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JPH093608A - Fe基軟磁性合金およびFe基軟磁性合金薄帯 - Google Patents

Fe基軟磁性合金およびFe基軟磁性合金薄帯

Info

Publication number
JPH093608A
JPH093608A JP7147838A JP14783895A JPH093608A JP H093608 A JPH093608 A JP H093608A JP 7147838 A JP7147838 A JP 7147838A JP 14783895 A JP14783895 A JP 14783895A JP H093608 A JPH093608 A JP H093608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
soft magnetic
atomic
elements
magnetic alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7147838A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihisa Inoue
明久 井上
Yoshihiro Miyauchi
義浩 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Denko Co Ltd
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Nippon Denko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd, Nippon Denko Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP7147838A priority Critical patent/JPH093608A/ja
Publication of JPH093608A publication Critical patent/JPH093608A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/153Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F1/15308Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals based on Fe/Ni

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高い保磁力と透磁率を維持したま
まで磁歪を調整できるとともに、コアロスが少なく、t
anδの値を小さくできるFe系軟磁性合金を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明は、Si、Al、Ge、Gaのうち1
種または2種以上が固溶したFeを主成分とするbcc
相と、Bを含む非晶質相とを具備してなり、更にTi、
Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Wのうち1種または2
種以上の元素Mを含み、前記bcc相の組織の少なくと
も50%以上を平均結晶粒径30nm以下の微細な結晶
粒から構成してなり、全体として磁歪がほぼゼロである
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランスのコア材等に
用いられるFe基軟磁性合金およびそれを用いて構成さ
れた薄帯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッド、トランス、チョークコイル
等に用いられる軟磁性合金において、一般的に要求され
る諸特性は以下の通りである。 飽和磁束密度が高いこと。 透磁率が高いこと。 低保磁力であること。 薄い形状が得やすいこと。 従って、軟磁性合金あるいは磁気ヘッドを製造する場
合、これらの観点から種々の合金系において材料研究が
なされている。従来、前述の用途に対しては、センダス
ト(Fe-Si-Al合金)、パーマロイ(Fe-Ni合
金)、けい素鋼等の結晶質合金が用いられ、最近ではF
e基およびCo基の非晶質合金も使用されるようになっ
てきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、磁気ヘッド
の場合、高記録密度化に伴う磁気記録媒体の高保磁力化
に対応するため、より好適な高性能磁気ヘッド用の磁性
材料が望まれている。また、トランス、チョークコイル
の場合は、電子機器の小型化に伴い、より一層の小型化
が必要であるため、より高性能の磁性材料が望まれてい
る。ところが、前述のセンダストは、軟磁気特性には優
れているものの、飽和磁束密度が約11kGと低い欠点
があり、パーマロイも同様に、軟磁気特性に優れる合金
組成においては、飽和磁束密度が約8kGと低い欠点が
あり、けい素鋼は飽和磁束密度は高いものの軟磁気特性
に劣る欠点がある。
【0004】更に、非晶質合金において、Co基合金は
軟磁気特性に優れているものの、飽和磁束密度が10k
G程度と不十分である。また、Fe基合金は飽和磁束密
度が高く、15kGあるいはそれ以上のものが得られる
が、軟磁気特性が不十分である。また、非晶質合金の熱
安定性は充分でなく、未だ未解決の面がある。前述のご
とく高飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を兼備すること
は難しい。
【0005】一方、従来、高飽和磁束密度を有し、低鉄
損のトランス用合金として、特開平1ー242757号
公報に開示されているように、 一般式(Fe 1-a M5 a)100-x-y-z-t Cux Siy
z M6t (ただし、M5は、Coおよび/またはNiであり、M6
