JPH10120555A - 薬剤含有粘着シート及び薬剤含有粘着シートの製造方法 - Google Patents
薬剤含有粘着シート及び薬剤含有粘着シートの製造方法Info
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- JPH10120555A JPH10120555A JP29747896A JP29747896A JPH10120555A JP H10120555 A JPH10120555 A JP H10120555A JP 29747896 A JP29747896 A JP 29747896A JP 29747896 A JP29747896 A JP 29747896A JP H10120555 A JPH10120555 A JP H10120555A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 清涼剤などの揮散性薬剤を含有させ、当該薬
剤を揮散させて適用するに望ましい、特に、持続性に優
れた薬剤含有粘着シートを提供するとともに、薬剤のロ
スが少なく、特に当該薬剤含有粘着シートに適した製造
方法を提供する。 【解決手段】 軟質塩化ビニルフィルムからなる支持体
11上に、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤からなる粘
着剤層12aが塗布形成された粘着シート材10に、多
数の孔13を穿孔する(図2(a))。この粘着シート
材10の支持体11表面に、キスコータ17を用いてl
−メントールの溶液16を塗布し(図2(b))、粘着
シート材10を乾燥器18で乾燥して溶媒を揮散させる
(図2(c))。この後、40℃〜70℃で熟成し(図
2(e))、薬剤含有粘着シート1を作成する
((f))。
剤を揮散させて適用するに望ましい、特に、持続性に優
れた薬剤含有粘着シートを提供するとともに、薬剤のロ
スが少なく、特に当該薬剤含有粘着シートに適した製造
方法を提供する。 【解決手段】 軟質塩化ビニルフィルムからなる支持体
11上に、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤からなる粘
着剤層12aが塗布形成された粘着シート材10に、多
数の孔13を穿孔する(図2(a))。この粘着シート
材10の支持体11表面に、キスコータ17を用いてl
−メントールの溶液16を塗布し(図2(b))、粘着
シート材10を乾燥器18で乾燥して溶媒を揮散させる
(図2(c))。この後、40℃〜70℃で熟成し(図
2(e))、薬剤含有粘着シート1を作成する
((f))。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤含有粘着シー
ト及び薬剤含有粘着シートの製造方法に関する。具体的
には、特に清涼剤などの揮散性薬剤を揮散させて適用す
るに望ましい薬剤含有粘着シート及び当該薬剤含有粘着
シートの製造方法に関する。
ト及び薬剤含有粘着シートの製造方法に関する。具体的
には、特に清涼剤などの揮散性薬剤を揮散させて適用す
るに望ましい薬剤含有粘着シート及び当該薬剤含有粘着
シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、眠気防止用剤として、l−メント
ールなどの清涼剤を基剤中に含有させ、当該基剤をステ
ィック状に充填した外用剤が、数多く開発されている。
この外用剤は、瞼に塗布することにより、基剤中に含有
された清涼剤が揮散され、人に刺激感を与え、眠気を防
止することができる。
ールなどの清涼剤を基剤中に含有させ、当該基剤をステ
ィック状に充填した外用剤が、数多く開発されている。
この外用剤は、瞼に塗布することにより、基剤中に含有
された清涼剤が揮散され、人に刺激感を与え、眠気を防
止することができる。
【0003】しかし、このような眠気防止剤にあって
は、塗布された清涼剤が短時間のうちに、揮散されてし
まい、持続性がなかった。また、塗布された外用基剤
が、皮膚にベタツキ感を残し、不快感を与えていた。
は、塗布された清涼剤が短時間のうちに、揮散されてし
まい、持続性がなかった。また、塗布された外用基剤
が、皮膚にベタツキ感を残し、不快感を与えていた。
【0004】一方、持続性があり、使用時の不快感を少
なくする方法として、清涼剤を含有する粘着シートを瞼
に貼付することが考えられるが、このような粘着シート
にあっては、清涼効果を長時間持続させるため、清涼剤
を粘着剤中に多量配合させる必要がある。
なくする方法として、清涼剤を含有する粘着シートを瞼
に貼付することが考えられるが、このような粘着シート
にあっては、清涼効果を長時間持続させるため、清涼剤
を粘着剤中に多量配合させる必要がある。
【0005】しかしながら、l−メントールなどの清涼
剤の中には、それらを多量に含有させた場合に、粘着剤
に対して可塑剤として働く場合があり、粘着剤の凝集力
を低下させ、皮膚面への糊のこりを生じるという問題が
あった。
剤の中には、それらを多量に含有させた場合に、粘着剤
に対して可塑剤として働く場合があり、粘着剤の凝集力
を低下させ、皮膚面への糊のこりを生じるという問題が
あった。
【0006】また、かかる粘着シートを製造する際に
は、粘着剤に清涼剤を混合して、セパレータ上若しくは
シート状をした支持体上に塗布したのち、乾燥させる必
要があった。このとき、粘着剤を塗布するために用いた
溶媒を揮散させるためには、粘着シートにある程度の高
温を加えなければならない。
は、粘着剤に清涼剤を混合して、セパレータ上若しくは
シート状をした支持体上に塗布したのち、乾燥させる必
要があった。このとき、粘着剤を塗布するために用いた
溶媒を揮散させるためには、粘着シートにある程度の高
温を加えなければならない。
【0007】ところが、含有させる清涼剤としては、沸
点の低いものが好ましく、高温を加えた場合には、同時
に多量の清涼剤が揮散してしまう。このため、予め揮散
する量を見込んで、清涼剤を配合する必要があり、ロス
が多かった。
点の低いものが好ましく、高温を加えた場合には、同時
に多量の清涼剤が揮散してしまう。このため、予め揮散
する量を見込んで、清涼剤を配合する必要があり、ロス
が多かった。
【0008】その一方で、清涼剤のロスを少なくするた
め、乾燥温度を低く設定すれば、多量の溶媒が粘着剤中
に残ってしまい、皮膚面に貼付した場合に、皮膚かぶれ
の要因ともなっていた。
め、乾燥温度を低く設定すれば、多量の溶媒が粘着剤中
に残ってしまい、皮膚面に貼付した場合に、皮膚かぶれ
の要因ともなっていた。
【0009】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、清涼剤など
の揮散性薬剤を含有させ、当該薬剤を揮散させて適用す
るに望ましい、特に、持続性に優れた薬剤含有粘着シー
トを提供するとともに、薬剤のロスが少なく、特に当該
薬剤含有粘着シートに適した製造方法を提供することに
ある。
れたものであり、その目的とするところは、清涼剤など
の揮散性薬剤を含有させ、当該薬剤を揮散させて適用す
るに望ましい、特に、持続性に優れた薬剤含有粘着シー
トを提供するとともに、薬剤のロスが少なく、特に当該
薬剤含有粘着シートに適した製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の薬剤含有粘着シ
ートは、軟質塩化ビニルシートからなる支持体上に、揮
散性薬剤を含有する粘着剤層が形成された薬剤含有粘着
シートにおいて、前記支持体及び前記粘着剤層に、多数
の孔が存在することを特徴としている。
ートは、軟質塩化ビニルシートからなる支持体上に、揮
散性薬剤を含有する粘着剤層が形成された薬剤含有粘着
シートにおいて、前記支持体及び前記粘着剤層に、多数
の孔が存在することを特徴としている。
【0011】この薬剤含有粘着シートには、揮散性薬剤
として、例えば、l−メントールを用いることができ
る。
として、例えば、l−メントールを用いることができ
る。
【0012】本発明の薬剤含有粘着シートの製造方法
は、多数の孔が存在するシート状の支持体上に、多数の
孔が存在する薬剤含有粘着剤層が形成された薬剤含有粘
着シートの製造方法であって、多数の孔が存在する支持
体上に、多数の孔が存在する粘着剤層が形成された粘着
シート材に、当該粘着シート材の支持体表面から、薬剤
を含有する溶液を塗布して、前記薬剤含有粘着剤層を形
成させる工程を有することを特徴としている。
は、多数の孔が存在するシート状の支持体上に、多数の
孔が存在する薬剤含有粘着剤層が形成された薬剤含有粘
着シートの製造方法であって、多数の孔が存在する支持
体上に、多数の孔が存在する粘着剤層が形成された粘着
シート材に、当該粘着シート材の支持体表面から、薬剤
を含有する溶液を塗布して、前記薬剤含有粘着剤層を形
