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JPH09501490A - 位相学的に分離された、コードされた固相ライブラリー - Google Patents

位相学的に分離された、コードされた固相ライブラリー

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JPH09501490A
JPH09501490A JP7501022A JP50102295A JPH09501490A JP H09501490 A JPH09501490 A JP H09501490A JP 7501022 A JP7501022 A JP 7501022A JP 50102295 A JP50102295 A JP 50102295A JP H09501490 A JPH09501490 A JP H09501490A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、個々の固相合成支持体に結合された合成試験化合物のライブラリーに関する。特に、本発明は、合成試験化合物の構造をコード化するコーディング分子をも含む、個々の固相合成支持体に結合された合成試験化合物のライブラリーに関する。当該分子はポリマーまたは多数の非ポリマー分子であり得る。固相合成支持体ビーズのそれぞれは1つのタイプの合成試験化合物を含む。合成試験化合物はアミド、尿素、カルバメート(すなわち、ウレタン)、エステル、アミノ、スルフィド、ジスルフィド、炭素−炭素(例えば、アルカンおよびアルケン)、またはこれらの任意の組合せのようなリンケージを有する主鎖構造をもつことができる。さまざまなリンケージ化学に適したサブユニットの例が提供される。また、合成試験化合物は分子足場、例えば単環式または二環式炭水化物の誘導体、ステロイド、糖、複素環式構造、ポリ芳香族構造または足場として作用し得る他の構造であり得る。適当な分子足場の例が提供される。本発明はまた、このようなライブラリーの作製方法ならびに合成試験化合物のライブラリーの中から対象の分子を同定しかつ特性づけるための当該ライブラリーの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 位相学的に分離された、コードされた固相ライブラリー 本出願は、本明細書に全体が参考として内含されている1993年5月27日 に出願された同時係属出願第08/068,327号の一部継続出願である。 1.発明の分野 本発明は、個別相合成支持体に付着された合成試験化合物のライブラリーに関 する。特に、本発明は、合成試験化合物の構造をコードするコーディングポリマ ー配列をも含む個別相合成支持体にとりつけられた合成試験化合物のライブラリ ーに関する。固相合成支持体ビーズの各々には、単一のタイプの合成試験化合物 及び該合成試験化合物の構造をコードする単一かつ唯一でしかも容易に決定でき るコーディングポリマー配列が含まれている。合成試験化合物は、アミド、尿素 、カルバメート(すなわちウレタン)、エステル、アミノ、スルフィド、ジスル フィドといったリンケージ又はアルカン及びアルケンといった炭素−炭素のリン ケージ又はそれらのあらゆる組合せを伴うバックボーン構造をもつことができる 。合成試験化合物は同様に、単環又は二環式炭水化物の誘導体、ステロイド、糖 、複素環式構造、多価芳香族構造又は足場として作用することのできるその他の 構造といった分子足場でもありうる。本発明は同様に、かかるライブラリーを合 成する方法、及び合成試験化合物ライブラリーの中から問題の分子を同定し特徴 づけするための、かかるライブラリーの使用にも関する。 2.発明の背景 リガンドの認識及び結合が、免疫認識、細胞シグナリング及び交 信、転写及び翻訳、細胞内シグナリング及び酵素触媒作用を含むほぼ全ての生物 学的プロセスを調節している。その結果、ホルモン、成長因子又は神経伝達物質 といったリガンドのアンタゴニスト又はアゴニストとして役立つため;B細胞( 抗体媒介)又はT細胞(細胞性)免疫を誘発するため;化学反応の触媒作用を誘 発するため;そして転写又は翻訳のレベルで遺伝子発現を調節するためといった ような目的で使用できる分子を同定することに対する長年にわたる関心が当該技 術分野には存在している。この関心の主たる理由は、薬物としてこれらの生物学 的に活性な分子を直接使用し、又必要な場合にはこれらの分子を薬物として機能 しうる誘導体へと変換したいという願望にある。 多くの生物学的リガンドはタンパク質又はペプチドである。このリストには、 大部分のホルモン、成長因子、神経活性分子及び免疫エピトープが含まれている 。このような理由から、レセプター又は酵素を媒介とする生物学的活性のアゴニ スト又はアンタゴニストを開発する初期の研究努力には、ペプチド設計及び合成 が関与していた。しかしながら、望ましい生物学的活性を有することがわかった ペプチドは、往々にして薬物としては適していない。薬物となるためには、ペプ チドは往々にして、誘導体又は構造的類似体すなわち大部分のペプチドとは異な り満足のいく薬物動態及び安定性特性を有するペプチド擬似体へと変換される必 要がある。医薬品として有用であるか又は見込みのあるペプチド擬似体の開発に ついて記述する数多くの刊行物が出現している;いくつかの最近の例としては、 Rudy Baum,Chemical & Engineering News内、1月18日、1993年、33ペ ージ;Hirschmann,R.et al.J.Am.Chem.Soc.,1 992年,114,9699-9701; Hirschmann,R.et al.J.Am.Chem.Soc.,1992,11 4,9217-9218がある。 生物学的に活性な化合物の発見は、困難で時間がかかり、しかも極度に費用の かかるプロセスでありうる。この分野における主要な問題は、望ましい特性を有 する単一の化学構造を多数の可能性ある関連構造の中から同定することにある。 この発見プロセスが、構造設計、合成及び生物学的試験という連続した戦略を利 用する場合、望まれる化学構造の同定は、きわめて面倒なものとなる。このきわ めて要求度の高い仕事を避けるために、さまざまな構造をもつ数多くの分子のラ イブラリーを調製することができる。理想的には、このようなライブラリーは迅 速にスクリーニング及び評価できるものである。 ライブラリー合成及びスクリーニングのこの分野における作業の多くは、例え ばGeysen(Geysen et al,分子免疫学,1986,23,709-715; Geysen et al.J.I mmunologic Methods,1987,102,259-274),Foder(Foder et al,Science,199 1,251,767-773)及びHoughten(Houghten et al.,Nature,1991,354,84-86) のアプローチのように、ペプチドを用いて行なわれてきた。しかしながら、かか るライブラリーは、一定の与えられた実験において調製、試験及び同定されうる 可能性ある構造的変異体の数の点で制限されている。 サブユニットの組合せから生じた単一のポリマー種が単一の固体支持体に付着 されているポリマー合成試験化合物の真に無作為のライブラリーの発明は、ペプ チド又は非常に重要なことにペプチド擬似体である生物学的に活性な化合物の発 見における1つの突破口となった。(「ランダムバイオオリゴマーライブラリー 、その合成方 法及びその使用方法」という題で1991年6月19日付けで提出された米国特 許出願第07/717.454号及び「ランダムペプチドライブラリー、その合 成方法及びその使用方法」という題の1990年7月2日付けで出願された米国 特許出願第07/456,845号を参照のこと)。 ペプチド擬似体といったような非ペプチド有機化合物は往々にして、或る種の レセプター又は酵素に対する親和力という面でペプチドリガンドにまさっている 。これまでの記録を上回る最も緊密なビオチンとアビジンの結合にはタンパク質 (アビジン)と非ペプチド有機構造(ビオチン)の結びつきが関与している。親 和力の高い生物学的リガンドそして究極的には新しくかつ重要な薬物を迅速に同 定するための有効な戦略には、水素結合、塩橋、π−錯化、疎水効果などといっ た生物学的受容体(アクセプター)(例えばレセプター又は酵素)との単数又は 複数のタイプの相互作用を樹立することのできるさまざまな構造単位を含む非ペ プチド構造のさまざまなライブラリーの迅速な構築及びスクリーニングが必要と される。しかしながら、非ペプチド分子を含む合成試験化合物ライブラリーの生 成及びスクリーニングに関する研究は、現在その揺籃期にある。この分野からの 一例を挙げると、それは固体支持体上でのベンゾジアゼピンの組合せ合成につい てのEllman及びBuninの研究である(J.Am.Chem.Soc.114,10997,(1992); C hemical and Engineering News,1993年1月18日、33ページを参照のこ と)。 非ペプチドライブラリーの生成及び使用の分野における未解決の1つの主要な 問題は、将来性ある生物学的活性を示すライブラリーから選択された分子構造の 解明である。 ペプチドライブラリーと連繋して合成される唯一のヌクレオチド配列コードを 用いて1つのライブラリーから選択されたペプチドの構造を発見しようとする試 みが、最近Brenner及びLernerによって記述されてきた(Brenner,S.及びLerner ,R.A.Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA,1992,89,5381-5383)。各ペプチドに付 着されたコードのヌクレオチド配列は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介し て増幅可能でなくてはならない。しかしながら、ヌクレオチド合成技術は、多く のタイプの分子ライブラリーの合成に必要とされる合成技術の全てと相容れない ものである。その上、生物検定中の標的レセプター又は酵素とリガンドとの結合 に干渉するこれらの分子間の相互作用を結果としてもたらしうるライブラリー内 のヌクレオチド及び合成試験化合物の近接性も又、このアプローチを制限してい る。ライブラリーのヌクレオチド構成要素も又、さまざまな形で生物検定中に干 渉してくる可能性がある。 Kerr et al(J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2520-2531)は、ペプチドコーデ ィング鎖と平行して非天然アミノ酸残基を含むペプチドの溶液相ライブラリーを 合成することを報告した。このライブラリー中のペプチドリガンドとそのコーデ ィング鎖は、一緒に共有結合されており、このため、合成試験化合物と対応する コードの対の分離及び配列決定が可能となっている。しかしながら、前出のBren ner及びLernerにより記述されている核酸コード化されたライブラリーの場合が そうであるように、コーディングペプチドは、スクリーニング検定を干渉する可 能性がある。その上、コーディングペプチドの配列を得るために親和力選択方法 でライブラリーからの充分な量の材料を精製することに対する必要条件が、数千 種以上のライ ブラリーの合成をはばんでいる。 かくして、さまざまな化学的クラスに属する化合物のライブラリーを生成しス クリーニングするための新しく一般的でかつ用途の広い方法に対するニーズが、 当該技術分野において存在している。さらに、例えばEdmanの分解又は質量分析 法単独といった従来の技術によっては決定できない構造をもつ、スクリーニング の結果としてライブラリーから選択された化合物の構造を解明するための有効な 方法に対するさらなるニーズも存在している。当該技術分野でのさらにもう1つ のニーズは、近接性効果を通して合成試験化合物の結合に影響を与えるか又はス クリーニング検定内で相互作用することのない分子コーディングシステムである 。 本明細書中の参考文献の引用又は識別は、かかる参考文献が本発明に対する先 行技術として利用可能であるという容認としてみなされるべきものではない。 3.発明の概要 本発明は、各々の支持体に対して単一の化合物種が付着されている、個別相支 持体に付着された合成試験化合物のライブラリーに向けられている。この化合物 は、アミド、尿素、エステル、エーテル、カルバメート、アミン、スルフィド、 ジスルフィド、炭素−炭素、例えばアルカン、アルケン及びアルキンなどのリン ケージを有するが、これらに制限されるわけではない。特に、化合物はポリアミ ド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート 、ポリアミン、ポリアルカン、ポリスルフィド、ポリジスルフィド又はかかる結 合のいずれかの組合せを含むポリマーであると考えられる。この化合物は同様に 、さまざまな置換基を明確 な位置に有する分子足場であってもよく、この場合、足場は単環式又は二環式炭 化水素、ステロイド、糖、複素環式構造又は多環式芳香族分子でありうる。 本発明はさらに、個別相支持体上のコーディング分子の配列が、支持体に付着 された合成試験化合物に正確に対応する、すなわちこの化合物をコードしている 、合成試験化合物のコードされたライブラリーに関する。好ましい一実施形態に おいては、コーディング分子はペプチドである。1つの変形実施形態はいくつか のサブユニットが従来の配列決定技術によって区別できないものであるような配 列決定可能な試験化合物のライブラリーのコーディングを包含している。コーデ ィングは、カップリング混合物に第3の識別可能なコーディングサブユニットの 小さい分画を付加することによって達成される。この分画コーディングと呼ばれ るコーディング技術においては、独立したコーディング分子は全く存在しない。 本発明は同様に、各々の個別相支持体上でコーディング分子から合成試験化合 物が位相学的に分離されている、コードされたライブラリーをも提供する。個別 相支持体が樹脂ビーズである好ましい一実施形態においては、合成試験化合物は 樹脂ビーズの表面上に位置設定され、一方コーディング分子はビーズの内部に大 量に位置設定されている。もう1つの実施形態においては、合成試験化合物は、 開裂可能なリンカーにより個別相支持体に付着され、コーディング分子は開裂不 可能なリンカー又は別途開裂可能なリンカーと共に支持体に付着されている。こ の実施形態においては、スクリーニング検定中、合成試験化合物は、コーディン グ分子が支持体に付着された状態にとどまっている一方で、例えば溶液中へとい ったように個 別相支持体から放出されうる。 本発明は同様に、合成試験化合物のライブラリー及び合成試験化合物のコード されたライブラリーの合成方法にも向けられている。合成試験化合物の合成には 、個別相支持体の各部分の分離、及び、付加したサブユニットが合成試験化合物 上の官能基と反応できるような条件下での各部分と合成試験化合物の単一のサブ ユニットとの反応が関与している。コードされたライブラリーを調製しなくては ならない場合には、化合物のサブユニットに対応するコーディング分子のサブユ ニットは、コーディングサブユニットが個別相支持体のコーディング成分とのみ 反応することになる別々の組の反応条件を用いて、組換えされる前に分離した各 部分に対して付加される。コーディングサブユニットが後に続く合成試験化合物 サブユニットの結合として記述される反応の順序は、重要ではない。この順序は 、コーディングサブユニット反応とそれに続く合成試験化合物サブユニットであ るのがよいかもしれない。重要なのは、両方の反応が固相支持体の同じ部分上で 実施されることである。 個別のカップリング段階の後、各部分は、徹底的に混合されて無作為化される 。希望する数の化合物サブユニットが付加されるまで、個別のカップリング及び 徹底的な混合のプロセスが反復される。その後、個別相支持体からコーディング 分子又は化合物のいずれかを開裂することなく、化合物(そして該当する場合に はコーディング配列)上に残るあらゆる官能基保護基が除去される。 本発明は同様に、ライブラリーをスクリーニングするための方法にも向けられ ている。ライブラリーを個別相支持体上の受容体分子の結合活性又は放出された 化合物の結合活性についてスクリーニン グすることができる。本発明はさらに、放出された化合物の生物学的スクリーニ ング検定をも提供している。 酵素活性、電子輸送活性及び光活性などがあるがこれらに制限されるわけでは ない、化合物についてのその他のスクリーニング検定も同様に、本発明の考慮対 象となっている。 スクリーニング検定において問題の活性を示す化合物を含む固体支持体が選択 される。化合物の構造は、例えば、質量分析法、核磁気共鳴分光法又はその他の 分光方法によって決定される。好ましくは、ライブラリーはコードされたライブ ラリーであり、この場合、化合物の構造は、容易に決定することのできるコーデ ィング分子の配列によってコードされる。 本発明の化合物は、治療薬又は診断薬のための糸口を提供するものである。よ り好ましくは、化合物自体が治療薬又は診断薬として有用でありうる。個別相支 持体上の化合物は同様に、例えばトランジスタ又は半導体として、電子輸送のた めにも有用でありうる。 4.図面の簡単な説明 図1.合成試験化合物のコードされたライブラリーを付着させるための戦略。 合成試験化合物のサブユニットは[NONSEQ]として表わされている。コー ディング分子はA−B−Cで表わされている。(A)試験化合物及びコーディン グ分子は、質量作用及び固有の反応性に基づいて変更されうる統計的分布の形で 、直接的に又はリンカーを介して支持体に個別に付着され得る。(B)合成試験 化合物及びコーディング分子は、明確なモル比で、個別相支持体上で同じリンカ ーに付着されうる。(C)合成試験化合物は表面上に付着され、コーディング分 子は、樹脂ビーズといった個別相支持体 の内部に付着させられる。代替的には、(C)において、コーディング分子は表 面上にあり、試験化合物は内部にあってもよい。 図2.「試験」化合物(Ala−Phe−Val)及びコーディング分子(G ly−Tyr−Leu)が両方共ペプチドであるコードされたライブラリーモデ ルの3つの形態。(A)「試験」化合物は、Fmoc保護基を用いて合成され、 コーディング分子はBoc保護基を用いて合成された。Fmoc及びBocは直 交する保護基である。(B)コーディングペプチドのみがEdman分解により配列 決定されることになるように、Fmoc保護解除された「試験」化合物は、アセ チル化された。(C)コーディングペプチドは、トリフルオロアセチル(TFA )でブロックされ、「試験」化合物のEdman配列決定とそれに続くTFAの除去 及びコーディングペプチドの配列決定を可能にした。ペプチドは、リシン分枝を もつ安全捕獲アミドリンカー(SCAL; Patek及びLebl,1991,Tetrahedron Lett ,32; 3891-3894)を介してテンタゲル(TentaGel TG)樹脂に付着された。 図3.1つのアミドを形成するためのカルボン酸とアミンの反応、1つのアミ ドを形成するためのアミンとカルボン酸の反応;1つのスルフィドを形成するた めのアルキルハロゲニドとチオールの反応を含む、さまざまな可能性ある結合化 学を示す分枝足場ライブラリーモデル。 図4.受容体分子と足場合成試験化合物の相互作用のモデル。(A)足場に付 着された官能基は自由に適切な結合コンホーメーションをとることができる。( B)足場上の官能基は適切な結合コンホーメーション内に束縛されている。 図5.合成試験化合物のライブラリーを形成するようランダム構造で化学的に 結合され得るサブユニットのいくつかの構造。 図6.Boc及びFmocでブロックされたサブユニットとの反復的な縮合反 応から形成された環式ライブラリーのモデル。 図7.足場がシクロペンタンであるテンタゲル樹脂上の足場ライブラリーの調 製のためのスキーマ。 図8.本発明の足場ライブラリーを調製するのに使用されるサブユニットの構 造。サブユニットの各々に対する2文字のアミノ酸ジペプチドコードは、各々の ものの下に示されている。このライブラリーの調製及び使用については、以下の 第9節で記述されている。 5.発明の詳細な説明 本発明は、各々の個別相支持体が合成試験化合物の単一の種を含んでいる、個 別相支持体に付着された合成試験化合物のライブラリー及び、かかるライブラリ ーの合成及び使用方法に関する。「個別相支持体」という語は、合成試験化合物 を付着させることができ、かつ液体中で不溶であるか又は液体と2相系を形成す るマトリックスのことを指す。好ましくは、個別の相は、固相であるが、ヒドロ ゲル及びエアロゲルといった個別の相を考慮することもできる。 本明細書中で使用されている「合成試験化合物ライブラリー」という語は、各 々の個別相支持体の粒子が合成試験化合物の単一の構造的種を含んでいる、個別 相支持体の粒子上の合成試験化合物のコレクションのことを意味する。各々の支 持体は、単一の構造的種の数多くのコピーを含んでいる。例えば、固相ペプチド 合成のための標準的な樹脂支持体は、約50〜250pmolのペプチドを含んでい る。合成試験化合物の構造は、「サブユニット」の実質的に無作為 の化学的組合せから誘導される。 本明細書で使用されているように、「合成試験化合物」という語は、足場をも つか又はもたない2〜100、より好ましくは2〜20のサブユニットから成る 小さな分子のことを言う。1つの実施形態においては、合成試験化合物は、アミ ド、尿素、エステル、エーテル、カルバメート、アミン、スルフィド、ジスルフ ィド、炭素−炭素、例えばアルカン、アルケン及びアルキンなどといったような リンケージを介して結合されたサブユニットで形成されているポリマーである。 特に、化合物には、以下で詳述する通り、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリア ミド、ポリエステル、ポリエーテルなど、又はそれらのあらゆる組合せが含まれ 得る。もう1つの実施形態においては、合成試験化合物は、以下に詳述する通り 、ステロイド、複素環式構造、多価芳香族環又は炭水化物構造などといった無作 為に機能化された分子足場であってよい。 本明細書で使用されている「サブユニット」という語は、規定の化学によって 化学的サブ成分のリンケージにより合成試験化合物を形成することになる、化学 的サブ成分のことを言う。例えば、「ペプチドライブラリー」は、ペプチド(合 成試験化合物)のコレクション、すなわち、その他のいずれかのアミノ酸残基に 先行するか又は後続するいずれかのアミノ酸残基を含む配列をもつ2−100個 のα−アミノ酸残基(サブユニット)から成る鎖のコレクションである。「ステ ロイド誘導体ライブラリー」の一例は、ステロイド核の特定の位置における一組 の官能基つまりサブユニットのいずれか1つを含むステロイド誘導体のコレクシ ョンである。 より好ましくは、本発明は、合成試験化合物のコードされたライ ブラリーに関する。ここで「コードされたライブラリー」というのは、各々の全 く異なる化合物種が各々の個別相支持体の上で、容易に決定できる構造をもつコ ーディング分子と対を成し、そのライブラリー内のその対パートナーに対する唯 一の構造をコードしている、1つのライブラリーのことである。コードされた分 子ライブラリーの好ましい一実施形態においては、コーディングポリマー分子は 1つのペプチドである。もう1つの実施形態においては、コーディングポリマー 分子は1つのオリゴヌクレオチドである。 ライブラリーの実施形態の例としては、以下のものが含まれるが、これらに制 限されるわけではない; 合成試験化合物がポリアミドである、すなわち合成試験化合物がアミド結合を 介して結合された2−100個のアミノ酸の鎖であるライブラリー; 合成試験化合物がポリエステルすなわちエステル結合により結合された2−1 00個のヒドロキシ酸の鎖であるライブラリー; 合成試験化合物がポリエステルすなわちエーテル結合により結合された2−1 00のヒドロキシアルコールの鎖であるライブラリー; 合成試験化合物がポリ尿素であるライブラリー; 合成試験化合物がポリウレタンであるライブラリー; 合成試験化合物がポリカーボネートであるライブラリー; 合成試験化合物がポリアミンであるライブラリー; 合成試験化合物が、ハロ誘導体を含むポリアルカン、ポリアルケン又は多価ア ルコールであるライブラリー; 合成試験化合物がポリスルフィドであるライブラリー; 合成試験化合物がポリジスルフィドであるライブラリー; 合成試験化合物が、上述の実施形態に記述されているポリマー構造のうちの2 つ以上のものからの無作為に配置されたセグメントを含む構造をもつポリマーで ある、ライブラリー; 合成試験化合物がステロイド構造の誘導体であるライブラリー; 合成試験化合物が、β−D−グルコースといった糖の誘導体であるライブラリ ー; 合成試験化合物が、ベンゾジアゼピンといった複素環式構造の誘導体である、 ライブラリー; 合成試験化合物が、カルボン酸、アミン及びハロゲン誘導体(これらに限らな い)といった多数の構造を規定の方法で付着させることのできる足場として役立 つことのできる1つの構造の誘導体であるライブラリー; 分子が、アミド、エステル、エーテル、カーボネート、スルフィド、ジスルフ ィド、アルケン及びアミン及び足場として作用できる1以上の構造、例えばステ ロイド、糖、芳香族又は多価芳香族構造のうちの1以上から選択された化学的に より結合された可変的長さの1以上の配列を含むキメラ構造である、ライブラリ ー。 異なるクラスの合成試験化合物のための数多くの異なるサブユニットが、Sigm a,Aldrich,ICI Chemicalsなどといった供給業者から市販されている。代替的 には、標準的な化学合成技術を用いて、サブユニットを合成的に調製することが できる。 好ましい一実施形態においては、上で列挙したライブラリーは、各々の個別相 支持体が1つの合成試験化合物及び合成試験化合物の構造をコードするポリマー 配列を含んでいる、コードされたライブラリーである。好ましくは、コーディン グポリマー配列はペプチド である。 5.1.コーディング戦略 上述のとおり、1つの好ましい態様においては、本発明のライブラリーは、各 支持体上のコーディング分子の配列が各支持体上の合成試験化合物の構造に対応 している、コードされたライブラリーである。従って、各々の唯一の合成試験化 合物構造は、唯一のコーディング分子配列によってコードされる。上述の通り、 好ましくは、コーディング分子はペプチドであるが、本発明は、コーディング配 列としての核酸又はあらゆる配列決定可能なポリマーの使用をも包含している。 コーディング配列の典型は、1つの遺伝子の中のトリプレットヌクレオチド配 列がその遺伝子によりコードされた1つのタンパク質内の特定の一アミノ酸に対 応している遺伝子コードである。1つの遺伝子内のコドンの配置は、1つのタン パク質内のアミノ酸の配列に対応する。かくして遺伝子はタンパク質をコードす る。 この類推に従うと、従来の方法(例えばEdmanの分解)によっては配列を立証 することのできないポリアミドといった合成試験化合物ライブラリーの配列のコ ーディング分子によるコード化は、類似のコードを利用して容易に達成できる。 このコードの選択は、コーディング分子のサブユニットの1重、2重又は3重( 又はそれ以上)のいずれの組合せが、合成試験化合物の各サブユニットに対応す るかを含めて、純粋に任意である。 例えば、コーディング分子はペプチドであってよい。この場合、Edmanの分解 によって容易に検出可能でありかつ側鎖保護を必要とすることなく固相ペプチド 合成において効果的にカップリングする ものとして知られている1以上のアミノ酸残基から成るコードが、特に有用であ るとみなされる。例えば、アミノ酸、ロイシン(Leu)、グリシン(Gly) 、アラニン(Ala)及びフェニルアラニン(Phe)(これらは全て、側鎖保 護を必要とせずペプチド合成中効果的にカップリングし、さらにEdman分解によ って容易に検出可能である)に基づくトリプレットコードが用いられる場合、L eu、Gly、Ala又はPheのトリプレット(各トリプレットはポリアミド 中の唯1つのサブユニットに対応する)を含む唯一のペプチドと各々対を成した 最高64個の構造的に異なるサブユニットを含む合成試験化合物のライブラリー を、適当な化学反応を用いて合成することができる。その他の好ましいアミノ酸 すなわち、側鎖保護を必要としないアミノ酸としては、イソロイシン、バリン、 シクロヘキシル−L−アラニン、ノルロイシン、ノルバリン、プロリンなどが含 まれるがこれらに限らない。これらほど好ましいものではないが、アスパラギン 及びグルタミンもある。もう1つの実施形態においては、20の天然アミノ酸の 各々は、特定のサブユニットについてコードすることができる。単一のコーディ ング配列サブユニット又はコドンは、合成試験化合物の2つ以上のサブユニット についてコードすることができ、結果として1つの縮重したコードをもたらすが 、これは必要なことではない。 本発明は、スクリーニング検定が、以下の第5.3節で論述されている、一定 の与えられた支持体上のコーディング分子の代りに活性な合成試験化合物を認識 する確率を増大するためのさまざまな戦略を提供している。 5.2.合成試験化合物のライブラリーを生成するための方法 上述の通り、本発明は個別相支持体上で、合成試験化合物のライブラリーを生 成する方法に関する。好ましくは、このライブラリーは、例えば、同じ支持体に 付着された合成試験化合物の構造をコードしかつEdman分解といった従来の分析 技術を用いて容易に決定することのできる配列をもつ1つのペプチドといったよ うな唯一のコーディング分子と各々の合成試験化合物が対になっているようなラ イブラリーである。 合成試験化合物が、機能化された分子足場である場合、足場又はその前駆物質 は、合成開始に先立って固相支持体に付着されることになる。 合成試験化合物のライブラリーの合成には、以下の段階の反復が含まれる: (i )選択された支持体を、結合すべき異なるサブユニットの数に少なくとも 等しいものである数の部分へと分割する段階; (ii)段階(i )からの固体支持体の部分のうちのただ1つのものと合成試験 化合物のサブユニットのうちのただ1つのものを化学的に結合させ、好ましくは 、化学的結合形成反応が可能なかぎり最大限まで完成するべく推進されているこ とを確認する段階; (iii )成長しつつある合成試験化合物を含む固体支持体部分を徹底的に混合 する段階; (iv)望まれるライブラリーの合成試験化合物の各々におけるサブユニットの 数に等しい回数だけ、段階(i )から(iii )までを反復し、かくして合成試験 化合物を成長させる段階; (v )固体支持体上での合成試験化合物の組立て中に用いられたあらゆる保護 基を除去する段階。 好ましくは、コーディング分子が、合成試験化合物と平行して合成される。こ の例においては、段階(ii)において支持体に対して合成試験化合物のサブユニ ットを結合させる前又は後で、合成試験化合物の付加されたサブユニットに対応 するコーディング分子の1以上のサブユニットが、成長しつつある合成試験化合 物の構造に対応する唯一の構造的コード(前出の第5.1節参照)が各支持体上 で作り出されるような形で、成長しつつあるコーディング分子に結合される。コ ードされたライブラリーが調製される場合、1以上のサブユニットの合成が混合 段階(iii )に先行しなくてはならないということは、容易に認識できる。 段階(i )〜(iii )の反復(段階(iv)を参照)は当然のことながら結果と して合成試験化合物を成長させることになり、このプロセスがコーディング分子 の合成を包含するべく修正される場合にはこの試験化合物と平行してコーディン グ分子を成長させることになる。ここでは、支持体上で合成された合成試験化合 物そしてもし存在するならば支持体上で合成されたコーディング分子をそれぞれ 意味するのに、試験アームとコーディングアームが用いられている。 