JPH10109054A - 静電塗装装置 - Google Patents
静電塗装装置Info
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- JPH10109054A JPH10109054A JP26448196A JP26448196A JPH10109054A JP H10109054 A JPH10109054 A JP H10109054A JP 26448196 A JP26448196 A JP 26448196A JP 26448196 A JP26448196 A JP 26448196A JP H10109054 A JPH10109054 A JP H10109054A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 帯電した塗料粒子が塗装装置自身ないしその
支持機構に付着して汚染することを防止することのでき
る静電塗装装置を提供する。 【解決手段】 塗料を微粒化する機構と該塗料に高電圧
を印加する電極機構を有する静電塗装装置において、高
電圧印加電極(12)の被塗物側先端から被塗物(3
0)とは反対の離間位置に、概略接地された電極(2
0)を備えると共に、該電極に流入する電流値を検出し
て塗装状態を制御することを特徴とする静電塗装装置。
支持機構に付着して汚染することを防止することのでき
る静電塗装装置を提供する。 【解決手段】 塗料を微粒化する機構と該塗料に高電圧
を印加する電極機構を有する静電塗装装置において、高
電圧印加電極(12)の被塗物側先端から被塗物(3
0)とは反対の離間位置に、概略接地された電極(2
0)を備えると共に、該電極に流入する電流値を検出し
て塗装状態を制御することを特徴とする静電塗装装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電塗装装置に関
し、特に、帯電した塗料粒子が塗装装置自身ないしその
支持機構に付着して汚染することを防止するための静電
塗装装置の改良に関する。
し、特に、帯電した塗料粒子が塗装装置自身ないしその
支持機構に付着して汚染することを防止するための静電
塗装装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】静電塗装装置は、塗料を微粒化する機構
と、微粒化した塗料に帯電させる機構と、帯電した塗料
粒子を被塗物近傍に搬送するための運動量を付与する機
構を有する装置であり、特に回転するカップ(「ベル」
と称される場合もある。)、ディスク等の噴霧頭の遠心
力によって塗料を霧化させ、このような噴霧頭に塗料の
帯電および静電場を形成するための高電圧を印加するこ
とを一般的に行なう回転霧化静電塗装装置は、塗着効率
の高い優れた塗装方法を提供できる。
と、微粒化した塗料に帯電させる機構と、帯電した塗料
粒子を被塗物近傍に搬送するための運動量を付与する機
構を有する装置であり、特に回転するカップ(「ベル」
と称される場合もある。)、ディスク等の噴霧頭の遠心
力によって塗料を霧化させ、このような噴霧頭に塗料の
帯電および静電場を形成するための高電圧を印加するこ
とを一般的に行なう回転霧化静電塗装装置は、塗着効率
の高い優れた塗装方法を提供できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したように回転霧
化塗装装置においては、塗料粒子を帯電させることによ
り被塗物への塗着効率を高めることができるという効果
を有するが、被塗物が所定の位置、すなわち塗装装置の
ほぼ正面にない場合には、帯電した塗料粒子が近傍のア
ース位置、すなわち多くの場合、塗装装置自身もしくは
塗装装置の支持機構に付着してこれらを汚してしまうと
いう問題点があった。この汚れは高電圧のリークを引き
起して電圧の印加が出来なくなることがあるばかりか、
極端な場合には発熱して発火する危険性がある。またあ
る程度汚れが堆積すると剥離して被塗物に付着し、塗装
の仕上りを悪化させるという問題も生じていた。このた
め、作業者が頻繁に塗装機の汚れを拭き取る必要があ
り、その作業が煩雑で生産性を低下させてしまうという
問題があった。
化塗装装置においては、塗料粒子を帯電させることによ
り被塗物への塗着効率を高めることができるという効果
を有するが、被塗物が所定の位置、すなわち塗装装置の
ほぼ正面にない場合には、帯電した塗料粒子が近傍のア
ース位置、すなわち多くの場合、塗装装置自身もしくは
塗装装置の支持機構に付着してこれらを汚してしまうと
いう問題点があった。この汚れは高電圧のリークを引き
起して電圧の印加が出来なくなることがあるばかりか、
極端な場合には発熱して発火する危険性がある。またあ
る程度汚れが堆積すると剥離して被塗物に付着し、塗装
の仕上りを悪化させるという問題も生じていた。このた
め、作業者が頻繁に塗装機の汚れを拭き取る必要があ
り、その作業が煩雑で生産性を低下させてしまうという
問題があった。
【0004】かかる問題点は、被塗物が確実に塗装機の
正面に位置することを確認する手段を設けることで解決
することはできるが、位置情報の検出装置が大きく嵩ば
るばかりか、画像処理装置等を使用するとコスト的にも
かさむこととなり問題であった。
正面に位置することを確認する手段を設けることで解決
することはできるが、位置情報の検出装置が大きく嵩ば
るばかりか、画像処理装置等を使用するとコスト的にも
かさむこととなり問題であった。
【0005】また噴霧頭と同極の高圧電極を塗装装置本
体に設置することで、帯電した塗料粒子が塗装装置本体
に付着することを防止することも考えられるが、高電圧
部が外部に露出したものであるため危険である。
体に設置することで、帯電した塗料粒子が塗装装置本体
に付着することを防止することも考えられるが、高電圧
部が外部に露出したものであるため危険である。
【0006】従って、本発明は上記したような従来技術
における問題点を解決することのできる改良された静電
塗装装置を提供することを目的とするものである。本発
明はさらに、帯電した塗料粒子が塗装装置自身ないしそ
の支持機構に付着して汚染することを防止することので
きる静電塗装装置を提供することを目的とするものであ
る。
における問題点を解決することのできる改良された静電
塗装装置を提供することを目的とするものである。本発
明はさらに、帯電した塗料粒子が塗装装置自身ないしそ
の支持機構に付着して汚染することを防止することので
きる静電塗装装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、静電塗装
装置を用いての静電塗装において、被塗物の実際の配置
