JPH0955456A - 半導体装置の冷却構造 - Google Patents
半導体装置の冷却構造Info
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- JPH0955456A JPH0955456A JP22863395A JP22863395A JPH0955456A JP H0955456 A JPH0955456 A JP H0955456A JP 22863395 A JP22863395 A JP 22863395A JP 22863395 A JP22863395 A JP 22863395A JP H0955456 A JPH0955456 A JP H0955456A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い熱伝導率で半導体装置が発生する熱を効
果的に放熱することができる半導体装置の放熱構造を提
供する。 【解決手段】 シリコーンゴム12を金網11に含侵さ
せ、この金網11の両側部を断面略C状に屈曲させて伝
熱性シート10を構成し、この伝熱性シート10を半導
体装置1とヒートシンク2との間に適当な圧力をもって
挟着し、伝熱性シート10が金網11とシリコーンゴム
12の変形により全体的に撓みを生じ、これら金網11
とシリコーンゴム12とがそれぞれ半導体装置1とヒー
トシンク2とに接するように構成した。
果的に放熱することができる半導体装置の放熱構造を提
供する。 【解決手段】 シリコーンゴム12を金網11に含侵さ
せ、この金網11の両側部を断面略C状に屈曲させて伝
熱性シート10を構成し、この伝熱性シート10を半導
体装置1とヒートシンク2との間に適当な圧力をもって
挟着し、伝熱性シート10が金網11とシリコーンゴム
12の変形により全体的に撓みを生じ、これら金網11
とシリコーンゴム12とがそれぞれ半導体装置1とヒー
トシンク2とに接するように構成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の冷
却構造、特に、パワートランジスタ、マイクロプロセッ
サ、光通信モジュール等の高出力で発熱量の大きな半導
体装置の冷却に有用な半導体装置の冷却構造に関する。
却構造、特に、パワートランジスタ、マイクロプロセッ
サ、光通信モジュール等の高出力で発熱量の大きな半導
体装置の冷却に有用な半導体装置の冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、高出力で発熱量が大きな
半導体装置には放熱用のフィンを備えたヒートシンクが
接するように設けられ、このヒートシンクにより半導体
装置の放熱が行われる。このようなヒートシンクは、通
常、熱伝導率が高いほど冷却効率が優れることから、ア
ルミニウムやアルミニウム合金等の金属、また、セラミ
ックス等の高熱伝導率材料から構成されている。ところ
が、硬い高熱伝導率材料からなるヒートシンクは半導体
装置との接触部分に表面粗さ等に起因してエアギャップ
が形成され、このエアーギャップにより熱伝導率が悪化
して放熱性が阻害されるという問題が生じていた。
半導体装置には放熱用のフィンを備えたヒートシンクが
接するように設けられ、このヒートシンクにより半導体
装置の放熱が行われる。このようなヒートシンクは、通
常、熱伝導率が高いほど冷却効率が優れることから、ア
ルミニウムやアルミニウム合金等の金属、また、セラミ
ックス等の高熱伝導率材料から構成されている。ところ
が、硬い高熱伝導率材料からなるヒートシンクは半導体
装置との接触部分に表面粗さ等に起因してエアギャップ
が形成され、このエアーギャップにより熱伝導率が悪化
して放熱性が阻害されるという問題が生じていた。
【0003】そこで、近年にあっては、エアーギャップ
の発生の防止を目的に、図10に示すように半導体装置
1とヒートシンク2との間に高い熱伝導率のフィラーを
高比率で配合したゴムシート3を介在させる冷却構造
(便宜上、先行技術1と称する)、また、半導体装置と
ヒートシンク2との間に高い熱伝導率のフィラーを高い
比率で混合分散させたグリースを塗布した冷却構造(便
宜上、先行技術2と称する)が提案されている。なお、
図10中、4はソケット、5は回路基板、6はヒートシ
ンク2を半導体装置1に固定するアタッチメントであ
る。
の発生の防止を目的に、図10に示すように半導体装置
1とヒートシンク2との間に高い熱伝導率のフィラーを
高比率で配合したゴムシート3を介在させる冷却構造
(便宜上、先行技術1と称する)、また、半導体装置と
ヒートシンク2との間に高い熱伝導率のフィラーを高い
比率で混合分散させたグリースを塗布した冷却構造(便
宜上、先行技術2と称する)が提案されている。なお、
図10中、4はソケット、5は回路基板、6はヒートシ
ンク2を半導体装置1に固定するアタッチメントであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術1,2の冷却構造にあっても、満足すべき熱
伝導率が得られず、ヒートシンクの大型化やフィンの形
状の工夫等の対策を採らざるをえず、全体としての大型
化や製造コストの増大等を招いていた。この発明は、上
記事情に鑑みてなされたもので、高い熱伝導率が得ら
れ、半導体装置が発生する熱を効果的に放熱することが
できる半導体装置の放熱構造を提供することを目的とす
る。
た先行技術1,2の冷却構造にあっても、満足すべき熱
伝導率が得られず、ヒートシンクの大型化やフィンの形
状の工夫等の対策を採らざるをえず、全体としての大型
化や製造コストの増大等を招いていた。この発明は、上
記事情に鑑みてなされたもので、高い熱伝導率が得ら
れ、半導体装置が発生する熱を効果的に放熱することが
できる半導体装置の放熱構造を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却構造
は、高い熱伝導率のフィラーを高い配合率で分散させた
エラストマと高い熱伝導率の金属からなる金網とを備
え、該金網の一部が表裏面に露出する伝熱性シートを構
成し、該伝熱性シートを一面に露出した金網が半導体装
置と接触するように設けた。そして、請求項2記載の発
明は、請求項1記載の半導体装置の冷却構造において、
前記伝熱性シートを屈曲して屈曲内側部分に前記エラス