成させる工程を有することを特徴としている。
【0013】当該製造方法には、支持体として、例えば
不織布を用いることができ、また、粘着剤層として、例
えば、多孔質粘着剤層を用いることができる。
不織布を用いることができ、また、粘着剤層として、例
えば、多孔質粘着剤層を用いることができる。
【0014】あるいは、孔が存在しない支持体上に、孔
が存在しない粘着剤層を形成した粘着シート材に、多数
の孔を穿孔した後、薬剤を含有する溶液を塗布すること
もできる。
が存在しない粘着剤層を形成した粘着シート材に、多数
の孔を穿孔した後、薬剤を含有する溶液を塗布すること
もできる。
【0015】このとき、支持体として、軟質塩化ビニル
シートを用いるのが好ましく、前記粘着剤層中には、例
えばl−メントールのような揮発性薬剤を含有させるこ
とができる。
シートを用いるのが好ましく、前記粘着剤層中には、例
えばl−メントールのような揮発性薬剤を含有させるこ
とができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1(a)(b)はそれぞれ、本
発明の一実施例による薬剤含有粘着シート1の平面図及
び側面図、図2は本発明による薬剤含有粘着シート1の
製造方法を示す概略工程図、図3は、本発明の薬剤含有
粘着シート1の使用説明図である。以下、各図に従っ
て、詳細に説明する。
発明の一実施例による薬剤含有粘着シート1の平面図及
び側面図、図2は本発明による薬剤含有粘着シート1の
製造方法を示す概略工程図、図3は、本発明の薬剤含有
粘着シート1の使用説明図である。以下、各図に従っ
て、詳細に説明する。
【0017】本発明の薬剤含有粘着シート1は、例えば
l−メントールのような揮散性薬剤を含有させた粘着剤
層12が、シート状をした支持体11上に塗布形成され
ており、粘着剤層12の前記支持体11と反対面には、
セパレータ14が貼り合わせられている。粘着剤層12
及び支持体11には、多数の孔13が穿孔されており、
所定の形状に、例えば打ち抜き加工されている。
l−メントールのような揮散性薬剤を含有させた粘着剤
層12が、シート状をした支持体11上に塗布形成され
ており、粘着剤層12の前記支持体11と反対面には、
セパレータ14が貼り合わせられている。粘着剤層12
及び支持体11には、多数の孔13が穿孔されており、
所定の形状に、例えば打ち抜き加工されている。
【0018】上記支持体11としては、織布や不織布、
あるいは、ポリエステル、ナイロン、サラン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、サー
リン、金属箔などの単独フィルムまたはこれらの積層フ
ィルムなどを用いることができるが、皮膚への貼布性や
刺激性、穿孔の加工性などの点より、ポリ塩化ビニルを
用いるのが好ましく、中でも軟質塩化ビニルフィルムを
用いるのがよい。
あるいは、ポリエステル、ナイロン、サラン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、サー
リン、金属箔などの単独フィルムまたはこれらの積層フ
ィルムなどを用いることができるが、皮膚への貼布性や
刺激性、穿孔の加工性などの点より、ポリ塩化ビニルを
用いるのが好ましく、中でも軟質塩化ビニルフィルムを
用いるのがよい。
【0019】特に、皮膚への適応性を考慮するならば、
可塑剤として、重量平均分子量が750〜1000のア
ジピン酸ポリエステル系可塑剤を用いた場合には、材料
樹脂100重量部に対し、可塑剤35〜45重量部が配
合された軟質塩化ビニルフィルム、あるいは、重量平均
分子量が2200〜3000のアジピン酸ポリエステル
系可塑剤を用いた場合には、材料樹脂100重量部に対
し、可塑剤40〜55重量部が配合された軟質塩化ビニ
ルフィルムを用いるのが望ましい。このとき、可塑剤の
配合量が25重量部以下とした場合には、フィルムの剛
性が高く、皮膚への貼布性が悪くなる。また、可塑剤の
配合量が少なくなると、支持体11表面に塗布した薬剤
が粘着剤層12へ移行しにくくなり、持続性が小さくな
る。一方、可塑剤を65重量部以上配合した場合には、
薬剤がより多く移行するが、支持体11自体が柔らかく
なりすぎて、取扱いが困難になり、また、薬剤や可塑剤
の影響により、皮膚面への糊のこりが増大する。
可塑剤として、重量平均分子量が750〜1000のア
ジピン酸ポリエステル系可塑剤を用いた場合には、材料
樹脂100重量部に対し、可塑剤35〜45重量部が配
合された軟質塩化ビニルフィルム、あるいは、重量平均
分子量が2200〜3000のアジピン酸ポリエステル
系可塑剤を用いた場合には、材料樹脂100重量部に対
し、可塑剤40〜55重量部が配合された軟質塩化ビニ
ルフィルムを用いるのが望ましい。このとき、可塑剤の
配合量が25重量部以下とした場合には、フィルムの剛
性が高く、皮膚への貼布性が悪くなる。また、可塑剤の
配合量が少なくなると、支持体11表面に塗布した薬剤
が粘着剤層12へ移行しにくくなり、持続性が小さくな
る。一方、可塑剤を65重量部以上配合した場合には、
薬剤がより多く移行するが、支持体11自体が柔らかく
なりすぎて、取扱いが困難になり、また、薬剤や可塑剤
の影響により、皮膚面への糊のこりが増大する。
【0020】また、支持体11の厚さとしては、粘着シ
ートに用いられる通常の厚さのものを用いることができ
るが、一般には、いわゆるカレンダー法で加工できる下
限である65μm以上のものを用いるのが好都合であ
り、特に、皮膚面の貼布性を考慮した場合には、150
μm前後の厚さが望ましい。もちろん、皮膚面以外への
適用を考えた場合には、これ以上の厚さを有する支持体
11を用いることができる。
ートに用いられる通常の厚さのものを用いることができ
るが、一般には、いわゆるカレンダー法で加工できる下
限である65μm以上のものを用いるのが好都合であ
り、特に、皮膚面の貼布性を考慮した場合には、150
μm前後の厚さが望ましい。もちろん、皮膚面以外への
適用を考えた場合には、これ以上の厚さを有する支持体
11を用いることができる。
【0021】粘着剤層12は、アクリル系粘着剤やゴム
系粘着剤などの粘着剤に、揮散性薬剤並びに可塑剤や安
定剤、酸化防止剤などの各種の添加剤が配合されて形成
される。これらの粘着剤のうち、薬剤や可塑剤との親和
性、特に、支持体11表面に塗布された薬剤の粘着剤層
12中への移行性から、ゴム系粘着剤よりもアクリル系
粘着剤を用いるのが好ましい。また、含有させる薬剤の
種類により異なるが、例えばl−メントールなどでは、
より多くの薬剤を粘着剤層12へ含有させることができ
る点からも、アクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。
系粘着剤などの粘着剤に、揮散性薬剤並びに可塑剤や安
定剤、酸化防止剤などの各種の添加剤が配合されて形成
される。これらの粘着剤のうち、薬剤や可塑剤との親和
性、特に、支持体11表面に塗布された薬剤の粘着剤層
12中への移行性から、ゴム系粘着剤よりもアクリル系
粘着剤を用いるのが好ましい。また、含有させる薬剤の
種類により異なるが、例えばl−メントールなどでは、
より多くの薬剤を粘着剤層12へ含有させることができ
る点からも、アクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。
【0022】粘着剤層12の厚さは、支持体11表面に
塗布した薬剤や支持体11に含有させた可塑剤が粘着剤
層12に移行した後の、当該粘着剤層12の凝集力及び
支持体11と粘着剤層12との間の接着力(投錨力)と
のバランスによって、実用的な接着性が得られる程度の
厚さに設定される。しかし、粘着剤層12の厚さが20
μmより薄くなると、皮膚面などの被着面から剥がれや
すくなり、100μmよりも厚くなると、被着面への糊
のこりを生じるようになる。したがって、上記に述べた
ような軟質塩化ビニルフィルムを支持体11に用いた場
合や、後述するような薬剤の配合量では、20μm〜1
00μmの厚さに形成するのが好ましく、より望ましく
は、30μm〜80μmに形成するのがよい。
塗布した薬剤や支持体11に含有させた可塑剤が粘着剤
層12に移行した後の、当該粘着剤層12の凝集力及び
支持体11と粘着剤層12との間の接着力(投錨力)と
のバランスによって、実用的な接着性が得られる程度の
厚さに設定される。しかし、粘着剤層12の厚さが20
μmより薄くなると、皮膚面などの被着面から剥がれや
すくなり、100μmよりも厚くなると、被着面への糊
のこりを生じるようになる。したがって、上記に述べた
ような軟質塩化ビニルフィルムを支持体11に用いた場
合や、後述するような薬剤の配合量では、20μm〜1
00μmの厚さに形成するのが好ましく、より望ましく