位置が設定位置よりも離れた位置にあるないしは被塗物
が何らかの理由により存在しなかった場合に起因して生
じる塗装装置本体等への帯電塗料粒子の付着による汚れ
の発生に関して鋭意研究を行なった結果、塗装装置本体
に、ほぼ接地された電極を設け、これに流れ込む電流値
を測定していると、この電流値の増加と塗装装置本体等
への帯電塗料粒子の付着による汚れ量の増大との間に相
関関係があり、しかもこの電流値の増大の立ち上がり開
始時から汚れ量の増大の立ち上がり開始時までには時間
的遅れがあることを見い出し、本発明に到達したもので
ある。
装置を用いての静電塗装において、被塗物の実際の配置
位置が設定位置よりも離れた位置にあるないしは被塗物
が何らかの理由により存在しなかった場合に起因して生
じる塗装装置本体等への帯電塗料粒子の付着による汚れ
の発生に関して鋭意研究を行なった結果、塗装装置本体
に、ほぼ接地された電極を設け、これに流れ込む電流値
を測定していると、この電流値の増加と塗装装置本体等
への帯電塗料粒子の付着による汚れ量の増大との間に相
関関係があり、しかもこの電流値の増大の立ち上がり開
始時から汚れ量の増大の立ち上がり開始時までには時間
的遅れがあることを見い出し、本発明に到達したもので
ある。
【0008】すなわち、上記諸目的を解決する本発明
は、塗料を微粒化する機構と該塗料に高電圧を印加する
電極機構を有する静電塗装装置において、高電圧印加電
極の被塗物側先端から被塗物とは反対の離間位置に、概
略接地された電極を備えると共に、該電極に流入する電
流値を検出して塗装状態を制御することを特徴とする静
電塗装装置である。
は、塗料を微粒化する機構と該塗料に高電圧を印加する
電極機構を有する静電塗装装置において、高電圧印加電
極の被塗物側先端から被塗物とは反対の離間位置に、概
略接地された電極を備えると共に、該電極に流入する電
流値を検出して塗装状態を制御することを特徴とする静
電塗装装置である。
【0009】本発明はさらに、前記塗装状態の制御が、
塗料吐出量の制御、高電圧の印加状態、被塗物の搬送状
態、および作業者への警告からなる群から選ばれてなる
少なくとも1つ以上の制御であることを特徴とする静電
塗装装置を示すものである。本発明はまた、前記した概
略接地された電極と高電圧印加電極の被塗物側先端との
距離が、被塗物の配置想定位置と高電圧印加電極の被塗
物側先端との距離よりも大きいものである静電塗装装置
を示すものである。
塗料吐出量の制御、高電圧の印加状態、被塗物の搬送状
態、および作業者への警告からなる群から選ばれてなる
少なくとも1つ以上の制御であることを特徴とする静電
塗装装置を示すものである。本発明はまた、前記した概
略接地された電極と高電圧印加電極の被塗物側先端との
距離が、被塗物の配置想定位置と高電圧印加電極の被塗
物側先端との距離よりも大きいものである静電塗装装置
を示すものである。
【0010】本発明はさらに、静電塗装装置の外周部
が、前記した概略接地された電極および被塗物へと塗料
粒子を放出する部位を除き、実質的に絶縁物により覆わ
れているものである静電塗装装置を示すものである。
が、前記した概略接地された電極および被塗物へと塗料
粒子を放出する部位を除き、実質的に絶縁物により覆わ
れているものである静電塗装装置を示すものである。
【0011】本発明はまた、上記構成を有する回転霧化
静電塗装装置である静電塗装装置を示すものである。
静電塗装装置である静電塗装装置を示すものである。
【0012】
【作用】このように本発明においては、被塗物とは反対
方向に設けた、ほぼ接地された電極(以下、参照電極と
呼ぶ。)に流れ込む電流値を監視することにより、帯電
した塗料粒子が塗装装置本体に付着する状態にあるかど
うかを予測するものであり、かかる予測に基づいて塗料
吐出量の制御、高電圧の印加の停止、被塗物の搬送停
止、作業者への警告などといったいわゆる塗装状態を制
御するための簡便な指標を得ることができるものであ
る。
方向に設けた、ほぼ接地された電極(以下、参照電極と
呼ぶ。)に流れ込む電流値を監視することにより、帯電
した塗料粒子が塗装装置本体に付着する状態にあるかど
うかを予測するものであり、かかる予測に基づいて塗料
吐出量の制御、高電圧の印加の停止、被塗物の搬送停
止、作業者への警告などといったいわゆる塗装状態を制
御するための簡便な指標を得ることができるものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づき
より詳細に説明する。図1は本発明に係る静電塗装装置
の一実施形態の先端部外観形状を概略示す斜視図であ
り、また図2は参照電極に流れる電流値と塗装装置の汚
れ量との経時的変化を示すグラフであり、さらに図3は
本発明に係る静電塗装装置の別の実施形態の先端部外観
形状を概略示す斜視図である。
より詳細に説明する。図1は本発明に係る静電塗装装置
の一実施形態の先端部外観形状を概略示す斜視図であ
り、また図2は参照電極に流れる電流値と塗装装置の汚
れ量との経時的変化を示すグラフであり、さらに図3は
本発明に係る静電塗装装置の別の実施形態の先端部外観
形状を概略示す斜視図である。
【0014】本発明に係る静電塗装装置10は、図1に
示すように、高電圧印加電極(図1においてはカップ1
2)の被塗物側先端から被塗物30とは反対の離間位置
に、概略接地された参照電極20を備えるものである。
示すように、高電圧印加電極(図1においてはカップ1
2)の被塗物側先端から被塗物30とは反対の離間位置
に、概略接地された参照電極20を備えるものである。
【0015】静電塗装方法においては、静電気力によっ
て塗着効率を高めているために、通常は霧化した塗料粒
子の大部分は被塗物に付着する。例えばカップ等の噴霧
頭を有する回転霧化静電塗装装置においては、高速回転
する噴霧頭の前面中心部位にに供給された塗料は遠心力
によって薄く引伸ばされてカップ外周縁部先端から霧化
され、噴霧頭外周近傍から吹き出すシェーピングエアー
によってカップ前方へと運ばれるが、前記噴霧頭には高
電圧が印加されており噴霧頭外周縁部先端からコロナ放
電がなされるため、接地された被塗物に対して静電場が
形成され、上記のごとく噴霧頭外周縁部先端から放出さ
れた塗料粒子は帯電される。このように帯電した塗料粒
子はクローン力によって被塗物に付着しやすくなるため
に塗着効率が高まることとなるものである。
て塗着効率を高めているために、通常は霧化した塗料粒
子の大部分は被塗物に付着する。例えばカップ等の噴霧
頭を有する回転霧化静電塗装装置においては、高速回転
する噴霧頭の前面中心部位にに供給された塗料は遠心力
によって薄く引伸ばされてカップ外周縁部先端から霧化