は、Nb,W,Ta,Mo,Zr,HfおよびTiから
なる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、組成
比a,x,y,z,t はそれぞれ原子%で、0≦a≦0.3、
0.1≦x≦3、0≦y≦17、4≦z≦17、10≦y+z
≦28、0.1≦t≦5を満たす。)なる組成を示し、組
織の少なくとも50%が微細な結晶粒からなり、前記結
晶粒の最大寸法で測定した粒径の平均が1000Å以下
の平均粒径を有する合金が知られている。
【0006】前述の微細結晶合金は、特公平4ー439
3号公報(U.S.P. No. 5,160,379)に開示
されているような、Fe-Si-B系の非晶質合金を出発
材料として開発されたものである。Fe-Si-B系合金
において、組織を非晶質化する元素はSiとBであり、
実用上十分な熱安定性を備えた合金のFe含有量は70
〜80原子%である。この非晶質合金は、従来のFe-
Si系合金よりも優れた磁気特性を有しているものであ
った。前記の特許出願に係る微細結晶合金は、Fe-S
i-B合金にCuと元素Mを添加したFe-M1-Cu-S
i-B-M7系のものであり、ここで元素M7 はNb,
W,Ta,Zr,Hf,Ti,Moから選択される少な
くとも1種の元素である。この系の合金において、Cu
を含有させることは必須の条件であり、Cuの添加によ
り、非晶質中に揺らぎを生じさせて微細結晶粒を生成さ
せ、組織を微細化することができるとされている。ま
た、Cuを含有させない場合は、結晶粒を微細化するこ
とは難しく、化合物相が生成され易くなって磁気特性が
劣化することが前述の特許公報に記載されている。
【0007】更にこの系の合金においては、CuとNb
との相互作用により結晶粒の成長を抑えることができ
る。従ってNbもしくはCuの単独添加のみでは、結晶
粒の成長は抑えられないことから、NbとCuの複合添
加は必須であるとされている。このことは、日本金属学
会誌第53巻第2号(1989年)の第241頁〜第2
48頁において、先に記載した特許出願の発明者らが発
表した内容において述べられている。なお、前記特公平
4ー4393号公報の第20図の組成図から、この系の
合金においてSi=0であれば、低磁歪が得られないこ
とがわかり、Siは磁歪を小さくする効果があるので、
磁歪を小さくするためにはSiの添加は必須である。
【0008】このような従来技術に対し本願発明者ら
は、全く異なる観点から、全く異なる成分系の材料を用
いて軟磁性材料の開発を進めており、その中に、前記セ
ンダスト、パーマロイ、けい素鋼などの従来技術に鑑み
て先に特許出願している特公昭60ー30734号公報
に見られるFe(Co,Ni)-Zr系合金がある。こ
のFe(Co,Ni)-Zr系の合金は、非晶質形成能
力の大きいZrを添加しているので、Zrの添加量を少
なくしても非晶質化を図ることができ、Feの濃度を9
0%以上とすることが可能である。更にZrと同様な非
晶質形成元素としてHfを用いることができるものであ
った。ところがこの系においてFe濃度が高い合金のキ
ュリー点は、室温付近であるがために、磁心材料として
は実用的な合金ではなかった。
【0009】次に本願発明者らは、Fe-Hf系の非晶
質合金を特殊な方法で一部結晶化させることで、平均結
晶粒径10〜20nm程度の微細結晶組織を得ることが
できることを知見し、1980年に、「CONFERENCE ON
METALLIC SCIENCE AND TECHNO-LOGY BUDAPEST 」の第2
17頁〜第221頁において発表している。この発表時
の技術から鑑みると、Fe-Hf系合金においてはCu
等の元素を添加しなくとも組織の微細化が起こり得るこ
とが示唆される。このメカニズムについては明らかでは
ないが、非晶質合金を作成する場合の急冷状態で既に組
織のゆらぎが存在し、このゆらぎが不均一核生成のサイ
トとなって均一かつ微細な核が多数生成するものと考え
られる。
【0010】前述の通りFe-Hf系の合金は、非晶質
状態では良好な磁気特性を示さない。しかしこの合金
が、非磁性添加元素を必要とせずに微細化することを考
慮すると、Fe-Hf系非晶質合金を出発材料とするこ
とで、従来にない高いFe濃度の微細結晶合金が得ら
れ、従って先のFe-Si-B系の微細結晶合金よりもさ
らに高い飽和磁束密度を持つ新合金の出現が期待され
る。そこで本発明者らが更に研究を進めた結果、粒成長
を抑えるためには、Fe-M(メタル)系微結晶合金の
熱的安定性を高める必要があり、更に、粒成長の障壁と
なり得る熱的に安定な非晶質相を粒界に残存させること
が必要であり、そのような観点から非晶質合金の熱的安
定性を高める元素であるBに着目して研究を進めた。そ
の結果として本発明者らは先に、前記の課題を解決した
高飽和磁束密度Fe系軟磁性合金を特開平5ー9324
9号(特願平2−108308号)において平成2年4
月24日付けで特許出願している。
【0011】この特許出願に係る合金の1つは、次式で
示される組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度
であった。 (Fe1-fCofgh T1i T2j 但しT1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、Wからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素
であり、且つ、Zr、Hfのいずれか、または両方を含
み、T2は、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Ptから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、f
≦0.05、g≦92原子%、h=0.5〜16原子%、i
=4〜10原子%、j=0.2〜4.5原子%である。