本発明は、上述の手順の段階のいずれかの修正をも包含している。例えば、固 体支持体の部分の全てに対する同じポリマーサブユニットの結合が関与するよう に段階(ii)を変更した場合、異なる、そして場合によっては望ましいライブラ リーが結果として得られることになる。この場合、コーディングポリマーの伸長 も、類似の要領で修正される必要がある。 もう1つの実施形態においては、コーディングアーム上と同じポリマーが試験 アーム上で伸長されている場合、コーディングアーム は、合成の履歴例えばサブユニットの数がわかっているかぎり、合成試験化合物 の配列決定不可能なサブユニットをコードするのに必要とされる点を超えて、伸 長させられる必要はない。 本発明のもう1つの実施形態においては、短いポリマーである合成試験化合物 の合成を実施するのに使用される固体支持体は、ライブラリーの合成に使用する 前にポリマーの1以上のサブユニットで誘導体化される。 1つの実施形態においては、合成試験化合物の考えられる全ての構造がライブ ラリー内に存在する確率が非常に高くなるように、充分な支持体粒子が用いられ る。かかるライブラリーは「完全」ライブラリーと呼ばれる。すべての構造を代 表する高い確率を確保するためには、化合物の考えられる種の数のポワソン統計 といった統計に従って例えば5倍、20倍などの余剰の数の支持体を使用するこ とが必要である。もう1つの実施形態、特に考えられる構造の数が支持体数を上 回っている実施形態においては、考えられる構造の全てがライブラリー内に代表 されているわけではない。このような「不完全」ライブラリーも同様に非常に有 用である。 さらにもう1つの実施形態においては、1つのライブラリーが、ライブラリー の生成に先立って又はライブラリーの生成の終了時点で付加されるもう1つのラ イブラリーをスクリーニングした結果として見い出される望ましいポリマー配列 を含んだ構造をもつ合成試験化合物を有する可能性がある。このようなライブラ リーは、望ましいポリマー配列を含む固体支持体を合成し、新しいライブラリー の合成のための固体支持体としてこの誘導体化された支持体を用いることによっ て調製される。代替的には、ライブラリーの合成試験 化合物の一部分を合成し、それに続いて、個別相支持体の全ての上での試験化合 物の延張部分として望ましいポリマー配列を合成することが可能である。代替的 には、望ましい配列は不連続で、ランダムライブラリーの中に含まれていてもよ い。 5.3.コードされた分子ライブラリー合成における個別相合成支持体及びリ ンカーの開発と使用 5.3.1.コードされた分子ライブラリー合成において有用な支持体及びリ ンカー 本発明で使用するのに適した個別相支持体は、以下の特性によって特徴づけら れる;すなわち(1)合成又はスクリーニングのために使用される液相内での不 溶性;(2)その他全ての支持体と独立して三次元で移動できる;(3)合成試 験化合物そして存在する場合には支持体に付着したコーディング配列の各々の数 多くのコピーを含んでいる;(4)スクリーニング検定条件と両立する;(5) 試験化合物の合成及びコーディング分子の合成のための反応条件に対して不活性 である。好ましい支持体は、同様に、合成試験化合物及びコーディング分子の各 々に対して前駆物質であるサブユニットを付着させるため、又はモノマーもしく はその他のサブユニット前駆物質の付着のための単数又は複数の反応基を含むリ ンカーを付着させるため、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、チオールなど といった反応性官能基を有している。 ここで用いられている個別相支持体は、特定のタイプの支持体に限られている わけではない。むしろ、数多くの支持体が利用可能であり、当業者にとっては既 知のものである。好ましい態様においては、個別相支持体は、固相支持体である が、本発明はエアロゲル及びヒドロゲルといったような半固体の使用をも包含す る。固相支持体としては、シリカゲル、樹脂、誘導体化されたプラスチックフィ ルム、ガラスビーズ、コットン、プラスチックビーズ、アルミナゲル、セファロ ースといった多糖類などが含まれる。適当な固相支持 体を、望ましい最終用途及びさまざまな合成プロトコルに対する適合性に基づい て選択することができる。 例えば、ポリアミド合成においては、有用な固相支持体は、ポリスチレン(例 えばBachem Inc.,Peninsula Laboratoriesから得られるPAM樹脂など)、POL YHIPE(登録商標)樹脂(Aminotech,カナダから得られる)、ポリアミド樹脂(P eninsula Laboratoriesから得られる)、ポリエチレングリコールとグラフト重 合させたポリスチレン樹脂(TentaGel(登録商標),Rapp Polymere,Tubingen, ドイツ)又はポリジメチル−アクリルアミド樹脂(Milligen/Biosearch,カリフ ォルニアから得られる)といった樹脂であってよい。ペプチド及びポリアミド合 成にとっての好ましい一実施形態においては、好ましい固相支持体はポリジメチ ル−アクリルアミド樹脂である。特定の合成のための好ましい固相合成支持体に ついて以下で記述する。例えば、以下の特定の実施形態モデルにおいては、Merr ifieldペプチド合成において使用されるような支持体を、その後の合成サイクル から伸長してポリアミド「合成試験化合物」をもたらすFmoc保護されたアミ ノ酸、及びコーディングペプチドを伸長してもたらすDdz−又はBoc−保護 されたアミノ酸によって、逐次的に誘導体化させることができる。その他の逐次 誘導体化について、以下で記述する。かくして、各々の樹脂ビーズは、合成試験 化合物及び対応するコーディング構造の両方を含むように機能化され、それらの 相対的な量は最初のFmoc−及びDdz−(又はBoc−)保護されたアミノ 酸を付着させるための反応条件によって左右される。このアプローチの1つの変 形形態においては、合成試験化合物及びコーディング分子は、以下で記述するも ののようなリ ンカーを通して、固体支持体に付着する。 本発明の支持体は、同様にリンカー又はリンカーの配置を含んでいてもよい。 ここで使用するリンカーというのは、支持体上で合成されるべき分子と支持体を 結合させるのに役立つ例えば炭素、窒素、酸素などの原子鎖を含むあらゆる分子 のことである。リンカーは、通常、支持体上の合成が始まる前に、共有結合を通 して支持体に付着され、支持体上で合成するべき分子の前駆物質の付着のための 単数又は複数の部位を提供する。固相支持体に対して合成すべき分子の前駆物質 を付着させるためには、さまざまなリンカーを用いることができる。リンカーの 例としては、アミノブチル酸、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8− アミノカプリル酸、リシン、イミノジ酢酸、ポリオキシエチレン、グルタミン酸 などがある。さらにもう1つの実施形態においては、リンカーにはさらに、スペ ーサーとしての単数又は複数のβ−アラニン又はその他のアミノ酸が含まれてい てよい。 もう1つの実施形態では、「安全捕獲アミドリンカー」(SCAL)(Patek ,M及びLebl,M.1991,Tetrahedron Letters 32: 3891-3894参照:国際特許公 報WO92/18144、1992年10月29日公開)が支持体に対して導入 される。 上述のリンカーに加えて、好ましくは合成試験化合物分子の付着のために、選 択的に開裂可能なリンカーを利用することができる。その1例は、Barany及びAl bericioによって記述されている紫外線感光リンカーONbである(1985,J.Am .Chem.Soc.107; 4936-4942)、光開裂可能なリンカーのその他の例は、Wang( 1976,J.Org.Chem.41;32-58),Hammer et al.(1990,Int.J.Pept.Prot ein Res.36; 31-45),及びKreib-Cordonier et al(1990,"Peptides-Chemistry ,Structure and Biology"中、Rivier及びMarshall,eds,p895-897)。Landen( 1977,Methods Enzym,47; 145-149)は、Asp−Pro結合を開裂するために 水性蟻酸を用いた;このアプローチは、Geysenピン合成方法(Van der Zee et al .,1989,Eur.J.Immunol,191; 43-47)と合わせて、T細胞決定因子を特徴づ けするために使用された。塩基性条件下で開裂可能な潜在的なその他のリンカー としては、p−(ヒドロキシメチル)安息香酸(Aterton et al.,1981,J.Che m.Soc.Perkin I; 538-546)及びヒドロキシ酢酸(Baleaux et al.,1986,Int .J.Pept.Protein Res.28; 22-28)に基づくものがある。Geysen et al,(1 990,J.Immunol Methods 134; 23-33; 国際公報WO90/09395号、19 90年8月23日公開)は、ジケトピペラジンメカニズムによるペプチド開裂を 報告した。好ましいジケトピペラジンリンケージは、本明細書にその全体が参考 として内含されている1992年7月24日に提出された米国特許出願第07/ 919.454号の中で開示されている。酵素開裂可能なリンカーも又有用であ る。酵素によって認識される配列を含むリンカーを、1つの酵素が特異的に開裂 することができる。かくして、適切なペプチド配列を含むリンカーを1つのプロ テアーゼによって開裂させることができ、適切なヌクレオチド配列を含むリンカ ーを1つのエンドヌクレアーゼによって開裂させることができる。或る種の例で は、いくつかの反応条件を用いて開裂可能なリンカーで、利用可能な樹脂官能基 の一部分(例えば10〜90%)を誘導体化することができ、さらなる研究のた めに開裂後の樹脂上に充分な材料が確実に残るようにするべく開裂条 件に対して安定しているリンカーを用いて、樹脂官能基の残りの部分を誘導体化 することができる。コーディング分子が全くない場合に、この措置が特に好まれ る。異なる反応条件下で開裂可能なリンカーの組合せも同様に、単一の固体支持 体ビーズから分子の選択的開裂を可能にするために使用することができる。 好ましくは、合成試験化合物を放出するために開裂可能なリンカーを使用する ことができ、又その一部分をスクリーニング検定内での試験のために使用するこ ともできる。この例では、コーディング配列が存在する場合、これは、開裂不能 なリンカーを介して固相支持体に付着される。 コードされたライブラリーの合成のための1つのアプローチには、固体支持体 に対し両方の前駆物質を結合するのにも役立つ有枝リンカーを介してライブラリ ーのコーディング分子と合成試験化合物の前駆物質を結合させることも関与して いる。リンカーの構造に応じて、いずれかの分子又はその両方を、さらなる研究 のために固体支持体から離脱させることができる。合成試験化合物とコーディン グ分子を固着するこのアプローチの一例は、Lys(SCAL)で誘導体化され たTentaGelを用いることである。 本発明の中で使用するための固相支持体リンカーにはさらに、分子ライブラリ ーを提供するためにさらに誘導体化させることのできる所望の分子が含まれてい てよい。予め付着された分子は本明細書で記述する方法に従って選択されてもよ いし、又は望ましい特性を具現するものとして知られている1つの構造を含んで いる可能性もある。 本発明は、数多くの配置のうちの1つで固体支持体に付着された リンカーアレイの使用を包含する。例えば、リシンカルボキシル基を、固相支持 体に結合されるSCALリンカーに結合させ、かくしてリシン−SCALリンカ ーで機能化された支持体を産生することができる。もう1つの実施形態では、ポ リエチレングリコールリンカーを介して固相支持体にリシンを結合させることが できる。固体支持体上のSCALリンカーは又、他のアミノ基が直接さらなるカ ップリングのために使用され得るのに対し、ジアミンリンカーの1つのアミノ基 に対して結合させることもできる。さらにもう1つの実施形態においては、他の アミノ基はさらなる修正なしに使用されるのに対して、開裂可能なリンカーを、 支持体に結合されたリシンのアミノ基のうちの1つに付着させることができる。 リシンリンカーの各々のアミノ基に対する特異的カップリングは、直交保護基を 用いることによって達成できる。 以下の特定の実施形態においては、TentaGelに結合されたSCALは、Fmo c及びBocによってアミノ基が保護されているリシンでアシル化され得る:結 果として得られた支持体は、例えば2つの異なるアミノ酸の組によるアシル化に おいて2つのポリアミドのためのアンカーとなりうる2つの特定のアミノ基を提 供するべく逐次的に脱保護され得るリンカーBoc−Lys(Fmoc)−SC ALをもつTentaGelである。Boc−Lys(Fmoc)を用いたリンカーのリ シン部分のアミノ基の1つのアシル化は、合計3つの潜在的アミノアンカー(逐 次的脱保護において)をもつ新しいリンカーを提供し、Boc−Lys(Fmo c)によるリンカーリシンの両方のアミノ基のアシル化は、合計4つの潜在的ア ミノアンカーをもつ新しいリンカーを提供する。 5.3.2.固体支持体の表面上の合成試験化合物及びコーディング分子の固 着の位相学 ライブラリーを生成するために固体支持体上の合成試験化合物とコーディング 分子を位相学的に分離するためのさまざまなアプローチが考慮されている。 合成試験化合物とコーディング分子を位相学的に分離するというのは、1つの 支持体に対する空間的分離のことである。例えば、支持体が樹脂ビーズである場 合、有意数のコーディング分子からの有意数のリガンド候補分子の分離が、樹脂 ビーズの内部と表面の間で行なわれうる。好ましくは、支持体の表面は主として 合成試験化合物分子を含み、コーディング分子をきわめてわずかしか含まない。 より好ましくは、支持体の表面は90%以上の合成試験化合物を含んでいる。さ らに一層好ましくは、支持体の表面は99%以上の合成試験化合物分子を含んで いる;最も好ましくは、この表面は99.9%以上の合成試験化合物を含んでい る。このような措置がもつ利点は、結合スクリーニング検定におけるコーディン グ分子の干渉が制限されるという点にある(以下第5.6節を参照のこと)。コ ーディング配列を含む位相学的部域すなわち樹脂ビーズの内部が合成試験化合物 を含んでいないということが必要なわけではない。 前出の例では、コーディング分子は、支持体粒子の内部で分離されている。同 様に、コーディング分子を支持体粒子の表面へ又は支持体粒子の片側へと分離さ せることもできると考えられている。 コーディング分子からの合成試験化合物の位相学的分離のための一般的なアプ ローチには、試薬及び溶剤に対するカップリング部位のアクセス可能性の差に基 づいた支持体上の反応性部位の選択的な 誘導体化が関与している。例えば、樹脂ビーズ内の低いアクセス可能性をもつ領 域は、ビーズの内部、例えばさまざまな溝路及びその他のキャビティである。ビ ーズが懸濁している溶液の分子と接触状態にある樹脂ビーズの表面は、比較的高 いアクセス可能性をもつ領域である。適切な固相支持体に対するコーディング及 び合成試験化合物の前駆物質の選択的なリンケージを行なうための方法には、以 下のものが含まれるが、これらに制限されるわけではない: (i )制御された光分解を介しての固体支持体表面の選択的誘導体化;2つの アプローチを用いることができる。1つのアプローチでは、機能化された固体支 持体は、光開裂可能な保護基、例えばニトロベラトリルオキシカルボニル(Nv oc)で保護されている(Patchornik et al.,1970,J.Am.Chem.Soc.92; 63 33)。Nvocで誘導化された支持体粒子は、適当な表面上で単層形成の中で配 置される。この単層は、光によって脱保護される可能性の最も高いビーズの部域 が光と最も直接的に接触しているビーズの部域すなわちビーズの外表面となるよ うに、制御された強度の光を用いて光分解される。結果として得られた部分的に 脱保護されたビーズは撤底的に洗浄され、光安定保護基を含む合成試験化合物の 前駆物質と反応させられる。例えば、ポリアミドのコードされたライブラリーの 合成の場合、この前駆物質は、さらなる合成サイクルを通してポリアミド合成試 験化合物へと変換されるBoc保護されたアミノ酸であるかもしれない。合成試 験化合物前駆物質との反応に続いて、ビーズは、残りの感光性保護基を除去する べく定量性光分析に付され、かくして、例えば樹脂ビーズの内部といった光アク セス可能性が比較的低い環境の中に官能基がさらされることになる。この定量性 光分析の後、支持体粒子はさらに、例えばFmocで保護されたアミノ酸といっ たコーディング分子の直交保護された前駆物質で誘導体化される。結果として得 られた固体支持体ビーズは究極的に、主として外部表面上に分離された合成試験 化合物と、固体支持体ビーズの内部に位置設定されたコーディング分子を含む。 支持体上のコーディング分子と合成試験化合物分子を分離するための択一的光 分解技術には、光開裂可能な分枝を1つ有する有枝リンカーで支持体を誘導体化 することそしてコーディング分子の前駆物質をリンカーの感光性分枝に付着させ ることが関与している。合成の完了後、支持体ビーズは、上述のとおり単層形成 内で配置され光分解する。この光分解は、コーディング分子からの最小限の干渉 しか受けずに選択的にスクリーニングするための合成試験化合物分子のパッチを 含むビーズを提供する。 (ii)化学的又は生化学的アプローチを用いた固体支持体の選択的誘導体化。 これらの化学的及び生化学的誘導体化の効力は、露呈されていない内部のその他 の基よりも速く反応するという、露呈された外表面の官能基の能力によって左右 される。例えば、抗体は、樹脂固相支持体内部のペプチドリガンドに対して結合 できない、ということが観察されてきた。従って、支持体の構造により課せられ る立体障害の差を使用して又は反応溶剤の選択を通してのビーズの膨潤を変調す ることにより、巨大分子又は或る種の試薬にアクセスできるビーズの外部上の反 応性基を、ビーズの内部の反応性基との関係において選択的に反応させることが できる。従って、ビーズの外部にある反応性基は、合成試験化合物の合成のため に修正することができ、一方内部反応性基はコーディング分子又はコーディング 分子と合成試験化合物の両方の拡張のために修正され得る。樹脂ビーズ内部の反 応性基の数は、外部表面上の基の数よりもはるかに多いことから、コーディング 分子の実際の数は非常に大きいものとなり、精確な配列分析ひいては合成試験化 合物の構造の解読(デューディング)のために充分なコーディング分子を提供し ている。以下のものを含め、さまざまな化学的及び生化学的アプローチが考慮さ れている。 (a)保護された官能基を支持する固体支持体ビーズの外部の部分を選択的に 保護解除するためのポリマー脱保護作用物質の使用。合成試験化合物のためのア ンカーとして、脱保護された官能基が使用される。保護された状態にとどまって いる官能基はその後、非ポリマー脱保護作用物質を用いて脱保護され、コーディ ング分子の付着のためのアンカーとして使用される。特定の一実施態様において は、この方法には、適切な酵素基質で誘導体化されたビーズの外部にある基を選 択的に活性化するための酵素の使用が関与している。酵素は、そのサイズのため 、ビーズの内部からは排除される。以下の例では、酵素は、ビーズすなわちビー ズ内部に付着された基質の合計量に大きな影響を及ぼすことなく、樹脂ビーズの 表面から基質を完全に除去する。基質の除去は、ビーズ上の反応性部位を露呈し 、かくして活性化させる。合成試験化合物を固着させるために固体支持体の酵素 修正された基が用いられ、コーディング分子の大部分を固着させるためには、修 正を逃れた基が使用される。 (b)支持体ビーズの外部上の露呈された非保護官能基を選択的に遮断するた めの、ポリマー保護基の使用。コーディング分子を固着させるために、支持体内 部の非保護官能基が使用される。その後 、残りの保護された官能基は脱保護され、ライブラリーの合成試験化合物のため のアンカーとして使用される。以下の特定の例においては、30kdMWのポリマー ポリグルタミン酸は、ビーズに対し付着されたペプチドの合計量に影響を与える ことなく、表面のアクセス可能な官能基を完全にブロックする。ブロックのため に使用されるポリマーがそのα−カルボキシル基を介して付着されている場合、 ポリマーのXアミノ基の脱保護の後に行なわれる単一段階のEdman分解が、表面 アミノ基を再生できる。 (c)例えばビーズの内側の水を凍結させ次に水を凍結した状態に保つため低 温で有機溶剤中でビーズを反応させることによって、ビーズの内部に、異なる状 態を作り出す。かくしてビーズの内側ではなく、表面を特異的に反応させること ができる。 5.4.コードされたライブラリーの生成中のコーディング分子及び合成試験 化合物分子の交互の合成を実施するための戦略 コードされたライブラリーの合成中の重要な合成操作には、直交する保護基の 使用が関与している。同じ固体支持体粒子上のライブラリーの合成試験化合物の 合成と並行してのコーディング分子の効果的な合成のためには、各々の合成のた めに使用される保護基は直交していなくてはならない。すなわち1つの分子につ いての全ての合成操作中、もう1つの分子上の保護基はそのままの状態にとどま らなくてはならない。 分子ライブラリーの合成試験化合物とコーディング分子の組立てのための保護 基のいくつかの直交した組合せを使用することが可能である。Gerger及びKonig ,1981 "The Peptides"(Gross及びMeinhofer,eds.)p3.p101,Academic Press : NewYork)の中で、有用 な保護基について記述されている。非常に有用な組合せとしては、塩基及び酸で 開裂できる保護基がある。例えば、ポリアミドのコードされたライブラリーの合 成のためには、合成試験化合物分子を組立てるために、塩基感応性Nα−[(9 −フルオレニルメチル)オキシ]カルボニル(Fmoc−)保護基を使用するこ とができ、コーディングペプチド分子を組立てるためには酸に不安定なNα−[ [2−3,5−ジメトキシフェニル)プロピ−2−イル]オキシ]カルボニル( Ddz)保護基を用いることができる。Fmoc保護基及びペプチド合成内での その使用は、Carpino及びHan(1972,J.Org.Chem.37:3403-3409)によって記 述されており、Ddz保護基については、Voss及びBirr(Hoppe-Seyler's Z.Ph ysiol.Chem.1981,362,717-725)により記述されている。両タイプの保護基 共、従来、ペプチド合成中にα−アミノ酸のα−アミノ基をブロックするのに使 用されてきた。しかしながら、その他の適当なアミノ酸も、ポリアミドの合成中 これらの基によって保護され得る。所定のポリアミドが反応性官能基を伴う側鎖 を含む場合、t−ブトキシカルボニル(Boc)及びt−ブチル(t−Bu)誘 導体といった又は好ましくはより酸に安定な誘導体としてのベンジル及びベンジ ルオキシカルボニルといった反応性基の保護も有用でありうる。t−ブチルタイ プの基を用いて反応性側鎖基が保護される場合、コーディングペプチドは、Nps (Zervas et al.,1963,J.Am.Chem.Soc.85; 3660)又はTrt(Zervas et al .,1956,J.Am.Chem.Soc.78: 1359)といった、Ddzよりもさらに酸に不 安定な保護基を用いて合成されうる。 ポリアミドのコードされたライブラリーの合成における直交保護基の交互の組 合せには、コーディングペプチドを組立てるためのF moc又はその他の塩基不安定基又はリガンド結合候補を組立てるためのDdz 又はその他の酸不安定基の使用が関与している。 コーディング分子と合成試験化合物の交互の及び並行した合成のための保護基 の交互の直交組合せには、例えばポリエステルのコードされたライブラリー内の ポリエステルの合成のための、酢酸中の亜鉛といった還元剤を使用して除去する ことのできるアミン保護基としてのトリクロロエトキシカルボニル及びヒドロキ シル保護基としてのトリクロロエチル、及びコーディングペプチドの合成のため のBoc及びt−Bu又はその他の酸で開裂可能な基、が関与している。前述の とおり、直交する保護基の2つのセットには互換性があってよい。すなわち、コ ーディングペプチドを調製するためのNα−トリクロロエトキシカルボニルで保 護されたアミノ酸が使用され、合成試験化合物ポリアミドを調製するためにNα −Boc−保護されたモノマーが使用される。 直交する保護基のもう1つの有用な組合せには、フッ化物イオンにより除去さ れうるトリメチルシリルエトキシカルボニル基、及びDdz又はBpoc(2− ビフェニル−2−プロポキシカルボニル)といった酸感応性の高い保護基が関与 する。コードされたポリアミドライブラリー合成におけるポリアミド又はコーデ ィングペプチドのいずれかの組立ての間のN保護のためには、いずれのタイプの 保護基でも使用できる。 好ましいコードされたライブラリー内のペプチドコーディング分子の合成のた めには、適切な保護基戦略を含む固相ペプチド合成の周知の技術が使用されるこ とになる。 ペプチド合成の関連する公開済みの技術はきわめて費用の高くつくものであり 、なかでも、Stewart及びYoung,1984,"Solid Phas e Synthesis"、第2版は,Pierce Chemical Co.,Rockford Il.;Bodanszky,Y .Klausner及びM.Ordetti,"Peptides Synthesis"、第2版,Wiley,New York ,1976; E.Gross及びJ.Meienhofer(編集)、"The Peptides"、第1巻、シリー ズ続行中,Academic Press,New York,1979,がある。 5.5.試験化合物の特異的ライブラリー及びその合成方法 第5節に列挙されているライブラリーのための特定のタイプのリンケージ、な らびにこれらのライブラリーを生成するのに使用できる合成反応、すなわちライ ブラリーを生成するための一般的手順の段階(ii)を実施するために使用される 反応(第5.2節参照)について、以下に記述する。以上の論述及び以下の例示 的材料から当業者ならば容易に認識できるように、適当な保護基を用いて段階的 に進行できる合成化学における既知の数多くの縮合反応のいずれでも、本発明の ライブラリーを調製するために使用することができる。このようなライブラリー を調製するために使用できるサブユニットのリストは、広範なものである。適切 な数多くの試薬が市販されており、又、周知のプロトコルを用いてこれを合成す ることも可能である。適当なサブユニットの構造の部分的リストが図5に示され ている。合成反応の例は、以下の小節及び図式において記述されている。 本明細書中の図式の中で、Zは、制限的な意味なくH、−NH2、−OH、C O2H、−CO2R、−CONHRなどを含む単数又は複数の基を内含する、あら ゆるアルキル、アリル、ヘテロアルキル又はヘテロアリル基である。アルキルと いうのは、C1〜C20の飽和又は不飽和炭化水素である。アリルというのは、C5 〜C20の 芳香族炭化水素である。丸のついたPは、例えば樹脂ビーズといった個別相支持 体のことを言う。(丸のつかない)Pは保護基である。残りの記号は、その標準 的意味を有する。 これらの戦略は、上述のとおり適切な直交保護基を使用することによって、コ ードされたライブラリーを調製するのに利用できる。 5.5.1.α−アミノ酸以外のサブユニットをもつアミド結合を含むライブ ラリー α−アミノ酸以外のアミノ酸を含む構造をもつポリアミドライブラリーを含め 、単数又は複数のアミド結合を内含するさまざまなライブラリーが考慮されてい る。図式Iは、ポリアミドのための合成戦略を示す。 第5.2節に記述されている支持体の1つのような適切な固体支持体を適切な 溶剤中で無水カルボン酸とカップリングさせ、カルボン酸アミド支持体を得る。 支持された酸−アミドは、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下 でジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)といった化合物を用いてカルボキ シル基を活性化しその後保護されたアミノ基を含むジアミンと縮合させることに よってさらに伸長される;縮合生成物の脱保護により、固体支持体上にジアミド アミンが得られる。この合成サイクルの反復、すなわち無水物との逐次的反応、 単一の保護されたジアミンとの縮合及び脱保護は、固体支持体上に、成長しつつ あるポリアミドを生成する。完成したポリアミド配列が保護基を内含している場 合、これは固体支持体からの離脱なく脱保護される。 ポリアミドに対する交互の合成アプローチには、部分的に保護されたジカルボ ン酸、例えば適当なジカルボン酸半エスエルで無水物を置換することによる上述 の合成の修正が関与する。結果として得られるエステルアミド樹脂は脱保護され 、ジアミンとの縮合に先立って例えばDCC/HOBtで活性化される。 ペプチド及びペプチド擬似体といったα−アミノ酸を含む構造をもつ合成試験 化合物ポリアミドの合成のためには、前述のペプチド合成技術を使用することが できる。 1つの実施形態においては、ライブラリーの合成試験ポリアミドのN末端残基 としてピログルタミン酸を内含させることができる。 さらにもう1つの実施形態においては、合成試験ポリアミド配列の中への取込 みのため、有用な化学的及び構造的特性を付与するサブユニットが選択されるこ とになる。特に、本発明は、未変性ペプ チドに比べてはるかに明確な構造的特性をもつポリアミドのライブラリーを調製 することを構想している。もう1つの実施形態では、還元されたペプチド結合す なわちR1−CH2−NH−R2(R1及びR2はアミノ酸残基又は配列)を取り込 むポリアミドライブラリーを生成することができる。還元されたペプチド結合を 、ジペプチドサブユニットとして導入することが可能である。このような分子は 、ペプチド結合加水分解例えばプロテアーゼ活性に対する耐性をもつことになる 。このようなライブラリーは、代謝破壊又はプロテアーゼ活性に対する耐性のた め、インビボでの半減期の延長をいったような、対応する未変性ペプチドのもの と比べて独特の機能及び活性をもつリガンドを提供することができる。 全ての合成試験化合物の配列の中で少なくとも2つの位置において、架橋を形 成するべく処理後のポリアミドを束縛し還化し又は剛性化するため架橋すること のできる化学的官能基を提供するサブユニット例えばアミノ酸が挿入されること を条件として 、前述の方法に従って、束縛された環化又は剛性ポリアミドを調製 することができる。ペプチドを架橋することのできるアミノ酸の例としては、ジ スルフィドを形成するシステイン、ラクトン又はラクタムを形成するアスパラギ ン酸及び遷移金属をキレート化し架橋を形成するγ−カルボキシル−グルタミン 酸(Gla)(例えばBachemから市販されているもの)といったキレート化剤、 がある。保護されたγ−カルボキシルグルタミン酸は、Zee-Cheng及びOlson(198 0,Biophys,Biochem,Res.Commun,94: 1128-1132)により記述されている合成 を修正することによって、調製することができる。架橋することのできる少なく とも2つのサブユニットがポリアミド配列に含まれ ているライブラリーは、例えばジスルフィドを形成するシステイン残基の酸化又 はキレートを形成する金属イオンの付加によって処理され、かくしてペプチドを 架橋し、束縛された環状又は剛性のペプチドを形成することができる。