は、30μm〜80μmに形成するのがよい。
【0023】本発明においては、粘着シート1から揮散
された薬剤が、皮膚粘膜などから吸収されて効果を発揮
するものであるので、できるかぎり常温で揮散する揮散
性薬剤を用いるのが好ましいが、粘着剤層12から揮散
されるものであれば、特に限定されるものではなく、種
々の薬剤を用いることができる。例えば、局所刺激作用
や覚醒作用のあるl−メントールやカンファなど、消炎
鎮痛効果を有するハッカ油やチモール、インドメタシン
あるいはケトプロフェンなどを用いることができる。
された薬剤が、皮膚粘膜などから吸収されて効果を発揮
するものであるので、できるかぎり常温で揮散する揮散
性薬剤を用いるのが好ましいが、粘着剤層12から揮散
されるものであれば、特に限定されるものではなく、種
々の薬剤を用いることができる。例えば、局所刺激作用
や覚醒作用のあるl−メントールやカンファなど、消炎
鎮痛効果を有するハッカ油やチモール、インドメタシン
あるいはケトプロフェンなどを用いることができる。
【0024】また、薬剤の含有量は、少な過ぎると十分
な効果を得ることができず、多過ぎると、皮膚面への刺
激を引き起こす恐れがあるので、所定の効果を発揮する
適当な濃度に設定にする必要がある。例えば、l−メン
トールの場合には、粘着剤中に、最終製剤中に1〜15
重量%を含むよう配合するのが好ましく、さらに望まし
くは、最終製剤中に3〜10重量%を含むように配合す
る。
な効果を得ることができず、多過ぎると、皮膚面への刺
激を引き起こす恐れがあるので、所定の効果を発揮する
適当な濃度に設定にする必要がある。例えば、l−メン
トールの場合には、粘着剤中に、最終製剤中に1〜15
重量%を含むよう配合するのが好ましく、さらに望まし
くは、最終製剤中に3〜10重量%を含むように配合す
る。
【0025】また、必ずしも、人体の皮膚面や粘膜から
吸収されて効果を発揮する薬剤のみならず、室内に揮散
して芳香を発する精油成分などの芳香性薬剤や、室内の
衛生害虫を駆除するピレトリンやアレスリン、レスメト
リンなどの殺虫剤や防虫剤などを用いることができる。
吸収されて効果を発揮する薬剤のみならず、室内に揮散
して芳香を発する精油成分などの芳香性薬剤や、室内の
衛生害虫を駆除するピレトリンやアレスリン、レスメト
リンなどの殺虫剤や防虫剤などを用いることができる。
【0026】当該粘着シート1に穿孔する孔13の大き
さや孔13の密度は、薬剤の種類や用途によって適宜変
更すればよいが、孔13が小さかったり、孔13の密度
が小さいと、薬剤が十分に孔13から粘着剤層12に移
行せず、また作成された粘着シート1の孔13から、薬
剤が十分に揮散しない。また、孔13の大きさが大きか
ったり、孔13の密度が多いすぎると薬剤が揮散しすぎ
て、持続性に欠けることとなる。したがって、程度の大
きさに設定する必要があり、例えば、0.2μm〜0.
8μmの孔13を穿孔するのがよい。
さや孔13の密度は、薬剤の種類や用途によって適宜変
更すればよいが、孔13が小さかったり、孔13の密度
が小さいと、薬剤が十分に孔13から粘着剤層12に移
行せず、また作成された粘着シート1の孔13から、薬
剤が十分に揮散しない。また、孔13の大きさが大きか
ったり、孔13の密度が多いすぎると薬剤が揮散しすぎ
て、持続性に欠けることとなる。したがって、程度の大
きさに設定する必要があり、例えば、0.2μm〜0.
8μmの孔13を穿孔するのがよい。
【0027】セパレータ14としては、通常の粘着シー
ト1に用いられるようなポリエステルフィルムなどを用
いることができる。
ト1に用いられるようなポリエステルフィルムなどを用
いることができる。
【0028】次に本発明の薬剤含有粘着シートの製造方
法について、上記の薬剤含有粘着シート1を例に挙げ
て、詳述する。まず、薬剤を除く粘着剤や可塑剤、安定
剤、酸化防止剤などの各種の添加剤に、適当な溶媒を加
えて粘着剤溶液を作成する。この粘着剤溶液を、予め一
般的な方法で得られた支持体11あるいはセパレータ1
4上に塗布して、薬剤の含有されていない粘着剤層12
aを形成し、その後、セパレータ14あるいは支持体1
1を貼り合わせて、高温にて乾燥して溶媒を揮散させ、
薬剤の含有されていない粘着シート材10を形成する。
法について、上記の薬剤含有粘着シート1を例に挙げ
て、詳述する。まず、薬剤を除く粘着剤や可塑剤、安定
剤、酸化防止剤などの各種の添加剤に、適当な溶媒を加
えて粘着剤溶液を作成する。この粘着剤溶液を、予め一
般的な方法で得られた支持体11あるいはセパレータ1
4上に塗布して、薬剤の含有されていない粘着剤層12
aを形成し、その後、セパレータ14あるいは支持体1
1を貼り合わせて、高温にて乾燥して溶媒を揮散させ、
薬剤の含有されていない粘着シート材10を形成する。
【0029】この粘着シート材10に、円柱型のロール
表面に突起を設けた加熱式の穿孔ロールを押圧し、支持
体11及び粘着剤層12aに多数の孔13を穿孔する
(図2(a))。これとは別に、l−メントールなどの
薬剤を、所定の濃度となるように、揮発性(低沸点)の
溶媒に、溶解又は分散させておく。この薬剤の溶液16
を、キスコータ17を使用して、多数の孔13を穿孔し
た前記粘着シート材10に塗布する(図2(b))。そ
の後、乾燥器18によって溶媒を揮散させ(図2
(c))、ロール状に巻き取る(図2(d))。そし
て、40℃〜70℃で、例えば約40時間程度熟成(ag
ing)させ(図2(e))、薬剤を粘着剤層12中へ十
分に移行させ、粘着剤層12中の濃度が均一となるよう
にして、本発明の薬剤含有粘着シート1を作成する。
表面に突起を設けた加熱式の穿孔ロールを押圧し、支持
体11及び粘着剤層12aに多数の孔13を穿孔する
(図2(a))。これとは別に、l−メントールなどの
薬剤を、所定の濃度となるように、揮発性(低沸点)の
溶媒に、溶解又は分散させておく。この薬剤の溶液16
を、キスコータ17を使用して、多数の孔13を穿孔し
た前記粘着シート材10に塗布する(図2(b))。そ
の後、乾燥器18によって溶媒を揮散させ(図2
(c))、ロール状に巻き取る(図2(d))。そし
て、40℃〜70℃で、例えば約40時間程度熟成(ag
ing)させ(図2(e))、薬剤を粘着剤層12中へ十
分に移行させ、粘着剤層12中の濃度が均一となるよう
にして、本発明の薬剤含有粘着シート1を作成する。
【0030】このようにして作成された薬剤含有粘着シ
ート1は、所定の大きさのシート状や帯状、その他円形
状、楕円形状、菱形状など、例えば、図2(f)に示す
ように、適用部位や適用箇所に適した大きさや形状にカ
ットされ、アルミニウム箔などからなるラミネート紙1
5で包装され、製品とされる(図2(g))。もちろ
ん、穿孔された孔13からの揮散を押さえるために、支
持体11表面にも、別な粘着剤層が形成されたセパレー
タを剥離可能に貼り合わせておいてもよい。
ート1は、所定の大きさのシート状や帯状、その他円形
状、楕円形状、菱形状など、例えば、図2(f)に示す
ように、適用部位や適用箇所に適した大きさや形状にカ
ットされ、アルミニウム箔などからなるラミネート紙1
5で包装され、製品とされる(図2(g))。もちろ
ん、穿孔された孔13からの揮散を押さえるために、支
持体11表面にも、別な粘着剤層が形成されたセパレー
タを剥離可能に貼り合わせておいてもよい。
【0031】このようにして作成された薬剤含有粘着シ
ート1は、例えば、図3に示すように、人の鼻かくの両
側を挟むようにして貼布される。貼布された薬剤含有粘
着シート1から、支持体11表面の孔13を通して、ま
たは/及び粘着剤層12表面から、含有された薬剤が揮
散し、鼻空内粘膜や皮膚表面等に適当な刺激を与え、あ
るいは、当該部位から薬剤が吸収され、薬効を発揮する
ことができる。しかも、支持体11には、多数の孔13
が穿孔されているため、粘着剤層12に含有された薬剤
が支持体11表面の孔13から即座に揮散され、即効性
が大きい。
ート1は、例えば、図3に示すように、人の鼻かくの両
側を挟むようにして貼布される。貼布された薬剤含有粘
着シート1から、支持体11表面の孔13を通して、ま
たは/及び粘着剤層12表面から、含有された薬剤が揮
散し、鼻空内粘膜や皮膚表面等に適当な刺激を与え、あ
るいは、当該部位から薬剤が吸収され、薬効を発揮する
ことができる。しかも、支持体11には、多数の孔13
が穿孔されているため、粘着剤層12に含有された薬剤
が支持体11表面の孔13から即座に揮散され、即効性
が大きい。
【0032】もちろん、鼻かくの両側以外にも、人体に
対しては、喉、額、首すじ、肩等に貼布して、薬効を発
揮させることも可能である。また、殺虫剤や防虫剤を含
有させることによって、殺虫シートや防虫シートとして
用いることもできる。さらには、芳香性薬剤を含有させ
ることによって、芳香シートとして用いることもでき
