JPH0974018A - 監視装置付油入変圧器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】絶縁油油温，油面監視及びタンク内異常圧力発
生時の放圧機構を有する油入変圧器で、これとは別にダ
イヤル温度計又は、測温抵抗体を必要とする油入変圧器
に於いて、カバーに穴孔を追加工し取付座を溶接するこ
となくダイヤル温度計又は、測温抵抗体を取付けること
にある。 【構成】油入変圧器内絶縁油油温を棒状温度感温部２と
温度指示部３が直結又は可撓性配管２３で連結されたダ
イヤル温度計又は棒状温度感温部２と遠隔監視用接点部
２４が直結した測温抵抗体により油温測定でき、絶縁油
２７面に浮かべた中心部に穴孔を有する浮体２２が棒状
感温部２と平行に上下することで油面位置監視ができ、
タンク内異常圧力発生時に圧力を逃す放圧蓋１２で放圧
できる機構を温度指示部３，接点部２４及び棒状温度感
温部２をケース８，９の外に出して一体としている。 【効果】本発明に依れば、カバーに穴孔を明け取付座を
溶接する作業が不要化でき経済的且つ、納期短縮を図れ
る。又、棒状温度感温部を不要化でき経済的である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は油入変圧器に係り、
油入変圧器内の絶縁油油温と油面位置の監視およびタン
ク内異常圧力発生時の放圧に好適な監視装置を有する油
入変圧器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の監視装置付油入変圧器は、図４に
示す如く、棒状温度計による油温監視と絶縁油面に浮か
べた中心部に孔を有する浮体が棒状アルコール温度計を
ガイドに上下し、これに直結した指示棒が動くことで油
面位置監視ができ、且つ、タンク内異常圧力発生時に圧
力を逃す放圧機構を一つのケースに一体とした監視装置
を変圧器カバーに明けた孔に取付けている。更に顧客指
定によりダイヤル温度計又は、測温抵抗体付油入変圧器
を要求された場合、カバーに孔を追加工し温度計取付座
を溶接し取付けていた。関連するものとして実開昭４９
−７１７２１が挙げられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】油入変圧器内の絶縁油
油温と油面位置を監視でき、タンク内異常圧力発生時に
圧力を逃すための放圧機構を必要とする油入変圧器に於
いて、これらとは別にダイヤル温度計又は、測温抵抗体
を取付ける必要がある場合、カバーに孔を追加工し温度
計取付座を溶接することなく取付可能なダイヤル温度計
又は、測温抵抗体を有する油入変圧器を得ることにあ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、上方にカバーを有し、内部に絶縁油が充填さ
れるタンクと、このタンク内に格納される変圧器本体
と、絶縁油の温度を監視する温度監視装置と、絶縁油の
油面位置を監視する油面監視装置と、タンク内異常圧力
発生時に圧力を逃がす放圧機構を備えた監視装置付油入
変圧器において、放圧機構を、一端がカバーに固着され
てタンク内に連通し他端に開口部を有し側面に気密に形
成された表示窓を有する筒部と、この筒部の他端に弾性
的に保持されて通常時は上記開口部を塞ぐとともに異常
圧力発生時に開口部との間に間隙を形成して圧力を逃が
す放圧部により構成し、温度監視装置を、棒状に形成さ
れて放圧部と筒部を貫通し先端が絶縁油内に位置して絶
縁油の温度の情報を伝達する温度情報伝達部と、筒部の
外側に設けられて温度情報伝達部に接続されて絶縁油の
温度を表示する温度表示部により構成し、油面監視装置
を温度情報伝達部に沿って摺動自在に設けられ絶縁油の
油面に浮かべられる浮体と、一端が浮体に接続され他端
が筒部内に伸びてこの浮体の動きを伝達する油面位置伝
達部と、この油面位置伝達部の他端に接続されて筒部の
表示窓内で油面位置を表示する油面表示部により構成
し、温度監視装置と油面監視装置と放圧機構を一体形と
することで達成される。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の第１実施例を図１に示
す。本実施例の変圧器は上方にカバー１を有し、内部に
絶縁油２７が充填されるタンク（図示せず）と、このタ
ンク内に格納される変圧器本体（図示せず）と、絶縁油
２７の温度を監視する温度監視装置と、絶縁油２７の油
面位置を監視する油面監視装置と、タンク内異常圧力発
生時に圧力を逃がす放圧機構を備えた監視装置付油入変
圧器である。

【０００６】放圧機構は、一端がカバー１に固着されて
タンク内に連通し他端に開口部を有し側面に気密に形成
された表示窓１６を有する筒部８と、この筒部８の他端
に弾性的に保持されて通常時は上記開口部を塞ぐととも
に異常圧力発生時に開口部との間に間隙を形成して圧力
を逃がす放圧部１２により構成される。