トマを充填することで構成される。
め、請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却構造
は、高い熱伝導率のフィラーを高い配合率で分散させた
エラストマと高い熱伝導率の金属からなる金網とを備
え、該金網の一部が表裏面に露出する伝熱性シートを構
成し、該伝熱性シートを一面に露出した金網が半導体装
置と接触するように設けた。そして、請求項2記載の発
明は、請求項1記載の半導体装置の冷却構造において、
前記伝熱性シートを屈曲して屈曲内側部分に前記エラス
トマを充填することで構成される。
【0006】また、請求項3記載の発明にかかる半導体
装置の冷却構造は、高い熱伝導率のフィラーを高い配合
率で分散させたエラストマからなるシート体に該シート
体と一体的に変形可能な高い熱伝導率の金属伝熱体を表
裏を貫通させて伝熱性シートを構成し、該伝熱性シート
を一面に露出した金属伝熱体が半導体装置と接触するよ
うに設けた。
装置の冷却構造は、高い熱伝導率のフィラーを高い配合
率で分散させたエラストマからなるシート体に該シート
体と一体的に変形可能な高い熱伝導率の金属伝熱体を表
裏を貫通させて伝熱性シートを構成し、該伝熱性シート
を一面に露出した金属伝熱体が半導体装置と接触するよ
うに設けた。
【0007】そして、請求項4記載の発明は、請求項1
または請求項3記載の半導体装置の冷却構造において、
前記伝熱性シートを屈曲して半導体装置とヒートシンク
との間に該ヒートシンクおよび前記半導体装置の双方と
前記金網(金属伝熱体)が接するように介装して構成さ
れる。また、請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4記載の半導体装置の冷却構造において、前記伝熱性
シートの少なくとも一面にエラストマのゲル層を形成し
て構成される。
または請求項3記載の半導体装置の冷却構造において、
前記伝熱性シートを屈曲して半導体装置とヒートシンク
との間に該ヒートシンクおよび前記半導体装置の双方と
前記金網(金属伝熱体)が接するように介装して構成さ
れる。また、請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4記載の半導体装置の冷却構造において、前記伝熱性
シートの少なくとも一面にエラストマのゲル層を形成し
て構成される。
【0008】また、請求項6記載の発明にかかる半導体
装置の冷却構造は、高い熱伝導率の金属からなる金網を
略波状に折曲して平坦な接続部と放熱フィン部とを交互
に形成し、該金網の接続部の近傍部分を該接続部が露呈
するように高い熱伝導率のフィラーを分散させたエラス
トマにより被覆して放熱体を構成し、該放熱体を前記エ
ラストマから露出した金網の接続部が半導体装置と接触
するように設けた。
装置の冷却構造は、高い熱伝導率の金属からなる金網を
略波状に折曲して平坦な接続部と放熱フィン部とを交互
に形成し、該金網の接続部の近傍部分を該接続部が露呈
するように高い熱伝導率のフィラーを分散させたエラス
トマにより被覆して放熱体を構成し、該放熱体を前記エ
ラストマから露出した金網の接続部が半導体装置と接触
するように設けた。
【0009】請求項1および請求項6記載の半導体装置
の冷却構造においては、金網として銀、アルミニウム、
銅あるいはこれらの合金等の金属線で織成したもの、望
ましくは、線径が20μm〜200μmの金属線で15
〜200メッシュに織成した金網が、エラストマとして
高温で安定し経時変化が少ない熱伝導率の高いもの、望
ましくはシリコーンゴムやシリコーンゲルが、エラスト
マに配合するフィラーとして銀、アルミニウム、アルミ
ニウム合金等の金属、または、アルミナ、窒化ケイ素、
窒化ホウ素、窒化アルミニウムあるいはセラミック等の
熱伝導率が0,05cal/sec・°C・cm以上の
高い熱伝導率を有する粉体が用いられる。そして、伝熱
性シートは、金網を折り曲げて間にエラストマを充填す
ることで、エラストマを間に金網を折り曲げることで、
金網を波形に屈曲させて表裏両面にエラストマを塗工す
ることで、あるいは、筒状に成形された金網内にエラス
トマを充填すること等で構成される。
の冷却構造においては、金網として銀、アルミニウム、
銅あるいはこれらの合金等の金属線で織成したもの、望
ましくは、線径が20μm〜200μmの金属線で15
〜200メッシュに織成した金網が、エラストマとして
高温で安定し経時変化が少ない熱伝導率の高いもの、望
ましくはシリコーンゴムやシリコーンゲルが、エラスト
マに配合するフィラーとして銀、アルミニウム、アルミ
ニウム合金等の金属、または、アルミナ、窒化ケイ素、
窒化ホウ素、窒化アルミニウムあるいはセラミック等の
熱伝導率が0,05cal/sec・°C・cm以上の
高い熱伝導率を有する粉体が用いられる。そして、伝熱
性シートは、金網を折り曲げて間にエラストマを充填す
ることで、エラストマを間に金網を折り曲げることで、
金網を波形に屈曲させて表裏両面にエラストマを塗工す
ることで、あるいは、筒状に成形された金網内にエラス
トマを充填すること等で構成される。
【0010】請求項3記載の半導体装置の冷却構造にお
いては、金属伝熱体として銀、アルミニウム、銅あるい
はこれらの合金等の金属箔や金属線が用いられ、伝熱性
シートは金属箔とエラストマとを多層積層することで、
あるいは、シート体に多数の金属線を両端部が突出する
ように表裏を貫通させることで構成される。
いては、金属伝熱体として銀、アルミニウム、銅あるい
はこれらの合金等の金属箔や金属線が用いられ、伝熱性
シートは金属箔とエラストマとを多層積層することで、
あるいは、シート体に多数の金属線を両端部が突出する
ように表裏を貫通させることで構成される。
【0011】
【作用】請求項1および請求項3記載の半導体装置の冷
却構造によれば、伝熱性シートは金網や金属伝熱体がエ
ラストマとともに変形して半導体装置と適当な圧力で接
触し、半導体装置が発する熱がエラストマおよび金網や
金属伝熱体を経て伝導し、伝熱性シートを介し放熱され
る。すなわち、半導体装置の熱は、フィラーを含有して
熱伝導率の高いエラストマと、高い熱伝導率の金網や金
属伝熱体との双方を経て放熱される。このため、半導体
装置の熱を効果的に放散することができる。
却構造によれば、伝熱性シートは金網や金属伝熱体がエ
