[go: up one dir, main page]

JPH10130140A - グミ製剤の製造方法 - Google Patents

グミ製剤の製造方法

Info

Publication number
JPH10130140A
JPH10130140A JP29216296A JP29216296A JPH10130140A JP H10130140 A JPH10130140 A JP H10130140A JP 29216296 A JP29216296 A JP 29216296A JP 29216296 A JP29216296 A JP 29216296A JP H10130140 A JPH10130140 A JP H10130140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gummy
medicine
ethanol
preparation
dough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29216296A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kanegae
穣 鐘ケ江
Fumiko Nagata
文子 永田
Hitoshi Yamada
山田  均
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP29216296A priority Critical patent/JPH10130140A/ja
Publication of JPH10130140A publication Critical patent/JPH10130140A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 グミ生地との比重差の大きな医薬を均一な濃
度で含有する、グミ製剤を得ること。 【構成】 医薬をエタノールに溶解してグミ生地に加
え、混合した後、グミ製剤生地を冷却固化させる。医薬
を溶解したエタノールをグミ生地中に添加すると、エタ
ノールはグミ生地の熱により飛散する。従って速やかに
攪拌を行えば残された医薬はそれが水不溶性あるいは難
溶性の場合、微細な粒子としてグミ生地中に分散し、も
はや比重差によって浮上または沈降することもない。従
って本発明の方法によれば医薬がエタノール可溶性であ
りさえすれば、医薬が微細な状態で分散された均一な組
成のグミ製剤を得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は経口用製剤もしくは
口腔外用製剤の特殊な剤型であるグミ製剤の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】内服薬は、通常、水を用いて服薬するこ
とが原則とされている。しかし、小児や老人の場合、水
を用いて散剤、錠剤などを服薬すると、水だけ飲んで薬
は口の中に残ってしまい、医師の指示通り服薬できない
ケースも少なくない。また小児の急な発熱、外出時の急
な痛みなどで、薬を服用したいが水が無い場合や、他の
疾病により水分摂取を制限されている場合には、水なし
で服薬できる内服薬は臨床上有用であると考えられる。
さらに、医薬にはしばしば苦みや不快臭などが伴う。こ
れらもその服用の障害となることがあり、コンプライア
ンス(服薬の確実性)の低下を招くおそれがある。
【0003】また口中の患部に適用される口腔外用薬と
しては、一般に軟膏剤が用いられている。しかしながら
軟膏剤は基剤に不快な味が有ることが多く、また容易に
唾液に溶解し、除去されるため、患部への浸透性・効力
が不十分な場合も考えられる。従って、口中の患部に適
用したときに十分な効力を発揮し、かつ風味的にも良好
な製剤の希求が存在していたといえる。
【0004】本発明者らは、水なしでかつ苦みや不快臭
などがある医薬であっても容易に服用できる医薬組成
物、とりわけ経口用製剤および口腔外用製剤について検
討を行った。その結果、小児から大人にわたる幅広い年
齢層に好まれている菓子であるグミ組成物と、医薬とを
組み合わせたいわゆる「グミ製剤」が極めて有効である
との知見を得、グミ製剤及びその製造方法について特許
出願を行った(特願平8−147575)。この製造方
法は、使用する医薬が水溶性で、かつゼラチンのゲル
化を阻害しないか、したとしてもその影響が軽微な場
合、使用する医薬が非水溶性で、かつゼラチンのゲル
化を阻害しないか、したとしてもその影響が軽微な場
合、医薬が水溶性であるか非水溶性であるかに関わら
ずゼラチンのゲル化に対して何らかの阻害作用を及ぼす