【0012】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度合金であった。 Fegh T1i T2j 但しT1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、Wからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素
であり、且つ、Zr、Hfのいずれか、又は両方を含
み、T2は、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Ptから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、g
≦92原子%、h=0.5〜16原子%、i=4〜10原
子%、j=0.2〜4.5原子%である。
【0013】更に本発明者らは、前記合金の発展型の合
金として、特開平4ー333546号(特願平2−23
0135号)明細書において平成2年8月31日付けで
以下に示す組成の合金について特許出願を行なってい
る。この特許出願に係る合金の1つは、次式で示される
組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度合金であ
った。 (Fe1-aabxy 但し、QはCo、Niのいずれか又は両方であり、T
は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、且
つ、Zr、Hfのいずれか、または両方を含み、a≦
0.05、b≦93原子%、x=0.5〜8原子%、y=
4〜9原子%である。
【0014】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とするもの
である。 Febxy 但しTは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、
Wからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であ
り、且つ、Zr、Hfのいずれか、又は両方を含み、b
≦93原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子
%である。次に、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結
果、先に出願した特開平5ー93249号に記載の軟磁
性合金について更に研究を進め、これらの系に添加する
元素の中でもSi、Al、Ge、GaをFeのbcc相
中に固溶させたものが磁歪を調整できることを知見し本
発明に到達した。
【0015】本発明の目的は、前記特許出願の軟磁性合
金を発展させて高飽和磁束密度と高透磁率を維持したま
まで磁歪を調整できるとともに、コアロスが少なく、t
anδの値を小さくできるFe系軟磁性合金を提供する
ことである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のFe系
軟磁性合金は上記課題を解決するためにSi、Al、G
e、Gaのうち、1種または2種以上が固溶したFeを
主成分とするbcc相と、Bを含む非晶質相とを具備し
てなり、更にTi、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W
のうち1種または2種以上の元素Mを含み、前記bcc
相の組織の少なくとも50%以上を平均結晶粒径30n
m以下の微細な結晶粒から構成し、全体として磁歪をほ
ぼゼロにしてなるものである。請求項2に記載のFe系
軟磁性合金は上記課題を解決するために、請求項1記載
のFe基軟磁性合金を次式で表される組成としたもので
ある。 (Fe1-aabx M1y M2z 但しQは、NiおよびCoのうち1種または2種であ
り、M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、Wのうち1種または2種以上の元素であり、M2
は、Si、Al、Ge、Gaのうち1種または2種以上
の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、zは、a
=0〜0.2、b=75〜93原子%、x=0.5〜18
原子%、y=4〜10原子%、z=5原子%以下であ
る。
【0017】請求項3に記載のFe系軟磁性合金は上記
課題を解決するために、請求項1記載のFe基軟磁性合
金を次式で表される組成としたものである。 (Fe1-aabx M1y M2z M3d 但しQは、NiおよびCoのうち1種または2種であ
り、M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、Wのうち1種または2種以上の元素であり、M2
は、Si、Al、Ge、Gaのうち1種または2種以上
の元素であり、M3は、Cu、Ag、Au、Pd、P
t、Biのうち1種または2種以上の元素であり、組成
比を示すa、b、x、y、z、dは、a=0〜0.2、
b=75〜93原子%、x=0.5〜18原子%、y=
4〜10原子%、z=5原子%以下、d=4.5原子%
以下である。
【0018】請求項4に記載のFe系軟磁性合金は上記
課題を解決するために、請求項1記載のFe基軟磁性合
金を次式で表される組成としたものである。 (Fe1-aabx M1y M2z M3d M4e 但しQは、NiおよびCoのうち1種または2種であ
り、M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、Wのうち1種または2種以上の元素であり、M2
は、Si、Al、Ge、Gaのうち1種または2種以上
の元素であり、M3は、Cu、Ag、Au、Pd、P
t、Biのうち1種または2種以上の元素であり、M4
は、Cr、Ru、Rh、Irのうち1種または2種以上
の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、z、d、
eは、a=0〜0.2、b=75〜93原子%、x=0.