され、噴霧頭外周近傍から吹き出すシェーピングエアー
によってカップ前方へと運ばれるが、前記噴霧頭には高
電圧が印加されており噴霧頭外周縁部先端からコロナ放
電がなされるため、接地された被塗物に対して静電場が
形成され、上記のごとく噴霧頭外周縁部先端から放出さ
れた塗料粒子は帯電される。このように帯電した塗料粒
子はクローン力によって被塗物に付着しやすくなるため
に塗着効率が高まることとなるものである。
【0016】このような静電塗装において、静電場形成
による良好な塗装を行なうためには、高電圧印加電極
(カップ12)の先端からの被塗物30の配置想定位置
までの距離A(以下、平均距離と称する。)内に、被塗
物30を配置させる必要がある。なお、このように被塗
物が平均距離A内に配置され良好な塗装がなされている
場合には、被塗物とは反対の方向で、被塗物と電圧印加
電極の外周縁部先端との平均距離Aよりも遠い距離Bの
位置に設けられた参照電極には、通常は殆どコロナ放電
による電流は流れない。
による良好な塗装を行なうためには、高電圧印加電極
(カップ12)の先端からの被塗物30の配置想定位置
までの距離A(以下、平均距離と称する。)内に、被塗
物30を配置させる必要がある。なお、このように被塗
物が平均距離A内に配置され良好な塗装がなされている
場合には、被塗物とは反対の方向で、被塗物と電圧印加
電極の外周縁部先端との平均距離Aよりも遠い距離Bの
位置に設けられた参照電極には、通常は殆どコロナ放電
による電流は流れない。
【0017】しかしながら、被塗物の形状によっては部
分的に前記平均距離Aよりも遠い形状を有する場合や、
極端な場合には被塗物の一部が欠損しているなど予期し
ない欠陥がある場合などには、被塗物が存在しないにも
かかわらず塗装しようとしてしまうことが有り得る。こ
のような場合には、塗料粒子が帯電しているが故に、塗
料粒子は上記シェーピングエアーに抗して最も近くのア
ース体、すなわち塗装装置本体、もしくは塗装装置を支
える支持装置に塗着するという静電塗装故の欠点が生じ
ることとなる。
分的に前記平均距離Aよりも遠い形状を有する場合や、
極端な場合には被塗物の一部が欠損しているなど予期し
ない欠陥がある場合などには、被塗物が存在しないにも
かかわらず塗装しようとしてしまうことが有り得る。こ
のような場合には、塗料粒子が帯電しているが故に、塗
料粒子は上記シェーピングエアーに抗して最も近くのア
ース体、すなわち塗装装置本体、もしくは塗装装置を支
える支持装置に塗着するという静電塗装故の欠点が生じ
ることとなる。
【0018】このような場合には、その前兆として、図
2に示すように参照電極20に流れ込むイオン電流が増
加する。つまり塗装装置への塗料粒子の塗着による汚れ
は、参照電極の電流値の増加の立上がりに遅れて生じ
る。
2に示すように参照電極20に流れ込むイオン電流が増
加する。つまり塗装装置への塗料粒子の塗着による汚れ
は、参照電極の電流値の増加の立上がりに遅れて生じ
る。
【0019】したがって、塗装実施時に参照電極20に
流れ込む電流値を監視しておき、参照電極20に流れる
電流値が規定値を越えたら、適当な方法により塗装状態
を制御することにより、塗装装置本体等の汚れを最小限
に止めることができる。
流れ込む電流値を監視しておき、参照電極20に流れる
電流値が規定値を越えたら、適当な方法により塗装状態
を制御することにより、塗装装置本体等の汚れを最小限
に止めることができる。
【0020】参照電極20に流れる電流値は、参照電極
20に電気的に接続された電流値モニタ用電流計21の
表示値を監視者が直接監視することも可能であるが、通
常はこの電流計21からの計測値を電気信号として常時
ないしは一定間隔毎にマイクロコンピュータ等の演算装
置(図示せず)に送り、この演算装置において、計測値
が規定値以内にあるか否かを判断させ、規定値を越えた
場合に、塗装状態を制御するプログラムが起動するよう
に構成しておけば良い。
20に電気的に接続された電流値モニタ用電流計21の
表示値を監視者が直接監視することも可能であるが、通
常はこの電流計21からの計測値を電気信号として常時
ないしは一定間隔毎にマイクロコンピュータ等の演算装
置(図示せず)に送り、この演算装置において、計測値
が規定値以内にあるか否かを判断させ、規定値を越えた
場合に、塗装状態を制御するプログラムが起動するよう
に構成しておけば良い。
【0021】前記塗装状態の制御は、例えば、塗料の吐
出を絞るないしは停止するといった塗料吐出量の制御に
よってなされ得るが、該電流値の大きさによっては、ベ
ル、ブザー等の音声発生手段ないしはランプ等の発光手
段等によって作業者に警告を発したり、被塗物の搬送を
停止したり、高電圧の印加を停止する等の対応を取るこ
とも可能であり、もちろん、これらの制御を複数組合せ
て行なうことも可能である。
出を絞るないしは停止するといった塗料吐出量の制御に
よってなされ得るが、該電流値の大きさによっては、ベ
ル、ブザー等の音声発生手段ないしはランプ等の発光手
段等によって作業者に警告を発したり、被塗物の搬送を
停止したり、高電圧の印加を停止する等の対応を取るこ
とも可能であり、もちろん、これらの制御を複数組合せ
て行なうことも可能である。
【0022】また、参照電極20は、必ずしも完全に接
地されている必要はなく、ある程度の長さのアース線等
によって静電塗装装置よりも十分に離れた安全な位置ま
で電流を導けるように構成されていれば良い。
地されている必要はなく、ある程度の長さのアース線等
によって静電塗装装置よりも十分に離れた安全な位置ま
で電流を導けるように構成されていれば良い。
【0023】本発明の静電塗装装置において、このよう
な参照電極に流れる電流値の監視による異常な塗装状態
の予防効果を安定に得るためには、参照電極と高電圧印
加電極の被塗物側先端との距離Bが、前記平均距離Aよ
りも大きい(A<B)ものであることが望ましい。なお
距離Bは、塗装装置の形状、大きさによっても左右され
るものであるため特に限定されるものではないが、例え
ば距離Aの1〜3倍、より好ましくは1.2〜1.5倍
程度とされる。さらに、このような参照電極と高電圧印
加電極(噴霧頭)との間に、接地された導電体を設ける
べきではなく、塗装装置本体外表面は電気絶縁物で覆わ
れていることが望まれる。また参照電極の配置位置より
もさらに被塗物から離れた部位に参照電極以外の接地体
があることは必ずしも本発明の効果を損なうものではな
いが、参照電極の検出性能を安定にするためには、これ
らの部位、特に参照電極の近傍部位も絶縁物で覆われて
いることが望ましい。このような電気絶縁性の被覆とし
