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JPH0958119A - 感圧記録シートおよびその製造方法 - Google Patents

感圧記録シートおよびその製造方法

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Publication number
JPH0958119A
JPH0958119A JP7213137A JP21313795A JPH0958119A JP H0958119 A JPH0958119 A JP H0958119A JP 7213137 A JP7213137 A JP 7213137A JP 21313795 A JP21313795 A JP 21313795A JP H0958119 A JPH0958119 A JP H0958119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
pressure
recording sheet
sensitive recording
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7213137A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Fujita
誠 藤田
Toshiari Tanaka
俊有 田中
Nobuhiro Kagota
信博 籠田
Hiromune Wada
浩宗 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP7213137A priority Critical patent/JPH0958119A/ja
Publication of JPH0958119A publication Critical patent/JPH0958119A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロカプセルに内包される発色剤を有効
に転移させることができる感圧記録シートおよびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 紙の上にカチオン性アルミニウム化合物
および水溶性高分子化合物を含有する水性液を、片面当
たりのカチオン性アルミニウム化合物のアルミナ換算乾
燥重量が0.01〜0.2g/m2の範囲となるように塗布
した後、湿潤状態でマイクロカプセル含有塗布液を塗布
し(ウェットオンウェット)、感圧記録シートを製造す
る。好ましくは、マイクロカプセル含有塗布液をカーテ
ン塗布方式で塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感圧記録シートおよび
その製造方法に関する。さらには、支持体に電子供与性
発色剤内包マイクロカプセル含有塗布液を塗布した感圧
記録シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感圧記録シートは、一般には支持体に紙
を用いたノーカーボン感圧複写紙として知られている。
例えば、米国特許2505470号、同2505489
号、同2548366号、同2550471号、同27
12507号、同2730456号、同2730457
号、同3418250号、同3418250号、同36
72935号などの各明細書に記載されている。
【0003】基本的には、ほぼ無色の染料前駆体である
電子供与性発色剤(以下、発色剤と称す)と発色剤と反
応して発色する電子受容性顕色剤(以下、顕色剤と称
す)との発色反応を利用したものであり、発色剤を高沸
点溶媒に溶解して内包したマイクロカプセル(以下、こ
のカプセルのことを単にマイクロカプセルと称する)の
含有層を支持体の裏面に設けた上用紙(CBと称する)
と、顕色剤を含有する塗層を支持体の表面に設けた下用
紙(CFと称する)とを互いに重ね合わせ、印字の際の
適切な圧力でマイクロカプセルを破壊することによっ
て、上用紙の発色剤内包マイクロカプセルから発色剤が
流出して下用紙に転移し、顕色剤層が発色反応によって
着色することにより、印字と同時に複写像が得られると
いうものである。
【0004】3枚以上の多数枚の複写を望む場合には、
支持体の表面に前記顕色剤含有層を塗布し、裏面に発色
剤内包マイクロカプセル含有層を塗布した中用紙を、上
用紙と下用紙の間に必要な枚数だけ挿入して用いる。ま
た、発色剤内包マイクロカプセル含有層と顕色剤含有層
を積層または混合層として、支持体の同一表面上に形成
した自己発色紙(セルフ)もノーカーボン感圧複写紙の
一形態として用いられている。
【0005】また、支持体の片面に発色剤内包マイクロ
カプセル、顕色剤内包マイクロカプセルおよびワックス
類を含む塗層を設け、普通紙と重ね合わせて加圧筆記す
ることにより、普通紙側に複写記録画像を転写させる普
通紙転写型感圧記録シートも知られている。
【0006】発色剤を内包するマイクロカプセルの製造
方法は、多数知られており、代表的な方法としては、次
に掲げるような各種方法が知られいる。・ゼラチン−ア
ラビヤゴムのポリイオンコンプレックスを利用したコア
セルベーション法(例えば、米国特許第2800457
号、同2800458号明細書などに記載されてい
る)。・分散媒となる親水性液体と内包すべき疎水性液
体との界面において不溶性皮膜を形成する界面重合法。
例えば、特公昭42−771号、同55−3156号、
同56−47874号、同63−33474号、同63
−33475号、特開平2−2057号などの各公報に
開示されており、ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリウレア・ウレタン樹脂などの合成樹脂膜によるマイ
クロカプセル化法が知られている。・メラミン−ホルム
アルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などの初
期縮合物を分散媒となる親水性液体側から添加した後、
樹脂化せしめてカプセル化を行うin situ重合
法。例えば、特公昭36−9168号、同47−231
65号、特開昭48−57892号、同51−9079
号、同54−25277号などの各公報に開示されてい
る。
【0007】これらの中で、原材料が安く安定に供給さ
れる、高濃度マイクロカプセルエマルジョンが得られ
る、製造工程が簡単などの理由で、界面重合法、in
situ重合法などの合成樹脂マイクロカプセル化法が
一般に使用されている。
【0008】感圧記録シートの用途としては、例えば、
一般伝票、配送用伝票、統一伝票、契約書類、コンピュ
ーター用紙などの複写を必要とする分野を中心に多岐に
わたり使用されている。情報処理産業の発展に伴ってオ
フィス・オートメーション化が進み、伝票などの処理に
ついては、OCR、OMR装置やバーコード読み取り装
置の導入によって、機械的に情報の入出力を行い、省力
化による合理化を行っている。これに対応して、複写画
像がOCR、OMR装置、バーコード読み取り装置など
で読み取り可能な感圧記録シートも開発されている。
【0009】マイクロカプセルを含有する塗布液の塗布
方法としては、エアナイフ、もしくはロッド塗布方式が
広く用いられている。これらの塗布方式は、多量の塗布
液を支持体上に転写し(アプリケート)、その後、各手
法によって計量(メタリング)を行うが、このメタリン
グ時に塗布液に含まれるマイクロカプセルあるいは、マ
イクロカプセルを保護するために用いられる小麦澱粉、
セルロースフロックなどのスチルト剤が分級するため
に、かき落とされた塗布液の組成が元の塗布液の組成と
異なってしまうという問題点があった。そこで、特公昭
63−239号に開示されるように、カーテン塗布方式
を用いて塗布することにより分級という欠点が解決され
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来から使
用されているマイクロカプセルを塗布した感圧記録シー
トについては、高価なマイクロカプセルを多量に塗布し
ているにもかかわらず、複写の際にCF側に転移して発
色に寄与する割合は低く、効率の悪いものとなってい
る。そのために、発色濃度が不足して読みにくいとか、
前記のような機械的読み取り装置で用いても入力できな