5〜18原子%、y=4〜10原子%、z=5原子%以
下、d=4.5原子%以下、e=5原子%以下である。
【0019】請求項5に記載のFe系軟磁性合金は上記
課題を解決するために、請求項2〜4のいずれかに記載
のM1として、Ti、Nb、Taのうち1種または2種
以上の元素であり、x=6.5〜18原子%としたもの
である。請求項7に記載のFe系軟磁性合金薄帯は、請
求項2〜4のいずれかのFe基軟磁性合金により形成さ
れたものである。請求項7に記載のFe系軟磁性合金薄
帯は、上記課題を解決するために、請求項2〜4のいず
れかに記載のFe基軟磁性合金により形成された薄帯の
表面荒さRzを4〜8μm、最大表面荒さRmaxを6〜1
0μmとしたものである。
【0020】
【作用】Si、Al、Ge、Gaのうち1種または2種
以上がFeのbcc相に固溶すると、磁歪をほぼゼロに
することが可能になる。また、このbcc相と、Bを含
む非晶質相とを具備してなり、更にTi、Zr、Hf、
Nb、Ta、Mo、Wのうち1種または2種以上の元素
Mを含み、前記bcc相の組織の少なくとも50%以上
を平均結晶粒径30nm以下の微細な結晶粒から構成し
たものは、磁歪が少ない上に、高い飽和磁束密度と優れ
た透磁率を示すので、優れた軟磁性合金となり、トラン
スのコア用として好適となる。
【0021】この種のFe基軟磁性合金においては、
(Fe1-aabx M1y M2zなる組成式で示され、
Qは、NiおよびCoのうち1種または2種であり、M
1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wの
うち1種または2種以上の元素であり、M2は、Si、
Al、Ge、Gaのうち1種または2種以上の元素であ
り、a=0〜0.2、b=75〜93原子%、x=0.5
〜18原子%、y=4〜10原子%、z=5原子%以下
の範囲としたものが低い磁歪を有し、高い飽和磁束密度
と高い透磁率を発揮する。
【0022】また、この種のFe基軟磁性合金におい
て、(Fe1-aabx M1y M2zM3dなる組成式で
示され、前記の組成範囲に加え、M3は、Cu、Ag、
Au、Pd、Pt、Biのうち1種または2種以上の元
素であり、d=4.5原子%以下である範囲としたもの
が低い磁歪を有し、高い飽和磁束密度と高い透磁率を発
揮する。更に、この種のFe基軟磁性合金において、
(Fe1-aabx M1y M2zM3d M4eなる組成式で
示され、前記の組成範囲に加え、M4は、Cr、Ru、
Rh、Irのうち1種または2種以上の元素であり、e
=5原子%以下である範囲としたものが低い磁歪を有
し、高い飽和磁束密度と高い透磁率を発揮する。
【0023】更に、前記Fe基合金の元素M1として、
Ti、Nb、Taのうち1種または2種以上とし、x=
6.5〜18原子%の範囲としたものも低い磁歪を有
し、高い飽和磁束密度と高い透磁率を発揮する。更にま
た、前記Fe基軟磁性合金により薄帯を得ることがで
き、この薄帯の表面荒さRzを4〜8μm、最大表面荒
さRmaxを6〜10μmとすることで、トロイダル型の
トランスコア用として好適なものとなる。
【0024】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
Fe基軟磁性合金は、前記組成の非晶質合金あるいは非
晶質相を含む結晶質合金を溶湯から急冷することにより
得る工程あるいはスパッタ法あるいは蒸着法等の気相急
冷法により得る工程と、これらの工程で得られたものを
加熱後冷却し微細な結晶粒を析出させる熱処理工程(ア
ニール工程)を実施することによって通常得ることがで
きる。本発明の軟磁性合金にはBが必ず添加されてい
る。Bには軟磁性合金の非晶質形性能を高める効果、お
よび前記熱処理工程において、磁気特性に悪影響を及ぼ
す化合物相の生成を制御する効果があると考えられ、こ
のためB添加は必須である。
【0025】また、前記Fe基軟磁性合金において、非
晶質相を得やすくするためには、非晶質形成能の高いZ
r、Hfのいずれかを含むことが好ましい。従ってこれ
らのZrとHfを含む場合にBの添加量を少なくするこ
とができるので、B含有量を0.5〜18原子%の広い
範囲とすることができる。そして、Zr、Hfはその一
部を他の4A〜6A族元素のうち、Ti、V、Nb、T
a、Mo、Wのうちの1種または2種以上と置換するこ
とができ、その場合にも同等の効果を得ることができ
る。しかしながら、Zr、Hf以外の元素を元素M1の
1種として添加する場合、Zr、Hf以外の元素の非晶
質形成能力が低いために、Bの添加量を6.5〜18原
子%の範囲とすることが好ましい。これらの元素の中で
もNbとTaは、融点の高い金属材料であって熱的に安
定であり、製造時に酸化しづらいものである。
【0026】よって、これら元素をZr、Hfに代えて
添加している場合、あるいはZr、Hfを少なくして前
記元素を多くした場合には、先に本願発明者らが特許出
願している材料においてHfやZrを主体とするものよ
りも製造条件が容易で安価に製造することができ、ま
た、コストの面でも有利である。即ち、先に本願発明者