ような医薬を使用する場合、について利用可能である。
の場合、医薬を水溶液として製造工程中において添加
すればよく、の場合、固体分散法と呼ぶ方法で医薬
を添加すればよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】固体分散法とは、通常
のグミ組成物の製法に従って、医薬以外のすべての原料
を混合した後に、その生地をゲル化開始温度まで冷却し
て一定時間保持し、ゼラチンが水素結合を形成して増粘
してきた段階で医薬を固体の状態で投入、混合し、十分
に分散させる製法である。この方法であれば、医薬の混
入前にゼラチンの水素結合が形成されるため、そのまま
冷却することで良好に固化したグミ組成物を得ることが
出来る。また、医薬の投入前にグミ生地の温度を下げる
ことにより医薬の溶解を抑える効果も有る。しかしなが
ら固体分散法では医薬とグミ生地の比重差が大きい場
合、比重差によりグミ生地中で医薬が浮上あるいは沈降
し、均一な組成物を得ることが出来ないことが判明し
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決することのできる製法、すなわちグミ生地との
比重差の大きな医薬を均一な濃度で含有する、固体分散
法に代わるグミ製剤の製造方法を開発すべく鋭意検討し
た。その結果、エタノール可溶性の医薬に関してこれを
可能とする本発明の方法、すなわちエタノール溶解法を
完成するに至った。
【0007】本発明において用いられるグミ組成物と
は、糖質および水から主としてなる組成物をゼラチンを
主体としてなるゲル化剤、好ましくはゼラチンのみから
なるゲル化剤、によってゲル化させたゲル状組成物をい
い、一般にはグミ、グミキャンデー等の名で呼ばれる菓
子として広く知られているものである。より具体的に
は、ゲル化剤の主成分がゼラチンであって、水分含量が
10〜25重量%程度、好ましくは20重量%前後、で
あり、Aw(水分活性、20℃)が0.7程度以下で、
微生物の繁殖の恐れのない日持ちする菓子組成物であ
る。ここでAwとは、食品中に含まれる自由水、すなわ
ち微生物が利用可能な水分量を表す指標である。これが
0.7程度以下であればグミ組成物への微生物の繁殖の
恐れの無い事が経験的に知られている。
【0008】ゲル化剤はゼラチン以外にスターチ、ペク
チン、カラギーナン、寒天等の他のゲル化剤を含んでい
てもよく、好ましくはゼラチンのみからなる。
【0009】また、ゲル組成物の主原料である糖質の例
としては、砂糖、水飴、ブドウ糖、果糖、乳糖、パラチ
ノース、糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチ
トール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトー
ル、還元パラチノース、還元澱粉糖化物)、オリゴ糖
(例えば、フラクトオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、ガラク
トオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、ラ
クトスクロース、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、パラ
チノースオリゴ糖)、ポリデキストロース等が挙げられ
る。とりわけ、糖アルコールなどの非発酵性または難う
蝕性の糖質の利用は、虫歯になりにくいグミ組成物を製
造出来るので好ましいといえる。
【0010】本発明の好ましい態様によれば、その基本
的組成は、主原料としての糖質を65〜87重量%、ゼ
ラチンを主体としてなるゲル化剤好ましくはゼラチンの
みからなるゲル化剤を3〜10重量%、水分を10〜2
5重量%、さらに必要に応じて酸味料、香料、着色料そ
の他の副原料を含んでなる。
【0011】本発明によるグミ製剤に含有される医薬
は、一般に用いられる経口用医薬もしくは口腔外用医薬
であって、エタノール可溶性の医薬であれば特に限定は
されない。本発明において用いられる医薬の具体例とし
ては、抗てんかん剤(例えば、バルプロ酸ナトリウム、
フェノバルビタール)、解熱鎮痛剤(例えば、アセトア
ミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アスピ
リン、イソプロピルアンチピリン、ジクロフェナックナ
トリウム、エモルファゾン、サリチルアミド、サザピリ
ン)、精神神経用薬(例えば、ペルフェナジン、塩酸ク
ロルプロマジン、塩酸ヒドロキシジン、塩酸イソプラミ
ン、クロチアゼパム)、鎮けい剤(例えば、フロプロピ