い、誤読が多いなどのトラブルの原因となっている。
【0011】これは、マイクロカプセル含有塗布液を塗
布した際に、支持体が多孔性であるため、塗液中のマイ
クロカプセルが支持体内部に入り込み、埋もれた状態と
なり、加圧印字による複写時に、支持体に使われている
繊維がクッション材となって、マイクロカプセルが有効
に破壊されなかったり、また、マイクロカプセルが破壊
しても支持体の繊維によってCFとの接触が妨げられる
ため、CF側への転移性が不十分となり、必要な発色濃
度が得られないとか、発色させた文字の線が途切れる
(以下、文字切れと称す)といった問題点が発生するた
めと考えられる。
【0012】従来から、感圧記録シートに於いて、マイ
クロカプセルに内包される物質(内相と称する)、すな
わち発色剤および高沸点溶媒を有効に転移させる技術に
ついて検討されており、例えば、特公平3−20239
0号、特開平3−236990号などの各公報に、ワッ
クス内包マイクロカプセルあるいは固体蝋内包マイクロ
カプセルを含有した塗層を下塗り層として支持体に設
け、その上に発色剤内包マイクロカプセル含有層を設け
る提案が成されている。この技術は有効であり、発色剤
塗布量の削減が可能であったが、ワックスあるいは固体
蝋を内包したマイクロカプセル自体が高価であり、ま
た、マイクロカプセル含有塗液を2回塗布する必要があ
るために製造工程が複雑化するという問題点があった。
工業化を行うためにはさらに安価で容易に製造できる方
法を検討する必要があった。
【0013】特公昭47−41365号には、ラテック
スを下塗りした上にマイクロカプセル含有層を設けるこ
とが開示されており、転移性は向上するが、原紙表面を
被覆するために原紙の透気性が損なわれ、ワインダー、
印刷機などでの作業性が悪いとか、ラテックスを塗布し
た層への筆記性が不十分であるなどの問題点があった。
その他、特公昭55−7396号、特開昭54−150
210号、同57−43895号などの各公報にも類似
の方法が記載されているが、転移性向上の効果、工業的
な生産性、あるいは感圧記録シートとして使用する際の
作業性などに問題点があって、実用化の段階には至って
いない。
【0014】また、特開昭61−206689号公報に
は、マイクロカプセルを凝集させる下塗層の上にマイク
ロカプセルを主体とする塗布層を設けた感圧記録シート
について開示されている。ところが、凝集剤を多量に下
塗りしてマイクロカプセルを凝集させるために、マイク
ロカプセルの粗大化が生じ、確かに発色性は向上する
が、摩擦による発色汚れ(摩擦汚れと称する)が著し
く、感圧記録シートとしては実用性の乏しいものであっ
た。
【0015】マイクロカプセル塗布紙の支持体の撥油効
果を高める事により内相の転移性を向上させる方法とし
ては、特開昭57−43895号公報のマイクロカプセ
ル層にワックス類を添加する方法、特公平3−1750
82号公報のマイクロカプセル層にワックス内包マイク
ロカプセルを添加する方法、などが開示されている。し
かし、特公平3−202390号公報記載の方法に比べ
て、撥油層がマイクロカプセル層の下層に形成されない
ため必ずしも効果的ではなかった。
【0016】本発明者らは、これらの問題点を解決する
ために、抄紙機上でカチオン性アルミニウム化合物水性
液を塗布し感圧記録シート用原紙を作製する手段の発明
を行い、出願を行った。この手法によりマイクロカプセ
ル中の内相オイルのCF層への転移性が大幅に改良され
た。しかしながら、この手法では、カチオン性アルミニ
ウム化合物がいったん乾燥された後に、マイクロカプセ
ルを含有する塗布液が塗布されるため、アルミニウム化
合物のカチオン性が弱くなり、表面に負電荷を有するマ
イクロカプセルやラテックス類の粒子を電気的に吸着す
る効果が弱められるという問題点があった。また、炭酸
カルシウムを填料とする中性紙に対し大きな改善効果が
得られないという欠点を持っていた。
【0017】感圧記録シートの支持体として紙を用いる
場合、その原紙の製造においては他の塗布原紙、上質紙
と同じような特性を持ち、使用する原料においても特別
なものを用いる必要が無く、環境保全に対しても優位で
あることが望まれる。すなわち、抄造面でも水替えなど
の必要が少なく、用水のクローズド化が可能であり、紙
質では保存性に優れた中性(もしくはアルカリ性)抄造
紙であることが原紙としては望ましい。また、填料とし
ては製紙工場のパワープラントから排出されるCO2
原料として製造される炭酸カルシウムを用いることが望
まれる姿である。
【0018】従って、本発明者らは、支持体の種類を選
ばず安価で容易に工業化が可能な方法により、マイクロ
カプセル内相を有効に転移させることができる感圧記録
シートを得ることを目的として、その製造方法の検討を
行った。また別の目的としては、文字切れが少なく、光
学読み取り装置での読み取り性に優れた感圧記録シート
を得ることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、支持体の上に水溶性のカチオン性アルミニ
ウム化合物を含む水性液を、片面当たりのカチオン性ア
ルミニウム化合物のアルミナ換算乾燥重量が0.01〜
0.2g/m2となるように表面付着させた後、乾燥する前
の湿潤状態でマイクロカプセル含有塗布液を塗布して感
圧記録シートを製造することにより、上記課題を解決で
きることを見い出した。
【0020】支持体としては、パルプ繊維を主体とする
紙を用いることが好ましく、カチオン性アルミニウム化
合物としては、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウ
ムシリケート、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アル
ミニウムなどの化合物が挙げられる。カチオン性アルミ
ニウム化合物を表面に塗布し、その後の湿潤状態でのマ
イクロカプセル塗布(ウェットオンウェット塗布)は、
カーテン塗布方式が用いられることが好ましい。
【0021】カーテン塗布方式は、本発明の場合単層塗
布であるのでエクストロージョン型のカーテン塗布ヘッ
ドを用いることもできるし、スライド面を流下させてカ
ーテンを形成するスライドカーテン塗布ヘッドを用いる
ことも可能であるし、ロールに転写後ドクターでかき落
すローラーカーテン塗布ヘッドでもよい。すなわち、特
開平6−101197で用いられたカーテン塗布ヘッド
および付帯設備、特公昭53−31005で用いられた
カーテン塗布ヘッドおよび付帯設備を、用いることがで
きる。
【0022】一般にカチオン性化合物としては、無機化
合物あるいは有機化合物の両方が知られているが、支持
体への表面付着量が少量でも効果を発揮できるのはカチ
オン性が大の化合物であり、また、工業的には安価に入
手が可能な化合物であることが必要である。具体的には
カチオン性を有するアルミニウム化合物が適当であり、
硫酸アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウムシリケート、
ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウムなどを
好ましい素材として挙げることができる。これらアルミ
ニウム化合物の固形物の規定を行うときに、有効なアル
ミニウム量としてアルミナ(Al2O3)換算量で規定し
た。各アルミニウム化合物のアルミナ換算量は各化合物
の含むアルミニウム量を原子吸光法で定量した。
【0023】カチオン性アルミニウム化合物の表面付着
量については、片面当たりのアルミナ換算乾燥固形分で
0.01〜0.2g/m2の範囲が適当である。この範囲よ
りも少なければ発色剤の転移性向上の効果が得られない
し、また、過剰に塗布しても発色性向上の効果は得られ
るが、極端に摩擦汚れが発生しやすくなるため、感圧記
録シートとしては不適当である。さらには、硫酸イオ
ン、塩素イオンなどの支持体への付着量が増すために、
支持体が紙の場合には長期保存時の強度が低下するた
め、感圧記録シートとしては不適当である。
【0024】本発明で使用される支持体としては、パル
プ繊維を主体とする紙、合成紙、不織布などが挙げられ
る。一般的に用いられている感圧記録シートの支持体は
紙であり、酸性紙、中性紙のどちらも使用することがで
きる。酸性紙としては、一般的に、内添填料としてタル
ク、クレー、カオリンなどが用いられ、内添サイズ剤と