ラストマとともに変形して半導体装置と適当な圧力で接
触し、半導体装置が発する熱がエラストマおよび金網や
金属伝熱体を経て伝導し、伝熱性シートを介し放熱され
る。すなわち、半導体装置の熱は、フィラーを含有して
熱伝導率の高いエラストマと、高い熱伝導率の金網や金
属伝熱体との双方を経て放熱される。このため、半導体
装置の熱を効果的に放散することができる。
【0012】また、請求項6記載の半導体装置の冷却構
造によれば、放熱体には半導体装置の発する熱がエラス
トマおよび金網の接続部から伝導し、この熱を放熱フィ
ン部から放散する。このため、上記請求項1,3記載の
冷却構造の作用に加え、ヒートシンクとしても機能し、
ヒートシンクを省略して部品点数を少なくすることがで
きる。
造によれば、放熱体には半導体装置の発する熱がエラス
トマおよび金網の接続部から伝導し、この熱を放熱フィ
ン部から放散する。このため、上記請求項1,3記載の
冷却構造の作用に加え、ヒートシンクとしても機能し、
ヒートシンクを省略して部品点数を少なくすることがで
きる。
【0013】そして、請求項2記載の半導体装置の冷却
構造は、伝熱性シートを屈曲して屈曲内側部分にエラス
トマを充填するため、大きく弾性変形させることがで
き、伝熱性シートを半導体装置等により確実に密着させ
ることができる。また、請求項4記載の半導体装置の冷
却構造は、伝熱性シートを折り曲げて半導体装置とヒー
トシンクとの間に介装するため、その折り曲げ部の撓み
で密着性が改善され、また、折り曲げ内側で放熱を行わ
せることもできよりすぐれた放熱性が得られる。さら
に、請求項5記載の半導体装置の冷却構造は、エラスト
マのゲル層が半導体装置やヒートシンクの表面粗さを吸
収して空気層の発生を防止するため、高い放熱性、優れ
た冷却性能が達成される。また、エラストマのゲル層を
予めプリフォームすることができるため組立作業も容易
である。
構造は、伝熱性シートを屈曲して屈曲内側部分にエラス
トマを充填するため、大きく弾性変形させることがで
き、伝熱性シートを半導体装置等により確実に密着させ
ることができる。また、請求項4記載の半導体装置の冷
却構造は、伝熱性シートを折り曲げて半導体装置とヒー
トシンクとの間に介装するため、その折り曲げ部の撓み
で密着性が改善され、また、折り曲げ内側で放熱を行わ
せることもできよりすぐれた放熱性が得られる。さら
に、請求項5記載の半導体装置の冷却構造は、エラスト
マのゲル層が半導体装置やヒートシンクの表面粗さを吸
収して空気層の発生を防止するため、高い放熱性、優れ
た冷却性能が達成される。また、エラストマのゲル層を
予めプリフォームすることができるため組立作業も容易
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1は請求項1記載の発明の第
1の形態にかかる半導体装置の冷却構造を示す模式断面
図である。図中、10は伝熱性シートであり、伝熱性シ
ート10は、シリコーンゴム(エラストマ)12内に金
網11を埋入させて構成される。この伝熱性シート10
は、半導体装置1とヒートシンク2との間に適当な圧力
をもって挟着され、金網11がシリコーンゴム12とと
もに変形して全体的に撓みを生じ、これら金網11とシ
リコーンゴム12とがそれぞれ半導体装置1とヒートシ
ンク2とに接する(前述した図10参照)。
面を参照して説明する。図1は請求項1記載の発明の第
1の形態にかかる半導体装置の冷却構造を示す模式断面
図である。図中、10は伝熱性シートであり、伝熱性シ
ート10は、シリコーンゴム(エラストマ)12内に金
網11を埋入させて構成される。この伝熱性シート10
は、半導体装置1とヒートシンク2との間に適当な圧力
をもって挟着され、金網11がシリコーンゴム12とと
もに変形して全体的に撓みを生じ、これら金網11とシ
リコーンゴム12とがそれぞれ半導体装置1とヒートシ
ンク2とに接する(前述した図10参照)。
【0015】金網11は、横線11aと縦線11bとが
ともに銅、銅合金、アルミニウム等の高い熱伝導率の金
属からなり、これら線11a,11bが重なり部分でシ
リコーンゴム12上に露出して一面側で半導体装置1
と、他面側でヒートシンク2と当接する。この金網11
は、望ましくは、線11a,11bに線径が20〜20
0μmの銅線を用い、50〜200メッシュに織成され
る。シリコーンゴム12は、アルミニウム粉末等のフィ
ラーを30重量%〜60重量%で含有し、高い熱伝導率
を有する。
ともに銅、銅合金、アルミニウム等の高い熱伝導率の金
属からなり、これら線11a,11bが重なり部分でシ
リコーンゴム12上に露出して一面側で半導体装置1
と、他面側でヒートシンク2と当接する。この金網11
は、望ましくは、線11a,11bに線径が20〜20
0μmの銅線を用い、50〜200メッシュに織成され
る。シリコーンゴム12は、アルミニウム粉末等のフィ
ラーを30重量%〜60重量%で含有し、高い熱伝導率
を有する。
【0016】この第1の形態にあっては、半導体装置1
とヒートシンク2との間に伝熱性シート10が挟着され
(図10中のゴムシートに代えて介装され)、伝熱性シ
ート10の金網11とシリコーンゴム12がそれぞれ弾
性変形して適当な圧力で半導体装置1とヒートシンク2
とに接触する。このため、半導体装置1の熱が高い熱伝
導率の金網11とシリコーンゴム12の双方を経てヒー
トシンク2に伝導し、半導体装置1の放熱が効果的に行
われる。
とヒートシンク2との間に伝熱性シート10が挟着され
(図10中のゴムシートに代えて介装され)、伝熱性シ
ート10の金網11とシリコーンゴム12がそれぞれ弾
性変形して適当な圧力で半導体装置1とヒートシンク2
とに接触する。このため、半導体装置1の熱が高い熱伝
導率の金網11とシリコーンゴム12の双方を経てヒー
トシンク2に伝導し、半導体装置1の放熱が効果的に行
われる。
【0017】図2は請求項1記載の発明の第2の形態に
かかる半導体装置の冷却構造の模式断面図である。な
お、この第2の形態および後述する他の形態においては
上述した第1の形態と同一の部分には同一の番号を付し
て説明を省略する。この第2の形態にあっては、伝熱性
シート10が略波状に屈曲した金網11の表裏にシリコ
ーンゴム12を塗工し、金網11の屈曲角部をシリコー
ンゴム12表面から突出するように被覆して構成され
る。この第2の形態においては、伝熱性シート10の金
