JPH0948896A - 粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物Info
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- JPH0948896A JPH0948896A JP19970695A JP19970695A JPH0948896A JP H0948896 A JPH0948896 A JP H0948896A JP 19970695 A JP19970695 A JP 19970695A JP 19970695 A JP19970695 A JP 19970695A JP H0948896 A JPH0948896 A JP H0948896A
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- JP
- Japan
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- vinyl chloride
- chloride resin
- resin composition
- perchlorate
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温においても耐アミン性を有し、熱劣化及
び熱変色の少ない粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂に可塑剤をドライブレ
ンドした粉体成形用の樹脂組成物であって、該組成物中
に過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸
マグネシウムから選択される少なくとも一種、過塩素酸
錫並びに結晶水のないハイドロタルサイトを含有せしめ
たことを特徴とする粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成
物。
び熱変色の少ない粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂に可塑剤をドライブレ
ンドした粉体成形用の樹脂組成物であって、該組成物中
に過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸
マグネシウムから選択される少なくとも一種、過塩素酸
錫並びに結晶水のないハイドロタルサイトを含有せしめ
たことを特徴とする粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成
物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐アミン特性の改
良され回転成形、粉末スラッシュ成形等の粉体成形に用
いられる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
良され回転成形、粉末スラッシュ成形等の粉体成形に用
いられる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体成形用の塩化ビニル系樹脂組成物
は、懸濁重合法等によって得られる粉体状塩化ビニル系
樹脂に可塑剤をドライブレンドしたものを主成分とし、
使用目的に応じて、例えば、安定剤、顔料、滑剤、充填
剤等の各種添加剤が配合されたものである。粉体成形用
塩化ビニル系樹脂組成物の主な用途は、自動車内装材成
形品であり、該内装材は、通常ウレタン樹脂を注入発泡
して積層体として用いるケースが多い。塩化ビニル系樹
脂成形品にウレタン樹脂を注入発泡する場合、発泡ウレ
タン樹脂中のアミン系化合物によって塩化ビニル系樹脂
成形品に劣化、変質という不都合な現象が生じ、特にこ
の現象は、熱及び光の存在下において著しく促進され
る。このアミン系化合物による成形品の劣化、変質を防
ぐ目的で、すなわち耐アミン対策として、近年、過塩素
酸バリウム、過塩素酸ナトリウムを塩化ビニル系樹脂組
成物に配合する方法が採用され、また過塩素酸処理ハイ
ドロタルサイトも同様の目的に使用できることが判明し
ている。
は、懸濁重合法等によって得られる粉体状塩化ビニル系
樹脂に可塑剤をドライブレンドしたものを主成分とし、
使用目的に応じて、例えば、安定剤、顔料、滑剤、充填
剤等の各種添加剤が配合されたものである。粉体成形用
塩化ビニル系樹脂組成物の主な用途は、自動車内装材成
形品であり、該内装材は、通常ウレタン樹脂を注入発泡
して積層体として用いるケースが多い。塩化ビニル系樹
脂成形品にウレタン樹脂を注入発泡する場合、発泡ウレ
タン樹脂中のアミン系化合物によって塩化ビニル系樹脂
成形品に劣化、変質という不都合な現象が生じ、特にこ
の現象は、熱及び光の存在下において著しく促進され
