JPH094868A

JPH094868A - 高風圧形空気調和機

Info

Publication number: JPH094868A
Application number: JP7173971A
Authority: JP
Inventors: Eisuke Nishitsu; 津衛助西
Original assignee: NIPPON KUUCHIYOUKI GIKEN KK; Kurogane Kosakusho Ltd
Current assignee: NIPPON KUUCHIYOUKI GIKEN KK; Kurogane Kosakusho Ltd
Priority date: 1995-06-16
Filing date: 1995-06-16
Publication date: 1997-01-10

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、天井内等に取付られる高風圧形空
気調和機に関するもので、簡単な構造で、全体が偏平で
コンパクトは形態となり、建築上の納まりに優れ、低騒
音、高風圧の空気調和装置を得ることを目的とする。【構成】熱交換機、送風機、エアーフィルター等を基
本要素とする空気調和機において、同一サイズの第１、
第２送風機３、４を一直線上に直列に設置し、第２送風
機４が位置する個所を、それぞれの送風機３、４の吹出
口３１、４１を除いて所定の仕切壁１４、１５にて密閉
すると共に、それぞれの送風機を同一回転数で、互いに
逆方向に回転するよう上下方向に逆転して配置した事を
特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井内、又は壁面内等
に設置される高風圧形空気調和機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、空気調和機は、建物に機械室がな
い場合、建築上の納まりの上から、天井内に取付られる
ものでは、特にその高さ寸法をできるだけ小さく、床面
に設置されるものでは、特に奥行き寸法をできるだけ小
さくすることが望まれると共に、居住域、あるいは、居
住域に近接する場所に設置されるケースが多い為、でき
るだけ低騒音であることが望まれる。

【０００３】又、近年では、高性能エアーフィルターの
使用や、自然蒸発形加湿器の付加など、空気調和機内部
のコンポーネントが多くなり、機内消費風圧が増加する
傾向にある。さらに、建物の遊休スペースを利用する設
置条件により、遠く離れた所から居住域まで長尺ダクト
が必要となる場合等、それだけ付加する風圧が多くなる
傾向にあった。

【０００４】この為、風圧を上げる手段として、一般的
に羽根車の回転数を上げたり、図３に典型的な空気調和
機の断面として示すように、空気調和機Ａの吹出口に接
続ダクトＢを介して、居住域の調和空気の吹出口Ｃ付近
にブースターファンとして、更に１セット送風機Ｄを設
置したりする事が度々行われているが、これらの方法は
居住域の騒音を増加させる欠点があった。

【０００５】このため、図５のように２組の送風機を空
気調和機内に直列に配置したり、あるいは、２組の送風
機の間に風圧を消費する熱交換器や、ダクト等、コンポ
ーネントを介在させる方法が提案されているが、２組の
送風機を使用しても、所望通り風圧が倍加しないという
問題があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決する事を課題とし、簡単な構造で全体が偏平でコン
パクトな形態となり、建築上の納まりに優れ、低騒音、
高風圧の空気調和機を提供する事を目的とする。

【０００７】

【課題を解決する為の手段】本発明は、熱交換機、シロ
ッコファン形送風機（以下、送風機とする。）、エアー
フィルター等を基本要素とする空気調和機において、同
一サイズの第１、第２送風機を一直線上に直列に配置
し、第２送風機が位置する個所を、それぞれの送風機の
吹出口を除いて所定の仕切壁にて密閉すると共に、それ
ぞれの送風機を同一回転数で、互いに逆方向に回転する
よう上下方向に逆転して配置したものである。

【０００８】

【作用】上記手段によれば、同一サイズの送風機を上下
方向に逆転して配置し回転方向を各々逆方向とする事に
より、２つの羽根車の位置を前後上下方向で接近させる
ことができ、後方の送風機の吹出気流の動圧を、前方の
送風機に円滑、効果的に導入し得る。