環式モチ ーフについては、1991年6月19日に提出された米国出願第07/717, 454号の中で詳細に開示されている。 ライブラリー内に取込むためのサブユニットとして使用できるいくつかの単一 のアミノ酸としては、以下のようなものがある。 ポリアミド合成の間に、非古典的アミノ酸を使用することが可能である。特定 のコンホーメーションモチーフを導入するために、ポリアミドライブラリー内に 以下の非古典的アミノ酸を取り込むことが可能である:1,2,3,4−テトラ ヒドロイソキノリン−3−カルボキシレート(Kazmierski et al.,1991,J.Am .Chem.Soc.113; 2275-2283); (2S,3S)−メチル−フェニルアラニン、 (2S,3R)−メチル−フェニルアラニン、(2R,3S)−メチル−フェニ ルアラニン及び(2R,3R)−メチル−フェニルアラニン(Kazmierski及びHru by,1991,Tetrahedron Lett.);2−アミノテトラヒドロナフタレン−2−カル ボン酸(Landis,1989,アリゾナ大学博士論文);ヒドロキシ−1,2,3,4 −テトラヒド ロイソキノリン−3−カルボキシレート(Miyake et al.,1984,J.Takeda Res .Labs.43; 53-76);β−カルボリン(D及びL)(Kazmierski,1988,アリゾ ナ大学博士論文);HIC(ヒスチジンイソキノリンカルボキシル酸)(Zechel et al.,1991,Int.J.Pep.Protein Res.38: 131-138)。 以下のアミノ酸類似体及びペプチド擬似体を、特異的二次構造を誘発するか又 は有利な作用を及ぼすべく、合成試験化合物のライブラリー内に取込むことが可 能である;LL-Acp(LL−3−アミノ−2−プロペニドン−6−カルボキシル酸 )、β−旋回誘発ジペプチド類似体(Kemp et al.,1985,J.Org.Chem.50; 58 34- 5838); β−シート誘発類似体(Kemp et al.,1988,Tetrahedron Lett.29: 5081-5082);β−旋回誘発類似体(Kemps et al.,1988,Tetrahedoron Lett.29 : 5057-5060);α−らせん誘発類似体(Kemp et al.,1988,Tetrahedron Lett.2 9; 4935-4938);γ−旋回誘発類似体(Kemp et al.,1989,J.Org.Chem.54: 10 9: 115); 及び以下の参考文献により提供されている類似体;Nagai及びSato,19 85,Tetrahedron Lett.26,647-650; DiMaio et al.,1989,J.Chem.Soc.Pe rkin Trans,p1687;同じく、Gly−Ala旋回類似体(Kahn et al.,1989,Te trahedron Lett.30: 2317);アミノ結合等量式(Jones et al.,1988,Tetrahed ron Lett.29; 3853-3856);トレトラゾール(Zabrocki et al.,1988,J.Am.Ch em.Soc.110; 5875-5880);DTC(Samanen et al.,1990,Int.J.Protein Pep .Res.35; 501-509);及びOlson et al.,1990,J.Am.Chem.Soc.112; 323-33 3及びGarvey et al.,1990,J.Org.Chem.56: 436の中で教示されている類似 体。 本発明はさらに、1991年6月19日に提出された米国特許出願第07/7 17.454に記述されているようなライブラリーの中の合成試験化合物ポリア ミドの修飾又は誘導体化をも提供している。ペプチドの修飾は、当業者にとって 周知のものであり、リン酸化、硫酸化、カルボキシメチル化及びアシル化を含ん でいる。修飾は、化学的又は酵素的手段によって実施できる。このような修飾は 、配列決定不可能なペプチドを結果としてもたらし得ることから、このようなラ イブラリー内でのコーディング分子の使用が好まれる。 もう1つの態様においては、グリコシル化又は脂肪アシル化されたペプチド誘 導体を調製することができる。グリコシル化又は脂肪アシル化されたペプチドの 調製は、当該技術分野において周知のことである(例えば、米国出願第07/7 17,454号を参照のこと)。 脂肪酸ポリアミド誘導体も同じく調製することができる。例えば、制限的な意 味なく、遊離アミノ基をアシル化、例えばミリストイル化することが可能である 。本発明で使用するのに適したこの及びその他のペプチド脂肪酸結合体は、英国 特許GB−8809162.4号、国際特許出願PCT/AU89/10016 6号の中で開示されている。 5.5.2.カルバメート結合を含むライブラリー 本発明は、ポリカルバメートを含む単数又は複数のカルバメート(すなわちポ リウレタン)結合を含む合成試験化合物を包含する。カルバメートを形成するた めの2つの戦略が図式IIに示されている。 2つの異なるタイプのカルバメートの合成のためには、イソシアナートとジオ ール又はアミノアルコールのカップリングを使用することができる。例えば、上 述のポリアミド合成のために使用される機能化された樹脂といった適当な樹脂が 、ホスゲンとの反応によってイソシアナートに変換され、その後イソシアナート はアミノ保護されたアミノアルコールとカップリングされて、保護されたカルバ メートを生成する。樹脂ウレタンの脱保護は、ポリウレタンを生成する同じ合成 サイクルを反復するのに用いられるアミノウレタン樹脂をもたらす。すなわち、 ホスゲンとの反応とそれに続くN保護されたアミノアルコールとのカップリング 及び脱保護は、アミノジウレタン樹脂などを生成する。 第2のタイプの支持されたカルバメートは、以下の通り上述の合成手順を修正 することによって生成される。出発アミノ樹脂はイソシアナートに変換され、イ ソシアナートは、部分的に保護されたジオールとの反応により保護されたカルバ メートに変換され、保護されたカルバメート樹脂は脱保護されたヒドロキシカル バメートを提供し、ヒドロキシカルバメートは、アミノ保護されたアミノアルキ ルイソシアナートとの反応とそれに続く脱保護により、アミノジカルバメートに 変換される。 5.5.3.尿素結合を含むライブラリー さまざまな尿素結合含有構造の合成のための戦略が、図式IIIに示されている 。 上述のカルバメートの合成の中で使用される樹脂のような、イソシアナート基 で機能化された適当な樹脂が、部分的に保護されたジアミンとの反応とそれに続 く脱保護によりアミノ尿素に変換され、アミノ尿素樹脂は、ホスゲンを用いてイ ソシアナートに変換される。イソシアナート尿素樹脂は、上述の3段階合成サイ クルに所望の回数だけ付されてポリ尿素を生成する。 5.5.4.エステル結合を含むライブラリー エステル結合を含むライブラリーの合成のための戦略が図式IV内に示されてい る。 塩化メチレンといった膨潤溶剤中の、Merrifield固相ペプチド合成において使 用されたヒドロキシルアルキル樹脂といったような適当な樹脂を、好ましくはD CCといった縮合剤の存在下で、適切に保護されたヒドロキシカルボン酸を用い て縮合させて、脱保護の後に、支持されたヒドロキシエステルを得、このヒドロ キシエステルを、同じくアシル化−脱保護サイクルを用いてさらに伸長させる。 5.5.5.アミン結合を含むライブラリー アミン合成のための戦略が、図式Vに示されている。 上述のアミド合成の中で使用された樹脂といったような適切な樹脂を、ニトロ アルデヒドを用いた還元性アミノ化を介してニトロアルキルアミン樹脂に変換さ せ、一次アミンへとニトロアルカミンを還元するものとして知られている数多く の反応の1つ(例えば水素化アルミニウムリチウムによる還元)を用いて、さら に一次アミンへと還元させる。樹脂上の一次アミンを、還元−アルキル化−還元 シークエンスを反復することによって伸長させ、望ましいポリアミンを生成する 。 上述の手順中のニトロアルキルアミン樹脂の還元は、N保護されたアミノアル デヒドでの還元性アミノ化のニトロアルデヒドを置換し、個別の合成段階におい て、結果として得た生成物の保護基を除去することによって避けることができる 。 5.5.6.スルフィド及びジスルフィド結合を含むライブラリー さまざまなポリスルフィド及びポリジスルフィド構造の合成のための戦略が図 式VIに示されている。 例えばMerrifield固相ペプチド合成において使用されたもののような適切な樹 脂を、遊離チオール基を有するように機能化させる。チオール樹脂を、保護され たハロゲン化チオールアルキルでアルキル化し、生成物を脱保護してチオアルキ ル樹脂スルフィドを得る。アルキル化−脱保護サイクルを反復することによって 、支持されたチオアルキルスルフィド鎖をさらに伸長させて、支持されたポリス ルフィドを得る。 上述の合成は、保護されたハロゲン化チオアルキルを保護されたチオアルキル クロロスルフェネート又はチオアルキルメトキシカルボニルスルフェネートによ って置換させた場合に、支持されたジスルフィドを生成することができる。 5.5.7.炭素−炭素結合を含むライブラリー さまざまなポリアルカン、ポリカルケン、ポリハロアルケン及び多価アルコー ルが考慮されている。このようなライブラリーの合成のための戦略が、図式VII に示されている。 適切な樹脂を、カルボニル基で(例えば支持体ヒドロキシアルキル基の制御さ れた酸化により)機能化させ、トリフェニルホスフィン及びハロアルキルジアル キルアセタルから調製されたWittig試薬で縮合させ、脱保護して、不飽和アルデ ヒド鎖を含む樹脂を得る。この鎖は、同じWittig縮合−脱保護シークエンスを用 いてポリエンアルデヒドまで伸長させることができる。塩素又は臭素といった分 子ハロゲンで支持されたポリエンの処理は、樹脂上のハロアルカンを生成する。 これらのハロアルカンを、弱酸の存在下で亜鉛といった電気的に陽性な金属又は 水素化すずトリブチルと反応させることによってその完全に脱ハロゲン化された 還元誘導体に変換することも、同様に考慮されている。例えば過マンガン酸塩又 は過ヨウ素酸塩といった酸化剤で、支持されたポリエンを入念に処理すると、多 価アルコールが生成される。ヒドロ硼酸化−酸化シークエンス、エポキシ化(m −クロロ過安息香酸などの過酸による)−加水分解シークエンス、又は、酢酸第 2水銀−アルカリ性硼水素酸シークエンスにポリエンを付すことによって、その 他のポリオールを生成することが可能である。 5.5.8.多環式化合物及び機能化された多環式化合物のライブラリー さまざまな多環式化合物及び機能化された多環式化合物が考慮されている。多 環式構造と関連する構造の合成のための戦略が図式VIIIに示されており、ここで R1、R2及びR3は、上述のとおりのさまざまな置換されたアルキル又はアリル 基を表わしている。 図式VIIIは、飽和した炭化水素の調製を示している。代替的には、不飽和構造 も同様に調製可能である。上述のカルボニル樹脂といったような適切な樹脂を、 Wittig縮合などによってアルケン樹脂に変換させ、この樹脂を、適切に活性化さ れた例えば求電子性のジエンジメチルアセタールとのディールス・アルダー反応 タイプの環周(pericyclic)囲反応の中で使用して、アセタール基の加水分解の後 に、支持された機能化されたシクロヘキセニルアルデヒドを生成する。この支持 された構造を、Wittig縮合・付加環化−脱保護シークエンスの反復によってさら に伸長させ、支持されたポリ−シクロヘキセンアルデヒドを生成することができ 、このポリシクロヘキセンアルデヒドは以下の要領でさらに機能化することがで きる:(i )ハロゲン化例えば臭素化又は塩素化により、ポリ−ハロシクロヘク サニルアルデヒドを得ること、(ii)ポリシクロヘキサンアルデヒド又はアルコ ールを生成するべく、水素化すずトリブチル又は電気的に陽性の金属(例えばZ n)及び弱酸を用いてポリハロシクロヘキサニルアルデヒドを還元させることそ して(iii )過マンガン酸塩を用いたポリシクロヘキサンアルデヒドの制御され た酸化、ヒドロ硼酸化−酸化シークエンス、エポキシ化−加水分解シークエンス 又はエポキシ化−還元シークエンス(例えば、m−クロロ過安息香酸によるエポ キシ化とそれに続く水素化アルミニウムリチウムによる還元)を行なって機能化 された多価アルコールを生成すること。 環状ライブラリーのもう1つの例は、図6に示されている。このライブラリー は、ブロム−プロピオン酸を支持体に付着させ、臭素を硫黄側鎖で置換して支持 体にBoc保護されたシステインメチルエステルを付着させ、かくしてスルフィ ドリンケージを形成するこ とによって調製される。ジアミノブチル酸又はリシンといったBoc/Fmoc 保護されたジアミノ酸を付加することが可能である。1つの保護基の脱保護は、 あらゆるカルボン酸との置換を可能にする。その他のアミノ基の脱保護は、もう 1つのジアミノ酸の付加を可能にする。この一連の段階を、所望の回数だけ反復 する。最終的に、メチルエステル基は、システインから加水分解され、構造を環 化するべく脱保護されたアミノ基との反応を可能にする。 5.5.9.足場として役立つことのできる多置換された環構造のライブラリ 足場として役立つことのできるさまざまな多置換された構造が考慮されている 。かかる構造の合成のための一般的戦略が、図式IXに示されている。 特定のタイプの足場ライブラリーの調製についての一般的戦略が、図式Xに示 されている。 適切な足場としては、シクロペンタン、Kempの三酸(Kemp及びPetrakis,1981 ,J.Org.Chem.46; 5140-5143)、ジアミノカルボン酸の連続的カップリングに よって調製された有枝構造体、Mutter et al.(1992,J.Am.Chem.Soc.114- 1463-1470)によって記述されているような環状鋳型、ステロイド、ベンゾジア ゼピンなどがあるが、これらに制限されるわけではない。 Merrifieldタイプの樹脂に対するシス−1,3,5−シクロヘキサントリカル ボン酸の誘導体の付着とそれに続く、三酸の3つのカルボキシル基の各々の誘導 体化のためのアプローチが、足場として役立つことのできる支持された多置換環 構造の合成の一例として、以下の第9節に記述されている(以下の図式XIV参 照)。 足場として役立つことのできる多置換環構造の合成の第2の例として、Ellman 及びBunin(Chemical & Engineering News,Jan.18,1993,p33)の公開された 研究に基づく1,4−ベンゾジアゼピンの組立て及び誘導体化が、以下に示され ている。特定の一実施形態においては、4−ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸リ ンカーで機能化されたMerrifieldタイプの樹脂といった適切な樹脂が、さらに、 フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基で保護されたアミノ基をもつ2 −アミノ−4´−ヒドロキシベンゾフェノンで機能化される。Fmocの除去、 結果として得られたアニリンとFmoc保護されたアミノ酸とのアニリド生成を 目的としたカップリング、アニリドからのFmocの除去、及び環化の後、さら なる研究のためのさまざまなベンゾジアゼピン誘導体を生成するべくさまざまな 求電子体を用いて、アニリド窒素上でさらにアルキル化されうる支持された1, 4−ベンゾジアゼピンが生成される。 足場として使用するための考えられる最も小さい環構造は、シクロペンタン環 である(図7)。 上述の多置換環構造ライブラリーのコードされた形態が、好ましい実施形態で ある。コーディング分子がペプチドであるコードされたライブラリーが最も好ま しい。ペプチドでコードされたライブラリーの合成のためには、第5.1節の一 般的手順及び第5.2節及び第5.3節中に概略的に示されている合成戦略が使 用される。 5.5.10.アミノ酸から構築された足場に基づくライブラリー 枝分かれした単純な付着物でありより大きなコンホメーション空間をマッピン グする足場が、ジアミノカルボン酸(図3参照)の連続的カップリングにより構 築される(図3参照)。広範な空間をマッピングするさまざまなタイプの足場が 、融通性のある環状又は有枝足場である。これらのライブラリーの原理は、図3 に示されている。足場ライブラリー構造の一例として、我々はここに有枝ライブ ラリーの合成を示す(以下の図式XV、第9節)。 5.6.試験化合物のライブラリー内のリガンドの検出及び識別の方法 合成試験化合物としてのさまざまな化学構造のライブラリー及びその合成方法 を提供することに加えて、本発明はさらに、結合、刺激、阻害、毒性、味などと いった問題の生物学的活性を示すライブラリー内でリガンドを同定するための1 つのライブラリーの試験化合物のスクリーニング方法をも含んで成る。その他の ライブラリーは、問題となっている酵素活性、酵素阻害活性並びに化学及び物理 特性について以下に記す方法に従ってスクリーニングすることができる。当該技 術分野において数多くのスクリーニング検定が周知で ある。数多くのスクリーニング検定が、1991年6月19日に提出された米国 特許出願第07/717,454号の中でも記述されている。 初期スクリーニング中に発見されたリガンドは、最適なリガンドでない可能性 がある。実際には、第1のスクリーニングの間に選択されたリガンドの構造に基 づいて第2のライブラリーを合成することが往々にして好ましい。このようにし て、より高い活性をもつリガンドを同定することができる。 5.6.1.結合検定 本発明は、アクセプター分子に結合する合成試験化合物の同定を可能にする。 ここで使用する「アクセプター分子」という語は、リガンドに結合するあらゆる 分子のことである。受容体分子は、抗体、レセプター、酵素、核酸といった生体 巨大分子又は或る種の炭水化物、脂質、薬物として役立つ有機化合物、金属など のさらに小さい分子であってもよい。 本発明のライブラリー内の合成試験化合物は潜在的に数多くの異なる受容体分 子と相互反応することができる。特異的受容体分子が結合する特定のリガンド種 を同定することによって、問題のリガンド種を物理的に分離することが可能とな る。 各々のスクリーニング/検出/分離段階中、少数の固体支持体ビーズのみが除 去されるため、ビーズの大部分はビーズプール内に残ることになる。従って、ラ イブラリーを何回も再使用することができる。異なる色又は同定スキームが異な る受容体分子について使用される場合(例えば、フルオレセイン(緑)、テキサ スレッド(赤)、DAPI(青)及びBODIPIといった螢光リポータ基が受 容体上に標識付けされている状態で)、そして螢光顕微鏡又は螢光検出器内の適 切な励起フィルタを用いると、異なる受容体(レセプター)をライブラリーに付 加し、特異的標的についての迅速なスクリーニングを容易にするため同時に評価 することができる。これらの戦略は、コストを削減するだけでなく、スクリーニ ングされうる受容体分子の数をも増大させる。 本発明の方法においては、問題の受容体分子は、ライブラリーの中に導入され てそこでそのライブラリー内の1以上のリガンド種を認識しこれに結合すること になる。受容体分子が結合する各々のリガンド種は、支持体ひいてはリガンドが 直ちに同定され分離されうるように、単一の固相支持体上に見い出されることに なる。 所望のリガンドが当業者にとっては既知のあらゆる従来の手段によって分離さ れ得、本発明は、分離方法によって制限されるものではない。例えば、制限的な 意味なく、特異的受容体分子と最も強い物理化学的相互作用を示す固体−支持体 −ビーズリガンドの組合せを物理的に分離することが可能である。1つの実施形 態においては、105〜107の固相支持体ビーズを含むライブラリーに対して特 異的受容体分子の溶液が添加される。受容体分子は、結合が起こるのを可能にす るのに充分な時間、ビーズとインキュベートされる。その後、支持体に結合した リガンドと受容体分子の複合体は、分離される。ペプチドであるリガンドを結合 するため可溶性受容体分子としてのモノクローナル抗体の使用について記述して いるさらに特定的な実施形態が、以下の方法の中で記されている。これらの方法 が、どんな受容体分子の結合を検出するためにでも容易に適合できるものである 、というのは明確であろう。 可溶性受容体分子を使用することに加えて、もう1つの実施形態においては、 無傷の細胞を用いて細胞表面レセプターに結合するリガンドを検出することが可 能である。無傷の細胞の使用は、多重サブユニットもしくは不安定なものである レセプター又は細胞膜の脂質ドメインが機能的であることを必要とするレセプタ ーと共に使用するために好ましいことである。この技術において使用される細胞 は、生きた細胞あるいは固定された細胞のいずれかであってよい。細胞はライブ ラリーと共にインキュベートされ、標的細胞及び関連するビーズ−ペプチドの間 で「ロゼット」を形成するべくライブラリー内の或る種のペプチドに結合するこ とになる。その後、ロゼットを分画遠心分離によって分離し、解剖顕微鏡の下で 物理的に除去することができる。 代替的には、(i)問題のレセプターがその細胞表面上に存在しない「親」細 胞系統及び(ii)レセプター陽性細胞系統、例えば問題のレセプターをコードす る遺伝子で親細胞系統をトランスフェクションすることによって誘導される細胞 系統、といったような細胞系統でのパンニング法を用いて、ライブラリーをスク リーニングすることができる。そのとき、以下の戦略によってライブラリーをス クリーニングすることが可能である:すなわち、(i )まず第1に、レセプター 特異的な非結合ビーズ又は無関連の非結合ビーズを残すための標準的な「パンニ ング技術」により親細胞系統の単層を導入することによって、レセプターが欠如 している細胞に結合することになるその非特異的ビーズのライブラリーを枯渇さ せる;(ii)レセプター特異的ビーズ又は無関連ビーズの両方を含むことになる 非結合ビーズを除去し、レセプター特異的ビーズがレセプター陽性 細胞系統に結合することになるレセプター陽性細胞系統の単層上にそれらを投入 する;(iii)穏やかに洗浄しデカントすることによって残っている無関連の非 結合ビーズを除去する;そして(iv)微量ピペットといったマイクロマニピュレ ータを用いてレセプター特異的ビーズを除去する。 細胞膜の脂質ドメインが機能的になることを必要とするレセプター又は膜結合 したレセプターのための全細胞検定の代わりとして、レセプター分子を、リポー ター基又は酵素が付着されうるリポソームへと再構築することができる。 上述の例は、合成試験化合物に関するものであり、本発明の実践においては、 前出の各項に記述されている化合物のいずれでも使用することができる。従って 、1つの受容体分子は、足場として作用することのできるさまざまなポリアミド 、ポリウレタン、ポリエステル、多官能化された構造のうちの1つに結合するこ とができる。 1つの実施形態においては、受容体分子は直接標識付けされ得る。もう1つの 実施形態においては、問題のリガンドを含む固相支持体粒子に対する受容体分子 の結合を検出するのに、標識づけされた二次試薬を使用することができる。結合 は、酵素標識による発色団のin situ形成によって検出できる。適切な酵素とし ては、アルカリ性ホスファターゼ及びホースラディッシュペルオキシダーゼが含 まれるが、これらに制限されるわけではない。さらなる実施形態においては、問 題の異なる受容体分子上の2つの酵素標識をもつ2つの色素産生基質を用いた2 色検定を使用することができる。2色検定を用いて、交差反応性及び単独反応性 のリガンドを同定することができる。 本発明で使用するためのその他の標識としては、カラーラテックスビーズ、磁 気ビーズ、螢光標識(例えばいくつかの螢光団を挙げるだけでも、フルオレセイ ンイオチオシアナート(FITC)、フェコエリスリン(PE)、テキサスレッ ド(TR)、ローダミン、遊離又はキレート化されたランタニド系列の塩、特に Eu3+)、化学発光分子、放射性同位元素又は磁気共鳴画像標識がある。2色検 定は、異なる波長で発光する螢光団又は2つ以上のカラーラテックスビーズを用 いて行なうことができる。標識づけされたビーズは手で又は機械的手段によって 分離されうる。機械的手段としては、螢光活性化選別、すなわちFACSと類似 のもの、そしてマイクロマニピュレーター除去手段がある。 下記の特定の例では、酵素−色原体標識及び螢光(FITC)標識が使用され る。 反応性ビーズは、いくつかの基準を挙げるだけでも、標識強度例えばカラー強 度、螢光強度、磁気強度又は放射能に基づいて分離することができる。該当する 場合には例えばEdman配列決定又は質量スペクトル分析によって直接的に又は問 題のリガンドに対応するコーディングペプチドを配列決定することによって間接 的に、最も高い強度で標識づけされたビーズを選択し、ビーズに付着したリガン ドを構造的に特徴づけすることができる。もう1つの態様においては、任意のカ ットオフよりも上の標識強度をもつビーズの無作為選択物を選択してこれを構造 分析に付すことができる。潜在的には、カラー強度を定量しひいてはビーズリガ ンドの構造分析に先立って受容体分子に対するリガンドの相対的親和力を正確に 規定するため、最新の画像解析顕微鏡検査法を用いることもできる。同様にして 、受容体が螢光標識で標識づけされている場合、定量免疫螢光顕微鏡検査法を応 用することができる。さらにもう1つの実施形態においては、一定の標識強度を 示すビーズが、組成分析例えばペプチドリガンドの場合のアミノ酸組成分析のた めに選択される。アミノ酸分析から重要なものとして同定されたアミノ酸サブユ ニットの制限されたセットを含む精製ライブラリーを、このとき調製しスクリー ニングすることができる。 もう1つの実施形態においては、最大の結合親和力をもつリガンドは、ライブ ラリーのわずかな固相支持体ビーズのみに対する結合が検出されるまで、問題の 受容体分子を漸進的に希釈することによって、同定されうる。代替的には、受容 体分子との結合の緊縮性を増大させることができる。当業者であれば、結合の緊 縮性が、(i )溶液のイオン強度を増大させること、(ii)尿素といったような 変性作用のある化合物の濃度を増加させること;(iii)検定溶液のpHを増減さ せること;(iii )一価の受容体分子を使用すること;(iv)規定の濃度の既知 の競合物質を反応混合物の中に内含させること及び(v )受容体濃度を低下させ ることによって増大されうるものであることが理解できることだろう。結合相互 作用を変更するため溶液成分を変更するその他の手段は、当該技術分野において 周知のものである。 もう1つの実施形態では、低い親和力結合を示すリガンドが問題にされ得る。 これらは、まずすべての高親和力リガンドを除去し、次に低緊縮性又は比較的希 釈度の低い条件下で結合を検出することにより、選択することができる。 好ましい一実施形態においては、2重標識検定を使用することが できる。可溶性リガンドの存在下でビーズに対する問題の受容体分子の非特異的 結合を検出するために、第1の標識を使用することができる。その後、標識され たビーズをライブラリーから除去し、可溶性リガンドを除去する。それから、残 りのビーズに対する特異的に結合する受容体分子が検出される。かかるビーズ上 のリガンドは、問題のリガンドと同じ結合部位で受容体分子を結合し、かくして 問題のリガンドを擬似するものと予想することができる。2重標識検定は、その 第1段階が非特異的陽性反応ビーズの除去を可能にすることから、問題の受容体 分子を精製する必要がないという利点を提供する。好ましい一実施形態において は、例えばFACSを用いて、合成試験ライブラリーをスクリーニングするため のプローブとして、螢光標識した受容体分子を使用することができる。 5.6.2.生物活性検定 本発明はさらに、例えば中和並びに溶剤、無菌水及び培地による大規模洗浄に より合成から残った有毒分子を全て除去するように処理されたライブラリーから のリガンド候補の生物活性についての検定をも提供している。検定されうる生物 活性には、毒性及び死滅、刺激及び成長促進、シグナル形質導入、生化学及び生 物物理学的変化並びに生理学的変化がある。 好ましい実施形態においては、ここで「ビーズ」とも呼ばれている固相支持体 から、ライブラリーの合成試験化合物を選択的に開裂することができる。好まし くは、合成試験化合物は、1以上の放出及びスクリーニング検定を可能にするた め多数の開裂可能なリンカーを介して個々の相支持体に付着される。1つの実施 形態においては、合成試験化合物の1つの分画のみが選択的に開裂可能であるよ うに、ビーズが調製される。選択的に開裂可能なリガンド候補、リンカー及びビ ーズについては、前出の第5.3.2項で論述されている。合成試験化合物の分 画の開裂が起こるように、ライブラリーが開裂試薬で処理される。開裂試薬の例 としては、紫外線、酸、塩基、酵素又は触媒があるが、これらに制限されるわけ ではない。1つの実施形態においては、10〜90%の合成試験化合物が放出さ れるようにライブラリーが処理される。さらに好ましい1実施形態においては、 合成試験化合物の25〜50%が放出される。全ての合成試験化合物が開裂可能 である場合、開裂試薬を制限することにより、非定量的開裂を行なうことができ る。1つの態様では、紫外線の照射時間及び強度が制限される。もう1つの実施 形態においては、試薬の濃度が制限される。開裂を行なうための処理の後、ライ ブラリーを例えば中和によってさらに処理してそれを所望の検定と生物学的に適 合させることができる。実際には、当業者であれば、開裂可能なリンカー又は結 合によってライブラリーの全ての合成試験化合物が固相に付着されている場合、 部分的開裂のための適当な開裂条件を容易に決定することができるだろう。さら に当業者は、放出された合成試験化合物の相対的濃度が、開裂条件を変動させる ことによって影響を受けうるということを理解することだろう。 ライブラリーのビーズは固定化されることから、特定のリガンド候補の濃度勾 配が形成される。合成試験化合物の高い濃度は、それを放出したビーズの近くで 見られることになる。従って、ビーズの近くでの問題の生物学的活性の証拠によ り、ビーズを同定し分離し、さらに合成試験化合物に対応するコーディング分子 の配列決定又はその他の技術により構造的に特徴づけすることが可能となる。合 成試験化合物の同定は、部分的開裂後、ビーズ上に配列決定又はその他の特徴づ けのために充分なものが残されるので可能となっている。もう1つの実施形態に おいては、ビーズはマイクロタイターウエルの中で区分化され得(例えば10ビ ーズ/ウエル)、リガンド候補の一分画が放出され、生物活性についてテストさ れ、かくして潜在的な拡散の問題はなくなる。配列検定のため、異なる開裂可能 なリンカーを介して固相支持体又はビーズに合成試験化合物の異なる部分を付着 させることが可能である。これらの例の中で「ビーズ」という語は、個々の相支 持体粒子のことを意味している。 未切断合成試験化合物での生物検定も同様に構想されている。このとき全合成 試験化合物で被覆されたビーズの生物活性をスクリーニングすることができる。 1つの態様においては、1匹の動物の体内に1つのライブラリーを導入すること ができる。問題のビーズを特異的組織から分離することができる。経口、経鼻又 は経皮的投与の後特異的に吸収されたビーズを分離することができる。好ましい 一実施形態においては、かかるビーズは磁気ビーズであるか又は、その他の何ら かの同定特性をもち、従って組織から容易に分離される。もう1つの実施形態に おいては、固定化されたリガンド自体が、適切な表面レセプターを用いて生化学 的変化を惹起することができる。 