る。このアミン系化合物による成形品の劣化、変質を防
ぐ目的で、すなわち耐アミン対策として、近年、過塩素
酸バリウム、過塩素酸ナトリウムを塩化ビニル系樹脂組
成物に配合する方法が採用され、また過塩素酸処理ハイ
ドロタルサイトも同様の目的に使用できることが判明し
ている。
【0003】しかしながら、上述のような内装材は、そ
の温度が70〜100℃にも達する夏期の気候条件で
は、塩化ビニル系樹脂皮膜が経時劣化を起こし、該皮膜
の柔軟性が損なわれたり、変色するという問題があり、
その改良が望まれていた。劣化は、発泡ウレタン樹脂膜
中に存在するアミン化合物が塩化ビニル系樹脂表皮に移
行することにより促進されることが知られていたが、か
かる熱による劣化促進を抑制する効果的な手段は見いだ
されていなかった。
の温度が70〜100℃にも達する夏期の気候条件で
は、塩化ビニル系樹脂皮膜が経時劣化を起こし、該皮膜
の柔軟性が損なわれたり、変色するという問題があり、
その改良が望まれていた。劣化は、発泡ウレタン樹脂膜
中に存在するアミン化合物が塩化ビニル系樹脂表皮に移
行することにより促進されることが知られていたが、か
かる熱による劣化促進を抑制する効果的な手段は見いだ
されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、温度10
0℃前後の条件においてもアミンに起因する劣化及び変
色のない塩化ビニル系樹脂組成物を開発すべく鋭意検討
をした結果、塩化ビニル系樹脂に過塩素酸バリウム、過
塩素酸ナトリウム又は過塩素酸マグネシウムの少なくと
も一種類、過塩素酸錫及び結晶水のないハイドロタルサ
イトを併用、配合することによって上述の目的を達成し
うることを見いだし、本発明を完成するに到った。すな
わち、本発明の目的は、高温においても耐アミン性を有
し、熱劣化及び熱変色の少ない粉体成形用塩化ビニル系
樹脂組成物を提供するにある。
0℃前後の条件においてもアミンに起因する劣化及び変
色のない塩化ビニル系樹脂組成物を開発すべく鋭意検討
をした結果、塩化ビニル系樹脂に過塩素酸バリウム、過
塩素酸ナトリウム又は過塩素酸マグネシウムの少なくと
も一種類、過塩素酸錫及び結晶水のないハイドロタルサ
イトを併用、配合することによって上述の目的を達成し
うることを見いだし、本発明を完成するに到った。すな
わち、本発明の目的は、高温においても耐アミン性を有
し、熱劣化及び熱変色の少ない粉体成形用塩化ビニル系
樹脂組成物を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、塩化ビニル系樹脂に可塑剤をドライブレンドした
粉体成形用の樹脂組成物であって、該組成物中に過塩素
酸バリウム、過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸マグネシ
ウムから選択される少なくとも一種、過塩素酸錫並びに
結晶水のないハイドロタルサイトを含有せしめたことを
特徴とする粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物にある。
ろは、塩化ビニル系樹脂に可塑剤をドライブレンドした
粉体成形用の樹脂組成物であって、該組成物中に過塩素
酸バリウム、過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸マグネシ
ウムから選択される少なくとも一種、過塩素酸錫並びに
結晶水のないハイドロタルサイトを含有せしめたことを
特徴とする粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明するに、本発
明の樹脂成分である塩化ビニル系樹脂は、一般に市販さ
れている塩化ビニル系樹脂をそのまま使用できる。具体
的には懸濁重合法によって製造した塩化ビニル単独重合
体、塩化ビニルモノマーとエチレン、酢酸ビニル等塩化
ビニルモノマーを主要成分とする共重合体が使用目的に
応じて使用される。これら塩化ビニル系樹脂はポーラス
であって、可塑剤を混合した時可塑剤を吸収する、いわ
ゆるドライブレンドが可能な樹脂である。
明の樹脂成分である塩化ビニル系樹脂は、一般に市販さ
れている塩化ビニル系樹脂をそのまま使用できる。具体
的には懸濁重合法によって製造した塩化ビニル単独重合
体、塩化ビニルモノマーとエチレン、酢酸ビニル等塩化
ビニルモノマーを主要成分とする共重合体が使用目的に
応じて使用される。これら塩化ビニル系樹脂はポーラス
であって、可塑剤を混合した時可塑剤を吸収する、いわ
ゆるドライブレンドが可能な樹脂である。
【0007】本発明の組成物に用いる可塑剤は、塩化ビ
ニル系樹脂に通常使用するものなら特に限定されるもの
ではなく、例えば、ジブチルフタレート(DBP)、ジ
ー2ーエチルヘキシルフタレート(DOP)、等のフタ
ル酸エステル系可塑剤、トリオクチルトリメリテート
