JPH0985778A - アクリルインサートフィルムとアクリルインサート成形品の製造方法 - Google Patents
アクリルインサートフィルムとアクリルインサート成形品の製造方法Info
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Abstract
融着性や耐可塑剤移行性も良好であるアクリルインサー
トフィルムと、生産効率の良好なアクリルインサート成
形品の製造方法を提供する。 【構成】 アクリル樹脂を主成分とする透明な基体シー
ト1の表面に、セルロース系樹脂を有する透明なオーバ
ーコート層2を形成し、裏面に図柄インキ層と接着層6
を順次形成した。
Description
建築用内外装材、キャビネット用表面材、キッチン扉用
内装材、自動車内装外装部品などとして用いる材料に、
木目柄などの図柄を形成したインサート成形品を製造す
るために使用するアクリルインサートフィルムと、この
インサートフィルムを用いたアクリルインサート成形品
の製造方法に関する技術分野に属する。
動車内装部品などとして用いる材料には、例えば、アク
リルインサートフィルムを用いたインサート成形法によ
って得られたインサート成形品がある。アクリルインサ
ートフィルムを用いたインサート成形法とは、アクリル
フィルム基体に木目柄インキ層などの図柄インキ層を印
刷したアクリルインサートフィルムを、射出成形用金型
内に供給し、型閉めした後に溶融樹脂を金型内に射出
し、樹脂を固化させることにより、アクリルインサート
フィルムのインキ層側を樹脂成形品に接着する方法であ
る。
クリルフィルムがインキにとって有害な光線を通過させ
にくい分子構造であるため、PETフィルムなどに比
べ、優れた耐光性を有するからである。「耐光性」が優
れていることによる有利な点は、例えば、自然光や室内
光が図柄インキ層に直接当たることによって生じる図柄
インキ層の退色や損傷を有効に抑えることができる点で
ある。また、アクリルフィルムは、低い温度でも変形
(伸長)するものであるため、PETフィルムなどに比
べ、インサートフィルム全体としての加工性が優れてい
るものである。「加工性」が優れていることによる有利
な点は、例えば、射出成形用金型のキャビティ内面の形
状が、穴や溝などが数多く形成された凹凸のような複雑
な形状であったり、立ち上がりの深い凹部から成ってい
る形状であったとしても、アクリルフィルムを基体シー
トとして用いたインサートフィルムは、加熱や真空吸引
されることによって射出成形用金型のキャビティ内面の
複雑な形状や立ち上がりの深い形状どうりに変形し、射
出成形用金型のキャビティ内面の形状どうりの表面形状
を呈するインサート成形品を得ることができる点であ
る。
ートフィルムの課題を以下に示す。アクリルフィルム
は、図柄インキ層を保護するためにインサート成形品の
最表面に位置する。アクリルフィルムは、前記耐光性や
加工性が優れている反面、耐融着性や耐可塑剤移行性
が、PETフィルムなどに比べて劣っていた。融着性と
は、例えば、塩化ビニルでできている免許証のケースと
アクリルフィルムインサート成形品とを接触させた状態
で、炎天下などの高温下に曝しておくと、免許証のケー
スが融着してインサート成形品にくっついてしまって容
易に剥がれにくくなってしまう等の不具合をいう。そし
て、可塑剤移行性とは、硬質の樹脂シートが柔軟性を発
揮するように樹脂シートに可塑剤(例えば、フタル酸エ
ステル、リン酸エステルなど)を含有させることが多い
が、このような樹脂シートとアクリルフィルムとを接触
させた状態で、炎天下などの高温下に曝しておくと、樹
脂シートの可塑剤がアクリルフイルム側に移行して、ア
クリルフィルムの表面を侵してしまい、アクリルフィル
ム表面が白くなったり柚肌状になったりする等の不具合
をいう。
法の課題を以下に示す。インサート成形法においてイン
サートフィルムを射出成形用金型内に供給するには、連
続的に印刷されたインサートフィルムをロール状に巻き
取ったものから連続的に射出成形用金型に送り出すよう
にしているが、アクリルフィルム基体は耐溶剤性が低い
ため、インサートフィルムを巻き取った時に、接着層中
の溶剤の作用によってアクリルフィルム基体と接着層と
が接着してしまうことがある。このため、インサートフ
ィルムが破れたり、アクリルフィルム基体に不要物が付
着したりしていた。一方、この問題を解決するために接
着層を強く乾燥させて接着層中の溶剤を減らすことも考
えられるが、この場合は乾燥時の熱のためにアクリルフ
ィルム基体が伸びてしまうなどの変形を起こしてしま
う。このため、絵柄が変形したり、射出成形用金型との
位置合わせが正確に行なえなかったりして、インサート
成形品の生産効率が非常に低かった。
加工性が良好であるだけでなく、耐融着性や耐可塑剤移
行性も良好であるアクリルインサートフィルムと、生産
効率の良好なアクリルインサート成形品の製造方法を提
供することを目的としている。
するために、この発明のアクリルインサートフィルム
は、請求項1に記載したように、アクリル樹脂を主成分
とする透明な基体シートの表面に、セルロース系樹脂を
有する透明なオーバーコート層が形成され、裏面に図柄
インキ層と接着層が順次形成されたようにした。
