JPH09508922A - ブロメラインの医療への適用 - Google Patents
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- JPH09508922A JPH09508922A JP7521678A JP52167895A JPH09508922A JP H09508922 A JPH09508922 A JP H09508922A JP 7521678 A JP7521678 A JP 7521678A JP 52167895 A JP52167895 A JP 52167895A JP H09508922 A JPH09508922 A JP H09508922A
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Abstract
(57)【要約】
本願は、高コレステロール血症及び同様の病気の治療におけるブロメラインの使用に関するものである。ブロメラインは、胆汁酸レセプター拮抗薬として作用するため、胃腸管による胆汁酸の再吸収を阻害することが可能である。
Description
【発明の詳細な説明】
ブロメラインの医療への適用
本発明は、胆汁酸の貯溜の抑制または他の修飾を必要とする症状の治療におけ
るブロメラインとして既知の酵素の混合物の使用に関するものである。特に、本
発明は、高脂血症、特に高コレステロール血症の治療及び予防に関するものであ
る。
冠状動脈による心臓疾患(Coronary heart disease)は西側諸国における死に至
る原因の一つであり、酸素及び栄養素を心臓に供給する主要な動脈内のじゅく状
斑の蓄積によって生じる。アテローム硬化症は、臨床的なききめなく数十年間進
行して徐々に動脈の管腔を収縮していく。冠状動脈疾患(Coronary Artery Disea
se)は75%未満の動脈管腔の閉塞として規定され、冠状動脈による心臓疾患(Co
ronary Heart Disease)は75%を超える閉塞として規定される。血管が完全に
遮断されると下記の症状が現れる;アンギナ(鋭い胸の痛み)若しくは心筋梗塞
(心臓発作)、または時には急死する。以下のような数多くの主要な危険因子が
冠状動脈疾患(Coronary Artery Disease)及び冠状動脈による心臓疾患(Coronary
Heart Disease)に関して同定されている:年齢、男性、高血圧、煙草の喫煙、
運動不足、ストレス、食事(diet)、糖尿病、ライフスタイル及び高い血清中のコ
レステロール値(高コレステロール血症;特にコレステロールがLDL−コレス
テロールとして運ばれる際)。
コレステロールは、細胞膜、ステロイドホルモン及び胆汁酸の重要な成分であ
る。1日のコレステロールの必要量の約2/3は肝臓による内因的な合成により
満たされ、残りが食事によって供給される。コレステロールは、血液中に輸送さ
れる前にリポタンパク質中に封入される必要
のある不溶性親油性物質である。リポタンパク質の主なタイプは、カイロミクロ
ン、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中密度リポタンパク質(IDL)、
低密度リポタンパク質(LDL)及び高密度リポタンパク質(HDL)である。
肝臓は、コレステロールをVLDLとして血液中に分泌し、IDLに変換し、さ
らにLDLに変換する。LDLは血液中で運ばれるコレステロールの約2/3を
包み、HDLの助けにより肝臓中に戻される。多くの細胞がその表面にLDLレ
セプターを発現し、細胞成分の合成のためのLDLコレステロールの取込み及び
抽出を可能にしている。しかしながら、肝臓はほとんどのLDL−コレステロー
ルの抽出に対して応答性を有し、血液中にまたは胆汁(胆汁酸または遊離コレス
テロールとして)中に分泌される。カイロミクロンは、食事から吸収された、コ
レステロール等の、脂質から胃腸細胞によって作られ、リンパ中に分泌され、さ
らに周辺組織が脂質成分を分解し利用する全身系の血液に供給され始める。この
ようなカイロミクロンの残りは肝臓に戻される。
高い血中LDLレベルを多くの方法で減少すると、これに伴いアテローム硬化
症に関連した疾患を発達させる危険性が減少する。正常な血清中のコレステロー
ルレベルは200mg/dl未満として規定され、軽い高コレステロール血症は
200〜220mg/dlとして規定され食事を変更しなければならず、中位の
高コレステロール血症は220〜260mg/dlとして規定され、さらに重篤
な高コレステロール血症は260mg/dlを超える値で規定され薬剤や食事が
介入される必要がある。ティ ゴードン(T.Gordon)、ダブリュピー カステリ(
W P Castelli)、エムシー ジョルトランド(M C Hjortland)、ダブリュビー カ