る。
対しては、喉、額、首すじ、肩等に貼布して、薬効を発
揮させることも可能である。また、殺虫剤や防虫剤を含
有させることによって、殺虫シートや防虫シートとして
用いることもできる。さらには、芳香性薬剤を含有させ
ることによって、芳香シートとして用いることもでき
る。
【0033】このように、本発明は、予め薬剤を含有さ
せない状態で、粘着シート材10を作成しているので、
薬剤による凝集力の低下を引き起こすことがない。しか
も、溶媒乾燥時には、薬剤が含有されていないため、高
温で乾燥させることができ、残存溶媒によるかぶれを防
ぐことができるとともに、粘着シート材10形成時の溶
媒選択性を広げることができる。
せない状態で、粘着シート材10を作成しているので、
薬剤による凝集力の低下を引き起こすことがない。しか
も、溶媒乾燥時には、薬剤が含有されていないため、高
温で乾燥させることができ、残存溶媒によるかぶれを防
ぐことができるとともに、粘着シート材10形成時の溶
媒選択性を広げることができる。
【0034】また、粘着剤層12には多数の孔13が穿
孔されているため、薬剤を粘着剤層12中に多量に含有
させることができる。したがって、持続性に優れた薬剤
含有粘着シート1とすることができる。また、薬剤を塗
布する際に、低沸点の溶媒を用いれば、当該溶媒を比較
的低温で揮散させることができるので、このときに生じ
る揮散による薬剤ロスを、非常に少なくすることもでき
る。
孔されているため、薬剤を粘着剤層12中に多量に含有
させることができる。したがって、持続性に優れた薬剤
含有粘着シート1とすることができる。また、薬剤を塗
布する際に、低沸点の溶媒を用いれば、当該溶媒を比較
的低温で揮散させることができるので、このときに生じ
る揮散による薬剤ロスを、非常に少なくすることもでき
る。
【0035】
【実施例】次に、本発明の効果を確かめるべく本発明の
具体的実施例である薬剤含有粘着シート及び比較例の薬
剤含有粘着シートを各種作製し、これらの粘着シート中
の含有薬剤量や人皮膚面に貼布した際の清涼感、粘着性
等の特性を測定した。
具体的実施例である薬剤含有粘着シート及び比較例の薬
剤含有粘着シートを各種作製し、これらの粘着シート中
の含有薬剤量や人皮膚面に貼布した際の清涼感、粘着性
等の特性を測定した。
【0036】材質の異なる2種類の軟質塩化ビニルフィ
ルム及び不織布からなる支持体上に、アクリル系粘着剤
あるいはゴム系粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した粘
着シート材を用いて、実施例1〜7の粘着シート及び比
較例1〜3の粘着シート、計10例18種の粘着シート
を作成し、孔の効果や本発明の製造方法による効果を確
かめた。
ルム及び不織布からなる支持体上に、アクリル系粘着剤
あるいはゴム系粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した粘
着シート材を用いて、実施例1〜7の粘着シート及び比
較例1〜3の粘着シート、計10例18種の粘着シート
を作成し、孔の効果や本発明の製造方法による効果を確
かめた。
【0037】〔実施例1〕重量平均分子量が2700で
あるアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂10
0重量部に対し50重量部配合された軟質塩化ビニルフ
ィルムからなる膜厚65μmの支持体上に、2−エチル
ヘキシルアクリレート75重量部と酢酸ビニル25重量
部及びアクリル酸5重量部の共重合体からなるアクリル
系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35μmとなるよう
に粘着剤層を塗布形成して、実施例1の粘着シート材を
作成した。この粘着シート材に、160℃に加熱した穿
孔ロールを用いて、直径約0.3mmの孔を、長さ方
向、幅方向共に1.4mmピッチで穿孔したもの(実施
例1−1)と、孔を穿孔しないもの(実施例1−2)
に、それぞれ支持体表面から、l−メントールを10重
量%含むn−ヘキサン溶液を、キスコータを用いて塗布
した。その後、アルミニウムラミネート紙で密封包装し
たのち、50℃で約40時間熟成して、実施例1−1及
び実施例1−2の粘着シートを得た。
あるアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂10
0重量部に対し50重量部配合された軟質塩化ビニルフ
ィルムからなる膜厚65μmの支持体上に、2−エチル
ヘキシルアクリレート75重量部と酢酸ビニル25重量
部及びアクリル酸5重量部の共重合体からなるアクリル
系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35μmとなるよう
に粘着剤層を塗布形成して、実施例1の粘着シート材を
作成した。この粘着シート材に、160℃に加熱した穿
孔ロールを用いて、直径約0.3mmの孔を、長さ方
向、幅方向共に1.4mmピッチで穿孔したもの(実施
例1−1)と、孔を穿孔しないもの(実施例1−2)
に、それぞれ支持体表面から、l−メントールを10重
量%含むn−ヘキサン溶液を、キスコータを用いて塗布
した。その後、アルミニウムラミネート紙で密封包装し
たのち、50℃で約40時間熟成して、実施例1−1及
び実施例1−2の粘着シートを得た。
【0038】〔実施例2〕l−メントールを30重量%
含むn−ヘキサン溶液を支持体表面から塗布した以外
は、実施例1と全く同様にして、孔が穿孔された実施例
2−1の粘着シート及び孔が穿孔されていない実施例2
−2の粘着シートを得た。
含むn−ヘキサン溶液を支持体表面から塗布した以外
は、実施例1と全く同様にして、孔が穿孔された実施例
2−1の粘着シート及び孔が穿孔されていない実施例2
−2の粘着シートを得た。
【0039】〔実施例3〕l−メントールを50重量%
含むn−ヘキサン溶液を支持体表面から塗布した以外
は、実施例1と全く同様にして、孔が穿孔された実施例
3−1の粘着シート及び孔が穿孔されていない実施例3
−2の粘着シートを得た。
含むn−ヘキサン溶液を支持体表面から塗布した以外
は、実施例1と全く同様にして、孔が穿孔された実施例
3−1の粘着シート及び孔が穿孔されていない実施例3
−2の粘着シートを得た。
【0040】〔実施例4〕重量平均分子量が2700で
あるアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂10
0重量部に対し50重量部配合された軟質塩化ビニルフ
ィルムからなる膜厚65μmの支持体上に、天然ゴム5
0重量部とスチレンブタジエンゴム50重量部及びテル
ペン樹脂100重量部並びに老化防止剤2重量部の混合
物からなるゴム系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35
μmとなるように粘着剤層を塗布形成して、実施例4の
粘着シート材を作成した。この粘着シート材に、160
℃に加熱した穿孔ロールを用いて、直径約0.3mmの
孔を、長さ方向、幅方向共に1.4mmピッチで穿孔し
たもの(実施例4−1)と、孔を穿孔しないもの(実施
例4−2)に、それぞれ支持体表面から、l−メントー
ルを30重量%含むn−ヘキサン溶液を、キスコータを
用いて塗布した。その後、アルミニウムラミネート紙で
密封包装したのち、50℃で約40時間熟成して、実施
例4−1及び実施例4−2の粘着シートを得た。
あるアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂10
0重量部に対し50重量部配合された軟質塩化ビニルフ
ィルムからなる膜厚65μmの支持体上に、天然ゴム5
0重量部とスチレンブタジエンゴム50重量部及びテル
ペン樹脂100重量部並びに老化防止剤2重量部の混合
物からなるゴム系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35
μmとなるように粘着剤層を塗布形成して、実施例4の
粘着シート材を作成した。この粘着シート材に、160
℃に加熱した穿孔ロールを用いて、直径約0.3mmの
孔を、長さ方向、幅方向共に1.4mmピッチで穿孔し
たもの(実施例4−1)と、孔を穿孔しないもの(実施
例4−2)に、それぞれ支持体表面から、l−メントー
ルを30重量%含むn−ヘキサン溶液を、キスコータを
用いて塗布した。その後、アルミニウムラミネート紙で
密封包装したのち、50℃で約40時間熟成して、実施
例4−1及び実施例4−2の粘着シートを得た。
【0041】〔実施例5〕l−メントールを50重量%
含むn−ヘキサン溶液を支持体表面から塗布した以外
は、実施例4と全く同様にして、孔が穿孔された実施例
5−1の粘着シート及び孔が穿孔されていない実施例5
−2の粘着シートを得た。