から特許出願している合金においては、真空雰囲気中に
おいて不活性ガスを供給して酸化に留意しつつ製造する
必要があったが、前記融点の高い材料を添加した場合
は、製造条件を緩くすることができる。具体的には、ノ
ズル先端部に不活性ガスを部分的に供給しつつ、大気中
で製造もしくは大気中の雰囲気で製造することができる
ようになる。
【0027】更に、本発明においては、添加する元素M
2として、Si、Al、Ge、Gaのうち1種または2
種以上を5原子%以下含有することが好ましい。これら
は半金属元素として知られるものであるが、本発明の合
金においてはこれらの半金属元素がFeを主成分とする
bcc相(体心立方晶の相)に固溶している。それらの
元素の含有量が5原子%を超えると磁歪が大きくなる
か、飽和磁束密度が低下するか、透磁率が低下するので
好ましくない。
【0028】次に本発明のFe基軟磁性合金において添
加する元素M3として、Cu、Ag、Au、Pd、P
t、Biの1種または2種以上を4.5原子%以下含有
させることができる。これらの元素の添加により、軟磁
気特性が改善される機構については明らかではないが、
結晶化温度を示差熱分析法により測定したところ、上記
Cu、Ag等の元素を添加した結晶化温度は、添加しな
い合金に比べてやや低い温度であると認められた。これ
は前記元素の添加により非晶質が不均一となり、その結
果、非晶質の安定性が低下したことに起因すると考えら
れる。不均一な非晶質相が結晶化する場合、部分的に結
晶化しやすい領域が多数でき不均一核生成するため、得
られる組成が微細結晶粒組織となると考えられる。
【0029】以上の観点から上記元素以外の元素でも結
晶化温度を低下させる元素には、同様の効果が期待でき
る。また、Feに対する固溶度が著しく低い元素である
場合についても、相分離傾向があるため、加熱によりミ
クロな組成ゆらぎが生じ、非晶質相が不均一となる傾向
が顕著になると考えられ、組織の微細化に寄与するもの
と考えられる。しかしながら、Cu、Agなどの元素の
添加量が4.5原子%を越えるようであると、軟磁気特
性、飽和磁束密度等の磁気特性が劣化するために好まし
くない。
【0030】次に本発明のFe基軟磁性合金において添
加する元素M4として、Cr、Ru、Rh、Irの1種
または2種以上を5原子%以下含有させることができ
る。これらの元素は、耐食性向上の目的で添加するもの
で、添加量が5原子%を越えるようであると、磁気特性
が劣化するため好ましくない。
【0031】更に、本発明合金におけるFe、Ni、C
o量は、75〜93原子%である。これは、bが93原
子%を超えると高い透磁率が得られないためであるが、
飽和磁束密度10kG以上を得るためには、bが75原
子%以上であることが好ましいのでこのような範囲とし
た。
【0032】一方前記急冷法で得られた各組成の合金薄
帯を巻回することでトロイダル型等の磁気コアを得るこ
とができる。前記各組成のFe基軟磁性合金により形成
された薄帯であるならば、後述する如く表面荒さRz
4〜8μm、最大表面荒さRmaxを6〜10μmとした
凹凸の小さい薄帯を得ることができる。また、この薄帯
は、表面の凹凸が少ないので、トロイダル型のトランス
コア用として薄帯を巻回してコアを構成しても、薄帯間
の隙間を小さくすることができ、単位体積あたりに占め
る軟磁性材料の割合を大きくできるので、損失の少ない
好適なコアを得ることができる。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の軟磁性合金の組成限定理由
について実施例をもって詳細に説明する。以下の各実施
例に示す合金は、単ロール液体急冷法により作成した。
即ち、1つの回転している鋼製ロール上に置かれたノズ
ルより溶融金属をアルゴンガスの圧力により前記ロール
上に噴出させ、急冷して薄帯を得る。以上のように作成
した薄帯の幅は約15mmであり、厚さは約20〜40
μmであった。透磁率は、薄帯を加工し、外径10m
m、内径6mmのリング状としたもの、または、幅1m
m、長さ60mmの短冊状の試料を用い、インダクタン
ス法により測定した。実効透磁率(μe)の測定条件は
10mOe、1kHzとした。なお、特に規定しない限
り以下に示す実施例では、600℃〜700℃の温度で
1時間加熱した後に焼き鈍しを行った後の磁気特性を示
す。
【0034】Fe90-xZr73Alxなる組成系のFe
基軟磁性合金試料を前記液体急冷法で作成し、得られた
ものを急冷した試料と600℃に加熱後3.6ksで徐
冷して熱処理して得た試料のそれぞれにおいてAlの含
有量に対する磁歪(λs)を測定し、次いで、熱処理し
た試料の飽和磁束密度(Bs)と実効透磁率(μe)の
値を測定した。それぞれの測定結果を図1に示す。
【0035】図1に示す結果から、Fe90-xZr73
xなる組成系のFe基軟磁性合金試料にAlを添加す
る場合、磁歪はAl添加量が多くなるにつれて大きくな
り、5原子%以下とする場合に磁歪の値がゼロ近くにな
ることが明らかである。また、Al添加量2原子%にお
いて磁歪はほぼゼロとなる。即ち、Al添加量を5原子