ネル(W B Kannel)及びティアール ダウバー(T R Dawber)(1984年)、プレ
ディクティング コロナリー ハート ディジーズ イン
ミドル−エイジド アンド オルダー パーソンズ(Predicting Coronary Heart
Disease in Middle-Aged and Older Persons)。ザ フレイミングハム スタデ
ィ:ジャーナル オブ ザ アメリカン メディカル アソシエーション(The F
ramingham Study: journal of the American Medical Association)(1977
年);238巻、頁497。ナショナル インスティテュート オブ ヘルス
コンセンサス デベロップメント コンファレンス ステートメント オン ロ
ワリング ブラッド コレステロール(National Instilule of Health Consensu
s Development Conference Statement on Lowering Blood Cholesterol)、12
月10〜12日(1984年)。
高コレステロール血症が検出された際には、以下のような一連の治療が可能性
として考えられる:
(i) 食事;軽い及び中位の高コレステロール血症に関しては、薬剤ではな
く食事療法が初期に推奨される治療方法である。食事の変更点としては、卵、乳
製品及び赤肉等のコレステロールや飽和脂肪を多く含む食物の消費を減らすこと
が挙げられる。
(ii)薬剤;重篤な高コレステロール血症または食事の変化に対して耐性を
有する中位の高コレステロール血症を患っている患者には、薬剤による処置が考
えられる。このようなものとしては以下のものが挙げられる:
コレスチラミンは、コレステロールを胆汁酸の形態で肝臓に戻して再生するこ
とを阻害する、胆汁酸金属イオン封鎖剤、または結合剤である。肝臓によってコ
レステロールから合成される、胆汁酸は、一般的に腸肝循環の際活性状態で維持
される。コレスチラミンは、経口投与された後、十二指腸で胆汁酸に結合し、不
溶性の複合体を形成した後、身体から便中に排出される。腸肝循環が中断される
ことにより肝臓中のコレステロ
ールからの胆汁酸の合成がアップレギュレーション(upregulation)される。この
ようなコレステロールに対する必要性の上昇は、コレステロールの一部を肝臓で
新たに合成し、残りのコレステロールを血液からのLDL−コレステロールの取
込みを促進することにより、補われる。LDL−コレステロールの肝臓への取込
みが促進されることによって、血中のコレステロール濃度が全体的に下がる。
コレスチラミンを投与される患者は、具体的には、血清中のコレステロールが
13%減り、LDL−コレステロールが20%減少し、さらに、冠状動脈による
心臓疾患に関連した死亡率が24%減少する。有効なコレスチラミンによる処置
には投与が不快感を伴うことに関連して多くの欠点を有する;これは4gの顆粒
を含む単位投与量のパケット(packet)を水または果汁と混合することとして表わ
される。1回または複数回に分けた投与において9単位投与量までのパック(pac
k)(平均3〜6)が長期間毎日必要であり、これは患者の追従を貧困にさせる(
具体的には30%の患者が投薬を止めてしまう)。コレスチラミンの顆粒は小さ
なプラスチックビーズの外観を有し、液化した紙やすりのような手触りを有する
と報告されている。コレスチラミンによる処置では胃腸への不快感が高い頻度で
発生し、また、長期間治療する際には出血の危険性が増し、さらにジギタリス、
抗生物質及び利尿薬との重大な薬物干渉が多く存在する。ビタミンA、D及びK
を食事に補足することが長期間の治療には必要である。コレスチラミンはまた製
造するのが高価であり、これに反映して治療費が高くなってしまう。HMGCoA−レダクターゼ阻害剤
HMGCoA−レダクターゼ阻害剤の例としては、プラヴァスタチン(pravast
atin)及びシムヴァスタチン(simvastatin)が挙げられる。これらの薬剤は、コレ
ステロールの生合成における律速酵素(rate limiti
ng enzyme)を競合的に阻害することによって、主に肝臓において、コレステロー
ルの内因性の合成を阻害することによって作用する。このようなタイプの治療に
よって40%まで血漿中のコレステロールレベルが大きく減少できる。
内因的に合成されたコレステロールの供給を制限することは、肝臓が血液由来
の細胞成分、分泌物及び胆汁酸の製造を目的としてのみコレステロールを得るこ
とができることを意味している。これにより、LDL−レセプター活性が大きく
アップレギュレーション(upregulation)して次に血清中のコレステロール及びL
DL−コレステロールレベルの減少を引き起こす。血清中のLDL−コレステロ