含むn−ヘキサン溶液を支持体表面から塗布した以外
は、実施例4と全く同様にして、孔が穿孔された実施例
5−1の粘着シート及び孔が穿孔されていない実施例5
−2の粘着シートを得た。
【0042】〔実施例6〕重量平均分子量が750であ
るアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂100
重量部に対し40重量部配合された軟質塩化ビニルフィ
ルムからなる膜厚85μmの支持体上に、2−エチルヘ
キシルアクリレート75重量部と酢酸ビニル25重量部
及びアクリル酸5重量部の共重合体からなるアクリル系
粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35μmとなるように
粘着剤層を塗布形成して、実施例6の粘着シート材を作
成した。この粘着シート材に、160℃に加熱した穿孔
ロールを用いて、直径約0.3mmの孔を、長さ方向、
幅方向共に1.4mmピッチで穿孔したもの(実施例6
−1)と、孔を穿孔しないもの(実施例6−2)に、そ
れぞれ支持体表面から、l−メントールを30重量%含
むn−ヘキサン溶液を、キスコータを用いて塗布した。
その後、アルミニウムラミネート紙で密封包装したの
ち、50℃で約40時間熟成して、実施例6−1及び実
施例6−2の粘着シートを得た。
るアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂100
重量部に対し40重量部配合された軟質塩化ビニルフィ
ルムからなる膜厚85μmの支持体上に、2−エチルヘ
キシルアクリレート75重量部と酢酸ビニル25重量部
及びアクリル酸5重量部の共重合体からなるアクリル系
粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35μmとなるように
粘着剤層を塗布形成して、実施例6の粘着シート材を作
成した。この粘着シート材に、160℃に加熱した穿孔
ロールを用いて、直径約0.3mmの孔を、長さ方向、
幅方向共に1.4mmピッチで穿孔したもの(実施例6
−1)と、孔を穿孔しないもの(実施例6−2)に、そ
れぞれ支持体表面から、l−メントールを30重量%含
むn−ヘキサン溶液を、キスコータを用いて塗布した。
その後、アルミニウムラミネート紙で密封包装したの
ち、50℃で約40時間熟成して、実施例6−1及び実
施例6−2の粘着シートを得た。
【0043】〔実施例7〕重量平均分子量が750であ
るアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂100
重量部に対し、40重量部配合された軟質塩化ビニルフ
ィルムからなる膜厚85μmの支持体上に、天然ゴム5
0重量部とスチレンブタジエンゴム50重量部及びテル
ペン樹脂100重量部並びに老化防止剤2重量部の混合
物からなるゴム系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35
μmとなるように粘着剤層を塗布形成して、実施例7の
粘着シート材を作成した。この粘着シート材に、160
℃に加熱した穿孔ロールを用いて、直径約0.3mmの
孔を、長さ方向、幅方向共に1.4mmピッチで穿孔し
たもの(実施例7−1)と、孔を穿孔しないもの(実施
例7−2)に、それぞれ支持体表面から、l−メントー
ルを30重量%含むn−ヘキサン溶液を、キスコータを
用いて塗布した。その後、アルミニウムラミネート紙で
密封包装したのち、50℃で約40時間熟成して、実施
例7−1及び実施例7−2の粘着シートを得た。
るアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂100
重量部に対し、40重量部配合された軟質塩化ビニルフ
ィルムからなる膜厚85μmの支持体上に、天然ゴム5
0重量部とスチレンブタジエンゴム50重量部及びテル
ペン樹脂100重量部並びに老化防止剤2重量部の混合
物からなるゴム系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35
μmとなるように粘着剤層を塗布形成して、実施例7の
粘着シート材を作成した。この粘着シート材に、160
℃に加熱した穿孔ロールを用いて、直径約0.3mmの
孔を、長さ方向、幅方向共に1.4mmピッチで穿孔し
たもの(実施例7−1)と、孔を穿孔しないもの(実施
例7−2)に、それぞれ支持体表面から、l−メントー
ルを30重量%含むn−ヘキサン溶液を、キスコータを
用いて塗布した。その後、アルミニウムラミネート紙で
密封包装したのち、50℃で約40時間熟成して、実施
例7−1及び実施例7−2の粘着シートを得た。
【0044】〔比較例1〕重量平均分子量が750であ
るアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂100
重量部に対し、40重量部配合された軟質塩化ビニルフ
ィルムからなる膜厚100μmの支持体上に、天然ゴム
50重量部とスチレンブタジエンゴム50重量部及びテ
ルペン樹脂100重量部並びに老化防止剤2重量部の混
合物からなるゴム系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが3
5μmとなるように粘着剤層を塗布形成して、比較例1
の粘着シート材を作成した。この粘着シート材に、16
0℃に加熱した穿孔ロールを用いて、直径約0.3mm
の孔を、長さ方向、幅方向共に1.4mmピッチで穿孔
したもの(比較例1−1)と、孔を穿孔しないもの(比
較例1−2)に、それぞれ粘着剤層表面から、l−メン
トールを30重量%含むn−ヘキサン溶液を、スプレー
塗布した。その後、アルミニウムラミネート紙で密封包
装したのち、50℃で約40時間熟成して、比較例1−
1及び比較例1−2の粘着シートを得た。
るアジピン酸ポリエステル系可塑剤が、材料樹脂100
重量部に対し、40重量部配合された軟質塩化ビニルフ
ィルムからなる膜厚100μmの支持体上に、天然ゴム
50重量部とスチレンブタジエンゴム50重量部及びテ
ルペン樹脂100重量部並びに老化防止剤2重量部の混
合物からなるゴム系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが3
5μmとなるように粘着剤層を塗布形成して、比較例1
の粘着シート材を作成した。この粘着シート材に、16
0℃に加熱した穿孔ロールを用いて、直径約0.3mm
の孔を、長さ方向、幅方向共に1.4mmピッチで穿孔
したもの(比較例1−1)と、孔を穿孔しないもの(比
較例1−2)に、それぞれ粘着剤層表面から、l−メン
トールを30重量%含むn−ヘキサン溶液を、スプレー
塗布した。その後、アルミニウムラミネート紙で密封包
装したのち、50℃で約40時間熟成して、比較例1−
1及び比較例1−2の粘着シートを得た。
【0045】〔比較例2〕不織布(デュポン社製、商品
名Sontana #8010)からなる支持体上に2−エチルヘキシ
ルアクリレート75重量部と酢酸ビニル25重量部及び
アクリル酸5重量部の共重合体からなるアクリル系粘着
剤を用いて、乾燥後の厚さが35μmとなるように粘着
剤層を塗布形成して、粘着シート材を作成した。この粘
着シート材に、支持体表面から、l−メントールを30
重量%含むn−ヘキサン溶液を、キスコータを用いて塗
布した。その後、アルミニウムラミネート紙で密封包装
したのち、50℃で約40時間熟成して、比較例2の粘
着シートを得た。
名Sontana #8010)からなる支持体上に2−エチルヘキシ
ルアクリレート75重量部と酢酸ビニル25重量部及び
アクリル酸5重量部の共重合体からなるアクリル系粘着
剤を用いて、乾燥後の厚さが35μmとなるように粘着
剤層を塗布形成して、粘着シート材を作成した。この粘
着シート材に、支持体表面から、l−メントールを30
重量%含むn−ヘキサン溶液を、キスコータを用いて塗
布した。その後、アルミニウムラミネート紙で密封包装
したのち、50℃で約40時間熟成して、比較例2の粘
着シートを得た。
【0046】〔比較例3〕上記不織布からなる支持体上
に2−エチルヘキシルアクリレート75重量部と酢酸ビ
ニル25重量部及びアクリル酸5重量部の共重合体から
なるアクリル系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35μ
mとなるように、多孔化された粘着剤層を塗布形成し
て、粘着シート材を作成した。この粘着シート材に、支
持体表面から、l−メントールを30重量%含むn−ヘ
キサン溶液を、キスコータを用いて塗布した。その後、
アルミニウムラミネート紙で密封包装したのち、50℃
で約40時間熟成して、比較例3の粘着シートを得た。
に2−エチルヘキシルアクリレート75重量部と酢酸ビ