(TOTM)、トリデシルトリメリテート等のトリメリ
ット酸エステル系可塑剤、トリクレジルホスフェート、
トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル系可塑
剤、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート等
の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤等を挙げることが出来る。こ
れらの内でも、特にトリメリット酸エステル系可塑剤、
ポリエステル系可塑剤等のような加熱時に揮発性の小さ
い可塑剤を使用するのが望ましい。
ニル系樹脂に通常使用するものなら特に限定されるもの
ではなく、例えば、ジブチルフタレート(DBP)、ジ
ー2ーエチルヘキシルフタレート(DOP)、等のフタ
ル酸エステル系可塑剤、トリオクチルトリメリテート
(TOTM)、トリデシルトリメリテート等のトリメリ
ット酸エステル系可塑剤、トリクレジルホスフェート、
トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル系可塑
剤、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート等
の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤等を挙げることが出来る。こ
れらの内でも、特にトリメリット酸エステル系可塑剤、
ポリエステル系可塑剤等のような加熱時に揮発性の小さ
い可塑剤を使用するのが望ましい。
【0008】可塑剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂粉末
に可塑剤を混合した時、塩化ビニル系樹脂が未だ粉体状
で存在する量が限度であり、具体的には、例えば塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して20〜100重量部、
好ましくは50〜80重量部の範囲であるのが好適であ
る。本発明組成物の必須成分である過塩素酸バリウム、
過塩素酸ナトリウム又は過塩素酸マグネシウムは、市販
の粉末又はその水溶液が使用され、これらの内の少なく
とも一種類を添加することが必要である。而して、過塩
素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム又は過塩素酸マグネ
シウムの使用量は、特に限定されるものではないが、こ
れら過塩素酸化合物の合計量で、塩化ビニル系樹脂10
0重量部あたり0.5〜10重量部の範囲、好ましくは
1〜7重量部の範囲、特に2〜5重量部の範囲が適当で
ある。
に可塑剤を混合した時、塩化ビニル系樹脂が未だ粉体状
で存在する量が限度であり、具体的には、例えば塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して20〜100重量部、
好ましくは50〜80重量部の範囲であるのが好適であ
る。本発明組成物の必須成分である過塩素酸バリウム、
過塩素酸ナトリウム又は過塩素酸マグネシウムは、市販
の粉末又はその水溶液が使用され、これらの内の少なく
とも一種類を添加することが必要である。而して、過塩
素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム又は過塩素酸マグネ
シウムの使用量は、特に限定されるものではないが、こ
れら過塩素酸化合物の合計量で、塩化ビニル系樹脂10
0重量部あたり0.5〜10重量部の範囲、好ましくは
1〜7重量部の範囲、特に2〜5重量部の範囲が適当で
ある。
【0009】本発明組成物の必須成分の一つである熱安
定剤として作用する過塩素酸錫は、上述の過塩素酸化合
物と併用することにより、耐アミン性及び熱安定性にお
いて相乗効果を有し、極めて優れた耐アミン性と熱安定
性を示す。過塩素酸化合物及び過塩素酸錫それぞれ単独
では、樹脂組成物の初期着色が劣り、実用に供しえな
い。過塩素酸錫の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重
量部あたり0.01〜5重量部の範囲、好ましくは0.
03〜2重量部、特に0.05〜1重量部の範囲で含有
させるのが望ましい。
定剤として作用する過塩素酸錫は、上述の過塩素酸化合
物と併用することにより、耐アミン性及び熱安定性にお
いて相乗効果を有し、極めて優れた耐アミン性と熱安定
性を示す。過塩素酸化合物及び過塩素酸錫それぞれ単独
では、樹脂組成物の初期着色が劣り、実用に供しえな
い。過塩素酸錫の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重
量部あたり0.01〜5重量部の範囲、好ましくは0.