ールレベルが減少することに伴い、「保護的な(protective)」血清中のHLD−
コレステロールレベルが上昇する。HMGCoA−レダクターゼ阻害剤による最
も一般的な副作用は胃腸困難であり、他の副作用としては、疲労、発疹、高い肝
臓のトランスミナーゼ(transminase)レベル及び頭痛が挙げられる。より近年で
は、広範な詳細な研究により、HMGCoA−レダクターゼ阻害剤が長期間有効
に死亡率を減少させることに疑問が投げかけられた。統計学的な分析により、恩
恵は暴力による死(殺人、自殺及び事故)の発生の説明のつかない増加によって
隠されていることが示された。他の薬剤による処置
高コレステロール血症を治療するのに使用される他の薬剤の例としては、イソ
酪酸誘導体及びニコチン酸誘導体が挙げられる。
イソ酪酸誘導体としては、ベザフィブレート(bezafibrate)、クロフィブレー
ト、フェノフィブレート(fenofibrate)及びゲンフィブロジル(gemfibrozil)が挙
げられる。これらの薬剤は血漿中のトリグリセリド及びVLDLを効率的に下げ
、HDLを上昇させて、最高18%までLDL−コレステロールを減少できる。
イソ酪酸誘導体は副作用(主に胃
腸または中枢神経システムである)を約10%の発生率で引き起こす。動物によ
る研究から、これらの化合物により腫瘍及び胆石の形成が示された。
ニコチン酸誘導体はトリグリセリド及び血清中のコレステロールレベルの両方
を下げる。これらの誘導体は、脂肪組織中の脂肪分解を阻害し、肝臓中でトリグ
リセリドのエステル化を抑制し、リポタンパク質のリパーゼ活性を上昇させる。
このようにVLDLが低下した後、20%までIDL及びLDLが減少し、HD
Lレベルが上昇する。ニコチン酸は、かなりの潮紅及び頭痛を生じるが、これは
ゆっくり投与物質を滴下することによって抑制される。また、胃腸障害もまた上
記薬剤によって共通して起こる。
不快な副作用、高いコスト、または高コレステロール血症に対する現在の治療
法の有効性に疑いがあることに関する可能性により、依然としてこのような治療
領域において改善の余地がかなりある。理想的には、治療には、あるとしても、
副作用はほとんどないべきであり、毒性に関する危険性も低いべきであり、さら
に、上記症状を制御するのに長い期間が必要とされるため、処置は簡便であり、
例えば1日に一回、1週間に一回等、良好に許容できるものでなければならない
。また、処置にかかる費用も低くなければならない。
本発明は、胆汁酸の貯溜の修飾による高コレステロール血症及び胆汁酸が介す
る他の症状の制御に関するものである。
胆汁酸(胆汁酸塩一存在する種の正確な性質及び割合は環境のpHによって異
なるため、これらの言葉は交互に使用される)は、胆汁の主成分を形成する自然
に発生する洗浄剤の一群である。上記で簡潔に述べたように、胆汁酸は、水酸化
や他の修飾によってコレステロールから肝臓中で合成され、コレステロール代謝
の最終産物を示すものである。外分
泌腺としての役割では肝臓は胆汁を分泌する;胆汁酸の分泌により主要な割合の
胆汁の流れに対する浸透圧による推進力が得られる。種によっては、胆汁は、食
物が消費されるまで胆嚢中に貯蔵及び濃縮され、食物が消費されると、胃腸ホル
モンであるコレスサイストキニン(cholescystokinin)に応答して胆嚢が収縮し空
になる。次に、胆汁酸は界面活性剤としての主要な役割を行う十二指腸に入り;
食事による脂質及び脂溶性ビタミンの消化及び吸収を促進する。また、胆汁酸は
膵臓のリパーゼの作用を向上させる。
消化における役割を終えた後、胆汁酸は身体によって貧欲に維持される:この
胆汁酸は末端回腸から活性型レセプターが介するプロセスによって効率的に再吸
収され、肝門脈を経て肝臓に戻され、胆汁に再分泌される前にレセプターによっ
て促進された抽出を施される。
胆汁酸のほとんど連続した流れは、地形学的には局在しており、肝臓、胆管(b
iliary tree)、腸、エンテロサイト(enterocyte)及び肝門脈システムに限られる
ため、腸肝循環からなる。腸肝循環は、何回も繰り返し使用できるように、有益
な洗浄性のある胆汁酸分子を維持するように機能するだけでなく、胆汁酸が様々
な代謝に対して連続的な恒常的な制御を維持することを可能にする。胆汁酸は、
腸肝循環中に胆汁酸に接する細胞、組織及び器官内及び間における様々な脂質の
合成及び輸送を調節する本質的な役割を有する。
ヒトの胆汁酸の貯溜は、具体的には毎日4〜12回再生される胆汁酸約3gを
含む。便の排泄物には一日当たり0.2〜0.6gが含まれており、この量は肝
臓中のコレステロールからの合成によって補われる。消化管から胆汁酸を効率的
に再吸収することは能動的及び受動的な輸送機構の結果である;95%を超える
胆汁酸がこれらのプロセスによって除去される。