ては、多くの場合には塗装で十分であるが、必要であれ
ば、図1に示すように電気絶縁性のカバー22で塗装装
置外表面を囲繞するなどといった態様を取ることも可能
である。さらに同様の理由から塗装装置の支持機構表面
にもこのような電気絶縁性の被覆を設けることが望まし
い。
な参照電極に流れる電流値の監視による異常な塗装状態
の予防効果を安定に得るためには、参照電極と高電圧印
加電極の被塗物側先端との距離Bが、前記平均距離Aよ
りも大きい(A<B)ものであることが望ましい。なお
距離Bは、塗装装置の形状、大きさによっても左右され
るものであるため特に限定されるものではないが、例え
ば距離Aの1〜3倍、より好ましくは1.2〜1.5倍
程度とされる。さらに、このような参照電極と高電圧印
加電極(噴霧頭)との間に、接地された導電体を設ける
べきではなく、塗装装置本体外表面は電気絶縁物で覆わ
れていることが望まれる。また参照電極の配置位置より
もさらに被塗物から離れた部位に参照電極以外の接地体
があることは必ずしも本発明の効果を損なうものではな
いが、参照電極の検出性能を安定にするためには、これ
らの部位、特に参照電極の近傍部位も絶縁物で覆われて
いることが望ましい。このような電気絶縁性の被覆とし
ては、多くの場合には塗装で十分であるが、必要であれ
ば、図1に示すように電気絶縁性のカバー22で塗装装
置外表面を囲繞するなどといった態様を取ることも可能
である。さらに同様の理由から塗装装置の支持機構表面
にもこのような電気絶縁性の被覆を設けることが望まし
い。
【0024】また反発電極などのように、高電圧印加電
極と同極に印加された電極が、高電圧印加電極と参照電
極との中間に存在する場合には、この電流の監視による
塗装装置の汚れ防止という効果が少なく、また被塗物が
前記平均距離よりも離れた位置に存在した状態となって
も前記参照電極には殆ど電流が流れず、電流値の変化に
よる塗装状態の制御という操作が困難となる。反発電極
の接地により塗装装置自体の汚れはある程度防止できる
ものの、反発電極設置位置よりも遠い位置にある塗装装
置の支持装置等が汚れやくなる傾向があるため、反発電
極の使用はあまり望ましくない。
極と同極に印加された電極が、高電圧印加電極と参照電
極との中間に存在する場合には、この電流の監視による
塗装装置の汚れ防止という効果が少なく、また被塗物が
前記平均距離よりも離れた位置に存在した状態となって
も前記参照電極には殆ど電流が流れず、電流値の変化に
よる塗装状態の制御という操作が困難となる。反発電極
の接地により塗装装置自体の汚れはある程度防止できる
ものの、反発電極設置位置よりも遠い位置にある塗装装
置の支持装置等が汚れやくなる傾向があるため、反発電
極の使用はあまり望ましくない。
【0025】前記参照電極の構成材料としては電気伝導
体であれば特に限定されず、例えばステンレス、真鍮、
アルミニウムないしアルミニウム合金等の金属材料や導
電性金属酸化物、さらに導電性塗料あるいは導電性樹脂
等を用いることが可能である。導電性塗料ないし導電性
樹脂組成物における、導電性フィラーとしては、カーボ
ン粒子、銀粒子などの既存のもので良く、また樹脂成分
としては、例えばエポキシ系、フッ素系等の耐溶剤性に
優れたものであることが望ましいが、特にこれらに限定
されるものではない。
体であれば特に限定されず、例えばステンレス、真鍮、
アルミニウムないしアルミニウム合金等の金属材料や導
電性金属酸化物、さらに導電性塗料あるいは導電性樹脂
等を用いることが可能である。導電性塗料ないし導電性
樹脂組成物における、導電性フィラーとしては、カーボ
ン粒子、銀粒子などの既存のもので良く、また樹脂成分
としては、例えばエポキシ系、フッ素系等の耐溶剤性に
優れたものであることが望ましいが、特にこれらに限定
されるものではない。
【0026】また、この参照電極は、金属材料の薄板等
を直接加工して、あるいは適当な基材表面に導電性塗料
塗装、金属蒸着、無電解メッキ、スパッタ、CVD等の
方法によって導電性薄膜を形成することによって得るこ
とが可能である。特に上記したように塗装装置本体外周
を電気絶縁性カバーによって囲繞するような態様におい
ては、導電性塗料を用いるとコスト的に安価にかつ施工
性も容易に所定形状の電極を形成することができるため
に望ましい。
を直接加工して、あるいは適当な基材表面に導電性塗料
塗装、金属蒸着、無電解メッキ、スパッタ、CVD等の
方法によって導電性薄膜を形成することによって得るこ
とが可能である。特に上記したように塗装装置本体外周
を電気絶縁性カバーによって囲繞するような態様におい
ては、導電性塗料を用いるとコスト的に安価にかつ施工
性も容易に所定形状の電極を形成することができるため
に望ましい。
【0027】さらに、この参照電極の電極面の大きさ
は、特に限定されるものではないが、電流値の変動を良
好かつ確実に検知できるように、例えば、幅10〜30
mm程度のものとされる。また電極面は、必ずしも塗装
装置本体廻りの全周にわたり存在させる必要はないが、
極端に周面のある一部のみにしか設けておかなかった場
合、他の方位のある局所に電場が形成されようとする現
象が生じてもこのような変化を捕えることができないた
め、確実に電流値の変動を検知することができるよう
に、実質的に全周にわたり存在させておくことが望まし
い。
は、特に限定されるものではないが、電流値の変動を良
好かつ確実に検知できるように、例えば、幅10〜30
mm程度のものとされる。また電極面は、必ずしも塗装
装置本体廻りの全周にわたり存在させる必要はないが、
極端に周面のある一部のみにしか設けておかなかった場
合、他の方位のある局所に電場が形成されようとする現
象が生じてもこのような変化を捕えることができないた
め、確実に電流値の変動を検知することができるよう
に、実質的に全周にわたり存在させておくことが望まし
い。
【0028】さらに参照電極20は、図3に示す実施態
様におけるように塗装装置本体ないしこれを囲繞する合
成樹脂製カバー22から浮かせて配置しても良い。この
場合、検出性能は向上するが、一方で汚れを洗浄しにく
くなるという欠点もある。
様におけるように塗装装置本体ないしこれを囲繞する合
成樹脂製カバー22から浮かせて配置しても良い。この
場合、検出性能は向上するが、一方で汚れを洗浄しにく
くなるという欠点もある。
【0029】以上、本発明に係る静電塗装装置につい
て、回転霧化静電塗装装置の場合を例にとり説明してき
たが、本発明においては被塗物とは反対側に参照電極を
設けることによって塗装装置自体の汚れを防止するとい
う機能を得ることができるものであり、これは自動的に
塗装する装置において、特に静電気を印加する機構を有