ーコート層が、セルロース系樹脂を70重量%以上含有
するようにした。
ース系樹脂が、酢酸セルロース樹脂であるようにした。
ース系樹脂が、ニトロセルロース樹脂であるようにし
た。
ース系樹脂が、エチルセルロース樹脂であるようにし
た。
ンキ層が、木目層と不透明下地層からなるようにした。
造方法は、請求項7に記載したように、この発明のいず
れかに記載のアクリルインサートフィルムを、射出成形
用金型内に配置し、型閉めした後に溶融樹脂を金型内に
射出し、樹脂を固化させることにより、樹脂成形品にア
クリルインサートフィルムを接着する構成とした。
ートフィルムとアクリルインサート成形品の製造方法に
ついてさらに詳しく説明する。
は、アクリル樹脂を主成分とする透明な基体シート1の
表面に、セルロース系樹脂を有する透明なオーバーコー
ト層2が形成され、裏面に図柄インキ層(木目層4、不
透明下地層5)と接着層6が順次形成された物である
(図1)。
成分とする透明な樹脂シートである。アクリル樹脂を主
成分とする透明な樹脂シートは、インキにとって有害な
光線を通過させにくい分子構造であるため、PETフィ
ルムなどに比べ、優れた耐光性を有するものである。
「耐光性」が優れていることによる有利な点は、例え
ば、自然光や室内光が図柄インキ層に直接当たることに
よって生じる図柄インキ層の退色や損傷を有効に抑える
ことができる点である。また、アクリル樹脂を主成分と
する透明な樹脂シートは、低い温度でも変形(伸長)す
るものであるため、PETフィルムなどに比べ、インサ
ートフィルム全体としての加工性が優れているものであ
る。「加工性」が優れていることによる有利な点は、例
えば、射出成形用金型7のキャビティ70内面の形状
が、穴や溝などが数多く形成された凹凸のような複雑な
形状であったり、立ち上がりの深い凹部から成っている
形状であったとしても、アクリル樹脂を主成分とする透
明な樹脂シートを基体シートとして用いたインサートフ
ィルムは、加熱や真空吸引されることによって射出成形
用金型7のキャビティ70内面の複雑な形状や立ち上が
りの深い形状どうりに変形し、射出成形用金型7のキャ
ビティ70内面の形状どうりの表面形状を呈するインサ
ート成形品を得ることができる点である。
ート1としては、ポリメタクリル酸メチルやポリメタク
リル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタク
リル酸ブチルなどの純粋なアクリル樹脂からなるアクリ
ルフィルムだけでなく、アクリル樹脂と他の樹脂(たと
えばフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン
樹脂など)との共重合体からなる成分のフィルムや、ア
クリルフィルムと他のプラスチックフィルム(たとえば
フッ素フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビ
ニルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレン酢
酸ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルムなど)と
の積層フィルムなども含む。積層フィルムの積層方法
は、ダイレクトラミネート、ドライラミネートなどの各
種ラミネート法やヒートシール法による方法がある。二
軸延伸ポリエステルフィルムや二軸延伸ポリプロピレン
フィルムと純粋のアクリルフィルムとを積層して基体シ
ートとするときは、純粋のアクリルフィルムよりもフィ
ルムの伸びが悪いので、二軸延伸ポリエステルフィルム
や二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、純粋のアクリル
フィルムよりも比較的薄めのフィルムを使用するのが好
ましい。
μmであるが、十分な耐光性を得るためには50μm以
上が好ましい。また、十分な加工性を得るためには30
0μm以下が好ましい。良好な耐光性と良好な加工性と
を同時に有するための厚みとしては、メタクリル酸メチ
ルの場合は、125μm、200μmなどがある。
樹脂の具体例としては、酢酸セルロース樹脂、ニトロセ
ルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシプロ
ピルセルロース樹脂、プロピオン酸セルロース樹脂、メ
チルセルロース樹脂、ベンジルセルロース樹脂、カルボ
キシメチルセルロース樹脂などが挙げられるが、酢酸セ
ルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、エチルセルロー
ス樹脂の3種類は、耐融着性、耐可塑剤移行性、柔軟
性、耐溶剤性、印刷適性(印刷インキにしやすい点)な
どを全て兼ね備えるので特に有効である。オーバーコー
ト層2中に占めるこれらのセルロース系樹脂の含有率が
70重量%以上であると、十分な耐可塑剤移行性を確保
することができる。耐融着性とは、例えば、塩化ビニル
でできている免許証のケースとオーバーコート層2とを
接触させた状態で、炎天下などの高温下に曝しておいて
も、免許証のケースがオーバーコート層にくっついてし
まわず、容易に剥がれることをいう。そして、耐可塑剤