【０００９】即ち、シロッコファン形送風機は、図４に
示すように、円形状羽根車Ｅの回転方向に沿って、ハウ
ジングＦは末広がりの蝸牛状をなし、羽根車Ｅの羽根か
ら噴出される空気流を徐々に減速し、風速により生じる
風圧、すなわち動的風圧を一部ハウジングＦ内で静圧に
変換して行く形状となっている。

【００１０】しかして、変換された静圧は、羽根車Ｅの
外周に外圧Ｇとなって、羽根による気流の加速を妨げる
方向に作用する。それ故に、上下に２分した吸込口のＡ
区域とＢ区域において、羽根車Ｅの羽根による気流の加
速はＢ区域の方がＡ区域に比較して、外圧Ｇの少ない分
大きくなる。つまり、吸込口のＢ区域に第３の気流を吹
き込めば、より効率良く、羽根による加速が増加し、Ａ
区域のそれよりも効果的である。

【００１１】さて、本発明の具体的作用について図６に
基づいて図解する。また、従来の直列配置のものについ
て図５に基づいて図解する。図６の第１送風機Ｌ（シロ
ッコファン形送風機）の吹出気流は第２送風機Ｍ（シロ
ッコファン形送風機）の吸込口の下部区域（Ｂ区域）に
集中的に吹き込まれる。一方、図５の第１送風機Ｎの吹
出気流は第２送風機Ｐの上部区域（Ａ区域）に集中的に
吹き込まれる。

【００１２】このように、第２送風機に効率的な仕事を
付加するためには、Ｂ区域に集中して風を送らなければ
効率が悪くなり、又、第１、第２送風機の距離をあけて
隣接する場合、その距離に反比例して、第１送風機の吹
き込み区域が拡散し、Ｂ区域、Ａ区域の両区域に拡がっ
て効率的でなくなる。

【００１３】すなわち、第１、第２送風機の距離は可能
な限り距離のない近接配置が望ましく、その距離の最大
許容値は、第１、第２送風機のハウジング端面間が大略
羽根車の半径以内である。

【００１４】一方、図５における送風機配置で、第１送
風機Ｎの吹出気流が第２送風機ＰのＢ区域に吹き込むよ
うに、第１送風機を下方にずらせて配置しようとする
と、上下並列配置となり送風機の空調ユニットへの装着
が上下方向に大きくなる、つまり、ユニットの厚さが増
してコンパクトでなくなる。

【００１５】更に、図６の場合（本発明の場合）第１送
風機Ｌからの吹出気流の流線が、第２送風機Ｍの回転方
向と同方向に旋回流となり、第２送風機Ｍの羽根車への
流入が加速されるが、図５の場合（従来例の場合）その
流線が逆回転旋回流となり第２送風機Ｐの羽根車への流
入が効率的でない。

【００１６】従って、第１送風機の第２送風機への吹き
込みが単に第２送風機の上下区域（Ａ区域、Ｂ区域）へ
の吹き込みにとどまらず、その第１、第２送風機の羽根
車の回転を逆にする事により、吹き込み気流の旋回流が
効率良く第２送風機におくられることによる相乗効果が
付与される。

【００１７】上記の作用説明は、主として断面方向のも
のであるが、前述の第２送風機への吹き込み効果は、第
１、第２送風機を直列一直線上に配置されなければ意味
がなく、第１送風機は第２送風機の直後に配置されなけ
ればならない。

【００１８】

【実施例】以下、実施例を図面に基づいて説明する。図
１において、符号１０は本発明の高風圧形空気調和機を
示している。高風圧形空気調和機１０は、ケーシング１
と、ケーシング１内に設けられたエアーフィルター２
と、エアーフィルター２の前方に設けられた第１送風機
３と、第１送風機２の前方に設けられた第２送風機４
と、第２送風機４の前方に設けられた熱交換器５等を有
し、エアーフィルター２、第１送風機３、第２送風機
４、熱交換器５は適宜手段にてケーシング１に保持され
ている。