%以下にすることで磁歪を2.5×10-6以下にするこ
とができる。更に、磁歪をほぼゼロと見なし得る程度に
低くするためには、Al添加量を0〜3原子%の範囲に
することがより好ましいことが明らかである。これは、
Feを主成分とするbcc相にAlが固溶し、bcc相
の磁歪が次第に大きくなっていったことによるものであ
るものと考えられる。
【0036】また、図1に示す結果から、飽和磁束密度
はAl添加量の増大とともに低下しAl添加量が5原子
%を越えると1.5T(テスラ)を下回る。従って、飽
和磁束密度を1.5T以上にするためには、Al添加量
を5原子%以下に設定する必要があることが明らかであ
る。更に、実効透磁率はAlの添加量が10原子%を越
えると10000を下回るために、実効透磁率を100
00以上にするためには、Alの添加量を10原子%以
下にしなくてはならない。以上の結果を鑑み、本発明で
はAlの添加量を5原子%以下とすることが好ましいと
判断した。
【0037】次に、Fe88Zr73Al2なる組成の試
料とFe89Zr72Al2なる組成の試料の磁歪と飽和
磁束密度と実効透磁率について製造後の熱処理温度依存
性を測定した結果を図2に示す。図2に示す結果から、
熱処理温度を550℃〜650℃の範囲で処理した試料
において磁歪がゼロ近くになっており、この熱処理温度
範囲では飽和磁束密度が高く、実効透磁率の値も高いこ
とが明らかである。図2に示す結果から磁歪をゼロ近く
とし、飽和磁束密度を1.5T近傍あるいはそれ以上と
し、実効透磁率を10000以上とするには、550〜
650℃の範囲で熱処理することが好ましいことが明ら
かである。
【0038】図3はコアロスの周波数依存性を測定した
結果を示す。図3に示す結果から明らかなように、Fe
83Nb79Ga1、Fe83Nb79Al1なる組成を示す
本発明の合金試料では、Fe78Si913なる組成を有
する比較例のFe基非晶質合金試料あるいはGa、Al
を添加していないFe84Nb79なる組成を有する比較
例試料よりもいずれの周波数においても、コアロスが低
減されていることが明らかである。
【0039】図4はFe83Nb791(X=Ge、G
a、Al)なる組成の試料と、元素Xを添加していない
Fe84Nb79なる組成の試料におけるμ'(透磁率
(実部))の値およびtanδ(誘電正接)の値の周波
数依存性を測定した結果を示す。 図4から明らかなよ
うに、μ'の値は、Ga、Geを添加した試料において
は向上している。また、tanδの値はAlを添加した
試料については広い周波数領域において低減され、G
a、Geを添加した試料についても低周波数領域におい
て低減されている。以上のことから、Ge、Ga、Al
を添加することでμ'の値を向上でき、tanδの値を
低減できることが明らかである。
【0040】図5はFe90-xZr73Sixなる組成を
有する合金試料のSi量を0〜15原子%の範囲で変化
させた場合の実効透磁率(μe)と飽和磁束密度(B
s)と磁歪(λs)の値を示す。図5から明らかなよう
に、600℃にて熱処理した試料では、Si含有量が3
原子%付近で磁歪がゼロになり、更にSi添加量を増加
させても磁歪は大きくならないが、Si添加量が5原子
%を越えると透磁率で10000を飽和磁束密度で1.
5Tを下回るために好ましくない。従ってほぼゼロの磁
歪と高い飽和磁束密度および高い実効透磁率を得るため
には、Siの添加量を5原子%以下とすることが好まし
く、2〜5原子%の範囲とすることがより好ましいこと
が明らかである。
【0041】図6はFe86Zr73Si4、Fe87Zr7
2Si4なる組成を有する本発明の試料における熱処理
による透磁率、飽和磁束密度、磁歪の変化を示す。図6
に示す結果から明らかなように、550〜650℃の範
囲の熱処理温度でほぼゼロの磁歪と1.5T以上の飽和
磁束密度と10000以上の透磁率が得られることがわ
かる。以上の測定結果のように、本発明におけるFe基
軟磁性合金の磁歪がゼロになるのは、Al、Si、G
a、Geなどの半金属元素を添加することによって組織
の大部分を占めるFe主成分のbcc相の磁歪がほぼゼ
ロになるためであると考えられる。これにより、本発明
の軟磁性合金を磁心などに利用する場合、樹脂モールド
による軟磁気特性の劣化を防止することができる。ま
た、液体急冷法により本発明の軟磁性合金を製造する場
合、Al、Si、Ga、Geなどの元素が添加されてい
る合金は、これらの元素が添加されていない合金よりも
同じ吹き出し温度で製造した場合にノズルの劣化が少な
く、ノズルの交換が少なくて済む特徴がある。従って大
量生産の場合にノズル交換の機会を少なくして工数の削
減を果たすことができ、製造コストも削減できる効果が
ある。
【0042】図7はFe90-xZr7Six3なる組成の
合金試料薄帯を前記急冷法で製造した場合における表面
荒さ(Rz)と最大表面荒さ(Rmax)に対するSi添加
量の影響を測定した結果を示す。表面荒さとは、JIS
B’0601に規定されている10点平均荒さを触針
式の表面荒さ計により計測した結果を示し、最大表面荒
さは、触針式の表面荒さ計により計測した最大表面荒さ