ニル25重量部及びアクリル酸5重量部の共重合体から
なるアクリル系粘着剤を用いて、乾燥後の厚さが35μ
mとなるように、多孔化された粘着剤層を塗布形成し
て、粘着シート材を作成した。この粘着シート材に、支
持体表面から、l−メントールを30重量%含むn−ヘ
キサン溶液を、キスコータを用いて塗布した。その後、
アルミニウムラミネート紙で密封包装したのち、50℃
で約40時間熟成して、比較例3の粘着シートを得た。
【0047】これらの実施例1−1〜比較例3の計18
種の粘着シートについてそれぞれ、以下の方法によっ
て、粘着剤中のl−メントール含有量及び支持体中のl
−メントール含有量を測定するとともに、官能試験とし
て、清涼感に対する即効性及び持続性、並びに特性試験
として、接着性や糊のこり及び使用感について評価を行
ない、その結果を表1に示した。
種の粘着シートについてそれぞれ、以下の方法によっ
て、粘着剤中のl−メントール含有量及び支持体中のl
−メントール含有量を測定するとともに、官能試験とし
て、清涼感に対する即効性及び持続性、並びに特性試験
として、接着性や糊のこり及び使用感について評価を行
ない、その結果を表1に示した。
【0048】〔l−メントールの含有量測定〕粘着シー
トを直径22mmの円形にカットして、支持体から粘着
剤を剥がし取り、剥がし取った粘着剤及び支持体にそれ
ぞれ、10mlのクロロホルムを加え、約20分間十分
に振とうした。その後、さらに、メタノール20mlを
加えてさらに攪拌し、遠心分離して、溶液部分を分取し
た。分取して得た液5mlに、内部標準溶液5mlを加
えて攪拌し、この液につき、ガククロマトグラフィに
て、l−メントールの定量を行なった。
トを直径22mmの円形にカットして、支持体から粘着
剤を剥がし取り、剥がし取った粘着剤及び支持体にそれ
ぞれ、10mlのクロロホルムを加え、約20分間十分
に振とうした。その後、さらに、メタノール20mlを
加えてさらに攪拌し、遠心分離して、溶液部分を分取し
た。分取して得た液5mlに、内部標準溶液5mlを加
えて攪拌し、この液につき、ガククロマトグラフィに
て、l−メントールの定量を行なった。
【0049】〔官能試験〕即効性については、所定の形
状にカットした各粘着シートを、5人のパネラーの鼻か
く両側に貼布し、貼布後30分経過後のメントール臭及
び清涼感を評価してもらった。そして、パネラー全体の
総合評価として、メントール臭及び清涼感を感じる場合
には○印で、メントール臭及び清涼感が少し感じられる
程度の場合には△印で、メントール臭及び清涼感を感じ
ない場合には×印で示した。また、持続性については、
5時間経過後のメントール臭及び清涼感について、上記
と同様な評価を行なった。
状にカットした各粘着シートを、5人のパネラーの鼻か
く両側に貼布し、貼布後30分経過後のメントール臭及
び清涼感を評価してもらった。そして、パネラー全体の
総合評価として、メントール臭及び清涼感を感じる場合
には○印で、メントール臭及び清涼感が少し感じられる
程度の場合には△印で、メントール臭及び清涼感を感じ
ない場合には×印で示した。また、持続性については、
5時間経過後のメントール臭及び清涼感について、上記
と同様な評価を行なった。
【0050】〔特性試験〕特性試験については、所定の
形状にカットした各粘着シートを、5人のパネラーの鼻
かく両側に貼布し、5時間経過後に粘着シートを剥が
し、接着性や皮膚面への糊のこりや貼布感(使用感)に
ついて評価してもらった。そして、パネラー全体の総合
評価として、接着性について、最後までしっかりと接着
していた場合には○印で、やや接着性に不安感を感じた
場合には△印で、接着性に問題があった場合には×印で
示した。糊のこりについては、糊のこりがない場合には
○印で、やや糊のこりがある場合には△印で、糊のこり
があった場合には×印で示した。さらに、貼布感につい
ては、違和感がない場合には○印で、やや違和感がある
場合には△印で、貼付違和感がある場合には×印で示し
た。
形状にカットした各粘着シートを、5人のパネラーの鼻
かく両側に貼布し、5時間経過後に粘着シートを剥が
し、接着性や皮膚面への糊のこりや貼布感(使用感)に
ついて評価してもらった。そして、パネラー全体の総合
評価として、接着性について、最後までしっかりと接着
していた場合には○印で、やや接着性に不安感を感じた
場合には△印で、接着性に問題があった場合には×印で
示した。糊のこりについては、糊のこりがない場合には
○印で、やや糊のこりがある場合には△印で、糊のこり
があった場合には×印で示した。さらに、貼布感につい
ては、違和感がない場合には○印で、やや違和感がある
場合には△印で、貼付違和感がある場合には×印で示し
た。
【0051】
【表1】
【0052】表1から分かるように、実施例1〜5及び
実施例7の各実施例共に、孔が穿孔された粘着シート材
を用いた場合には、孔を穿孔しない場合に比較して、粘
着剤層中のl−メントール含有量が増大し、官能試験に
おける即効性及び持続性の評価はよかった。また、比較
例1に示すように、粘着剤表面から薬剤の溶液を塗布し
た場合には、ほとんどl−メントールを含有させること
ができなかったにも拘らず、本発明の製造方法によれ
ば、孔を穿孔するしないにかかわらず、30重量%以上
のl−メントール溶液を支持体表面から塗布することに
よって、十分な量の薬剤を粘着剤層中に含有させること
ができた。
実施例7の各実施例共に、孔が穿孔された粘着シート材
を用いた場合には、孔を穿孔しない場合に比較して、粘
着剤層中のl−メントール含有量が増大し、官能試験に
おける即効性及び持続性の評価はよかった。また、比較
例1に示すように、粘着剤表面から薬剤の溶液を塗布し
た場合には、ほとんどl−メントールを含有させること
ができなかったにも拘らず、本発明の製造方法によれ
ば、孔を穿孔するしないにかかわらず、30重量%以上
のl−メントール溶液を支持体表面から塗布することに
よって、十分な量の薬剤を粘着剤層中に含有させること
ができた。
【0053】また、粘着剤として、アクリル系粘着剤を
用いた場合にも、ゴム系粘着剤を用いた場合にも、塗布
溶液のl−メントール濃度を増大させるにしたがって、
粘着剤中の濃度を増大させることができた。このとき、
粘着剤中のl−メントールが、概ね5重量%以上の濃度
に達した場合に、持続性の効果を有効に発揮させること
ができた。しかしながら、実施例3及び実施例5の結果
からも分かるように、孔が穿孔されていない場合には、
やや即効性が劣り、持続性を発揮することができなかっ
た。
用いた場合にも、ゴム系粘着剤を用いた場合にも、塗布
溶液のl−メントール濃度を増大させるにしたがって、
粘着剤中の濃度を増大させることができた。このとき、
粘着剤中のl−メントールが、概ね5重量%以上の濃度
に達した場合に、持続性の効果を有効に発揮させること
ができた。しかしながら、実施例3及び実施例5の結果
からも分かるように、孔が穿孔されていない場合には、
やや即効性が劣り、持続性を発揮することができなかっ
た。
【0054】さらに、実施例1〜5及び実施例7のいず
れの粘着シートにおいては、孔を穿孔した場合や穿孔し
なかった場合、いずれにおいても、人皮膚面への接着性
や糊のこりあるいは使用感のいずれもが優れたものであ
った。特に、l−メントールを10%以上含有させた場
合(実施例3−1や実施例5−1の粘着シート)でも、
糊のこりがなく、凝集力が低下しなかった。
れの粘着シートにおいては、孔を穿孔した場合や穿孔し
なかった場合、いずれにおいても、人皮膚面への接着性
や糊のこりあるいは使用感のいずれもが優れたものであ
った。特に、l−メントールを10%以上含有させた場
合(実施例3−1や実施例5−1の粘着シート)でも、
糊のこりがなく、凝集力が低下しなかった。
【0055】なお、実施例6の粘着テープにあっては、
支持体中に重量平均分子量750という低分子量の可塑
剤を使用しているために、粘着テープ材の作成時や粘着
テープの熟成時等において、多量の可塑剤がアクリル系
粘着剤中へ移行してしまい、接着性の低下や凝集力の低
下を引き起こし、粘着テープとして実質的に使用するこ
とができなかった。
支持体中に重量平均分子量750という低分子量の可塑
剤を使用しているために、粘着テープ材の作成時や粘着
テープの熟成時等において、多量の可塑剤がアクリル系
粘着剤中へ移行してしまい、接着性の低下や凝集力の低
下を引き起こし、粘着テープとして実質的に使用するこ
とができなかった。
【0056】一方、支持体に不織布を使用した比較例2
及び比較例3の粘着テープにおいても、支持体の表面か
ら薬剤を含む溶液を塗布することにより、粘着剤層中に
l−メントールを含有させることができた。しかし、支
持体に不織布を用いているため、不織布に含有されるl
−メントール量が非常に多くなる。このため、l−メン
