される
上記原子,分子,あるいはイオンを各回毎に分離検出し
て、各回毎に上記被分析箇所を構成する物質の分析を行
なうことを特徴とする請求項1から6までのいずれかに
記載の試料分析方法。 - 【請求項10】上記複数回のパルスレーザ光照射の各回
毎に得られる分析結果を比較して、上記被分析箇所を構
成する物質の試料表面からの深さ方向における変化を検
知する段階をさらに含んでなることを特徴とする請求項
9に記載の試料分析方法。 - 【請求項11】試料表面の被分析箇所に微小径に絞った
レーザ光を照射するレーザ光手段と、該レーザ光照射に
よって上記被分析箇所から気化生成されたイオンを検出
するイオン検出手段と、上記レーザ光の照射時点から上
記イオンの検出時点までの上記イオンの飛行時間を測定
する飛行時間測定手段とを有し、この測定された上記イ
オンの飛行時間から上記被分析箇所を構成する物質の質
量分析を行なう質量分析手段とを含んでなる試料分析装
置であって、上記のレーザ光手段は、上記被分析箇所に
照射する上記レーザ光の照射強度を分析目的に応じて変
化させるための照射レーザ光強度調節手段をさらに含ん
でなることを特徴とする試料分析装置。 - 【請求項12】上記の照射レーザ光強度変更手段は、上
記照射レーザ光の光路途中に設けられた開口径可変の絞
り開口および同じく上記照射レーザ光の光路途中に設け
られた透過率可変の透過率調整フィルタのうちのいずれ
か一方、あるいは両方を含んでなることを特徴とする請
求項11に記載の試料分析装置。 - 【請求項13】試料表面の被分析箇所に微小径に絞った
レーザ光を照射するレーザ光手段と、該レーザ光照射に
よって上記被分析箇所から気化生成されたイオンを検出
するイオン検出手段と、上記レーザ光の照射時点から上
記イオンの検出時点までの上記イオンの飛行時間を測定
する飛行時間測定手段とを有し、この測定された上記イ
オンの飛行時間から上記被分析箇所を構成する物質の質
量分析を行なう質量分析手段とを含んでなる試料分析装
置であって、上記被分析箇所を低温に冷却した状態で上
記被分析箇所に上記レーザ光を照射することを可能にす
るための試料冷却手段をさらに含んでなることを特徴と
する試料分析装置。 - 【請求項14】上記のレーザ光照射手段は、上記被分析
箇所にパルス状のレーザ光を複数回にわたって照射する
ものであり、かつ、上記の質量分析手段は上記複数回の
パルスレーザ光照射の各回毎に上記被分析箇所を構成す
る物質の質量分析を行なうものであることを特徴とする
請求項11から13までのいずれかに記載の試料分析装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31054796A JPH10153579A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 試料分析方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31054796A JPH10153579A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 試料分析方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10153579A true JPH10153579A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18006557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31054796A Pending JPH10153579A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 試料分析方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10153579A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011027753A (ja) * | 1999-02-23 | 2011-02-10 | Applied Materials Inc | 半導体上の欠陥材料を自動的に分析するシステム及び方法 |
JP2015506537A (ja) * | 2011-12-23 | 2015-03-02 | マイクロマス ユーケー リミテッド | イメージング質量分析計および質量分析法の方法 |
JPWO2021019659A1 (ja) * | 2019-07-29 | 2021-02-04 | ||
US20210183632A1 (en) * | 2019-04-11 | 2021-06-17 | Exum Instruments | Mass spectrometry of samples including coaxial desorption/ablation and image capture |
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1996
- 1996-11-21 JP JP31054796A patent/JPH10153579A/ja active Pending
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