しては、ロジン、石油樹脂、アクリル樹脂などのエマル
ジョンタイプまたは水溶液タイプが用いられる。また、
中性紙としては、内添填料として軽質炭酸カルシウム、
重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなど
が、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー、アル
ケニル無水コハク酸、脂肪酸無水物などが用いられる。
【0025】また、一般的な抄紙工程において、サイズ
性あるいは表面強度の調整のためにサイズプレス処理が
行われるが、表面サイズ処理を施した原紙を用いても良
いし、表面サイズ処理を施した原紙を用いることも可能
である。サイズプレスで用いられる表面サイズ剤として
は、水もしくは澱粉、澱粉変成体、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール変成体、セルロース変成体、
ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド変成体の中か
ら選択される1種類以上の水溶液を用いることができ
る。その他、機能性を付与する添加助剤(サイズ剤、浸
透剤など)を含むことを拒まない。
【0026】カチオン性化合物を塗布後乾燥し、その後
マイクロカプセルを塗布するのであれば、パルプ繊維を
主体とする紙を支持体として用いる場合、カチオン性化
合物としての機能が十分に発揮されるためには、酸性紙
を用いることが好ましい。カチオン性アルミニウム化合
物を含有する水性液を、内添填料が炭酸カルシウムであ
る中性紙に表面処理すると、炭酸カルシウムとの中和に
よってアルミニウム化合物のカチオン性が弱められるた
め、酸性紙の場合に比べると転移性向上の効果が減少す
る傾向にあるが、塩基性を示さないカオリン、タルク、
クレーなどを内添填料とする中性紙を支持体とする場合
には、十分な効果を得ることができる。
【0027】しかしながら、カチオン性アルミニウム化
合物を塗布後、乾燥する前に湿潤状態でカプセル含有塗
布液を塗布するのであれば、炭酸カルシウムを含有する
中性紙でも十分にカチオン性化合物の表面処理効果を得
ることができた。これは、カチオン性アルミニウム塗布
液が湿潤状態であることにより、原紙内添の炭酸カルシ
ウムによりカチオン性アルミニウム塗布液が中和される
よりも早くマイクロカプセル塗布液との反応が速やかに
行われるためと考えられる。
【0028】カチオン性アルミニウム化合物を塗布後、
湿潤状態でマイクロカプセル含有塗布液を塗布する方法
として、通常のロッド塗布方式、エアーナイフ塗布方式
を用いることもできるが、これら後計量塗布方式である
とマイクロカプセル塗布液の分級の問題が発生する。さ
らに、マイクロカプセル塗布液を塗布した直後にカチオ
ン性アルミニウム化合物塗布層とマイクロカプセル塗布
層の間で形成されるラテックスおよびスチルト剤の緩や
かな結合からなる保水層が後計量のロッドおよびエアー
ナイフによって乱されやすくなる。ゆえに、この様な後
計量塗布方式よりも前計量塗布方式の方が優れた効果を
発現する。前計量塗布方式の中でもウェブに接触する印
刷、ロール、グラビア方式は塗布面の平坦性を損なうた
めに向いていない。ただ、スライドビード塗布、カーテ
ン塗布方法がマイクロカプセル含有塗布液を塗布するの
に極めて適性があるが、スライドビード塗布では、感圧
記録シートが製造される塗布速度では塗布できないため
にカーテン塗布方式が最も優れた塗布方式となる。
【0029】カーテン塗布方式で優れていることとして
は、マイクロカプセル含有塗布層の塗層構造が挙げられ
る。マイクロカプセル、スチルト剤の分級が起こらない
ことは前にも述べたが、塗層構造が均一であることがも
う一つの大きな利点である。マイクロカプセルおよびス
チルトがウェブ上に均一に分散するために、発色性、汚
れに優れた効果をもたらす。しかしながら、カーテン塗
布方式のこれらの特性も塗布速度と大きな関係がある。
塗布速度600m/分まではウェブが同伴する空気、カ
ーテンの揺れに対してそれほどの留意も必要ないが、6
00m/分を超え、本発明が目指す1000m/分を超
える塗布速度では、カーテンの揺れは設備上対応できて
も、ウェブが同伴する空気から受ける塗層の影響は無視
できなくなる。これを回避する方法としてウェットオン
ウェット(上塗りカーテン)が挙げられる。ウェットオ
ンウェットではウェブ表面が濡れているために、カーテ
ンで塗布される塗布液が速やかにウェブ表面に濡れる。
このために、同伴する空気を遮断する効果が非常に高く
なる。
【0030】さらに、本発明のカチオン性アルミニウム
化合物含有水性液を下塗に用いることにより、上述した
マイクロカプセル含有塗布液(上塗り)層とカチオン性
アルミニウム化合物含有水性液(下塗り)層間でスチル
ト剤およびラテックスの緩やかな凝集からなる保水層が
形成されることで、発色性、汚れに優れた感圧記録シー
トを得ることができた。この様にして得られる感圧記録
シートは、ウェブとして酸性紙を用いる場合には、カチ
オン性アルミニウム化合物含有水性液を下塗として塗布
し乾燥後、マイクロカプセル含有塗布液を上塗りでカー
テン塗布した(ウェットオンドライ)よりも品質上優れ
たものが得られた。また、ドライオンウェットでは大き
な効果が得られなかった、炭酸カルシウムを填料として
使用した中性紙においても酸性紙に劣らない効果が得ら
れることが判明した。
【0031】支持体にカチオン性アルミニウム化合物な
どを含有する水性液を表面処理する方法としては、ブレ
ードコーター、ロッドコーター、バーコーター、ロール
コーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコータ
ー、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコ
ーターなどの一般的な表面処理方法の中から適宜選択し
て用いられるが、少量で均一に表面付着させることので
きる処理方法が好ましい。
【0032】また、これらの塗布設備では塗布を行うた
めに適した塗布液の物性が必要となる。ほとんどの場
合、塗布液の粘度を調製することにより最適塗布が行わ
れる。そのための粘度調製剤として、各種有機化合物が
選択される。有機化合物としては、水溶性物質が選択さ
れ、澱粉、澱粉変成体、セルロース変成体、ポリビニル
アルコール、ポリビニルアルコール変成体、ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリルアミド変成体、グリセリン、ポ
リエチレングリコール、カゼイン、ゼラチンが挙げられ
る。カプセル塗布面(CB面)に印刷強度が必要であれ
ば、これらの中から印刷強度を発現する素材を選択する
ことができる。
【0033】本発明に用いられる発色剤としては、当業
界で公知の下記の如き化合物を使用することが出来る。 (1)トリアリールメタン系化合物として、3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド(クリスタル・バイオレット・ラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−
イル)フタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルイ
ンドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチル
アミノフタリド、3,3−ビス−(2−フェニルインド
ール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−
p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロー
ル−2−イル−6−ジメチル−アミノフタリドなど、
【0034】(2)ジフェニルメタン系化合物として、
4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジ
ルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−
2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンな
ど、(3)キサンテン系化合物として、ローダミンB−