トールによるベトツキ感を感じさせる結果となり、使用
感が悪くなった。また、即効性はあったが、持続性がな
く、これは、不織布の多孔性により、l−メントールの
揮散量が多くなりすぎたためと考えられる。また、比較
例2及び比較例3とを比較すれば、粘着剤層が多孔質、
つまり、粘着剤層中に孔を多数存在させることによって
も、粘着剤層中にl−メントールをより多く含有させる
ことができた。
及び比較例3の粘着テープにおいても、支持体の表面か
ら薬剤を含む溶液を塗布することにより、粘着剤層中に
l−メントールを含有させることができた。しかし、支
持体に不織布を用いているため、不織布に含有されるl
−メントール量が非常に多くなる。このため、l−メン
トールによるベトツキ感を感じさせる結果となり、使用
感が悪くなった。また、即効性はあったが、持続性がな
く、これは、不織布の多孔性により、l−メントールの
揮散量が多くなりすぎたためと考えられる。また、比較
例2及び比較例3とを比較すれば、粘着剤層が多孔質、
つまり、粘着剤層中に孔を多数存在させることによって
も、粘着剤層中にl−メントールをより多く含有させる
ことができた。
【0057】以上の結果より、孔が多数存在する支持体
表面に薬剤を含有する溶液を塗布することにより、粘着
剤層中に薬剤を含有させることが可能であることが分か
った。また、粘着剤層中にも孔を多数存在させることに
よって、さらにより多くの薬剤を粘着剤層中に含有させ
ることができることが分かった。とくに、軟質塩化ビニ
ルフィルムのように多孔性でない支持体を用いる場合に
は、支持体に孔を穿孔することにより、より効果的に薬
剤を粘着剤中に含有させることができる。
表面に薬剤を含有する溶液を塗布することにより、粘着
剤層中に薬剤を含有させることが可能であることが分か
った。また、粘着剤層中にも孔を多数存在させることに
よって、さらにより多くの薬剤を粘着剤層中に含有させ
ることができることが分かった。とくに、軟質塩化ビニ
ルフィルムのように多孔性でない支持体を用いる場合に
は、支持体に孔を穿孔することにより、より効果的に薬
剤を粘着剤中に含有させることができる。
【0058】また、この方法により粘着剤層中に薬剤を
高濃度に含有させた場合にも、粘着シートの接着性や凝
集力が低下せず、良好な使用感を与えることができ、即
効性及び持続性に優れたl−メントール含有粘着シート
を作成できた。
高濃度に含有させた場合にも、粘着シートの接着性や凝
集力が低下せず、良好な使用感を与えることができ、即
効性及び持続性に優れたl−メントール含有粘着シート
を作成できた。
【0059】もちろん、本発明の製造方法は、上記実施
例に限らず、比較例に示したように、予め多数の孔が存
在する不織布のような支持体に、多孔質性の粘着剤層を
形成した粘着シート材を用いることができるのは、言う
までもない。
例に限らず、比較例に示したように、予め多数の孔が存
在する不織布のような支持体に、多孔質性の粘着剤層を
形成した粘着シート材を用いることができるのは、言う
までもない。
【0060】
【発明の効果】本発明の薬剤含有粘着シートは、軟質塩
化ビニルシートからなる支持体上に、揮散性薬剤を含有
する粘着剤層が形成された薬剤含有粘着シートにおい
て、前記支持体及び前記粘着剤層に、多数の孔が存在し
ているので、孔から粘着剤層中の揮散性薬剤が揮散さ
れ、即効性を有する粘着シートとすることができる。ま
た、孔から多量の薬剤を粘着剤層中に含有させることが
でき、持続性に優れた粘着シートとすることもできる。
化ビニルシートからなる支持体上に、揮散性薬剤を含有
する粘着剤層が形成された薬剤含有粘着シートにおい
て、前記支持体及び前記粘着剤層に、多数の孔が存在し
ているので、孔から粘着剤層中の揮散性薬剤が揮散さ
れ、即効性を有する粘着シートとすることができる。ま
た、孔から多量の薬剤を粘着剤層中に含有させることが
でき、持続性に優れた粘着シートとすることもできる。
【0061】本発明の薬剤含有粘着シートの製造方法
は、多数の孔が存在するシート状の支持体上に、多数の
孔が存在する薬剤含有粘着剤層が形成された薬剤含有粘
着シートの製造方法であって、多数の孔が存在する支持
体上に、多数の孔が存在する粘着剤層が形成された粘着
シート材に、当該粘着シート材の支持体表面から、薬剤
を含有する溶液を塗布して、前記薬剤含有粘着剤層を形
成させているので、薬剤を含有させない状態で、粘着シ
ート材を高温で十分に乾燥させることができ、残留溶媒
による皮膚かぶれを抑えることができる。また、高温で
乾燥させた後に薬剤を粘着剤層に含有させているので、
粘着剤層をしっかりと凝集させることができ、薬剤によ
る凝集力の低下を防ぐこともできる。しかも、薬剤が高
温に晒されて揮散することがなく、揮発性薬剤のロスを
少なくできる。
は、多数の孔が存在するシート状の支持体上に、多数の
孔が存在する薬剤含有粘着剤層が形成された薬剤含有粘
着シートの製造方法であって、多数の孔が存在する支持
体上に、多数の孔が存在する粘着剤層が形成された粘着
シート材に、当該粘着シート材の支持体表面から、薬剤
を含有する溶液を塗布して、前記薬剤含有粘着剤層を形
成させているので、薬剤を含有させない状態で、粘着シ
ート材を高温で十分に乾燥させることができ、残留溶媒
による皮膚かぶれを抑えることができる。また、高温で
乾燥させた後に薬剤を粘着剤層に含有させているので、
粘着剤層をしっかりと凝集させることができ、薬剤によ
る凝集力の低下を防ぐこともできる。しかも、薬剤が高
温に晒されて揮散することがなく、揮発性薬剤のロスを
少なくできる。
【0062】また、支持体には、例えば不織布のよう
に、多数の孔が存在しているので、塗布された薬剤は当
該孔から支持体を通過して、多量の薬剤を粘着剤層に含
有させることができる。
に、多数の孔が存在しているので、塗布された薬剤は当
該孔から支持体を通過して、多量の薬剤を粘着剤層に含
有させることができる。
【0063】また、粘着剤層には、例えば多孔質粘着剤
層のように、多数の孔が存在しているので、支持体を通
過した薬剤が、当該孔から粘着剤層中に拡散され、多量
の薬剤を粘着剤層に含有させることができる。
層のように、多数の孔が存在しているので、支持体を通
過した薬剤が、当該孔から粘着剤層中に拡散され、多量
の薬剤を粘着剤層に含有させることができる。
【0064】あるいは、孔が存在しない支持体上に、孔
が存在しない粘着剤層を形成した粘着シート材に、多数
の孔を穿孔した後、薬剤を含有する溶液を塗布すること
によっても、粘着剤層中に多量の薬剤を含有させること
ができる。しかも、この方法においては、通常の方法で
作成された汎用的な粘着シートをそのまま用いることが
可能なので、製造コストの増加を少なくできる。
が存在しない粘着剤層を形成した粘着シート材に、多数
の孔を穿孔した後、薬剤を含有する溶液を塗布すること
によっても、粘着剤層中に多量の薬剤を含有させること
ができる。しかも、この方法においては、通常の方法で
作成された汎用的な粘着シートをそのまま用いることが
可能なので、製造コストの増加を少なくできる。
【0065】特に、軟質塩化ビニルフィルムを用いるこ
とにすれば、人皮膚面への貼付に適した薬剤含有粘着シ
ートを提供することができ、揮散性薬剤を含有させた本
発明の薬剤含有粘着シートを適切に得ることができる。
とにすれば、人皮膚面への貼付に適した薬剤含有粘着シ
ートを提供することができ、揮散性薬剤を含有させた本
発明の薬剤含有粘着シートを適切に得ることができる。
【0066】このように、揮発性薬剤としてl−メント
ールを用いることによって、風邪等の鼻づまりや花粉症
等における鼻腔の不快感改善、さらには運動時における
鼻腔通りの改善、眠気防止等のために適し、なおかつ即
効性及び持続性に優れた薬剤含有粘着テープを、簡単に
提供することができる。
ールを用いることによって、風邪等の鼻づまりや花粉症
等における鼻腔の不快感改善、さらには運動時における
鼻腔通りの改善、眠気防止等のために適し、なおかつ即
効性及び持続性に優れた薬剤含有粘着テープを、簡単に
提供することができる。
【図1】(a)(b)はそれぞれ、本発明による一実施
例である薬剤含有粘着シートの平面図及び側面図であ
る。
例である薬剤含有粘着シートの平面図及び側面図であ
る。
【図2】(a)〜(g)は、同上の薬剤含有粘着シート
の製造方法を示す工程図である。
の製造方法を示す工程図である。
【図3】同上の薬剤含有粘着シートの使用方法を示す説
明図である。
明図である。
1 薬剤含有粘着シート 10 薬剤を含有させる前の粘着シート材 11 支持体 12 薬剤が含有された粘着剤層 12a 薬剤が含有される前の粘着剤層 13 穿孔された孔 14 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高坂 孝広 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 軟質塩化ビニルシートからなる支持体上