【０００７】温度監視装置は、棒状に形成されて放圧部
１２と筒部８を貫通し先端が絶縁油２７内に位置して絶
縁油２７の温度の情報を伝達する温度情報伝達部２と、
筒部８の外側に設けられて温度情報伝達部２に接続され
て絶縁油２７の温度を表示する温度表示部３により構成
される。

【０００８】油面監視装置は温度情報伝達部２に沿って
摺動自在に設けられ絶縁油２７の油面に浮かべられる浮
体２２と、一端が浮体２２に接続され他端が筒部８内に
伸びてこの浮体２２の動きを伝達する油面位置伝達部
と、この油面位置伝達部の他端に接続されて筒部８の表
示窓１６内で油面位置を表示する油面表示部１９により
構成される。温度監視装置と油面監視装置と放圧機構は
一体形に構成されて、油入変圧器カバー１に開けられ
た、監視装置を取付け用の孔４に取り付けられる。本実
施例では、温度監視装置は温度情報伝達部としての棒状
温度感温部２と温度表示部としての温度指示部３が直結
したダイヤル温度計である。油入変圧器カバー１には監
視装置を取付けるための孔４が開けてあり、取付座面５
はカバー１上面より数ミリ圧出ししてある。取付座面５
の回りにはダイヤル温度計が取付いた監視装置取付用金
具６を固定するためのスタッドボルト７が溶接してあ
る。ダイヤル温度計が取付いた監視装置の下部ケース９
をカバー１の取付座面５の孔４にガスケット１０を介し
挿入し、取付用金具６を被せた後、スタッドボルト７に
ナット１１を取付け締付ける構造となっている。

【０００９】筒部としての上部ケース８の上端折り曲げ
部には、油入変圧器内部異常圧力発生時に圧力を逃すた
めの放圧部としての放圧蓋１２をＯリング３０を介し取
付ける。上部ケース８と放圧蓋１２の固定は、放圧蓋１
２と上部ケース８上端折り曲げ部にあらかじめダイヤル
温度計の棒状温度感温部２の径が入る程度の孔を明け、
放圧蓋１２に棒状温度感温部２が直角になる様取付けて
気密溶接をしておく。棒状温度感温部２の放圧蓋１２に
近いところには、調圧バネ１３が調圧ナット１４で取付
できる様あらかじめネジ部１５を切っておく。上部ケー
ス８折り曲げ部の孔に棒状温度感温部２をＯリング１３
を介して通し、上部ケース８裏面から調圧バネ１３と調
圧ナット１４を棒状温度感温部２に通し、適当な圧力で
動作する様調圧ナット１４を回して棒状温度感温部２を
固定する。棒状温度感温部２は銅、アルミニューム等の
熱伝導性に優れた金属、あるいはヒートパイプのような
熱の良導体で形成される。

【００１０】上部ケース８には、表示窓としての油面監
視窓１６を開け上部ケース８内側に気密保持用の透明筒
１７をガスケット１８を介し挿入した後、油面表示部と
しての油面指示棒１９と棒状温度感温部２の径が通る穴
孔が明いた平板２０と下部ケース９を取付けリベット２
１で締結する。油面指示棒１９の油面監視窓１６内に位
置する部分とタンク内の浮体２２との間は、一端が浮体
２２に接続され他端が筒部８内に伸びてこの浮体２２の
動きを伝達する油面位置伝達部が設けられる。本実施例
では油面位置伝達部は油面指示棒１９の一部により構成
されている。棒状温度感温部２及び平板２０の孔には、
先端をＯリング状にした油面指示棒１９を挿入してお
き、又、油面指示棒１９他端には、中心部に穴孔を有す
る浮体２２を棒状温度感温部２に通し取付けておく。

【００１１】本発明の第２実施例を図２に示す。本実施
例は、第１実施例の直付け形のダイヤル温度計を棒状温
度感温部２と温度指示部３が可撓性配管２３で連結され
た遠隔表示形のダイヤル温度計に付け変えたものであ
る。本実施例でも棒状温度感温部２および可撓性配管２
３は第１実施例と同様な熱の良導体で構成される。

【００１２】本発明の第３実施例を図３に示す。本実施
例は、第１実施例の直付け形のダイヤル温度計を温度を
電気量に変換する棒状感温部２と遠隔監視用端子部２４
に付け変え、端子部２４からリード線２９を引出し遠隔
監視機器２８につなげ監視するものである。本実施例で
は棒状感温部２には測温抵抗体が用いられ、温度を電気
抵抗の変化として検出し伝達する。電気量としては電気
抵抗値、電圧または起電力、あるいは電流等を測定して
これらに対応する温度を表示手段が表示する。センサと
しては、電気抵抗値、電流、電圧の場合は測温抵抗体、
サミスタ等が用いられ、電圧、起電力の場合は熱電対等
が用いられる。上記以外にも赤外線フォトトランジスタ
等の半導体を用いてもよい。