アニリノラクタム、ローダミンB−p−ニトロアニリノ
ラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタ
ム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−3,4−ジクロルアニリノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニ
リノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−
トリルアミノ−6−メチル−7−フェニチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)
フルオランなど、
【0035】(4)チアジン系化合物として、ベンゾイ
ルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコ
メチレンブルーなど、(5)スピロ系化合物として、3
−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジ
ナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、
3−メチルナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロ
ピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなど、
【0036】加えて、特開昭63−230387号公報
および「感圧,感熱記録紙用色素」(色材,61[5]
P292−302.1988年)に記載されている発色
剤を挙げることができ、これらの発色剤を混合して使用
することもできる。使用する発色剤の種類については、
用途および希望する特性により決定される。
【0037】また、光学的読み取り用の感圧記録シート
に使用される600〜1000nmに吸収波長を有する
発色画像を生ずる発色剤としては、例えば、特公昭58
−5940号、同58−5940号、同49−1748
9号、同63−51113号、特公平4−5064号、
同4−5065号、同4−5066号、同4−5068
号、特開昭51−90608号、同62−243652
号、同62−257970号、同62−288078
号、同63−102975号、同63−37158号、
同63−154389号、同63−185674号、特
開平2−188291号、同2−231190号、同4
−173288号、同4−212882号、同4−22
4991号、同4−251785号、同4−27288
9号、同5−32040号などの各公報に記載の如き下
記化合物が挙げられる。
【0038】3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ジメチ
ルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1
−ビス(2−メトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)
エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロ
フタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ジメチル
アミノフェニル)エチレン−2−イル〕−5−ピロリジ
ノフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ジメチ
ルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−5−アザフ
タリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノ
フェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テ
トラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4
−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−5−エ
トキシフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピ
ロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−5−ピロリ
ジノフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピペ
リジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,
7−テトラクロロフタリド、
【0039】3,3−ビス〔1,1−ビス(4−モルホ
リノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7
−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス
(2−メチル−4−ピロリジノフェニル)エチレン−2
−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3,3−ビス〔1,1−ビス(ジュロリジン−5−イ
ル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラク
ロロフタリド、3−〔2−(P−ジメチルアミノフェニ
ル)−2−(P−メトキシフェニル)エテニル〕3−
〔2−(P−ピロリジノフェニル)−2−(P−メトキ
シフェニル)エテニル〕フタリド、3,3−ビス〔2−
(P−ジメチルアミノフェニル)−2−(P−メトキシ
フェニル)エテニル〕フタリド、3,3−ビス〔2−
(P−ピロリジノフェニル)−2−(P−メトキシフェ
ニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラ
クロロフタリド、3,3−ビス〔2−(P−ピロリジノ
フェニル)−2−(P−メチルフェニル)エチレン−2
−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3,3−ビス〔2−P−ジメチルアミノフェニル)−2
−(P−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス
〔2−(P−ジメチルアミノフェニル)−2−(P−メ
チルフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7
−テトラクロロフタリド、
【0040】3,6,6’−トリスジメチルアミノ−ス
ピロ(フルオレン−9,3’−フタリド)、3,6,
6’−トリスジエチルアミノ−スピロ(フルオレン−
9,3’−フタリド)、3,6,6’−トリスジ−n−
プロピルアミノ−スピロ(フルオレン−9,3’−フタ
リド)、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−ジメチルアミ
ノ−6’−ジエチルアミノ−スピロ(フルオレン−9,
3’−フタリド)、3,3−ビス[2−(4−ジメチル
アミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エチ
ル]4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−
ビス[2−2−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エ
テニル]4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,
3−ビス[2−2−ビス(4−ジメチルアミノフェニ
ル)エテニル]5−ピロリジノフタリド、3,3−ビス
[2−2−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテニ
ル]5−アザフタリド、3,3−ビス[2−(p−メト
キシフェニル)−2−(p−ピロリジノフェニル)エテ
ニル]4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3
−ビス[2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−ジ