移行性とは、フタル酸エステル、リン酸エステルなどの
可塑剤を含有させた樹脂シートとオーバーコート層2と
を接触させた状態で、炎天下などの高温下に曝しておい
ても、樹脂シートの可塑剤がオーバーコート層2側に移
行してオーバーコート層2を侵したりせず、その結果オ
ーバーコート層2が白くなったり柚肌状となったりしな
いことをいう。柔軟性とは、曲がったり伸縮したりしや
すいことをいう。
を用いると、少なくともニトロセルロース樹脂やエチル
セルロース樹脂に比べて、さらに耐薬品性や耐油性が強
くなる。酢酸セルロース樹脂は、少なくともニトロセル
ロースに比べて燃焼性が低い。酢化度が50〜60、平
均重合度が100〜250程度の酢酸セルロース樹脂
は、特にインキ化しやす。酢酸セルロース樹脂のインキ
化は、酢酸セルロース樹脂の粉体をケトン系やアルコー
ル系やエステル系の有機溶剤に溶解してインキ化すると
よい。
セルロースやエチルセルロース樹脂に比べて乾燥性や機
械的強度が高いため、オーバーコート層2をグラビア印
刷およびフレキソ印刷で形成するときに用いるインキと
して用いやすい。また、オーバーコート層2の風合いや
平滑性が良好となる。
ロセルロース樹脂に比べて、燃焼性が低く、耐光性が高
い。エチルセルロース樹脂は、インキ化するときに用い
る有機溶剤の選択の幅が広いため、スクリーン印刷に用
いることも容易である。
らに向上させるために、ポリイソシアネートやメラミン
樹脂などの架橋剤を含有させてもよい。また、オーバー
コート層2の基体シート1への接着性を向上させるため
に、他のセルロース系樹脂やアクリル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂などを含有させてもよい。
コート法によって基体シート1上に形成したインキ層で
あってもよいし、基体シート1とフィルム状のオーバー
コート層2とを共押し出し法によって積層したものでも
よい。オーバーコート層2は、0.2μm〜20μmの
膜厚が好適である。印刷法としては、オフセット印刷
法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷
法などがある。コート法としては、ロールコート法、ス
プレーコート法などがある。共押し出し法の具体例とし
ては、基体シート1を押出し機より押出してフィルム状
あるいはシート状の基体シートに押出し成形すると同時
に、オーバーコート層2を押出し機より押出してフィル
ム状あるいはシート状のオーバーコート層2を、基体シ
ート1の表面に成形し、二層構造のシート状物とするも
のである。
字、記号、数字などがある。以下、図柄インキ層の一例
として、木目層4と不透明下地層5とからなる木目図柄
層を説明する。図柄インキ層は、各種顔料や染料を用い
たり、パール粉やアルミ粉などを混入した光輝性顔料イ
ンキ層や金属蒸着層を用いて形成してもよい。
に現れる年輪、繊維、導管など木目模様を表現するため
の層である。具体的な木目模様としては、柾目の筋、板
目の曲線、条痕による断線などがある。木目層4は、塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリアクリル、ポリウレタン、塩化ゴム、硝化綿な
どの熱可塑性樹脂をバインダーとして用い、木目模様の
色の染顔料を着色材として含有するものを用いて、茶色
や焦げ茶色、黄土色、赤茶色などから単一色あるいは複
数色を選択する。木目層4は、オフセット印刷法、グラ
ビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの
通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法な
どのコート法などにより形成する。あるいは、木目層4
は、天然の木目模様により近いものとするために、色濃
度あるいは膜厚を段階的あるいは連続的に変化させるよ
うにグラデーションをかけて、基体シート1の一部ある
いは全面に形成してもよい。木目層4の厚みは、0.5μ
m〜5μmの範囲内で調節する。
切り口に現れる木目以外の木地の色を表現した層であ
る。不透明下地層5は、塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル、ポリウ
レタン、塩化ゴム、硝化綿などの熱可塑性樹脂をバイン
ダーとして用い、下地層の色の染顔料を着色材として含
有するものを用いて、茶色や焦げ茶色、黄土色、クリー
ム色、黄色、赤茶色などの色から単一色あるいは複数色
を選択する。必要により、木目層4として選択する色よ
り濃色となるように選択してもよいし、淡色となるよう
に選択してもよい。不透明下地層5は、オフセット印刷
法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷
法などの通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコ
ート法などのコート法などにより形成する。不透明下地
層5の厚みは、2μm〜10μmが適当である。
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレンブチ
ルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体などを用いるとよい。
ルムは、アクリル樹脂を主成分とする透明な第1基体シ
ート10とアクリル樹脂を主成分とする透明な第2基体
シート11とを有し、第1基体シート10の表面に、セ
ルロース系樹脂からなる透明なオーバーコート層2が形
成され、裏面に木目層4、ラミネート接着剤層3、第2
基体シート11、不透明下地層5と接着層6が順次形成
されたものである(図2)。この構成では、木目層4と
不透明下地層5とが、第2基体シート11を挟んで離れ
ているので、下地より木目が手前に浮き出たような立体
感のある木目柄を得ることができる点で有利である。第
1基体シート10および第2基体シート11は、前記基
体シート1と同様のものである。第1基体シート10、
木目層4、第2基体シート11の積層の仕方は、例え
ば、木目層4を形成した第1基体シート10と、第2基
体シート11とをラミネート接着剤層3でラミネートし
て積層する。
品の製造方法は、前記アクリルインサートフィルムを使
用して、インサート成形法にて製造するものである。つ
まり、前記アクリルインサートフィルムを射出成形用金
型内に配置し、型閉めした後に溶融樹脂を金型内に射出
し、樹脂を固化させることにより、樹脂成形品にアクリ
ルインサートフィルムを接着するものである(図3、図
4、図5)。
7は、可動型と固定型とからなる。射出成形用金型内に
アクリルインサートフィルムを配置する際、枚葉のアク
リルインサートフィルムを1枚づつ送り込んで配置して
もよいし、長尺のアクリルインサートフィルムの必要部
分を間欠的に送り込んで配置してもよい。長尺のアクリ
ルインサートフィルムを使用する場合、位置決め機構を
有する送り装置を使用して、アクリルインサートフィル
ムの図柄層と成形用金型との見当が一致するようにする
とよい。また、アクリルインサートフィルムを間欠的に
送り込んで配置する際に、アクリルインサートフィルム
の位置をセンサーで検出した後にアクリルインサートフ
ィルムを可動型と固定型とで固定するようにすれば、常
に同じ位置でアクリルインサートフィルムを固定するこ
とができ、図柄インキ層の図柄の位置ずれが生じないの
で便利である。アクリルインサートフィルムを配置した
後、真空吸引や加熱などによりアクリルインサートフィ
ルムを可動型の凹部(凹部のことを「キャビティ」とい
う場合もある。)の内面に密着させる。その後、射出成
形用金型を閉じ、キャビティ70を形成する(図3)。
固定型に設けた射出口8より溶融樹脂9をキャビティ7
0に射出充満させ、樹脂を固化させ、樹脂成形品12を
形成するのと同時にその面にアクリルインサートフィル
ムを接着させる。樹脂成形品12を冷却した後、射出成
形用金型を開いて樹脂成形品を取り出す。このようにし
て、アクリルインサート成形品を得ることができる。
リル酸メチルフィルムを用いた。基体シートの表面に、
酢酸セルロース樹脂80重量%、ウレタンジイソシアネ
ート10重量%、熱可塑性アクリル樹脂10重量%から
なるオーバーコート層をグラビア印刷法で形成した。基
体シートの裏面に、ポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂バ
インダーと、茶色顔料とからなる木目層(重量%:樹脂
バインダー/顔料=60/40)をグラビア印刷法で形
成した。木目層上に、ポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂
バインダーと墨色顔料とからなる不透明下地層(重量
%:樹脂バインダー/顔料=60/40)を、グラビア
印刷法で形成した。不透明下地層上に、塩化ビニル酢酸
ビニル共重合体樹脂からなる接着層をグラビア印刷法で
形成し、木目柄のアクリルインサートフィルムを得た。
ンサートフィルムを、ギアボックスパネルを製造するた
めの可動型と固定型とからなる射出成形用金型内に配置
し、アクリルインサートフィルムを95℃で加熱しなが
ら真空吸引し、可動型の凹部に密着させた。型閉めした
後に、金型温度を40℃〜60℃に保ちながら、220
℃〜250℃に加熱された茶色のアクリロニトリルブタ
ジエンポリスチレン共重合体樹脂からなる溶融樹脂を金
型内に射出し、樹脂を固化させた。
ので、次の効果が得られる。すなわち、この発明のアク
リルインサートフィルムは、アクリル樹脂を主成分とす
る透明なシートをインサートフィルムの基体シートとし
ているので、耐光性や加工性が優れている。さらに、基
体シート上にはセルロース系樹脂からなる透明なオーバ
ーコート層が存在するので、アクリルシートの弱点であ
る耐融着性や耐可塑剤移行性をオーバーコート層が補強
する。したがって、この発明のアクリルインサートフィ
ルムは、耐光性、加工性、耐融着性や耐可塑剤移行性の
すべてが優れたアクリルインサート成形品を製造するた
めに用いることができるものである。
品の製造方法は、アクリル樹脂を主成分とする透明なシ
ートを基体シートとしたアクリルインサートフィルムを
用いており加工性が良好であるので、インサートフィル
ムは、射出成形用金型のキャビティ内面の複雑な形状や
立ち上がりの深い形状どうりに変形し、射出成形用金型