に、揮散性薬剤を含有する粘着剤層が形成された薬剤含
有粘着シートにおいて、 前記支持体及び前記粘着剤層に、多数の孔が存在するこ
とを特徴とする薬剤含有粘着シート。 - 【請求項2】 前記揮散性薬剤は、l−メントールであ
ることを特徴とする薬剤含有粘着シート。 - 【請求項3】 多数の孔が存在するシート状の支持体上
に、多数の孔が存在する薬剤含有粘着剤層が形成された
薬剤含有粘着シートの製造方法であって、 多数の孔が存在する支持体上に、多数の孔が存在する粘
着剤層が形成された粘着シート材に、当該粘着シート材
の支持体表面から、薬剤を含有する溶液を塗布して、前
記薬剤含有粘着剤層を形成させる工程を有することを特
徴とする薬剤含有粘着シートの製造方法。 - 【請求項4】 前記多数の孔が存在する支持体は、不織
布である請求項3に記載の薬剤含有粘着シートの製造方
法。 - 【請求項5】 前記粘着剤層は、多孔質粘着剤層である
請求項3又は4に記載の薬剤含有粘着シートの製造方
法。 - 【請求項6】 孔が存在しない支持体上に、孔が存在し
ない粘着剤層を形成した粘着シート材に、多数の孔を穿
孔した後、薬剤を含有する溶液を塗布することを特徴と
する請求項3に記載の薬剤含有粘着シートの製造方法。 - 【請求項7】 前記支持体は、軟質塩化ビニルフィルム
であることを特徴とする請求項6に記載の薬剤含有粘着
シートの製造方法。 - 【請求項8】 前記薬剤は、揮発性薬剤である請求項
3、4、5、6又は7に記載の薬剤含有粘着シートの製
造方法。 - 【請求項9】 前記揮散性薬剤は、l−メントールであ
ることを特徴とする請求項8に記載の薬剤含有粘着シー
トの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29747896A JPH10120555A (ja) | 1996-10-19 | 1996-10-19 | 薬剤含有粘着シート及び薬剤含有粘着シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29747896A JPH10120555A (ja) | 1996-10-19 | 1996-10-19 | 薬剤含有粘着シート及び薬剤含有粘着シートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10120555A true JPH10120555A (ja) | 1998-05-12 |
Family
ID=17847025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29747896A Pending JPH10120555A (ja) | 1996-10-19 | 1996-10-19 | 薬剤含有粘着シート及び薬剤含有粘着シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10120555A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6244265B1 (en) | 1997-01-29 | 2001-06-12 | Peter J. Cronk | Adhesively applied external nasal strips and dilators containing medications and fragrances |
US6276360B1 (en) | 1997-01-29 | 2001-08-21 | Peter J. Cronk | Medicated nasal dilator |
US6550474B1 (en) | 1997-01-29 | 2003-04-22 | Cns, Inc. | Microencapsulated fragrances and methods of coating microcapsules |
US6769428B2 (en) | 1997-01-29 | 2004-08-03 | Peter J. Cronk | Adhesively applied external nasal strips and dilators containing medications and fragrances |
EP1515774A2 (en) * | 2001-12-31 | 2005-03-23 | CNS, Inc. | Nasal devices including dilation and user communication and methods of using same |
KR100836713B1 (ko) | 2007-02-01 | 2008-06-24 | 썬시스템즈(주) | 부위별 스포츠 근육 테이프의 제조방법 |
US8834514B2 (en) | 2006-08-30 | 2014-09-16 | Xennovate Medical Llc | Resilient band medical device |
US8852224B2 (en) | 1997-01-29 | 2014-10-07 | Peter J. Cronk | Therapeutic delivery system |
-
1996
- 1996-10-19 JP JP29747896A patent/JPH10120555A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6244265B1 (en) | 1997-01-29 | 2001-06-12 | Peter J. Cronk | Adhesively applied external nasal strips and dilators containing medications and fragrances |
US6276360B1 (en) | 1997-01-29 | 2001-08-21 | Peter J. Cronk | Medicated nasal dilator |
US6550474B1 (en) | 1997-01-29 | 2003-04-22 | Cns, Inc. | Microencapsulated fragrances and methods of coating microcapsules |
US6769428B2 (en) | 1997-01-29 | 2004-08-03 | Peter J. Cronk | Adhesively applied external nasal strips and dilators containing medications and fragrances |
US7011093B2 (en) | 1997-01-29 | 2006-03-14 | Cns, Inc. | Microencapsulated fragrances and methods of coating microcapsules |
US7013889B2 (en) | 1997-01-29 | 2006-03-21 | Cronk Peter J | Adhesively applied external nasal strips and dilators containing medications and fragrances |
US8852224B2 (en) | 1997-01-29 | 2014-10-07 | Peter J. Cronk | Therapeutic delivery system |
EP1515774A2 (en) * | 2001-12-31 | 2005-03-23 | CNS, Inc. | Nasal devices including dilation and user communication and methods of using same |
EP1515774A4 (en) * | 2001-12-31 | 2009-12-23 | Cns Inc | NOSE DEVICES FOR EXPANDING TISSUE AND ESTABLISHING COMMUNICATION WITH THE USER, AND METHODS OF USING THE SAME |
US8834514B2 (en) | 2006-08-30 | 2014-09-16 | Xennovate Medical Llc | Resilient band medical device |
KR100836713B1 (ko) | 2007-02-01 | 2008-06-24 | 썬시스템즈(주) | 부위별 스포츠 근육 테이프의 제조방법 |
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