能動輸送システムは末端回腸に存在し、肝門脈の血液供給から胆汁酸を除去す
る肝臓の能動輸送体と多くの類似点を有する。回腸の胆汁酸の輸送体は、飽和反
応速度論、競合阻害、ナトリウムイオンの存在による依存性を示す。胆汁酸の取
込みを誘導するのに必要なナトリウムの勾配は、イレオサイト(ileocyte)の基底
外膜上に存在するNa+/K+−アデノシントリホスファターゼ(ATPase)
によって生じると考えられる。胆汁酸の取込みは、基底外膜における頂端膜(api
cal membrane)胆汁酸/Na+共輸送体及び胆汁酸−陰イオン交換システムを伴う
。これにより、胆汁酸の吸収は、回腸では見付かったが特異的な胆汁酸結合部位
を有する空腸には存在しない、分子量99kDaの、タンパク質を介して起こる
ことが示唆される。
または、小腸及び結腸を通じた胆汁酸の吸収は、イオン性及び非イオン性拡散
によって起こる。しかしながら、現実には非イオン性拡散が全体のほとんど(9
0%)の割合を占めると考えられる。
胆汁酸の吸収経路の主要な決定因子は、構造によって決定される相対的な親水
性:疎水性の比率である。通常、デオキシコール酸やケノデオキシコール酸等の
疎水性のより高い胆汁酸は受動的な拡散により吸収される傾向が強いが、コール
酸等の親水性のより高い胆汁酸は能動的な輸送体を介してより吸収されやすくな
る。インビトロでは、ほとんどの胆汁酸がグリシンまたはタウリンによりアミド
化され、これはpKa(解離定数)を下げる、即ち胃腸のpHでイオン化される
傾向を増加させる効果を有するため、能動的な胆汁酸輸送体(active bile acid
transporter)を通して吸収する必要がある。
上述したように、回腸の胆汁酸輸送体は胃腸管腔中に突出した胆汁酸の結合部
位を有する貫膜タンパク質であると考えられる。したがって、レセプターの管腔
部分と相互作用するまたは該管腔部分を不活性化する
薬剤が胆汁酸の輸送が行われるのを阻害すると考えられる。胆汁酸のレセプター
を阻害する薬剤の例としては、胆汁酸のレセプターの結合部位と不可逆的に結合
する化学的に修飾された胆汁酸または胃腸細胞表面から胆汁酸の結合部位を除去
する薬剤が挙げられる(例えば、ウェス(Wess)ら、ジェー メド ケム(j.Med
.Chem.)、37:873〜875(1994年)を参照)。回腸の胆汁酸レセプ
ターの不活性化によって、便中の胆汁酸の損失が増加し、肝臓の胆汁酸の合成が
促進し、それに付随して肝臓のLDLレセプター活性がアップレギュレーション
(upregulation)されると考えられる。肝臓のLDLレセプター活性のアップレギ
ュレーション(upregulation)は、血清中のLDL−コレステロールレベルを減少
させるという好ましい効果を有する。
したがって、肝臓のLDLレセプター活性を向上させるとが可能な薬剤が、高
コレステロール血症の患者、特に他の処置による副作用の影響を受けている患者
の治療に使用できる。
本発明者らは、ブロメラインが胃腸管による胆汁酸の再吸収の効率を減少させ
ることが可能であるという驚くべき発見をした。
したがって、本発明の第一の概念によると、胃腸管による胆汁酸の再吸収を抑
制するまたは阻害することを目的とした薬剤の調製におけるブロメラインの使用
を提供するものである。
胃腸管による胆汁酸の再吸収に関する作用の結果、ブロメラインは、高脂血症
、特に高コレステロール血症を患っている患者に有益である。さらに、ブロメラ
インは、胆汁酸の腸肝循環を抑制できるため、胆汁うっ滞性の肝臓病(cholestat
ic liver disease)または肝不全症を患っている患者にとって有益である。これ
らの症状では、障害のある肝臓を通して正常な胆汁酸の貯溜を再生すると、さら
に残りの肝機能が損傷されうる。
本発明はまた、有効量のブロメラインを胆汁の貯溜の大きさが介する症状を患
っている患者に投与することからなる、上記症状を患っている患者の治療方法に
使用できる。
本発明におけるブロメラインの作用メカニズムは、本発明における酵素の有効
性は下記の理論の正確さによっては影響を受けないが、回腸の胆汁酸レセプター
を拮抗することであると考えられる。上記作用メカニズムは、ブロメラインが胃
腸管からそのまま吸収されることを必要としない。
ブロメラインは、ブロメリアセア(Bromeliaceae)という植物の組織中で発見さ
れたタンパク質分解酵素の総称である。ブロメラインは、パイナップル(アナナ
ス コモサス(Ananas comosus))の茎由来の様々な成分の混合物である。また、
ブロメラインは少なくとも2つのタンパク質分解酵素を含むが、酸性ホスファタ
ーゼやペルオキシダーゼ等の非タンパク質分解酵素をも含む;ブロメラインはま
た、アミラーゼ及びセルラーゼ活性をも有する。さらに、様々な他の成分が、特