するものには共通の利点をもたらすものであるため、前
記したような回転霧化静電塗装装置に何ら限定されるこ
となく、各種の静電塗装装置に適用可能である。但し、
作業者が直接操作して塗装を行なう場合に用いられる装
置、例えば静電ハンドガン等の場合には、被塗物と塗装
装置との距離の加減、塗装装置への塗料の付着状態の判
断等を作業者が直接行なえるため、このような参照電極
の形成と当該参照電極へ流れる電流値の監視は、あまり
必要のないものと思われる。また本発明の有効な作用を
得る上からは、コロナ放電量が多い態様の装置が望まし
く、接触帯電のみによって帯電させるような、例えば摩
擦帯電粉体塗装装置等の場合には検出能力が低下すると
いった問題も生じる。しかしながら、このような装置で
あっても塗装装置の汚れを最小限にするという利点は得
られるものである。
て、回転霧化静電塗装装置の場合を例にとり説明してき
たが、本発明においては被塗物とは反対側に参照電極を
設けることによって塗装装置自体の汚れを防止するとい
う機能を得ることができるものであり、これは自動的に
塗装する装置において、特に静電気を印加する機構を有
するものには共通の利点をもたらすものであるため、前
記したような回転霧化静電塗装装置に何ら限定されるこ
となく、各種の静電塗装装置に適用可能である。但し、
作業者が直接操作して塗装を行なう場合に用いられる装
置、例えば静電ハンドガン等の場合には、被塗物と塗装
装置との距離の加減、塗装装置への塗料の付着状態の判
断等を作業者が直接行なえるため、このような参照電極
の形成と当該参照電極へ流れる電流値の監視は、あまり
必要のないものと思われる。また本発明の有効な作用を
得る上からは、コロナ放電量が多い態様の装置が望まし
く、接触帯電のみによって帯電させるような、例えば摩
擦帯電粉体塗装装置等の場合には検出能力が低下すると
いった問題も生じる。しかしながら、このような装置で
あっても塗装装置の汚れを最小限にするという利点は得
られるものである。
【0030】さらに本発明に係る静電塗装装置におい
て、上記に説明したような参照電極を設けるという静電
塗装装置の外部構成部分以外の構成部分については、従
来知られる静電塗装装置における各種の態様のいずれを
も用いることができる。
て、上記に説明したような参照電極を設けるという静電
塗装装置の外部構成部分以外の構成部分については、従
来知られる静電塗装装置における各種の態様のいずれを
も用いることができる。
【0031】例えば、前記した回転霧化静電塗装装置の
場合を例にとると、噴霧頭としては、図1に例示される
ようなカップ状のもの限定されず、ディスク状等のその
他の形状のものも採用することができる。また前記にお
いては噴霧頭を金属製のものとしてこれ自体を高電圧印
加電極としたが、噴霧頭を樹脂等の絶縁性材料により構
成し、別途高電圧印加電極を設けることも可能である。
なお噴霧頭本体が絶縁性材料により構成され、後面に高
電圧印加電極を有する噴霧頭の構造としては、本発明者
らが先に出願した特願平7−291394号に詳細に述
べられているが、以下に簡単に説明する。
場合を例にとると、噴霧頭としては、図1に例示される
ようなカップ状のもの限定されず、ディスク状等のその
他の形状のものも採用することができる。また前記にお
いては噴霧頭を金属製のものとしてこれ自体を高電圧印
加電極としたが、噴霧頭を樹脂等の絶縁性材料により構
成し、別途高電圧印加電極を設けることも可能である。
なお噴霧頭本体が絶縁性材料により構成され、後面に高
電圧印加電極を有する噴霧頭の構造としては、本発明者
らが先に出願した特願平7−291394号に詳細に述
べられているが、以下に簡単に説明する。
【0032】噴霧頭を構成する絶縁性材料としては、使
用される塗料組成物、特に溶剤等に対して十分な耐性を
有しかつ絶縁性のものであれば特に限定されるものでは
なく、使用される塗料組成物の種類によっても左右され
るが、例えば、ポリエーテルエーテルケトンなどの各種
の合成樹脂が好ましく用いられ得る。
用される塗料組成物、特に溶剤等に対して十分な耐性を
有しかつ絶縁性のものであれば特に限定されるものでは
なく、使用される塗料組成物の種類によっても左右され
るが、例えば、ポリエーテルエーテルケトンなどの各種
の合成樹脂が好ましく用いられ得る。
【0033】また、このような噴霧頭の後面設けられる
高電圧印加電極は、噴霧頭の後面に直接接触させて形成
することも、あるいは噴霧頭の後面より所定距離、例え
ば、1〜10mm程度の距離を離間させて別体的に形成
することも可能であるが、噴霧頭の後面に直接接触させ
て形成する態様が望ましい。なお水系塗料を使用するな
どの特殊な場合には外部に放電電極を設けたほうが望ま
しい場合もある。例えば、導電性塗料、金属蒸着膜、導
電性金属酸化物の蒸着膜、無電解メッキ膜、スパッタ
膜、CVD膜等によって噴霧頭の後面に直接放電電極を
形成することが可能である。もちろん金属薄板を貼着す
るといった態様も採用可能である。このような高電圧印
加電極は、前記噴霧頭の後面に全面的に形成されたもの
であってもかまわないが、望ましくは、噴霧頭の中心部
よりある特定の複数方向、例えば2〜12つ程度の方向
のみに局部的に外方に延長された形態、平易に言えば、
略星型の形態であることがコロナ放電量の増加に有効で
あり、望ましい。さらに、このように複数の高電圧印加
電極が形成される場合、互いに独立した10KΩ〜50
0MΩの抵抗を介して共通の高電圧発生装置に接続され
ていることとすることが放電の安定化に望ましい。
高電圧印加電極は、噴霧頭の後面に直接接触させて形成
することも、あるいは噴霧頭の後面より所定距離、例え
ば、1〜10mm程度の距離を離間させて別体的に形成
することも可能であるが、噴霧頭の後面に直接接触させ
て形成する態様が望ましい。なお水系塗料を使用するな
どの特殊な場合には外部に放電電極を設けたほうが望ま
しい場合もある。例えば、導電性塗料、金属蒸着膜、導
電性金属酸化物の蒸着膜、無電解メッキ膜、スパッタ
膜、CVD膜等によって噴霧頭の後面に直接放電電極を
形成することが可能である。もちろん金属薄板を貼着す
るといった態様も採用可能である。このような高電圧印
加電極は、前記噴霧頭の後面に全面的に形成されたもの
であってもかまわないが、望ましくは、噴霧頭の中心部
よりある特定の複数方向、例えば2〜12つ程度の方向
のみに局部的に外方に延長された形態、平易に言えば、
略星型の形態であることがコロナ放電量の増加に有効で
あり、望ましい。さらに、このように複数の高電圧印加
電極が形成される場合、互いに独立した10KΩ〜50
0MΩの抵抗を介して共通の高電圧発生装置に接続され