網11が波形状に屈曲するため、金網11が変形しやす
い。このため、金網11が半導体装置1等と確実に接触
し、より優れた放熱性が得られる。
かかる半導体装置の冷却構造の模式断面図である。な
お、この第2の形態および後述する他の形態においては
上述した第1の形態と同一の部分には同一の番号を付し
て説明を省略する。この第2の形態にあっては、伝熱性
シート10が略波状に屈曲した金網11の表裏にシリコ
ーンゴム12を塗工し、金網11の屈曲角部をシリコー
ンゴム12表面から突出するように被覆して構成され
る。この第2の形態においては、伝熱性シート10の金
網11が波形状に屈曲するため、金網11が変形しやす
い。このため、金網11が半導体装置1等と確実に接触
し、より優れた放熱性が得られる。
【0018】図3a,bは請求項1記載の発明の第3の
形態にかかる半導体装置の冷却構造を示し、図3aが模
式断面図、図3bが伝熱性シートの斜視図である。この
第3の形態は、前述した第1の形態(図1)の伝熱性シ
ート10の両側部分を屈曲させて断面C字状に成形し、
半導体装置1とヒートシンク2との間に挟圧させて介装
するものである。この第3の形態は、伝熱性シート10
が曲げ変形を生じるため、撓みが大きく、伝熱性シート
10と半導体装置1およびヒートシンク2との密着性が
優れ、より高い熱伝導率が得られ、また、伝熱性シート
10の屈曲内側部分からも放熱することができるためよ
り効果的に放熱することができる。
形態にかかる半導体装置の冷却構造を示し、図3aが模
式断面図、図3bが伝熱性シートの斜視図である。この
第3の形態は、前述した第1の形態(図1)の伝熱性シ
ート10の両側部分を屈曲させて断面C字状に成形し、
半導体装置1とヒートシンク2との間に挟圧させて介装
するものである。この第3の形態は、伝熱性シート10
が曲げ変形を生じるため、撓みが大きく、伝熱性シート
10と半導体装置1およびヒートシンク2との密着性が
優れ、より高い熱伝導率が得られ、また、伝熱性シート
10の屈曲内側部分からも放熱することができるためよ
り効果的に放熱することができる。
【0019】そして、この第3の形態にかかる伝熱性シ
ート10は、次のように製造される。先ず、ガラス繊維
入りテフロンシート上に金網11を固定し、この金網1
1にスクリーン印刷の要領で液状シリコーンゴム12を
塗布、含侵させた後に屈曲させ、次いで、この屈曲した
シリコーンゴム12含侵の金網11を加熱炉等で加熱硬
化させて完成する。
ート10は、次のように製造される。先ず、ガラス繊維
入りテフロンシート上に金網11を固定し、この金網1
1にスクリーン印刷の要領で液状シリコーンゴム12を
塗布、含侵させた後に屈曲させ、次いで、この屈曲した
シリコーンゴム12含侵の金網11を加熱炉等で加熱硬
化させて完成する。
【0020】図4a,b,cは請求項1記載の発明の第
4の形態にかかる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性
シートの製造過程をアルファベット順に表し、aが平面
図、bが平面図、cが斜視図である。この第4の形態に
あっては、前述した第1の形態の伝熱性シート10(図
1)あるいは第2の形態の伝熱性シート10(図2)を
用い、この伝熱性シート10の4隅部を折り曲げて半導
体装置1とヒートシンク2との間に挟着する。
4の形態にかかる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性
シートの製造過程をアルファベット順に表し、aが平面
図、bが平面図、cが斜視図である。この第4の形態に
あっては、前述した第1の形態の伝熱性シート10(図
1)あるいは第2の形態の伝熱性シート10(図2)を
用い、この伝熱性シート10の4隅部を折り曲げて半導
体装置1とヒートシンク2との間に挟着する。
【0021】そして、この第4の形態の伝熱性シート1
0は、以下のようにして製造される。先ず、正方形状の
金網11を波形状に折曲し、この折曲した金網11にシ
リコーンゴム12を含侵させた後、この金網11を加熱
炉で加熱硬化させる。次に、この金網11にナイフコー
ター等を用いてシリコーンゴム12を塗工した後、金型
を用いて金網11の4角部を隣合う辺の中点を結ぶ折り
曲げ線(図4a中、破線)で折曲させ(図4a,b参
照)、次いで、この折曲した金網11を熱プレス等で加
熱しつつ加圧し、シリコーンゴム12を硬化させて伝熱
性シート10が完成する(図4c)。
0は、以下のようにして製造される。先ず、正方形状の
金網11を波形状に折曲し、この折曲した金網11にシ
リコーンゴム12を含侵させた後、この金網11を加熱
炉で加熱硬化させる。次に、この金網11にナイフコー
ター等を用いてシリコーンゴム12を塗工した後、金型
を用いて金網11の4角部を隣合う辺の中点を結ぶ折り
曲げ線(図4a中、破線)で折曲させ(図4a,b参
照)、次いで、この折曲した金網11を熱プレス等で加
熱しつつ加圧し、シリコーンゴム12を硬化させて伝熱
性シート10が完成する(図4c)。
【0022】図5は請求項1記載の発明の第5の形態に
かかる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性シートの模
式断面図である。この第5の形態においては、複数の分
割ユニット40を平面状に接合して伝熱性シート10が
構成される。分割ユニット40は、金網11からなる角
パイプ体13内に金網11からなる円パイプ体14を遊
挿し、角パイプ体13内面と円パイプ体14外面との間
にシリコーンゴム12を充填して構成される。そして、
伝熱性シート10の表裏両面にはそれぞれ、シリコーン
ゴム12と同様のフィラーを含有した高い熱伝導率のシ
リコーンゲルからシリコーンゲル層15が形成される。
かかる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性シートの模
式断面図である。この第5の形態においては、複数の分
割ユニット40を平面状に接合して伝熱性シート10が
構成される。分割ユニット40は、金網11からなる角
パイプ体13内に金網11からなる円パイプ体14を遊
挿し、角パイプ体13内面と円パイプ体14外面との間
にシリコーンゴム12を充填して構成される。そして、
伝熱性シート10の表裏両面にはそれぞれ、シリコーン