に有機的に結合するカルシウム中に存在する。ブロメライン及びパパインの既知
のタンパク質分解酵素は、活性中心の周辺に高いアミノ酸配列の相同性を有する
ことから、ブロメライン及びパパインは同様の触媒メカニズムを使用することが
示唆される。しかしながら、ブロメラインは、異なる切断特異性を有する点で、
パパインとは異なる。さらに、ブロメラインの既知のタンパク質分解酵素は糖タ
ンパク質であるが、パパインは単なるタンパク質である。ブロメラインは、タウ
シグ(Taussig)及びバトキン(Batkin)(ジェー エトノファーマコル(j.Ethnoph
armacol.)、22巻、頁191〜203(1988年))に記載されている。
15世紀初期には、ブロメラインは、消化補助剤として、皮膚のきめをよくす
るための清浄剤として、および傷を処置して治癒を促進するた
めに使用されていた。近年、その薬理学的及び生物学的な効果に関する広範な知
識の蓄積によって、ブロメラインがヒトにおける臨床使用を目的として利用でき
るようになった。特に、ブロメラインは、損傷や外科に関連した軟組織の炎症や
浮腫の処置における添加剤として使用される。ブロメラインは、アナナーゼフォ
ルテ(ANANASE FORTE)、アナナーゼ(ANANASE)、エクストラナーゼ(EXTRANASE)、
プロテオリス(PROTEOLIS)、レゾルヴィット(RESOLVIT)、ロゴリン(ROGORIN)、ブ
ロマーゼ(BROMASE)及びトラウマナーゼ(TRAUMANASE)の商標で様々な国で市販さ
れている。30年以上の期間にわたって臨床使用しているが、かなり望ましくな
い作用はほとんど報告されていない。
ブロメラインの他の医療への適用を論じた文献としては、ヒトの下痢の治療に
ブロメラインを含むタンパク質分解酵素を使用することを記載する国際特許出願
番号PCT/GB93/01374号がある。しかしながら、上記出願には、下
痢以外の症状の治療に関しては何等記載しておらず、また胃腸管による胆汁酸の
再吸収の遮断に関してまたは血中の脂質レベル減少に関しても何等記載がない。
イギリス国特許出願番号9313188号は、ブロメライン混合物のうちの単
一の成分の使用に関するものである。この文献には、環状ヌクレオチド経路の仲
介にステムブロメラインを使用することが記載されている。しかしながら、この
文献は、ステムブロメライン、または他のブロメライン成分が胆汁酸の再吸収を
阻害するのに使用できることを示唆していない。
どのような投与経路も使用できるが、ブロメラインは、胃腸管に作用するもの
であるので、通常、経口投与される。ブロメラインは、錠剤、シロップ、エリキ
シル剤または硬質若しくは軟質ゼラチンカプセルの形態で使用してもよく、この
場合腸溶性被覆されていてもよい。
本発明におけるブロメラインの好ましいデリバリーシステムは、末端回腸に存
在するエンテロサイト(enterocyte)から胆汁酸レセプターを少なくとも部分的に
は除去できるように放出を制御することである。胃での保護(胃におけるブロメ
ラインの分解を阻害する)、および末端回腸までブロメラインプロテアーゼの放
出を遅延させることを組み合わせることが望ましい。ブロメラインの放出を遅延
させることによって、栄養素の消化及び吸収に使用される小腸に存在する他のレ
セプターをそのまま残すことを補助する。
ブロメラインの遅延された放出は、多くの配合ストラテジーを、単独であるい
は組み合わせることによって達成される。
使用される他の配合ストラテジーとしては、ブロメラインを熱可塑性の固体と
(生理学的な温度で)配合することがある。1つまたはそれ以上の37℃を超え
る相転移温度(融点)を有するポリグリコシル化(polyglycolysed)グリセリドま
たは他の適当な生理学的に適合性のある化合物と共に投与することによって、ブ
ロメラインを迅速にまたは一様に放出するデリバーが得られる。適当なグリセリ
ドとしては、ガッテフォッセ(Gattefosse)より市販されている水素化脂肪酸エス
テルである、多くのゲルサイア(GELUCIRE)化合物等の、ジ−及びトリ−グリセリ
ドが挙げられる。(ゲルサイア(GELUCIRE)という言葉は商標である。)使用でき
るグリセリドの他の商標としては、ラブラフィル(LABRAFIL)及びプレシロール(P
RECIROL)が挙げられる。酵素が熱により分解してしまう程度まで加熱する必要の
ない配合システムを選択するように注意を払わなければならない:通常、温度は
、約60℃未満に維持されなければならない。特に上記ゲルサイア(GELUCIRE)化
合物の具体的な例、及びその等価物としては以下のものが挙げられる:
ゲルサイア(GELUCIRE) 50/02;
ゲルサイア(GELUCIRE) 46/07;
ゲルサイア(GELUCIRE) 48/09;