オン、臭化チメピジウム)、強心剤(例えば、塩酸エチ
レフリン)、不整脈用薬(例えば、ジソピラミド、塩酸
メキシレチン、塩酸アプリンジン)、血圧降下剤(例え
ば、カプトプリル)、高脂血症用薬(例えばシンバスタ
チン、プロブコール)、鎮咳去たん剤(例えば、クエン
酸ペントキシベリン、臭化水素酸デキストロメトルファ
ン、グアイフェネシン)、痛風治療薬(例えば、コルヒ
チン)、糖尿病薬(例えば、塩酸ブホルミン)、抗ヒス
タミン剤(例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、d-マレイ
ン酸クロルフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミ
ン、塩酸トリプロジン、ジメンヒドリナート、塩酸プロ
メタジン)、アレルギー薬(例えば、メトキシフェナミ
ン)、歯科口腔用剤(例えば、塩化セチルピリジニウ
ム)、胃腸機能調整剤(例えば、塩酸ベダネコール)、
緩下剤(例えば、ジオクチルソジウムスルホサクシネー
ト、ビタミン剤(例えば、エルゴカルシフェロール、ア
ルファカルシドール、フルスルチアミン、酢酸トコフェ
ロール)などが挙げられる。
【0012】本発明によるグミ製剤は、必要に応じて着
色剤、香料、酸味料などを含むことができる。とりわ
け、香料については、苦みや不快臭のある医薬である場
合、それらをマスキングし、服用を容易にする。また、
着色剤については、医薬の種類によって着色剤の色を変
えることで、複数のグミ製剤を同時に携帯しても、服用
時の誤飲を防止することができるので有利である。着色
剤の具体例としては、赤キャベツ(赤色)、ベニ花黄
(黄色)、クチナシ青(青色)などが挙げられる。さら
に香料の具体例としては、オレンジフレーバー、グレー
プフレーバー、マスカットフレーバーなどが挙げられ
る。また、酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、リン
酸などが挙げられる。なお、これらグミ組成物の成分に
関し、含有される医薬に悪影響を及ぼさないものを選択
し利用するのが望ましい。
【0013】さらに、本発明の好ましい態様によれば、
グミ製剤はその表面にコーティングが施される。コーテ
ィングによって、グミ組成物中の医薬の光による分解や
変性を防止できるので有利である。コーティングの好ま
しい例としては、糖衣、チョコレート掛けなどが挙げら
れる。このコーティングの色を含有している医薬によっ
て換えることで、服用時の誤飲を防止できるので有利で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の方法、すなわちエ
タノール溶解法を通常のグミの製法及び固体分散法と比
較しながら詳細に述べる。
【0015】(1)通常のグミの製法 従来実施されてきたグミの製造は、砂糖及び水飴を仕込
水と共に煮詰め、予め準備しておいたゼラチン液を添加
して混合し、必要に応じて酸味料並びに若干量の色素や
香料等の副原料を添加してグミ生地を調製し、このグミ
生地をスターチモールドにデポジットし、次いで24時
間程度エージングしてグミ生地から遊離する水分をスタ
ーチモールドに移行させつつグミ生地を固化させ、その
後にデモールド、デスターチを行いさらにオイルコーテ
ィングすることにより行われてきた(R.Lees等、“Sugar
Cofectionary and Chocolate Manufacture"、第226頁、1
973年、Leonard Hill Scotland発行)。また、スターチモ
ールドにデポジットする代わりに塩化ビニル等のプラス
チックトレーの内面にあらかじめ常温で液状の食用油脂
を塗布し、これにグミ生地をデポジットすることも行わ
れている。
【0016】スターチモールド、プラスチックトレー、
デポジット、エージング、デモールド、デスターチ、オ
イルコーティングの意味を示すと次のようになる。 スターチモールド:トレー内にスターチを充填し、その
表面を平らに圧密した後、このスターチ層に凸型を押し
つけることにより形成された凹窩を指称する。 プラスチックトレー:塩化ビニル等のプラスチックを成
型処理して作成した容器を指称する。 デポジット:グミ生地をスターチモールドもしくは食用
油脂を塗布したプラスチックトレーに注入ないし注下す
る操作処理を指称する。 エージング:スターチモールドを用いる場合、デポジッ
トされたグミ生地をスターチモールド内に収容されたま
まの状態で放置し、菓子生地から遊離する水分をスター
チ層に移行させ、これによりBxが所定の値に達すると
共に固化し、脱型可能となるまでの保管処理を指称す