ゴム12と同様のフィラーを含有した高い熱伝導率のシ
リコーンゲルからシリコーンゲル層15が形成される。
【0023】この第5の形態にあっても、伝熱性シート
10を半導体装置1とヒートシンク2との間に挟圧して
設けるが、さらに、伝熱性シート10の表裏にシリコー
ンゲル層15が設けられ、このシリコーンゲル層15が
半導体装置1やヒートシンク2の表面粗さを吸収して空
気層の発生を防止する。このため、高い放熱性、優れた
冷却性能が達成される。特に、シリコーンゲル層15
は、予めプリフォームすることができるため、ヒートシ
ンク2の装着の際等に塗工する等の作業が不要で組み立
て作業を容易に行うことができ、また、円パイプ体14
内部で放熱することもでき放熱がより効果的に行える。
10を半導体装置1とヒートシンク2との間に挟圧して
設けるが、さらに、伝熱性シート10の表裏にシリコー
ンゲル層15が設けられ、このシリコーンゲル層15が
半導体装置1やヒートシンク2の表面粗さを吸収して空
気層の発生を防止する。このため、高い放熱性、優れた
冷却性能が達成される。特に、シリコーンゲル層15
は、予めプリフォームすることができるため、ヒートシ
ンク2の装着の際等に塗工する等の作業が不要で組み立
て作業を容易に行うことができ、また、円パイプ体14
内部で放熱することもでき放熱がより効果的に行える。
【0024】図6は請求項1記載の発明の第6の形態に
かかる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性シートの模
式断面図である。この第6の形態は、断面略U字状に屈
曲した帯状の金網11の内側部分にシリコーンゴム12
を充填して分割ユニット40が構成され、この分割ユニ
ット40を複数接合して伝熱性シート10が構成され
る。そして、この冷却構造にあっても、伝熱性シート1
0の表裏にはシリコーンゲル層15が形成され、このシ
リコーンゲル層15が半導体装置1やヒートシンク2の
表面粗さを吸収して空気層の発生を防止する。
かかる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性シートの模
式断面図である。この第6の形態は、断面略U字状に屈
曲した帯状の金網11の内側部分にシリコーンゴム12
を充填して分割ユニット40が構成され、この分割ユニ
ット40を複数接合して伝熱性シート10が構成され
る。そして、この冷却構造にあっても、伝熱性シート1
0の表裏にはシリコーンゲル層15が形成され、このシ
リコーンゲル層15が半導体装置1やヒートシンク2の
表面粗さを吸収して空気層の発生を防止する。
【0025】図7は請求項1記載の発明の第7の形態に
かかる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性シートの模
式断面図である。この第7の形態においては、上述した
第1の形態と同様に金網11を略C字状に屈曲し、この
金網11にシリコーンゲル15を含侵させて半導体装置
1とヒートシンク2との間に介装するものである。
かかる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性シートの模
式断面図である。この第7の形態においては、上述した
第1の形態と同様に金網11を略C字状に屈曲し、この
金網11にシリコーンゲル15を含侵させて半導体装置
1とヒートシンク2との間に介装するものである。
【0026】図8a,bは請求項6記載の発明の一の実
施の形態にかかる半導体装置の冷却構造を示し、図8a
が模式斜視図、図8bが一部を拡大した正断面図であ
る。この実施の形態においては、金網11を平坦な接続
部19aと放熱フィン部19bを交互に折曲して構成
し、この屈曲させた金網11の接続部19aをシリコー
ンゴム層12内に埋入させて放熱体19を構成するもの
である。
施の形態にかかる半導体装置の冷却構造を示し、図8a
が模式斜視図、図8bが一部を拡大した正断面図であ
る。この実施の形態においては、金網11を平坦な接続
部19aと放熱フィン部19bを交互に折曲して構成
し、この屈曲させた金網11の接続部19aをシリコー
ンゴム層12内に埋入させて放熱体19を構成するもの
である。
【0027】この実施の形態にあっても、放熱体19が
半導体装置1の上面にシリコーンゴム層12を密着させ
て設けられ、放熱体19の金網11の接続部19aがシ
リコーンゴム層12から露呈して半導体装置1の上面に
直接に大きな接触面積で接触し、また、この金網11お
よびシリコーンゴム層12を経て伝導した熱を放熱フィ
ン部19bから放熱する。このため、半導体装置1を効
果的に冷却することができる。
半導体装置1の上面にシリコーンゴム層12を密着させ
て設けられ、放熱体19の金網11の接続部19aがシ
リコーンゴム層12から露呈して半導体装置1の上面に
直接に大きな接触面積で接触し、また、この金網11お
よびシリコーンゴム層12を経て伝導した熱を放熱フィ
ン部19bから放熱する。このため、半導体装置1を効
果的に冷却することができる。
【0028】なお、この実施の形態にあっては、上記シ
リコーンゴム層12と半導体装置1との間に前記フィラ
ーを含有したシリコーンゲル等のエラストマのゲルを介
在させることも可能であり、また、シリコーンゴム層1
2自体をシリコーンゲル等の伝熱性エラストマのゲル層
15として構成することも可能である。
リコーンゴム層12と半導体装置1との間に前記フィラ
ーを含有したシリコーンゲル等のエラストマのゲルを介
在させることも可能であり、また、シリコーンゴム層1
2自体をシリコーンゲル等の伝熱性エラストマのゲル層
15として構成することも可能である。
【0029】図9は請求項3記載の発明の一の形態にか
かる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性シートを示
す。この形態にあっては、エラストマからなるシート本
体71の表裏両面に複数の凸部72を略波状に形成する
とともに、シート本体71に表裏を貫通して表裏の凸部
72頂面に露呈する多数の金属箔73を埋入させ、さら
に、シート体71の表裏両面にシリコーンゲル層15を
形成して伝熱性シート10を構成するものである。
かる半導体装置の冷却構造に用いる伝熱性シートを示
す。この形態にあっては、エラストマからなるシート本