のキャビティ内面の形状どうりの表面形状を呈するイン
サート成形品を得ることができる。さらに、オーバーコ
ート層として用いているセルロース系樹脂は、他の印刷
層などと接着しにくい。したがって、連続的に印刷され
たインサートフィルムを巻き取って、ロール状にする際
にオーバーコート層と接着層とが接着してしまうことも
なく、また、接着層を強く乾燥させる必要もないので、
インサート成形品の生産効率は確実に向上する。
実施例を示す断面図である。
の態様の実施例を示す断面図である。
工程の一つを示す断面図である。
工程の一つを示す断面図である。
断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 アクリル樹脂を主成分とする透明な基体
シートの表面に、セルロース系樹脂を有する透明なオー
バーコート層が形成され、裏面に図柄インキ層と接着層
が順次形成されたことを特徴とするアクリルインサート
フィルム。 - 【請求項2】 オーバーコート層が、セルロース系樹脂
を70重量%以上含有する請求項1記載のアクリルイン
サートフィルム。 - 【請求項3】 セルロース系樹脂が、酢酸セルロース樹
脂である請求項1あるいは請求項2記載のアクリルイン
サートフィルム。 - 【請求項4】 セルロース系樹脂が、ニトロセルロース
樹脂である請求項1あるいは請求項2記載のアクリルイ
ンサートフィルム。 - 【請求項5】 セルロース系樹脂が、エチルセルロース
樹脂である請求項1あるいは請求項2記載のアクリルイ
ンサートフィルム。 - 【請求項6】 図柄インキ層が、木目層と不透明下地層
からなる請求項1〜請求項5のいずれかに記載のアクリ
ルインサートフィルム。 - 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
アクリルインサートフィルムを、射出成形用金型内に配
置し、型閉めした後に溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂
を固化させることにより、樹脂成形品にアクリルインサ
ートフィルムを接着することを特徴とするアクリルイン
サート成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26936595A JP3500236B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | アクリルインサートフィルムとアクリルインサート成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26936595A JP3500236B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | アクリルインサートフィルムとアクリルインサート成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0985778A true JPH0985778A (ja) | 1997-03-31 |
JP3500236B2 JP3500236B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=17471377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26936595A Expired - Lifetime JP3500236B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | アクリルインサートフィルムとアクリルインサート成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3500236B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000153536A (ja) * | 1998-11-24 | 2000-06-06 | Nissha Printing Co Ltd | インサートフィルム |
WO2025018039A1 (ja) * | 2023-07-19 | 2025-01-23 | Dic株式会社 | 印刷物、及びリサイクル基材の製造方法 |
-
1995
- 1995-09-22 JP JP26936595A patent/JP3500236B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000153536A (ja) * | 1998-11-24 | 2000-06-06 | Nissha Printing Co Ltd | インサートフィルム |
WO2025018039A1 (ja) * | 2023-07-19 | 2025-01-23 | Dic株式会社 | 印刷物、及びリサイクル基材の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3500236B2 (ja) | 2004-02-23 |
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