る。プラスチックトレーを用いる場合、デポジットされ
たグミ生地をプラスチックトレー内に収容されたままの
状態で放置し、菓子生地が固化し、脱型可能となるまで
の保管処理を指称する。 デモールド:型から製品を取り出すこと。スターチモー
ルドを用いる場合、通常トレーごと反転させることによ
って行う。プラスチックトレーを用いる場合、手、もし
くは器具を用いてプラスチックトレーから製品を取り出
すことを指称する。 デスターチ:スターチモールドを用いる場合に、デモー
ルドしたグミの表面に残っているスターチを取り除くこ
と。通常は回転する円筒形のふるいの中を通過させ、さ
らに圧縮空気を表面に吹き付けることでスターチを飛
散、除去する。 オイルコーティング:スターチモールドからデモールド
し、デスターチしたグミもしくはプラスチックトレーか
らデモールドしたグミの表面を食用油脂で被覆するこ
と。これによってデスターチした製品同士が相互に結着
することを防止する。通常は回転するドラム内にデスタ
ーチしたグミを入れ、ここに常温で液状の食用油脂を滴
下しながらドラムを回転させることによってグミの表面
に薄く均一な油脂の皮膜を形成せしめる。
【0017】グミの嗜好性を向上させるために、果汁、
果肉等の副原料を添加する場合の問題点については特開
平3−83550号公報で解決されている。又、ゼリー
菓子の製造工程及び保存時におけるフレーバーの変質防
止、テクスチャーの悪影響防止については、特開平5−
56号公報で解決されている。これらの技術も本発明の
実施の上で適宜使用することができる。
【0018】(2)固体分散法 ゼラチンのゲル化に対して何らかの阻害作用を及ぼすよ
うな医薬を使用する場合、通常の方法では良好なゲルを
形成したグミ組成物を得ることは出来ない。これを克服
すべく鋭意検討の結果、本出願人は先に個体分散法と呼
ぶ製造法を開発し、特許出願した(特願平8−1475
75)。これは、通常のグミの製法に従って、医薬以外
のすべての原料を混合した後に、その生地をゲル化開始
温度まで冷却して一定時間保持し、ゼラチンが水素結合
を形成して増粘してきた段階で医薬を固体の状態で投
入、混合し、十分に分散させる製法である。この方法で
あれば、医薬の混入前にゼラチンの水素結合が形成され
るため、そのまま冷却することで良好に固化したグミ組
成物を得ることが出来る。また、医薬の投入前にグミ生
地の温度を下げることにより医薬の溶解を抑える効果も
有る。この際、医薬は固体すなわち粉末の状態そのまま
で用いてもよいが、これを糖、ゼラチン等で被覆してマ
イクロカプセル化してもよく、また、医薬を一旦水溶液
とした後デキストリン等をバインダーとして造粒しても
よい。あるいは医薬を一旦水溶液とした後水不溶性のマ
トリックスに含浸させた後乾燥し、これをグミ生地中に
分散させてもよい。これらの操作により医薬のグミ生地
への溶解をさらに抑える効果が得られる。また、医薬が
精油等非水溶性の場合、これに上記のような処理を行う
ことでグミ生地中で分離・浮上する事を防ぎ、均一に分
散させることが出来る。これはグミ製剤の力価を一定に
保つ上で重要である。
【0019】しかしながら上記した方法では固相として
分散する医薬とグミ生地の比重が大きく異なる場合、グ
ミ製剤中において医薬が浮上もしくは沈降してグミ製剤
中での医薬の濃度分布が均一にならないことが判明し
た。生地を型に流し込む前にこのような比重差による医
薬濃度の分布が発生すると、個々のグミ製剤の医薬含量
にばらつきが生じる恐れがある。また、型への流し込み
後に発生した場合でもグミ製剤中に局部的に医薬が集中
する箇所が発生して嗜好性が失われ、コンプライアンス
の向上という所期の目的を達し得ない恐れがある。
【0020】(3)本発明の方法(エタノール溶解法) 本発明の方法においては、医薬をエタノールに溶解して
通常のグミの製法の中の果汁等の副原料の添加のところ
で加える。この際エタノールは生地の熱により飛散する
ため、すばやく攪拌しながら添加しないと医薬が水不溶
性あるいは難溶性の場合グミ生地表面に析出してしま
う。グミ製剤中のエタノール残留量は、添加する時のグ
ミ生地の温度や添加後の攪拌の強度、雰囲気の気圧の調
整等によりコントロールすることが出来る。グミ製剤を
子供やアルコールに弱い患者に与える場合グミ製剤中の
エタノール残留量は出来る限り少ない方が望ましいが、
この場合、医薬エタノール溶液添加時のグミ生地温を高
くし(100〜120℃)強く攪拌すればよい。攪拌時
に減圧下に置くとより効果的である。
【0021】本発明の方法において、医薬を溶かし込ん
でいるエタノールは、グミ生地中に添加すると熱により
飛散する。従って速やかに攪拌を行えば残された医薬は