さらに当業者であれば、短期間又は長期間のいずれかについて組織培養の中で 維持することのできるあらゆる細胞を生物検定の中で使用できるということを、 さらに理解できるだろう。ここで使用する「細胞」という語には、原核(例えば 細菌)及び真核細胞、酵母、糸状菌及び真菌を含むものとする。培地内に維持さ れた一次細胞 又は系統を使用することができる。さらに、出願人は、ウイルスについての生物 検定を、ウイルスで細胞を感染又は形質転換させることによって行なうことがで きる、ということを構想している。例えば、制限的な意味なく、ラムダバクテリ オファージの溶原性活性を阻害するリガンドの能力は、感染を受けたとき明確な プラークを形成しないトランスフェクションされたE.coliコロニーを同定する ことによって検定することができる。 ライブラリーの合成試験化合物分子の活性を検定するための本発明の方法は前 述の例に制限されるものではない。出願人は、ここで開示される発明を取り込む ためどんな系でも修正することができる、ということを構想している。出願人は 、このようなことが本発明の範囲内に入るものと考えている。 5.6.3.酵素擬似体/酵素阻害剤 本発明はさらに、反応の触媒として作用することのできるライブラリーすなわ ち酵素ライブラリー;補酵素として役立つ分子ライブラリー;及び酵素反応を阻 害することのできる分子ライブラリーを含んでいる。従って、本発明は同様に、 酵素もしくは補酵素活性又は酵素活性の阻害について検定するのに使用すべき方 法をも提供している。 酵素活性は、検出可能な反応生成物の形成によって観察できる。特定の一実施 形態において、酵素ライブラリーからの酵素は、アルカリ性ホスファターゼを触 媒とする反応、例えばリン酸5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル(BCI P)の加水分解などで触媒として作用し、固相支持体上に青色の不溶性反応生成 物を形成する(以下の例13参照)。 もう1つの実施形態においては、例えば色又は螢光といった観察可能な生成物 のゾーンを半固体マトリックスの中に形成させることができる。例えばアガロー スゲルといった半固体マトリックスの中に1つのライブラリーが層状化され、色 素産生性又はその他の指標基質が付加される。酵素ライブラリーからの酵素−ビ ーズ複合体が所望の酵素活性を示す場合、生成物ゾーンが形成される。例えば、 制限的な意味なく、ホースラディッシュペルオキシダーゼの類似体であるライブ ラリーからの分子は、pH7.0の0.1Mのリン酸緩衝液の中のアミノアンチピ レン(0.25mg/ml:Kodak)、フェノール(8mg/ml)及びH22(0.005 %)の溶液を加えることによって同定できる。酵素活性をもつビーズは色が紫色 であるゾーンを形成することになる。もう1つの実施形態においては、プロテア ーゼ活性をもつビーズを、周知の比色プロテアーゼ基質の付加によって同定する ことが可能である。 補酵素活性は、天然の又は一般の補酵素が存在しない場合、補酵素によって媒 介された酵素活性について検定することにより、観察することができる。 酵素阻害活性は、部分的に放出された合成試験化合物を用いて検出できる。一 例においては、制限的な意味なく、1つのライブラリーが、1つの酵素を含む半 固体マトリックスの中で層状化されている。ライブラリーは、リガンド候補分子 を部分的に放出するように処理される。分子が酵素活性を阻害する場合、生成物 が欠如したゾーンが同定できる。一実施形態においては、酵素基質は色素産生性 基質であり、着色生成物が形成される。かくして、酵素阻害剤の存在は、無色の ゾーンを生み出すことになる。もう1つの実施形態に おいては、ヘモグロビン又はアルカリ性ホスファターゼといった指標酵素のタン パク質分解の阻害は、半固体マトリックス内の不透明ゾーンの存在によって検出 できる。これは、タンパク質分解阻害剤の存在によってヘモグロビン又は指標酵 素の分解が妨げられることになるからである。 当業者にとっては、酵素活性、補酵素活性を示すか又は酵素活性を阻害する合 成試験化合物分子が、ペプチド、ペプチド擬似体、第5項に記述されている化合 物のいずれか又はさまざまなポリマーのうちの1つ、のいずれであってもよい、 ということは周知のことである。特に有利なのは、唯一の触媒結合ポケット又は 表面を作り出すことのできる、或る種の足場をもつ束縛された構造、一環式、二 環式又は三環式構造を含む束縛されたポリマーであるが、これらに制限されるわ けではない。 5.6.4.位相学的分離 本発明はさらに、問題の高分子受容体分子にアクセス可能な、固体支持体の外 部の試験化合物と内部のコーディング分子を分離する方法を包含している。この 方法は、好ましい実施形態においてはペプチドであるリンカーを合成する段階を 含む。リンカーは、キモトリプシン又はその他のエンドペプチダーゼといった便 利に入手できる酵素によって加水分解されうる1つの配列を含んでいる。一つの 実施形態においては、酵素はキモトリプシンであり、リンカーはフェニルアラニ ンを含む。リンカーが合成された後、Nαアミノ官能基は保護された状態に残さ れ、支持体はエンドペプチダーゼに露呈される。エンドペプチダーゼは、受容体 といったその他の巨大分子にアクセス可能なものとなるリンカーに対してのみ作 用する。 ペプチドリンカーの酵素的加水分解の後、試験化合物及びコーディング化合物 は、あらゆる直交保護基を用いて合成されうる。 5.7.1つのライブラリーから合成試験化合物を特徴づけする方法 問題のリガンドを含む支持体がひとたび前出の第5.6項の方法のうちのいず れかに従って選択されたならば、本発明は、リガンドの構造を決定する手段を提 供する。 試験化合物の構造を決定する一般的アプローチとしては2つある:すなわち重 合体の構造は、従来の技術例えばEdmanの分解又は質量分析法などによって直接 分析することができる:代替的には、第2の分子種の構造が、同じ支持体に付着 された試験化合物の構造を明確に指示(コード)するように、ライブラリーの構 築中に、第2の分子又は分子群を合成することができる。この2番目の技術によ り、それ自体配列決定に導かれ得ないポリマーの構造を容易に決定 することができる。 本発明のさらにもう1つの実施形態は、試験化合物とは全く異なるコーディン グ分子が1つもないという点において前述の実施形態とは異なっている「分画コ ーディング」と呼ばれる第3のコーディング技法を包含する。例えば1つのアミ ノ酸のD及びL立体異性体といったように、試験化合物の特異的サブユニットが 従来の分析中で分解不可能である場合には、機能的コーディングが使用される。 分画コーディングは、ライブラリーが合成される時点でライブラリーの構築にお いてその他の形で利用されない異なるサブユニット1を少量混合することによっ て複数のサブユニットを区別することのできる方法を提供している。かくして、 分画コーディングは、2つの区別できないサブユニットのうちの1つが用いられ るとき、支持体の試験化合物のわずかな検出可能な不均質度を生み出す。本発明 では、標準的に約5%というこのような不均質度は、各支持体上にはわずか1つ の試験化合物種しかないという本出願の教示と相容れるものである。 5.7.1.単一の及び多数の配列コードを用いた特徴づけ コードされた分子ライブラリーの好ましい実施形態において、問題の合成試験 化合物を含む個々の相支持体は同様に、リガンドの構造をコードする配列をもつ 、例えばコーディングペプチドの配列の決定がリガンドの同一性を明らかにする 、1つの分子好ましくはペプチドをも含んでいる。ペプチド配列を決定する好ま しい方法は、Edmanの分解である。特に好ましい方法では、Applied Biosystems 社の477Aタンパク質シーケンサーが利用される。ペプチドのアミノ酸配列は 、高速原子ボンバードメント質量分析法(FAB−M S)又はその他の分析技術のいずれかを用いても決定できる。 コーディングペプチドは固体支持体に付着されるか又は固体支持体から開裂し た状態で配列決定され得る。ペプチドを開裂させるためには、分離されたビーズ は、固相支持体からペプチドを分離するべく当業者にとっては既知のものである 従来の開裂試薬で処理される。選定される開裂試薬の選択は、利用される固相支 持体に依存する。 代替的には、本発明の範囲内のもう1つの実施形態においては、ビーズといっ た単一の固相支持体粒子を、そのコーディングペプチド配列が付着された状態で 分離し、予めコーディングペプチドをビーズから開裂させることなくペプチドの 配列決定のためビーズをシーケンサーに導入することが可能である。官能化可能 な部位を0.5mEq/グラム伴う直径100μmの単一の樹脂ビーズは、部位の 2分の1がコーディングペプチドを結合するのに用いられる場合、約100pmol eのペプチドを含むものと見積もられる。コーディングペプチドでの同様の置換 度については、官能化可能部位を樹脂1グラムにつき0.5mEq伴う単一の直径 250μmのPAM樹脂ビーズは、約1,500pmoleのコーディングペプチド を含む。最新のペプチドシーケンサを用いると、適切な配列決定のためには、わ ずか5〜10pmoleしか必要とされない。従って、標準的なPAM樹脂について は、配列決定のための適切な量以上の量のコーディングペプチドを含むように、 直径100μm||の単一ビーズを投入することができる。 Edmanの配列決定に加えて、高速イオンボンバードメント質量分析法も非常に 強力な分析手段であり、ペプチド及びさまざまなその 他の分子の構造を分析するために往々にして有効に利用できる。構造分析におい ては、電子スプレー式高性能質量分析法も非常に有用である。好ましくは、19 92年9月3日に提出された米国特許出願第07/939,811号の中に記述 されている通りに、コーディング分子の構造を決定するための質量分析法が行な われる。 当業者であれば、試験化合物の任意の位置におけるサブユニット種の数は、時 としてコーディングポリマーを構築するのに使用されるモノマーの数よりも大き い、ということがわかるだろう。例えば、コーディングペプチドは、Edman分解 の後容易に区別されるアミノ酸の制限されたセットを用いて構築することができ る。これらの状況下で、コーディング分子は、所与の位置でアミノ酸混合物を導 入することによって構築されうる。例えば、一重項/二重項コード、すなわち試 験化合物の1つの位置につき1つ又は2つのコーディング成分をもち、コーディ ングポリペプチドがわずか8個のアミノ酸しか含まないコードは、最高36個の サブユニットをコードできる。同じ数の成分をもつ三重項/二重項/一重項コー ドは、1つの位置につき84個のサブユニットをコードする。 このようなコーディングペプチドのEdman分解生成物の分析は、コーディング 配列の各位置において1つか2つ又は1つ、2つ又は3つのいずれかのアミノ酸 を明らかにすることになる。 5.7.2.非配列コードを用いた特徴づけ 非配列コーディングと呼ばれる代替的な1つの好ましい実施形態は、そのサブ ユニットの配列の決定無しにコーディング分子の「読取り」を可能にする。配列 コードは、本来解読に苦労する。分子の配列決定には、反復する分解段階が必要 とされる。これとは対照的 に、ポリマー分子の組成分析は、一回の分解及び、結果として得られたサブユニ ット又はその誘導体の一回の分析によって行なうことができる。 その上、ペプチドコーディング分子を配列決定するのに必要とされる最も時間 のかかる段階は、開裂したフェニルチオヒダントインの各々のクロマトグラフィ 分析である。全ての情報が、単一の溶出されたピークの唯一の保持時間にあるに せよ、個別のクロマトグラフィ段階は、各々の段階的分解の生成物について行な われなければならない。かくして勾配分析時間の大部分は、その位置における残 基に対応する単一のピークの出現を待って「無駄にされる」。このプロセスが可 能な限り効率の良いものでないことは明らかである。配列のEdman分解とそれに 続くHPLC分析の代りに、全てのコーディングサブユニットを同時に開裂させ 、単一のHPLCラン内でそれらを区別し、次に結果を解読して試験化合物の同 一性を見極めることが可能であるとすれば、プロセスは大幅に加速できることだ ろう。 非配列コードの読取りには、所与のシグナルが存在するか否かを見極めること しか必要とされない。保持時間が約0.3分だけ異なる2つのピークのベースラ イン分解能は、勾配溶出を伴う標準的な逆相HPLC分析を用いて達成できる。 従って、45分の勾配は、150個の化合物の中から弁別することができる。1 50の異なるコーディング成分のグループの中から選択されたサブユニットから 成るコーディング分子は、150ケタの2進数と同等である。従って2150又は 約1045の異なる試験化合物種をこのようにしてコードすることができる。かく して、非配列コードは、最大の実践的ラ イブラリーでさえ、その試験化合物のサブユニットの配列及び同一性の両方をコ ードするのに容易に適合している。 非配列コードは以下の通りに構築することができる。ここでS00−S31と 呼ぶ最高32の異なるサブユニットから選択された最高20の残基をもつ試験化 合物の構造をコードするために使用されるべき100個のコーディング成分のセ ットの要素をC000〜C099とする。このスキームにおいて、第1の位置に ある残基の同一性はコーディング要素C000〜C004の存在又は不在によっ て決定される;何も存在しない場合、試験化合物の最初の位置にはS00が存在 し、全てが存在する場合には、位置1にはS31が存在する。成分C005−C 009、C010−C014、…C095−C099により連続した位置がコー ドされる。当業者であれば、100ケタコードの最大コーディング能力よりもは るかに小さいライブラリーが必要とされている頻繁に発生するケースにおいて、 コードの忠実性は、コーディング分子のセットのサイズを減少させるすなわち、 クロマトグラフィ分析において成分間の間隔を増大させることによってか、又は 冗長なコーディングの使用によって増大され得ること、例えば、コードされた各 位置についてのコード内に「パリティ(奇遇性)」成分を導入することができる 、ということがわかるだろう。 最も頻繁には、16のサブユニットと128のサブユニットの間に対応する4 〜8のコーディング成分とそれに加えて1つのパリティ成分が、試験化合物内の 各位置をコードするのに必要とされるだろう。 コーディング成分は、それらを同時に開裂及び分析できるように するため、コーディング構造の中で配置される必要がある。明らかな1つの可能 性は、全体的加水分解とそれに続く混合物の選択的修飾及び分析である。この場 合、コーディング化合物の構造は重要ではない。コーディング成分を互いに連結 することも又分枝構造の個別の分枝に付着させることもでき、又各成分に対する 結合が加水分解可能であるかぎりいかなる組合せでも可能である。しかしながら 、このアプローチは、試験化合物からの加水分解生成物の存在によって危うくな る。従って、Edman,1950,ACTA CHEM,SCAND,4; 283-293; Edman,et al.,19 67,EURO J.BIOCHEM,1; 80-91により設計された非常に選択的な分解方法の使 用が最適な選択であると思われた。 Edman分解は、ペプチド鎖からN末端アミノ酸を選択的に開裂する。上で規定 したクロマトグラフィー必要条件を満たす適正な数のアミノ酸及びアミノ酸誘導 体を同定することができ、それらの同時開裂を可能にする配置の中の1つのコー ディング構造としそれらが合成された場合、ただ1つのEdman分解及びHPLC 分析のサイクルの中で、非ペプチド構造の組成を分析することが可能であろう。 逆相上でのアミノ酸フェニルチオハイダントインの保持時間は、アミノ酸の側 鎖の脂質親和性に追従する。かくして適切な保持時間で一組のアミノ酸誘導体を 設計するためには、親油性が適当に異なっている状態で各々の側鎖を設計するこ とだけ必要である。この適当な差異を達成するための1つの単純な方法は、適切 な置換基により三機能アミノ酸の側鎖の官能基を置換することである。その結果 、我々は、ジアミノカルボン酸−ジアミノプロピオン酸、ジアミノ ブチル酸、オルニチン及びリシンの側鎖アミノ基をアシル化する効果を探究した 。誘導体ジカルボキシアミノ酸及びSH含有アミノ酸といったコーディング成分 の代替的セットが、当業者にとって容易に明らかとなることだろう。上述の成分 は、それが固相ペプチド合成に対する容易なアクセスを有するものによって便利 に合成されうるという点でのみ、好まれるものである。 コーディング成分の同時開裂を達成するための1つの態様は、全てのコーディ ング成分が、そのアミノ基が遊離した状態でN−末端アミノ酸として付着された 1つのα−アミノ酸であることを提供している。このようなコーディング構造の バックボーンは、ジアミノカルボン酸(Daa)ジカルボキシアミノ酸又はその 他の3機能サブユニットから構築できる。これらのアミノ酸のアミノ基は、コー ディングのために使用されるN−保護されたアミノ酸によってアシル化される。 アシル化は、一定の与えられたサブユニット及び試験化合物内のその位置につい てのコードとして定義される成分の混合物を用いて行なわれる。以下の図式XIC で示すとおり、ジアミノカルボン酸の反応の位置的化学を特定する必要はない。 ポリマー及びコーディング成分は、コーディング分子ポリマーを形成するジアミ ノ酸のアミノ基のいずれかにカップリングされ得る。 以下の実施例13で記述され例示されている置換ジアミノカルボン酸の場合、 カップリング反応性は、側鎖置換とは無関係であった。しかしながら、その他の コーディングサブユニットが使用される場合には、例えばアラニンとイソロイシ ンといったように、たとえ著しく異なる反応性を有するかもしれなくとも、コー ディング成分の等モル取込みを達成することのできる方法が2つ存在する。第1 の方法は、より緩慢に反応するアミノ酸のより高い濃度を用いることにより反応 性の差異を補償することに基づいている(例えばEichler J.& Houghten,R.,1 993,Biochemistry(生化学)32; 11035; Rutter米国特許第5,010,175 号)。代替的には成分がより速く反応したとしても、遅く反応するアミノ酸がカ ップリングできるのに充分なカップリング部位が残るような形で、充分なカップ リング反復の後に全ての反応性部位が消費されてしまうまで、等モル以下の量の 混合物を反復的に使用することができる。Andrews et al.,1994,タンパク質化 学の技法,5; 485-492。 上述のとおりのコーディング分子の構築のための基本的戦略は、いくつか存在 する。そのうちの2つは、図式XIAに例示されている。第1のものは、コーディ ング構造を構築するためのAlloc保護基の使用(Loffet A.& Zhang H.,199 3,Int.Pep.& Prot.Res.42; 346);(Stevens & Watanabe,1950 J.Am.Che m.Soc.72; 725);(Guibe,F.& Saint M'Leux Y.,1981,Tet.Lett.21; 3591 )及び試験化合物上の官能基の保護のためのFmoc又はFmoc様の基(Carpi no & Han,1972 J.Org.Chem.37; 3404)の使用に基づくものである。この場 合、試験化合物合成及びコーディング合成の両方のための永久的保護基として、 Boc基を使用することができる。図式XIAに描かれている「ブロックA」の一 般的形状をもつ予め形成されたコーディングサブユニットを使用することが有利 である。代替的には、予備形成されたコーディングサブユニットが使用されない 場合、もう1つのレベルの直交性が合成中に必要とされる。これは、ジクロロメ タン中の2%のトイフルオロ酢酸によってDdz基を選択的に開裂することがで きることから、コーディ ングバックボーンを構築するためにAlloc/Ddzで保護されたジアミノカ ルボン酸を使用することによって達成可能である(Birr C.,et al.,1972,Lie big's Ann.Chem.763; 162-73)。しかしながら、このアプローチは、1つの混 合物として付着されたコーディングアミノ酸の異なるカップリング反応性を補償 する必要性のために複雑なものとなっている。第2の戦略は、試験化合物中の官 能基の一時的直交保護のためのFmoc及びBoc基の組合せの使用及び永久的 保護のためのベンゾキシカルボニル(Z)又はZ様基の使用に基づいている。コ ーディングサブユニットは、Dde基がジメチルホルムアミド中のヒドラジンの 溶液によって開裂され、Boc又はFmoc基の除去のために使用された条件下 で安定していることから、Fmoc/Dde(又はFmoc/Alloc又はF moc/Ddz)で保護されたジアミノカルボン酸を用いて、合成中に構築する ことができる。(Hone,N.D.et al.,Poster p63,於2nd Eur.Pept.Symp.,In terlaken,スイス、1982年9月)。 コーディングのための1つの代替的アプローチは、図式XIBに示されている。 この場合、コーディングのために利用できるアミノ基の1分画がコーディング混 合物によってアシル化され、残りのアミオ基は、次のランダム化段階が行なわれ る前に、直交開裂可能な基(例えばAlloc)によって再度保護される。この スキーマにおいては、Allocの脱保護を組換えされた段階にて行なうことが できることから、試験化合物サブユニットに先立ってコーディング混合物をカッ プリングするのが有利である。 第3の代替態様が、図式XICによって提供されている。このスキームでは、コ ーディング要素は、図式XIAにあるようにバックボー ンジアミノカルボン酸で予備形成される必要はなく、又図式XIBにあるように反 復的遮断及び脱遮断もなくてよい。このスキームはコーディング及び試験化合物 反応性基の両方が合成中に常時Bocで保護されている状態で、Fmoc保護さ れた試験化合物及びAlloc保護されたコーディング分子を提供する。コーデ ィング分子は、リシンのNα及びNε官能基の両方のAlloc保護を除去する 連続的段階、すなわち、各々0.5当量の量でのBoc−Caa11及びBoc− Caa12というコーディング要素の混合物の付加及びカップリング、Alloc −Lys(Alloc)の1.0当量の付加及びカップリングによって合成され る。この態様においては、コーディング要素すなわちBoc−Caaが、コーデ ィング分子バックボーン内のあらゆる特定のリシンのNα及び/又はNεのいず れかにカップリングできるということに留意されたい。それでも、本発明におい てリシンのNα及びNε官能性が同等であることから、カップリングの立体化学 も化学量論もこの態様の実施可能性を成し遂げてくれていない。 本発明のさらにもう1つの代替態様は質量分析法による非配列コードの読取り を包含している。コーディング分子は、リンカーの特異的開裂によって固相支持 体から放出される。分子は、さらに、電子スプレー又はイオン衝撃(ボンバード メント)によって断片化され、個々のコーディング成分はその分子量により同定 される。 当業者であれば、非配列コードを読取るための質量分析法の使用は、ペプチド 結合といったような特異的分解を受ける可能性のあるもの以外のさまざまな化学 的結合によってコーディング成分がコーディング分子に結合され得るということ を暗に意味しているという ことがわかるだろう。 以下に図式XIA、XIB及びXCCを示す: 5.7.3.コードされていないライブラリー コーディング分子を含んでいないライブラリーから選択されたリガンドの構造 の分析のためには、該当する場合、コーディングペプチドの構造を分析するため に使用される技術(上述)を使用することができる。代替的には、本発明に従っ て選択された合成試験化合物の構造を決定するために、1992年9月3日に提 出された米国出願第07/939,811号に記されている技術又はその他の分 析技術(薄層クロマトグラフィ、HPLC、NMR、IR、元素分析など)を特 に用いる質量分析法を使用することができる。 5.8.合成試験化合物からの治療及び診断用作用物質 選択されたリガンドの構造がひとたび決定されると、構造実験及びスクリーニ ング実験及びその他の研究の結果を確認するため、大量の化合物を化学的又は生 物学的に合成することができる。活性リガンドの構造分析及びライブラリースク リーニングを通してひとたび問題の分子構造が同定されたならば、本発明は、疾 病の治療又は診断に使用するための分子構造を含む分子を提供する。スクリーニ ングのみを通して同定された分子は、診断又は治療用作用物質を提供するか、又 はより大きい分子の中に取り込まれうる。生物学的活性又は結合活性を伴う構造 を含む分子は、「エフェクター分子」と呼ぶことができる。本発明はさらに、さ まざまな利用分野で使用するためのライブラリーも提供する。前記エフェクター 分子の「エフェクター」機能は、本明細書で記述した又は当該技術分野において 既知の機能のいずれであってもよい。 本明細書で記述している方法は、潜在的に診断又は治療上の価値をもつ特異的 リガンドを追求する新たな手段を提供するばかりでな く、なおも同じ受容体分子と相互作用することのできる潜在的に大きく異なる構 造をもつ一連のリガンドについての重要な情報も提供する。分子モデリング及び 近代的な計算技術とこのような情報を統合することにより、リガンド−レセプタ ー相互作用の新たな根本的理解が得られる可能性が高い。 本発明の治療用作用物質は、サイトカイン、成長因子又はホルモン剤の生物学 的に活性な部位に結合し、その結果、それらの活性を高めたり、無効化したりし 、あるいは、転写及び/又は翻訳を遮断もしくは促進するエフェクター分子を含 んでいる。 本発明の治療用作用物質は、例えば、成長因子レセプター、神経伝達物質レセ プター又はホルモンレセプターといった薬学的に有利なレセプターに結合するエ フェクタ分子を内含している。これらのエフェクタ分子は、天然レセプターリガ ンドの作用のアゴニスト又はアンタゴニストのいずれかとして使用できる。 レセプターに結合するエフェクタ分子のもう1つの利用分野は、正常な細胞レ セプターに付着し内在化されることによって細胞へのアクセスを獲得するウイル ス又は微生物の付着を遮断するために結合を使用することにある。この現象の例 としては、CD4レセプターに対するヒト免疫不全ウイルスの結合及び線維芽細 胞成長因子レセプターに対する単純ヘルペスウイルスの結合がある。レセプター を占有するエフェクタ分子は、標的細胞のウイルス感染を遮断するための薬理学 的作用物質として使用できる。細胞の寄生体侵入も同様に、本発明に従って適切 なエフェクタ分子が同定された後、阻害できる。 もう1つの実施形態においては、薬物又は毒素をターゲティング するために、問題の受容体分子に結合する構造を含むエフェクタ分子を使用する ことができる。好ましい一実施形態においては、問題の受容体分子は、腫瘍細胞 、動物寄生虫もしくは微生物例えば細菌、ウイルス、単細胞寄生虫、単細胞病原 体、真菌又は糸状菌の表面上に見られるレセプター又は抗原である。もう1つの 実施形態では、ターゲティングされた実態は、細胞内レセプターである。 さらに、プール内の合成試験化合物分子数百万個が、生物学的活性をもつ構造 を提供しうるということも可能である。抗腫瘍、抗動物寄生虫もしくは抗微生物 、例えば抗雑草、抗植物寄生虫、抗真菌、抗細菌、抗単細胞寄生虫、抗単細胞病 原体、又は抗ウイルス活性を有する分子を分離することが可能である。その上、 これらのリガンドのいくつかは、ほんの少しだけ挙げるだけでもエリスロポイエ チン、表皮成長因子、線維芽細胞成長因子、腫瘍成長因子などの成長因子、なら びにホルモン、神経伝達物質、レセプタに対するアンタゴニスト、免疫調節物質 又はその他の調節分子に対するアゴニスト又はアンタゴニストとして作用するこ とができる。 本発明の治療用作用物質は同様に、薬物例えば、ジゴキシン、ベンゾジアゼパ ム、ヘロイン、コカイン又はテオフィリンに対する高い親和性をもつ構造を含む エフェクタ分子をも内含している。かかる分子は、このような薬物の過量に対す る解毒剤として使用できる。同様に、治療用作用物質には、重金属を含む金属イ オン又は小さい分子に結合するエフェクタ分子が含まれている。高ビリルビン血 症を伴う新生児の治療には、ビリルビンに対する高い親和力をもつ分子が有用で ある。 一般に、本発明は、医師デスクリファレンスの製品カテゴリー索 引(PDR,1993,第47版,Medical Economics Data; Oradell,NJ,p201-202)に リストアップされているような疾病又は疾患の治療のための分子を同定する方法 を提供することを構想している。例えば、抗ガン剤、抗寄生虫薬、抗凝血剤、抗 凝血剤アンタゴニスト、糖尿病薬、抗けいれん薬、抗うつ薬、止瀉薬、解毒剤、 抗性腺刺激ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、抗高血圧症薬、抗炎症薬、制吐薬、抗 片頭痛薬、抗パーキンソン薬、抗血小板物質、かゆみ止め、抗精神病薬、解熱薬 、アンチトキシン(例えば抗蛇毒素)、気管支拡張薬、血管拡張薬、キレート化 剤、避妊薬、筋肉弛緩剤、抗緑内障剤又は鎮静剤の活性をもつエフェクタ分子を 同定することができる。 本発明の治療用作用物質は同様に、適切な薬学的に受容可能な担体、希釈剤及 びアジュバントを含んでいてもよい。このような薬学的担体は、石油、動物、植 物由来の又は合成のもの、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む油 及び水といった無菌液体であってよい。薬学組成物が静脈投与される場合の好ま しい担体は水である。特に注入可能な溶液のためには、液体担体として食塩水及 び水性デキストロース及びグリセロール溶液も使用することができる。適切な薬 学的賦形剤としては、でんぷん、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチ ン、麦芽、米、小麦、チョーク、シリカゲル、炭酸マグネシウム、ステアリン酸 マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タル ク、塩化ナトリウム、ドライスキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコ ール、水、エタノールなどが含まれる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤 、丸薬、カプセル、粉末、持続放出製剤などの形をとりうる。適切な薬学的担体 については、E.W.Martinによる「Remi ngtonの薬学」の中で記述されている。このような組成物は、患者に対する適切 な投与のための形状を提供するべく適切な量の担体と合わせて治療上有効な量の 活性化合物を含むことになる。静脈注射が非常に効果的な投与形態であるものの 、注射、経口、経鼻又は非経口投与といったその他の様式も利用できる。 本発明に従って決定された構造を含む分子は、診断用作用物質を形成するため にも使用できる。この診断用作用物質は、例えば複数のポリアミド配列又はポリ アルカン配列といった、ライブラリースクリーニングの結果として同定された単 数又は複数の構造を含む分子であってもよい。さらに、診断用作用物質は、治療 用作用物質として上述した担体のうちのいずれを含んでいてもよい。 ここで「診断用作用物質」というのは、T又はB細胞リンパ腫といったガン及 び上述のような感染性疾患などの条件の検出のために使用できる作用物質である が、これらの条件に制限されているわけではない。検出という語は、条件の存在 の表示、条件に関与する体の部分の場所設定、又は条件の重症度の表示を包含す るよう、その最も広い意味で使用される。例えば、組織、血清又は体液の中の特 異的レセプター又は抗体分子を検出し測定するためには、ペプチド−ホースラデ ィッシュペルオキシダーゼ複合体又は関連する免疫組織化学的作用物質を用いる ことができる。