ていることとすることが放電の安定化に望ましい。
【0034】また、前記噴霧頭および高電圧印加電極を
回転させるモータとしては、電力による電動モータ、空
気圧によるエアモータなどのいずれを使用することがで
き、高電圧発生装置としてもこのような駆動方式に応じ
た適当な電圧を発生し得る任意の装置を用いることがで
きる。また、塗料供給系としても、水系、有機溶剤系、
ハイソリッド型、2液性ハイソリッド型などといった対
象とする塗料の種類に応じて、適当な容量、吐出量を有
するポンプ、例えばギアポンプなどを使用し、さらに適
宜、ポンプ回転数を遠隔制御する駆動装置、スタティッ
クミキサーなどのミキシング装置等を使用することが可
能である。また、スパークガードシステム、定電圧装
置、消火設備などといった安全装置、その他、各種絶縁
部品および防爆部品の使用としても従来公知の各種態様
を採用し得る。また本発明に係る参照電極の電流量の監
視およびこれに係る制御装置とは別途に、装置の監視お
よび異常時の急停止を行なうその他の公知の制御装置を
設けることも可能である。
回転させるモータとしては、電力による電動モータ、空
気圧によるエアモータなどのいずれを使用することがで
き、高電圧発生装置としてもこのような駆動方式に応じ
た適当な電圧を発生し得る任意の装置を用いることがで
きる。また、塗料供給系としても、水系、有機溶剤系、
ハイソリッド型、2液性ハイソリッド型などといった対
象とする塗料の種類に応じて、適当な容量、吐出量を有
するポンプ、例えばギアポンプなどを使用し、さらに適
宜、ポンプ回転数を遠隔制御する駆動装置、スタティッ
クミキサーなどのミキシング装置等を使用することが可
能である。また、スパークガードシステム、定電圧装
置、消火設備などといった安全装置、その他、各種絶縁
部品および防爆部品の使用としても従来公知の各種態様
を採用し得る。また本発明に係る参照電極の電流量の監
視およびこれに係る制御装置とは別途に、装置の監視お
よび異常時の急停止を行なうその他の公知の制御装置を
設けることも可能である。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0036】図4は、本発明に係る静電塗装装置の一実
施例としての回転霧化静電塗装装置の先端部構造を概略
示す断面図である。この実施例の装置において、装置内
部に組込まれたモータの中空シャフト11の先端部に
は、噴霧頭としての金属製カップ12が固定されてお
り、一方中空シャフト11の内部には図示しない塗料ポ
ンプに連通する塗料ノズル13が配してあり、その先端
開口部は金属製カップ12内部に位置し、カップ12の
前面側中央部位に開口する塗料出口孔14(多数の細孔
が環状に配されている。)に連通している。また前記カ
ップ12の後面側には、前記中空シャフト11の外周を
定間隔をもって囲繞するエアリング15が取付けられて
おり、このエアリング15内部には、カップ12の後面
に対向する先端面に開口する数多くのエア出口孔16
と、側面側に開口するエア導入口17とを結ぶリング状
マニホールドが形成されており、このエア導入口17は
図示しないエア供給ポンプに連通している。また、前記
中空シャフト11は、図示しない高電圧発生装置がケー
ブル等により電気的に接続され、中空シャフト11と導
通するカップ12に所定の印加電圧を負荷できるように
なっている。
施例としての回転霧化静電塗装装置の先端部構造を概略
示す断面図である。この実施例の装置において、装置内
部に組込まれたモータの中空シャフト11の先端部に
は、噴霧頭としての金属製カップ12が固定されてお
り、一方中空シャフト11の内部には図示しない塗料ポ
ンプに連通する塗料ノズル13が配してあり、その先端
開口部は金属製カップ12内部に位置し、カップ12の
前面側中央部位に開口する塗料出口孔14(多数の細孔
が環状に配されている。)に連通している。また前記カ
ップ12の後面側には、前記中空シャフト11の外周を
定間隔をもって囲繞するエアリング15が取付けられて
おり、このエアリング15内部には、カップ12の後面
に対向する先端面に開口する数多くのエア出口孔16
と、側面側に開口するエア導入口17とを結ぶリング状
マニホールドが形成されており、このエア導入口17は
図示しないエア供給ポンプに連通している。また、前記
中空シャフト11は、図示しない高電圧発生装置がケー
ブル等により電気的に接続され、中空シャフト11と導
通するカップ12に所定の印加電圧を負荷できるように
なっている。
【0037】この実施態様の装置において、塗料は、カ
ップの回転軸の中心に位置する塗料ノズル13を通っ
て、塗料出口孔14からカップ12前面(カップ内面)
に供給される。このカップ12はモータによって高速回
転されているために、カップ前面に供給された塗料は遠
心力によってカップ前面を伝って薄く引伸ばされ、カッ
プ外周縁部へと向い、カップ外周縁部から霧状に放出さ
れる。放出された塗料粒子は、エアリング15のエア出
口孔16より噴出されるシェーピングエアと称されるパ
ターン調節用エアによって所望のパターンにコントロー
ルされ被塗物方向に運ばれる。一方、金属製カップには
高電圧が印加されているためにカップ先端から被塗物に
向ってコロナ放電が行われている。上記塗料粒子にはカ
ップに接触することによって得られる帯電のほかにコロ
ナ放電によって更に帯電され、このように帯電された塗
料粒子は、被塗物30が所定の平均距離A(本実施例の
場合約250mm)内にある場合、クローン力によって
効率良く被塗物へと付着するものである。
ップの回転軸の中心に位置する塗料ノズル13を通っ
て、塗料出口孔14からカップ12前面(カップ内面)
に供給される。このカップ12はモータによって高速回
転されているために、カップ前面に供給された塗料は遠
心力によってカップ前面を伝って薄く引伸ばされ、カッ
プ外周縁部へと向い、カップ外周縁部から霧状に放出さ
れる。放出された塗料粒子は、エアリング15のエア出
口孔16より噴出されるシェーピングエアと称されるパ
ターン調節用エアによって所望のパターンにコントロー
ルされ被塗物方向に運ばれる。一方、金属製カップには
高電圧が印加されているためにカップ先端から被塗物に
向ってコロナ放電が行われている。上記塗料粒子にはカ
ップに接触することによって得られる帯電のほかにコロ
ナ放電によって更に帯電され、このように帯電された塗
料粒子は、被塗物30が所定の平均距離A(本実施例の
場合約250mm)内にある場合、クローン力によって
効率良く被塗物へと付着するものである。
【0038】しかして、この実施例の塗装装置の外表面
は、合成樹脂製カバー22により覆われており、カップ
12の外周縁部先端から距離B(本実施例の場合約30