それが水不溶性あるいは難溶性の場合、微細な粒子とし
てグミ生地中に分散することになる。また、医薬が水溶
性の場合でも医薬を添加するグミ生地はすでに過飽和の
糖の溶液となっており、添加する医薬も水を含まないた
めグミ生地中に溶け込むことは殆どない。さらにこのよ
うに微細な状態で分散された医薬はもはや比重差によっ
て浮上または沈降することもない。従って本発明の方法
によれば医薬がエタノール可溶性でありさえすれば、医
薬が微細な状態で分散された均一な組成のグミ製剤を得
ることが出来る。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0023】実施例1 エタノール溶解法によるグミ製
剤の製造 (1)グミ製剤生地の調製 表1に示す配合に従い、砂糖を水あめに混合し、砂糖の
1/3量の水を加えて125℃まで煮詰めた。一方、ゼ
ラチンをその1.5倍量の水で膨潤後、約60℃で加温
溶解させておき、これを素早く前述の煮詰めた糖に混合
した。これに、別途調製した果汁、クエン酸、色素、香
料の混合溶液と共に添加して攪拌し、水分約19%のグ
ミ生地を調製した。一方別容器中で5gのアセトアミノ
フェンに12.5gの95%エタノールを加え、60℃
の湯煎にかけて溶解する。これを上記グミ生地975g
に添加してすばやく攪拌、トータル1000gとなるよ
う加水してよく混合し、グミ製剤生地を調製した。
【0024】
【0025】(2)デポジット 約5gのグミ生地を注入できるように成型したプラスチ
ックトレーに予め油を引いて置き、これに上記グミ製剤
生地を5gずつデポジットし、直ちに油を引いたビニー
ルシートをかぶせて10℃で冷却する。 (3)デモールド 室温で約24時間エージングして固化させた後、グミ製
剤をプラスチックトレーから取り出した。得られたグミ
製剤一個当たりのアセトアミノフェン含有量は25mg
(理論値)となる。また、本グミ製剤のAwは20℃で
0.68であり、常温で流通、保存しても問題のない値
であった。
【0026】比較例1 固体分散法によるグミ製剤の製
(1)グミ製剤生地の調製 表2に示す配合に従い、砂糖を水あめに混合し、砂糖の
1/3量の水を加えて130℃まで煮詰めた。一方、ゼ
ラチンをその1.5倍量の水で膨潤後、約60℃で加温
溶解させておき、これを素早く前述の煮詰めた糖に混合
した。これに、別途調製した果汁、クエン酸、色素、香
料の混合溶液を添加して攪拌、混合した後加水して水分
21重量%のグミ生地を調製した。そしてこのグミ生地
の温度が低下し(約40℃)固化する直前に、あらかじ
め微粉末化したアセトアミノフェンを表3に示す割合で
素早く加え、医薬を固体の状態で均一に分散させグミ製
剤生地を調製した。
【0027】
【0028】
【0029】(2)デポジット 約5gのグミ生地を注入できるように成型したプラスチ
ックトレーに予め油を引いて置き、これに上記グミ製剤
生地を5gずつデポジットし、直ちに油を引いたビニー
ルシートをかぶせて10℃で冷却する。
【0030】(3)デモールド 室温で約24時間エージングして固化させた後、グミ製
剤をプラスチックトレーから取り出した。得られたグミ
製剤一個当たりのアセトアミノフェン含有量は25mg
(理論値)となる。また、本グミ製剤のAwは20℃で
0.68であり、常温で流通、保存しても問題のない値
であった。
【0031】試験例1 アセトアミノフェン含量の分析 実施例1のエタノール溶解法で製造したグミ製剤のアセ
トアミノフェン含量分析結果を表4に示す。また、比較
例1の固体分散法で製造したグミ製剤のアセトアミノフ
ェン含量分析結果を表5に示す。固体分散法で製造され
たグミ製剤と比較して、本発明のエタノール溶解法で製
造したグミ製剤は非常に均一に医薬が分散していること
が確認された。また、エタノール溶解法で製造したグミ
製剤中のエタノール残量をガスクロマトグラフィーにて
測定した結果は0.35%であった。
【0032】 (表中、医薬はアセトアミノフェンを表す)
【0033】 (表中、医薬はアセトアミノフェンを表す)
【0034】実施例2〜4 エタノール溶解法によるグ
ミ製剤の製造 (1)グミ製剤生地の調製 表6に示す配合に従い、砂糖を水あめに混合し、砂糖の
1/3量の水を加えて125℃まで煮詰め、加水してB
x81とする。一方、ゼラチンをその1.5倍量の水で
膨潤後、約60℃で加温溶解させておき、これを素早く
前述の煮詰めた糖に混合した。これに、別途調製した果
汁、クエン酸、色素、香料の混合溶液と共に添加して攪
拌し、グミ生地を調製した。
【0035】
【0036】一方、別容器中で医薬に表7の配合でエタ
ノールを加え、60℃の湯煎にかけて溶解する。これを