診断用作用物質は、インビトロでの使用又はインビボでの使用に 適しているものであってよい。特に本発明は、免疫検出法、サザン又はノーザン ハイブリダイゼーション及びインシトゥ検定での使用のために有用な診断用試薬 を提供することになる。 さらに、診断用作用物質には、放射性同位元素、螢光標識、常磁 性物質又はその他の画像増強作用物質といった単数又は複数の標識を含んでいて よい。当業者であれば、一連の標識及びそれらを作用物質中に取込んで診断用作 用物質を形成する方法については熟知していることだろう。 本発明の治療用作用物質及び診断用作用物質は、動物、さらに好ましくはヒト 、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット、マウス及びラットを含む哺乳動 物の治療及び/又は診断のために使用可能である。又、治療用及び診断用作用物 質は、植物の病気を治療及び/又は診断するためにも使用可能である。 本発明に従って発見された分子での治療又は診断に導くことのできる疾病及び 条件は、ライブラリー内の構造の入れ換えと同程度に多様でかつ広範なものであ る。 もう1つの実施形態においては、低親和力結合ビーズを選択し、ビーズ上のリ ガンドの構造に基づいて、制限あるライブラリーを調製することができる。もう 1つの実施形態では、本発明によって提供された何百万もの合成試験化合物から 同定された1つの又はいくつかのリガンドを含む別調製の低親和力又は高親和力 支持体を、クロマトグラフィによる分離において使用することができる。 本発明は、純粋にその一例であることを意図されている以下の例によって、さ らに明らかになることだろう。 6.例:コードされたライブラリーのモデル この例は、2つの分子すなわち「合成試験化合物」と「コーディング分子」を 単一の樹脂ビーズ上で同時に調製できることを立証している。その上、内含され る各々の樹脂ビーズが「合成試験化合物」を単一種と「コーディング分子」を単 一種含んでいるようなこのような化合物のライブラリーを調製することが可能で ある。この例においては、これらはそれぞれ2:1のモル比で存在している。「 コーディング分子」の配列は、「合成試験化合物」の配列に対応する。 このモデル系については、「合成試験化合物」及び「コーディング分子」の両 方共がペプチドであった。直交遮断基Boc及びFmocを使用して、試験ペプ チドとコーディングペプチドの並行した合成も進められた。 6.1.材料と方法 Krchnak及びVagner(1990,Peptide Res.3; 102-193)によって記述されている 通り、ポリプロピレン製注射器の中で、固相合成を行なった。合成は、SCAL ハンドル(Patek及びLebl,1991,Tetrahedron Lett.32; 3891-3894)(安全捕 獲アミドリンカー)又は、適切なリンカーで修正されたTentagel(TG)(Rapp Polymere,チュービンゲン、ドイツ、130又は80μm、0.23mmol/g) 上で行なわれた。1×10分間50%のピペリジン/DMFを用いて、Fmoc 保護基の分割を行なった。Boc保護基は、20分間3%のアニソールを含む3 0%のTFA/DCMを用いて分割させた。Boc分割後の中和のためには、D IEA/DCM(10%)溶液を用いた。Nα−Fmoc及びBocアミノ酸の 活性化のためには、DMA中のBOP/HOBt/DIEA混合物(1:1: 2当量)を用いた。各々の縮合反応(1.5〜40時間)の完全性は、二次アミ ノ基に対するカップリングの場合ニンヒドリン試験又はクロラニル試験によって チェックした。カップリングプロトコルには、カップリングと保護解除の間そし て保護解除とカップリングの間に、DMFでの洗浄(6〜8回)(Bocで保護 されたアミノ酸の場合にはそれに続くDCMでの洗浄)が含まれていた。2時間 DMPU中の20%の(EtO)2P(S)SHによりSCALリンカーの還元 を行なった。最終的分割は、95%のTFA−5%の水の混合物によって行なわ れた。 商業グレードの溶剤を、さらなる精製無しで使用した。保護されたアミノ酸は 、Bachem(Tarrance,CA),Advanced Chem Tech(Louisville,KY),またはPropep tide(Vert-le-Petit,フランス)から入手した。 6.2.結果 6.2.1.モデルライブラリーの合成と両方の保護基の保護解除 第1のアミノ酸としてSCAL−TGに対してBoc−Lys(Fmoc)− OHをカップリングさせ、Nε−Fmoc基を保護解除し、第1のリシンの側鎖 に対してFmoc−Lys(Fmoc)−OHをカップリングさせた。リシンの Nα−及びNε−Fmoc基を分割させ、樹脂を3つの部分に分けた。それぞれ Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Phe−OH及びFmoc−Val−OH を樹脂の各部分にカップリングさせた。次の段階で、対応するBocアミノ酸( 無保護ヒドロキシル基と共にGly、Tyr及びLeu−Boc−Tyr−OH を用いた)を、Boc保護解除の後、リシンのα−アミノ基にカップリングさせ 、一方「Fmoc分枝」は 保護されたままにしておいた。Bocアミノ酸縮合が完了した後、樹脂の3つの 部分をすべて組合わせ、「Fmoc分枝」を保護解除した。樹脂を3つの等しい 部分に分けた後、最初のものと全く同じ要領で以下のランダム化を行なった。3 つの位置のランダム化の後(各々の位置での3つの異なるアミノ酸のカップリン グ)、その後の分析のため、樹脂を個別部分に分けた。 無作為に選択した2つの完全に保護解除されたビーズを、個別に配列分析のた め提出した。予想通りの2:1という比率で、3つのサイクルすべてにおいて正 しい「相補性」アミノ酸が発見された。結果(pmoles単位の値):第1のビーズ :第1サイクル:V251、L146、第2サイクル:V244、L147、第 3サイクル:V245、L119;第2ビーズ:第1サイクル:A102、G3 9、第2サイクル:V121、L59、第3サイクル:F125、Y50。 SCALハンドルを還元させるためDMPU中の20%のジエチルジチオフォ スフェートで樹脂の1部分(約100mg)を処理した(1時間の振とう×2) 。ペプチドの混合物を、1時間TFA/H2O(95:5)で還元されたSCA Lから分割させた。分割混合物を真空中で縮合させ、Et2Oで沈降させた。遠 心分離により沈降物を収集し、乾燥させた。ペプチド混合物を、0.1%のTF A/H2O中に溶解させて、HPLCにより分析した。200分にわたる0〜5 0%のアセトニトリルと0.1%のTFAの緩勾配が、予想した27のピークを 溶出した。さらに複数の小さいピークが同定されたが、その形成は、合成中に側 鎖無保護チロシンを使用したためであるとされた。エーテル沈降によりいくつか の配列が除去さ れる(又は少なくとも含有量が減少する)危険性が存在していたため、混合物の 第2の分割ではこの段階が回避された。TFAと水の分割混合物を、付加的な水 で希釈させ、排出した遠心分離機(evacuated centrifuge)上で濃縮し、凍結乾燥 した。混合物のHPLC評価は、全ての予想されたピークのほぼ等モルの表示を 立証した。 6.2.2.N末端FMOC基の保護解除と「FMOC分枝」のアセチル化 Fmoc基の保護解除の後に、遊離したN末端アミノ基のアセチル化を行なっ た。アセチル化は、20分間DMF中のN−アセチルイミダゾールの0.3M溶 液を用いて行なった(ニンヒドリン試験陰性)。その他の分枝上のN末端Boc 基を、アセチル化の後で保護解除した。3つの無作為に選んだビーズを配列決定 し、以下の読取り値を得た(pmoles単位):第1サイクル:Y213(ビーズ1 )、G161(ビーズ2)、Y201(ビーズ3)、第2サイクル:L165( 1)、Y166(2)、Y205(3)、第3サイクル:Y188(1)、L1 28(2)、G162(3)。読取り値は、アセチル化されたアーム内に存在す るアミノ酸によって汚染されていなかった。 アセチル化されたビーズの一部分(約100mg)を上述の通りに処理し(エ チルエーテルによる混合物の沈降及び/又は分割混合物の蒸発及び凍結乾燥)、 ハンドルを還元し、アセチル化されたペプチドを分割した。同じ条件下でのHP LC分析は、エーテル沈降中に、ライブラリーのかなりの割合がそのエーテル可 溶性によって失われた、ということを示した。蒸発及び凍結乾燥を受けた試料は 、保護解除されたライブラリーの場合とほぼ同じパターンの同数のピ ークを提供したが、保持時間は、Fmoc[分枝」のアセチル化のためさらに高 い値へと移行していた。 6.2.3.TFA基でのBOC保護基の置換 段階的配列決定実験を可能にするため、N末端において、トリフルオロアセチ ル基がBoc基に置換した。まず最初に、「Fmoc分枝」を保護された状態に 残したまま、樹脂試料(50mg)からN末端Boc基を分割させた。DIEA( 0.16mmol、28μl)の存在下でジクロロメタン(0.5ml)中の無水トリ フルオロ酢酸10当量(0.14mmol、21μl)で処理することにより遊離ア ミノ基をトリフルオロアセチルで保護した。反応は1時間後に完了した(ニンヒ ドリン試験陰性)。トリフルオロアセチル化の後、その他の分枝上のFmoc基 を除去し、3つのビーズを配列決定のために提出した。Fmoc分枝の配列を決 定した。Fmoc分枝の配列決定の後、配列決定されたビーズをシーケンサから 取出し、ビーズを0.2MのNaOH溶液で処理し(3時間、20℃)、乾燥さ せ、さらに3サイクルの配列決定のため提出した。Fmoc分枝の配列から予測 されたBoc分枝の適切な配列が得られた。第1のビーズ(pmoles単位の値:1 .F(735)、2.V(643)、3.A(837);TFAの除去後:1. Y(207)、2.L(187)、3.G(76)、配列FVA/YLG;第2 のビーズ:1.A(215)、2.A(230)、3.F(193);TFA除 去後:1.G(88)、2.G(86)、3.Y(80)、配列AAF/GGY ;第3のビーズ:1.F(63)、2.F(67)、3.V(41);TFAの 除去後:1.Y(15)、2.Y(12)、3.L(4)、配列FFV/YYL 。 6.2.4.1つのビーズからのペプチドの分割 還元されたSCALハンドル上の完全に保護解除された配列を含むいくつかの 樹脂ビーズを小さなガラスバイアルの中に個別に入れ、一晩ストレートのTFA 30μlで処理した。アリコート(3μl)を抜き出し、合計20μlの体積と なるまでH2Oで希釈し、microbore HPLC(Michromの器具)上でのHPLC によって分析した(20分にわたり0.1%のTFA水溶液中の5〜60%のア セトニトリル勾配)。215のランでのペプチドの平均吸光率に基づく計算によ って、約100〜200pmolesのペプチドが1つのポリマービーズから放出され たことがわかった。 6.3.考察 コードされたライブラリーのモデルは、図2に示されている。分枝用リンカー が合成試験化合物ペプチドとコーディングペプチドを固相支持体に付着させてい る。一般に、合成試験化合物は、Edmanの分解を受けない化合物であってよく、 従って、コーディング配列からの配列情報は、試験化合物の構造決定を提供する 。合成試験化合物のサブユニットの各々は、コーディングアーム内の1つのアミ ノ酸と位置特異的に明確に結びつけられ、かくして構造分析を可能にする。 コーディング配列を構築するためのアプローチは、いくつか存在する。1つの 手順(図1A)はポリマービーズ上での両方の構造の統計的分布を使用する。こ の場合、可能ないかなる比率でも達成でき、両方の配列の共同効果を生み出す可 能性は最小限におさえることができる。第2の手順(図1B)においては、スク リーニング構造及びコーディング構造は両方共、例えばジアミノカルボン酸(リ シン)によって実施される固体支持体への有枝付着の上に構築される。両方の「 配列」は共に規定のモル比でかつスクリーニングされつつある受容体分子にアク セス可能な規定の特殊な配置で存在する。スクリーニングされたペプチドの溶液 中への放出が用いられる利用分野においては、ビーズ上のスクリーニング及びコ ーディング化合物の位置設定は重要ではない。これは、異なるリンカーの使用の ため、コーディング配列が溶液中に放出されることは決してないからである。 合成試験化合物及びコーディング配列の化学的合成を決定的に立証するための 単純な計画が追求されてきた。A、F及びVから1つの「合成試験化合物」が構 築された。これらのアミノ酸は、「コーディング」配列中でそれぞれG、Y及び Lでコードされた。合成試験化合物は、「試験」分枝すなわちFmoc化学を用 いてもう1つのリシン側鎖上に付着されたリシンの両方のアミノ基の上に構築さ れた(図2参照)。樹脂は3つの部分に分けられ、Nα−Fmocで保護された アミノ酸は、試験分枝上でカップリングされ、保護された状態におかれた。対応 するNα−Boc(コーディング)アミノ酸は、コードする分枝上でカップリン グされた。全ての樹脂支持体は混合され、さらに3つの部分に分けられた。その 他の分枝上のBoc保護の存在下で、Nα−Fmoc基の保護解除及びその後に 続くNα−Fmocアミノ酸のカップリングが行なわれた。これらの条件下で、 Boc保護基は安定している。次の段階で、Nα−Boc基は分割され、試験分 枝にカップリングされたFmocアミノ酸に対応するNα−Bocアミノ酸は、 各々の反応の中でコーディング分枝上でカップリングされた。さらにもう1度、 Fmoc及び Bocアミノ酸の混合、分裂及び個別カップリングの手順がくり返された。Bo c及びFmocの両方の戦略の条件下で安定しているSCALハンドル上で合成 が行なわれた。しかしながらこのハンドルは、そのスルフォキシド半分の還元の 後比較的穏やかな酸分解条件下で分割され得る。(Patek及びLebl,1991,Tetra hedron,Lett.32; 3891-3894)。 この要領で調製されたビーズの配列決定はスクリーニング配列対コーディング 配列の2:1のモル比と、特定のアミノ酸の適当な対応(図2A)を立証した。 ビーズの1アリコートを用いて、「スクリーニング」配列はアセチル化され、「 コーディング」配列から清浄(clean)な配列の読取り値が得られた(図2B)。 異なるビーズアリコートを用いて、「コーディング」配列はトリフルオロアセチ ル基により遮断され、「スクリーニング」分枝の配列決定が行なわれ、配列決定 されたビーズからトリフルオロアセチル基が分割され、「コーディング」ペプチ ドの配列が決定されて、「シーケンス」ペプチドの配列決定からの結果を確認し た(図2C)。 合成戦略が、規定数の構造の予測された等モル比を生み出すことを確認するた め、アリコート中に代表された「ミニライブラリー」を支持体から分割させた。 逆相HPLCは、27個の異なるペプチドの存在を確認した。トレース内で同定 されたピークを収集し配列分析のために提出したところ、各ペプチドの純度及び その組成が確認できた。単一のビーズからのペプチドの分割も行なわれ、わずか 1つのビーズから放出されたペプチドの分析の実現可能性が確認された。 7.実施例:ペプチド構造によりコードされる非ペプチドライブラ リー 本実施例では、それぞれを単一のビーズ(bead)に平行して同じ方法によ り合成した場合、ペプチドをコーディングする分子は非ペプチド試験化合物(n on−peptidyl test compound)を明確にコードするこ とができることを示す。本実施例では各々の試験化合物が特有の分子量を有する ようにサブユニットを選択した。観察された試験化合物の分子量を、コーディン グペプチドの配列と比較すると、コーディングペプチドは1つの試験化合物をコ ードすることが明らかになる。 7.1.材料及び方法 アミノ酸のカップリングを室温での標準的なプロトコルを用いた手法に従って 実施した。DMF中の保護されたアミノ酸(3当量)をDIC(3当量)と混合 し、又はDIC及びHOBT(各3当量)を樹脂と混合し、カップリング後に分 析試験を行った。特に指定されている場合は、対称な無水物を用いた。 非ペプチドライブラリーを調製するために用いたサブユニットを、図式XII に示す。 Fmoc−SCALリンカーおよびBoc−Lyc(Fmoc)を、DIC及 びHOBTを用いて先ず樹脂(TentaGel S NH2,1g)とカップ リングした。Fmoc基を切断した後にFmoc−Trpをカップリングし、新 しいFmoc基を脱保護した。ペプチド−樹脂を等量になるように3つに分け、 3種類の異なるブロモ酸類(bromoacids)(各反応器につき1種類、 各3当量)をDMF中のDIC(3当量)を用いてカップリングした。3種類の 酸としてはα−ブロモ酢酸、α−ブロモバレリン酸及 びブロモトルイル酸を用いた。最後の酸とのカップリングは、反応性が低いため に酸及びDICをいずれも6倍過剰にして再度行った。Lysのα−アミノ基の Boc保護をTFAにより除去し、第1コーデイング配列であるBoc−保護ア ミノ酸(Gly,Ala,Leu)をDICによりカップリングした。コーディ ングアミノ酸は、非ペプチド構成単位の分子量に基づいて選択した。即ち、最も 軽い単位(この場合はブロモ酢酸)はGlyにコードされ、最も重い単位(ブロ モトルイル酸)はLeuによりコードされ、中間の重さの単位(α−ブロモバレ リン酸)はAlaによりコードされた。 次のコーディングアミノ酸のカップリングのための準備として、3つに分けた 樹脂を一緒にプールしてDCMで徹底的に洗浄し、TFA/DCMで脱保護した 。脱保護後に樹脂を再び3つに分けた。Boc保護アミノ酸(この場合もGly ,Ala及びLeu)のカップリングをDICを用いて常法により実施した。コ ーディングペプチドアミノ酸のカップリング後に、非ペプチドサブユニットを加 えた。分けた樹脂のうち2つをDMF中の2Mアミン溶液(ベンジルアミン及び 1−アミノ−4−メチルピペラジン)で一晩処理した。第3の樹脂をフルオレニ ルメチロキシカルボニルアミノエチルチオールの2M溶液で処理し、反応終了後 にFmoc基を除去した。この場合もアミンのコーディングは、分子量を基準に した。 樹脂を再び一緒にプールして混合し、最後のカップリングのために3つに分け た。カルボン酸(シクロヘキシル酢酸、フェニルオキシ酢酸及び4−ピリジルチ オ酢酸)をDICにより得られたアミン(第一級及び第二級アミン)にカップリ ングし、3−5倍過剰の予め生成した対称な無水物によりカップリング反応を2 回繰り返した。 クロラニルテスト(chloranil test)がネガティブになった後に 、3バッチの樹脂をTFAで別々に処理し、中和し、最終コーディングBoc− 保護アミノ酸をDIC及びHOBTを用いてカップリングした。最後のカルボン 酸のコーディングは前と同じ図式によった。最終的に全ての樹脂を一緒にプール した。 高速原子衝撃(fast atom bombardment:FAB)質量 分析による測定をZAB EQ分析計(VG Analytical Ltd, Manchester,UK)により実施した。1H NMRスペクトルをGe neral Electric QE 300装置により測定した。Edman 分解による配列決定をABI 4778タンパクシークエンサー(Applie d Biosystems,Foster City,CA)およびPorto n PI 3010装置(Porton Instruments,Tarza na,CA)により実施した。分析及び分離HPLCともWaters 490 E Programmable Multiwavelength Detec torを備えたWaters 625 LCシステムで行い、それぞれVyda c Peptide and Protein C18分析カラム(0.46x 250mm,5μm,1ml/分)及び分離カラム(10x250mm,10μ m,3ml/分)を用いた。1つのビーズから放出される混合物の分析を、Re liasil C18カラム(5μm,300A, 1x150mm)を用いて Ultrafast Microprotein Analyzer(Mich rom BioResources,Pleasanton,CA)により行っ た。CDCl3又はCD3SOCD3のいずれかを溶剤 として用いて、全てのスペクトルをテトラメチルシラン(δ)と比較してppm で表した。1cm石英キュベットを用いてHewlett Packard H P 8452A Diode−Array分光光度計により、紫外線/可視光線 (UV/VIS)吸収スペクトルを記録した。アミノ酸分析をD−500 sy stem(Durrum Corp.,Palo Alto,CA)系により行 った。 7.2.結果 7.2.1.コード化されたライブラリーの二形態の合成 係る一般的な方法により、ライブラリーの二形態(two formats) を完成した。これら二形態の唯一の相違は図式XIIIに示すように、SCAL リンカーの位置である。 第1のライブラリー(A)ではSCALリンカーは樹脂に直接結合しているL ysのN−εに含まれ、従ってTrp−アミドはこのライブラリーの全化合物の 中の最後のアミノ酸であった。このライブラリーでは、コーディングペプチドは 切断後に樹脂のビーズに残っていた。第2のライブラリー(B)ではSCALリ ンカーは樹脂に結合しており、全化合物の中の最後のアミノ酸はLysであった 。このライブラリーから放出された各化合物は、合成化合物及びコーデイング配 列ペプチドを含んでいた。 合成試験化合物を構築するのに用いた非アミノ酸構成単位を、上記の図式XI Iに示す。これらの構成単位は、特有の分子量をもつ試験化合物を生成するよう に選択した。試験化合物、分子量及びコーディング配列を表1に示す。 第1のライブラリーのビーズ(上の図式XIII上段を参照)を還元剤で処理 して、個々のビーズをとって分離切断及び配列分析を行った。5つのビーズを調 べた。非ペプチド部分の切断後にビーズを連続的に配列決定して(表2参照)、 非ペプチド化合物の構造を推定した。切断した化合物を含む溶液をミクロHPL Cシステムにより分析した。 第2ライブラリー(図式XIII、下段)のサンプル(800mg)を、SC ALリンカー還元後に95%TFAにより処理し、凍結乾燥し、水に溶かし、水 中の0.1%TFAの0−60%アセトニトリルのグラジエントにより200分 にわたって、半分離HPL Cカラムで44ピークに分離した。分画を凍結乾燥し、アミノ酸コーディング配 列及び構築物の分子量から予想した構造が一致することを明らかにするために、 いくつかのピークをFAB MS及び配列決定により分析した。さらに分析する ために無作為に選択したピーク例は以下の通りである:ピーク4:操作時間 2 5.31分、配列決定:1.Leu(364pmol)、2.Gly(139) 、3.Gly(422);FAB MS−827.0(構成単位組合せ(bui lding block combination)169); ピーク8:操 作時間 28.69分、配列決定:1.Gly(261)、2.Leu(176 )、3.Ala(225);FAB MS−770.2(構成単位組合せ257 w/oブロック7); ピーク13:操作時間 31.47分、配列決定:1 .Leu(792),2.Leu(551),3.Gly(128);FAB MS−921.0(構成単位組合せ159); ピーク14:操作時間 32. 27分、配列決定:1.Leu(7930)、2.Gly(1810)、3.A la(1763);FABMS−883.0(構成単位組合せ269); ピー ク15:操作時間 32.77分、配列決定:1.Leu(784)、2.Al a(447)、3.Ala(360);FAB MS−776.2(構成単位組 合せ249 w/oブロック9); ピーク16:操作時間 33.16分、配 列決定:1.Leu(1286)、2.Ala(918)、3.Ala(688 );FAB MS−776.2(構成単位組合せ249 w/oブロック9); ピーク17:操作時間 33.51分、配列決定:1.Leu(298)、2 .Leu(280)、3.Ala(202);FAB MS−82 6.2(構成単位組合せ259 w/oブロック9); ピーク19:操作時間 34.80分、配列決定:1.Leu(641)、2.Gly(412)、3 .Ala(460);FAB MS−883.1(構成単位組合せ269); ピーク20:操作時間 36.66分、配列決定:1.Leu(150)、2. Leu(119)、3.Leu(80);FAB MS−902.2(構成単位 組合せ359 w/oブロック9); ピーク26:操作時間 41.77分、 配列決定:1.Gly(39)、2.Gly(38)、3.Gly(23);F AB MS−744.1(構成単位組合せ167); ピーク31:操作時間 48.86分、配列決定:1.Ala(180)、2.Gly(98)、3.A la(106);FAB MS−824.0(構成単位組合せ268); ピー ク32:操作時間 49.46分、配列決定:1.Leu(234)、2.Le u(320)、3.Ala(277);FAB MS−826.1(構成単位組 合せ259 w/oブロック9); ピーク33:操作時間 50.70分、配 列決定:1.Gly(152)、2.Gly(120)、3.Ala(94); FAB MS−800.1(構成単位組合せ267)。 7.2.2.非ペプチドライブラリーの典型的化合物の合成 第1ライブラリー(A)の一成分である下記化合物I: を0.23gのKnorr樹脂(0.5 m当量/g)上で合成した。Fmoc −Trpを最初に一般的プロトコルに従って、DIC及びHOBTを用いてカッ プリングした。アミノ基を脱保護した後に、α−ブロモ酢酸(50mg)をDM F(0.5ml)中のDIC(50μl)によりカップリングした。ベンジルア ミン(100μl)を0.5mlのDMSOに溶かし、ブロモ樹脂をこの溶液で 一晩処理した。最終カルボン酸である4−ピリジルチオ酢酸(80mg)を0. 85mlのDMPTに溶かし、DIC(80μl)及びHOBT(80mg)に より予め活性化してアミノ樹脂に10時間カップリングした。活性化のためにP yBrop及びDIEAによりカップリングを再度行った。化合物Iの切断は9 5%TFAで行った。切断後にTFAを真空下で蒸発させ、残渣を30%アセト ニトリル水溶液に溶かし、凍結乾燥した。乾燥後に得られた生成物を純粋なアセ トニトリルに再び溶かし、エーテルで析出した。この操作を2回繰り返し、ほぼ 白色の沈殿物を得た。生成物は逆相(RP)HPLCで2つのピークを示した。 第2のピークは化合物Iに予測される質量スペクトルを示した。半分離RP H PLCによる精製後の成分Iの産生量は18mgであった。化学式:C272753S、MS理論値 501.6、MS実測値−502.2(M+H)+1H NMRデータ(DMSO−d6):10.804d(1H,NωH);B.49 d(2H、ピリジルC2H及びC6H);8.35d(1H、NH);7.62d (2H、ピリジルC3H及びC5H);6.9−7.7mm(Bzl及びTrp芳 香族プロトン);4.59m(1H、Trp CαH);3.75−4.65m (脂肪族プロトン);3.19dd及び2.91dd(2H、Trp CβH) 。 第1ライブラリー(図式XII、A)の第2の成分である下記の化合物II. : を化合物Iと同じ図式により、α−ブロモバレリン酸(40μl)、4−メチル −アミノピペラジン(100μl)及びシクロヘキシル酢酸(80mg)をサブ ユニットとして用いて合成した。化学式:C294463、MS理論値 524 .7、MS実測値−525.3(M+H)+、558.2(M+Na)+及び57 3.2(M+K)+。 第1ライブラリー(A)の第3の成分である下記の化合物III: を化合物Iと類似の図式により、α−ブロモトルイル酸(120mg)、フルオ レニルメチルオキシカルボニルアミノエチルメルカプタン(280mg)(ピペ リジン/DMFによるカップリング後に脱保護)及びフェノキシ酢酸(80mg )を構成単位として用いて合成した。化学式:C293044S、MS理論値 530.6、MS実測値−553.0(M+Na)+。 7.3 考察 本実施例は、コーディング配列と平行する非ペプチド構造を構築することがで きることを示すものである。ライブラリー間の相違はSCALリンカーの位置で あり、これにより生成物の選択的な切断が可能である。第1のケース(図式XI II上段)ではリンカーの切断により、リシン部分を介してコーディングペプチ ド構造に結合している非ペプチド化合物X3−X2−X1−Trp(Trpは分光 法によるモニターのために結合した)が放出される。第2のケース(図式XII I下段)ではリンカーの切断により、コーディングペプチド構造が結合していな い非ペプチド化合物X3−X2−X1 −Trpが放出される。非ペプチド化合物の構築には(i)α−ブロモ置換カル ボン酸又はブロモメチル安息香酸の固体支持体にある利用可能なアミノ基への結 合、(ii)アミン又はN−保護アミノメルカプタンのアミノ基(Zucker man et al.,1992,J.Am.Chem.Soc.114:10 646−10647)又はチオール基のアルキル化、及び(iii)カルボン酸 誘導体による生成アミノ基のアシル化が含まれる。構築したスクリーニング分子 構造の割り当て(assignment)が構築物の分子量のみに基づくように 、この実験のための構成単位を選択した(表1参照)。スクリーニング構造への 未変性構成単位の導入後(又は前)には、必ず分子のもう一方のアームへのコー ディングアミノ酸のカップリングを行った。コーディングにはグリシン、アラニ ン及びロイシンのみを用いた(従ってこれらのアミノ酸はランダム化の全工程で 異なる構造成分をコーディングした)。係るアミノ酸の特定の構造成分の割り当 てを図式IXに示す。ポリマーマトリックスに結合した2−ブロモペンタン酸に よる本実験に用いたアミン又はチオールのアルキル化により、キラル中心をもつ 化合物が生成し、従って構造組合せ数は27ではなく36である。しかしながら 27の異なるビーズ型が(異なる分子量の配列でスクリーニングして)生成する のみであり、そのうちの9ビーズはジアステレオマー化合物の混合物を含んでい る。混合物の分析を容易にし、ポリマー支持体でこの型の合成を行うことができ ることを証明するために、モデルライブラリーの合成と同じ化学的方法及びポリ マー支持体により、可能な構造の3つを個々の化合物として再合成した。 SCALリンカー還元後に生成した混合物を支持体から切断し、 逆相HPLCによって分析した。得られたピーク数は予測した数36にほぼ一致 していた。第1型のライブラリーのそれぞれのピークを回収した。回収した各分 画の一部にEdman分解を行い、また別のものには質量分析を行った。得られ た結果により、ペプチド配列によるコーディングの原理を実行することは可能で あることが確認され、配列決定及び質量分析による分子量測定値に相関が認めら れることが確認される(表2)。 第2ライブラリーより無作為に選択したビーズで別の分析を行った。SCAL リンカーを不安定にするために還元剤によりそれぞれのビーズを処理し、非ペプ チド構造をTFA/水の混合液で切断した。この処理の後にビーズを連続的に配 列決定し(表II参照)、非ペプチド化合物の構造を推定した。切断した化合物 をミクロHPLC系で分析した。 8.実施例:ライブラリー:XXXX−Lys(XXXX)−Lys (ZZ)−βAla−Gly−βAla−Gly−TG 本実施例では、試験化合物ペプチドの配列決定可能な部分と同時にペプチドの 配列決定不可能な部分のコーディングために、コーディングペプチドを用いるこ とができることを示す。 8.1.材料及び方法 8.1.1.ライブラリーの合成 以下のプロトコルに従い、ライブラリーを合成した。