体71の表裏両面に複数の凸部72を略波状に形成する
とともに、シート本体71に表裏を貫通して表裏の凸部
72頂面に露呈する多数の金属箔73を埋入させ、さら
に、シート体71の表裏両面にシリコーンゲル層15を
形成して伝熱性シート10を構成するものである。
【0030】前述した各形態と同様に、シート本体71
は高い熱伝導率のフィラーを分散させたシリコーンゴム
等から、また、金属箔73は銅等の熱伝導率が高い金属
から、シリコーンゲル層15は高い熱伝導率のフィラー
を分散させたシリコーンゲルから構成される。なお、こ
の形態においては、金属箔73を導電性の高い金属の可
撓性細線で置換することも可能である。
は高い熱伝導率のフィラーを分散させたシリコーンゴム
等から、また、金属箔73は銅等の熱伝導率が高い金属
から、シリコーンゲル層15は高い熱伝導率のフィラー
を分散させたシリコーンゲルから構成される。なお、こ
の形態においては、金属箔73を導電性の高い金属の可
撓性細線で置換することも可能である。
【0031】この形態の冷却構造にあっても、伝熱性シ
ート10が半導体装置1とヒートシンク2との間に挟圧
状態で介装されてシート本体71および金属箔73が変
形し、シート本体71と金属箔73がそれぞれ適当な圧
力で半導体装置1とヒートシンク2とに接触する。この
ため、半導体装置1の熱がヒートシンク2に速やかに伝
導し、半導体装置1の放熱が効果的に行われる。
ート10が半導体装置1とヒートシンク2との間に挟圧
状態で介装されてシート本体71および金属箔73が変
形し、シート本体71と金属箔73がそれぞれ適当な圧
力で半導体装置1とヒートシンク2とに接触する。この
ため、半導体装置1の熱がヒートシンク2に速やかに伝
導し、半導体装置1の放熱が効果的に行われる。
【0032】そして、この形態の伝熱性シート10は、
シリコーンゴム層と金属箔73とを多層積層した後、刃
が波形状のカッター等を用い積層方向に対して傾斜した
切断線でシート状に切断、すなわち、シート本体71を
成形し、次いで、シート本体71の表裏にシリコーンゲ
ル層15を形成することで製造できる。したがって、伝
熱性シート10がの製造も容易であり、伝熱性シート1
0を安価に提供することができる。
シリコーンゴム層と金属箔73とを多層積層した後、刃
が波形状のカッター等を用い積層方向に対して傾斜した
切断線でシート状に切断、すなわち、シート本体71を
成形し、次いで、シート本体71の表裏にシリコーンゲ
ル層15を形成することで製造できる。したがって、伝
熱性シート10がの製造も容易であり、伝熱性シート1
0を安価に提供することができる。
【0033】なお、上述した各形態においては、図7の
形態を除きエラストマとしてシリコーンゴムを用いる
が、シリコーンゴムに代えてシリコーンゲルを用いるこ
とも可能である。すなわち、図1,2,4,5等の形態
においては、金網11にシリコーンゲルを含侵、充填さ
せて伝熱性シート10を構成することも可能である。ま
た、上述した各形態においては、図8の例を除いていず
れもヒートシンク2を用いるものを例示するが、ヒート
シンク2を用いることなく伝熱性シート10のみにより
放熱を行うように構成することも可能である。
形態を除きエラストマとしてシリコーンゴムを用いる
が、シリコーンゴムに代えてシリコーンゲルを用いるこ
とも可能である。すなわち、図1,2,4,5等の形態
においては、金網11にシリコーンゲルを含侵、充填さ
せて伝熱性シート10を構成することも可能である。ま
た、上述した各形態においては、図8の例を除いていず
れもヒートシンク2を用いるものを例示するが、ヒート
シンク2を用いることなく伝熱性シート10のみにより
放熱を行うように構成することも可能である。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。 ・実施例1 線径250μmの銅線で16メッシュに織り込んだ金網
を準備し、この金網をガラス繊維入りテフロンシート上
に固定する。次に、熱伝導性液状シリコーンゴムKE1
861(信越化学工業(株)製)を均一な厚みとなるよ
うにシルクスクリーン印刷の要領で金網に含侵させる。
この含侵したシートを150°Cのオーブン中に1時間
放置して硬化を行い図3に相当する放熱部材を作製し
た。こうして得られた放熱部材を熱伝導率計にて熱伝導
度を測定したところ、熱伝導率が4×10-2と熱伝導性
シリコーンゴム単独の熱伝導度に対して約1桁向上し
た。
を準備し、この金網をガラス繊維入りテフロンシート上
に固定する。次に、熱伝導性液状シリコーンゴムKE1
861(信越化学工業(株)製)を均一な厚みとなるよ
うにシルクスクリーン印刷の要領で金網に含侵させる。
この含侵したシートを150°Cのオーブン中に1時間
放置して硬化を行い図3に相当する放熱部材を作製し
た。こうして得られた放熱部材を熱伝導率計にて熱伝導
度を測定したところ、熱伝導率が4×10-2と熱伝導性
シリコーンゴム単独の熱伝導度に対して約1桁向上し
た。
【0035】・実施例2 線径55μmのリン青銅線で200メッシュに織り込ん
だ金網を準備し、この金網をガラス繊維入りテフロンシ
ート上に固定する。次に、熱伝導性液状シリコーンゴム
KE1861(信越化学工業(株)製)を均一な厚みと
なるようにシルクスクリーン印刷の要領で金網に含侵さ
せる。この含侵させたシートを150°Cのオーブン中
に1時間放置して硬化を行う。さらに、この硬化したシ
ートの片面に上述した熱伝導性液状シリコーンゴムKE
1861をナイフコーターを用いてシートの総厚みが2
mmとなるようにコーティングを行い、金型を使用して
折り曲げ、150°Cのオーブンで硬化させて図4に相
当する伝熱性シートを作製した。こうして得られた伝熱
性シートの厚みは4mmである。この伝熱性シートに対
してモデルヒーター試験を行ったところ、温度上昇を3
5°C程度に抑制することができ、放熱用シリコーング
リスと同等の性能が得られた。また、伝熱性シートは
0.5mm圧縮した状態で荷重が100gf/mm2 と
小さく、大面積で平行度の余り良くない装置への対応が
可能であることが実証された。
だ金網を準備し、この金網をガラス繊維入りテフロンシ
ート上に固定する。次に、熱伝導性液状シリコーンゴム
KE1861(信越化学工業(株)製)を均一な厚みと
なるようにシルクスクリーン印刷の要領で金網に含侵さ