上記グミ生地195gに添加してすばやく撹拌、トータ
ル200gになるよう加水してよく混合し、グミ製剤生
地を調製した。
【0037】
【0038】(2)デポジット 約5gのグミ生地を注入できるように成型したプラスチ
ックトレーに予め油を引いて置き、これに上記グミ製剤
生地を5gずつデポジットし、直ちに油を引いたビニー
ルシートをかぶせて10℃で冷却する。 (3)デモールド 室温で約24時間エージングして固化させた後、グミ製
剤をプラスチックトレーから取り出した。得られたグミ
製剤一個当たりの医薬含有量(理論値)は、実施例2が
10mg、実施例3が2mg、実施例4が50mgとな
る。また、本グミ製剤のAwは20℃で0.68であ
り、常温で流通、保存しても問題のない値であった。
【0039】試験例2 塩酸ジフェンヒドラミン含量の
分析 実施例2で製造したグミ製剤の塩酸ジフェンヒドラミン
含量分析結果を表8に示す。本発明の方法で製造したグ
ミ製剤は非常に均一に医薬が分散していることが確認さ
れた。また、本組製剤のエタノール残量をガスクロマト
グラフィーにて測定した結果は0.81%であった。
【0040】 (表中、医薬は塩酸ジフェンヒドラミンを表す)
【0041】試験例3 マレイン酸クロルフェニラミン
含量の分析 実施例3で製造したグミ製剤のマレイン酸クロルフェニ
ラミン含量分析結果を表9に示す。本発明の方法で製造
したグミ製剤は非常に均一に医薬が分散していることが
確認された。また、本組製剤のエタノール残量をガスク
ロマトグラフィーにて測定した結果は0.50%であっ
た。
【0042】 (表中、医薬はマレイン酸クロルフェニラミンを表す)
【0043】試験例4 酢酸トコフェロール含量の分析 実施例4で製造したグミ製剤の酢酸トコフェロール含量
分析結果を表10に示す。本発明の方法で製造したグミ
製剤は非常に均一に医薬が分散していることが確認され
た。また、本組製剤のエタノール残量をガスクロマトグ
ラフィーにて測定した結果は0.55%であった。
【0044】 (表中、医薬は酢酸トコフェロールを表す)
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、医薬がエタノー
ル可溶性でありさえすれば、医薬が微細な状態で分散さ
れた均一な組成のグミ製剤を得ることが出来る。又エタ
ノール残留量を低く押さえることも可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医薬をエタノールに溶解してグミ生地に
    加え、混合した後、グミ製剤生地を冷却固化させること
    を特徴とする、医薬の濃度が均一なグミ製剤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 医薬がエタノール可溶性の医薬である、
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 グミ生地が、糖質を水と混合過熱し、こ
    れにゼラチンを主体としてなるゲル化剤を加え、場合に
    よって香料、着色料、または酸味料を加えて得られるも
    のである、請求項1、2記載の方法。
JP29216296A 1996-11-01 1996-11-01 グミ製剤の製造方法 Pending JPH10130140A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29216296A JPH10130140A (ja) 1996-11-01 1996-11-01 グミ製剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29216296A JPH10130140A (ja) 1996-11-01 1996-11-01 グミ製剤の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10130140A true JPH10130140A (ja) 1998-05-19

Family

ID=17778356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29216296A Pending JPH10130140A (ja) 1996-11-01 1996-11-01 グミ製剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10130140A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004210780A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Altergon Sa 甲状腺ホルモン用医薬形態およびそれを得るための方法