【００１３】以上の実施例に依れば、従来品図４の様な
油入変圧器の絶縁油油温と油面位置を監視できタンク内
異常圧力発生時に圧力を逃すための放圧機構を一体とし
た監視装置を必要とする油入変圧器に於いて、これとは
別にダイヤル温度計又は測温抵抗体を取付ける必要があ
る油入変圧器でも、図５に示す様にカバー１上面に穴孔
を明け、温度計取付座２５を溶接し、ダイヤル温度計又
は測温抵抗体を取付ける必要がなくなり経済的であると
共に、工期短縮を図ることができる。また、油入変圧器
納品後、現地改造にてダイヤル温度計又は、測温抵抗体
付油入変圧器に容易に改造できるメリットがある。

【００１４】さらに、従来品図４の構造では下部ケース
９が棒状アルコール温度計２６を囲っているため油入変
圧器稼動中に絶縁油２７が対流していても下部ケース９
で囲われたスペースに絶縁油２７が止まるため絶縁油油
温を精度良く測定することが難しかったが、実施例では
棒状温度感温部２が下部ケース９に囲われていないた
め、測定精度の向上を図ることができる。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば絶縁油の温度を監視する
温度監視装置と、絶縁油の油面位置を監視する油面監視
装置と、タンク内異常圧力発生時に圧力を逃がす放圧機
構が一体化されているので、温度監視装置の仕様が異な
るものでも容易に改造が可能であるとともに温度の表示
部と油面の表示部がそれぞれ独立しているので表示の読
み違いを防止できる監視装置付油入変圧器を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例における監視装置付油入変
圧器の要部構成を示す断面図である。

【図２】本発明の第２実施例における監視装置付油入変
圧器の要部構成を示す断面図である。

【図３】本発明の第３実施例における監視装置付油入変
圧器の要部構成を示す断面図である。

【図４】従来の監視装置付油入変圧器の要部構成を示す
断面図である。

【図５】従来の監視装置及びダイヤル温度計の取付状態
を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…変圧器カバー，２…棒状温度感温部，３…温度指示
部，４…孔，５…取付座面，６…取付金具，７…スタッ
ドボルト，８…上部ケース，９…下部ケース，１０…ガ
スケット，１１…ナット，１２…放圧蓋，１３…調圧バ
ネ，１４…調圧ナット，１５…ネジ部，１６…監視窓，
１７…透明筒，１８…ガスケット，１９…油面指示棒，
２０…平板，２１…リベット，２２…浮体，２３…可撓
配管，２４…端子部，２５…取付座 ２６…棒状温度計，２７…絶縁油，２８…透明監視機
器，２９…リード線，３０…Ｏリング

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上方にカバーを有し、内部に絶縁油が充填
   されるタンクと、このタンク内に格納される変圧器本体
   と、上記絶縁油の温度を監視する温度監視装置と、上記
   絶縁油の油面位置を監視する油面監視装置と、タンク内
   異常圧力発生時に圧力を逃がす放圧機構を備えた監視装
   置付油入変圧器において、上記放圧機構は一端が上記カ
   バーに固着されて上記タンク内に連通し他端に開口部を
   有し側面に気密に形成された表示窓を有する筒部と、こ
   の筒部の他端に弾性的に保持されて通常時は上記開口部
   を塞ぐとともに異常圧力発生時に上記開口部との間に間
   隙を形成して圧力を逃がす放圧部を有し、上記温度監視
   装置は棒状に形成されて上記放圧部と上記筒部を貫通し
   先端が上記絶縁油内に位置して上記絶縁油の温度の情報
   を伝達する温度情報伝達部と、上記筒部の外側に設けら
   れて上記温度情報伝達部に接続されて上記絶縁油の温度
   を表示する温度表示部を有し、上記油面監視装置は上記
   温度情報伝達部に沿って摺動自在に設けられ上記絶縁油
   の油面に浮かべられる浮体と、一端が上記浮体に接続さ
   れ他端が上記筒部内に伸びてこの浮体の動きを伝達する
   油面位置伝達部と、この油面位置伝達部の上記他端に接
   続されて上記筒部の上記表示窓内で上記油面位置を表示
   する油面表示部を有したことを特徴とする監視装置付油
   入変圧器。
2. 【請求項２】上記温度情報伝達部は熱の良導体で形成さ
   れ、上記絶縁油の温度を熱として上記温度表示部に伝達
   するよう構成されたことを特徴とする請求項１記載の監
   視装置付油入変圧器。
3. 【請求項３】上記温度情報伝達部は温度を電気量に変換
   する手段を有し、上記絶縁油の温度を電気量として上記
   温度表示部に伝達するよう構成されたことを特徴とする
   請求項１記載の監視装置付油入変圧器。