03〜2重量部、特に0.05〜1重量部の範囲で含有
させるのが望ましい。
【0010】本発明組成物は、結晶水のない、すなわち
結晶水を除去したハイドロタルサイトを含有せしめるこ
とにより、組成物の熱安定性をより一層向上させること
が出来る。結晶水を除去したハイドロタルサイトは、通
常、市販のハイドロタルサイトを250℃以上に加熱し
て、ハイドロタルサイトの結晶水を飛ばすことによって
容易に調製することが出来る。結晶水を除去したハイド
ロタルサイトは、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり
0.5〜10重量部の範囲、好ましくは1〜5重量部、
特に1.5〜4重量部の範囲で含有させるのが適当であ
る。
結晶水を除去したハイドロタルサイトを含有せしめるこ
とにより、組成物の熱安定性をより一層向上させること
が出来る。結晶水を除去したハイドロタルサイトは、通
常、市販のハイドロタルサイトを250℃以上に加熱し
て、ハイドロタルサイトの結晶水を飛ばすことによって
容易に調製することが出来る。結晶水を除去したハイド
ロタルサイトは、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり
0.5〜10重量部の範囲、好ましくは1〜5重量部、
特に1.5〜4重量部の範囲で含有させるのが適当であ
る。
【0011】本発明の組成物には、また、組成物の使用
目的により必要に応じて周知の各種添加剤、例えば滑
剤、酸化防止剤、充填剤、発泡剤、着色剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、難燃剤等を組成物の物性が低下しない
範囲で添加することが出来る。本発明の組成物を製造す
るには、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、過塩素酸バリウ
ム、過塩素酸ナトリウム又は過塩素酸マグネシウム及び
過塩素酸錫並びに結晶水を除去したハイドロタルサイ
ト、更に必要に応じて上述の各種添加剤を混合し、過熱
下にドライブレンドして可塑剤を塩化ビニル系樹脂に完
全に吸収させることによって調製される。これら配合成
分を均一に混合、ドライブレンドするには、例えば、ヘ
ンシェルミキサー、リボンブレンダー、プラネタリーミ
キサー等の混合機に投入して充分に撹拌すればよい。
目的により必要に応じて周知の各種添加剤、例えば滑
剤、酸化防止剤、充填剤、発泡剤、着色剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、難燃剤等を組成物の物性が低下しない
範囲で添加することが出来る。本発明の組成物を製造す
るには、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、過塩素酸バリウ
ム、過塩素酸ナトリウム又は過塩素酸マグネシウム及び
過塩素酸錫並びに結晶水を除去したハイドロタルサイ
ト、更に必要に応じて上述の各種添加剤を混合し、過熱
下にドライブレンドして可塑剤を塩化ビニル系樹脂に完
全に吸収させることによって調製される。これら配合成
分を均一に混合、ドライブレンドするには、例えば、ヘ
ンシェルミキサー、リボンブレンダー、プラネタリーミ
キサー等の混合機に投入して充分に撹拌すればよい。
【0012】このようにして得られた本発明の塩化ビニ
ル系樹脂組成物は、その粉体流動性を改良する目的で粉
体流動性改良剤を添加しても良い。この粉体流動性改良
剤としては、例えば、乳化重合法又は微細懸濁重合法に
よって製造された平均粒子経10μm以下、好ましくは
5μm以下の塩化ビニル系樹脂、いわゆる塩化ビニルペ
ーストレジンや微細炭酸カルシウム等の微細無機充填剤
を挙げることが出来、これらの少なくとも一種を用いる
のが好ましい。粉体流動性改良剤の配合量は、特に限定
されないが、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
通常5〜30重量部の範囲、好ましくは8〜15重量部
の範囲が望ましい。粉体流動性改良剤は、ドライブレン
ドして得られた粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物に添
加することが必要であって、ドライブレンド時に添加す
ると組成物の流動性改良の効果が充分に発揮されない。
ル系樹脂組成物は、その粉体流動性を改良する目的で粉
体流動性改良剤を添加しても良い。この粉体流動性改良
剤としては、例えば、乳化重合法又は微細懸濁重合法に
よって製造された平均粒子経10μm以下、好ましくは
5μm以下の塩化ビニル系樹脂、いわゆる塩化ビニルペ
ーストレジンや微細炭酸カルシウム等の微細無機充填剤
を挙げることが出来、これらの少なくとも一種を用いる
のが好ましい。粉体流動性改良剤の配合量は、特に限定
されないが、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
通常5〜30重量部の範囲、好ましくは8〜15重量部
の範囲が望ましい。粉体流動性改良剤は、ドライブレン
ドして得られた粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物に添
加することが必要であって、ドライブレンド時に添加す
ると組成物の流動性改良の効果が充分に発揮されない。
【0013】本発明の粉体成形用塩化ビニル樹脂組成物
は、粉体回転成形法、粉体スラッシュ成形法によって、
所望の形状、例えば、クラッシュパッド、ドアトリム、
ヘッドレスト、アームレスト、コンソールボックス表皮
等のウレタン樹脂と複合される成形品、すなわち自動車
内装材の成形材料としての利用価値が高い。
は、粉体回転成形法、粉体スラッシュ成形法によって、
所望の形状、例えば、クラッシュパッド、ドアトリム、
ヘッドレスト、アームレスト、コンソールボックス表皮
等のウレタン樹脂と複合される成形品、すなわち自動車
内装材の成形材料としての利用価値が高い。
【0014】
【実施例】次に本発明の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物を実施例にて詳述するが、本発明はその要旨を逸脱
しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1〜3 20リットル容量のスーパーミキサーに懸濁重合法によ
って製造された平均重合度900の塩化ビニル樹脂2k
gを投入し、一定の撹拌速度で撹拌、加温しながら、顔
料0.02kgを含むトリオクチルトリメリテート1.