ゲルサイア(GELUCIRE) 50/13;および
ゲルサイア(GELUCIRE) 53/10。
ゲルサイア(GELUCIRE)の名前の番号が付されている部分における最初の2つの
アラビア数字は液相/固相の転移温度を摂氏度で表わし、2番目の2つのアラビ
ア数字は親水性部/親油性部のバランス(hydrophile/lipophile balance)(HL
B)の値を表わす。使用されるゲルサイア(GELUCIRE)の型(またはゲルサイア(G
ELUCIRE)の混合物)は、迅速な若しくは一様な放出または放出特性の組み合わせ
である、適当な望ましい放出特性が得られるように選択されなければならない。
様々な配合助剤が存在してもよい。例えば、1つまたはそれ以上の下記により
詳細に記載されたもの等の、界面活性剤が迅速にまたは一様に放出する配合物内
に含まれていてもよい。界面活性剤を用いて、配合物、特にグリセリドを含有す
る配合物からのブロメラインの放出特性を修飾してもよい。存在できる他の配合
助剤は、流動化剤および/またはコロイドシリカ;例えば、アエロジル(AEROSIL
)(例えば、アエロジル200(AEROSIL 200))という商標で市販されている調製
物等の増粘剤がある。コロイドシリカはまた、ゲルサイア(GELUCIRE)等の熱可塑
性物質を基礎とした配合物からのブロメラインの放出速度を修飾するのにも用い
られる。
一様に放出するための成分のさらなる配合方法は、チキソトロープ剤を使用す
るものである。このような物質は剪断力(攪拌または吸入排出(pomping)によっ
て誘導されるなど)によって応力がかかると液体として挙動するが、剪断力が除
かれると非流動性ゲルになる。上記した熱可塑性ビヒクルと同様、チキソトロー
プビヒクル(thixotropic vehicle)
は硬質ゼラチンによる封入技術に良く適する。使用されるチキソトロープビヒク
ル(thixotropic vehicle)としては、コロイドシリカ(前記したアエロジル20
0(AEROSIL 200)調製物等)やエチルセルロースが挙げられる。使用できる他の
成分としては、ゲル化促進剤や拡散助剤が挙げられる。ポリエチレングリコール
(例えば、PEG 400)等のグリコール類がチキソトロープ配合物において
ゲル化促進剤として使用でき、分散を補助できる。例えば、HLB値が12〜1
4または14〜16の、ポリエトキシ化(polyethoxylated)、必要であれば水素
化、ヒマシ油等の、非イオン界面活性剤を使用してもよい。ゲル組成物は、許容
できる性能を有する限り非常に広範に変化する。また、活性成分の一部は一様に
放出するようにおよび一部は一様に放出しないように配合できるという利点があ
る。これは、酵素の一部を上記した一様に放出するゲルサイア(GELUCIRE)を含む
マトリックス中におよび酵素の一部を下記等のより迅速に分散するゲルサイア(G
ELUCIRE)中に添加することによってなされる:
ゲルサイア(GELUCIRE) 35/10;
ゲルサイア(GELUCIRE) 33/01;
ゲルサイア(GELUCIRE) 37/02;および
ゲルサイア(GELUCIRE) 44/14。
ゲルサイア(GELUCIRE) 44/14は、水に可溶性であるため特に有用である
。これらの物質を硬質または軟質ゼラチンカプセル中に充填する。
他の成分が存在する必要はない。しかしながら、場合によっては、適当な抗生
物質を添加し、これらの抗生物質としては、d−α−トコフェロール、dl−α
−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びブチルヒドロキシ
アニソール(BHA)が挙げられる。抗酸化
剤を単独でまたは組み合わせて使用することもできる。他の添加できる成分とし
ては、上記で簡潔に述べたように、界面活性剤がある。適当な界面活性剤は、イ
オンまたは非イオン界面活性剤であるが、通常、胆汁酸またはその塩は含まない
。非イオン界面活性剤が好ましい。存在する場合の、界面活性剤の適当なHLB
の範囲は、0〜20と広範であり、好ましくは6〜18、特に10〜18である
。単独であるいは組み合わせて使用される適当な界面活性剤の例としては、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート80、ポリ
ソルベート60、ポリソルベート40、ポリソルベート20)、ポリオキシエチ
レンステアレート(polyoxyethylene stearate)(例えば、ポリオキシル−40−
ステアレート(polyoxyl-40-stearate))及びクレモフォー アールエッチ40(C
REMOPHOR RH40)やイーエル プロダクト(EL product)等のポリオキシエチレン、
必要であれば水素化、ヒマシ油誘導体(polyoxyethylene,optionally hydrogera