を示す。図7に示す結果から明らかなように、この例の
試料では、表面荒さが4〜8μmの範囲、最大表面荒さ
が6〜10μmの範囲であって凹凸が少なく充分に小さ
い範囲であり、滑らかであることが判明した。このよう
に表面荒さの値が小さいものでは、トロイダル型のコア
等を製造するために薄帯を巻回してコイル加工した場合
に、重ねて巻回した薄帯間に隙間が生じ難くなり、コイ
ル加工した場合に単位体積当たりに存在する軟磁性合金
の密度を高くすることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明のFe基軟磁
性合金は、従来の実用合金より優れた飽和磁束密度を示
すとともに、透磁率が従来の実用合金よりも高く、組成
に応じて10000を超える透磁率が容易に得られると
ともに、1.5Tを越える高い飽和磁束密度を示し、更
に低い磁歪を示す。これは、Si、Al、Ge、Gaの
うち1種または2種以上をFeのbcc相に固溶させる
ことで、組織の大半を占めるbcc相の磁歪をほぼゼロ
にできるためである。また、組成に応じて磁歪を制御す
ることもでき、磁歪をほぼゼロにすることができる。更
に本発明合金は、低周波域においては勿論、高周波域に
至るまで従来合金よりも低いコアロスを実現でき、ta
nδの値も小さくすることができ、損失も少なくできる
ので、コア用に使用した場合に高周波域まで使用できる
コアを提供できる。
【0044】この種のFe基軟磁性合金において、(F
1-aabx M1y M2zなる組成式で示され、a=
0〜0.2、b=75〜93原子%、x=0.5〜18原
子%、y=4〜10原子%、z=5原子%以下の範囲と
したものでは、確実に磁歪をゼロ近くの小さな値にでき
るとともに、1.5Tを越える飽和磁束密度を示し、透
磁率が10000を越え、更にコアロスとtanδの小
さいものが確実に得られる。
【0045】また、この種のFe基軟磁性合金におい
て、(Fe1-aabx M1y M2zM3dなる組成式で
示され、d=4.5原子%以下である範囲としたもので
も、確実に磁歪をゼロ近くの小さな値にできるととも
に、1.5Tを越える飽和磁束密度を示し、透磁率が1
0000を越え、更にコアロスとtanδの小さいもの
が確実に得られる。更に、この種のFe基軟磁性合金に
おいて、(Fe1-aabx M1y M2zM3d M4eなる
組成式で示され、e=5原子%以下である範囲としたも
のでも、確実に磁歪をゼロ近くの小さな値にできるとと
もに、1.5Tを越える飽和磁束密度を示し、透磁率が
10000を越え、更にコアロスとtanδの小さいも
のが確実に得られる。
【0046】また、前記Fe基合金の元素M1として、
Ti、Nb、Taのうち1種または2種以上とし、x=
6.5〜18原子%の範囲としたものでも同等の性能の
Fe基軟磁性合金を得ることができる。以上のことから
本発明の軟磁性合金は、より一層の小型化、高性能化が
要求されているトランス、チョークコイル用、あるい
は、磁気記録媒体の高保磁力化に対応することが必要な
磁気ヘッド用として好適であって、これらの用途に供し
た場合、これらの性能の向上と小型軽量化をなし得る効
果がある。
【0047】一方、前記各組成のFe基軟磁性合金によ
り形成された薄帯であるならば、表面荒さRzを4〜8
μm、最大表面荒さRmaxを6〜10μmとした凹凸の
小さい薄帯を得ることができる。また、本発明の薄帯
は、表面の凹凸が少ないので、トロイダル型のトランス
コア用として薄帯を巻回してコアを構成しても、薄帯間
の隙間を小さくすることができ、単位体積あたりに占め
る軟磁性材料の割合を大きくできるので、損失の少ない
好適なコアを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るFe90-xZr73Alxなる組成
の合金試料の磁歪と飽和磁束密度と実効透磁率に対する
Al含有量の影響を示す図である。
【図2】本発明に係るFe88Zr73Al2なる組成の
合金試料とFe89Zr72Al2なる組成の合金試料の
磁歪と飽和磁束密度と実効透磁率に対する熱処理温度依
存性を示す図である。
【図3】本発明に係るFe83Nb79Ga1、Fe83
79Al1なる組成を示合金試料と、Fe78Si913
なる組成を有する比較例非晶質合金試料と、Fe84Nb
79なる組成を有する比較例試料のコアロスの周波数依
存性を示す図である。
【図4】本発明に係るFe83Nb791(X=Ge、
Ga、Al)なる組成の試料と、Fe84Nb79なる組
成の比較例試料におけるμ'の値およびtanδの値の
周波数依存性を示す図である。
【図5】本発明に係るFe90-xZr7Six3なる組成
の合金試料の磁歪と飽和磁束密度と実効透磁率に対する
Si含有量の影響を示す図である。
【図6】本発明に係るFe86Zr7Si43なる組成の
合金試料とFe87Zr7Si42なる組成の合金試料の
磁歪と飽和磁束密度と実効透磁率に対する熱処理温度依
存性を示す図である。
【図7】本発明に係るFe90-xZr7Six3なる組成
の合金試料の表面荒さと最大表面荒さに対するSi含有