52kgを加え、さらに過塩素酸バリウム(旭電化工業
(株)製、CPS55R)0.07kg、過塩素酸錫
(勝田加工(株)製、T47L)0.002kg及び結
晶水を除去したハイドロタルサイト(協和化学(株)
製、アルカマイザー4−2)0.04kgを添加してド
ライブレンドを実施した。組成物の温度が125℃に達
した時点で冷却を開始し、50℃まで冷却した後、平均
重合度1500、平均粒径5μm以下の塩化ビニルペー
ストレジン0.24kgを均一に分散せしめて粉体成形
用塩化ビニル樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物
0.2kgを240℃に加熱された金型に投入して30
秒間静置し、次いで未溶融の余剰組成物を排出した後、
再度240℃の温度で180秒間加熱溶融させた。金型
温度が50℃になった時点で金型から成形品をはがし取
った(実施例1)。実施例1の過塩素酸バリウムを過塩
素酸ナトリウム(旭電化工業(株)製、CPL46、実
施例2)及び過塩素酸マグネシウム(試薬、実施例3)
にそれぞれ替えた他は、実施例1と同様にして成形品を
得た。
成物を実施例にて詳述するが、本発明はその要旨を逸脱
しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1〜3 20リットル容量のスーパーミキサーに懸濁重合法によ
って製造された平均重合度900の塩化ビニル樹脂2k
gを投入し、一定の撹拌速度で撹拌、加温しながら、顔
料0.02kgを含むトリオクチルトリメリテート1.
52kgを加え、さらに過塩素酸バリウム(旭電化工業
(株)製、CPS55R)0.07kg、過塩素酸錫
(勝田加工(株)製、T47L)0.002kg及び結
晶水を除去したハイドロタルサイト(協和化学(株)
製、アルカマイザー4−2)0.04kgを添加してド
ライブレンドを実施した。組成物の温度が125℃に達
した時点で冷却を開始し、50℃まで冷却した後、平均
重合度1500、平均粒径5μm以下の塩化ビニルペー
ストレジン0.24kgを均一に分散せしめて粉体成形
用塩化ビニル樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物
0.2kgを240℃に加熱された金型に投入して30
秒間静置し、次いで未溶融の余剰組成物を排出した後、
再度240℃の温度で180秒間加熱溶融させた。金型
温度が50℃になった時点で金型から成形品をはがし取
った(実施例1)。実施例1の過塩素酸バリウムを過塩
素酸ナトリウム(旭電化工業(株)製、CPL46、実
施例2)及び過塩素酸マグネシウム(試薬、実施例3)
にそれぞれ替えた他は、実施例1と同様にして成形品を
得た。
【0015】上述のようにして成形した成形品それぞれ
の耐アミン特性の評価を次の通り行った。成形品から長
さ700mm、幅300mm、厚み0.8mmのシート
を切り出し、このシートを内法寸法一辺800mmの方
形、深さ10mmのウレタン発泡用アルミニウム製型
に、シートの金型面がアルミニウム製型の底面に接する
ように配置した。該型にポリオール100重量部に対し
てイソシアネート54重量部の割合からなる発泡性ウレ
タンを10秒間高速撹拌した後注入して型締めをし、成
形品シートの裏面にウレタンフォームを定着させた。こ
のウレタン貼合シートから長さ150mm、幅70mm
の寸法に裁断した試料を120℃雰囲気のギヤーオーブ
ン式加熱炉に500時間放置した。試料からウレタンフ
ォームを除去したシートの色差(ΔE)を、倉敷紡績
(株)製の積分球方式アウカラーVP−1色差計を用い
て測定し、その結果を表−1に示した。 比較例1〜3 実施例1において、過塩素酸錫とハイドロタルサイトを
使用しなかったもの(比較例1)、ハイドロタルサイト
を使用しなかったもの(比較例2)及び過塩素酸錫を使
用しなっかったもの(比較例3)それぞれについて、実
施例1と同様にして成形品を製造し、色差を測定して表
−1に示した。
の耐アミン特性の評価を次の通り行った。成形品から長
さ700mm、幅300mm、厚み0.8mmのシート
を切り出し、このシートを内法寸法一辺800mmの方
形、深さ10mmのウレタン発泡用アルミニウム製型
に、シートの金型面がアルミニウム製型の底面に接する
ように配置した。該型にポリオール100重量部に対し
てイソシアネート54重量部の割合からなる発泡性ウレ
タンを10秒間高速撹拌した後注入して型締めをし、成
形品シートの裏面にウレタンフォームを定着させた。こ
のウレタン貼合シートから長さ150mm、幅70mm
の寸法に裁断した試料を120℃雰囲気のギヤーオーブ
ン式加熱炉に500時間放置した。試料からウレタンフ
ォームを除去したシートの色差(ΔE)を、倉敷紡績
(株)製の積分球方式アウカラーVP−1色差計を用い
て測定し、その結果を表−1に示した。 比較例1〜3 実施例1において、過塩素酸錫とハイドロタルサイトを
使用しなかったもの(比較例1)、ハイドロタルサイト
を使用しなかったもの(比較例2)及び過塩素酸錫を使
用しなっかったもの(比較例3)それぞれについて、実
施例1と同様にして成形品を製造し、色差を測定して表
−1に示した。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明の粉体成形用塩化ビニル樹脂組成
物は、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム又は過塩
素酸マグネシウム及び過塩素酸錫並びに結晶水を除去し
たハイドロタルサイトを併用することにより、それぞれ
を単独で用いたよりも、極めて優れた耐熱性と耐アミン
性を発揮し、変色及び劣化を防止し得る。