0mm)離れた位置には、前記カバー22の外表面にス
テンレス鋼製の幅約30mmの帯状体が全周にわたり被
着され参照電極20を形成しており、この参照電極20
はアース線23により接地されている。またこのアース
線23の途中には、電流値モニタ用電流計21が設けら
れており、この電流計21には図示しないマイクロコン
ピュータが電気的に接続されており、電流計21で検知
した電流値が電気信号として当該マイクロコンピュータ
へと常時入力される。このマイクロコンピュータには、
入力された電流値が設定値、例えば20μA以内にある
か否かを判断し、電流値を越えた場合、例えば設定値を
0.3秒間にわたり越えしかもその電流値が増加する傾
向があると判断した場合には、塗料ポンプを制御する機
構に対し停止信号を発すると共に、音声警告装置に対し
作動信号を発するようなプログラムが組込まれている。
従って、被塗物塗装時において何らかの原因で、塗装装
置前面の平均距離A内に被塗物が存在しない状態が生じ
た場合には、塗料吐出が停止され同時に警告が発せられ
るので、塗装装置本体ないしその支持機構に塗料粒子が
付着して汚れることが最小限に止められると共に、作業
者にこの状態を認識させることができるものとされてい
る。
は、合成樹脂製カバー22により覆われており、カップ
12の外周縁部先端から距離B(本実施例の場合約30
0mm)離れた位置には、前記カバー22の外表面にス
テンレス鋼製の幅約30mmの帯状体が全周にわたり被
着され参照電極20を形成しており、この参照電極20
はアース線23により接地されている。またこのアース
線23の途中には、電流値モニタ用電流計21が設けら
れており、この電流計21には図示しないマイクロコン
ピュータが電気的に接続されており、電流計21で検知
した電流値が電気信号として当該マイクロコンピュータ
へと常時入力される。このマイクロコンピュータには、
入力された電流値が設定値、例えば20μA以内にある
か否かを判断し、電流値を越えた場合、例えば設定値を
0.3秒間にわたり越えしかもその電流値が増加する傾
向があると判断した場合には、塗料ポンプを制御する機
構に対し停止信号を発すると共に、音声警告装置に対し
作動信号を発するようなプログラムが組込まれている。
従って、被塗物塗装時において何らかの原因で、塗装装
置前面の平均距離A内に被塗物が存在しない状態が生じ
た場合には、塗料吐出が停止され同時に警告が発せられ
るので、塗装装置本体ないしその支持機構に塗料粒子が
付着して汚れることが最小限に止められると共に、作業
者にこの状態を認識させることができるものとされてい
る。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、静電
塗装装置において被塗物とは反対方向に、ほぼ接地され
た参照電極を設け、この参照電極に流れ込む電流値を監
視することにより、帯電した塗料粒子が塗装装置本体に
付着する状態にあるかどうかを予測するものであり、か
かる予測に基づいて塗料吐出量の制御、高電圧の印加の
停止、被塗物の搬送停止、作業者への警告などといった
いわゆる塗装状態を制御するための簡便な指標を得るこ
とができるものであるから、何らかの原因によって被塗
物が所定位置に配置されていない場合において、塗料粒
子が塗装装置本体等に付着し汚れが発生することを最小
限に止めることが可能となり、この汚れに起因する、高
電圧のリークによる電圧印加不能、さらには発熱による
発火の危険性、さらに堆積した汚れが剥離して被塗物に
付着することによる塗装の仕上りの悪化、作業者による
頻繁な塗装機の汚れの除去必要性による生産性の低下と
いった不具合の発生を、簡便かつコンパクトな構成によ
って未然に防止できるものである。
塗装装置において被塗物とは反対方向に、ほぼ接地され
た参照電極を設け、この参照電極に流れ込む電流値を監
視することにより、帯電した塗料粒子が塗装装置本体に
付着する状態にあるかどうかを予測するものであり、か
かる予測に基づいて塗料吐出量の制御、高電圧の印加の
停止、被塗物の搬送停止、作業者への警告などといった
いわゆる塗装状態を制御するための簡便な指標を得るこ
とができるものであるから、何らかの原因によって被塗
物が所定位置に配置されていない場合において、塗料粒
子が塗装装置本体等に付着し汚れが発生することを最小
限に止めることが可能となり、この汚れに起因する、高
電圧のリークによる電圧印加不能、さらには発熱による
発火の危険性、さらに堆積した汚れが剥離して被塗物に
付着することによる塗装の仕上りの悪化、作業者による
頻繁な塗装機の汚れの除去必要性による生産性の低下と
いった不具合の発生を、簡便かつコンパクトな構成によ
って未然に防止できるものである。
【0040】さらに本発明において、前記した概略接地
された電極と高電圧印加電極の被塗物側先端との距離
が、被塗物の配置想定位置と高電圧印加電極の被塗物側
先端との距離よりも大きいものであり、静電塗装装置の
外周部が、前記した概略接地された電極および被塗物へ
と塗料粒子を放出する部位を除き、実質的に絶縁物によ
り覆われているものであると、被塗物の異常配置により
前記参照電極において検知される電流値の変化は、より
顕著にかつ確実に生じるものとなり、より安定してこの
ような異常状態を検知することが可能となる。
された電極と高電圧印加電極の被塗物側先端との距離
が、被塗物の配置想定位置と高電圧印加電極の被塗物側
先端との距離よりも大きいものであり、静電塗装装置の
外周部が、前記した概略接地された電極および被塗物へ
と塗料粒子を放出する部位を除き、実質的に絶縁物によ
り覆われているものであると、被塗物の異常配置により
前記参照電極において検知される電流値の変化は、より
顕著にかつ確実に生じるものとなり、より安定してこの
ような異常状態を検知することが可能となる。
【図1】 本発明に係る静電塗装装置の一実施態様の先
端部外観形状を概略示す斜視図、
端部外観形状を概略示す斜視図、
【図2】 参照電極に流れる電流値と塗装装置の汚れ量
との経時的変化を示すグラフ、
との経時的変化を示すグラフ、
【図3】 本発明に係る静電塗装装置の別の実施態様の
先端部外観形状を概略示す斜視図、
先端部外観形状を概略示す斜視図、
【図4】 本発明に係る静電塗装装置の一実施例として
の回転霧化静電塗装装置の先端部構造を概略示す断面
図。
の回転霧化静電塗装装置の先端部構造を概略示す断面
図。
10…静電塗装装置、 11…中空シャフト、 12…カップ(高電圧印加電極)、 13…塗料供給ノズル、 14…塗料供給口、 15…エアリング、 16…エア出口孔、 17…エア導入口、 20…参照電極、 21…電流値モニタ用電流計、 22…合成樹脂製カバー、 23…アース線、 30…被塗物、 A…高電圧印加電極(カップ12)の先端からの被塗物