【００１９】ケーシング１は、後端面に空気吸い込み用
ダクトが接続される吸込部１１を、前端面に調和空気が
吹き出される吹出部１２を有し、エアーフィルター２の
周部に位置して吸込部１１より吸い込まれた空気が、確
実にエアーフィルター２を通過する構造としたエアーフ
ィルター支持部１３が形成され、第１送風機３の第１吹
出口３１側に第１仕切壁１４が、第２送風機４の第２吹
出口４１側に第２仕切壁１５が形成されている。そし
て、熱交換器５は、ケーシング１内に形成された支持台
１６に取付られ、支持台１６下面にはドレンパン６が設
けられている。

【００２０】即ち、第１仕切壁１４と第２仕切壁１５間
に密閉空間１００を形成する事により、第２送風機４が
位置する個所を、第１、第２吹出口、３１、４１を除き
密閉して、第２送風機４側の空気が第１送風機３に吸い
込まれないよう、又、熱交換器５側の空気が第２送風機
４に吸い込まれないよう区画して、第１送風機３から吹
き出された空気が、効率よく第２送風機４に吸い込まれ
る構成としている。尚、上記密閉空間１００は完全な密
閉状態を意味するものではなく、本発明の効果を妨げな
い程度の密閉状態であれば良いことは云うまでもない。

【００２１】第１送風機３は第１ハウジング３２と、第
１ハウジング３２内で回転する第１羽根車３３等よりな
り、第１ハウジング３２の前端に位置する前記第１吹出
口３１の前端面は第１仕切壁１４より第２送風機４側に
突出し、第１羽根車３３は第１図で反時計周りに回転し
ている。

【００２２】第２送風機４は第１ハウジング３２と同サ
イズの第２ハウジング４２と、第２ハウジング４２内で
回転する第１羽根車３３と同サイズの第２羽根車４３等
よりなり、第２ハウジング４２の前端に位置する前記第
２吹出口４１の前端面は第２仕切壁１５より熱交換器５
側に突出し、第２羽根車４３は第１図で時計周りに、第
１羽根車３３と同一回転数で回転している。即ち第１羽
根車３３と第２羽根車４３は互いに同一回転数で逆方向
に回転している。

【００２３】尚、第１送風機３の第２送風機４に対する
上下方向の位置関係は、第１、第２羽根車３３、４３の
半径寸法に相当する範囲内で、第１羽根車３３の回転中
心位置を第２羽根車４３の回転中心位置より、第２送風
機４の吹出方向と垂直な下方向にずらしても所定の効果
を得ることができるが、両羽根車３３、４３の回転中心
位置は第２送風機４の吹出方向と平行な同一直線上に位
置するのがより好ましく、実施例では、第１送風機３と
第２送風機４は、第１送風機３を第１羽根車３３の半径
に相当する分、第２送風機４の下方にずらしている。

【００２４】又、第１送風機３の気流と第２送風機４の
前後方向の位置関係は、第１吹出口３１の前端面から羽
根車の半径寸法程度の範囲内で、第２ハウジング４２の
後端面より、第２送風機４の吹出方向と平行な前後方向
にずらしても所望の効果を得ることができるが、第２送
風機の吹出方向に垂直で第２ハウジング４２の後端面に
接する直線上に第１吹出口３１の前端面が位置するのが
より好ましく、実施例ではそのような構成となってい
る。

【００２５】さらに、空気調和機１０の吹出口１２に対
面して、第１送風機３と第２送風機４の左右方向の位置
関係は、第１送風機３と第２送風機４の左右方向の中心
位置が、第２送風機４の吹出方向と平行な同一直線上に
位置している。すなわち、第１送風機３は第２送風機４
の直列一直線上に配置されている。

【００２６】図２は、本発明の直列運転（本発明の第１
送風機３と第２送風機４をそれぞれ２台並設した、計４
台を設置した高風圧形空気調和機、以下、本発明の高風
圧形空気調和機と云う。）と、従来の直列運転（同一回
転数で同一回転方向の送風機をそれぞれ２台並設した、
計４台を設置した高風圧形空気調和機、以下、従来の高
風圧形空気調和機と云う。）と、単体運転（送風機を２
台並設した空気調和機、以下、単体空気調和機と云
う。）の、羽根車直径１４０ｍｍ、毎分１７７０回転と
した場合の、風量ー風圧ー軸動力特性実験線図を示し、
実線は本発明の高風圧形空気調和機の実験値、一点鎖線
は従来の高風圧形空気調和機の実験値、破線は単体空気
調和機の実験値を表している。