1.Fmoc Lys( Boc)のH−βAla−Gly−βAla−Gly−TGへのカップリング; 2.Fmoc切断; 3.Fmoc−Lys(Fmoc)カップリング; 4 .Boc切断; 5.樹脂 を9つに分けた後に以下のDdz保護アミノ酸を別々の反応でカップリングした :A,D,I,K,M,N,S,T,V; 6.Fmoc切断; 7.9つのF moc保護アミノ酸を別々の反応でカップリングした:Y,G,F,L,H,P ,Q,R,E(Yは既にAなどを結合している樹脂の部分にカップリングした。 ); 8.樹脂を一緒にしてDdzを切断した; 9.5−7の工程を繰り返す ; 10.Fmoc切断; 11.9つのFmoc保護アミノ酸のカップリング :Y,G,F,L,H,P,Q,R,E; 12.10−11の工程を繰り返す ; 13.Fmoc切断; 14.側鎖保護基及びDdzを混合物K(King et al.,1990,Int.J.Pep.Protein Res.3 6:255−266)で取り除いた。 1つのビーズに4サイクルのEdman分解を行った:第1サイクル:Arg (64),Ile(67); 第2サイクル:Gly(45),Thr(14) ;第3サイクル:Phe(42);第4サイクル:Arg(35)。Ileは カップリングのためにDdzで保護されており、第1サイクルで検知された。I leはPheをコーディングし、Pheは第3サイクルで検知された。第2サイ クルで、ThrはDdzで保護されるようカップリングされたアミノ酸として検 知された。従ってThrにコーディングされたArgは、配列決定の第4サイク ルで検知された。 8.1.2.ライブラリーのスクリーニングプロトコル 発表されている方法(Lam and Lebl,1992,Immunom ethods 1:11−15)に従い、ペプチドライブラリーをスクリーニン グした。DMFを取り除くために、ペプ チドビーズをまず2回蒸留した水と混合した。PBS(137mM NaCl, 2.7mM KCl,4.3mM Na2HPO4,1.4mM NH2PO4,p H7.2)で徹底的に洗浄した後に、非特異的結合をブロックするために0.0 5%ゼラチン(w/v)でビーズをコーティングした。次に、2xPBS/Tw een/ゼラチン(2xPBS、0.1%Tween−20(v/v)及び0. 05%ゼラチン(w/v))中の2mg/mlのストレプトアビジン(stre ptavidin)−アルカリホスファターゼ(Pierce;Rockfor d,IL)の1:100,000希釈液で、ビーズをインキュベーションした。 次にビーズをTBS(137mM NaCl、2.7mM Kcl、25mM Tris塩基、pH7.4)で徹底的に洗浄し、標準基質5−ブロモ−4−クロ ロ−3−インドイルリン酸を加えた。次にビードを基質と共に、呈色反応のため にシャーレに移した。30分から1時間後に呈色ビードをミクロピペットを用い て回収し、6MグアニジンハイドロクロライドpH1.0で洗浄して前記の方法 により配列決定を行った。 次に、無色ビーズの残りのライブラリーを8Mグアニジンハイドロクロライド 、pH2.0でリサイクルし、PBSで徹底的に洗浄し、2xPBS/Twee n/ゼラチン中の60pMビオチニル化抗−β−エンドルフィン(クローン3− E 7,Boehringer Mannheim)で一晩培養した。徹底的に 洗浄した後に、ストレプトアビジン−アルカリ性ホスファターゼを加えた。1時 間後にビーズを洗浄し、基質を加え、上記方法に従い呈色反応を行った。次に呈 色ビーズを物理的に分離し、配列決定を行った。これら2つの実験では、最も呈 色の強いビーズのみに配列決定を行った。 8.2 結果及び考察 上記のセクション6及び7は、「試験化合物」を「コーディング」ペプチド配 列によりコードできることを示すものである。この原理はまた、ペプチド鎖内に 配列決定できない成分を含むペプチドの構造を決定するのにも用いることができ る。この場合は、配列決定できない部分の後にあり、分子のカルボキシル末端に 位置するアミノ酸残基をコーディングすることのみが必要である。本発明者らは 、「試験化合物」は配列決定不可能な成分を実際には含んでいないが、この状態 を擬態するライブラリーを構成した。ライブラリーの構造を図式XIVに示す。 「試験化合物」アームのアミノ酸残基X4及びX3は、「コーデイング」アーム のアミノ酸残基のいずれによってもコードされない。アミノ酸Z1及びZ2は残基 X1及びX2をコードし、「試験」配列中の2分の1の濃度のアミノ酸中に存在す る。2サイクルのEdman分解により、対象ペプチドの構造が明らかになる。 より多く検知されるアミノ酸は、「試験」配列の1位又は2位の残基である。よ り少なく検知されるアミノ酸は配列の4位又は3位をコーディン グする残基である。コーディングアミノ酸はコーディングしようとするアミノ酸 と同じでも異なっていてもよい。本実施例に用いたコーディング及びスクリーニ ングアミノ酸セットを、図式XIVに示す。 ライブラリーの合成を、3つのアミノ保護基の組合せを用いて実施した。「ス クリーニング」配列中のα−アミノ基の一時的な保護を、ジメチルホルムアミド 中のピペリジンにより切断できるFmoc基により行った。「コーディング」配 列の一時的な保護を、希釈したトリフルオロ酢酸(2%)で切断可能なDdz基 (Birret al.,1972,Liebig’s Ann.Chem.7 63:162−173)を用いて行った。より高濃度のトリフルオロ酢酸(50 %)で切断可能なtert−ブチル型保護基により、側鎖官能基を保護した。標 識配列によるランダム化の1サイクルは、(i)この工程でランダム化するアミ ノ酸数と対応する反応 器に樹脂を分け、(ii)Fmoc保護アミノ酸(Y,G,F,L,H,P,Q ,R,E)をカップリングし、(iii)洗浄、Ddz基切断および中和を行い 、(iv)対応するDdz保護アミノ酸(A,D,I,K,M,N,S,T,V )をカップリングし、(v)固体支持体を混合し、Fmoc基脱保護する、こと から成る。 このライブラリーを用いて、2つのモデル標的である抗−β−エンドルフィン モノクローナル抗体及びストレプトアビジンについてスクリーニングした。ポジ ティブビーズ(positive bead)を標準染色法(Lam and Lebl,1992,Immunomethods.1:11−15;Lam et al.,1991,Nature 354:82−85)により同定し、 このスクリーニングで同定したビーズ(各標的につき5つ)に2サイクルのEd man分解を行った。2サイクルのEdman分解の結果を表3に示す。ここで 明らかなように、ストレプトアビジンポジティブビーズにより、全例において第 1サイクルではH(X1)及びS(Z1)(Q、X3をコーディング)、第2サイ クルではP(X2)及びI(Z2)(F、X4をコーディング)が与えられた。従 って、スクリーニングアームHPQFの配列は容易に解読できた。抗−β−エン ドルフィンスクリーニングで同定したビーズでは、より多様な結果が得られた。 Y(X1)及びD(Z1)(G、X3をコーディング)以外に、N(Z1)(G、X3 をコーディング)も第1サイクルで検知され、G(X2)及びI(Z2)(F、 X4をコーディング)及びK(Z2)(L、X4をコーディング)が第2サイクル で検知された。従って、これらのデータから配列YGGL(3x)、YGGF及 びYGPFが構成できた。これらの配列は過 去に得られたデータ(Lam and Lebl,上記;Lamet al., 1991,上記;Lam et al.,1993,Bioorg.Med.C hem.Lett.3:419−429)と一致している。 これらの実験から、部分的又は完全に配列決定が不可能であるその他の構造を コーディングするために、ペプチドを用いることができることを明らかに証明さ れる。リガンド受容体分子相互作用試験及び薬剤開発に広範に応用することがで きるために、この技術は重要な意義をもつ。コードされたライブラリーにより、 これに類する広範な試みを、薬剤合成及び非ペプチドライブラリースクリーニン グに応用することへの道が開かれる。 9.実施例:固相ペプチド合成化学に基づく非ペプチド構造ライブ ラリー 本実施例はペプチド構造合成の簡潔さと、標準アミノ酸以外の代わりのサブユ ニットを用いることによる多様性を組み合わせるものである。ライブラリー構造 の最も単純なサブユニットはセクション5.5.9.で説明した。 本ライブラリーの合成では、構造を多様なものにするために、3官能性アミノ 酸の使用及び側鎖の変性を行う。ジアミノ酪酸、アスパラギン酸、シスチン及び /又はイミノジ酢酸等のアミノ酸は、側鎖にカルボン酸、アミン、イソシアネー ト又はハロゲン化物(脂肪族、芳香族、複素環式化物)を結合させる最小のサブ ユニットである。これらのアミノ酸はそれ自体、さらなる誘導のための足場(s caffold)として作用することができる。 受容体(acceptor)たとえばレセプター、抗体、酵素、核酸等)への適切な結合 を達成するためには、相互作用する構造の適切な立体配置が必要である。ペプチ ドライブラリーのアミノ酸側鎖を線で表したものは、最良の結合構造を選択する ための最適なフォーマットではない可能性がある。相互作用構造を表すための最 適方法は、適切なコンホメーションスペースをマッピングする分子足場上に表す ことであろう。異なる側鎖のみならず異なる足場を用いて、足場配置に於ける同 じ個々のビルディングブロック間の内部関係を変化させることができる。 9.1 材料及び方法 9.1.1 機器 高速原子衝撃(FAB)質量分析による測定を、ZAB EQ分 光計(VG Analytical Ltd,Manchester,UK)に より行った。1H NMRスペクトルを、General Electric( Fullerton,CA)QE300装置によって測定した。Edman分解 による配列決定を、ABI4778タンパクシークエンサー(Applied Biosystems,Foster City,CA)によって行った。分析 及び分取的HPLCをいずれも、それぞれVydac Peptide及びPr otein C18分析(4.6x250mm、5μm、1ml/分)及び分取 的(10x250mm、10μm、3ml/分)カラムを用いて、Waters 490E Programmable Multiwavelength D etectorを装備したWaters 625 LC系により行った。1つの ビードから遊離した混合物の分析を、Reliasil C18カラム(5μm 、300A、1x150mm)を用いて、Ultrafast Micropr otein Analyzer(Michrom BioResources, Pleasanton,CA)により行った。CDCl3又はCD3SOCD3の いずれかを溶剤として用いてテトラメチルシラン(δ)と比較して、全スペクト ルをppmで表わす。紫外線/可視光線吸収スペクトルを、1cmの石英キュベ ットを用いて、Hewlett Packard HP 8452A Diod e−Array分光光度計により記録した。アミノ酸分析をD−500syst em(Durrum Corp.,Palo Alto,CA)系により実施し た。 9.1.2 手順 固相合成をKrchnak及びVagner記述の方法(199 0,Peptide Res.3:182−193)に従い、ポリプロピレン注 射器により手操作で行った。SCALハンドルで変性した(Patek及びLe bl,1991,Tetrahedron Lett.32:3891−389 4)(safety-catchアミドリンカー)TentaGel S NH2(TG)樹 脂(Rapp Polymere,Tubingen,Germany,130 又は80μm,0.23mmol/g)、又は適切なリンカーによって分析を実 施した。Fmoc保護基を50%ピペリジン/DMFで1x10分間切断し、T fa基を10%ピペリジン/水により処理を繰り返して(3x1分+90分)切 断した。Npys基をジオキサン中0.3M HCl溶液で5+30分間除去し 、Aloc基をDMF/AcOH/N−Me−モルホリン(10:2:1)中の (Ph3P)4Pdにより除去し、Boc基を3%アニソールを含む30%TFA /DCMで20分間切断した。Boc切断後に、DIEA/DCM(10%)溶 液を中和のために用いた。DMF中のBOP/HOBt/DIEA(1:1:2 当量)混合液を、Nα−Fmoc及びBocアミノ酸の両者の活性化のために用 いた。各縮合反応(1.5−40時間)の完了をニンヒドリン試験によって、又 は第2級アミノ基へのカップリングの場合はクロラニル試験によって確認した。 カップリングプロトコルは、カップリング及び脱保護の間、及び脱保護及びカッ プリングの間にDMFによる洗浄(6−8回)(Boc保護アミノ酸の場合は次 にDCMによる洗浄を行った)が含まれるものであった。SCALリンカーをD MPU中の20%(EtO)2P(S)SHによって2時間還元した。最終切断 を95%TFA−5%水の混合液によって行った。 9.1.3 試薬 市販の溶剤をさらに精製することなく使用した。保護アミノ酸は、Bache m(Torrance,CA)、Advanced ChemTech(Lou isville,KY)又はPropeptide(Vert−le−Peti t,France)より入手した。アミン及びカルボン酸をAldrich(M ilwaukee,WI)より入手した。 9.1.4 非ペプチド足場上の非ペプチドライブラリー合成 モノ tert.ブチルオキシカルボニルエチレンジアミン 本化合物を過去に記述された方法(Krapcho et al.,1990 ,Synthetic Commun.20:2559−2564)に従って調 製した。簡単に述べると、ジオキサン(50ml)中のtert.ブチルジカー ボネート(5.0g,0.023mol)溶液を、ジオキサン(60ml)中の エチレンジアミン(11.0ml、0.165mol)にゆっくり加えた。24 時間撹拌した後に溶剤を蒸発して残渣を水(80ml)に溶かし、不溶性の副生 成物をろ過除去してろ液をジクロロメタンで抽出した(3x100ml)。溶剤 を蒸発させた後に、ジエチルエーテル−石油エーテル又は酢酸エチル−石油エー テルの溶剤混合液で生成物を結晶化した。収量(収率)2.6g(71%)。N MR(300 MHz,DMSO−d6,25℃)、d:1.39(s,9H, tBu),2.83(m,2H,Ca2),3.16(q,2H,Cb2),6 .93(t,1H,NH),7.77(br,2H,NH2)。融点75℃。 N−tert.ブチルオキシカルボニル−N’−フルオレニルメ チルオキシカルボニルエチレンジアミン アセトニトリル(300.0ml)中のフルオレニルメチルサクシニミジルカ ーボネート(31.0g,0.092mol)溶液を、10%Na2CO3水溶液 (250ml)に溶解したモノ tert.ブチルオキシカルボニルエチレンジ アミン(10.0g,0.063mol)にゆっくりと加えた。アセトニトリル を蒸発して生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相をNa2CO3上で乾燥し、濃縮 し、石油エーテルを加えて生成物を結晶化した。生成物をフィルタに回収し、石 油エーテルで洗浄した。収量(収率)20.0g(84%)。TLC石油エーテ ル−ジエチルエーテル88:12 Rf 0.64。NMR(300 MHz, DMSO−d6,25℃)、d:1.37(s,9H,tBu),2.99(m ,4H,CH2CH2),4.20−4.29(m,3H,Fmoc OCH2C H−),6.76(t,1H,NH),7.25(t,1H,NH),7.33 −7.89(m,8H,Fmoc)。融点146−148℃。 モノ N−フルオレニルメチルオキシカルボニルエチレンジアミントリフルオ ロアセテート N−tert−ブチルオキシカルボニル−N’−フルオレニルメチルオキシカ ルボニルエチレン−ジアミン(20.0g,0.052mol)を、トリフルオ ロ酢酸、アニソール及びジクロロメタン(10:10:1)により室温で1時間 処理した。蒸発乾固後に、酢酸エチル−n−ヘキサンの混合溶剤から粗生成物を 結晶化した。収量(収率)15.0g(73%)。NMR(300 MHz,D MSO−d6,25℃)、d:2.85(m,2H,Ca2), 3.22(m,2H,Cb2),4.23−4.36(m,3H,Fmoc O CH2CH−)、7.37(m,1H,NH),7.34−7.89(m,8H ,Fmoc),7.77(br,2H,NH2)。融点128−129℃。 cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−5−カルボサイク リックアシッド−1,3−ジカルボキシリックアンハイドライド(1) [(cis,cis−1,3,5−)Trimethylcyclohexan e−5−carbocylic acid−1,3−dicarboxylic anhydride)] 化合物(1)を過去に記述された方法(Askew et al.,1989 ,J.Am.Chem.Soc.111:1082−1090)に従って調製し た。簡単に述べると、Firestoneバルブ及びDean−Starkトラ ップを用いて、cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1, 3,5−トリカルボン酸(1.0g,0.004mol)をキシレン(50ml )中で19時間窒素雰囲気中で還流した。得られた溶液を真空下で濃縮し、生成 物を結晶化した。ろ紙に回収した後に生成物を真空下で、70℃で1時間乾燥し た。収量(収率)0.78g(82%)。NMR(300 MHz,DMSO− d6,25℃)、d:1.10(s,3H,CH3),1.16(s,6H,2C H3),1.33,2.39(d,d,4H,2CH2),1.33,2.15( d,d,2H,CH2),12.60(s,1H,COOH)、融点252−2 53℃、lit.(32)、融点252−254℃。 5−(N−tert.ブチルオキシカルボニルアミノエチルカル ボキサミド)−cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1, 3−ジカルボン酸(2) 酸無水物(1)(0.5g、0.002mol)をDMF(4ml)に溶解し 、DMF(4ml)に溶解したモノ tert.ブチルオキシカルボニルエチレ ンジアミン(0.33g、0.002mol)を窒素雰囲気中で加えた。反応混 合物を約5時間撹拌した後(TLCでモニターしながら)、DMFを蒸発させた 。酢酸エチル−石油エーテル混合溶剤で生成物を結晶化した。収量(収率)0. 38g(47%)。NMR(300 MHz,DMSO−d6,25℃)、d: 1.08(s,3H,CH3),1.13(s,6H,2CH3),1.34(s ,9H,tBu),1.07,2.51(d,d,4H,2CH2),2.43 (d,2H,CH2),2.96(m,4H,2CH2),6.70(t,1h, NH),7.71(t,1H,NH),12.10(s,1H,COOH)。融 点161−164℃。 5−(N−tert.ブチルオキシカルボニルアミノエチルカルボキサミド) −cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボ キシリックアンハイドライド(3) DCM(70ml)中のジカルボン酸(2)(1.0g,0.0025mol )溶液に、ジクロロヘキシルカルボジイミド(0.55g、0.002mol) を窒素雰囲気中で加えた。4時間撹拌した後に反応混合液を濃縮し、ジシクロヘ キシル尿素をろ過して取り除いた。ろ液を蒸発乾燥して残渣を酢酸エチル−石油 エーテルの混合溶剤で結晶化し、真空下でデシケーター(KOH、P25)内で 乾燥した。収量(収率)0.9g(95%)。 5−(N−tert.ブチルオキシカルボニルアミノエチルカルボキサミド) −3−(N−フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノエチルカルボキサミド )−cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸 (4) アンハイドライド(3)(0.85g,0.002mol)をDMF(10m l)に溶解し、トリエチルアミン(pH8.5に調節)存在下でDMF(15m l)中モノ N−フルオレニルメチルオキシカルボニルエチレン−ジアミントリ フルオロアセテート(0.88g、0.002mol)溶液を窒素雰囲気中で加 えた。反応混合物を4時間撹拌し(TLCでモニターしながら)、蒸発乾固した 。粗生成物を、溶媒系DCM−MeOH 25:1中でフラッシュクロマトグラ フィー(Silica Gel Merck 60 230−400メッシュ) にかけた。純粋な生成物を含む分画を一緒にして蒸発乾固し、生成物を酢酸エチ ル−石油エーテルの混合溶剤で結晶化した。収量(収率)0.32g(24%) 。NMR(300 MHz,DMSO−d6,25℃)、d:1.08(s,6 H,2CH3),1.14(s,3H,CH3),1.35(s,9H,tBu) ,4.25(m,3H,Fmoc OCH2 CH−),6.86(t,1H,N H),7.32−7.89(m,8H,Fmoc)。融点118−121℃。 非ペプチド足場上の非ペプチドライブラリー 化合物(4)を非ペプチドライブラリーの足場用に使用した。TentaGel S NH2(0.4g,置換0.21m当量NH2/g)を、以下のプロトコル に従って固相合成した。 9.1.5 TENTAGEL上のブランチドライブラリー TentaGel S NH2(5g,0.23mmol/g,ビーズの大き さ130μm)をDMF中で予め膨潤させ、以下のプロトコルに従ってブランチ ドライブラリー(branched library)を形成した。 (1)SCALリンカーのカップリング;(2)Fmocの脱保護;(3)Fm oc−Lys(Tfa)のカップリング;(4)Fmocの脱保護;(5)Fm oc−β−Alaのカップリング;(6)Fmocの脱保護;(7)Fmoc− Lys(Boc)のカップリング;(8)Fmocの脱保護;(9)Fmoc− β−Alaの カップリング;(10)Bocの脱保護;(11)第1次ランダム化;(12) Fmocの脱保護;(13)第2次ランダム化;(14)Tfaの脱保護;(1 5)Fmoc−Lys(Tfa)のカップリング;(16)Fmocの脱保護; (17)Fmoc−β−Alaのカップリング;(18)Fmocの脱保護;( 19)第3次ランダム化;(20)Tfaの脱保護;(21)第4次ランダム化 ;(22)側鎖の脱保護。それぞれのランダム化に於いて以下の酸をカップリン グした:酢酸、n−酪酸、ピバリン酸、n−カプロン酸、安息香酸、フェニル酢 酸、4−フェニル酪酸、ジフェニル酢酸、1−アダマンタン酢酸、コハク酸、グ ルタル酸、グリシン、β−アラニン、エプシロン−アミノ−n−カプロン酸、グ アニド酢酸、ガンマ−グアニジノ酪酸、サクシンアミド酸、p−ヒドロキシ安息 香酸、2−フランカルボン酸及びイソニコチン酸。これらのサブユニット、及び 各サブユニットに対応するアミノ酸コードを表4に示す。市販品を入手できる場 合(10当量の無水物、1.2当量のDIEA)はアミノ酸を無水物としてカッ プリングし、又はこれらを20分間予め活性化した(酸12当量、DIC10当 量、HOBt10当量)。グアニジノ酸はDMFに非常に難溶であるため、HO Bt及びLiClを含むDMF中にグアニジノ酸(12当量)を溶かし、DIC で活性化した。しかしながら、対照実験ではこれらの条件で約70乃至80%の カップリングが観察されるに留まった。合成終了後にライブラリーをTFA(3 x)、DCM(5x)、DMF(5x)、DMF/0.1%HCl(1:1)( 3x)、及び0.02%HClで洗浄した。 9.1.6 TENTAGEL上のブランチドコード化ライブラリー TentaGel S NH2(5g、0.23mmol/g、ビードの大き さ130μm)をDMF中で予め膨潤させ、以下のプロトコルに従ってコーデイ ング配列をもつブランチドライブラリーを形成した。(1)Fmoc−Lys( Ddz−Gly)のカップリング;(2)Fmocの脱保護;(3)Fmoc− Lys(Tfa)のカップリング;(4)Fmocの脱保護;(5)Fmoc− β−Alaのカップリング;(6)Fmocの脱保護;(7)Fmoc−Lys (Npys)のカップリング;(8)Fmocの脱保護;(9)Fmoc−β− Alaのカップリング;(10)Fmocの脱保護;(11)第1次ランダム化 ;(12)各反応器で個別に行うDdzの脱保護;(13)Fmoc−保護コー ディングアミノ酸のカップリング;(14)Npysの脱保護;(15)第2次 ランダム化;(16)各反応器で個別に行うFmocの脱保護;(17)Fmo c−保護コーディングアミノ酸のカップリング;(18)コーディングアームか らのFmocの脱保護;(19)Ddz−Pheのカップリング;(20)Tf aの脱保護;(21)Fmoc−Lys(Npys)のカップリング;(22) Fmocの脱保護;(23)Fmoc−β−Alaのカップリング;(24)F mocの脱保護;(25)第3次ランダム化;(26)各反応器で個別に行うD dzの脱保護;(27)Fmoc−保護コーディングアミノ酸のカップリング; (28)Npysの脱保護;(29)第4次ランダム化;(30)各反応器で個 別に行うFmocの脱保護;(31)Fmoc−保護コーディングアミノ酸のカ ップリング;(32)Fmocの脱保護;(33)側鎖の脱保護。ライブラリー をTFA(3x)、DCM(5x)、DMF(5x)、DMF/0.1%HCl (1:1)(3x)、及び0.02%HClで洗浄した。 9.1.7 ファーストフローセファロース(FFS)上の コーデイングを有するブランチドライブラリー FFS(Fast Flow Sepharose:ファーストフローセファ ロース)を、粒子大きさ分布幅を小さくする(ビードの大きさ85−125um )ためにふるいにかけ、ペプチド合成の反応器に入れてDMFで10回洗浄した 。DMF中のFmoc−Gly(2.97g)をDIC(1.57ml)及びH OBt(1.35g)で活性化し、10mlのFFSに加えた。0.25gのジ メチルアミノピリジンを触媒として反応させ、懸濁液を一晩振とうした。Fmo c−Gly−FFSをDMFで10回洗浄し、Fmocを切断して樹脂をDMF で洗浄し、302nmでの脱保護溶液の吸光度によって置換率を計算した。典型 的な置換率は0.1mmol/mlであった。次に、Fmoc−β−Ala及び Boc−β−Alaの混合物(モル比3:1)をDIC及びHOBtにより活性 化し、3モル過剰量でGly−FFSにカップリングした。FFSをDMFで1 0回洗浄してFmoc基を除去し、遊離アミノ基をAc2O/Py(1:1)で 10分間アセチル化した。DMF及びDCMで10回洗浄した後に、TFA/D CM/アニソール(45:45:10)で5+30分間Bocを除去し、FFS をDCMで洗浄し(10回)、2%DIEA/DCMで中和し(各1分、3回) 、DMFで10回洗浄した。 コーデイング配列を有するブランチドライブラリーを以下のプロ トコルに従って調製した。(1)Fmoc−Lys(Ddz−Gly)のカップ リング;(2)Fmocの脱保護;(3)Fmoc−Lys(Alloc)のカ ップリング;(4)Fmocの脱保護;(5)Fmoc−β−Alaのカップリ ング;(6)Fmocの脱保護;(7)Fmoc−Lys(Npys)のカップ リング;(8)Fmocの脱保護;(9)Fmoc−β−Alaのカップリング ;(10)Fmocの脱保護;(11)第1次ランダム化;(12)各反応器で 個別に行うDdzの脱保護;(13)Fmoc−保護コーディングアミノ酸のカ ップリング;(14)Npysの脱保護;(15)第2次ランダム化;(16) 各反応器で個別に行うFmocの脱保護;(17)Fmoc−保護コーディング アミノ酸のカップリング;(18)コーディングアームからのFmocの脱保護 ;(19)Ddz−Pheのカップリング;(20)Allocの脱保護;(2 1)Fmoc−Lys(Npys)のカップリング;(22)Fmocの脱保護 ;(23)Fmoc−β−Alaのカップリング;(24)Fmocの脱保護; (25)第3次ランダム化;(26)各反応器で個別に行うDdzの脱保護;( 27)Fmoc−保護コーディングアミノ酸のカップリング;(28)Npys の脱保護;(29)第4次ランダム化;(30)各反応器で個別に行うFmoc の脱保護;(31)Fmoc−保護コーディングアミノ酸のカップリング;(3 2)Fmocの脱保護;(33)側鎖の脱保護。ライブラリーをTFA(3x) 、DCM(5x)、DMF(5x)、DMF/0.1%HCl(1:1)(3x )、及び0.02%HClで洗浄した。 9.1.8 混合ペプチド及び非ペプチドサブユニットのライブラ リー TentaGel S NH2、90μm、(Rapp Polymere, Germany)(2g、置換率0.25mmol/g、0.5mmol)上で ライブラリーを合成した。まず全配列において同一の配列Gly−βAla−G ly−βAla−Gly−Lys(Tfa)−TGを、5当量過剰の活性化Fm oc−アミノ酸(DIC/HOBt活性化)により合成した。N−末端Fmoc −脱保護後に、17:8:5:1:1:1:1:1:1の比率(36部、1部当 たり0.014mmol)で樹脂を9ポーション(portion)に分けた。 本ライブラリーで用いるサブユニット構造を、各サブユニットのアミノ酸ジペプ チドコードとともに図8に示す。各ポーションに加えたサブユニットを括弧内に 記載する。これらのポーションをさらに以下のように処理した。 17−部ポーション(X2=1−17):Fmoc−Dab(Boc)−OH をカップリングして(5当量過剰)、Boc−側鎖保護基をTFA/DCM/ア ニソール(50:50:2、15分)で除去し、洗浄工程後にこのポーションを 17部に分けた。標準DIC/HOBt活性化により、対応する酸をフリー側鎖 アミノ基にカップリングした。 8−部ポーション(X2=18−25):Fmoc−Asp(OBut)−OH をカップリングして(5当量過剰)、But−側鎖保護基をTFA/DCM/ア ニソール(50:50:2、15分)で除去し、洗浄工程後にこのポーションを 8部に分けた。下記の方法により、対応するアミンを側鎖にカップリングした。 5−部ポーション(X2=30−34):Fmoc−IDA−アンハイドライ ド溶液(10当量、2mlのDMF中0.7mmol)を樹脂に加えて30分間 振り混ぜた。この操作を再度行って、樹脂をDMFで洗浄して5部に分けた。ア ミンを以下の方法に従ってカップリングした。 構造18−25及び構造30−34を結合させるために用いる側鎖アミンの一 般的なカップリング手段は以下の通りである。樹脂結合カルボキシ基(1部当た り0.014mmol)を、0.4mlのDMF中DIC/HOBt(10当量 )混合液により30分間活性化した。この混合液を洗浄せずに除去し、0.2m lのDMF中の適切なアミン30当量を加えた。p−トルイジンの場合は、塩酸 化物を中和するために等モル量のDIEAを加えた。樹脂を1時間振り混ぜてD MFで洗浄した。 1−部(単一の)ポーション(X2=26−29、35、36):イミノジ酢 酸のN−Fmoc−保護モノアミド(構造26−29に対して)(10当量、1 部当たり0.014mmol)及びFmoc−Cys(Bzl)−OH及びFm oc−D−Pen(Bzl)−OH(5当量、0.07mmol)を、DIC/ HOBt活性化によりそれぞれ単一のポーションにカップリングした。 全36ポーションにさらに実施する手順:N−末端Fmoc−基をピペリジン /DMFにより切断した。サブユニット1−25、35、36にBoc−Gly −OHをDIC/HOBt活性化(5当量、1部当たり0.07mmol)によ りカップリングした。