WO2011014960A1 (en) * 2009-08-05 2011-02-10 7267207 Canada Limited Corporation Process for preparation of over-the-counter gelatin or pectin-based drug delivery
JP2013247913A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Uha Mikakuto Co Ltd 水分活性減少剤及びそれを含む食品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004210780A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Altergon Sa 甲状腺ホルモン用医薬形態およびそれを得るための方法
WO2011014960A1 (en) * 2009-08-05 2011-02-10 7267207 Canada Limited Corporation Process for preparation of over-the-counter gelatin or pectin-based drug delivery
JP2013247913A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Uha Mikakuto Co Ltd 水分活性減少剤及びそれを含む食品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6602518B2 (en) Chewable product including active ingredient
ES2197579T3 (es) Composicion farmaceutica masticable con matriz de gelatina.
KR101474871B1 (ko) 아카시아 껌 접착제를 갖는 2층 구강 접착 정제
JPH10503519A (ja) 改良された生体粘着性の薬剤デリバリーシステム
JP2005509605A (ja) 可食性組成物と可食性外皮を含む剤形
HU219349B (en) Intrabuccally disintegrating preparation and production thereof
JP2011225588A (ja) 口腔内崩壊型組成物及び口腔内崩壊型製剤
US8414917B2 (en) Chewable capsule and production method thereof
JPS60139617A (ja) 可咀しやく性の被覆一体形軟弾性ゼラチンカプセルおよびその製造法
JP3593547B2 (ja) 無糖の糖衣チューイングボンボン
EP1343481A2 (en) Process for the preparation of a fast dissolving dosage form
JPH07502763A (ja) 医薬活性物質の糖菓様送達システム
US5633005A (en) Dimeticon pastilles
EP0227050A1 (de) Verfahren zur Herstellung von einzeln dosierten Darreichungsformen sowie die danach erhältlichen Darreichungsformen
JPH0952850A (ja) グミ製剤
JPH10130140A (ja) グミ製剤の製造方法
CN110200118A (zh) 基于3d打印模具制备的含药糖果
WO1989005630A1 (en) Oral dosage units for pharmaceuticals and their use and preparation
JPH05238954A (ja) 咀嚼服用に適した担体
JP4379179B2 (ja) 冷感を有する速溶性打錠菓子およびその製造方法
JP3290429B2 (ja) 服用性を改良した咀嚼型ソフトカプセル剤およびその製法
CN214181158U (zh) 软胶囊
JP2002272381A (ja) ソフトキャンディ様チューインガム及びその製法
JP2023532121A (ja) ロゼンジ
JPH10316556A (ja) 安定な口腔内崩壊型揮散性薬物含有固形剤およびその製造法