せる。この含侵させたシートを150°Cのオーブン中
に1時間放置して硬化を行う。さらに、この硬化したシ
ートの片面に上述した熱伝導性液状シリコーンゴムKE
1861をナイフコーターを用いてシートの総厚みが2
mmとなるようにコーティングを行い、金型を使用して
折り曲げ、150°Cのオーブンで硬化させて図4に相
当する伝熱性シートを作製した。こうして得られた伝熱
性シートの厚みは4mmである。この伝熱性シートに対
してモデルヒーター試験を行ったところ、温度上昇を3
5°C程度に抑制することができ、放熱用シリコーング
リスと同等の性能が得られた。また、伝熱性シートは
0.5mm圧縮した状態で荷重が100gf/mm2 と
小さく、大面積で平行度の余り良くない装置への対応が
可能であることが実証された。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および請
求項3記載の発明にかかる半導体装置の冷却構造によれ
ば、伝熱性シートは金網や金属伝熱体がエラストマとと
もに変形して半導体装置と適当な圧力で接触し、半導体
装置が発する熱がフィラーを含有した熱伝導率の高いエ
ラストマと、高い熱伝導率の金網や金属伝熱体との双方
を経て伝導して放熱されるため、半導体装置の熱を効果
的に放散することができる。
求項3記載の発明にかかる半導体装置の冷却構造によれ
ば、伝熱性シートは金網や金属伝熱体がエラストマとと
もに変形して半導体装置と適当な圧力で接触し、半導体
装置が発する熱がフィラーを含有した熱伝導率の高いエ
ラストマと、高い熱伝導率の金網や金属伝熱体との双方
を経て伝導して放熱されるため、半導体装置の熱を効果
的に放散することができる。
【0037】また、請求項6記載の発明にかかる半導体
装置の冷却構造によれば、放熱体には半導体装置の発す
る熱がエラストマおよび金網の接続部から伝導し、この
熱を放熱フィン部から放散するため、ヒートシンクとし
ても機能し、ヒートシンクを省略して部品点数を少なく
することができる。
装置の冷却構造によれば、放熱体には半導体装置の発す
る熱がエラストマおよび金網の接続部から伝導し、この
熱を放熱フィン部から放散するため、ヒートシンクとし
ても機能し、ヒートシンクを省略して部品点数を少なく
することができる。
【0038】そして、請求項2記載の発明にかかる半導
体装置の冷却構造によれば、伝熱性シートを屈曲して屈
曲内側部分にエラストマを充填するため、大きく弾性変
形させることができ、伝熱性シートを半導体装置等によ
り確実に密着させることができる。また、請求項4記載
の発明にかかる半導体装置の冷却構造は、伝熱性シート
を折り曲げて半導体装置とヒートシンクとの間に介装す
るため、その折り曲げ部の撓みで密着性が改善され、ま
た、折り曲げ内側で放熱を行わせることもできよりすぐ
れた放熱性が得られる。
体装置の冷却構造によれば、伝熱性シートを屈曲して屈
曲内側部分にエラストマを充填するため、大きく弾性変
形させることができ、伝熱性シートを半導体装置等によ
り確実に密着させることができる。また、請求項4記載
の発明にかかる半導体装置の冷却構造は、伝熱性シート
を折り曲げて半導体装置とヒートシンクとの間に介装す
るため、その折り曲げ部の撓みで密着性が改善され、ま
た、折り曲げ内側で放熱を行わせることもできよりすぐ
れた放熱性が得られる。
【0039】またさらに、請求項5記載の発明にかかる
半導体装置の冷却構造は、エラストマのゲル層が半導体
装置やヒートシンクの表面粗さを吸収して空気層の発生
を防止するため、高い放熱性、優れた冷却性能が達成さ
れ、また、エラストマのゲル層を予めプリフォームする
ことができるため組立作業も容易である。
半導体装置の冷却構造は、エラストマのゲル層が半導体
装置やヒートシンクの表面粗さを吸収して空気層の発生
を防止するため、高い放熱性、優れた冷却性能が達成さ
れ、また、エラストマのゲル層を予めプリフォームする
ことができるため組立作業も容易である。
【図1】請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の第1の形態を示す模式断面図である。
構造の第1の形態を示す模式断面図である。
【図2】請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の第2の形態を示す模式断面図である。
構造の第2の形態を示す模式断面図である。
【図3】請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の第3の形態を示し、aが模式断面図、bが斜視図
である。
構造の第3の形態を示し、aが模式断面図、bが斜視図
である。
【図4】請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の第4の形態の伝熱性シートの製造過程をアルファ
ベット順に示し、a,bが平面図、cが斜視図である。
構造の第4の形態の伝熱性シートの製造過程をアルファ
ベット順に示し、a,bが平面図、cが斜視図である。
【図5】請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の第5の形態を示し、同冷却構造に用いる伝熱性シ
ートの模式断面図である。
構造の第5の形態を示し、同冷却構造に用いる伝熱性シ
ートの模式断面図である。
【図6】請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の第6の形態を示し、同冷却構造に用いる伝熱性シ
ートの模式断面図である。
構造の第6の形態を示し、同冷却構造に用いる伝熱性シ
ートの模式断面図である。
【図7】請求項1記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の第7の形態を示し、同冷却構造に用いる伝熱性シ
ートの模式断面図である。
構造の第7の形態を示し、同冷却構造に用いる伝熱性シ
ートの模式断面図である。
【図8】請求項6記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の一の実施の形態を示し、aが模式斜視図、bが一
部を拡大した模式正断面図である。
構造の一の実施の形態を示し、aが模式斜視図、bが一
部を拡大した模式正断面図である。