【００２７】実験結果によると、毎時１０００ｍ³の風
量では単体空気調和機は風圧（静圧）１４．３ｍｍ水
柱、従来の高風圧形空気調和機は１９．５ｍｍ水柱、本
発明の高風圧形空気調和機は２５．５ｍｍ水柱を示し、
軸動力はそれぞれ１１５ワット、１５０ワット、１４０
ワットを示している。

【００２８】すなわち、本発明の高風圧形空気調和機の
風圧は単体空気調和機の大略１．８倍、従来の高風圧形
空気調和機の約１．３倍の数値をしめし、軸動力は単体
空気調和機の約１．２倍、従来の高風圧形空気調和機の
０．９倍近くの数値となっている。

【００２９】

【発明の効果】本発明は、同一サイズの２組の送風機
を、ケーシング内にできるだけ近接して直列一直線上に
配置する事により、第１送風機の持つ吹出気流を減速に
よる動圧から静圧への変換を最小限に抑えることによる
動圧ロスをなくして、第２送風機の吸込口に吹き込むこ
とができる。また、第１送風機と第２送風機の配置を上
下方向にそれぞれ逆転して配し、さらに出来るだけ両送
風機の上下関係位置を小さくすることにより、第１送風
機からの吹出気流をダイレクトに第２送風機の吸込口の
下半分（Ｂ区域）の高効率入力部に吹き込むことがで
き、上記逆転配置で互いの羽根車が逆回転となることに
よって、第１送風機から第２送風機への気流搬送が円滑
に行え、第２送風機の吹出気流の風圧を飛躍的に高くす
ることが出来ると共に、空気調和機を偏平でコンパクト
にすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の高風圧形空気調和機の要部縦断面略図

【図２】本発明と従来例の風量ー風圧ー軸動力特性実験
線図

【図３】従来例の要部縦断面略図

【図４】シロッコファン形送風機の説明図

【図５】従来例の直列配置形送風機の説明図

【図６】本発明の送風機の説明図

【符号の説明】

１ケーシング１０高風圧形空気調和機１４第１仕切壁１５第２仕切壁１００密閉空間２エアーフィルター３第１送風機３１第１吹出口３２第１ハウジング３３第１羽根車４第２送風機４１第２吹出口４２第２ハウジング４３第２羽根車

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【手続補正書】

【提出日】平成７年８月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２６

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２６】図２は、本発明の直列運転（本発明の第
１送風機３と第２送風機４をそれぞれ２台並設した、計
４台を設置した高風圧形空気調和機、以下、本発明の高
風圧形空気調和機と云う。）と、従来の直列運転（同一
回転数で同一回転方向の送風機をそれぞれ２台並設し
た、計４台を設置した高風圧形空気調和機、以下、従来
の高風圧形空気調和機と云う。）と、単体運転（送風機
を２台並設した空気調和機、以下、単体空気調和機と云
う。）の羽根車直径１４０ｍｍ、毎分１３７０回転とし
た場合の、風量−風圧−軸動力特性実験線図を示し、実
線は本発明の高風圧形空気調和機の実験値、一点鎖線は
従来の高風圧形空気調和機実験値、破線は単体空気調和
機の実験値を表している。

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】熱交換機、シロッコファン形送風機（以
下、送風機とする。）、エアーフィルター等を基本要素
とする空気調和機において、同一サイズの第１、第２送
風機を一直線上に直列に配置し、第２送風機が位置する
個所を、それぞれの送風機の吹出口を除いて所定の仕切
壁にて密閉すると共に、それぞれの送風機を同一回転数
で、互いに逆方向に回転するよう上下方向に逆転して配
置した事を特徴とする高風圧形空気調和機。