メチルアミノフェニル)エテニル]4,5,6,7−テ
トラクロロフタリド、
【0041】6’−[{4−(4−アニリノ)アニリ
ノ}アニリノ]−2’−クロル−3’−メチルスピロ
[フタリド−3,9−キサンテン]3−(N−p−トリ
ル−N−エチルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メ
チル)フルオラン、6’−{4−(4−アニリノ)アニ
リノ}−2’−フェニルアミノ−3’−メチルスピロ
[フタリド−3,9−キサンテン、6’−ジエチルアミ
ノ−2−{4−(4−アニリノ)アニリノ}−2’−フ
ェニルアミノ−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9
−キサンテン]、3−3−ビス(4’−ジメチルアミノ
−2−メトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−3
−ビス(4’−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−4−アザフタリド、3,6−ジ(N−ジメチルア
ミノ)−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメ
チルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ〔a〕
(2,2−ジメチル−4−メチル)−ピリジノ−フルオ
ランなどが挙げられるが、これに限定されるものではな
い。また、前記の一般に感圧記録シートに用いられる発
色剤と併用してマイクロカプセル化することも可能であ
る。
【0042】これらの発色剤は、通常疎水性媒体に溶解
した状態でマイクロカプセル化されるが、疎水性媒体と
しては、一般の感圧記録シートに用いられるものであれ
ば特に制限されない。具体的な例を挙げれば、(a)芳
香族炭化水素として、ジアリールエタン、アルキルビフ
ェニル、アルキルターフェニル、アルキルナフタレン、
トリアリールメタン、ジフェニルアルカン、ヒドロアン
トラセン、ヒドロフェナントレン、ジベンジルトルエン
など、(b)鉱物油として、灯油、パラフィン、ナフテ
ン油、塩素化パラフィンなど、(c)植物油として、綿
実油、コーン油、やし油など、(d)アルコールとし
て、オレイルアルコール、トリデシルアルコール、ベン
ジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、グリ
セリンなど、(e)有機酸として、オレイン酸など、
(f)エステル化合物として、ジメチルフタレート、ジ
エチルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート、ジオク
チルフタレート、アジピン酸ジエチル、アジピン酸プロ
ピル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジオクチ
ルなど、(g)有機燐酸化合物として、トリクレジルホ
スフェート、トリブチルホスファイト、トリブチルホス
ファイトオキサイドなど、(h)エーテル化合物とし
て、フェニルセロソルブ、ベンジルカービトール、ポリ
プロピレングリコール、プロピレングリコールモノフェ
ニルエーテルなど、(i)アミド化合物として、N,N
−ジメチルラウラミド、N,N−ジメチルステアラミ
ド、N,N−ジヘキシルオクチルアミドなど、(j)ケ
トン化合物として、ジイソブチルケトン、メチルヘキシ
ルケトンなど、(k)アルキルカーボネートとして、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど、あ
るいはこれらの混合物を挙げる事ができる。これらは用
途および希望する特性により決定される。
【0043】本発明で用いられるマイクロカプセル化法
としては、特に限定されないが、ゼラチン、アラビアゴ
ムなどを用いたコアセルベーション法によるマイクロカ
プセルは、ラテックス類と混合すると皮膜が破壊されて
しまう場合がある為、界面重合法、in situ重合
法、微生物マイクロカプセル化法を用いる事が望まし
い。in situ重合法カプセル化に用いる乳化剤と
しては、高分子電解物質が好ましい。具体的には、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ベンジルメ
タクリレート−無水マレイン酸共重合体、 α-アルキル
スチレン−無水マレイン酸共重合体、核モノアルキル置
換スチレン−無水マレイン酸共重体、核ジアルキル置換
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸モノアルキルエステル共重合体、エチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
アクリル酸、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合
体、などの水溶液、あるいはこれらの混合水溶液が用い
られる。
【0044】界面重合カプセル化に用いる乳化剤として
は、上記のin situ重合法カプセル化に用いられ
る乳化剤や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロースの水溶液、あ
るいはこれらの混合水溶液を挙げることができる。
【0045】本発明に用いる発色剤内包マイクロカプセ
ルの大きさ(平均直径)は、1〜20μmの範囲が好ま
しく、特には3〜10μmの範囲が好ましい。発色剤の
塗布量としては、特に限定されるものではないが、発色
性能の面から、5〜1000mg/m2、特に好ましくは2
0〜200mg/m2の範囲である。
【0046】マイクロカプセル層の塗布には、通常水性
塗液が用いられ、前記方法によって得られた発色剤内包
マイクロカプセル分散液に、必要に応じてラテックス系
バインダー、水溶性バインダー、カプセル保護剤(スチ
ルト)、白色顔料、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、防腐
剤、着色剤など、当業界で公知の各種助剤が添加され調
整される。マイクロカプセル塗液中のマイクロカプセル
含有量は、通常、塗液100重量部(固形部)に対して
10〜300重量部の範囲で調整される。
【0047】本発明で用いられるラテックス系バインダ
ーの具体例としては、スチレン−ブタジエン系共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、酢酸ビ
ニル系、アクリル系などのラテックスが挙げられる。水
溶性バインダーとしては、例えばゼラチン、アルブミ
ン、カゼイン、澱粉、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化
澱粉、エステル化澱粉、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴ
ム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリア
クリルアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体、メチルセルロースなどの天然あるいは
合成あるいは半合成の高分子化合物などが挙げられる。
これらを混合して使用する事もできる。通常、これらの
使用量はマイクロカプセル乾燥固形重量100部に対し
て、5〜100固形重量部の範囲が好ましい。特に好ま
しくは、5〜50固形重量部の範囲である。
【0048】本発明で用いられるカプセル保護剤(スチ
ルト)としては、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、えんど
う豆澱粉、馬鈴薯澱粉などの粒子、各種プラスチックピ
グメント、パルプパウダーなどを挙げることができる。
その大きさ(平均直径)は、10〜100μmの範囲が
好ましい。特に好ましくは、15〜30μmの範囲であ
る。マイクロカプセル含有層に白色顔料を添加する場合
には、例えば炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化チタン、カオリン、タルクなどが使用でき
る。
【0049】また、感圧記録シートの下用紙としては、