サブユニット26−34をDMF中Boc−Gly−OH の対称な無水物(10当量、1部当たり0.12mmol)と一晩反応させた。 コーデイングの手順:Lys(Tfa)−保護基(全36部に於いて同一)の 切断:樹脂を水で洗浄して20%ピペリジン/H2O(2回、10+30分)で 処理した。次に、樹脂を水及びDMFで洗浄した。次に、標識のN−末端Fmo c−保護基を切断せずに、Fmoc−法(DIC/HOBt活性化、10当量、 1部当たり0.14mmol)により全配列の標識を合成した。標識のコーデイ ング配列を図8に示す。次に全36ポーションを回収し、混合して2ポーション に分けた。主半分のみ鎖のBoc−保護基脱保護後に、Boc−Glyをカップ リングした。両ポーションを混合し、Boc−保護基を除去して樹脂を13ポー ションに分けた。Fmoc−Tyr(But)−OH、Fmoc−Trp−OH 、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Thr(But)−OH、F moc−His(Trt)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Phe −OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asn−OH、Fmo c−Ser(But)−OH、Fmoc−Glu(OBut)−OH、Fmoc− Asp(OBut)−OH及びFmoc−Gln−OH(10当量、0.38m mol)を、DIC/HOBt活性化によりこれら13ポーションにカップリン グした。側鎖脱保護:Boc−及びBut−側鎖保護基をTFA/DCM/アニ ソール(50:50:2)(15分間処理)により切断し、1滴のiPr3SiH を加えた同じ混合液により、Trt−基を15分間切断した。Pmc−基を混合 物Kで1時間切断した。洗浄及び中和工程(DCM、7%DIEA/DCM、D MF)の後に、全13ポーションを回収してN−末端Fmoc−基を切断した。 次にライブラリーをDMFで洗浄し、0.1%HCl水溶液に 移した。 9.1.9 ライブラリーのスクリーニングプロトコル 発表されている方法(Lam及びLebl,1992,Immunometh ods 1:11−15)に従って、ペプチドライブラリーをスクリーニングし た。まずDMFを除去するために、ペプチドビーズを2回蒸留した水と混合した 。PBS(137mM NaCl、2.7mM KCl、4.3mM Na2H PO4、1.4mM KH2PO4、pH7.2)で徹底的に洗浄した後に、非特 異的結合を完全にブロックするためにビーズを0.05%ゼラチン(w/v)で コーティングした。次に、2xPBS/Tween/ゼラチン中の60pMビオ チニル化抗−β−エンドルフィン抗体(クローン3−E 7、Boehring er Mannheim)で、ビーズを一晩インキュベートした。徹底的に洗浄 した後に、ストレプタビジン−アルカリホスファターゼを加えた。1時間後にビ ーズを洗浄して基質を加え、上記の方法に従って呈色反応を行った。次に呈色ビ ーズを物理的に分離し、配列決定を行った。 9.2 結果及び考察 Kempトリアシッド(Kemp’s triacid)(Kemp及びPe trakis,1981,J.Org.Chem.46:5140−5143) を用いて(図式XV)代りの非ペプチドスカホールディングを行う。 この構造では、三つのカルボキシル基は3軸コンホメーションにより拘束され る。Dean−Starkトラップを窒素雰囲気中で用いて、脱水により(As kew et al.,1989,J.Am.Chem.Soc.111:10 82−1090)によりアンハイドライド酸を調製した。モノ tert−ブ チルオキシカルボニルエチレンジアミンによる求核反応により、この酸無水物を アミドジアシッド(amide diacid)にした。これらの条件でBo c保護基が不安定であるために、同じ脱水方法をこのアミドジアシッドに応用す ることはできなかった。ペプチド化学固有のアミドアンハイドライド調製の穏 やかな代替方法として、塩化メチレン中で共通のジシクロヘキシルカルボジイミ ド方法を用いた。そこでフルオレニルメチルオキシカルボニル−エチレンジアミ ンにより、アミドアンハイドライドをこれに対応するジアミド酸にした。t ert−ブチルジカーボネートを用いてエチレンジアミンのボシレーション(b ocylation)により調製したBoc−エチレンジアミンを出発原料とし て、モノ保護エチレンジアミンが調製されている(Krapcho et al .,1990,Synthesis Commun.20:2559−2564 )。モノ Boc−エチレンジアミンをそのまま用いて、さらにN−Boc−N ’−Fmoc−エチレンジアミンを介したモノ フルオレニルメチルオキシカル ボニル−エチレンジアミントリフルオロアセテート調製の出発原料として用いた 。 ジアミド酸は、オーソゴナル(orthogonal)基(Ddz、All oc)及びカルボキシル官能基を含む第3鎖を有する足場の合成、又は第3次ラ ンダム化が別々になされる場合は足場そ のものとして用いることができる。完全に非ペプチドのライブラリーを合成する ために、1を用いることを選択した。任意の3官能基アミノ酸をこの目的に用い ることができるが、リシン側鎖で第1次ランダム化を行い、第2及び第3次ラン ダム化を足場で行った。コンホメーションが拘束的であるこの足場を用いて、2 0の異なるカルボン酸でランダム化された非ペプチドライブラリーを構成した。 より大きいコンホメーション空間をマッピングする足場は、ジアミノカルボン 酸の連続的なカップリングにより構成される単純な分枝結合である。大きな空間 を配置する種々の足場は、フレキシブルな環状又は分枝足場である。このような ライブラリーの原理の概要を図4に示す。係るライブラリーの具体的な例を図式 XVIに示す。 この足場の合成には、4個の独立(オーソゴナル)な保護基を用いることを必 要とした。本発明者らは1950年代にペプチド化学に導入されたトリフルオロ アセチル基(Schallenbert及びCalvin,1995,J.Am .Chem.Soc.77:2729)の使用を試みたが、α−アミノ基保護と して用いたときのラセミ化に対する保護に於いてこの基が役にたたないのみなら ず、同基の脱保護に要求される厳しい条件のために使用には至らなかった。この ような基はジメチルホルムアミド中のピペリジンを用いたFmoc脱保護中は切 断されないが、同様にFmoc基を切断するピペリジン水溶液(20%)による 1−2時間の処理によって、完全に切断されることが明らかになった。このライ ブラリー構成に用いた方法は、図式XVにより明かである。 非アミノ酸サブユニットを標準アミノ酸と結合することができる。本発明者ら は936のミニライブラリーを構成してこのアプローチにより妥当な結合を有す る構造が得られることを示した。このミニライブラリーでは、1位にランダム化 したアミノ酸から選択したアミノ酸、2位及び3位に一つ又は二つのグリシンを 有し、更に、アスパラギン酸のβ−カルボキシル基又は側鎖を変性したイミノジ カルボン酸とカップリングした芳香族アミンのセット、又は4位のジアミノ酪酸 側鎖にカップリングした芳香族酸、又はアミノ酸(システイン及びペニシラミン )を含め硫黄側鎖にカップリングしたベンジルハライドを有する。ライブラリー の構造を図式XVIIに示す。 非アミノ酸サブユニットを含む4位は、配列決定中に問題を生じる可能性があ ることから、同位をコーディングした。20を上回るビルディングブロックをラ ンダム化に用いたために、ダブレットアミノ酸コーディング法を採用した(図8 )。構造決定に於ける面倒を避けるために、コーデイングに用いたアミノ酸を1 位のランダム化に用いたアミノ酸及び2位のアミノ酸のセットと重複させなかっ た。6つのアミノ酸のダブレットコドンにより、36までの異なるビルディング ブロックをコーディングし得る。 このミニライブラリーをモデル系である抗−β−エンドルフィンモノクローナ ル抗体に対してスクリーニングした。正の反応を示したビーズに3サイクルのE dman分解を行い、得られたデータより推測した相互反応構造を図式XVII に示す。また、抗−β−エンドルフィンモノクローナル抗体の未変性リガンド構 造を図式XVIIIに示す。 抗−β−エンドルフィンモノクローナル抗体との結合に基づき選択した化合物 を、ビーズ結合型及び遊離型(free form)で合成し、その結合親和性 を測定した。ビーズ結合配列は特異的結合(ロイシンエンケファリンに匹敵する )を示した。図式XVIIIに示すように、抗体への結合は適切な距離をおいて 配置される芳香族基が必要である。しかしながら、係る2つの芳香族基を結合す る構造は、結合親和性に於いて非常に重要である。 10.実施例:樹脂ビーズ上の表面官能基の選択的活性化 本実施例においては、担体粒子の「内側」から、物理的に分離された「表面」 を有する、固相支持体粒子の調製方法、並びに表面上のスクリーニング構造及び ビーズ内のコーディング分子を合成する方法について述べる。この意味における 表面とは、ビーズ上の、高分子受容体分子に接近可能な部分として理解すべきも のである。ビーズ上の利用可能表面は、非常に高分子量の受容体分子については 、ビーズの寸法に基づいて計算した表面積にほぼ対応している。また表面積は、 低分子量受容体分子については、(ポリマービーズ中の全細孔の内表面を含む) 材料の中への浸透を利用する種々の方法で測定できる。ポリマーの網目構造の中 へ自由に浸透する受容体分子は、ポリマー粒子の表面と内側を区別することはで きないものと考えられる。粒子の利用可能表面には、動的成分も含まれている。 10.1.材料及び方法 10.1.1.固相ビーズからの表面成分ペプチドの除去 モデルペプチド(YGGFL,LHPQF,LHPQFYG)は、リンカー( β−Ala−Gly−β−Ala−Gly)を結合したTentaGel AM (Rapp Polymere,Tubingen,Germany,0.21 mmol/g)上で合成した。合成は、Fmoc保護アミノ酸及びジイソプロピ ルカルボジイミドを用いて、カップリング試薬としてのN−ヒドロキシベンゾト リアゾールの存在下で、標準固相法により行った。ペプチドの脱保護は、スカベ ンジャー(エタンジチオール、水、及びチオアニソール)を加えたトリフルオロ 酢酸及びピペリジンのジメチルホルムアミド溶液(20%)により、2段階で行 った。ビーズを丁寧に洗浄 し、0.1M炭酸アンモニウム緩衝液(pH7.7)に移した。キモトリプシン (1mg)を加え、懸濁液を37℃で20時間振とうし、さらに同じ処理(4時 間)を2回繰り返した。各グループからランダムに選択採取したビーズの配列決 定の結果、ビーズ上のペプチド内容物に有意な変化は認められなかった。 10.1.2.ポリマービーズ表面及び内側における異種ペプチド の合成 TentaGel AM樹脂(0.21mmol/g,1g)を、Boc−P heと縮合して修飾した。樹脂を洗浄し、0.1M炭酸アンモニウム緩衝液(p H7.7)の中へ移した。上記と同様にしてキモトリプシン処理を行った。樹脂 を同じ緩衝液と水で丁寧に洗った後、さらにジメチルホルムアミドで洗い、これ を用いて、Fmoc保護基、ジイソプロピルカルボジイミド及びN−ヒドロキシ ベンゾトリアゾールをカップリング試薬として、標準固相合成法により、YGG FL配列を合成した。最終カップリング段階でFmoc−Tyr(But)をカ ップリングした後、Fmoc基を除去せずに、樹脂を50%トリフルオロ酢酸の ジクロロメタン溶液で処理した。次の合成段階では、Boc保護アミノ酸を使用 した。カップリングは、上記と同じ試薬を用いて行い、各段階の後で、50%ト リフルオロ酢酸によりBoc基を除き、ジイソプロピルエチルアミンのジメチル ホルムアミド溶液(5%)で処理してカップリングを行うためのプロトン化アミ ノ基を調製した。スカベンジャー(エタンジチオール、水、及びチオアニソール )入りトリフルオロ酢酸及びピペリジンのジメチルホルムアミド溶液(20%) を用いて、2段階でペプチドを脱保護した。ビーズを丁寧に洗い、前記のように し て抗−β−エンドルフィンで染色する準備を整えた。この方法で染色したビーズ は、YGGFL配列のみを含むビーズと識別できなかった。 10.2.結果及び考察 ビーズの表面からペプチドを選択的に切断するのには、酵素が使用されてきた 。YGGFL及びLHPQFYGの試験配列を調製し、キモトリプシンと共にイ ンキュベートし、ビーズの反応性を試験した。 処理ビーズを、抗−β−エンドルフィン及びストレプトアビジンに結合させる 試験を行った。結果を表5に示す。 YGGFL配列のビーズは、抗−β−エンドルフィン抗体への結合活性を完全 に失っていた(表5)。LHPQF−YGを含むビーズも、ストレプトアビジン に対する活性を完全に失っていた。しかし、LHPQF−YG或いはYGGFL の全量の減少は極めて僅かであった。このことから、ビーズ内側へは、影響が及 ばないことが判った。この場合、LHFQFはキモトリプシンの基質としての性 能が低いので、YGリンカーを使用した。Edman分解を行ったところ、ビー ズ上のペプチド内容物に有意な変化は認められなかった。 これらの予備的な結果に基づいて、キモトリプシンを選択的脱保護試薬として 使用した。キモトリプシン用の単純基質であるBoc−Pheを、固相担体の、 全ての利用可能なアミノ基上で合成した。この修飾樹脂を種々の条件下でインキ ュベートしたところ、ほぼ同量、即ち1.1%のBoc−Pheが放出された。 脱保護アミノ基を、Fmoc法により、YGGFLの合成に使用した。合成後、 放出Fmoc量を定量し、有効アミノ基の約1%が合成に使われたことが確認さ れた。各ビーズ上の残存アミノ基からのBoc保護基は、TFAによって切断さ れ、配列LHPQFをBoc合成によってつくった。全ての保護基を除去し、試 験によって抗−β−エンドルフィンとも、またストレプトアビジンとも、確実に 反応することが明らかになった。 ランダムに選択したビーズについてEdman分解を行い、下記の結果が得ら れた(数値はpmolで表示):第1サイクル:L114,Y<1;第2サイク ル:H86,G<1;第3サイクル:P94,G<1;第4サイクル:Q78, F4(予備観察);第5サ イクル:F73,L<1。Edman分解による分析では、1サイクル当たり1 00−120pmolの水準でLHPQF配列の存在が示され、又、YGGFL 配列に対して期待されるアミノ酸含有量は、無視できる程度であった。このこと から、仮にYGGFLがビーズ本体の中に存在しなくても、ビーズの表面に存在 し、適切な受容体と相互に作用し得ることを示している。 LHPQFも、依然としてストレプトアビジンと作用し合える状態にある。こ れはおそらく、ストレプトアビジンの分子量が小さいために、ポリマービーズの 内部へ浸透し易いためであると考えられる。 10.3 考察 本実施例は、酵素は樹脂ビーズの表面を選択的に脱保護することができるが、 その効果は、内側には及ばないことを示している。この場合には、配列LHPQ FYGのキモトリプシンの切断は効率良く進行したことになる。LHPQF配列 に特異的なストレプトアビジンの結合は、完全に阻害されている。 その後行った、Boc−Phe基質を結合させたビーズを用いた実験では、1 つのビーズ上で2つの異なるペプチドを合成することができ、しかも1つのペプ チドは主に表面に、他のペプチドは主に内側に、それぞれ独立に分離して合成で きることが判った。 11.実施例:TentaGelビーズ表面の遊離アミノ基の 選択的ブロッキング 本実施例においては、ビーズ内側の官能基を、例えばコーディング分子のよう な化合物の反応及び合成を行わせるために遊離のまま 残しておく一方で、樹脂ビーズ表面をブロッキングする可能性について示す。 11.1 材料及び方法 TentaGel amide AM樹脂(置換量0.3meq/g)をH2 O中で数時間水和させ、0.1Mの2−[N−モルフォリノ]エタンスルフォン 酸(MES)緩衝液(pH5.7)で洗浄した。各0.2mlの沈降ビーズに、 ポリグルタミン酸(Sigma Chemical、Mr 30,000)を種 々の量(0−10mg)加えた。次に、各試験管に、1−エチル−3−(3−ジ メチルアミノ−プロピル)カルボジイミド−HCl(EDC)60mgを加えた 。一晩、反応混合物を静かに揺すった。次にビーズを2回蒸留(dd)したH2 Oの中で洗い、エタノールアミン0.24mmolとEDC60mgを加えたM ES緩衝溶液を各サンプルに加えた。静かに4時間振とうした後、樹脂を、dd H2Oで充分に洗浄した。次に樹脂を凍結乾燥した。このように処理した樹脂を ジメチルホルムアミド(DMF)で膨潤させた。Fmoc化学により、ペプチド YGGFLGGGを各処理樹脂サンプル上で、標準法を用いて合成した。既報[ Lam等:Nature 354,82−84(1991)]のように、N−末 端のFmoc基及び側鎖の保護基をピペリジン及びトリフルオロ酢酸で除去した 。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)で中和した後、樹脂ビーズを充分に 洗浄し、第10節に述べた抗−β−エンドルフィンによる染色用ビーズを調製し た。 11.2 結果及び考察 樹脂ビーズの表面の官能基を、ポリグルタミン酸でブロックする 能力は、使用するポリグルタミン酸量に直接比例した(表6)。明らかに、ポリ グルタミン酸でブロックした樹脂はほんの少し染色されただけであり、このこと から、大部分の表面アミノ基は、YGGFLGGGペプチドの合成前にブロック されていたことがわかる。しかし、さらに重要なのは、ブロックした樹脂もブロ ックしない樹脂も、その中に含まれるペプチド量はほぼ同じ(表7)であり、こ のことから、ポリグルタミン酸のブロックは、ビーズ表面のみで起こり、ビーズ 内側の遊離アミノ基はそのまま残されており、これが後のペプチド合成に使われ ることがわかった。 追加の実験は可逆的にカップリングするポリマーを含んでいた。可逆的カップ リングポリマー上に、そのα−カルボキシル基を介してBoc−Gluを結合し た。この修飾ポリマーをビーズ表面にカップリングさせ、「内側」アミノ基を適 当に修飾した後で、グルタミン酸のBoc基を切断した。次にビーズに1サイク ルのEdman分解で処理し、これによりグルタミン酸ポリマー試薬により保護 されていたアミノ基を再生させた。このようにして、ビーズの別々の部分、即ち 表面と内側に、それぞれ異種のペプチドを合成した。 本発明は、ここに述べた特定の実施例によって、その範囲が限定されるもので はない。実際、ここに記載した実施例に加えて、当該技術に精通した人々にとっ ては、本発明の種々の変形があり得ることが、前述の記載及びそれに付随した図 から明らかであろう。このような変形は、本出願の請求の範囲に含まれるもので ある。 ここに各種の刊行物を引用したが、これらの引用に当たってはそ の全体をそのままを参照として援用する。 12.実施例:非ペプチドライブラリーの構築に適した サブユニット 非ペプチドライブラリーの構築には、固相合成に適したサブユニットを選択す る必要がある。本実施例は、3種類の異なる化学的方法に適したサブユニットの 選択に関するものである。 12.1 第一級アミノ基のアシル化 実験プロトコル:酸1mmolをDMF2mlに溶かし、DICを0.5mm ol(ジカルボン酸の場合は1mmol)添加し、Trp−RAM−TG約10 0mgと一晩反応させた。反応の終点は、カイザー試験によって判定した。次に 樹脂をDMF、DCMで洗い、乾燥した。生成物をTFA95%、水5%の混合 物1mlと1時間反応させて切断した。反応混合物を水5mlで希釈し、HPL C及びMSで分析した。 受容のための要件は、生成物が期待した分子量を有し、粗混合物中の主要生成 物含有量が、HPLCクロマトグラムの曲線下総面積の80%を越えていること 、及び主要生成物が期待した分子量を有することであった。表8に、33種類の 酸に関する試験結果を示す。33種類の中、7種類は本用途に不適であるとの理 由で外した。さらに2種類の化合物、4−ヒドロキシ安息香酸及び4−ヒドロキ シフェニル酢酸は、トリプトファンを用いた単一合成には不向きではあっても、 リシン(Fmoc)のNα−アミノ基を用いた別のモデル実験では使用可能であ ることが判明した。 12.2 アミンによるハロゲンの求核置換 実験プロトコル:ブロモ酢酸(5倍モル過剰)を対称無水物経由で10分間反 応させてTG130にカップリングさせ、さらに10分間、同じ方法で再度カッ プリングさせた。本試験アミンは、DMSOの1M溶液を用いて、一晩カップリ ングさせた。洗浄後、Fmoc−Glyを1時間カップリングさせ(HOBt, DIC)、このFmoc基を除去し、Fmocの放出量を計算し、これを理論放 出量である45μmol/mlと比較した。第2組の実験では、生成物の純度を 求め、同定を行った。即ち、同じプロトコルによりモデル化合物R−NH−CH2 −CO−Gly−Trp−RAM−TGを合成し、95%TFA、5%水の混 合物1mlを用いて、1時間かけて樹脂から切断し、水約5mlで希釈して、H PLC及びMSで分析した。 全部で33種類のアミンを試験したが、その中21種類は、固相合成に組み入 れてよいことがわかった。これらの試験結果を下記に示す。 12.3 還元的アルキル化 12.3.1 一般的方法 実験プロトコル:試験アルデヒド20モル過剰を、MeOH−DCM−AcO H 40:10:1の混合溶液約1mlで膨潤させたH−Gly−RAM−TG (実験A)又はH−β−Ala−Gly−Trp−RAM−TG(実験B)約1 00mgに添加し、一夜反応させた。この樹脂をAcOHの1%DMF溶液で洗 浄し、次に試験アルデヒド20モル過剰量とさらに一夜反応させた。その後、樹 脂をMeOH−DCM−AcOH 40:10:1で洗浄し、この混合物1ml に対し、NaBH3CN20モル過剰量を添加して一夜反応させた。この樹脂を DMF/1%AcOHで洗浄し、2回目のNaBH3CNの20モル過剰量を添 加して一晩反応させた。洗浄後、全てのサンプルをFmoc−Glyでアシル化 した。実験Aにおいて、Fmocを除去した後、生成物をFmoc−Trpでア シル化した。この樹脂にFmoc除去処理を施し、DMF、DCMで洗浄し、乾 燥し、次にTFA95%、水5%の混合物1mlと1時間反応させて生成物を開 裂した。水約5mlで希釈後、HPLC及びMSで分析した。 全部で31種類の試験アルデヒドを試験し、固相合成に使用することの適否を 判定した。表10に示した結果から、これらの中19種類が使用できることが判 った。 12.3.2 個別的方法 下記は、添加するサブユニットに特異的に適した手順である。 配列β−Ala−Gly−Trpは、RAM−TG(置換量0.2mmol/ g)上で合成した。次に、1組の脂肪族、芳香族、及び複素環式アルデヒドによ る還元アミノ化法を用いて末端アミノ基をアルキル化した。N−アルキル化ペプ チドを、TFA95%−H2O5%混合物を用いて樹脂から開裂し、HPLC及 びマススペクトル分析で、生成した化合物の純度及び正確な分子量を確認した。手順1 溶媒混合物1 ジクロロメタン−メタノール−酢酸 80:20:1 溶媒混合物2 ジメチルホルムアミド 酢酸−100:1 シッフ塩基の生成:溶媒混合物1で3回洗浄したH−β−Ala−Gly−T rp−TentaGel S RAM50mgに、溶媒混合物1を200μl及 びアルデヒドを0.2mmol加えた。樹脂を2時間振とうし、次に溶媒混合物 2で3回洗浄した。さらにアルデヒド0.2mmolを、溶媒混合物2 200 μlと共に加え、2時間振とうした後、樹脂を溶媒混合物2で3回、及び溶媒混 合物1で3回洗浄した。 シッフ塩基の還元:洗浄したペプチド 樹脂に、溶媒混合物1を200μl及 びNaBH3CNの1Mジメチルホルムアミド溶液を200μl加えた。樹脂を 2時間振とうし、次に溶媒混合物2で洗った。この混合物中で、NaBH3CN の1M DMF溶液200 μlで、さらに2時間かけて還元を繰り返した。この後樹脂をDMF−DCMで 洗浄し、乾燥し、TFA−5%H2Oでペプチドを開裂した。プロトコル1 溶媒混合物1で3回洗浄する。 溶媒混合物1を200μl添加する。 アルデヒドを0.2mmol添加する。 2時間振とうする。 溶媒混合物2で3回洗浄する。 溶媒混合物2を200μl添加する。 アルデヒドを0.2mmol添加する。 2時間振とうする。 溶媒混合物2で3回洗浄する。 溶媒混合物1で3回洗浄する。 溶媒混合物1を200μl添加する。 NaBH3CNの1M DMF溶液を200μl添加する。 2時間振とうする。 溶媒混合物2で3回洗浄する。 溶媒混合物2を200μl添加する。 NaBH3CNの1M DMF溶液を200μl添加する。 2時間振とうする。手順2 シッフ塩基の生成は、手順Aによる。 シッフ塩基の還元は手順Aによるが、両還元段階の間、還元試薬とともにアルデ ヒドを0.01mmol添加する点が異なる。プロトコル2 溶媒混合物1で3回洗浄する。 溶媒混合物1を200μl添加する。 アルデヒドを0.2mmol添加する。 2時間振とうする。 溶媒混合物2で3回洗浄する。 溶媒混合物2を200μl添加する。 アルデヒドを0.2mmol添加する。 2時間振とうする。 溶媒混合物2で3回洗浄する。 溶媒混合物1で3回洗浄する。 溶媒混合物1を200μl添加する。 NaBH3CNの1M DMF溶液を200μl添加する。 アルデヒドを0.01mmol添加する。 2時間振とうする。 溶媒混合物2で3回洗浄する。 溶媒混合物2を200μl添加する。 NaBH3CNの1M DMF溶液を200μl添加する。 アルデヒドを0.01mmol添加する。 2時間振とうする。手順3(ワンポット反応) 溶媒混合物2で洗浄したペプチド−樹脂50mgに、この混合物200μl及び アルデヒド0.05mmolを添加した。1時間振とうした後、NaBH3の1 M DMF溶液50μlを添加し、樹脂を2時間振とうした。次に、還元試薬を さらに50μl添加し、2時間振とうし、3回目のNaBH3の1M DMF溶液 (50μl)を添加した。樹脂を一夜振とうし、さらに上記の後処理を行った。プロトコル3 溶媒混合物2で3回洗浄する。 溶媒混合物2を200μl添加する。 アルデヒドを0.05mmol添加する。 1時間振とうする。 NaBH3CNの1M DMF溶液を50μl添加する。 2時間振とうする。 NaBH3CNの1M DMF溶液を50μl添加する。 2時間振とうする。 NaBH3CNの1M溶液を50μl添加する。 1夜振とうする。 13.実施例:ライブラリ−の非連続コ−デイング モデル被験化合物を用い非ペプチドライブラリ−を構成することにより、非連 続コ−デイングの試験を実施した。 13.1 装置、材料、および方法 装置:モジュ−ルHitachiシステムにより、分析HPLCおよび分取H PLCを実施した。カラムは各々Vydac(0.46x250mm、5μm、 流速1ml/分)およびVydac(10x250mm、10μm、流速3ml /分)C−18を使用した。 材料:溶媒は特に指示がない限り市販のものをそのまま精製せずに使用した。 TentaGel(TG)樹脂(0.21mmol/g)はRapp−Poly mere(Tubingen)より、保護アミノ酸は、Bachem(Torr ance、カリフォルニア州)、Advanced ChemTech(Lou isville、ケンタッキ−州)、あるいはPropeptide(Vert −le−Petit、フランス国)より購入した。100以上のコ−デイングサ ブユニットを、固相支持体に合成した。基本的な構成単位としては、リシン、オ ルニチン、ジアミノブチル酸、ジアミノプロピオン酸を使用した。まず通常のD IC/HOBt法により、Fmoc−Lys(Boc)、Fmoc−Orn(B oc)、Fmoc−Dab(Boc),Boc−Dap(Fmoc)をアミノt entaGel(0.21mmol/g)に結合させた。側鎖保護を除去後、D IC/HOBt法により、対称無水物やアシル塩化物を用いて非保護側鎖に修飾 カルボン酸を結合させた。合成された新しいコ−デイングアミノ酸はすべて脱保 護を完全にし、Applied Biosystems ABI 477Aタン パク質シ−ケ ンサにかけてEdman分解を行った。新規PTH−AAの保持時間は、App lied Biosystems ABI 120Aアナライザにより、PTH −222Brownleeカラム(PTH C−18 5ミクロン、220x2 .1mm)を使用して決定した。HPLCバッファ:A−0.01M NaOA c、B−アセトニトリル;グラジエント:0.0−0.4分−8%B、0.4− 38.0分−8−60%B、38.0−40.0分−60−90% B;流速 230μl/分。ピ−クは269nmで検出された。表14は個々のコ−デイン グサブユニットおよび参照番号を示したものである。 13.2 モデル配列の合成 被験化合物配列は、アミノ酸対のコ−デイングによるTyr−Gly−Ala −PheおよびPhe−Gly−Ala−Phe(第XIC図参照)と、Tyr −Gly−Gly−Phe−LeuおよびPhe(Cl)−Gly−Gly−P he−Leu(第XIB図参照)であった。Tyr−Gly−Ala−Pheは 抗βエンドルフィン抗体を受容体分子として検出できるものであり、またPhe −Gly−Ala−Pheは陰性コントロ−ルであるため、選択した。また正確 性およびコ−デイングは被験ペプチドを直接シ−ケンスすることにより確認した 。 13.2.1 材料および手順 モデルペプチドの合成は、ライブラリ−合成法を実証するためではなく、コ− デイングの正確性を実証するために実施する。従って被験AAサブユニットの後 に一対のコ−デイングサブユニットを連続結合させるのではなく、以下に図示す る都合の良い方法を用いて 合成する。ポリマ−担体(TentaGel、100mg、0.21mmol/ g、平均粒径90μm)〔キャリア上には予め配列Boc−Ala−Gly−V al−Phe−bAla−Gly−bAla−Glyを合成し、キモトリプシン 処理(0.1MTrisバッファ、pH7.6、30mlおよび0.1MCaC l2中7mgキモトリプシン,37℃14時間)を行ってPhe切断により表面 と内部を区別する)を行った)をジメチルフォルムアミド(DMF)にて膨潤さ せ(膨潤量0.5ml)、ポリプロピレン融解デイスク(Krchnak & Vagner、1990、J.Pept.Res.3.182−193)の付い た2つのポリプロピレンシリンジに分注した。次にFmoc−Phe(理論上合 成されているすべてのアミノ基に対して3等量)をDMF中3等量のN−ヒドロ キシベンゾトリアゾ−ル(HOBT)存在下ジイソプロピルカルボジイミド(D IC)により結合した。青色消失後(Krchnakら、1988 Coll. Czech.Chem.Commun.53:2542)樹脂を洗浄し(5xD MF)、DMF中50%ピペリジン(10分間)にてFmoc基を除去した。D MF(5x)およびDMF(1x)2%HOBTにて洗浄後、次のアミノ酸を結 合させた。このようにして第1シリンジの樹脂には、アラニン、グリシン、チロ シンを結合させ、第2シリンジの樹脂にはアラニン、グリシン、フェニルアラニ ンを結合させた。上記のようにFmoc基除去後DMFにて洗浄し、その後樹脂 を2−クロロベンジルオキシカルボニルスクシンイミド(0.4M)のDMF溶 液で一晩処理した(3時間後、ジイソプロピルエチルアミン1等量を添加した) 。Boc基をDCM中50%トリフロロ酢酸(TFA)により切断し た(21分)。DCM(3x)およびDMF(4x)にて洗浄後、樹脂をDMF 中10%ジイソプロピルエチルアミンにて中和し、DMF(3x)にて洗浄し、 Fmoc−Lys(Dde)(3等量)をDICおよびHOBT(各々3等量) のDMF溶液にて結合した(2時間)。