ted,castor oil derivative)が挙げられる。クレモフォー(CREMOPHOR)という言
葉は商標である。本発明による薬剤配合物が、水を加えないという意味で、実質
的に非水性であることが一般的に好ましい。水が使用される構成成分中に存在し
ていてもよい。しかしながら、水を含まない配合物がすべての用途に好ましいわ
けではない。
本発明による配合物は、腸溶性被覆されて(enteric coated)いてもまたは製薬
上活性のある化合物が胃を通過してもより良好に残っているように保護されても
よい。簡便な腸で溶解するように保護する方法(enteric protection method)で
あればいずれも使用できる。配合物を含むカプセルを、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースフタレート(hydroxypropyl methylcellulose phthalate)等の腸溶
性被膜を用いてまたは適当な溶剤に溶かしたメタクリル酸共重合体を使用するこ
とを基礎とした、
ファルマ−ヴィンシ エー/エス(Pharma-Vinci A/S)(デンマーク)の一般的な
被覆工程によって被覆してもよい。
ブロメラインの投与量は、処置される患者の個々の必要性によって異なる。ブ
ロメラインの投与量は、従来、BTU(ブロメラインチロシン単位(bromelaim t
yrosine unit))、CDU(カゼイン消化単位(casein digestion unit))、G
DU(ゼラチン消化単位(gelatin digestion unit))またはMCU(ミルク凝集
単位(milk clotting unit))で測定される。BTU、CDU及びGDUは、文献
において定義されているのと同様であり、以下のとおりである:
BTU
1ブロメラインチロシン単位は、検定の条件下(例えば、pH5、30℃で酸
で変性されたヘモグロビン基質の消化後)で1分当たり1μモルのチロシンを遊
離するような酵素量である。
CDU
pH7.0で標準的なカゼイン基質から37℃で1分間消化後1μgのチロシ
ンを遊離するような酵素量である。
GDU
45℃、pH4.5で20分間消化後標準ゼラチン溶液から1mg(10-3g
)のアミノニトロゲン(amino nitrogen)を遊離する酵素活性をいう。
1,100 BTU/g=750 CDU/mg=1,200 GDU/g
正確な投与量は医師のコントロール下で行われるが、一日当たりの投与量は5
0〜4,000GDU/日が適当であり、好ましくは、100〜1,000GD
U/日である。一日の投与は、一日に1回以上、例えば、一日に1回、2回、3
回若しくは4回等のアリコートに分けて投与されてもよい。または、症状によっ
ては1週間に1回または2回処置す
るだけでよい。
本発明を、以下の実施例によってさらに説明する。実施例1
使用される配合物は熱可塑性ベヒクルの一例である。具体的には、これらの材
料を加熱により溶融することによって、液体の充填に関する従来の混合および吸
入排出(pomping)技術を使用することができる。材料及び量
カプセルの効力:275GDU/カプセル
ゲルサイア 35/10を40℃付近にまで加熱することにより溶融した。ブ
ロメライン及びアエロジル 200を完全に分散するまで添加した。全量330
mgの配合物を加熱しながらサイズ1(size″1″)の硬質ゼラチンカプセル中に
充填した後、冷却して固化させた。さらに、このカプセルをゼラチン帯締め(gel
atin banding)によってシールした。腸溶性被覆
ブロメラインが上記した放出が遅延する配合物から早すぎた時期に放出される
のを防止するために、腸溶性被膜を、例えば、ファルマ−ヴィンシ エー/エス
(Pharma-Vinci A/S)(デンマーク)の一般的な工程にを用いて、硬質ゼラチンカ
プセルに塗布してもよい。この腸溶性被膜は、コンビ−コータ(Conbi-coata)で
吹付塗することによってエタノール水
溶液中でカプセルに塗布される。実施例2
胆汁酸の便中への排出に関するブロメラインの効果
2ブロメライン配合物を健常なヒトのボランティアで試験するために調製した
。これらの配合物は下記のとおりである:
A:276ゼラチン消化単位のブロメラインを含有するサイズ1
(size″1″)の硬質ゼラチンカプセル1個;
B:1104ゼラチン消化単位のブロメラインを含有するサイズ0
(size″0″)の硬質ゼラチンカプセル1個。
これらの硬質ゼラチンカプセルを腸溶性被覆し、これにより胃の酸性環境を離
れた後にブロメラインの巨丸剤を放出するように設計した。
このような研究を5日間行った。始めの2日間は処置を行わずに、その後、3
日間を投与後の監視期間(post-dose surveillance interval)とした。薬剤を2