顕色剤を含む水性塗液を支持体に塗布して得られ、その
塗布液は、顕色剤の他に、バインダー、顔料、必要に応
じて分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、
増粘剤、消泡剤など公知の各種助剤が添加されて調製さ
れ、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッド
コーター、バーコーター、ロールコーター、カーテンコ
ーターなどの塗布機を用いて支持体に塗布される。
【0050】顕色剤の例としては、特に限定されない
が、フェノール性水酸基を有する化合物、無機固体酸系
化合物、有機固体酸系化合物など、感圧複写シートおよ
び感熱シートの分野で使用されるものが挙げられる。例
えば、ノボラック型フェノール樹脂およびその多価金属
塩、サリチル酸誘導体およびその多価金属塩、サリチル
酸樹脂およびその多価金属塩などが挙げられる。
【0051】サリチル酸誘導体としては、芳香族置換基
を少なくとも1個有する化合物で、具体的には3−フェ
ニルサリチル酸、5−フェニルサリチル酸、3−ベンジ
ルサリチル酸、5−ベンジルサリチル酸、3−(α−メ
チルベンジル)サリチル酸、5−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)サ
リチル酸、5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ジフェニルサリチル酸、3,5−ジ(α−
メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジベンジルサリ
チル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリ
チル酸、3,5−ジ(4−メチルベンジル)サリチル酸
などが挙げられ、その多価金属塩化合物が一般的には使
用されている。
【0052】サリチル酸樹脂およびその多価金属塩とし
ては、前記のサリチル酸誘導体とスチレン、o.m.p
−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルス
チレンなどのスチレン誘導体をモル比1:0.5〜10
で強酸触媒下にフリーデルクラフツ反応させて得られる
サリチル酸樹脂を多価金属塩化したものを挙げることが
できる。多価金属の種類としては、Ca、Mg、Al、
Zn、Mnなどが挙げられるが、亜鉛塩として用いるの
が最も好ましい。これらの顕色剤は2種以上併用して用
いても良い。
【0053】顕色剤塗液の支持体への塗布量および顕色
剤の顕色剤塗液への配合比率については、特に限定され
るものではないが、通常、発色性能および経済性の面か
ら、塗布量としては2〜15g/m2、より好ましくは、3
〜8g/m2であり、配合比率としては、塗液固形重量中の
2〜80重量%、より好ましくは5〜40重量%であ
る。
【0054】また、顕色剤塗液に用いられる顔料として
は、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、酸化マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化
亜鉛、活性白土、微粉珪酸、酸化チタン、珪酸カルシウ
ム、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などの無機系あるいは
有機系の白色顔料が挙げられる。これらの顕色剤および
顔料は、必要に応じて接着剤と共に支持体の上に塗布さ
れる。支持体に顔料、接着剤などよりなる中間塗層を形
成して顕色剤層を設けても良い。
【0055】
【作用】従来の支持体にマイクロカプセル含有塗布液を
塗布した場合、塗液中のマイクロカプセルが支持体内部
に入り込み、埋もれた状態となり、加圧印字による複写
の際に、支持体に使われている繊維がクッション材とな
って、マイクロカプセルが有効に破壊されなかったり、
また、マイクロカプセルが破壊しても支持体の繊維によ
ってCFとの接触が妨げられるため、CF側への転移性
が不十分であった。ところが、支持体の表面にカチオン
性アルミニウム化合物を表面処理し、湿潤状態のまま、
マイクロカプセル含有塗布液を塗布することによって、
マイクロカプセル含有塗液中の粒子表面がアニオン性で
あるマイクロカプセル、ラテックスなどが支持体の表面
で電気的に引き合い、支持体の内部に入り込むのが防止
されるため、支持体表面にマイクロカプセル層が形成さ
れる。これにより、内相の転移性が向上し、発色濃度が
高く、文字切れの少ない複写画像が得られると考えられ
る。
【0056】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明の
特徴を詳細に示すが、もちろん本発明は実施例のみに限
定される事はなく、従って使用される物質、製造条件な
ども実施例中の記載に限定される事はない。実施例およ
び比較例中、特に規定した場合を除き、乾燥固形重量部
で表示する。
【0057】<発色剤内包マイクロカプセル−1の作製
>発色剤として、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノ
フェニル)ー6ージメチルアミノフタリド(CVL)4
部をジアリールエタン系溶媒(ハイゾールSASN−2
96:日本石油化学社製)96部に溶解した溶液を用意
した。スチレン−無水マレイン酸共重合体5%水溶液1
00部に、上記疎水性液体100部を強攪拌下で徐々に
添加し、コールター・カウンターでの50%体積平均直
径が5μmになるまで攪拌を続け乳化液を得た。メラミ
ン6部、37%ホルムアルデヒド水溶液12部、水32
部を加熱溶解して得たメラミン−ホルムアルデヒド初期
縮合物水溶液を、乳化液中に添加し、70℃の温度下で
2時間攪拌してマイクロカプセル液−1を得た。
【0058】<マイクロカプセル含有塗布液−1の作製
>前記の発色剤内包マイクロカプセル−1の100部に
小麦澱粉50部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテッ
クス(日本合成ゴム社製)を35部、カーテン成膜性を
得るためにポリビニルアルコール(クラレ製)を2部添
加し、全体の固形分濃度を20%とし、液pHを酢酸で
6に調整してマイクロカプセル含有塗布液−1を得た。
【0059】<マイクロカプセル含有塗布液−2の作製
>マイクロカプセル塗布液−1でPVAを添加していな
いものをマイクロカプセル含有塗布液−2とした。
【0060】<塗布原紙の作製;酸性紙>パルプとして
市販LBKPを100部、タルク6部、ロジン系サイズ
剤0.5部、硫酸バンド(有り姿を100として)2部
の組成で抄造を行い、サイズプレスで酸化澱粉(MS−
3800;日本食品化工製)を両面で2.5g/m2塗布
し、坪量が45g/m2の酸性上質紙の抄造を行った。
【0061】<塗布原紙の作製;中性紙>パルプとして
市販LBKPを100部、軽質炭酸カルシウム6部、サ
イズ剤として市販AKD(アルキルケテンダイマー)を
0.3部、カチオン化澱粉を0.8部の組成で抄造を行
い、サイズプレスで酸化澱粉(MS−3800)を両面
で2.5g/m2塗布し、坪量が45g/m2の中性上質紙の抄
造を行った。
【0062】<カチオン化アルミニウム化合物含有水性
塗布液の作製と塗布方法>カチオン化アルミニウム化合
物水溶液だけでは、均一に塗布するための粘性を持たな
いことが多いので、塗布方法にもよるが、粘度を上げる
必要がある。増粘剤として、澱粉(燐酸エステル化澱
粉)を5%濃度で用いた。塗布設備はロッド(ファウン
テンアプリケート)を用いた。以後、この塗布をアルミ
下塗と称することとする。
【0063】<マイクロカプセル液塗布方法>エクスト
ロージョン型カーテンヘッドを用い、ウェブ速度100
0m/分で塗布した。なお、カチオン性アルミニウム化
合物塗布(アルミ下塗)ヘッドとカーテンヘッドの距離
は約10mであり、この間にウェット塗布量計を付設し
てある。
【0064】実施例1 酸性紙を用い、アルミ下塗液として前記の澱粉液にポリ
硫酸アルミニウムシリケート(エコフロック;日本軽金
属製)をアルミナ換算で0.2%濃度となるように加え
調製し、ウェット塗布量10.0g/m2塗布し、さらに乾
燥する前に(ウェットオンウェットで)カーテンコータ
ーでマイクロカプセル含有塗布液−1を絶乾塗布量3.
