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JPH10130198A - 塩化アシルの精製方法 - Google Patents

塩化アシルの精製方法

Info

Publication number
JPH10130198A
JPH10130198A JP28709396A JP28709396A JPH10130198A JP H10130198 A JPH10130198 A JP H10130198A JP 28709396 A JP28709396 A JP 28709396A JP 28709396 A JP28709396 A JP 28709396A JP H10130198 A JPH10130198 A JP H10130198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acyl chloride
phosgene
acid
amide compound
amine compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28709396A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitomo Kashiyama
佳朋 樫山
Ryutaro Takei
龍太郎 武居
Shigeru Handa
滋 半田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Penn Chemical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Penn Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Penn Chemical Co Ltd filed Critical Asahi Penn Chemical Co Ltd
Priority to JP28709396A priority Critical patent/JPH10130198A/ja
Publication of JPH10130198A publication Critical patent/JPH10130198A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】異物や着色などの問題のない高品質の塩化アシ
ルを得る。 【解決手段】アミド化合物、カルボン酸およびホスゲン
を反応させて得られる塩化アシルを精製する方法におい
て、塩化アシル中のアミド化合物とホスゲンの反応物を
熱分解してアミン化合物を生成させ、生成したアミン化
合物を塩化アシルから除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化アシルの精製方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化アシルは反応性に富むアシル化剤で
あり、化学工業で有用な物質である。通常は、カルボン
酸を、塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ
塩化リン、ホスゲンなどの塩素化剤を用いて塩素化する
ことにより製造される。
【0003】ホスゲン以外の塩素化剤は安価に入手でき
るので実験室的な簡便な製造には適するが、副生物とし
て、酸化イオウや酸化リンが生ずるので、製品純分の面
からも環境上の面からも工業規模での製造方法としては
適しない。
【0004】一方、塩素化剤としてのホスゲンは副生物
が除害しやすい塩化水素や無害な二酸化炭素のみであ
り、また製造コストが安いという工業的メリットが大き
い。ホスゲンを用いて塩素化する場合には、通常、ジメ
チルホルムアミドなどのアミド化合物がさらに用いられ
る。このアミド化合物はホスゲンと反応してVilsm
eier(ビルスマイヤー)型錯体と呼ばれる活性な錯
体を形成し、これが塩素化を促進するものと考えられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アミド化合物、カルボ
ン酸およびホスゲンを反応させて塩化アシルを製造する
方法は、前述のビルスマイヤー型錯体の分解物であるア
ミン化合物に由来する異物が混入したり、色相が悪化し
たりする問題点があった。この異物は通常の濾過作業に
よっては完全に除去することは困難である。
【0006】また、悪化した色相を回復するためには蒸
留による精製も可能であるが、蒸留設備が必要である。
また、塩化アシルの種類によっては蒸留時に熱分解し、
純分が低下することもあり、容易な精製方法とはいえな
い。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を
解決しようとするものであり、アミド化合物、カルボン
酸およびホスゲンを反応させて得られる塩化アシルを精