50mlの水で一晩絶食させた後に投与した。食物を投与してから3時間後に摂
取させた。
24時間毎の便のサンプルを集めて、秤量し、滅菌ブレンダーで均質化した。
次に、約50gのホモジネートサンプルを採り、分析するまで−70℃に凍結し
た。
便サンプルの分析は、下記方法によって行った。
1.解凍した後、便サンプルを一晩凍結乾燥し、サンプルを微細な均質な混合
物にまで粉砕した。
2.500mgの凍結乾燥便について、50mlの50%(v/v)クロロホ
ルム:メタノールと共にソックスレー抽出を一晩(約16時間)行った。
3.この抽出物のアリコート(10ml)を蒸気の下50℃で蒸発乾固させ、
胆汁酸の測定用に500μlのメタノール中に再度溶解した。
4.サンプルの胆汁酸の含量を、コールマン(Coleman)ら、バイオケム ジェ
ー(Biochem.j.)、178巻、頁201〜208(1979年)に記載される3
−α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3-α-hydroxysieroid dehydrog
enase)を基礎とした特異的酵素検定によって測定した。結果
薬剤は、副作用を伴うことなく全ての場合において良好に許容された。
投与前及び投与後における平均の1日当たりの胆汁酸の排出量を算出し、表1
に示す。平均の便中の胆汁酸排出量の増加が、276GDU及び1104GDU
の投与量でそれぞれ165%及び315%ほどブロメラインの投与後に観察され
た。ブロメライン特有の赤茶色を呈した、投
与後の便の色の変化がさらに観察された。この観察結果は便中の胆汁酸の排出量
の増加が観察されたことと深い関係がある。結論
ブロメラインを投与した後のボランティアで胆汁酸の便への排出が増加したこ
とから、適当な条件下では、胃腸の胆汁酸レセプターがタンパク質分解酵素によ
る分解(proteolytic degradation)によって不活性化されることが示唆される。実施例3
健常なボランティアにおける血漿中のコレステロール及びトリグリセリドレベル
に関するブロメラインの効果
実施例2に記載したように、ブロメラインが胆汁酸の便中への排出を向上させ
るという観察の後、さらなる研究を行って、このような現象は、冠状動脈疾患を
発達させる危険性を減少させのに重要である、血漿中のコレステロールレベルを
減少することになるのかを調査した。21人の健常な男性のボランティアに、連
続して10日間、約500ゼラチン消化単位の酵素を含む、偽薬または腸溶性被
覆されたブロメライン配合物を投与した。血漿中のコレステロール及びトリグリ
セリドレベルを、処置を始める前に及びこの研究期間の終了時に標準的な病院で
の実験試験方法によって測定した。結果
上記研究の結果から、10日間のブロメラインによる処置によって、平均で1
7%ほど血漿中のコレステロールレベルが減少し、31%ほど血漿中のトリグリ
セリドレベルが下がったことが示された。上記期間中のコントロール群において
観察された減少率が、血漿中のコレステロール及びトリグリセリドの両方の場合
で、10%未満であった(下記表2を参照)。
結論
腸溶性被覆されたブロメライン製品で10日間健常なボランティアを処置する
ことによって、冠状動脈疾患の発達における重要な危険因子である、血漿中のト
リグリセリド及びコレステロールのレベルが減少する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
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W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UG,
US,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.胃腸管による胆汁酸の再吸収を抑制するまたは阻害することを目的とした薬 剤の調製におけるブロメラインの使用。 2.胆汁酸の貯溜が介する症状の治療または予防を目的とした薬剤の調製におけ るブロメラインの使用。 3.高脂血症、例えば、高コレステロール血症の治療または予防を目的とした請 求の範囲第2項に記載の使用。 4.胆汁うっ滞性の肝臓病または肝不全症の治療または予防を目的とした請求の 範囲第2項に記載の使用。 5.該ブロメラインが経口投与用に配合される、請求の範囲第1〜4項のいずれ かに記載の使用。 6.該ブロメラインが放出が遅延される配合物中に含まれる、請求の範囲第1〜 5項のいずれかに記載の使用。 7.該ブロメラインが腸溶性被覆される、請求の範囲第1〜6項のいずれかに記 載の使用。
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