量の影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000010098 アルプス電気株式会社 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地 川内住宅 11−806 (72)発明者 宮内 義浩 東京都中央区銀座2丁目11番8号 日本電 工株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si、Al、Ge、Gaのうち1種また
    は2種以上が固溶したFeを主成分とするbcc相と、
    Bを含む非晶質相とを具備してなり、更に、Ti、Z
    r、Hf、Nb、Ta、Mo、Wのうち1種または2種
    以上の元素Mを含み、前記bcc相の組織の少なくとも
    50%以上を平均結晶粒径30nm以下の微細な結晶粒
    から構成し、全体として磁歪がほぼゼロであることを特
    徴とするFe基軟磁性合金。
  2. 【請求項2】 次式で表される組成を有することを特徴
    とする請求項1に記載のFe基軟磁性合金。 (Fe1-aabx M1y M2z 但しQは、NiおよびCoのうち1種または2種であ
    り、M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
    o、Wのうち1種または2種以上の元素であり、M2
    は、Si、Al、Ge、Gaのうち1種または2種以上
    の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、zは、 a=0〜0.2、 b=75〜93原子%、 x=
    0.5〜18原子%、 y=4〜10原子%、 z=
    5原子%以下である。
  3. 【請求項3】 次式で表される組成を有することを特徴
    とする請求項1に記載のFe基軟磁性合金。 (Fe1-aabx M1y M2z M3d 但しQは、NiおよびCoのうち1種または2種であ
    り、M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
    o、Wのうち1種または2種以上の元素であり、M2
    は、Si、Al、Ge、Gaのうち1種または2種以上
    の元素であり、M3は、Cu、Ag、Au、Pd、P
    t、Biのうち1種または2種以上の元素であり、組成
    比を示すa、b、x、y、z、dは、 a=0〜0.2、 b=75〜93原子%、x=
    0.5〜18原子%、 y=4〜10原子%、 z=5原子%以下、 d=
    4.5原子%以下である。
  4. 【請求項4】 次式で表される組成を有することを特徴
    とする請求項1に記載のFe基軟磁性合金。 (Fe1-aabx M1y M2z M3d M4e 但しQは、NiおよびCoのうち1種または2種であ
    り、M1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
    o、Wのうち1種または2種以上の元素であり、M2
    は、Si、Al、Ge、Gaのうち1種または2種以上
    の元素であり、M3は、Cu、Ag、Au、Pd、P
    t、Biのうち1種または2種以上の元素であり、M4
    は、Cr、Ru、Rh、Irのうち1種または2種以上
    の元素であり、組成比を示すa、b、x、y、z、d、
    eは、 a=0〜0.2、 b=75〜93原子%、 x=
    0.5〜18原子%、 y=4〜10原子%、 z=5原子%以下、 d=
    4.5原子%以下、 e=5原子%以下である。
  5. 【請求項5】 前記M1は、Ti、Nb、Taのうち1
    種または2種以上の元素であり、x=6.5〜18原子
    %であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記
    載のFe基軟磁性合金。
  6. 【請求項6】 請求項2〜4のいずれかのFe基軟磁性
    合金により形成されたことを特徴とするFe基軟磁性合
    金薄帯。
  7. 【請求項7】 請求項2〜4のいずれかのFe基軟磁性
    合金により形成された薄帯の表面荒さRzが4〜8μ
    m、最大表面荒さRmaxが6〜10μmであることを特
    徴とするFe基軟磁性合金薄帯。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004218037A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Hitachi Metals Ltd 高飽和磁束密度低損失磁性合金ならびにそれを用いた磁性部品
US7067022B2 (en) 2000-11-09 2006-06-27 Battelle Energy Alliance, Llc Method for protecting a surface

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