0g/m2となるように塗布を行った。この時のポリ硫酸ア
ルミニウムシリケートの絶感塗布量は、アルミナ換算で
0.02g/m2である。
【0065】実施例2 アルミ下塗液に加えるアルミ化合物の濃度が、アルミナ
換算で0.4%であること以外は実施例1と同様に塗布
を行った。
【0066】実施例3 アルミ下塗液に加えるアルミ化合物の濃度が、アルミナ
換算で0.6%であること以外は実施例1と同様に塗布
を行った。
【0067】実施例4 アルミ下塗液に加えるアルミ化合物の濃度が、アルミナ
換算で0.8%であること以外は実施例1と同様に塗布
を行った。
【0068】実施例5 アルミ下塗液に加えるアルミ化合物の濃度が、アルミナ
換算で1.0%であること以外は実施例1と同様に塗布
を行った。
【0069】実施例6 アルミ下塗液に加えるアルミ化合物の濃度が、アルミナ
換算で2.0%であること以外は実施例1と同様に塗布
を行った。
【0070】実施例7 用いる紙が、中性紙であり、アルミ下塗液に加えるアル
ミ化合物をポリ塩化アルミニウム(多木化学製)とし、
アルミナ換算濃度で1.0%に調製し、10g/m2を塗布
し、乾燥する前にウェットオンウェットでカーテン塗布
設備を用い、マイクロカプセル含有塗布液−1を絶乾塗
布量3.0g/m2塗布したこと以外は、実施例3と同様に
塗布を行った。
【0071】実施例8 アルミ下塗液のアルミ化合物が硫酸バンド(浅田化学
製)であること以外は実施例7と同様の塗布を行った。
【0072】実施例9 アルミ下塗液のアルミ化合物がポリ水酸化アルミニウム
(浅田化学製)であること以外は実施例7と同様の塗布
を行った。
【0073】実施例10 アルミ下塗液のアルミ化合物がポリ硫酸アルミニウムシ
リケートであること以外は実施例7と同様の塗布を行っ
た。
【0074】実施例11 アルミ下塗液のポリ硫酸アルミニウムシリケートのアル
ミナ換算濃度を1%とし、マイクロカプセル含有塗布液
−1の塗布量を絶乾で2.5g/m2とすること以外は、実
施例1と同様にして塗布を行った。
【0075】実施例12 アルミ下塗液のポリ硫酸アルミニウムシリケートのアル
ミナ換算濃度を1%とし、マイクロカプセル含有塗布液
−1の塗布量を絶乾で2.5g/m2とすること以外は、実
施例7と同様にして塗布を行った。
【0076】比較例1 酸性紙を用い、アルミ下塗液にポリ塩化アルミニウムを
アルミナ換算で1.0%濃度となるように加え、ウェッ
ト塗布量10.0g/m2塗布し、乾燥させた。このアルミ
下塗原紙に、カーテンコーターでマイクロカプセル含有
塗布液−1を絶乾3.0g/m2となるように塗布を行っ
た。
【0077】比較例2 中性紙を用いたこと以外は、比較例1と同様に塗布を行
った。
【0078】比較例3 酸性紙を用い、マイクロカプセル含有塗液−2をエアー
ナイフコーターで塗布速度600m/分で、絶乾塗布量
3.0g/m2となるように塗布を行った。
【0079】比較例4 中性紙を用いたこと以外は、比較例3と同様に塗布を行
った。
【0080】比較例5 アルミ下塗液に加えたポリ硫酸アルミニウムシリケート
のアルミナ換算濃度が3.0%であること以外は、実施
例7と同様に塗布を行った。
【0081】以上の、実施例および比較例を表1にまと
めた。略号は次の通りである。 <原紙種類> 酸:酸性紙 中:中性紙
【0082】<アルミ下塗> 種類 バ:硫酸バンド パス:ポリ硫酸アルミニウムシリケート パク:ポリ塩化アルミニウム パホ:ポリ水酸化アルミニウム 塗布量 アルミナ換算の絶乾塗布量(g/m2
【0083】<マイクロカプセル含有塗布> 塗布法 ウェト:ウェットオンウェット ドライ:マイクロカプセル含有塗布液を塗布するときの
ウェブの状態が乾燥している ヘッド カテン:カーテン塗布方式で塗布する エアー:エアナイフ塗布方式で塗布する 塗布量 マイクロカプセル塗布液の絶乾塗布量(g/m2
【0084】
【表1】
【0085】<感圧記録シートのカプセル内発色剤量の
測定>市販の感圧記録シートCF(三菱NCR紙スーパ
ー下用紙N40、三菱製紙製)に重ね合わせ、ニップ圧
が150kg/cmのロール間を5回通すことによって
全てのカプセルを破壊させた。感圧記録シートに残った
発色剤とCF側に転移した全発色剤量を測定した。この
全発色剤量をaとする。
【0086】<感圧記録シートの発色による内相の転移
性試験>市販の感圧記録シートCF(三菱NCR紙スー
パー下用紙N40、三菱製紙製)に重ね合わせ、ニップ
圧が20kg/cmのロール間を通すことによって発色
させ、CF側の発色部の発色剤量を測定して、転移性の
程度を判断した。この発色剤量をbとする。評価は5段
階で、数値の大きい方が良好であることを示す。試験結
果を表1に示した。
【0087】<感圧記録シートの内相転移率>上記の発
色剤量bを全発色剤量aで除したものを転移率とし、百
分率で表した。全発色剤量が多ければ、CF側に転移し
た発色剤量は多くなることは当然であるので、発色性は
高くなる。この転移率が高いことは、全発色剤量が少量
でもCF側に転移する発色剤量が多くなるために、マイ
クロカプセル塗布量を減らしても高い発色性を示すこと
を意味する。
【0088】<感圧記録シートの発色汚れ試験>市販の
感圧記録シートCF(三菱NCR紙スーパー下用紙N4
0、三菱製紙製)に重ね合わせ、ニップ圧が5kg/c
mのロール間を通すことによって発色させ、CF側の発
色汚れを目視により判定した。評価は、5:良好、3:
実用上の支障なし、1:使用不可とし、それぞれのレベ
ルの間を設け5段階とした。試験結果を表2に示した。
【0089】<塗層構造評価法>マイクロカプセル含有
塗布液を塗布した感圧記録シートのSEM(走査電子顕
微鏡)写真から塗層構造を評価した。評価は、塗布面の
写真を100倍、300倍、1000倍、断面写真を5
00倍、1000倍で撮り観察評価した。評価基準は次
のようである。マイクロカプセル、スチルト材が均一に
分布している。マイクロカプセルが、パルプ繊維上にも
存在している。マイクロカプセル、スチルト材が紙のく
ぼみに落ち込んでいない。これらを、全て満たしている
ものを5とし、最も劣っているものを1として評価を行
った。
【0090】
【表2】
【0091】表2に各実施例および比較例について作製
した感圧記録シートについての評価結果を記載した。 <原紙の差異>比較例1と実施例1の比較から明らかな
ように酸性紙においては、カーテンでウェットオンウェ
ットで塗布することにより高い転移率を示し、発色性も
優れている。比較例2と実施例5から明らかなように、
炭酸カルシウムを填料とする中性紙においては、本発明
の効果は著しいことがうかがえる。
【0092】<カチオン性アルミニウム下塗量の差異>
カチオン性アルミニウムの塗布量が増すに従って転移発
色性は高くなるが、発色汚れの問題が起こり、0.2g/
m2が実用の上限と考えられる。また、塗布量が0.01
g/m2で転移発色性の下限と考えられる。
【0093】<マイクロカプセル塗布量への効果>本実
施例よりマイクロカプセル塗布量を減らしても、発色剤
の転移率が向上し、転移量が稼げる。ゆえに、品質を維
持するためのマイクロカプセル量を削減でき、材料コス
ト的なメリットがでる。また、塗布された発色剤量が減
ったために、発色汚れに対しても有利となるために、カ
チオン性アルミニウム下塗量を増やすことによって発色
剤の転移率を上げることができる。
【0094】
【発明の効果】本発明により、感圧記録シートにおい
て、カチオン性アルミニウム下塗を行った後にウェット
オンウェットでマイクロカプセル含有塗布液を塗布する
ことにより、内相発色剤のCF側への転移率を著しく上
げることが可能となり、発色濃度の向上の効果が得られ
た。
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】さらに、本発明のカチオン性アルミニウム
化合物含有水性液を下塗に用いることにより、上述した
マイクロカプセル含有塗布液(上塗り)層とカチオン性
アルミニウム化合物含有水性液(下塗り)層間でスチル
ト剤およびラテックスの緩やかな結合からなる保水層が