物は、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム又は過塩
素酸マグネシウム及び過塩素酸錫並びに結晶水を除去し
たハイドロタルサイトを併用することにより、それぞれ
を単独で用いたよりも、極めて優れた耐熱性と耐アミン
性を発揮し、変色及び劣化を防止し得る。
Claims (8)
- 【請求項1】塩化ビニル系樹脂に可塑剤をドライブレン
ドした粉体成形用の樹脂組成物であって、該組成物中に
過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸マ
グネシウムから選択される少なくとも一種類、過塩素酸
錫並びに結晶水のないハイドロタルサイトを含有せしめ
たことを特徴とする粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成
物。 - 【請求項2】可塑剤が、トリメリット酸エステル系可塑
剤又はポリエステル系可塑剤である請求項1記載の粉体
成形用塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項3】過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム又
は過塩素酸マグネシウムの含有量が、塩化ビニル系樹脂
100重量部あたり0.5〜10重量部の範囲である請
求項1又は請求項2記載の粉体成形用塩化ビニル系樹脂
組成物。 - 【請求項4】過塩素酸錫の含有量が、塩化ビニル系樹脂
100重量部あたり0.01〜5重量部の範囲である請
求項1乃至請求項3いずれかの項に記載の粉体成形用塩
化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項5】結晶水のないハイドロタルサイトの含有量
が、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり0.5〜10
重量部の範囲である請求項1乃至請求項4いずれかの項
に記載の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項6】請求項1乃至請求項5いずれかの項に記載
の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物に、さらに塩化ビ
ニル系樹脂100重量部あたり、粉体流動性改良剤5〜
30重量部を均一に分散せしめたことを特徴とする粉体
成形用塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項7】粉体流動性改良剤が、乳化重合法又は微細
懸濁重合法によって製造された平均粒径10μm以下の
塩化ビニル系樹脂である請求項6記載の粉体成形用塩化
ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項8】粉体流動性改良剤が、微細無機充填剤であ
る請求項6記載の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19970695A JPH0948896A (ja) | 1995-08-04 | 1995-08-04 | 粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19970695A JPH0948896A (ja) | 1995-08-04 | 1995-08-04 | 粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0948896A true JPH0948896A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16412261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19970695A Pending JPH0948896A (ja) | 1995-08-04 | 1995-08-04 | 粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0948896A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10120854A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-05-12 | Sumitomo Chem Co Ltd | 粉末成形用塩化ビニル系樹脂組成物およびその製造方法 |
US9060963B2 (en) | 2008-01-14 | 2015-06-23 | Active Organics, Inc. | Anti-inflammatory hydrolysate of C. versicolor |
-
1995
- 1995-08-04 JP JP19970695A patent/JPH0948896A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10120854A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-05-12 | Sumitomo Chem Co Ltd | 粉末成形用塩化ビニル系樹脂組成物およびその製造方法 |
US9060963B2 (en) | 2008-01-14 | 2015-06-23 | Active Organics, Inc. | Anti-inflammatory hydrolysate of C. versicolor |
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