【図9】請求項3記載の発明にかかる半導体装置の冷却
構造の一形態を示し、同冷却構造に用いる伝熱性シート
の模式断面図である。
構造の一形態を示し、同冷却構造に用いる伝熱性シート
の模式断面図である。
【図10】従来の半導体装置の冷却構造を模式的に示す
分解斜視図である。
分解斜視図である。
1 半導体装置 2 ヒートシンク 10 伝熱性シート 11 金網 12 シリコーンゴム(エラストマ) 13 角パイプ体(金網) 14 円パイプ体(金網) 15 シリコーンゲル(エラストマ)層 19 放熱体 19a 接続部 19b 放熱フィン部 40 分割ユニット 71 シート体 73 金属箔(金属伝熱体)
Claims (6)
- 【請求項1】 高い熱伝導率のフィラーを高い配合率で
分散させたエラストマと高い熱伝導率の金属からなる金
網とを備え、該金網の一部が表裏面に露出する伝熱性シ
ートを構成し、該伝熱性シートを一面に露出した金網が
半導体装置と接触するように設けたことを特徴とする半
導体装置の冷却構造。 - 【請求項2】 前記伝熱性シートを屈曲して屈曲内側部
分に前記エラストマを充填した請求項1記載の半導体装
置の冷却装置。 - 【請求項3】 高い熱伝導率のフィラーを高い配合率で
分散させたエラストマからなるシート体に該シート体と
一体的に変形可能な高い熱伝導率の金属伝熱体を表裏を
貫通させて伝熱性シートを構成し、該伝熱性シートを一
面に露出した金属伝熱体が半導体装置と接触するように
設けたことを特徴とする半導体装置の冷却構造。 - 【請求項4】 前記伝熱性シートを屈曲して半導体装置
とヒートシンクとの間に該ヒートシンクおよび前記半導
体装置の双方と前記金網または前記金属伝熱体が接する
ように介装した請求項1または請求項3記載の半導体装
置の冷却構造。 - 【請求項5】 前記伝熱性シートの少なくとも一面にエ
ラストマのゲル層を形成した請求項1乃至請求項4記載
の半導体装置の冷却構造。 - 【請求項6】 高い熱伝導率の金属からなる金網を略波
状に折曲して平坦な接続部と放熱フィン部とを交互に形
成し、該金網の接続部の近傍部分を該接続部が露呈する
ように高い熱伝導率のフィラーを分散させたエラストマ
により被覆して放熱体を構成し、該放熱体を前記エラス
トマから露出した金網の接続部が半導体装置と接触する
ように設けたことを特徴とする半導体装置の冷却構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22863395A JPH0955456A (ja) | 1995-08-15 | 1995-08-15 | 半導体装置の冷却構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22863395A JPH0955456A (ja) | 1995-08-15 | 1995-08-15 | 半導体装置の冷却構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0955456A true JPH0955456A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16879404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22863395A Pending JPH0955456A (ja) | 1995-08-15 | 1995-08-15 | 半導体装置の冷却構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0955456A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999019908A1 (en) * | 1997-10-14 | 1999-04-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Thermal conductive unit and thermal connection structure using same |
JP2002325350A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-08 | Mitsubishi Electric Corp | 海底中継器及びその製造方法 |
JP2005159371A (ja) * | 2005-01-04 | 2005-06-16 | Advantest Corp | 伝熱素子 |
JP2008294413A (ja) * | 2007-04-25 | 2008-12-04 | Hitachi Chem Co Ltd | 熱伝導性フィルム |
JP2011116806A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-16 | Polymatech Co Ltd | 熱伝導性シートの製造方法及び熱伝導性シート |
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WO2019082752A1 (en) * | 2017-10-26 | 2019-05-02 | Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. | HEAT DISSIPATING STRUCTURE, AND BATTERY COMPRISING SAID STRUCTURE |
NL2019888B1 (en) * | 2017-11-10 | 2019-05-17 | Shinetsu Polymer Co | Heat dissipating structure, and battery provided with the same |
JP2021170497A (ja) * | 2020-04-16 | 2021-10-28 | 信越ポリマー株式会社 | 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー |
-
1995
- 1995-08-15 JP JP22863395A patent/JPH0955456A/ja active Pending
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