の配置想定位置までの距離。 B…高電圧印加電極の先端から参照電極までの距離。
の配置想定位置までの距離。 B…高電圧印加電極の先端から参照電極までの距離。
Claims (5)
- 【請求項1】 塗料を微粒化する機構と該塗料に高電圧
を印加する電極機構を有する静電塗装装置において、高
電圧印加電極の被塗物側先端から被塗物とは反対の離間
位置に、概略接地された電極を備えると共に、該電極に
流入する電流値を検出して塗装状態を制御することを特
徴とする静電塗装装置。 - 【請求項2】 前記塗装状態の制御が、塗料吐出量の制
御、高電圧の印加状態、被塗物の搬送状態、および作業
者への警告からなる群から選ばれてなる少なくとも1つ
以上の制御であることを特徴とする請求項1に記載の静
電塗装装置。 - 【請求項3】 前記した概略接地された電極と高電圧印
加電極の被塗物側先端との距離が、被塗物の配置想定位
置と高電圧印加電極の被塗物側先端との距離よりも大き
いものである請求項1または2に記載の静電塗装装置。 - 【請求項4】 静電塗装装置の外周部が、前記した概略
接地された電極および被塗物へと塗料粒子を放出する部
位を除き、実質的に絶縁物により覆われているものであ
る請求項1〜3のいずれかに記載の静電塗装装置。 - 【請求項5】 静電塗装装置が回転霧化静電塗装装置で
ある請求項1〜4のいずれかに記載の静電塗装装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26448196A JPH10109054A (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 静電塗装装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26448196A JPH10109054A (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 静電塗装装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10109054A true JPH10109054A (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17403841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26448196A Withdrawn JPH10109054A (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 静電塗装装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10109054A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007015337A1 (ja) * | 2005-08-01 | 2007-02-08 | Abb K.K. | 静電塗装装置 |
JP2008000751A (ja) * | 2005-08-01 | 2008-01-10 | Abb Kk | 静電塗装装置 |
JP2010279931A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Asahi Sunac Corp | 静電塗装用スプレーガン |
US8434702B2 (en) | 2005-07-29 | 2013-05-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electrostatic coating system |
WO2013125478A1 (ja) | 2012-02-20 | 2013-08-29 | ランズバーグ・インダストリー株式会社 | 静電塗装ケーブル保全装置 |
EP2859955A4 (en) * | 2012-06-06 | 2016-03-02 | DEVICE FOR ELECTROSTATIC PAINTING |
-
1996
- 1996-10-04 JP JP26448196A patent/JPH10109054A/ja not_active Withdrawn
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8434702B2 (en) | 2005-07-29 | 2013-05-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electrostatic coating system |
US8002208B2 (en) | 2005-08-01 | 2011-08-23 | Abb K.K. | Electrostatic coating apparatus |
JP4612048B2 (ja) * | 2005-08-01 | 2011-01-12 | Abb株式会社 | 静電塗装装置 |
JPWO2007015337A1 (ja) * | 2005-08-01 | 2009-02-19 | Abb株式会社 | 静電塗装装置 |
US7546962B2 (en) | 2005-08-01 | 2009-06-16 | Abb K.K. | Electrostatic coating apparatus |
KR100904009B1 (ko) | 2005-08-01 | 2009-06-22 | 에이비비 가부시키가이샤 | 정전 도장 장치 |
KR100904008B1 (ko) | 2005-08-01 | 2009-06-22 | 에이비비 가부시키가이샤 | 정전 도장 장치 |
JP2008000751A (ja) * | 2005-08-01 | 2008-01-10 | Abb Kk | 静電塗装装置 |
US7661610B2 (en) | 2005-08-01 | 2010-02-16 | Abb K.K. | Electrostatic coating device |
JP4612030B2 (ja) * | 2005-08-01 | 2011-01-12 | Abb株式会社 | 静電塗装装置 |
WO2007015335A1 (ja) * | 2005-08-01 | 2007-02-08 | Abb K.K. | 静電塗装装置 |
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