製する方法において、塩化アシル中のアミド化合物とホ
スゲンの反応物を熱分解してアミン化合物を生成させ、
生成したアミン化合物を塩化アシルから除去することを
特徴とする塩化アシルの精製方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】アミド化合物、カルボン酸および
ホスゲンの反応の温度は、通常カルボン酸の融点以上
で、カルボン酸の融点+50℃以下の範囲が採用され、
カルボン酸の融点以上で、カルボン酸の融点+20℃以
下の範囲がより好ましく採用される。
【0009】カルボン酸に対するホスゲンの使用割合
は、カルボン酸に対してホスゲンが過剰となる範囲から
選ばれる。また、カルボン酸に対するアミド化合物の使
用割合は、カルボン酸に対してアミド化合物が好ましく
は0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量
%の範囲から選ばれる。
【0010】アミド化合物、カルボン酸およびホスゲン
の反応により得られる塩化アシル中には、アミド化合物
とホスゲンの反応物であるビルスマイヤー型錯体が含ま
れる。
【0011】このビルスマイヤー型錯体は、その後徐々
に分解し対応するアミン化合物と塩化水素を生じ、この
アミン化合物と塩化水素の反応物である塩酸塩が塩化ア
シル中の異物となると考えられる。また、塩化アシル中
の微量のホスゲンと上記アミン化合物の反応物が塩化ア
シル中の着色成分となると考えられる。
【0012】本発明は、アミド化合物、カルボン酸およ
びホスゲンの反応により得られる塩化アシル中のビルス
マイヤー型錯体を熱分解してアミン化合物を生成させ、
生成したアミン化合物をあらかじめ除去しようとするも
のである。これにより上記異物や着色成分の生成を回避
できる。
【0013】本発明におけるアミド化合物は、ホスゲン
と反応することによりビルスマイヤー型錯体を形成しう
るものから選ばれる。ビルスマイヤー型錯体は塩素化反
応条件下ではカルボン酸と反応し目的物である塩化アシ
ルを与える。
【0014】使用するアミド化合物としては、ビルスマ
イヤー型錯体が熱分解して生成するアミン化合物の沸点
が塩化アシルの沸点より低くなるものが好ましい。この
ような観点からアミド化合物としては、ジメチルホルム
アミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ホルムアミド、N−メチルアセトアミドなどが好まし
い。
【0015】塩化アシルの原料として用いられるカルボ
ン酸としては、アミド化合物およびホスゲンの作用によ
り対応する塩化アシルを生成するものであれば特に限定
されず、1官能カルボン酸および2官能以上の多官能カ
ルボン酸から選ばれる各種のカルボン酸が使用できる。
【0016】例えば、カプロン酸、カプリル酸、2−エ
チルヘキサン酸、ピバリン酸、2,2−ジメチルオクタ
ン酸、ノナン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪族カル
ボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、エルカ酸などの不飽和脂肪族カル
ボン酸、安息香酸、トルイル酸、ナフチル酸などの芳香
族カルボン酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸な
どの芳香族基を有する脂肪族カルボン酸、マレイン酸、
コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸などの2官能カルボン酸などがある。これらの
カルボン酸は1種または2種以上の混合物として用いら
れる。
【0017】ビルスマイヤー型錯体の熱分解は、通常ビ
ルスマイヤー型錯体の分解温度以上でかつ塩化アシルの
分解温度未満の温度範囲で行う。あまりに温度が低すぎ
る場合には熱分解が不充分であったり、熱分解に長時間
要したりするので好ましくない。あまりに温度が高すぎ
る場合には目的物である塩化アシルが系外に飛散したり
するので好ましくない。
【0018】ビルスマイヤー型錯体の熱分解温度は使用
するアミド化合物にもよるが、通常は50〜150℃、
好ましくは70〜140℃、さらに好ましくは80〜1
00℃である。
【0019】熱分解する時間は、塩化アシルの量、アミ
ド化合物の量などに応じて適宜選定すればよい。あまり
に短時間の場合にはビルスマイヤー型錯体の分解が不充
分のため本発明の効果が得られず、あまりに長時間の場
合には経済的に不利であるうえ、目的物塩化アシルの分
解のおそれもあるので、30分〜10時間程度が好まし
い。
【0020】アミド化合物、カルボン酸およびホスゲン
を反応させて得られる塩化アシルを含む反応生成物から
速やかにビルスマイヤー型錯体の熱分解物であるアミン
化合物を除去するためには、アミン化合物と塩化アシル
の沸点差を利用する方法が好ましい。
【0021】例えば、反応系内をアミン化合物の沸点以