樹脂をDMF(5x)にて洗浄し、Fm oc基を50%ピペリジン(20分間)のDMF溶液にて切断し、樹脂をDMF (3x)にて洗浄した。モル比1:1(すでに実験で決定されている比較的等価 の結合反応性を反映する)において被験化合物の構成〔Boc−SarおよびB oc−Asp(OBzl)〕の4の位置のフェニルアラニンをコ−ドするアミノ 酸混合物の結合は、DICおよびHOBT(各々3等量)を用いて行った。反応 のモニタ−はブロモフェノ−ルブル−法で行った。樹脂をDMF(5x)にて洗 浄し、Dde基を2%ヒドラジン無水物のDMF溶液で10分間処理することに より脱保護した。樹脂をDMF(5x)、2%HOBTのDMF溶液にて洗浄し 、Fmoc−Lys(Dde)を結合させ、Fmoc基を除去した。Bocアミ ノ酸とFmoc−Lys(Dde)の混合物の結合処理は2回繰り返し(Ile およびValの2:1コ−デイングサブユニット混合物とLys(ClZ)とG lu(OBzl)の1:5:1コ−デイングサブユニット混合物の結合)、Dd e基の脱保護の後、両シリンジの樹脂にBoc−Lys(Fmoc)を結合させ た。Fmoc基を上記のように脱保護し、DMF(5x)にて洗浄後、第1のシ リンジの遊離アミノ基のアシル化には無水ブチル酸および無水プロピオン酸(ト リエチルアミン1等量存在下1:1)を用い、第2シリンジの樹脂にはDICお よびHOBTの作用により4−フェニルブチル酸および3−フェニル プロピオン酸の混合物を結合させた。次に樹脂をTFA(82.5%)、p−ク レゾ−ル(5%)、チオアニソ−ル(5%)、水(5%)、エタンジチオ−ル( 2.5%)の混合物K(King、D.et.al.、1990、Int.J. Pep.Prot.Res.36:255−266)で2時間処理で脱保護し、 DMF溶液(4x)および0.1%HClの水溶液(5x)にて洗浄した。 13.2.2 コ−デイングにより構成したモデル化合物 YGAFおよびFGAF ポリオキシエチレンを落とした(”shaved”)ポリオキシエチレン/ポ リスチレン固相支持体(TentaGel)表面に2種のモデルペプチドを合成 した。TentaGel支持体内部にはコ−デイング部を合成したため、抗−β エンドルフィン抗体には結合しなかった。各被験化合物/ビ−ズ構成物のみある いは両配列の混合物を用いれるか、あるいは少数の特定ビ−ズを化合物のライブ ラリ−に添加することにより、陽性コントロ−ル被験化合物の弁別的選択的結合 が確認された。 非連続的コ−ドはポリリシン骨格に構築された。 コ−ドは以下のようである。 工程サブユニット コ−ディング部 4 Phe ブチリル−リシン、プロピオニル−リシン 4 Tyr φ−ブチリル−リシン、φ−プロピオニル−リシン 3 Gly Glu、Lys 2 Ala Val、Ile 1 Phe Asp、Sar 抗−βエンドルフィン抗体に暴露後、陽性支持体を選択した。E dman分解に1回かけ、φ−ブチリル−リシンおよびφ−プロピオニル−リシ ン誘導体の遊離により、陽性ビ−ズをYGAFと同定した。被験化合物配列はこ のビ−ズの表面上のみに存在し、またビ−ズに結合した分子の全体量の約2%に 達したため、第1周期(コ−デイングアミノ酸サブユニットはすべて切断された )で検出されたチロシンの信号は極端に小さかった。30のプ−ルされたビ−ズ についてシ−ケンスを実施して信号を増幅し、検出されたビ−ズが適切であるこ とを確認した。この場合、4周期のシ−ケンスでYGAF被験化合物配列が直接 に示された。 13.3 デジタルコ−デイングによるジアミノ安息香酸を基剤 としたライブラリ−の合成 ジアミノ安息香酸を基剤としたライブラリ−を合成し、非連続コ−ドによりコ −デイングした。以下にこのライブラリ−の合成を図示する。足場であるジアミ ノ安息香酸のアミノ基への第1のカップリング工程で用いたアミノ酸および第2 、第3のカップリング工程で用いた酸を、各々表12および13で示す。各表で は被験化合物の各種サブユニットに対応するコ−デイング部も示す。表13のコ −デイング部は3/1のように2つの数字で表わされ、その化学的意味は表14 に定義されている。 このライブラリ−の無作為に選択されたいくつかのビ−ズについてシ−ケンス を行い、Edman分解によりある解読工程が可能であることが確認される。 13.3.1 材料および方法 合成はTentaGel樹脂(90μm、0.2mmol/g)で行った。F moc脱保護:10分間50%ピペリジンのDMF溶 液、DMFにて6回洗浄、洗浄物をすべて回収、302nmにて吸光度を測定、 Fmoc遊離を計算。 Alloc脱保護:3xDMF(各2分間)洗浄。DMF/AcOH/NMM (5ml、1ml,0.5ml)混合物を添加し、アルゴンを15分間泡立たせ る。テトラキス(トリフェニルフォスピン)パラジウム150mgを添加し、ア ルゴンを3時間泡立たせる。DMFにて3回洗浄。DCMにて5回洗浄。 Dde脱保護:洗浄ペプチド樹脂をDMF中3%ヒドラジン溶液で5分間およ び30分間処理し、DMFにて洗浄。 Ddz脱保護:ペプチド樹脂をDMFにて洗浄し、次にDCMにて洗浄する。 3%TFAのDCM溶液にて5分間2回前処理する。3%TFA/DCMによる 3回目の処理は30分間行う。DCMにて洗浄後、5%DIEAのDCM溶液に て中和し、DCMにて洗浄、さらにDMFにて洗浄。 Npys脱保護:洗浄ペプチド樹脂をジオキサン中0.3M−HClにて5分 間処理し、次に30分間処理する。脱保護されたペプチド樹脂をジオキサンで洗 浄し、次にDCMで洗浄し、5%DIEAのDCM溶液にて中和し、DCMおよ びDMFにて洗浄。 アミノ酸のカップリング:3モル過剰な保護アミノ酸をBOP(モル比1:1 )のDMF溶液により活性化する。ニンヒドリンテストにより、あるいは二級ア ミノ基へのカップリングではクロラニルテストにより、各縮合工程(1.5−4 0時間)が完全に行われたかどうかをチェックする。 側鎖脱保護:DCMにて3回洗浄し、混合物K(82.5%TFA、5%p− クレゾ−ル、5%チオアニソ−ル、5%水、2.5% エタンジチオ−ル)にて5+120分間脱保護する。 最終洗浄:非希釈TFA(3x)、DCM(5x)、DMF(10x)、DM F/0.1%HCl(5x)、0.1%HCl(3x)、0.01%HCl(4 x). 13.3.2 ライブラリーの合成 合成:TentaGel S NH2(10g)をDMF内で予め膨潤させ、 DMFにて5回洗浄した後、以下の表に示したプロトコールに従って固相合成し た。 保護ライブラリーはDMA/0.3%HOBtにて保存し、非保護ライブラリ ーは0.01%水性HClにて保存した。 バ−コ−ド化ライブラリ−のスクリ−ニング 公開されている方法(Lam&Lebl、1992、Immunometho ds 1:11−15)により、ライブラリ−をスクリ−ニングした。まずライ ブラリ−ビ−ズを二重蒸留水にて暫時増大させながら混合した。0.1%Twe en−20にてPBS(137mM NcCl、2.7mM KCl、4.3 Na2HPO4、1.4mM KH2PO4、pH7.2)により充分に洗浄後、ビ −ズを0.05%ゼラチン(w/v)にてインキュベ−ションし、非特異的結合 をブロックした。次にビ−ズを2xPBS/Tween/ゼラチンで60pMビ オチン化抗−βエンドルフィン(クロ−ン3−E 7、Boehringer Mannheim)により一晩インキュベ−ションした。洗浄後、ストレプトア ビジン−アルカリフォスファタ−ゼを添加した。1時間後、ビ−ズを洗浄し、ア ルカリフォスファタ−ゼに標準的な基質として5−ブロモ−4−クロロ−3−イ ンドリルフォスフェ−トを添加した。次にビ−ズおよび基質をペトリ皿に移して 発色させた。30分ないし1時間後、マイクロピペットにて陽性着色ビ−ズを集 め、6Mグアニジンハイドロクロリド(pH1.0)にて洗浄し、バ−コ−ドの シ−ケンスにかけた。 14. 実施例: 分子スカホールド 第XIX図は被験化合物の構成に用いられる19の化合物の化学的構造を示す 。この図では被験化合物のサブユニットの結合部位をRnで示す。 以下の表15はサブユニットの種類と分子スカホールドに結合するカップリン グの種類に関するガイダンスを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KR,K Z,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO,NZ ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ,UA, UZ (72)発明者 サルモン,シドニー イー. アメリカ合衆国 85718 アリゾナ州 チ ューソン,カミノ エル ガナド 2121番 地 (72)発明者 クルシュナック,ヴィクター アメリカ合衆国 85737 アリゾナ州 オ ロ バレー,ノース ラ リザーブ ドラ イブ 10700番地,アパートメント 16, 206 (72)発明者 セペトフ,ニコライ アメリカ合衆国 85737 アリゾナ州 オ ロ バレー,ノース ラ リザーブ ドラ イブ 10700番地,アパートメント 16, 206 (72)発明者 コシス,ピーター アメリカ合衆国 85737 アリゾナ州 オ ロ バレー,ノース ラ リザーブ ドラ イブ 10700番地,アパートメント 11106

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.対象となる受容体のリガンドを同定しかつ分析するためのライブラリーであ って、多数の独立した固相支持体を含んでなり、該固相支持体のそれぞれに、 a)サブユニットの配列から成る試験化合物の種、および b)該試験化合物から位相学的に分離され、かつ多数の連続した別個の化学 反応によって結合されているコーディング分子の種、 が結合されており、 ここで、特定の固相支持体に結合された試験化合物のサブユニットの配列がそ の特定固相支持体に結合されたコーディング分子の種によってコード化されてい る、上記のライブラリー。 2.試験化合物が配列決定不可能である、請求項1に記載のライブラリー。 3.試験化合物がポリマーである、請求項2に記載のライブラリー。 4.試験化合物がポリアミド、ポリエステル、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリカ ーボネート、ポリアミン、ポリアルカン、ポリアルケン、ポリアルコール、ポリ スルフィドおよびポリジスルフィドより成る群から選ばれるポリマーである、請 求項3に記載のライブラリー。 5.試験化合物のサブユニットがアミド、エステル、尿素、ウレタン、カーボネ ート、アミン、アルカン、アルケン、スルフィドおよびジスルフィド結合より成 る群から選ばれる化学結合によって結合されている、請求項2に記載のライブラ リー。 6.試験化合物が分子足場をさらに含む、請求項2に記載のライブラリー。 7.分子足場がステロイド構造、糖、複素環式構造およびポリ芳香族化合物より 成る群から選ばれる、請求項6に記載のライブラリー。 8.分子足場がアミノ酸アルデヒド/有機金属、ジケトピペラジン、置換チオプ ロリン、置換トリアジン、置換チオプロリンジオキシド、アシル化ポリエチレン ジアミン、ベンゼントリカルボン酸、2−S−アルキル(アリール)イソインド ール、シクロペンタン、ジアシルジアルキルジアミノ酸、延長ケンプス(Kemps) トリ酸、ケンプストリ酸、アルキルアシルアミノ酸、ジアミノ安息香酸、ステロ イド、ビス−イミノジ酢酸、N−アルキル化、イミノジ酢酸、α,β,γペプチ ド擬似物、またはN−置換グリシンペプチド擬似物である、請求項6に記載のラ イブラリー。 9.試験化合物がポリマーである、請求項1に記載のライブラリー。 10.コーディング分子がα−アミノ酸から成る、請求項1に記載のライブラリー 。 11.コーディング分子が直鎖状のポリペプチドである、請求項10に記載のライ ブラリー。 12.コーディング分子が分枝鎖状のポリペプチドである、請求項10に記載のラ イブラリー。 13.特定支持体の試験化合物のサブユニットの配列が該支持体に結合されたコー ディング分子の単一の種によってコード化されている、請求項2に記載のライブ ラリー。 14.特定支持体の試験化合物のサブユニットの配列が該支持体に結 合されたコーディング分子の複数の種によってコード化されている、請求項2に 記載のライブラリー。 15.特定支持体の試験化合物のサブユニットの配列は、コーディング分子のそれ ぞれの種を結合した連続反応の順序からなるコードによってコード化されている 、請求項2に記載のライブラリー。 16.試験化合物のサブユニットの配列がコーディング分子の単一の種によってコ ード化されている、請求項15に記載のライブラリー。 17.試験化合物のサブユニットの配列がコーディング分子の複数の種によってコ ード化されている、請求項15に記載のライブラリー。 18.試験化合物のサブユニットの配列は、コーディング分子のそれぞれの種を結 合した連続反応の順序が無関係であるコードによってコード化されている、請求 項1に記載のライブラリー。 19.試験化合物のサブユニットの配列がコーディング分子の単一の種によってコ ード化されている、請求項18に記載のライブラリー。 20.試験化合物のサブユニットの配列がコーディング分子の複数の種によってコ ード化されている、請求項18に記載のライブラリー。 21.コーディング分子がアミノ酸のポリマーからなり、該ポリマーアミノ酸が、 a)第1のアミノ成分(これにより該ポリマーアミノ酸を互いに結合させる ペプチド結合が形成される)、および b)第2のアミノ成分(これによりα−アミノ酸の多数の種の うちの1つがペプチド結合によって該ポリマーアミノ成分のそれぞれに結合され る)、 を有するものである、請求項18に記載のライブラリー。 22.第1のアミノ成分がNαアミノ成分であり、第2のアミノ成分がNβ、Nγ 、NδおよびNεより成る群から選ばれる、請求項21に記載のライブラリー。 23.前記の第2アミノ成分に結合されるα−アミノ酸がα,β−ジアミノプロピ オン酸、α,γ−ジアミノ酪酸、オルニチンおよびリシン、グルタミン酸、アス パラギン酸、システインおよびペニシラミンの誘導体を含む、請求項21に記載 のライブラリー。 24.前記の誘導体がアセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、カプロイル 、ピバロイル、c−ヘキシル、トリクロロアセチル、フェニルアセチル、2,2 −ジフェニルアセチル、フェニルブチリル、1−ナフチルアセチル、2−ナフチ ルアセチル、1−アダマンチルカルボニル、1−アダマンチルアセチル、トシル グリシル、ダンシルグリシル、ベンゾイル、スクシンアミル、スクシニル、グル タリル、イソブチリル、4−クロロベンゾイル、2,2−ジフェニルプロピオニ ル、N,N−ジメチルグリシル、ヘプタノイル、オクタノイル、3,3−ジ−p h−プロピオニル、N,N−ジメチルアミノブチリル、3−ph−プロピオニル 、4−ビ−ph−カルボニル、4−ビ−ph−アセチルおよびクロトニルより成 る群から選ばれる誘導体を形成するためのカルボン酸とNβ、Nγ、Nδまたは Nεアミノとの反応により形成される、請求項23に記載のライブラリー。 25.試験化合物種のサブユニットが求核置換によって結合され、エ チルアミン、i−プロピルアミン、ブチルアミン、i−ブチルアミン、シクロペ ンチルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、3−アミノプロパノ ール、1−アミノ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアミン、β−Ala −OtBu、エチレンジアミン(Boc)、2−(2−アミノエチル)1−メチ ルピロリジン、ベンジルアミン、ナフタレン−メチルアミン、4−(トリフルオ ロメチル)−ベンジルアミン、2−アミノ−1−フェニル−エタノール、チラミ ン、4−メトキシ−ベンジルアミン、3,5−ジメトキシ−ベンジルアミンおよ び4−(ジメチルアミノ)−ベンジルアミンより成る群から選ばれる、請求項2 に記載のライブラリー。 26.試験化合物種のサブユニットが第一級アミンのアシル化により結合され、γ −グアニジノ酪酸、スクシンアミド酸、1−ナフチル酢酸、ジフェニル酢酸、ビ フェニル酢酸、ペンタフルオロフェニル酢酸、4−トリフルオロメチル安息香酸 、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、4−アミノフェニル 酢酸、3−ニトロフェニル酢酸、2−ニトロ−4,5−ジメトキシ安息香酸、3 −(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピオン酸、4−グアニジノ安息香 酸、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−(3−メチル−5−オキソ−2−ピラゾ リン−1−イル)安息香酸、1,4−ジメチル−2,3−ピロールジカルボン酸 、2−メチル−4−ニトロ−1−イミダゾールプロピオン酸、2−アミノ−1− イミダゾール酢酸、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−カルボン酸、 4−イミダゾール酢酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、2−ピラジンカルボン 酸、2,3−ピラジンジカ ルボン酸、1−メチルインドール−2−カルボン酸、2−メチル−3−インドー ル酢酸およびインドール−4−カルボン酸より成る群から選ばれる、請求項2に 記載のライブラリー。 27.試験化合物種のサブユニットが還元的アルキル化によって結合され、2−メ チルブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデ ヒド、2−メチルバレルアルデヒドシクロヘキサンカルボキサルデヒド、ベンズ アルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、 バニリン、2−チオフェンカルボキサルデヒド、ピリジン−4−カルボキサルデ ヒド、α,α,α−トリフルオロ−o−トルアルデヒド、4−メトキシベンズア ルデヒド、1−アセチルインドール−3−カルボキサルデヒド、4−カルボキシ ベンズアルデヒド、β−ナフトアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒド、3 −フェノキシベンズアルデヒドおよび2−ヒドロキシベンズアルデヒドより成る 群から選ばれる、請求項2に記載のライブラリー。 28.対象となる受容体のリガンドを同定しかつ特性づけるための、多数の独立し た固相支持体(これにリンカーが結合されている)のコード化されたライブラリ ーを作製する方法であって、次の工程: (a)固相支持体の複数のアリコートの複数の別々の反応において、各反応 でただ1つのサブユニット種が結合されるように、サブユニットの複数の種を該 リンカーに、または該リンカーに結合されたサブユニットに結合させること、 (b)上記の固相支持体の複数のアリコートにコーディング分 子の複数の種を結合させること(ここで各アリコートに結合されたコーディング 分子種は該アリコートに結合されたサブユニットをコード化するものである)、 (c)別々の反応の結合支持体のアリコートを混合すること、および (d)工程(a)、(b)および(c)を2回以上、所望の回数行うこと、 を含んでなる、上記の方法。 29.対象となる受容体のリガンドを同定しかつ分析するための、多数の独立した 固相支持体(これに分子足場が結合されている)のコード化されたライブラリー を作製する方法であって、次の工程: (a)固相支持体の複数のアリコートの複数の別々の反応において、各反応 でただ1つのサブユニット種が結合されるように、サブユニットの複数の種を該 足場に、または該足場に結合されたサブユニットに結合させること、 (b)上記の固相支持体の複数のアリコートにコーディング分子の複数の種 を結合させること(ここで、各アリコートに結合されたコーディング分子種は該 アリコートに結合されたサブユニットをコード化するものである)、 (c)別々の反応の結合支持体のアリコートを混合すること、および (d)工程(a)、(b)および(c)を2回以上、所望の回数行うこと、 を含んでなる、上記の方法。 30.試験化合物のライブラリーをスクリーニングして、対象の受容体分子に結合 する試験化合物種のサブユニットの配列を決定する方法であって、次の工程: (a)多数の独立した固相支持体を含むライブラリーに受容体分子を導入す ること、ここで各固相支持体には、 i)サブユニットの配列から成る試験化合物の種と、 ii)該試験化合物から位相学的に分離され、かつ多数の連続する別々 の化学反応によって結合されているコーディング分子の種、 が結合されており、特定の固相支持体に結合された試験化合物のサブ ユニットの配列がその特定固相支持体に結合されたコーディング分子の種によっ てコード化されていること、 (b)受容体分子と結合する固相支持体を同定すること、 (c)該ライブラリーの他の全ての支持体を含んでいない、同定した固相支 持体を単離すること、 (d)単離した固相支持体に結合されたコーディング分子の種を特性づける こと、および (e)単離した固相支持体に結合された試験化合物種のサブユニットの配列 を解読すること、 を含んでなる、上記の方法。 31.前記のコーディング分子種が該コーディング分子の配列決定を行うことによ り特性づけられる、請求項30に記載の方法。 32.コーディング分子がα−アミノ酸からむ成る、請求項30に記載の方法。 33.コーディング分子が直鎖状のポリペプチドである、請求項32に記載の方法 。 34.コーディング分子が分枝鎖状のポリペプチドである、請求項32に記載の方 法。 35.コーディング分子がアミノ酸のポリマーからなり、該ポリマーアミノ酸が、 a)第1のアミノ成分(これにより該ポリマーアミノ酸を互いに結合させる ペプチド結合が形成される)、および b)第2のアミノ成分(これによりα−アミノ酸の多数の種のうちの1つが ペプチド結合によって該ポリマーアミノ成分のそれぞれに結合される)、 を有するものである、請求項34に記載の方法。 36.第1のアミノ成分がNαアミノ成分であり、第2のアミノ成分がNβ、Nγ 、NδおよびNεより成る群から選ばれる、請求項35に記載の方法。 37.前記の第2アミノ成分に結合されるα−アミノ酸がα,β−ジアミノプロピ オン酸、α,γ−ジアミノ酪酸、オルニチンおよびリシンの誘導体を含む、請求 項36に記載の方法。 38.前記の誘導体がアセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、カプロイル 、ピバロイル、c−ヘキシル、トリクロロアセチル、フェニルアセチル、2,2 −ジフェニルアセチル、フェニルブチリル、1−ナフチルアセチル、2−ナフチ ルアセチル、1−アダマンチルカルボニル、1−アダマンチルアセチル、トシル グリシル、ダンシルグリシル、ベンゾイル、スクシンアミル、スクシニル、グル タリル、イソブチリル、4−クロロベンゾイル、2,2 −ジフェニルプロピオニル、N,N−ジメチルグリシル、ヘプタノイル、オクタ ノイル、3,3−ジ−ph−プロピオニル、N,N−ジメチルアミノブチリル、 3−ph−プロピオニル、4−ビ−ph−カルボニル、4−ビ−ph−アセチル およびクロトニルより成る群から選ばれる誘導体を形成するためのカルボン酸と Nβ、Nγ、NδまたはNεアミノとの反応により形成される、請求項37に記 載の方法。 39.試験化合物の種のライブラリーをスクリーニングして、対象の受容体分子に 結合するリガンド種のサブユニットの配列を決定する方法であって、次の工程: (a)対象の受容体分子の存在下で、試験化合物の多数の種を用意すること 、該試験化合物種は多数の独立した固相支持体を含むライブラリーから放出され たものであり、ここで各固相支持体には、 i)サブユニットの配列から成る試験化合物の種と、 ii)多数の連続する別々の化学反応によって結合されている非放出性 コーディング分子の種、 が結合されており、特定の固相支持体に結合された試験化合物のサブ ユニットの配列がその特定固相支持体に結合されたコーディング分子種によって コード化されていること、 (b)該受容体分子と結合する試験化合物の種を放出した固相支持体を同定 すること、 (c)該ライブラリーの他の全ての支持体を含んでいない、同定した固相支 持体を単離すること、 (d)単離した固相支持体に結合されたコーディング分子の種を特性づける こと、および (e)試験化合物種のサブユニットの配列を解読すること、 を含んでなる、上記の方法。 40.前記のコーディング分子種が該コーディング分子の配列決定を行うことによ り特性づけられる、請求項39に記載の方法。 41.コーディング分子がα−アミノ酸から成る、請求項40に記載の方法。 42.コーディング分子が直鎖状のポリペプチドである、請求項41に記載の方法 。 43.コーディング分子が分枝鎖状のポリペプチドである、請求項41に記載の方 法。 44.コーディング分子が第2のアミノ成分を有するα−アミノ酸のポリペプチド からなり、α−アミノ酸の多数の種のうちの1つがペプチド結合によって該第2 アミノ成分のそれぞれに結合される、請求項43に記載の方法。 45.前記の第2アミノ成分に結合されるα−アミノ酸がα,β−ジアミノプロピ オン酸、α,γ−ジアミノ酪酸、オルニチンおよびリシンの誘導体を含む、請求 項44に記載の方法。 46.前記の誘導体がアセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、カプロイル 、ピバロイル、c−ヘキシル、トリクロロアセチル、フェニルアセチル、2,2 −ジフェニルアセチル、フェニルブチリル、1−ナフチルアセチル、2−ナフチ ルアセチル、1−アダマンチルカルボニル、1−アダマンチルアセチル、トシル グリシル、ダンシルグリシル、ベンゾイル、スクシンアミル、スクシニ ル、グルタリル、イソブチリル、4−クロロベンゾイル、2,2−ジフェニルプ ロピオニル、N,N−ジメチルグリシル、ヘプタノイル、オクタノイル、3,3 −ジ−ph−プロピオニル、N,N−ジメチルアミノブチリル、3−ph−プロ ピオニル、4−ビ−ph−カルボニル、4−ビ−ph−アセチルおよびクロトニ ルより成る群から選ばれる誘導体を形成するためのカルボン酸とNβ、Nγ、N δまたはNεアミノとの反応により形成される、請求項37に記載の方法。 47.対象となる受容体のリガンドを同定しかつ分析するための多数の固相支持体 を含むライブラリーであって、各固相支持体に、サブユニットの配列から成る配 列決定不可能な試験化合物が結合されている、上記のライブラリー。 48.試験化合物種のサブユニットが求核置換によって結合され、エチルアミン、 i−プロピルアミン、ブチルアミン、i−ブチルアミン、シクロペンチルアミン 、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、3−アミノプロパノール、1−ア ミノ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアミン、β−Ala−OtBu、 エチレンジアミン(Boc)、2−(2−アミノエチル)1−メチルピロリジン 、ベンジルアミン、ナフタレン−メチルアミン、4−(トリフルオロメチル)− ベンジルアミン、2−アミノ−1−フェニル−エタノール、チラミン、4−メト キシ−ベンジルアミン、3,5−ジメトキシ−ベンジルアミンおよび4−(ジメ チルアミノ)−ベンジルアミンより成る群から選ばれる、請求項47に記載のラ イブラリー。 49.試験化合物種のサブユニットが第一級アミンのアシル化により 結合され、γ−グアニジノ酪酸、スクシンアミド酸、1−ナフチル酢酸、ジフェ ニル酢酸、ビフェニル酢酸、ペンタフルオロフェニル酢酸、4−トリフルオロメ チル安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ア ミノフェニル酢酸、3−ニトロフェニル酢酸、2−ニトロ−4,5−ジメトキシ 安息香酸、3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピオン酸、4−グア ニジノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−(3−メチル−5−オキソ −2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸、1,4−ジメチル−2,3−ピロール ジカルボン酸、2−メチル−4−ニトロ−1−イミダゾールプロピオン酸、2− アミノ−1−イミダゾール酢酸、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5− カルボン酸、4−イミダゾール酢酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、2−ピラ ジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、1−メチルインドール−2− カルボン酸、2−メチル−3−インドール酢酸、およびインドール−4−カルボ ン酸より成る群から選ばれる、請求項47に記載のライブラリー。 50.試験化合物種のサブユニットが還元的アルキル化によって結合され、2−メ チルブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデ ヒド、2−メチルバレルアルデヒド、シクロヘキサンカルボキサルデヒド、ベン ズアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド 、バニリン、2−チオフェンカルボキサルデヒド、ピリジン−4−カルボキサル デヒド、α,α,α−トリフルオロ−o−トルアルデヒド、4−メトキシベンズ アルデヒド、1−アセチルインドール−3−カルボキサルデヒド、4−カルボキ シベンズアルデヒド、β −ナフトアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒド、3−フェノキシベンズア ルデヒドおよび2−ヒドロキシベンズアルデヒドより成る群から選ばれる、請求 項47に記載のライブラリー。 51.試験化合物が分子足場をさらに含む、請求項47に記載のライブラリー。 52.分子足場がアミノ酸アルデヒド/有機金属、ジケトピペラジン、置換チオプ ロリン、置換トリアジン、置換チオプロリンジオキシド、アシル化ポリエチレン ジアミン、ベンゼントリカルボン酸、2−S−アルキル(アリール)イソインド ール、シクロペンタン、ジアシルジアルキルジアミノ酸、延長ケンプス(Kemps) トリ酸、ケンプストリ酸、アルキルアシルアミノ酸、ジアミノ安息香酸、ステロ イド、ビス−イミノジ酢酸、N−アルキル化、イミノジ酢酸、α,β,γペプチ ド擬似物、またはN−置換グリシンペプチド擬似物である、請求項51に記載の ライブラリー。 53.固相支持体に結合される、第1の分子種と第2の分子種を位相学的に分離す る方法であって、該固相支持体にはリンカーが結合されており、該リンカーは酵 素作用を受けやすい結合および第1の保護基を有するものであり、次の工程: a)該支持体を酵素に接触させて全部より少ない第1の保護基を除去するこ と、 b)酵素に接触させた該支持体を、第2の保護基を有するサブユニットと結 合させること(該第2の保護基は該第1の保護基に直交する)、 その後、該支持体上で第1および第2の分子種を合成すること、 を含んでなる、上記の方法。 54.リンカーがペプチドであり、酵素がエンドペプチダーゼである、請求項53 に記載の方法。
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