形成されることで、発色性、汚れに優れた感圧記録シー
トを得ることができた。この様にして得られる感圧記録
シートは、ウェブとして酸性紙を用いる場合には、カチ
オン性アルミニウム化合物含有水性液を下塗として塗布
し乾燥後、マイクロカプセル含有塗布液を上塗りでカー
テン塗布した(ウェットオンドライ)よりも品質上優れ
たものが得られた。また、ウェットオンドライでは大き
な効果が得られなかった、炭酸カルシウムを填料として
使用した中性紙においても酸性紙に劣らない効果が得ら
れることが判明した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】マイクロカプセル層の塗布には、通常水性
塗液が用いられ、前記方法によって得られた発色剤内包
マイクロカプセル分散液に、必要に応じてラテックス系
バインダー、水溶性バインダー、カプセル保護剤(スチ
ルト)、白色顔料、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、防腐
剤、着色剤など、当業界で公知の各種助剤が添加され調
される。マイクロカプセル塗液中のマイクロカプセル
含有量は、通常、塗液100重量部(固形部)に対して
10〜300重量部の範囲で調整される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】本発明で用いられるラテックス系バインダ
ーの具体例としては、スチレン−ブタジエン系共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、酢酸ビ
ニル系、アクリル系などのラテックスが挙げられる。水
溶性バインダーとしては、例えばゼラチン、アルブミ
ン、カゼイン、澱粉、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化
澱粉、エステル化澱粉、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴ
ム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体、メチルセルロースなどの天然あるいは合
成あるいは半合成の高分子化合物などが挙げられる。こ
れらを混合して使用する事もできる。通常、これらの使
用量はマイクロカプセル乾燥固形重量100部に対し
て、5〜100固形重量部の範囲が好ましい。特に好ま
しくは、5〜50固形重量部の範囲である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】実施例1 酸性紙を用い、アルミ下塗液として前記の澱粉液にポリ
硫酸アルミニウムシリケート(エコフロック;日本軽金
属製)をアルミナ換算で0.2%濃度となるように加え
調製し、ウェット塗布量10.0g/m2塗布し、さらに乾
燥する前に(ウェットオンウェットで)カーテンコータ
ーでマイクロカプセル含有塗布液−1を絶乾塗布量3.
0g/m2となるように塗布を行った。この時のポリ硫酸ア
ルミニウムシリケートの絶乾塗布量は、アルミナ換算で
0.02g/m2である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】実施例7 用いる紙が、中性紙であり、アルミ下塗液に加えるアル
ミ化合物をポリ塩化アルミニウム(多木化学製)とし、
アルミナ換算濃度で1.0%に調製し、ウェット塗布量
10g/m2を塗布し、乾燥する前にウェットオンウェット
でカーテン塗布設備を用い、マイクロカプセル含有塗布
液−1を絶乾塗布量3.0g/m2塗布したこと以外は、実
施例3と同様に塗布を行った。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】<マイクロカプセル含有塗布> 塗布法 ウェト:ウェットオンウェット ドライ:マイクロカプセル含有塗布液を塗布するときの
ウェブの状態が乾燥している ヘッド カテン:カーテン塗布方式で塗布する エアー:エアナイフ塗布方式で塗布する 塗布量 マイクロカプセル含有塗布液の絶乾塗布量(g/m2
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正内容】
【0091】表2に各実施例および比較例について作製
した感圧記録シートについての評価結果を記載した。 <原紙の差異>比較例1と実施例1の比較から明らかな
ように酸性紙においては、カーテンでウェットオンウェ
ットで塗布することにより高い転移率を示し、発色性も
優れている。比較例2と実施例7〜12から明らかなよ
うに、炭酸カルシウムを填料とする中性紙においては、
本発明の効果は著しいことがうかがえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 浩宗 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、水溶性のカチオン性アルミ
    ニウム化合物および高分子化合物からなる水性液を用
    い、該カチオン性アルミニウム化合物(Al23に換算
    して)の片面当りの乾燥重量が0.01〜0.2g/m2
    なるように該水性液を塗布し、次いで湿潤状態にある該
    塗布面に電子供与性発色剤内包マイクロカプセル含有塗
    布液を塗布し、乾燥することを特徴とする感圧記録シー
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】 カーテン塗布方式により、電子供与性発
    色剤内包マイクロカプセル含有塗布液を塗布することを
    特徴とする請求項1記載の感圧記録シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 カチオン性アルミニウム化合物が、硫酸
    アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウムシリケート、ポリ
    塩化アルミニウム、およびポリ水酸化アルミニウムの群
    から選択される1種以上であることを特徴とする請求項
    1記載の感圧記録シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性の高分子化合物が、澱粉、澱粉変
    成体、セルロース変成体、ポリビニルアルコール、ポリ
    アクリルアミド、グリセリン、およびポリエチレングリ
    コールの群から選択される1種以上であることを特徴と
    する請求項1記載の感圧記録シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4記載の感圧記録シート
    の製造方法によって製造された感圧記録シート。
JP7213137A 1995-08-22 1995-08-22 感圧記録シートおよびその製造方法 Pending JPH0958119A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101038711B1 (ko) * 2008-01-29 2011-06-02 손형우 승화 전사용 잉크 및 이를 이용한 승화 전사 방법
US20220080759A1 (en) * 2016-09-29 2022-03-17 Fujifilm Corporation Material composition for pressure measurement, material for pressure measurement, and material set for pressure measurement

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TWI842080B (zh) * 2016-09-29 2024-05-11 日商富士軟片股份有限公司 壓力測定用材料及壓力測定用材料組

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