上で、塩化アシルの沸点以下に保持し、かつ窒素などの
不活性ガスを反応系内へ吹き込むことによりアミン化合
物を反応系外へ抜き出す方法が挙げられる。この方法に
おいて、不活性ガスを反応系内へ吹き込む代わりに、ま
たは吹き込むとともに反応系内を減圧としてもよい。ま
た、塩化アシル中のアミン化合物を通常の蒸留操作によ
り分離してもよい。
【0022】
【実施例】
「例1(実施例)」1リットルのフラスコに568g
(2モル)のステアリン酸と5gのジメチルホルムアミ
ドを仕込み、80℃にてホスゲン218g(2.2モ
ル)を2時間かけて吹き込み塩素化反応生成物を得た。
この反応生成物へ窒素を吹き込みながら90℃まで昇温
し8時間維持することにより、目的物塩化ステアロイル
より低沸な成分を除去し、目的生成物を得た。
【0023】目的生成物はガスクロ分析により99.0
%以上の純度の塩化ステアロイルであることが確認され
た。また、外観は淡黄色透明で異物は認められず、ガー
ドナー色度は7であった。この目的生成物をガラス瓶に
いれ常温にて保存したが、ガスクロ純度、外観ともに6
ヶ月経過後でも全く変化はみられなかった。
【0024】「例2(比較例)」窒素を吹き込みながら
90℃まで昇温する代わりに、窒素を吹き込みながら2
時間かけて常温まで温度を下げる以外例1と同様に行っ
た。その結果、得られた目的生成物はガスクロ分析によ
り99.0%以上の純度の塩化ステアロイルであること
が確認された。また、外観は淡黄色透明で異物は認めら
れず、ガードナー色度は5であった。
【0025】この目的生成物をガラス瓶にいれ常温にて
保存したところ、1週間後には白色の沈殿異物の析出が
認められた。この白色異物をマススペクトル分析により
同定したところ、ジメチルアミンの塩酸塩であることが
判明した。
【0026】「例3(実施例)」ステアリン酸の代わり
に2−エチルヘキサン酸(316g、2モル)を用いる
以外例1と同様に反応を行い、塩化2−エチルヘキサノ
イルを含む反応生成物を得た。この反応生成物へ窒素を
吹き込みながら95℃まで昇温し4時間維持した後、減
圧下に蒸留し20mmHgで90〜95℃の留分342
gを得た(収率97%)。
【0027】この留分はガスクロ分析により99.7%
以上の純度の塩化2−エチルヘキサノイルであることが
確認された。また、外観は無色透明で異物は認められ
ず、APHA色度は5であった。ガラス瓶での常温保存
6ヶ月でも外観の変化は認められなかった。
【0028】「例4(比較例)」窒素を吹き込みながら
95℃まで昇温する代わりに、窒素を吹き込みながら2
時間かけて常温まで温度を下げる以外例3と同様に行っ
た。その結果、得られた目的生成物はガスクロ分析によ
り99.6%以上の純度の塩化2−エチルヘキサノイル
であることが確認された。また、外観は無色透明で異物
は認められず、APHA色度は5であった。
【0029】この目的生成物をガラス瓶にいれ常温にて
保存したところ、10日後には白色異物の析出が認めら
れた。この白色異物をマススペクトル分析により同定し
たところ、ジメチルアミン塩酸塩であることが判明し
た。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、異物や着色など
の問題のない高品質の塩化アシルが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミド化合物、カルボン酸およびホスゲン
    を反応させて得られる塩化アシルを精製する方法におい
    て、塩化アシル中のアミド化合物とホスゲンの反応物を
    熱分解してアミン化合物を生成させ、生成したアミン化
    合物を塩化アシルから除去することを特徴とする塩化ア
    シルの精製方法。
  2. 【請求項2】熱分解をアミド化合物とホスゲンの反応物
    の分解温度以上でかつ塩化アシルの分解温度未満の温度
    範囲で行う請求項1の精製方法。
JP28709396A 1996-10-29 1996-10-29 塩化アシルの精製方法 Pending JPH10130198A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002193884A (ja) * 2000-12-21 2002-07-10 Daicel Chem Ind Ltd (メタ)アクリル酸エステルの製造法
WO2008105464A1 (ja) * 2007-03-01 2008-09-04 Mitsui Chemicals, Inc. カルボン酸クロライドの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002193884A (ja) * 2000-12-21 2002-07-10 Daicel Chem Ind Ltd (メタ)アクリル酸エステルの製造法
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